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銀河帝国攻略戦㉒~禍根を断て

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦 #ドクター・オロチ

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●彼は語る
「銀河帝国の執政官、兼、科学技術総監、ドクター・オロチとの決戦の時だ!」
 宙夢・拓未(未知の運び手・f03032)は、グリモアベースに集まった猟兵達へ告げた。
「ドクター・オロチは、たくさんの非道な兵器を作り、悪辣な策略を実行してる。必ず、倒してくれ」
 拓未は、ぐっと両拳を握る。
「……奴は、銀河帝国がどうなろうと興味はないみたいだ。だから、ドクター・オロチをどうしようと、銀河帝国攻略戦の趨勢への影響は一切ない。でも、あんな奴、許しておけるか! 頼むぜ、禍根をここで断ってくれ!」
 まくし立てた拓未は、一度深呼吸して、落ち着いてから続きを語る。
「ドクター・オロチは不気味な存在だ。けど、ここで撃破できれば、『スペースシップワールドでまた蘇ることは、ない』。それが俺の予知だ」
 スペースシップワールドの平和のために、可能な限り、ドクター・オロチの撃破を目指して欲しい、と、拓未は猟兵達に依頼した。
「それと、状況をまとめておくぜ」
 猟兵と解放軍は、実験戦艦ガルベリオンに砲撃を加えた。だが、航行不能に陥ったガルベリオンは、たちまち損傷を修復し始めたのだ。
「ドクター・オロチが生存してるって証拠だな」
 一般人をドクター・オロチに近づけるわけにはいかない。ドクター・オロチとの決戦は、猟兵に託されたのだ。
「ドクター・オロチは、装備した水晶剣で、自ら発明したらしい奇妙な存在を召喚する、かなりの強敵だ。絶対に油断はするなよ」
 ドクター・オロチは、常に1体しかいない。だが、その力が尽きるまで、骸の海から蘇る力を持つ。倒してもすぐに再出撃してくるのだ。
「今回、俺が皆を送る場所は、実験戦艦ガルベリオンの実験施設の一つだ。生物のホルマリン漬けがたくさんある、悪趣味な場所だな。そこに、ドクター・オロチは現れるぜ」
 最後に拓未は、こう締めくくる。
「要は、ドクター・オロチの待ち伏せと撃破が今回の依頼だ。頼んだぜ、皆! 無事に帰って来いよ!」


地斬理々亜
 地斬です。
 ドクター・オロチとの決戦の時です。

 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 ドクター・オロチは、先制攻撃を行います。
 これは、『猟兵が使うユーベルコードと同じ能力(POW・SPD・WIZ)のユーベルコード』による攻撃となります。
 彼を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
 対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
 対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。

 以上です。
 執筆状況は自己紹介ページに随時記載しますので、ご確認ください。

 皆様のご健闘をお祈りします!
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第1章 ボス戦 『ドクター・オロチ』

POW   :    ジャイアントカルシウム
自身の身長の2倍の【恨みの叫びをあげる骸骨巨人】を召喚する。それは自身の動きをトレースし、自身の装備武器の巨大版で戦う。
SPD   :    カリスティックボディ
自身の肉体を【あらゆる生命体を溶解し取り込む緑の粘液】に変え、レベルmまで伸びる強い伸縮性と、任意の速度で戻る弾力性を付与する。
WIZ   :    ビャウォヴィエジャの森のフェンリル
【水晶剣が変形した門から『フェンリル』】の霊を召喚する。これは【炎の体を持つ巨大狼で、爆発を呼ぶ咆哮】や【瞳から放たれる魔炎光線】で攻撃する能力を持つ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

芦屋・晴久
【WIZ】遠呂智・景明、リミティア・スカイクラッドと連携

ドクターへの攻撃は遠呂智君に任せます、私は道を作ると致しましょう
遠呂智君と契約し、【辰子鏡姫】にて彼を模倣した式神を作り出します
式神をドクターに向かわせ、先制攻撃を受けると共にその動きを遠呂智君に見て貰い、彼の糧にして貰いましょう

先制攻撃を合わせて数回受けたら式神はその役目を果たして消えるかと見ております
好都合です、私が動ける様になればドクターの召喚するフェンリルは【全力魔法】にて此方で受け持ち、遠呂智君の援護と致します

ウイルスから分かる通り極めて危険な人物です、ここで叩いて置かねばなりませんねぇ
では、行きましょうか遠呂智君、リミティア君


遠呂智・景明
芦屋晴久、リミティア・スカイクラッドと連携する。

敵の攻撃はUC【風林火陰山雷 林の如く】及び連携する2名のUCを使って対応する。
初撃は芦屋とリミティアのUCで出来るだけ対応。
1度敵の攻撃さえみりゃ、あとはUCで予測と回避ができる。念の為【見切り】【地形の利用】を用いて驕ることなく確実に敵の攻撃を躱していく。

初めてその名前を聞いた時が気に入らなかったんだよ。
敵の弱っているところを【傷口をえぐる】攻撃で、敵の防御の硬いところを抜く【鎧無視攻撃】で、二本の刀による【2回攻撃】を放つ。
オロチが倒れるまで手は緩めねぇ。支援は2人に任せて刀をふるい続けるぞ。
蛇は執念深いってのはよく知ってるからな。


リミティア・スカイクラッド
景明さん(f00220)、晴久さん(f00321)と連携

巨大な召喚存在が暴れられる広い戦場
ここなら切り札を使えそうです。リムは魔女の秘儀を行使します

先制攻撃に合わせてUCを発動
宝石剣の「封印を解き」魔力溢れる刃を足元に突き立て、構築した夢幻城塞の城壁にて自身と仲間を守ります

初撃を凌いだ後は、そのまま城塞を維持しながら後方より二人を援護
「的が大きいのは助かります。撃てば当たりますから」
主目標はフェンリルに定めて砲撃の嵐で動きを封じつつ
オロチの動きが止まればその瞬間を狙って「全力魔法」の一斉砲撃を

あなたの兵器にはリムの友人も世話になりました
遠慮は要りません。リムの全身全霊を以って返礼致しましょう



「ウイルスから分かる通り極めて危険な人物です、ここで叩いておかねばなりませんねぇ」
 転移を終えた、芦屋・晴久(謎に包まれた怪しき医師・f00321)がサングラスの位置を直して言う。
「では、行きましょうか遠呂智君、リミティア君」
「ああ。俺は、初めてあの名前を聞いた時、気に入らなかったんだ」
「景明さん。リムはそのお気持ちをお察しします」
 晴久の近くに立つのは、遠呂智・景明(さむらいおろち・f00220)と、リミティア・スカイクラッド(人間の精霊術士・f08099)の二人である。
 景明にとっては、悪辣な敵が、自分と同じ『おろち』の名を持っているということが、不愉快なのである。
「あれ? あれあれ? やだなぁ、待ち伏せだなんて」
 その時、ひょっこりと姿を現したのは、景明に不快な思いをさせている張本人……ドクター・オロチだ。
 身構える三人の猟兵。その中で、リミティアが言葉を発した。
「あなたの兵器にはリムの友人も世話になりました。遠慮は要りません。リムの全身全霊を以って返礼致しましょう」
 淡々と紡がれる言葉。だが、そこには確かに、リミティアの静かな怒りが宿っている。
「ムシュシュシュ、それ皮肉のつもりかな? まあいいや、まとめて皆殺しだね♪ そーれ、『フェンリル』~♪」
 たちまちのうちに、ドクター・オロチの持つ水晶剣が、門へと変形した。そこから現れたのは、炎の体の巨大な狼。
「写せや映せや其の面、水面見詰めるは龍の顎」
 晴久がすかさず詠唱する。『式神招来・辰子鏡姫(カガミヒメ)』――景明の姿の式神を召喚しようと。
 ……だが、式神は現れない!
(「これは……」)
 一体、なぜ?
 晴久は頭を巡らせる。
 そして、あることに気づき、サングラスの奥で瞳を軽く見開いた。
(「遠呂智君の、契約への同意の言葉、『この場では』聞いていませんね」)
 もしかすると、グリモアベースからの転移前に同意を得ていたのかもしれない。
 だが、この場では、景明は一切、『同意する』と言っていないのだ。
 同意が得られなければ姿を借りられない、そんな発動条件を持つユーベルコードである以上、これでは使えない。
 式神を先行させ、先制攻撃を受けさせて、景明に見切らせるという作戦は、瓦解した。
「ほらほら、どうしたの~? やっちゃえ、フェンリル!」
 ドクター・オロチは魔狼に指示を出し、瞳から光線を発射させる。
「問題ありません。リムがカバーします」
 晴久に起きている事態を察したのか、リミティアが、前方に飛び出した。
 宝石剣エリクシルの封印を解き、魔力の溢れる刃を足元に突き立てる。
 『魔女の秘儀・夢幻の城塞(ウィッチクラフト・ギガンティア)』を発動。巨大な魔術城塞が構築され、リミティアはその城主たる女王と化す。
 行使された魔女の秘儀は、魔炎光線を軽減する。晴久に向かった光線は急所を逸れ、脇腹を穿つに終わった。
「く……」
「あーあ、一撃で殺せなかったかぁ。しっぱいしっぱーい♪ ムシュシュシュ」
 傷口を押さえる晴久を見やって、ドクター・オロチは笑う。
「晴久!?」
 景明が振り向き、叫んだ。
「私のことは気にしてはいけません、遠呂智君。相手の攻撃は見ましたね?」
 額に脂汗を浮かせ、激痛に耐えながら、晴久は言葉を紡ぐ。
「糧にしてください。遠呂智君は、ドクターへ攻撃を」
「……分かった!」
 景明は一瞬迷ったが、言われた通りに、二本の刀を抜き放ち、ドクター・オロチへと駆けた。
「全砲台に魔力充填。照準良し――放て」
 リミティアの城塞からは、魔力砲台からの一斉射撃が行われる。直後、フェンリルが咆哮した。魔力の砲弾が、空中で無数の爆発を起こす。
「徐かなること林の如く」
 『風林火陰山雷 林の如く』。一度フェンリルの攻撃を見た景明には、爆発は予想できている。爆風に巻き込まれぬ位置を適切に選び、移動し、景明はドクター・オロチに迫る。
「え、え、こっち来るの?」
「当たり前だ!」
 ヤドリガミである景明の本体である刀、『大蛇切 景明』。
 かつての主の置き土産、『黒鉄』。
 その二本が、ドクター・オロチの顔面に突き立った。
(「倒れるまで手は緩めねぇ。蛇は執念深いってのは、よく知ってるからな」)
 大蛇の怪物を倒した、大蛇切。それは、命尽きよとばかりに、ぐりぐりと、ドクター・オロチのパーカーの中身……剥き出しの脳味噌を抉り続けた。
「痛いなぁ、もう。でも、いいの? キミの仲間、死んじゃうかもよ?」
 ドクター・オロチのその言葉に、景明の手が止まる。
 一瞬だけ振り向くと、景明の赤い瞳に映ったのは、倒れている晴久と、城塞を維持しフェンリルの攻撃を凌ぎ続けることで彼を護っているリミティアの姿。
「――チッ!」
 景明は舌打ちを一つ。できるなら自らの手でドクター・オロチに引導を渡したかったが、やむを得ない。
「撤退だ!」
 景明は晴久に肩を貸し、リミティアを連れて、その場を去った。

苦戦 🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

トリテレイア・ゼロナイン
ドクターオロチ、参加した作戦での「オロチウィルス」やジャミング装置での借りを返すときが来たようです
宇宙の人々の安寧の為ここで倒せればよいのですが…
とはいえあちらは格上、決死の覚悟で参りましょう

オロチの骸骨巨人の弱点…それは動きを「自身とトレース」してしまうこと
骸骨の攻撃を「怪力」による「武器受け」「盾受け」、動きを「見切り」回避、防御しつつ、オロチを操作に集中させます

その隙に私の機械馬を遠隔「操縦」しオロチ本人に「踏みつけ」による「だまし討ち」を仕掛けます
オロチ本人が回避行動をとったら骸骨も動きが鈍るはず、その隙にスラスターを点火し「スライディング」接近、隠し腕を打ち込み大盾で殴打しましょう!



「ドクター・オロチ」
 重い金属音がした。トリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)の足音である。
「参加した作戦での『オロチウィルス』やジャミング装置での借りを返すときが来たようです」
「ふーん。やれるもんならやってみなよ、ムシュシュシュ。そーれ、『ジャイアントカルシウム』~♪」
 直後、骸骨巨人が床からせり上がるようにして現れた。
(「決死の覚悟で参りましょう」)
 トリテレイアは身構える。
 振り下ろされた骸骨巨人の巨大水晶剣を、武器とシールドを構えたトリテレイアは、怪力でもって受け切った。
 時に見切り、時に防ぎ……次第に押されているようにも見えるトリテレイア。
 だが、全ては彼の策。トリテレイア自身が、囮なのだ。
「しつこいし、しぶといねー、キミ」
 ドクター・オロチは、骸骨巨人の操作に集中している……狙い通り。
「動きを『自身とトレース』してしまうこと。それが、あなたの骸骨巨人の弱点です」
「えっ?」
 トリテレイアの指摘に、ドクター・オロチはきょとんとする。
 その時、巨大な白馬が駆けた。遠隔操縦で動いた機械の馬、『ロシナンテⅡ』だ。
 だまし討ちでの、金属の蹄による踏みつけの一撃が、ドクター・オロチを襲う!
「うわー!」
 ゴロゴロ転がって避けるドクター・オロチ。同様に、骸骨巨人もゴロゴロ転がった。隙である。
「今です」
 すかさず、トリテレイアはスラスターを点火。スライディングし、ドクター・オロチに接近した。
「その行動パターン、封じさせてもらいましょう」
 トリテレイアの腰装甲から、特殊電流を流すワイヤ制御隠し腕が伸びる。『腰部稼働装甲格納型 隠し腕(対UC拘束モード)』――打ち込まれたそれは、ドクター・オロチのユーベルコードを180秒間封じた。骸骨巨人がバラバラになって散らばる。
「受けなさい」
 さらに、追撃。トリテレイアの大盾が、ドクター・オロチの体を強打した。
 ドクター・オロチの体は吹き飛ばされ、ホルマリンの瓶がぶつかって割れる。
「……いたたた。やってくれたね」
 何なのかも分からぬホルマリン漬けの生物を、ドクター・オロチは拾い、ぐしゃりと握り潰した。

成功 🔵​🔵​🔴​

フェルト・ユメノアール
キミの行った実験のせいで、沢山の人が傷つき、笑顔を奪われた
だから、ボクはキミを絶対許さない!

ボクは手札からスペルカード、【無人造の機兵】を発動!
自分のレベルと同数の機兵トークンを召喚する!

カリスティックボディの効果は生命体に有効
でも、機兵は機械!その効果は半減する!
沢山の機兵で敵の視界を塞ぎつつ敵の攻撃をガード
ガード後は即座に反撃に移行
弾性のある敵にボクの攻撃は有効打にはならない
でも、炎は別でしょ?
機兵の影に隠れつつ『トリックスター』を『投擲』して攻撃
狙いはオロチではなく、部屋に沢山あるホルマリン漬け
『地形の利用』『罠使い』を使ってオロチの足元にまき散らされたホルマリンに火を付けて焼き尽くす!



「キミの行った実験のせいで、沢山の人が傷つき、笑顔を奪われた」
 転移で現れた道化師少女、フェルト・ユメノアール(夢と笑顔の道化師・f04735)が拳を強く握り締める。
「だから、ボクはキミを絶対許さない!」
「わあ、怖いなあ」
 フェルトの真っ直ぐな怒りを、ドクター・オロチはやんわりと受け流す。
「そーれ、『カリスティックボディ』~♪」
 ドクター・オロチのその姿の、輪郭が崩れた。緑の粘液と、化す。
 フェルトはすかさず、師匠から受け継いだ魔法のカードを構えた。
「ボクは手札からスペルカード、無人造の機兵を発動! 自分のレベルと同数の機兵トークンをバトルエリアに召喚する!」
 発動したユーベルコードによって、戦闘用のLV1機兵トークンが22体、ずらりと場に現れた。それぞれの胸部には、『1』の刻印。
 緑の粘液は、広がり、視界を塞ぐ邪魔な機兵達を、まとめてごくりと呑み込もうとした。
「機兵は機械! 生命体に有効なその効果は、半減する!」
 カードゲームのルール文章を読み上げるかのように、フェルトは朗々と言い放つ。
 その内容は、真を突いていた。
 あらゆる生命体を溶解し取り込む、その粘液から吐き出された機兵達は、さほど損傷していない!
「ボクはトラップを発動!」
 機兵達に護られながら、フェルトは、派手な装飾が施された投擲用ダガー『トリックスター』を投げ放った。
 狙いは、ドクター・オロチ……ではない。ダガーは、ホルマリン漬けの瓶を射抜き、割る。
「どこ狙ってるの? ムシュシュ」
 笑い声を上げるドクター・オロチへと、フェルトは不敵に笑い返した。
「弾性のある敵にボクの攻撃は有効打にはならない。でも、炎は別でしょ?」
 フェルトのその言葉に、ドクター・オロチの顔色が変わった……かどうかは、緑の粘液の体なので不明だが。
「ムシュ!? まさか……!」
 声色からは焦りが感じられた。退こうとするが、もう遅い。
 フェルトの手で、何の変哲もない、火のついたライターが放り投げられる。
 床に広がった、ホルマリン――可燃性の液体であるそれに、着火。
 たちまち火の手が上がり、ドクター・オロチを包んだ。
「あち、あち! なんてことするんだ! ひどいなあ!」
 ドクター・オロチのとぼけた口調は変わらない。だが、地形と敵の特性を利用したフェルトの優れた作戦は、ドクター・オロチへと確かな大被害をもたらした。それは、間違いない。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クー・フロスト
くっ……なんて強敵あろうか…?
もう失敗は許されない状況ではないか…
ここは気を引き締めていかねばな

5分だけ
――本気を出す

搭乗する:機械鎧兵《ブルーゴースト》
技能◆激痛耐性、毒耐性、火炎耐性

▼氷の死神
骸骨巨人とはほぼ当機と同じサイズだ
粘液は機体に損傷するだろうがパイロットの私は無事だ

フェンリルか?私の体はありとあらゆる炎に耐性がある
このクー・フロストに効くわけがなかろう――?

▼反転攻勢
バーニアを噴かせ加速

――我がチカラを侮るなよ?
イェーガーブレードから放たれる氷属性の中ビームでヤツを凍らせる

技能◆属性攻撃=氷、殺気、覚悟、ダッシュ、ジャンプ、先制攻撃、早業


稼動限界か、脱出する
トドメは任せたぞ…?



「くっ……なんて強敵だろうか……?」
 ドクター・オロチを見やって、クー・フロスト(《甦生氷姫》武人たる者、常に鍛えよ・f08503)が呟く。
「5分だけ――本気を出す」
 言って、クーは、機械鎧兵《ブルーゴースト》への搭乗を行おうとした。その時――。
「甘いよ♪ そーれ、『カリスティックボディ』、『フェンリル』~♪」
「……何!?」
 クーの瞳が見開かれる。
 複数のユーベルコードで対抗しようとしたクーに対し、ドクター・オロチもまた複数回の先制攻撃を行ってきたのだ。
 すかさず悪魔の機体に乗り込んだクーへ、まず炎の魔狼が襲い掛かる。
(「緑の粘液は、非生命体である機械鎧兵には有効ではないはず。パイロットの私は無事だろう、だから襲ってこないのか?」)
 そうクーが推測した直後、フェンリルが咆哮した。
「私の体はありとあらゆる炎に耐性がある。このクー・フロストに効くわけがなかろう――?」
 爆発音。
「効くわけが――」
 何が起きたか把握したクーは、愕然とした。
 フェンリルの狙いはクーではなかった……機械鎧兵のコクピットの扉が、フェンリルの咆哮が起こした爆発で吹き飛ばされ、クーの姿が露わにされたのだ。
「やあ♪」
 生命体を溶かす粘液と化したドクター・オロチが、体を伸ばし、クーへと迫る。
 クーは歯噛みした。せめて、一撃だけでも撃ち込まねば。何しろ、もうほとんど、後がないのだ。
「――我がチカラを侮るなよ?」
 機械鎧兵を操縦したクーは、『機械鎧兵武装《イェーガーブレード》』を振るわせる。放たれたのは、『《甦生氷姫の祝福》フロストシュネーヴァイス』……氷属性の極太ビームである。迫りくるドクター・オロチへと、それは命中し、粘液を凍てつかせた。
「ムシュ、つめたっ!」
 怯むドクター・オロチ。撤退するなら、この時しかないだろう。
「限界だな、脱出する。トドメは任せたぞ……?」
 ドクター・オロチへと向かう別の猟兵の姿を一瞥してクーは呟き、脱出を行った。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

霑国・永一
【SPD】
やぁ、可愛らしいパーカーだね、オロチ

先制攻撃に対し、狂気の戦鬼を使用し、それによる持ち前の高速移動と【見切り】【フェイント】【ダッシュ】【逃げ足】の併用で全力で回避に回る。
以降の戦闘時においても前者に加えて【鎧無視攻撃】【早業】は常時活用。

なるべくオロチの死角に移動しつつ衝撃波によって攻撃、特に粘液の動きには注意を払い、伸縮する隙を与えない頻度で攻撃をぶつけて妨害していく。
接近戦の中、オロチの水晶剣を【盗み】【盗み攻撃】にて奪えるなら奪い、遠くへ捨てるか破壊する。戦後も残ってるなら持ち帰る
「おい脳みそ!いいもん持ってんじゃねぇか!命と一緒に寄越しなァ!!」

他の猟兵との協力も惜しまない


リリスフィア・スターライト
他の猟兵達との連携は積極的に行うよ

色々とえげつない事をしてくれた
元凶を懲らしめる機会がようやく来たようだね

フェンリルを先に呼び出してくるだろうし
まずそれを凌がないとね
遠く離れるよりは反撃の為にも逆に接近し巨体の死角に
回り込む事で魔炎光線の狙いから外れるようにかな
咆哮による爆発に巻き込まれないよう影響範囲を見切って避けるよ
対称の被害は受けても反撃できる程度には何としても耐え抜くよ

反撃のチャンスを掴んだら迅速に天体破局を発動させて
洪水を引き起こしフェンリルごとオロチを洗い流してみせるね
更に雷の嵐で追い打ちを狙うよ

「そっちの攻撃が終わったら次はこっちの番だよね」
「その狼も企みもまとめて流してあげる」



「やぁ、可愛らしいパーカーだね、オロチ」
 静かに歩を進めるのは、霑国・永一(盗みの名SAN値・f01542)だ。
「猟兵に褒められても嬉しくないかなぁ」
 言ったドクター・オロチは、再度ユーベルコードを発動した。
「そーれ、『カリスティックボディ』~♪」
 一旦元の姿に戻っていたドクター・オロチが、再び緑の粘液に変わる。
「色々とえげつないことをしてくれたね、オロチ。ここで懲らしめるよ」
 凛とした口調で、リリスフィア・スターライト(プリズムジョーカー・f02074)が言いきり、あえてドクター・オロチへと距離を詰めた。
「ハハハハッ! 俺様がぶち殺してやるぜ!! 愉しませなァッッッ!!」
 永一が、粗暴な戦闘狂の人格をまとう。『盗み纏う狂気の戦鬼(スチールオウガ)』の発動により、高速移動が可能となった永一もまた、リリスフィアとは別方向からドクター・オロチに迫る。
「あれ、あれれれ?」
 ドクター・オロチが戸惑ったような声を上げた。
「その体になったからって、視界が広がってるわけじゃねぇんだな」
 衝撃波を放ち、ドクター・オロチに攻撃をぶつけていきながら、永一が荒々しく笑う。
 左右それぞれの死角に回り込んだ二人の猟兵に、ドクター・オロチは対応できない。
「そこのお前、やるなら今だぜ」
 永一が、リリスフィアへと声を投げた。液体の動きを見切り、横に転がり避けてから、リリスフィアは頷く。
「オロチ。その企みもまとめて、流してあげる」
 発動する、リリスフィアのユーベルコード……『天体破局(スフィア・カタストロフィ)』。たちまちのうちに起きた大洪水が、ドクター・オロチの全身を流し去ってゆく。
「うわー! やーらーれーたー」
 ドクター・オロチの、呑気な印象の断末魔が聞こえた。
 水が引いた後には、一本の水晶剣が転がっている。
 永一が手を伸ばし拾い上げようとすると、触れる前に剣は砕け散り、霧散した。
「チッ……できるなら盗みたかったぜ」
 永一は舌打ちを一つ。
「勝った……みたいだね」
 雷の嵐で追撃を行おうとしていたリリスフィアが、構えを解く。
「そうだね」
 元の人格に戻った永一が、穏やかにリリスフィアへと笑いかけた。
 猟兵達は、強敵であるドクター・オロチに、勝利を収めたのである。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年02月17日


挿絵イラスト