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アルカディア争奪戦㉓〜封印せよ、罪深き幸運を

作者：黒代朝希

　……聞こえていますか、猟兵よ。
　わたくしは、間違った事をしたとは思っていません。
　あの懐かしく優しい日々を取り戻し、その防人として在り続ける夢は、わたくしの輝くものです。
　ですが……アルカディアの玉座は、わたくし達を騙していたようですね。
　ならば……それは『マグナ聖帝国』への攻撃という事です。
　お願いできますか、猟兵……いえ、『六番目の猟兵』。
　わたくしの『大規模封印ユーベルコード』を貸しましょう。
　その代わり、必ずやアルカディアの玉座を……
「……分かりました、ベアトリクス猊下。必ず我らは勝利して見せます」
　そう言って、琥珀色の長髪を靡かせた教皇の少女はその『封印術』を受け取る――

「早速『象神爆殖核』……玉座に通じる空中庭園へと向かってもらうぞ」
　アドナ・セファルワイド（セファルワイド初代にして最後の皇帝・f33942）は迅速な予知を手繰り寄せ、猟兵を『象神爆殖核』へと送り込む体制を整えている。
　ここより先、迅速な制圧が『アルカディア争奪戦』には求められる。
「かの戦場を護る『レプリゼンタ・カンギ』については知っているな？　奴は『超常的な幸運力』を持つオブリビオン。通常の攻撃方法ではどんなに強力な攻撃でも「何故か」「偶然」回避されてしまう」
　故に『レプリゼンタ・カンギ』との戦いでは急所狙いや位置取りを上手く行い、想定を覆す｜致命的な一撃《クリティカルヒット》を決める必要がある。
「それと、これはフレスベルクからの餞別だ」
　そう言ってアドナが指を鳴らすと、猟兵達にこの『アルカディア争奪戦』によって見知ったユーベルコードが付与されていく。
　それは『マグナ聖帝国』を治める超人皇帝の一人、ベアトリクス・マグナ……『聖女皇』と呼ばれた女から貸し与えられた力。
「超人皇帝達は、騙されていた……ここまでくると間違いないだろう。だが、奴らはオブリビオン……どのようなユーベルコードを保有していたとしても、己が存在そのものを否定する事だけは不可能だ」
　だから、こういった形で……共に戦う。
　そんな、幻想を……猟兵は垣間見ていた。

第1章 ボス戦 『レプリゼンタ・カンギ』

POW   :    歓喜天聖雷衝 自身が装備する【金剛杖アンクーシャ】から【放電】を放ち、レベルm半径内の敵全員にダメージと【パラライズ】の状態異常を与える。 SPD   :    歓喜自在鼻 自身の【自在に伸びる象の鼻】に【超重力】を宿し、攻撃力と吹き飛ばし力を最大9倍まで強化する（敗北や死の危機に比例する）。 WIZ   :    歓喜攻性蓮華 【蓮華の花】を纏わせた対象1体に「攻撃力強化」「装甲強化」「敵対者に【肉体の植物化と世界樹への忠誠心】を誘発する効果」を付与する。 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

「ロードー！あのカンギとやりあう好機だよ！」
「貴様は何を言っている？……だが、確かに奴は我らの敵であるようだな」
　そう言ってバーン・マーディ（ヴィランのリバースクルセイダー・f16517）はデュランダル突撃騎士『皇・銀静』の言葉に応じ、周囲の状況を把握していく。
　無論の事その目的は『起こりうる偶然や幸運』を予測する事だ。
「確かに、貴様の自慢のユーベルコードの通り。戦いの趨勢は運も大きく左右される……だが！」
「運命にだって叛逆してやる、でしょ？」
「……分かっているではないか」
　銀静の言葉に満足気にバーンは頷くと、大規模封印ユーベルコード――『マグナ聖帝国』の超人皇帝であるベアトリクスのユーベルコードを発動させていく。
　その『封印術』で『レプリゼンタ・カンギ』が有する『超常的な幸運力』を封印したバーンは、超高速で連携し飛び回っていく。
「回避は判っている――後は回避できずあらゆる幸運も関与しない隅へと追い込むだけだ」
　ユーベルコードを発動させて超高速の銀静との連携と突撃を繰り返して『レプリゼンタ・カンギ』を追い詰め、止めを刺さんと剣を振るう――
「カンギよ――我らは貴様の幸運にも叛逆せん！」
「僕らの突撃を味わえ！！」
　バーンと銀静が音速での連携を以て、植物の象が如きオブリビオンを切り裂いていく――

大成功 🔵​🔵​🔵​

「貸して貰うぜ、ベアトリクス。アンタの力！！」
　もしかしたら肩を組んで人々に安らぎと救いを与える同胞同志に成れたかもしれない女性――ベアトリクスの顔を思い浮かべながら、空桐・清導（ブレイザイン・f28542）は左腕に封印術――『大規模封印ユーベルコード』の力を込めた黄金のオーラを纏い、右腕に剣を携えてカンギに挑んでいく。
　金剛杖アンクーシャから放たれる放電をオーラを纏った剣で弾いて防御し、パラライズの状態異常は気合でねじ伏せながら『レプリゼンタ・カンギ』へと接近していく空桐。
「今だ、ベアトリクス！！」
「何！？　これは……『マグナ聖帝国』の『聖女皇』の……！！」
　そう言って空桐は左腕に宿したベアトリクスの『大規模封印ユーベルコード』を開帳。
　カンギの動きを拘束する様に展開した『封印術』は、彼が見に宿す『超常的な幸運力』諸共その動きを封じていく。
「最適化は任せたぜ、アイン。後は、オレが全力でそれをぶつける！！」
　ヴァイスリッター・アインが変異した黄金剣で対象を攻撃するユーベルコード『｜機能解放：操刻する無双の黄金剣《オプティマイジング・フォー・マキシマム》』を発動し、身動きの取れなくなった『レプリゼンタ・カンギ』を断ち切らんと黄金剣を振るう空桐。
　カンギも全力でユーベルコードと『超常的な幸運力』を発揮しながら脱出しようとするが、ベアトリクスの『大規模封印ユーベルコード』がその抵抗さえも根源から封じている。
「おのれ……！！」
「お前を守る幸運もここまでだ！――超必殺！　クリティカル・パニッシュメント！！」
　振るわれるは幾億の刃を重ねて攻撃力を上昇させた黄金剣。
　剣が一際輝き、カンギを一刀両断せんと刃が煌めく――

大成功 🔵​🔵​🔵​

「手が足りないなら、力を貸すぞ……！！」
　そう言って支援にやってきたのはアス・ブリューゲルト（蒼銀の騎士・f13168）は牽制攻撃を仕掛けながら『レプリゼンタ・カンギ』と『カンギ魔獣戦士団』と対峙。
　すぐさま敵の虚を突くべく 機械になっている両足のサイドが展開し、脚部に内蔵されたミサイルと弾丸を展開するユーベルコード『ヴァリアブル・ウェポン』を発動。
　このまま先制攻撃を繰り広げていく。
「貴様らは……逃さん！！」
　射出されていくアスの脚部ユニットに内蔵されたミサイルと弾丸。
　それらは戦場全体を射程範囲内とし、隅々まで吹き飛ばす爆撃を放っていく――
「……それにしても、あのようなものが『アルカディアの玉座』、か」
　予兆で見た『虚神アルカディア』――『己が進化の為に諸君を苦しめる、諸悪の根源』を自称するオブリビオンに、アスは嫌悪感を隠せない。
「……やり切れんな」
　どの超人皇帝達も、己の願いに対しては真摯であった。
　しかし『アルカディアの玉座』の正体は、その願い諸共喰らう邪悪――

成功 🔵​🔵​🔴​

「……あれが、『アルカディアの玉座』の正体、なの……？」
　その禍々しく悍ましい『アルカディアの玉座』の正体に、流石の四王天・焔（妖の薔薇・f04438）も嫌悪感等の感情を隠せない。
「そうだ、だから言ったであろう……仮に貴様ら猟兵が『｜絶空獣の使徒《ケルベロス》』と同じく『予兆』を見れるというなら、分かったはずだ」
　その正体――『植物』達を『全世界にばらまいた吾がしもべ』と称する『虚神アルカディア』は、究極的なまでに生きとし生ける全ての存在に対する存在悪であり、絶対悪。
「……けれども、焔達はブルーアルカディアを救うの――『虚神アルカディア』を倒して！！」
「ならば、私と『カンギ魔獣戦士団』を制するがいい！！」
　そう言って『レプリゼンタ・カンギ』は『超常的な幸運力』を発揮し、焔の攻撃を躱していく。
　だが、焔の方も負けてはいない。
　ユーベルコード『｜白狐召還符《サモン・フォックス》』を発動させ、白狐が吐く蒼き炎にベアトリクスの『大規模封印ユーベルコード』を合成していく――
「成程……確かにその『封印の狐火』ならば、私の『超常的な幸運力』をも封印して焼き尽くす事が出来るかもしれないな」
「ううん、必ず……届けるの！！」
　ベアトリクス――かつて『聖女皇』と呼ばれた『マグナ聖帝国』の国家元首たる女性を思い、焔は『レプリゼンタ・カンギ』へと『封印術』を重ねた蒼き狐火を放つ――
「……必ず、終わらせるの」
　燃え上がり骸の海へと帰っていく『レプリゼンタ・カンギ』の姿を見ながら、焔はそう約定を交わすのであった――

大成功 🔵​🔵​🔵​

最終結果：成功 完成日:2022年09月23日