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猟兵と信徒と触れ合う手と手

#UDCアース #グリモアエフェクト #UDC-P #猫好き信徒のお話

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『日本支部にて収容中のUDC-P■■■■、通称【黄昏の信徒】について』

 2019年12月に収容された黄昏の信徒(以下、信徒)だが、現在は比較的安定した状態で収容されている。
 2021年5月に発生した大祓百鬼夜行における妖怪襲撃事件を経て、UDC組織の調査にはより意欲的に取り組んでくれるようにもなった。
 知力や学力は小学校高学年の児童程度まで成長し、社会常識なども多く学んでくれた。
 運動能力も申し分なく、日常生活においては健康状態も良好だ。
 それはとても喜ばしいことなのだが、だからこそ課題も見えてきている。

 信徒に宿る呪詛が根強く、収容から3年弱経った今でも残っているのだ。
 それが時折溢れ出ることがあり、場合によっては薬物の投与などで落ち着かせることもある。
 呪詛が溢れ出るのは信徒が強くストレスを感じている時であり、なるべく彼にはストレスなく過ごしてもらう必要があるだろう。
 しかし、快適な環境下においても呪詛が溢れ出る場合があるようだ。
 その際に脳波などを計測した結果、トラウマが喚起されていることが判明している。
 信徒が生まれる際に犠牲となった生贄の記憶などが、一時的に蘇ることがあるのだ。

 この性質を抑えるために、信徒にはトラウマの向き合い方を知ってもらう必要がある。
 また、信徒自身の能力をより深く知るために模擬戦闘も計画されている。
 これらはUDC組織だけで行うのは危険だろう。
 是非とも猟兵に協力を要請したい。


「集合お疲れ様。今回はオブリビオン退治……じゃなくてUDC組織の手伝いをお願いしたいんだ」
 ゆるりとした笑顔を浮かべつつ、レン・デイドリーム(白昼夢の影法師・f13030)が口を開く。今回はUDC職員としても頼み事をしたいようだ。
「皆は『UDC-P』って知ってるかな? 彼らはオブリビオンでありながら破壊の意志を持たず、人間と仲良くなれる不思議なUDCだよ。そんな子達がUDC組織にはたくさん保護されてて……その内の一体について、調査と模擬戦闘の計画があるから手伝ってほしいんだ」
 UDC-Pは人間に対し悪意や敵意は持たないが、それでも能力は普通の怪物と変わりない。
 暴走の危機も孕んでいるため、何か大掛かりな調査をするならば猟兵の手助けが必要なのだろう。

「対応をお願いしたいのは『黄昏の信徒』というUDC-Pだよ。仮面とフードをつけた小人のようなUDCで、戦闘能力以外は普通の男の子みたいな感じかな。動物が好きで穏やかな性格をしているよ」
 説明を続けつつ、レンは猟兵達へと資料を配る。
 そこには『黄昏の信徒』の詳細と、これまで彼が関わってきた事件の記録が記されていた。
「普段は問題のない子なんだけど……一つ悩みがあってがあって。信徒くんは生贄によって作られた存在で、その肉体に宿るトラウマが時々呼び起こされてしまうんだ。その際は呪詛が溢れて危険で、無理やり鎮圧する必要だって生じる。だからその性質を抑えるために……信徒くんにトラウマとの向き合い方を教えてあげて欲しいんだ」
 厳密にいうと、信徒は強いストレスに晒された際に呪詛を溢れさせてしまう。
 そのため自力で強いストレス――蘇るトラウマに向き合うことが出来れば、無理やり鎮圧させるような行為が必要とならなくなる可能性があるのだ。

「皆のそれぞれの体験談とか、一般論とか、なんでもいい。信徒くんにとって何が効果的かは分からない、色々教えてあげて欲しいんだよ。たくさんアイデアがあれば、信徒くんもたくさん試せるだろうから」
 猟兵と言葉を重ねているだけでも、信徒にとっては気付きがあるだろう。
 そしてそれが、彼を救う手助けになるはずだ。
「最初の調査がある程度纏まったら、模擬戦闘もお願いしたいよ。信徒くんに敵意はないけれど、彼にはオブリビオンとしての本能がある。色んな刺激を与えて、彼に経験を積ませて欲しい」
 信徒は頑丈なため、本気で殺しにいかない限りは大怪我をすることもない。
 のびのびと戦い、互いに経験を積むのが今後のためだろう。

「それで全部の調査が終わったら、もうひとつだけ仕事をお願いしたいな」
 そう言いつつレンが取り出したのは――猫カフェのチラシだ。
「組織がお礼も兼ねて、この猫カフェを貸し切りにしてくれるんだ。そこでいっぱい猫と遊んできて欲しい。その時余裕があればでいいんだけど、猫の写真撮って送ってくれないかな? 信徒くんのお土産にしたくて」
 信徒は生贄にされかけていた猫を助けたことをきっかけに、UDC-Pとしての性質を目覚めさせた。
 そんな彼も組織内部にいる間は、猫に触れ合うことは難しい。
 だからせめて写真だけでも――そんな思いでカフェの貸し切りが提案されたようだ。
「戦いとか調査の疲れも、ゆっくり癒やしにいって貰えたらと思う。それじゃ、説明はこのくらいかな?」
 レンは話を締めくくりつつ、猟兵達に改めて笑顔を向ける。
「それじゃ、今回もよろしくお願いするよ。良い報告、待ってるね」


ささかまかまだ
 こんにちは、ささかまかまだです。
 UDCアースの今後に備え、コツコツと。

●一章『UDC-Pの特性を更に調べよう』
 調査対象である信徒は、肉体から蘇るトラウマに苛まされることがあります。
 その際の危険性を減らすためにも、彼にトラウマとの向き合い方を教えてあげて下さい。
 こういう風に乗り越えたよ、という体験談でも。咄嗟にリラックスする方法でも。
 猟兵から受けたアドバイスは、きっと信徒の糧になります。

●二章『模擬戦』
 信徒の能力を試すため、模擬戦を行います。
 色んな戦いを試してみましょう。

●三章『ねこねこねこ』
 UDC組織が猫カフェを貸し切りにしてくれたので、遊びにいきましょう。
 色んな飲食物、色んなねこちゃんがいます。
 写真を撮って送ってくれれば、信徒も喜ぶでしょう。

●UDC-P『黄昏の信徒』
 かつて猟兵によって保護された、敵意のないUDCです。
 性格は穏やかで動物、特に猫が好き。
 言葉を話すことは出来ませんが、人間の言葉は理解しています。非戦闘時なら簡単な筆談も行えます。

 ※登場シナリオ(読まなくても問題ありません)
 「猫と信徒と小さなしあわせ」
 (https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=16592)

 「大祓百鬼夜行㉑〜妖怪と信徒の小さな戦い」
 (https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=34940)


 どの章からでも参加していただいて大丈夫ですし、特定の章だけ参加していただくのも歓迎です。
 進行状況や募集状況はマスターページに適宜記載していく予定です。
 締め切りの告知もそちらで行っているので確認していただけると幸いです。

 それでは今回もよろしくお願いします。
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第1章 冒険 『UDC-Pの特性を更に調べよう』

POW   :    頑丈な肉体で危険に耐えつつ、UDC-Pの身体を調べる。

SPD   :    UDC-Pの危険な性質を安全に調査する方法を編み出す。

WIZ   :    危険な性質が発現する、より詳細な条件を考察する。

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 猟兵達はUDC組織の案内を受け、広い部屋へと案内された。
 内部は学校の体育館のようになっており、様々な道具が置かれている。
 そしてその中央には、猟兵達に手を振る信徒の姿があった。

 信徒はスケッチブックを取り出すと、そこにいそいそと文字を記す。
『今日はよろしくおねがいします』
 その言葉と共にぺこり、と挨拶する姿は小さな子どものようだ。

 しかし忘れてはいけない。信徒は呪詛を宿したままの、危険な存在でもある。
 彼から危険を取り除くには、少しずつ問題を解決していくしかないだろう。
 今日はそのための第一歩――トラウマの乗り越え方、向き合い方の講習会だ。


 すぐ用意出来そうな道具などは組織が提供してくれます。
 机や椅子、飲み物やお菓子なんかも用意されています。
 まずはリラックスしつつ、信徒に色々なことを教えてあげて下さい。
草剪・ひかり
POW判定
お色気、キャラ崩し描写、即興連携等歓迎

はじめましての子に会うので、まずはちゃんとしたグレーのスーツ姿で面会しに行くよ
これでもプロレス団体の経営者でもあるからね

はじめまして、Pちゃん(=UDC-P)
私も猟兵で、そしてプロレスラーなのよ

その上で、私がどんな人か知ってもらえるように質問を受ける
Pちゃんが私に興味を持って心を開いてくれたところで
今度は私から少しずつ話を振る

今の普段の生活のこと
好きなこと、楽しいこと
そして苦手なこと、つらいことを教えてもらおう

特につらいこと等は、無理に多くを聞き出そうとしない
他の皆の検討材料を少しでも拾えればOK
じっくり根気よく、膝を突き合わせて向かい合いたい




 緊張気味の信徒の前に、一人の猟兵が姿を現す。
 彼女は草剪・ひかり(次元を超えた絶対女王・f00837)。優しく笑みを湛えつつ、ひかりは信徒に視線を合わせる。
「はじめまして、Pちゃん。私も猟兵で、そしてプロレスラーなのよ。今日はスーツだけども……」
 普段は専用のリングコスチュームに身を包み戦うひかりだが、今日はグレーのスーツを着込んでいる。
 これはプロレス団体の経営者としての衣服。はじめましての子に会うのだから、礼節が大切だと判断しての選択だ。
 そんなひかりの姿に信徒も安心している様子。ひかりの礼儀正しさや優しさが、振る舞いから伝わっているのだろう。

 ひかりと信徒は膝を突き合わせて椅子に座り、お茶なんかを片手にゆるりと雑談を始めていく。
「Pちゃん、少し私とお話しましょうか。何か聞きたいことはある?」
『プロレスラーってどんなおしごと?』
「プロレスっていう格闘技をする人のことでね、ええっと……」
 最初は他愛のない話から。ひかりは信徒からの質問を受けて、どんどん会話を広げていく。
 信徒にとっても外の世界のことは興味深く、また楽しいものなのだろう。
 少しずつ会話が進んでいけば、内容はより深くなっていく。
「今度は私から質問しましょうか。Pちゃんって今はどんな暮らしをしているの?」
『組織のみんなに勉強をおしえてもらったり、色々調べたりしてもらってるよ』
「それで楽しいこととか、好きなことがあれば教えて欲しいの。どんなことでもいいわ」
 ひかりの質問を受け、信徒はさらさらとスケッチブックに言葉を記す。
 勉強は好き。研究は大変だけど、皆が喜んでくれるから好き。
 動物が好き。綺麗な風景が好き。その写真を見せてもらうのが好き。
 信徒の感性は子供のものとよく似ていて、それを受け止めるひかりも優しい微笑みを浮かべていた。

 けれど物事は楽しいだけではない。もう少し踏み込もうと、ひかりはしっかり信徒を見据えた。
「良ければでいいのだけど、悩みなんかもあれば教えて欲しいの。勿論無理はしなくていい、でもあなたの悩みを皆で解決したいのよ」
 ひかりの真剣な言葉を受け、信徒は暫し考え込む。
 そして返ってきた言葉は――。
『痛いのと怖いのはいや。でも時々すごく怖くて痛くなる。きっと昔のことを思い出してるんだと思う』
 信徒は苦痛を良しとするカルトの生まれ。そこを抜け出して数年経つが、苦痛の記憶は時間だけで癒える傷でもないのだろう。
 だからひかりは信徒の影のような手を握り、彼へと確かな言葉を向ける。
「……大変だったのね。でも、どこが痛いのか分かれば大丈夫。皆で治していきましょう」
 時間だけが癒やしてくれなくても、あなたには一緒に傷に向き合う仲間がいる。
 苦難を乗り越える仲間がいてくれるなら、大丈夫。そのことはひかりもよく知っているから。
 だからこそ紡がれた言葉に、信徒は頷きを返す。その様子に、ひかりもまた笑顔で頷くのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

サンディ・ノックス
こんにちは、よろしくね
にこやかに挨拶を返す

医学的な対処法は知らないけど、苦しいことが頭に思い浮かんだ時にどうしたらいいか、俺のやり方を伝えるよ
好きな物や出来事を思い浮かべるんだ
最初のうちは思い浮かべるって難しいから連想できる物品があるといいね
というわけで黒猫の人形をプレゼント
あとで写真も送ってあげるね
これらをきっかけに実際に動物と触れ合った経験を連想できるとより効果的なはず
だから次はUC招集・朔を使用して黒猫を召喚するよ
追跡用UCだから今日は信徒くんの近くにいるように指示
彼、呪われた武器に宿る魂が変じたものだから意思もあるんだよね
信徒くんの持つ呪詛が気になるのか黒猫は好意的みたい、身を寄せてる




 サンディ・ノックス(調和する白と黒・f03274)から見た信徒はまさに小さな子供のようだった。
 悪意に鋭いサンディだからこそ、UDC-Pという存在が宿す悪意の小ささは簡単に理解が出来る。
 ならばしっかりと手を差し伸べよう。そんな思いと共に笑顔を浮かべ、サンディは信徒の元へ歩み寄った。
「こんにちは、俺はサンディ。今日はよろしくね」
『よろしくおねがいします』
 二人で挨拶を交わしたら、一緒に椅子に座ってお話を。
 簡単に自己紹介などを済ませてから、サンディは自分なりの話を始めることにした。

「信徒くんの悩みについては聞いているよ。医学的な対処法は知らないけど、苦しいことが頭に思い浮かんだ時にどうしたらいいか、俺のやり方を伝えるね」
『ぜひ聞きたいです。おねがいします』
 サンディの言葉に信徒はどこか前のめり。その様子も子供のようで、サンディの笑顔も柔らかく変わる。
「辛い時は好きな物や出来事を思い浮かべるんだ。最初のうちは思い浮かべるって難しいから連想できる物品があるといいね、という訳で……はい」
 言葉と共に差し出すのは、ふわふわの黒猫ぬいぐるみだ。
 それを信徒に手渡せば、彼は影のような手でぎゅっと抱きしめる。頭を何度も下げているのは感謝を示しているんだろう。
「本当に猫が好きなんだね、後で猫の写真も送るよ。それで、ぬいぐるみを触っていたら安心しないかな?」
 サンディの言葉を受け、信徒はぬいぐるみをふわりと触る。そして返すリアクションは、大きな頷きで。
「そうそう。ぬいぐるみだけじゃない。本物の動物に触った時の楽しい思い出とか、そういうのも思い出せると効果的だね。だから……」
 言葉を続けつつ、サンディが取り出したのは暗夜の剣だ。
 突然出てきた武器に信徒も最初は驚いていたが、けれど次に出てきたものを見れば彼も落ち着くだろう。

「動く自由をあげるから、頼みを聞いて。今日は信徒くんの近くにいてあげてね」
 サンディが剣を撫でれば、そこから現れたのは可愛らしい黒猫だ。
 黒猫は赤い瞳で信徒を見上げ、彼の頭へさっと登る。その様子に信徒も嬉しそうだ。
「本物の猫と触れ合うのは難しいかもしれないけど、彼なら大丈夫。きっと君と仲良くなってくれるよ」
 赤い瞳の黒猫は呪われた武器に宿る魂が変じたもの。信徒に宿る呪詛とも相性は良いし、互いに傷付け合うこともないだろう。
 信徒は何度もサンディに頭を下げ、猫と戯れる。猫の方もうなー、と鳴きつつ満足げだ。
 楽しい思い出を重ねる二人を見るサンディも、また優しい記憶を宿していくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

二條・心春
やはりそう簡単にはいきませんか……。ですがUDCのことなら私も力になれると思います。信徒さんのためにも頑張りますよ。

まず自己紹介ですね。私のことを知ってもらうためにも、ワームさんにも来てもらいましょうか。似たような存在がいた方が彼も話しやすいかもしれません。大丈夫、この子は私の大切なお友達ですよ。
トラウマという程のものはありませんが、パニックになりそうな時には、好きなこととか大切な人のことを思い浮かべるようにしています。他のことを考えれば落ち着くし、安心できますから。ね、ワームさん?貴方にもそういうものとか、人がいるでしょうか?よければ教えてください。言葉にすれば想いも強くなるはずです。




「やはりそう簡単にはいきませんか……」
 渡された資料をざっと確認し、二條・心春(UDC召喚士・f11004)は小さく息を吐く。
 UDC組織とUDC-Pが関わりだしてから、それなりの時間は経っている。けれど問題はまだまだ山積みで対処すべきことも多い。
 けれど、だからこそ。組織の協力者として、何か力になれたのなら。信徒のためにも今日は頑張ろう。
 そんな決意を胸に抱いて、心春は信徒の元へと歩く。
「まず自己紹介ですね。私は二條心春、この組織の協力者です」
『はじめまして よろしくおねがいします』
 まずは握手を交わして打ち解け合って。このまま話を始めてもいいのだけれど、心春には一つ考えがあった。
「私の友達に君に似た子がいるんです。という訳でワームさん、お願いします」
 心春の呼びかけに応じ現れるのは、翼を持つ蛇竜だ。その姿に信徒も少し驚いているが、心春は優しく言葉を紡ぐ。
「大丈夫、この子は私の大切なお友達ですよ。だから安心して下さいね」
 その言葉を受けてか、信徒はワームにも挨拶している様子。ワームも信徒を優しく見守っているようで、打ち解け合うのに時間はかからないだろう。
 そうやって場が和んでいけば、話はより深く。心春は信徒の方を見つめつつ、更に言葉を紡いでいく。

「それで恐怖の乗り越え方、ですよね。トラウマという程のものはありませんが、パニックになりそうな時には……好きなこととか大切な人のことを思い浮かべるようにしています」
 猟兵の戦い、とりわけUDCが関わるものなら精神を害されることも多い。
 そんな時どうするか。心春が思い浮かべるのは、可愛らしいもの、綺麗なもの、大切な友人など――自分と日常を繋いでくれるものだ。
「他のことを考えれば落ち着くし、安心できますから。ね、ワームさん?」
 ワームもこくこく頷いて、同意を示してくれる。彼も強力な存在だが、心春や周りとの繋がりは大切なのだろう。
「貴方にもそういうものとか、人がいるでしょうか?」
『ぼくはねこが好き。みんなでべんきょうしたりとか そういうのも好き』
 心春の言葉を受けて、信徒はスケッチブックに言葉を記す。よかった、この子にも大切なものがあるのだ。
「そんな風に言葉にすれば想いも強くなるはずです。辛い時こそ、素敵なものや大切なものが支えになってくれますから」
『ありがとう おねえさんの言葉もわすれないよ』
 信徒にとって今日の出会いも、きっと大きな支えになるはず。
 そのきっかけを作れたことに、心春は安堵の笑みを零すのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

葵衣・慧斗
初めまして
…ええと、どうしようかな
目線を合わせるのに床に座って話をしようか
あまり上手くないけど、聞いてくれるかな

トラウマ…あるよ
どうしても、人前に立つのが苦手で…普通に喋るのもあんまり好きじゃない
だからかな、趣味って言うか、僕ベースやってるんだけど人前に出られないなら向いてない止めろって言われた事があってね
一時期は本当に怖かったよ
でも、止められないから何か方法が無いか探したんだ
僕は違う自分を作る事、だった
メイクでも衣裳でも…なんでも良いんだ、気持ちの切り替えのスイッチを自分で見つける事
それを見つけてから、僕は人前で演奏も出来るようになったよ
だから…前向きになるスイッチ見つかったら良いね




 葵衣・慧斗(メガリス・アクティブのフリッカークラブ・f38645)もまた信徒の元を訪れて、彼の方へ歩み寄る。
 今日の服装は眼鏡に普段着の学生モード。そんな彼の姿を、信徒はじっと見つめているようだ。
「初めまして、僕は葵衣・慧斗というよ。今日はよろしくね」
 ぺこり。返ってくるのはお辞儀。その様子には慧斗も微笑ましげだが、さてここからどうしようか。
 暫し二人で見つめ合ったあと、慧斗は少し困ったように視線を逸した。
「……ええと、どうしようかな。とりあえず座ろうか」
 慧斗がその場に座り込めば、信徒も合わせて隣に座って。これで目線も合わせやすくなるだろう。
 そうすれば、今度はより深い話をする時だ。

「トラウマの乗り越え方、だよね。僕にもトラウマ……あるから、辛い気持ちは分かるんだ」
 慧斗がゆっくりと紡ぎ始めた言葉を、信徒は真剣に聞き入っている様子。
 その状況に少し緊張はするけれど、慧斗は頑張って言葉を紡いでいく。
「どうしても、人前に立つのが苦手で……普通に喋るのもあんまり好きじゃない。だからかな、趣味って言うか、僕ベースやってるんだけど」
 話しつつ慧斗が取り出したのは自分のスマホだ。
 配信のアーカイブを呼び出す傍ら、更に話は続く。
「人前に出られないなら向いてない止めろって言われた事があってね。一時期は本当に怖かったよ。でも、それでベースは止められなかった」
 『向いてない』という言葉自体は辛かったけれど、今まで積み重ねてきた努力は裏切りたくない。
 その時は強くそう思ったから。その気持ちを胸に、思い出すのは当時のことだ。

「だから違う方法を探したんだ。違う自分を作る事、そうやって乗り越えたくて」
 慧斗がスマホをタップすれば、そこに映るのはヴィジュアル系のメイクを施した慧斗の姿。
 彼の華麗な演奏に信徒も聞き惚れているようだ。
「……これ、僕なんだ」
『そうなんだ。すごい かっこいい』
 信徒が記す言葉には照れ笑いを浮かべつつ、慧斗はじっと信徒を見つめる。
「こんな風にメイクでも衣裳でも……なんでも良い、気持ちの切り替えのスイッチを自分で見つける事。それを見つけてから、僕は人前で演奏も出来るようになったよ」
 きっかけは辛いものだったけれど、今のスタイルは自分によく合っている。
 ふとした気持ちの切り替えで、前に進めることがある――その経験は、きっと信徒にだって積めるはずだ。
 だから君もそうなれますように。慧斗は祈りを籠めるよう、信徒に笑顔を向けた。
「だから……前向きになるスイッチ見つかったら良いね」
『ありがとう さがしてみる!』
 信徒のその言葉に、慧斗は更に笑みを深めるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

クララ・リンドヴァル
※アドリブ連携OK
あの……はじめまして。
クララって言います。
魔女、っていうんでしょうか。お力になれればと思います。

信徒くんにお話を聞きます。
今の事に絞って、過去の事は慎重に。
動物が好き。私も使い魔がいるので、わかります(こくこく

ストレスの対処法……そうですね。静かな所に行って、自分を観察する、でしょうか。
湧いてくる感情や、自分の体の変化を客観視するんです。
これだけで感情の波は抑えられますし、意識を失いそうになったら、ひたすらぼーっとするのもいいですね。

あの、これをどうぞ。
呪詛への対処法を纏めた本です。
参考になればと(黒の書)

「此処での日課とか、楽しかった事とか」
(「トリガーはきっと……」)




「あの……はじめまして。クララって言います。魔女、っていうんでしょうか。お力になれればと思います」
『まじょ、かっこいい。よろしくおねがいします』
 ぺこりと頭を下げながら、クララ・リンドヴァル(白魔女・f17817)もまた信徒と顔を合わせる。
 返ってきたお辞儀と言葉に小さく安堵したのなら、早速話を始めよう。
 二人で並んで椅子に腰掛け、流れる時間はゆっくりと。
「信徒くんは動物が好き、なんですよね。私も使い魔がいるので、わかります。蜘蛛の友達なんですよ」
『くもさんとおともだち! クララさんすごい!』
「会えばきっとすぐお友達になれると思います。それから信徒くんの話を聞いてもいいですか? 此処での日課とか、楽しかった事とか」
『学校のべんきょうをおしえてもらったりしてるよ。国語とか おもしろくて好き!』
 共通の話題があれば打ち解け合うのだってあっという間だ。頷きあっていれば、信徒の表情は分からずとも楽しんでいることは伝わる。
 目を向けるのは出来るだけ今のこと、楽しいこと。ここに来る前のことは、きっと信徒にとっても望ましくない話題だろう。
 けれどストレスにはどうにか向き合わなければならない。場が暖まったところで、クララは今日の目的だった話題に触れていく。

「信徒くんはストレスに悩んでいるんですよね。それなら私の対処法をお伝えしようかと思います」
 話題の変化を感じ取り、信徒の視線がより強くクララへ向けられた、気がする。
 それだけ彼の悩みは深刻なのだろう。だからクララは目を瞑り、ゆっくりと言葉を紡ぐ。
「私の場合は静かな所に行って、自分を観察する、でしょうか。湧いてくる感情や、自分の体の変化を客観視するんです」
『きゃっかんし?』
「自分がどう思っているか、身体は震えたり寒くなっているか……そうやって自分の様子を観察すれば、感情の波は抑えられます」
『それもむずかしかったら?』
「そういう時は、ひたすらぼーっとするのもいいですね。何も考えないで、ただ静かに待つんです」
 信徒が過去を思い出すトリガーは、身体の変化にあるのではないか。
 痛みや苦しみが生前の記憶を思い起こさせる可能性があるのなら、そこを客観視したり、離れたり。
 そういった部分で対処出来るのではないか。クララはそう思ったのだ。
 信徒も思うところはあるようで、クララの話に何度も頷く。どうやら好感触のようだ。

「それからもう一つ……あの、これをどうぞ」
 クララは信徒に黒の書を一冊手渡して、そっと微笑む。
「呪詛への対処法を纏めた本です。参考になればと」
『ありがとう これでもべんきょうしてみるね』
 本を大事そうに抱える信徒に、クララの笑みも更に柔らかくなって。
 信徒は学ぶことや書物を読むことも苦としていない。それなら悩みに知識で向き合うのだって出来るはずだ。
 自分が修繕した本が、こうやって誰かの力になる。その実感はクララにとっても暖かなものだった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 集団戦 『黄昏の信徒』

POW   :    堕ちる星の一撃
単純で重い【モーニングスター】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    神による救済の歌声
自身に【邪神の寵愛による耳障りな歌声】をまとい、高速移動と【聞いた者の精神を掻き毟る甲高い悲鳴】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    黄昏への導き
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【自身と全く同じ『黄昏の信徒』】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。

イラスト:銀治

👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 猟兵達は信徒にそれぞれ優しさを向け、彼の心を救う一歩も進める。
 時間もそろそろ良い頃だから、休憩を挟んだら次のプログラムだ。

 案内されたのは先程とは別の、模擬戦用のスペースだ。
 周囲にはUDC組織のスタッフが待機し、常に治療の準備を整えている。
 部屋には戦闘を強制停止するための設備もあるため、ここでの訓練で大怪我の心配はないだろう。

 今からやるのは信徒の能力を見極めるための模擬戦だ。
 猟兵のような戦闘のプロとの戦いを通せば、信徒についても様々なことが分かるだろう。
 信徒自身も穏やかな性格はしているが、UDCとしての本能自体は残っている。
 そのため模擬戦自体には前向きだ。互いに怪我をしないよう気を付けつつも、全力で戦うだろう。

『ぼく 強くなりたいです。だからよろしくお願いします』
 信徒はそう記したスケッチブックを置くと、模擬戦用のモーニングスターを構える。
 さあ、ここからは模擬戦の始まりだ。
 様々な手段で信徒に戦闘経験を積ませよう。
雪・兼光
●SPD
ようやく模擬戦か
お悩み相談はガラじゃないからな
こっからは俺も加わろう
さぁきな

高速移動はユーベルコードを範囲攻撃と乱れ打ち使って牽制して距離を取る

モーニングスターで攻撃してきたら2回攻撃と部位破壊のユーベルコードで弾けるか試す

だめなら、キャリーバッグとオーラ防御で防御、零距離ならのまま零距離射撃のユーベルコードを撃ち込む

そのまま間合いを取ることを忘れずに、後退時は情報収集しつつ、ブラスターを撃って後退

攻撃の際は2回攻撃と乱れ打ちのユーベルコードで頭またはモーニングスターを持っている手を部位破壊で攻撃する

まだ、戦えるかい?
強くなりたいんだろ?
気が済むまで相手になってやるよ




 調査のプログラムが変わる頃合いを見計らい、雪・兼光(ブラスターガンナー・f14765)は模擬戦スペースへと足を運んでいた。
「お悩み相談はガラじゃないからな。こっからは俺も加わろう」
 兼光は信徒と軽く挨拶を交わし、そのまま戦場へと進む。
「さぁ、きな。遠慮は要らないからな」
 構える兼光に対し、信徒は一度頭を下げてから突き進む。
 彼が纏うのは不思議な歌声。邪神の寵愛によるものでは無さそうだが、それでも効果自体は他のUDC怪物と変わらないものだろう。
 凄まじいスピードで接近してくる信徒を、兼光は冷静に見据えていた。
(接近されるのは良くないな。遠距離から仕掛けてくる相手との実戦経験も必要だろうし……)
 そう判断して構えるのは愛用のブラスターだ。

 まずは素早く光線を乱れ打ち、信徒の進みを阻害して。そうして生じた隙を使って、出来るだけ後退して。
 少し焦った信徒は射程距離ギリギリでモーニングスターを振り回し、攻勢に出たようだ。
「そんな破れかぶれの攻撃じゃ駄目だぜ、こんな風に――弾かれちまうからな!」
 放たれた攻撃に返すのは、的確なブラスターの射撃。光線は歪な軌道で振るわれたモーニングスターを弾き、そのまま信徒の体勢を崩す。
 そのタイミングで再び兼光は後退し、ブラスターの銃口を信徒の腕へと向けた。
「自分の弱点になる場所はよく把握しておくんだ。武器をメインに戦うなら、気をつけるんだぜ」
 再びブラスターの引き金を引けば、放たれた攻撃が信徒の腕を打ち付けて。その衝撃でモーニングスターを取り落し、それと同時に信徒も倒れ伏す。
 その様子を見遣り、兼光は少し目を細める。信徒が倒れたのは単純なダメージだけではない。きっと精神的なものが大きいはずだ。
「……まだ、戦えるかい? 強くなりたいんだろ?」
 厳しさと優しさを織り交ぜた声で、兼光が呼びかける。その声に応じるように信徒は立ち上がり、大きく頷いた。
 大丈夫。信徒はまだ折れちゃいない。それなら全力で向き合うのが自分の仕事だ。
「よし、分かった。気が済むまで相手になってやるよ。その代わり手加減は無しだぜ」
 兼光は笑顔を浮かべつつ、再び信徒との戦いを始めていく。

 それから暫く模擬戦を続ければ、信徒の動きは格段に良くなっていった。
 それはきっと、いい先生が来てくれたから。
 そんな風に記された報告書を、後で兼光は確認することになったのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

サンディ・ノックス
ある報告書を読んで、信徒くんはUDC組織の職員さん達を大切に思っているんだなって痛感した
組織の仕事って危険と隣り合わせなのに、猟兵じゃない一般人の彼らが懸命に働いてくれてる
たぶん信徒くんは職員さんに危険が迫ったらまた身命を賭して戦うだろう
だからこの訓練は真剣にやらなきゃいけない、そう思った

肉体を変異させて大量の両鎌槍を作りだす
実戦のときより使う肉体は少なめにするから両鎌槍の大きさは小さいけれど、数は手加減しない
これだけの数をどう捌く?
難しそうなら数を減らすことも考えてるけど、その必要はないって信じてる

ちなみに信徒くんが自身の数を増やして攻撃してきた場合、暗夜の剣を抜いて剣捌きを見せてあげる




 模擬戦の準備が整うまでの間、サンディ・ノックスは信徒に纏わる報告書に目を通していた。
 特に深く読み込んだのは、大祓百鬼夜行に関する者だ。
(……信徒くんは職員さん達のこと、本当に大切に思っているんだな)
 妖怪が職員を傷つけたと知り、戦いから遠ざかっていた信徒は猟兵と共に戦った。
 それはきっと職員の皆が、信徒に優しく接していたから。UDC組織の仕事は危険と隣り合わせだけれど、一般人の職員達が懸命に働いてくれている。
 その思いに信徒は報いたかったのだろう。同じような事件が起これば、彼は再び戦いに赴くはずだ。
 そんな彼に、自分が出来ること。サンディは少しだけ目を閉じて、ゆっくりと息を吐く。
「……この訓練は、真剣にやらなきゃいけないね」
 戦いの先輩として。或いは信徒を大切に思う者として。
 サンディは覚悟を決めて、模擬戦室まで足を運ぶ。

「それじゃあ、よろしくお願いするね」
 サンディは信徒と改めて挨拶し、早速模擬戦を始めていく。
 まずは両腕を大きく広げて、身体中に魔力を巡らせる。
「……伴星・強欲の両鎌槍。大きさは模擬戦用に調整するけど、数は容赦しないよ」
 次の瞬間、サンディの身体が少しずつ変異していく。
 身体の一部が魔力として分離したかと思えば、それらは漆黒の両鎌槍へと変化して。
 目の前に生まれた圧倒的な武器群を前に、信徒は少し怯えている様子。
「分かるよ。これだけ武器が展開されればびっくりしたり、怖がるのは普通だ。けれど怯えてばかりじゃ駄目だよ。これだけの数をどう捌く? それをしっかり考えるんだ」
 サンディは敢えて容赦することなく、両鎌槍を信徒へ目掛けて飛ばす。
 それに対し信徒が返すのはモーニングスターによる振り払いだ。大掛かりな攻撃は飛翔する槍を弾き飛ばし、信徒の前方を開く。
 足りない手数は自身の分身を生み出しカバーして。そうして道が開ければ、信徒はサンディとの距離を詰め始めた。
(良かった、手加減は要らないみたいだね。それじゃあ……こういうのも見せてあげよう)
 サンディは暗夜の剣を引き抜くと、自分の元へ飛び込もうとした信徒に斬撃を向ける。
 信徒は咄嗟に後退し、攻撃を避けようとするが――。
「落ち着いて、周りをよく見るんだ」
 その退路を塞ぐよう、両鎌槍が突き刺さる。思わず動きを止めた信徒に向け、サンディは軽く剣を振るった。
 傷はつけないように、それでいてちょっとだけ痛いように、コツンと。
 その衝撃でぺたりと座る信徒に、サンディは手を伸ばす。
「こういった攻撃への対処は、少しずつ練習していこうか。大丈夫、信徒くんは思っていたよりずっと強かったよ」
 だから、これからも頑張ろう。
 そうやって差し出された手を、信徒はしっかりと握り返す。
 さあ、訓練はまだまだこれから。二人で積み重ねていく時間は、きっと未来への糧になるだろう。

成功 🔵​🔵​🔴​

草剪・ひかり
POW判定
お色気、キャラ崩し描写、即興連携等歓迎

さて、模擬戦ね
「プロレスラー」がどんな戦いをするか、実際に魅せてあげるよ

本番試合用のリングコスチューム(白黒ゼブラ模様のハイレグワンピース)を着てPちゃんの前へ

こんな薄着の私を殴って大丈夫なのかと心配してそうだけど、気にせず殴ってくるように呼びかけ

一方的に殴られ倒されまくるけど、その度に笑って立ち上がる
まだまだ、私を倒すには、もう少し、足りないよ

そんな私の気迫にPちゃんが気圧されたら
瞬時に彼の背後に回り込みジャーマンスープレックスで一発KO!

これが私の、「プロレスラー」の生き方だよ
倒れたって何度でも立ち上がればいい
それも「強さ」の一つの形、なのよ




「さあ、いよいよ模擬戦ね。Pちゃん、準備はいい?」
 草剪・ひかりはお辞儀する信徒に笑顔を向けて、軽く身体を解す。
 服装は先程までのスーツから本番試合用のリングコスチュームへ。愛用の衣装を着込み堂々と立つひかりに、信徒が向けるのは尊敬の眼差しだ。
「『プロレスラー』がどんな戦いをするか、実際に魅せてあげるよ。Pちゃん、まずはそちらからどうぞ。遠慮なくかかってきて!」
 笑顔で手招きするひかりに、信徒が見せたのは困惑の色。
 恐らく彼が共闘してきたのは、しっかりとした装備を着込んだ職員や猟兵達。薄着のひかりに攻撃するのは躊躇いが出てしまうのだろう。
 その様子を察してか、ひかりは明るく声を向ける。
「大丈夫。武器も使って構わないわ。敵だと思って思い切り打ち込んできて!」
 ひかりの言葉に信徒は頷き、そのまま戦いを始めたようだ。

 まずはモーニングスターを振るっての一撃。まだ戸惑いの滲む攻撃は、ひかりの胴を打ちつける。
 けれどそんな攻撃じゃ、プロレスラーは倒れない。ひかりは小さく呻きつつも、信徒へ向かって叫んだ。
「まだまだ! もっと遠慮なく!」
 促されるまま放たれたのは、先程よりも重い一撃だ。
「ぐ、ぅう……!」
 流石にこれは堪えるか。ひかりは後ろへ倒れ込み、けれどすぐに立ち上がる。
 その顔に微かな苦悶は滲んでいるが、それを見せないように笑顔を浮かべて。
「まだ、まだ……!」
 ひかりの熱に感化されたか、信徒の攻撃もより激しいものへと変わる。
 その度に立ち上がって、笑顔を向けて。少しずつひかりの纏う気迫も大きなものへ変わっていく。
「まだまだ、私を倒すには。もう少し……足りないよ」
 美しい黒髪は乱れ、そこから見え隠れする笑顔は強烈で。そんなひかりに、信徒は思わず後退る。
 それなら――ここからはもっと魅せる時。

「Pちゃん、覚悟してね……!」
 ひかりは身体の痛みを抑え込み、一瞬で信徒の背後へ回り込む。
 小さな身体をしっかりと捕まえたなら、一気に後ろに仰け反って――。
「――はぁぁぁぁッ!!!」
 決めるは必殺のジャーマンスープレックス!
 ひかりの渾身の一撃を浴びて、信徒はそのまま倒れ込む。
 そんな彼の隣に腰掛け、ひかりはそっと小さな身体を撫でた。
「どうだった? これが私の、『プロレスラー』の生き方だよ。倒れたって何度でも立ち上がればいい、それも『強さ』の一つの形、なのよ」
 ひかりが教えたかったのは困難に立ち向かう強さ。
 それをプロレスという道で示す――元“絶対女王”として、出来ること。
 それは確かに信徒に伝わった。実際彼はくらくらしながらも、ひかりの言葉に頷いている。
 その様子に微笑むひかりは、信徒にとってヒーローのように見えていただろう。

成功 🔵​🔵​🔴​

葵衣・慧斗
僕で、役に立てるなら

イグニッションカードを取り出し、掲げて戦闘用の姿へ
濃い紫のメッシュが入ったロングのウイッグをつけ、レースやチェーンで装飾された黒レザーのジャケットにフリルシャツ、ぴったりしたパンツにブーツ。メイクもばっちりにアクセもあちこちに付けた姿へと変わって

じゃ、行くね?
Flügel der Dunkelheitを構え、奏でるサタニックビート
こちらへと目が向いたら、スラッシュギターへと持ち替えて待ち構える
怒りに囚われた姿を見ても冷静に、多少の怪我は構わず攻撃を受けつつちょっとだけ反撃

惑わされないで
怒りに囚われ過ぎないで
振り払う事、出来るでしょう?

マイクを通して伝えつつ戦闘を続ける




 少しの休憩時間を挟んでから、今度は自分の番。
 葵衣・慧斗はイグニッションカードを構えつつ、信徒の前に立つ。
「僕で、役に立てるなら。よろしくお願いするね――|起動《イグニッション》!」
 慧斗がカードを起動した途端、彼の姿は一変する。
 綺麗に整えた髪にはメッシュ入りのウイッグを。規則正しく着用していた制服はたっぷりの装飾が施された黒レザーのジャケットとフリルシャツに。
 ぴっちりしたパンツの上には綺麗に磨かれたブーツを着込み、穏やかな表情は母譲りのヴィジュアル系メイクで彩られて。
 降り注ぐ照明にアクセサリーを輝かせたら、そこに立つのは葵衣・慧斗であり、ベーシストのK†Tだ。
 信徒も最初は驚いていたが、慧斗の様子にどこかはしゃいでいる様子。ちょっと恥ずかしいけれど、なんだか嬉しい。
「これがさっき言ってた、僕のスイッチを入れるための衣装。自分の好きな格好で、堂々と戦うんだよ」
 浮かべる笑顔は先程と変わりない、優しい微笑み。
 けれど呼吸を整えれば、慧斗の様子はK†Tのものへと変わっていく。

「じゃ、行くね?」
 慧斗はFlügel der Dunkelheitを構え、意識を集中させていく。
 そして思うままに奏で歌うのは、サタニックビート――常識を破壊する堕天使の如き歌。
 その音色は聞く者の精神に作用し、強い怒りを湧き上がらせる。
 真剣に戦いに挑もうとしていた信徒も音色に呑まれ、少しずつ様子を変貌させていた。
 その兆候を確認し、慧斗は楽器をスラッシュギターへと持ち替える。
「さあ、信徒さん。どう動きますか?」
 問いかけの答えは行動にて示された。信徒は怒りのままに武器を振るい、慧斗へ攻撃してきたのだ。
 最初の一撃だけはギターで受け止め、返す攻撃は身体で受け止めて。痛い、けれど信徒の心はもっと痛いはずだ。
「惑わされないで。怒りに囚われ過ぎないで」
 インカムマイクを通して慧斗が向けるのは、メッセージを籠めた歌声だ。
 この怒りも苦しみも、信徒が乗り越えるべきものだから。
「――振り払う事、出来るでしょう?」
 その言葉に、信徒は小さく頷く。怒りを、痛みを呑み込んで、やるべきことを見据えること。
 そうやって自分を変えていくこと――その思いを伝えたいから、慧斗は高らかに歌うのだ。
「まだまだこれからです。信徒さんなら、きっと勝てますから」
 信徒は少しずつ冷静さを取り戻しているようで、慧斗も内心ほっとして。
 それなら後は全力で打ち合うのみだ。
 訓練が終わる頃には不安も怒りも掻き消えるはず。その時が来るまで、二人は全力で戦い抜くのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

インディゴ・クロワッサン
|んにゃーん!!!《出遅れた!》
P君久しぶり!元気だったー?
「P君も大変だねぇ…」
頭を撫で撫でしたら、戦おっかー
「んー…猫のまま戦うのはP君も嫌だろ
ーし、今日は|本来の姿《こっち》で宜しく~」

さて、どうやって戦おうか…
「よし決ーめた!」
鎖付きの短剣:Piscesを構えたら戦闘開始!翻弄しちゃうぞ~
UCは舞う藍薔薇。
UCに加えてジャンプとダッシュ、更には空中機動も織り混ぜる事で、P君の攻撃に当たらない様に動き回っちゃうぞ~
破壊された地形から飛んできた瓦礫はオーラ防御/気合い/激痛耐性で耐えるよ
で、僕自身は空中(の足場)から、的確かつ執拗にP君を狙っていくぞ~
「それそれ~!」
ちゃんと見切ってねー!




「|んにゃーん!!!《出遅れた!!》」
 そんな元気な鳴き声と共に、青い毛並みの猫が模擬戦室へと舞い降りる。
 その様子に周囲の職員は驚いているようだが、信徒は喜んでいる様子。
 それは可愛い猫が現れたからだけではない。猫の正体がかつて世話になった猟兵、インディゴ・クロワッサン(藍染め三日月・f07157)だと分かっているからだ。
「P君久しぶり! 元気だったー? なんだか大変なことになってるって聞いて、手伝いにきたよ!」
 インディゴは信徒の頭に飛び乗ると、その丸い頭を猫ハンドでそっと撫でる。
 ふわふわの感触には信徒も嬉しそうで、そんな姿にインディゴも笑みを浮かべる。
 けれど今日は楽しいお話だけをしにきた訳ではない。せっかくの機会だ、模擬戦を行わなければ。
「んー……猫のまま戦うのはP君も嫌だろーし……今日は|本来の姿《こっち》で宜しく~」
 インディゴは信徒の頭からひらりと降りて、元の青年の姿に戻る。
 改めて笑顔を向けあったら、ここからは真剣に。二人は少し距離を取り、それぞれの武器を構えた。

「迷ったけど、今日はこれに決ーめた!」
 インディゴが構えたのはPiscesという名の一対二本の短剣だ。
 一方信徒が構えたのは、模擬戦用のモーニングスター。重めの武器を使うなら、素早い相手の対処法は知っておくべきだろうか。
「手数の多い相手の練習になるかな? さあ、翻弄しちゃうぞ~」
 インディゴは蒼薔薇の花弁を周囲に舞わせつつ、力強く床を蹴る。
 そのまま壁を、天井を。縦横無尽に飛び回りつつ、少しずつ信徒との距離を縮めていって。
「さあP君、どう攻撃する?」
 敢えて信徒に肉薄しつつインディゴが言葉を向ければ、応じるように信徒も動く。
 最初に一撃はシンプルな振り下ろしだ。確かに当たれば痛い攻撃だろうが――。
「っと!」
 インディゴは大きく後ろに後退し、モーニングスターの射程から離れる。
 その動きは信徒も読んでいただろう。だから彼は大きく床を破壊し、その破片を周囲に飛ばすことにしたようだ。
「なるほど、目眩ましとしては効果的かもしれないね。けど……」
 そこでインディゴは敢えて破片の中を突っ切りつつ、再び信徒へ接近していく。
 この程度のダメージならば軽いもの。目標地点まで到達すれば一気に飛翔し、更に信徒と距離を詰めて。
「それそれ~。まずは一本!」
 首に短刀を軽く当てれば、最初の攻防は終わり。けれど信徒はまだまだやる気いっぱいのようで、武器を握りしめじっとインディゴを見つめていた。
 その様子にインディゴも頷き、再び戦う姿勢を取る。
「よーし、次はちゃんと見切ってねー!」
 模擬戦はまだまだこれから。二人は真剣に、けれど楽しく鍛錬を重ねていくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

クララ・リンドヴァル
※アドリブ連携OK
そうですね……1体のUDC怪物が施設に侵入。
混乱の中、職員さんとはぐれた所を遭遇。
そんなありそうな状況を想定しましょう。
この場合有効なのは、狭い通路を活かした防戦です。

その武器、一撃で決める為のものでしょう?
不意打ちで鎮圧出来れば良いですけど
同格以上だと心許ないですよね。
こんな風に(UC発動。相手の四肢を一本封じる)

見知った職員さんが近くに隠れていると思うと、動けないでしょう?
だからひたすら粘って、救援が来るまで時間稼ぎするんです。

来なさい。
呪的防御、撃ち落とし、引き倒し……手段は問いません。
私に一撃入れた頃には、魔術弾幕や雷弾、簡易呪詛程度は跳ね返せるようにしてあげます。




 訓練は進み、少し休憩時間へ。
 その間に模擬戦室の修復作業が行われ、クララ・リンドヴァルの指示を受けた用意も進められていた。
 その傍らでクララと信徒は顔を突き合わせ、次の模擬戦について話している。
 クララが取り出したのは紙とペン。そこにさらさらと記されるのは、現在組み立てている模擬戦室の様子だ。
「そうですね……1体のUDC怪物が施設に侵入。混乱の中、職員さんとはぐれた所を遭遇。そんなありそうな状況を想定しましょう」
 この状況は以前の妖怪騒ぎの時にもあり得た状況だ。その様子を思い出してか、信徒からは緊張の色が滲む。
「私が怪物役で、信徒さんと向き合った状態から始めましょうか。信徒さんの後ろ、廊下の曲がり角に職員さんが隠れていると想定して……この場合はどういう手段が有効だと思いますか?」
『ここでたたかう?』
「ええ、そうですね。この場合有効なのは、狭い通路を活かした防戦です」
 二人で頷きあって方針を確認する頃には、部屋の準備も整ったようだ。
 クララと信徒は少し狭い壁の中で向き合って、早速模擬戦を始めていく。

 信徒がモーニングスターを構えたのを確認すれば、クララもそっと魔導書を構えて。
「その武器、一撃で決める為のものでしょう? 不意打ちで鎮圧出来れば良いですけど、同格以上だと心許ないですよね」
 クララは魔術書を開くと同時に、簡単な呪文を唱える。
 次の瞬間、光が弾けたかと思えば――魔術書と信徒の右足が魔力の鎖で繋がった。
「ほら、こんな風な状況です。更に忘れてはいけません、信徒さんの後ろには見知った職員さんが隠れています。そう思うと、動けないでしょう?」
 クララの紡ぐイメージは信徒の中で強く想像されていき、同時に身体を強張らせる。
 それだけ強くイメージが出来ているなら、後は実践してみるのみだ。
「ひたすら粘って、救援が来るまで時間稼ぎするんです。手段は問いません。とにかく私に一撃入れて下さい……来なさい」
 本格的な戦いの始まりは、クララの展開する魔術弾の煌めきから。
 信徒も負けじと立ち向かうが、片足を塞がれ逃げられない状況は苦しいものだ。何度も被弾しつつ、どうにかクララについていくことになるだろう。
 その様子を確認すれば、少しずつ魔術のペースを上げていって。
 訓練を続ければ続けるほど、内容はより過酷になっていくだろう。クララも妥協することなく、全力で信徒に戦いを教えるはずだ。
 けれどその終わりには――。

「……そこまで」
 雷や呪詛も交えた弾幕を乗り越え、信徒はクララへモーニングスターの一撃を向ける。
 その攻撃は魔術で緩和しつつも、けれどしっかりと受け止めて。
 今回の訓練の成果は信徒の戦闘能力を大きく向上させただろう。
「おめでとうございます。よく頑張りました」
 疲れて座り込む信徒に、クララは微笑みを向ける。
 そこにいたのは優しい魔女の先生だった。

成功 🔵​🔵​🔴​

二條・心春
そういうことなら、私も全力で戦わせてもらいますね。ワームさん、力を合わせましょう。私達が相手です!

あの重そうなモーニングスターを振り回すとはなかなか強力ですが、今の私なら対抗できるはず。拳で殴りつけて軌道を逸らしたら、多少でも体勢は崩せるでしょうか。その隙に接近して今度は直接攻撃です。
さて、ダメージと共に与えた呪毒は信徒さんにとって、とても苦しいものかもしれませんが、戦いになれば避けられないこともあるでしょう。だから、危険かもしれませんが、それに打ち勝つ力もつけて欲しいです。大丈夫、貴方ならできますよ。
そういう私も力の反動で消耗していますが。さあ、お互い最後まで頑張りましょう!




 二條・心春は先程呼び出したワームと共に模擬戦室まで足を運ぶ。
「強くなりたい、もっと頑張りたい……その気持ち、分かります。だから私達も全力で戦わせてもらいますね」
 同じ志を持つもの同士、模擬戦だって全力で。心春はワームと並び立ちつつ、信徒と向かい合う。
「ワームさん、力を合わせましょう。憑依召喚です!」
 心春がユーベルコードを発動した瞬間、ワームは輝く光となって心春の内側に入っていく。
 そうして二人の魂が重なり合えば、戦う準備は万端。ワームの力を借りつつ、心春は強大な力を発揮していく。
「私達が相手です! 信徒さん、よろしくお願いします!」
 その言葉に応じるように、信徒も大きく頷いて。さあ、模擬戦の始まりだ。

 信徒の武器はモーニングスター。模擬戦用に改良されているとはいえ、その大きさや重量はなかなかのものだろう。
 実際信徒は意外なほどのスピードで武器を振るい、少しずつ心春との距離を詰めている。
 子供のような様子と裏腹にパワフルさを見せる信徒に、心春は少々緊張気味だ。でも大丈夫、今はワームがついてくれているから。
「ワームさん、行きましょう……!」
 心春は覚悟を決めて、一歩前に大きく踏み出す。それに合わせるように信徒はモーニングスターを振るい、此方を打ちのめそうとするが――。
「――やぁッ!」
 心春も負けじと拳を突き出し、迫る凶器を殴り飛ばす。普段なら大怪我するような行動でも、ワームのお陰で問題なしだ。
 攻撃を跳ね返された反動で信徒が仰け反るのを確認し、心春は更に前へと進む。
「信徒さん、とても苦しいと思いますが……耐えて下さい!」
 次に放つのは呪毒を帯びた拳だ。それを信徒の胴に叩き込めば、衝撃と毒が彼を苛むだろう。
 予想以上のダメージに、信徒は思わず膝をつく。けれど戦い自体は諦めていない、すぐに立ち上がったようだ。
「今私達が信徒さんに与えたのは強力な呪毒です。このような苦しみも、戦いになれば避けられないこともあるでしょう。でも、だからこそ……それに打ち勝つ力もつけて欲しいです」
 オブリビオン、特にUDC怪物との戦いの危険性は心春自身もよく知っている。
 だから自分の身を削るようなユーベルコードを使ってでも、信徒にはリアルな経験を積んで欲しい。
 そう思ったから、心春はワームと共に戦うことを選んだのだ。
「大丈夫、貴方ならできますよ。お互い最後まで頑張りましょう!」
 心春の言葉に、信徒が大きく頷いて。
 毒と消耗。どちらも苦しいはずなのに、心春も信徒も様子は晴れやかで。
 全力のぶつかり合いは、大切な経験として双方の胸に刻まれていくことだろう。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 日常 『ねこねこねこ』

POW   :    不動。俺はキャットタワーださぁ上っておいで!

SPD   :    猫じゃらしをふりふりと、捕まえられないギリギリを狙う!

WIZ   :    猫の好い場所をくすぐり撫でくりツボをつくならおまかせ!

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 猟兵達との模擬戦により、信徒は多くの経験を積むことが出来た。
 これにて直接信徒と触れ合うプログラムは終わり。信徒も暫く休息に入るようだ。
『ありがとうございました。とてもべんきょうになりました』
 信徒は別れ際のギリギリまで猟兵達に手を振って、今日の感謝を伝えていた。
 これで彼もトラウマとの向き合い方や、多くの戦い方を学べただろう。
 その結果が実っていくのは、きっとこれからのこと。

 それから猟兵達が案内されたのは、組織支部の近くの猫カフェだった。
 ここは支部との協力体制を取っている店で、事件によって保護された猫の面倒も見ているらしい。今日は猟兵達の貸し切りだ。
 内部は広い民家のようになっており、ごく普通のカフェの設備や猫用の様々な道具が置かれている。
 中では様々な種類の猫がのんびりと寛いている様子。
 人間慣れしている子が多いからか、訪れた猟兵にも興味津々に近寄ってくるだろう。
 飲み物は一般的なカフェと変わらず、コーヒーや紅茶、ジュースなんかが用意されている。ケーキやサンドイッチといった軽食もあるようだ。

 ここで調査の疲れを癒やしつつ、暫くのんびりしていっても構わない。
 余裕があれば猫の写真や動画を撮って、支部で休む信徒に送ってみるのもいいだろう。
 どんな風に過ごすかは猟兵次第だ。
草剪・ひかり
WIZ判定
お色気、キャラ崩し描写、即興連携等歓迎

初めて会ったPちゃん、本当に素直なかわいい子だった
できれば、ああいう子には戦いとか厳しい選択とかさせたくないね
辛い思いをするのは自分達を最後にしたい、そんな昔の歌を思い出すよ

さて、かわいい子に会った後に、かわいいねこさまに会いに行きましょ

ねこさまに嫌われないよう、柔らかい素材のシャツとスカートで訪問
床に座りねこさまを呼び寄せ、撫でたりくすぐったりして気持ち良くなってもらう

その内、膝の上をベッドにされて動けなくなったり……
まぁねこさまは人間より偉いから仕方ないわよねw

そんな様子を写真に撮ってPちゃんに送信
いずれは、Pちゃんとも一緒に来たいよね




 リングコスチュームから柔らか素材の私服に着替え、草剪・ひかりは教えてもらった猫カフェを目指す。
 その道中で思い出すのは、今日の信徒との関わりだ。
(初めて会ったPちゃん、本当に素直なかわいい子だったわね)
 怪物として生まれ、けれど優しい心を持っていた信徒。彼との関わりはひかりにとっても良い刺激となった。
 けれど一つ見過ごせないのは、彼の『強くなりたい』という想い。それは同時に、彼が強くならなければいけない立場にあるということで。
 出来ればあんな優しい子には、戦いや厳しい選択を選ばせたくない。それがひかりにとって迷いのない想いだ。
 辛い思いをするのは自分達を最後にしたい、そんな昔の歌を思い出して。
 だから今日はしっかり休んで楽しんで、帰ったらまた頑張らなくては。
 そんな気持ちを抱くひかりを出迎えるのは――猫カフェのかわいいねこさま達だ。

 飲み物を注文して軽く堪能したら、後はのんびりふれあいタイム。
 ひかりはカーペットが敷かれた床に座り、こちらに近づく猫達に笑顔を向ける。
「ほら、いらっしゃい」
 太ももをぽんぽんと軽く叩けば、寄ってきたのは小さな三毛猫だ。彼はひかりの膝に乗ると、すぐにごろりと丸くなる。
 こんな時のために柔らか素材のスカートを選んだのだ。心地良さそうに寛ぐ猫に、ひかりは優しく笑顔を向ける。
「よしよし、ゆっくり休んでね」
 背中を撫でてあげれば、三毛猫は気持ちよさそうに喉を鳴らす。その様子も微笑ましくて、楽しくて。
 三毛猫が羨ましいのか、気付けば他の猫達も集まってきているようだ。ひかりは一匹一匹に触れ合いつつ、ゆるい時間を過ごしていく。

 ……ゆるーく楽しみすぎて、気付けばひかりの周囲には数匹の猫が屯していた。
 三毛猫は寝落ちしてしまったのか、膝の上でうとうとタイム。他にもひかりの側で眠ってる子がいたり、遊び回ってる子がいたり。
 これはこれで可愛いし楽しいのだが――身動きが取れないのだ。
「……しょうがないわよね。ねこさまは人間より偉いから」
 軽く冗談を言いながら、ひかりはどうにかスマートフォンを取り出す。
 そのままカメラアプリを起動して、すやすやしてる三毛猫さんをぱしゃり。
 しっかり写真が撮れたなら、次に立ち上げるのはメールアプリ。
 宛先は勿論UDC組織、信徒くんのいる部署へ。
「今日は写真だけど、いずれはPちゃんとも一緒に来たいよね」
 だからその時はまたよろしくね。
 そんな一言を添えながらメールを送れば、返ってきたのは信徒からの感謝の言葉。
 その嬉しそうな様子に、ひかりは更に笑みを深めるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

雪・兼光
○アドリブとかお任せ

うふふ…にゃんこが、たぁーくさんいるのねぇ

うふふ…撮影10の技能を使って一心不乱に撮ります

あーいいねぇ、いいよその仕草
押しちゃうよ一心不乱にカメラのシャッターきっちゃうよ

と、すまないフレームに入ってしまった

他の猟兵が撮影とか、動画撮影時始めたら(正気に戻って)フレーム内に入らないように

撮影者が多くなったら、カフェに在籍している猫のリストを見て。この子撮ろうとか

猫のガチャが、あったら回しているんじゃないんですかね

キャラ崩壊してますけど、そんなの猫ちゃん達の前では当たり前では?うふふ

こんなことになってますけど、休憩中は今回のUDC−Pへ送るだろう写真を厳選しています




 UDC組織からの依頼を完遂し、案内されたのは猫カフェで。そこに辿り着いて早々に、雪・兼光は。
「うふふ……にゃんこが、たぁーくさんいるのねぇ」
 猫ちゃんに囲まれながら、一心不乱にカメラのシャッターを切っていた。
 普段の鋭い眼光は何処へやら、兼光の目はうっとりとしたものに変わっている。
 それもそうだ。だって猫ちゃんいっぱいだもん。皆遊んでくれるもん。可愛いもん。
 こっちにじゃれついてくる子もいれば、まったくこっちを気にせず遊んでいる子もいる。
 「撫でて」と言わんばかりに甘えてくる子も、一心不乱に毛づくろいしてる子も。みんなかわいい。
「あーいいねぇ、いいよその仕草。どんどん撮っちゃうよ」
 兼光は夢中で撮影を続けつつ、カフェの中をぐるりと進む。
 けれど時間が経てば経つほど、他の猟兵も店へとやって来ていて。
「……あ、すまない。フレームに入ってしまった」
 撮った写真に、思い切り仲間が入ったところで兼光の表情が少し落ち着く。
 撮影は楽しいけれど、仲間に迷惑をかけてはいけない。気を取り直し、兼光は案内されていた席へと戻る。

 お冷をぐっと飲んで一呼吸置いて。そのまま手に取るのは店の案内冊子だ。
「ふむ、三毛猫も可愛いな。黒猫もいるのか。長毛種も可愛いな……」
 ぱらりと冊子を捲っていけば、目に入るのは猫ちゃんのリスト。皆個性的でとっても可愛い。
 それじゃあ次はこの子を撮ろうか。どんなアングルで撮ろうか――一心不乱にシャッターを切るのも楽しいけれど、しっかり目標を定めて撮るのも楽しいはずだ。
 再びカメラを持って席を立てば、視界の片隅に小さなガチャガチャの機械が見えた。
 表面には『特製猫ちゃんブロマイド 手型サインつき』の文字が。どうやらお店オリジナルのガチャのようだ。
「……よし」
 小銭を数枚取り出して、まずはガチャを。小気味よい音と共に出てきたカプセルには、小さな猫ちゃんの写真が収まっている。
 写っていたのは白猫ちゃんだ。小さな手型が愛らしい。これはしっかり部屋に飾ろう。
 写真を傷つけないよう片付けたら、改めてカメラを握りしめて。
「それじゃあ……うふふ、またいっぱい撮るぞ……!」
 へにゃりとした笑顔を浮かべつつ、兼光は再び猫ちゃん撮影会を始めていく。
 どれだけ強い戦士でも、強面の青年でも。猫ちゃんを前にすればへにゃりとするのは当然のことなのだ。
 けれど兼光の頭の中には、しっかり信徒のことも収まっている。帰ったらあの子に送る写真も厳選しなくては。
「そのためにも……ふふ、撮りまくるぞ……!」
 楽しい時間はまだまだこれから。兼光は猫ちゃんと共に至福のひとときを過ごすのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

サンディ・ノックス
UDC職員さんに頼んでカメラを借りる
カメラからデータを渡すって俺には難しいから、カメラごとデータを渡して信徒くんに届けてもらえるように

店内に入ったらまず何をしようかな
そうだ、猫カフェって猫を模したメニューが用意されている店もあるよね
それがあるなら頼んで撮影もしよう

食事が終わったら招集・赤夜を発動
もう一人の自分にカメラを操作させる
俺をこんなことに使うなってすごく不満そうにしてるけど気にしない

座ってゆったりとおもちゃを振って寄ってきた猫達と一緒の様子を撮ってもらったり
あちこちで遊ぶ猫の姿を撮ったりしよう

多くの種類の猫を撮影したいね
一番集まるのは食事の時間かな
このときは手が空くし、俺自身が撮影しよう




 組織から借りたカメラを片手に、サンディ・ノックスも猫カフェを訪れる。
 この世界においては写真をデータでやり取りすることも多いようだが、その行動はサンディにとってはあまり馴染みのないことで。
 それよりは直接カメラを貸し借りする方が分かりやすい。そこでシンプルなカメラを借りて、それに猫の写真を収めようという訳だ。
 おじゃまします、と戸を開き早速カフェに入っていけば、暖かな空気がサンディの頬を撫でた。
 周囲には自由に遊ぶ猫達と案内してくれる店員の姿。穏やかな雰囲気を感じ取り、サンディも緩く笑みを浮かべる。
 案内された席に腰掛けて、まず手に取るのは喫茶のメニューだ。
(……そうだ、猫カフェって猫を模したメニューが用意されている店もあるよね)
 期待をしつつページを見れば、予想通り。猫を模したパンケーキや、猫のラテアートが施されたカフェオレなんかがあるようだ。
 早速注文すれば、すぐに店員が料理を持ってきてくれる。パンケーキもカフェオレも、メニューに掲載されていた写真と違わずとっても可愛い。
 しっかり撮影して、いただきます。戦いの疲労に優しい甘さが染み渡り、なんとも落ち着く心地だった。

 食事が終われば本格的に猫ちゃんとの関わりタイム。そこでサンディは――。
「……という訳で、よろしくね」
 魔力を使って呼び出したもう一人の自分に、笑顔でカメラを渡していた。
『おい、俺をこんなことに使うな』
「信徒くんの為だよ。そっちもあの子のこと、気に入ってるよね?」
『……まあ、そうだけど』
 不満そうなもう一人の自分を言いくるめ、サンディ本人は猫ちゃんと早速触れ合う。
 適当に床に座っているだけでも、人懐っこい子はすりすり擦り寄ってくる、マイペースに遊んでる子もおもちゃを差し出せば、喜んでじゃれついてくる。
 みんなみんなふわふわで、暖かくて、可愛くて。
 もう一人のサンディも猫自体は好んでいるのか、写真はしっかり撮ってくれている様子。
「もっと色んな子が撮りたいな。種類も豊富だし」
『それなら……ほら』
 二人で視線を向けるのは、食事の時間を楽しむ猫達。色とりどりの皿を囲むのは、白猫黒猫三毛猫、なんだかふわふわな子、ちっちゃい子――たくさんの猫達だ。
「わぁ……! 良いチャンスだね。今度は俺が撮るよ」
 カメラをしっかり受け取って、サンディはもぐもぐしている猫達をシャッターに収めていく。
 願わくばこの子達も、この子達を好むであろう信徒くんも、楽しく過ごせますように。
 そんな祈りを籠めて撮られた写真は、きっと信徒の心を和らがせる力になるはずだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

葵衣・慧斗
猫カフェ…入った事無いかも
貸し切りってすごい
張り切って中へ入り、まず猫の様子をちょっと覗いて確認
猫…可愛い…
衣装を戻して、普段の服装へ
空いているソファ席にサンドイッチとジンジャーエールを貰って移動
まずはサンドイッチ食べつつその辺で遊んでる姿とかを激写
可愛いなあ、和むなあ…頭撫でてみても良いかな
ふかふかすべすべ…うん、可愛い
膝に乗ってもらえたらその様子を動画も撮影
信徒君に送れるなら送りたいな

時間があれば、おもちゃで遊ぼう
ねこじゃらしとか紐のついた鼠とかそういうの
最初は小さく、後は思い切り動かして走り回る姿を楽しんだり撮影したり
後で編集して動画投稿しちゃおうかな
癒しになると思うし




 案内してもらったカフェの前まで進んで、葵衣・慧斗は小さく息を吐く。
 優しく可愛らしい雰囲気で書かれた看板に、窓からちらりと見える猫の姿。
 猫カフェに来たのは初めてだ。しかもそれが貸し切りとは。人生、何が起こるのか分からないものだ。
 窓辺の猫は日向ぼっこしているようで、そんな様子には思わず微笑みを溢して。
(猫……可愛い……)
 彼らと遊ぶなら普段着の方がいいだろうか。装備をカードに戻したのなら、慧斗の姿は真面目そうな学生に早変わり。
 それじゃあ早速勇気を出して、お店の中に。
 案内されたのはソファ席だ。注文するのはミックスサンドイッチにジンジャーエール。戦いの疲れを癒やすのには、軽めの食事が最適だ。

 美味しいサンドイッチを堪能していれば、ふと足元に気配を感じて。そちらを見てみれば、ハチワレ猫がじーっとこっちを見上げている。
「こんにちは……ちょっと待ってね」
 サンドイッチをさっと食べ終え、カメラ片手に改めてこんにちは。
 ぱしゃりとシャッターを切れば、きらきら瞳の猫さんが写真に収まった。
「可愛いなあ、和むなあ……っと、撫でても大丈夫、かな?」
 恐る恐る手を伸ばし、そっと撫でてみる。猫は逃げずに、大人しくなでなでされてくれた。
 その暖かく心地の良い感触に、慧斗の表情もゆるりとしたものに変わっていく。
「ふかふかすべすべ……うん、可愛い。ありがとう」
 手を離せばそれでお別れかな、と思ったけれど。猫は慧斗に懐いたのか、今度は膝の上に乗ってくれた。
 そのまま丸くなって、猫さんまったりリラックスモード。
 小さく呼吸している様子は動画に収めてみようか。きっと信徒くんにも、その方がよく伝わるだろうから。

 さっきの猫くんはふいに起き上がり、今度こそお別れとなった。猫はなんとも気まぐれだ。
 それじゃあ今度は自分から。慧斗は猫じゃらしのようなおもちゃを借りて、周囲の猫と遊び始めた。
 ちょっとおもちゃを振ってみるだけでも、数匹の猫がじーっとこちらを見つめている。
「……こう、かな?」
 猫達がじりじり寄ってくれば、動きに緩急をつけてみて。大きく振った時に猫もしゃばば、と走るのがなんだかとっても愛らしい。
 せっかくだから、とスマホをテーブルに置かせてもらって、動画撮影モードにしておいて。
 いっぱい動画を撮ったのなら、後は配信者としての腕の見せ所。素敵な動画を作って、信徒くんのお土産にしよう。
 癒やしになる動画になればいいな。そんなことも思いつつ、慧斗は猫達と素敵な時間を過ごしていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

冬原・イロハ
エリシャ(f03249)さんと

はわ、猫さんが寛いでらっしゃいます
エリシャさんと一緒にそうっと近づきましょう

初めまして、私はイロハっていいます

猫さんに挨拶して優しく撫でて親交を深めて
猫じゃらしを振りながら
リボンは結構あって、お気に入りは今日の青いのです。ウフフ、エリシャさんとのお出かけですからね♪

わあ、イヤリング、綺麗な青でとても似合ってて
素敵な夜を過ごされたんだなぁって
お話してくれる表情に私もニコニコ

って、(小声)あぁぁエリシャさん! 猫さんが伸びてます!
私より長いのでは?? すごい(スマホを静かにぱしゃっと)そのまま動画にして、ぐるりとエリシャさんや猫たちを映してベストショット狙います…!


エリシャ・パルティエル
イロハ(f10327)と猫カフェを楽しむわ

ふふ、可愛い猫ちゃんがいっぱいね!
そうね、挨拶して仲良くなっていきましょうか

無理に触らず寄って来てくれたら
撫でたり、おもちゃで遊んだりするわね

猫ちゃんと遊びながらイロハとおしゃべり
イロハはいつも可愛いリボンつけてるじゃない?
たくさん種類持ってるの?
お気に入りとかある?
ええ、青いリボンとっても似合ってる!
あたしのお気に入りはこのイヤリング
新月の夜にお祭りで見つけた石を大切な人と分け合って作ったの

ほんとね、すごーく伸びてる!
可愛い猫ちゃんの写真や動画たくさん撮って届けなきゃね!

あ、猫じゃらしで猫ちゃんのカメラ目線もらうわね
どう? いいショット撮れた?




「ふふ、凄いわイロハ。可愛い猫ちゃんがいっぱいね!」
「はわ、猫さんが寛いでらっしゃいます。本当にたくさん……」
 猫カフェを訪れたエリシャ・パルティエル(暁の星・f03249)と冬原・イロハ(戦場のお掃除ねこ・f10327)は、繰り広げられていた光景に思わずにっこり。
 カフェの中ではたくさんの猫がごろごろしていたり、遊び回っていたり。客や店員にじゃれついている子達もいる。
 それじゃあ早速自分達も。二人は近くを通った黒猫さんにそっと歩み寄る。
「初めまして、私はイロハっていいます。あの、お友達になってくれますか?」
 ぺこりと頭を下げるイロハに、黒猫さんもぺこり。その様子を微笑ましく見守りつつ、エリシャも小さく頭を下げた。
「そうね、挨拶は大切よね。あたしはエリシャ、イロハ共々よろしくね」
 向けられた挨拶への返事は、ふにゃあという気の抜けた鳴き声で。
 そのまま黒猫は香箱座りになって、イロハとエリシャの前に無防備な姿を晒す。これは――仲良くなってもいい、というサインだろうか。
 そこで二人はそっと手を伸ばし、黒猫さんの身体に触れさせてもらう。猫さんは抵抗しない。これはもう、大丈夫だろう。
「毛並みもつやつや……しっかりお世話して貰っているんでしょうね」
「えっと、こんな感じでしょうか……?」
 二人がそれぞれのペースで暖かなな毛並みを堪能させてもらっていると、ふと感じるのは足元に過るふわふわで。
 どうやら別の猫達も、興味を引かれてやってきたようだ。同時に目につくのは、近くに備え付けてあったカゴ。
「……エリシャさん、こういうのもあるそうです」
 イロハがカゴの中身を取り出し、エリシャの前に差し出す。それは猫用の柔らかな猫じゃらしだ。
「あら、面白そう! それじゃあいっぱい遊びましょうか!」
 エリシャも猫じゃらしを取り出して、小さく振ってみる。すると周囲の猫達はしゅばば、と動き出し、猫じゃらしに絡み始めたようだ。
 イロハも真似して振ってみれば、また猫さんがしゅばばっ。元気な様子は見ているこちらも楽しくなるものだ。

 アクティブな猫達に合わせるように、猟兵達も大きく動いて。
 そうやって遊んでいると、ふいにエリシャの前で青色が揺れる。その正体はイロハが身に付けているリボンだ。
「……そういえばイロハはいつも可愛いリボンつけてるじゃない? 今日のも綺麗な色ね」
「はわ、ありがとうございます」
「たくさん種類持ってるの? お気に入りとかある?」
「リボンは結構あって、お気に入りは今日の青いのです。せっかくのエリシャさんとのお出かけですからね♪」
 リボンをそっと撫で、微笑むイロハ。その表情から紡がれる言葉が本心なのを受け取って、エリシャも顔も思わず綻ぶ。
「ええ、とっても似合ってる! ありがとうね」
「こちらこそです。エリシャさんも何かお気に入りのもの、ありますか?」
 投げかけられた質問に、エリシャは耳元の青色を指しながら言葉を返す。
「あたしのお気に入りはこのイヤリングよ。すごく大切なもので……新月の夜にお祭りで見つけた石を、大切な人と分け合って作ったの」
 片方はイヤリング、片方はペンダントにして。絆紡ぎの祭で分かち合った煌めきは、今もエリシャ達の標になっている。
 愛おしそうに目を細め言葉を紡ぐエリシャを、イロハも優しく見つめていて。
「イヤリング、とても似合ってます。本当に大切にされているんですね」
「……ええ、本当に。イロハにこの話が出来たのも嬉しいわ」
「はい、私も聞けて嬉しいです」
 大切なものを、素直に大切と言い合える関係。それはきっと暖かくて、優しいもので。
 そんな二人を見守るように、一匹の猫が小さく鳴いた。

「っとと、猫ちゃんとも、もっと遊びましょうか」
 再び猫に意識を向けようとしたエリシャの袖を、くいくいとイロハの手が掴む。その手はなんだかぷるぷるしているようだ。
「エリシャさん、エリシャさん、あっちを見て下さい……!」
 イロハは興奮しているようだが、その声は控えめで。エリシャも促されるまま示された方向を見れば――。
「猫さんが伸びてます!」
「ほんとね、すごーく伸びてる!」
 そこにいたのは、ぐにーんとのびのびしている三毛猫ちゃんだ。それはもう、ぐにーんと。
「私より長いのでは?? すごい、すごいです……!」
 イロハは早速スマホを取り出し、ぐにーんとしている猫さんを撮影タイムに。合わせてエリシャもスマホのカメラを立ち上げた。
「この様子、UDC-Pも喜んでくれそうね」
「絶対喜んでくれると思います。いっぱい撮りましょう……!」
 ここからは楽しい撮影タイムだ。
 イロハはユーベルコードでふかふかのクッションを呼び出すと、そこに猫ちゃんを集めていって。
 エリシャも猫じゃらしをどんどん振って、猫達の自由な姿をどんどん見つけて。
 狙え、ベストショット。まったりしてる猫ちゃんも、元気にカメラ目線の猫ちゃんも、全部全部可愛いのだから。
「どう? いいショット撮れた?」
「はい、ばっちりです! あの、エリシャさんも……!」
「ふふ、記念撮影ね。勿論オッケーよ!」
 二人で並んで、猫ちゃんと一緒のショットも忘れずに。
 大切なものと、大切な友人と、それから可愛い猫さん達と。
 二人が収めた沢山の写真や動画は、何より素敵な思い出になっていくのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

二條・心春
UDC-P……信徒さんのことを知ることができて、私もとても貴重な経験ができました。お礼にたくさん写真や動画を送ってあげましょう。

とはいえちょっと疲れてしまいましたので、一休みしながらのんびり過ごしている猫さんを写真に収めますよ。うんうん、どの子もかわいくて癒されますね……。あっ、せっかくなのでお店の中の様子とかも撮りましょうか。写真だけではなく動画も見せたいですね。やっぱり動画にするなら、猫じゃらしで遊んでいるところがいいかな。猫さん達のかわいさを余すところなくお伝えしますよ。
信徒さん達と街を歩けるようになる日が、早く来てほしいです。そのために、私達ももっと頑張らないといけませんね。




 案内された席に腰掛けつつ、二條・心春はほっと息を吐く。
 今日はUDC-P、信徒と深く関わることが出来た。彼のことを知ることが出来て、色々な経験を積ませてもらって。
 だからお礼もしっかりと。猫さんの写真や動画をたくさん撮って、信徒さんに感謝を伝えなければ。
 とはいえカフェの空気はまったりゆったり。模擬戦で身体に負担をかけたのもあってか、心春ものんびりモードだ。
 そんな心春の様子を見て、同じくまったりした性質の猫達も集まってきているようで。
 足元を通り過ぎるふわふわに、心春は思わず目を細める。
「ちょっと失礼しますね……」
 ぱしゃり。スマホでまずは写真を一枚。さっき撮った子はサビ猫さんだった。
 それじゃあ次は――窓辺で日向ぼっこしている黒猫さんにしようか。カメラを構えてズームして、またぱしゃり。
 それからそれから。店の中を眺めれば、たくさんの猫達が自由に動き回っている。
 どの子も可愛くて、とっても癒やされる。心春の表情もどんどん緩やかなものに変わってきていた。

 写真はある程度撮れたから、別のことにも挑戦しようか。
 心春は頂いたお冷をぐっと飲み、席から立ち上がる。
(そうですね……動画も撮れればいいのですが)
 きょろりと店を見回して、見つけたのは『自由に使って下さい』と示されたカゴ。中には猫用のおもちゃが置かれているようだ。
 それじゃあ早速。心春は猫じゃらしを手に取ると、周囲の猫に向かって振ってみる。
 すると――猫さん達は目ざとく猫じゃらしに反応し、元気に周囲を飛び交い始めた。
 これはチャンスだ。近くのテーブルにスマホをセットして、暫く猫さんと遊んでみよう。
 一段落することにはたくさんの動画が撮れるはず。元気にじゃれてくる子も、隅っこでのんびりしてる子も。みんなみんな、記録に残せるはずだ。

 遊び疲れたら休憩しつつ、撮った動画を確認して。
 心春はスマホを操作しつつ、改めて信徒のことを思う。
 いつか彼もここに遊びに来たり、自由に街を歩ける時が来るのだろうか――いいや、違う。
「……きっとそれれは、私達の役目なのでしょうね」
 より世界のことを、UDCのことを理解して、手を伸ばす。それはきっと、自分達猟兵の務めだろうから。
 だからもっと頑張らないといけません。そんなことを思いつつ、心春はスマホを握りしめる。
 そのためにも――今日は楽しい思い出を共有しあおう。
 そのままメールアプリを立ち上げ、撮った猫達の姿を組織へ送って。
 そこに籠められた心春の思いも、きっと信徒には届くことだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クララ・リンドヴァル
※アドリブ連携OK
大変なのはこれからでしょうけど……
少しは信徒君の手助けが出来たでしょうか。
素直で良い子でしたし、きっと自身のトラウマと向き合う事も出来るようになるでしょう。
職員さん達とも、さらにいい関係を築いてくれたらな、と。

猫カフェにお邪魔します。
きれいな場所……それに猫ちゃんもすごくかわいいですし。
ローブの生地で包むようにして可愛がります。

最初は家でやるようにソファに寝そべりながらやるのですが、
その後、ぐぐぐ、と身体を起こして、膝に乗せて可愛がります。
……写真に撮られて送られたら恥ずかしいですし。

ぴーんと来たら、戸棚や隙間を探ってみます。
私と同じで狭いところ好きな子の陣地なんですよね。




 猫カフェに向かう最中、クララ・リンドヴァルの頭の中にあったのは今日の調査のこと。
 信徒は素直な良い子だ。きっと自分のトラウマや痛みに向き合っていけるだろう。
 彼の周りには信頼しあっている職員だっているのだ。彼らと共に歩んでいけることも、きっと僥倖になるだろう。
 信徒が進む道は決して平坦なものではない。大変なのはこれからだ。自分達の協力が、少しでも彼の助けになるといいのだけれど。
 だから今日は最後に、猫達の写真を撮って。信徒を励ます力に変えよう。
 そして――自分もゆっくり猫と触れ合おう。思いが固まる頃には、クララももうカフェの前まで着いていて。
 そっと扉を開けば、穏やかな気配が伝わってくる。
 店の中はかなり綺麗で、走り回ってる猫もいるのに慌ただしさは感じない。
 猫ちゃん達も自由に遊んだり寛いでいるようで、とても可愛らしかった。

 クララは案内を受け、ソファ席へと腰をかける。
 さてどうしようか。考え込むクララの隣に、ふいに現れるのは白い影。
「にゃあ」
「……あ、こんにちは」
 じーっとこっちを見上げているのは白猫だ。思わずぺこりと挨拶を返し、クララは軽く膝を叩く。
「あの、よければどうぞ」
 白猫は促されるまま、クララの膝の上へ乗ってきて。適度な重みと暖かさはローブ越しでもよく伝わる。
 そのまま生地に包み込むよう抱きしめれば、猫はされるがままになっている。けれど怖がったりしていない。むしろリラックスしているようだ。
「失礼しますね……」
 一緒にソファに横になれば、まったりとした気分になって。猫の背中を撫でてやれば、気持ちよさそうなゴロゴロが返ってきた。
 このままうとうとしたいくらいだけど、ここはお店の中だ。クララは改めてぐぐぐ、と身を起こし、猫を膝に乗せる。
(……他の方が撮っている写真、写り込んでいなかったでしょうか)
 流石にリラックスしすぎただろうか。少し顔が熱くなっているのを感じる。
 でも猫は喜んでくれていたし、周りの人も一緒に遊んでる猫に夢中だ。きっと大丈夫だろう。

 白猫さんが気まぐれを起こしさよならしたら、クララも改めて店内を見遣る。
 そういえば――ふと思い立って目指すのは、棚やカゴの隙間だ。
 そこをじっと覗き込めば、思った通り。小さな三毛猫が身を丸め、リラックスしている様子。
「……ええ、分かります。そういう場所、落ち着きますよね」
 クララの言葉に、猫は同意するように小さく鳴いて。
 気の合う友達が出来るのも、また嬉しいこと。湧き上がるぽかぽかとした思いに、クララはそっと微笑むのだった。


 こうして猟兵達は信徒の調査依頼を終え、楽しい一時も過ごすことが出来た。
 猟兵達が信徒に齎したものは、きっと彼を支えてくれるはず。

 まだまだ未知の闇が溢れる世界。
 それでもきっと、少しずつ光が指し示されていくだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年10月23日


挿絵イラスト