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アルカディア争奪戦㉖〜赫翼、死雲を穿ちて蒼穹を翔けん~

#ブルーアルカディア #アルカディア争奪戦 #帝竜『大空を覆うもの』 #ルビ振り希望の方は必ず◎をつけてください #執筆は先着順ではありません

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#帝竜『大空を覆うもの』
#ルビ振り希望の方は必ず◎をつけてください
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『……アルカディアよ……』

 蒼き空を覆う紫苑の雲から声がする。

『……わかっている わたしは アルカディアを護る……』
『……だけど この戦いが終わったら 行かせてくれ……』

『……わかってくれ アルカディアよ……』

『……例え 洗脳されて 仕えていたのだとしても……』

『……わたしは 『主』の 傍に いたいのだ……』

 願い乞うような言葉と共に、帝竜が姿を現し――絶望の死雲がブルーアルカディアの空を覆う。
 こんな奴を相手にどうすれば良いのか、途方に暮れそうになった――その時だ。

『……ごめんなさい。私は、もう、持ちません』

 どこからか、声がする。
 果たしてそれは誰への謝罪か、猟兵たちにはわからない。
 だが、その少女の声は止めどなく満ち溢れる魔力を宿していて――猟兵たちの背を押すように、声をかける。

『でも、必ず会いに行きます。だから、今はこれで持ちこたえて――!』

 刹那、齎されるは赫き翼。
 拒絶の雲に覆われたブルーアルカディアの|蒼穹《そら》に、一条の赫が羽撃いていく――。


「みんな、予兆は見たな?」

 招集に応じた猟兵たちに確認するように、地籠・陵也(心壊無穢の白き竜・f27047)が口を開く。
 |『拒絶の雲海』《アルカディア・エフェクト》の正体――帝竜『大空を覆うもの』。
 それはこのブルーアルカディアという世界の大気そのものでできていたのだ。

「この世界の大気そのものである以上、絶対に倒すことができない強敵だ。
 完全に消滅させるにはブルーアルカディアから全ての大気を消滅させる必要があるからな。
 流石にそれは無理な話だ。

 ――じゃあどうするのかって?
 別段難しい話じゃあないさ。|普段大気は一定箇所に集中しないもの《・・・・・・・・・・・・・・・・・》だろう?」

 『大空を覆うもの』の身体はブルーアルカディアの大気が凝縮することによって形作られる。
 猟兵たちが近づけば、『大空を覆うもの』は虚神アルカディアを護る為、自らの意志で顕現するだろう。
 その際に凝縮させた大気を、もう一度散らしてやればいいのだ。
 そうすれば一時的に奴の顕現を妨げ、アルカディアの玉座に辿り着くことが容易になる。

「それと……何でかはわからないが、誰かが力を貸してくれるみたいだ。
 本当に誰かはわからない。声からして女の子の声だとは思う。
 でも多分俺の知り合いでもなければみんなの知り合いでもない……ハズだ。多分、多分な?
 ……ただ、この声が与えてくれる力は『大空を覆うもの』の身体を霧散させられるようになるんだ」

 謎の少女の声によって齎されるは、空を翔ける為の赫き翼。
 そして、大気という"実体のない"肉体を物理化し、破壊する能力。
 この力を与えられた瞬間猟兵たちは真の姿と化し、その翼と物理化・破壊能力を振るうことが可能になるのだ。
 だがあまりにも強力すぎる為、長時間の行使は例え歴戦の猟兵であっても身体が保たない。

「全力で攻撃できるのは、一発限り――そう思って欲しい。
 奴の攻撃を掻い潜り、みんなの持てる力を全部ぶつけてくれ。
 『大空を覆うもの』の顕現を阻止し、アルカディアの玉座への道を開くんだ!」

 元凶たる虚神の玉座まで、あと少し。
 まさに死力を尽くした決戦は、佳境を迎えつつある――。


御巫咲絢
 わぁい、御巫こういうエモ展開だーいすき!
 どうもお世話になっておりますMSの|御巫咲絢《みかなぎさーや》です。
 シナリオ閲覧ありがとうございます!御巫のシナリオが初めての方はお手数ですがMSページもご一読くださいますと非常に助かります。

 空を覆う巨大な帝竜! 絶望寸前の状況に差す一条の希望!
 こういう王道展開MSめっっっっっっっっっっっっっっっっっちゃ大好きです。
 猟兵たちの!最高にカッコいい必殺技の瞬間見てみたーい!!そんな欲望ダダ漏れなシナリオをお届けします。

●シナリオについて
 当シナリオは「戦争シナリオ」です。1章で完結する特殊なシナリオとなっております。
 当シナリオには以下のプレイングボーナスがついています。

●プレイングボーナス
 「赤き翼の真の姿」に変身し、最大最強の一撃を放つ。

●プレイング受付について
 現在執筆中の「アルカディア争奪戦㉔~その星、決して刻まれることなかれ」完結後から執筆予定の為、
 OP承認後"翌日"の"8:31から受付"とさせて頂きます。断章はありません。
 期間前の受付は"オーバーロードのみ可"です。非オーバーロードの方の帰還前投函は失効にて一度ご返却しますので、受付が始まったら再度ご投函頂きますようお願い致します。
 多分ボス戦に手を回せる余裕があるかわからないので、こちらのシナリオはキャパシティ限界ギリギリまでプレイング受付予定です。
 最低でも「5名様」は確実にご案内させて頂きますが、「執筆はMSが書きやすいと思ったものから」とさせてください。申し訳ない!
 再送して頂くことがないよう頑張って執筆しますので何卒よろしくお願い致します。

 それでは、皆様の渾身の必殺技をブチかますプレイングをお待ち致しております!
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第1章 ボス戦 『帝竜『大空を覆うもの』』

POW   :    雷災体現
自身の肉体を「稲妻の【渦巻く漆黒の雲】」に変える。変身中、雷鳴電撃・物理攻撃無効・通電物質内移動の能力を得る。
SPD   :    災害竜招来
自身の【肉体を構成する雲海】を代償に、1〜12体の【様々な災害を具現化したドラゴン】を召喚する。戦闘力は高いが、召喚数に応じた量の代償が必要。
WIZ   :    魔竜真空波
全身を【触れたものを破壊する真空の波】で覆い、自身の【大きさ】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。

イラスト:純志

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

空桐・清導
POWで挑む
アドリブや連携も大歓迎だ

「主の傍に帰りたいね。
任せな!その願い、叶えてやるぜ!
…そのためにも、力を貸してくれ赤き翼よ!」
真紅の鎧に赤き翼を宿し、その姿を変えてゆく
「名付けるならクリムゾンモード!」
随所に追加アーマーが装着された姿となる

「さあ!一気に決めるぞ!」
UCを発動させて炎の剣を創造する
[オーラ防御]で雷撃を防ぎながら、炎剣をグルグルと回す
徐々に巨大な火炎旋風を生み出し、
周囲の雲を巻き込んで『大空を覆うもの』に迫る大きさになる

「主のところまで届け!
赫烈必殺!クリムゾン・フレア・ストーム!!」
炎剣を両手で握り、一気に振り下ろす
爆裂的な火炎旋風が漆黒の雲ごと、帝龍を食らい尽くす!



『……わたしは アルカディアを護る……』

『……何故ならば わたしこそが |『拒絶の雲海』《アルカディア・エフェクト》であるからに 他ならない……』

『……だが わたしが立ちはだかるのは これ限りだ……』

 全ては、主と共にありたいが故に。
 虚神アルカディアの下、最大――スケールという意味でも――の守護者として、主を求める帝竜はブルーアルカディアの空を覆う。
 猟兵たちに対する敵意ははっきりと伝わるが、同時に"主に会いたい""主の傍にいたい"という切なる願いも、感じ取ることができた。

「主の傍に帰りたい、ね……」

 空桐・清導(ブレイザイン・f28542)は、特にその切なる願いを強く感じ取ったものの一人だった。
 清導はヒーローである。
 ヒーローとは弱きを助け、悪を挫き、皆が笑顔で平和に過ごせるような理想を目指す者。
 例え昨日は敵であったとしても、助けなければならないと感じたならば手を伸ばす。

『……そうだ わたしは『主』の下へ帰りたい……』
 
『……例え 操られていて仕えていたとしても……』

『……わたしの 『主』は その人 ただ一人なのだ……』

 敵として立ちはだかるには、不似合いな程に悲しくすら聞こえる声。
 それでも課せられた使命を放棄しないのは帝竜としての誇り故か、それとも。
 だが、はっきりと自らの望みを口にしたのならば。
 それが例え敵であっても、"叶えてやりたい"と思ったのならば、清導の決意は決して揺らがない。

「任せな!その願い、叶えてやるぜ!」

 故に迷わず即答と言っても良い程に、はっきりと宣言した。
 相手が空そのものを覆う帝竜であっても、決して目をそらすこと無く。
 
『……不可思議なことを言う わたしが"敵"であると知りながら そう言うのか……』
「あんたは確かにオブリビオンで帝竜だ。……だがだからって主の下に帰りたいという気持ちを否定する理由にはならねえ。
 そして、俺がその願いを叶えたいと思っちゃいけねえ理由にもならねえ!
 だから俺はお前の願いを叶える!その為に――」

 ――力を化してくれ、赤き翼よ……!

 清導の強い意志と言葉に呼応するかのように、身に纏う真紅の鎧に赤霧が集い、宿る。
 迸るパワーが"超鋼真紅"ブレイザインのさらなる力を呼び覚ましたのか、追加アーマーパーツが清導の身体を包み、その上で赫き翼が現出。

「名付けるなら……ブレイザイン・クリムゾンモード!!」
 
 真紅の鎧、赤い霧、そして現出した赫き翼――3つの赤が交わったフルアーマーモードはまさにクリムゾンの名に相応しい出で立ちで、清導の心に宿る熱を体現したかのよう。
 そしてさらにその熱は留まるこるどころを知らないかのように炎という形で現れ、彼の腕部に集い真っ赤な燃える刀身を生み出す。

『……いいだろう 本当に私を還せるというのなら……』

 ――試してみるがいい。
 その言葉と共に『大空を覆うもの』の身体が形を変えていく。
 紫雲がだんだんと渦巻き、闇よりも深いかのような漆黒へと変化しては、雷鳴が空全体を駆け巡るかのように鳴り響き始めた。
 だが当然、その程度で怯む清導ではない。雷雲犇めく空へと迷わず飛翔する――!

「さあ!一気に決めるぞ!」
『……愚かなり ただ焼き焦がされて 朽ちるだけというのに……』
「ただ雷が落ちるだけで俺が止められるものかよ!」

 『大空を覆うもの』から落とされた雷をオーラの防護壁で弾き、あるいは回避。
  怒涛の雷撃から身を守りつつ、清導は炎の剣をぐるぐると、勢いよく回し始めた。
 その情熱の宿った炎は拡散されては周囲の雲を次々に巻き込んでいく。
 一体何をしようとしているのか検討がつかない『大空を覆うもの』であったが……自らの身体の一部となる雷雲すら飲み込んで大きくなった瞬間に意図を察した。
 周囲の雲、その中に含まれた自らのパーツたる|『拒絶の雲海』《アルカディア・エフェクト》すらも力と変えた火炎の旋風は、まるで清導を台風の目と見立てるかのように激しく吹き荒れる。

 ――ぶつけられるのは一度だけ。
 故に清導はこの一撃に全身全霊を込めるべく、炎にて雲を次々と取り込み巨大化させ、より威力を増大させていく。
 そしてあらゆる空の雲を呑み込み続けた火炎の旋風は、『大空を覆うもの』にいとも容易く迫ることも可能な程の規模を得た。

『……何と わたしに 及ぶか 猟兵……!』

 自らの欠片すら呑み込み吹き荒れる火炎に、『大空を覆うもの』が驚嘆を示す。

「これが俺の全身全霊を込めた一撃だ……!」

 吹き荒れる火炎の旋風剣、その柄を両手でしっかりと握り締めればより炎は凄まじく噴き上げる。
 この一撃に今出せる全てを込めて、全身全霊の想いを以て。

「主のところまで届け!

 赫剣必殺!!クリムゾン・フレア……スト――――――――――――――ムッ!!!!」
 
 清導の渾身の一撃が振り下ろされ、紅蓮が漆黒を喰らいつくす――!
 帝竜の肉体そのものも喰らわんとする一条の赫が、その拒絶の雲から蒼穹を取り戻す。
 例えそれが一時的なものであっても、世界を象徴するその蒼が見えたならば、この世界に生きる人々の希望と鳴りうる。
 炎の剣を振るいて空を切り拓いた清導は、正しくヒーローと呼ぶに相応しい姿と信念を以て人々に希望をもたらし、帝竜に痛烈な一撃を与えたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クーナ・セラフィン
あの声は…信じていいか。
しかし帝竜ワームの名前また聞く事になるとは…そいえばあそこも雲の領域か。
頑張って空気を散らし突破しよう。

陽だまりのオーラ全身に纏い結界術で補強。
空中庭園疾走し帝竜への接近目指す。
災害の竜の攻撃は野生の勘で見切り小柄な体活かし念動力で移動補助して身軽に回避。
竜の背も足場にとにかく前へ、時間がない。
最接近したら赤い霧の翼の力で帝竜物理化させると同時UC起動。
巨大な竜の体を走り抜けながらランスチャージと串刺しで高速連続攻撃叩き込む。
この連撃こそ私の最高の攻撃…たっぷり味わってね。
体限界と感じたら空中庭園へ即離脱。

※アドリブ絡み等お任せ
真の姿は服装のみ変化、令嬢のような黒ドレス


シャルロッテ・ヴェイロン
(謎の少女(?)の声を聴いて)この声の主は、あの帝竜と何らかの関係があるのでしょうか?――まあそれを知るのは後回しですね。
――で、その『主』が誰だか知りませんが、おとなしく骸の海に消えてください。

では早速真の姿(+赫き翼)開放!(【限界突破・リミッター解除】)
そして敵の攻撃を【野生の勘・第六感】で【見切り】回避しつつ、「竜殺し」【属性攻撃】のUCを撃ちまくってやりましょう(【誘導弾・2回攻撃・一斉発射・乱れ撃ち・制圧射撃・レーザー射撃・捨て身の一撃・覚悟】)。
――しかしさすがにこれは肉体的にきついですね。攻撃が終わったら【ダッシュ】で退避しましょう。

※アドリブ・連携歓迎




 猟兵たちが戦場に駆けつけると同時に力を齎す謎の少女の声。
 果たして敵なのか、味方なのかもわからない。

『必ず会いに行きます。だから、今はこれで持ちこたえて――!』

 何故その少女は唐突に語りかけてきたのか。
 何故猟兵たちに力を齎すのか。その答えを知る者は当然いない。

「……この声の主は、あの帝竜と何らかの関係があるのでしょうか?」
「どうだろうね……まあ、信じていいかとは思うよ」

 シャルロッテ・ヴェイロン(お嬢様ゲーマーAliceCV・f22917)の疑問に、クーナ・セラフィン(雪華の騎士猫・f10280)は帽子を被り直しながら返す。
 理由はわからないが、力を貸してくれているというのは事実であり、その裏に悪意などが見えているワケでもない。
 今このタイミングになって聞こえるようになったのは疑問だが、帝竜と関係があるならば可能性はあるか、とつい考えてしまうが。

「――まあそれを知るのは後回しですね」
「そうだね。頑張って空気を散らし突破しよう。とはいえ、帝竜ワームの名前をまた聞くことになるとは……」

 そう言えばあそこも雲の領域だったな、とクーナは想いを馳せる。
 かつてアックス&ウィザーズで起きた帝竜戦役にて対峙した帝竜『ワーム』。奴がいた創世雷雲領域は丁度、今目の前にいるブルーアルカディアの大気そのものに覆われたかのような紫黒の空間だったか。

『……猟兵か 何人こようと 結果もわたしの成さねばならぬことも 変わらない……』

『大空を覆うもの』が低く唸る。
 身体を構成していた|『拒絶の雲海』《アルカディア・エフェクト》が分離し、様々な姿のドラゴンを形作る。
 まるで地上に落ちる天の火を模したかのような炎のドラゴンや、大洪水を模した水のドラゴン……人間がこれまで遭遇した"災厄"そのものを具現化したかのよう。
 ざっと数えて10体は確実にいるであろう災厄の権化が姿を現すと同時にごう――と強い風が吹く。
 同時に真空の波がまるでドラゴンに衣を羽織らせるかのように纏われ、近づいただけで空中庭園の構造物が砕け散った。

『……人に降りかかりし あらゆる厄災 その権化を越られるか 猟兵よ……』

 具現された災害竜たちが一斉に咆哮する。
 クーナもシャルロッテも、その咆哮に怖気づくことなく武器を構える。

「これぐらいの事態を何度も越えてきたのが我々猟兵だよ」
「『主』が誰だか知りませんが、大人しく骸の海に消えてください」

 クーナが空中庭園を走り出し、シャルロッテは飛び上がる。
 
「ごめん、足場作ってもらえるかな?」
「了解です。では早速――!」

 シャルロッテの意志に呼応するかのように、赤い霧が発生する。
 それに抵抗することなく身を委ねれば、瞬時に赫翼が顕現。
 その身全てを回路としたシャルロッテの思考回転速度は著しく上昇し、第六感を鋭く研ぎ澄ませ、敵へと突撃!

『……愚かな そのようなか弱き身体 触れるだけで砕け散るというのに……』
「それは実際に試してみることですね!――攻撃プログラム、展開!」

《ATTACK COMMAND Invoked{Elementalcode:Dragon slayer}-> Materialise Start》

 展開した電子モニタに広がる実行コード。
 ホログラムがまるで現実に姿を現すかのように、ユーベルコードによって機動した攻撃プログラムが次々と災害竜、そして『大空を覆うもの』へと向かう。
 其の数にして何と620本もの剣を模した攻撃プログラムに付与された属性は『竜殺し』。
 『大空を覆うもの』がいかに大気で身体を構成していようと、帝竜であるという事実は変わらない。
 赫き翼の力も相まって、その雲でできた身体を物理化して貫くことは非常に容易い。
 奴からすれば立った一本、いや、一個如きの小さな剣が飛んできたところでと思っただろう。

『ぐ、おおお……!!』
 
 だが、竜殺しの属性は一本だけでもその効果を奴に実感させるには充分であった。
 苦痛に呻く声が『大空を覆うもの』から上がる。
 災害竜たちもその攻撃用プログラムによって真空の波による防護壁を剥がされ、丸裸の状態で戦いを強いられる。
 そして真空の波が剥がれた災害竜を足場として、空中庭園から遙か空へとクーナが疾走するのだ。
 陽だまりのオーラと結界術による二重の防護により例え災害の権化だとしても彼女に手を出すこともままならない。
 ならばとシャルロッテを狙ったところで、彼女の優れた第六感による回避を上回る命中精度もない。
 竜殺し属性による一撃が次々と災害竜を弱らせている間にクーナは渾身の一撃を見舞う為、その槍に力を込めて|駆《翔》ける。
 
「――しかしさすがに、これは肉体的にきついですね……っ!」

 しかして赫き翼の齎す力は、いかに熟練の猟兵と言えども身体が激しい悲鳴を上げる。
 偽神デミウルゴスと戦う為に偽神細胞液を投与した時のように、常に痛みに苛まされるというものではないが、それでもバックファイアはかなりのものだ。

「撃てるのはこれで最後です、後はお願いしますね……!」
「充分だよ、ありがとう。後は私に任せて」

 シャルロッテの竜殺しのプログラムが最後の災害竜ごと『大空を覆うもの』を貫く。
 体力の限界に達した彼女とバトンタッチをするかのようにクーナが背に赫翼を広げ飛翔する――!

『……災害すらも 打ち砕くか 猟兵……!』
「この連撃こそ私の最高の攻撃……たっぷり味わってね」

 真の姿を解き放ち、令嬢が如き漆黒のドレスに赫き翼を広げたクーナが満を持して槍を突き立てる!
 近づくまでに溜めに溜めた力を全て振り絞り、物理化能力によって『大空を覆うもの』の背を駆けずり回りながら放たれる怒涛の連撃が、奴の身体を構成する大気を細やかに拡散させる。
 決して再びかき集めようとしたところで、著しく時間を必要とする程に。
 細切れやみじん切りなんて可愛いものだと言わんばかりに、クーナの槍は限界ギリギリまで帝竜の身体を霧散させたのだ――!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

栗花落・澪
ねぇ澪
君の力、借りるよ

天竺葵の枷のせいで足は動かせないけれど
赤い翼の【空中戦】で
敵の攻撃は当たらないよう回避を重視
念のため【オーラ防御】だけは纏っておく
※どんな怪我でも無表情

手の中に★鎌を召喚すると同時に【紅色鎌鼬】を発動
普段より少しだけ多めに魔力を消費する代わりに
一気に300近い数の鎌を空中に瞬間生成
可能であれば更に【多重詠唱】で炎と風の【属性攻撃、範囲攻撃】魔力を鎌に乗せて

…標的確認
目標、帝竜の顔面
吹き飛ばしてきて

鎌群の動きは手にした鎌と連動して動くから
鎌群が敵に辿り着いた瞬間【なぎ払い】
衝撃で乗せていた魔力を発動させ
爆発と爆風により広範囲を破壊する狙い

体はもう、限界かな…
離脱するよ




「――ねぇ、澪。君の力、借りるよ」

 栗花落・澪(泡沫の花・f03165)の左目が真紅に染まり、足を天竺葵が枷のように縛り付ける。
 時止めの呪いを宿した天竺葵は決して外れもせず枯れもしない。
 普通に考えるとデメリットではあるが、オラトリオであり自らの羽根で飛び立てる澪にとってはあまりにも過ぎた代償にはなり得ない。
 赤霧は彼のオラトリオとしての羽根をより大きくするかのように集まり、彼の背に大きな大きな天使の翼が広がる。
 一切の感情が抜け落ちたかのような表情で標的をまっすぐに見据えて戦闘の構えを取る姿は、まるで戦闘兵器のようにすら感じられるか。
 
『……つくづく 猟兵という存在は 不思議なものだ……』

 本来なら最強の種族とすら呼ばれる竜。
 その中でも屈指の力を持つ"帝竜"であるが故に、『大空を覆うもの』は自分よりも圧倒的に"弱い種族"でありながらも、臆することなく立ち向かってくる猟兵が不思議に見えるようだ。
 だが、かといって手加減する理由には決して鳴り得ない。
 これまでに散々ダメージを受けて霧散しながらも未だ大きいその躯体に真空波の防護壁を纏い、その手を澪に目掛けて振り下ろす。
 澪はすぐさま飛翔し、その一撃を回避。直撃は免れたが、最低限の身の守りとして、オーラの防護膜をその身に纏っていながらも真空波が空気を伝わって頬や腕、足を掠めていく。
 当然ながら痛みはあるが――それを気に留めないかのような無表情のまま、手に鎌を呼び寄せる。
 両手でしっかりと握り締めて魔力を注ぎ込めば、手にしている鎌と同じような澄んだ薄紅色の鎌が出現――その数にして300近い数だ。
 それら全てに炎と風の魔術を複合させて、『大空を覆うもの』をターゲッティングするかのように向ける。

「……標的確認。目標、帝竜の顔面。

 ――吹き飛ばしてきて」

 澪の命に従い、澄んだ薄紅の鎌が炎と風を纏い『大空を覆うもの』を囲む。
『大空を覆うもの』の纏う真空波は近づいてくる鎌を迎撃しようとするが、瞬間鎌が爆発して痛みに低く唸った。
 ここで澪の狙いを察したが、時既に遅しというもの。
 澪が薙ぐ構えをすれば、鎌たちは一斉に同じ構えを取り――薙ぎ払うように触れば、300近い鎌が一気に大規模な爆発を引き起こした!
 
『――!!!』
 
 苦痛に呻く竜の咆哮が響き渡る。
 爆風が、炎が、真空波など容易く飛び越えて、その物理化させた雲の身体を霧散させていく。
 物理化された身体が吹き飛び、その雲海の身体に穴が空いて。
 だがそれでもまだ倒すには至らず。
 しかし次の一撃に映る程の余裕は最早澪には残されていなかった。
 一度にとてつもない数の鎌を召喚し、それら全てに複合属性の魔力をさらに含ませれば、当然消費も激しい。
 赫翼の強力な力の代償に、身体が早々に悲鳴を上げるのは当然の帰結と言えよう。

「……身体はもう、限界かな……」

 表情こそ変わらぬものの、洒落にならない程の疲労が澪を襲っている。
 それこそ倒れてもおかしくない程だ。
 そんな状態で戦闘を続行したところで何の理にもならないのは明白であるが故に、澪は早々に戦域を離脱しグリモアベースに帰投した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

インディゴ・クロワッサン
※今回だけ特別に理性有りで三対六翼の真の姿+赫翼
※SPD希望
先に一対二翼は気合いで出しておくよー
「って、何で理性すっ飛んでないの…!?」
気にはなるけど、一旦置いといて普段と同じ感覚で四対八翼を羽ばたかせたら(空中浮遊)、UC:濁薔薇汚染 を起動して攻撃だー!(空中戦)
「そりゃーっ!」
黒剣を振るって(鎧無視/なぎ払い)、嘆きの金糸雀から拷問具を呼び出して(鎧砕き/生命力吸収)、Piscesで穿ち貫いたら(投擲/ロープワーク/串刺し)、破魔を纏った藍染三日月で止めだーっ!(力溜め/怪力/衝撃波)
「…あー…いたた…破魔は効くなぁ…」
全身に回った瘴気は破魔で吹っ飛ばせるけど、全身が痛いから僕帰るー!




「……!?」

 インディゴ・クロワッサン(藍染め三日月・f07157)は驚きに目を見開いた。
 早速赤き霧の力を借り、三対六翼の真の姿にさらに赫翼が加わり、四対八翼となったというのに。

「何で理性すっ飛んでないの……!?」

 インディゴの持つ理性は元々後天的に産まれ培われたものであり、本来の彼はただただ自らが力尽きるまで力を振るい続ける。
 それこそが彼にとって"本当の真の姿"であるのだが……何故か理性がまだ残っている。
 何故?赫翼の力を借りたから?
 考えたところで答えは出ないので一旦考えるのはやめることにした。
 気にはなるが、今はそれどころではない。

「まあいいや、どの道やることは変わらないし……持ってよ、僕の身体……!」

 理性が存在しているが故に働く自制機能が彼の三対六翼を許さず、二対四翼にてインディゴは空を翔ける。
 濁った薔薇の花弁が空に今尚絶望に覆われた空を舞う。
 そして何と|『拒絶の雲海』《アルカディア・エフェクト》なぞ知ったことかと言わんばかりに雲を突き抜けた!

『……わたしを 通り過ぎていくだと?……』

『大空を覆うもの』の身体はユーベルコードにより広範囲に分布する雷雲となっていたのに、それすらも気にも留めず雲を突き抜ける猟兵の存在に流石に驚きを隠せない。
 愛用の黒い直剣を、赫翼の力によりその肉体を物理化させた『大空を覆うもの』へ、奴の真後ろから蒼穹を背に薙ぎ払う!
 
「そぉ―――――りゃァッ!!!」

 黒剣の一太刀が雷雲を切り裂き、帝竜の悲鳴が上がる。
 当然帝竜といえど死角というものはある。それこそ空を覆う程の大きさである自らを突き抜けて後ろから斬りつけてくるような猟兵がいたこと事態が間違いなく想定外だろう。
 黒剣により切り裂かれた部分が分離すれば、それらに向けて『嘆きの金糸雀』を鳴らし拷問具たちを呼び寄せる。
 インディゴが自らの血を与えれば、拷問具たちはまるで生命を吹き込まれたかのように暴れ出し、切り裂いた『大空を覆うもの』の一部をまるで食べるかのように次々取り込み、それに比例してインディゴの生命力もより活性化する。
 『帝竜』程の大きな存在となれば、吸い取れる生命力も段違いだ。赫き翼による代償など気にしないかのようにインディゴは持ち得る武器で怒涛の連続攻撃を繰り出していく。

『……おお おおおお わたしが この わたしが 押されている だと……!!』

『大空を覆うもの』は対処しようにも背後を突かれてされるがままになっている。
 ユーベルコードを解除し、身体を一定箇所に集めたところで背後から背をまた大きく削られるのと変わらない。
 既にこれまでの猟兵たちのダメージにより、当初より身体がすっかり小さくなってしまっている――それでもまあ桁違いに大きいのだが――、故にここで身を一つにまとめれば全て霧散させられかねない。
 故にこのまま雷雲の姿を保つしかなかったのだ。
 鎖で繋がれた一対の『Pisces』で穿ち貫かれ、また大きく身体を削り取られる。

「こいつで、止め、だ――――ッ!!」

 そして最後に唯一、瘴気の力で動かせない三日月の打除けがあしらわれた『三日月藍染』に破魔の力と持てる膂力の全てを込め、突貫すると同時に振り下ろす!

『……おおおおおおお………!!!!』

 断末魔にも近い咆哮が響くと同時に、再びブルーアルカディアの空に澄み渡る蒼が広がり始める。
 インディゴが断ち斬った部分は覆われることなく、希望の蒼と陽の光を再びこの世界にもたらしていく。
 空が覆われないということは、『大空を覆うもの』の身体をそこまで霧散させたということ。
 つまり、猟兵たちの勝機は迫っているということだ――!

「あー、いたたた……」

 突貫し斬り伏せた後、インディゴは派手に地面に転がった。
 覚悟してはいたのだが、めちゃくちゃ痛い。
 全身に回った瘴気は力を与えると共にその身体を軋ませるもので、破魔の力で相殺できるとはいえその破魔がまず痛い。
 そこに赫き翼の能力の代償が重なっている中理性を残してはいながらも迷わず全力で武器を駆使し続けたらそらそうなるわ、とも言うのだが。 
 とにかく全身がめちゃくちゃ痛い。少なくとも今日はこれ以上は戦えないだろう。
 インディゴは後を次なる猟兵に託し、グリモアベースに帰投した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。

この力は……『イヴ・ザ・プリマビスタ』様。そう、それならこの場にはこの力が相応しいかしら?
私は|終焉《オブリビオン》を|終焉させる《骸の海に還す》者、理不尽な|終焉《エンド》を|終焉させる《覆す》者、|終焉を終焉させる者《エンドブレイカー》!
リミッター解除、限界突破、オーバーロード!|継戦能力《魂が肉体を凌駕して》「赤き翼の真の姿」の封印を解く。
|終焉《敗北》を|終焉《ないない》しながら必殺技の|エネルギー充填《準備》。たとえこの身を雷鳴雷撃で消し飛ばされようと何度でも蘇るってーか|大食い《極上のエナジーあざます》。
|多重詠唱結界術逃走阻止《絶縁結界》で「稲妻の渦巻く漆黒の雲」を封じ込めて、|召喚術《生命再演》の術で|化術肉体改造、呪詛《男の娘化ナーフ》を施した上で全力を振り絞り|多重詠唱結界術、料理、大食い、サバイバル、エネルギー充填《エナジードレイン》よ。
魂まで吸い尽くしてあげる❤




「――!」

 謎の少女の声が聞こえた時、アリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗の|混沌魔術師《ケイオト》艶魔王少女・f05202)は空を見上げた。
 当然、広がるのは大空を覆うもののみ。
 そしてその声は大気を伝ってきたワケではなく、脳内に直接語りかけるかのように聞こえてきている。
 彼女はその声を。
 そして、この齎された力を、知っていた。

「この力は……『イヴ・ザ・プリマビスタ』様」

 その名は恐らく、ほとんどの猟兵たちがどこかで聞いたことがある――ぐらいのものであろうか。
 かつて、7thKING WARに呼び出された魔王・ゼルデギロス此華咲夜態がこちらの問いに対して答えた内容の中に、その名があった。
『創世神イヴ・ザ・プリマビスタ』……回答をそのまま解釈するなれば、『エンドブレイカーの世界』を創った存在である。
 それを踏まえるならば、恐らくこの『大空を覆うもの』は、次元移動存在エンドブレイカーに何らかの因縁等結びつきがある可能性が高い。
 故に、彼らで言うところの『六番目の猟兵』たる我々に力を貸してくれているのだろうか?
 少なくとも、アリスはそう解釈した。

「そう……それならこの場にはこの力が相応しいかしら?」

 その意を解釈し、汲み取ったアリスは迷わず己が魂が肉体を凌駕すべく、封印を解き放ち|超克の果て《オーバーロード》に至る。
 彼女の真の姿は無限である。
 本人の弁では不可思議程の数が存在し、その中でその場において一番相応しい真の姿へと变化するのだ。
 
『……おお おお この力は……!』
「私は|終焉《オブリビオン》を|終焉させる《骸の海に還す》者、理不尽な|終焉《エンド》を|終焉させる者《覆す》者――

 |終焉を終焉させる者《エンドブレイカー》!」

 赫き翼をその背に現出させると同時に起動するユーベルコード|【終焉を終焉させる者】《エンドブレイカー》。
 その能力は|理不尽な終焉を覆す力《エンドブレイク》――|『夜』《デモン》の権能、超能力、混沌魔術……アリス・セカンドカラーという存在の全霊を以て、|理不尽な終焉《バッドエンド》を|終わらせ《否定す》る。
 アリスが信じ続ける限り、あらゆる|理不尽な終焉《最悪の結末》を|終焉させる《打ち砕く》、絶対勝利の力である――!

『……やはり 創世神の力か ここでもわたしに 立ちはだかるか……!』

 『大空を覆うもの』の肉体が再び暗雲と貸し、アリスが動くよりも早く、文字通り雷光の速さで攻撃する。
 だが、今のアリスはあらゆる|終焉《敗北》を|終焉《否定》する力を以てそれらを全てエナジーとして吸収、自らの力に変えていく。
 仮に身体を消し飛ばされたとしても、すぐに何事もなく蘇る――まさに不死身と言っても過言ではない状態なのだ。

「さあ、本番はここからよ」

 エナジー吸収により膨大な魔力を蓄えたアリスが雷雲へと姿を変えた『大空を覆うもの』――その全てを結界術にて一箇所に閉じ込める!
 雷属性を吸収する絶縁の属性を含ませて攻撃を遮断させ、その上で元の姿に戻らぬように追加で術式を施す。
 それは|『夜』《デモン》の権能を応用した生命再演の魔術。
 ドクター・オロチにも――形は少し違うが――空間を自らの真の姿、即ちアリスの胎内と見立てることによって新しい生命に"産み直す"ことができるトンデモ魔術で『大空を覆うもの』を……

「……いったい、何、を…… ……!?」

 なんてこった!さっきまでとてつもなく巨大な雲の竜だったハズが紫髪の超絶可愛い男の娘に!!
 これがアリスの十八番、恐るべき特技の一つ"男の娘化ナーフ"である。
 そう、彼女は男の娘が大好物なサイキックヴァンパイア。他者に寄生しそのエナジーを糧とするのだが――まあね、どうせなら好きな外見の子に寄生したいよね!!
 つまりはそういうことだ!!!
 そこに|あらゆる理不尽を終焉させる力《エンドブレイクという勝利の方程式》を引っ提げてきた時点で、最初から『大空を覆うもの』に勝機はなかったのである。

「うふふ。さ、魂まで吸い付くしてあ・げ・る♥」
「………主…………!!」

 哀れ、男の娘化された『大空を覆うもの』。ぷるぷると震えて遺言のように主を呼んでいるが一応死なない、というか殺せない。
 奴はブルーアルカディアの空気そのものであり、奴を完全消滅させることは即ち大気の消滅、この世界の死滅に繋がる。
 当然、それらも織り込み済みは最前提。故にこの男の娘化ナーフも一時的なものである。
 まあ、アリスが満足するまでエナジーを吸い尽くせば、当分自らの身体を構成することは不可能となるが……
 
 とまあ、何だかんだでこうしてアルカディアの玉座への道は開かれ、空には再び蒼が戻ったのである。
 赫き翼の力を使った代償もすっかりエナジー補給したおかげで軽く済んだのか、アリスはつやつや顔でその場を後にし、グリモアベースへと帰投した――。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年10月02日


挿絵イラスト