銀河帝国攻略戦㉑~虚無と過去
「ええか。ちょっとキツイ相手がおる、手伝ってくれへんか?」
如月・鬼怒(羅刹のバーバリアン・f04871)が唐突に話を切り出した。
「とうとう『解放軍の艦隊』は『クライングシェル』『アゴニーフェイス』の艦隊を見事に突破したわけやけどな、その先におるのは、『黒騎士アンヘル』や」
ただ、一筋縄では行かないであろう事は想像に難かった。
スペースシップの砲撃も、戦闘機の攻撃も、『黒騎士アンヘル』を捕らえる事ができなかったからだ。
「そこで、や。『解放軍』は、黒騎士の撃破を諦め、銀河皇帝を守る艦隊へと攻撃の矛先を変えることになった。銀河皇帝を滅ぼす、今回の作戦では、戦力の悉くを失った『黒騎士アンヘル』は、もはや重要や無いからや」
鬼怒の言葉に、一人の猟兵は、少し怪訝な顔をする。
「せや、うちらは『解放軍』とはちゃう。オブリビオン・フォーミュラである銀河皇帝を撃破しても、二大巨頭である『白騎士』『黒騎士』が逃げ延びてしもたら、新しいオブリビオン・フォーミュラとなりうる可能性が残ってしまうわけや。
まあ、せやなくても銀河皇帝を撃破した後に、コイツらが残党とかスペースシップワールドの不平分子等を集めて、悪事を行う危険がデカイ」
「とすると……」
「せや、銀河皇帝との決戦が最重要であることも知りつつ、『黒騎士アンヘル』の撃破も行うべきや。せやろ?」
鬼怒は猟兵の言葉に頷きながら、その重要性を訴えたのだ。
「『黒騎士アンヘル』は強いで。『確定された過去を操る』ユーベルコードを操る強敵になる。ヤツのユーベルコードと、こっちの相性が結果を左右することもあるやろ。対峙するのは1体だけやけど、知っての通りその力が尽きるまで、骸の海から蘇る力をもっとる。今も他に向かってる仲間達がおるから、うちが案内する場所で黒騎士を待ち伏せして破壊する。ええか?」
「さあ、行こう!」
一人、そして一人と猟兵が立ち上がり、準備に取り掛かる。かくして猟兵達は、許される最大戦力で『黒騎士アンヘル』へ立ち向かうのだった。
沙羅衝
皆さん。如何お過ごしでしょうか。沙羅衝です。
いよいよ戦争も大詰めです。準備は良いでしょうか?
皆さんに相手していただくのは『黒騎士アンヘル』です。
以下今回のシナリオの説明です
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黒騎士アンヘルは、先制攻撃を行います。
これは、『猟兵が使うユーベルコードと同じ能力(POW・SPD・WIZ)のユーベルコード』による攻撃となります。
彼を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。
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めっちゃ強いですが、頑張ってくださいね。
それでは、プレイングをお願いします。
第1章 ボス戦
『黒騎士アンヘル』
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POW : 消えざる過去の刃
【虚空から現れる『空間に刻まれた斬撃』】が命中した対象を切断する。
SPD : 過去喰らいの三呪剣
【過去の鍛錬の経験を封じる白の呪剣】【過去の戦闘の経験を封じる黒の呪剣】【戦うに至った過去を封じる灰の呪剣】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ : 記憶されし傷痕
【対象の肉体】から【過去に刻まれた傷跡や病痕】を放ち、【一度に再現され肉体を蝕む出血や疾病】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
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鬼怒に案内された場所は、一つの宇宙船の中だった。そこに集まったのは、それぞれの世界から移動してきた猟兵達。
一つの廃墟となっているビルとビルの間にある空間。人は皆無であった。
そしてそこに、『黒騎士』は現れた。
「おっと、待たせてしまったかな?」
そう言って、己の武器である紅い刃を手に取ったのだった。
ニィ・ハンブルビー
呼ばれて飛び出てボク登場ー!
ついに大ボスの登場だね!
この世界の未来のためにも!全力で倒させてもらうよ!
先制されるってことで、まずは初撃を回避だね!
背中の『ウェポンエンジン』で自分を【吹き飛ばし】て、
加速しつつの全力【ジャンプ】で緊急離脱!
小さな体躯を活かして、
『マシンベルト』の推進剤も利用しつつ素早く逃げ回るよ!
そしてそのまま【カウンター】で【炎の噴出】!
炎を四方八方にばら撒いて、攻撃しつつ空間を炎で満たす!
消えざる過去の刃ってことは、ずーっと残りっぱなしってことでしょ?
だったら炎も切り裂かれて、刃の場所がわかるはず!
そして!炎は切られても炎!
斬撃なんかじゃ止まらないよ!
そのまま燃え尽きろー!
「呼ばれて飛び出てボク登場ー!」
そう言って飛び出したのは、ニィ・ハンブルビー(怪力フェアリー・f04621)だった。その小さな妖精が、ふよふよと羽ばたきながら敵の注意を引こうと飛びまわった。
「成る程。そういう趣向か……。まあ、いいだろう」
『黒騎士アンヘル』はその刃を斜め前に構えて、ゆっくりとその小さな猟兵を凝視した。
ズバ……!
「あ
……!?」
突如としてニィの体から突き出たように見えたのは、紅い斬撃だった。何処から現れたのかも分からず、ニィはゆっくりと地面に落ちようとする。
「でも……。ボクは、唯じゃ落ちない……よ!」
地面スレスレの位置で、意識を失いかけながらも己のユーベルコードを、出現させる。
『燃えてきたー!』
両腕から炎を出現させ、アンヘルの周囲に張り巡らせたのだ。
「消えざる過去の刃ってことは、……ずーっと残りっぱなしってことでしょ?」
彼女の狙いはその刃の位置。
(「だった……ら、炎も切り裂かれて、……刃の場所がわかるはず!」)
ニィはそう思いながら、炎を操る。
「……残念だったな」
しかし、アンヘルはその炎を避けようともせずに、渦巻く炎の壁の動きが分かっているように歩き、猟兵達の目の前に現れたのだった。
その姿を確認しながら、ニィは悔しそうに地面に倒れた。
苦戦
🔵🔴🔴
推葉・リア
過去ね過去…だけどそれを超えるのが猟兵で今生きる人の強さよ…!
到着したら即の炎の【オーラ防御】で私を覆ってその中でバトルキャラクターズで呼び出した推しキャラ全員を【催眠術】を使って推しキャラ達私だと思い込ませて最初の攻撃を防ぎきってから私も含めて全員で一斉に攻撃を仕掛けるわね
オーラで覆っている間や攻撃仕掛けるときも常時【第六感】【聞き耳】を発動駆使して相手の剣を避けて剣が来る所のオーラの炎を厚くして防ぎきってみせるわ
推しキャラ達には連携連続して攻撃を仕掛けてもらって
私自身は【忍び足】で相手の死角に入り込んでバイフォックスファイアを叩き込むわよ!
★アドリブ共闘歓迎
ヴィヴ・クロックロック
帝国の黒騎士……恐ろしい相手だ。これから相対するという事実だけで手足が震えを通り越して痺れてくる。しかし私は独りではない兄弟(ゾンビ)たちも居る。【召喚『実験動物ゾンビ』】で四人の兄弟を出し、文字どおり肉盾として奴の攻撃を防いで貰う。そのあとはそうだな……肉薄して【削ぎ穿ち】で相討ちでも狙ってみるか、0距離なら先出しの相手でも当たりはするだろう。相手が倒れればよし、倒れずとも少しは後続の助けになるだろうさ。
(アドリブ、共闘大歓迎)
「……ちょっと、難易度高めの設定ね」
倒れたニィを掌にのせ、素早く安全な所に移動させながら、推葉・リア(推しに囲まれた色鮮やかな日々・f09767)は呟いた。
「あなた、大丈夫なの?」
そして、目の前の戦いを目を見開いてみている一人の猟兵、ヴィヴ・クロックロック(世界を救う音(自称)・f04080)を見てそう言ったのだ。
「大丈夫だ……」
そう言いながらも、ヴィヴの武器を持つ手や、構えを取ろうとしている脚は震えている。
リアはそれが強がりである事が分かった。
「あなた……、ひょっとして……」
リアの言葉を、ヴィヴは制する様に前に出る。
「独りでは無いのだからな……」
そう言って、両手を上げて合図をする。
『起きろ兄弟たち!』
すると、地面から湧き出るように、4体の武装したゾンビがもこもこと現れる。
リアはその姿を見て、それ以上その事には言及せず、手の甲を宙に這わせるように動かした。『私の声に応えて…』
炎のオーラを纏いながら、19人もの筋骨隆々の胴着を纏った人物や、迷彩服を着た兵隊が出現する。
『じゃあよろしくね! ………はぁ?何度見ても、好き! 大好き! ありがとう!』
現れたのは、何処かのゲームのキャラクター達である事は、知っている者は知っているだろう。
すると、その召喚されたゾンビとキャラクター達を見て、アンヘルは少し間を置き、白、黒、灰の3つの剣を召喚する。
そして、指示を出すように片手をすっと上げた。
「な!?」
猛スピードで放たれた剣は、リアのキャラクター達を串刺しにし、ヴィヴのゾンビをなぎ払った。
そして、更なる一撃がヴィヴを襲う。
「危ない!」
その剣をリアは炎でできた狐で噛み千切り、何とかその攻撃を砕いたのだった。
「……すまない。だが、これでは相打ちも狙えない」
そのスピードの凄まじさに、ヴィヴは奥歯を噛み締めた。
しかし、この情報だけでも、他の猟兵達には大事である事は間違いなかった。少ない情報から糸口を掴み、最後に繋げれば良い。まだ、戦いは始まったばかりなのだから。
苦戦
🔵🔵🔴🔴🔴🔴
宮落・ライア
確定された過去を操るユーベルコード?なんか大仰だね。
【見切り・野生の感・薙ぎ払い・残像】で避けたり切り払ったり。
でも…ボクの過去じゃない過去も封じることって出来るのかな……。
ボクの体を作ってる人達の記憶も…。
戯言かな。例えそうでも消させるわけにはいかないもんね!
倒すという【覚悟】。殺すという【殺気】。それを伴い
【怪力・鎧砕き・衝撃波・二回攻撃】で切りつける。
一番当たって痛いのは灰の剣だけれど…
そもそも忘れたところで侵食で響く声に苛まれて止まりませんです。
ちょっと精神とか心が思いっきり軋むけど
「確定された過去を操るユーベルコード? なんか大仰だね」
宮落・ライア(英雄こそが守り手!(志望)・f05053)は、そう言って一つ息を吐いた。
「……そうだな。だが、これが私の力。お前達等に打ち払えるとでも?」
アンヘルはそう言って、嗤う。
「でも……ボクの過去じゃない過去も封じることって出来るのかな……」
「……過去は封じるものでは無い」
「そうかな? 例えば、ボクの体を作ってる人達の記憶も……」
ライアはその時、覚悟を決めた。この攻防に対してきっかけを与えるには、倒すという『覚悟』そして殺すという『殺気』が必要だと感じたからだ。
己に宿りし、『違えられぬ期待』と『内に響き続ける祈り』を感じながら『強く狂気に近い決意』を躍動させる。
「……過去に埋もれて、死ね」
「!?」
そして放たれる3つの剣が、ライアの体に突き刺さる。
肩と両脚に切りつけられると、己の過去を全て蝕まれていくような感覚に陥る。
「痛い……。痛い、ね」
ライアはそう言いながらも、膝をつくことを拒む。
「でも、もっと酷い状況にもなってるからね。止まりませんです」
ライアの力は既に発動していた。己の体が蝕まれていく感覚が、自分の行く道を見つける。
『負けられない! 死ぬことも止まることも認められない! 私は託された! 選ばれたんだから!』
そう言って黒騎士に突っ込んでいくと、全身全霊を籠めた力で、アンヘルの体を殴った。
「……ぐ!?」
顔をしかめるアンヘル。だが、同時にその場に崩れ落ちるライア。
だがその力は、アンヘルに確かに届いた事を核心し、ライアはへへ、と笑いながら倒れたのだった。
苦戦
🔵🔴🔴
須藤・莉亜
大鎌を26本に複製して、敵さんの先制攻撃を迎撃してみよう。
24本の大鎌で【2回攻撃】【範囲攻撃】を使って敵さんの剣を弾く。
優先は灰の剣、他は当たっても特に問題ないかな。訓練も経験も無くなっても困らないし。殺意一つで充分。
2本だけ敵さんの死角から【暗殺】狙いで敵さんに攻撃してみよう。
その後は、20本を攻撃兼囮用にして敵さんに攻撃。
残りを防御用に自身の周囲に展開、【武器受け】を使って攻撃を防ぐ。
攻撃用の大鎌で敵さんに全方位から【衝撃波】【フェイント】【生命力吸収】を混じえて攻撃しつつ、ギリギリまで近づいて、血を捧げて限界まで強化したLadyで敵さんに銃弾をプレゼント。
「デッカい大穴開けてあげる。」
ダメージを確認したアンヘルの様子を確認して、真っ先に動いたのは須藤・莉亜(メランコリッパー・f00277)だった。彼は、ぼんやりとした表情のまま、勝機を窺っていたかの様に、大鎌を『26本』召喚する。
『バラバラにした方がいっぱい血が出るよね?』
その鎌達は、彼の意思の通りの動きを見せる。
3本の剣が、彼の鎌と空中で切り結ぶ。
「小賢しい……」
ギギギ! ギン!!
剣戟が周囲を支配し、彼の鎌はアンヘルの鎌1本に対して『8本』を対峙させる。その鎌に宿らせた力は衝撃波であり、敵の力を吸い取る力。そして、少しのフェイントを仕掛ける鎌も織り交ぜる。
その剣と鎌の力は互角と言えた。その様子に、莉亜はふっと視線を別に移動させた。
「ぐ……あ
……!?」
アンヘルの背中から『2本』の鎌が突き出ていたのだ。
そして、莉亜は意っきり距離を詰めて飛び、『Lady』という名のライフルをガチャリと宙で構えると狙いを定めた。
「デッカい大穴開けてあげる」
ドン!
大きな発砲音と共に、アンヘルは吹き飛んだのだった。
成功
🔵🔵🔴
セゲル・スヴェアボルグ
俺がいる場所に刻まれた斬撃を使う可能性が高い。予備動作があるのであれば、それを見て位置を移動すればいい。俺が動くことも想定はするだろうが……それは盾受けで凌ぐとしよう。プログラム化のおかげで、盾もほぼ際限なく出せるしな。斬撃の発生した位置も可能な限り記憶しておこう。大量の斬撃が同時に来た場合がネックだが、盾の多重具現化で凌ぐしかなさそうか。
血なんてもんは有り余っているからな。欲しければいくらでもくれてやる。その代わり、奴の思考はいただくがな。
承従タル対者さえ当ててしまえば後はこちらのものだ。猟兵の刃に屠られるか、己の剣で自害するか。この生における最後の選択肢だ。選ぶ権利だけは与えてやろう。
霑国・永一
【SPD】
過ぎた過去に固執なんて柄じゃないなぁ
先制攻撃に対し、狂気の戦鬼を使用し、それによる持ち前の高速移動と【見切り】【フェイント】【ダッシュ】【逃げ足】の併用で全力で回避に回る。
以降の戦闘時においても前者に加えて【鎧無視攻撃】【早業】は常時活用。
なるべく黒騎士の死角に移動しつつ衝撃波によって攻撃、特に呪剣の動きには注意を払い、投擲する隙を与えない頻度で攻撃をぶつけて妨害していく
接近戦の中、黒騎士の武器を【盗み】【盗み攻撃】にて奪えるなら奪い、遠くへ捨てるか破壊する。戦後も残ってるなら持ち帰る
「ハハハッ!金になりそうなもん持ってんじゃねぇかよ!命と一緒に寄越せ!」
他の猟兵との協力も惜しまない
サラ・ノアール
黒騎士が相手ね。
既に変えられない過去が襲ってくるなら
確定してない未来をぶつけるしかないわ!
相手の先制をなんとかしないと。
まずはユーベルコードを試して相殺してみよう。
鎖威殺臥の盾に隠れてチェーンウィップの「ロープワーク」で
相手の死角に飛び込んでメイスで「鎧砕き」「衝撃波」を使った攻撃。
鎖威殺臥が相殺しきれない様なら「オーラ防御」も使って
受けている間に「カウンター」メイスをお見舞いするしかないわね。
先制攻撃を耐えきったら「コミュ力」を駆使して他の猟兵と連携・声掛けして一気に勝負を決めましょう!どうせ何度か蘇るなら遠慮はいらないでしょ?
喰龍・鉋
夫の尊(f12369)と共闘
「尊、ボクを、今一度守って…一撃だけでも耐えられさえすれば、必ず勝機はあるはず!」
【指定UC】を発動、ボクの選択は防御重視、僕自身のUCで身を固めて、更に尊の【守護の結界】を頼りに一撃は必ず耐えてみせる
尊がくれたチャンス、絶対無駄にしない
もし耐えられたらそのままの体で命がけの特攻を仕掛ける
【二回攻撃】一発目は【鎧砕き】二発目は見えた肉を【怪力】を使った渾身の一撃を叩き込むよ
同じ黒騎士として、同じ血を啜る剣の味を叩き込んでやる!
*アドリブ、別猟兵との連携大歓迎
白皇・尊
妻の鉋(f01859)と共闘
☆共闘戦術
超強敵を前に単純な2対1では勝てない、個々で当たらず力を合わせなければ。
ゆえに僕はUCを使わず攻撃も捨て鉋の守りと補佐に集中します。
まずは即座に鉋へ【物理、霊的問わず攻撃や呪いを防ぐ守護の結界】(オーラ防御)を張り強固な防御を固めて敵の先制を防御、続けて鉋への結界を維持しつつ、霊符《霊子ハック》を用いてハッキングを仕掛け、敵を解析し付け入る隙を探りチャンスを生み出します。
「これが、僕と鉋の絆です!」
UCを使わない僕は脅威にならない、そして絶対強者たる黒騎士なら正面から来る鉋を正面から潰しに来るはず、そう読んでの賭けです。
※アドリブ歓迎
※別猟兵との連携歓迎
ルセリア・ニベルーチェ
転移前に対策するとしましょ。
突入前にUC【黒式・剣身一体】
【吸血鬼嬢は眠らない】発動
十一本の黒剣を自身に取り込み
記憶されし傷痕に対し超再生能力で対応
残す一本は黒式・過去<0>と未来<1>の狭間
過去と未来の知覚により消えざる過去の刃に対応
アンヘルの過去に刻んだ斬撃、未来に行動を掌握
三呪剣や怪しげな未来を見れば
切り札の透過による絶対回避
自動発動させ背後・無差別攻撃
認識できない攻撃にも対応させる。
防げば反撃開始
反撃時も油断せず対策を継続
【契約者権限】【破壊の暴君】を組み合わせ
1本が400m近くを消滅させる一撃を
250本分、敵の全方位から射出しデストロイ。
アドリブ歓迎、敵との会話も歓迎!
「みんな、まだ行ける。よね?」
サラ・ノアール(明るく繋がれた鎖・f03336)は腕に絡みつかせた鎖をジャラリと鳴らしながら、全員に声をかけた。
漸く見つけた敵のほころびを、此処で元に戻すわけには行かないからだ。サラの言葉は不思議な力を持っていた。その言葉に、健在な仲間達が応える。
「過ぎた過去に固執なんて柄じゃないなぁ……」
霑国・永一(盗みの名SAN値・f01542)はそう言いながらも、少し前かがみな状態で、無手を広げる。
「僕と鉋が隙を作ります。力を合わせましょう」
華奢な体躯の紅顔の美少年は、白皇・尊(魔性の仙狐・f12369)が、妻の喰龍・鉋(楽天家の呪われた黒騎士・f01859)と頷き合う。その小柄な二人は覚悟を決め、少し前に鉋、後ろで尊が支援する隊列を取った。
「俺に考えがある」
そこに、セゲル・スヴェアボルグ(豪放磊落・f00533)が、確信めいた言葉を紡いだ。
「まず俺が絶対に、ヤツの攻撃の盾になる。そこを一気に頼む」
「でもそれだけじゃ、防ぎきらない場合もあるんじゃないの?」
ルセリア・ニベルーチェ(吸血鬼嬢は眠らない・f00532)は少し考えた後、手短にセゲルに問う。
「先程の彼等の攻撃で、幾つかの予備動作を確認した。俺はプログラム化のおかげで、盾もほぼ際限なく出せる。数には、数だ」
「根拠は?」
「はっきり言ってしまえば……無いな。勘と変わらんかもしれん。不服か?」
そういうセゲルに、ルセリアは少し噴出す。
「ははは、良いね。フリーダム。ルセリアさん、嫌いじゃないわ」
そう言って、ルセリアは中間に位置し、己の敵を定めるように見た後、十一本の黒剣を取り込み始めた。
「準備はOK? じゃあ、行こう。既に変えられない過去が襲ってくるなら、確定してない未来をぶつけるしかないわ!」
サラの言葉が合図となった。今ある情報から、敵の攻撃に耐え、必殺の一撃をぶち込む。唯、それだけ。猟兵達は、全員の心を一つにし、動いた。
「尊、ボクを、今一度守って……一撃だけでも耐えられさえすれば、必ず勝機はあるはず!」
鉋が身を屈め、駆けた。同じ黒衣を纏った騎士。いざ、切り結ぶ。
莉亜の弾丸を受け、吹き飛んだアンヘルは、起き上がり紅の剣を斜め前に構えた。
「こっちだ!」
その動作に動いたのはセゲル。己の身盾を隠すほどの盾を構えて駆けた。
「死ね!」
ギ……バゴッ!
しかし、その盾は、何処からとも無く現れた紅の斬撃で破壊され、セゲルの肩を切り裂く。
「行け!」
セゲルは鮮血を噴き上げながらも、両の脚で地を踏みしめて留まり、声の届く限り叫んだ。
『ボクは死なない、あの人のくれた力が、ボクを守ってくれている限り!!』
距離を詰めた鉋が、己の力を高め、護符を鎧に貼り付ける。その鉋の鎧の上から、尊が守護の結界を張る。
それは夫婦の賭けだった。
ユーベルコードを敵に使わないのならば、此方の脅威にはならないと読んだのだ。
かくして、その読みは当たる。セゲルに放った一撃の余波もあったのか、動きが遅れ、突っ込んでくる鉋に拳だけを打ち込むアンヘル。
ドゴ!
鈍い音を立て、鉋の腹に拳が打ち込まれたのだ。
「……耐えたね。有難う、尊」
鉋はそう言うや否や、黒剣を振るった。
ガギン!
その場に、金属音が響きわたる。そして、
「なに
……!?」
その黒騎士の肩口にある鎧が、ボロリと砕けた。
「ああああああああ!!!」
そのほころびに、鉋が渾身の力を籠めて、剣を叩き込んだ。
「ぐ!」
肩から血が噴出し、苦悶の表情を浮かべるアンヘル。
「これが、僕と鉋の絆です! さあ、勝機です!」
尊が叫ぶ。そして、突如として、アンヘルの紅の刃がその手から消えた。
「ハハッ! 金になりそうなもん持ってんじゃねぇかよ! 命と一緒に寄越せ!」
鉋の攻撃の隙を付き、永一が武器を『盗んだ』のだ。
「そらよぉ!」
そして、その刃を遠くへと投げる。黒騎士の手の届かない位置へ。遠くへ。少なくとも次の攻撃までは。
「貴様ァ!!」
激昂するアンヘル。そして、次の一手を放とうと、右手で印を斬るように、人差し指を立てた。
「させない!」
すると、永一の目の前に、サラが『盾を構えた単眼鎖巨人』を呼び出した。
『威力を殺して! サイコロフス!』
巨人は呼び出された瞬間に、アンヘルの力を受けて崩れ落ちるが、その攻撃は、次の仲間の格好の的になるのだ。
「血なんてもんは有り余っているからな。欲しければいくらでもくれてやる」
セゲルが一気に距離を詰め、己の鮮血のついた拳で殴りつけた。そして、鋭い眼光と共にその血を爆破する。『忠なれば即ち二心無し。逆らわない方が身のためだぞ?』
「なん……だと!?」
それは黒騎士の思考を、セゲルの言葉に逆らう事を奪う力。
「猟兵の刃に屠られるか、己の剣で自害するか。この生における最後の選択肢だ。選ぶ権利だけは与えてやろう」
眼光が、鈍く、鋭く光り、アンヘルはその言葉に逆らう言葉を発する事が出来ない。
「返答はなし。そうか、ならば、果てるが良い」
ニヤリと嗤うセゲル。その言葉に応えたのは、永一だった。
両掌を広げ掴みかかるような体制になる。その構えと目は正に、唯の戦闘狂の人間だ。
『ハハハハッ! 俺様がぶち殺してやるぜ!! 愉しませなァッッッ
!!!!!』
ゼロ距離まで瞬時に近づくと、何度も何度も左右から衝撃波を生み出し、削り取るように腕を振るう。
黒騎士の鎧が、その衝撃波で削り取られる。
一撃、一撃を放つたびに、黒騎士の鎧が吹き飛んでいく。
セゲルにより、逃げるという意志も封じこまれたアンヘルは、微動だにすることも出来ない。
そして鎧が剥ぎ取られた後は、命そのものだ。それを躊躇う永一ではない。その腕の勢いは弱まる事を知らない。それどころか、加速するのだ。
黒騎士はそれまでだった。永一によりその身を削り取られ、遂にはその空間から消えたのだった。
この戦闘により、一つのアンヘルが葬られた。
生と死のはざまにおける戦闘は、猟兵達の勝利に終わった。
骸の海からまた、アンヘルが蘇るだろう。
しかし、この勝利は、確かに一つの勝利であることには違いない。
この事を報告し、猟兵達はまた、次の戦場に向かうのだった。
大成功
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