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銀河帝国攻略戦㉕~黒き鋼のロイヤルガード~

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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●強襲上陸
「ミッションを更新します。――お疲れ様です猟兵、作戦は最終段階に移行しました」
 アゴニーフェイス艦隊を突破した解放軍艦隊は、ついに帝国旗艦インペリウムに接近した。
 先の大戦以来、スペースシップワールド史上二度目の快挙と言ってもいいだろう。
 とはいえ、敵の総旗艦たるインペリウムの守りは強固。艦隊による砲撃戦のみで陥落せしめるには時間がかかり、そして戦いが長引けばカタストロフ阻止も困難となろう。
「そこで我々は敵に二正面作戦を強います。内外からの同時攻撃によって敵の防衛能力を混乱させ、一気にインペリウムを攻略する。これが今次作戦の要諦です」
 作戦は以下の通り。
 まず、解放軍艦隊が宇宙からインペリウムに砲撃戦を挑む。可能な限り敵の砲を破壊すれば、続く揚陸作戦もスムーズに行える筈だ。
 それに並行して、テレポートによって敵艦各所に転移した猟兵が破壊工作を行う。
 解放軍艦隊を叩く敵の砲を背後から襲撃し、あるいは本隊上陸に先駆けて敵の防衛部隊を排除してこれの支援を行う。
 今回、猟兵達が参加を打診されたのはこの段階だ。
「この後、敵の防御力の減退を確認次第解放軍が順次上陸開始、猟兵は銀河皇帝の排除に向かう手順となります。この戦いの最終局面を少しでも有利に迎えるための布石、ですね」
 この作戦が成れば、防御力の低下したインペリウム攻略は大きく前進する。
「テレポートによって、敵の予測の外から奇襲をかける。我々猟兵のアドバンテージを最大限に活用した強襲作戦であれば、敵の強力な防衛部隊にも奇襲で大ダメージを与えうると考えます。また、敵の最有力部隊と噂される皇帝親衛隊への接敵リスクも最低限に押さえられる」
 皇帝親衛隊は強敵だ。可能ならば、迅速な作戦遂行が望まれる今の段階では相手にせず作戦を進められるといい。
 あと一歩です、ここで脱落することのないようくれぐれもご無事でと、アレクサンドラは猟兵たちを送り出した。

●嗚呼偉大なる全智の我が君よ
「――来ましたか、猟兵」
 まさか本当にテレポートなどという奇妙な術を使うとは。
 薄気味悪い敵だ、と漆黒のアーマーに身を包んだ帝国騎士――親衛隊所属、ヴィンゲント卿は現れた敵に吐き捨てる。
 おおかた転移でこちらの後背を突くつもりだったのだろう。卑怯な小人どもの考えそうな小狡い策だ。だが、それすらも予見し、正確に親衛隊を向かわせた陛下の先見知略のなんと素晴らしいことか。
「既に我が配下の隊も急行しつつあります。なれば、抵抗はもはや無意味でありましょう。おとなしく叛乱の罪をその命をもって贖うが宜しい!」
 剣を抜き放ち、その帝国騎士は奇襲攻撃のため転移した直後の猟兵たちに逆襲撃を仕掛ける――!


紅星ざーりゃ
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 こんにちは、紅星ざーりゃです。
 ついに敵本土上陸が開始されました。銀河皇帝まであと一歩、これはスペースシップワールド人類史に残る快挙でありましょう。
 しかしそれを阻むは強力な防衛戦力。これを撃破するミッション――だったのですが。
 皇帝の未知の能力によりこちらの奇襲は発覚、逆に転送地点で待ち伏せを受ける状況です。
 本来の作戦はひとまず捨て置き、展開する帝国騎士を倒し迅速に帰還してください。
 皆様の熱いプレイングをお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『帝国騎士』

POW   :    インペリアルブレイド
【念動力を宿した「飛ぶ斬撃」】が命中した対象を爆破し、更に互いを【念動力の鎖】で繋ぐ。
SPD   :    ダークフォースバリア
自身に【鮮血の如きオーラ】をまとい、高速移動と【赤黒い電撃】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    インペリアルフラッグ
【念動力で形成した帝国の旗】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を『帝国の領土』であると見る者に認識させ】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ロア・メギドレクス
待ち受けていたか。ハ、今更驚きもせぬ。こちらが散々先にやってきた手だ。敵が斯様な手を打つのも不思議はあるまい。

だが、作戦は続行せねばならぬ。
ゆくぞ、帝国の騎士。光栄に思うがいい。余が汝との決闘に応じてやる。剣を抜け。

獄竜化にて、余は半身を竜と為す。
しからば真っ向より勝負だ。

RPT-18にて射撃戦で牽制。間合を詰めることを意識しながら戦ってゆく。十分に接近したならば銃を放り捨て一歩踏み込み我が爪牙にて真っ向から喰らいつく!
余は最古にして最強の王竜の化身なるぞ!頭が高い、控えよ下郎!

くは!……今だ。敵は余に釘付けであるぞ。撃て!
猟兵の強みは連携にこそある!余は“一対一”などと言った覚えはないぞッ!


虻須・志郎
連携アドリブ可
奇妙なのはアンタもだろうが死にぞこない
(転移がバレた――敵にもグリモア持ちがいるってのか?)

陛下陛下ってしつこいんだよ……
やるってんならいいぜ
今すぐあの海へ戻してやるよ三下ァ!
俺か? 俺は星間電脳工兵大隊元曹長、アヴス・シロン、推して参るッ!

復讐の時だ、ひたすら前進あるのみ
その旗がなんだ、覚悟が違うんだよ
この程度の痛み、あっちの邪神に比べりゃ片腹程度の痛さも無ェ
捨て身で殴って、お前の命ごと喰らい尽す!

逃がしゃしねえよ、行くぞファルシオン
とうとうこのクソ船に一撃くれてやる時が来たな
次元接続、魚雷発射管全弾装填――撃てぇ!

それでも逃げようってのか馬鹿め
そこは既に邪神の縄張りなんだよ!


シャレム・アルカード
テレポートが薄気味悪い……?
ワープドライブなどというインチキ臭い技術を独占していた勢力に言われたくないわ!
小賢しくも逆奇襲などと恥をしれ恥を!(ブーメラン)

……ふん、まあ構わん!木っ端騎士程度にやられる我ではないからな!
先手は譲ってやる、敵の攻撃を『ヘカトンケイル』を盾にして防ぎ、念動力の鎖を繋がせてやる。【盾受け】【オーラ防御】

繋いだか?繋いだな?よし!
ならば我のターン!よっこいしょ。(【怪力】にて武器と鎖を握り)
【百手千撃】にて全射撃武装を展開!一方的なチェーンデスマッチの始まりである!【一斉射撃】【二回攻撃】【範囲攻撃】【なぎ払い】
フハハハ!硝煙とマズルフラッシュで前が見えんな!




 テレポートでインペリウムへと侵入した猟兵達。
 本来ならばここから各々散開しつつ、守備隊や防衛火器を内部から撃破していく手筈だった。
 ――だった、のだ。
「小賢しくも逆奇襲など恥を知れ恥を!!」
 上陸と同時に振り下ろされた紅いフォースセイバーの刃を、担いだ巨大な――彼と比較して――棺桶で受け止め、シャレムは強襲を仕掛けた帝国騎士に言い放つ。
『テレポートなどという薄気味の悪い術で不意を討たねば戦えぬ卑怯者に言われたくはないものでありますな!』
 ぎゃりぎゃりと火花を散らして圧し合う刃と棺桶。帝国騎士ヴィンゲントもまた、猟兵達の戦術を卑怯と謗る。
「よく言うわ! ワープドライブなどというインチキ技術を独占しておったくせに!」
『皇帝陛下の恩寵をインチキですと!? 貴公――ただ殺すだけでは許されませぬぞ!!』
 突如として始まった交戦。先発でテレポートした三人の猟兵は、出合い頭にヴィンゲントの襲撃を受けて絶体絶命の危機に陥った。
「待ち受けていたか。ハ、今更驚きもせぬ」
 これまで散々予知と転移で帝国軍を翻弄してきたのが猟兵だ。敵が対策を立てたとしても不思議ではないし、本土決戦の今になって漸くということであれば遅すぎるほどだ。
(とはいえ、こちらの転移タイミングと場所まで完璧に把握されていた……敵にもグリモア持ちが居るってのか? いや、ロアの言う通りもしグリモア持ちが居るなら、これは――)
 遅すぎる、のだ。戦力の殆どを喪失し、総旗艦への上陸を許した今となっては、この逆襲撃のメリットは薄い。
 親衛隊の強力な戦闘力をもってするならば、戦力を集中させ大部隊同士の決戦で解放軍を正面から打破したほうが戦略的にも意味があるように思える。
 グリモア猟兵として、敵のこの先制攻撃に違和を覚えながらも志郎はロアと頷き合い、一人騎士と鎬を削るシャレムの援護を開始した。
「ゆくぞ、帝国の騎士。余が汝との決闘に応じてやる。剣を抜け」
 強大なる古の覇王、ヒトの願いと想いがかくあれかしと望んだ最強の王竜、メギドラウディウス・レックス。
 その力を身に宿し、半竜と化したロアが――自動小銃の引き金を引いた。
『――貴公ァ!!』
 鍔迫り合いの最中に横から、しかも大層な口上とともに如何にも物理で殴り殺すと言わんばかりの威厳ある姿へと変貌しておきながらの銃撃である。これにはヴィンゲントも不意を撃たれ、銃弾を浴びてシャレムから飛び退った。
「援護か! 木っ端騎士程度にやられる我ではないのだがな!」
 白兵戦の最中、ヘカトンケイルに結び付けられた思念の鎖。ヴィンゲントがそれを思い切り引き、ロアの銃撃に対してシャレムを盾にしようとする。
 小柄なシャレムがぐい、と鍛え上げられた帝国騎士の膂力で引き寄せられ――ない。
「フハハハ、チェーンデスマッチの開幕であるな!! 貴様には特別にヘカトンケイルの真髄を見せてやろう!!」
 よっこいしょ、と鎖を掴み、片腕で棺桶から展開した無数の重火器を構え、片腕でヴィンゲントと鎖を引き合いながら全力の一斉射撃を浴びせかけるシャレム。
 巨大な羽虫のように銃が唸り、白く烟る硝煙が辺りに立ち込め、空薬莢が小気味いい音を立ててちゃりちゃりと地面を跳ねる。
 前が見えないが、チェーンで引き合っている以上はその先にヴィンゲントは居るのだ。狙いが付けられなくとも構うまい。
 数秒間の全力射撃で持ち込んだ弾薬の殆どを撃ちきったシャレム、その眼前の煙が切り裂かれる。
 敵の反撃、ではない。シャレムに繋がる鎖を辿ってロアが駆け抜けたのだ。
「銃撃だけが余らの能と侮ったか? 余は最古にして最強の王竜の化身なるぞ! 頭が高い、控えよ下郎!」
『ふざけないでいただきたい、私が傅くのは皇帝陛下ただ一人を置いて他にありません!』
 半竜の爪が、牙が、硝煙を引き裂きその先の黒鉄の騎士へと迫る。
 だが、全てとは言えぬまでも致命的な弾丸を切り払い、ダメージを抑えていた騎士はこれに対処するだけの余力を残していた。
 爪に豪奢な装飾が施された立派なアーマーを引き裂かれながら、ロアの牙を片腕で受け止めた騎士。シャレムと引き合い、ロアの強力な一撃を抑え込むその腕力は流石親衛隊に選ばれるだけの強者か。
 ばち、と弾けるような音を立てて、ヴィンゲントの腕から赤黒い雷撃が放たれ二人の猟兵を打つ――寸前で、シャレムは鎖で縛られ、弾薬は撃ちきったヘカトンケイルを手放し、またロアもさらなる追撃をすぱりと切り捨てヴィンゲントから飛び退る。
『陛下に抗う愚民どもめ、よくもまあ此処まで攻め込んできたものですが我ら親衛隊がその一切を討滅してご覧にいれましょう!』
 念動力で操られた稲妻が二人を追い回す。
「フハハハハ! どうするのだこれ!」
「くは……! 構うものか。今だ、やれ! 敵は余らに釘付けであるぞ!」
 シャレムが問い、ロアが応え、そして――
「陛下陛下ってしつこいんだよ! やるってんならいいぜ、今すぐあの海に戻してやるよ!」
 次元の彼方からそれはやってきた。
 それは船であった。
 それは神であった。
 ――それは、どちらでもない成れの果て。
『ふっ、我ら帝国騎士に船で挑むと? 愚か! その船も帝国の御旗を掲げて制圧して差し上げましょう!』
 ヘカトンケイルを縛る鎖を手放し、その手に生み出した帝国旗を、船を操るもの――志郎へと投げつけるヴィンゲント。
 躱されてもそこは帝国領、肉薄し圧倒すればよい。当たればその痛みで船の遠隔制御などできまい。仮面の裏でほくそ笑み、勝利を確信するヴィンゲントの思い通りに旗は志郎に突き刺さる。
「その旗がなんだ、覚悟が違うんだよ。この程度の痛み、あっちの邪神に比べりゃ片腹程度の痛さも無ェ……」
 逃がしゃしねえよ、行くぞファルシオン。とうとうこのクソ船に一撃くれてやる時が来たな――
 かつてこの世界の民であった志郎――アヴス・シロンの悲願。帝国旗艦インペリウムへの打撃。
 それを叶えるべく、雷撃艇ファルシオンが光子魚雷を撃ち込んだ。
 帝国騎士の姿が爆発の閃光に消えていく。空間ごと削り取る一撃、その上邪神の力まで籠もった特製品だ。
 仮に耐えられたとしても、新たな縄張りに嬉々として現れた邪神の映し身に襲われることになるだろう。
『……反乱軍風情が、劣等民族の下等人類風情が陛下の船に傷をつけるなど言語道断……!』
 だが、ヴィンゲントはまだ耐えている。傷は負った。豪奢な装飾は落ち、剛健な騎士鎧本来の姿が幾らか取り戻されている。しかし、その足取りは確かだ。振るう剣も力強い。
 獲物に襲いかかる邪神の触腕を一刀で切り伏せ、帝国騎士ヴィンゲントは戦場へと帰還する。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ビードット・ワイワイ
【PPP開発室にて参加】
アドリブ歓迎
見たり見たり見たり、汝の破滅を見たり。
素晴らしき忠誠、盲信なり。忠義に厚き臣下かな。見通す知恵では戦局読めずここまで攻撃届きけり。必定の敗北すぐ来る。ここが汝の破滅なり。

イデアール殿の攻撃の後に我のUCにてかつての破滅を呼び起こしたり。これなるはとある戦争。
戦車隊による陣地突破作戦。
戦車が敵兵をなぎ倒し、砲にて全てを吹き飛ばす。
同行せし歩兵が敵の所在を探りて砲の導き手とならん。これなるは戦場。多量の鉄にて身を削れ。

我はUCによる高速移動の恩恵を受け友へ攻撃いこうなら【ダッシュ】し【かばう】。

我は鉄、我は兵器、我は破滅の導き手。全ての思惑を破滅へと導かん。


イデアール・モラクス
【PPP開発室にて参加】

アーハッハッハ!滾る、滾るぞ!
暴力!活力!威力!力こそがこの世の絶対唯一の真理!
見せてみろ銀河帝国!魅せてやろう銀河帝国!

・行動
UC【隕石招来】に『範囲攻撃』で着弾範囲を広げ、『全力魔法』で隕石を更に巨大化させ威力を高め『属性攻撃』で炎を纏わせた上で『高速詠唱』を用いて唱え、最速で敵陣に打撃を与えつつ広大な戦闘力強化バフエリアを構築、味方の突撃を支援。
「破壊して殲滅して蹂躙してやる!」
そして着弾地点の更地の上に立ち戦闘力を上昇させた上で【広範囲を聖なる光線で薙ぎ払う超高威力の攻撃魔法】術式を『範囲攻撃・全力魔法・属性攻撃・高速詠唱』により構築し帝国に放つ。

※アドリブ歓迎


フィーナ・ステラガーデン
【PPP開発室にて参加】
いきなりご挨拶ね!みえみえなのよ!
「先制攻撃」「高速詠唱」のUCで奇襲に対応するわ!
最初から帝国旗が建てられているなら、攻撃を炎の壁で受けつつ旗ごと焼き払って
旗が飛んでくるようならUCで弾き返してやっぱり燃やすわ!

残念だったわね!今からこの場所は私達が奪うわ!
イデアールが隕石を降らせた後は、その効果内で「地形の利用」「属性攻撃」で炎で焼き払うわ!
ビードットが踏み潰したなら
倒れている所に追撃
突撃に持ちこたえたなら、そのタイミングを狙いたいわね!

チャンスがあれば
砲台とかも爆発させたいけど
難しそうなら名残おしそうに帰るわ!
(アレンジアドリブ大歓迎!)




『此処は皇帝陛下がおわす城下ですよ、猟兵……! これ以上の不遜な振る舞い、この親衛騎士ヴィンゲントが断固許しません!』
 三人の猟兵の攻撃を凌ぎ、傍らに帝国旗を突き立てて断固死守の構えを見せるヴィンゲント。彼は知らされている、識っている。
 猟兵たちの本懐は、一撃を与えてすぐさま退き、後続が現れては攻め寄せる波状攻撃にこそあると。
 現に、彼らがやってきたポータルからさらなる敵が現れようとしている。
『しかして愚か! 此処は既に我が陣地、踏み入れば死あるのみなのですから!』
 朗々と謳うヴィンゲントの腕から放たれた雷撃が、ポータルを飛び出した小柄な人影に迫り――
「いきなりご挨拶ね! 見え見えなのよ!」
 その人影、紅いドレスに身を包んだ少女フィーナの放った炎とぶつかりあって消える。
 質量を持った炎。魔法ならではの特異な存在が、帝国騎士ヴィンゲントの雷を受け止めたのだ。
『――面妖な! 魔女め……私自ら成敗して差し上げる!』
「残念だったわね、今から此処は私達が奪うわ!!」
 そのセリフを証明するように、フィーナの二撃目がヴィンゲントの傍らに立つ旗を焼いた。
 帝国の紋章が炎に炙られ、黒く煤けて燃え落ちる。
『きッ…………貴様ァッ!! 銀河帝国の旗を焼くなど、国家に対する反逆! 陛下に対する不敬! 反乱軍に組みした以上の大罪、ここで私が切り捨てるッ!!』
 すらりとフォースセイバーを構え、炎の壁を縦一文字の真二つに切り裂いて一息でフィーナとの距離を詰めたヴィンゲント。その刃が振り下ろされ――
「アーッハッハッハ! 滾る、滾るぞ! 暴力! 活力! 威力! 力こそがこの世絶対唯一の真理!!」
 怒る帝国騎士の刃に肩を縮めて身構えるフィーナを守るように差し込まれた刃。もうひとりの魔女、イデアールの振るう魔剣が火花を散らしてヴィンゲントのフォースセイバーを打ち払う。
『――よくお解りで、そして見たところ騎士では無いようですがよい太刀筋をしておられる! 名は?』
 二撃目、三撃目と狙いをイデアールに変えたヴィンゲントの刃が唸り、それを虚空から次々現れる魔剣で迎え撃っては投げ捨て、次を抜いて迎え撃つイデアール。
 側面から不意をついて放たれたフィーナの爆裂する火球も投げ放たれた帝国旗に貫かれ掻き消え、戦況は一瞬にして双方の優位が消えた膠着状態へと陥った。
「我が名はイデアール、銀河帝国を滅ぼす女だ! そしてこっちのちまいのがフィーナ、我がおまけその一!」
「誰がおまけよ誰が! 後で覚えてなさいよイデアール!!」
 漫才のような掛け合いを交わしながら遠近、二方向からの連携攻撃を仕掛ける二人の魔女だがさすがの皇帝親衛隊、ヴィンゲントの守りは厚く本職の剣士ではないイデアールには、そして初撃で怒りを買ったフィーナには貫けない。
『我が名は帝国騎士、皇帝陛下親衛隊がアレンベルト・フォン・ヴィンゲント! 陛下にお仕えする譜代の騎士、なれどこの地位は家門の七光ではないと知るがよろしい!!』
「くっ……こいつ中々やるな! フィーナ! 10秒……いや5秒だ、5秒こいつを止められるか!?」
「イデアール、何を……いやアレね!? こっちを巻き込むんじゃないわよ! 任されたわ!!」
 互角どころか徐々に二人の魔女を圧倒すらし始めたヴィンゲント卿に対し、イデアールはフィーナにその対処を任せて、ついでに巻き込むなという言葉に保証しかねると言い放ち一時後退する。
『何をするつもりか知りませんが、小娘一人で私を抑えられるとは思い上がり甚だしい!!』
 振り抜いた剣の切っ先がイデアールの髪の先を撫で、はらりと美しい黒髪が僅かに舞う。――1秒。
 そのまま身体を捻り、フィーナへと旗を投げるヴィンゲント。――2秒
「あぶっ……ないわね!!」
 飛来した旗を熱線で焼き払い、灰に変えてお返しとばかりに炎の刃をヴィンゲントに投げつけければ、騎士は剣でそれを斬り落とす。――3秒。
『――一合だけ付き合いはしましょう、なれど貴女といつまでも遊ぶ義理は無いのですよ、お嬢さん!』
 フィーナとの応酬を目眩ましに、イデアールへ雷撃を放つヴィンゲント。――4秒。
 そして、その大魔法の完成とイデアールへの被雷は同時。――5秒。
「――――破壊して殲滅して蹂躙してやるッ!」
『何を――貴様、何をしたのですッ!!』
 隕石が――墜ちる。炎を纏った巨大な隕石が、十分な突入速度を以てインペリウムへと。
 解放軍艦隊を苦しめるインペリウム防御兵器群は、突如その防衛圏の遥か内側に出現した隕石に対応できない。
『陛下の、陛下のおわすこの船にそのようなものを落とさせるわけにはいきません! 私こそは親衛騎士、なればこそこの船を守る責務がある!!』
 二人の魔女を捨て置いてまで雷撃と斬撃波で隕石を迎え撃つヴィンゲント。練達の騎士の攻撃は、戦艦の砲撃にも匹敵する威力で隕石を割り砕くが――間に合わない。
 轟音と衝撃、そして破壊が降り注ぐ。砕けた隕石は、個々の威力を弱めながらもより広域を薙ぎ払った。
『くっ……陛下の居城を、インペリウムを、よくも……!』
 自らも衝撃を受け、飛来した構造物の破片で強かにその身を打ち据えながらも立ち上がるヴィンゲント。
 その耳朶を打って、滅びの声が木霊する。
「見たり見たり見たり、汝の破滅を見たり。素晴らしき忠誠、盲信なり。忠義に厚き臣下かな。見通す知恵では戦局読めずここまで攻撃届きけり。必定の敗北すぐ来る。ここが汝の破滅なり――ロードルーイン」
 転送ポータルから乗り込んでくるのは、解放軍の部隊章を掲げた戦車機甲部隊。
 重厚な戦車がぎゃりぎゃりと履帯を唸らせ突進し、荒れ果てたインペリウムを踏みしめて突撃する。
『舐め、るなァ! このような誇りなき兵器で、この親衛騎士ヴィンゲントを倒せるなど――!!』
 片腕で戦車の突進を受け止め、もう片腕でフォースセイバーを一閃、戦車の砲塔を車体から斬り落とす。
 跳び上がり、戦車の上に立ち、吹き飛んだ砲塔の在ったその穴から旗を振り下ろし操縦兵ごと串刺しに、侵略を高らかに示し、ヴィンゲントは吼える。
 そこに、二輌目、三輌目からの砲撃が――随伴歩兵からの銃撃が、そして疲弊した二人の魔女の全力の魔法と、彼女らに迫る破滅を別の破滅へと差し替えるために現れた破滅の導き手の放つミサイルが殺到する。
「――これなるは戦場。多量の鉄にて身を削れ」
 擱座した戦車が、ヴィンゲント諸共爆発する。
「ふ、フハハハハハ! アーッハッハ! 盛大に吹き飛んだぞ!」
「全く…………アンタねぇ、遅いのよビードット!」
 勝利の確信に笑みの零れる猟兵たち。しかし、炎の中から焼け落ちた鋼を踏みしめて、親衛騎士は蘇る。
「うっそでしょ……!?」
「なんてしつこさだ、全く!!」
「……されど、汝の破滅は見えたり」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

白斑・物九郎
「ブチ殺してやりまさァ。ブチネコだけに」


●SPD
敵にオーラの励起を見次第、応じてバニシングドライブの高速機動(ダッシュ)で対抗
敵高速移動を【追跡】ざま交戦
電撃の発射タイミング及び照準範囲の察知・回避の為に【野生の勘】動員

下駄での蹴りを主な攻防手段に用いる
敵攻撃を下駄歯で受ける・いなす等、下駄を武器として扱う手合いと敵に思わせたい企図

敵と攻防の応酬を回数重ね、己の負傷状況等から十全に機動出来るラストチャンスと目したら、本命の【だまし討ち】発動

主武装と見せていた下駄を瞬間で脱ぎ、出し抜けにバニシングドライブ最高速から【先制攻撃】的に本会戦内初使用の【怪力】込の【グラップル】で敵の利き腕を獲りに行く


三鷹・一成
いやいやいや、俺ぁ逆に感心するね

さすが偉大なる皇帝陛下
大物らしく、卑怯で小狡い策が何程かって面してりゃいいのに、こうしてチマチマ手下送りつけてくるんだから
小娘一人にビビって大軍差し向けるお方は一味違うわ

で、まずは味方の援護に専念だな
攻撃に合わせて弾撃ち込んで隙を作り出したり、逆に味方の隙を埋めるように牽制入れて追撃を防いだり
とにかく相手に主導権取られるのを阻止(フェイント+掩護射撃)

敵が旗立ててきたら、そいつのド真ん中ブチ抜いてやるわ
わざわざ国家の象徴持ち出してくれたんだ
ならこっちもそれなりの返事しなきゃあな?(スナイパー+鼓舞)

それこそ、これ見りゃ誰でも「認識」するだろ
帝国の現状ってやつをな




「ニャるほど、皇帝への忠誠心で何度だって立ち上がる、ってとこスかね。……だったら」
 何度でもブチ殺してやりまさァ。ブチネコだけに。
 燃え盛る戦車だったものの上に立ち、雷撃で解放軍戦車隊――の亡霊を焼き払う親衛騎士ヴィンゲント。
 その執念の源が皇帝への忠誠にあると物九郎は見た。
 だが、ダメージ自体が通っていないわけではない。死ぬまで殺せばいつか死ぬ。それは、オブリビオンといえど逃れ得ぬさだめなれば。
 それをもたらすのが、猟兵の――猟兵集団"ワイルドハント"の首魁たる己の役目ではないだろうか。
「いやいやいや、こんなにしぶとい奴を送りつけてくるとは俺ぁ逆に感心するね」
 流石偉大な皇帝陛下、猟兵風情の卑怯で小狡い策ごとき、何程のものかと泰然としていれば大物らしいのに。
 ミディアなんて小娘一人にビビって何度も大艦隊を差し向けるお方は格が違うわ。
 ――大破した戦車に背を預け、皇帝を嘲り忠誠厚い親衛騎士の神経を逆撫でるようなセリフを並べ立てながら、くゆらせた煙草を放って靴底で火を消す一成。
 これから沈む敵艦で、そのマナー違反を咎めるものは居ない。ただ一人を除いて。
『貴公、皇帝陛下を侮辱するだけでは飽き足らず、陛下の御艦に灰を……! やはり反乱軍に与する劣等種は生かしておくわけには行きませぬ、陛下! ああ、陛下! 我が忠義の剣にご加護を、死にゆく愚者に鉄槌を!!』
 剣を掲げ、儀式のように謳うヴィンゲントへと、一成の弾丸が撃ち込まれる。
『不意打ちとはやはり小汚い反乱分子の所業! 許されまじ!』
 その弾丸をフォースセイバーで斬り落としたヴィンゲントが、反撃のインペリアルフラッグを投げつける。念動力で形成されたその旗は、ヴィンゲントの怒りを受けてより鋭く――そして、空中で幾つもの小さな旗に分裂して降り注ぐ。
 殺意に満ちた制圧射撃に、一成は戦車の残骸を飛び越えその車体を盾にした。撃破されてもなお、戦車は生身の兵士にとって守護神であり続ける。かつての大戦で戦い、「死んだ」彼らもそうだったのだろうか。
「なんて考えてる暇はねぇよな。さて、本命は――っと!」
 降り注ぐ旗が止み、顔を覗かせた一成。その視線の先で、白黒斑の少年と帝国騎士が激しく斬り結んでいた。

「ザ・レフトハンド――【残像】、ON。行きまさァ、覚悟しやがれ」
 ――神速。まさにそう表現するほかない、残像すら残す超高速戦闘。一成へと注意を向けていたヴィンゲントの反応が一瞬だけ遅れる。その一瞬さえあれば、物九郎はヴィンゲントへと肉薄することなど容易かった。
『な…………ッ! いいや、速かろうが私の雷撃からは逃れられはせぬのです!』
 一瞬で至近に現れた少年に、左腕からの雷撃放射で対処しようとする騎士。その練達騎士の動きすら、直感的に予見した物九郎にとっては遅い。
 下駄の足で左腕を蹴り上げ、雷撃の狙いを逸してそのまま踵落としを頭蓋に――割り込んだフォースセイバーが防ぎ、ならばとそれを足場に跳躍。
 そこに廃戦車を遮蔽にとった一成のリボルバーが放つ弾丸が飛来し、ヴィンゲントのアーマーを貫いて砕く。
 物九郎を追撃せんと放たれようとしていた二度目の雷撃が、被弾によって中断される。
「よォ、余計なお世話だったかな?」
「はッ、仕事が早く片付く分には歓迎でさァ! 俺めはそんなに狭量じゃねえですよ!」
 笑いあい、再び騎士に挑む二人の男たち。
『速かろうが――壁があろうが――私は、私の背負ったものは!』
 しかし、ヴィンゲントもただ翻弄されるばかりではない。帝国旗を傍らに突き立て、背後に負った銀河皇帝の信頼と帝国の誇り、そして自分自身の信念と生涯の全てを懸けて猟兵を迎え撃つ。
『この私の――有り様を砕かせはしない! 陛下への忠誠を、帝国への献身を、貴公らごときにッ!!』
 譲れないものを背負ったことで、ヴィンゲントは傷を負った身ながらに物九郎に追随する。
 下駄の蹴脚を剣で弾き、鎖を投げてその脚を止めようとし、かと思えばそれを囮に雷撃を放つ。
 速度も精度も威力も、それまで以上に高まっている。驕りが消えたわけではない。彼はまだ驕り高ぶっている。だがそれ以上に、彼の負けられぬという信念が強いのだ。
 次第に物九郎の肌が裂かれ、肉が断たれ、鮮血が舞う。
 ヴィンゲントもまた無傷ではない。幾度も蹴脚を受け、焼け焦げたアーマーはさらに砕けつつある。

「……いくら何でも速すぎんぜ、こんなとこにぶち込んだんじゃあ」
 物九郎にも当たっちまう。一成は後頭部を掻きながら、新しい煙草を咥えて火を灯し、それからどうするか思考する。
 やはりここは自分らしく。嫌がらせと援護に徹するべきだろう。狙うはあの騎士が堂々突き立てた帝国の象徴たる旗。
「わざわざ国家の象徴持ち出してんだ、ならこっちもそれなりの返事……この国の現状ってもんがわかるような答えを返さなきゃなあ?」
 たん、と軽やかな破裂音が響くのと、物九郎の下駄歯に噛んだヴィンゲントの剣が大きく振るわれ、下駄が弾き飛ばされたのが同時。
 それから一拍置いて、撃ち抜かれた帝国旗が半ばからへし折れる。まるで斜陽の帝国を示すように地に落ちた帝国旗にヴィンゲントの意識が一瞬囚われるのと同時。
「お前さん知ってますかよ」
 至近で一気に最高速に達した、武器である下駄を失い裸足の物九郎が問う。
 答えは無用、それは宣言に近い問いかけだ。
「ワイルドハントを見た奴ァ、死を免れないんだそうでさァ。お前さんはどうスかね……?」
 少年はヴィンゲントの剣を振るう右腕に組み付き、その人間離れした膂力で腕を捻り上げる。
『ああァぁあアッ、ガっァぁああ!』
 苦悶の声とともに、騎士の右腕はあらぬ方向へと捻じ曲がる。
 さすがの激痛にふらつく騎士へと、弾倉に残る数発分の弾丸を容赦なく叩き込んだ一成は、引き際を見極め物九郎を呼ぶ。
「おう、そろそろ後続に代わるぞ、長居は無用だ、やーな足音がそろそろ聞こえて来やがった!」
「でしょうな、トドメはまあ……この後の誰かが刺すでしょうよ、引き揚げっスな!」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

エルス・クロウディス
「まぁ、これだけ見せてれば、対策の一つも立ててくるか……!」
今回は奇襲される側だ、下手なことするよりは、真正面から受けて立とう。
疑似全段観測で敵の動きを<見切り>、直接切り結んでくるようなら<武器受け>から<カウンター>を叩き込む。

赤黒い電撃は、ウィルに同じく雷<属性攻撃>を纏わせて応じる。
戎応無尽の併用で攻撃力・命中重視……確実に捌きたいところ。
ここでも、<2回攻撃>で返す刀の反撃を。
特に隙が見て取れたら、<早業>の疾封刃来から落袈勢に繋げて、切り込んでいく。

元々<覚悟>はしてきてる。
多少の傷なら<激痛耐性>で耐えて、<生命力吸収>でチャラにしてやろう。
「さぁ、どっちが先かな」

即興・連携〇


東郷・三笠
む、こちらの動きが読まれていたのか
だが我は一撃では倒れん!
最大のチャンスで仕留め損なったことを悔やむがいい!

敵の攻撃は盾受け9を用いてアサルトシールドフィールドで防御
鎖が絡まったらカウンター4、怪力11で引っ張る
体勢を崩せれば善し
最悪動きを止められれば仲間の援護になるだろう

鎖を引っ張りながら空中戦12、ジャンプ6、ダッシュ5で三次元移動をしつつ残像1、見切り1で攻撃を躱しながら接近
勇気2、覚悟2、捨て身の一撃2、恐怖を与える2、殺気2、怪力11、鎧無視攻撃10、先制攻撃4を用いて『布都御魂』で東郷流電磁抜刀術『閃雷』
雷剣神の妙技を見よ!東郷流電磁抜刀術―――『閃雷』

アドリブで他の方との絡み歓迎




 撃破した戦車の燃えカスによりかかり、ぜぇぜぇと肩で息をしながら折れた右腕を鎖で縛り上げ強引に使い物にする。
 失態を晒した。親衛騎士の誇りに、ヴィンゲントの家門と歴史に、そして敬愛する偉大な皇帝陛下に恥じる無様を演じた。
 かくなる上は死あるのみだ。勝っても負けても腹を斬る。誉れある皇帝親衛隊に、無様なものは不要なのだ。
 だが、それは今ではない。皇帝陛下に仇なす愚民を幾らか殺し、その後に私も死にましょう。
 この刃がその首を刎ねられずとも、配下の大部隊が猟兵どもを完全包囲してしまえば勝ちだ。彼らならば撤退する間もなく四方八方からの一斉攻撃で皆殺しにしてくれよう。
『私はもはや、騎士の誉れを語る口はありませぬ。なればこそ、汚かろうと無様だろうと、この命を皇帝陛下に捧ぐまで! 銀河帝国臣民、アレンベルト・ヴィンゲント! いざ死地へと参りましょう!』

「向こうはやる気十分、なんだったら妙に気取った感じもない。下手なことをするよりは真正面から受けて立ったほうが良さそうだ」
 エルスは、相対するヴィンゲントから帝国騎士特有の選民思想的な驕りを感じ取れないことを訝しむ。
 まるで死兵のような覚悟は、騎士階級の――それも、親衛隊に選抜されるエリートが発するにはあまりにも痛々しい。
 だが、それが驕りを殺したならば。猟兵たちへの苦戦が、彼のプライドと引き換えに油断をも砕いたならば。
 それは、きっと――
「真っ向勝負か、それはいい。先手の一撃は――ヤツから来るぞ、さがれ!」
 エルスを庇うように前に出た三笠へと、ヴィンゲントの放つ斬撃が激突する。防御フィールドが一撃目を弾き、二撃目を受け止め、三撃目で破られ三笠を吹き飛ばす。
 そして絡みついた鎖が三笠を手繰り寄せ、さらなる攻撃へと誘う、そこへ。
「そう何処までも思うようにさせん!」
『でしょうな、判っていますとも!』
 逆に鎖を引く三笠。それを知っていたと言わんばかりにヴィンゲントは三笠の腕力すら利用して跳ぶ。
 二人の猟兵の頭上を飛び越え、真上から赤黒い雷を落とす男を、雷の属性を武器に纏わせたエルスが迎え撃つ。
 赤雷と紫電が激突し、稲妻がインペリウムの昏い空を奔った。
『そして反撃! 来ると思っていましたよ、猟兵!』
 頭上からの攻撃を防ぎ、着地した瞬間の男を三笠が今一度引き、そこへ槍を携えたエルスが連携攻撃を挑む。
「姿勢を崩せば!」
「隙ができる、それなら!」
 手にした槍を投擲し、それをガイドラインに駆け抜けすれ違いざまに斬撃を放つエルス。
 脇腹を狙った通常であれば迎え撃つに困難な一撃を、ヴィンゲントは肉を斬らせて骨を断つとばかりに受け入れ、そして折れた右腕に握る剣をその進路にそっと滑らせる。
『――っグ、ずいぶん多芸なようですが、芸が多ければ強いと言うものではないのです!』
「当たった、いや受けた!? くっ、そこまでするのかよ!」
 多くのユーベルコードを持ち、選択肢の多い猟兵は確かにあらゆる局面に対応しうる柔軟性をこそ持つのかも知れない。
 だが、その全てを用いようとすればそこに迷いが生じる。どの技で攻めるべきか? どれを主攻に据えるべきか?
 その無意識の迷いを、男は見抜いた。死を前にしてずいぶんと心が冴え渡るものです、と笑って、一撃と引き替えに斬撃を叩き込んでエルスを蹴り飛ばす。
「ならば一芸を受けるがいい!」
『来なさい!』
 鎖を辿って、宙を駆け抜け攻撃直後のヴィンゲントへと迫った三笠。
 反撃は覚悟の上。それに怯えることはない。捨て身は当然、必ずここで殺すと決めた。一刀のもとに切り捨てる――そして、グリモアベースへと全員で撤退する。
 その意思と、ヴィンゲントの魂が激突する。
 真っ直ぐな三笠の太刀筋と、澄み渡るヴィンゲントの剣筋がぶつかり合う。
 
 ―――真一文字に断ち割られたアーマーから、腸をどぼりと零すヴィンゲントがよろめき、僅かに後退する。
『く、くく……見事なものですよ猟兵、驕りに気付き、全力を出した私でも一歩及ばなかった……』
 廃戦車に血の跡を塗りつけて寄りかかり、その男は力なく笑う。
 派手に吹き飛ばされたエルスも、相打ちの斬撃を受けた三笠も、傷はそう深くはない。彼の腕が折れていたから、だろうか。
 もしそうでなかったとしたら――その時はヴィンゲントの驕りも残っていたかも知れない。結末は変わったかも知れないし、変わらなかったかもしれない。
 それを知りうるものは無いが、猟兵たちは確かに親衛隊の指揮官の一人を討ったのだ。
「間もなく我らが皇帝を討つ。一足先に骸の海で待っていろ」
「どっちが先に倒れるか、と思ったがあんたが先だったな。……欲を言えば、万全で驕りのないあんたと戦ってみたかった気もする」
『それはどうも……私は二度と御免です。皇帝陛下を三度目も守れなかったとなれば、私は――』
 故に、さようなら猟兵、皇帝陛下の元へは行かせない。
 仮面の内で呟くヴィンゲントの手から赤雷が迸る。地を這うように伸びたその雷は、二人のそばで擱座した戦車を包み――
 インペリウムに爆発音が轟いた。

苦戦 🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

アリシア・マクリントック
決闘……などと言うのはここに至っては甘いのでしょうね。
罪なき人々をも食らいつくさんとする帝国の野望は止めさせてもらいます。
そのために私が今できることはこうして剣を取ることぐらいですが……

「騎士とは名ばかりの蛮族のようですね。」
パワーではかなわないでしょうから打ち合いは避けて鎧の隙間を狙っていきます。
マリアにはセイバーエッジを咥えて攻撃したりとサポートをお願いしておきましょう。
決闘ではないのですから、他の皆さんとも連携して攻めたいところですね。

レイピアが折れてしまったら変身して、セイバーエッジに持ち替えて戦い続けます!
「剣を折ることはできるかもしれません。ですが、私達の心は決して折れません!」




 戦車の残骸を爆破し、猟兵たちを後退させたヴィンゲント。
 重症を負い、燃え盛るクレーターにかろうじて立つ彼の前に、一つの人影が現れる。彼の部下が漸く到達した、のではない。
「貴方は、その傷でまだ戦おうと言うのですか」
 アリシア・マクリントック。
 彼女もまた、ヴィンゲントと同じく由緒ある家門の出だ。誰かに剣を捧ぐ騎士ではないが、貴族ではある。
 何かを守るために戦う、その意思は理解できる。共感できるかはまた別の問題だが。
 鉄臭い血の匂いに不快そうに鼻を鳴らす、相棒たる狼、マリアを伴って、猟兵達が撤退を開始したこの場に残ったアリシア。
『――私はね、お嬢さん。帝国臣民に、皇帝陛下に命を捧げたのですよ。無様と罵られようと、不適格と謗られようと、私は私の信じた帝国の為に死にたい』
 そのために、貴女方を陛下の元へ行かせるわけには行かないのです、とヴィンゲントは言う。彼が言葉を紡ぐたび、仮面の口元に奔るひび割れから赤黒い泡が浮かんでは弾ける。きっともう助からないことは、誰よりもヴィンゲントが理解しているはずだ。
「私は今、この瞬間まで貴方を騎士とは名ばかりの蛮族だと思っていました。皇帝の命を盲信し、卑劣な奇襲すら行う野蛮な戦士に過ぎないと」
 けれど、彼のその有り様は、ただ命令に従うだけの愚か者ではない。
「――貴方の名は?」
 問うたアリシアに、掠れた声でヴィンゲントは応じる。
『アレンベルト・ヴィンゲント、今はただの、死にかけの帝国兵……でありましょうよ』
 ズタズタの帝国旗を支えにせねば、剣を杖にせねば立てぬほどの重傷を負った男の名を、アリシアは呟く。
「ヴィンゲント卿、こと此処に至っては甘い考えと百も承知です。そのうえで――貴方に決闘を申し込みます」
 その言葉にヴィンゲントは仮面の下で目を丸くして、そしてひゅうひゅうと呼気の混ざった笑いを漏らす。
「死にぞこない相手に酔狂な……この私を討ったとて、何の誉れにもならぬでしょうに」
「誉れではありません。信じた者のために、臣民の為にそんなになってまでまだ戦おうという貴方が、最後まで騎士として死ぬために――そして罪なき人々をも食らいつくさんとする帝国の野望を止めるために」
 私にできることは剣を取ることぐらいですから。
 純白のドレスに肩当てとレイピアを携え、ヴィンゲントと相対するアリシア。
『フフッ、帝国を止めようなどとずいぶん不遜な考えをお持ちのようで……それはまた、阻止せねばなりますまい』
 私は帝国の臣民、騎士不適格なれどこの命尽きるその瞬間まで陛下の御剣なのだから。
 焦げ、砕けた鎧に紅いフォースセイバーを構え、アリシアと相対するヴィンゲント。
 二人が同時に進み出て、そして一度だけ甲高い金属音が響く。

 ――四方八方からの足音。クローン騎兵やバトルドロイドだけではない、歩行戦車すら交えた雑多なそれが押し寄せる。
 タイムリミットだ。親衛隊の通常戦力が大挙して押し寄せる前に撤収しなければならない。もし彼らと戦おうなどとすれば、強力な精鋭部隊に物量で押しつぶされる末路が待っている。
 セイバーエッジにこびり着いた血脂を振り落とし、折れたレイピアを拾い上げたアリシアは最後に一度、忠節とノブレス・オブリージュに生きた帝国騎士の骸を振り返る。
 信じる正義は絶対に相容れないものだった。彼自身、途中でその願いは驕りに歪んでいたと気づいていたようだった。それでも、彼もまた最期まで騎士だったのだ。
 足音が迫る中、アリシアはマリアを伴い、仲間たちの元へと歩んでいく。
 今回の破壊工作は失敗したが、親衛隊の将校を斃すことはできた。宇宙空間では艦隊が帝国軍と今も戦っている。
 ――皇帝との最終決戦は近い。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年02月19日


挿絵イラスト