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銀河帝国攻略戦㉕~鏡の女、相対する

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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「集合感謝だよ、いよいよ戦争も終盤戦だね」
 グリモア猟兵・ユェン・ウェイ(M.Y.W・f00349)は集まってくれた猟兵へ明るく声をかける。戦争も大詰め、テンションも些か上がっているようだ。
「今回は帝国旗艦『インペリウム』への強襲作戦を行ってもらうよ。ボクが皆をインペリウムの内部へ転送するから、そこで破壊活動をやってきて欲しいんだ」
 ここまでの猟兵達の尽力により、いよいよ帝国旗艦『インペリウム』と『解放軍』のスペースシップとの戦闘が開始されている。そこで解放軍の助けとなるべく、猟兵達にはインペリウムの戦力を削いでもらおうというのが作戦の主旨だ。
 インペリウム自体が銀河皇帝に増援を行っている事もあり、ここで少しでも相手の戦力を削ぐのは大切だろう。

「ただ……気をつけて欲しいのは『皇帝親衛隊』だね。インペリウム内には相手の精鋭も乗ってるんだ」
 ユェンが予知で確認した敵は『アナリシス』という女性型の金属生命体だ。
 猟兵のユーベルコードを解析・利用してくる厄介な敵らしい。
「もちろん戦わないで済むならそれが一番だよ。今回のお願いは破壊行動だからね、無理に強敵と戦わなくても大丈夫だから」
 少しだけ不安そうな顔をして話すユェン。
 今回の作戦はシンプルとはいえ、場所は相手の旗艦だ。何が起こるかは分からない。
「危険そうだとか大怪我したとか、そういう事があったらすぐに戻ってきて。それじゃあ成功と無事を祈ってる」
 そう言って転移の準備を整えると、ユェンは早速ゲートを開く。
 猟兵達もそれに合わせて早速インペリウム内部へと進んでいった。

「あら、予想より早い到来だったわね」
 インペリウムへ到着早々何者かに声をかけられる。彼らの目の前に立っていたのは鏡のような身体を持った女だ。
「貴方達が皇帝の仰っていた猟兵でしょう? ふふ、いつも待ち伏せしている側が待ち伏せされるのはどんな気分かしら?」
 その女――皇帝親衛隊の一人・アナリシスは冷たい笑みを浮かべながら猟兵達との距離と詰めてくる。
 彼女はどうやら猟兵達を待ち伏せしていたようだ。どうやって、何が起きているのか。混乱した者もいるかもしれないが、今はそれどころではない。
 相手は既に臨戦態勢。猟兵達も彼女を迎撃するしかないだろう。
 激しい戦闘の火蓋が落とされる。


ささかまかまだ
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 こんにちは、ささかまかまだです。
 いよいよ旗艦への突入、皇帝に近い相手との戦闘となりました。
 状況は特殊ですが、内容はいつも通りのボス戦シナリオです。
 猟兵達で力を合わせて、皇帝親衛隊を打倒しましょう!
 彼女を倒すことで破壊行動と同等の意味のある行動が出来るという事になるので、純粋に戦闘に勝利する事を目指して下さい。

 それでは今回もよろしくお願いいたします。
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第1章 ボス戦 『アナリシス』

POW   :    アナライズ&コードテイカー
【ダメージのない解析ビーム 】が命中した対象に対し、高威力高命中の【対象のユーベルコードを借用した攻撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    カウンターコード
【近くで使われたユーベルコードを解析する事】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【そのユーベルコードのコピーを使用する事】で攻撃する。
WIZ   :    ミラーフォーム
対象の攻撃を軽減する【対象と鏡映しの姿(ミラーフォーム) 】に変身しつつ、【対象が所持するユーベルコードを借用する事】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠鏡繰・くるるです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

フェイルシア・インパーサ
相手のユーべルコードをコピーするのでしたら遠慮なくコピーさせて差し上げましょうか

わざと自身のユーべルコードをコピーさせてミレナリオ・リフレクションで打ち消す作戦ですわね

相手のPOWにはわざと当たる
私の攻撃ユーべルコードはラヴァブル・インパーサ
複数の相手を攻撃する必殺の奥義ですが自分で身に着けた技ですもの、鏡映しに放つだけなら見切れない道理はございませんわ

SPDは他の猟兵の技を使われる恐れがありますので素直に防御
WIZは
・複数の猟兵が密集してたらラヴァブル・インパーサ
・それの射程外ならトリニティ・エンハンスの強化
を打ち消しましょう

念のため事前に他の猟兵に私のユーべルコードの内容を共有致しますわね


リア・ファル
共闘・アドリブ歓迎
【心情】
皇帝親衛隊…か、ならば少しでもその戦力を削がせてもらうよ

【行動】
「行くよイルダーナ! 戦闘開始だ!」
イルダーナに騎乗し、ヒットアンドアウェイの戦法で勝負
ヌアザで相手を斬りつけつつ、可能な限り【ハッキング】し、【情報収集】
解析しがいのある膨大なデータを送りつける

相手の最初の攻撃・解析に対してはユーベルコード【慧眼発動】を使用

奇遇だね、ボクのユーベルコードも解析するものなんだ
キミの行動を演算解析するユーベルコードを解析して利用する…
つまりキミの行為は謂わば、合わせ鏡の中にいる様なものだね

そんなことをすれば、ハングアップしちゃうよね
「さあ、CPUがいつまで持つかな?」


有希・ブラウフランメ
話題のVRサキュバスアイドル『ゆっきー』は、自分に向かって放たれる
アナリシスが奪った自身のUC《レイヤーセクション・アサルト》を前に
【情報収集・ハッキング全開】《サソイウケ・アティチュード》を展開!
でも【オーラ防御】で軽減しても痛いものは痛い!
「…こーゆーの、あまりボクの好みじゃないんだケド」

そう、これがハッキングギークの間で語り継がれる奥義『クロス・ジャマー』!

自分と同じ【挑発・誘惑】的極上サキュバスアイドルになったアナリシスへ
今度はより強力なカウンターとして《レイヤーセクション・オーバーアサルト》を解き放つ!
「くすくす♪ カウンターコードをカウンターするんだって簡単だよ?」

アドリブ連携歓迎




 目の前に現れた鏡の女、アナリシス。
 彼女について事前に話を聞いていた事が幸いだ。その場に居合わせた猟兵達は協力して強大な敵へと挑む。
 アナリシスは自分達へと接近してくるが、彼女の射程範囲に入る前に作戦を話す時間はあった。
「まずは私達で連携して相手の動きを阻害しましょう。私の技は遠慮なくコピーさせて差し上げましょうか」
 ミレナリィドールの少女、フェイルシア・インパーサ(騎士姫の造花・f04276)が作戦を示す。手短に自身の技について説明し、それを利用してもらうつもりだ。
「だったら少し時間を稼いでもらっていいかな。ボクの技なら相手を止められるから」
 バーチャルキャラクターのリア・ファル(三界の魔術師/トライオーシャン・ナビゲーター・f04685)は制宙高速戦闘機『イルダーナ』に乗り込みつつ作戦を確認。相手が鏡なら最適な技がある、それを全力で発動するためには解析が必要なのだ。
「じゃあボクは色々畳み掛けてみようかな? どこまでマネ出来るか気になるし!」
 もう一人のバーチャルキャラクター、有希・ブラウフランメ(生意気VRサキュバスアイドル・f14456)も明るい声で同意した。バーチャルアイドルらしい笑顔を浮かべつつ、しっかりと戦闘へ意気込んでいる。

「話し合いは終わりかしら? さあ、覚悟なさい!」
 三人が作戦会議を終える頃、アナリシスも射程範囲内に彼女達を捉えた。
 まずはフェイルシアと有希がその場に残り、リアはイルダーナで全力疾走しだす。
 次の瞬間アナリシスから高速のビーム攻撃が放たれた。敵が放ったのは解析ビーム。ダメージこそないものの猟兵のユーベルコードをコピーするための技だ。
「ふふ、便利な技を持っているじゃない。利用させてもらうわね?」
「お好きにどうぞ、さあ、行くよイルダーナ! 戦闘開始だ!」
 リアは自らのユーベルコード『慧眼発動』をわざとコピーさせた。これは演算により簡単な未来予知を行う事で相手の攻撃を回避する技。このままだとアナリシスにとって有利になってしまう技だが、そこにちゃんと勝算がある。
 フェイルシアと有希も解析ビームを喰らい、自らの技をコピーさせる。しかしその表情には余裕があった。
「あら、避けないのね。自分達の攻撃で苦しみたいのかしら!」
 アナリシスの叫びと共に、桜色のオーラを纏った無数の花嵐が放たれる。フェイルシアのユーベルコード『【悠久に咲き輝く愛すべき造花】』が借用されたのだ。
 花嵐は猟兵へ殺到するが……その眩いオーラは彼女達を傷つける事はなかった。
「いいえ違います。この技は必殺の奥義ですが、自分で身に着けた技ですもの。鏡映しに放つだけなら見切れない道理はございませんわ」
 自らも花嵐を展開しつつ仲間を守るフェイルシア。彼女も直接同じ技を放ったのではない。『ミレナリオ・リフレクション』を使う事で花嵐を相殺したのだ。
「チッ……それなら、今度はこうよ!」
 自分の技が無効化されたと分かると否や、今度は光のホーミングレーザーを放つアナリシス。有希のユーベルコード『レイヤーセクション・アサルト』を借用したのだ。
「……こーゆーの、あまりボクの好みじゃないんだケド」
 ならばこちらも、とオーラで身を守りつつ有希が応戦する。防御していても自分の技は痛い。こういうのは好きじゃないけど相手へやり返すためならば。
「こんなあっさり使わせてくれるなんて、ボクはとってもがっかりだよ?」
 悪戯っぽい笑みと共に、有希もホーミングレーザーを放った。アナリシスが放ったものよりも更に輝くそのレーザーは、相手の身体を確実に焦がしていく。
「なっ……!?」
「クロス・ジャマーって知ってる? ハッキングギークの間で語り継がれる奥義なんだよ!」
 有希が放ったのは『サソイウケ・アティチュード』。相手の技をより強力なカウンターコードとして借用する技だった。

 自らの特技である相手の技のコピー・借用。それらを上手く躱され利用されていく。
 皇帝から指示されて猟兵を待ち受けていた彼女だが、先に自らの情報も抜かれていた。これらの状況はアナリシスを徐々に焦らせ、怒らせていった。
「ボク達も忘れないでね!」
 怒りは判断力を鈍らせる。リアはその隙を見逃さず、多元干渉デバイス『ヌアザ』でアナリシスを斬りつけた。魔剣のようなそのデバイスの一撃はアナリシスの鏡面に傷を付けていく。
「どうして……!? 貴方の技を使っているのに……!」
 アナリシスはリアとの距離が開く前に、再び解析ビームを放ち『慧眼発動』を再びコピーしに行く。どうして未来を演算しているのに猟兵の攻撃を避けられないのか。それを考えた瞬間、凄まじい負荷が彼女を襲いだした。
「気付いていなかったんだ。ボクのユーベルコードも解析するものだよね。キミの行動を演算解析するユーベルコードを解析して利用する……」
 再び接近してくるリアの言葉を聞き、自分の状態に気づくアナリシス。『慧眼発動』による解析に自身の能力による解析を重ねている今の状態。つまりこれは……。
「キミの行為は謂わば、合わせ鏡の中にいる様なものだね。さあ、CPUがいつまで持つかな?」
 鏡の女に対するそれはまさに皮肉な状況。焦りが更に強まっていく
「おのれ……それなら、こうよ!」
 やぶれかぶれか、再び花嵐とホーミングレーザーを猟兵へと放つアナリシス。
 だが既にそれは見切られた技。そして本来の持ち主のほうが正しく使える技だ。
「もう私の技は汚させません。受け継がれし騎士の奥義、今こそその身に焼き付けなさい!!」
「くすくす♪ カウンターコードをカウンターするんだって簡単だよ? そんなのでこの攻撃から逃げられる、なんて思わないで欲しいな?」
 フェイルシアの『【悠久に咲き輝く愛すべき造花】』と有希の『レイヤーセクション・アサルト』がアナリシスから放たれた技を相殺し、更に強い力で彼女の表面にヒビを入れていく。
 更にリアもヌアザでの剣撃を加え、しっかりとダメージを与えていった。

 皇帝親衛隊の一人が相手でも、協力すれば確実に状況を有利に出来る。猟兵達の連携は彼女を圧倒しているのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

飯島・さと子
こういう奴はちょっとでも自分が優位だと思わせると負けるのです!
気持ちで勝つのです気持ちで!

お前は何を勘違いしているのです?
前乗り出来たから勝てると考えるのは三流なのです!
如何なる状況でも勝つのが一流なのですよ!
さと子の名前を憶えろなのです!お前をぶっ飛ばすプリティーガールの名なのです!!

ガジェットショータイムでハンマーを持った機械の腕を量産
鏡を割るのはいつだってハンマーなのです!
ボディコン鏡女子に連打連打!さと子の速度に追いつこうとはいい度胸なのです!

しかしなぜさと子達の行動が筒抜けなのです?
皇帝はさと子達の行動を予知する能力でも持ってるのでしょうか
ボディコンを侍らすとはアレな趣味なのです~


備傘・剱
【POW】
いい女だな
こんな所じゃなきゃ、其処らで酒の一杯でもと言いたい所だが…
そんな場合じゃなさそうだ

敵に対しては、ある程度の距離を取って、戦うぜ
真似られて困る技もUCもないが、これも俺の戦い方ってな
ある程度の空間もあるみたいだし、空間把握さえ怠らなきゃ、問題はないぜ

でよ、相手がじれて接近して来たら、カウンターで黒魔弾を叩き込む
真似れるもんなら、真似てみやがれ

ま、真似られても、自分の技は自分がよく知ってるからな
カウンターで叩き込んだ後はまた、距離を置いて攻撃するぜ

幾ら真似しても、当らなきゃ、意味はない
自分の技だ、対処法も自分がよく知ってるもんだ
弱点のない技なんざ、存在しない


クラウシス・ゴドリベント
君がどういった手段で僕達の出現を知ったのか等と問いかけるつもりはない。
君に出会ってしまった以上、作戦変更だ、ここで君を討たせてもらう。

基本的にユーベルコードを使用せず武器による【二回攻撃】、【カウンター】、【早業】、【見切り】、【念動力】を駆使し近接戦を心がける。
相手が他の味方のユーベルコードを使用する予兆を【第六感】【見切り】で見定め、自身に当たる可能性がある技は心光体で迎撃
広範囲へ無差別攻撃をするようであれば【盾受け】【オーラ防御】【かばう】で味方をできるだけ守りながらガードする
自身のユーベルコードをコピーされた場合は周囲の味方へその効果を伝え、攻撃しないよう注意する

アドリブ、連携歓迎




 猟兵達の有利に傾く戦況。そこに更なる援軍が加わっていく。
「お前は何を勘違いしているのです? 前乗り出来たから勝てると考えるのは三流なのです!」
 まず響いたのは元気な少女の声。声の主はテレビウムの飯島・さと子(ふわふわテレビ・f02028)だ。
 こういう奴はちょっとでも自分が優位だと思わせると負けるのです、気持ちで勝つのです気持ちで!
 そう意気込んでアナリシスへ向かって全力疾走している。
「小賢しい……貴方の技だって盗めるのよ!」
 ここまでの損傷とさと子の挑発、それらが合わさった結果アナリシスは勢いのままに解析ビームを放とうと手を向ける。
 しかし、さと子とは別方向から飛んできたワイヤーにより腕の動きは阻害されビームは明後日の方向へ飛んでいった。
「いい女だな。こんな所じゃなきゃ、其処らで酒の一杯でもと言いたい所だが……そんな場合じゃなさそうだ」
 『ワイヤーワークス』の主、備傘・剱(絶路・f01759)は少し冗談めいた事を言いつつアナリシスと対峙していた。しかしその雰囲気は熟練の冒険者のもの、一切の油断もない。
 再びワイヤーを引いてアナリシスの態勢を崩し、彼女の動きを阻害しにかかる。少しでも彼女を動かせば技を解析されてしまうと判断したからだ。
 このままでは攻撃に転じられない。そうアナリシスも直感し、解析ビームではなく変身を用いて猟兵達の技を盗もうとした。金属の身体が眩く輝き、剱の姿に変身しようとするもののこれも未遂に終わる。
 他の猟兵に気を取られたその隙を見逃さず、フォースセイバーの一閃が彼女の身体にぶつけられたのだ。
「君がどういった手段で僕達の出現を知ったのか等と問いかけるつもりはない。君に出会ってしまった以上、作戦変更だ。ここで君を討たせてもらう」
 真剣な言葉と共に『心光剣【フォーティチュード】』を振るっていたのはクラウシス・ゴドリベント(流浪のプリンスナイト・f03839)。彼の不屈の精神を体現した刃はアナリシスにしっかりとダメージを与えていた。

「猟兵……猟兵め……!」
 多勢に無勢、自分がほとんど詰みの状態に近づいている事を実感し、アナリシスの表情は次第に焦りの色に染まっていく。
 皇帝の作戦は正しかったはず。皇帝親衛隊である私がどうして。
 猟兵達も決して油断はしない。一瞬でも隙を見せれば強力なカウンターが飛んでくるのだ。彼女の焦りを見逃さず、すかさずそこへ飛び込んで行く。
「猟兵って名前じゃないのです! さと子はさと子、さと子の名前を憶えろなのです!」
 再び明るい声が響いた。ガジェットを沢山のハンマーと機械の手に変身させ、アナリシスへと突っ込んでいくさと子の声だ。
 『ガジェットショータイム』が判断したその姿はさと子もぴったりだと思う。何故なら鏡を割るのはいつだってハンマーだから!
 ガジェットをバネにアナリシスの懐へ飛び込むと、さと子はハンマーでの連打を浴びせにかかる。凄まじいラッシュがアナリシスの身体のヒビを深めていく。
「くっ……それならこうよ!」
 アナリシスもただラッシュを受けていたのではない。その身に刻まれたダメージを解析し、自らの腕をガジェットと同じ形状のハンマーへと変形させたのだ。
 そしてそのままさと子へ振り下ろす。彼女の小さな身体ではダメージはどのくらい受けきれるか。
 しかしそこに割って入る者がいる。敵の攻撃を冷静に観察し、勘を研ぎ澄ませてチャンスを伺っていたクラウシスだ。
「目的も、意志も、信念もなく、ただあらゆる悪意へ報復を与える概念へと至ろう」
 静かな詠唱と共に彼の身体はエネルギー体へと姿を変え、ハンマーの衝撃をそのまま受け止める。
 重い一撃の手応えを感じ、ようやく猟兵へと致命傷を与えられたとほくそ笑むアナリシス。しかし次の瞬間には彼女の方が吹き飛ばされていた。
 クラウシスから放たれた衝撃波がカウンターとなったのだ。これが彼の『心光体:無我の暗君』、攻撃を吸収し衝撃波で反撃する姿へと変身する技だ。
「ありがとです、大丈夫ですか?」
「ああ、君の方こそ無事で良かった」
 連携が上手く行き、お互いの無事を確認するさと子とクラウシス。剱もその様子を確認し、次に自分がすべき事を考え駆け出した。
 一方で態勢を立て直そうとするアナリシスであったが、彼女にその時間は与えられなかった。
「漆黒の魔弾はいかな物も退ける。罠も、敵も、死の運命さえも!」
 彼女が吹き飛ばされる方向を予測していた剱が『黒魔弾』を発動したのだ。射程距離は30cm、そのギリギリで放たれた漆黒の魔弾はアナリシスの身体に致命傷を与える!
 ここまで接近しているのなら、せめてこいつだけでも。なんとか解析ビームを放ちアナリシスも『黒魔弾』を借用する。
 魔弾はまっすぐ剱へ向かうが……紙一重で躱された。
「幾ら真似しても、当らなきゃ、意味はない。自分の技だ、対処法も自分がよく知ってるもんだ」
 弱点のない技なんざ、存在しない。
 剱はどこか暗い色を宿した瞳でアナリシスを見下ろしていた。
 その言葉を受けたからか、最後の技が通じなかったからか。アナリシスは負けを認めるように地に伏し、とどめの時を待つ。
「さて、これで終わりだな」
「決めるです、連打連打です!」
「これ以上の悪行は行わせない、僕達の勝利だ」
 彼女の態度に応えるように魔弾が、ハンマーが、心光の刃がアナリシスへと振り下ろされる。
 鏡の身体は粉々に砕け、輝く破片だけがその場に残された。

 戦闘は無事に終了したが、消耗もそれなりにあった。敵の行動も気になるため猟兵達は一度帰還することになる。
「しかしなぜさと子達の行動が筒抜けなのです? 皇帝はさと子達の行動を予知する能力でも持ってるのでしょうか」
 ボディコンを侍らすとはアレな趣味なのです、とぼやきながら歩くさと子。今回は無事に勝利出来たが、何度も待ち伏せされては大変だ。
 もしかしたら他の猟兵と情報を共有すれば何か分かるかもしれない。
 とにかく今は帰って少しだけ休もう。皇帝親衛隊という難敵を一人倒した事に安堵しつつ、猟兵は帰路に着いていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月21日


挿絵イラスト