銀河帝国攻略戦㉕~水銀の王と黒鋼の水鏡
「遂に開戦よ皆!カチコミよカチコミ!」
何故かサムライエンパイア風の兜を被ったミア・ウィスタリアが軍配を振り上げた。
「あ、これ?気分出るでしょ?」
さておき、猟兵達の活躍によって『アゴニーフェイス』艦隊を無事突破する事に成功した。 この先に待ち受けているのはいよいよ帝国旗艦『インペリウム』と、『解放軍』艦隊の全面衝突だ。
今回は宇宙空間での戦闘と同時に、猟兵達によるインペリウム内部への強襲作戦が計画されている。内部で破壊活動を行う事で、帝国旗艦『インペリウム』の戦闘力を削ごうと言う狙いだ。
ミアはインペリウム内部の見取り図をホログラムウインドウに映し出しながらテンション高く軍配を振り回す。
「今回もアタシが帝国戦艦の中まで送ってあげるから侵入経路はバッチリね!内部をボッコボコのベッコベコにしてやんなさい!暴れれば暴れるほど解放軍の皆が有利になるわ!……あ、でも一つだけ注意してほしいのは」
と、ふと真剣な顔で注意を促してくる。
「流石に旗艦って言うだけあって、中には銀河皇帝の親衛隊がいるみたいなの。正直言って……今の皆じゃマトモに戦って勝てる相手じゃないわ。出来るだけ鉢合わせしない様にした方がいいかもね。まっ、要は会ったら逃げろ!って事よ!じゃあしゅっぱーつ!」
ミアの天球儀型のグリモアが激しく回転を始める。
微かな不安要素を残し、猟兵達の転送が始まるのだった。
●遭遇
寒々しい灰褐色のホールにエナメル質のブーツの足音が響く。
「あらぁ……本当に来たわ……陛下の言う通りだったわね」
「「「「ッッ
!!!!??」」」」
猟兵達の顔に驚愕の色が走る。
偶然其処にいた?
否、彼女は今言わなかったか?
本 当 に 来 た と
つまり、作戦はバレているという事だ。
「ようこそ薄汚いドブネズミの皆さん……私は皇帝親衛隊が一人……アナリシス。覚えなくていいわ……どうせここで死ぬのだものねぇ…」
ニッコリとオンナが嗤った。
妖艶でありながら凄まじい程の凄惨さと残忍さを込めて。
龍眼智
龍眼智です。
さぁさぁボス戦も近付いてまいりましたよ。
今回は親衛隊とのガチバトルです!楽しいですね!
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このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
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第1章 ボス戦
『アナリシス』
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POW : アナライズ&コードテイカー
【ダメージのない解析ビーム 】が命中した対象に対し、高威力高命中の【対象のユーベルコードを借用した攻撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD : カウンターコード
【近くで使われたユーベルコードを解析する事】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【そのユーベルコードのコピーを使用する事】で攻撃する。
WIZ : ミラーフォーム
対象の攻撃を軽減する【対象と鏡映しの姿(ミラーフォーム) 】に変身しつつ、【対象が所持するユーベルコードを借用する事】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑11
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名張・辿
船の上で薄汚い病気持ちの鼠は命取りだもんなぁ、そら猫も狩りにくるってか
冗談はさておき、戦闘力の差はあるし、逃げ回りながら嫌がらせでもしようかね
【人恋しい共存不可存在】で寿命と引き換えに身体能力を上げる病気を宿した上で、高速軌道戦を試みるかね
敵が長射程の攻撃手段を持っていることを加味したうえで、回避・逃げ回りを重視して、隙を見て毒の風を飛ばす戦法をとるよ
攻撃を当てるより、敵の行動のタイミング合わせて邪魔することを主目的にするよ
たまにフェイント混ぜて攻撃すると思わせて逃げたり、逆の行動をとったり、
突っ込むと思わせて怪我した味方回収する救助活動したり、意図を読まれないようにできることをこなしていくよ
ゾーク・ディナイアル
「あーあ、全部お見通しってワケかい…仕方ないなぁ」
☆戦術
SPD勝負
「ボクが時間を稼ぐから、その間にお前達を艦を破壊しろ!」
捨て石任務はいつだってボクの役目さ、でもやらなきゃいけない…今はもう誰もボクを責めないけど、だけど。
「出来損ないだって、英雄達を助ける事くらいは出来るんだ!」
強化された『見切り』の力で極限まで精度を上げた【強化兵戦技《予測回避》】で徹底的に攻撃を回避しながら『カウンター』で強化筋肉の『怪力』を以って振るう『二回攻撃』だ。
「攻撃を他人のユーベルコード頼みにしてさぁ!偽UCでボクを倒せるワケないだろぉ!
出来損ないには偽のユーベルコードで十分だとでも言うのかよぉ!」
※アドリブ歓迎
枯井戸・マックス
「ヒューッ!良い女だな。今夜暇かい?」
内心では焦りつつポーカーフェイスを貫く。
「真似っこが得意なようだが、こいつはどうかな?
星辰の導きに従い来たれ……我が同胞よ」
虚空より魔術的遺物達を召喚し、山羊座を象徴する大角付きの鎧に組み替え全身に纏う。
敵の解析ビームは敢えて避けずに『挑発』し、鎧を纏うように促す。
「遺物とは唯一無二の古の奇跡。そして、掛け替えのない俺の友だ。
偽りの主を磔にせよ、サモンアーマー!」
敵にコピーされたアーマーの主導権を奪い取ろうと『召喚士の属性、コミュ力、催眠術、封印を解く』で遺物達に呼びかける。
その後は超強化された肉体で『怪力、鎧無視攻撃、衝撃波』による飛び回し蹴りでとどめ。
宮落・ライア
ふぅん…模倣が得意なんだ。
いいね!そんなのと戦うのも面白そうだね!
ねぇ、これは模倣できるの?
ただの贋作が!その心が!その体が!
その思いを再現できるの?
ただ単純に暴力的に【殺気】を振りまき【怪力・薙ぎ払い・衝撃波・二回攻撃】、時には【グラップル】で攻め立てる。
相手の攻撃には【野生の感】を念頭に【見切り・残像】【カウンター】【武器受け】で捌く。
直接貰ったなら仕方ない【激痛耐性・毒耐性】で無視。
他の猟兵が船の破壊優先とかしたなら全力で邪魔して【かばう】かな
戦い続きで初めっから結構狂ってる。戦闘狂?
傷ついても笑い血を流しても笑う。
目の前の奴を倒せば英雄になれるんだから。
三影・サイ
別の艦で戦った敵のオリジナル、なんでしょうか。
立ち塞がるならどんな相手だろうと、排除するだけです。
ユーベルコードを使用し敵を撃ち抜きます。
技能のスナイパーを利用して敵の頭部を狙撃。
敵のカウンターコード、私のコピーなら照準時の隙も同じようにあるはずです。
機会を逃さず味方と連携して敵がこちらを射撃する前に、攻撃を集中して仕留めます。
他にも味方に射手がいらっしゃるならお互いに死角を補うようにして、敵への射撃を間断なく行いたいです。
竹城・落葉
どうやら、読まれていたという訳か……?まぁ、いい。出会ってしまった以上は仕方ない。ここで貴様を仕留めるとしよう。
我は名物竹城を手に『支柱一閃』で切り伏せよう。
相手はユーベルコードを借用するようだが、それは気にしない。コピーされるという事は、いわば剣道の試合みたくなるという事。ならば、我の身体能力や技能を駆使して、相手の攻撃を上回れば良いだけの事。
我は【だまし討ち】【フェイント】【残像】を駆使して攻撃を避けつつ、【早業】【2回攻撃】【鎧破壊攻撃】で確実に仕留めるぞ。
戦闘中は冷酷な雰囲気を醸し出し、無表情になる。我とて元武将、その一撃を受けて見よ!
――最悪の事態だ。
恐らくそれが、この場に居合わせた猟兵の誰もが思った事だろう。
親衛隊という脅威がいる以上、今回の作戦にはある程度の隠密性と速効性が必要とされていた。潜入後一気にコアマシンに襲撃を掛け、全力で破壊活動の後、速やかに離脱。
そういう電撃作戦の筈だったのだ。
それがどう言う訳か、相手に出鼻をくじかれている。
しかも、相手がそれを【意図的に行なっている】と言うのが更に不気味だ。
戸惑いの色が隠せない猟兵達にアナリシスが畳み掛ける。
「なるほど、確かに貴方達の力は脅威よねぇ。何処だろうと転移で飛んで来て、しかも色々と訳の解らない戦い方をする。それは並の兵士じゃ手も足も出ないでしょうね。でも……」
そして、底冷えする様な視線と声で告げた。
「まさか皇帝陛下にまでそのやり方が通用するなんて、本気で思っていたとしたら……随分とおめでたいわねぇ」
「ヒューッ!そこまでお見通しとは恐れ入った!お前さん良い女だな。今夜暇かい?良いバーを知ってるんだ」
何とか状況を立て直そうとしたのか、枯井戸・マックス(強欲な喫茶店主・f03382)がおちゃらけた様子でアナリシスに応じる。
「あらありがとうお兄さん、私ブラッディマリーが好きなの....貴方の血で作って頂けるのかしら」
「ハハ……そうかい、参ったねこりゃ」
マックスの頰を一筋の冷や汗が流れ落ちる。
その時、突如彼の後ろから飛び出す影が二つ。
ゾーク・ディナイアル(強化エルフ兵の出来損ない・f11288)と宮落・ライア(英雄こそが守り手!(志望)・f05053)である。
「ボクが時間を稼ぐから、その間にお前達を艦を破壊しろ!」
「待てよぉぉぉぉボクが先だぁぁぁぁぁ!!」
「待て二人とも!!」
マックスの制止も虚しく競う様にアナリシスに斬りかかる二人。
兎にも角にも、戦端は開かれてしまった。
最早道は二つに一つ。奴を倒して撤退するか、ここが自分達の墓場となるかだ。
「負けられない!死ぬことも止まることも認められない!私は託された!選ばれたんだから!」
最初に刃を届かせたのはライアだ。
敵は此方の技を模倣するのだと言う。
だが、それが何だと言うのだ。
我がユーベルコードは攻撃にあらず、その精神の在り方そのものこそ奥義!
ねぇ、これは模倣できるの?
ただの贋作が!その心が!その体が!
その思いを再現できるの!?
ライアの骨の様な武骨な大剣がアナリシスの肩を捉えた……!かに見えたその瞬間、アナリシスの手が膨れ上がり大剣の形を形成した。ライアの持つそれと寸分違わぬ同じ形である。
「そう……選ばれたのね。私もよ!」
白の大剣と銀の大剣が甲高い音を立てて打ち合わされる!
そこから始まるのは異様な剣戟の応酬だ。其処に知略も、洗練さも、欠片も存在しない。只々己の衝動の許すがままに振り回し、叩き付け、掴み掛り、弾き飛ばすだけの獣の戦い。
しかし、それでも尚異様と評したのは、両者の動きが全くの線対称になっているからに他ならない。
まるで鏡に写したかのようにライアの動きをトレースするアナリシス。超強化されているはずの身体能力で打ち合おうとも威力に全く引けを取らない。
「アハハハ!どうしたの!?その動きはもう解析したわよ!?もっともっと貴方を見せて!」
お互いに防御を全く考慮しないスタイルであるが故に、ライアの攻撃も当たっていない訳ではない。しかし相手は直ぐ様それを模倣し、ライアの動きに追い付いてくるのだ。それが単なる猿真似の域を凌駕している事は現状を見れば明白だろう。
「調ッ子に乗るなァァァァァ!!」
其処に驚異的な速度で繰り出される第三の腕。両者の斬撃の合間を縫ってアナリシスに斬りかかるのはゾークだ。
ライアの剣から弾き返された反動をバネに、身体を捻って銀の大剣をゾーク目掛けて薙ぎ払うアナリシス。
「動きがぁ…見えてるんだよぉ!」
銀の大剣がゾークの軍服をギリギリのラインで掠めていく。
自らに施された強化実験により得た未来視能力が、彼女に一瞬先の剣閃の行方を教えてくれる。
「アハァ!良いわねそれ!頂くわ!」
アナリシスのバイザーが怪しい光を放った瞬間、その動きが明確に変わった。理性も何も蒸発したような破れかぶれな動きが、次第に洗練された剣士のそれに変わっていく。
「攻撃を他人のユーベルコード頼みにしてさぁ!偽UCでボクを倒せるワケないだろぉ!出来損ないには偽のユーベルコードで十分だとでも言うのかよぉ!」
「アハハハハ!負け惜しみね!言ったでしょう!私は選ばれたって!ドクターオロチの実験体として生まれ、無数の姉妹達の中から皇帝陛下の親衛隊まで成り上がった!格が違うのよ格が!」
激昂するゾークが嵐の如く斬撃を繰り出すも、紙一重の動きでその全てが回避されてしまう。
ライアの剣に空振りが増えてきた。出鱈目に振り回される大剣を受け流し大きくバランスを崩される。たたらを踏んだライアの鳩尾にエナメルブーツの鋭い蹴りが突き刺さった!
「出来損ないって言ったわね……だったら出来損ないらしく、地べたに這いつくばってろってのよ!!!」
「「ガァッ
!!?」」
吹き飛ばされたライアの華奢な肢体が射線上のゾークを巻き込み、放射状の亀裂を走らせながら諸共に壁にめり込んだ。
トドメを刺そうと二人に追いすがるアナリシス。
――ふと、辺りに異臭が立ち込めている事に気付く。
「来やれ、寂しがり屋の旧き友よ、今少し共に在れ……まあ、多少は付き合うよ」
密閉されているはずのホールに吹く生温い風。
それは微かな獣臭と共に小さな無数の齧歯類の鳴き声を載せて木霊する。
名張・辿(鼠遣われ・f04894)が自らに纏う病から滲み出す毒素が風に舞って漂っているのだ。
「どぉも、ドブネズミです。船の上で薄汚い病気持ちの鼠は命取りだもんなぁ、そら猫も狩りにくるってか」
寸前で刃を止めたアナリシスが辿に向き直る。
「驚いたわ……まさか本当にネズミがいるなんてね……しかもこんなに大きなのが。よりによって陛下のお膝元をうろちょろしているなんて!」
またもコピーしたのだろう毒の鎌鼬を辿る向けて放ってくる。
「おっと危ねぇ!どこ狙ってんだい?」
しかし辿は撃ち合いを良しとせず、何と背を向けて逃げ出した!
「なっ!?」
流石にこれは予想外だったのかアナリシスの顔に初めて驚愕の色が浮かぶ。
辿とて本気で敵前逃亡を図った訳ではない。近付き過ぎず、離れ過ぎず、尚且つ相手のターゲットは此方に向く様に牽制の鎌鼬を放ち逃げ回る。
「クッ……!このっ、ちょこまかと!」
放たれる鎌鼬はかわせても空間を漂う毒素と呪詛がアナリシスの身体をジワジワと侵食していく。
(チャンスだ……)
そんな二人の様子に仮面の奥から油断のない視線を向けるマックスは、傍らに残った二人の女性にだけ聞こえるように作戦を伝える。
片やブラスターを構えた小柄な少女、三影・サイ(火力支援兵・f14159)。
片や日本刀を帯びた和服の女性、竹城・落葉(一般的な剣客……の筈だった・f00809)
「今から俺が奴の気を引いて隙きを作る。その内に二人で仕留めてくれ」
「承った。我が名物竹城の錆にしてくれよう……」
つられて頷きを返すサイ。
「はい、お気を付けて」
それを確認するとニッと口端に笑みを浮かべ、マックスは飛び出していった。
「よぉ姉ちゃん!真似っこが得意なようだが、こいつはどうかな!?」
わざと大袈裟にアナリシスの前に身を晒し、虚空に手を振り上げる。
「星辰の導きに従い来たれ……我が同胞よ」
マックスの頭上より重厚な鎧で形作られた山羊が降り立ち、興奮したように蹄を振り上げた。
「着装!召喚武装(サモンアーマー)!」
鎧の山羊がパーツ毎に分離し、吸い寄せられる様にマックスの全身を覆っていく。
一瞬の変身劇の後、其処には雄々しい大角を備えた全身鎧の闘士が顕現していた。
怪訝な顔でマックスを見つめていたアナリシスが手をかざすと解析ビームを放ってきた。
「……何の真似か知らないけど乗ってあげるわ。あの薄汚いネズミ男と一緒に始末してあげる!」
マックスは仁王立ちで光線を受け止めた。
アナリシスの身体が見る間に重甲な鎧で覆われるとそのまま地面を蹴って爆発的に加速する!
鈍色に輝く拳がマックスの胸部に叩き込まれた!
紙一重の所でガードには成功するも、凄まじい衝撃は彼を数メートル後ろに吹き飛ばす!
「ックァ〜〜!いって……!自分の鎧から殴られる日が来るとはね……だがな、遺物とは唯一無二の古の奇跡。そして、掛け替えのない俺の友だ。アンタのそのハリボテに、果たして奇跡は宿っているかな!?」
「なっ!?これは
……!?」
五指を目一杯広げた掌をアナリシスに向けるマックス。
そこから放たれるのは鎧の封印を解く召喚士としての開封の術式!
「偽りの主を磔にせよ、サモンアーマー!」
アナリシスの纏う兜にあしらわれた山羊のレリーフの目が光を放ち、全身を彫像の如く固めてしまう!
「貴様ッ!!まさかこれが狙いで!?」
「もう遅いわ!やってくれ!」
――瞬時に三つの影が交錯する。
辿がぐったりしたゾークとライアを救助に向かう。
ターゲットサイトを確定させたサイのユーベルコード「星天に花咲く瑠璃唐草」がアナリシスの額に風穴を開けた。
高く飛び上がった落葉が振りかぶった名物竹城を大上段から振り下ろす。
「そん……な……」
山羊の鎧の正中線に亀裂が走り、中央から真っ二つにされた金属生命体は溶け崩れ絶命した。
「我とて元武将、如何に猿真似が上手かろうと、そう易々と剣で遅れを取るわけにはいかんのだよ……」
●脱出
辛くも親衛隊を撃破する事には成功した猟兵達。
しかし、戦況は何も変わっていない。当初の作戦目標であった船内の破壊活動は全く出来ておらず、そもそも、そんな余力は残っていなかった。
「チッ、流石にアレだけ派手にドンパチやりゃあ気付かれますわな」
辿が此方に向かってくる複数の足音を聞き付けて舌打ちをする。
「ここに留まっては囲まれる危険がありますね。撤退を推奨します」
サイが無表情のまま進言する。
「そうだな、まずは敵をやり過ごせる場所を探そう。転移はその後だ」
猟兵達は気絶した二人を背負うと、そそくさとその場を後にするのだった。
――一筋縄ではいかない、今後の戦いに一抹の不安を覚えながら……
成功
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