6
エンカウント・エネミー

#けものマキナ #マナキタ集落

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#けものマキナ
#マナキタ集落


0




「ミッションの概要を説明する」
 (自称)レイリス・ミィ・リヴァーレ・輝・スカーレット(厨二系姉キャラSTG狂・f03431)がいつもの如くゆったりと椅子に座って手を組んでいる。
「現場は再びけものマキナだ。ある集落を人間を襲う予兆を掴んだ。何をするとしても絶好のチャンスだ」
 人間。けものマキナにおいては敵と認知されている存在。
「現状、この人間に関しても情報が少ない。撃破は最低限の目標。それに加えて、集落の住民の戦闘力調査や友好関係の構築、人間と呼ばれる存在の調査などが主目的と言える」
 襲撃される集落の映像が表示される。森の中にある集落で、大きな樹をくり抜いて住居を作っているようだが、陸上戦艦の残骸が工廠として使われている。けものマキナではよくあるタイプだ。
 現場の季節は春。出会いと別れの季節だ。
「けものマキナに関してはまだ情報が少ない。当然、人間もユーベルコードに酷似した能力”デモンズコード”を行使して来ると予測される」
 ”人間”の立体映像が表示される。これが、人間……?
「まあ、ぱっと見でコレが人間かと言われると怪しいよな」
 全身を機械のスーツで覆い、宇宙突撃兵のような恰好をしている。手にした銃で戦うのだろう。
「デモンズコードの解析結果も出ている」

●トルーパー・ウェポン
『【手にしたレーザーカービン】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる』

「……まあ、ヴァリアブル・ウェポンベースだな。相手として苦労する類ではあるまい。数はさほどでもなく威力偵察と言った所か。ああ、そうだ。現在人間は何かしらの言葉を喋るようだが猟兵であっても理解する事が出来ない。とは言え、何かを喋らせれば将来的に言語を解読する事も出来るだろう」
 椅子に深く座って偉そうに手を組むレイリス。
「私は見えた事件を解説するだけ……まだ、分からない事が多い世界だ。未知を楽しめ」
 そして、けものマキナへと繋がる転送用のゲートを開く。
「では、往くがよい」


Chirs
 ドーモ、Chirs(クリス)です。お待たせしました。タイトルも付いて、2本目です。
 今回は戦闘兼調査シナリオで、この調査結果がワールドガイドに収録され世界の公式設定になります。なお、私以外のMSの書いたシナリオでもリプレイ結果が公式設定になります。
 なお、フレームの都合上1章しかありません。ほぼ同じ内容何度か出すと言ったな、すまんがありゃ嘘になった。でも、似たようなシナリオは出るかもしれない。
 レイリスちゃんは猟兵向けに予兆を出していますが、当然現地住民としての参加もOKです。たまたまこの集落に居たか、何らかの形で予兆を知ったか。その辺はお任せします。
 今回はあまり凝った内容にせずさらっとヘルシーに書きたいと思います。まあ、乗っちゃったら結局いつも通りになるかもしれません。
 皆さんの気になる所、調査して公式化していきたいと思います。よろしくお願いします。
55




第1章 日常 『プレイング』

POW   :    肉体や気合で挑戦できる行動

SPD   :    速さや技量で挑戦できる行動

WIZ   :    魔力や賢さで挑戦できる行動

イラスト:仁吉

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

マリウス・ストランツィーニ
この世界では人間は敵意を向けられてしまうのか……。
仕方ないとは言え、猟兵としてそういうことには慣れていないからすこし辛いな。
残念だが、今は余計な刺激をしないように私は集落の住民とは会わないように気を付けよう。

主目的は敵である「人間」の調査だ。
現場についたら人間たちを探して接触。
言葉は通じないらしいが、最低限の礼儀として私の名を名乗り、相手の名を訪ねてみる。名前を示す単語くらいならなんとなくわかるかもしれない。

相手が攻撃してきたらユーベルコードで相殺し、様子を見つつ反撃して斬り込む。可能であれば相手の装備を剥がして人間の集団がどのような年齢・性別で構成されているのかも確かめてみたい。


アノマ・ロカリス
地道な|聞き込み《情報収集》の果てに信憑性なる目撃談をゲット。

まことしやかな近未来の怪談?否、『わたし』の使命が真実と告げてる。

体が機械でも、意識が人間なら殲滅する。
其の戦衣の中身は、『人』、人として在ったもの。
殲滅対象を確認、攻撃スタート。

【戦闘】敵の攻撃は、最も硬い装甲部で、ジャストガードして、デモンズコド:インテリジェントキャノンの曲がる砲弾で、間髪入れずに死角から攻撃。
ガード→カウンターを繰り返して敵の武器と装備を奪っていく。

人らしきものを、より人間に近い形に。
余分な領域をパージした先に復活を果たしたカラクリがわかるやも?

奪えた装備は、売り物にできるらしい。ほしい奴、居るか?



●ユーベルコードVSデモンズコード
「この世界では人間は敵意を向けられてしまうのか……」
 原則として猟兵は全ての世界で言葉が通じ、どんな外見でも住民に違和感を与えないと言う特性を持っている。だから、本来特定の種族が敵視されると言う事は無い。だが、このけものマキナではその特性が今一つ機能していないようなのだ。
「仕方ないとは言え、猟兵としてそういうことには慣れていないからすこし辛いな」
 凡そどの世界でも猟兵とは歓迎される存在だ。その前提があるからこそ、多少の無茶をしても猟兵と言う存在その物の悪評には繋がらなかった。だが、ここではそれも違う。
 まだけものマキナの住人は猟兵と言う存在を知らない。それが何を求めて現れ、何を成すのかを。
「残念だが、今は余計な刺激をしないように私は集落の住民とは会わないように気を付けよう」
 マリウス・ストランツィーニ(没落華族・f26734)は事前に聞いていた集落の位置を避けて森を進んでいた。その矢先の事である。
「地道な聞き込み|情報収集《情報収集》の果てに信憑性なる目撃談をゲット」
 アノマ・ロカリス(超古代文明の殲滅兵器・f36576)はひっそりと森を進む。
「まことしやかな近未来の怪談? 否、『わたし』の使命が真実と告げてる」
 遠距離スキャンし、標的を捕捉。
「殲滅対象を確認、攻撃スタート」

「ッ!?」
 マリウスは猟兵第六感により何者かに視られた事を悟った。探していた人間だろうか。
「|先手《イニシアチブ》を取られるとはな」
 マリウスの目的は敵である人間の調査だ。その為にはいきなり戦闘に入るのは避けたかった。だが、相手に先に発見され|不意打ち《アンブッシュ》を受けたとあっては応戦せざるを得ない。
 『八重霞ノ太刀』を抜き、全方位警戒。視られたという感覚はあっても何処から誰には分からない。何をしてくるのかも。
 その回答が飛んできた。
(砲弾! 遠距離から砲弾の狙撃か)
 森の中を切り裂くように飛ぶ鉄塊。当然、視認する事が出来ただけでも上手くやった方だ。砲弾の軌道で射点の割り出しは出来る。そこには何かが居る。だが、今は目の前の砲弾に対処するべきだろう。
「イヤーッ!」
 鮮烈な|気合い《カラテシャウト》と共に太刀を一閃し砲弾を両断しにかかった。回避では無く迎撃すべきと直感が告げた。その判断が正しかった事は直後に分った。
「グワーッ!」
 砲弾が、軌道を変えた。それその物が生きて判断しているかの如く、唐突に。

「初弾、命中。有効性を確認」

「狙撃はブラフか」
 直撃こそ避けたが決して軽くはない負傷。だが、痛みに怯む事無く太刀を構える。
 この状況はマズい。
「グリモア猟兵が言っていたデモンズコードではない……!」
 予兆が間違っていた? 否である。情報が足りないとは言え、相手のユーベルコードの情報はグリモア猟兵として当然見えるべき物。それがデモンズコードであっても同じ事だ。
 ならば、この状況は。
「待ってくれ! 私に敵対の意図は無い!」
 姿も見えない相手に向かって叫ぶ。
「私はマリウス・ストランツィーニ! 調査に来た者だ、敵対の意図はない!」
 返事は砲弾だった。

 称号結果、100%人間。殲滅対象。
 間髪入れずに畳み掛ける。

「話を」
 太刀で、砲弾を受け流す。
「聞いてはくれまいか!」
 両断するのはまだ困難。マリウスは走り出した。射手の居る方角へと!
(砲弾の軌道を変えるユーベルコード、いや、デモンズコードか。ならば、一発目の方角には居ない。だが、二発目はどうか。何より――音は偽装出来ていない!)

 対象接近中。『わたし』の位置が割れたと推測。
 ならば包囲し、圧殺するのみ。

「――来るッ!」
 別々の角度から四発の砲弾! 事前に発射し、空中で起動を変えて包囲。それを同一のタイミングで獲物に殺到させる。【インテリジェントキャノン】は正しく砲弾がそのまま生きているかのような挙動を可能にする。
 だが、今回に限っては対処が悪かった。
「一つッ!」
 砲弾を両断する斬撃!
「二つッ!」
 『八重霞ノ太刀』を振るう!
「三つ四つッ!」
 デモンズコードを相殺するユーベルコード、【|拒戟刃《リフレッティ・ラ・バーラ》】の一閃。既に二度見たデモンズコードを相殺できない道理が無い。

 対処、された? 対象急速接近中、回避不能。

「そこだな!」
 マリウスは四方八方から飛来する砲弾を切り払いながら三点着地した。アノマの目の前へと。
「近距離戦闘は状況不利。だが、任務継続」
「待ってくれ、私は君と敵対する人間ではない筈だ」
「――確かに。多少の差異を認識」
 アノマは無許可で高精度スキャニングを実行した。結果はすぐに出た。
「失礼した。確かにあなたはわたしが殲滅すべき人間ではない」
「ふー、分かってくれればいい」
「だーから違うって言っただろ?」
「今、傷を癒しますわ」
 喋るイタチが枝の上から現れ、アノマの後ろから竪琴を持った女性が現れる。
「人間は人間だった。誤射は仕方が無い」
「本当に物騒なマキナだなぁ」
 竪琴の音色と透き通る歌声が響くとマリウスの負傷は癒された。治療系のデモンズコードだろう。
「ええと、君達は現地住民だね?」
「ああ、マナキタの住人だ。俺は|斥候《スカウト》の鰯山、本職は大工なんだがな」
「|癒し手《ヒーラー》のコンシュですわ。本職は見ての通りの歌姫ですわよ」
「マリウス・ストランツィーニだ。剣豪のサバイバルガンナーをやっている」
「アノマ・ロカリス。舎利成炉天心」
 各自、簡単な自己紹介。
「ああは言ったが、私はこの世界の人間とはどう違うんだ?」
「心臓が一つしかない」
 アノマの回答にマリウスは言われた事の意味が分からず問い返す。
「心臓は普通一つだろう?」
「否、殲滅対象の人間は全て二つの心臓を持つ。片方は通常臓器としての心臓。もう片方はデモンズコードを行使するのに必須の生体ナノマシン工廠、通称『工臓』」
「え、この人工臓無いんですの?」
「肯定」
「はぁ? でもデモンズコード使ってたよな」
「これはデモンズコードではなく、ユーベルコードと言ってな。まあ、私も違いは分からないんだが……む」
「っと、いけねえ。今度こそお客さんみてぇだ。ちと言って来る」
「丁度前衛不足でしたものね! 死ななきゃ治してあげますわ」
 コンシュは再びアノマの影に隠れた。
「わたしを盾にするのは推奨しない」
「わたくし、か弱いんですの」
「何、前衛は引き受ける。支援は頼むぞ」
「肯定」

●ファースト・エンカウント
 それは、周囲を警戒しながらしめやかに進む四人一組のユニット。
「そこで止まっとけ、人間」
 彼女は、木の上から声をかけた。四人は素早く遮蔽を取り、銃を突き付ける。
「おー、おっかないおっかない。でも、警告はしたぜ」
 赤毛の女性は軽やかに枝から飛び降りて忽然と姿を消した。四人の人間は再びフォーメーションを組みクロスドックで進み始めようとした。
 ぴん、と。何かが切れた音がした。それに気付いた時にはもう遅い。
「Verteilen!」
 足元から有毒ガスが広がる。だが、このスーツは対毒性を持つ環境スーツ。意味は無い、と思われた。
 続けて射掛けられた火矢が着火し、爆発するまでは。
「「「「Gwah!」」」」
「おっと、火傷したら危ないよな!」
 スプリンクラーめいて降り注ぐ水が迅速に消化。
「そこにドカーン!」
 地面から生えたテスラコイルが濡れた身体を感電させる!
「「「「Gwah!」」」」
「今だぜ!」
「推して参るッ!」
 マリウスが切り込み、アノマの砲弾が死角から飛ぶ。結果として、ものの数秒で最初の戦闘は終わった。

「峰打ちにはしておいたが」
「意識の喪失を確認」
 今来ているのはこの四人だけだと確認を取ったのち、剥ぎ取りにかかる。
「やったぜ、人間のスーツは色々取れるんだよなぁ」
「ハクメ、やりすぎ」
 4コンボのトラップを組んだのはこのハクメと言う赤髪の女性。
「これ、どうやって脱がせるんだ?」
「ここをこうして」
 黒髪の女性、ミチコが手際よくスーツを脱がしていく。果たして中から現れたのは……

「これが、この世界の人間か……」
 人間、である。全身に一本の体毛も無い事を除けは人間であった。
「スーツの下裸なのか……」
「捨てとけ捨てとけ。それには用はねーよ」
「敵じゃないのか?」
「命は取らない。それがここのやり方よ」
「……肯定しかねる。人間は殲滅対象」
「丸裸のフラットスキンを殺すってのはちょっと違うだろ」
 フラットスキン、人間の蔑称だ。確かに、髪の毛も含めて一本の体毛も無いのはフラットスキンと呼ぶのが正しいように思える。
「このスーツは使えるのか?」
「無理だな。なんかロックかかってて使えねーんだ。バラしてパーツにする位だな」
「うーん……」
 マリウスは人間に潜入し、情報を集めるつもりでいた。だが、言葉も通じず、この容貌。せめてこのスーツだけでも使えれば……そう思いながらヘルメットを被ってみた。
『Rennzertifizierung』
 機械音声が聞こえた。
『Authentifizierung erfolgreich. Unterdrücker startet』
「お、おお? 何か動いてるぞ?」
「マジか!?」
『Fehler, Einheit fehlt』
「ちょっと、一旦全部着てみよう」

『Schalldämpfer, funktioniert normal. Einheitsschadensrate 34 %, schnelle Reparatur empfohlen』
「何を言われてるか分からないがなんか動いてるっぽいな」
「マジかー、今まで何しても動かなかったのに」
「……種族による認証があると推測。仮定、人間であれば認証され動作可能では?」
「そうかも知れない」
 マリウスはスーツを動かしてみる。実際、|機械外骨格《パワードスーツ》の役割も持っているようだ。思った通りに動く事は出来る。
「だが、やはり動きにくいな……」
 このまま戦闘をするとなると中々に厳しい。猟兵の身体能力には対応し切れていないように感じる。
「ずっげぇな。人間そのものだ」
「そうか? いや、人間なんだがな」
 そう言えば、人間は嫌われるという話だったが。少なくともこのハクメとミチコは気にしてない様だ。
「ああ、人間だったっけ。全然態度が違うから忘れてた」
「そうねぇ、人間が皆こんな感じなら戦わなくていいのにね」
「そういう物か」
「そりゃ、そうでしょ?」
「襲われるからやり返してるだけだしな」
 フラットスキンと呼ばれて転がされている人間を見てみる……オブリビオンの気配はしない。
 通常、猟兵はオブリビオンを認識できる。だが、この世界ではそうでは無いのだろうか。それとも、根本的に人間はオブリビオンは無いのだろうか。
 分かった事もあり、分からなかった事もあった。だが、収穫は収穫だ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

御宮司・幸村
【理想】
・自身のデバイスに現地語↔日本語の翻訳機能搭載

・あらゆる種族/人種から自身を味方認定される認知の変更

他、現地で不都合があった場合等は臨機応変に対応

(例)隠密が必要な場合、周りから視認出来なくなる
“人間”をコントロール下におき自白させる等

●目的
相勢力の言語や文明レベルの解明
可能なら人間側本拠地の場所、規模、目的を探る

他レイリスちゃんが言ってた目的を一通り

【作戦】
理想の集落(敵からは被害が出てるように見えるが実際は攻撃無効化)にして他猟兵と敵の戦闘データを採取後
理想の戦闘勝利でご退場頂く

【交流】
恩着せがましくならないように振る舞い
今後の交流が+になるように心がける
あっ、ゲームって知ってる?


巨海・蔵人
アドリブ連携歓迎
◼️心情
さて、新世界だね、ここが僕のルーツなのかはさておき、
車あるしまずは幸村さんを拾っていこう

◼️準備
UCでドローンをDIYモードにして加工してこう、
まずは幸村さんの変装用の熊耳。
僕も念のために足を熊に形態変化しておくね。
後、車体にお天気お兄さんセットを改造して張り付けて磁気嵐からうまく電気作れたらいいね。
地元のネットワーク接続もだけど、
自分のネットワークも構築試すのとドローンもどれ位飛ばして平気かも試さなきゃね、
音声データはじめデータ収集しやすさ変わってくるし、
自己端末を交易品に使えたら便利だしね。
後は幸村さんの案に乗っかって必要な物を加工したり作ったりしてく工作機械無双?



●人間語翻訳チーム
「ドイツ語じゃないこれ」
「独逸語?」
 御宮司・幸村(いいかげんサマナー・f02948)はマリウスとは別のスーツのメットを被って機械音声を聞いた結果そう判断した。
「ただのドイツ語なら翻訳も楽勝だねー」
「そんなに簡単に行くかなぁ?」
 幸村をここまで来るまで乗せて来た巨海・蔵人(おおきなおおきなうたうたい・f25425)は漠然とした不安を口にしてみる。
「まあ、これで上手く行ったら簡単過ぎとしても、やってみる価値はあるっしょ?」
「おーい、別の偵察隊見付けて来たぜ」
 |斥候《スカウト》の|鰯山《イワシヤマ》が文字通りに飛んで来て報告した。
「罠仕掛け直すか?」
「いんや、時間が足りねぇ。作るとしても|防壁《バリケード》が精一杯か」
「いえ、わたし達で迎撃に出ます」
 アノマが決断的に答えた。
「最終的に迎撃するのは賛成だが、その前に交渉してみよう。今回はこれがある」
「そうだね。最終的に倒すとしても相手の言葉が分かっておいた方が有利にはなれるっしょ?」
「肯定、理を認める。それにしても」
 アノマは幸村をじっと見て――そのように感じた――頭を振った。
「非殲滅対象の人間が増えるとは、理解しがたい」
「何を言ってるんだい? おじさんはくまさんだよ?」
 蔵人の作った熊耳をアピールする。
「そっちのデカいのはいかにもクマって感じだしな」
 これは蔵人へのハクメの言。熊足でクマさん感アップ。
「肯定。そっちの大きいのは明らかな非人間。しかし――否、これ以上は時間の無駄と判断」
「いざと言う時のバックアップは任せますからね」
 マリウスはスーツの下は下着しか身に付けていない。当然、武器を隠すスペースも無い。人間の持っていた銃を使ってみようかとも思ったが、引き金を引いても何の反応も無く使い方が分からない。
「こっちを使うにはIDか何か必要なのかもね」
「|洗浄《ロンダリング》出来るかもしれないけど、情報足りないかな。蔵人君、ネットワーク構築の方はどう?」
「あんまり上手く行ってる感じはしないかな。ラジオ電波位なら出来るけど、双方向ネットワーク通信となると衛星が使えないってのが痛いね」
 元より、広域の無線通信と言う物は人工衛星あっての物だ。インターネットは遥か太古の遺産となっている。
「でも、ドローン飛ばすのはそんなに難しくないかな。割と普段通りの感覚で使えそう」
 その一方で、磁気嵐による通信途絶は既に過去の話となっている。動く機材さえあれば使える。
「人工衛星打ち上げればネットも使えるかな?」
「スペースデブリでボロボロになるだけだって」
「あーそっちは健在なんだね。先にスペースデブリ何とかしないとかな」
「おいおい、そんな先の話してないで目先の相手何とかしろよ」
「おっと、そうだった」
「では、行こう」
「あいあい」

 スーツを着たマリウスと幸村は鰯山に先導されて別な偵察隊へと近付いて行った。
 ある程度近付いた所で鰯山は身を隠し、マリウスと幸村だけで歩いて接触する。使えなくても銃は持ったままの方が怪しまれないと判断した。
 二人が近付くと四人の偵察隊は一斉に銃口を向けた。だが、散開はしていない――警戒はしても、敵と断定はされていない。
 短い沈黙。幸村は、出来れば相手から第一声を聞き出したかったが……黙ったままというのも不自然なので切り出した。
「Begegnung mit einem Feind und Flucht. Kannst du mir helfen?」
――敵と遭遇し逸れてしまった。助けてもらえないだろうか? そういう意味のドイツ語で喋った。もちろん、高性能翻訳機能により流暢な発音として聞こえている。
 その、はずだった。
『bestia stupida』
(え、今度はフランス語!?)
 その一言と共に光線が飛んできた。
「おわっとぉ!?」
「不味いッ!」
 幸村とマリウスは素早く木陰に遮蔽を取り、交戦から逃れた。この事態を想定してはいた。
「おっかしーなぁ? 認知の偽装は機能したはず!」
「符号だろうか。外見と言葉だけではない、何らかの識別符号があるのかもしれん」
「くっそー、あっちから声かけて来ない時点でこうなるとは思ったけどー!」
 確かに、マリウスの来たスーツの音声はドイツ語だった。違う世界なのだからドイツ語が公用語の可能性があるのかとは思った。だが、今聞いたのはフランス語。部隊が違うと言語が違う? あり得ない。意志の統一が出来ない軍隊など三流未満だ。
「アイツら、暗号で喋ってるんだ!」
 本来猟兵はあらゆる言語を母国語のような感覚で扱える。だが、それはどんな言葉でも喋れると言う意味ではない。受け側が変換出来るという話だ。だが、そもそも暗号で喋っているのだとしたら? 猟兵の能力には暗号を瞬時に解析する事までは含まれていない。
 これが、人間語の実体だった。
『Kuring reuwas aya sato galak anu bisa mindahkeun oppressor, tapi éta.』
「今度は……えーっと、スンダ語? どこの言葉だよそれ!」
「単純にどこかの国の言葉を喋っているという訳では無いか」
「多分、一定間隔で使う言語が変わってるんだ。変わる言語の法則性を見付けないと意味が無い!」
「やっぱり、そう単純な話じゃなかったか」
 蔵人が運転する車がドリフトしながらエントリーし、バリケードを提供しつつ幸村を回収。【|キマフュ流撮影デバイスVer:EVO《キマイラフューチャーロマンサーデバイス・コーリン》】で改造された車は光線も跳ね返す!
「でもまあ、正直こっちはそこまで期待してなかったけど」
 幸村は|HMD《ヘッドマウントディスプレイ》に指をかけた。幸村はスーツを着ていない。着ていると認知を改竄していたのだ。
「プランBには問題無いねー!」
「プランB? そんなのあったっけ」
「プランBって言ったら当然アレでしょ」

「そんなもんは無いぜッ!」

◆続きます。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

木霊・ウタ
心情
これが新しい世界か
面白そうだ

守って調査か、やってやるぜ

行動
一応、獣耳カチューシャを装着

焔摩天の炎翼で上空から戦場に登場ざま
獄炎纏う焔摩天で薙ぎ払う

武器やスーツを砕いたり
過熱で動作不良を起こさせて無力化

オブリビオンじゃないって話だし
これで十分だろ

レーザーに対しては
高熱で空気を歪めて逸らしたり
大剣で防御

現地住民が攻撃を受けそうなら
爆炎で瞬時に移動して庇う

敵無力化が完了後は
上空から付近を探索

威力偵察ってことだし
本隊がいるはずだよな

位置が判ったら
さっき倒した人間たちを
本隊へ連れて行ってやるぜ
何か会話や情報の手がかりが得られるかも?



●ずんばらりん
 木霊・ウタ(地獄が歌うは希望・f03893)は上空からの|不意打ち《アンブッシュ》を仕掛けた。樹で視界が遮られているお陰でその上までは警戒されていない事は蔵人のドローンが確認済み。大地に『焔摩天』を突き立て、赤黒の獄炎嵐が吹き荒れる!
「Serangan ti langit!?」
「Tembak!」
 四人の偵察隊はウタを散開包囲し、光線の銃撃!
(初手で|一刀両断《ずんばらりん》しても良かったけど、こいつらがオブリビオンかどうかがまだ分からない)
 もしかすると、ただの人間である可能性が残っている。少なくとも、猟兵としての勘はオブリビオンでは無いと断定している。
 だが、例えオブリビオンでは無かろうとも。それが罪なき人を脅かす者であるならば。
「やってやるぜ、程々にな!」
 |轟《ごう》と、音を立てて獄炎嵐が光線を捻じ曲げる! |かすり傷一つ無し《NO COUNT》!
「Sato galak!」
 ならば距離を詰めれば、と思うより先に既にウタが踏み込んでいる! 峰打ちのフルスイング!
「Guwa!!」
「対して強くも無いな」
 強かに幹に背中を叩き付けられぐったりと倒れる。
「Ulah bodo !!」
 高出力モードの光線! ウタは展開した獄炎の翼を振るがえらせて回避! そこに側面からのヘッドショット! アノマの援護射撃だ。
「Upami ieu kajantenan, sanaos kuring nyalira!」
 銃口が、隠れていた鰯山を狙う!
「やべぇ、バレた!?」
「maot!!」
「させるかッ!」
 ウタは|割り込もう《インターセプト》とした時には既に遅い。
「遅参したッ!」
 涼やかな金属音と共に、光線を切り払ったマリウスがここで合流。蔵人の車内で着替えたようだ。
「すまねぇ、助かったぜ」
 鰯山は素早く戦線離脱。
「|一手《1ターン》余った分は、攻めるか!」
 【ブレイズブラスト】による獄炎の壁!
「程々には加減するが、何度まで耐えられる?」
「Guwaaaaaaa!!」
 強火で一気に焼き上げる! ナイスクッキング!

「こんなもんかな」
 無力化した偵察隊の人間が四人。スーツで顔も分からないが……意識は無いだろう、多分。
「じゃあ、剥ぎ取ってみようか」
 ミチコから手順を聞いた幸村と蔵人が手際よくスーツを脱がせる。
「こいつらも、同じか……」
「ちょっと目のやり所に困るの何とかならないかな……」
 スーツの下はやはり裸体で、一本も体毛が生えていない人間。オブリビオンの気配もしない。
「これ、もしかしてこのスーツがオブリビオンだったりしないか?」
 クロムキャバリアではオブリビオンマシンがパイロットを狂わせるように、スーツの方が人間を操っている可能性をウタが口にした。
「んー……無くはない、のかもだけど……」
 幸村が思い付く限りの手段でスーツへのハッキングを試すが、通らない。
「参ったなこりゃ。キマイラヒューチャーやスペースシップワールドよりも凄いテクノロジーかも」
「幸村で駄目ならスーツから辿る線は厳しいかな」
「レイリスちゃんに頼んでみるとか?」
 一応、後にやっては見たが駄目だった。人間のテクノロジーパないな。
「戦ってみた感じ、こいつ等は楽勝だったな。集団で出てくるオブリビオンと同程度かな? 人数も少なかったし」
「たぶん、相手も本気じゃないんだと思う」
「まー、プランCは順調だから問題無いって。とりあえずはね」
「プランBが無いのにプランCはあったのか」
「プランが無い事がプランBだからねー」
「そういう物か」

 プランC。別の偵察隊が偽装集落を発見し何事も無く撤退させる作戦は実に上手く行った。
 流石にデモンズコード使いの集落をたったの四人の偵察兵で落とせると考える程楽観的ではない様子。近い内に偽装集落に本隊が攻撃を仕掛けてくるだろう。
 まあ、そこにあるのは罠だけな訳だが。

「この人間達、本隊の所に帰しに行けないかな?」
 適当な物を羽織らせた人間を指差してウタが言った。
「いや、いくらなんでも人間の集落に行くのは危険過ぎるぜ」
 合流した鰯山が言った。
「あと、返すのも無理だ。間に合わない」
「間に合わない?」
 どういう意味だ? と聞こうとした瞬間にそれは始まった。
「なっ!?」
 人間が、泡立っている。細かく小さな気泡から徐々に大きな泡になって……消えた。
「な、何だよコレ……」
「胞状分解って俺達は呼んでる。スーツを脱がした人間はこうなって消える」
「消えるって……殺しは無いんじゃなかったのか?」
「こいつらが勝手に死ぬのを止める訳じゃない。第一、止め方も分からん」
 そこには何の痕跡も残されていなかった。人間が、ここに居たと言う事も。空っぽになったスーツだけが残されている。
「え、なにこれ。ヤバい病気か何か?」
「否定。これは一種の自爆装置と推測」
 胞状分解を緻密に観察したアノマが言った。
「おじさんも同意見だね……たぶん、体内のナノマシンでを使って自分で自分を分解してるんだ」
「命を何だと思ってやがる……!」
 ウタは憤った。
「命……なのかな」
 蔵人が、ぽつりと言った。
「個人の意思で動く命にしては色々とおかしくない?」
「んー、確かに。なんかこう……クローンか何かっぽいね?」
 命としてはあまりに異質だ。
「これが、この世界の人間……」
 ウタは、憤ったまま吐き捨てるように言った。
「こんな、モノが……ッ!」

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年08月02日


挿絵イラスト