5
アルカディア争奪戦⑤〜雪降る中でも楽しく!

#ブルーアルカディア #アルカディア争奪戦

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#ブルーアルカディア
🔒
#アルカディア争奪戦


0





「皆様お疲れ様です。アルカディア争奪戦において新たな戦場へと進めるようになりました、早速参りましょう!」
 そう説明を始めつつ、ウィノラ・シュレミール(天蓋花の人形劇・f26014)はにっこり笑う。今回もアルカディア争奪戦の案内のようだ。
「目的地は『飛空氷塊アリステラ』……雪と氷で出来た浮遊大陸です。こちらは『天帝騎士団』によって作られた場所で、内部では彼らに攫われた人々が強制労働をさせられいるのですよ。という訳で彼らを助けるため、|飛空艇艦隊《ガレオンフリート》の勇士と共に強襲作戦を行います!」
 説明を続けつつ、ウィノラは雪が降り続く大陸の様子を映し出す。
 そこでは最低限の防寒装備をした人々が苦しそうに働いており、彼らを見張るように大きな影が動き回る。その正体は――雪だるまのような姿をした化物だ。
「奴隷の皆様は『スノーゴーレム』と呼ばれる巨大な雪だるまの怪物に監視されているようです。なので猟兵の皆様、あるいは|飛空艇艦隊《ガレオンフリート》の勇士が陽動しゴーレムを引き付ける必要があるでしょう。勇士の皆様は陽動係も救出係もおりますので、猟兵の皆様がどのように動いても対応出来るかと」
 猟兵がゴーレムを引き付けてもいいし、逆に勇士にゴーレムを引き付けてもらっている間に救出作業に入ってもいい。
 とにかく|飛空艇艦隊《ガレオンフリート》と連携することが作戦成功の鍵だろう。

「ゴーレムは見た目通りの雪と氷の怪物ですから、攻撃すれば倒すことが出来ます。けれどもう一つ方法がありまして……このゴーレム、意外と好奇心旺盛なのですよ。なので何か楽しいことをすれば、気を引くことは可能かと思われます」
 『天帝騎士団』は騎士道を重んじる存在であり、奴隷の人々も何かを楽しむ余裕はない。そんな状況では真面目に働くゴーレムも、普段触れることの出来ない愉快なものに触れれば――きっと気を逸らすことが出来るはず。
「歌や踊りを披露してもいいですし、面白いものを見せて反応を窺うのもいいでしょう。勇士の中にも歌や踊りが得意な方はいらっしゃいますし、彼らと協力するのも手段の一つになるかと」
 とにかく楽しい雰囲気を作り上げることが出来れば、ゴーレムの陽動は行えるだろう。
 どうやって敵の気を引くか。どうやって奴隷を助け出すか。その方法は猟兵達に委ねられている。
「説明としてはこのくらいでしょうか。皆様、とにかく楽しく! そしてしっかり作戦を成功させましょう!」
 ウィノラはにこにこ笑顔のまま話を締めて、転移の準備を進めていった。


ささかまかまだ
 こんにちは、ささかまかまだです。
 ダンス・ウィズ・雪だるま。

●プレイングボーナス
 |飛空艇艦隊《ガレオンフリート》の陽動を利用し、奴隷達を救出する/自ら囮となり、|飛空艇艦隊《ガレオンフリート》を自由に行動させる。

●『奴隷解放作戦』
 勇士と共に乗り込んで、見張りのゴーレムを陽動したり奴隷を救出したりしましょう。
 ここのゴーレムは楽しいこと・面白いことに興味を引かれる性質があるようです。
 自分達で楽しいことをするもよし、勇士の人々に楽しいことをしてもらうもよし。
 ゴーレムとバトるのも一つの選択肢でしょう。
 最終的に奴隷を救出して、島から離脱出来ればOKです。


 オープニングが出た時点でプレイングを受付開始します。

 シナリオの進行状況などに関しては戦争の詳細ページ、マスターページ等も適宜確認していただければと思います。
 また、プレイングの集まり次第で不採用が出てしまうかもしれません。ご了承下さい。

 それでは今回もよろしくお願いいたします。
172




第1章 冒険 『奴隷解放作戦』

POW   :    力ずくでスノーゴーレムを破壊する

SPD   :    監視の目を潜り抜け、奴隷達に接触する

WIZ   :    魔法を使い、スノーゴーレムの稼働に干渉する

イラスト:真夜中二時過ぎ

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

播州・クロリア
スノーゴーレムは楽しいことに興味を持ちやすい?
ならばこの私が囮となってダンスを披露しスノーゴーレムたちを見事に惹きつけて見せましょう
(スノーゴーレムたちの前に現れると微笑みながら翅をゆっくりと震わせ軽い足取りでステップを踏んだ後{桃花の旋律}で『ダンス』を始める)
さぁさぁ皆さん、そんなに難しい顔をせずにここはまったりのんびりダンスでも見ながらくつろぎましょう
(UC【蠱の夢】が発動し{桃花の旋律}によって桃のような香りのそよ風が吹き、ちょろちょろと心安らぐ小川のせせらぎが聴こえ、凍えた大地は心地よいふかふかの大地へと変貌していく)
ほんの一時、休むだけ…休息は大事ですよ




 播州・クロリア(踊る蟲・f23522)にとって楽しいことといえば、それは勿論踊ること。
 楽しいことに興味を引かれる敵がいるなら、彼らの前で踊りを披露すればいい。
「……という訳で私が囮になります。その間に勇士の皆様は、奴隷の方々を助けて下さい」
「ああ、分かった。気を付けてな!」
 飛空艇艦隊の人々はクロリアの言葉を受けて、自分達の作戦を開始していく。
 そしてクロリアは自分のステージ――スノーゴーレムの元へと堂々と向かっていった。

 ゴーレム達はクロリアの姿を見ると、殺気立った様子ですぐに迫ってきたようだ。
 けれどクロリアは急がず焦らず、優雅な所作で身体を動かす。
 顔には柔らかな微笑みを、翅はリズムに合わせて少しずつ震わせて。たん、たん、とゆっくりだけど軽やかなステップを踏めば――。
「さぁさぁ皆さん、そんなに難しい顔をせずにここはまったりのんびりダンスでも見ながらくつろぎましょう」
 此度刻むは桃花の旋律、雪景色の中でも不思議な暖かさを感じさせる心地の良いリズム。
 それを纏いつつ自由に踊るクロリアの姿は、ゴーレムにとっても喜ばしいものだろう。
 彼らの身体からは殺気が薄れ、その代わりに興味深そうな視線が此方へと降り注ぐ。
「ええ、もっと見ていって下さい。皆さんもこの旋律、きっと気に入ると思います」
 クロリアは更に笑顔を振りまいて、のびのびと踊りを続けていく。

 気付けばそのリズムに合わせるように、桃の香りを纏うそよ風が吹き抜けて。
 ここは雪原のはずなのに、聞こえてくるのは心地の良い小川のせせらぎで。
 そして――雪と氷に覆われた地面は、ふかふかした柔らかなものへと変わり始めた。
 この感覚は、アリステラで生まれ育ったゴーレムにとっては未知のものだろう。
 けれどそれに包まれることは決して恐ろしくない。今はただ穏やかなものに囲まれて、それを堪能すればいいのだから。
「ほんの一時、休むだけ……休息は大事ですよ」
 クロリアの囁きに合わせるように、ゴーレム達は次々地面に寝転んでいく。
 一体、また一体と眠りに落ちる頃には――勇士の人々が仕事を果たしたようで、奴隷を連れて逃げていく姿が見えた。
 そんな彼らにも笑顔を向けて、クロリアはダンスのフィニッシュに入る。
 曲の終わりには、この地に立つのはクロリアただ一人。けれどそれは、自分の踊りがしっかりと役割を果たしたからこそ。
「……ありがとうございました」
 だからクロリアも丁寧に礼をして、ゆるりと舞台を去っていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

プフェルトラム・メーベルナッハ
楽しき催しでゴーレムの方々の気を惹く作戦ですね。
然らば私にお任せあれ♪

楽器演奏の得意な勇士の方に同行頂き、彼(女)の伴奏を受けて【ダンス】を披露。
大胆に躍動感ある動きを魅せながら作戦領域内を練り歩き、可能な限り多くのゴーレムの気を惹いていきます。
「さあ、貴方もご一緒に♪」

ある程度引き付けた処で曲目変更、緩やかで艶っぽいダンスに切り替え【誘惑】気味に更に気を惹いていきます。
曲目変更は、救出担当の勇士の皆様への誘引完了の合図も兼ねてます。
もしゴーレムが救出行動に動く方々に反応するようでしたら、ダンスの流れからUC発動し足止めを試みようかと。
「今はどうか、私だけをご覧になってくださいませ…♪」




 飛空艇艦隊の待機地点へと足を運びつつ、プフェルトラム・メーベルナッハ(千夜の踊り手・f00012)はゆるりと笑う。
 此度の作戦は楽しい催しでゴーレム達の気を引くこと。それはプフェルトラムにとっても楽しいものだった。
「然らば私にお任せあれ♪ 楽器演奏が得意な方と向かうことが出来れば、必ずやこの作戦を成功へと導きましょう」
「おお、それは頼もしいな。それじゃあ楽器持ちや吟遊詩人に声をかけるか」
 集まったのは様々な楽器を扱う勇士の人々。プフェルトラムは彼らともしっかり挨拶を交わし、作戦を練って現地へ向かう。
 いよいよ敵の監視地点へと足を踏み入れるタイミングで――勇士に奏でてもらうのは、跳ねるようなリズムの楽曲だ。
「それでは皆様、打ち合わせ通りに参りましょう」
 音楽に合わせるように、プフェルトラムは軽やかな舞を披露する。
 飛んで跳ねて、時にその動きは大胆に。その華麗な舞は殺風景な雪景色の中で鮮やかに咲き誇る。
 ゴーレム達も音に引かれて集まってきているようで、プフェルトラムは彼らに向けてにこりと微笑んだ。
「さあ、貴方もご一緒に♪」
 音楽は続き、踊りの列も続く。その光景は楽しげに、けれど夢まぼろしのようでもあって。

 数曲分の舞踏が終わる頃には、集まったゴーレムの数もかなりのものになっていた。
 奴隷達の場所からも十分距離は取れただろう。そこでプフェルトラムは勇士達に視線を送り、彼らもまた頷きを返す。
 次に奏でられるのは躍動感ある楽曲ではなく、緩やかでどこか妖しげな曲。
 それに合わせるようにプフェルトラムの舞もゆっくりと、そしで艶やかなものへと変わりゆく。
 曲の変化を合図に動き出すのは、此方の陽動隊だけではない。奴隷に救出に向かっていた勇士達も積極的に動いて、どんどん奴隷を助け始めたのだ。
 曲の入れ替わりは作戦の切り替わり。事前の打ち合わせ通りに事が運んでいるようで、皆も安心していたが――ふいに数体のゴーレムが、後方を気にし始めているようで。
 そんな相手を見つければ、プフェルトラムは積極的にそちらへ向かう。
 視線はより熱っぽく、踊りは更に妖艶に。合わせて漂う香気は怪物すら蕩けさせる代物だ。
「今はどうか、私だけをご覧になってくださいませ……♪」
 ユーベルコードの域まで高められた惑乱の舞踏はゴーレムの興味を引き戻し、更に視線を釘付けにしていく。
 その様子は、まるでおとぎ話か何かのようで。
 そして曲が全て終わる頃には――奴隷は皆救出されていることだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エルシェマリ・リブラ
艦隊の勇士達を前に神妙な顔で告げる
色んな世界を渡って来て、アタシは一つの真理を得た

> ネコは正義 <

そんな訳でUCでネコさん召喚
そら、アイツらと遊んで来い
好奇心旺盛なネコさんとゴーレム達
互いに興味津々に見つめ合ったりしてな?
勇敢なネコさんは雪だるまにビビらねぇ
いつも通りのニャンコライフを見せ付ければそれでイイ
炎属性纏ったまま添い寝したって構わない
こっそり救出対象の所にも数匹紛れ込んで、ホカホカの暖を与えてやったりしてな
炎属性でなくともネコさんの温もりはサイコーだけど!

遊んでくれない悪いゴーレムはネコパンチや引っ掻きで退治頂く
アタシも鞭で頭飛ばしてやるぜ

ネコさん、後で勇士の皆にも遊んで貰おうぜー




 時は少し遡り、作戦会議中の飛空艇内部にて。
 エルシェマリ・リブラ(紫晶の閃鞭・f35044)は神妙な顔を浮かべ、集まった勇士達の前に立っていた。
「今回の作戦について、一つ言いたいことがある。色んな世界を渡って来て、アタシは一つの真理を得た」
 ごくり。勇士達が真剣に息を呑み続く言葉を待つ。
 そんな彼らにカッと目を見開いて、エルシェマリが告げたのは――。
「――ネコは正義! ネコさん達と作戦を成功させるぞ!」
「「「にゃーん!!!」」」
 宣言と同時に現れたのは、魔力の爪と翼を持つふわふわネコさん軍団。
 その愛らしくも頼もしい姿に勇士達も大喜び。皆で改めて気合を入れて、いざ上陸だ!

 そして時は戻り、作戦の最中へ。
 奴隷を見張るために巡回を続けるゴーレム達の元へ、ふわふわもふもふがゆっくりと近づく。
 ゴーレムが足元を確認すれば、そこには人懐っこい笑顔を浮かべるネコさん達が。
「にゃあ!」
 ゴーレムと遊びたそうなネコさん、早速足元にすりすりするネコさん、頭の上に乗せてもらうネコさん、気にせず近くでお昼寝するネコさん。
 多種多様なネコさんに包まれて、ゴーレム達も不思議とほっこりしている様子。
 こっそり炎属性を纏ったネコさんはほかほかで、知らず識らずのうちにゴーレムの機動力を削いでいたりも。
 でもゴーレムはそんなことに気付かずに、一緒に遊んでいて。
 ニャンコライフによる陽動は大成功だろう。
 その光景を見守りつつ、エルシェマリは奴隷救出隊へと視線を送る。
 彼らを先導するのは、また別のネコさん集団だ。

「にゃっ!」
 ネコの運動能力と魔力の翼が合わされば、彼らに潜り込めないところはない。
 ネコさん隊は奴隷が捕らえられた建物を発見すると、粗末な窓の隙間にするりと入り込む。
 寒さに震える奴隷達を見つければ、ネコさん達はふわりと寄り添って。
「わっ、暖めてくれてるの……? ありがとう……」
「にゃーご」 
 ぽかぽかネコさんにエネルギーを貰えば、奴隷達もきっと頑張れる。
 彼らも後から追いついた勇士達によって解放され、力強く脱出の道を進めるだろう。

 救出隊はネコさんと共に役割をしっかり果たした。その報告を聞いたエルシェマリは、陽動隊のネコさん達にも合図を送る。
 それを皮切りにささっと撤収していくネコさん。ゴーレムと遊ぶのが楽しかったのか、少し名残惜しそうだ。
 そんな彼らを慰めるように、エルシェマリは笑顔を浮かべる。
「よしよし。ネコさん、後で勇士の皆にも遊んで貰おうぜー」
「にゃーっ!」
 まだまだ遊べると知ったネコさん、上機嫌。
 そんな彼らに囲まれて、エルシェマリもまた笑顔を深めていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

城野・いばら
愉快をお求め?
それならね、いばら達にお任せあれ
目的はアリス達を救出する事
私はゴーレムさん達を惹き付け担当を

UCで巨大いばら(着ぐるみ)を創造して、乗り込みます
寒さも凌げていばらにとっても良い作戦!
目立つように、おおきく、おおきく、ふわもふになぁれ
もこもこと怪力で、体当たりされても平気なの
それでも攻撃してくるコは
止まってくれるよう、不思議な薔薇の挿し木で時間稼ぎするけれど
ね、賑やかに惹かれてほしい
猟兵のアリスへ援護もできたら
共演したり創造ももっとできるよ

【小さなうたごえ】と【夢路】にも手伝ってもらい
楽しい歌唱と、バラの花弁での演出を
この大陸には薔薇は咲くのかしら
気になるなら
どうぞと、ひらりお誘い




 奴隷救出に向けて緊張した表情を浮かべる飛空艇艦隊。そんな彼らの元に現れたのは、柔らかな笑みを浮かべる城野・いばら(白夜の魔女・f20406)だ。
「愉快をお求め? それならね、いばら達にお任せあれ。必ずみんなの力になるわ」
 目的は、囚われたアリス達を助けること。だからこそいばらは、危険な囮役を名乗り出る。
「大丈夫よ。ゴーレムさん達と一緒に楽しんでくるわ」
 勇士達に見送られつつ、いばらは氷の大地を進む。
 ひゅるりと吹く風は冷たくて、頬が張り裂けそう。だからここは――。
「紡いで、結んで、おおきな縁になぁれ」
 トロイメライをゆるりと揺らして、作り上げるのはとっても大きないばらの着ぐるみ!
 そのふわもふの身体に乗り込めば、とっても暖かい、それにゴーレムさんと目も合わせられる。
 実際氷の上を進んで見えたのは、ぱちぱち瞬きするゴーレム達だ。

「ごきげんよう、ゴーレムさん。一緒に遊びましょう?」
 そっとふかふかの手を差し伸べれば、ゴーレム達も握り返してくれる。ぬいぐるみ越しなら冷たいゴーレムに触れてもへっちゃらだ。
 突然の客にびっくりして暴れだした子もいるけれど、そんな子は優しく抱きしめて。いばらぐるみはパワフルで、ゴーレムさんに押されてもへっちゃらだ。
「怖がらないで、大丈夫。いばら達はみんなと遊びたいだけなの」
 ぽんぽん、とゴーレムの背を叩いて宥めたら、改めて一緒に遊ぼう!
 いばらが着ぐるみの中で『小さなうたごえ』を開けば、そこから弾むような歌声が響く。
 それに合わせて蝶の夢路が舞い踊り、薔薇の花弁を引き連れゴーレムの周りをくるりと飛んで。
 ひらひら、ふわふわ。雪景色の中に、雪以外のものが舞い踊る。
 そんな楽しげな光景に包まれれば、ゴーレム達も上機嫌のようだ。歌声に合わせてリズムを刻む彼らに、思わずいばらも微笑んでいた。

「きっとここでは歌を歌う人もいないのでしょうね。それに……この大陸には薔薇は咲くのかしら」
 いばらは不思議な薔薇の挿し木を掲げ、周囲に薔薇の蔓や花弁を伸ばしていく。
 殺風景だった大地の上には、赤、白、ピンク――様々な色が花咲いて。
 ゴーレム達は初めて咲いた花を前にして、今度はじーっと観察しているようだ。
「ふふ、気になるならどうぞ。好きなだけ見ていってちょうだいな」
 いばらが見せた美しいものは、ゴーレム達の心を強く惹き付ける。
 その間に勇士達も仕事を果たしたようで、飛空艇の側では逃げ込む奴隷達の姿も見えた。
 それなら後は、出発の時まで楽しもう。歌って、舞って、観察して。
 いばら達の作り上げたおとぎ話の光景は、誰も傷付けることなく思い出だけを残していった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エイベル・シュテンレー
あーあー、あんな装備じゃ体調崩しちゃうっすよ! 奴隷みたいに扱うのもダメなら労働環境がそもそもなってないっす!(ぷんすこしながら

あっしはゴーレムさんを引きつける囮役をやるっすよ!
【スターライト・エアリアル】でキラキラ星さん達を召喚っす! ほらほら、綺麗でしょ! それにジャンプ台にもなるんすよコレ!
そう言いながらゴーレムさん達に向けて、ジャンプの【パフォーマンス】をお披露目するっす! 星さんを使って飛んだり色んなとこに飛び乗ってみたり!

そうやってあっしが【時間稼ぎ】してるうちに艦隊の皆さんは奴隷にされてる人達を救出しちゃって下さいっす!




 雪が降り積もる中、奴隷達は最低限の防寒着だけを着込み延々と働かされているようだ。
 凍える身体をどうにか動かし宿舎へと戻っていく彼らを見遣り、エイベル・シュテンレー(きらきら光る星蝙蝠・f37371)は怒りを示す。
「あーあー、あんな装備じゃ体調崩しちゃうっすよ!  奴隷みたいに扱うのもダメなら労働環境がそもそもなってないっす!」
 思い出すのは自身が酷使されていたメガコーポ。屍人帝国も彼らと同じ真っ黒組織なのだろう。
 けれど此度の目的は悪党を吹っ飛ばすことではない。奴隷を助けて皆に笑顔を取り戻さなければ。
「という訳であっしは囮役をやるっす! 時間稼ぎは任せて欲しいっす!」
「そうか、分かった。気を付けてな!」
 奴隷達が収容された建物へ向かう勇士を見送りつつ、エイベルは煌めく羽を羽ばたかせる。
 衣装はばっちり、装備もばっちり。
 それならあとは楽しいショーを披露するだけ!

 エイベルは煌めく光を纏いつつ、堂々とゴーレムの前に姿を現す。
「こんにちはーっす! 皆さんご注目っすよー!」
 にこにこ笑顔を浮かべるエイベルに、ゴーレム達は警戒半分、興味半分といった様子。
 それなら早速――エイベルはキラキラコウモリくんを呼び出して、彼の軌道にふかふかの星を浮かべていく。
「ほらほら、綺麗でしょ!」
 星はエイベルの周囲を漂ったり、ゴーレムの側できらきらしたり。不可思議な光景が繰り広げられたことで、ゴーレム達は興味の方が強まっているようだ。
 そんな彼らの様子を窺いつつ、エイベルは自分の側の星を掴む。
「ジャンプ台にもなるんすよコレ!」
 ぴょん、と星に飛び乗れば、反動で身体は宙へと飛んで。
 そのまま羽も使って一回転すれば、ゴーレム達はすっかりショーに夢中な様子。
「星さんを使えば皆さんの上にも乗れるっすよ!」
 ひらりとゴーレムの肩に舞い降りて、にっこり笑顔を向け合って。
 屍人帝国の労働環境は悪だが、ゴーレム自体に罪はない。彼らもまたブラック企業に酷使されているようなものだ。
 だからせめて、彼らは楽しめるように。エイベルは飛んで跳ねて、きらきら星を生み出しつつショーを続けていく。

 暫くゴーレム達と戯れていれば、奴隷救出の方も進んだようだ。
 空から勇士と奴隷達の姿を確認し、エイベルは小さく安堵の息を吐く。
 けれど時間はまだあるのだ。せっかくだから、後少しショーを。
「もっと高くまで飛ぶっすよー! きらきらっす!」
 きらきらの星蝙蝠の姿は、きっとゴーレム達の心にも刻まれていっただろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鐘射寺・大殺
ヘクショーーーン!!
なんだここは、寒いではないか!
長居しすぎると風邪をひいてしまう。さっさと奴隷どもを
解放しようではないか。

【炎の魔王軍】に、《悪のカリスマ》で命令するぞ。
「吾輩はこれより、天帝騎士団とやらに宣戦布告する!まずはこの
浮遊大陸を占領し、支配下に置くのだ!」
屍人帝国のひとつやふたつ、侵略したところで誰も文句を言うまい。
宮廷魔術師たち、火の魔法を放ち陽動をかけよ。
そして兵士の中から力自慢を選び、特別な任務を与える。
「貴様らは、あのゴーレムどもと遊んでおれ。そうだな…相撲大会をやって力比べでもするか。最多勝には褒美をとらす!」
それにしても寒すぎる…家に帰って血の池風呂で暖まりたいのう。




「へ、ヘクショーーーン!! なんだここは、寒いではないか!」
 大きなくしゃみを一つして、鐘射寺・大殺(砕魂の魔王・f36145)は叫ぶ。
 飛空氷塊アリステラは寒い。あまりに寒すぎる。だって氷と雪しかないし。
「長居しすぎると風邪をひいてしまう。さっさと奴隷どもを解放しようではないか」
「ああ、そうだな。作戦はどうする?」
「相手は雪だるまのお化けだろう? それなら陽動は吾輩達に任せておけ」
 大殺は背後に『炎の魔王軍』を呼び出しつつ、堂々と大陸の上を進んでいく。ちなみに配下達は名前の通り炎属性なので近くにいるとありがたいのだ。
 気を付けて、と叫ぶ勇士の声に手を振って、大殺達の進軍は続く。

 暫くすれば――殺気立ったスノーゴーレムが、此方を待ち構えているのが見えた。
 大殺はニヤリと笑みを浮かべ、ゴーレム達をびしっと指差す。
「吾輩はこれより、天帝騎士団とやらに宣戦布告する! まずはこの浮遊大陸を占領し、支配下に置くのだ!」
 この大陸は屍人帝国が作り支配している場所。それなら侵略しても問題はないだろう。
 でっかい氷塊というのも何かの資源に出来そうだし。少なくともオブリビオンの支配下にあるよりは、砕魂王国が管理する方が絶対に良い。
 そんな大殺の宣言に、ゴーレム達は分かりやすく怒りを見せた。でもその反応は当然だ、だから対策も当然用意してある。
「宮廷魔術師たち、火の魔法を放ち陽動をかけよ。それから兵士の……力自慢共よ」
 大殺が指をぱちんと鳴らせば、使命された者達が前に出る。
 魔術師達は既に魔法の杖を掲げて準備万端で、兵士達の士気も高いようだ。そんな彼らを見遣り、大殺はうんうんと頷く。
「貴様らは、あのゴーレムどもと遊んでおれ。そうだな……相撲大会をやって力比べでもするか。最多勝には褒美をとらす!」
 褒美、の一言に兵士達は雄叫びを上げ、早速ゴーレム達の元へと走る。
 同時に魔術師が炎の術を発動すれば、周囲にあっという間に火の手が広まった。

 後は炎に包まれる中、兵士達とゴーレムの熱いぶつかり合いが始まる。
 ゴーレム達も大変な状況ながら初めての勝負には喜んでいるようで、意外と楽しそうだ。
 大殺は少し離れた位置で戦いを見守るが――。
「……それにしても寒すぎる……家に帰って血の池風呂で暖まりたいのう」
 やっぱり寒さには限度がある。飛空氷塊アリステラ、一筋縄ではいかない。
 この土地を攻略するにはなかなか骨が折れそうだ。今日のところは帰るとしようか――勿論、勇士や助け出された奴隷と一緒に。


 こうして猟兵達はそれぞれの手段で活躍し、勇士と共に奴隷を助け出すことが出来た。
 まだ戦いは続くけれど――罪なき人々を助ける。その役割はしっかりと果たしていったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年09月06日


挿絵イラスト