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アルカディア争奪戦⑰〜熾火は赫く昌盛・リ・カオス

#ブルーアルカディア #アルカディア争奪戦 #コルディリネ #『大天使』エンケロニエル

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#『大天使』エンケロニエル


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●コルディリネ
 と思ったら大間違いである。
 何が、とは六大屍人帝国『コルディリネ』の長たる『大天使』エンケロニエルは驚愕していた。
『混沌魔法』カオスヘッダーの力は確かに凄まじい。
 己を3rdKING足らしめた『植物怪獣軍団』による無限増殖。それと同じくする力。
 時間経過と共に自己増殖していく『植物怪獣軍団』は恐るべき力である。
 だが、植物怪獣単体の力は『スーパーカオスドラゴン』に及ばない。ならば、単体での力に勝る『スーパーカオスドラゴン』は『植物怪獣軍団』を一方的に捕食することができる。
 かの竜が存在している限り、『大天使エンケロニエル』は無限増殖を阻まれ続けるのだ。

「|ゲヒャ~ッヒャッヒャ!《!?》 残念だったナぁ? どれだけお前の『植物怪獣軍団』が無限増殖の力を持っていたとしても、オレサマはKING候補者として、お前のような奴にメタを張ってたんだゼぇ!?」
「何という能力! 討伐隊が完全に倒されていれば、確かに貴方は全ての『植物怪獣』を食べ尽くしていたかもしれません」
「暴走前の段取りと挨拶回りに定評があると、もっぱらの噂のオレサマ! 当たり前なんだゼぇ!」
「ですが、流石にあなたも万全ではない様子。流石にKINGと言えども……」
 そこで彼女は本当の意味で驚愕する。
 そう、確かに『東のラスボス』と呼ばれた悪魔『スーパーカオスドラゴン』は凄まじい。己と力を同じくし、己に完全に対策を振り切った存在である。
 だが、彼女はそのために先手を打ち、討伐隊を差し向けたのだ。
 結局、それは『スーパーカオスドラゴン』の力を削ぎ落とすだけしかできなかった。

「……お待ちなさい。あなたが、候補者ですって?」
 彼女は目算違いをしていたのかもしれないという可能性に漸く至る。
『スーパーカオスドラゴン』。
 何代目かのKINGとして名を馳せていてもおかしくない。まだ自分より後のデビルキングは決まっていないのか。
 彼女はその可能性にぶち当たるだろう。
「ゲヒャ~ッヒャッヒャ、そのとおりだ! これから、お前の眼前にも現れるゼぇ? あの『ガチデビル』さえも駆逐した無敗の『7thKING』! オレタチの王にして世界最強の群体、『|猟兵《イェーガー》』サマがナぁ!」
『スーパーカオスドラゴン』の言葉に『大天使』エンケロニエルの表情が凍りつく。

 だが、彼女は頭を振る。
「私は、我が主『アルカディア』にまみえなければならないのです。そのために私は、天使戦争の残滓……」
「天使核の製造法を見つけた、だろ!? だがよぉ! 言わなかったか! オレサマは暴走前の段取りと挨拶回りに定評のある『東のラスボス』! ならヨぉ!!」
「――ッ!?」
「すでに連携するために関係各所に連絡済みってことくれーわからねぇかナぁ――!?」

●アルカディア争奪戦
 グリモアベースに集まってきた猟兵たちを迎えたのはナイアルテ・ブーゾヴァ(神月円明・f25860)であった。
「お集まり頂きありがとうございます。ついに六大屍人帝国の一角『コルディリネ』との先端が開かれました」
 ナイアルテはニコニコしている。
 なんでニコニコしているのだろうと猟兵たちは思った。
 というか、『コルディリネ』の長である『大天使』エンケロニエルは、言うまでもなく強敵。
 かつてデビルキングワールドにおいて3rdKINGであったという『堕天使』エンケロニエル。彼女の力はデビルキング戦において、『植物怪獣軍団』として発現している。
 ならば、その脅威は言うまでもない。
 じゃあ、なんでニコニコしているのか。

「屍人帝国『コルディリネ』はエンジェル狩りを行う謎めいた帝国でしたが、彼女の『植物怪獣軍団』の無限増殖は、ブルーアルカディアに転移してしまっていた『スーパーカオスドラゴン』さんの妨害に寄って阻止されています。ですが、無限増殖の力は凄まじいものです」
 仮に『スーパーカオスドラゴン』が『大天使』エンケロニエルへの道を開くのだとしても、それだけでは彼女の喉元にまで迫ることはできない。
 ならばこそ、此処は猟兵たちの出番である。

「『スーパーカオスドラゴン』さんの『混沌魔法』カオスヘッダーは、『新たなスーパーカオスドラゴン』さんたちを増殖させていく力。倍々に増えていく『スーパーカオスドラゴン』さんは驚異的ですが、一体がやられてしまうと完全同一存在のため、一瞬で壊滅してしまいます」
 そのためには猟兵と『スーパーカオスドラゴン』たちとの連携は必須。
 無限に増える『植物怪獣軍団』を増殖した『スーパーカオスドラゴン』たちに喰わせまくりながら、『大天使』エンケロニエル』へと攻撃を届かせなければならないのだ。

 とは言え、戦いの作戦の要所がまとめられすぎている。
 いくらなんでも予知だけでこんなにも纏まった戦法が立てられるのだろうか。猟兵たちは訝しんだ。
 どう考えてもおかしい。
 それになんか甘い匂いしてない?
「ぎくぅっ!」
 今、自分で『ぎくぅっ』って言った?

「……なんのことでしょうか。いえ、『スーパーカオスドラゴン』さんの挨拶回りは大変に定評があるものです。事前に関係各所に報告連絡相談がされているのです。素晴らしいことです。すでに皆さんよりも6時間早く現地入りしていらっしゃるのです」
 素晴らしいです、とナイアルテは心酔していた。
 ということはあれである。

 また今回もタイガー印の高級羊羹であろうか。いや、あるんだろ! おら! だせ! 独り占めすんな! と猟兵達のブーイングがグリモアベースに巻き起こりそうになる。
 だがしかし、よく考えて欲しい。
『スーパーカオスドラゴン』さんはブルーアルカディアに転移してからずっとブルーアルカディアである。
 もう地元のやべーやつらは大体友達なくらいに馴染んでいるのである。つまり、デビルキングワールドに戻っていないし、また前々回のデビルキングワールドでの戦いで羊羹全部ぶんどられている。
 だからないのである。
 タイガー印の高級羊羹『は』。

 今、『は』って言った。
「……ち、違います。私の後ろに、『スーパーカオスドラゴン』印の大判まんじゅうなどありません!」
 さっと後手になにか隠したぞ!
 ぼと、と何か包みがナイアルテの足元に落ちる。
 そこにあったのは甘い香りの元!

 そう、今川焼き大判焼き回転焼きおやき蜂楽饅頭など、呼び名を統一しようとした別の意味での戦争が起こるあれである!
 そのあんこの詰まったおまんじゅうに焼印で『スーパーカオスドラゴン』さんの顔が刻印されているのだ。
「ち、違います。こ、これは、そう……! そうです、グリモアベースから転移される皆さんに配ろうと……あー! あー! 待ってください、まだ私食べていないんです――!」
 嘘である。
 全部自分で食べようと思っていた顔である。

 グリモアベースにナイアルテのしょうもない悲鳴が響き渡りる。
 征け、猟兵達!『スーパーカオスドラゴン』印の大判まんじゅうを加えて!!
 今こそ『7thKING』たる所以を見せる時――!


海鶴
 マスターの海鶴です。

 ※これは1章構成の『アルカディア争奪戦』の戦争シナリオとなります。

 ついに六大屍人帝国『コルディリネ』の長たる『大天使』エンケロニエルとの戦いが始まります。
 かつて3rdKINGと呼ばれた『大天使』エンケロニエルは、無限増殖する『植物怪獣軍団』によって皆さんを蹂躙しようとしていましたが、それを危惧していた『スーパーカオスドラゴン』さんによって無限増殖を阻止されています。

 彼女の『植物怪獣軍団』は時間経過と共に自己増殖します。
 無数の植物怪獣たちが皆さんの道を阻むため、そのままでは攻撃を届かせることは困難です。
 ですが、『スーパーカオスドラゴン』さんが混沌魔法『カオスヘッダー』によって増殖した『新たなスーパーカオスドラゴン』さんたちが強力してくれます。
 彼らに喰わせまくり、『大天使』エンケロニエルへの道を切り開きましょう。

 ただし、混沌魔法によって増えた『スーパーカオスドラゴン』さんは『完全同一存在』。一体倒されると連鎖して全ての『スーパーカオスドラゴン』さんも爆発してしまいます。
 故に連携が必須となるでしょう。

 プレイングボーナス……スーパーカオスドラゴンと連携して戦う。

 それでは『アルカディア争奪戦』、屍人帝国の野望を打ち砕くべく雲海を進む皆さんの冒険と戦いの物語の一片となれますよう、いっぱいがんばります!
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第1章 ボス戦 『『大天使』エンケロニエル・怪獣女王形態』

POW   :    向日葵怪獣パラボラス
敵1体を指定する。レベル秒後にレベル×1体の【ひまわりの植物怪獣】が出現し、指定の敵だけを【太陽光レーザー】と【足を生やしての引き撃ち】で攻撃する。
SPD   :    世界樹の仔
X体の【幹と根を鞭及び脚とする『若き世界樹』】を召喚する。[幹と根を鞭及び脚とする『若き世界樹』]は自身と同じ能力を持つが、生命力を共有し、X倍多くダメージを受ける。
WIZ   :    天使核植獣
装備中のアイテム「【天使核】」が自我を持つ【天使核植獣】に変身し、ユーベルコード「【不滅の羽ばたき】」を使用するようになる。

イラスト:Anenecca

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

バルタン・ノーヴェ
POW アドリブ連携歓迎!

HAHAHA!
素晴らしい段取りデース、スーパーカオスドラゴン殿!
アナタに整えてもらったこのチャンス!
我ら7thKING猟兵は見逃しマセンヨー!

カオスヘッダーの分身体の群れに飛び込み、ナイアルテ殿からヒントを得た差し入れを捧げていきマース!
バルタン・クッキング戦場編!
スーパーカオスドラゴンご贔屓のお店で仕入れた小豆を材料に、栄養豊富エネルギーたっぷりのおはぎを作りマース!
どうぞデース!
これで多少の負傷は回復しマース!
10秒で130個作れるので、十分対応可能デース!

英気を養ったスーパーカオスドラゴン殿たちと共に、エンケロニエルにダイレクトアタック!
ワタシたちの戦いは(ry



 暴走前の挨拶回りと段取りに定評があるのが『スーパーカオスドラゴン』さんである。
 彼の仕事ぶりと来たら、それはもう大変に素晴らしいものでった。
『大天使』エンケロニエルに対するメタ。
 時間経過と共に無限増殖する『植物怪獣軍団』は恐ろしき力である。嘗てデビルキング決定戦の折に対峙した猟兵たちは『スーパーカオスドラゴン』の混沌魔法『カオスヘッダー』の力の凄まじさをいやとう言うほど体験している。

 違いは『完全同一存在』ではないという点である。
『植物怪獣軍団』の恐ろしさは数。
 対する『スーパーカオスドラゴン』の持つ『カオスヘッダー』の恐ろしさは、一体でも強力な『スーパーカオスドラゴン』という個体が『完全同一存在』として無限に増殖するという点にある。
 だが、同時に弱点でもあるのだ。
「オレサマの『カオスヘッダー』は一体でも倒されれば、それだけで増えたオレサマ全部が爆発してしまうんだゼぇ~!」
「ゲヒャ~ッヒャッヒャ! なので、頼んだゼぇ、オレサマたちの王様!」
「オレサマたちと共に戦おうゼぇ!」
『スーパーカオスドラゴン』の三つ首が一斉に叫ぶ。

「くっ……まさか此処まで対策を取られているとは……ですが!」
『大天使』エンケロニエルの言葉と共に『植物怪獣軍団』は無数の『ひまわり植物怪獣』を増殖させる。
 そのひまわりの大輪の花から放たれる太陽光線の如きレーザー攻撃は後退しながら、迫る猟兵達に集中する。
「問題は『スーパーカオスドラゴン』ではなく、猟兵たち……! 猟兵たちを失えばあなたと言えど!」
「HAHAHA! 素晴らしい段取りデース、『スーパーカオスドラゴン』殿! アナタに整えてもらったチャンス! 我ら『7thKING』猟兵は見逃しマセンヨー!」
 バルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)は、転移直後に何やら紙袋を取り出す。

 ちゃらっらっちゃっちゃ、ちゃらららっちゃちゃっちゃ!

 なんか聞いたことあるようなないような、やっぱりあるなこのBGM! みたいな音と共に始まるのはバルタン・クッキングである。
 それはバルタンがデビルキングワールドより仕入れてきた小豆や砂糖である。
 そう、この香りは!
「まさか、タイガー印の!」
「え、なんです、何を言っているんです?」
 驚愕する『スーパーカオスドラゴン』さん。わけがわからないという顔をする『大天使』エンケロニエル。
 ごもっともである。

 バルタンが『スーパーカオスドラゴン』の群れの中で行っているのは、調理。バルタン・クッキングの時間なのだ。
 彼女の瞳はユーベルコードに輝く。
「バルタン・クッキング戦場編!」
 それは『スーパーカオスドラゴン』御用達。挨拶回りのときには欠かせぬ手土産ことタイガー印の高級羊羹の材料である。

 今回は羊羹ではない。
「おはぎでありマース! さあ、どうぞデース!」
「ありがてぇゼぇ! ひゃぁ~! あんま~い!」
「これこれぇ! この糖分が! 甘味が! 小豆の風味が!」
「オレサマたちの活力をみなぎらせるんだゼぇ~!」
 バルタンのおはぎ製造速度は凄まじいものであった。10秒で130個のおはぎが作り出されていく。
 いや、マジですごい速度で作られていくおはぎたち。
 その製造速度は『植物怪獣軍団』や『カオスヘッダー』の増殖速度を遥かに上回る。
 倍々の秘密道具もびっくりな具合である。

「サア、英気を養ったらやることはわかるでありマスネ!」
「ゲヒャ~ッヒャッヒャ! 行くゼ、行くゼぇ~!」
 バルタンと『スーパーカオスドラゴン』たちは一斉に飛び出す。放たれるレーザー光線などなんのそのである。
 甘味は大体のことを解決してくれる。
 やはり糖分。
 糖分こそが全てを解決してくれる。

「そんな、馬鹿らしいことで……! 私の『植物怪獣軍団』が敗れるわけが……!」
「ワタシたちの戦いは――!」
 言わせねーとばかりに迫る『植物怪獣軍団』の群れ。
 放たれるレーザー光線の乱舞。
『スーパーカオスドラゴン』の咆哮。
 むしゃむしゃと食べられていくおはぎ!

 まさに混沌!
 あらゆる物を飲み込む混沌こそが、戦場を支配するとばかりに『大天使』エンケロニエルは圧倒的な甘味の前に押し込まれていくのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

七那原・望
スーパーカオスドラゴンさんと共闘することになるとは。

第六感で敵の行動を見切り、攻撃を回避しつつ、アマービレでねこさんを大量召喚。
全員での多重詠唱全力魔法結界術でわたしとねこさんとスーパーカオスドラゴンさんの防御を固めます。

とびっきりのワルい事をしましょうか。
そう、ラスボスのお供がラスボスを強化したり護ったり全回復したりしてくるとか。

治療用自律稼働浮遊ポッドを展開。
第六感で負傷したスーパーカオスドラゴンさんを見つけたら全力魔法の回復魔法も合わせて次々と全回復&強化します。

攻撃が来たらどんどん強くします。覚悟するのです。

後は物量とスーパーカオスドラゴンさんの殲滅力で敵の生命力をも凌駕して蹂躙です。



『東のラスボス』こと『スーパーカオスドラゴン』さん。
 言わずと知れた混沌魔法『カオスヘッダー』による無限増殖に寄ってデビルキング決定戦において、猟兵と戦いを繰り広げた邪竜である。
 その力は元を正せば、『大天使』エンケロニエルの力『植物怪獣軍団』の無限増殖にメタを張るためであったのだ。
「ゲヒャ~ッヒャッヒャ! というわけで、おはぎで元気もでたことであるし、このまま行くゼぇ~!」
 咆哮する『スーパーカオスドラゴン』さん。
 カオスヘッダーによる『完全同一存在』という弱点はあれど、時間経過とともに『スーパーカオスドラゴン』さんが増えていく光景はまさにカオスそのものであった。

 七那原・望(封印されし果実・f04836)は、まさかまさかな気持ち出いっぱいであった。
 迫る『大天使』エンケロニエルは『コルディリネ』の長。
『植物怪獣軍団』は無限に増えていく。
 だが、彼女は怯むことはなかった。
 手にしたタクトを振るうと友達のねこさんたちが一気に飛び出す。その数は『植物怪獣軍団』に及ばないまでも、可愛さでは圧倒的に勝っていた。
 いや、そういう勝負ではないことは言うまでもないが、ねこさん可愛いなぁって『スーパーカオスドラゴン』さんもニッコリしているのである。
「『スーパーカオスドラゴン』さんと共闘することになるとは」
「我らが『7thKING』たる『猟兵』! 行くゼぇ~!」

 飛び出す『スーパーカオスドラゴン』。
 だが、『大天使』エンケロニエルも負けじと己が身にまとった天使核を天使核植獣へと変貌させ、その羽ばたきに寄って周囲の『植物怪獣軍団』を癒やしていくのだ。
「これじゃあ、キリがないゼぇ~!」
「とびっきりのワルいことをしましょうか」
 望は防御を固めながら、迫る『植物怪獣軍団』を前に、治療用自律稼働浮遊ポッド(コール・メディック)を飛び立たせる。
『スーパーカオスドラゴン』さんの健康状態をスキャンする。
 おはぎでちょっと血糖値バク上がり中ですねーってなるが、それはそれである。スティムガンによる治療攻撃が『スーパーカオスドラゴン』さんに命中すれば、『植物怪獣軍団』の行進など物ともしない。

 傷を負っても即座に回復していく。
『完全同一存在』であるがゆえの弱点を望がカバーするのだ。
 即ち。
「そう、ラスボスのお供がラスボスを強化したり護ったり全回復するのです」
 あ、これ負けイベントでしょ?
 そうでしょ? そうだと言って欲しい! そんなレベルの無理ゲーを望は『大天使』エンケロニエルに強いるのだ。
 さらに、『スーパーカオスドラゴン』さんの体が盛り上がっていく。
 え、なんで?
 スーパーおはぎドーピング? 違う。望のユーベルコードに寄る力だ。治療と共に肉体改造に寄って一時的に『スーパーカオスドラゴン』さんの戦闘能力を強化しているのだ。

「そんな馬鹿な話がありますか! でたらめな能力だけでも、大げさすぎるというのに!」
『大天使』エンケロニエルの声が響く。
 理解る。
 確かにそうである。『スーパーカオスドラゴン』さんの弱点は『完全同一存在』であることを。
 一体が倒されれば、百体増えていようとも全て同時に爆発してしまう。
 それ故に彼も猟兵に敗れたのだ。
 だが、その猟兵達が『スーパーカオスドラゴン』さんのサポートに付いているのだ。
「ゲヒャ~ッヒャッヒャ!! これが我らが王の力だゼぇ~!!」
「覚悟するのです」

 圧倒的物量と、全回復&強化。
 ヒール・アンド・バッファー!『植物怪獣軍団』たちは次々と『スーパーカオスドラゴン』さんに食い散らかされていく。
 どれだけ天使核植獣が癒やしを振りまくのだとしても、望のドーピングによって強化された『スーパーカオスドラゴン』さんの殲滅力は、それさえも凌駕していくのだ。
「蹂躙です」
 望の笑顔が怖い。
 容赦などない。
 あるのは蹂躙のみ。『スーパーカオスドラゴン』さんと望は次々と『植物怪獣軍団』を打倒し、道を切り開き、『大天使』エンケロニエルに迫るのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アドナ・セファルワイド
ふ、なんの因果であろうな
猟兵の一人にしてこのブルーアルカディアにて皇帝として君臨した余が、堕天使であるというのは…
エンジェルを狩っていたのはコルディリネであったな?
成程、無視はできん

UCを用いてヴァルギリスに変身
混沌魔法に属性魔法も乗せ、太陽光レーザーを光属性と火属性、闇属性に混沌魔法を載せたバリアで防御
足を生やしての引き撃ちも火属性で焼き尽くすぞ

さぁ、ここからは7th kingの時間だ!
征くぞスーパーカオスドラゴン!

二体の巨大な竜が、エンケロニエルへとブレスを放つ
混沌に全属性を合成させたドラゴンブレスは、植物を司るUCごと大天使を焼き尽くしていく



「ふ、なんの因果であろうな」
 アドナ・セファルワイド(セファルワイド初代にして最後の皇帝・f33942)は、猟兵の一人として戦場に立つ。
 溢れうる『植物怪獣軍団』。
 それは時間経過と共に自己増殖していく恐るべき兵力である。
 屍人帝国『コルディリネ』。
 エンジェル狩りによって、天使核を製造し力へと変えてきた強大な敵。『大天使』エンケロニエル。
 彼女の目的は我が主と呼ぶ『アルカディア』に見えること。

「猟兵の一人にしてこのブルーアルカディアにて皇帝として君臨した余が、堕天使であるというのは……」
 アドナは『コルディリネ』がエンジェルを狩るというのならば無視はできなかった。
 輝くユーベルコードの瞳。
 彼女は宣言する。
 遍く元素と属性を司りし帝の名を冠する竜の王の名を。

「帝の名を冠する竜の頂たる戴冠宝器(ドラゴンズ・レガリア・ヴァルギリオス)――『ヴァルギリオス』」
 彼女の姿が『帝竜ヴァルギリオス』へと変身する。
 迫るひまわりの如き『植物怪獣』たちの放つレーザー光線を混沌魔法と属性魔法を乗せたバリアで防御しながら『ヴァルギリオス』に変身したアドナが蹂躙する。
 後退しながら己たちの損害を軽微なものとする引き撃ちも、属性魔法によって放たれる炎によって焼滅されるのだ。

「帝竜。たかが一匹増えたところで」
『大天使』エンケロニエルにとって、最も重要であったのは『スーパーカオスドラゴン』を打倒すること。
 己の無限増殖する『植物怪獣軍団』を食い物にできるのは『カオスヘッダー』のみ。
 だからこそ、彼女は討伐隊を向かわせ弱体化を狙っていたのだ。
 けれど、それも完全ではない。
 それを補完するようにおはぎにドーピングに強化された『スーパーカオスドラゴン』たちは咆哮する。

「ゲヒャ~ッヒャッヒャ! この程度で我らが王たる『7thKING』、猟兵たちが怯むものかよ~!」
「おはぎで元気百倍だゼぇ!」
「ドーピングってこれ後遺症大丈夫なんですかね? あ、はい、ユーベルコードの効果が切れたら元通り? あ、はい~了解です~」
 とかなんとか『スーパーカオスドラゴン』さんは暴走前の段取りをしっかりしている。
 どれだけ『植物怪獣軍団』が膨大な数でもって押しかかるのだとしても、猟兵のサポートを得た『スーパーカオスドラゴン』が負ける道理などないのである。

「さぁ、ここからは『7thKING』の時間だ! 征くぞ『スーパーカオスドラゴン』!」
「ゲヒャ~ッヒャッヒャ! 当たり前だゼぇ~!」
 二匹の竜が戦場をゆく。
 一匹は地上より『植物怪獣軍団』を食い散らかすように蹂躙し、もう一匹は空より属性魔法に寄って吹き飛ばす。
『大天使』エンケロニエルへの道は開かれる。
 一直線に滅ぼされた『植物怪獣軍団』たち。
 その電車道の如き道をアドナと『スーパーカオスドラゴン』は突進で持って突き進み、『大天使』エンケロニエルへと迫る。

「混沌に全属性を合成させたドラゴンブレスである。植物司る貴様のユーベルコードごと、焼き尽くさせてもらう!」
『スーパーカオスドラゴン』のブレスに『ヴァルギリオス』へと変身したアドナの全属性を伴わえたブレスが合わさり、螺旋のように絡まり合いながら『大天使』エンケロニエル』へと放たれる。
 壁のようにそそり立つ『植物怪獣軍団』たちをなぎ倒しながら、その一撃は彼女へと至るだろう。
「こんな……こんな、結末など認めてなるものですか!」
 再び己の主に見えること。
 それが彼女の願いであるというのならば、それが世界の破滅に繋がる。それをさせぬと戦うのが猟兵なのだならば、アドナは決してその願いを叶えさせることを許さないのだ――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リーヴァルディ・カーライル
…もぐもぐもくもぐ(諸事情により悪魔達の世界の戦争には参加できなかったけど…)

…うまうまうまうま(こんな美味しい物を食べていたなんて知らなかったわ)

…ぱくぱくぱくぱく(貴方の能力はよく知らないけど、現状でも敵と互角に渡り合えているのなら話は早い)

…はむはむはむはむ(拮抗の天秤を少し傾けるだけで、勝負が決するという事だものね)

「闇夜の精霊結晶」を上空に投擲する事で一時的に陽光を遮りUCを発動
真の姿の吸血鬼化を行い限界突破した血の魔力を溜めた真紅の月を天に浮かべて太陽を覆い、
戦場を照らす月光のオーラで防御を無視して敵軍の生命力を吸収し続けスーパーカオスドラゴンの援護を行うわ

…ん、ごちそうさまでした



 ラスボスとはラストのボスである。
 最後の首魁であるし、物語の最後に登場するものでもある。だからラストボス。ラスボス。
 どうした? IQ下がったのか? となるくらいの説明であるが、まあそういうことである。
 しかしながら、『東のラスボス』こと『スーパーカオスドラゴン』さんは、その見た目、その言動から想像できないほどにクレバーな邪竜である。
 彼はこの事態を予見していたのだ。
 ブルーアルカディア。
『悪魔契約書』とカオスの暴走に寄って彼はこの大空の世界へと転移していた。

 一時は猟兵達が彼を弱体化することによって事態を収拾したのであるが、彼は何故かこのブルーアルカディアにとどまり続けていた。
 その理由が六大屍人帝国の一つ『コルディリネ』であったのだ。
 長である『大天使』エンケロニエル。
 彼女こそが『3rdKING』。三代目デビルキングであり、『堕天使エンケロニエル』その人であった。

 ……もぐもぐもぐもぐ。

 彼女は『植物怪獣軍団』という時間経過と共に増殖する『植物怪獣』を生み出す力によって『アルカディア争奪戦』を制し『アルカディアの玉座』に至らんとしている。
 確かにその力は強大である。
『スーパーカオスドラゴン』の『カオスヘッダー』もまた同様の力を持っているが、『完全同一存在』であるがゆえに、一体でも倒されてしまえば他の増殖した『スーパーカオスドラゴン』もまた消滅してしまうという弱点があったのだ。

 ……うまうまうまうま。

 っていうか、さっきからなんか効果音聞こえてくるな!?
「一体全体何の音なのです、これは!?」
 同じく『大天使』エンケロニエルも思った。
 今まさに彼女は『スーパーカオスドラゴン』と猟兵たちが『植物怪獣軍団』を切り開き己に迫ってくるのを防ぐためにひまわりの形をした『植物怪獣』たちの放つ光線を引き撃ちしながら後退しているのである。
 だが、なんかこうさっきから、ずーっと、効果音が聞こえてきているのだ!
 だからなんの音!? と彼女は驚愕していた。

 それは一人の猟兵の口元から聞こえてきていた。
「……ぱくぱくぱくぱく」
「……」
『大天使』エンケロニエルは思った。
 なんか一杯食べとる……と。
 彼女の名はリーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)。普段はこうじゃないのである。
 だがなんか、まんまるな『スーパーカオスドラゴン』印の刻印された大判まんじゅうを頬張っている。
 彼女はこんな美味しいものを『スーパーカオスドラゴン』が食べていたなんて知らなかったと関心しきりであった。

 それに『スーパーカオスドラゴン』の能力、その特性を彼女は理解する。
「ああ、理解が速くて助かるんだゼぇ~! 我らが『7thKING』!」
 こくり、とリーヴァルディが頷く。
「え、それで意思疎通が!?」
 取れているのかと『大天使』エンケロニエルは目をむく。いや、本当に通じてる? 大丈夫?
「……はむはむはむはむ」
 まーだ食べとる!

「ゲヒャ~ッヒャッヒャ! そのとおりだゼぇ! 拮抗しているのなら一石投じるだけで勝敗はつくってものだゼぇ~!」
 リーヴァルディは、その手にした闇夜の精霊結晶を空に投げ放つ。
 その結晶が砕け散った瞬間、一時的に空を覆うのは陽光を遮るオーラ。
 闇夜の空に浮かぶは紅の月。
 リーヴァルディの真の姿が顕になる。
 太陽を覆うは真紅の月。
 限定解放・血の神祖(リミテッド・ブラッドドミネーター)は、袋にいっぱいあった大判まんじゅうを食べきると、その魔力を全て力に回す。

 ユーベルコードの輝きが彼女の力を発露させる。
 彼女がその場に要る限り、魂や生命力を吸収する紅の月光が『植物怪獣』たちの生命を吸い上げ続ける。
「もろくなったのならば、そこをぶっ飛ばせばいいんだゼぇ~! 行くゼぇ~!!」
『スーパーカオスドラゴン』が突撃していく。
 そのさまをリーヴァルディは見やりながら、大判まんじゅうの袋を丁寧に畳んでいく。
 すでに戦場の拮抗は崩した。
 ならば、言うことは唯一つ。

「……ん、ごちそうさまでした――」

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヴェルンド・ラスリス
※アドリブ共闘歓迎

また、うるさいのがやってきたな。まぁ良いか、やることはひとつ。あの天使の元までたどり着くことだ!

UC『修羅の道を征く蒼鎧』を発動。自分では無く、『スーパーカオスドラゴンさん』に纏わせる。
完全同一存在と言うのなら、自らに掛かる強化も、全員に伝播するはず。

さぁ草木の化け物VS炎を纏ったドラゴン軍の始まりだ。



「ゲヒャ~ッヒャッヒャ! 絶好調だゼぇ~!」
「やっぱり甘いものを食べると元気になるんだゼぇ~! 脳は糖分で回るんだゼぇ~!」
「ブルーアルカディア原産の小豆も最高級に品質が高くて助かったんだゼぇ~! 現地の方々の丁寧な仕事ぶりが伺えるんだゼぇ~!」
『スーパーカオスドラゴン』の三つ首がそれぞれ吠えたける。
 いや、吠えたける……猛って……る、よね?

 混沌魔法『カオスヘッダー』によって無限増殖していく『スーパーカオスドラゴン』さんたち。
 その様はまさにカオス。
 そして、対する『大天使』エンケロニエルの力、『植物怪獣軍団』もまた時間経過と共に自己増殖していくのだ。
 共に増殖の力を有しており、圧倒的な物量でもって敵をすりつぶす者たちだ。
 だが、共通した力でありながら決定的な違いがある。
『スーパーカオスドラゴン』さんは『完全同一存在』。
 つまり、たった一体であっても倒されれば全ての『スーパーカオスドラゴン』が同時に爆発して消えてしまうのだ。

 だが、『大天使』エンケロニエルの『植物怪獣軍団』は違う。
 個としての力は『スーパーカオスドラゴン』に及ばないまでも、役割の断る『植物怪獣』を持って柔軟に対応することが出来るのだ。
「ならば、天使核よ、『天使核植獣』へと変貌なさい。その『不滅の羽ばたき』を持って、味方を癒やすのです」
 彼女の身にまとう天使核たちが次々と『天使核植獣』へと変貌し、ユーベルコードの力でもって傷ついた『植物怪獣軍団』を癒やしていく。
 自己増殖に加え、自己再生まで持つ『大天使』エンケロニエルは、強敵以上の強敵であった。

「またうるさいのがやってきたな」
 そんな危機的な状況にありながら、ヴェルンド・ラスリス(獄炎の復讐鬼・f35125)は『スーパーカオスドラゴン』のことを、うるさい奴くらいの認識しか持っていなかった。
 どちらにしたってやることは一つしかないのだ。
「『大天使』エンケロニエル――あの天使の元までたどり着くことだ!」
 その瞳がユーベルコードに輝き、彼の修羅の道を征く蒼鎧(フルリベンジアーマー)に地獄の炎が宿る――いや、違う。

 彼のユーベルコード、地獄の炎は『スーパーカオスドラゴン』さんへと纏わされる。
 そう、それは単一の強化。
 だが、『完全同一存在』である『スーパーカオスドラゴン』であるというのならば、その強化もまた複製されるものである。
「力がみなぎってきたんだゼえ~!」
「これ体燃えません? 大丈夫? あ、はい、どうもありがとうございます~!」
「ゲヒャ~ッヒャッヒャ!! このまま突撃だゼぇ~!!」
 三つ首の『スーパーカオスドラゴン』たちが一斉に炎を纏いながら『植物怪獣軍団』へと突撃していく。

 炎の力によって強化された『スーパーカオスドラゴン』を単一の力劣る『植物怪獣軍団』たちが止められるわけがない。
『スーパーカオスドラゴン』の突き進む先にあるのは滅びのみ。
「さぁ、草木の化け物VS炎をまとったドラゴン軍の始まりだ」
 ヴェルンドは滅ぼされていく『植物怪獣軍団』の轍の如き有様を見やりながら、大剣を構えて突き進む。
「7thKING、今だゼぇ~!!」
 その言葉と共にヴェルンドは『スーパーカオスドラゴン』さんの背を蹴って飛ぶ。

 眼前にあるのは『大天使』エンケロニエル。
 道は開かれた。
 後は己の大剣を叩き込むのみ。
「覚悟してもらおうか!」
 振るわれる大剣の一閃が『大天使』エンケロニエルを袈裟懸けに切り裂くのだ。
「こんな、雑な戦い方で……!」
「終わるんだよ、お前の望みも願いも! 世界の破滅を願うというのなら――!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

ワルルーナ・ティアーメル
くくく……苦戦しているようだな!スーパーカオスドラゴン!
この我、百胎堕天竜魔王ワルルーナ・ティアーメルが助太刀してやるぞ!

UCを使用し119体に分裂、ブレスで援護攻撃をしつつカオスの奴をかばうぞ!え?技能が無い?攻撃に割り込むように「我を」投げ込めばよいのだ!カオスの奴と違ってこっちは我が一人二人減っても問題ないからな!

数が減れば再変身で再度増えつつ攻撃を続行!無尽蔵に増えるのが貴様の植物怪獣やカオスの奴だけではないと教えてやろう!

……ところで3rdKING、てっきり種族:堕天使だと思ってたらまさかの全裸族の大天使とはな
その恰好元からなの?それともまさか「堕天」ってそういう……(風評被害)



 ひまわり型の『植物怪獣』たちが放つ光線の引き撃ちは、『大天使』エンケロニエルの力によるところが大きい。
『植物怪獣軍団』は時間経過と共に自己増殖していく。
 時をかければかけるほどに戦いの形勢は猟兵たちに不利に働くのだ。
 だからこそ、『スーパーカオスドラゴン』は己の混沌魔法『カオスヘッダー』によってメタ的な対策を張っていた。

 自己増殖すると言えど増えるのは雑兵ばかり。
 ならば、単一の強力な存在が増殖すればいい。確かに『カオスヘッダー』は凄まじい力である。『大天使』エンケロニエルが警戒し、これを弱体化させるために討伐隊を差し向けたのも頷けるところだ。
 けれど、彼にも弱点がある。
 デビルキング決定戦の折に戦った猟兵たちは知っている。
『カオスヘッダー』で増えた『スーパーカオスドラゴン』は『完全同一存在』。
 すべてが『スーパーカオスドラゴン』であるが為に、一体でも倒されると、全ての増えた『スーパーカオスドラゴン』が爆発して消えてしまうのだ。

 それが唯一にして最大の弱点。
「くくく……苦戦しているようだな!『スーパーカオスドラゴン』!」
「その声は!」
「ゲヒャ~ッヒャッヒャ!! そう! あの姿は!」
「オレサマは知っている!!」
 天より響くは、ワルルーナ・ティアーメル(百胎堕天竜魔王(自称)・f31435)の声である。
 彼女の瞳がユーベルコードに輝いている。
 無尽の堕天竜魔王・改(ワルルーナレギオンプラス)は、百を超える群体へと分裂し、その口腔より放たれるブレスでもってひまわり型の『植物怪獣』たちを薙ぎ払う。

「この我、百胎堕天竜魔王ワルルーナ・ティアーメルが助太刀してやるぞ!」
 彼女たちが一斉に『植物怪獣軍団』へと飛びかかる。
 一体でも倒されてしまえば全てを失う『スーパーカオスドラゴン』。ならば、倒されないように守ればいいのだ。
 他の猟兵がそうしたようにおはぎドーピングやらなんやらも大切であるが、そもそも攻撃を『スーパーカオスドラゴン』に当てさせなければいいのだ。
「ですが、どうしようというのです! こちらには『植物怪獣軍団』がいるのですよ!」
『大天使』エンケロニエルが叫ぶ。
 確かにそうだ。
 彼女の『植物怪獣軍団』は膨大な数を誇る。彼女の自身も頷ける。

 戦いとは数である。
 ならばこそ、ワルルーナは理解していた。『スーパーカオスドラゴン』もわかっていたのだ。
 どれだけ食いつぶそうとも、その端から『大天使』エンケロニエルは『植物怪獣』を増やす。
 どっかでブレイクスルーが起きない限り、ジリ貧だと。だが、『スーパーカオスドラゴン』は守らねばならない。
「ならば、『我』を投げ込めばよいのだ!」
 くわ! とワルルーナの目が開かれる。
 刮目せよ!

 これが真のワル!
 自らの身すら厭わぬ献身の……いや、ワルか、これ?
 むんずとちびワルルーナを掴んだちびワルルーナがぶん投げ、ひまわり型植物怪獣のビームの一撃が『スーパーカオスドラゴン』を護るのだ。
「なっ――!?」
「こっちは我が一人二人減っても問題ないからな! それに我はまだ変身の回数を残している。その意味がわかるか!」
 どういうことなんだゼぇ!?
「変身の度に我の群体を構成するちびワルルーナ達の数と身長が二倍になるのだ! ふははは! 無尽蔵に増えるのが貴様の植物怪獣や『スーパーカオスドラゴン』だけではないと教えてやろう!」

 悪い笑顔のままワルルーナは、ちびワルルーナたちと共に戦場をごっちゃにする。
 三つ巴か? となるほどに戦場は三色に彩られる。
 即ち、『スーパーカオスドラゴン』と『植物怪獣軍団』。そして、ちびワルルーナである。
 そして、そのうち二つの勢力は結託しているのだ。
「ず、ずるい――!!」
「ええい、往生際が悪いぞ『3rdKING』! てっきり堕天使だと思ってたらまさかの全裸族の大天使だとはな! その格好元からなの? それともまさか『堕天』ってそういう……」
 ワルルーナの視線が痛い。
 ぶっ叩かれるより、そっちのほうが痛い。

「風評被害ですけれども!?」
「どちらにしても、貴様をぶっ飛ばすことには変わりはなーい!」
 ワルルーナはちびワルルーナとなって一気に戦局を傾ける。ゴリゴリに力押し。だが、これをできるのがワルルーナである。
 後は削って削って削りまくって、『大天使』エンケロニエルをぶっ飛ばすだけである――!

大成功 🔵​🔵​🔵​

馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友

第三『侵す者』武の天才
一人称:わし 豪快古風
武器:黒燭炎

陰海月はスーパーカオスドラゴンのファンであるからな。引っ張られてきた
というわけで、陰海月に騎乗して、スーパーカオスドラゴンと共闘の戦である

UC使用。狼たちよ、行くがよい!
いくら増殖するとはいえ、植物であるからの。燃やす
スーパーカオスドラゴンには影響がない。燃えているのを食べてもよいのだ

その間に、わしと陰海月は間を縫うようにして接近。わしは黒燭炎を薙ぎ払おう


陰海月「ぷっきゅ!」
ファンたる者、共闘は燃えるのである。接近したら、ワンツーパンチ!
霹靂、こっそり集団に体当たりしている。クエ
友は張りきってるなぁ



『スーパーカオスドラゴン』。
 言わずとしれたデビルキングワールドにおける『東のラスボス』である。
『西のラスボス』たる『アイスエイジクイーン』と双璧を成したデビルキング候補者であり、彼の混沌魔法『カオスヘッダー』のちからは凄まじい。
 だが、それ以上に彼を彼足らしめているのは、暴走前の段取りとあいさつ回りである。
 定評があるのだ。
 それはとても細やかな気配り。
 報告連絡相談。
 完璧にこなしているからこそ、できるプロフェショナルの仕事。流儀である。
 
 故にファンも多いのだ。
「『陰海月』は『スーパーカオスドラゴン』のファンであるからな」
 孫に引っ張られるようにして、馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)は戦場に降り立つ。
 その一柱である『侵す者』は仕方ないな、とばかりに『陰海月』に騎乗し、『スーパーカオスドラゴン』との連携を成す。
「ゲヒャ~ッヒャッヒャ! 援軍ありがたいんだゼぇ!」
「猟兵さんが来たのなら、モウ勝負は決まったも同然だゼぇ!!」
「あ、こちらぁ、今回の段取りとなっておりますぅ。ええ、いつもありがとうございます。ええ、はい、はい、もちろん!」
 三つ首が丁寧に対応してくれる。

 こういうところが『陰海月』がファンに成ったところなのかなぁって思わないでもない。
「ぷっきゅ!」
 共闘は燃える! と『陰海月』が職種によるワンツーパンチでもって『植物怪獣軍団』をぶっ飛ばしていく。
『霹靂』も友である『陰海月』が張り切っていることに自分も負けてはいられないと体当たりをぶちかますのだ。
「わしに流れていた力よ、形になれ」
 四天境地・火(シテンキョウチ・ヒ)の力によって、オブリビオンのみを焼く、紅輝の魔断狼の炎を解き放つ。

 それらは狼の形となって『植物怪獣軍団』を焼き尽くして言う。
「『スーパーカオスドラゴン』には影響はないのでな。燃えているのを食べてもよいのだ」
「ん~、助かるゼぇ! ちょっと飽きてきたところなんだゼぇ!」
『陰海月』たちと共に『侵す者』は『植物怪獣軍団』の合間を縫っていく。
 目指すは『大天使』エンケロニエル。
 彼女を打倒しないことには、この戦場を制することはできない。
 強大なオブリビオンである彼女は、それ単体でも強大な存在だ。『植物怪獣軍団』を倒したとしても、切り開いた先にある彼女を打倒できなけなれば意味がない。

「この私に手傷を追わせたとて!」
「だろうな」
 天使核が『天使核植獣』へと変貌し、不滅の羽ばたきでもって、猟兵に与えられた傷を癒やしていく。
 そこに駆け込んだ『侵す者』の手にした黒色の槍の一撃が『大天使』エンケロニエル』を穿つのだ。
「だが、この傷を癒やす間にもわしらは、さらに攻撃を重ねる。積み重ね、それによって次につなげるのよ」
 さらに『陰海月』の打撃が『大天使』エンケロニエルを打ち、『霹靂』の体当たりが彼女を吹き飛ばす。

「こやつらが張り切っているのでな。わしも負けてはおられぬのよ!」
 振るった槍の斬撃が『大天使』エンケロニエルの体を切り裂く。
 不滅の羽ばたきによって傷が癒えるより速く、多く、一撃でも多く後に繋がるように『侵す者』は、渾身の力でもって『大天使』エンケロニエルを打ち据えるのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

大町・詩乃
E●ママチャリをキコキコ漕いで颯爽?と登場。

スーパーカオスドラゴンさんのお心遣いを無駄にはしません。
私も一緒に戦います、よろしくお願いいたしますね。

まずは《賦活祈念》でスーパーカオスドラゴンさん全てを回復&再行動可)にしますよ。
また結界術・高速詠唱で戦場周辺を風が吹きにくい領域に変えて、《不滅の羽ばたき》効果を減殺です。

スーパーカオスドラゴンさんを鼓舞しつつ、詩乃もママチャリを運転。
敵攻撃は第六感で予測して空中戦・見切り・空中機動で華麗に回避したり、オーラ防御を纏った天耀鏡盾受けで防ぐ。

宇宙人のぬいぐるみさんの目から神罰・電撃・雷の属性攻撃・全力魔法・高速詠唱・貫通攻撃で極大の雷を発射!です。



 かごに宇宙人のぬいぐるみが鎮座するママチャリが空を駆ける。
 その光景はちょっと異様であったけれど、紛れもない現実である。天使核を動力とすることによって、ママチャリですら空を飛ぶ。
 大町・詩乃(阿斯訶備媛・f17458)は六大屍人帝国『コルディリネ』の長である『大天使』エンケロニエルが『植物怪獣軍団』でもって埋め尽くす戦場に颯爽と登場する。
「『スーパーカオスドラゴン』さんのお心遣いを無駄にはしません。私も一緒に戦います、よろしくお願いいたしますね」
 丁寧にお辞儀をして詩乃は『スーパーカオスドラゴン』さんに挨拶をする。

 何事も挨拶が大事なのである。
 見知った顔であったのだとしても、共に仕事をするのが初めてではないのだとしても。
 それでも挨拶は基本。
 そして、笑顔もまた基本。
「ありがたいんだゼぇ! やっぱり猟兵さんたちは頼りになるんだゼぇ!」
「ゲヒャ~ッヒャッヒャ! これで百人力だゼぇ!」
「あ、お世話になっておりますぅ。ご丁寧にどうも……では!」
 参りましょうかぁ! と『スーパーカオスドラゴン』さんが咆哮する。

『大天使』エンケロニエルは猟兵たちによる打撃を天使核を『天使核植獣』へと変貌させ、傷を癒そうとしている。
 このまま放置しておけば、こちらはジリ貧である。
「まずは! 苦しみと痛み、此処に霧散いたします!」
 詩乃の慈愛に満ちた祈りによって、呪い、狂気、病魔を浄化する若草色の神気が戦場に満ちていく。
 それは戦場にある『スーパーカオスドラゴン』さんの混沌魔法『カオスヘッダー』によって増えた『スーパーカオスドラゴン』さんたちを賦活していくユーベルコード。
 賦活祈念(フカツキネン)の力は『スーパーカオスドラゴン』さんの唯一の弱点、『完全同一存在』であるがために、一体でも倒されると全ての『スーパーカオスドラゴン』が爆発してしまうという懸念を払拭するのだ。

「体に力が~!」
「みなぎってきたゼぇ~!!」
「ゲヒャ~ッヒャッヒャ!!!」
 咆哮と共に『スーパーカオスドラゴン』さんたちがたちまちに戦場を席巻していく。
 さらに詩乃は結界術によって戦場の周囲を風が吹きにくいように囲い、『天使核植獣』のユーベルコードである不滅の羽ばたきを減殺していくのだ。
「回復を遅らせる……逆に味方は回復を促進する……! これが猟兵……いえ、『7thKING』の実力だとでもいうのですか!」
『大天使』エンケロニエルは見ただろう。

 いや、目を疑った。
 だって、ママチャリが空を飛んでいるし、運転しているのが巫女さんなのである。目を何回かこすった。でも変わらない。そう現実である。
「で、でたらめな……!」
「それは遅いのです!」
 詩乃のママチャリはママチャリらしからぬ機動性を見せていた。まあ、天使核が動力だから、ある意味電動自転車みたいなもんであろう。
 いや、それでなくてもなんだのドリフト! 空がギャリギャリギャリィ! ってなんかエフェクトかかってるんですけど!?
 大丈夫か?
 なんか別の漫画になってない?

「さあ、宇宙人さん! 今こそ友情パワーを見せるときです!」
 あーもーごっちゃだよー!
 詩乃が、かごに鎮座する宇宙人のぬいぐるみの頭をなでた瞬間、その瞳が輝き、目からビームをぶちかます。
 それは神罰と雷撃による極大の雷。
 はちゃめちゃである。
 いくら猟兵が生命の埒外にあるからと言っても、ここまで埒外であるのは『大天使』エンケロニエルにとっては想定外であったことだろう。
「こ、こんな、こんな攻撃が!?」

「これが神罰です! 己の欲望のためにこの世界に住まう人々の生活を脅かした罰、其の身でしかと受けてください!」
 詩乃が叫ぶと同時に宇宙人のぬいぐるみから出たビームがガイド・ビーコンのように輝き、彼女の神力の発露たる極大の雷が『大天使』エンケロニエルを再び穿つのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アルトリウス・セレスタイト
東のラスボスの段取りの良さは健在か

状況は『天光』で逐一把握
守りは煌皇にて
纏う十一の原理を無限に廻し害ある全てを世界の外へ破棄
要らぬ余波は『無現』にて消去
全行程必要魔力は『超克』で骸の海すら超えた“世界の外”から常時供給

破界で掃討
対象は植物怪獣含む戦域のオブリビオン及びその全行動
それ以外は「障害」故に無視され影響皆無

原理を廻し高速詠唱を無限に加速、循環
瞬刻で天を覆う数の魔弾を生成、斉射
更に射出の瞬間を無限循環。戦域を魔弾の軌跡で埋め尽くす

東のラスボスがいる辺りは、動き易いように間引く感じにしつつ増殖する余地を確保
他は適当に消し飛ばしておく

侵略的外来種は駆逐されるもの
諸共に枯れておけ

※アドリブ歓迎



 猟兵たちの攻勢は苛烈であった。
 だが、それ以上に屍人帝国『コルディリネ』の長たる『大天使』エンケロニエルの持つ力、『植物怪獣軍団』の自己増殖の速度は凄まじい。
 圧倒的な成長速度で増殖していく『植物怪獣軍団』は『スーパーカオスドラゴン』の持つ混沌魔法『カオスヘッダー』による増殖を上回っていく。
 彼が十全であれば、食い尽くし滅ぼすこともできたかもしれない。
「ここまで弱体化させていながら、なおも抵抗しますか!」
 猟兵たちの攻撃を受けながら、『天使核植獣』のユーベルコード、不滅の羽ばたきによって『大天使』エンケロニエルは傷を癒やす。

 消耗戦になれば、『スーパーカオスドラゴン』の『カオスヘッダー』は不利。
 個としての力は圧倒的に『スーパーカオスドラゴン』が上である。『植物怪獣軍団』は成す術なく食い散らかされている。
 だが、傷が蓄積していくのだ。
 猟兵達が癒やす端から『植物怪獣軍団』は群がり、『完全同一存在』であるがゆえに一体でも打倒されれば、連鎖して同時に『スーパーカオスドラゴン』は爆発してしまう。
「こっちはナぁ! 最強無敗の『7thKING』、猟兵サンがいるんだゼぇ!」
「ゲヒャ~ッヒャッヒャ!!」
「というわけで頼みます~」
 三つ首の『スーパーカオスドラゴン』が叫ぶ瞬間に、淡い蒼光が戦場を埋め尽くしていく。

 十一の原理を無限に回し、あらゆる害あるものを自身から隔絶する。
 アルトリウス・セレスタイト(忘却者・f01410)の手繰る力は、まさしくそうしたものであった。
「これだけの魔力……! 一体どこから……!」
「世界の外より、だ。『大天使』エンケロニエル、お前に言った処で詮無きことであろうが」
 アルトリウスが手を掲げる。
 其の瞳がユーベルコードに輝き、障害を無視し万象を根源から消去する創世の権能が表す蒼光の魔弾が飛ぶ。

 破界(ハカイ)。
 その魔弾が次々と『植物怪獣軍団』を穿ち、滅ぼしていく。
 雨のように降り注ぐ魔弾。
 それらは原理を回し、無限に加速、循環していく。空を覆う蒼光。それは皮肉にもブルーアルカディアの青空と同じ色であったことだろう。
「『東のラスボス』の段取りの良さは健在か」
 ならば、とアルトリウスは『スーパーカオスドラゴン』の周囲に存在していた『植物怪獣軍団』を間引くように焼き払っていく。

 適当、と呼ぶにふさわしい力の振るい方。
 魔弾が『植物怪獣軍団』を吹き飛ばさう。
「侵略的外来種は駆逐されるもの」
 アルトリウスの言葉に『大天使』エンケロニエルは、その眉根を寄せ険しい表情になる。
 誰が、誰に、と彼女は声を上げるだろう。
 だが、その言葉は蒼光の魔弾によってかき消される。
 その言葉はアルトリウスにとっては意味のないものであったかもしれない。

「諸共に枯れておけ」
 告げる言葉に慈悲はない。
 打ち込まれ続ける蒼光の魔弾は『植物怪獣軍団』を滅ぼし、『大天使』エンケロニエルへの閉ざされていた道を再びこじ開けるのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

朱鷺透・小枝子
スーパーカオスドラゴン殿とご協力する事になるとは!
光栄であります!!

回点号を【操縦】
BXフォースサーベル変形、ダブルブレード化
投擲、念動力回転!草刈り機の如く植物軍団をなぎ払う

であるならばより一層の奮闘をしろ朱鷺透小枝子!!
抜刀、進めッ!回点号!!!

『覩剣所甲式』発動
ウイングブースター点火!高速推力移動で上空へ飛び、重量攻撃!
瞬間思考力でスーパーカオスドラゴン殿へ襲いかかろうとする植物怪獣重点で騎兵刀を雨あられに高速射出!

吶喊します!スーパーカオスドラゴン殿ぉ!!

シールド刃展開、急降下加速!
空中機動で向き先を若き世界樹またはエンケロニエルへ変更
ハイパーカオスチャージと共に、シールドバッシュ!!



 朱鷺透・小枝子(亡国の戦塵・f29924)にとって『東のラスボス』である『スーパーカオスドラゴン』と共に戦うことができるのは他の猟兵以上に特別な意味を持っていたのかも知れない。
『回天号』と呼ばれるクロムキャバリアを駆り、戦場を駆け抜ける小枝子。
 その鋼鉄の巨人を見やり、『スーパーカオスドラゴン』は笑うのだ。
「ゲヒャ~ッヒャッヒャ! こいつは頼もしいゼぇ!」
「『スーパーカオスドラゴン』殿とご協力することになとは! 光栄であります!!」
「こちらこそどうもお世話になっておりますぅ~! あ、前方の若き世界樹の『植物怪獣』は、『大天使』エンケロニエルと生命力を共有しておりますので」
「ぶっ倒せばぶっ倒す程に本体である『大天使』エンケロニエルにダメージが入るってわけだゼぇ~! けど、手強いゼぇ~!」

 なるほど、これが段取り! と小枝子は関心しきりであった。
『大天使』エンケロニエルは『コルディリネ』の長。
 その力は言うまでもなく強大である。
 だからこそ、情報の共有は大切であり、段取りと挨拶回りに定評のある『スーパーカオスドラゴン』さんの仕事ぶりに小枝子は頭が下がる思いであった。
「ならば、草刈り機の如く! 抜刀!!」
 小枝子の瞳がユーベルコードに輝き、『回天号』のアイセンサーが呼応するように輝く。
 手にしたフォースサーベルをダブルブレードの形へと変化させ、振りかぶる。
 人型であるキャバリアの真髄は、その巨大さでもなければ、出力でもない。
 人型であるがゆえに広がる戦術の幅である。

「何を――!」
「『スーパーカオスドラゴン』殿は流石の段取りをみせてくださった! であるならばより一層の奮闘をしろ、朱鷺透小枝子!!」
 小枝子はダブルブレードへと変形させたフォースサーベルを投擲する。
 その一撃はまさに彼女が言ったように草刈り機のように回転しながら『植物怪獣』を薙ぎ払っていく。
「進めッ!『回転号』!!!」
 覩剣所甲式(エグリプランタ)。
 それは凄まじい速度で飛翔しながら、斬撃を放つユーベルコードである。

 彼女の機体、そのウィングブースターが点火し、凄まじい推力を得て機体が飛ぶ。
 鋼鉄の巨人。
 光の翼のように推力を生む機体が一気に若い世界樹の植物怪獣へと迫る。
「『スーパーカオスドラゴン』殿には指一本触れさせはしない!」
 投擲したフォースサーベルを手元に手繰り寄せ、『回天号』がさらに飛ぶ。虚空より放たれる大小無数の騎兵刀が『スーパーカオスドラゴン』に襲いかかる若い世界樹の植物怪獣を蹴散らし、さらに高く飛び上がる。

 ここは大空の世界。
 かの鋼鉄の巨人かっぽする空を塞がれた世界ではない。
「吶喊します!『スーパーカオスドラゴン』殿ぉ!!」
「道は開けたゼぇ! 猟兵さん!」
「オレサマたちの王たる『7thKING』たる力、見せつけてやるんだゼぇ!」
 その言葉に押されるように小枝子は『回天号』と共に突き進む。シールド刃を展開し、急降下加速。
 目指すのは『大天使』エンケロニエル。
 周囲の植物怪獣には目もくれず、小枝子は突貫する。

 彼女は矢のように敵へと立ち向かう時にこそ、その力を発揮するのだ。
「ゲヒャ~ッヒャッヒャ! ならオレサマも行くゼぇ!」
 小枝子と共に『スーパーカオスドラゴン』が突撃する。ハイパーカオスチャージは止まらない。
「この防衛線を超えてくる……! 馬鹿な!」
「限界を超えてこその猟兵! その本体を押しつぶす!!」
 小枝子の機体がフォースサーベルを振り下ろす。だが、その一撃は植物怪獣に阻まれる。さらに『スーパーカオスドラゴン』のハイパーカオスチャージも他の植物怪獣に寄って機動をそらされてしまう。

 だが、それでも小枝子は止まらない。
 止まらないことこそ彼女らしさである。フォースサーベルは防がれた。けれど、盾は残っている。
「シールドバッシュ!!」
 放つ盾の質量攻撃の一撃。
 それは『大天使』エンケロニエルの体をしたたかに打ち据えるのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヴィクトリア・ノウェム
……むむぅ……あの緑いのには羊羹の分の借りがあるし、
なにより「天使核製造法」……あなたのやり口は、心底気に入らない、です

エル・セプスのドライブ出力を上げ、飛空艇形態のまま飛び回って怪獣の足元にDアヴェンジャーのガム弾をばら撒いて足を止めるです

そして、いくです、緑いの。
エル・セプス変形、ドライブ出力臨界、UC【勝利を齎す者】で周りの味方を回復すると同時に再行動、攻勢に移るです
ケルベロスファングで怪獣を捕まえてはEガントレットで炎を帯びた腹パンして程々に燃やし、手の空いてる緑いのにパス、多過ぎるようならA.F.C.で撃ち抜きながら本体まで進撃して、その破廉恥な本体も同じような目に合わせてやるです



「……むむぅ……あの緑いのには羊羹の借りがあるし……」
 ヴィクトリア・ノウェム(はらぺこ空戦天使・f33941)は『スーパーカオスドラゴン』の巨体を見て頷く。
 かつて『スーパーカオスドラゴン』さんが大空の世界、ブルーアルカディアに『悪魔契約書』とカオスによって転移してきた時、ヴィクトリアは段取りとあいさつ回りの際に羊羹を受け取っているのである。
 デビルキングワールドの老舗、タイガー印の羊羹。

 おっとヨダレが、ではない。
 それにヴィクトリアは屍人帝国『コルディリネ』の長である『大天使』エンケロニエルが告げた言葉に眉根を寄せる。
「なにより『天使核製造法』……あなたのやり口は、心底気に入らない、です」
 そこにあったのは怒りであったのかもしれない。
 彼女が『アルカディア争奪戦』において見てきたエンジェル狩りの姿。
 そこから導き出されるのが真実であるというのならば、ヴィクトリアは、断じてそれを許せない。

 飛空艇である『エル・セプス』のエンジェリックドライブが唸りを上げるように出力を上げていく。
「だったらなんだというのです。己の欲望のため、願望のためにあらゆる手段を講じるのは当然のことでは? あなたもまた天使核を使う者ならば!」
 猟兵からの打撃を『大天使』エンケロニエルは、『天使核植獣』のユーベルコードで癒やす。
 だが、確実に消耗させているのだ。
 ヴィクトリアは畳み込むため、飛空艇形態の『エル・セプス』と共に空を駆け抜ける。空より打ち込まれるガム弾が『植物怪獣軍団』の足を止める。

「そして、いくです、緑いの」
「オレサマの名前は『スーパーカオスドラゴン』だゼぇ! 覚えておいてくれよな!」
「余裕ない、です。さあ、いくです。死も病も、私達の邪魔をするなら全部まとめて……ぶっ壊してやるです…………!!」
 そう、余裕なんてない。
 今や彼女の飛空艇の炉は異常なまでの出力をきたしている。過剰エネルギーが光の翼のように広がり、それが全ての死と苦難、病と異常を打ち払う加護を齎すのだ。
『スーパーカオスドラゴン』の傷ついた体をも癒やしていく奇跡の力。
 それは、勝利を齎す者(ヴィクトリア)――彼女の名である。

 ヴィクトリアは、その名を示す。
 勝利を齎す者。
 それが偽りであるか欺瞞であるかなど関係ない。
 彼女にとって必要なのは、目の前の『大天使』エンケロニエルをぶっ飛ばすことである。許してはおけない。
 ならばこそ、飛ぶケルベロスファングが『植物怪獣』を捉え、空へと持ち上げ、『エル・セプス』から飛び出した腕部が炎をまとい、その腹部を撃ち抜くように放たれる。
「その破廉恥な本体も、これと同じような目に合わせてやる、です!」

 飛ぶ。
 出力の範疇を超えて光の翼が羽ばたくだろう。
 大空の世界、ブルーアルカディアにおいて天使核は必須なるもの。
 生きていく上で必要なものだ。
 だからこそ、人々は逞しく生きている。ならばこそ、ヴィクトリアは許せないのだ。エンジェルを用いた天使核製造法。
 あれはあまりにも非人道的すぎる。
 故に、彼女の心に呼応するようにエンジェリックドライブは唸りを上げる。
「生意気に、天使核の出力を……!」
「邪魔をするなら……!」
 ヴィクトリアは植物怪獣軍団をかいくぐる。『スーパーカオスドラゴン』の援護もあって、一直線に『大天使』エンケロニエルへと迫るのだ。

 振り抜く炎の拳。
 その拳が光の翼による推力を得て、一気に飛び込む。
「躱す暇など与えない、です!」
 撃ち抜く拳。
 その炎はヴィクトリアの怒りの表れであったのかもしれない。振り抜いた瞬間、『大天使』エンケロニエルが吹き飛ぶ。

 限界を超えた炉。
 ヴィクトリアは『エル・セプス』の持つポテンシャルを引き出し、見事に敵の首魁の一人をついに失墜させるのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アルテミシア・アガメムノン
スーパーカオスドラゴンさんはお久し振りですわね!
ご健勝の様でなによりです。あ、まんじゅう、ありがとうございます。
美味しかったですわよ。
それでは迅速に事を納めましょうか。エンケロニエルさんまでの露払い、お願いしますわね!
(とスーパーカオスドラゴンに大天使までの道を切り開いてもらいましょう。一緒に進みながら『氷獄の魔帝』を発動。無限の魔力を練り練り圧縮しておきます)

エンケロニエスさん、こんにちは!
そして、早速ですがさようならです。
魔界の先達が醜態を晒すのは見るに堪えませんからね。

UCで天使核植獣状態の大天使をここまで圧縮しまくってきた無限の魔力弾を放ってぶっ飛ばしましょう!



 猟兵の一撃が『大天使』エンケロニエルの胴を撃ち抜く。
 立ち上る炎は、天使核を生み出すために犠牲となったエンジェルたちの無念を晴らすかのようでもあった。
 だが、同時に彼女は『天使核植獣』による不滅の羽ばたきによって傷を癒やす。
「させるかってんだゼぇ!」
「ゲヒャ~ッヒャッヒャ!! 回復させるまもなく畳みかけろぉ~!!」
『スーパーカオスドラゴン』が『カオスヘッダー』によって増えていく。
 猟兵たちの回復やバフによって彼は『完全同一存在』であるがゆえの弱点を克服しつつあった。

 迫る『スーパーカオスドラゴン』を前に『植物怪獣軍団』が盾のように立ちふさがる。
「『スーパーカオスドラゴン』さんはお久しぶりですわね! ご健勝のようでなによりです。あ、まんじゅう、ありがとうございます」
 アルテミシア・アガメムノン(黄金の女帝・f31382)は『7thKING』の貫禄たっぷりに登場する。
「おう! この世界の材料でタイガー印の味を再現できるかどうかが肝だったが、気に入ってもらえてなにより!」
「美味しかったですわよ。それでは迅速にことを収めましょうか。エンケロニエルさんまでの露払い、お願いしますわね!」
「任せておくんだゼぇ~!」
『スーパーカオスドラゴン』の体が増えていく。

 猟兵と『スーパーカオスドラゴン』。
 この脅威が協力しているという点が『大天使』エンケロニエルの誤算であった。
 どちらか片方であったのならば、彼女にとって敵ではなかったのかもしれない。けれど、『カオスヘッダー』と、その弱点を知りカバーする猟兵の連携は即席にしてはできすぎていた。
 そう、一度猟兵と『スーパーカオスドラゴン』は矛を交え、さらにはブルーアルカディアに転移した後も共に戦っているのである。

 ならば!
「オレサマたちの敵じゃね~!」
「さあ、審判の時です」
 真の姿たる六対十二枚の翼を持つ熾天使へとアルテミシアは変身する。
 氷獄の魔帝(サタン)たる彼女の強さは、自身の持つ無限の魔力に比例していく。それが喪われることがない限り、彼女の強さは揺るぎないのである。
『スーパーカオスドラゴン』が放つブレスと突進が『植物怪獣軍団』を吹き飛ばしていく。道は塞がれても、また切り拓けばいいのである。

「エンケロニエルさん、こんにちは!」
「大した余裕です。それが『7thKING』たる所以であるとでも?」
「そして、早速ですがさようならです」
 アルテミシアの手には無限の魔力を圧縮した魔弾がある。
 凄まじい力。
 それを一点に凝縮したかのような魔弾の一撃が――いや、無限であるが故に、それは一点に凝縮されながら空を埋め尽くす。

「魔界の先達が醜態を晒すのは見るに堪えませんからね」
『3rdKING』。
 それが『大天使』エンケロニエルがデビルキングワールドで得た力の証明である。
 確かに『植物怪獣軍団』は時間経過と共に自己増殖していく。
 けれど、それは単一においては弱兵というしかない。
 個としての力は完全に『スーパーカオスドラゴン』が上だ。違いは『完全同一存在』であるか否か。
 多様性を重んずるばかりで、個としての力を間引かなかった『大天使』エンケロニエルは個として突出した『スーパーカオスドラゴン』と、その弱点を克服させる猟兵のカバーによって敗れるのだ。

 そう、多様性であるというのならば競争こそが最も正しい道のりである。
「あまたある可能性の、生命の埒外たる存在による群体。それが猟兵……!」
「力なき者は敗れ去るのみ。あなたもそうであるというだけですわ、エンケロニエルさん」
 放たれる魔弾の雨が『植物怪獣軍団』ごと『大天使』エンケロニエルへと叩き込まれる。
 破滅的な力の奔流が己の欲望のために世界を破滅に導く嘗ての『3rdKING』へと鉄槌と成って打ち込まれるのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

菫宮・理緒
【サージェさんと】

さすが会長、チャンスは逃がしませんね!
(一連の流れを動画保存して)

はい! 今日もいい仕事しましたね会長!
……イ、イッテキマス。

でも、ナイアルテさんの涙目……はぁはぁ……。
(こっちもハイスピードカメラで連写)

あ、それと、これは『菜医愛流帝』印のチョコ肌たゆんパイの、
グッズ化計画を始動させないといけないかな?

よし、ナイアルテさんへのアピールチャンスげっとしたし、
あとは『大天使』をやっつけて、ナイアルテさんを誑かす、
『ドラゴン』さんにお仕置きすればいいかな。

【リフレクションマリス】で攻撃と回復、させてもらっちゃうね!

ああ、ドラゴンさん。
終わったらおまんじゅうあるだけだしてね(にこっ


サージェ・ライト
【理緒さんと】
お呼ばれしてないけど参じましょう!
私はクノイチ、おまんじゅうよりチョコ肌たゆんパイが欲しいですください!!
そんなわけでまずはナイアルテさんを理緒さんと挟み撃ち(?)しますね!!
理緒さん今ですシャッターチャンスです(しゅばばっと逃げ道を塞ぎながら

ふぅ、今日の仕事はこれで終わ…アッハイブルディアイッテキマス

なるほど?『菜医愛流帝』印のチョコ肌たゆんパイ、とな?

さてさて実はスーパーカオスドラゴンさんとは相性ばっちりな私です!
【かげぶんしんの術】いきます!
600体くらいいるんですが護衛にはばっちりだとおもいます
理緒さん攻撃はよろしくお願いしまーす!
あとその脅しは通じてない気がします!!



「お呼ばれしてないけど参じましょう! 私はクノイチ、おまんじゅうよりチョコ肌たゆんパイがほしいですください!」
 そんなもんあるわけないのである。
 商品化などするわけがないのである。
 絶対絶対ないのである。だがしかし、サージェ・ライト(バーチャルクノイチ・f24264)はこういう時だけ見事なクノイチムーヴをする。
「さすが会長、チャンスを逃しませんね!」
 菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)はカメラを構えていた。

 流れるような連携。
 そういうの、戦いの場だけにしておいてほしいなぁって思わないでもない。
 しかしながら、彼女たちのモチベーションを損なうわけにはいくまい。彼女たちはこれから六大屍人帝国の一つ、『コルディリネ』の『大天使』エンケロニエルとの危険な戦いに赴かなければならないのである。
 それにしてはちょっと緊張感が足りていないような気がする。
 遠足か?
 遠足にでも行く感じなのか?
「理緒さん今ですシャッターチャンスです」
 しゅばばっ、とサージェはグリモア猟兵の道を塞ぎながら理緒と共にダブルサンドイッチである。
 白と黒、一挙両得……ッ!

「はい! 今日もいい仕事しましたね会長!」
 一連の流れをしっかり動画保存しながら理緒の額に浮かぶのはキラキラした欲望の汗であった。
 もうここまでがお約束とばかりである。
「ふぅ、きょうの仕事はこれで終わ……アッハイブルディアイッテキマス」
「……イ、イッテキマス」
 二人はじとりとした視線に送られて転移する。
 普通ならここでやめるのが普通である。だが、彼女たちは猟兵。生命の埒外。こんなことでは少しもへこたれないのである。

「でも、大判まんじゅう全部取られて涙目……はぁはぁ」
 やべーやつじゃねーか! 生命の埒外ってそういうことなの? となるくらい理緒は感極まっていた。
 そんなサージェと理緒はブルーアルカディアの『コルディリネ』へと、その『植物怪獣軍団』が溢れる戦場へと降り立つ。
『スーパーカオスドラゴン』が『カオスヘッダー』によって増殖し、戦場はまさにカオス。
 大怪獣決戦の様相を呈する戦場は、正直わけわかんないなって二人とも思った。

「あ、そうだ。『菜医愛流帝』印のチョコ肌たゆんパイの、グッズ化計画を始動させないといけないかな?」
「なるほど? 『菜医愛流帝』印のチョコ肌たゆんパイ、とな?」
 おい、カメラ止めろ。
 始動じゃなくて指導しなければならんやつである。
 しかし、理緒たちは関係ない。やりたい放題である。彼女たちにとって重要なのは商品化計画である。
 その妨げとなる者を排除するのが戦いに赴く動機でもあった。不純すぎる!

「さてさて実は『スーパーカオスドラゴン』さんとは相性バッチリな私です! しゃどーふぉーむっ! しゅばばばっ!」
 かげぶんしんの術(イッパイフエルクノイチ)によってサージェは一気に増える。ふえるわかめくらい増える。想像の5倍くらい増える。
『スーパーカオスドラゴン』さんもなんていうか、一人見かけたら5人くらい直ぐ側にいるなって思うくらいである。
「護衛はおまかせを! さ、理緒さんは攻撃よろしくお願いしまーす!」
「まかせておいて! 術式展開!」
 リフレクションマリスは電脳術式で編み上げた結界。
 敵の攻撃を反射する術式が『スーパーカオスドラゴン』さんの周囲に展開し、彼を護るのだ。

 完全同一存在であるがゆえの弊害。
 一体が倒されれば、他の『スーパーカオスドラゴン』も爆発してしまう。これこそが『スーパーカオスドラゴン』の唯一の弱点なのだ。
 だが、そこをカバーリングするのが猟兵達であった。
『植物怪獣軍団』は自己増殖するが、単一では『スーパーカオスドラゴン』に叶うべくもない。
 ならばこそ、『スーパーカオスドラゴン』を護ることこそ最大の攻撃へと転ずるのだ。
「ゲヒャ~ッヒャッヒャ! これでどれだけ無謀に突っ込んでも平気だゼぇ~! オレサマ印の大判まんじゅうも商品化頼むゼぇ~!」
「甘いもので誑かしたお仕置きはするから」
 理緒のぼそっと呟く言葉に『スーパーカオスドラゴン』さんはゾワッとした。
 え、今お仕置きっていった?
 なんで?

 理緒にとって『スーパーカオスドラゴン』さんはグリモア猟兵を魅了する権化。
 ならば、お仕置きしないといけないと理緒は思ったのだろう。理不尽だ。
「ああ、ドラゴンさん。終わったらおまんじゅうあるだけだしてね」
 にこっ。
 理緒の瞳にハイライトはない。何処言ったハイライト! 君の大家たる瞳が待ってるぞ!
「理緒さん、その脅しは通じてない気がします!!」
 サージェの言葉に理緒はそうかな? と首をかしげる。
 どっちにしたって、大判まんじゅうがあれば、大抵のことはクリアできそうと彼女は思っているのだろう。

 自分のコレクションのため!
 そして、彼女たちが奉じるもののために!
 私利私欲我欲が激突する『アルカディア争奪戦』は、今まさに佳境を迎えようとしていた――!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ルクス・アルブス
【ステラさんと】

さすがに今日は甘い匂いしかしなくないですか!?

それともステラさんにはしてしまうんでしょうか。
そしてそのうちガレオン船でなく、
エイルさん専用の椅子とかに変化しちゃうんでしょうか……?

って、あ、この『大判まんじゅう』で師匠釣れないですかね?

っとと。
そこはあとにしておかないといけないですね。

『スーパーカオスドラゴン』がポイントならば、
わたしは【協奏曲第1番】でドラゴンさんを護りますね!

……ステラさん、その耳栓についてはあとでじっくりと。

ドラゴンさんに『植物怪獣軍団』を食べてもらって、
大天使さんまでの道が開いたら、
ステラさんの投げナイフに隠れて【光の音叉】での一撃を狙っていきます!


ステラ・タタリクス
【ルクス(f33899)様と】
大判まんじゅうの香りがします!!
くっさすがスーパーカオスドラゴン様
甘い香りがすごいです
ですが私は|エイル様《主人様》の|もの《犬》
甘い香り程度ではなびきません

というわけで戦いましょう(後方メイド面でもぐもぐ
これは栄養補給です

ルクス様が援護に回っているのなら
私が攻撃ですね
まぁあの音が援護かといわれると困るのですが
デビルキングワールド出身ならOKでしょう(耳栓しながら)
…何か?(視線を感じてそっと目逸らし)

シンプルに参ります
【シーカ・サギッタ】
投げナイフで串刺し
スーパーカオスドラゴン様には
不協和音とナイフで弱ったところを食べていただければ
後は光の勇者にお任せしましょう



 ルクス・アルブス(『魔女』に憧れる『出禁勇者(光属性)』・f32689)は『スーパーカオスドラゴン』と『植物怪獣軍団』が入り乱れる戦場を見やり、流石に今日は、と思っていた。
 何が、と問われればそれは簡単なことである。
「流石に今日は甘い匂いしかしなくないですか!?」
「大判まんじゅうの香りがします!!」
 ステラ・タタリクス(紫苑・f33899)は、その言葉に思わず顔をしかめていた。
 甘い香りが凄い。
 何が凄いって『スーパーカオスドラゴン』印の大判まんじゅうの香りである。
 ブルーアルカディア原産の小豆を使って丁寧に仕上げたあんこを挟み焼いたおまんじゅう。
 名前の呼び方によって地域性があり、それ如何によって戦争が起こり得るあれである。しかしながら、ステラは伊達ではない。
 スーパーやべーメイドは伊達じゃないのである。
「くっ、さすが『スーパーカオスドラゴン』様。ですが私は|『エイル』様《ご主人様》の|もの《犬》。甘い香り程度ではなびきません」
 今、犬ってルビ打った?
「……ステラさんには香ってるですね。そのうちガレオン船でなう、『エイル』さん専用の椅子とかに変化しちゃうんでしょうか……?」
 ルクスはステラの様子を見て思うのだ。

 ちょっと有り得そうと思ってしまうところも大概であったが、そう思わせるだけの説得力が今までのステラの行動から読み取れてしまう。
「というわけで戦いましょう」
 後方メイド面でステラは大判まんじゅうをもぎもぎしている。グリモア猟兵から奪いと……配ってもらった甘味である。
 栄養補給退治。
「って、あ、この『大判まんじゅう』で師匠釣れないですかね?」
 できそう。
 でもなーぶっぱ魔女は、どちらかと言うと甘味より野性味溢れる方がいいのではないだろうか。
 主に肉。ウサギ肉以外の。

「っとと。そこはあとにしておかないといけないですね」
 ルクスは、ぱん、と己の頬を軽く叩いて気合を入れ直す。そう、彼女は勇者なのである。
 私利私欲我欲のために戦うのではない。
 このブルーアルカディアにおいて屍人帝国の脅威にさらされている人々のため、借金苦に喘ぐ師匠のためにがんばらなければならないのである。
 出禁が一番応える!
「協奏曲第1番(キョウソウキョクイチバン)! これで『スーパーカオスドラゴン』さんを護りますよ!」
 ステラは大判まんじゅうを大急ぎで頬張ると耳栓をはめる。
 響け、不協和音!
 ルクスの瞳がユーベルコードに輝き、戦場にユーフォニアムの不協和音が響き渡る。
 精神をひっかくかのような音。

 それは『植物怪獣軍団』には通じないが、『スーパーカオスドラゴン』さんと『大天使』エンケロニエルには通じるのだ。
「ゲヒャ~ッヒャッヒャ!?」
「な、なんです、この不快な音は……!?」
 ステラは出来るメイドの嗜みでもって『スーパーカオスドラゴン』さんの耳穴(あるのか?)に耳栓をして回っていた。
 だって、あの音が援護って言われたら、まあそのなんていうか、ステラも養護できない。だからこそ、彼女は『スーパーカオスドラゴン』さんの耳に栓をするのである。

「如何にデビルキングワールド出身であっても、ルクスさんの演奏は応えるようですね」
「……ステラさん、その耳栓については後でじっくりと」
「……何か?」
 視線を感じてステラは目を逸らした。
 耳栓しているからルクスの言葉も不協和音も聞こえない。だが、彼女が何を言わんとしていたのかなどわかってしまうのだ。
 だから、目をそらしたのだ!

「シンプルに参ります」
 あ、ごまかした。
 ステラの瞳がユーベルコードに輝く。いい感じにごまかしたステラの投げナイフの投擲があらゆる防護を突き破って『植物怪獣軍団』を『スーパーカオスドラゴン』と共に薙ぎ払っていく。
「『スーパーカオスドラゴン』様は、ルクスさまの演奏で弱った『植物怪獣軍団』を食べていただければ。後は」
「ゲヒャ~ッヒャッヒャ! 光の勇者サマがなんとかしてくれるってわけだな!」
 二人はアイコンタクトで連携する。
 耳栓していても、何となく伝わるものである。

 二人の活躍はすごかった。
 迫る『植物怪獣軍団』をちぎっては食べ、ちぎってはぶち抜く七面六臂の大活躍。
 そんな二人が切り開いた『大天使』エンケロニエルへの道をルクスは納得行かない顔で突き進み、光の音叉を振るう。
「そんなにひどくないですよね!?」
「……」
『大天使』エンケロニエルも、その言葉に目をそらす。
 今だ! なんとも間抜けな理由で目の前のルクスから注意を逸らしてしまった彼女はルクスの放つ光の音叉の一撃まともに受けて吹き飛ぶ。

「……なんで今目を逸らしたんですか――!?」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

佐伯・晶
流石はカオスドラゴンさん
見事な段取りだね

という訳でカオスドラゴンの負荷を減らすべく
こちらも数で対抗しよう

UCを使用し鉑帝竜に乗り込んだら
竜型使い魔を複製して創り続けるよ

竜型使い魔を植物怪獣軍団にけしかけて
カオスドラゴンを援護させよう

邪神の力で停滞の権能も恐ろしいけど
複製を創る能力の方がやばいんじゃないかと
時々思うよ

向日葵怪獣を呼び出して来たら
竜型使い魔を突撃させてカオスドラゴンへの
集中攻撃を阻止させよう

鉑帝竜は神気で防御しているし
反射率の高い希少金属ならレーザーの影響は薄いから
狙われてもそこまで支障はないと思うよ

植物怪獣軍団を突破したら
鉑帝竜でエンケロニエルに体当たりしよう

とつげきなのですよー



『スーパーカオスドラゴン』の混沌魔法『カオスヘッダー』の力は『完全同一存在』であるがゆえに、強力でもあり、同時に弱点を露見させていた。
 増え続ける『スーパーカオスドラゴン』は単一の力だけ見てもデビルキングワールドで強大な存在である。
 そこに『完全同一存在』として増えるのならば、それは数の暴力以上の猛威。
 だからこそ『大天使』エンケロニエルは彼を弱体化させるために討伐隊を差し向けた。それも完全に目的を果たすことはできなかったが、『完全同一存在』であるがゆえの弱点……即ち、一体でも倒されれば他の増えた『スーパーカオスドラゴン』も爆発してしまうという点を突くことはできるのだ。

 しかし、それすらも彼の完璧なる段取りとあいさつ回りによって妨げられるのだ。
「流石はカオスドラゴンさん。見事な段取りだね」
 佐伯・晶(邪神(仮)・f19507)は、『スーパーカオスドラゴン』が関係各所に報告連絡相談を行っていた迅速さに舌を巻く。
 猟兵達が戦場に降り立ち、屍人帝国『コルディリネ』の長である『大天使』エンケロニエルの放つ『植物怪獣軍団』を共に蹴散らしながら、『スーパーカオスドラゴン』をカバーしている光景が、戦局を傾けていることを知る。
 完璧な挨拶回りと段取りがなければできないことである。

「こちらも数で対抗しよう。帝竜の軍勢(エアリアル・アーセナル)……舐めないでもらおうかな」
 晶が乗り込んだ鉑帝竜が神気の防護膜を纏った巨竜形態へと変貌する。さらに周囲の無機物を使い魔へと変貌させ、圧倒的な物量で持って『植物怪獣軍団』をすりつぶしていくのだ。
 ひまわり型の植物怪獣の引き撃ちも物ともしない。
 希少金属で出来た巨竜の如き鉑帝竜を止めることなどできないのだ。
「邪神の力で停滞の権能も恐ろしいけど、複製を創る能力の方がやばいんじゃないかと時々思うよ」
「ゲヒャ~ッヒャッヒャ! 力も使いようだゼぇ~!」
「徒に使うのならば、それはただの力。だが、それをコントロールできるのなら!」
「それこそが本当の力ってもんだゼぇ~! あいつのように我欲に走るのならば、こうやってさらに力で対抗されて、終いなんだゼぇ~!」

『スーパーカオスドラゴン』が示すのは『大天使』エンケロニエル。
 彼女は『アルカディア争奪戦』において我が主と呼ぶ『アルカディア』に見えるためにブルーアルカディアに住まう人々の生活を脅かしてきた。
 エンジェルを狩り、『天使核製造法』を用いて無辜なる命をすりつぶしてきた。
 それがどんな結果を生むのかなど言うまでもない。
 強い力は、さらに強い力によってすり潰されるのだ。
「私の、『植物怪獣軍団』が押されている……!? 『スーパーカオスドラゴン』だけの軍勢ではない……これは!」
『大天使』エンケロニエルは戦局が己に傾かないことに驚愕する。

 傷を刻まれても、その都度回復してきた。
『植物怪獣軍団』も数を減らされても時間経過と共にまた自己増殖によって増えていく。だというのに、猟兵たちは次から次へと己の力を削ぎ落としていくのだ。
「ものどもかかれー、なのですよー」
 使い魔たちがひまわり型の植物怪獣をすりつぶしながら道を作る。

 それは『大天使』エンケロニエルにとって、脅威そのもの。
『スーパーカオスドラゴン』だけであったのならば問題はなかった。猟兵だけであったのだとしても、何も問題はない。
 だが、この異なる存在が協力することに寄って、己を上回る力でも迫っているのだ。
「とつげきなのですよー」
「ああ、後は任せておいて。行くよ、鉑帝竜!」
 超硬装甲の巨竜が切り開かれた道をひた走る。
 放たれるレーザも希少金属の装甲の前には無意味だ。狙われた所で気にすることもない。
 ただ一直線に。
 ただひたすらに『大天使』エンケロニエルに迫るのだ。『植物怪獣軍団』が壁となってそそり立つのだとしても、分裂した『スーパーカオスドラゴン』が横合いからくらい尽くす。

「こ、こんな……! こんなデタラメあってたまるものですか!」
「在り得るんだよ。今目の前に現実としてあるでしょ!」
 そのまま晶は鉑帝竜を『大天使』エンケロニエルに突っ込ませ、体当たりでもって『植物怪獣軍団』ごと彼女を吹き飛ばすのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

スピカ・ネビュラスター
うん。同じデビルキングワールド出身の縁だ
スーパーカオスドラゴンに加勢してあげようか!

無限増殖も所詮浮遊大陸の一つでやっているだけ
ボクとはスケールが違うんだよ(魔界渾天儀を手にして、何かしている)
……よし、座標は捕捉したね
『星天支配』、発動だ

あははははは!!!
天変地異よ巻き起これ! エンケロニエルを蹂躙しろ!

天文操作の影響で巻き起こった天変地異で、
植物怪獣軍団ごとエンケロニエルを攻撃だ!
同時に星の魔力による事象改変でスーパーカオスドラゴンを回復させるから、これで彼がやられることも無いはずだよ

そういえば3rdKINGなんだっけ?
なら、7thKINGのボク達には敵わないって思い知らせてあげないとね!



 ブルーアルカディアは空の世界である。
 いくつもの大陸が雲海の上に浮かぶ光景は他世界を知る猟兵であったとしても、壮大なる光景に見えたことだろう。
 しかし、如何に世界の一つと言えど、大陸一つで行われている戦場はスピカ・ネビュラスター(銀河の魔女・f31393)にとってスケールが落ちるものであった。
 如何に『大天使』エンケロニエルが司る『植物怪獣軍団』による無限増殖が大陸を覆うほどのものであったとしても、彼女が持つ天球儀……魔界の天体の運行を示す『凶星』を前には矮小なるもの。
「ボクとはスケールが違うんだよ」

 彼女が見下ろすのは混沌そのものたる戦場。
『スーパーカオスドラゴン』の『カオスヘッダー』と『大天使』エンケロニエルによる『植物怪獣軍団』。
 その激突に加わる猟兵達。
 その三者三様の戦いぶりがスピカの見る天球儀に映し出される。
 彼女もまたデビルキングワールド出身者である。『スーパーカオスドラゴン』に加勢するのは当然のように思えたのだ。

 それが悪魔たる良い子の所以であったのかもしれない。
 何かと理由を付けないと素直になれないのかもしれない。
 いや、それは第三者からみたスピカの性質でしかない。なぜならば、ラスボスとは見た目の裏腹さによって心優しさを見せる者たちである。
 見た目強ければ怖いほどにラスボスの心は優しい。ものすごいブラックな労働を強いてきそうなラスボスほど、部下に対してホワイトであるように。
 だが、スピカは魔女のラスボス、そして、天に輝く星を司る銀河の魔女。
 星を詠むのではなく、星を支配する力。
 その見た目は優しげな少女そのもの。ならば、ラスボスの法則に則るのならば!
「……よし、座標は補足したね。星天支配(セイテンシハイ)、発動だ」
 彼女の瞳がユーベルコードに輝く。

「あははははは!!! 天変地異よ巻き起これ! エンケロニエルを蹂躙しろ!」
 星の力を支配する彼女のユーベルコードは屍人帝国『コルディリネ』の浮遊大陸に天変地異を引き起こす。
 地震に嵐に火事スピカ!
 ありとあらゆる災害が『植物怪獣軍団』を襲う。
 さらに星の魔力によってスピカは『スーパーカオスドラゴン』の体を癒やすのだ。『完全同一存在』であるがゆえに『スーパーカオスドラゴン』の一体が倒されれば、それだけで全ての『スーパーカオスドラゴン』が爆発してしまう。

 この戦場において肝要なのは『スーパーカオスドラゴン』を如何にして護り、『植物怪獣軍団』をぶっ飛ばすかである。
 その両方をいっぺんにスピカはこなしてみせるのだ。
「ゲヒャ~ッヒャッヒャ! 力がみなぎってくるゼぇ~!」
「これは……事象改変……! これほどの力を持つ猟兵がいるとは!」
『スーパーカオスドラゴン』が『植物怪獣軍団』を吹き飛ばし、猟兵に寄る打撃を『天使核植獣』によって癒やしていた『大天使』エンケロニエルへの道を切り拓く。
 天変地異によって体制を崩していた『大天使』エンケロニエル』は眼前に迫るスピカを見上げる。

 その風格はまさにラスボス。
「そういえば『3rdKING』なんだっけ?」
 スピカの事象改変による力は、止められない。自己増殖するだけの『植物怪獣軍団』は意味をなさない。
 天変地異は続く。
 雷が振り落ち、炎の嵐が巻き起こる。
 そんな浮遊大陸の空を悠然とスピカは見下ろすのだ。
「なら、『7thKING』のボク達には敵わないって思い知らせてあげないとね!」
 スピカは笑う。
 どこか陽光の如き輝きすら思わせる笑みであった。

 天真爛漫。
 そう言われたのならば、頷けるほどの笑顔。
 けれど、彼女の振るう力に一切の容赦はない。敵対する者全てを尽く滅ぼす。圧倒的な力の権化たるスピカは『大天使』エンケロニエルへと天の星を支配する力でもって災厄をもたらし続けるのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

高天原・光明
 全く愉快な奴だな、東のラスボスは。共に大天使を打倒するとしよう。しかし、なんだ。やはり元3rdKINGとあってか、凄まじい技を持っているんだな。引き撃ちするひまわり怪獣とは……いや、集中だ、集中。

 さながら怪獣大決戦、活路は空にあり。スーパーカオスドラゴンに放り投げて貰うことでひまわり怪獣たちの攻撃を避けつつ攻撃態勢を整えるとしよう。【UC:彼方より飛来せし彗星】(POW)を発動、霊力を籠めた〈貫通攻撃〉、三矢も食らってただでは済まないだろうな。

 大天使、少しばかり読みが甘かったようだな。俺たち猟兵は一騎当千、無限の軍団では止まらないさ。当然、彼の方もな。

(アドリブ等々なんでも大歓迎)



「ゲヒャ~ッヒャッヒャ! 見たか、これが『7thKING』! 世界最強の群体、『猟兵』サンたちなんだゼぇ~!」
「『大天使』がなんぼのもんじゃいって感じだゼぇ~!」
「ひゅー! このまま押し切っちまえ~!!」
 三つ首の『スーパーカオスドラゴン』がテンション高めに叫ぶ。
 咆哮轟き、混沌そのものたる戦場で『大天使』エンケロニエルの率いる『植物怪獣軍団』たちを食い散らかされている。
 彼の混沌魔法『カオスヘッダー』は『完全同一存在』であるがゆえに強大な力を有するが、一体が倒されれば連鎖して全ての『スーパーカオスドラゴン』が爆発してしまうという致命的な弱点を持っていた。

 だからこそ、彼は段取りと挨拶回りをしていたのだ。
 こうなることを予見し、メタを張り、さらに敵がこちらに対処してくることも織り込み済みで『7thKING』たる猟兵達を呼び込んだ。
 その手腕こそ真に『スーパーカオスドラゴン』を恐れるべき点であったのだ。
「全く愉快な奴だな、『東のラスボス』は」
 高天原・光明(彼方より禍を射貫くもの・f29734)は混沌たる戦場に降り立つ。
 彼にとって、この戦場はあまりにも雑多なものであった。
『植物怪獣軍団』は自己増殖していくし、『スーパーカオスドラゴン』もまた時間経過と共に増えていく。

 大怪獣決戦そのもの。
 もうめちゃくちゃである。さらには他の猟兵たちによって混迷を極めていた。だが、それでも彼の瞳は戦局を捉える。
 共に『大天使』エンケロニエルを打倒すると決めたのならば、どれだけ『3rdKING』の手繰る力が強大であろうとも負けるつもりはなかった。
「引き撃ちする怪獣とは……」
 しかもひまわり。
 大輪の花から放たれるレーザー光線。
 まるで現実味がない。
「……いや、集中だ、集中」
 頭を振って光明は、その瞳をユーベルコードに輝かせる。

「ゲヒャ~ッヒャッヒャ! 猟兵サン! 行くゼぇ~!」
 あ、そーれ! と『スーパーカオスドラゴン』が『植物怪獣軍団』の巨体の一つを空へと打ち上げる。
 ひまわり型の植物怪獣は厄介である。
 後退しながら砲撃を続けているため、こちらは必然追いかけるしかない。そうなれば、被弾する可能性も高くなるし、逆に敵は攻撃から逃れることができる。
 よくできた戦法であった。
 時間が経てば経つほどに敵の数は増えていくのだから、『大天使』エンケロニエルに趨勢が傾くのは道理だ。

 けれど、それを覆すのが光明のユーベルコードである。
「仕舞いにしよう」
 構えた六尺の半弓。
 引き絞る弦の音が聞こえるようであった。光明は見据える。狙うは活路たる空。
 放り投げられた植物怪獣に向かって放たれるは、彼方より飛来せし彗星(コメヱト・シィセン)の如き一矢。
 精神統一を為すには、あまりにも戦場は混沌めいていた。
 だが、それでも光明の強靭な精神力は集中を見せる。放った一矢は植物怪獣を射抜き、さらに間を置く事無く放たれた二矢、三矢が次々と貫いていく。

「圧倒的だゼぇ~!」
「たかが矢を射掛ける程度……!」
 だが『大天使』エンケロニエルは見ただろう。
 その星を。その彗星を。
 己の眼前に迫る矢。それは彼女の肩に突き刺さる。体がよろめく。だが、そのよろめきすら許さぬとばかりに続けて射掛けられた矢が、彼女の体を貫く。

「がっ、っ、く!? 連射……!?」
「『大天使』、少しばかり読みが甘かったようだな。俺達猟兵は一騎当千、無限の軍団では止まらないさ、当然、彼の方もな」
 光明は『スーパーカオスドラゴン』の頭部に座し、半弓を構える。
 宿る瞳の輝きこそ、敵を穿つ一矢となる。
 百発百中。
 射掛けるのならば、それは即ち、射る前より当たっている。
 因果逆転の如き、恐るべき弓術によって光明は『大天使』エンケロニエルの目論見を、その打算を撃ち抜くのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ティオレンシア・シーディア
いやぁ…相変わらず完璧な事前準備と根回しねぇ。流石は名うてのニセ乱暴者だわぁ。(ちゃっかり自分の分のカオスまんじゅうは確保している)

殲滅力じゃさすがにスーパーカオスドラゴンサンにはかなわないし、サポートに回ろうかしらねぇ。
●活殺起動、描くのは|イング《発展》。どんどん増えてじゃんじゃんやっつけちゃってちょうだいな?

…そうそう、大天使サマ?
あなたが使うの、「植物」怪獣で助かったわぁ。このルーンとすごく相性いいのよぉ。
イングの別意は「結実」、即ち終わりの始まり。実をつけた植物は、後は枯れるだけよねぇ?
更に別意には「収穫」。片っ端から生命力を収奪してスーパーカオスドラゴンサンにバラ撒いちゃいましょ。



「いやぁ……相変わらず完璧な事前準備と根回しねぇ」
 ティオレンシア・シーディア(イエロー・パロット・f04145)は『東のラスボス』こと『スーパーカオスドラゴン』さんの手腕に感心していた。
 彼の段取りと挨拶回りは定評がある。
 暴走前には必ず報告連絡相談を行う。そうすることによって得られる善き暴走。それこそが『スーパーカオスドラゴン』さんの真骨頂。
 混沌魔法『カオスヘッダー』も凄まじいが、本当に恐ろしいのはその手腕。

「流石は名うてのニセ乱暴者だわぁ」
 もぐもぐとティオレンシアは自分の分の『スーパーカオスドラゴン』印の大判まんじゅうを頬張っている。
 ちゃっかり確保しているところがティオレンシアらしい。
 そういう点においては彼女もまた段取りのプロであると言わざるを得ないだろう。彼女にかかれば、大判まんじゅうを誰に気づかれることなく確保することなど造作もないのである!

「とは言え、殲滅力じゃ流石に『スーパーカオスドラゴン』サンには敵わないし、サポートに回ろうかしらねぇ」
 その瞳がユーベルコードに輝く。
 描くは魔術文字は|『イング《発展》』。
 活殺(ソーサリー)自在たるユーベルコードは、ティオレンシアの持つペンが空中に描く度に、その魔術文字に応じた特性と属性を齎す。
 即ち、その文字が示すのは成長促進。
『スーパーカオスドラゴン』の『カオスヘッダー』は、自身を時間経過と共に増やしていく力。
『完全同一存在』であるという弱点はあれど、それは同時に強みであるのだ。
 劣化することのない力。
 単一で『植物怪獣軍団』を圧倒する個が群となって現れるのだ。対峙する者にとっては悪夢でしかない。

「どんどん増えて、じゃんじゃんやっつけちゃってちょうだいな?」
「ゲヒャ~ッヒャッヒャ! 任されたゼぇ~!」
「魔術文字に寄る活性化……! ですが!」
『大天使』エンケロニエルもまた天使核を『天使核植獣』へと変貌させ、そのユーベルコード『不滅の羽ばたき』によって猟兵に寄って傷つけられた肉体を癒やすのだ。
 堂々巡りの如き戦い。
 けれど、徐々に彼女は消耗してきている。
 隠しきれないほどの焦燥が、その証左である。打ち込まれた矢を引き抜きながら、彼女は天使核による出力を上げていく。

「……そうそう、『大天使』サマ?」
 ティオレンシアは溢れる『スーパーカオスドラゴン』の背に乗りながら告げる。
 溢れるのは『植物怪獣軍団』。
 互いに一歩も譲らぬ戦況にあって、ティオレンシアは笑う。
「あなたが使うの、『植物』怪獣で助かったわぁ。このルーンとすごく相性がいいのよぉ」
 描く『イング』。
 その別意は『結実』。即ち、終わりの始まり。成長するからには結果たる身を結ばねばならぬ。
 そして、実を結んだ植物が役目を終えたのならば。
「後は枯れるだけよねぇ?」
「だとしても! 私の『植物怪獣軍団』の力は、その滅びすら凌駕してみせるのです」
「それも無意味。結実したのならば収穫しなくちゃあね!」
 ティオレンシアの細い瞳の奥でユーベルコードが更に輝く。

 魔術文字で形勢された力が、成長を促した『植物怪獣軍団』から生命力を奪い、『スーパーカオスドラゴン』にもたらしていく。
 まるで甘い雨のように降り注ぐ生命力を得て『スーパーカオスドラゴン』は、その戦いによって刻まれた傷を癒やしていく。
 一体が倒されれば、それが致命的になるという弱点をティオレンシアはカバーし、『スーパーカオスドラゴン』と共に『植物怪獣軍団』を蹂躙し尽くす。
 道は開かれる。
 幾度となく開き、閉ざされてきた道であっても、猟兵は立ち止まらない。

 紡ぎ、繋ぐ戦いをするからこそ、『7thKING』は無敗たる最強の群体となり得る。
「さあ、オーラスよぉ」
 ほほえみ絶やさず、ティオレンシアはその刻む魔術文字と共に『植物怪獣軍団』を尽く滅ぼすのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

夕凪・悠那
メタを張って封殺するなんて、カオドラさんわかってるー
でもまあ、怪獣女王となればこいつをぶつけてみたくなるよね
雌雄を決しようか
――蹂躙だ、【"|壊獣王《ベヒモス》"】

植物怪獣軍団は「地獄の炎」で焼き落とす
天使核植獣が使うUCの生命力活性、消えない炎のスリップダメージを上回れるのかな?

あ、カオドラさんはベヒモスを先頭にして後に続く感じでお願いします
燃える植物怪獣の屍を背景に、地獄の炎に照らされながらゆっくりと前進する無数の竜って威圧感たっぷりで魔王的な絵になると思うんだよね

カオドラさんは他の猟兵の支援でバフ量は十分
後はワル度を高めてテンションさえ上げてしまえば完璧さ

最新の"王"の進撃だ
道を開けろ



 夕凪・悠那(電脳魔・f08384)は電脳魔術師であり、同時にバトルゲーマーでもある。
 その性であるか、もしくは本来の気質であったか。
 どちらにせよ、『スーパーカオスドラゴン』の段取りと挨拶回りが結実を見せた屍人帝国『コルディリネ』の長『大天使』エンケロニエルとの戦いの趨勢は、戦う前から既に決まっていたと言わざるを得ないと彼女は思っていた。
「メタを張って封殺するなんて、カオドラさんわかってるー」
「ゲヒャ~ッヒャッヒャ! このときのために練りに練ったってもんだゼぇ~!」
「厄介な敵には厄介なやつをぶつける! これで封殺できるのならお安いもんだゼぇ~!!」
「というわけで、打ち合わせ通りによろしくお願いいたしますぅ~」

 悠那は、ちょっと微笑んだかも知れない。
 三つ首の『スーパーカオスドラゴン』の言葉はエセ乱暴者らしいものであったからだ。そして同時にバトルゲーマーとしての性が彼女を突き動かす。
 そう、敵が『植物怪獣軍団』を差し向けてくるというのならば。
 そして、この戦場が『植物怪獣軍団』と『スーパーカオスドラゴン』、そして猟兵が彩りを為す混沌たる戦場であるのならば。
「でもまあ、怪獣女王となればコイツをぶつけてみたくなるよね。雌雄を決死しようか」
 悠那の瞳がユーベルコードに輝く。
『スーパーカオスドラゴン』の頭上の上に立ち、彼女は戦場を睥睨する。

 煌めくユーベルコードによって齎されるのはヴァーチャルリアル――即ち仮想具現化。
 あらゆるキャラクター、アイテム、プログラムを具現化する電脳魔術によって召喚されるのは――。
「――蹂躙だ、"壊獣王"ベヒモス(キング・オブ・デストロイビースト)」
 光が解き放たれ、瞬間的に戦場は光りに包まれる。
 何も見えない。
 否、それは光ではなく炎。
 自我を持つ者に畏怖を抱かせる天災の具現たる決戦形態たる“|壊獣王“”ベヒモス”。
 地獄の炎が全てを舐め尽くすように『植物怪獣軍団』たちを燃やし尽くす。
 消えぬ炎は、植物怪獣たちを飲み込み、完全に滅ぼしきれずとも常に絶え間なく燃え続ける炎に苛まれ続けるのだ。

「消えない炎のスリップダメージを上回ることができるかな、その自己増殖のスピードはさ」
「オレサマも続くゼぇ~!」
「ん、お願い。私はベヒモスと行くよ」
 王たるベヒモスを戦闘に巨大なる邪竜たちが続く。炎揺らめく戦場にあって、その光景はあまりにも絶望的なものであったことだろう。
 どっちが悪役なのかわからないほどの圧倒的な蹂躙劇。
 ありとあらゆる者を破壊する炎。

「こういうのってテンション上がるな~だゼぇ~!」
「まるでワルの権化!」
「ゲヒャ~ッヒャッヒャ! アゲアゲだゼぇ~!!」
 基本的に悪魔って良い子ばかりである。
 例にもれず『スーパーカオスドラゴン』さんも同様に良い子である。見た目が怖いだけで、基本的には頼まれたことはちゃんとやってくれるし、今回だって挨拶回りやら段取りやらに心を砕いてくれたのだ。
 悠那は、それを知っているからこそ、『スーパーカオスドラゴン』さんの心にバフを駆けるのだ。

 本来ならそれは何の意味も齎さぬものであったかもしれない。
 数値的には意味のないこと。
 だけど、悠那は知っている。数字だけが世界の全てじゃない。ステータス以上にそれを手繰る者のテンションが戦いにおいては切って離せぬものであると。
「さあ、行くよ。最新の“王”の進撃だ」
 道を開けろと、ベヒモスが咆哮する。
 あらゆるものを破壊し、あらゆるものを蹂躙する炎の権化。数多の『スーパーカオスドラゴン』を率いて進む姿は魔王の軍勢。

 デビルキングワールドの悪魔たちが皆こぞって憧れる魔王そのものたる光景を悠那はベヒモスの上に立ちながら悠然と見下ろし、『植物怪獣軍団』を徹底的に叩くのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ロニ・グィー
アドリブ・連携・絡み歓迎!

ぱくぱくもぐもぐもぐもぐ!
ぱくもぐもぐもぐもぐもぐ!
ぱくぱく!もぐ?もぐもぐ!!

つまりそういうことなんだね!

●まるくてあまい
とにかく戦場中にごちゃっとしてるSCDくんも怪獣くんも飛び交うレーザーも!
超ビッグサイズの[白昼の霊球]くんたちなら安心して洗い流すようにごろごろドーーーーンッ!(怪獣とレーザーとエンケロくんにだけ干渉他全部すり抜け設定)
イケイケGOGO!こういうのは対策されるまえに勢いで押し切らないとね!

そして押し切ったら…【第六感】|突撃《チャージ》!
なんとなく弱点だなって感じるところをUC『神撃』でドーーーンッ!!

これは…おまんじゅう100個分は働いたね!



 まるくてあまい。
 それってなーんだ。
 いきなり始まるなぞなぞ。なぞなぞ? なぞなぞなのかこれ?
 そんな疑問は混沌たる戦場にあって似つかわしいものであったかもしれないが、混沌であるからこそある意味生まれるものであったのかもしれない。

 ぱくぱくもぐもぐもぐもぐ!
 ぱくもぐもぐもぐもぐもぐ!
 ぱくぱく!もぐ?もぐもぐ!!

 ものすごい咀嚼の音が聞こえる。
『スーパーカオスドラゴン』は困惑したし、『大天使』エンケロニエルも同じく困惑していた。
 いやまあ、彼女はこの戦場が開かれてからずっと困惑しっぱなしであったかもしれない。
 猟兵とは生命の拉致が至る存在。 
 そんなこと言われなくてもわかっていたが、わかっていたつもりだったのだ。何一つ理解できていなかったのだ。
 その言葉の意味を。
 あらゆる事態に想定して、段取りを取っていた『スーパーカオスドラゴン』さんでさえ、猟兵の行動は読み切れるものではなかったのだ。

 だから『東のラスボス』と呼ばれた彼でさえ猟兵に敗れたのだ。
「つまりそういうことなんだね!」
 ロニ・グィー(神のバーバリアン・f19016)は、『スーパーカオスドラゴン』印の大判まんじゅうを頬張って叫んだ。
 つまりどういうことだってばよ。
『スーパーカオスドラゴン』も『大天使』エンケロニエルも思った。
 え、なになに何が始まってんの、と思った。

 ロニはお構いなしに戦場を見やる。
 こちゃっとしているなーっていうのが第一印象。
『スーパーカオスドラゴン』も『植物怪獣軍団』も飛び交うレーザーも。
 此処だけ見たら怪獣映画そのものだった。
 なんか別の世界のアレやそれかなーって思うほどであった。だが、ロニにはまだ足りない。
 混沌たる戦場というのならば、まだまだやれることがある。
「というわけで、ド――ンッ!!」
 超ビックサイズの球体を、ロニは打ち出す。
 凄まじいサイズ。
 戦場を蹂躙するかのようにゴロゴロと走り抜ける球体。器用に『スーパーカオスドラゴン』の合間を縫うようにして走っているから、さらに質が悪い。
 レーザーなんて関係ない。
 するっとすり抜ける設定済みである。
 なにそれずるい。

「イケイケGOGO! こういうのは対策される前に勢いで押し切らないとね!」
 ごろごろと巨大な球体が『植物怪獣軍団』を蹂躙していく。
「そんな馬鹿なことあります!?」
「それがあるんだなぁ~、ゲヒャ~ッヒャッヒャ!!」
「これがオレサマたちの王!」
「『7thKING』、猟兵サンたちだゼぇ~!!」
 阿鼻叫喚である。
 もうなんていうか、ぐっちゃというか、ごっちゃというか。『植物怪獣軍団』は他の猟兵達によって徹底的に叩かれているし、『スーパーカオスドラゴン』はびっくりするくらいのバフでもって強化されたり、回復されたりしている。

 もうどう見たって手詰まり感半端ない。
「詰みってやつじゃあない?」
「それを決めるのは貴方ではないでしょう!」
「それもそうだ! でも、そこがなんとなく弱点だと思うのでド――ンッ!!」
 すごく雑に放たれる神撃(ゴッドブロー)。
 いいのか、そんなのでと思われるほどに第六感という名の勘でもって拳を叩きつけるろに。

 吹き飛ぶ『大天使』エンケロニエル。
 色々雑すぎる! 仮にも六大屍人帝国『コルディリネ』の長である。だが、彼女は誤ったのだ。
 色々間違っていたが、一つ上げるのだとすれば。
「『スーパーカオスドラゴン』くんを狙ったことだよね!」
 これはおまんじゅう百個分は働いたね、とロニは自信満々に言い放ち、食後の運動としては悪くなかったというように腹ごなしのようにお腹を撫でるのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

月夜・玲
おうおうスーパーカオスドラゴンさんよぉ…
何か忘れてるんじゃないか?
ほらまだ持ってるんだろ?
ベイクドモチョチョをなあ!
|元締め《ナイアルテさん》だけに挨拶回りして済む問題だと思ってないよな!
分けて貰っただろうとかそんな言い訳を聞きたいんじゃないんだよ
誠意、分かる?
誠意が欲しいんだよ
決して私欲じゃないんだよ
きちんと根回しするスーパーカオスドラゴンともあろう者が、個人に根回ししないなんて訳無いよねって話なんだよなあ…

1つは残してやるからさ、残り全部出しなよ
1つ残っておけばまた増えるでしょ
エンケロニエル?ちょっと後で
あ、文字数足りないじゃん

超克…オーバーロード
良しこれでOK
そういう訳でさっさと出して
出したら戦おう
外装転送、腕部換装…鉤爪転送
《RE》IncarnationとBlue Birdを抜刀
そして剣で腕に傷を入れて出血状態に
【断章・焔ノ血】起動
回復入れるからカオスドラゴンはさっさと怪獣退治!
私も周囲にダメージを入れつつ副腕の鉤爪で怪獣に攻撃
道が開いたらエンケロニエルを鉤爪と剣で『串刺し』だ!



『大天使』エンケロニエルとの戦いにおいて猟兵と『スーパーカオスドラゴン』さんたちは破竹の快進撃を続けていた。
 どれだけ時間経過と共に増殖する『植物怪獣軍団』であったとしても、弱体化されたり、逆に『スーパーカオスドラゴン』をあんこドーピングしたり、回復したり、バフかけたりしていたら、止められようがないのである。

『スーパーカオスドラゴン』さんの混沌魔法『カオスヘッダー』の唯一の弱点は、増殖した『スーパーカオスドラゴン』さんが『完全同一存在』であるということ。
 それは強みであると同時に弱点でもあるのだ。
 完全に同じ存在であるがゆえに、一体でも倒されると残りの全ての『スーパーカオスドラゴン さんが爆発して消えてしまうのだ。
 だからこそ、『スーパーカオスドラゴン』さんは関係各所に報告連絡相談をしていたのである。
 流石、挨拶回りと段取りに定評がある!

 しかしながら、そんな『スーパーカオスドラゴン』さんのもとに一人の猟兵がやってくる。
 いや、猟兵というか『7thKING』っていうか。
 なんかこう、取り立て屋のようなヤが付いて、クを挟んで、ザで終わる感じの雰囲気をまとった月夜・玲(頂の探究者・f01605)さんその人であった。
「おうおう『スーパーカオスドラゴン』さんよぉ……何か忘れてるんじゃないか?」
 彼女はとんとんと模造神器の刀身の背で肩を叩きながら、下から『スーパーカオスドラゴン』さんをねめつける。
 あれ、味方ですよね?
『大天使』エンケロニエルはちょっと困惑した。

「ゲヒャ……えっ、何、なんです?」
「ほらまだ持ってるんだろ?」
「いや、えー、えー?」
「ベイクドモチョモチョをなぁ!」
 出たー! 新興勢力! つい最近認知され始めた呼称! もう戦争というか紛争というか。名前で出身地が割れるアレ! 和菓子って分類されているけど、本当の名前、元祖がまるでわからないアレ!
 回転焼き大判焼き今川焼きおやき蜂楽饅頭。
 そんでもって新たに現れた呼称、ベイクドモチョモチョ!!

 翻訳すると焼き……餅、餅……餅!?
「|元締め《グリモア猟兵》にだけあいさつ回りして済む問題だと思ってないよな!」
「いやでもですねぇ……そのぉ、人数分用意していましてぇ……」
「そんな言い訳聞きたいんじゃないんだよ」
 バァン!
 模造神器が地面に叩きつけられる音が響き渡る。
『スーパーカオスドラゴン』さんはもちろんのこと、『植物怪獣軍団』たちも『大天使』エンケロニエルたちも、びくぅ! と背筋を伸ばした。なんで?

「誠意」
「え」
「誠意、わかる? 誠意が欲しいんだよ。決して私欲じゃあないんだよ。きちんと根回しする『スーパーカオスドラゴン』ともあろうものが、個人に根回ししないなんて訳ないよねって話なんだよなぁ」
 おう、と玲さんは模造神器の切っ先をくいくいさせる。
『スーパーカオスドラゴン』さんは困惑した。大いに困惑した。どういうこと? ぴょんぴょんしろってこと?

「一つは残してやるからさ、残り全部出しなよ。一つ残しておけばまた増えるでしょ」
 か、カツアゲだー!!
『アルカディア争奪戦』において発生したカツアゲ案件!
 こんな酷いことってある!? あるのである。これが7thKING! これが猟兵!『大天使』エンケロニエルは驚愕した。
 自分が『堕天使エンケロニエル』として3rdKINGになった時でもこんなワルな事件はなかった。
「あ、あの……お取り込み中なのですが」
「ちょっと後で」
 しっしと雑に玲さんは模造神器を振って追い返す。

 いいのかな。
「あ、文字数足りないじゃん」
 あ、駄目ですダメダメ。メタの壁ぶち抜いたらいかんのですよ!
「超克……オーバーロード」
 玲さんの背に副腕が転送され、残りの二振りの模造神器が握られる。え、こんなことで超克するの!? と『スーパーカオスドラゴン』さんは思ったけど、口には出せなかった。
 余計なこと言ったら絶対シバかれると理解していたからである。

「良しこれでOK」
 彼女の手には大判まんじゅうの袋があった。
 まだ食べるんだって思ったし、玲さんだって一時期ソファに寝っ転がりながら、其の名は――とかやってたじゃん! って抗議の連絡が後で来たとか来ないとか。
 しかし、本番はここからである。
 戦いはまだ続いているし、『植物怪獣軍団』はまだまだ多く存在している。
 天使核を『天使核植獣』へと変貌させた『大天使』エンケロニエルは、玲さんと『スーパーカオスドラゴン』さんのカツアゲ寸劇の間に『植物怪獣軍団』を増やしては回復していたのである。

 ずるい! だがこれでいいのである。再び道を閉ざされた『大天使』エンケロニエルへの道。
 だが、そんなことなどどうでもいいとばかりに玲さんの模造神器が彼女の腕を切り裂き、血潮を流させる。
 きらめくはユーベルコード。
 あ、やべ、文字数が!
「断章・焔ノ血(フラグメント・ファイアブラッド)! 回復入れるから『スーパーカオスドラゴン』はさっさと怪獣退治」
「わかったんだゼぇ~!」
『スーパーカオスドラゴン』さんは思った。あの最初の寸劇なかったら、絶対もっとどうにかできていたはずだと。

 だがしかし、口には出さない。出したら駄目ってもう理解しているのだ。 
 玲さんは蒼き炎を撒き散らしながら、副腕の鉤爪で『植物怪獣軍団』たちを噛み殺さんばかりの勢いで薙ぎ払っていく。
 道が開けた瞬間、玲さんは『スーパーカオスドラゴン』さんの背に乗って切り開かれた道を示す。
「い、いや……! こ、こんな雑な処理の仕方で倒されるなんて!」
「『スーパーカオスドラゴン』を標的にした時点で、確定してたことでしょ! こういう時空に呼び込まれるってことはさ!」
「いや、それは違うと思うんですけどぉ~……」
「カオスの体現者が言うことじゃない! というわけで、喰らえー!」
 玲さんの鉤爪が『大天使』エンケロニエル』のガードを弾き飛ばす。開かれたガードの先、そこにある彼女の本体を貫くは蒼き刀身。

 その一撃は、確かに『大天使』エンケロニエルの胸を貫き、蒼炎を撒き散らす。
「この、私が……敗れる、なんて……!」
 断末魔の叫びは響かず。
 蒼炎の向こう側に『大天使』エンケロニエルは、霧消していくしかなかったのである――。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年09月14日


挿絵イラスト