アルカディア争奪戦⑨〜いいからキノコを狩るんだよ!!~
●許可のないキノコ狩りはこの島では違法とされます(多分)
――ブルーアルカディア、スーパーよいこランド、郊外。
「隊長、本当にこんなきのこが勝利の鍵になるんでしょうか?」
「私語を慎みなさい。真偽を私達が知る必要はありません、陛下の命は絶対です」
「はっ……申し訳ありません」
マグナ聖帝国・ガレオノイド飛空部隊『セイレーン』。
その唄を聴いた船は全て沈められるという『サイレンの魔女』の逸話に因んだ部隊名を持つ彼女らは、各々の狩る個人用武装飛行艇を使ってスーパーよいこランド内のあらゆるキノコというキノコを狩っていた。
「こらー!マグナ聖帝国め、またしてもキノコを狩りにきたな!やっつけてやる!」
そこに現れるのは数人の「スーパーよいこ」たち……つまるところ島の住人である。
しかし、彼らをただの子供と侮るなかれ。
このスーパーよいこランドの住人は皆、猟兵に匹敵する実力とユーベルコードを操る超人たちの島。
過去に何度も侵攻を受け、その度にその圧倒的な能力で退けてきたスーパーよいこたち。
だが、今回は。
「きましたね。狩ったキノコは迎撃の為なら臨時食用も許すと命はあります。いきますよ」
「了解しました、隊長!」
『セイレーン』たちが皆一斉に狩ったキノコを口の中に入れる。
そして。
「うわああああああああああ!」
後に響いたのは、スーパーよいこたちの悲鳴だった。
●キノコ狩り?いいえ、戦争です
「にゃーん、それでね、このままだとスーパーよいこさんたちがマグナせーてーこく?のオブリビオンたちにいーっぱいきずつけられちゃうの。だからたすけてあげて!」
身振り手振りを使って猟兵たちに予知の内容を説明するエインセル・ティアシュピス(生命育む白羽の猫・f29333)。
6つの強大な屍人帝国によってブルーアルカディアにて勃発した『アルカディア争奪戦』は、早くも多くの島を巻き込んで行われている。
今回エインセルが予知したのは6つの屍人帝国の一つ『マグナ聖帝国』が侵攻している超人の子供たちの島『スーパーよいこランド』で行われる不法なキノコ狩りとそれを阻止しようとしたスーパーよいこたちが倒される光景だった。
スーパーよいこランドに生えるキノコは食べた者に強大な力を齎す不思議なキノコで、それを食べて育った故に住民のスーパーよいこたちは猟兵に匹敵するパワーを有している。
だが、マグナ聖帝国のガレオノイド飛空部隊『セイレーン』は、狩ったキノコを口にすることで彼らを凌駕するパワーを得て返り討ちにするという。
故に、彼女たちを倒すには猟兵諸君の力が必要不可欠なのだ。
「あのねあのね、キノコはね、ちゃんとたべていい?ってきいたらスーパーよいこさんはいいよ!っていってくれるよ。
ふほーなキノコがりがめーなだけで、ちゃんときいてくれたらいくらでもたべていいってちゃんときまりがあるの、だからキノコをたべてオブリビオンよりも――っとつよくなって、オブリビオンをやっつけてほしいにゃーん!」
とはいえ非常事態にいちいち許可なんて取ってられるか!と言われるとそれもそうなので、事後承諾でも多分良いとされる。
まあつまりエインセルのおこさまことばを要約すると、スーパーよいこたちはその名の通りスーパーよいこなのでちゃんと事情を説明してくれたら理解してくれるだろう、ということらしい。
他にも踏みつけると思い切り高く、それこそガチめに上空までぷいーんと飛び上がれる巨大キノコもあるらしい。
個人用武装飛空艇を駆使する『セイレーン』を相手にするなら、それらを有効活用するとより戦いやすくなるだろう。
とどのつまり、いつも通りの戦争であるということだ。
……なのだが。
「あとねあとね、キノコをたべるとね、たまにどかーん!ってすっごーくおっきくなっちゃったりとか、すっご―――――くパワーアップすることがあるんだって!
もしそうなったら、オブリビオンをやっつけるのもかんたんににゃるかもしれないねえ!」
その、それは色々な意味で大丈夫なんですか????
と思ったが、想像を膨らませて表情がきらきらしている子猫の前でそれは言うまいとお口をチャックした猟兵がいたかもしれないし、いなかったかもしれない。
御巫咲絢
スーパーよいこランドの住民みんな服装がオーバーオールだったりしません???
どうもMSの|御巫咲絢《みかなぎさーや》です。
ルビ振れるようになったおかげで名前の読みを認知して頂きやすくなりました読みがわかりにくい名前で申し訳ねえ(完全な余談)!
シナリオ閲覧どうもありがとうございます!御巫のシナリオが初めてだよって方はMSページもご一読くださいますと幸いです。
やってきましたアルカディア争奪戦!
島の名前を見た瞬間「書くか!!!!!!!!」としかなりませんでした。
というワケでキノコ食べてパワーアップしてマグナ聖帝国の飛空部隊を返り討ちにしてください。
●シナリオについて
当シナリオは『戦争シナリオ』です。1章で完結する特殊なシナリオとなっております。
また、シナリオには以下のプレイングボーナスが存在します。
●プレイングボーナス
きのこを食べる/巨大きのこでジャンプする。
●特別フレーバールール
プレイング内容の頭に「☆」をつけてくださった方はユーベルコードによる判定とは別に別途判定を行います。
成功した場合は巨大化かもしくは無敵モードになる描写が入ります。
完全なフレーバー要素である為、判定の成功失敗には一切影響はありませんのでご安心ください(?)。
●ルビについて
ルビ振りOKな方は◎の記載をお願いします。ない方は基本的にルビ振りしません。
●プレイング受付について
OP承認時から受付予定です。
オーバーロードOKですが、失効日の有無の都合執筆は後ろになりますので予めご了承ください。
最低でも4名様はご案内予定ですが基本的には少人数進行予定ですので、それらをご承知頂いた上でプレイングをご投函くださいますようお願い致します。
それでは、皆様のプレイングお待ち致しております!
第1章 集団戦
『帝国ガレオノイド飛空部隊『セイレーン』』
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POW : 帝国戦闘飛行隊
【ガンシップ】を操縦中、自身と[ガンシップ]は地形からの激突ダメージを受けず、攻撃時に敵のあらゆる防護を無視する。
SPD : セイレーンの魔女たち
【同じ部隊の仲間たち】が自身の元へ多く集まるほど、自身と[同じ部隊の仲間たち]の能力が強化される。さらに意思を統一するほど強化。
WIZ : トルネード・フォーメーション
【風属性の召喚石片】を降らせる事で、戦場全体が【乱気流】と同じ環境に変化する。[乱気流]に適応した者の行動成功率が上昇する。
イラスト:えんご
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
黒木・摩那
◎☆
え? きのこ? キノコというのは椎茸と同じでは?
椎茸は噛んだときににじみ出る、あのジワーとしたのがダメなんですが、ここのキノコはそういうのはないんですかね? ないんですよね? お願い、ないと言って!
しかし、今回限りはキノコ食べないと勝てそうにないということなので、死にそうな顔して食べます。
さて、それさえクリアできれば、もう怖いものなんて何もないです。
というか、困難を克服したことで変なスイッチ入って、超ハッピーです。
もう負ける気しないです。
キノコに乗って、大ジャンプ。ガンシップに向けて飛び蹴り、からの船上乗り込んで、UC【龍顎龍尾龍撃乱舞 】。【功夫】キックで魔女達を叩きのめします。
●結構嫌いな食べ物ランキングの常連だったりするよね
「え?きのこ?」
きのこという3文字に黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)は苦々しい表情を浮かべた。
「……キノコというのは椎茸と同じでは?」
いや椎茸以外にも色々あると思うが、でもまあやっぱりポピュラーなのと言えば椎茸ではある。
何故苦々しい顔を摩那がしているのかというと、摩那は椎茸が苦手であるからだ。
見た目にそぐわぬ食欲の持ち主だが、それと味覚はまた別問題なんですよねえ。
「あのほら、噛んだ時ににじみ出るあのジワ~~~としたのがダメなんですが、ここのキノコはそういうのはないんですかね?」
「え?どうだろう……」
「わかんない。ずっとおいしく食べてきたから考えたことなかったや」
「お願い、ないと言って……!!」
昔から慣れ親しんでいる食材故に最早それがスーパーよいこたちには当たり前になっているのかもしれないし、
摩那の言葉の意味をいまいち掴みそこねているのかもしれない。
ともあれ、椎茸みたいにジワ~~としたのがあるかもしれないし、ないかもしれない。
「大丈夫だよおねえさん!ここのキノコとってもおいしいから!」
「煮てよし焼いて良しだしダシもとってもいいのが取れるんだよ!
「いやでもそれでも椎茸のあのジワ~~としたのって消えないじゃないですか!」
人間、嫌いな食べ物に関しては普段それ以外の味に疎くてもめちゃくちゃ敏感である。
きゅうりを例に挙げると、きゅうり嫌いは「全然せえへんやん!」と言われるきゅうりの匂いを的確に嗅ぎ分け、
その匂いで調子を悪くし、きゅうりが入っているものは例え好きなものであっても手をつけないのだ。
それぐらい人間は嫌いな食べ物に対する拒絶反応が強いのである!!
故にできることなら食べたくない。
食べたくないが食べなければどう考えても勝てそうにないので、摩那は死にそうな顔で鼻をつまみ、キノコを口に放り込んだ。
「……」
流石伝統的な嫌いなものを食べる対策、鼻をつまめば割と気にならずに食べられる。
実際はしいたけのようにじわ~としているのかもしれないが。
後でその後味にグロッキー状態になるかもしれないが。
しかし、しかしだ。
今この場で困難を克服したということは摩那にとって大きな力となるのである。
そしてそれを証明するかのように、キノコを食べた途端に凄まじい力が体内から迸るのを全身の感覚で受け止める。
「ふ、ふふ……ふふふふふ……!!!何かハッピーな気分になってきましたね!!もう負ける気しないです!!」
それは果たして大丈夫なのか。
毒キノコでも食べたのかと心配になる程に唐突にハイテンション化した摩那は、そこらにあった適当な巨大キノコをぐぃ―――――んと思い切り踏みつけ、ぷい―――んと大ジャンプ!
「なっ、生身でこの距離の飛行艇に接近するですって!?」
「さあ覚悟してもらいますよ、今の私はいつも以上に強いのです!!」
大ジャンプからの空中3回転を決めて――そのまま身体をねじって回転させ、勢いをよりつけた懇親のかかとをガンシップに叩きつける!!!
「なっ……まっ、ちょ、エンジン破損しっ、う、うわあああああああ!?!?」
ズドォン、とまるで火薬が爆破したのではないかと錯覚するような轟音と共に、『セイレーン』の飛空艇が一機雲海の底へと落ちていった。
だが超ハッピー無敵モードになった摩那は止まらない!
次はその近くにあった飛行艇の甲板に乗り込んだかと思いきや、素早すぎて見えない速度で接近して回転蹴り『龍尾脚』を『セイレーン』隊員の鳩尾にブチ込んだ!
「キノッピ」
『セイレーン』隊員はちょっと危ない断末魔を上げて遥か空の星になった。
それを見た残りの隊員たちは唖然とした後に絶望の表情を浮かべてぷるぷるとしている。
「ひ、怯んではなりません!陛下の為に勝利ヲホッホゥ!!!」
隊長格がすぐさま立て直そうと号令をかける前にまたもや危険な断末魔と共に今度は船底から大穴を開けて落ちていく。
「ふふふ、うふふふふふ!今の私は超ハッピー!!誰がきても負けませんよー!!」
「た、隊長ォ―――――ッ!!て、撤退、ただちに一度撤退デッテュゥ!!!!!!!!!!!」
さっきから『セイレーン』たちが女子にあるまじき悲鳴を挙げている気がするが、それはきっと気にすることではないだろう。
こんな感じで摩那はハイテンションに次々と飛空艇を撃墜し、『セイレーン』たちを阿鼻叫喚の渦に巻き込んだのであった……
大成功
🔵🔵🔵
フロース・ウェスペルティリオ
☆◎
キノコ、美味しいのかな?
戦闘時に転げたり傷がついたりした物が回収できれば持ち帰りたいので、許可もらっとこうかと。
細かく刻んで汁物の出汁や炊き込みご飯にしたり、干してふりかけにしたりとかでも美味しそうだよねー
集団戦って、相手が散らばってるより沢山集まってくれてる方がありがたいよねぇ。
戦闘はバウンドボディで丸く水まんじゅう状になっての体当たりがメイン。
巨大キノコ楽しそう。
相手が密集してる所にバウンドボディの弾力と巨大キノコのジャンプ力を活かして突撃するよー
ぼよんと跳ねながらのヒット&アウェイを繰り返します。
ついでにキノコもひとつ味見。巨大化したらもっと沢山巻き込めそうだしねぇ。
●もうすぐ食欲の秋ですね
「キノコ、美味しいのかな?」
フロース・ウェスペルティリオ(|花蝙蝠《バットフラワー》・f00244)はキノコに想いを馳せる。
キノコは和洋中様々な料理に用いられる食材である。
細かく刻んで味噌汁の出汁や具にしたり、炊き込みご飯にしたり、単純に焼いて食べたり、えのきを豚肉で巻いたり、鮭と野菜と一緒にホイルに包んで焼き上げたり。
さらには干してふりかけにしてもきっとおいしいに違いない。干しキノコには旨味がたっぷり含まれるからね。
「これ終わったら、転がったり傷がついたものはこっちで持って帰っていいかな?」
「いいですよ!とってもおいしいのでぜひ召し上がってください!」
きらきら、とスーパーよいこたちは一切の曇り無い目と表情で快く許諾してくれる。
本当にあっさり許可が取れたな、と思いながらフロースは空を見上げる。
「きましたね、猟兵……各員、戦闘態勢!陣形を崩さず侵略なさい!」
『セイレーン』たちは猟兵をとかく警戒しているのか、隊員を一つに集中させてこちらに攻め入ろうとしている状態だ。
ユーベルコードの効果により、集まり陣形を成したことでキノコでのパワーアップに加え、さらに能力が上昇しているようで、一度砲撃すれば軽く地面に穴が空く。
幸い着弾点に誰もいなかったおかげで死傷者は出ていないが、あんなものを喰らわされればひとたまりもない。
だが、陣形を組んでいるということは逆に大きな死角を生み出しているとも言えた。
「(いい感じで集まってるなあ。散らばっているよりたくさん集まってくれる方がありがたいよねぇ)」
一箇所に集中するということは逆に言えばその一点に致命的なダメージが入った場合、立て直しがほぼ不可能になるということである。
そしてそれを突かないなどという、チャンスをむざむざ見逃すような真似はもったいない。
うまいことその致命的な一撃を与えるべく一手を投じたいところだが……とフロースが辺りを見回すと、巨大なキノコが目に映る。
「……巨大キノコ、楽しそうだよね?」
よし、とフロースは身体を一回転させ――水まんじゅうのようなぽよんぽよんの球体へと変化。
ひと跳ね、ふた跳ねと勢いをつけてぽよーんと飛んだかと思いきや巨大キノコに全体重をかけて乗っかり、キノコの傘が地面に着くスレスレまで力を入れて――飛んだッ!!
最早ブラックタールの身体が凶器となる程の勢いをつけて高く飛び上がったフロースは、そのまま陣形のど真ん中の飛空艇を勢いよく遥か上空、星になるまでふっ飛ばした。
飛行艇数機が一気にお空の星と化した光景を、『セイレーン』たちは口をあんぐりと開けて呆然とした表情で見ていた。
その間にフロースは別の方角にある巨大キノコに着地し、巨大キノコが首折れるんじゃねぇかってレベルで再び勢いをツケてぼよよんと飛び上がり、呆然として大きく隙のできた『セイレーン』の部隊陣形に次々風穴を開けていく。
「ひ、怯むな!迎撃を!!」
「ダメです、スピードが早すぎて捉えられません!」
「キノコを食べたのですよ!?それでも捉えられないなんて!!」
飛び上がれば反発による作用で勢いよく飛び、落ちる時は重力による速度補正で勢いよく降りていく為、『セイレーン』たちが迎撃しようとしてもロクに狙いを定められない。
さながらまるでピンボールのようにあっちに飛んではこっちに飛んで……
ヒット&アウェイを繰り返していると、近くに撃破した飛行艇が落としたのかちょっと焼けたキノコを発見する。
「お、丁度いいや。許可もらってるし味見しよ」
ぼよんと巨大キノコをクッション代わりにして着地し、くるんと一回転して普段の姿に戻ってキノコを早速口に放る。
中々に香ばしく焼けたおかげか良い香りが口の中に広がっていく。
「ん、結構おいしいねこれ……おや?」
刹那、フロースの身体がみるみるとぐんぐんぐいぐい大きくなり始めた。
恐らくグリモア猟兵が語っていた巨大化現象のことだろう。どかーん!という勢いではないが、あっという間に一回り二回り以上も大きくなった。
これは使わない手はないだろう。より多くを巻き込んで攻撃できるというのは利点に他ならず、今回に限っては集中砲火云々を考える必要もない。
早速再び【バウンドボディ】に戻ったフロースはもう一度巨大キノコを踏みつけ――勢いよくジャンプ!
巨大化したことで重量も相当になったハズなのだが、それでも全くもげる要素を見せないこの巨大キノコよ。
「て、敵が巨大化した今が好機です!集中砲火、集中砲火をかけなさい!」
「だ、ダメです!弾が弾かれてしまって全く効きません!」
「怯むな、怯んではなりません!ここで退いては――」
流石猟兵に匹敵する実力とユーベルコードを世に送り出しているスーパーよいこランド産のキノコといったところか。
銃弾もナイフも全く痛くも痒くもなくなったフロースの一撃は、次々にセイレーンを空の星へと変えていった。
大成功
🔵🔵🔵
夢ヶ枝・るこる
■方針
・☆
・アド/絡/ルビ◎
■方針
また面白い環境ですねぇ。
駆けつけたよいこの皆さんに了解を得、多目のきのこを確保しますぅ。
そして【銀翼袍】を発動し飛行、きのこを頂きつつ[空中戦]を行いますねぇ。
『防護無視』は当たらなければ良く、微弱とは言え『崩壊の波動』で位置認識を阻害、且つ『飛行速度』を考えれば狙うのは難しく、それでも当たりそうな場合は『FIS』の転移で回避すれば良いですぅ。
後は『FGS』の重力波で相手の動きを阻害し、『FRS』『FSS』の[砲撃]と『FDS』の[爆撃]による[範囲攻撃]で叩きますねぇ。
『浮遊兵器』故手は空きますし、[大食い]で量も頂けますから、攻撃と同時に追加を頂く方向で。
●キノコが生い茂る豊饒っぷりに女神様は喜びそうな気がしました
「これは、また面白い環境ですねぇ」
戦場に馳せ参じた夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)の前に広がるのは、散々『セイレーン』たちに狩られてしまいながらも尚生い茂るキノコたち。
それはもう、何なら狩った瞬間その場からにょきっと生えてくる。生命力に溢れすぎではないだろうか。
おやまあ、と見ていたらそこにスーパーよいこたちが駆けつける。
「あなたは猟兵さん!?助けにきてくれたんですか!?」
「はい、助けに参りましたぁ。こちらのキノコ、頂いてもよろしいですか?」
「猟兵さんならいくらでもいいですよ!いっぱい生えてますから!」
「ありがとうございますぅ」
深々とお辞儀をして、るこるは|FTS《フローティングトランスポートシステム》の中にありがたくきのこを充分な量詰め込む。
彼女の操る『祭器』は全て自律システムにより空中浮遊と各自機能を扱える為、こうしたキノコ狩りを行う用途にも非常に便利である。
いやまあ、今回の目的はキノコ狩りではなくキノコを狩りにきたオブリビオンを迎撃することなのだが。
パワーアップが図れるキノコであり、これを敵が食して勝負しにくる以上は自らもまず同じ土俵に立たねばならない。
「これぐらいあれば充分ですねぇ。では……」
必要量のきのこを確保したるこるは、自らが使える豊饒の女神に祈りを捧げる。
「"大いなる豊饒の使徒の名に於いて、その御印たる裳を此処に"」
風が吹いたかと思うと、そっと天から光をるこるに授け、彼女の衣装が神々しい神の羽衣へと変化する。
【|豊乳女神《チチガミサマ》の加護・|銀翼袍《ギンヨクノショウゾク》】は豊饒の女神の権能の一部を衣として身に纏うことで借りるユーベルコード。
元より空中戦に秀でているるこるであるが、この衣は彼女のその空中戦の大きな助けとなる強力な力を有している。
衣を身にまとったるこるはふわりと上がり、『セイレーン』たちへと対峙する――前に、きのこを一つ頂いた。
「(味は普通のきのこですねぇ……でも、生でも噛めば噛む程旨味が出てきて、とってもおいしいですぅ)」
それはもう、いつまでも噛んでいられる程に旨味が延々と広がっていく超絶美味な味であった。
キノコ嫌いには地獄な味かもしれないが、るこるには目立った食事の好き嫌いはないのでおいしいという感想に尽きる。
可能なら今度じっくりと調理して食べたい程に。
「猟兵一体発見!エンゲージします!」
「女が一人ですか。飛空艇に乗っているならまだしも生身で浮遊し我らに勝負を挑むとは……いいでしょう、引導を渡して差し上げます!」
『セイレーン』の駆る個人用武装飛空艇たちが一気にスピードを上げ始める。
彼女らの武装飛空艇は極限まえで強化チューンナップが施されているようで、一度スピードを上げたら例え相手がどれだけ離れていようとぶつかるのに分もかからない。
故に相手が防護体制を取る前に仕留められる、そう出たと推測されるが――しれはるこるの纏っている衣に宿る女神の権能の恐ろしさを彼女たちは知らないからだろう。
「な……!?」
確かに今まっすぐるこるめがけて突撃したハズなのに、命中したと思った瞬間彼女の姿が霧のようにかき消えたではないか。
おかしい、確かに狙ったハズだ。ターゲットはどこに?
辺りを見回したら先程とは違う位置にるこるがいる。もう一度突撃するが、また失敗に終わる。
これはるこるの纏っている衣が持っている機能に所以するもので、戦場の敵全てに緩やかながらも強力で認識阻害を伴う『崩壊の波動』を放つことができる。
つまり、相手は既に彼女の術中にあるということだ。
「く、賢しい真似を……きゃっ!?」
今度は強烈な重力波がセイレーンたちを襲う。
『FGS|《フローティンググラビトンシステム》』による重圧が一斉にセイレーンたちを次々地面へと叩き落としていったのだ。
認識を阻害され、自らの詳細な位置も把握できてない状態で重圧など受けたら、陣形は簡単に瓦解する。
あとは『|FRS《フローティングレイシステム》』と『|FBS《フローティングブレイドシステム》』による集中砲火を浴びせつつ、るこるはキノコのパワーアップが途切れないよう
定期的にキノコを口にしていた。
武器が全部浮遊平気で両手は常に空いている状態の為、キノコの補充に専念できるのである。
まさにるこるならではの戦法だろう。
何度も重力を浴びせられては地に堕ち、集中砲火を受ける『セイレーン』たち。
恐らく、るこるがグリモアベースに帰投した頃には墜落がトラウマになっていることだろう……
大成功
🔵🔵🔵
馬飼家・ヤング
☆
アドリブトンチキ大歓迎!
ええんやな? ここのキノコ、ホンマに食うてええんやな?
ほな遠慮なく、大地のパワー……いただきます(もしゃもしゃ)
……フォーーーーーッ!
み な ぎ っ て キ ターーー!!
【バ美肉】パワァでムキムキマッチョにへーんしん!
巨大キノコで上空へジャンプしたら、そのまま敵地のど真ん中に急降下!
大地も轟く衝撃波で集まろうとした敵を足止めしたるで!
あんたらそんなセクシーボインなカッコしといて
やることがキノコの乱獲&食い逃げとか何気にセコくない?
わいもナニワのフードファイター、食い逃げ犯は許しまへんで!
マッスルパワーでちぎっては投げちぎっては投げ
不法採取したキノコも返してもらうで!
●恐らく一番本領発揮できそうなジョブ
「……ええんやな?」
ごくり、馬飼家・ヤング(テレビウムのちっさいおっちゃん・f12992)は唾を飲んだ。
「ここのキノコ、ホンマに食うて……ええんやな?」
「はい!」
スーパーよいこは屈託のない笑顔で即答である。
ああその笑顔のなんと眩しきことか。色々大人になってしまったヤングおじちゃんにはちょっと眩しすぎる。
……何かこう、いらん知識与えちゃいけんような気ぃする――!
と、別の謎の決意が湧き上がってくる程度にはめちゃくちゃ眩しい笑顔であった。
「ほな遠慮なく、大地のパワー……いただきます」
両手を合わせてしっかりと礼をし。キノコを早速もしゃもしゃと食べる。
「!!!」
その時、ヤングおじちゃんに衝撃走る――!!
ほぼ生でありながら、これがまためちゃくちゃ美味!旨味たっぷりで変なエグさもなくいくらでもいけてしまう美味しさであった。
「う、うま……っ」
そう思った時にはヤングの手は次なるキノコに伸びていた。
もしゃもしゃ。もしゃもしゃ。もしゃもしゃ。
引っこ抜いたところから即ぽん!と新しく出てくるのをちぎっては食べちぎっては食べ、そのテレビウム特有のちっちゃな身体がみるみる大きくなっていく――!
「……FOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!み な ぎ っ て キ タ――――――――――ーーーァァァァァァ!!!!!!!!!」
\ピー♪(チャン) ピー♪(チャン) ピルピー♪ ピルピー♪ ピルピールッピッピッピー♪/
どっからか何か聞いたことある――と言ってもネタが通じるか怪しいが――笛の音がなり始めると共に、レイザー的ポーズを決めたヤングおじちゃんはユーベルコードを発動!
【バ美肉】してムキムキマッチョに大変身して大きくぴょいんと飛び上がり、巨大キノコを踏んづけて敵陣のど真ん中にダイブッ!!
もちろんであるが巨大キノコは潰れたりもせず無事である。
「きゃあああああああああ!?」
突然のムキムキマッチョテレビウムの襲撃にセイレーンたちは悲鳴を上げた。
確かにいきなり筋肉ムキムキの巨大な奴が不意打ちでやってきたらびっくりするのはそうである。
慌てて各々飛空艇に乗り込もうとしたところでジャンプによる衝撃波がセイレーンたちを吹き飛ばし、スーパーよいこランドの地面を轟かせると同時に飛空艇を空の星と変えた。
「し、しまっ……船が!」
一番の武器である飛空艇を無力化させられたセイレーンたちは打つ手の大半を失い、ムキムキマッチョな巨大テレビウムと対峙する。
「な、なんてこと……おのれ猟兵!」
「知らんがな!ちゅーかあんたらそんなセクシーボインなカッコしといてやることがキノコの乱獲&食い逃げとか何気にセコくない?」
「(ギクッ)せ、セコ……これは偉大なる聖帝陛下の命だ!それは我らが陛下への侮辱なるぞ!」
「えっでも今ギクッって反応せえへんかった?」
「そそそそそそそそそんなワケがないだろう!!!」
「馬鹿者!わかりやすい動揺をするな!!」
セイレーンのいち兵士の頭が別の兵士によってスパコーンと叩かれる。いや自覚あったんかい。
「自覚あったんかい……」
ヤングおじちゃんも思わずツッコミに回る程だ。
「まーそれは置いといてや。ワイもナニワのフードファイター、食い逃げ犯は許しまへんでェ!いくらパイオツカイデーなチャンネーでも容赦はせえへん!
不法採取したキノコを返してもろた上で食べ物の恨みとくと味わってもらうでェェェ!!」
ヤングおじちゃん、セイレーンをちぎっては投げちぎっては投げの大無双!
もちろんセクハラで訴えられないように触ってはいけないところには最大限配慮しつつちぎっては投げちぎっては投げ、時には思い切りシェイクして手持ちのキノコを無理やり奪い返していく。
「……ウッ、吐きそ」
「ウプッ……自分もう無理です」
「まてまずは陣形を立て直してからだじゃないと虹がかかるッ!!」
マッスルパワーに翻弄されたセイレーンたちは別の意味で乗り物酔いのような表情になってグロッキーと化した。
果たして虹は無事かからなかったのか。そこは彼女たちの名誉の為に言わないでおこう。
ヤングおじちゃんも「流石にそれはワイしーらね……」とドン引きしながらもちゃんとエチケット袋を用意してから片っ端からお空へとセイレーンたちをふっ飛ばしていったのだった。
大成功
🔵🔵🔵
ドゥルール・ブラッドティアーズ
共闘×
グロ×
POW
ねぇねぇボク君、お姉さんにキノコ御馳走してほしいな♥
……人間相手に何言ってんのよ、私。
とにかくキノコを食べて強化された事だし
『挽歌・剛鬼童千穐楽』で
私と同じ強さの美少年力士128人を召喚!
私を含め129人の【集団戦術】による【誘惑・催眠術・全力魔法】で
セイレーンのお姉さん達を魅了し
よいこ達に見えないよう【結界術】の中で【慰め】合うわ♥
力士達:ふぁぁ♥
ルル様も好きだけど、お姉さん達も好きぃ♥
私も【化術・肉体改造】でスカートの中に
キノコを生やして御馳走【串刺し】したり
キノコスープ【乱れ撃ち】を振舞いつつ【生命力吸収・大食い】
お腹が膨れて眠たくなった?
このまま抱き合って眠りましょ♥
●流石にスーパーよいこたちには見せられません
「ねぇねぇボク君、お姉さんにキノコご馳走して欲しいな♥」
「はい!もちろんいいですよ、いくらでも食べてください!」
「うふふ、ありがと♥」
ドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)はスーパーよいこたちから許可をもらってキノコを手に取ると同時に我に返る。
「……人間相手に何言ってんのよ、私」
おおっと賢者タイムに突入してしまった!
本来は人間に対しては非常に辛辣で無愛想な彼女が、スーパーよいこに対してはあのようにセクシーなお姉さん空気満々で敵意がないかのように振る舞った。
その事実は確かに自身でも衝撃なことだろう。
恐るべしスーパーよいこたち。猟兵化したら自分ですら毒気を抜かれそうな純粋さでオブリビオンを退治しに行くのだろう。
そう考えるとここのキノコを死守することで今後将来与えられるであろうオブリビオン側の損害は大きく減らせるかもしれないと改めて感じさせられた。
「(恐ろしいわここの人間たちは……彼女たちには申し訳ないけど、ここから出ないで欲しいからちょっと眠ってもらわないと!)」
考えながら食べたキノコはめちゃくちゃおいしかった。
とにかく無事これでパワーアップを得た為気合を入れ直し、ドゥルールは満を持してユーベルコードを発動!
「"裸一貫、褌一丁、頑固一徹おねショタ理論"ッッ!!!」
『『『それ本当に詠唱なんですかぁ~~!!?』』』
目に炎を滾らせ唱える魔法の言葉に現れた羅刹の美少年力士の霊たちは思わずツッコミを入れる。
|【挽歌・剛鬼武童千穐楽】《ムーンダスト・ヴィグールーシャンピニオン》はドゥルールも大満足な美しさを持つ美少年力士の霊を召喚するユーベルコードだ。
その数にしてなんと129人!
こんな大量のショタを引き連れてどうするつもりなのか?
それはもちろん、セイレーンたちを"労う"為だ。
「さあ貴方たち、セイレーンのお姉さん方をこれでもかと魅了しに行くわよ!」
『はぁい、ルル様!』
おねショタ、つまりこの美少年力士たちも既にドゥルールに一度食べられて完全に虜にされている。
詠唱にツッコミは入れながらも素直についていってくれるのがこれまたドゥルール的にはかわいいことこの上なし。
彼らは彼女自慢のおねショタのショタ担当たちである。
「ま、まだくるか猟兵た……ち……」
中々消耗しているセイレーンたちであるが、それでもまだ戦う意志を見せ――て、いた、の、だが。
「うふふ、お努めご苦労様♥疲れたでしょうからゆっくり休んで欲しいと思ってきたのよ♪」
真っ白に光る魔力の結界を貼り、ドゥルールはその自慢のプロポーションと特異の誘惑・催眠術を用いてセイレーンたちにアピール!
キノコを食べてパワーアップした彼女の魔法は最早ユーベルコードとも違わぬ威力を誇っており、彼女と彼女の連れた美少年力士たちに魅了されたセイレーンたちの目が段々ハートマークを浮かべだした。
「か、かわいい……♥」
「さ、キノコもいっぱい持ってきたからお腹いっぱい食べましょ♥」
その言葉に最早抗える者はおらず、こうしてセイレーンたちはドゥルールと美少年力士たちにされるがまま。
全員が蕩けに蕩けた顔で、完全に"堕ちて"いく。
こんな快感と安らぎが戦士たちに与えられることは中々ない、逆に言えばその手のものにははちゃめちゃに弱いのである。
「ふぁあ……ルル様も好きだけど、お姉さんたちも好きぃ……♥」
「あっ……♥やだ、この子たち、とても上手……っん♥
美少年力士もすっかりとセイレーンたちの虜で、セイレーンも完全にショタに骨抜きにされて完全に目が♥である!
「もう、貴方たちばっかりずるいわ♪私ともいっぱいして欲しいな♥」
「ふぁぁっ♥♥♥」
ドゥルールはせっかく手に入れたキノコを利用してセイレーンたちをより強く魅了し、
きのこの栄養源をスープとして乱れ撃つように振る舞いながら、同時に生命力も吸収していく!!
その光景は間違いなく、スーパーよいこたちには見せてはいけない光景。
流石にあの屈託のない無邪気な顔を浮かべられたら、いくら人間相手だからとはいえイケナイ知識を与えてしまったような気分にさせられてしまう。
恐るべしスーパーよいこたち、とドゥルールはある意味で一番の苦戦を感じなくもない状態であった。
「うふふ、お腹が膨れて眠たくなったかしら?ならこのまま抱き合って眠りましょ♥」
「はぁい、ルル様……♥」
こうして彼女に付き従う守護霊はまた大勢増えたのである。
大成功
🔵🔵🔵
深山・鴇
【逢魔ヶ時】◎☆
巨大化したりパワーアップする、なるほど?
逢真君、君食べられないしジャンプも出来ないから全部俺にさせるつもりでは??
横暴というか、後ろで後方かみさま顔しながら動けなくなるくらい笑うつもりかと
(日頃の行いって大事だね)
あぁ、なるほど。自分が出来ない分眷属に頼るってことかい?
それはそれとして、俺も茸を食べるだろうからデカくなるかパワーアップすると思うんだが
俺がデカくなったらそれはそれで笑うだろう君
さて、どう転がるかはわからんが斬れば同じさ
空間の加護の前には距離も大きさも関係ないからね
(茸を踏みつけ空を飛び、足場は逢真君の眷属になって貰いつつ敵の眼前で茸を齧る)
やっぱり笑うじゃないか!
朱酉・逢真
【逢魔ヶ時】◎☆(*眷属のみ)
心情)スーパーよい子ねェ。デビキンみてェに実力もあれば生きやすかったろォに。マ・それは置いといて。
なンだい旦那、俺がそこまで横暴だと思ったのかい? ちゃアんと策くらいあらァ。エ・笑うだなンて、そンな…(そっと目をそらす)
行動)住民サンら、敵サン倒すためにキノコ食わせていいかい? よし。おいでェ、|ミズ坊《ミゼーア》。キノコ食い放題だ。
食えば食うほどデカく強くなる俺の仔だ。うまく行きゃアもっとデカくなるンだろ? 地上に足つけたまま空の敵らを食い散らかせ。
旦那もホレ、足場だよ。俺? 他に被害いかねェよに結界張る役。ア旦那がでっかく、ひひ、でか、ひっひひっ…!
●日頃の行いがモノを言うとはよくいうもので
「巨大化したりパワーアップする……なる程?」
グリモア猟兵からの説明を復唱した後、深山・鴇(黒花鳥・f22925)は隣で思考に耽る朱酉・逢真(朱ノ鳥・f16930)を見る。
「スーパーよい子ねェ。デビキンみてェに実力もあれば行きやすかったろォに……マ・それは置いといてどうしたンだい旦那」
「逢真君……君、食べられないしジャンプもできないから全部俺にさせるつもりでは??」
「なンだい旦那、俺が底まで横暴だと思ったのかい?」
「横暴というか後ろで広報かみさま顔しながら動けなくなるくらい笑うつもりかと」
「エ・笑うだなンてそンな……」
逢真の目は完全に鴇から逸れているが、実際彼はその存在の性質上、人が食すものは口にできないし超絶虚弱体質。
自分の代わりにそれらを駆使する者がいるなら協力した方が効率よく敵を追い払える。
それはそれとして、日頃の行いというものは大事であり鴇のはじーとジト目で逢真に対して疑いの視線を向ける。
「まア安心しな、ちゃアんと策ぐらいあらァ」
「まあ、そうでなければここに訪れることはないだろうしね」
「そういうこった。んじゃまずは、一応国の私有物なンで報告するかね」
まずは近隣住民の下ヘ向かう。
近隣の町は傷ひとつなく綺麗な光景を保っており、それだけでスーパーよいこたちが今までにどれだけマグナ聖帝国から国を防衛し続けていたのかがよくわかる。
そこに脚を踏み入れると、早速近場の住人であろう女性が顔を出す。
「おや、お客さんか……まあまあ」
早速訪れた二人のルックスに思わず視線が釘付けになる女性。
まあいきなり高身長のイケメンが二人も訪れたら町中の女性の視線を集めるのはそれはそう。
「まあ、こんなところにいらっしゃってどうしたの?」
「住民サンら、敵サン倒すためにキノコ食わせていいかい?」
「この国ではきのこを狩るには住民の許可が必要だと」
「まあまあまあまあ、ここのキノコでよければいくらでも取っていってくださいな。聖帝国には私たちも困っているんです」
秒でOKが降りた。
ここはスーパーよいこランドの中でも特に端の辺りで、特にマグナ聖帝国がよく攻め入るという。
やっつけてもらえるならありがたすぎてこの上ない、とのことだそうだ。
抜いても抜いてもすぐに生えてくるので心配いらないとも。
というワケで許可はあっさり出たなら遠慮なく食べさせて頂くだけである。
「よし。おいでェ、|ミズ坊《ミゼーア》」
どこからともなく現れる、狼のようなナニカ。
クトゥルフ神話体系にて存在が語られるティンダロスの猟犬、その頂点に君臨する"ティンダロスの大君主"ミゼーア。
しっぽと思われる部分をゆるやかに振り、逢真の命を聞く為にちょこんとその場に座る。
「|ミズ坊《ミゼーア》、キノコ食い放題だ。"たくさん食べて大きくおなり"」
『――』
恐らく犬で言うと返事をするように吠えたのだろう、ミゼーアは早速地面に生えているキノコをまるっと一飲み。
一飲み、二飲み、次々キノコをまるで飲み干すように食らっては身体がばきばきと大きくなっていく。
「美味いか?|ミズ坊《ミゼーア》」
『――』
「そりゃアよかった。うまく行きゃアもっとデカくなるンだろ?
好きなだけ食って――地上に脚つけたまま空の敵らを食い散らかせ」
その命に呼応するかのように、ミゼーアの身体はさらにべきべきと巨大化。
やがては再び襲撃に出ようとしていたセイレーンたちを硬直させる。
「な、何だアレは……!?」
「い、犬……狼……?いや、な、何アレ、こ、こわ……こわ、ひひっ、ふうひひ……っ」
クトゥルフ神話に存在する人物というものはだいたいが実際に見てしまったならば狂気をその者にもたらしかねない"圧"を持っている。
さらにそこにキノコの力が加わり、最早セイレーンたちは強制的に狂気度チェックさせられる状態だ。
「あぁ、なる程……自分ができない分眷属に頼るってことか」
「そういうコト。食えば食う程デカく強くなる俺の仔だ。こいつが全部何とかしてくれるさ。俺は他に被害いかねェように結界張る役」
「それはそれとして俺もキノコを食べるだろうからデカくなるかパワーアップすると思うんだが」
「だろうな。食った方が力つくンなら、食わねェ選択肢はねえさ」
「でも俺がデカくなったらそれはそれで笑うだろう君」
「いやア笑うだなんンてそンなそンな」
へらりとした笑みで答えながらもまた逢真の目は逸れている。
「ま、それはそれとして旦那もホレ、足場だよ」
「まあそれはありがたいんだが。ま、どう転がるかはわからんが……斬れば同じさ」
――空間の加護の前には距離や大きさなどは関係ないのだから。
鴇はキノコを一つ手に取ると、近くにあった巨大キノコを使って高く飛び上がり、キノコを口にしながらユーベルコードを発動する。
「――《咲け》」
刹那。
その"場"ごと、セイレーンたちが|【空間の加護】《イットウリョウダン》にて斬り捨てられる。
飛空艇に乗っていようがいまいが、それらは全てを斬り裂き、小規模な爆発を上げながら落ちていくそれらを地に脚をつけたままミゼーアが大きく口を開けて飲み込む。
一気に飲み干したことでさらにキノコの効果に連鎖するかのようにミゼーアはべきべきと成長し、
やがては島の端っこで戦っているとは思わない程遥かそら高く、それこそ"龍の巣"を体現するかのように大きくなった。
当然、飛空艇が切断されればエンジンなどが爆破したり、破片が飛び散り空から降り注ぐのだが、それらは全て逢真が結界術で弾き、島の被害となるものの一切を通さない。
鴇もミゼーアの頭に着地してもう一度【空間の加護】を得てセイレーンたちを両断、彼女らは何が起こったかわからないまま、次々落ちていく。
ミゼーアの放つオーラに狂気を刺激された彼女らは最早まともに言葉も発せなくなっているのだろう。
こちらには痛手のひとつもなく有利に、かつ地上から離れることなく利を得ていく中……それは起きた。
「ん?」
な、なんと!キノコを食べた鴇の身体がみるみる大きく!
キャンセルなんてものはないので、ぐんぐん伸びて巨大な男性が同じく巨大な人狼っぽい何かの上に乗っかっているという奇妙な光景が唐突に生まれたのだ。
ただでさえめちゃくちゃ大きくなった眷属がいるというのに、そこに高身長の男性が巨大化したとなれば、あっという間に空間を圧迫する。
ミゼーアがすっかり島を覆う程大きくなっているのに対し、その上に巨大化した男性が加わったとなれば最早怪獣同士の戦いでも始まるのかと錯覚するような”圧"をも感じさせる。
そして。
「ア旦那がでっかく……ひ、ひひっ、で、でか、ひっひひっ…!」
「やっぱり笑うじゃないか!!!!」
「いやァ、ひひっ、ふふ、笑わない方が、無……ふふ、ひひひ……!!」
全くこの神様は。
後で筋肉痛に苛まれそうなぐらい笑う逢真に、鴇は大きくため息をついた。
そんなやりとりをしながらも繰り広げられる戦闘光景は敵がもれなく阿鼻叫喚不可避のある種の地獄である。
スーパーよいこランドの住人たちにとっては天国だが、光景的には中々に狂気度チェックなので、住民たちが狂気度判定に失敗しないことを鴇は祈った。
そして、逢真は結局最後まで笑いっぱなしであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ミーガン・クイン
☆
おっきくなれちゃうキノコがあるのね? やだぁ素敵♡
おひとつ頂戴な♪
(キノコの効果に拡大魔法でさらに大きくなれたら最高なんだけど♡)
ま、効果は出なくても、どかーん!っておおきくなれちゃうんだけどね♪
(UC発動)
敵の飛空艇なんてきっとおもちゃみたいな大きさね、遊んであげながら槍で蹴散らしてあげるわぁ。
●キノコなくても大きくなれる場合はおおよそ普段の二倍でかくなると思っていい
「えっ、おっきくなれちゃうキノコがるのね?やだぁ素敵♡」
ミーガン・クイン(規格外の魔女・f36759)は目を輝かせる。
物体の大きさを左右させる魔法を絶対的だと信じる彼女にとって、巨大化の効果があるキノコはとっても魅力的に見えた。
「おひとつ頂戴な♪」
「はい、いいですよ!一つと言わず好きなだけ!」
「あらやだ羽振りが良いわね♪じゃあありがたくいっぱいもらっちゃおうかな♡」
許可を得たなら遠慮なく持って帰る用も頂こうと、ミーガンは次々キノコを狩っていく。
今この場で食べるようにいくつか残して残りは縮小魔法で極限まで収縮、同じく小型にして持ち歩けるようにしているミニ大型車両に詰め込んだ。
これらはきっと今後魔女として触媒などを作る際にもとても役立ちそうで色々と期待も膨らむ。
「(キノコの効果に拡大魔法でさらに大きくなれたら最高なんだけど♡)」
淡い期待を寄せながらきのこを一つぱくり。
生だというのに噛めば噛む程広がる旨味が素晴らしい逸品で、思わずミーガンは落ちそうな頬を抑えるかのように顔に手を当てた。
「あらやだおいしい。これは期待ができそうね~!」
とにこやかに笑いつつミーガンはユーベルコード【拡大魔法・桜花爛漫(マキシマムスペル・ブロッサミング)】を発動。
この拡大魔法はミーガンの身体をなんとおよそ普段の136倍にする。
そこにキノコの巨大化重なったら実質136からさらに2倍は最低保障として存在すると見ていいだろう……とにかく、でかい。
「な、何だアレは……!?」
セイレーンたちは途端に目の前に現れた巨大な魔女に困惑する。
ただ砲弾を撃ったとしても結界術が間違いなく阻むし、乱気流で思い切り相手を引っ掻き回してやろうと思っても
その巨体ではどんな暴風もそよ風に当てられるようなものだろう。
「こ、攻撃が一切効きません!」
「怯むな!どこかに弱点があるハズ……」
「あったとして、突けるかどうかは別の話よね~♪」
刹那、セイレーンの船の甲板を同じく巨大な槍が貫く。
絶妙なバランスでセイレーンたちからはギリギリ逸れるが、それはそれとしてひょいっと持ち上げてぽいっと捨てるように飛空艇から落としていく。
まるでゴミ捨ての分別を行うかのように。
「ホント、おもちゃみたいな大きさねえ」
飛空艇を指でつまみ、ミーガンはその作りをまじまじと見る。
今の巨大化した彼女にとってはある意味マイクロサイズの精巧なプラモデルを見ているような気分だ。
まあ、取っておいたりはせずあっさり捨てられるのだが。
つまんだ指をえい、と挟めば飛空艇が潰れ、重要帰還が爆発する。
しかし巨大化したらそれすらも軽くぱち、と静電気が起こった程度の衝撃に過ぎない。
「さ、おいで。遊んであげながら蹴散らしてあげる♪」
「ぜ、全員撤退!体勢を整え――」
号令を出したセイレーンも同じように指でぷちっと挟まれ終わる。
指揮系統を葬られたセイレーンたちは、最早陣形を組むくまないの問題ではなくなる程に蹂躙されたのであった――
そんな感じで無双を繰り広げたが、巨大化キノコを引けなかったのでちょっとだけミーガンは残念そうにしていたのはまた別のお話。
大成功
🔵🔵🔵
ティオレンシア・シーディア
☆◎
…えー…っと。これアリスラビリンスの依頼だったかしらぁ…?
こーいうファンシーにトンチキなのってあっちの専売じゃなかったかなあ…
ふぅん…乱気流、ねぇ。確かに厄介だけど…お生憎様。
あなたたち、あのヒトより風の扱い上手いのかしらぁ?(参照シナリオid=9501)
キノコ貰ってパワーアップ、ついでに巨大キノコで大ジャンプ。|ラグ《流れ》と|カノ《叡智》で補助しつつ乱気流の中に突っこむわぁ。
脱力して流れに身を任せつつ荒れ狂う風の流れ・吹き荒ぶ気流の乱れ、その悉くを〇見切り、掌握。
〇空中戦の応用で姿勢を制御して●瞬殺を叩き込むわよぉ。
いくら狙撃手としては二流以下とは言え…このくらいは、射手の嗜みよお?
●実はこの世界もトンチキに溢れているのである
ティオレンシア・シーディア(イエロー・パロット・f04145)は頬に手を当てて困ったように首を傾げる。
「……えー……っと。これ、アリスラビリンスの依頼だったかしらぁ……?」
残念ながらブルーアルカディアの依頼です。
「こーいうファンシーにトンチキなのって、あっちの専売じゃなかったかなあ……」
アリラビが「解せぬ」って言いそうだがイメージとしては確かにそう思わないでもない。
ほら、迷宮災厄戦とか特にその辺り顕著だったし。最強のイマジネーションとかがあったせいで。
だが実はブルーアルカディア、たまたま見かけないだけで結構トンチキになりうる要素があちらこちらに落ちている。
今回の戦いの場であるスーパーよいこランドなんてまさにその典型だ。
……ここはここで色々スレッスレな要素があるのが色々な意味で問題だが。
「ま、まだ……まだまだ!『セイレーン』に敗走などあってはならない!総員、最後まで陛下の駒としての義務を果たせ!!」
残った『セイレーン』たちが一斉に飛空艇からあるものをばらまく。
それは風属性の召喚獣が宿っていた名残である召喚石の欠片。
例え中から召喚獣が出てきた後だとしても、その石にはそれぞれの属性の魔力が強く残されている。
それを空中にばらまくことで、乱気流を強制的に発生させるのだ。
その光景を目の当たりにしたティオレンシアから、先程までの困惑の要素が突然消え失せる。
「ふぅん……乱気流、ねぇ」
確かに厄介だ。風の扱いに長けているものか、地理をよく理解している者でなければ……だが。
だが、ティオレンシアはこれよりもっと凄まじいものを知っていた。
そう、それこそかつては猟兵たちも現在程の規模ではなかった頃の戦争で。
「あなたたち、あのヒトより風の扱い上手いのかしらぁ?」
にこりと笑うティオレンシア。
セイレーンたちは彼女の纏う雰囲気に思わず寒気を走らせる。
自らに怖気づいていることにはそっと気づかない振りをして、ティオレンシアはキノコを食べ、ルーン文字を描いて魔術を行使する。
|ラグ《流れ》は水を象徴し、流れを意のまに操る。
|カノ《叡智》は火を象徴し、新たな発展への知識へと至る。
これら二つを組み合わせることで乱気流へも難なく対応してみせようと乱気流の中へと身を投じる。
「なっ……っ!?」
セイレーンが動揺するのも気に留めず、脱力して流れに身を任せる。
乱気流というものは下手に抵抗するよりは力を入れず、そのまま風が荒ぶ方向に身を預けることで負担が楽になる。
そうしてじっくりと風に煽られ、ティオレンシアはその流れを掌握し――乱気流の動きに乗ることで自らのスピードを上げ、セイレーンの個人武装飛空艇に乗り込み、
銃の引き金を引く。
乱気流のスピードに身を任せたその動きはまさに早業とも呼べる代物だ。
セイレーンは何が起こったかわからないまま撃ち貫かれ、支える力をなくした身体が風に煽られそ空に落ちていく。
主を失った飛行艇もまた、同じように雲海の下へと墜落していった。
「いくら狙撃手としては二流以下とはいえ……このくらいは、射手の嗜みよお?」
ニコリと笑い、銃を構えるティオレンシア。
自分たちよりも乱気流を使いこなされてしまったことにより、完全に立場が逆転したセイレーンたち。
だが逃げることは許されない。マグナ聖帝国たるもの、抵抗程度で諦めることは許されない。
故に例え玉砕されるとしても突撃し、その尽くがティオレンシアによって、空下のさらに下、雲海で見えることのない地上まで墜ちていった――
大成功
🔵🔵🔵
灰神楽・綾
【不死蝶】☆
このキノコを食べればいいんだよね
…でも生のキノコはちょっと食べにくいなぁ
ねぇねぇ梓、食べやすいように何か良い感じに調理してよ
わぁ、いい匂いがしてきた
キノコってシンプルに焼くだけでも美味しいよね(もぐもぐ
そうだ、あとでキノコのお礼によいこ達にキノコ料理を振る舞ってあげたらどう?
俺が梓の手料理を食べたいというのが本音なんだけどね
祝勝会という言葉に一気にテンションが上がる
よーし、気合い入れて殺っちゃうぞー
俺、この戦いが終わったら梓にキノコたっぷりの
炊き込みご飯とシチューを作ってもらうんだ…
こういう戦いの時にはこいつの出番だよね
ハンマーポムグラネイトを取り出しぶんぶんと素振り
そしてUC発動、飛翔能力で空中線を仕掛ける
高速飛翔で飛び回ったり、巨大キノコで大ジャンプしたりして
敵を翻弄しながらハンマーでガンシップごとぶん殴っていくよ
あはは、キノコのおかげでいつもより身体が軽い気がする
乱獅子・梓
【不死蝶】☆
お前、ダクセ出身者にあるまじき贅沢発言だな…
すっかり舌が肥えやがって…と思ったが
もしやその原因を作ったのは俺か…?
ええい、仕方ないな
時間無いから本格的な調理は出来ないが
仔竜の焔に頼んでキノコを軽く炙ってもらう
ここに醤油とかあれば最高なんだが…無くても全然イケるな(もぐもぐ
なるほど、それもありだな
キノコ料理で盛大に祝勝会と行こうか
その為にもまずはあいつらをちゃちゃっと片付けるか
UC発動し、炎属性や雷属性のドラゴン達を召喚
俺が食ったキノコの効果は俺が召喚したドラゴン達にも適用される!筈だ!
飛行しながら属性ブレス攻撃を浴びせ
まずはガンシップをスクラップにしてやる
引きずり降ろしたら体当たりや頭突きでベシベシと攻撃
もしドラゴン達が巨大化・無敵化に成功したら
ここぞとばかりに強気に攻めていくぞ
俺自身が巨大化したら…それはそれでどうしようって感じなんだが
●フラグかなって思って
灰神楽・綾(廃戦場の揚羽・f02235)は許可を得てキノコを一ついくつか採ったものを見る。
赤に白い斑点がついたキノコ、赤ではなくて緑に白い斑点のついたキノコ等様々あるが柄がみんなして太い。
「なんか柄の部分太いし、目描いても面白そうだよね」
「いやそれやったら絶対間違いなくアウトな気がするからやめろ」
ぺちん、と乱獅子・梓(白き焔は誰が為に・f25851)が綾の頭を叩く。
マジで目を書いたら危ないどころの話ではないので止めてくれて本当に助かりましたありがとう。
「まあともかく、このキノコを食べればいいんだよね」
「ああ、そうだな」
「……でも生のキノコはちょっと食べにくいなあ。ねえねえ梓、食べやすいように何か良い感じに調理してよ」
「お前……ダクセ出身者にあるまじき贅沢発言だな……???」
ダークセイヴァーは当然、このスーパーよいこランドのようにあちこちで食べれるキノコが生えているなんていう優しい世界ではない。
人類砦によっては食にありつくのすらままならない場所だってある。
そんな過酷な世界出身でありながらのこの発言。すっかり舌が肥えやがって……と、思った梓であったが。
「(……もしや、その原因を作ったのは俺か……!?)」
そうですね、梓さんの調理スキルがはちゃめちゃに高いからだと思います。
毎度毎度向かった先で作る食事のクオリティの高いこと高いこと。報告書を書いている側も食べたくなってきますからね!!
「ええい、仕方ないな……焔、ちょっと炙ってくれないか」
「キュー!」
愛竜・焔の炎がじゅわじゅわっとキノコを炙る。
「わあ、いい匂いがしてきた」
「うーん、軽く炙っただけでめちゃくちゃうまそうだな」
「んじゃ早速いただきまーす」
早速かじればキノコの香りが口の中いっぱいに広がり、噛めば噛む程旨味も広がる。
焔と零もおいしそうだなあという顔で見ているので梓が分けてやると、おいしそうにぱくぱくぱくぱく食べていく。
おいしさで嬉しそうに鳴くのがまた可愛らしい。
「ここに醤油とかあれば最高なんだが……無くても全然イケるな」
「うんうん。キノコってシンプルに焼くだけで美味しいよね」
しかし、それにしてもこのキノコのおいしさは従来のキノコとは桁違いだと二人して思う。
なる程、これを食べたよいこたちが実力がつくワケだと納得もした。
そしてこんなうまいキノコで料理を作ればきっと間違いなくおいしい。
「そうだ、後でキノコのお礼にキノコ料理を振る舞ってあげたらどう?」
と提案する綾だが、実際は梓の手料理を食べたいだけである。
しかし実際、スーパーよいこたちが快く協力してくれているからこうしてキノコにありつけているワケだし、
お礼の為に手料理を振る舞うのは悪い話ではない。
むしろ、梓の手料理ならよいこたちは間違いなく大喜びだ。
「なるほど、それもありだな。キノコ料理で盛大に祝勝会といこうか」
「お、いいね。よーし、気合い入れて殺っちゃうぞー」
祝勝会の3文字に目に見えてテンションを上げる綾。
新し親分との死闘(?)で手にした愛器の一つ、ハンマーポムグラネイトをぶんぶんと素振りする。
テンションが上がってるのがわかる程度には、その素振りがどえらく速い。
これが終わったら祝勝会、梓の手料理食べ放題――表現的には語弊があるが敢えてそう言っておこう――。テンション上げる理由としては十二分なのだ。
「俺、この戦いが終わったら梓にキノコたっぷりの炊き込みご飯とシチューを作ってもらうんだ……」
「どこぞのフラグが立つような言い回しはやめろ」
「はいはい。それじゃあさくっと行こうかな――”おいで"」
綾が呼ぶと、彼の元に仄かに輝く紅い蝶が集まり、それらが衣のように綾を覆う。
【レッド・スワロウテイル】を身に纏い、近くにあった適当な巨大キノコをバネに大きく飛んだ後、
遠心力が乗るように柄の端を握り締めて数回ほどの回転を加えてガンシップをぶん殴る!
飛び散る火花とザクロの果汁。
『セイレーン』たちはその光景に驚きながらも、即座に反撃の砲撃を綾めがけて放つが、その頃には既に綾は別のガンシップの背後に回り込んでいた!
「あはは、キノコのおかげでいつもより身体が軽い気がする」
普段のにこやかな笑みを絶やさず、綾は次々にガンシップをザクロ果汁に染め上げつつ撃墜しては離脱するヒット&アウェイを繰り返す。
「怯むな!キノコを食べているのは我々も同じこと!奴を包囲して畳み掛け―ー」
『セイレーン』の隊長格が命じようとしたその刹那、眼前に現れるのは巨大なドラゴン。
梓のユーベルコード【レイジングドラゴン】にて呼び寄せた竜たちは、彼女たちのガンシップと比べても桁違いな大きさを誇っていた。
「な、ん……!?」
その大きさに『セイレーン』たちは圧倒され、思わず硬直した。
「お、おお……」
何なら呼び出した梓本人がびっくりして少しだけ硬直した。
いや、自分が食べたキノコの効果はユーベルコードを通じてドラゴンたちにも適用されると思ってはいたが、本当に適用されるとやはりびっくりするものである。
「わあ、大きくなってるね」
「予想以上に大きくなった……」
綾も目を丸くする程のドラゴンたち。
どんだけ大きいかって今この場を画面とするなら画面の上部分の半分ぐらいは占めれそうなでかさである。でかくなりすぎでは???
「だがこれは間違いなくチャンスだ!強気に攻めていくぞ!」
ドラゴンたちが次々に『セイレーン』たちへと向かう!
自分たちのガンシップよりも大きくなったそれらに対処しようとすれど、その数にして128体存在するドラゴン相手が当然1体ずつで攻めてくるハズもなく。
ガンシップがスクラップ化し、引きずり降ろされた『セイレーン』たちはぺろんと物を口の中に入れて卵を生むかのように次々と撃破される。
辛うじてその場から離脱し、戦線を立て直そうとする者もいるが――
「おっと、失礼するよ?」
ユーベルコードにて一時的に飛翔能力を得た綾が回り込み、撃墜。
ドラゴンが大きくなりより目立つようになったことで、綾の行動のほとんどはセイレーンたちに視認されずにいた。
先程からドラゴンをどうにかしようという思考にばかり呑まれ、相手が2人いることを完全に失念していたのである。
再び飛び散るザクロ果汁、そして吹き上がる火花と黒炎。
「キュー!」
「ガウ!」
そのガンシップが空に落ちる前に、梓がひっそりと派遣させていた焔と零が船に積まれたキノコを回収する。
彼らもどうやら食べたことにより巨大化の恩恵を受けたようで、普段より二回り以上大きくなっている為それらを抱えることは何ら苦ではなさそうだ。
「お、ナイスだね。それないとキノコ祝勝会のメニューに使うおかず足らないもんね」
「キュー(ガウ)!」
二匹とも祝勝会のキノコ料理にあやかる気満々であった。さっき食べたキノコはめちゃくちゃおいしかったから、ご主人さまが料理したらもっとおいしいに違いない!
そんな気概で綾の支援、というよりキノコ回収にやってきたようだ。
キノコ回収にも意識を割けるというだけで今の二人がどれ程優勢に立っているかは言うまでもなく、着実にセイレーンたちを撃墜していく綾と梓。
まさに向かうところ敵なしの活躍によって、最後のセイレーン分隊も次々とその数を減らされ、やがては一人もいなくなったのであった――。
「これでおしまいかな?思ったより早く片付いたね。キノコ様々って感じ?」
「ああ、そうだ、な……んん!?」
しかし直後、梓の身体に異変が発生!
そう、キノコの巨大化現象を今更になって受けてしまったのである!
ドラゴンたちに適応されたことで安心し、自らもまさか巨大化するまいとは思っていた梓であったが、残念ながらそうは問屋が下ろしてくれないようだ。
気づけば彼は、すっかり元の身長が高いおかげか全長4m近くは確実にあるであろう巨人内の大きさに変化していた。
「……何で今更になってくるんだよ!?」
「まあ、何かの旗が立ってたんじゃないかな?」
「ささっと戦域離脱して下準備にとりかかるかと思ったんだがな……うーん」
と、ちょっと予定より遅くなってしまう羽目にはなったが、無事この後みんなでキノコで祝勝会を開き、
綾と焔、零は梓お母さんお手製のキノコ料理に舌鼓を打ったのであった……
「だからお母さんって呼ぶんじゃありません!!!!!」
大成功
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