忌まわしき母ならぬ女王の再生
「遂に、ここまで戻ってきたぞ……瑞貴、覚えているか。お前が討ち取られた、あの天守だ」
そんな言葉が、愛媛県今治城付近にて響く。
それは帯刀・圭吾……かつて銀誓館学園を欺き、策謀と暴走の果てに打ち取られた土蜘蛛の女王「朝比奈・瑞貴」……彼に仕えていた土蜘蛛の巫女の言葉。
「貴様らは、俺達を決して許しはしないだろう。複数名の能力者を謀殺した俺達の事を……」
オブリビオンとして蘇る生前の記憶……それに対して苦い顔を見せるも、すぐに頭を振り払って土蜘蛛の巫女たる男は作戦を開始する。
「だが、俺達も|再構築蘇生《オブリビオン化》した……あの日果たせなかった願いを、今度は果たさせてもらうぞ……銀誓館学園」
オブリビオンの大敵たる『|猟兵《イェーガー》』の傘下に下ったかつての敵勢力に対して宣戦布告するように虚空へ呟いた後、男は祈りを捧げる。
「オブリビオンとして蘇っても、お前の時は止まったままだが……もしお前に心と意志があったなら、必ず俺に命じたはずだ」
――「14年前と同じ地で、あの時以上の惨劇を引き起こせ」、と。
土蜘蛛の巫女は女王の意思を確信し、今ここで開戦の火蓋を切る。
「分かっている、だからお前を連れてきた。怒り狂った銀誓館学園の能力者……異世界から来訪してきた猟兵、そして自らも|猟兵《生命体の埒外》と化した能力者が襲ってくる事も含めて、俺達はここにいる!」
骸も同然の主、土蜘蛛の女王「朝比奈・瑞貴」に向かって巫女たる「帯刀・圭吾」は叫ぶ。
「全ての舞台は整えた。甦れ我が主、朝比奈・瑞貴!そして来るがいい、俺達の怨敵たる銀誓館学園!|俺達《オブリビオン》の天敵である|猟兵《イェーガー》よ!」
――限定的無限繁栄、展開。
これより、今治城の天守閣で繰り広げられた大戦の再演が幕上がる――
「ジェネラル級狂気能力者……土蜘蛛の女王「朝比奈・瑞貴」とその巫女たる「帯刀・圭吾」がオブリビオン化し、愛媛県今治城付近にて出現したわ」
そのシャルロット・シフファート(異界展開式現実改変猟兵『アリス・オリジン』・f23708)の言葉に、シルバーレインと縁の深い猟兵はすぐさまグリモア猟兵たるシャルロットの言葉を聞く準備を整える。
銀誓館学園に由来する……敵対した能力者の中でもこの二人の残した禍根は非常に重い。
彼ら二人は銀誓館学園を騙して一度は味方になった上で、複数名の能力者に死者を出して敵対。
その後は今治城天守閣に纏わる戦いで二人とも討ち取られた……というのが14年前の顛末。
「正直、ドクターオロチ……無血宰相並みに恨みと憎悪を向けられているでしょうね。けどまずはこいつらの元へ辿り着く為に街中に大量に出現しているオブリビオンの群れを撃破して貰うわ」
男性の土蜘蛛の女王と巫女は上位のオブリビオンとして蘇り、多数のオブリビオンを愛媛県に集わせている。
そこでもう片方のジェネラル級……いや、下手をすれば『|方程式《フォーミュラ》』の資格さえ存在するオブリビオンと彼らは手を組んでいる様なのだ。
「今回は土蜘蛛の女王と巫女を討伐してもらうわ。もう片方は他のグリモア猟兵の作戦次第、という所ね」
群がったオブリビオンを蹴散らし、今治城の敷地に突入すると「帯刀・圭吾」が女王を護るべく猟兵を相手取る。
「こいつは土蜘蛛の力に加えて霊力操作のユーベルコードも使うわ。」
更に圭吾は「蜘蛛童型オブリビオン」の軍勢を指揮しており、押し寄せる「弱いが無限に現れる雑魚敵の群れ」にどうにかして対処しない限り、帯刀本人に攻撃を届かせることは困難という予知が下った。
これに対しては広域殲滅が可能なユーベルコードを使うべきだろう。
「巫女を倒した後は女王……天守閣での「朝比奈・瑞貴」との決戦ね」
彼はオブリビオン化した際に「無表情で自我の薄い屍人形」のような状態になっているが……その実力は本物。
土蜘蛛の女王としての力がオブリビオン化した際に昇華された限定的な「無限繁栄」の力を再現し、配下として続々と「古の土蜘蛛オブリビオン」が周囲に現れる状態となっている。
「無論の事、巫女の「蜘蛛童型オブリビオン」とは強さも忠誠度も比べ物にならないわ。十分注意して戦って頂戴」
そうブリーフィングを締めくくり、シャルロットはタブレット端末の画面を叩く。
「今回も銀誓館学園の能力者にとって因縁のある敵が現れた事でしょう。けど、今のアンタ達は『|猟兵《イェーガー》』……生命体の埒外としての力とユーベルコードがある。その意味を考えて戦えば、おのずと結果はついてくるわ」
その言葉が発せられると同時、シャルロットは猟兵達をシルバーレインの愛媛県へと転移させたのであった。
黒代朝希
銀誓館学園の能力者にとっての怨敵、再び。
と言う訳でシルバーレインの決戦シナリオとなります。
第一章
土蜘蛛の女王と巫女が呼び寄せたオブリビオンの軍勢を蹴散らして下さい。
この章で登場する集団敵は土蜘蛛の女王である瑞貴の影響を受けて「土蜘蛛のような蜘蛛の身体部位」を持っています。
第二章
「帯刀・圭吾」との決戦です。
彼は土蜘蛛の女王に仕える巫女として「蜘蛛童型オブリビオン」の軍勢を指揮しています。
これらの押し寄せる「弱いが無限に現れる雑魚敵の群れ」を蹴散らさなければ、ダメージを与える事は難しいでしょう。
第三章
無表情で自我の薄い屍人形のような状態の「朝比奈・瑞貴」との決戦です。
瑞貴が発動している限定的な無限繁栄の力によって彼の周囲には「古の土蜘蛛オブリビオン」が現れ続けています。
この「古の土蜘蛛オブリビオン」への対抗策を講じなければ、彼に勝つのは難しいでしょう。
プレイングボーナス……広範囲殲滅攻撃によって土蜘蛛の影響を受けたオブリビオンの軍勢を蹴散らす。
それでは、皆様の素晴らしいプレイングをお待ちしています。
第1章 集団戦
『サイコチェーンソー』
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POW : 殺人チェーンソー
【チェーンソー】が命中した対象を切断する。
SPD : サイコスピン
【狂乱しながらの回転斬撃】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ : ノイズチェーンソー
自身の【チェーンソー】から【強烈な駆動音】を放出し、戦場内全ての【防御行為】を無力化する。ただし1日にレベル秒以上使用すると死ぬ。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
真木・蘇芳
アドリブ協力OK
今治城で幾先代は死んだ、他人を守って死んでいった
お前等、また繰り返すのか?
あの時は女王が未熟だから、あんな戦争になった
世話役よあんたが死人を張り子の虎にして、操ってたのか?
なら容赦しねぇぞ
土蜘蛛になり損なったが俺も真木一族、土蜘蛛の末裔だ
「一族の落とし前は付けさせて貰うぜ」
でなけりゃ引退したとか抜かす大祖母が出て来ちまう
雑魚をボコし、煙草をプカリ
「死人に劣るほど雑魚じゃねぇし、怒りも消えてねぇ」
感情を弾倉に込め│撃鉄《引金》を引く
赤手が赤熱するのもお構いなしに打ち込む
「戦車でも吹き飛ばす拳、人型が耐えられるか?」
「今治城で幾先代は死んだ、他人を守って死んでいった」
シルバーレインにて銀誓館学園が繰り広げた戦いである『死と隣り合わせの青春』……
それは、猟兵の世界を渡る戦いとは決定的に違う所がある。
……戦死者が出ている、という事だ。
「お前等、また繰り返すのか?」
真木・蘇芳(Verrater・f04899)はかつての戦いで死した能力者を思い、その元凶であり原因となった二人の土蜘蛛へ対する決意を漲らせる。
「あの時は女王が未熟だから、あんな戦争になった……世話役よ。あんたが死人を張り子の虎にして、操ってたのか?」
ならばもう、語る言葉は不要だろう。
かつて幾先代が辿り着けなかった『|銀の雨の降る時代《シルバーレイン》』の完遂、それを継ぐ者として蘇芳は拳を握り締める。
「土蜘蛛になり損なったが俺も真木一族、土蜘蛛の末裔だ……一族の落とし前は付けさせて貰うぜ」
でなければ……引退したとか抜かす大祖母が出て来ちまう。
そんな言葉を嘯く――或いは囁いて、真木一族の一員たる猟兵は煙草をプカリと吹かす。
選んだユーベルコードは『|戦車への鉄拳《パンツァーファウスト》』。
拳の弾丸を推進剤にして撃ち込む何ものも打ち砕く意志のもと、高速で重い……必殺の拳を放つ拳のユーベルコード。
牙道忍者の猟兵として鍛え上げ強化した腕力。
それを以てオブリビオンゴーストの群れへと打ち込んでいく。
「死人に劣るほど雑魚じゃねぇし、怒りも消えてねぇ」
感情を弾倉に込め│撃鉄《引金》を引く蘇芳……赤手が赤熱するのもお構いなしに打ち込むその感情は、果たしていかなるものか。
「戦車でも吹き飛ばす拳、人型が耐えられるか?」
その言葉通り、拳を受けて爆散する『サイコチェーンソー』。
その末路を最後まで確認する事なく、赤熱化した赤手を次の『サイコチェーンソー』へと真木一族の一員たる猟兵は打ち込んでいくのであった。
大成功
🔵🔵🔵
ベルカ・スノードロップ
縁も所縁もない私でさえ、かの|報告書《リプレイ》には、来るものがありましたからね
この二人に対する|敵意《ヘイト》が強い方は多いでしょう
関係者が命を落としていたなら、尚の事
「|瑞貴《女王》が、|圭吾《巫女》の手で蘇り、巫女は花嫁となった」
という事ですか
怒りに身を任せて無茶をしてしまう方が出てくる気もしますので
王子様らしく|【援護射撃】と、ある種の【救助活動】《ノブレス・オブ・リーシュ》です
《選択UC》による攻撃を――
【投擲】【槍投げ】で嗾けますが【スナイパー】と【誘導弾】で確実に直撃させます
【串刺し】にして、そのまま【焼却】です
敵の動きは【見切り】ながら【逃亡阻止】をして
確実に殲滅していきます
「縁も所縁もない私でさえ、かの|報告書《リプレイ》には、来るものがありましたからね」
グリモアベースで出撃前に瑞貴達に関連する銀誓館学園の報告書を拝見していたベルカ・スノードロップ(【中将】少女を愛に染め救済せし夜の王・f10622)はそう評する。
瑞貴は銀誓館学園に取り入り、その結果二名の能力者が謀殺された。
「この二人に対する|敵意《ヘイト》が強い方は多いでしょう……関係者が命を落としていたなら、尚の事」
指先を『サイコチェーンソー』へと向け、ベルカはユーベルコード『|紅蓮を纏う真紅の槍《スカーレット・ナイトメア》』を発動。
召喚した640本の炎属性の槍を使役し、土蜘蛛の影響を受けたオブリビオンゴーストを殲滅していく。
「闇の中において、なお輝きし深紅の王よ、我が声に応え、力を示し――蹂躙せよ!」
燃え上がる炎属性の槍が突き刺さり、そのまま土蜘蛛の脚ごと燃やされながら骸の海に帰っていくオブリビオンゴースト。
その土蜘蛛の影響を受けたオブリビオンの姿を見てベルカは手を顎に当てる。
「|瑞貴《女王》が、|圭吾《巫女》の手で蘇り、巫女は花嫁となった……という事でしょうか」
瑞貴達への怒りに身を任せて無茶をしてしまう銀誓館学園の能力者出身である猟兵がいないかを確認し、炎属性で構築された槍での援護射撃の体制を継続しながら今治城の敷地へと突入していくベルカ。
優雅さと妖艶さを併せ持ち、敵の土蜘蛛の影響を受けたオブリビオンを葬り去っていくその姿は正に王子様。
「さて、私も……かわいらしい女性に死者を出した彼らと対峙して冷静さを保てるでしょうかね……」
其れだけが心配だと『少女を愛に染め救済せし夜の王』であるベルカは心配するのであった。
大成功
🔵🔵🔵
テラ・ウィンディア
14年前…おれが赤ちゃんか生まれてない頃なのかな…?
おれは過去の因縁は想像しかできないけど
お前らを止めなければいけないのはわかってるぞ
【戦闘知識】
敵陣の陣形と動き
攻撃方法のパターン等分析
【属性攻撃・オーラ防御】
炎を己と武器に付与
オーラ展開
【空中機動・見切り・第六感・残像・武器受け】
高速で飛び回りながら敵の回転斬撃を直感も駆使して残像を残して回避
食らいそうなのは剣で受け止め弾
【二回攻撃・切断・早業・串刺し】
近くにいるのは剣で切り刻み他は槍で串刺しにして粉砕
そして離れた敵は
【重量攻撃・弾幕・貫通攻撃】
ドリルビットとガンドライド展開
弾幕とドリル攻撃から
UC発動!
久しぶりに使う!
重力波砲で薙ぎ払う!
カシム・ディーン
「ご主人サマ!土蜘蛛の女王様だよ!」
眞由璃以外にもいたみたいだな
しかし随分憎まれてるけどどんな奴だ…?(細かく資料確認
あー…
こんな再び憎悪をぶつけられる為に蘇るとかオブビリオンは業が深いな
まぁ…関わってない僕らに出来る事は限られてるがな
【情報収集・視力・戦闘知識】
敵陣の陣形と動きと攻撃の癖等を分析
【属性攻撃・迷彩・空中戦・念動力】
光水属性を己達に付与
光学迷彩で存在を隠し水の障壁で匂いと熱とそして音(詠唱)を隠蔽
UC詠唱開始
念動力を利用して上空に退避して敵からの補足をさせない
今回は障壁としては使わねー
無力化されそうだからな
十分に詠唱で威力が高まれば
無限に成長する雷撃…味わってみろ…!
発動!
酒井森・興和
葛城の真由璃女王に続いて東北の朝比奈女王まで…
しかも帯刀巫女は生前より感情的に思う
若い彼等が見えざる狂気に囚われたようでつらいよ
僕ら蜘蛛族はもう…
おそらく新たな女王を戴けない
…緩やかに滅びるかねえ…
戦いと時代に負けたんだ
哀しいけどそんなもの
まあそんな事彼等は聞く耳持たないはず
朝比奈女王の配下になったお前達もね
…蜘蛛の体節を持ってもお前達なぞ我らの眷族とは認めない
消えて貰う
【落ち着き、狩猟と追跡】応用【第六感】で敵UC被弾を避け
近接敵は三砂を手に【カウンター】気味に【怪力の重量攻撃】で敵の腹や背ごと【なぎ払い】遠ざけ
攻撃の返しで地を撲ちUC火纏を
生存敵は
近接各個仕留め遠敵は【追撃】UCでトドメを
「14年前……おれが赤ちゃんか生まれてない頃なのかな……?」
そう言って首を傾げるのはテラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)。
幼きエルフはドリルビットとガンドライドを展開し、弾幕とドリル攻撃で広域殲滅を開始していく。
「おれは過去の因縁は想像しかできないけど……お前らを止めなければいけないのはわかってるぞ」
かつて多くの悲劇と落命を生み出した東北の土蜘蛛女王。
その|再構築蘇生《オブリビオン化》は、更なる惨劇を生み出す事が予想できる。
「大地の力……存在の維持を司る力……星の力……我が手に集いて我が敵を滅せよ……『グラビティ・ブラスト』……往けぇ!!」
解き放つユーベルコードは突き出した掌から重力波砲を放つ性質。
故にオブリビオンゴーストの群れは|存在の維持を司る力《グラビティ》による圧縮によって粉砕されていく。
「お前達が相当以上にひどい事をしているはおれにも分かる。だから、止める」
近くにいる『サイコチェーンソー』に対しては炎を付与した剣と槍で白兵戦を挑み、切り刻み串刺しにしていく。
反対に遠距離に存在する敵に対してはドリルビットとガンドライドによるコンビネーション攻撃で射殺し削り殺していく。
「行くぞ――『グラビティ・ブレスト』!!」
そしてここ一番で掌を『サイコチェーンソー』の軍勢へと突き出し、重力波砲を射出して薙ぎ払っていくテラ。
敵手の特徴である土蜘蛛の脚も、重力の力の前では無意味であった――
「ご主人サマ!土蜘蛛の女王様だよ!」
「眞由璃以外にもいたみたいだな。しかし随分憎まれてるけどどんな奴だ……?」
グリモアベースでの銀誓館学園の能力者の殺気に対して訝し気な表情をしているのはカシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)。
彼はグリモア猟兵から貰った東北土蜘蛛に関する銀誓館学園の資料を捲りながら戦闘を行っている。
「あー……こんな再び憎悪をぶつけられる為に蘇るとか、オブビリオンは業が深いな」
だが、当時の関係者ではないカシムとメルシーに出来る事は限られている。
つまりは――
「オブリビオンをぶっ潰す事、だな」
光水属性を己達に付与し、光学迷彩で存在を隠し水の障壁で匂いと熱とそして音――詠唱を唱える声すら隠蔽して消去していくカシム。
そこから敵陣の陣形と動きと攻撃の癖等を分析しながらユーベルコードの詠唱を唱えていく。
「万物の根源よ……帝竜眼よ……我が呼びかけに答え……我が力に応え……我が叫びに応え……無限に強くなり続ける可能性の竜の力を今此処に示せ……!!」
その詠唱が示すのは、無限に成長する雷撃――妖怪親分が一人『竜神親分』、碎輝を示す力。
帝竜眼と呼ばれる帝竜……高度なドラゴンのオブリビオンの力を再現するカシム独自のユーベルコード、その外典。
その名は『|外典帝竜眼「碎輝」《ムゲンニセイチョウシツヅケルモノ》』である。
「今回念動力は障壁としては使わねー、無力化されそうだからな」
そう言うと同時に瞬時に成長し、自ら増殖する雷属性のドラゴンブレスが解き放たれる――
「葛城の真由璃女王に続いて東北の朝比奈女王まで……しかも帯刀巫女は生前より感情的に思う。若い彼等が見えざる狂気に囚われたようでつらいよ」
そんな悼みに満ちた言葉を紡ぐのは、鋏角衆の猟兵にして銀誓館学園の能力者である酒井森・興和(朱纏・f37018)。
700余年前に世界結界で封印され、土蜘蛛戦争で蘇り、そして銀誓館に降った旧い鋏角衆の生き残りである彼は、卒業後も現代文明に適応しきれずひっそり山奥に隠棲。
庵を結び、使役ゴーストのユーカと共に拾った土蜘蛛の少女と3人で自給自足暮らしをしていた。
「しかし、こんな出来事……まさか世界の外があるなんてね」
そこに来てのオブリビオンの出現と猟兵の来訪。
それによって彼も猟兵となったのである。
「僕ら蜘蛛族はもう……おそらく新たな女王を戴けない……緩やかに滅びるかねえ……戦いと時代に負けたんだ、哀しいけどそんなもの」
更に言えば……恐らく、猟兵とは通常の種族とは起源を同じくするだけで『全く独自にして唯一の別種族』なのだ。
故に、猟兵化した土蜘蛛から仮に女王が出ても……
「本質的に、それは『蜘蛛族』なのかな?……まぁ、彼等は聞く耳持たないはず」
そこで、興和は鋭い眼差しを天守閣へと向ける。
「蜘蛛の体節を持ってもお前達なぞ我らの眷族とは認めない、消えて貰う」
武器や拳を撃ち下ろす衝撃から奔り抜ける高熱の炎を放つユーベルコード『火纏』。
それを以てオブリビオンの群れに視覚妨害と呼吸困難の状態異常を与え、そこに興和は拳を叩き込んでいくのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『帯刀・圭吾』
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POW : 祖霊降臨
対象に【古の時代に在った土蜘蛛の魂】を憑依させる。対象は攻撃力が5倍になる代わり、攻撃の度に生命力を30%失うようになる。
SPD : 破魔の霊槍
【霊力】のチャージ時間に応じ、無限に攻撃対象数が増加する【槍】を放つ。
WIZ : 虚ろなる繁栄の舞
対象の周りにレベル×1体の【古の土蜘蛛の霊体】を召喚する。[古の土蜘蛛の霊体]は対象の思念に従い忠実に戦うが、一撃で消滅する。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
真木・蘇芳
アドリブ協力OK
帯刀や朝比奈には俺は関連が無い、といえば嘘になる
国見女王の暗部、暗殺部隊の真木一族
その血筋がここで絶えた
お前等同族に銀誓館学園生徒を守ってしんがりで散った
だからこそ
「お前に呼ばれる前に幾先代様、お力添えを」
│刻印《ドライバー》を鍵に扉を開く
ゴーストとして蘇る無貌面の真木真由
その体には逃げ傷無し
「お前は許さねぇわ、諫める部下が死人を盾に暴れ回る精神が!」
赤手も縛霊手も赤熱し、戦闘はまだかと唸る
「その曲がった根性叩き直してやる、形を保ってられたらな!」
感情を爆発させ推進力にし、突撃する
真由は土蜘蛛と牙道忍者らしく立体的に移動し飛び掛かる
「我ら一族は目を閉じていても狙いは外さねぇよ」
酒井森・興和
まず取り巻きを倒さないと駄目か
童姿の敵に気は進まないがやるよ
飛斬帽で【切断と追撃】し【受け流し】て防御にも使う
逆鱗は【早業で投擲、毒使い】攻撃を
三砂でも【なぎ払い】死角や不意の敵には倒れた【敵を盾にし咄嗟の一撃】で対応
>帯刀
あの時は随分年上に観じたが今見ればまだ少年だったのだねえ…
女王付の巫女、帯刀
貴方の女王を思う執念には畏れ入るよ
案外と直情的なお方だ
今も朝比奈女王と復讐に駆られて…
未熟な女王との自棄心中めいた今治の戦
女王の為に一族が在るのでは無いと貴方が諭して欲しかった
【集中力、追跡】で攻撃を躱し三砂でも防御【受け流し怪力でカウンター、2回攻撃で撲ち足払い】機を逃さぬ為負傷厭わず踏み込みUC
「帯刀や朝比奈には俺は関連が無い、といえば嘘になる」
「まず取り巻きを倒さないと駄目か……童姿の敵に気は進まないが、やるよ」
静謐に土蜘蛛の巫女たる『帯刀・圭吾』を見つめるのは真木・蘇芳(Verrater・f04899)と酒井森・興和(朱纏・f37018)の二名。
それぞれ土蜘蛛に深い関りを持つ猟兵であり、今回相対している『帯刀・圭吾』にも因縁はある。
「あの時は随分年上に観じたが……今見ればまだ少年だったのだねえ」
「ああ……貴様も猟兵となったか。忌々しい」
興和は当時の『死と隣り合わせの青春』を生きた能力者であり、圭吾と面識がある。
巫女の方も思い出したのか、忌々しそうに槍の切っ先を鋏角衆の猟兵へと向けてユーベルコードを発動――
「国見女王の暗部、暗殺部隊の真木一族……その血筋がここで絶えた」
しかし『祖霊降臨』の発動を妨害したのは蘇芳のユーベルコード……『|外道《ゲドウ》、|神憑《カミツキ》』。
「お前等同族に銀誓館学園生徒を守ってしんがりで散った……」
「あの真木一族の……分家がいたとはな」
|刻印《ドライバー》を鍵に扉を開く真木一族の傍系たる羅刹。
呼び出すのは……ゴーストとして蘇る無貌面の真木・真由!
「あくまで、死霊を呼び出しただけだ……!貴様ら猟兵でも、過去の確定した死を覆す事は出来まい!」
「だが、その体には逃げ傷無しだ……!!」
そのありえざる召喚に動揺した巫女の隙を突き、興和も攻撃に移る。
棘や刃を持つ古式ゆかしい鋏角衆の飛斬帽を振るい、それに気を取られた間に過去に直属の土蜘蛛より二つ名と共に与えられ、以来愛用する朱塗の逆鱗を放つ鋏角衆。
封印前から手に馴染むツルハシ状の愛用武器たる『三砂』も圭吾を護るべく迫る『蜘蛛童型オブリビオン』を薙ぎ払い、全体的に痛打を与えていく。
「鋏角衆、と呼ばれる我らの牙はダテではないよ。巫女殿」
「舐めるな……!!」
「こちらを、な!」
赤熱化した赤手も縛霊手を振るい、ゴーストとして蘇った無貌面の真木・真由と共に土蜘蛛の巫女へと正拳突きを叩き込む蘇芳。
怒り狂うは戦死した真由の想いに引きずられているからか。
「お前は許さねぇわ……諫める部下が、死人を盾に暴れ回る精神が!」
或いは、単純に『帯刀・圭吾』という土蜘蛛の女王を補佐する者として……やってはいけなかった事、やらねばならなかった事をやらなかった事についての怒りか。
「その曲がった根性叩き直してやる、形を保ってられたらな!」
感情を爆発させ推進力にして突撃する蘇芳と、土蜘蛛と牙道忍者らしく立体的に移動し飛び掛かるの挟撃。
圭吾は霊力をチャージし、無限に攻撃対象数が増加する槍を放って包囲殲滅を試みる。
「言ったはずだよ。牙はダテではない、と」
「がぁっ……!」
槍を持つ右肩に深い噛みつきを食らわせる興和。
骨と筋肉は動作不能には至らなかったのか、圭吾は槍を振るって鋏角衆の猟兵を振り払う。
「女王付の巫女、帯刀。貴方の女王を思う執念には畏れ入るよ……ただ、案外と直情的なお方だ。今も朝比奈女王と復讐に駆られている」
「……銀誓館学園への恨みはある。だが……オブリビオンとしての責務もあるというだけだ」
|再構築蘇生《オブリビオン化》によって彼ら二名は世界の敵として蘇った。
それは他の銀誓館学園の能力者と戦い、戦死した者達も恐らくは同じであろう。
しかし……この二人にはそれ以前の問題がある。
「未熟な女王との自棄心中めいた今治の戦。女王の為に一族が在るのでは無いと貴方が諭して欲しかった」
「|女王《瑞貴》の意思は俺の意思。そして俺の命は|女王《瑞貴》のもの!それが分からぬ貴様らではないだろう!」
「知るか――知っているのは、我ら一族は目を閉じていても狙いは外さねぇ、という事だけで良い」
圭吾の叫びを切って捨てる真木一族の者。
二人の挟撃は、東北土蜘蛛の女王に仕える巫女へと痛打を浴びせていく――
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ミラディ・エルシェ
トビアスにはカタストロフで酷い目に遭わされたが…
今治城の戦いと、それに至る経緯は知らないのさ。
だから、私怨も無く、唯の敵将として貴方を討つよ。帯刀・圭吾。
好きなだけ詠唱するといい。幾ら槍が増えようと、雷は捉えられまいさ!
【致命電光】、行くぞ!
【フェイント】を織り交ぜ、雷撃と斬撃波で蜘蛛童を薙ぎ払い、すり抜けながら、【高速思考】で戦術の判断を光の速度に追い付かせ。
槍を掻い潜り、透過して懐に飛び込み、爆ぜるスパークで視界を灼きながらの雷速四連撃!
殺り様はさておき、討った、討たれたはお互い様。
忠義のひとに、敬意を払うくらいは良かろうさ?
貴方は最期…朝比奈に、何を言おうとしたんだい。
「トビアスにはカタストロフで酷い目に遭わされたが……今治城の戦いと、それに至る経緯は知らないのさ」
故にミラディ・エルシェ(エクレール・f36343)は私怨も無く、唯の敵将として貴方を討つ、と帯刀・圭吾に宣言する。
大学卒業も迫った中で『能力者犯罪対策課』なる犯罪能力者に関連する対策組織案を考えていた所、猟兵……『生命体の埒外』とユーベルコードに目覚めたラストバトルを生き延びたベテラン能力者。
それが彼……ミラディだ。
「好きなだけ詠唱するといい。幾ら槍が増えようと、雷は捉えられまいさ!――切札、切らせて貰う!On y va!!」
敵の物理攻撃を透過する雷と化し、雷速のスピードを得るユーベルコード『|致命電光《クリティカルライトニング》・|白華《マルグリット》』を|起動《イグニッション》するミラディは、フェイントを混ぜた五感を灼く白いスパークを土蜘蛛の巫女へと放つ。
雷速の五感を攻撃するだけでなく物理攻撃を透過という形で無視する雷……というだけでもきわめて『強力』なユーベルコードだが、この『|致命電光《クリティカルライトニング》・|白華《マルグリット》』が『凶悪』たる由縁は――
「ッ!!4回攻撃に当たったら死するユーベルコードか!」
「殺り様はさておき、討った、討たれたはお互い様だよ」
雷撃と斬撃波で蜘蛛童を薙ぎ払い、四回攻撃を当てて死滅させていくミレディ。
圭吾の方も四回の被弾は避けたものの、白いスパークによって五感を焼かれている。
「忠義のひとに、敬意を払うくらいは良かろうさ?」
「物好きめ」
貴方は最期……朝比奈に、何を言おうとしたんだい。
そんなミレディの言葉に対する圭吾の返答は、白きスパークが迸る際の音量でかき消されていく――
大成功
🔵🔵🔵
アイ・ストリーミング
|主《ぬし》さま(f10622)に呼ばれ、漆黒のドレスを纏い参上じゃ
相手は蜘蛛か
鳥や蛇、コウモリは、蜘蛛の天敵
じゃが、野生にも、それらを補職する種がいるらしいからの
故に、ここは、コウモリは使わん
「癇癪持ちの|女王《ガキ》に、出来の悪い従者だったのじゃな」
「|己《おの》が|主《あるじ》が、道を|違《たが》えようとしたときに止めるのが、従者の、|親友《とも》の役目じゃろう?」
そんなこと、妾の|年齢《とし》でも、分かり切ってることじゃ
「惨劇を望むなど、愚者以外の何者でもないわ」
妾の主さまのUCに合わせて、こちらもUCを発動じゃ
土蜘蛛の魂ごと、縫い留めてやるわ
主様は、因縁を晴らさせたいみたいじゃしの
アフロディーテ・フィフスウイング
信徒のベルカくんに喚ばれただ、出ていくしかないよね?
妹のことも、あるからね。
あれが、敵なんだね
「戦神たる我が許へ集え。円卓の騎士」
私が求められている事
わかるよ――
「我が許へ集った騎士たちよ」
「彼の者たちの因縁を晴らすため、道を拓け」
邪魔な土蜘蛛の冷帯は、こちらで引き受ける
わたしは、豊穣の女神
子孫繁栄も司ってる
だから、こんな惨劇を赦すわけには、いかないよ――
沢山の人たちの、哀しみと、無念
そんなことを繰り返させたりは、しないよ!
氷川・アイ
・今日の服装は改造巫女服(なので狐耳と尻尾は消えている)
・ベルカさんに呼ばれて、傍に立つ
・ベルカさんのユーベルコードの後に、自分のユーベルコードを発動
・向こうの攻撃につながる、チャージを妨害する
・他の猟兵さんの道は、ちゃんと作る
・|私たちのご主人様《ベルカさん》は、|圭吾《あの人》に因縁がある人に打取ってほしいみたいだから
・|圭吾《あの人》たちが、何をしたか。私は興味がない
・でも、『今』を生きる人たちに危害を加えようとするのは、許さない
・|圭吾《あの人》たちが、現れた事で、過去の悲しみを想起させる人がいるなら、私も、その人に討ち取って欲しいと思うよ
ベルカ・スノードロップ
何も言いません。私は。
心は熱く、頭は冷静に。
|首級《しるし》を取るべきは、私ではありません。この戦では。
我が声に応え、権限せよ。我が女神
そして、集え。我が僕
私が信じている女神ですから、私が成し得たい事は伝わっていると信じています
私の2人の|従者《アイ》も、その辺りは汲み取ってくれると信じています
静かに、ただ静かに《選択UC》を詠唱
「赤き月の光は、罪を犯した者の穢れを清めるなんて言われていますね」
戦場全体を、紅き満月が輝き照らす月夜の空間へと変えて
古の土蜘蛛の霊体を浄化し、圭吾の動きを止めます
これは【集団戦術】
この今治の決着は、やはり
過去の今治の因縁を持つ人がつけるべきだと思いますので
「相手は蜘蛛か。鳥や蛇、コウモリは、蜘蛛の天敵。じゃが、野生にも、それらを補職する種がいるらしいからの……故に、ここは、コウモリは使わん」
「俺達土蜘蛛を舐めるなよ小娘……そしてなぜ全裸だ」
アイ・ストリーミング(貴種ヴァンパイアの白燐蟲使い・f35335)の言葉に傷ついた顔を引くつかせながら圭吾は槍を構える。
古の時代に在った土蜘蛛の魂が宿ったその突きは、アイが黒串を放って相殺。
続けて牽制の黒串を放ちながら血と精を求める貴種ヴァンパイアの一族の娘は痛烈な皮肉を口にしていく。
「癇癪持ちの|女王《ガキ》に、出来の悪い従者だったのじゃな」
「瑞貴を侮辱するか……!」
「|己《おの》が|主《あるじ》が、道を|違《たが》えようとしたときに止めるのが、従者の、|親友《とも》の役目じゃろう?そんなこと、妾の|年齢《とし》でも、分かり切ってることじゃ」
「……!!その|年齢《とし》で――」
「忠誠を語るな、とでも?惨劇を望むなど、愚者以外の何者でもないわ」
肩に黒串の掠り傷を与え、即座に圭吾を生命力を奪う赤い霧へと包んでいくアイ。
そこにアフロディーテ・フィフスウイング(神のカードデュエリスト・f38185)は真摯な瞳で帯刀・圭吾……道を違えた土蜘蛛の巫女を見つめていく。
「あれが、敵なんだね」
信徒の『彼』に喚ばれたら出ていくしかない――そう語っていたアフロディーテは、圭吾を見つめながら片手をあげる。
「戦神たる我が許へ集え。円卓の騎士」
唱えられるは荘厳なる詠唱。
召喚されるは妖精騎士団。
その召喚系ユーベルコードの名を、こうアフロディーテは語る――
「『|円卓の妖精騎士団《ラウンド・オブ・フェアリーナイツ》』」
アフロディーテ……愛と美と豊穣の女神であり戦神と言われている地母神の一柱が求められている事。
それは紛れもなく、彼女の|神性《パンテオン》に即したものであり。
「我が許へ集った騎士たちよ……彼の者たちの因縁を晴らすため、道を拓け」
その言葉と同時に、妖精騎士団は出陣していく――
「何も言いません。私は。心は熱く、頭は冷静に」
ベルカ・スノードロップ(【中将】少女を愛に染め救済せし夜の王・f10622)は傍らに改造巫女服を着た氷川・アイ(アイの愛は、ただ一人の為に・f35334)を控えさせ、瞳を閉じている。
「皆さん、|首級《しるし》を取るべきは、私ではありません。この戦では」
己が女神と僕たる少女達にそう告げ、ベルカはユーベルコード『|真夜の審判《iudicium noctis》』を発動させていく。
改造巫女服を着たアイも自分のユーベルコード『|光輪の刃《ムーンライト・エクセキューション》』を発動させ、土蜘蛛の巫女の攻撃に繋がるチャージを妨害していく。
「――月は太陽の光を受けて輝く|星《もの》。陽の光を受けた月より来たれ」
「我は、夜の王。この世界に安らぎを、この世界に救済を、惨劇を望む者に裁きを」
それぞれが荘厳なる詠唱を唱えていく。
それと同時に発現するは、日光の魔力を転換させた月光の魔力を放出して全能力を倍増し、空中を舞い敵に直撃する月光の刃で敵を攻撃する月光の刃のユーベルコードと戦場全体に紅き満月が輝く『月夜』の特殊空間を発生させ、的にはダメージを与えて味方には穢れを清める月光で強化を施す固有結界型ユーベルコード。
「我が声に応え、権限せよ。我が女神。そして、集え。我が僕」
その主と信徒の言葉に応じ、三人の少女達は己の『生命体の埒外』を振るっていく。
「――妾は、吸血姫。吸血鬼の真祖じゃ。世界の混沌なぞ、妾は望まぬ」
「わたしは、豊穣の女神。子孫繁栄も司ってる……だから、こんな惨劇を赦すわけには、いかないよ――」
「|圭吾《あの人》たちが、何をしたか。私は興味がない。でも、『今』を生きる人たちに危害を加えようとするのは、許さない」
三人の少女達はベルカの固有結界による強化を受け、ダメージを負っている土蜘蛛の巫女へと痛打を浴びせていく。
「(私が信じている女神ですから私が成し得たい事は伝わっていますし、私の2人の|従者《アイ》も、その辺りは汲み取ってくれるんですね……)」
その事にベルカは感動しつつも、すぐさま凛とした表情に切り替えていく。
戦場全体を、紅き満月が輝き照らす月夜の空間へと変える事で古の土蜘蛛の霊体を浄化し、圭吾の動きを止めていく。
「赤き月の光は、|罪を犯した者の穢れ《罪深き刃》を清めるなんて言われていますね」
そこにヴァンパイアの少女が自身の黒串のユーベルコード『インビジブル・ブラッディ・スケア』で浄化されずに残った土蜘蛛の霊体を魂ごと縫い留め、そこに改造服を着た少女と愛と美と豊穣の女神であり戦神と言われている地母神はそれぞれ空中を舞い敵に直撃する月光の刃と召喚した妖精騎士団で止めを刺していく。
「主様は、因縁を晴らさせたいみたいじゃしの」
「|圭吾《あの人》たちが、現れた事で、過去の悲しみを想起させる人がいるなら、私も、その人に討ち取って欲しいと思うよ」
「けれど、沢山の人たちの、哀しみと、無念……そんなことを繰り返させたりは、しないよ!」
「この今治の決着は、やはり……過去の今治の因縁を持つ人がつけるべきだと思いますので」
そう言ってベルカは己の意思を信じてくれている少女達の頭をなで、圭吾を穢れを清める月光で追撃の為の動きを封じさせて悠々と少女達を連れて天守閣へと向かっていく。
決着は、因縁を有する者達同士で着けるべきと信じて――
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
カシム・ディーン
よぉ…初めましてだな?
【情報収集・視力・戦闘知識】
雑魚敵の状況と圭吾の戦い方や動きを冷徹に分析
対雑魚的
UC発動
【空中戦・念動力・属性攻撃・弾幕】
念動障壁展開
超高速で飛び回りながら超高熱熱線の弾幕展開して蜘蛛を焼き払いにかかり
なぁ…質問だ
お前は瑞貴がやらかした事を後悔しているか?
犠牲となった能力者に詫びる気はあるか?
折角蘇ったんだ…その罪を償うという選択肢はないのか?
あるならこのまま降伏してあらゆる罵倒も暴行も蹂躙も受け入れろ
お前のご主人サマ共々な?
もし受け入れるならそれ以上の攻撃はやめる
受け入れなければ
そっか…なら宣言しよう
圭吾…てめーとてめーのご主人サマはこれから泣き叫びながら詫び続けるだろう
それでももう…許されることはない
これから…てめーらはこの世の地獄を存分に味わうことになるぞ
これは予言じゃねー
事実だ
【二回攻撃・切断・盗み攻撃・盗み】
「圭吾君…君は瑞貴君を止めるべきだったんだよ。銀誓学園を裏切らず共に歩む道こそが君達が幸せになれた選択肢だったよ…」
連続斬撃から武装強奪!!
「よぉ……初めましてだな?」
そう言って傷ついた帯刀・圭吾の元へと歩み寄るのはカシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)。
相方のメルシーことメルクリウスを引き連れ、襲い掛かる「蜘蛛童型オブリビオン」の群れを薙ぎ払っていく。
共有型超高速加速ユーベルコード『|メルシー&カシム『ロバーズランペイジ』《キシントトウゾクノダイジュウリン》』によるカシムとメルシーの約マッハ31の速度での連撃。
それは瞬く間に「蜘蛛童型オブリビオン」を全滅させ、その速度を維持したまま帯刀・圭吾へと襲い掛かる。
「なぁ……質問だ」
「何?」
「お前は瑞貴がやらかした事を後悔しているか?犠牲となった能力者に詫びる気はあるか?」
それは、カシムという当時のシルバーレインとは無関係だからこそ言える視点。
当時の事件の後に銀誓館学園に加入して直接関与する事が無かったとしても、当時の銀誓館学園の能力者はこの手法を取る事は無いだろう。
「折角蘇ったんだ……その罪を償うという選択肢はないのか?あるならこのまま降伏してあらゆる罵倒も暴行も蹂躙も受け入れろ。お前のご主人サマ共々な?もし受け入れるならそれ以上の攻撃はやめる」
傲慢な物言いだが、カシムの性格からすればこの譲歩はかなり『譲った』ものと言える。
そもそも突き詰めて言えば……猟兵が幻朧やダークリーガー等ではない種別のオブリビオン相手に『私刑程度で済ます』というのは異例という域を超えている。
「……不可能だ。俺達の信条が許さないのもある」
だが、と圭吾はある重要な観点を口にする。
「俺達は、銀誓館学園の能力者に謀略を仕掛けて死者を出した……奴らは学友が死す青春を送っている。故に学友が死す事については覚悟しているだろう」
「そりゃ僕たちと違って『死ぬ』からな」
「だが、友が謀殺されて仇討ちに来ぬ者等存在しない。仇討ちの為の手段を有しているなら尚の事」
そして、その憎悪と怨嗟は……過去のものとなっても消えはしない。
否、過去が蘇ったなら……『死と隣り合わせの青春』を完遂した後の『生』の為に尚の事、彼ら二人を……銀誓館学園の能力者は生かしておかないだろう。
「そっか……なら宣言しよう」
その言葉を聞いたカシムは、冷徹な瞳で土蜘蛛の巫女を見据える。
「圭吾……てめーとてめーのご主人サマはこれから泣き叫びながら詫び続けるだろう。それでももう……許されることはない」
カシムも分かる、彼らの謀略と暴虐で散った銀誓館学園の能力者とその学友達……死者の無念と生者の怨嗟は、祈りが形となるが如く猟兵が代行する。
「これから……てめーらはこの世の地獄を存分に味わうことになるぞ。これは予言じゃねー……事実だ」
宣告を終え、超高速攻撃を再開していくカシム。
その姿を見ながらメルシーは思う。
「圭吾君……君は瑞貴君を止めるべきだったんだよ。銀誓館学園を裏切らず、共に歩む道こそが君達が幸せになれた選択肢だったよ……」
「……この骸の海に『異世界』はあれど、『|平行《IFの》世界』は存在しない。其れが全てだ」
メルシーの言葉をそう切り捨て、圭吾は霊力をチャージして槍を放っていく――
大成功
🔵🔵🔵
石蕗・つなぎ
アドリブ&連携歓迎
「蘇っても時が止まったままなのは、あなたを失った上に自分も討たれたことで蘇った事実すら拒絶してるとかじゃないかしらね?」
人づてに聞いたところ、このひとの討ち死にの報を聞いた女王は狂ったように笑ってたらしいから
「それでオブリビオン化によって変質したあなたは自分の巫女として認めてないとか」
「本当に望んだのかしら、女王はそんなことを?」
と揺さぶりをかけ、自身はUCで蜘蛛童をぞろぞろと召喚
「数には数よ。生憎女王でない私に出来そうなのはこのぐらいだけど」
蜘蛛童型オブリビオンを蜘蛛童に任せ攻撃の機会を作って味方と共に帯刀へ攻撃を試みてゆく
敵の攻撃は第六感を頼りに回避、鎧も砕く一撃を
「蘇っても時が止まったままなのは、あなたを失った上に自分も討たれたことで蘇った事実すら拒絶してるとかじゃないかしらね?」
人づてに聞いたところ、|圭吾《巫女》の討ち死にの報を聞いた|瑞貴《女王》は狂ったように笑ってたらしい。
それが石蕗・つなぎ(土蜘蛛の白燐蟲使い・f35419)が有する件の戦争の顛末である。
「それでオブリビオン化によって変質したあなたは自分の巫女として認めてないとか……本当に望んだのかしら、女王はそんなことを?」
「|女王《瑞貴》の意思は俺の意思……その果てに俺がいらぬというなら……」
つなぎの挑発の言葉を切り捨てる……ようで揺らぐ圭吾。
その隙につなぎは自身のユーベルコード『有限繫栄』で99体の蜘蛛童爆を召喚。
女王でもない私にできるのはこの程度、と呟きながら圭吾の引き連れている「蜘蛛童型オブリビオン」に対抗するべく蜘蛛童爆の群れを引き連れていくつなぎ。
「さぁ、決着を付けましょうか」
「――行くぞ」
古の時代に在った土蜘蛛の魂を自身の肉体と槍に宿し、圭吾はつなぎ目掛けて突撃。
つなぎの方も一匹の蜘蛛童爆を引き連れて同じく圭吾に向かって突撃していく。
「――|起動《イグニッション》」
「――『祖霊降臨』」
先端の爪から炎を出すこともできる、腕全体を覆う鎧状の詠唱兵器。
それを以て土蜘蛛の魂が宿った圭吾の槍の切っ先を殴りつけて――
「……すまない、瑞貴……」
赤手によって陥没した己の胸を見つめ、悔恨の情念を宿した言葉を漏らす土蜘蛛の巫女。
|再構築蘇生《オブリビオン化》しても尚、届かなかった銀誓館学園という相手を前に、圭吾は……
「瑞貴……俺は、お前を……」
その言葉の先を言う前に、土蜘蛛の巫女は骸の海に帰っていった。
何の因果か、その言葉は生前の彼が最期に残した言葉と同じであったという……
大成功
🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『朝比奈・瑞貴』
|
POW : 生気吸収
レベルm半径内に【背中から伸びる蜘蛛脚による刺突攻撃】を放ち、命中した敵から【生命力】を奪う。範囲内が暗闇なら威力3倍。
SPD : 疑似式「無限繁栄」
自身の【精気】を代償に、1〜12体の【土蜘蛛化オブリビオン】を召喚する。戦闘力は高いが、召喚数に応じた量の代償が必要。
WIZ : 死迷蜘蛛糸陣
戦場内に【蜘蛛糸】を放ち、命中した対象全員の行動を自在に操れる。ただし、13秒ごとに自身の寿命を削る。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
咲櫻・聖
【BH】
アドリブ・連携・他猟兵/グループとの共闘◎
私は、桜の精、だよ
妖狐、みたい、なのは、ベルカの、好み?
なでなでされてご満悦。
ベルカの、望みは、叶える、から
「私の、小太刀。全部、桜、だよ」
4振りの小太刀を、全て小太刀が冠する桜の花びらに変えて攻撃
「その脚、邪魔……」
朱里の行動に呼応した『生気吸収』への対処
「これは、神罰」
切断の力を乗せた花びらたちは、当たると同時に衝撃波を放って
蜘蛛脚を先から少しずつ切断して部位破壊するよ
影朧や骸魂を浄化出来ても、この人の魂は救えない
「あなたは、紛い物、だよ?」
だけど、ううん。
だからこそ、引導を渡すのは、私たちじゃないんだよね?
月城・朱里
【BH】
アドリブ・連携・他猟兵/グループとの共闘◎
ご主人様に、頭を撫でて貰って
少しだけ、怖くなくなりました
うん。私もご主人様の役にたつために
「ご主人様にも、仲間の皆にも、近づけさせたりなんてしません。――戒めの暴風。『|豪風の牢獄《グロリアス・テンペスト》』
私の役目は、ご主人様のユーベルコードに合わせて現れた
『土蜘蛛化オブリビオン』を、浄化の竜巻による風の牢獄で閉じ込めます
浄化の力で、首魁以外の敵を浄化、殲滅のうえで
首魁の動きを止めます
それが、ご主人様が私に望んでくれていることだから
ベルカ・スノードロップ
【BH】
アドリブ・連携・他猟兵/グループとの共闘◎
|かつての巫女《帯刀・圭吾》が、花嫁ならば
|目の前の敵《朝比奈・瑞貴》は、|フランケンシュタイン《自己意識を持っている》はずですが。
|巫女《圭吾》の執着により産まれた|残留思念の慣れの果て《物云わぬ屍人形》か
アイ達と交代で来てくれた聖と朱里の頭を撫でて
「では、行きましょうか」
【高速詠唱】【無酸素詠唱】で放つ《選択UC》
引き起こすのは『自然発火』からガスへの誘引による爆発
「その蜘蛛糸は、全て焼き払わせて頂きます」
【全力魔法】で【焼却】させて貰います
私はトドメを刺しません
聖も朱里も、その意図汲んでくれているみたいですね
「私は、桜の精、だよ。妖狐、みたい、なのは、ベルカの、好み?」
そう言って狐耳をピコピコと動かしながら咲櫻・聖(ただ一人のために咲く桜・f31025)は愛しのベルカ・スノードロップ(【中将】少女を愛に染め救済せし夜の王・f10622)に頭を撫でられてご機嫌状態だ。
「ご主人様に、頭を撫でて貰って……少しだけ、怖くなくなりました」
同じくベルカを主とする月城・朱里(隷属するは一族の掟・f32669)も、彼に頭を撫でられて満足気だ。
「では、行きましょうか……聖、朱里」
「うん」
「行きます……!」
三人が対峙するは、東北土蜘蛛の女王たるオブリビオン、ジェネラル級土蜘蛛『朝比奈・瑞貴』。
限定的無限繁栄の効果により『古の土蜘蛛オブリビオン』を召喚した東北土蜘蛛の女王は、ベルカ達にその古の土蜘蛛達を嗾ける――
「ベルカの、望みは、叶える、から」
まず最初に対応したのは聖。
彼女は4振りの小太刀を、全て小太刀が冠する桜の花びらに変えて攻撃する変換系ユーベルコード『桜吹雪』によって桜の花びらによる制圧攻撃を仕掛ける。
「私の、小太刀。全部、桜、だよ」
防御面でも念動力で浮遊する自身の肉体を操作し、瑞貴と古の土蜘蛛との連携攻撃を聖は回避していく。
13秒の発動時間内に触れた相手の行動・命運すら操る蜘蛛糸を発射するユーベルコード『死迷蜘蛛糸陣』も、念動力の力場で直接触れられる事無く対応する事すら可能だ。
「その脚、邪魔……」
瞬間、桜吹雪が舞うと瑞貴と古の土蜘蛛オブリビオンの脚……それらが数本切り落とされる。
「――『|豪風の牢獄《グロリアス・テンペスト》』」
その意図は朱里のユーベルコード発動の為に瑞貴のユーベルコードである背中から伸びる蜘蛛脚による刺突攻撃『生気吸収』を阻止する為。
「これは、神罰」
切断の力を乗せた花びら達は当たると同時に衝撃波を放つだけでなく、蜘蛛脚を先から少しずつ切断していく。
ユーベルコード『桜吹雪』の影響力に対応が遅れた結果、瑞貴と古の土蜘蛛オブリビオン達はベルカと朱里のユーベルコード発動を許してしまう。
「うん。私もご主人様の役にたつために……ご主人様にも、仲間の皆にも、近づけさせたりなんてしません」
――戒めの暴風が吹く。
朱里の役割はベルカのユーベルコード発動に合わせて『古の土蜘蛛オブリビオン』を浄化の竜巻による風の牢獄で閉じ込める事。
浄化の力で、首魁たる瑞貴以外の敵を浄滅せんとする朱里。
流石にジェネラル級オブリビオンが召喚したオブリビオンともなると一発でとは言わないが、それでも莫大な浄化の力に満ちた風の牢獄……
その中に閉じ込められた『古の土蜘蛛オブリビオン』は一体、また一体と浄滅して骸の海に帰っていく。
「後は、お願いしますよ……ご主人様」
ベルカが狙っていたのは『自然発火』からガスへの誘引による爆発を引き起こす事。
ベルカが所持しているユーベルコード『エレメンタルノヴァ』の『気体や液体、及びそれらの温度を操る』という性質を持つ故に、実行は可能だ。
「これは天の采配ですよ」
ニッコリとベルカは瑞貴と古の土蜘蛛オブリビオン達に向かって笑みを浮かべ、その直後に瑞貴が放った『死迷蜘蛛糸陣』による蜘蛛の糸諸共爆発に巻き込んでいく。
その爆発痕を見て、ベルカは何かに気づいたようだ。
「|かつての巫女《帯刀・圭吾》が花嫁ならば……|目の前の敵《朝比奈・瑞貴》は、|フランケンシュタイン《自己意識を持っている》はずですが」
しかし、目の前の|東北土蜘蛛の女王《朝比奈・瑞貴》は自己意識を持っているようには見えない。
ならば、逆説と消去法を用いて目の前の|現象《てき》の正体を理解できるはずだ――
「――成程。|巫女《圭吾》の執着により産まれた|残留思念の慣れの果て《物云わぬ屍人形》、か」
そう相手を看破しながらも、ベルカはあえて止めを刺そうとはしない。
それは彼に率いられた聖と朱里も同じようだ。
「あなたは、紛い物、だよ?」
影朧や骸魂を浄化出来ても、目の前にいる瑞貴の魂は救えないし、そもそも許されない。
だが――
「だけど、ううん。だからこそ、引導を渡すのは、私たちじゃないんだよね?」
そんな問いを、サクラミラージュで転生を司る桜の精の少女はベルカに問いかける。
帰ってきたのは、優しい笑み。
「それが、ご主人様が私に望んでくれていることだから」
ならば、止めはしないと朱里も言外にそう告げる。
その二人の様子に、ベルカは満足気にうなずいた。
「(聖も朱里も、その意図汲んでくれているみたいですね……では、撤退しましょうか)」
そうしてベルカは再びこの戦場……天守閣付近の大気を操作し、空気の一部を置換して煙幕を張る。
ジェネラル級オブリビオンの視界すら遮る煙に瑞貴と古の土蜘蛛オブリビオン達が惑わされる中、三人は速やかに後の事を『相応しき者』に託すべく後方へと撤退するのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
カシム・ディーン
よぅ…てめーに意識はあるのかな?少しでもあれば幸いだが…
【情報収集・視力・戦闘知識】
瑞貴の能力と周辺状況
蜘蛛童共の陣形と動きの把握
…これは戦いじゃない
断罪であり地獄だ
UC発動
呼び出すのは二章の帯刀・圭吾!
但し…意識はそのままで操作は完全に此方が制御!
まさか…死んで終われると思ったか…?
【属性攻撃】
己達と圭吾に炎属性を付与
蜘蛛はよく燃えるだろうなぁ…?
対土蜘蛛
【弾幕・念動力・集団戦術】
圭吾の蜘蛛童の群れで足止めと共に念動光弾を乱射して蹂躙
そして…
【二回攻撃・切断・盗み攻撃・盗み・武器受け】
鎌剣に変形させた賢銀水槍で切り刻み武装を強奪し
圭吾に…祖霊降臨を発動…圭吾自身に憑依させ…超強化させた一撃で瑞貴を蹂躙!己の主を突き刺し破壊させる!
よぉ圭吾…主を裏切ってぶち殺す気分はどうだ?
楽しいか?面白いか?教えてくれよ…?
これがてめーらのした事だろ?
裏切りはてめーらの十八番だろ?
(圭吾の絶叫を聞きながら
こういうざまぁって…楽しいと思ったが…あんまりそういうのでもねーな…
「そういう物だよご主人サマ…」
「よぅ……てめーに意識はあるのかな?少しでもあれば幸いだが……」
|超克《オーバーロード》を発動させた状態でカシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)は傷ついた東北土蜘蛛の女王たる瑞貴に問いかける。
幸い、とカシムは口にしたが……それは瑞貴にとって吉にはならない。
寧ろ……苛烈極まる『断罪』によって苛まれるだろう。
それだけの事を、朝比奈・瑞貴と帯刀・圭吾はしたのだとカシムは断じている。
「……これは戦いじゃない。断罪であり地獄だ」
戦場である天守閣内にて、主たる瑞貴を護衛する「古の土蜘蛛オブリビオン」達の動向を観察しながらカシムはユーベルコード……否、『|罪深き刃《ユーベルコード》』の起動準備に入る。
「万物の根源よ……帝竜眼よ……時空を操りし書架の王たる竜の力を今こそ示せ――『|外典帝竜眼「ブックドミネーター」《トキヲスベシショカノオウ》』」
具現するはカシム特有のユーベルコードである帝竜眼……強大な|帝竜《ドラゴン》の力を模倣する術式である。
今回カシムが選んだのは、アリスラビリンスの運命を決める戦争『迷宮災厄戦』にて登場した『|猟書家《ビブリオマニア》』を統べる書家の王たるブックドミネーター……
彼は『現在確認できる中』では人型であったが、カシムはかの者の正体を|帝竜《ドラゴン》だと確信。
かの少年が狙っていた世界がアックス&ウィザーズである事からもかなり有力な推測であると言える。
「そんな事は今は置いておいて……ほら、来たぜ」
この外典たる帝竜眼が具現する異能は『オブリビオンの再現』。
そして再現したオブリビオンの存在とは――
「まさか……死んで終われると思ったか……?」
「な、に……?」
――帯刀・圭吾、先程討ち取られた筈の|オブリビオン《瑞貴の巫女》だ。
「端的に言う。意識はそのままで操作は完全に此方が制御したままお前を骸の海から|再現《サルベージ》した」
そして、猟兵である|召喚者《カシム》に|召喚《使役》された|帯刀・圭吾《オブリビオン》が辿る末路など一つしかない。
「殺し合え、|圭吾《巫女》と|瑞貴《女王》同士で」
……のちの情景は凄惨なものであった。
敵対者に意識を鮮明に残しながら肉体を操られ、愛する|女王《瑞貴》を傷つける苦痛と屈辱に、|巫女《圭吾》は血涙を流しながら絶叫するしかない。
「これがてめーらのした事だろ?裏切りはてめーらの十八番だろ?」
まずは圭吾に祖霊降臨を発動させ、そのユーベルコードにて圭吾自身に憑依させていく。
次に何度も重ねられた召喚・憑依で超強化された霊槍の一撃で、瑞貴を攻撃させる。
カシムは圭吾の絶叫を聞きながらも、どこか虚しさが広がっていくだけの自身に落胆する。
「主を裏切ってぶち殺す気分はどうだ? とか聞いてみようと思ったが……」
ふと、白けた様に瑞貴に十分な手傷を負わせたことを確認したカシムは即座にユーベルコードを解除。
そのまま天守閣を去る。
「こういうざまぁって……楽しいと思ったが……あんまりそういうのでもねーな」
「そういう物だよ、ご主人サマ……」
主の零した言葉に、|機神《メルシー》は労わるように、しかし確かに窘める様そんな言葉を告げるのであった。
大成功
🔵🔵🔵
真木・蘇芳
アドリブ協力OK
幽鬼の様な女王を見て、意識があるか望みをかける
「あんた、こんな事までしてあの戦争をやり直したいのか?」
意識が有れば女王から真実が聞ける、聞けなければ…
「あとは拳を交えながら語らうしか無いか」
赤手に刻印(ドライバー)を差し込みリミッター解除、限界突破、封印を解いて全力で叩く
核が臨界しガイガーカウンターが高らかに鳴く
「これが俺の戦争のやり方だ、戦争には核がぴったりだろ?」
破壊的な威力の理由は思いに乗せた火薬、それと核炉心
「まだまだ殴り合わなきゃ判らねぇ、お前の思いお前の意思」
まるで男の喧嘩だ、言葉を交わさず殴り合い相手を理解する
乱暴なやり方、だがもの言えぬ者が語るにはそれでいいのだ
酒井森・興和
朝比奈女王…
帯刀巫女と違って自我を無くされたか?
女王の実力を備えながら激情に振り回されていた今治戦より危険だろう
…巫女と女王と
お互いだけに依存し過ぎず、もっと周囲と打ち解けられたなら…いや
もしもを思う時じゃないね
無限繁栄?
本来メガリスの賜物を個体で為せる力があるのに
惜しいし哀しい
貴方は
土蜘蛛の出自を誇れずも
女王に就いたのかな
出現した蜘蛛化敵を投げた飛斬帽で【追跡、切断】【咄嗟の一撃】も活用
敵、女王共にUCで攻撃
>女王
【追撃】で踏み込み三砂で【足払い、重量攻撃、返しで2回攻撃】
女王のUC以外の攻撃も【集中力】で躱すか三砂で【受け流し】被弾したら即【カウンター、咄嗟の一撃】で【毒使い】逆鱗を撃つ
ミラディ・エルシェ
これが幼稚な謀将の成れの果てか。
貴方に恨みはないし、感慨は…無いとは言えないか。
銀誓館の仲間の命の落とし前、何度だって付けさせて貰おうか!
メガリスの模倣とはいえ、敵の数が増えるのは厄介だ。
…光の速度について来ることが出来れば、ね。
【指定UC】を発動。【呪殺弾】と【斬撃波】でルート上にある土蜘蛛のみに風穴を開け、倒せなくても【電撃】でスタンを与え。
敵の首魁にヒットアンドアウェイを仕掛けるよ。
避けないなら、直ぐに楽にしてやれるのだがね!
万が一、口を開く様な事があっても聞く価値は無かろうさ。
『|Ferme ta gueule《黙れ、下衆》!部下を、親友すらも使い捨てたお前に、勝利などあるものか!!』
「あんた、こんな事までしてあの戦争をやり直したいのか?」
そう問いかけずにいられないのは真木・蘇芳(Verrater・f04899)。
自身の属する家の本流たる能力者がその戦争で戦死し、本家は断絶したからこそ……目の前の東北土蜘蛛の女王のあり様は見るに堪えないものであった。
その問いかけに対して帰ってきたのは、自我があるのかすらわからない、圧倒的な|無言《隔絶》。
「……あとは拳を交えながら語らうしか無いか」
赤手に|刻印《ドライバー》を差し込み、リミッター解除させて臨戦状態に入る蘇芳。
その隣で、悼む様に、憐れむ様に、酒井森・興和(朱纏・f37018)は目を閉じる。
「朝比奈女王……帯刀巫女と違って自我を無くされたか?」
当時の戦いを知る彼はこう判断する。
巫女たる圭吾を失った事も含めて激情に振り回されていた14年前の今治戦よりも、同じく女王の実力を備えている状態で尚且つただオブリビオンとして世界と生命に破壊を齎さんとする殺戮機械である現在の瑞貴の方が危険であると。
「……この状態の朝比奈女王に、生命賛歌も使わずに寡兵で挑んでも問題ないのだから……猟兵というのは凄まじいな」
「全く……我ながら、数奇な運命に巻き込まれたものだね!」
ミラディ・エルシェ(エクレール・f36343)はそう軽くおどけながらも、一切の笑いの感情の無い瞳で東北土蜘蛛の女王を見据える。
「これが幼稚な謀将の成れの果てか。貴方に恨みはないし、感慨は……無いとは言えないか」
起動させた詠唱兵器である|剣状の長銃《Gentiane》を構え、ミラディは凛とした宣戦布告を告げる。
「銀誓館の仲間の命の落とし前、何度だって付けさせて貰おうか!」
その言葉に応じ、瑞貴は片手をあげて「古の土蜘蛛オブリビオン」の軍勢を呼び出していく。
それが、今回の『今治市解放戦』の再現における最後の戦いとなった。
「これが俺の戦争のやり方だ」
まず、土蜘蛛オブリビオン諸共吹き飛ばすべく蘇芳は拳を振るう。
「戦争には……これは激烈だろ?」
「放射線には気を付けているんだよねぇ!?」
ガイガーカウンターが高らかに鳴り響き――臨界状態となった核が反応を起こし、オブリビオン諸共瑞貴は薙ぎ払われていく。
流石に猟兵の持ち込んだ装備とはいえ、核反応兵器はグリモア猟兵が後に完全なる対応をして一切の残留成分を残さず処置している。
「まだまだ殴り合わなきゃ判らねぇ……お前の思い、お前の意思!」
まるで男の喧嘩だ、とミラディは思った。
言葉を交わさず殴り合い相手を理解する……乱暴なやり方であるが、言葉を交わせぬ者に対して確かにこれ以上のコミュニケーションは存在しないと興和は得心する。
……それとは別に、こうも思うのだ。
「……巫女と女王と、お互いだけに依存し過ぎず、もっと周囲と打ち解けられたなら……いや、もしもを思う時じゃないね」
|もしもの可能性《IFの世界》は、|骸の海に浮かぶ世界の一つ《シルバーレイン》には存在しない。
あの二人は……今こうしてオブリビオン化し、猟兵となった銀誓館学園の能力者と再び戦っている。
其れだけが、存在しうる事実だ。
「無限繁栄?本来メガリスの賜物を個体で為せる力があるのに、惜しいし哀しい」
武器や拳を振るう際に生じる衝撃。そこから熱を抽出して炎を操るユーベルコードで「古の土蜘蛛オブリビオン」の軍勢を焼き払いながら、今の槌蜘蛛の女王の在り方を空しく感じる鋏角衆。
「貴方は……土蜘蛛の出自を誇れずも女王に就いたのかな」
どこまでも、二人の世界しかなかった女王と巫女を思いながら……炎を纏った一撃を興和は繰り出していく。
「メガリスの模倣とはいえ、敵の数が増えるのは厄介だ……光の速度について来ることが出来れば、ね」
――『|致命電光《クリティカルライトニング》・|白華《マルグリット》』
瑞貴の巫女も翻弄したユーベルコードで、ミラディは瑞貴と「古の土蜘蛛オブリビオン」の軍勢を相手にヒットアンドアウェイを仕掛けていく。
ルート上にある土蜘蛛のみに風穴を開けていき、生き残った者も雷撃で焦がしていくその光速の移動能力。
「避けないなら、直ぐに楽にしてやれるのだがね!」
そんな言葉を残し、残る元凶……|東北土蜘蛛の女王《朝比奈・瑞貴》に向かって、ストームブリンガーの能力者にして猟兵言葉をぶつける!
「部下を、親友すらも使い捨てたお前に、勝利などあるものか――!!」
その裂帛の叫びと共に白き雷は迸り――
「……畜生、なんでだ……なんで、僕はこんな……」
そんな言葉を残し、|再構築蘇生《オブリビオン化》した東北土蜘蛛の女王は……再び一人空しく散華するのであった。
大成功
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