アルカディア争奪戦⑨〜青空市場とモーラビット
マグナ聖帝国の侵攻に抗う戦いに出立する決意をした「スーパーよいこ」達。
そして、或るひとりのよいこも、自由の翼を取り戻すために颯爽と空を翔け、いざ戦いに臨まんとしているだが。
でも……その前に。
実は、密かに気になっているものがあるのだった。
「聞いたか? 青空市場で『モーラビット』が再販されるらしいな!」
「また行列になるだろうなぁ、もふもふで可愛いもんな……」
「船出に連れて行くと、幸運の御利益があるらしいぞ」
スーパーよいこ達が住む浮遊大陸の島のひとつで、今話題になっている逸品。
「……『モーラビット』、か」
それは、もっふもふでふっわふわな『モーラビット』たる存在である。
●よいこの壮行、青空マーケット
この島には、魔獣の狩場や貴重な植物の群生地などが豊富にあるという。
故に良質で希少な素材が沢山手に入る為、様々な匠の職人や商人が多く集っている。
そして、戦いに出立するスーパーよいこ達の壮行としてこのたび開かれるのが、『青空マーケット』という市場である。
旅立ちに必要な、良質な武器や防具や日用品は勿論のこと。
お守りとして身に着けられるアクセサリー類や小物、何が出るかは分からない珍しい召喚石、長期保存が効く甘いものや、空の長旅に飽きないようなちょっと変わった面白グッズまで、多くの品が並ぶという。
例えば、まるで無数の星が瞬く夜空の様に、文字盤や蓋が煌めく懐中時計や羅針盤。
様々な輝きを放つ鉱石たちを閉じ込めた、様々なデザインのランプたち。
火廣金で加工したジョッキは、揺らめいて見える緋色の美しさもさることながら、保冷性にも富んでいて、酒飲みは勿論、万人に重宝する逸品だという。
アクセサリーでも、虹色真珠や遊色石などを使った繊細な意匠のものから、魔獣の骨や皮を使った男性でもつけやすいものまで、好みに合ったものが見つかるだろうし。
子連れの空旅で子供を飽きさせないような、格好良く精巧な魔獣素材の飛空艇プラモデルは、マニアな大人にも密かに人気。
小瓶に詰められた、ころりと大粒でカラフルな飴玉も、空旅の糖分補給には最適で。そんな小瓶に潜んでいるのは、ちょっぴり嬉しい星模様の当たりの一粒。
また別の瓶には、琥珀色に浸った各種フルーツの蜂蜜漬けや、極上の果実酒なんかも。
そして……特に大人気なのが、魔獣素材で人形職人が作ったぬいぐるみだ。
中でも、行列ができるほどの一番人気というのが、超絶ふわもこな『はねパカ』から抜けた毛を使って作成した『モーラビット』である。
この職人が以前、猟兵の活躍を目にした際に見かけたという、もふもふな存在。
その存在からインスパイアされて作成したという『モーラビット』は、まんまるふわもこ愛らしいお顔に長いお耳、背中には羽がついた兎のようなキャラだというが。これが、「癒される」「ぎゅってしたい」「一緒にお昼寝したら気持ち良くてやばい」「幸運の御利益があるっぽい」など、求める人が後を絶たない癒しの存在となったという。
この『モーラビット』の他にも、この職人はふわもこは勿論、リアルなものや格好良いものまで、様々な造形の人形やぬいぐるみを作っているというので。お気に入りの子を買って、連れて帰ってもいいのではないか。
そんな大人気な『モーラビット』の販売は、これまでも数度あったらしく。
このたび出立を決意したその『よいこ』も、購入をその都度試みたというが。
しかし、とてもよいこであるが故に、購入は叶わなかったのだという。
お年寄りの荷物を肩代わりして運んであげたり、迷子猫をおうちに帰してあげたり、後ろに並んでいる子に前を譲ってあげたりしている間に、買いそびれてしまったようだ。
だから出立する前に、再販される『モーラビット』を今度こそ買いたいと。
クールで無口なその『よいこ』はそっと思っているのだった。
●よいこタロウとモーラビット
「もふもふしているものは俺も大好きだ。戦にも癒しは必要だからな」
筧・清史郎(ヤドリガミの剣豪・f00502)は雅やかに微笑んだ後、話を聞きに来てくれた皆を見回して礼を告げ、そして予知の詳細を語り始める。
「現在、『アルカディアの玉座』を目指し、皆にも日々ブルーアルカディアの世界に赴いて貰っているが。この戦争は、猟兵と「|飛空艇艦隊《 ガレオンフリート 》」の共同作戦であり、勇士達の協力が必要不可欠だ。なので今回は、スーパーよいこが勇士になれるよう後押しをしてあげて欲しい」
スーパーよいこランドは、きのこを食べて育った超人「スーパーよいこ」達が住む浮遊大陸であり、現在『マグナ聖帝国』の侵攻を受けているが。
スーパーよいこのひとりが、よいことしてマグナ聖帝国の侵攻に抗う戦いに出立する決意を固めたようなのだという。
町では出立を祝う盛大な壮行が催されているので、これに参加して、スーパーよいこが勇士になれるよう応援してあげて欲しいという話である。
「今回壮行を兼ねて開かれているのは、様々な職人が店を構える『青空マーケット』。良質な魔獣などの素材で作られた、あらゆる品が並んでいるという」
そしてこのマーケットで一番の客足が予想されるのが、もっふもふ素材で作成されたぬいぐるみ『モーラビット』を販売する人形職人の店であるというが。
「このたび出立を決意したひとりのよいこが、よいこ故に、幾度かあった『モーラビット』の購入の機会を逃しているという。今回は、このよいこに『モーラビット』を手にしてもらい、心置きなく旅立てるよう、手を貸して欲しい」
そんな、これまでモーラビットを買いそびれている『よいこ』というのが。
「皆からは『よいこタロウ』と呼ばれているよいこだ。『よいこタロウ』はいわゆる愛称で、本当の名は誰も知らないというし、よいこ本人も『よいこタロウ』と呼ばれるのは満更でもないようだ」
何故、このよいこが『よいこタロウ』と呼ばれているのか。
それはよいこ故に、良いことをしても見返りを求めないので、名前を聞かれても「なに、名乗るほどの者ではない」と答えるクールなよいこだからだという。なので誰も名前を知らないので『タロウ』さんと呼ばれているようであるし、タロウの容姿は中性的な美形なので、性別も不明らしい。クールキャラ故に、タロウがモーラビットを欲しいと思っていることは、他のよいこは知らないようだ。
「とはいえ、タロウはよいこなので、自分だけ購入のために協力されることは良しとしない。なので、さり気なく行動する必要がある」
タロウはすごくよいこ故に、少々面倒臭いよいこだというので。
「タロウが手伝う前に、困っている人を皆が先に手伝ったり、迷い猫をおうちに帰してあげたりだとか。タロウのすぐ後ろに並んで、前を譲ろうとする善意を断ったりなど、タロウが無事にモーラビットを購入できるようにして欲しい」
タロウに接触せずとも、購入の妨げになることがないか、マーケットを楽しみながらパトロールするだけでもいいだろう。
清史郎はそこまで告げた後、皆を見回して。
「モーラビットか、どのくらいモフモフなのだろうか」
そうそわりとしながらも、満開桜を掌に咲かせて。
猟兵達を、ブルーアルカディアのスーパーよいこランドへと導く。
志稲愛海
志稲愛海です。
よろしくお願いいたします!
こちらは1章構成の「アルカディア争奪戦」のシナリオです。
※ご連絡※ 確実な受付期間【9/9(金)朝8:31~9/11(日)朝8:30迄】です。
追加冒頭はありません。
スーパーよいこランドで、壮行の『青空マーケット』が開催されていますので。
モーラビットを欲しがっているよいこの、出立の後押しをしてあげてください!
プレイングボーナスは、『よいこが勇士になれるよう応援する』です。
よいこに接触せずとも、見回りかねて青空マーケットを楽しむだけでもOKです!
むしろ協力に気付かれないよう、マーケットを存分楽しんでいただければと。
人助けの内容等も、可能そうなものでしたらご自由に設定いただければです!
青空マーケットの品も、世界観的に違和感がないものでしたら、
OPに書いているもの以外でも、お好きなものをご指定いただけますし。
モーラビットはすぐには売切れないので、欲しい方は勿論お求めいただけます。
今回のよいこ、『よいこタロウ』ですが。
名前も性別も不明で無口でクールな美形ですが、めっちゃよいこです。
クールですが可愛いもの好きなよいこなので、声掛けにも普通に応じてくれます。
また、プレイング冒頭に「🍄猟兵化希望」と記載していただきましたら、記載いただいた方のうち、1名様に「このスーパーよいこを猟兵にする権利」をお渡しします。作成は勿論強制ではありません。
該当者がいる場合は、シナリオ完結時の、リプレイの最終行にて告知いたします。
名前も性別も容姿詳細も、ご自由にしていただければです。
お声掛けあれば、案内役の清史郎や当方のグリモア猟兵もご一緒いたします。
どのグリモア猟兵でも、面識ありなしに関わらずお気軽にどうぞ。
●お願い
同行者がいる場合は【相手の名前(呼称可)と、fからはじまるID】又は【グループ名】のご記入をお願いします。
グループ参加の人数制限はありません、お一人様~何人ででもどうぞ!
ですが、同行者が参加していない場合は返金となる可能性もあります。
公序良俗に反する事、他人への迷惑行為、未成年の飲酒喫煙は厳禁です。
あとは皆様らしく、どうぞご自由に!
ご参加お待ちしています!
第1章 日常
『触れてみよう、その島の特産品』
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POW : 特産品の手作り体験に挑戦してみる
SPD : 特産品を市場などで買ってみる
WIZ : 特産品をより詳しく調べてみる
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
山立・亨次
(【動物と話す】多用)
迷い猫初めマーケット内で困っている動物たち(怪我をした鳥だとか)に
片っ端から声掛け家に帰したり助けたり
場合によってはホロケウやウパシチリにも手伝って貰おう
(猫の場合はウパシチリは俺の頭に逃げてるかも知れないが)
気難しくてそう簡単に心開いてくれない奴もいるかも知れないから
動物用のおやつも各種自作してきた
肉食用草食用、どっちもばっちりだ
ん、お前ら(ホロケウとウパシチリ)も欲しいのか
無事に終わったらな
しかし、モーラビットか
(ちょっと興味ある隠しもしないかわいいもの好き)
タロウとやらが買えたら後で俺も店覗いてみるか
在庫があればいいんだけどな
よいこの壮行を兼ねた青空マーケットが開かれている、スーパーよいこランド。
その光景は一見、戦いの最中にありながらも、平和なように見えるけれど。
刹那、いつものように肩にちょこんと乗っているウパシチリが何かを見つけたように、ひと鳴きしたのを聞いて。
「どうした? ……巣から落ちたのか」
山立・亨次(人間の猟理師・f37635)は、ぽてっと地面に転がってチィチィ鳴いている雛鳥に気付き、手のひらで掬い上げて。
動物と話す技能を駆使して事情を聞きつつも、怪我がないことを確認した後。
雛鳥が教えてくれた巣へと、そっと帰してあげる。
さらに暫く歩けば……ここはどこ? と。
にゃーっと不安そうに鳴いているのは、迷い猫さん。
肩のウパシチリは、ささっと頭の方に逃げてきたけれど。
「迷子か? そう警戒しなくても大丈夫だ」
亨次が声を掛けると同時に、黒柴のホロケウが尻尾をふりふり。
じっと窺うように自分達を見ている猫へと、とてとて近づいて。
「おやつでも食うか? 手製のささみジャーキーがあるが」
基本、大抵の動物は亨次の動物好きを見抜いてか、すぐに懐いてきたけれど。
迷子で不安なこともあり、猫さんは気難しい表情。
けれど簡単には心を開いてくれなさそうな猫さんへと亨次が差し出したのは、自作の動物用おやつ。
猫さん用のものだけでなく、肉食用草食用、おやつの準備はどちらもばっちり。
そして作戦通り、おやつにつられてそうっと歩み寄ってきた猫さんにジャーキーをあげながらも。
「ん、お前らも欲しいのか。無事に終わったらな」
ホロケウやウパシチリのおやつは、後のお楽しみ。まずは、猫さんのおうち探しから。
迷い猫さん当人からは勿論、ホロケウとウパシチリにも手伝って貰って、周囲の犬さんや鳥さんからも情報収集。
猫さんのおうちである、島のパン屋さんへと無事に送り届ければ。
次は、隙間に嵌って動けなくなっている羊さんを発見。
そんなこんなで……例のよいこタロウが世話を焼いて足を止める前に。
困っている動物たちを見つけては、片っ端から声を掛け、家に帰したり助けたりしている亨次。
そしてもふもふ羊さんを救出すれば、ふわふわだった手触りを思い返しながらも、ふと呟きを落とす。
「しかし、モーラビットか」
寡黙であって表情もあまり変わらないようには見えるけれど。
何気にそわりとした亨次は実は、隠しもしないかわいいもの好き。
そして、もふもふキュートだというモーラビットにちょっぴり興味を持ちつつも。
困っている動物さん探しのパトロールを再開する。
「タロウとやらが買えたら後で俺も店覗いてみるか」
モーラビットが売っているらしき店に早速できている行列を、亨次は見遣りながらも呟く。
……在庫があればいいんだけどな、と。
今回は沢山入荷しているようだから、大きなハプニングさえなければきっと、大丈夫そうです……?
大成功
🔵🔵🔵
エルレイ・シルバーストーン
はじめてブルーアルカディアに来て、もう好奇心満々で、市場をゆっくり歩きながら観光と取材をする
家族へのお土産も忘れない
長女に雲のシュシュや、飴玉とフルーツの蜂蜜漬け
長子に飛空艇プラモデル
夫と夫の相棒にお揃いの雲マフラー…きっと喜ぶでしょうね、と、くすっと笑う
そして夫婦でこっそり楽しむための、果実酒
あとははねうさ…じゃなくて、モーラビットですね…あら、どうしたの?
飴ちゃんを落として泣いている子に買ったお菓子をお裾分けして、
いい子だからもう泣かないでね?と頭なでなで
無事でモーラビットを手に入れたなら、
メビウスさんとアニエスちゃんは喜ぶかしら?名前は何にしようか?とか思いつつ、にやにやして帰路へ
どこまでも続く空の世界にぷかりと浮かぶ、島のひとつ。
スーパーよいこランドで開かれている青空市場内をゆっくりと歩いて。
きょろりと視線巡らせるエルレイ・シルバーストーン(銀石の霊絵士・f38147)は、わくわくそわり。
はじめてこのブルーアルカディアの世界に来て、もう好奇心満々で。
まるで絵本に出てきそうな空の風景や浮島を観光しつつ、取材をして回りながらも。
「この雲のシュシュ、可愛い……飛空艇プラモデルが買えるお店はどこかしら?」
マーケット内に並ぶ沢山の店で、家族へのお土産を買うことも忘れない。
長女には、もふもふ雲のシュシュに、ころんと小瓶に詰まった飴玉と甘いフルーツの蜂蜜漬けを。
長子には、ブルアカキッズに大人気であるという格好良い飛空艇のプラモデルを。
それからふと、さらに見つけたそれに、手を伸ばして。
「……きっと喜ぶでしょうね」
もふもふしながらも購入すれば、エルレイはくすっと笑み零す。
それは、夫と夫の相棒に買ったお揃いの雲マフラー。
そしてもうひとつ……手に取ったのは、大人だけの美味な秘密。
夫婦でこっそり楽しむための、果実酒。
そう一通り、目ぼしい家族へのお土産は買ったのだけれど。
「あとははねうさ……じゃなくて、モーラビットですね」
勿論、この市場で一番人気であるらしいモーラビットぐるみも買いにいきます!
けれど店へと向かおうとしたその足が、ふいにピタリと止まって。
「……あら、どうしたの?」
そっと屈んでエルレイが声を掛けたのは、道端で泣いている子。
「アメをね、落としちゃった……ひっく……」
足元を見れば、確かに地面に落っこちちゃっている飴が。
けれど、エルレイはその小さな手のひらに、ころころと。
買ったお菓子をお裾分けしてあげて。
「いい子だからもう泣かないでね?」
「……わぁ、これくれるの? ありがとう!」
手を伸ばして頭をなでなでしてあげれば、ぱっと咲く嬉しそうな笑顔。
そして今度こそ、モーラビットを売っているぬいぐるみやさんにできている列に並んで。
暫くして無事にゲットすれば、噂通りの極上の手触りをもふもふ堪能しながらも。
じいっとモーラビットとお見合いしつつ、ついにやにやしてしまう。
(「メビウスさんとアニエスちゃんは喜ぶかしら? 名前は何にしようか?」)
だって、家に帰ってからも、沢山の楽しみが待っているから。
大成功
🔵🔵🔵
レイシャン・ラディスティ
🍄猟兵化希望
基本的にサーちゃんに騎乗状態
そんなよいこなのですかー
じゃあ、旅立てるように応援してあげたいですねー
まずは困ってそうなひとを先に助けちゃいましょうー
道に迷ってる人をサーちゃんに乗せて目的地まで送り届けましょうー
サーちゃんは飛べるので、空から探せばすぐ辿り着けちゃいますねー
そういうのが終わったら、モーラビットはわたしも興味があるので列に並んじゃいましょうー
もちろんよいこタロウさんの後にですー
譲られるのはちゃんと断りますー
やって来た空の世界を、いつも通り気ままに、ゆうらゆら。
泳ぐように青空市場を揺蕩うのは、今日もひんやりしている氷海龍のサーちゃん。
そして、自分で移動するのが面倒……いえ、サーちゃんは空も飛べるから。
そんな氷海龍の上に乗っているレイシャン・ラディスティ(揺蕩う氷海・f27574)も、お揃いでちょっぴりひんやり。
氷海のような冷たさを感じさせる髪をふわり空に泳がせながらも。
ふいに、小さく首をこてりと傾ける。
「そんなよいこなのですかー」
そう呟きつつも思い返すのは、今回出立を決めたというひとりのよいこの話。
困っている人がいれば助け、自分が欲しい物でも人に譲り、良い行ないの見返りなど一切求めない。
そんなよいこ――『よいこタロウ』と皆には呼ばれているという人物のことを。
でも、そんなとてもよいこが密かに欲しいと思っているものを、旅立つ前に本人に手に入れて欲しいから。
「まずは困ってそうなひとを先に助けちゃいましょうー」
困った人を放っておけないよいこタロウよりも早く、困っていそうな人を見つけて助けるべく。レイシャンは、髪や尾鰭と同じように氷海の冷たさを湛える瞳を、きょろりと巡らせて。
「何か困り事でしょうかー」
不安そうに泣きべそをかいている子を発見。
声を掛ければ、マーケットを見ているうちに、母親と逸れてしまったとのこと。
だから、そんな迷子さんもサーちゃんに乗せてあげて。
「お母さんを探しましょうー」
「わ、ひんやり……って、いいの? ありがとう!」
ひらりと高い空から一緒に、青空市場全体を見回してみる。
サーちゃんは飛べるから、空から探せばすぐに見つかるし、あっという間に辿り付けちゃうから。
そして無事に見つけたお母さんの元へと、迷子さんを送り届けてあげれば。
再びサーちゃんとふたりで、空をひらりゆらゆら。
次に目指すは、そう。
「モーラビットはわたしも興味があるので列に並んじゃいましょうー」
モーラビットが売っている市場の店です!
ぬいぐるみ屋さんは噂通り、すでに行列ができているほど大人気で。
「モーラビットを買いにいくのか? ……先に並んでくれて、構わないが」
「譲ってくれるのは嬉しいですけど、わたしは大丈夫ですー」
店に向かう途中、同じ目的地だと察した、きっと『よいこタロウ』であるだろうよいこの申し出をきちんと断るレイシャン。
それから、よいこタロウがちゃんと前に並んだことを確認してから。
レイシャンとサーちゃんもすちゃりと、まだ在庫には余裕があるという、モーラビット再販列の最後尾に並ぶのだった。
大成功
🔵🔵🔵
ロラン・ヒュッテンブレナー
【書庫組】でお買い物なの
みんなでお出かけ、久しぶりだね
戦わなくていいのも、とてもうれしいの
一応、狼の聴覚を活かしてトラブルが起こってないか聞き耳はしておくね?
何かあったらみんなで駆けつけて解決なの
行きたい所、決まってる?
ぼくは、古本市があるって聞いてるから、そこに行きたいの
ぬいぐるみ、最後でいいの?
人気らしいから無くなっちゃうかもしれないよ?
さすが、いっぱい本があるね
アンおねえさん、どんなのを探すの?
ぼくは、歴史や伝記を探してるの
えっ、魔導書!?どれ?
アン・カルド
【書庫組】
戦争中だけど息抜きは必要、そういうことだね…え、違う?
…まぁどっちにしろ露店をまわるわけだし楽しもう。
メルヴォルド君はぬいぐるみをご所望かな?
僕の【縫包】君達もお友達が欲しそうだったし後で覗いてみようじゃあないか。
飴玉を買うなんて夜刀神君も少し子供らしいところがあったんだねぇ、後で一つ舐めさせてくれよ。
古本市もあるんだね、僕はそうだなぁ…たまに仕掛け絵本が読みたいな、ほら、絵が飛び出したり動いたりするやつ。魔導書もあるみたいだし魔術仕掛けでそういうものも…
…そろそろ歩き疲れちゃった、メルヴォルド君の言うように少し休憩しようじゃないか。
夜刀神・鏡介
【書庫組】
特別に買い物が好きって訳でもないんだが。こういう所に来ると気分が高揚するものだ
とりあえずは皆と一緒に、市場を見ながら歩いていこう。最後の目的地はぬいぐるみ屋か?
ところで仮称タロウくんは……お、いたな。遠巻きになんとなく様子を伺っておこう
なんとなく目に留まったので、小瓶の入った飴玉を購入。買ったら皆で分けようかな
いやいや、子供っぽいと言うがこういう甘味類は何かと役に立つんだぞ
困っている子供に宥めがてら分けてやるとかな
おっと、ロラン達は古本市を見逃す訳にはいかないか。そうだな、ちょっと見ていこう
魔導書の事は分からないので適当にパラパラと。せっかくだし小説でも買っていこう
メノン・メルヴォルド
【書庫組】
掘り出し物もありそうで、ワクワクするの
文字盤に鉱石を使った懐中時計を探しているのだけれど…ある、かしら
あと…その…もふもふモーラビットのぬいぐるみをワタシも買いたくて…
最後に寄らせてもらっても、いい?(恥ずかしそうに、もじもじ
ん、今回はたくさん用意されているんですって
鏡介くんは何を見ているの?
どの飴も美味しそう
古本市もあるのね
書庫組としては、何時間でもいられそう
ロランくん、こっちにも魔導書があるのよ
アンさんの欲しいもの、見つかった?
他のお客さんが落としそうになった1冊をキャッチ
これも小さな手助けになるといいのだけれど
いっぱい歩いたから喉が渇いた、ね
ドリンク屋さんで少し休憩しましょうか
戦火の真っ只中にある、ブルーアルカディアの世界。
訪れた『スーパーよいこランド』も現に、『マグナ聖帝国』の侵攻を受けているが。
「みんなでお出かけ、久しぶりだね」
……戦わなくていいのも、とてもうれしいの、と。
ちょっぴりわくわくしたように尻尾をそわりと揺らす、ロラン・ヒュッテンブレナー(人狼の電脳魔術士・f04258)の言う様に。
今回この地を訪れた目的は、戦闘ではない。
アン・カルド(銀の魔術師、或いは銀枠の魔術師・f25409)も、賑やかなスーパーよいこランドを皆と歩きながら。
「戦争中だけど息抜きは必要、そういうことだね……え、違う?」
息抜きを楽しみます……??
現在、この町で開かれているのは、沢山の店がずらりと並んだ青空マーケット。
いや、市場を楽しく巡って息抜き……でも、決して間違いではないのだけれど。
「ところで仮称タロウくんは……お、いたな」
……遠巻きになんとなく様子を伺っておこう、と。
夜刀神・鏡介(道を探す者・f28122)がふと目を向ける先には、ひとりのよいこの姿が。
開催されているこの青空マーケットは、戦いに出立する決意を固めたよいこの出立を祝う盛大な壮行なのである。
そして、よいこタロウと皆から呼ばれているよいこも、いざ旅立たんとしているよいこのひとりであるが。
戦いへと赴く前に、あまりにもよいこすぎてこれまで買えずにいるという、ふわもこ『モーラビット』ぬいぐるみを手に入れて貰うべく、協力しようと。
今回請け負ったのは、そういう依頼なのであるが。
「……まぁどっちにしろ露店をまわるわけだし楽しもう」
「掘り出し物もありそうで、ワクワクするの」
猟兵のお仕事ではあるものの、メノン・メルヴォルド(wander and wander・f12134)もアンにこくりと頷きつつ、好奇心に煌めく緑の視線をきょろりと巡らせて。
「特別に買い物が好きって訳でもないんだが。こういう所に来ると気分が高揚するものだ」
今のところ、よいこタロウがその足を止めるようなことはなさそうだと確認しつつも。
(「最後の目的地はぬいぐるみ屋か?」)
よいこタロウの欲しがっているモーラビットが再販される店を最終的には目指しながらも。
とりあえずは皆と一緒に、市場を見ながら歩いてみることに。
ロランも賑やかな市場を心弾ませつつ行きながらも、一応狼の聴覚を活かしてトラブルが起こってないか、聞き耳は立てておくことに。何かあったら皆で駆けつけて解決できるように。
ということで、よいこタロウのことは気に掛けながらも。
「行きたい所、決まってる?」
「文字盤に鉱石を使った懐中時計を探しているのだけれど……ある、かしら」
ロランが訊ねれば、メノンが気になっているのは、小耳に挟んだ懐中時計屋さん。
そして、ロランはやっぱり。
「ぼくは、古本市があるって聞いてるから、そこに行きたいの」
いや、古本市と聞けば。
「古本市もあるんだね」
「古本市もあるのね」
ロランだけではなく、そうアンとメノンもふたり同時に、同じ声を上げて。
そんな皆の声を聞きながら鏡介も頷く。
「おっと、ロラン達は古本市を見逃す訳にはいかないか」
……そうだな、ちょっと見ていこう、と。
というわけで、古本市へは立ち寄ることにするけれど。
メノンはふと、そうっと皆を見回しつつ。
「あと……その……もふもふモーラビットのぬいぐるみをワタシも買いたくて……最後に寄らせてもらっても、いい?」
ちょっぴり恥ずかしそうに、そうもじもじ訊いてみるけれど。
どのみち、よいこタロウが目指しているのも、ぬいぐるみ屋であるし。
「メルヴォルド君はぬいぐるみをご所望かな? 僕の縫包君達もお友達が欲しそうだったし後で覗いてみようじゃあないか」
「ぬいぐるみ、最後でいいの? 人気らしいから無くなっちゃうかもしれないよ?」
「ん、今回はたくさん用意されているんですって」
もふもふモーラビットも、後で買いに行くことに。
そしてその道中にある沢山の店も、皆でぐるりと見ながら巡ってみれば。
「あ、この懐中時計、とっても素敵。でも、こっちのデザインもかわいいの……」
メノンはそう目移りしながらも、いくつも並ぶ懐中時計たちと睨めっこ。
それから所望していた通り、文字盤に鉱石が使われている懐中時計をひとつ、ほくほく購入してから。
「鏡介くんは何を見ているの?」
別の店先で足を止めている鏡介と並んで、その視線を追ってみれば。
「なんとなく目に留まったし、皆で分けられるかなと」
「どの飴も美味しそう」
伸ばした彼の手が取ったのは、飴玉が詰まった小瓶。
そんな鏡介の選んだものを見て、意外そうに口にするのはアン。
「飴玉を買うなんて夜刀神君も少し子供らしいところがあったんだねぇ、後で一つ舐めさせてくれよ」
「いやいや、子供っぽいと言うがこういう甘味類は何かと役に立つんだぞ」
鏡介はそう返しながらも、飴の小瓶を購入した後。
……困っている子供に宥めがてら分けてやるとかな、って。
ふと、目の前でこてんと転んで泣いちゃった子にひとつ、飴玉をお裾分け。
そしてそんな飴玉に大喜びして泣き止んだ子を見送りながらも。
次に皆で足を運ぶのは、そう。
「さすが、いっぱい本があるね」
「書庫組としては、何時間でもいられそう」
沢山の本が所狭しと並ぶ、楽しみにしていた古本市。
ロランは尻尾をそわそわ、逸る様にゆらり揺らしながらも。
「ぼくは、歴史や伝記を探してるの。アンおねえさん、どんなのを探すの?」
「僕はそうだなぁ……たまに仕掛け絵本が読みたいな、ほら、絵が飛び出したり動いたりするやつ」
それから続けたアンの言葉に、思わずお耳がぴこりっ。
「魔導書もあるみたいだし魔術仕掛けでそういうものも……」
「えっ、魔導書!? どれ?」
だって、魔導書には目がないから。
そんなきょろきょろと視線を巡らせる彼を、メノンは手招きして。
「ロランくん、こっちにも魔導書があるのよ」
いくつか手にした仕掛け絵本を開いて吟味しているアンに訊ねてみる。
「アンさんの欲しいもの、見つかった?」
「そうだなぁ……これなんてどうかな? なかなかのものじゃあないか」
「わ! 飛び出す飛空艇と、色が変わる空がすごいの……!」
そんなこの世界ならではな、飛空艇の空の冒険が描かれた魔法の仕掛け絵本に、瞳をぱちくりさせた後。
メノンはふと、咄嗟に手を伸ばして支える。
通りかかった女の子がうっかり触れた本の山が、ぐらりと揺れたことに気付いて。
そんな機転で間一髪、本の雪崩が起きるのを防いだメノンはホッとしつつも、そっと思うのだった。
……これも小さな手助けになるといいのだけれど、って。
鏡介も高い位置にある本を小さい子に取ってあげたりしつつも。
魔導書の事は分からないので、適当にパラパラと目についた本を開いたりしていたが。
(「せっかくだし小説でも買っていこう」)
手にしてみたのは、やはりこの世界っぽい、空の冒険譚。
ロランも歴史本や伝記本、そして勿論、魔導書もほくほく購入して。
色々な店を廻り、満足いく楽しい買い物を存分に満喫するけれど。
「いっぱい歩いたから喉が渇いた、ね。ドリンク屋さんで少し休憩しましょうか」
「……そろそろ歩き疲れちゃった、メルヴォルド君の言うように少し休憩しようじゃないか」
次は、美味しそうなドリンク片手に、これまでの戦利品をわくわくお互い見せ合いながらも。
もふもふモーラビットをお迎えに行く前に、少しだけ青空カフェで、ひと休み。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
月舘・夜彦
【華禱】
えぇ、私もそう思いました
兎には月とツキをかけて縁起が良い動物とされていましたからね
それに見た目も愛らしいので通じるものがあるのかと
ね?と空を飛んでいるましゅまろに話し掛ければ、きょとんと首を傾げている様子
ふふ、どの世界にも愛らしい形というものはあるのですよ
注目を浴びるのはしょこらに任せましょう
負けず嫌いで活発なあの子ならば大丈夫です
その姿に触れてみたいという方が出てきた時こそましゅまろの出番です
大人しく、人見知りもしないので触らせてくれるはずです
それぞれ気を引いて、無事によいこタロウ殿がぬいぐるみを入手できたら解散です
お疲れ様でした、彼等にもご褒美をあげなければなりませんね
篝・倫太郎
【華禱】
清史郎の説明聞いた感じだと……
ちょっとこいつらに似てない?
肩に掛けられた状態でダレているしょこら
その額をむいむい突きながら夜彦へとそう笑って告げれば
なんですと?
みたいな顔でヤル気になって見せてくる
よっし、モーラビットぬい買いに行こうとしてる島の人達を
お前の愛くるしさでメロメロにしちまえ!
そう煽れば……もとい、後押しすれば
しょこは大道芸みたいな感じで色々な芸を披露する
跳んで跳ねてダンス……からの羽ばたき
島民に愛想を振りまくのも忘れない!
しょこさんってば、ぐう有能!
よいこタロウが無事にぬいゲット出来たら
ましゅしょこのショーは終幕!
よっし!折角だし……
ご褒美兼ねて何か美味いもん喰ってこうぜ?
激しい戦いが続いている空の世界に浮かぶ『スーパーよいこランド』。
そんな戦いの中でも賑やかで活気に満ちたその町を歩きながら。
篝・倫太郎(|災禍狩り《 厄を狩り還す者 》・f07291)はふと、何かを思案するように首を傾けてみせた後。
すぐ隣にいる月舘・夜彦(宵待ノ簪・f01521)へと、紡ぐ。
「清史郎の説明聞いた感じだと……ちょっとこいつらに似てない?」
だらんと己の肩に掛けられてダレている、しょこらの額をむいむい突きながら。
そしてそう笑って告げられれば、夜彦もほわりと笑み返し頷いて。
「えぇ、私もそう思いました」
ほわほわ微笑みながらも、真面目な彼らしい言の葉で続ける。
「兎には月とツキをかけて縁起が良い動物とされていましたからね。それに見た目も愛らしいので通じるものがあるのかと」
それから――ね? と。
いつものようにマイペースな様子で、ぱたぱた空を飛んでいるましゅまろに話し掛ければ。
首を傾げて、きょとん。
そんな姿を見つめつつ、夜彦は翡翠のいろを柔く細める。
……ふふ、どの世界にも愛らしい形というものはあるのですよ、って。
そしてふたりの会話を聞いて、ぴょこりと。
ピンとお耳を立てて――なんですと? みたいな。
俄然ヤル気になった顔をするしょこらを見て、倫太郎はこくりと大きく頷いてから。
すかさず、颯爽と言い放つ。
「よっし、モーラビットぬい買いに行こうとしてる島の人達を、お前の愛くるしさでメロメロにしちまえ!」
それからそう煽れば……いえ、びしっと後押しすれば。
張り切って、ぴょこんっと地を蹴って……ぴょんぴょん、くるりん!
宴会で覚えたダンスだって、くるくるきらりっ。大道芸のように色々な芸を披露します!
そんなしょこらを、町の人が放っておくわけなどなく。
「わぁっ、モーラビットみたいなうさぎさんがうごいてる!」
「すごーい! かわいい!」
人々の歓声が上がれば、それにこたえるように、お耳をぴょこぴょこ。
――しょこさんってば、ぐう有能!
倫太郎の言う様に、完全にその姿は有能すぎるアイドルそのもの。
島民の皆さんに愛想を振りまくのも忘れません!
そんな様子を微笑まし気に見守りながらも。
「注目を浴びるのはしょこらに任せましょう」
……負けず嫌いで活発なあの子ならば大丈夫です、と。
モーラビットより自分を見て! と言わんばかりのしょこらの姿に頷いた夜彦は。
「ね、うさぎさん……さわっても、いいですか?」
そうっと声を掛けてきた女の子に、ええ勿論、と優しくこくりと頷いてから。
いざ、大人しくて人見知りもしない、ましゅまろの出番です……!
じいっとしつつも撫でられれば、お鼻やお耳をひくひくぴこり。
「わぁ……あったくて、やわらかーい」
「いいなー! ぼくもなでなでしていい?」
しょこらと一緒に、人々の目を釘付けです!
それから2匹が、十分すぎるほど島の人たちの気を引いている間に。
夜彦と倫太郎は確認してそっと頷き合う。
モーラビットぐるみが再販される店の列に、無事によいこタロウが並んだのを見て。
そんなタロウの後ろにさり気なく並んでいるのも猟兵の仲間のようだから、これできっと大丈夫。
そう確信すれば――大盛況だった、ましゅしょこのショーも終幕!
「お疲れ様でした、彼等にもご褒美をあげなければなりませんね」
まだまだ元気にぴょんぴょん跳ねているしょこらと、やっぱりじいとしているましゅまろ、それぞれにそう夜彦は笑んで。
倫太郎も、本日のアイドルたちをわしゃりと優しく撫でてあげつつも、よっし! と。
夜彦と一緒に、2匹を連れて、仲良くぐるりと青空マーケットを巡り始める。
折角だし……ご褒美兼ねて何か美味いもん喰ってこうぜ? って。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
オヴィリア・リンフォース
モーラビットと聞いて驚いたけれど、
知っている存在とは別だったのです
よいこタロウさんがモーラビットを
手に入れられるよう陰で頑張るのです
猫さんの捜索は任せるのです
世界は違えども猫は猫
隠れられそうな場所はお見通しなのです
他に落とし物をして困っていそうな人がいるなら
よいこタロウさんが行動する前に
見つけてあげるのです
モーラット達にも協力してもらうのです
お礼に青空マーケットに売っている飴玉やフルーツが
入った小瓶をプレゼントしてあげるのです
喜ぶ姿が目に浮かぶのです
よいこタロウさんがモーラビットを
無事に購入するのを見届けたなら同じ購入するのです
モーラット達に似ているか見比べるのです
ご主人へのお土産にするのです
モーラビットと聞いた時は少し驚いたけれど、世界も違うし、ぬいぐるみだというし。
実際にちらりとお店を覗いてみれば、知っている存在とはやはり別で。
オヴィリア・リンフォース(銀色の魔女猫・f25140)の知っているモーラビットは、ピンとした長いお耳に真っ赤なおめめ、そしてモーラットを食べようとするようなちょっぴりこわいもふもふだけれど。
たらりとした垂れ耳に、オヴィリアが知っているモーラビットというよりはパッと見、人形作家がインスパイアを受けたというモーラットに似たまんまるボディー、短いおててのぬいぐるみの姿がそこに。
それを確認してからオヴィリアは、ここに来た目的を成すべくとことこ歩き出す。
(「よいこタロウさんがモーラビットを手に入れられるよう陰で頑張るのです」)
よいこすぎてこれまでモーラビットぐるみを買えなかった、ひとりのよいこに協力するために。
そしてパトロールを兼ねて、賑やかな青空マーケットを巡っていれば。
にゃーと、何だか心配げな猫さんの鳴き声。
そんなお母さん猫から事情を聞けば、子猫が1匹いなくなったとのこと。
ということで――世界は違えども猫は猫。
……猫さんの捜索は任せるのです、とオヴィリアは早速きょろりと視線を巡らせて。
(「隠れられそうな場所はお見通しなのです」)
てくてく、市場内を歩いていれば……可愛いお尻と尻尾だけ、ぴょこり。
落ちていた紙袋から覗いているのを見つけて、にゃーと声を掛ければ……子猫発見!
「困ったわ、お財布おとしちゃった……黄色の花模様の財布だから、目立つと思うんだけど……」
さらにそう呟きを聞けば、よいこタロウさんが行動する前に、と。
モーラット達にも協力してもらって、今度はお財布大捜索!
その間に……喜ぶ姿が目に浮かぶのです、と。
オヴィリアが青空マーケットで買っておくのは、モーラット達へのプレゼントする、飴玉やフルーツが入った小瓶。
それから、よいこタロウがモーラビットを無事に買えたら自分も同じものを購入しようと、そうオヴィリアは思うのだった。
(「ご主人へのお土産にするのです」)
そして――モーラット達に似ているか見比べるのです、と。
大成功
🔵🔵🔵
栗花落・澪
モーラビット欲しい
とりあえず彼が並べるまで見回り…あ、あの蜂蜜漬け美味しそう!
懐中時計綺麗…
誘惑が多い!
数種類の蜂蜜漬けを食べ歩き
念のため物陰で【指定UC】も発動し小さな分身達と分担
太郎君、でいっか
困り事を見つけたらすぐに教えてね
複数ある場合は彼の現在地に近いものから優先
子供が泣いて困ってる親御さんがいたら優しい【歌唱】で寝かしつけを手伝い
迷子は怖がらせないよう気をつけながら抱えて低空飛行
ご両親見つけたら教えてね
あ、迷い犬猫は積極的に保護します
もふもふ
飼い主さんどこですかー!
あとは彼の後ろに並んでモーラビット買います
順番は気にしないで
君が先に並んでたんだから
もふもふ…♪(モーラビットだっこ
空の世界に浮かぶ『スーパーよいこランド』へと、栗花落・澪(泡沫の花・f03165)がやって来た理由、それは――。
(「モーラビット欲しい」)
もっふもふふわふわだと噂の、モーラビットぐるみが欲しいのです!
いえ、モーラビットは確かにめっちゃ欲しいのだが。
「とりあえず彼が並べるまで見回り……」
そう、これまでよいこすぎて買いそびれているというよいこタロウが、モーラビットをゲットできるべく協力するため。
……なのだけれど。
「……あ、あの蜂蜜漬け美味しそう!」
色々な砂糖漬けのフルーツがぎゅっと詰められた小瓶に目を奪われて。
「懐中時計綺麗……」
通りかかった時計屋に並んでいる、キラキラした文字盤の懐中時計たちをつい、じいっ。
けれど、ハッと顔を上げて――誘惑が多い! と。
首を小さくふりふり、澪は再び歩き出す。
とはいえ、やはり市場だって楽しみたいから。
結局ばっちり買っていた数種類の蜂蜜漬けをはむり、食べ歩きしながらも。
物陰で小さな分身達を喚び出せば、分担して市場に解き放つ。
「困り事を見つけたらすぐに教えてね」
……太郎君、でいっか、なんて。
見返りを求めないがゆえに名前を知られていないという、よいこのことは。
そうこう見回りしつつ、マーケット内を歩いていれば。
澪は、つぶらな瞳を思わずぱちり。
くぅん、と不安そうに鳴く子犬の姿を見つけて。
そして勿論――積極的にもふもふ保護!
「飼い主さんどこですかー!」
そう探してあげればほどなく、無事に見つかる飼い主さん。
うっかり隙間に入っちゃった猫さんや、親鳥からはぐれた雛鳥さんも、もふもふ保護して手を貸してあげて。
人や動物さんの困り事もひと段落、澪は嬉々としてすちゃりと並ぶ。
大人気なモーラビットの再販の列に。
そして後ろに並んだ自分に前を譲ってくれようとするよいこタロウに、澪はこう告げる。
「順番は気にしないで。君が先に並んでたんだから」
そんなモーラビットの購入順はもうちょっと先みたいだけれど。
よいこタロウも自分も、このままであれば無事に買えるみたいなので。
澪はサンプルとして抱っこさせて貰ったモーラビットを、ぎゅうっ。
「もふもふ……♪」
わくわくゆっくり順番を待ちながらも、その抱き心地に思わず笑みがほわり。
大成功
🔵🔵🔵
レモン・セノサキ
アドリブ◎
クールで無口、それでいて実はカワイイもの好き
まるで何処かの剣狐な相棒じゃんか、親近感湧くなー
よいこの為におねーさんが一肌脱ぎますか
UC発動、出番だニセモノ達!
番号!
「1!」「2!」「飛んで119!」
OKOK端折り過ぎだな?!
まぁいいや、今作戦はスタッフに扮してさり気無く先行人助けだ
迷子の保護からお爺ちゃんの入れ歯捜索まで
困ってる人を一人残らず――|狩るぞ《・・・》
チーム"CLONE"、散開!
『HMDアイバイザー』でニセモノ達の位置を把握
各自無線機で連携だ
あれ、どしたの五十嵐センセ
――……あー、隊長より各員。
センセの奥さんを見つけたら「迷子、保護してます」ってお伝えするよーに。いじょ。
青空市場開催で賑わう、『スーパーよいこランド』を歩きながらも。
(「クールで無口、それでいて実はカワイイもの好き。まるで何処かの剣狐な相棒じゃんか、親近感湧くなー」)
レモン・セノサキ(|Gun's Magus《 魔砲使い 》・f29870)は、話に聞いたよいこ――よいこタロウに、そんな感情を抱きながらも。
……よいこの為におねーさんが一肌脱ぎますか。
そうこくりと、大きくひとつ頷いた、刹那。
――集えよニセモノ――物量戦だ。
「出番だニセモノ達! 番号!」
乱符・複製偽身符をもっていざ、颯爽と号令をかければ。
「1!」
「2!」
「飛んで119!」
「OKOK端折り過ぎだな!?」
オッケーオッケー、大丈夫、何も問題ありません!
3から118まで一気に飛ばしたけれど、まぁいいや、と。
「今作戦はスタッフに扮してさり気無く先行人助けだ。迷子の保護からお爺ちゃんの入れ歯捜索まで、困ってる人を一人残らず――狩るぞ……」
ということで!
――チーム"CLONE"、散開!
そして散り散りにそれぞれ作戦を遂行するべく探索するニセモノ達の位置を『HMDアイバイザー』で把握して。
各自無線機で連携をはかり、順調に事にあたっていたレモンだけれど。
「やっべ、このぬいぐるみ可愛すぎじゃね? 娘にむしろ全部買ってていいよな?? ぬいぐるみだっこする娘とか天使すぎる……って、あれ??」
何だか見覚えのありすぎる赤い三十路を発見して。
首を傾げている様子に、声を掛けてみれば。
「あれ、どしたの五十嵐センセ」
「あ、レモンじゃねーか。いや、さっきまで、奥さんと一緒だったはずなんだけど……」
可愛いぬいぐるみとそれをだっこする娘の妄想に現を抜かしている間に、いつの間にか置いていかれてひとりになっていたらしい。
ということで、再び。
「――……あー、隊長より各員」
無線機で各ニセモノに、レモンは新たなミッションを発動する。
――センセの奥さんを見つけたら「迷子、保護してます」ってお伝えするよーに。いじょ、と。
大成功
🔵🔵🔵
成田・且胤
🍄猟兵化希望
WIZ
「可愛い物好きとなると女の子のような気がするでござるが」
先入観に惑わされてはダメでござるよね
市場を歩き回ってモーラビットを購入、タロウ殿と遭遇したなら「頼まれたモノだと思い購入したものの、頼まれ物と違っていて処分に困っている」と言う態で引き取って貰えないか申し出る
「ティーダ=サン、よろしく頼むでござるよ」
頼んだ人物役が必要なら愛馬にサキュバス姿になって貰う
「そういえば、この辺りからもスーパーよいこが旅立つそうでござるな」
「こう見えて俺は複数のスーパーよいこの旅立ちに立ち会ってきた男でござる故……ティーダ=サン?」
「ま、まあ、そういう訳で、頼ってくれても構わないでござるよ?」
ブルーアルカディアの空に浮かぶ浮島のひとつ――『スーパーよいこランド』。
このスーパーよいこ達が住む地にこうやって足を踏み入れたのは、これで何度目だろうか。
そう、相棒のティーダさんと共に颯爽とやって来たのは、成田・且胤(今邢道栄・f36853)。
今回旅立つことを決意したスーパーよいこは、名前も性別も不明だというが。
その整った顔立ちやクールな所作は、中性的な美男子にも見えるし、凛々しいツンデレ美女にも見えるけれど。
「可愛い物好きとなると女の子のような気がするでござるが」
モーラビットなるもふもふ人形を欲していると聞けば、そう予想してみる且胤であるが。
……先入観に惑わされてはダメでござるよね、と。
改めて、この島で開催されているという青空市場を歩き回ってみる。
いえ……ちょっぴり女の子であればいいなんて願望も、あるとかないとか。
そして今回の任務は、心置きなくひとりのよいこ『よいこタロウ』が旅立てるように。
タロウがこれまで買いそびれているというモーラビットぐるみをゲットしてもらうべく、そっと協力することであるが。
そのための作戦も、既にばっちりと立てているのである!
(「市場を歩き回ってモーラビットを購入、タロウ殿と遭遇したなら「頼まれたモノだと思い購入したものの、頼まれ物と違っていて処分に困っている」と言う態で引き取って貰えないか申し出るでござるよ」)
頼んだ人物役が必要かもしれない……? ええ、それも勿論、想定済みです。
「ティーダ=サン、よろしく頼むでござるよ」
その時は、愛馬のティーダにサキュバス姿になって貰うつもりである。
そしてぬいぐるみ再販の列に並ぶべく歩いていれば……例のタロウに、ばったりと遭遇したから。
「そういえば、この辺りからもスーパーよいこが旅立つそうでござるな」
「旅立つよいこ、か……自分も、そのひとりだな」
あまり表情は変わらないが、よいこ故にそう律儀に言葉を返してきたタロウに。
且胤は作戦決行の為、相手がよいこだとは知らないフリをしつつも口にする。
「おお、そうだったでござるか。こう見えて俺は複数のスーパーよいこの旅立ちに立ち会ってきた男でござる故……ティーダ=サン?」
何だか物言いたそうな、ティーダ=サンの視線を感じながら。
そして、再販の列に並ぶ前に、頼まれたおつかいをするのだというタロウとの一時の別れ際に、且胤はこう続けておく。
「ま、まあ、そういう訳で、頼ってくれても構わないでござるよ?」
美形の男かもしれないけれど、美人な女の子かもしれないタロウを見送りながらも。
それから再び会った時に渡すために、モーラビットぐるみを買いに。
女の子にも大人気だという市場のぬいぐるみ屋へと向かうのだった。
大成功
🔵🔵🔵
南天庵・琥珀
モーラビット
名前からしていい響きだ
是非とも俺も欲しい
しっかり列に並ぼう
勿論、タロウの後にな
……うん?
前を譲ってくれるのか、ありがとう
けれど困ったな
そうなると俺もお礼に譲り返したくなるな
多分これ堂々巡りになるぞ
解った、いいこと思いついた
一緒に並ぼう!(ひょいと隣へ)
そう言えば名前は何て言うんだ?
(初めて聞いた体で)
タロウって呼ばれてるのか
じゃあ、タロウ
俺は琥珀って言うんだ
改めてよろしくな
ん、何でって?
折角こうして知り合えたんだから
友達になりたいじゃないか
(モフモフ好きだしそっちの話題で語り合うことも出来そうだし)
なってくれないか? 友達
ん、これからよろしくな(にこ)
お、そんなこと言ってる間に売り場まで辿り着いたな
モーラビットの他にも色々いるんだな
これは目移りしてしまうな……
全種類は無理だけど、もう2、3匹くらいお迎えしようかな
小遣いもばっちりこっちの通貨に換金してきたし
……仕事仲間に協力して貰ったけど(ぼそり)(算数苦手)
あ、そうだ
先生にもお土産買って帰ろうかな
こういうの好きそうだしな
これは猟兵としての任務、それは勿論なのだけれど。
(「モーラビット、名前からしていい響きだ」)
……是非とも俺も欲しい、と。
もっふもふかわいいらしいモーラビットに、そわり。
ということで早速、すでに沢山の人で賑わっている店の列に並ぶ、南天庵・琥珀(ナイトタイムドリーマー・f36445)。
しっかりと抜かりなく、よいこタロウと呼ばれているよいこの後ろに。
そんな琥珀にちらりとクールな印象の視線を向けて。
「君は、この島のよいこではないようだが……観光客か?」
そう話しかけてきた、よいこタロウ。
タロウの言動はあくまでクールな印象ではあるが。
「ん、まぁそうかな」
「観光客ならば、そう何度も来られないだろう。自分はこの島のよいこだから、買う機会はまたある。よかったら前に並ばないか」
やはり、聞いた通りのスーパーよいこであった。
これでは毎回モーラビットを買いそびれるのも分かる気がするが。
「……うん? 前を譲ってくれるのか、ありがとう」
琥珀はタロウに礼を告げた後、大きく首を傾げてみせて。
「けれど困ったな、そうなると俺もお礼に譲り返したくなるな。多分これ堂々巡りになるぞ」
「お礼など不要だ。自分は当然のことをしたまで……」
「解った、いいこと思いついた」
ひょいっと一歩前へと踏み出して続ける。
……一緒に並ぼう! って。
そんな琥珀の提案に、タロウは特に何も言わなかったが。
本当に前ではなくていいのだろうか、と内心思っているだろうことは、さり気なくそわそわしているその様子から分かる。どこまでもよいこである。
むしろ素直なので、ちょっぴり嬉しそう。
それから琥珀は、隣に並ぶタロウに訊ねてみる。
「そう言えば名前は何て言うんだ?」
「名乗るほどのよいこではないが……島の皆は『よいこタロウ』とか、それを略して『タロウ』と呼んでくれているな」
そう返ってくることは、知っていたけれど。
いや、普通ならば、そのネーミングセンスどうなの、というあだ名な気がしないでもないが。
それも好意的に受け止めているタロウ。何せ、よいこだから。
そして名付けた島の人達もきっと善意で呼んでいるに違いない。だって、みんなよいこだから。
「タロウって呼ばれてるのか。じゃあ、タロウ。俺は琥珀って言うんだ」
「琥珀か、綺麗で良い名前だな」
相変わらずクールなように見えるがそう返してきたタロウへと。
琥珀は続ける――改めてよろしくな、と。
そう告げれば、意外そうにきょとりとするタロウ。
そんな様子を見遣りながらも琥珀は告げる。
「ん、何でって? 折角こうして知り合えたんだから、友達になりたいじゃないか」
……なってくれないか? 友達、って。
いや、猟兵としての任務のためではなく、普通に思うから。
(「モフモフ好きだしそっちの話題で語り合うことも出来そうだし」)
そしてその言葉に、タロウは少し驚いたようであるものの。
「友達……自分でよければ」
こくりと頷いた表情は、何気にとっても嬉しそう。
琥珀はそんなタロウに、にこ、と笑み返しながらも。
「ん、これからよろしくな」
「ああ……よろしく」
モフモフ談義に花を咲かせ、もふもふかわいいモーラビットに一緒にわくわくしていれば。
「お、そんなこと言ってる間に売り場まで辿り着いたな」
「いよいよ順番か」
自分が手に入れる前に、どうしても欲しい人や困っている人はいないかと、タロウはよいこ故に周囲を見回しているけれど。
他の猟兵達がそのあたりは対処してくれたため、心置きなくタロウもモーラビットを手にできそうだ。
「モーラビットの他にも色々いるんだな。これは目移りしてしまうな……」
「このモフモフの子は、琥珀が持っている機械のケースの柄の子に似ているぞ」
「ん、機械? あ、スマホか。確かに、その子もケルベビみたいでかわいいな……タロウはモーラビットだけにするのか?」
「頼まれた分と自分のものと、2体モーラビットを買おうかと。ふたつも買っていいものか、悩むが……」
そう楽しくふたりで話しつつ、モーラビットは勿論、ぐるりと沢山のもふもふを見遣って。
琥珀は、自分のものを買うかを悩むタロウの後押しも当然忘れない。
「いいんじゃないか? まだ沢山あるみたいだしな。俺も、全種類は無理だけど、もう2、3匹くらいお迎えしようかな。小遣いもばっちりこっちの通貨に換金してきたし」
……仕事仲間に協力して貰ったけど、なんて。
琥珀は、そうぼそりと呟きを落としながら。算数、苦手なのです。
そして無事にタロウが2体のモーラビットを買ったことを見届けた後。
「あ、そうだ。先生にもお土産買って帰ろうかな」
……こういうの好きそうだしな、と。
手に取ったのは、ゆるっとかわいい親子のもふもふモーラビットぐるみ。きっと大喜びすること、間違いなしです。
大成功
🔵🔵🔵
花走・りな
🍄猟兵化希望
ア゛ア゛ア゛
友人達の頼みでモーラビットを買う為にわざわざこの町に来たのに、転んで足を痛めてしまったー
コレはいけないねぇ数日は安静にしなきゃ今後のアスリート人生に影響がでちゃうかもしれない。
そこのなんか|親切そうな人《よいこタロウ》。どうか私の代わりにモーラビット2つ買ってきてくれないかい?
お金は渡すから
理由付けしてあげれば購入に間に合うように店に向かってくれるでしょ 多分
ついでに自分の分を買ってると思うけど、もし買ってなさそうなら無理やりひとつ押し付ける
UC【ダラダラモード】使用
(お釣りを返してもらう時に手を握って)お礼のモーラビットを受け取るまで絶対にこの手は離さないよー
見返りを求めないのはいい事だけど程度が過ぎると、逆に裏がないか怪しまれて面倒事になる可能性だってあるんだから
私からのお礼ぐらいちゃんと受け取りなぁ。
(よいこタロウ用のモーラビットがちゃんと買えてた場合はお釣り分のお金をお礼に出す)
(自分が手に入れた分は後日友人に、余れば自分用に)
※アドリブ・連携歓迎
無事に先程、猟兵達の影ながらの協力のおかげで。
モーラビットを2体購入できた、『よいこタロウ』であるが。
タロウがふたつ買った経緯は、実は事前にこんなやりとりがあったのであった。
それはタロウが、モーラビットが再販されるというぬいぐるみ屋に向かう途中。
――ア゛ア゛ア゛。
「……!」
ふと聞こえた多分呻き声に、タロウが足を止めれば。
ごろごろと地面を転がっているひとりの少女の姿がそこにはあったのだ。
そして勿論。
「どうした、大丈夫か? 困り事か?」
その少女――花走・りな(あの|喝采《 アプローズ 》に憧れて・f37819)にすかさず駆け寄るよいこタロウ。
「友人達の頼みでモーラビットを買う為にわざわざこの町に来たのに、転んで足を痛めてしまったー」
なんと、うっかり転んで足を怪我してしまいました……!?
そして心配気に自分を見つめるよいこに、りなはううっとさらに唸ってみせて。
「コレはいけないねぇ数日は安静にしなきゃ今後のアスリート人生に影響がでちゃうかもしれない」
「それは大変だ。すぐに医者に診てもらおう」
よいこなので、怪我人をまずは医者に診せようとするタロウ。
けれど、りなはそんなタロウの申し出にふるりと首を振ってから、こうすかさず託す。
「そこのなんか|親切そうな人《 よいこタロウ 》。どうか私の代わりにモーラビット2つ買ってきてくれないかい?」
モーラビットをふたつ、ついつい足を痛めてしまった自分のかわりに買ってきて欲しいと。
(「理由付けしてあげれば購入に間に合うように店に向かってくれるでしょ 多分」)
そんな作戦通りに、タロウはこくりとすぐに大きく頷いたのだけれど。
とはいえ、何といっても、とてもよいこすぎるので。
「モーラビットもふたつ買おう。その前に、君を医者に連れていかねば」
とても面倒臭いよいこでもあった。
「それよりも、頼まれたモーラビットを手に入れられなかった方が悔やんでも悔やみきれないから……お金は渡すから、頼めるかい?」
「しかし、君のアスリート人生が……」
「そこのガタイのいいよいこさんに医者に運んで貰えるように頼むから、モーラビットをふたつお願いするよー」
そう強引に何とかこじつけて、自分を医者に連れて行こうとするタロウへと再度頼めば。
「……わかった、モーラビットをふたつ買おう」
やっとぬいぐるみ屋へと行くことを承知するよいこタロウ。
そしてきちんとよいこタロウがその列に並んだことを確認してから。
周囲の他の猟兵達のさり気ないアシストのおかげもあり、どうやらモーラビットを購入できたようなのだが。
「モーラビット、買ってきたぞ」
その手には、モーラビットがふたつだけ。
「あれ、ふたつ?」
「……自分の分も買おうかと思ったが……沢山買ってもいいものかと思ったので、とりあえず君のをふたつだけ買ってきた。そしてこれは、お釣りだ」
やはりスーパーよいこ故に、スーパー面倒臭いよいこであった。
だが、自分の分も買っているだろうとは思いつつも。
りなは抜かりなく、もしかしたらタロウが自分の分を買っていない可能性も想定していたので。
自身の見た目を、発動させたダラダラモードでデフォルメ化させてから。
「! いや、これは君に頼まれた分……」
「お礼のモーラビットを受け取るまで絶対にこの手は離さないよー」
お釣りを返してきたタロウのその手を握って、ふたつのモーラビットのうちのひとつを無理矢理押し付ける。
そしてタロウの遠慮という、外部からの攻撃を遮断??
もふっと、モーラビットのひとつを強引に抱っこさせてから。
「見返りを求めないのはいい事だけど程度が過ぎると、逆に裏がないか怪しまれて面倒事になる可能性だってあるんだから。私からのお礼ぐらいちゃんと受け取りなぁ」
そう言われれば、よいこ故に、今度はモーラビットを受け取ることを断れなくなってしまったタロウ。
けれど、よいこ故に、申し訳なさそうすぎて死にそうな顔をしているから。
「じゃあ足も大丈夫だったし、一緒にもう一度列に並んでくれないかい?」
りながそう頼めば、生き返ったように大きく頷くよいこタロウ。
まだモーラビットは十分な数があるようだから。
そして足を気遣われながらも、ふたりで列に並んで、無事にもうひとつモーラビットをゲットして。
心底ほっとしたような顔をしながらも嬉しそうにもふもふモーラビットを抱っこしているタロウへと、りなは訊いてみるのだった。
「有難う、助かったよー。ところで、名前訊いてなかったけど、よかったら教えてくれないかい?」
「自分は、よいこタロウと呼ばれているが……」
それから念願のモーラビットを購入できて、ちょっぴり気が大きくなったのか。
よいこタロウはこう、りなへと続けるのだった。
自分の名前は――と。
🍄
よいこタロウの猟兵化の権利は、花走・りな(あの喝采アプローズに憧れて・f37819)さんに差し上げます。猟兵化の際は、名前や性別をはじめ、どうぞお好きなように設定していただければです!
大成功
🔵🔵🔵