無人島でサバイバルキャンプを楽しもう
夏だ! 海だ! キャンプだ!
「つまり無人島でサバイバルキャンプすれば楽しさ百万倍だよねっ!」
グリモア猟兵の蛇塚・レモン(白き蛇神憑きのシャーマンクイーン・f05152)がはしゃいでいる。曰く、新世界アスリートアースで無人島でのキャンプが密かに流行しているらしい。
「そのキャンプ場というか海域は、無数の無人島があちこちに浮かんでいてねっ? 参加グループごとに無人島を1泊2日の間、独り占め出来ちゃうよっ! すごくないっ!?」
グリモアで転送された猟兵は、手つかずの自然が残る無人島で一昼夜過ごす。グリモア猟兵による迎えの転送が来るまで、完全に島外との交流が断絶される。つまり、完全にプライベート空間が守られるうえに、無人島の自然を存分に楽しめるという過酷かつ豪華なキャンプなのだ。
「友達同士のグループでわいわい賑やかにやるのもいいけど、無人島で恋人同士2人きり……誰にも邪魔されず、大自然の中で愛を育む……なんていうのも素敵だよね~っ!」
サバイバル生活での共同作業や、夜空を二人で見上げながらロマンチックに語り合えば、一気に2人の距離は縮まること間違いなしである。
「それとっ! 先日の水着コンテストで新調した水着を持参して泳ぐのも醍醐味だよっ! 透明度の高い海は、シュノーケリングにぴったりっ! 魚もたくさんいるよっ!」
勿論、最低限の食料と装備の持参は認められているが、無人島でゴミを出さないためにも食材は現地調達が望ましい。手付かずの自然ゆえに、森にはフルーツが生い茂り、海には魚もいるので空腹になることはないだろう。
「では早速っ! 無人島サバイバルキャンプへ、しゅっぱ~つっ!」
レモンの頭上で輝くグリモアが瞬く。
さあ、夏の思い出をたくさん作りにゆこう……!
七転 十五起
水着コンテスト、お疲れさまでした!
早速、新しい水着でレッツ! サバイバル・キャンプ!
なぎてんはねおきです。
●大まかな日程
第一章でテントを立てたり、食材調達したり。サバイバル生活の準備をします。
ただ、島に湧水があったりなかったり、色んな動物がいたりいなかったり……?
アレがあってコレがない!って言うのは、参加者様が自由に決めて構いません。
勿論、水着での海水浴もお忘れなく! 火起こしも大事です!
第二章は調達した食材でサバイバルキャンプ飯を調理しましょう。
そのままワイルドに焼いたり煮たりして食べるもよし!
調味料を持ち込んで無人島にてフルコースを堪能してもよし!
第三章は焚火を囲みながら、夜のサバイバルキャンプを満喫しましょう。
敢えて焚火を消して、満天の星空を眺めて語らうのも良いでしょう。
恋人同士、あるいは想い人と同じ星を眺めていれば、きっといい雰囲気に……?
それでは、夏の無人島サバイバルキャンプ、楽しんで参りましょう!
たくさんのご参加(特にカップル若しくは仲を進展させたい方々)、お待ちしてます!
●告知
実は、無人島を開拓する自作PBW『オーシャンフロンティア』に七転十五起が参加MSのひとりとして名を連ねさせていただいております!(発起人は椿油MS様です)
気になる方は、旅団『グリモアベース』→『自作PBW宣伝スレッド』をチェックしてみてくださいっ!
第1章 日常
『ちょっと寄り道』
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POW : 体力の続く限り遊ぶ
SPD : 計画的にあちこち回る
WIZ : 美しい景色や美味しい名産品を楽しむ
イラスト:真夜中二時過ぎ
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
――気温34℃の猛暑日、場所はアスリートアース世界の絶海の諸島。
そのひとつひとつの島で猟兵達のサバイバルキャンプが始まる。
まずは拠点づくり。
既製品のテントを持ち込み、設営するのが最も最適なのは言うまでもない。
しかし、折角のサバイバルキャンプ。流木やツタ、それと葉っぱでテントを組み上げるのもなかなか面白い。なにより野性味溢れたオリジナルのテント作りは達成感もひとしおだ。
次に島の探索と食材調達だ。
各島によって条件が異なる。
湧水の有無、食材調達のスポットの場所、もちろん地形も異なる。
場所によっては凶暴な野生動物も存在するかもしれない。自衛は自己責任で。
そういった島の探索もサバイバルキャンプの醍醐味だ。
此処での成果が、1泊2日のキャンプ飯を大きく左右する。
何の成果も得られない場合は……支給されたドライフルーツ詰め合わせ1袋と2Lのミネラルウォーターのみで空腹を紛らわさねばならないだろう。
そして水着を持参したのなら、周囲の透き通る海での遊泳は欠かせない。
シュノーケリングに適した透明度の高いエメラルドグリーンの美しい海の中には、数多くの魚たちが群れを成しているだろう。
……ただし、島によってはサメや猛毒を持つクラゲが出没するので注意を払うべし。
自然保全のため、持ち込める荷物は市販のテントを除きデイパックに収まる程度のものとする。つまり裏を返せば、デイパックに収まれば武器の所持も認める。ユーベルコードが使用できる猟兵達なら、どんな窮地に立たされても、ある程度の事はこなせると思うが……。
では、諸君がこのキャンプにて有意義な時間を過ごせることを願う。以上。
アハト・アリスズナンバー
【アリス一派】
お母様のお言葉通り、恋を知るためにキャンプに来ました。イケメン二人連れて。
ただ何となく違うような気もしますがこれもお母様の為です。頑張りましょう。
正直私たちフラスコチャイルドはこういった空気が清浄な環境は生命維持装置が働くので空気が汚染された都会が恋しいのですが。
まあいいです。食料の確保に動きましょう。
こういう時は計画的な行動が大事。サバイバルは食料と水の確保との闘いです。
私は疑似的にこれらを解決する術を持っています。
ユーベルコード起動。あそこにいる獲物は雷で仕留めつつ、こちら側にはスコールが発生します。ほら貯めて。
獲物は……蛇ですね。焼けば食えます。
焼けば何でも食えるんです。
地籠・陵也
【アリス一派】アドリブ歓迎
三人でデートはデートって言っていいんだろうか……
とは思うけど、アハトとルゥがそれでいいならいいか。
恋を学ぶ為とは言うが、実際恋って何なんだろうな?(鈍感なのでよくわかってない)
狩りはアハト、設営はルゥがしてくれるということで俺は調理環境の準備をしておくか。
無人島だから、何でも焼けば食えるかと言われると違うし。
火の扱いにも一層注意しないと……
……【結界術】で火をつけたあとに閉じ込めてその上に鍋を乗せたら常に適温で調理できるし火事にもならないな?
クーラーボックスも同じように外界から遮断すれば氷が早々に溶けることもないだろう。
寝る時は【指定UC】を冷房+虫除け代わりに使う。
ルゥ・グレイス
【アリス一派】
アドリブ歓迎
デート…デート?
初めから恋とかいう機能はついてないのだ。
よくわからないけどまあ、
「楽しければいいのでしょう。たぶん」
調理も狩猟も無理なので粛々とテントを張ります。
「では計画的に参りましょう」
デイパックから取り出したのは小型ドローン、手のひらサイズのスピーカー
可聴域外音響の猛獣除けだ。アポヘルでよく売ってる
それをドローンにつるして適当に巡回させ、ポールを組んでペグ打ってシートをかぶせてはい完成。
「説明所通りに組むだけでも割と形になるものだね」
意外と時間が余ってしまったので、テントに魔術を描画することに。
ちょっとしたサプライズみたいなものだ、使うかどうかはわからないが。
ヒーローズアース。赤道直下の絶海の諸島。
このひとつひとつの島が猟兵達にとって丸ごとプライベートキャンプ場となる。
こんな贅沢な夏のリゾートは滅多にない。
それは、これから始まるかもしれない恋の予感を運んでくるのだ。
「……来ましたね、無人島」
無表情のまま真夏の照り付ける日差しを手で遮るフラスコチャイルドのアハト・アリスズナンバー(8人目のアリス・f28285)……またの名をマリア・オットー・グラムベル。
「お母様のお言葉通り、恋を知るためにキャンプに来ました。イケメン2人連れて」
青空へ向かって言葉を投げかけるアハト。この手で葬った母を思い浮かべながら。
――去る今年の五月。アポカリプスヘルでの死闘はまだ記憶に新しい。
そこでアハトの複製元であるマザーことアリス・グラムベルは死に際に『恋をして愛を知れ』と娘に残して逝った。そうでなければ、仇敵には勝てないと。
故に、アハトはその時に世話になったイケメン2人を無人島サバイバルキャンプに誘ったのだ。
その面子は……。
「なぁ、そもそもなんだが……3人でのデートはデートって言っていいんだろうか……?」
地籠・陵也(心壊無穢の白き竜・f27047)は真っ白なサーフトランクスに夏宵を思わせるネイビーのロングパーカーを羽織りながら荷物を砂浜におろした。
「まぁ、アハトの頼みだし俺は誘われて最初は驚いたけどさ? もう乗るしかねぇなこのビッグウエーブにって感じでここまで来たけどさ? ……なんかデートって雰囲気がしないんだよな。ルゥはどう思う?」
尋ねられたルゥ・グレイス(終末図書館所属研究員・f30247)は、病弱な真っ白な肌を隠すように白衣で包まりながら、黒字のハイビスカス柄のスイムショーツを穿きこなしていた。
「えっと、デート……デート? 申し訳ありません、僕の機能には恋愛に関する機能は備わっていません。ですので、現在の状況をデートと判断するエビデンスをご提示できません。申し訳ありません」
「マジレスされると俺もリアクション困るんだが……」
眉を下げてしまう陵也。
ルゥまたフラスコチャイルドであり、アリスズナンバーと深い関わりを持つグレイスコーズ・チルドレンだ。だが彼もまた恋愛の知識については遺失物のアーカイブ(演劇や書籍の内容)の範疇を出ず、経験も皆無であり、そもそも恋愛に必要な機能を有していない。
「陵也さん、僕はそういうつもりじゃなくてですね。ええ、確かに恋愛についてはよくわかりませんが、僕はこの無人島サバイバルキャンプを3人でより良く、そして楽しめればいいなと思ってます」
「私も何となく違うような気もしますが、これもお母様の為です。3人で頑張りましょう」
ルゥとアハトの言葉に、陵也は思わず苦笑いを浮かべた。
「アハトとルゥがそれでいいならいいか。てか、恋を学ぶ為とは言うが、実際恋って何なんだろうな……?」
頼みの綱の陵也も、弟から朴念仁とか鈍感などと揶揄される恋愛ノービスであった。
「というか、アハト? 水着はどうした? いつもの隊服じゃ暑いだろ……」
陵也の指摘通り、アハトはアリスズナンバーの隊服のままここへやってきた。
気温34℃。うだるような猛暑で長袖の軍服は堪えるだろう。
これにアハトが即答した。
「分かりました。では脱ぎましょう。下着代わりに水着を着こんで参加してますので」
「すまない脱ぐのを止めようかアハト! 俺が悪かった……!」
恥じらいのあまり、思わず目を背ける陵也。
……この無人島サバイバルキャンプでの恋愛大作戦、先行きが既に不安である。
3人はまず役割分担を決めることから始めた。
「私は食料の確保と島の探索を担当しましょう。ただ、正直私たちフラスコチャイルドはこういった空気が清浄な環境では生命維持装置が働くので、アポカリプスヘルの汚染された都会の空気が恋しいのですが。まあいいでしょう」
「そうですね。僕もフラスコチャイルドなので、アハトさんの気持ち、よく分かります」
おっと、ここでフラスコチャイルド同士だから分かる話題で意気投合し始めるアハトとルゥ。
これに陵也がルゥへ話題を振ることで流れを変えてみせた。
「あ~、ルゥはどうするんだ? 俺は調理環境の整備をしようと思ってるんだが」
「そういえば、出発前に仰ってましたね……」
陵也とルゥはグリモアベースでこの話を聞いた際に、アハトと交えて交わした言葉を思い出していた。
『この中で料理が出来る人は? 私は焼けばなんでも食べられると思ってる派です』
『実は僕も、焼けば多少は食せると思ってますので、そこまで食に強い事だ割はないですね。栄養補給ですし』
『……つまり、サバイバル飯は俺の双肩にかかってるわけか。マジか~』
ということで、陵也はこのキャンプの飯を彩るべく準備に取り掛かると公言していたのだ。
「まぁ、俺も食い物なんて焼けば食えると思ってるけど、せっかくなら上手くなるように調理した方がいいに決まってるしな」
「ええ、お願いします。なので僕はテント設営に尽力しますよ」
ルゥが力仕事を申し出たことに、アハトも陵也も意外そうな顔をした。
「出来ると仰ったからには、期待しますよ? ルゥさん?」
「俺より背がでかいんだから、立派なテントを立ててくれよな」
「任せてください。野営はアポカリプスヘルで慣れてますから」
ルゥの肩をアハトと陵也が激励の意味を込めて軽く叩いた。
こうして、三者三様、それぞれの職務を全うするべく散り散りになっていった。
アハトは森の中を探索していた。
鬱蒼と茂る森の中は空を覆い尽くし、真夏だというのに涼しささえ感じてしまう。
「こういう時は計画的な行動が大事。サバイバルは食料と水の確保との闘いです。私は疑似的にこれらを解決する術を持っています」
アハトはユーベルコードを使用して解決しようと試みる。
「|銀色の雨《シルバーレイン》再現開始。ターゲットスコープ。ファイア」
すると、アハトの周囲にた万色の稲妻が周囲に降り注ぎ始める。そして木々を雨が濡らしてゆく。それは半径123mの局地的なゲリラ豪雨。ただし雨粒は銀色に輝いていた。
「周囲に潜む|食材《えもの》は落雷によって仕留められ、降り注ぐ雨は体力回復を促す水源となります。ほら、早速溜めていきましょう」
持参した空ペットボトルで銀の雨水を溜め込んでゆくアハト。そして雷が落ちた場所へ歩み寄ってゆく。
「獲物は……蛇、ですか。焼けば食べられますね、蛇は」
……どこぞの蛇神に悪寒が走る!
一方、急な雨に見舞われたルゥと陵也もまた雨水を溜めながら作業を行っていた。
「では計画的に参りましょう。説明書通りに粛々と」
持参した折り畳み式テントの骨組みを無心で組み立ててゆくルゥ。
「おっと、これを周囲に展開させましょう。雨も止んできましたからね」
デイパックから取り出したのは、小型ドローンと手のひらサイズのスピーカー。
スピーカーをドローンに吊るしたまま飛ばしてゆけば、上空でチカチカと赤いランプが点灯し続ける。
「……何飛ばしたんだ?」
陵也の問いにルゥが答えた。
「可聴域外音響の猛獣除けです。アポヘルでよく売ってるんです。これを適当にテントの周辺で巡回させれば、森の中の猛獣除けになります」
「すげぇ……アポヘル、まじパネェ」
「あの世界自体がサバイバル生活そのものですからね」
説明しながら手際よくペグを打ち込むルゥ。
「ふぅ……説明所通りに組むだけでも割と形になるものだね」
「はっや! 俺もこうしちゃいられないな」
陵也もそそくさと自分の持ち場へ戻っていった。
(……行きましたか)
ルゥは陵也の背が遠ざかるのを見計らって、テントに魔術を描画していく。
(ちょっとしたサプライズみたいなものだ、使うかどうかはわからないが)
それでも、彼女が喜んでくれるなら。そんな考えが過ることに、ルゥは自分でも驚くのだった。
ルゥの秘密を知る由もない陵也は、作りかけの調理場の完成を急ぐ。
「無人島だから、何でも焼けば食えるかと言われると違うし。火の扱いにも一層注意しないと……」
石を組み上げたかまどの中心に、陵也は起こした火をくべる。
「苦労して起こした火だ。消えないように結界術で包んでおくか。そうすれば常に適温で調理できるし火事にもならないな? 上に鍋乗っけても空焚きにならないだろうし」
猟兵は魔術や技能で常人とは違うキャンプの楽しみ方が出来るのが強みだ。
同様にクーラーボックスも結界術を張れば、真夏の日差しの中に放置しても冷気が保たれ続けるようになる。
「よし、完成だ。あとは寝るときはユーベルコードでシェルターを作れば、冷房と虫除けになるだろう」
「おや、立派なかまどですね」
アハトが両手に蛇の頭を握り締めたまま帰ってきた。
「お帰りアハ……うおぉ……っ! びっくりした……!」
女子が素手で蛇3匹を鷲摑みにしているのはシュールな光景である。陵也が驚くのも無理はない。しかもまだ生きてるし。
「お待たせしました。ひとり1本です。今夜はご馳走ですよ」
「いや、蛇をうんまい棒感覚で差し出されても困るんだが???」
たじろぐ陵也の元へ、ルゥも寄ってきた。
「お帰りなさい、アハトさん。立派な蛇ですね。身も太くて食べ応えありそうです」
ルゥが感心しているのを、陵也は宇宙の真理を見たような猫のような表情で見詰めていた。
「さすがアポヘル民は逞しいな……てか、なぁアハト? 収穫はこれだけか? 木の実とか、山菜とかは……?」
「水がありますよ。さっきユーベルコードで降らせた銀の雨ですが。飲むと体力回復します。まずは一杯どうぞ」
「効能は折り紙付きでも色がやべぇ……まぁ俺達も溜めてはいたんだが、こっちをメインに飲むのか……」
陵也は何かが違うと呆然となる。もっと甘酸っぱい雰囲気をどこかで期待していたんだが、どう突き詰めても『野生の王国2022夏』的なドキュメンタリー番組でしかない事に肩を落とす。
そして……。
「よし決めた。アハト、ルゥ。今から魚を釣るぞ。釣ったことなくても俺が教えるから安心してくれ。……でなきゃ、今夜の飯が蛇の丸焼きと銀色の雨水だけになっちまう! 周りに海があるんだから、やっぱ魚食おうぜ……? そのための調味料とレシピを持ってきたんだからな……!」
頭を抱える陵也。
フラスコチャイルド2人は、首を傾げながらも陵也のレクチャーを受けて釣りに興じるのだった。すると3人の絆がみるみるうちに縮まってゆく。ひとつの目的に向かって協力する事の大切さを改めて学んだ。
……んで、めっちゃ大漁だった。陵也の冷凍魔法が大活躍したので鮮度は守られたので事なきを得た。
本当にこの3人、恋愛が出来るのか……?
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ビスマス・テルマール
【なめろう餃子】
キャンプ飯と言う言葉も、聞いた事はありますけれど、味噌や薬味等は事前に用意していて……海産物は現地調達すれば良いですが
自然薯や、その他手に入る物はエミリさんにお任せしましょうか
その前に二人でテント立てたり
準備の後に
UC『早業』発動!
カジキのなめろうビームアクアガンを
攻撃回数重視で生成し、手持ちの装備に『メカニック&武器改造』ジョイント
この鎧装(水着コンの)の
テストを兼ねてわたしは『深海適正』で備え『水中戦&水中機動』で動き回り
魚の動きを『第六感』で『見切り』
必要な分『範囲攻撃』でこれ位
捕らえば
エミリさん、只今帰りました
そちらの成果は如何でしょうか?
※アドリブ絡み掛け合い大歓迎
エミリロット・エカルネージュ
【なめろう餃子】
ボクもミント餃子なチャイナ水着(今年の水着コン)で来たけどビスちゃんらしいね
ボクも餃子でキャンプ飯の算段は考えてるけど、うん……先ずテントを立てちゃおう
ボクは火起こしの為に薪と、キャンプ飯の材料に使えそうな自然薯、蓮根、野草や根菜とか探してと
UCで技能強化し『サバイバル&世界知識&学習力&グルメ知識&第六感』を駆使
猪とか来たら『第六感』で『見切り』回避して『グラップル&功夫&狩猟』で内臓傷付けない様に仕止め
事前に『情報収集』した
ジビエの知識で下拵えかな?
帰還後テントで『属性攻撃(火)』の気功で薪を燃やし火起こし
ビスちゃん、ボクの方は成果は上々だよっ!
※アドリブ絡み掛け合い大歓迎
無人島サバイバルキャンプは、気の知れた友人と過ごすのも醍醐味だ。
とある島では、ビスマス・テルマール(通りすがりのなめろう猟兵・f02021)とエミリロット・エカルネージュ(この竜派少女、餃心拳継承者にしてギョウザライダー・f21989)の親友同士が仲良くテントを設営していた。
「エミリさん、そちらを押さえてもらってもいいですか?」
「分かったよ、ビスマスちゃん!」
気心知れた同士、テキパキと作業が滞りなく進んでゆく。
そして出来た立派なテントに、2人は自画自賛するのだった。
「立派に立てられましたね、エミリさん」
「先にテントを建てちゃって正解だったね、ビスマスちゃん。やっぱりその水着?は水辺が近いと出力が上がるのかな?」
エミリロットの指摘通り、ビスマスは現在新たな鎧装フォームに身を包んでいた。
ビスマスは黒・白・茶3色の装甲を誇らしげにエミリロットへ誇示してみせる。
「魚座型鎧装備ビスマス・パイシィズです! やはり、なめろうといえば魚、魚といえば魚座です! ちなみに、魚のモデルはボラです! 今までの鎧装備とは違い、完全潜水機能も備えているんです! オーマグロやビスキャンサーとはまた違った海中戦に対応できるようになりました!」
熱く語るビスマス、なめろうの事になると夢中になるようだ。
そんな親友の姿にエミリロットの顔も綻ぶ。
「ボクもミント餃子なチャイナ水着で来たけどビスちゃんらしいね」
エミリロットの水着は爽やかなミントグリーン一色の中華風水着で、動きやすさを優雅さを兼ね備えていた。また真紅のファードラゴンであるエミリロットの体毛と水着の緑色のカラーコントラストがとても目に映えた。
「それじゃ、キャンプ飯の用意を始めちゃおっか」
「ええ。キャンプ飯と言う言葉も、聞いた事はありますけれど、味噌や薬味等は事前に用意していて……海産物は現地調達すれば良いですが。自然薯や、その他手に入る物はエミリさんにお任せしましょうか」
「ボクも餃子でキャンプ飯の算段は考えてるけど、うん……そのあたりはボクの担当だね。ビスマスちゃんはやっぱり海へ?」
「このビスマス・パイシィズの性能テストも兼ねて、ひと潜りしてきます」
そう告げたビスマスの鎧装のスラスターが勢いよく空気を吐き出す。
「海中戦を想定しているので、スラスターが小型ファンモーターによる送風なんですよ。これでドローンのように空を飛んだり、空中ではファンモーターのスクリューによる推進力を得ます! では、行ってきます!」
凄まじい風を巻き上げながら海へ突撃してゆくビスマスは、そのまま波間へ突入して潜水していった。
「よし、ボクも食材をたくさん見つけるぞ!」
ビスマスのハイテンションにあてられたエミリロットも、意気揚々と森の中へ足を踏み入れていった。
海中にて、ビスマスは鎧装の性能を実感していた。
「凄いですね! 水圧を全く気にせず遊泳出来ます! しかもこの速度、まるで海中を泳いでるのではなく飛翔しているかのような感覚です……!」
新しい装備の性能に感動するビスマスであったが、本来の目的は食材調達だ。
「おっと、浮かれ過ぎてはエミリさんに笑われてしまいますね。それでは……|生成開始《ビルド・オン》っ! なめろうビームウェポンっ!」
ユーベルコードでなめろうの気を帯びた任意のビームウェポンを生成してみせる。
今回はカジキのなめろうビームアクアガンが生成された。これを手持ちのボラ・ビスマス・ガンソードとジョイントさせ、巨大な水中ビーム銃を生成した。
「攻撃回数重視、一撃で仕留めていけば残弾が尽きる前に大漁が約束されるでしょう」
水中眼鏡代わりのボラ・シケン・ゴーグルで海中を覗くビスマスは、此方へ向かってくるイワシの群れを発見する。
「凄い数のイワシの群れですね! 海中を銀色の壁がうごめきながら泳いでます……! 圧巻ですね!」
潜水機能に特化した鎧装だからこそ拝めた海の神秘的な光景に、ビスマスは思わず見とれてしまった。
しかしハッと我に返ると、巨大水中ビーム銃の銃口をイワシの群れへ向けた。
「これは大漁のチャンスですね。イワシの群れには申し訳ありませんが、ここは私達のキャンプ飯の犠牲になってください」
引き金を絞ったビスマス。ターゲット、マルチ・ロックオン!
銃口から火花のように光線が乱射されると、次々と群れのイワシたちを撃ち抜いていった。
すぐさま気絶したイワシを回収すれば、この一瞬で十分すぎる食材を確保できたのだった。
「目的は達成できましたね。もう少しビスマス・パイシィズの性能を試してみましょうか。おや? カラスミ・グレートシールド? それにヒュージフォームチェンジ・トド? まだまだ未知の性能が?」
ビスマスは新しい鎧装の可能性に胸が躍っていた。
一方、エミリロットはというと……。
「うんしょ、うんしょ! 運よく自然薯を発見したはいいけど、掘っても掘っても抜けないよ……!」
自然薯は地中深くまで根を下ろす事から、山のウナギとも言われている。勿論、栄養価もウナギに負けていない。
大きいものでは全長1.5mまで伸びるそうで、それはつまりエミリロットの身長よりも深い穴を掘らねばならない。
「ふぅ……ボクの背を超えた穴を掘って、ようやく全部を掘り出せたよ。でもその甲斐あって、凄い立派な自然薯をゲットだよ! ビスマスちゃん、びっくりするかな?」
自然薯を回収し、担ぐように森の中を更に進む。
すると、大きな沼を発見した。そこには蓮の花が咲いているではないか。
「つまり、蓮根があるってコト? しかも周囲は薬草やハーブが生えてる! ここは天国かな?」
ビスマスとは違った趣でテンションが上がるエミリロットは早速、野草を摘み漁っては沼に飛び込んで蓮根を引っこ抜いてゆく。
「うん、これだけあれば十分! ……いや、追加でお肉もかな?」
エミリロットはイノシシ3頭に囲まれてる事に気が付いた。彼女は気を操る拳闘士、気配を探るのはお手の物だ。
「医食同源、食は薬なり……その言葉は餃心拳でも例外は無い、コレにはこう言う使い方も在るんだよ」
すぐさま自身の自己強化のためにユーベルコード『霊芝餃薬勁法(レイシギョウヤクケイホウ)』を行使した。
次の瞬間、イノシシの群れがエミリロットへ目掛けて突進してきた!
しかし自己強化を済ませたエミリロットは冷静に呼吸を紡いでゆく。
「餃心拳に不可能はないよ! せやぁっ!」
その場で旋回するエミリロット!
蹴り・拳・尻尾の3連撃がイノシシの顔面を強かに殴打すれば、3つの猛獣が吹っ飛ばされて意識を手放していった。
すぐさまエミリロットは巻き割り用の鉈で、イノシシ達のトドメを刺す。
「……ごめんね。あなたたちの命は無駄にしないから」
そう呟いたエミリロットは、イノシシの首元へ鉈の刃を突き立てたのだった。
数時間後。
テント前で再び合流したビスマスとエミリロットは、互いの収穫に目を丸くして喜び合った。
「エミリさん、只今帰りました。そちらの成果は如何でしょうか? ……って、聞くまでもありませんね?」
「ビスちゃん、ボクの方は成果は上々だよっ! そっちも大漁だねっ! 今、薪で火を起こすね!」
拾った枯れ枝に炎の練気をぶつけて着火させたエミリロットは、その火を囲うように素早く石を積み上げてかまどをこさえた。
「大量のイワシにイノシシ、自然薯と蓮根、そして薬草! 水源も確保したよっ!」
「この島は当たりですね。キャンプ飯が楽しみです。そういえば、タコも手に入ったのですが……」
ビスマスがうねうねと動くタコを掴んでいる。
エミリロットはタコを見て、ある人物を思い浮かべていた。
「そういえば、タコっぽい蜘蛛の人がグリモアベースにいたような?」
「あの方はソロキャンプに挑戦するらしいです。きっと、この諸島の何処で満喫しているはずですよ」
一体、どこのクゼさんの話だろうか……?
2人はルイなんとかさんの事を5秒ほど思い浮かべた後、いそいそと食材の下拵えを始めるのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ルインク・クゼ
そう言えば、あたしらの水着(着て来た今年の水着コンの)…ストリートアースにぴったりとか、レモンちゃんに言われた様な気がするけど
ここに来たんも、運命なんやろうか?
『ぷぅーぷーっ!』
まぁ、何にせよ【サバイバル】については【情報収集&学習力】で色々予習はしてみたんやけど、楽しまな。
ヒナスミちゃんとテントを立てた後は、海水浴を楽しむついでに、ヒナスミちゃんと【動物使い&集団戦術&団体行動】で息を合わせて〈万能蛸墨モドキの土蜘蛛鋼糸〉に【オーラ防御】を這わせて【範囲攻撃】で展開してお魚を漁をしてみるんよ
焚き火は〈オクトインクブレイド改〉で火を【達筆】して……つくづく便利やね
[アドリブ絡み掛け合い大歓迎]
「はくっしゅん! ……なんや、誰かあたしのことを噂してるんやろか?」
蛸っぽい土蜘蛛のルインク・クゼ(蛸蜘蛛のシーアクオン参號・f35911)は鼻をこすりながら、砂浜の上でテントを建てていた。
「そう言えば、あたしらの水着……水着コンテストのあれやけど、ストリートアースにぴったりとか、言われた様な気がするけど。ここに来たんも、運命なんやろうか?」
ラッシュガードを着込んだルインクは、汗を拭いながら傍らでテント設営を手伝う巨大真蛸のヒナスミに問い掛ける。
『ぷぅーぷーっ!』
主の言葉に鳴き声で反応するヒナスミ。なんと返したかは不明であるが、両者の絆が窺える瞬間である。
「まぁ、何にせよ、サバイバルに関しては事前に予習はしてみたんやけどな、楽しまなあかんよ」
テント設営を終えたルインクは、ヒナスミと共に海水浴を楽しむ。
だがただの海水浴ではない。これは夕食へ向けての漁でもあるのだ。
「ヒナスミちゃん、そっち行ったんよ。回り込んで……!」
ルインクの指示に従い、ヒナスミが水中で素早く泳ぎ回る。
元来、蛸は海中のハンターだ。食物連鎖の上位に君臨する蛸は、魚を捕食するために身体の色を周囲の背景と同化させて忍び寄る。
故に、ルインクが魚を追い立て、待ち構えるヒナスミがブロック。右往左往する魚群へ、万能蛸墨モドキの土蜘蛛鋼糸を投網感覚で投げ入れて一網打尽にしてみせた。この鋼糸自体にもオーラ障壁を纏わせているため、水中では見えない障壁となって網目から小魚が逃げ出さないようにしているのだ。
「大漁やね、ヒナスミちゃん。おおきに」
『ぷっぷーっ!』
岩場の影に網を括りつけて魚を海水に浸しておく。天然の生け簀だ。
「さて、火を起こさんと。オクトインクブレイド改で……『着火』っと書いて……」
筆のような形状の剣を積み上げた枯れ枝の上でサラサラと振るうと、空中に文字が認められる。するとその文字の通りに枯れ枝へ着火したではないか。
「つくづく便利やね、これ……さて、火を育てて夕食に備えよか」
ルインクは目の前で覆いくなる焚火に心を躍らせていた。
大成功
🔵🔵🔵
オリガ・ホーリエル
アンナ(f03717)と一緒に!
バイトだけじゃつまらないと思っていた矢先に、この機会とは最高よ!さぁ行きましょアンナ!その似合っている水着姿でね!
あたしはまず薪を集めて、ユーべルコードで火起こし。時間短縮は元とはいえ、村娘の基本!節約できた時間で食料探し兼アンナにイタズ…様子を見に行ってみようかしら。
アンナ発見!でも釣れない時間帯のせいで釣果ゼロみたいね…。
なら驚かせる&食糧確保の為に昔川遊びしてた頃の記憶を活かし、近くにいる魚を手づかみで捕獲。そしてアンナに水を掛け、水遊びに誘ってみるわ。しばらく遊べばちょうどいい時間帯になるし、何よりも最愛のアンナと一緒に遊びたいもの!
アンナ・フランツウェイ
オリガ(f12132)と
やっと休みを取れたから家で寝ていよう、そう思ったのに無理矢理連れ出され何故か無人島に来ちゃった…。しかも出張バイト先の水着メイド制服姿にされた上で。可愛い?まぁオリガに褒められるのなら嬉しいけど。
火起こしはオリガがしてくれるから、私はとりあえず釣りでもしてようかな…。餌が気色悪い?猟兵になる前の実験所生活で慣れたよ。
「う~、全然釣れないー…。」
釣りを始めたけど、初体験だから当然釣れない。私じゃ無理なのかと考えだしたら、オリガが素手で魚を捕まえたし、何故か水を掛けてくる!
時間帯が悪いと言うなら、その時間帯が来るまで一緒に水遊びをしてみよう!
「やったなこのー!逃げるなー!」
オリガ・ホーリエル(黒き天使を支える水着メイド(アルバイト中)・f12132)はこの夏、グリモアベースから様々な世界を巡り、コスプレ喫茶の期間限定出張店にてアルバイトに精を出していた。
そんな中舞い込んだアスリートアース世界での無人島サバイバルキャンプの報せ。
オリガはすぐに愛する恋人のアンナ・フランツウェイ(断罪の水着メイド(バイト中)・f03717)にこの事を教えた。
「バイトだけじゃつまらないと思っていた矢先に、この機会とは最高よ! さぁ行きましょアンナ! その似合っている水着姿でね!」
「可愛い? まぁオリガに褒められるのなら嬉しいけど。でもこれ、出張バイト先の水着メイド制服姿だよ? あと、今日は私の久々のシフト休みなんだけど……」
ウキウキのオリガに反して、アンナは乗り気ではないようだ。
「やっと休みを取れたから家で寝ていよう、そう思ったのに無理矢理連れ出されて、何故か無人島に来ちゃった……暑い……溶けちゃいそうだよ」
「それじゃ、まずは海水浴をするわよ! ほらアンナ! こっちこっち!」
「オリガ、そんなに手を強く引っ張らないで……暑いよ……」
フラフラになりながらアンナはオリガの手に曳かれて海水へ身体を投げ入れた。
「……あ、涼しい」
海面に揺蕩うアンナが感動する。
まるで子供のような反応を見せる恋人に、思わず顔がにやけるオリガ。
「でしょう? 海水で身体を覚ましたら、木陰にテントを張りましょ!」
「本当にここでキャンプするんだ……」
しかし、やはり2人のモチベーションには雲泥の差があるようだ。
ひとまず、2人は別行動をとることにした。
結局、テント設営や火起こしはオリガがすべて独りで行うことになった。
かなりの重労働であるが、恋人のためを思えば猛暑の中での作業も気力で乗り切れるというもの。
「テント設営が終わったわ! 森の中から落ちてた枝木も拾い集めてきたし、あとはこれを……」
手元に拡声器を顕現させると、オリガは急に歌い始めた。
「さぁ、燃え尽きさせてあげますわよ!」
オリガの強い覚悟(恋人を喜ばせたい思い)の唄が蒼い炎を纏った真空刃となって発射されると、積み上げた枝木に命中して勢いよく燃え盛った。
「ふう、燃費が悪いユーベルコードですけど、蒼い炎のキャンプファイアーも趣あっていいですね! 時間も余ったし、アンナのところへイタズ……様子を見に行ってみようかしら」
オリガはサドッ気を滲ませた笑顔を湛えたまま、こっそり岩場の方へ向かっていった。
一方、アンナは岩場で途方に暮れていた。
「う~暑い……全然釣れない……帰りたい……」
ゴカイを躊躇せずに鷲摑みにしたアンナは、無造作に釣り針にそれをぶっ刺して竿を海中へ投げ入れる。
食料確保のために、あまり動かなくて済む釣りを選択したはいいものの、先程から全くつれる気配がない。
「別に釣り餌のうねうねは猟兵になる前の実験所生活で見慣れてるから平気なんだけど、釣り自体は初体験だから……。でもなんで? 餌を針に刺して海に投げ入れれば、魚が釣れるんじゃないの……?」
初心者のアンナに、魚との駆け引きのテクニックを語るのは酷というもの。だがそれを知らないがゆえにアンナの竿はピクリとも動かなかった。
「もう私には釣りは向いてないのかも……ごめんねオリガ。今夜は支給された水とドライフルーツで我慢してね……」
何時ぞやの殺気漲らせた死神天使が、よもや魚釣りでしょんぼりする未来が来ようとは。
これはアンナ自身も予想だにしていなかった。
そして、その様子を見守るオリガは尊さで今にも天に召されそうであった。
(アンナ発見! あああぁぁ~! アンナ可愛いぃぃ~っ! しょんぼりアンナを後ろから抱き締めて慰めてあげたいわ!)
ということで即行動に移すオリガ。
「しょんぼりアンナ可愛いわ! あたしが慰めてあげる!」
「うわっオリガ!? くっ付くと暑いよ……」
「嫌がるアンナも可愛いわ~! もっとイタズラしちゃいたくなるわね!」
「ちょ、オリガ……!?」
オリガのテンションが振り切れる!
ラウンド1……ファイッ!!!
【しばらくお待ちください】
無人島という隔絶した世界からか、人目を気にせずにオリガとアンナは一通りイチャイチャし終えた。
「……で、釣果ゼロってわけね」
「賢者みたいな顔で現実を突きつけないでよ、オリガ……夕ご飯、本当にどうしよう……?」
アンナのツッコミにオリガは突然、岩場の浅瀬に足を入れた。
「今は引き潮の時間帯ね。魚が此処までやってこないのよ。そういう時は、潮だまりっていう岩場の間に出来た水溜りに魚が避難しているから、そこを狙えば……」
岩場の隙間に手を突っ込むオリガ。するとその手の中に魚を握り締めているではないか。
「みてアンナ! お夕飯ゲットよ!」
「オリガ、すごい……魚を素手で掴めるんだ……」
流れ着いていたバケツに魚を捕獲すると、アンナは恐る恐る魚の頭を突いてみせる。
「オリガはすごいね。私の知らない事をたくさん知ってる。あ、この貝おっきいね。食べられるのかな?」
「アンナ! それはアワビよ! 高級食材よ!」
目を輝かせるオリガの反応にアンナがまじまじとアワビを見詰めてしまう。
「高級食材なんだ……無銘刀で岩から剥せそうかな?」
「海水で無銘刀が錆びないかしら……?」
そんな賑やかなやり取りののち、2人分にしては十分な食材が集まった。
「うん、これでよし。あとはテントの中でのんびりお昼寝……って冷たいっ!」
突然、アンナの顔に海水が掛かる。オリガが引っ掛けたのだ。
「アンナ! 水遊びしましょ!」
「ええ~さっきやったよ……?」
不貞腐れるアンナに、オリガが言う。
「しばらく遊べばちょうどいい時間帯になるし、何よりも最愛のアンナと一緒に遊びたいもの!」
その言葉に、アンナの顔が喜びと恥ずかしさで紅潮してゆく。
「やったなこのー! お返しだー!」
アンナは笑顔でオリガへ海水を浴びせに掛かるが、素早くこれを回避して逃げてゆくオリガ。
「まてー逃げるなー!」
「こっちよ最愛のアンナ! あたしを捕まえてみて!」
浜辺を走る2人の夏の思い出は、始まったばかりだ。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
メディア・フィール
【太陽の家】として参加。
SPD選択
他のPCとの絡みOK
アドリブ・プレイング改変OK
銛や手づかみで魚を獲ろうとします。
また、ミフェットとティエルを間違えて投網で捕まえてしまいそうになります。(プレイヤーからの許可は取っています)
「えいっ! ブルーアルカディアと比べると、ずいぶん勝手が違うな…いや、慣れればコツは一緒かな?」
「それにしても、すごいや。水がこんなにどこまでもあるなんて。ブルーアルカディアとはまた違う世界なんだなあ」
「よし、大物ゲットだ! って、ミフェットとティエルっ!? ごめん、間違えて捕まえちゃったよ! あ、あ、すぐに解くから暴れないでってば!」
ティエル・ティエリエル
【太陽の家】で無人島キャンプ!
無人島に転送されたら「うーみーだー!」と叫んで
どーんと烏賊水着に着替えて海に飛び込んじゃうぞ☆
さっそくミフェットと一緒に海の中を探索だ!
お魚さんと一緒に泳いだりしながら海底に何かないかなーって探してみるね。
むむむっ、なんだかトゲトゲがいっぱいついたのもあるよ!(ウニ)
何か面白いから持って帰っちゃおう!
海の中で遊んでたらメディアの網に引っかかっちゃリするよ!
ミフェットと一緒に飛び出して逆に驚かしちゃおー☆
もー、ボクはたべてもおいしくないぞ♪
※アドリブや他の方との連携も大歓迎です
ヴィクトリア・アイニッヒ
【太陽の家】の皆と
同行する娘達の保護者として、引率に徹します
無人島のキャンプ。騎士団時代の野外演習を思い出しますね
とは言え、今回同行する娘達はそういった経験の無い娘もいるでしょう
ここは私がしっかり、見守りませんと
この島における行動拠点の設営に専念
予め購入していたテントを始めとした装備の設営を進めておく
…こちらの準備は信子さんも手伝ってくれるようですし、手早く進めましょう
テントや焚き火台の準備、あとは…水場の確認、でしょうか
余裕があれば、食事の下拵えまでしておきたい所ですが…
皆が楽しい一日を過ごせる様、準備の手は抜けませんね?
(旅団『太陽の家』の団長にして、集う娘達の母親代わりを自認しています)
ミフェット・マザーグース
今日は【太陽の家】のみんなでキャンプ!
サバイバルだから、自分たちで食べ物をとらなきゃいけないんだって
ティエルといっしょに海にゴーだよ!
お魚とりはできないけど、今年の夏のミフェットは、タコさん!
ティエルと合わせたタコさん水着だから、髪の毛をタコさんの触手にしてるんだよ
そんなタコさん触手を上手に使って、海の中をスイスイ[水中機動]!
ふたりで海の中を探索したら、サザエとりをしてみんなのお土産にするね
海の中で遊んでたら、メディアの網にひっかかっちゃった
ちょっと楽しくなっちゃったから、ひっぱりあげられたらティエルといっしょに驚かせちゃおう!せーの、ターコさんっ♪(ざばー)
アドリブ、連携、おまかせするね!
秋月・信子
●SPD
【太陽の家】
様々な群島が点在している無人島のひとつ、ですね
私はヴィクトリアさんと一緒にテントの設営と周囲にある水場の確認、薪拾いがてらに食べれそうな果物やキノコの採取をしますね
|姉さん《私の影》にはティエルちゃんやミフェットちゃんの付き添いをお任せします
『はいはい、任されたわ
護身用の【水中拳銃】を持って沖まで食料調達してくるから、戻ってくるまでちゃんと火を起こしてるのよ?
信子はワンピース姿だけど、こっちは2020年の水着ね
せっせと働いてる信子には悪いけど、ティエルとミフェットと一緒に海の景色を楽しませて貰うわよ
サザエを採るのも悪くないけど…折角だし銃で大物の魚も獲っておきたいわよね?』
猟兵達の無人島サバイバルキャンプは、島が違えば規模も異なる。
「皆、全員いますか? 点呼をとりますので元気よく返事をお願いします」
そう告げたのは旅団『太陽の家』の旅団長であり、そこへ集う“娘たち”の母を自負するヴィクトリア・アイニッヒ(陽光たいようの信徒・f00408)だ。
もともと『太陽の家』は、ヴィクトリアの自宅に集まる友人達が立ち上げた旅団だ。そこへ幼い猟兵達も集うようになり、それらを世話する機会が増えていったためだ。
「点呼! 1番は私、ヴィクトリアです。今回同行する娘達はそういった経験の無い娘もいるでしょう。ここは私がしっかり、見守りませんと」
白と黒のレイアード水着が、恵まれた彼女の身体を強調するかのように包み込んでいた。
「2番はボク! メディアだよ!」
赤髪ショートカットのメディア・フィール(人間の姫おうじ武闘勇者・f37585)は、今やお目に掛かれない旧スクール水着で参戦だ。
普段は少年に見間違えられるメディアだが、控えめな体型がくっきりと露わになる水着姿になると少女然とした魅力が開花していた。
「3ば~ん! メディアだよ!」
「じゃあミフェットは4ばん!」
仲良し親友コンビのティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)とミフェット・マザーグース(造り物の歌声・f09867)は、それぞれイカとタコをモチーフとしたワンピース水着を着てやってきた。
「点呼したからいいよね!? わーい、うーみーだー!」
「ティエルまって、ミフェットもうみへいくー!」
ミフェットの顔の隣で飛んでいたティエルが海へ向かってかっ飛べば、つられてミフェットも波間へ向かってダイブ!
「2人とも! 遠くまで行くと流されて危ないですよ!」
秋月・信子(魔弾の射手フリーシューター・f00732)が制止の声を投げかけるも、2人はキャッキャッと海水を掛け合いっこしてはしゃいでいる。
「……まぁ、元気なことは良い事なんですけどね? あ、5番、私です。これで『太陽の家』メンバーは全員ですね」
早速、信子の苦労人気性が窺えてしまう。
これにヴィクトリアが微笑みを返す。
「信子さんがいてくれて助かります。私も娘たちには常に目を見張っておくつもりですが、正直、独りでは限界がありますから」
「少しでも役になてるのでしたら、私も嬉しいです。それじゃ、オトナ組は作業を始めましょうか」
「ええ、テントの設営と周囲にある水場の確認、薪拾いがてらに食べれそうな果物やキノコの採取……やる事は沢山ありますからね」
ヴィクトリアと信子はまず、この島の探索を開始することにした。
「それじゃボクは海で釣りをしてくるよ! 大物を獲ってくるから期待してて!」
メディアは持参した釣り具を抱えて、ポイントを探しに向かっていった。
「ミフェット! あっちの岩場へ行ってみようよ! 探検だー☆」
「おもしろそうだね! 何が見つかるかな?」
ティエルとミフェットはそのまま磯遊びを続行。引き潮で露わになった岩場へと向かっていったのだった。
その後ろから追うのは、信子そっくりの女性だ。
「|姉さん《私の影》、ティエルちゃんやミフェットちゃんの付き添いをお願いしますね」
ユーベルコード『|Esの影法師《ダークサイド・シャドウ》』で呼び出した信子の二重身を、親友コンビの元へ向かわせていたのだ。
『はいはい、任されたわ。護身用の水中拳銃を持って沖まで食料調達してくるから、戻ってくるまでちゃんと火を起こしてるのよ? あ、信子は今年新調したワンピース水着だけど、私のは2020年に買った黒ビキニなのね。こっちも攻めてて好きなのよね』
「姉さん、ティエルちゃんとミフェットちゃんがどんどん向こうへ行っちゃいますよ……?」
『本当だ! んじゃ、またあとでね! ヴィクトリアさん、信子のことをよろしく~!』
性格が真反対な影は、本当の姉のように信子を気遣いながら親友コンビの後を追っていった。
オトナ組は島をぐるっと一周し終えると、中心の小高い山の奥へ分け入っていた。
「案外、大きな島ですね。大体、一周で小一時間掛かりましたし」
ヴィクトリアが島のマッピングを行っている傍ら、海からも近くて涼しい木陰にテントの設営準備をする信子の姿があった。
「おかげで果物が沢山手に入りましたね。キノコは……カラフル過ぎるのは避けた方がいいでしょうか?」
赤道直下の無人島ゆえか、バナナやヤシの木が自生していたり、他にも見目麗しい極彩色の南国フルーツが取り放題。
しかし、キノコはどれも毒々しい色合いのものばかりで、明らかに身体に害がありそうな見た目ばかりだった。
ヴィクトリアも匂いを嗅いでみたりするなど確認に余念がない。
「懐かしいですね。無人島のキャンプ。騎士団時代の野外演習を思い出しますね。限られた食料で数日間の訓練を行うのですが、その一環でこういった野草やキノコの採取をしたものです。一歩間違うと腹痛でのたうち回る同僚もいたので、危険だと判断したら除けておきましょうか」
ヴィクトリアの昔取った杵柄が活かされ、採取したキノコのうち、約3割だけを可食用と定めた。
「キノコ採取はプロでも見間違うことも多々あります。決して素人判断での採取は止めましょうね」
「裏打ちされた経験があると説得力がありますね……」
ヴィクトリアの圧に信子がたじろぐ。
そうこうしているうちに、既製品のテント設営は滞りなく進む。オトナ組と娘たちに分けて使用するため、テントを2つ立てなければならない。だがオトナ組2人に掛かればそれも苦労はないようだ。
「水場もありましたし、煮沸消毒すれば安全に飲めるでしょうね。これも騎士団時代に学びましたので」
「清水だからそのまま飲んでも大丈夫のような気がしますが……念には念を、ですね」
信子は慎重なヴィクトリアの姿勢に同意を示す。
サバイバルキャンプは不測の事態が起こりやすい。そのリスクヘッジは最優先課題と言って過言ではないのだ。
「というか、ヴィクトリアさんの手際の良さに私はびっくりですよ。あっという間に火まで起こしちゃうんですから」
「キャンプで何故火を起こすのかというと、料理以外にも暖を取ったり照明に用いたり、あと夜間は害獣・害虫除けにもなるとても重要な要素です。騎士団で叩きこまれましたから」
「えっと……ヴィクトリアさん? 私、何をすれば……?」
信子が手持ち無沙汰になる程、ヴィクトリアはテキパキ働き過ぎた。
これにヴィクトリアが迂闊だったと息を呑む。
「ごめんなさい、信子さん。でしたら、もっと薪を拾ってきてもらえますか? まだまだ一昼夜の間、火を絶やさずにいられるほどの薪の量がないので」
「分かりました。あと、フルーツの下処理くらいは私がやっておきますね」
「ありがとうございます、助かります」
こうしてヴィクトリアと信子は着々と拠点づくりと料理の準備を進めていった。
一方、岩場で奮戦するメディアはというと……?
「えいっ! って、あ~、逃げられた! ブルーアルカディアと比べると、ずいぶん勝手が違うな……いや、慣れればコツは一緒かな?」
浮遊島の世界の無人島とは勝手が違うとは頭では分かっているが、銛を刺す感触にどうしても違和感を覚えてしまうメディア。
故に、当初の想定よりもはるかに下回る漁獲量に焦りを覚えていた。
「みんなのご飯はボクの腕に掛かってるのに……あ、蟹だ! そこっ!」
大きな蟹を銛で一突き! どうにか今回初の大物をゲットできた。
「この調子でどんどんゲットするよ! それにしても……」
ざざ~んざざ~ん……と寄せては返す波の音に聞き入るメディア。
「すごいや。水がこんなにどこまでもあるなんて。ブルーアルカディアとはまた違う世界なんだなあ。……ん? なんだ、あれ?」
海面に蠢く巨大な2つの塊。白と赤は海洋生物にも見える。
「きっと大物だ! 投網を持ってきて良かった! 一気に捕まえちゃうよ! えいっ!」
メディアが投網を投げると、白と赤の塊から可愛い悲鳴が漏れた。
「わー! 掴まっちゃった! もー、ボクはたべてもおいしくないぞ♪」
「せーの、ターコさんっ♪」
打ち上げられた2人のドッキリ大成功!
その腕の中にはサザエやハマグリなどの貝類が沢山!
「って、ミフェットとティエルっ!? ごめん、間違えて捕まえちゃったよ! あ、あ、すぐに解くから暴れないでってば!」
「違う違う! メディア!」
「う、うしろー!」
親友コンビが指差す先……メディアが振り返ったそこには!
『なーにーしてーるーのーよー!』
激おこのワカメ女が!!!!
「「ぎゃああああああ!!!」」
卒倒する3人!
『あ、あら? 刺激が強かった?』
信子の影がワカメを被って驚かせていたのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
カシム・ディーン
神機
UC常時
「ご主人サマ!無人島サバイバルいきたいー!」(駄々ってる
うがぁぁぁぁ…仕方ねー…!
「わふわふっ☆」(夜影ちゃんもついてきた
【情報収集・視力・戦闘知識】
見つけた島の中で安全確保に優れた位置を見つけ拠点とする
…此処、天国か?
旨そうなのだらけじゃねーか
湧き水確保
後は食べれる茸と草
「メルシーはお魚取ってくるぞ☆」
「わっふっー!」(頑張るー!
「ってリビティナちゃんだ☆着てたんだね☆」
げぇっ!?って可奈も来てたのか!?
テントセット使うのも悪くねーが…初心に帰るか
【切断】
木々を切り裂き蔦を確保
大き目の葉っぱを用意してテント制作
一時的な拠点ならこんな物ですね
住むなら洞窟とか探す必要はありますが
「ご主人サマの日々が泣けてくるよ…!」
何言いますか
それに此処は天国ですよ
虫は食わずに済みそうですし
此処は猪とか鹿とかいるようですね
つかあの鹿…幻惑ステップとかかましてくるんですが…上等だ…狩る!
(激闘開始
「わふわふわふっ!」(一緒に獣狩りにいそしむわんこ
「海なら貝とかの海の幸も取れちゃうぞ☆」(ざぶーん
テラ・ウィンディア
神機
UC常時
無人島サバイバルキャンプか!
森に狩に行ってた時はよくやってたな!
「テラもシルさんも大変だったのですね。ママは少し悲しいですよ?」
いや、流石にママは恥ずかしいぞ?
おれもお母さんとの思い出ッて記憶薄いんだよな…せめてお姉ちゃんで
「ぅぐ…で、ではそれでっ!」
さて…拠点確保だが…やはり森の中で…少し開けた所を見つけて
耐水性の布を使ってテントを作るぞ
ヘカテは薪を拾ってきてくれ
乾いてる奴を頼むな
「了解です!うん、こういうのもいいですね……ぅ!?」
どうした!?
「ま、まさか…リビティナ…様?」(がくがく
うん?白髪のお姉さんに可奈じゃないか
「やっぱりぃ…!?ついに貴方まで目覚めちゃったんですか…!」
知ってる人か…?
「…私の嘗ての上司です。冥府神の中でも女王格のあの方に…彗星の如く現れたプルートーと並ぶ最高位の機神ですよ」
そうなのかー
ヘカテにはお世話になってるぞ!宜しくな!!
後は食材確保だな
ヘカテは海の幸の確保お願いだ!
「畏まりました!」
死霊術を駆使しつつ釣りもしながら海の幸確保!
水島・可奈
【神機】
よし、今日はオフだ!(依頼です)
いつものメンツから離れて精一杯遊ぶぞー!
とはいえやることはやらないとね!
何せこう見えても旅人だったからね、世界知識で食べれるものとかサバーーキャンプに役立ちそうな情報を使って湧き水や食材を調達するぞー。
…しかしなんかやけに疲れるような?夏だからか?
「みんなー、こっちこっちー!」
おおっ、すご…野生動物の肉…あれ、こんなメンバーいたっけ?
「お姉ちゃん頑張っちゃいました!」
は?お姉ちゃん…?
……
リビティナ、お前かい!!
(実は【指定UC】で可奈の魔力吸い取って魔法少女モードになっていた)
キャバリアの持ち込みさすがにNGだって!
「荷物じゃなくてメンバーならOKだよね?ほら、ちゃんと働いたし?お姉ちゃんこう見えても格闘とかには自信あるんだよ?」
うっ…そういわれると私に植え付けられたコードの効果とはいえ拒み切れない……
「あ、ヘカテに……ちっ、メルクリウスもいるのか」
いや相変わらずメルシーにだけ当たり酷すぎない?
あ、海にみんなが……
「わーい遊ぶぞー♪」
ちょっと!?
「ご主人サマー! 無人島サバイバルいきたいー! いきたいいきたいいーきーたーいー!」
グリモアベースでジタバタ手足をバタバタさせながら地面に転がりまくる銀髪少女然としたナニカことメルクリウス(愛称メルシー)。
その契約者であるカシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)が虚無感に浸りながらそれを見下ろしていた。
「ねーねー! ご主人サマってばぁぁー! 無人島サバイバルキャンプいーきーたーいー!」
「うがぁぁぁぁ!! うるせー!!」
カシム、軸足を大きく踏み込んでからの強烈な蹴り込み!
転がり込んできたメルシーの鳩尾を芯でとらえてシュゥゥートッ!
「アバーッ!?」
哀れメルシー、吹っ飛ばされてグリモアベースの壁を突き刺さってダウーンッ!
ゴォォォールッ! ゴールゴールゴォォォールッ!
カシム選手! 鮮烈な開幕出オチを飾る先制シュートを見事に決めましたァ!
これがアスリートアース世界へ赴く意気込みの表れでしょうか!?
「……っていうナレーションを付けてみた☆」
「スライムになって脱出しながら器用なことしてんじゃねーですよ! ちっ、仕方ねーですね。今日の僕は機嫌がいいので付きやってやらなくもないですよ」
この承諾にメルシーが復活!
「やったー☆ 無人島サバイバルキャンプでメルシーと挙式だぞ☆」
その手には、何処から取り出したのか、白と黒のウェディングドレス風の水着2着が握られていた。
「メルシーが白で、ご主人サマが黒だよ! 誰もいない無人島で絶対に逃げられないハッピー☆ウェディングだぞ❤ レッツ、既成事実☆」
「は????」
目が点になるカシムの虚を突き、今度はメルシーがカシムを担いで背負い投げ!
「そぉいっ!」
「グワーッ!?」
グリモア猟兵が発生させた次元の揺らぎに放り込まれるカシムの後を追うように、メルシーもいそいそとウェディングドレス風水着に着替えてアスリートアース世界へ飛び込んでいった。
「ヘカテ~! なんでおれの目元を隠すんだよ~!」
「めっ! テラ、あれは見たら目が腐ります!」
テラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)の目元を、すっかり保護者面の神機ヘカテイア(黒髪少女のすがた)がアホアホコンビの茶番を見せまいと両手で覆っていた。
「ヘカテ~! おれはもう子供じゃないぞ!」
テラがヘカテイアの手を振り払って膨れっ面になる。
「そんなことするヘカテとは一緒にキャンプ行かないからな!」
「えぇっ? そんなぁ! ごめんね? ママ、テラの事が心配だっただけで!」
「冗談だ! 気遣ってくれるのは嬉しいぞ?」
テラのいたずら心満載の笑顔にヘカテイアはホッと安堵の息を吐いた。
「にしても、無人島サバイバルキャンプか! 子供の頃、森へ狩りに行ってた時はよくやってたな!」
聞けば、双子の片割れと一緒に野営をする事が幾度かあったそうな。
テラの話を聞いたヘカテイアは、何故かその場で涙ぐんでいた。
「テラ……昔はとっても苦労していたのですね……! ママは少し悲しいですよ? でも大丈夫! 今はママのそこそこ大きなお胸に甘えて良いですからね?」
「ちょっとまってくれ! 色々ツッコミたいことがあるけど、まずはそれだ!」
ビシッとヘカテイアへ指を突き付けるテラ。
「そのママっていうのは流石に恥ずかしいぞ! おれ、実はさ……お母さんとの思い出ッてか記憶が薄いんだよな……だからヘカテがママって言っちゃうと、本当のお母さんの記憶が上書きされそうで……すごく嫌なんだ……」
「ンギ……ッ!?」
ヘカテイアが白目を剥いて精神的大ダメージを被った。
だがテラはお構いなしに話を続ける。
「だから……せめてお姉ちゃんでどうだ? ヘカテ……姉ちゃん?」
「ォフゥッ!?」
ヘカテイア、今度は尊さで臨界点を危うく超えそうになった。一瞬、炉心融解めいた青い光に包まれたけどセーフセーフ!
「な、なんていう破壊力でしょうか……! ママじゃないのは口惜しいですが、お姉ちゃん呼びも狂おしいほど萌えますね……! ウフフフ……!」
ダラダラ垂れる鼻血を拭いながら、恍惚の笑みを浮かべる|ヘカテイア《ただの変態》。
とうとうヘカテイアは、メルシーとは別のベクトルで変態の局地へ到達してしまったようだ。
その後、2人は仲良く無人島へと転送されていった。
「いや、なんて?????」
此処までの一連の流れを、水島・可奈(少女自由に夢幻を掴め・f01117)は宇宙の真理を目の当たりにした猫のような虚無の表情で見守っていた。
「人型になる神機ってヤバい奴等ばっかじゃん……。きっしょ……私の冥光神機『リビティナ』は人型にならないから大丈夫だけどね? 良かったー」
デイパックに必要なものを詰め込んできた可奈は、既に真っ白いサマードレスの下に水着を着こんで参戦だ。
「そんなことより、よし、今日はオフだ! 依頼って形式だけど気にしない! いつものメンツから離れて、ひとり気ままに精一杯遊ぶぞー!」
カシムもテラも別々の島でわちゃわちゃやるのだろう。
だけど可奈は自由に誰にも邪魔されない無人島サバイバルキャンプを満喫する気満々だ。
「では、いざ出発! 楽しみだな~♪」
しかし、可奈は自身が不幸フラグ体質であることを忘れていた。
先行きが不安だ……。
そんな可奈が辿り着いた無人島は、青い海と空、白い砂浜と水平線に浮かぶ雲、小高い山に自生する緑豊かな森と、完璧なロケーションだった。
「うん! 湧水と食料の確保は期待できそう! その前に、やるべきことをやっちゃわないとね!」
可奈はテキパキとテントを森近くの砂浜に設営し始める。
「何せこう見えても旅人だったからね、今まで培った知識をフル活用して、食べれるものとかサバイバルキャンプに役立ちそうなテクニックで湧き水や食材を調達するぞー」
木陰にテントを設営し終えた可奈だが、気温は35℃をすでに超えて猛暑日になっていた。
「あっつ~い……汗でベタベタになっちゃったよ。なんだか怠いし……暑さで熱中症になりかけてる?」
慌てて支給された2Lペットボトルのミネラルウォーターをコップに注いで飲み干す。
だが体力の消耗は可奈が思っている以上に激しく、その場で意識が朦朧としてしまう。
「あ、やば……」
その場で崩れ落ちそうになる可奈の身体。
だが不意に、誰かの優しい手がそれを支えてくれたおかげで、可奈は頭を打つことなくその場にしゃがみこめた。
(あれ? 私以外に誰もこの場所にいないはずだよね?)
不思議に思いながらも、誰かに為されるまま看病されてゆく可奈。
「可奈ちゃん、よく冷えた湧水よ? 飲んで飲んで! 背中の翼で仰いであげるね! どう? 涼しい?」
「ぁ……りが、……とう」
ひょっとして、実は住民のいる島に誤って転送されちゃったのかな?なんて可奈は考え、あまり気にせずに施しを受け続ける。
その後も甘い木の実や身体に良さそうな薬草を煎じた苦い汁などを与えられ、可奈は何とか意識を取り戻した。
「助けてくださって、ありがとうございます。あの、ところでどちら様……って!?」
突然、目の前に差し出された猪のような中型猛獣(トドメが刺されている)が放り込まれて驚愕する可奈。
投げたのは、天使めいた白と黒の2対の翼を背に生やした、銀髪で褐色肌の柔和そうなお姉さんであった。
「可奈ちゃーん、こっちこっちー! ヤシガニが大量発生してるよ~! 一緒に捕まえよ~?」
「あ、ヤシガニって沖縄ではご馳走だって聞いたことがある。よし、私も一緒に捕まえ……ナンデ私ノ名前シッテルノデスカ???」
目の前の親切な女性が、一気に不審者へと移り変わる。
可奈の警戒レベルが1段階あがるのを自覚したお姉さんは、コロコロ笑いながら正体を明かした。
「も~、そんなに用心しなくても大丈夫♪ 見て見て! 可奈ちゃんのために、お姉ちゃん頑張っちゃいました!」
その後ろには、肉・魚・果実など、こんもりと食材が山積みにされているではないか。
「うわすっご……って、お姉ちゃん?」
その呼び方に可奈は、目の間の女性と自分の契約した神機と重ねてしまう。
「……はぁ!? リビティナ、お前かい!? なんで? キャバリアの持ち込みは流石にNGでしょ? リビティナ、ハウス!」
「ノーハウスだよ! だって同行者なら荷物に該当しないしOKだよね? それに十分な労働の対価を提示したし? お姉ちゃんこう見えても格闘とかには自信あるんだよ?」
反論するリビティナに可奈はぐぬぬと唸り声を上げた。
「まぁ、そこまでやられると無下に帰れとは言えないんだけど……実際、私のピンチを救ってくれたからね。でも! そもそも私にはカシムやテラのようにリビティナを人型に変えるユーベルコードを発動できたりしないよ!?」
「それなんだけどね~? 神機と契約時に、潜在的にユーベルコードが契約者に植え付けられるっぽいんだよね? お姉ちゃんも発動して初めて知ったんだけどね!」
「マジか……というか完全にオラトリオじゃん……。ラスボス感が半端ないんだけど……」
「実際、冥府の最高位の一角だよ♪」
「あー神話上だとそうだったね……いやマジか……」
これでカシムやテラのように、描写コストが増えるのかとか神機のキャラが立って主人を食うのかとか、様々な不安に可奈が見舞われる中、島の反対側で絹を裂くような悲鳴が轟いた。
「え!? 今の何!? やっぱこの島って無人島じゃないよね!?」
「可奈ちゃん、行こう! もしもオブリビオンだったら大変よ!」
「うそでしょ!? いや、まさかの『隠れオロチヒメ案件』っていう可能性も否定できない! あの多重人格のグリモア猟兵は……そういうやつだから!」
なんかとんでもねぇ発言をぶっこきながら、可奈とリビティナは島の反対側へと急行していった。
少し時間が遡って。
無人島の中央に位置する森の中を拠点と定めたテラとヘカテイアは、自然の物を使ってオリジナルのテントを張っていた。
「やっぱり、既製品じゃなくてその場所にあるものを活用して拠点を作るのがサバイバルキャンプの醍醐味だよな!」
ちょうどよい大きさの大樹の根元が|洞《うろ》となって、雨風が凌げるようになっていた。
そこへブルーシートで周囲に屋根を作り、立派な天然のツリーハウスが完成した。
「さすがです、テラ! お姉ちゃん、感激です!」
「そんなに褒めると照れるぞ? ヘ、ヘカテ姉ちゃん……!」
ヘカテイアもテラも顔を赤らめ、なんだか甘酸っぱい百合の薫りが辺りに充満してゆく。
「そ、そうだ! ヘカテ姉ちゃん、薪を集めてきてくれ! 乾いた枝が最適だな!」
「え、ええ! 沢山拾ってきますね!?」
ぎこちなく踵を返すヘカテイア。
だが、銛の中に悲痛な叫びが木霊すると、テラもヘカテイアも咄嗟に虚空から武装を召喚して臨戦態勢二移った。
「なあヘカテ姉ちゃん!? 誰かが襲われてるんじゃないか!?」
「此処は無人島のはずですが……あれは間違いなく助けを求める声でした!」
「行くぞ、ヘカテ姉ちゃん! 誰であれ、助けなくちゃな!」
「はい! それでは私も……待ってください、誰かこちらに来ます!」
声を潜めるヘカテイアがテラを背中に匿う。
「誰ですか? 出てきなさい! 私の可愛いテラを害そうものなら、三界神機『ヘカテイア』の背中に輝く朱雀の翼で灰燼に帰して差し上げます!」
「あらあら~? いつからヘカテちゃんは私の真似をしているのかな~?」
木陰から姿を現した、白黒の翼を背に生やした銀髪褐色肌の女性が微笑みながら問い質す。
その雰囲気に、ヘカテイアの全身の毛穴が逆立った。
「ま、まさか……リビティナ……様? ついに貴方まで目覚めちゃったんですか……! というかなんで同じ島に?」
「それはこっちが効きたいんだけどね? ところで……ねぇえ? ヘカテちゃ~ん? 誰を? 灰燼に帰すって~? ほざいちゃってるのかな~? ……やってみろよヘタレ駄女神が、あァん?」
「アイエェェェェ……! こんなの、テストに出ないよぉ……!」
涙目になって、全身をブルブルガクガク振るわせるヘカテイア。相当恐怖しているようだ。
「あ、私もいるよ」
遅れて可奈も姿を姿を見せれば、ヘカテイアの推測は確信に変わった。
「やっぱりぃ……!?」
「知ってる人か、ヘカテ姉ちゃん?」
事情が呑み込めないテラが無邪気にヘカテイアへ尋ねる。
すると、ヘカテイアは泣きながら答えてくれた。
「……わ、私の嘗ての上司です。冥府神の……な、中でも……ひぐっ……じょ、女王格のあの方に……彗星の如く、現れた……プルートーと並ぶ、さ、最高位の機神ですよぉ……そんな方に、ぶ、ぶぶ無礼な言動を! 私、もうセプクするしかぁ!」
「セプクは止めろ! ヘカテ姉ちゃん! おれはそんな姉ちゃんが大好きだぞ!」
「ひゅぷッ!?」
本日2度目の尊死を被ったヘカテイア、鼻からダラダラと愛の証明を流している。
だがテラはそれに気付かずにリビティナへ握手を求めた。
「ヘカテ姉ちゃんにはお世話になってるぞ! 宜しくな!!」
「は~い、リビティナお姉ちゃんだよ~! よろしくね?」
「いい奴だな、リビティナ! まぁ、ヘカテ姉ちゃんのほうが美人でおれはだいすきだけどな! えっへん!」
「ふぁぁぁぁ~!? テラの愛さえあれば私! 上司だろうがぶっ飛ばせます! さあ掛かってこいや! 元パワハラ上司! 神だからって無休でこき使いやがってコノヤロー!! あの時の恨み、今晴らします!」
これにリビティナがクスクスと笑いを漏らしていた。
「いや~堕ちちゃったね、ヘカテちゃん……雑魚が虫けらになっちゃったね~? ざぁこざぁこ♪ え、殴る? やってみ? 1000年前から一度もかすりもしなかったけど♪」
「え、リビティナって毒舌キャラなの……?」
自分の相棒の本性に引いてしまう可奈。
「それより、あっちの方から聞こえた悲鳴はどうするの?」
「「え??」」
駄女神二柱は、互いに相手が元凶だと思ていたらしい。
「いやいやいや、どう考えても方角が違うでしょ。海の方から聞こえたんじゃないかな?」
可奈の冷静な分析により、2組は虚無になりながら海岸へ走っていった。
また少し時を戻そう。
カシム達は無人島の東側に陣取り、拠点づくりを手早く済ませていた。
「一時的な拠点ならこんな物ですね」
木々を切り裂き蔦を確保してくると、大き目の葉っぱを用意して縫い合わせるように葉っぱを繋ぎ合わせてゆく。これでテントの天蓋が完成だ。
「バナナが自生してるのは幸運でしたね。あの葉っぱは住居に使ってよし、食器ににしてもよし、調理器具にしても使える万能の葉っぱですからね。まあ住むなら洞窟とか探す必要はありますが」
「どんだけご主人サマは手慣れてるの……?」
メルシーが浮かれていたのもつかの間、カシムの闇をまざまざと見せ付けられて萎れていた。
「メルシー、ご主人サマがちっちゃい頃に大変な生活をしていたって言うのは聞き及んでるけど……ここまでサバイバルキャンプを当然に出来るのも考え物だよね?」
「ん? 何を言いますか。此処は天国ですよ。キレイな湧水もあるし、美味そうな魚が無警戒で泳いでやがる。野生のバナナの木や目の前にはヤシの木もある。これなら虫は食わずに済みそうですし」
「ご主人サマの日々が泣けてくるよ……!」
「わふわふっ!」
メルシーの足元に、シバベロスの夜影ちゃんがすり寄ってきた。デイパックの中に潜んでいたらしい。
そして、その3つの口には獣の肉が加えられていた。
「ちなみに、バナナの木と湧水の発見、それにお肉は夜影ちゃんのお手柄です。さっき、森の中で巨大な鹿に出会いましてね? 混乱のステップを踏んで惑わせてくるので危うくハゲになりそうでした。んでメルシー、お前って役立たずだな?」
「そんな!?」
ガーンッとショックを受けて項垂れるメルシー。
メルシーは先程から教会っぽい何かを漂着物で作り上げたり、ベッドを制作していた。
「誰もいない無人島の開放的なビーチで、ウェディングドレス水着を着たまま子作り出来ると思ったのに~!」
「その時点で役立たずじゃねーか! おめーの晩飯はねーから!」
「だったらメルシー、ご主人サマの魔力をモグモグするもん!」
コオォォォ……と独特の呼吸法を始めるメルシー。
すると、股間のエントリープラグが光り輝き始めたではないか!
「ご主人サマ! 新しいアプリのプラグインの時間だぞ☆」
「おいぃぃ! 既成事実って僕が受けですか!? いや攻めでも断固遠慮しますけどね!?」
「大丈夫! 異物感っていっても酷い便秘の時と感触は変わらないから! ちょっと出入りするけどすぐ良くなるから! 一応、潤滑油あるけど使う? 使おっか!」
「キャアァァァー! 誰か助けてぇぇぇー!」
カシムの悲痛な叫びが真夏の青空へ吸い込まれる。
だが反応はない。これ幸いとメルシーがにじり寄る……。
「ぐへへへ、ご主人サマ? 男の子だって女の子のように扱えばメスになるんだぞ☆」
「そんな豆知識知らねー! 夜影ちゃん助けて!」
「夜影ちゃん、ハウス☆」
「わふわふっ!」
シバベロスはメルシーの言葉を聞いてテントの中へ帰っていった。
「馬鹿な! 僕よりメルシーの方が夜影ちゃんの中ではランクが上ですって!?」
「観念してね、ご主人サマ! 毎日誰が夜影ちゃんに餌を上げてると思ってるのかな? それにいくら悲鳴を上げたって無人島で助けなんて来ないよ! さあ、新しい世界へのインストールを始めよっか☆」
「ンアアアァッー!」
カシムの背後に弾道ミサイルめいたメルシーの狂気が迫る!
――と、その時だった。
「朱雀の劫火に焼かれなさい!」
「かの者を照らせ、滅びの光よ!」
灼熱と閃光が、メルシーの白いウェディングドレス水着ごと飲み込み、遥か水平線の彼方まで吹っ飛ばした!
「グワーッ!?」
哀れメルシー! 錐揉み5連続回転しながら海中へダイブ!
「大丈夫? って、カシムもなんでこの島に!?」
「ってことは、カシムがあの女の子みたいな悲鳴をあげたのか? 一体、何が起きたんだ!?」
可奈はげんなりとして天を仰ぎ、テラは周囲の警戒を怠らない。
「げぇっ!? 可奈! なんでこの島に!? テラも居たのですね! 無人島に猟兵は一組ずつじゃなかったのですか!?」
カシムはこの状況に混乱している!
「というかカシム……早く水着を正してくれないかな? 目のやり場が……」
「……お見苦しいものをお見せしてすっませんしたぁ!」
半ケツのカシムはすぐにヤシの木の陰で黒のウェディングドレス水着からトランクス水着へと着替えた。
そして駄女神二柱は、元凶を知るなり悪態をつき始めた。
「またあの変態メルクリウスですか……。カシムさんは苦労が絶えませんね……」
「ちっ、メルクリウスもいるのか。最悪じゃん……」
「いや相変わらずメルシーにだけ当たり酷すぎない?」
可奈はリビティナの悪態から、相棒の二面性を窺い知るのだった。
そして吹っ飛ばされたメルシーはというと?
「ヘカテちゃんにリビティナちゃんだ☆ 計 画 通 り ☆」
「こいつ……めちゃくちゃ悪い顔してやがる! おいメルシー! さてはてめー、なにかやったな?」
カシムの詰問にメルシーがあっさりゲロった。
「転送の時にちょっと因果律いじって、2組を同じ島に召喚してみたよ☆」
「「やっぱりお前のせいかぁぁ!!」」
ヘカテイアとリビティナがブチギレてメルシーへ全武装をもって殴り掛かるのだが、今度は念動障壁に遮られて全て届かなかった。
「もー☆ 感動の再会でテンアゲ↑↑なのは分かるけど、武装での愛情表現は島の環境を破壊しちゃうからNGだぞ☆」
「メルシー、煽りパワー高すぎない? 大丈夫? リビティナ?」
「フゥー……フゥー……! 冥府と春を司る神が、こんな幼稚な煽り文句に負けるわけいや無理絶対キャンプ中にメルクリウス泣かすハイ決定これ絶対やるから覚悟しとけスットコドッコイが!」
「同じくです。リビティナ様、ここはチーム冥府でメルクリウスへ一矢報いる好機です!」
「さっき上司を殴ろうとしたヘカテちゃんにだけは言われたくないんだけど?」
「は? あの状況じゃ殴られたとしても文句言えませんよね? 協力しようって言ってるんですよこっちは、それを自ら手を払うとか馬鹿なんです??」
バッチバチの神機同士に、可奈はこの先の展開に頭を悩ませていた。
そんなこととは知らずに、能天気なメルシーがシバベロスを従えて海産物を漁っていた。
「さっき2人が吹っ飛ばしてくれたおかげで、あっちにベストな漁場を見つけたよ☆」
「わふわふわふっ!」
「なんか全部メルシーが悪い気がするが、それについてはグッジョブです!」
カシムが海に飛び込むと、テラも続けて波を浴びてゆく。
「出てこい死霊たち! ヘカテ姉ちゃんと一緒に海へ潜って、貝を採取してきてくれ!」
「畏まりました! 者共、私に続いて下さい!」
次々と海へ入る仲間たちを、可奈はぼーっと眺めていた。
「うわぁ……折角のオフが、なんでこんなことに……というかメルシーがポジティブおばけなんだよなぁ……」
「可奈ちゃん! 私達も海へ行くよ! メルクリウスに後れを取るわけにはいかないからね!」
「ちょ、リビティナ~!?」
リビティナの手に引かれて海へ放り投げられる可奈。
冷たい海の肌触りが、可奈に夏を満喫させるのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
雁帰・二三夫
「無人島ですか。ワクワクしますねぇ」
「水2Lと行動食支給あり、テントは手持ち可ですか。サイドポケットは大目に見てほしいですねぇ」
装備等
帽子
グラサン
長袖Tシャツ
カーゴパンツ(ベルト横にサバイバルナイフ装着、ポケットにファイアスターター
トレッキングシューズ
ディパックの口は締められず中身満載
サイドポケットに組立式釣竿と軍用シャベル括付
ディパック中身
着替一式
クッカー&カトラリー
米&着火材入メスティン3
プライヤー付十徳ナイフ
塩
携帯用食用野草図鑑
水着
折畳バケツ2
折畳椅子
芯抜トイレットペーパー
懐中電灯
簡易医療キット
軍手(収集作業時等使用
ビニールシート
ビニール袋数枚
島軽く1周
少し高台で水捌けよい拓けた林間に風がテント背面から吹くよう設置
藪にトイレ穴掘ったら前室に椅子置き小休憩
シート持ち川原・海岸で石や薪用木材収集
シャベル使い竈作ったら小休憩
バケツにシートや携帯図鑑、ビニール袋入れ果物採取へ
図鑑確認しながら捥いでビニール袋へ
採取品を前室に置いたら椅子・バケツ・釣竿持ち川釣へ
UC使用しながら4時半頃まで釣る
雁帰・二三夫(引きこもりたい住所不定季節労働者・f37982)は自由気ままな無人島サバイバルキャンプを堪能するべく、万全の装備を持ち込んで参戦だ。
「無人島ですか。ワクワクしますねぇ」
転送された無人島には、澄み渡る青が輝く海原と白い砂浜、突き抜ける蒼天、そして鬱蒼とした深い緑の自然が存在した。
「水2Lと行動食支給あり、テントは手持ち可ですか。サイドポケットは大目に見てほしいですねぇ」
雁帰の言う通り、彼の装備は支給されたデイパックよりも大きい。
その中身たるや、完璧なソロキャンパーの充実した装備内容であった。
帽子にグラサン、長袖Tシャツは当然のこと、カーゴパンツのベルト横にサバイバルナイフ装着し、ポケットにはファイアスターターを詰め込んでいる。トレッキングシューズも履いて足回りも万全だ。
ディパックの口は締められず中身満載であり、もはや中身が零れなければセーフという論法で押し通っている。そして問題のサイドポケットに組立式釣竿と軍用シャベルが括り付けられてる。もはやどこぞの軍事演習に近い。
更に溢れんばかりに詰め込まれたデイパックの中身は、他の参加者と違って本格的な品々ばかりであった。
・着替一式
・クッカー&カトラリー
・米&着火材入メスティン×3
・プライヤー付十徳ナイフ
・塩
・携帯用食用野草図鑑
・水着
・折畳バケツ×2
・折畳椅子
・芯抜トイレットペーパー(量を減らせるため)
・懐中電灯
・簡易医療キット
・軍手(収集作業時等使用)
・ビニールシート
・ビニール袋数枚
これがプロキャンパー。これがガチのキャンプ好き。
アスリートアース世界のジョブにも見識されている『キャンプ好き』の本気を、雁帰はこの無人島で遺憾なく発揮していた。
「それでは、軽く島を一周して探索をはじめましょうか」
テントを建てる場所を見繕うのも兼ねて、雁帰が海岸線をぶらりと散策してゆく。
途中、岩礁地帯や切り立った崖があったが、ガテン系バイトで鍛えた肉体がこれらを軽々と突破させていった。
「ふう、アラフォーには少々しんどいですね」
そんなこと言いながらも、拭う汗すら爽やかなイケオジパリピを目指すアラフォー男子。無駄のない身体は夏の日差しを浴びて非常に画力が強かった。
「このあたりにしましょうか」
少し高台で水捌けよい拓けた林間に、風がテント背面から吹くよう設置すると、続いて藪にトイレ穴を掘って前室に椅子置き、ようやく小休憩。
木陰からそよぐ夏風が雁帰の肌に心地いい。
「では、炊飯の準備のためにまた動きましょうか」
熱中症対策でこまめな休憩と水分補給を忘れずに、雁帰が向かった先は先程見つけた小川だ。
「海岸線にも流木が沢山ありましたから、あとでそれらも拾っておきましょうか」
まずは河原に散らばった枯れ枝や倒木を薪にするべく拾い集めてゆく。太い倒木は軍用シャベルの側面に備わったノコギリ刃で切断。長い枝も同様に引き切っていった。
テントまで戻り、拾った河原の石を積み上げて竈を作り上げたところで、本日2度目の小休止。川の水も煮沸消毒しつつ、支給されたペットボトルの水で少し水分補給した。カップはカトラリーセットの中に付属されていた。
涼んでいると、次第に日が傾き始めた。
そろそろ食材調達をしなくては。
ということで、バケツにシートや携帯図鑑、ビニール袋入れ果物採取へ向かう。
図鑑の効果は抜群で、食用に向いている薬草や果実を一目で判別する事が出来た。
「備えあれば何とやら、ですね」
採取した果物とハーブ類で、携帯バケツはすぐさまいっぱいになった。
「さあ、今夜のメイン食材を確保しましょうか」
採取品を前室に置いたら、いよいよ釣りの時間だ。
椅子・バケツ・釣竿を持参して、向かったのは河原であった。
敢えて岩礁での海釣りではなく、川魚を狙う作戦だ。
「それでは、ユーベルコードを発動させて……あとはのんびり、木陰で休みながら釣れるのを待ちましょうか」
雁帰が海釣りを嫌った理由は2つある。
1つは遮蔽物がないため直射日光をもろに浴びてしまう事だ。これではすぐに熱中症になってしまうだろう。
2つ目はお目当ての魚が単純に川魚だった点だ。散策の際、川の中にアユやイワナが泳いでいるのを目撃していた。特にイワナは食欲旺盛で、どんな餌でも比較的食いついてくれるため、手っ取り早く釣るには適した魚だ。
「まぁ、海釣りの方が豪華な魚が釣れるのですが。この時期だとマアジやスズキ、クロダイにアカハタ。運が良ければアカムツも釣れたかもしれませんね」
想いを馳せつつ、川辺の釣り竿が反応する様を目撃した雁帰は、慌ててタイミングを見計らって大物を釣り上げるのであった。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 日常
『キャンプめしを食べよう!』
|
POW : 出来立てを沢山美味しく食べる
SPD : 現地で何らかの食材を調達してくる
WIZ : キャンプならではの調理法に挑戦する
イラスト:真夜中二時過ぎ
|
種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
日も傾き、水平線に夕日が沈もうとしている。
さあ、お待ちかねのキャンプ飯の時間だ!
調理中に追加の食材を見つけてもいいし、存分に腕を振るって料理に時間を割いてもいいだろう。
また、大勢で協力して調理をすれば、きっと互いの絆もより一層深まること間違いないだ。
さあ、どんな美味なるキャンプ飯が待っているだろうか?
それぞれの島の様子を覗いてみよう……!
雁帰・二三夫
メスティン2個から着火材抜き米に30分給水させたら着火材点火し消えるまで放置
鮎は内臓抜いて塩振って串焼き
イワナは皮を塩で水洗いし内臓抜き3枚下ろし
身を塩焼きにしたらほぐし刻んだ山菜と一緒に潮汁風
骨部分は良く焼いて沈めて出汁代わり(飲む時は骨が入らないよう底から浚わない
「メスティンは兵式飯盒と違って1個で1合しか炊けない代わりに着火材の固形燃料1個できれいに炊き上がる優れものですから。1度慣れるともうこれしか使いたくなくなります」
「スキットルにお酒も入れてくるんでした…日本酒でなくても味に深みが出ますし、骨酒も作れました…失敗です」
「そろそろ皆さん出来上がったでしょうし、夕飯交換に致しませんか」
雁帰・二三夫(引きこもりたい住所不定季節労働者・f37982)は実感した。
「本当に……この島には私しかいないのですね……無人島ですから当然なのですが」
グリモアベースでのブリーフィングで言及されていた通り、原則として猟兵1人に対して無人島1つが割り当てられる。例外として、友人や恋人など、気の知れた仲同士のグループでの転送が認められている。……実は例外の例外が他の島で発生していたのだが、それを雁帰が知る由もない。
「そろそろ皆さん出来上がったでしょうし、夕飯交換に致しませんか……なんて交流を夢見ていたのですけどね。もっと猟兵の皆さんとの親睦を積極的に行わなければと自省するばかりです……」
人との縁を大切にしたい雁帰だが、猟兵間の交友はまだまだ小さく浅い。いつかは隣に語り合える存在と焚火を囲みたいものだなんてしみじみしながらも、火が傾いてきたので夕食の準備に取り掛かるのであった。
「メスティンは兵式飯盒と違って1個で1合しか炊けない代わりに着火材の固形燃料1個できれいに炊き上がる優れものですから。1度慣れるともうこれしか使いたくなくなります」
そう語りながら手際よくメスティン2個から着火材を抜き、米に30分給水させたら、着火材に点火し炎が消えるまで放置する。
その間に鮎は内臓抜いて塩振って串焼きに、イワナは皮を塩で水洗いし内臓を抜きとった後に3枚下ろしにする。身を塩焼きにしたらほぐし、刻んだ山菜と一緒に潮汁風に調理してみせた。残った魚の骨は良く焼いて、汁に沈めて出汁代わりにする。
「飲む時は骨が入らないよう底から浚わないように気を付けないと。ああ、骨で思い出しましたが、スキットルにお酒も入れてくるんでした……日本酒でなくても味に深みが出ますし、骨酒も作れました……失敗です」
しかし、大自然に囲まれて楽しむ食事は何よりのご馳走だ。
酒がなくても潮風と沈む夕日に酔いしれた雁帰は、次第に今日の失敗のことなどきれいさっぱり忘れてしまっていた。
大成功
🔵🔵🔵
斑鳩・椿
【天狐】ミコトくん(f23042)と
今年の水着で参加
いってらっしゃいと見送り、こういうのって良いわねと浮かんだ笑みのまま準備開始
座りの良い石を集め積み上げ、持参した網を乗せて…竃ってこんな感じだったかしら
大きな流木を引きずって二人用の腰掛けに…重かったわ、座り心地を確認しながら漁を頑張る姿をこっそり眺めて
おかえりなさい、ヌエくんもありがとう
火起こしは任せて、天まで届…嘘よ、調整を大事にしながら
さあ、オリーブオイルは高いところから流すというお作法に則って…今お臍見たでしょ、面がないと分かるんだから
睨んで味を調えつつ配膳
…美味しい!自然のお塩と…あなたが作ってくれたから、よね
ミコト・イザナギ
【天狐】
椿(f21417)と
去年の水着を着用
素顔で参加
本音口調
持ち込んだ銛でささっと魚を取って来て
鱗剥いで三枚に下ろして、トマト煮にしよう
貝も取れたらいいね、あとタコ
イカも取れたら刺身にしよう
召喚獣のヌエに適当に木の枝やらを集めさせ
それを使って、椿に火を点けて貰おう
「火をお願い椿…小さくていいからね?」
なんて揶揄いつつ、塩コショウとハーブに
オリーブオイルを入れて味を椿に調えて貰って
じっくりコトコト煮込む
「あ、わかっちゃったかい?」
水着姿の椿をじっと見ていた事を開き直る
だって、見るなと言われても難しい
椿の晴れ姿は眩しくて
くすくすと笑いながら記憶に刻み付ける
そうして二人、出来立てのご飯を食べるのだ
斑鳩・椿(徒花の鮮やかさ・f21417)とミコト・イザナギ(|語《かた》り|音《ね》の|天狗《てんぐ》・f23042)のふたりは、他の猟兵と比べて遅めの無人島入りを果たした。
既に日が傾き始めており、無人島レジャーを楽しむ時間よりも食材確保を優先すべきだとふたりは話し合うと、それぞれ作業を分担することにした。
「それじゃ、いってらっしゃい。ミコトくん」
「椿も竈づくり、よろしくね」
椿の前では本音を出せるため、普段被っている天狗面を外して素顔をさらすミコトが椿の長い銀の御髪を撫でてから踵を返そうとすると、ふいに彼女が彼の手を取って引き留める。
「……それだけ?」
何やら不服そうな顔。同時に何かを期待するかのようにそわそわと落ち着かない様子。
ミコトの視線は、椿の水着へ注がれてゆく。
彼女の行為の意図を察したミコトは、いじらしいその態度を愛おしく感じる。
「フフフ。セクシーだよね、今日の椿。普段は和装だから、こういう露出の多い水着のアナタはとても新鮮で。大丈夫。夕食のときにたっぷり賛辞の言葉を並べ得てあげるから。本当に椿はかわいいね」
耳元で囁かれた椿の体感温度が+10℃以上も上昇すると、目を泳がせながら彼に背を向けてしまう。すると水着の代わりに五本の銀の尻尾がミコトへ向くと、それらは雄弁にぶんぶんと振り乱されていた。
「……もう。急がないと日が暮れるわよ。竈を作らないと料理が出来ないもの」
本音のミコトの言葉は純情な椿の心へ深々と刺さってしまうので、ここは一旦作業へ集中することで理性を保つことにした。
「オレも行ってくるね。大漁を期待してていいよ?」
ミコトもそんな愛しい椿を海の美味で笑顔にするべく、岩礁へ銛を片手に向かってゆくのだった。
その背を振り返って見守る椿。その表情はふわりと柔らかく、満たされたものであった。
「……こういうのって良いわね」
椿の心に去来する喜びの感情、そしてほんの一握りの不安とうしろめたさ。未亡人である彼女は、既に過去ではなく未来を向いて歩いているだろう。出来れるならば、あの黒天狗の彼の傍らで成し遂げられることを願うばかりだ。
ミコトは岩礁に足を踏み入れると、潮だまりで取り残された魚たちを次々と捕獲してみせた。
「今は引き潮っぽいし、浅瀬にまで魚が来なかったらどうしようかと思ってたけど、むしろ引き潮で幸運だったかも?」
岩場の隙間には満ち潮ではまず採取出来なさそうな貝類を発見することも出来たし、大きなタコも捕まえられた。
だが天狗のミコトの足元は一本歯下駄だ。赤黒い生地の水着に同色の紬を纏う彼の個性だが、岩場との相性は悪かった。
「さすがに一本歯の下駄だと危ないね。よっと……わ、太陽に照らされて岩が生温いね。ハハハ! ちょっと滑るけど面白いね?」
足裏に伝わる感触に、まるで童のようにはしゃぐミコト。
「魚はマアジが大漁、貝類も豊富。タコは捕まえられたけど、せっかくならイカもほしいね……。でも、そう都合よく波間に漂って……漂ってるね、うそでしょ?」
何たる幸運だろうか。
かなり大きなイカが波間に揺られて岩場の近くを揺蕩っているではないか。しかも無人島ゆえに人への警戒心が薄いようで、ゆっくりミコトが近付いても逃げ出す素振りもない。
「イカってとても警戒心の強い生き物って聞いたことあるけどね。ちょっと可哀想だけど、これは狙わない手はないよね?」
ミコトは慎重に銛を掲げると、呼吸を整えたのち一気に海面のイカを突き下ろした。
見事、イカは銛に貫かれて岩場へ引き上げられた。
「うんうん! オレなりに上出来……おっと!」
最期の抵抗とばかりに顔へ吐かれたイカ墨を難なく避けるミコトは、収穫した魚介類を抱えて椿の元へ戻っていった。
一方、椿は35℃の猛暑の中、ひたすら周囲の石を拾ってきてはテントの前へ積み上げるという作業を繰り返していた。
「座りの良い石を集め積み上げ、持参した網を乗せて……竃ってこんな感じだったかしら」
汗だくになりながら、水分補給をこまめに行いつつ形を整えてゆく。途中、海に入ってクールダウンしながらも、どうにか竈を積み上げられた。
あとはふたりが腰掛けられそうなものを見繕うだけなのだが……。
「あの大きな流木なんて無人島らしくて素敵ね。でもわたしひとりで動かせるかしら……?」
それでも、ふたりきりの無人島サバイバルキャンプをより親密に過ごすため、椿は足が取られる砂地の上を懸命に踏ん張って流木を引きずり始めた。すべては大好きな彼の隣に座るための無人島的インテリアの獲得のため!
……しばらくして。
「重かったわ……でも座り心地は最高ね」
椿が腰掛けて水を飲んでいると、ミコトが獲物を抱えて帰ってきた。
「凄いね? どこから見付けてきたの? もしかしてひとりで運んできたのかい?」
驚くミコトに椿が思わず誇らしげに口角を吊り上げた。
「そうよ。ミコトに特等席を用意したの。わたしの隣よ。って、すごい量ね!?」
今度は椿が漁獲量に驚いた。ミコトは顔を綻ばせながらカラカラと笑ってみせた。
「そうなんだよ! 色々と幸運が重なってね? あ、持ちきれないからヌエを呼び出して、薪を拾いながら運んでもらったよ」
ユーベルコードで召喚されたヌエくんは、椿を見るなり一瞬だけ頭を下げたように見えた。
椿とは以前にも面を合わせたことがある。どうやらその記憶がヌエくんにあるようだ。
「おかえりなさい、ミコトくん。ヌエくんもありがとう。……えっと」
椿はヌエくんと対面したときの、ちょっと恥ずかしい記憶が蘇っていた。
しかしヌエくんは物怖じせず、むしを椿にすり寄ってみせた。
「やっぱり椿が美人だから、ヌエも気に入ったんだね。あの時の事も気にしてないよ、きっと」
「だから、それは思い出させないで……! ほら、夕食の準備を始めましょ?」
話題をさっさと変えようと、椿が調理を急く。
すると、ミコトが胸を張って告げた。
「よし、男料理で良ければ腕を揮うよ、ハハハ!」
「それじゃ、シェフにお任せね。ああ、火起こしは任せて」
椿は炎を操る事が出来るのだ。
ミコトもそれを知っており、彼女へ薪への着火を願った。
「火をお願い椿……小さくていいからね?」
「ええ、なんなら天まで届……嘘よ。十段階中の一に留めるから」
「いっそキャンプファイアーをやるかい? 十段階中の十でさ?」
そんな揶揄を応酬しつつ、ふたりは海鮮のトマト煮を作ることにした。
ミコトシェフは手慣れた包丁さばきでささっと魚の鱗を落として三枚に下ろすと、貝をこじ開けて身を取り出す。タコとイカは食べやすい大きさにぶつ切りにし、鍋の中へ入れて軽く炒めてゆく。
「椿、オリーブオイルと塩コショウとハーブを入れてくれる?」
「分かったわ。さあ、オリーブオイルと塩コショウは高いところから流すというお作法に則って……今、お臍見たでしょ、面がないと分かるんだから」
咄嗟におへそを隠してしまう椿。
指摘されたミコトは悪戯がばれた子供のように笑う。
「あ、わかっちゃったかい?」
彼は水着姿の椿をじっと見ていた事を開き直る。
「だって、見るなと言われても難しいよ。椿の晴れ姿は眩しくて。その大胆なカットの黒のビキニに、浅黒い肌と銀の髪と尾がとてもよく映えて、椿の魅力が引き出されているから。これは深く、オレの記憶に刻まないといけないね?」
くすくすと笑うミコトに椿はたじたじだ。
「……今日のわたし、ミコトにやられっぱなし」
赤面しながらも高打点からのオリーブオイル投入を決めた椿である。
そして完成した海鮮のトマト煮を実食するふたり。
「うん! 美味しい! シェフを呼べ! ってオレだった! さすがオレだね!」
「もう、調子いいんだから」
椿も出来上がった料理に舌鼓を打つ。
「……本当に美味しい! 自然のお塩と……あなたが作ってくれたから、よね」
見詰め合う二人。肩並べて食べる食事は、かけがえのない一生の思い出になった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
水島・可奈
【神機】
(UC継続使用中)
全く折角のオフが……やっぱり油断してはいけなかったか……
まぁ、あそこで吊られてるメルシーは自業自得として……なんか教育に悪い恰好してるのはともかくとして……
お、テラから誘うなんて珍しいじゃん。一緒に料理しよっか。
幸い食材は割とあるしね、旅人と、あとどこぞの館長が引きこもりなせいで自炊する羽目になってる私の実力舐めないでよね!
「お姉ちゃんも手伝うぞ♪」
君はハウスだ。「そんなー!」
方針は大体テラが決めてくれてるみたいだから私はそれに味付けしてくよ。
せっかくだし夜影を餌付けしてみるか?
あ……カシム言いやがった。
絶対その言葉リビティナの地雷……
「は?今なんつった」
ほら見ろ……
テラ・ウィンディア
神機
UC継続
食材も一杯取れたから色々作れるな!
ヘカテ姉ちゃんも頑張ってくれてありがとう!
「ふぐっ!」(トリップ仕掛けてる駄女神
可奈ー!折角だから一緒に作ろう!
本当は完全サバイバルもいいが…今回はお醤油とかの調味料も用意
ってカシム…おれがちょっと思ってたけど言わなかった事を!?
「ごふぁっ!?」
あ…ヘカテ…姉ちゃん…?
「カ、カシムさん…?さ、流石に心の穏やかさで定評のある私でもそれは聞き捨てなりませんよ?リビティナ様と一緒にしないで下さい!そしてメルクリウスぅ…?(びきびき」
…よし、ヘカテ姉ちゃん呼びは時々にしよう(決意
「…って待ちやがりなさい!」(ぴゅーん
【料理】
貝
基本火であぶり醤油やバターで味付け
これだけで美味だな
魚
新鮮ならお刺身もありだな
基本生で問題ないのを切り刻むぞ
…わ、ワサビも用意済みだ
炙りがお好みなら炙ったりもするぞ
肉
鹿肉とか猪とか豊富だな!
外なら王道にステーキにするか
夜影ちゃんもお肉がすきそうだからな
色々と味見させてみるか
こうして皆で作って食べるのもいいな
…お空も光って綺麗…?
カシム・ディーン
神機
UC継続中
「ご主人サマー☆なんでメルシー吊るされてるのかな?」
てめーの胸に手を当ててみろ馬鹿野郎!
今度僕のケツを狙ってみろ?ぷっさん探し出しててめーを差し出してやる!
「ゴメンナサイ」(がくがく
とりあえずテラと可奈の料理の手伝いをします
後…夜影ちゃんが喜ぶようなご飯の作り方も研究します
後…ヘカテイア…おめー…メルシー化してるぞ?後リビティナとかもメルシーっぽいな(絶望的宣告
「わーい☆ヘカテちゃんもリビティナちゃんもメルシー意識してるんだね♥もうこれは三姉妹だね♥姉上様ともお母様と呼んでもいいぞ♥」
おいこら!?お前も煽るなっ!
「っとメルシーは上空に逃げるぞ☆」
(空にぴゅーん
僕はとりあえず食べればいいって感覚でしたからね…
でもやはり美味しい物も食べたいし一つ学ぶとしますか
ステーキなら僕も作れそうですしやはり贅沢感があっていいですね
実食
【情報収集・視力】
食材の性質と夜影ちゃんが好みそうな食べ物もきちっと把握
後は存分に食べるとしましょう
……キャンプも悪くねーですね
空が明るい…?まさかあいつ等…
「ご主人サマー☆ なんでメルシー吊るされてるのかな? かな?」
「てめーの胸に手を当ててみろ馬鹿野郎!」
テント近くの木の枝へ逆さ釣りにされている(一応、神の)メルクリウスことメルシーが、カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)によって折檻を受けていた。
かなりご立腹のカシムは、メルシーを亀甲縛りに処した後、枝の下に逆さまに括るだけに飽き足らず、落ちてきた太い木の枝でメルシーを殴打していた。
「あんっ❤ ご主人サマの愛が痛くて気持ちイイ❤ 殴られるたびに縄が食い込んで出ちゃう❤ 出る、気持ちイイの出ちゃう❤ むしろ今、この瞬間に出ちゃったぞ❤」
恍惚の笑みを浮かべるドM性癖のメルシーへ、カシムがすかさず尋ねた。
「大と小、どっちだ?」
「モチロン、大だぞ❤」
「ヨシッ!」
食い気味にメルシーの顔面が全力スイングで殴打される!
痛みに歓喜しながら、メルシーは体をくねらせた。
「ありがとう、ご主人サマ☆ 顔面への殴打がちょうど切らしてたから助かるぞ☆」
「ったく、おめーの黄金、あとで換金して来いよ!? 良い稼ぎになるとはいえ、僕はおめーのうんこなんかに一切触りたくないからな!?」
カシムの発言に、水島・可奈(少女自由に夢幻を掴め・f01117)がドン引きしていた。
「え? カシムってメルシーのうんこ売ってるの? やば……つか買い手が付くんだ……」
一緒に嫌悪感を露わにしている機神の女神リビティナに至っては絶句している。
これにメルシーがカシムへの不名誉を払拭するために事情を話した。
「可奈ちゃん! メルシーの身体は錬金術の最高峰と謳われる『賢者の石』で出来てるよ! だからメルシーのうんこは、全て純金になって外へ出されるんだぞ☆ これが結構高値で売り捌けるよ☆」
「この世で最も最悪な錬金術だった……」
可奈は思わず頭を抱えてしまう。質屋の人も純金とはいえ、見た目完全にうんこな黄金を鑑定するのだから気の毒である。
「はぁぁ……全く、折角のオフが……やっぱり油断してはいけなかったか……まぁ、あそこで吊られてるメルシーは自業自得として……なんか教育に悪い恰好してるのはともかくとして……」
今の可奈には、遠くの水平線に沈む真っ赤な夕日が目に染みた。
「今度僕のケツを狙ってみろ? ぷっさんを探し出して、てめーを差し出してやる!」
「ゴメンナサイ、ヤメテクダサイ、ソレダケハカンニンシテツカァサイ」
メルシーが産み落とした神の子であり、メルシーを愛するがあまりに親の叡智が詰まった『頭部』を斬りおとして行方をくらませたのが『ぷっさん』こと『プルートー』である。
ぷっさんの話題になると、さすがのメルシーもトラウマが蘇るのか、急に態度が大人しくなってしまった。
そんな中、テラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)と保護者のヘカテイアだけが真面目に無人島サバイバルキャンプを楽しんでいた。
「食材も一杯取れたから色々作れるな! ヘカテ姉ちゃんも頑張ってくれてありがとう!」
「ふぐっ!」
不意打ちの尊さにヘカテイアの意識が彼岸に飛びかけた。
そうとは知らずにテラは喜々として可奈を誘ってみる。
「可奈ー! 折角だから一緒に作ろう!」
「お、テラから誘うなんて珍しいじゃん。一緒に料理しよっか。幸い食材は割とあるしね、旅人と、あとどこぞの館長が引きこもりなせいで自炊する羽目になってる私の実力を舐めないでよね!」
「お姉ちゃんも手伝うぞ♪」
リビティナも可奈にすり寄ってくるが、それを可奈が突っぱねた。
「君はハウスだ」
「そんなー!」
抗議の声を上げながらも、大人しくテントの中へ戻って膝を抱えるリビティナであった。
その間にテラは手際よく調理の準備を整えていた。
「本当は完全サバイバルもいいが……今回はお醤油とかの調味料も用意したぞ!」
「どうやら方針は大体テラが決めてくれてるみたいだから、私はそれに味付けしてくよ」
助手として可奈も準備万端だ。
まずは採取した貝を網焼きにする。
「このままシンプルに焼いて食べるのも美味いけど、ここはバター醬油で頂くぞ」
「すっごく良い薫りだね~これぞキャンプ飯!」
ようやく普通のキャンプ感が出てきたことに、テラと可奈はテンションが上がってゆく。
「魚は新鮮だから、数匹をお刺身にして……あとは貝と一緒に煮込んで海鮮スープだぞ! 潮風で冷えた体が温まるんだ」
「潮汁かぁ、貝の身や魚の骨からイイお出汁が出てくるからね。絶対美味しいやつ!」
テラが魚を三枚に下ろし、可奈が潮汁の味付けをみる。
と、ここで可奈が疑問を口にした。
「ところで、お刺身の薬味はあるの?」
テラは途端にぎこちない笑みを浮かべ、保冷バッグから緑色のチューブを取り出した。
「……わ、わさびがちゃんとあるぞ!」
「テラ、苦手だったら無理に付けなくてもいいと思うよ?」
可奈のやさしさにテラは無言で頷いた。
最後に肉料理だ。
「鹿肉とか猪とか豊富だな! 外なら王道にステーキにするか」
「BBQで豪快に焼肉もキャンプって感じだよね。せっかくだし夜影を餌付けしてみるか?」
可奈の足元に一頭のシバベロスがわふわふっと駆け寄ってくる。
「よしよし、呼ばれたと思って擦り寄ってくるなんて、夜影は頭がいいね」
「お姉ちゃんも冥府の最高神の一角なので叡智つよつよだよ! やっぱり手伝おっか?」
「リビティナ、ハウスッ!」
「アッハイ」
可奈の一喝を受け、夜影に嫉妬しながらリビティナは涙目でテントへ戻っていった。
ちなみに、ヘカテイアはテラが料理している光景を自身の記憶領域に永久保存するべく眼力で撮影中だ。
「テラ……テラ……お姉ちゃんがあなたの成長を見守って下ますからね……!」
「あー、ヘカテイアも相当……いや皆まで言わないけど」
可奈は言いかけた言葉をそっと心の奥へと飲み込んだ。
だが、この会話を聞いていたカシムが横から口を挟んでしまう!
「僕だけ何もしないわけにはいきませんし、テラと可奈の手伝いに来たんですが……なあ、ヘカテイア……? 今のおめー、メルシー化してるぞ?」
「……は?」
ヘカテイアが悪鬼の如き形相でカシムを睨み付ける。
猛暑日なのにその場の空気が一気に冷え込んでゆく……!
「カシム……おれがちょっと思ってたけど言わなかった事を!?」
「アババババーッ!?」
テラの発言が矢となってヘカテイアの背中を穿つ!
「そ、そんな……テラまで私の事を変態だと思っていたのですか?」
血反吐をぼたぼた口から垂らすヘカテイアに、恐る恐るテラが答えた。
「あ……ヘカテ……姉ちゃん……? う、うん。最近のヘカテ……ちょっと怖いなって……」
「オゴォーッ!?」
今度は血涙を滝の様に流すヘカテイア!
その怒りの矛先は当然カシムへ向かう。
「カ、カシムさん……? さ、流石に心の穏やかさで定評のある私でもそれは聞き捨てなりませんよ? メルクリウスと一緒にしないで下さい!」
だが聞く耳を持たないカシムは第二波をぶつけてきた。
「あと……そこのリビティナとかもメルシーっぽいな。口調とか若干被ってるし」
「「はぁぁぁ~!?」」
これにはヘカテイアのみならずリビティナもテントから飛び出してカシムへメンチを切らざるを得ない。
「あ……カシム言いやがった。絶対その言葉はリビティナの地雷だって……」
「は? 今なんつった? このチビ?」
「ほら見ろ……ってカシムの低身長イジリは流石にやめて差し上げろリビティナ!?」
可奈が仲裁に入るが、両者、ゴングが鳴る直前のプロレスラーめいて一触即発状態になってしまう。
そこへ、これ見よがしにでかい火種が会話に激突してきた。
「わーい☆ ヘカテちゃんもリビティナちゃんもメルシー意識してるんだね♥ もうこれは三姉妹だね♥ 姉上様ともお母様と呼んでもいいぞ♥ それともメルシーの股間のエクスカリバーを巡るハーレム展開がお好みカナ? なんつって☆」
「おい、メルシー!? 流石にそれは煽り過ぎだー!? てかまたスライムモードになって緊縛から抜け出しやがったな!?」
当たり前のように軽々と縄抜けしてくる相棒に、カシムは思わず絶望してしまう。
そして迫る駄女神二柱の怒りがアホアホコンビへ襲い掛かる!
……かと思いきや?
「メルクリウスだけじゃなく、リビティナ様とも一緒ですって……? もう限界です……今日こそ粛清です!」
「いやお前らふざけんなよ? この中で一番神格が高いのはこのリビティナ様ちゃんだぞ? てかさっきから昔の因縁で絡んでくんじゃねーよ、雑魚ヘカテ。ざぁこざぁこ♪」
「あははは、リビティナ様? ちょ~っとその面貸してもらえませんかね? ブラックホールキャノンを零距離で撃ち込むんで消えてくださいません?」
「やれるもんならやってみろよ? そっちこそ滅びの権能でてめぇの概念もろとも消滅してやんよ!」
バッチバチの二柱に、メルシーがそっと光学迷彩魔術を使って身を潜める。
「しめた! 2人がいがみ合っている間にメルシーはお空にランナウェイだぞ☆」
メルシー時速640kmの速度で一気に夏の夕空へ消えてゆく。
その気配を頼りに、すかさず駄女神二柱が飛翔して追跡を開始!
「あ! 待ちなさい!」
「逃がさねぇぞクソがぁぁ!!」
騒がしいのがいなくなった無人島は、波の音と調理中の薪が炎で爆ぜる音しか聞こえなくなった。
「リビティナ……完全に隠れヤンキーキャラだったよ……」
可奈が途方に暮れてると、テラが脇腹を突っついた。
「ひゃいっ? なにするのさ、テラ!」
「可奈! 噴き零れかけてるぞ!」
テラの指摘通り、潮汁がグラグラと煮詰まっているではないか。
慌てて火加減を調節した可奈は事なきを得たのだった。
「……で、僕は懲罰としてお肉を焼くBOTに成り果てるというわけですか」
カシムは延々と獣肉を焼く番に2人から強制任命され、仏頂面で調理を続けている。
「僕はとりあえず食べればいいって感覚でしたからね……でもやはり美味しい物も食べたいし一つ学ぶとしますか。ステーキなら僕も作れそうですし、やはり贅沢感があっていいですね。夜影ちゃんは何が好きですか?」
擦り寄ってきたシバベロスに声を掛ける。
すると、夜影はまだ焼いていない、血が滴る生肉に飛び付くと、3つの頭でがつがつとむさぼり始めたではないか!
「わふわふっ!」
血で赤く染まった3つの頭が猟奇的だ!
「まさかの、生派……!?」
これにはカシムだけではなく、テラと可奈も驚愕してしまった。
後ほど、夜影用にカシムはテラから生肉のカルパッチョの作り方を教わった。夜影はこれを大層気に入ったそうな。
そして実食タイム。
星空を眺めながら食べる豪勢なキャンプ飯に、3人は大満足である。
「こうして皆で作って食べるのもいいな! お空も光って綺麗……?」
テラが見上げた空の向こうで眩い光が水平線の向こうへ墜落していった。
「……もしかしなくても、あれってさ……」
可奈が乾いた笑いを漏らしてしまう。
カシムも察したようで、深いため息を吐いた。
「空が明るい? まさかあいつ等……って、もう知ったこっちゃねーです。飯も美味いですし……キャンプも悪くねーですね」
3人はトリプル駄女神の存在を暫し忘れて食事を満喫するのだった。
――どこかの海域上空。
「メルクリウス!」
「ヘカテイア!」
「リビティナ!」
「「チェーンジ! マキナクロス・スリー! セーットアーップ!」」
3機の神が変形して合体を果たし、全長15mの超巨大機神が降臨する!
「「完成! 名前が800年前から決まってないけど超カッコいいスーパー機神!」」
滅茶苦茶カッコいい巨大機神から、3人の声が聞こえてくる。
「やっぱり機神シリーズの仲直りといえばこれだよね☆」
「数百年ぶりのブランクがあっても一発で決まりましたね!」
「なーんだ! 2柱ともまだまだイケイケだね! お姉ちゃん、安心だぞ♪」
あれだけいがみ合っていたトリプル駄女神(約一名はぶらぶらが付いてる)は、ユーベルコード『スーパー合体』めいた奇跡でひとつに繋がる(物理)と、なんやかんやで友情を確かめ合うのだった。
人知が及ばぬ条理がそこにはあったのだ……。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
アハト・アリスズナンバー
【アリス一派】
蛇、魚。これらを持って出来る物は……不明。
基本焼けば食えます。駄目?そうですか。
陵也さんが何かしらできる様なので、指示に従いましょう。
味噌汁ですか……確かによく飲んだ次の日なんかあさりとかの味噌汁があると嬉しいですね。
捌くのは……お任せください。包丁なんぞサバイバルナイフと扱いが同じと考えれば、解剖は楽な物です。合成動物捌くのに比べたらなんと楽な事でしょうね。
そういう訳で出来ました。蛇と魚の丸焼きと、あら汁。これだけ見ると無人島にしてはよく出来た方ではありませんか。
料理知識があると便利な物ですね。アップデートしておきます。
……瓶が無い。酒忘れた。
おしまいだ。酒が無いなんて。
ルゥ・グレイス
【アリス一派】
アドリブ歓迎
魚と蛇。あと水。ものは揃いましたしあとは焼くだけ‥え、だめ?はい。
合成生物と違って放射能汚染も重金属汚染も心配する必要もないですし、いいと思うんですけどねぇ。
料理は戦力外通告されるので大人しく火の番をします。
枯れ木を投げ込んで酸素濃度を測定して風を送り込んで燃焼率を計算して…とやってるだけで意外と楽しい。
そうしているうちに料理が完成していました。
陵也さん謹製のサバイバル飯。まさかこんなよく出来たものが食べられるとは。
鍋で何を火をかけているのか謎でしたが、あら汁ですか。てっきり全部ぶち込んで煮ているのかと…。
地籠・陵也
【アリス一派】アドリブ歓迎
いやいや焼けば食えるのはそうだが、趣旨はあくまでキャンプだからな!!
せっかく調味料とかも持ってきたワケだし俺としてはもうちょっとちゃんとした飯を作りたい。
というか作らせろ!!!!(押し通る構え)
えっと二人共どこまで料理できるんだ?
じゃあアハトに捌くのは任せようか。流石に蛇の捌き方はわからないからな……
ルゥは……えっと、火力調節してもらおうか……
焼き魚と焼き蛇は塩以外にも胡椒とかカレー粉とかあるから好きなのかけて、あとは魚のあらを使ってあら汁だ。
うーん、ここまでくると米が欲しくなってくるな。仕方ないが。
ま、まあまあアハト……その分帰ってきた時の酒はうまいぞ?多分。
目下、無人島サバイバルキャンプデートで恋愛を体験するという大義名分で集まったアハト・アリスズナンバー(8人目のアリス・f28285)、ルゥ・グレイス(終末図書館所属研究員・f30247)、地籠・陵也(心壊無穢の白き竜・f27047)の3人は、それぞれ心にコレジャナイ感を去来させていた。
「さあ、食事にしましょう。今あるのは蛇、魚。そしてユーベルコードで出現させた銀色の雨水。これらを持って出来る物は……不明」
アハトが首を傾げると、同じアポカリプスヘル出身でフラスコチャイルドのルゥが意見を述べた。
「魚と蛇。あと水。ものは揃いましたしあとは焼くだけですね。全部焚火にぶち込みましょうか」
「えっ?」
これに陵也がルゥの顔を二度見する。
すかさずアハトが口を挟んだ。
「基本焼けば万物は食えますからね。早速そうしましょう」
「はっ?」
陵也はアハトの発言に耳を疑う。
このままでは食材の丸焼きのみが面前に並ぶと悟った陵也は、最低限の文化的生活の料理を披露するべく2人に待ったを掛けた。
「いやいや焼けば食えるのはそうだが、趣旨はあくまでキャンプだからな!? これ以上サバイバル要素に寄らなくてもいいんだからな!?」
「合成生物と違って放射能汚染も重金属汚染も心配する必要もないですし、いいと思うんですけどねぇ」
「ルゥ、その前提が特殊過ぎるんだ……」
既にツッコミが追い付かない陵也に、ルゥは『気遣い』を発動させた。
「あ、ダメですか。はい、では陵也さんの指示に従います」
アハトも不承不承といった具合に従うことに。
「そうですか、ただ焼くのは駄目ですか。女性の願いを断るのですね、陵也さんは」
「俺もアハトの願いは出来れば断りたくねえけど、こればっかりは譲らん!!! せっかく調味料とかも持ってきたワケだし、俺としてはもうちょっとちゃんとした飯を作りたい。というか作らせろ!!!!!!」
断固とした態度で文化的な料理を推し進める覚悟を陵也は決めるのだった。
まず陵也は一番の難関である蛇をどうにかするところから入った。
「包丁は持ったか? とりあえず、蛇をウナギの背開きの要領で三枚に下ろそうと思う」
これにアハトが早速取り掛かる。
「捌くのは……お任せください。包丁なんぞサバイバルナイフと扱いが同じと考えれば、解剖は楽な物です。合成動物捌くのに比べたらなんと楽な事でしょうね」
「じゃあアハトに捌くのは任せようか。流石に蛇の捌き方はわからないからな……って早くね???」
陵也の目の前であっという間に生きた蛇が皮を剝かれ、骨を削がれ、身を剝がされて三枚に下ろされていった。
「どうですか? 蛇はアリスズナンバーの野外演習のキャンプで何度も解剖した経験があります。私、意外と家庭的な女なのですよ」
「蛇を捌いて家庭的な女を自称するやつを俺は初めて見たぞ……刃物の扱いが怖いくらいに上手いのもやべぇし……」
アハトの言動に、陵也はどんな感情で接すればいいのか混乱してしまう。
その脇で、ルゥが蛇を輪切りに3等分してドヤ顔をしていた。
「3枚に下ろす事が出来ましたよ、陵也さん。これくらい簡単ですね」
「ルゥ、めちゃくちゃ目を輝かせて一仕事終えたような顔をこっちに向けているところ本当に申し訳ないんだが……それじゃただのぶつぎりなんだよなぁ!」
「なんですって……!? 縦でも横でも、3つに切り落とす事には変わらないのに!」
失われた文明のあれこれを保全する機関の責任者のルゥだが、調理の技術までは保全出来ていなかったようだ。
結局、陵也から戦力外通告を言い渡されたルゥは、しょんぼりしながら竈の火を見守り続けるのだった。
「おや、2人きりになってしまいましたね?」
茶化すようにアハトが陵也へぎこちない笑みを浮かべる。アハトなりに母の遺言を守ろうと頑張っているらしい。これが彼女なりの誘惑の仕方なのだろうか。
これ陵也は、この無人島サバイバルキャンプ当初から無視してきた違和感に触れた。
「……アハト、確かに色々と違う気がするのは俺も感じてるけどさ。無理に色仕掛けをしようとしなくても……いいんじゃないか?」
陵也は弾力のある蛇の肉にハーブソルトをまぶして臭みを取ってゆく。余分な水分と臭みが抜けることで、調味料が身に沁みやすくなるのだ。
「実は、俺も正直……恋愛とか分からなくてさ? ほら、今まで俺は弟や孤児院のチビ達の面倒で手いっぱいでなぁ。それから色々あって……猟兵になってからは、家族や大切な存在がいなくなるのをすごく怖れてるんだ。だから俺にとって、家族は特別な意味を持つし、俺達みたいにつらい思いを他のみんなにさせたくない一心で戦ってきた。勿論……アハトの因縁に首を突っ込んだのも、アハトが俺にとって大切な仲間だからだ。でもそれは特定の異性として意識したわけじゃなくて……ってこれ、今凄く失礼なこと言ってね……?」
焦る陵也にアハトが静かに語り始める。
「陵也さんの気持ち、私は素直に嬉しいです。これまでのアリスズナンバーを巡る戦いは、私達姉妹だけでは到底勝ち筋が見えてこないものばかりでした。陵也さんをはじめとする他の猟兵の皆さんの助力があったからこそ今、こうして陵也さんとルゥさんと3人でデートが出来るのです」
アハトが食材を切り終えると、陵也の顔を覗き込む。
「まだ、お母様の遺言の意図は私には掴み切れてません。ですが、今、あなたの隣で共同作業をしているのは、なんというか、不思議と心地いいです。これは本心ですよ」
突飛な言葉に、陵也は息を呑んで視線をアハトから逸らしてしまう。気恥ずかしさからか、自分の心音が徐々に大きくなっていく。
「あ……ありがとな。あと顔が近い。ルゥがめちゃくちゃこっちガン見してるぞ?」
「すみません。おふたりが接吻するのかと勘繰ってしまいまして。その瞬間を逃すまいと注視してました。百聞は一見に如かずといいますので」
「知的好奇心の塊かよ……」
ルゥは恋愛に関する実体験が皆無なゆえに、目の前での甘酸っぱい雰囲気を感知すると観察してしまうようだ。苦笑する陵也はアハトへ次の指示を出し、自身も調理を進めていった。
「しっかし蛇の身は硬いな……火を通したらゴムみたいだ。あとやっぱ生臭いな。ここはカレー粉の出番だな。軍隊でも局地戦の携行にカレー粉が欠かせないらしいし」
俗説ではあるが、補給が受けにくい局地の軍隊にて、カレー粉をまぶせばカエルだろうが蛇だろうが美味しく頂けるというのが常識らしい。
陵也もそれを聞きかじったのか、蛇にカレー粉をまぶして油で揚げ焼きにしてゆく。
「魚は刺身もイケるし、残ったアラであら汁をつくるか。そのまま洗った枝にぶっ刺して塩をまぶして焼いても美味そうだ」
魚に隠し包丁を入れることで、中まで火が入りやすくする工夫もする。
「ルゥに火の番を任せて大正解だったな」
陵也は最適な火加減に大満足の様子。
ルゥはこんどこそやり遂げた自信にあふれた表情で陵也へ言った。
「枯れ木を投げ込んで酸素濃度を測定して風を送り込んで燃焼率を計算して…とやってるだけで意外と楽しかったですよ」
と、ここでアハトがいそいそと木陰へ向かう。
「……ちょっとお花を摘んできます。あとさすがに暑いので水着になりますね」
男性二人は気を使って、手振りだけでアハトへ合図を送った。
ここで男同士、僅かな歓談タイムが発生する。
「……で、ルゥはアハトの事、どう思ってるんだ?」
陵也の牽制にルゥは真正面から受け応える。
「僕とアハトさん……グレイスコーズ・チルドレンとアリスズナンバーは親戚みたいな間柄ですし、アハトさんの抱えている問題はもはや他人ごとではありません。僕の使命のために、これからもアハトさんを支えていきたいと考えています」
「それは……男女の仲として、か?」
「いいえ、僕にはそういう機能がないとお伝えしたはずです。そもそも恋愛感情が僕には理解しかねます。種の存続を最優先にするならば、デートなど無意味ですぐにでも有性繫殖を実行するべきですので」
「いや人間や猟兵はそこまで機械的にはなれねぇって……!」
「そうですね。心があるがゆえに遠回りせざるを得ません。でも、なにかこういったっことで、致命的なミスを僕が犯してる気がしてならないんです。強迫観念といいますか、記憶にない記憶といいますか。とにかく、恋愛はボクにとって非効率的で要領を得ません……」
アリスズナンバーの事件には、ルゥを作った博士女史が関わっている。その彼女の助手がアハトの『父母』であり、女史が関わった『永遠の九月』こそがすべての元凶だ。
「ですが、一連の事件は全て愛が絡んでいました」
ルゥの指摘通り、これまでオブリビオンとして蘇ったアハトの関係者たちは、皆が不器用な愛を抱いて狂いながら討たれていった。
だから、とルゥは告げる。
「僕も、恋愛を知りたいです。その先に『永遠の九月』が繋がっているはずですから。一連の悲劇は恋愛が一因を担ってる可能性もありますので。そして……もし僕が恋愛をするなら、相手はアハトさんならいいな、と……先程、陵也さんとアハトさんの距離が縮まったとき、そう思いました。こんな思いは初めてです……」
「……そりゃ、嫉妬だ。俺にアハトを取られたくないって、ルゥがそう思った証拠だ」
陵也が困り顔で答えた。
「俺もよく分かってないていうのに……ルゥに先越されそうで、なんかモヤモヤするな……あー、ダメだ! 俺までアハトの事を変に意識しちまう……!」
アハトは黙っていれば誰もが認める美人な女性だ。その整った顔が近付けば、殆どの男性は意識せざるを得ないだろう。それが今まで朴念仁だったり、恋愛を知ろうとしなかったとしても、だ。
2人はそれ以降、言葉を発さずにもくもくと作業に没頭するのだった。
そして、夕食の時間。
上着とシャツだけ脱いだアハトは、上はビキニ水着、下はパレオ代わりにミニスカートという出で立ちで食事を楽しんでいた。
「なんて美味しい味噌汁でしょうか……。みそ汁、確かによく飲んだ次の日なんかあさりとかの味噌汁があると嬉しいですね」
アハトは蛇のカレー唐揚げを口にすると、奥歯で何度も咀嚼して飲み込んだ。
「蛇のカレー唐揚げと魚の丸焼きとお刺身、それにあら汁。これだけ見ると無人島にしてはよく出来た方ではありませんか。料理知識があると便利な物ですね。アップデートしておきます」
「陵也さん謹製のサバイバル飯……まさかこんなよく出来たものが食べられるとは。
鍋で何を火をかけているのか謎でしたが、あら汁でしたか。てっきり蛇を含めた全部をぶち込んで煮ているのかと……」
「俺が作ってたのは魔女の妙薬か何かか? 隣で見てただろう?」
食い気味でツッコミを入れる陵也。
ルゥの料理スキル、今回の経験では成長しなかったようだ。残念。
「うーん、ここまでくると米が欲しくなってくるな。仕方ないが」
陵也がぼやくと、突然、アハトが絶望に満ちた叫び声を上げた。
「米で思い出しました。酒です。酒がありません……酒瓶が、無い。酒忘れた」
「アハトさん……?」
その場にうつぶせに倒れ込むアハトに、ルゥも思わず心配の声を上げる。
「……おしまいだ。酒が無いなんて、生きてる意味がない」
「大袈裟すぎる気もするが……ま、まあまあアハト……その分、帰ってきた時の酒はうまいぞ? 多分?」
「えっと、僕が椰子の実を狙撃して落としますから、お酒代わりにみんなで乾杯しませんか……?」
「ひぐっ……ぐえぇぇ……酒くれぇ……!」
珍しくすすり泣くアハトをなだめるのに、陵也とルゥが小一時間程かかったという……。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
アンナ・フランツウェイ
オリガと(f12132)
時は流れ夕食づくりの時間、私は頭を抱えていた。オリガの為に一品作ると発言したけど、下手な事忘れてた。この際米なし卵かけごはんでも…って久しぶりに呪詛天使が乗っ取りを!?
(以下久しぶりの呪詛天使)
それただの卵でしょーが!…久しぶりなのにすぐに引っ込むのも、まぁあれだし【料理】(呪詛天使時専用)してみようかしら。感謝しなさい。
牛乳とコンソメがあるし、クラムチャウダーを作るわよ。シチュー系統なら昔よく作る失敗する筈が無いわ。…食べてくれてた妹はもういないけどさ。
作り終わったら主導権を…てオリガ離しなさい。もう少し一緒にじゃないわ!わかった!一緒に食べるから抱き着くなー!
オリガ・ホーリエル
アンナ(f03717)と一緒に
夕食の時間ね!我が家の調理担当としての実力、今こそ見せるときよ!あとアンナも料理作ってくれるみたいだし、楽しみだわ~。
というわけで調理開始!おしゃれな魚料理の代名詞、アクアパッツァを作ってみるわ。ちょうど(デイパックに無理矢理押し込んで)持って来ているからね!まぁトマトとかパンはないから、食べれる野草とかで代用ってことで。
【料理】が終わったらアンナ…今日は呪詛天使のほうなのね。あ、でも彼女とはあまり話したことないし、アンナとは体を共有してるから食事の心配もいらない。ならやることは一つ!夕食に誘うことよ!
「ねー一緒に食べましょうよ!ねぇてばー!」
アンナ・フランツウェイ(断罪の水着メイド(バイト中)・f03717)とオリガ・ホーリエル(黒き天使を支える水着メイド(アルバイト中)・f12132)のラブラブカップルの無人島も、楽しい夕食の時間を迎える……予定であった。
「どうしよう……?」
アンナは頭を抱えていた。
(オリガの為に料理を一品作ると発言したけど、私は料理が下手な事忘れてた……)
大好きな人のまで見栄を張ってしまったアンナは、やっぱり素直に謝ろうとしてオリガへ声を掛けた。
「ね、ねぇ、オリガ? さっきの話だけど……」
「アンナがあたしに一品作ってくれる話? どんなのが出来るか、今から楽しみだわ~!」
振りまかれる愛しき笑顔を見てアンナは言葉を失った。
(あ、これ、止めるって言ったらオリガをがっかりさせちゃう……!)
アンナは苦笑いのまま、追加の食材を獲ってくると誤魔化してオリガと距離を取っていった。
「絶対無理だこれ……! この際、割るだけ簡単、米なし卵かけごはんでも…って!?」
アンナの意識が外へ押し退けられてゆく。
次の瞬間、別人格がアンナの身体に宿った。
「米なし卵かけごはんって、それただの生卵でしょーが!」
ツッコミパワーで意識の表層に出てきてしまったのは、アンナが常時抑え込んでいるはずの呪詛天使であった。
「思わず身体を乗っ取ってしまったけど………久しぶりなのにすぐに引っ込むのも、まぁあれだし。困ってたみたいだから手助けしてあげる。感謝しなさい?」
呪詛天使はアンナと違い、自炊が出来る系天使であった。
「アンナ、何処まで行っちゃったの? 遅いわね~?」
一方、オリガはテキパキと調理をこなしている真っ最中だ。
「我が家の調理担当としての実力、今こそ見せるときよ! という事で、おしゃれな魚料理の代名詞、アクアパッツァを作ってみるわ!」
材料は無人島で捕まえたばかりの魚と、途中まで調理したアクアパッツァの材料一式である。
「デイパックに無理矢理押し込んで、持って来ているからね! まぁトマトとかパンはないから、食べれる野草とかで代用ってことでって、アンナが帰ってきたわ!」
手を振って出迎えるオリガに、まだアンナだと思われてる呪詛天使が笑みを浮かべる。
早速、呪詛天使は持参した調味料を確認すると、頭の中で献立を模索する。
「牛乳とコンソメがあるし、クラムチャウダーを作るわよ。シチュー系統なら昔よく作っていたし、失敗する筈が無いわ。……食べてくれてた妹はもういないけどさ」
最後、寂しそうにポツリと言葉を漏らした呪詛天使。
だがこれがオリガに自身の正体をばらすヒントとなった。
(今は呪詛天使のほうなのね。あ、でも彼女とはあまり話したことないし、アンナとは体を共有してるから食事の心配もいらない。ならやることは一つ! 夕食に誘うことよ!)
悪戯を仕掛ける子猫の様に、そーっと呪詛天使の背後へ忍び寄るオリガ。
そして、一気に背後から呪詛天使をバックハグ!
「ねー? 天使さん? 一緒に食べましょうよ! ねぇてばー!」
「……オリガ、離しなさい。というかばれてたのね? もうすぐ出来るから、そしたらアンナへ主導権を……」
「駄目よ! あなた、もう少しあたしと一緒じゃなきゃ嫌よ!」
ぎゅっ、とオリガは腕を締め付け、呪詛天使の身体へ自分を押し付けてみせる。そして顔を相手の首筋へ押し付けて……。
「もう少し一緒に、じゃないわ! わかった! 待って、首筋にちゅっちゅしないで! 恥ずかしいから! 恥ずかしいの! 分かったから! 一緒に食べるから抱き着くなー!」
「やだ~! こっちも可愛いわ~♪」
こうして再び、無人島に百合の花が咲き乱れるのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
メディア・フィール
「太陽の家」として参加
他PCとの絡みOK
プレイング改変、アドリブOK
ワカメで出汁をとって海鮮鍋を作ります。石焼きにした貝や切り身にした魚を入れて蓋をして、風味が飛ばないように丁寧に煮込みます。途中、お鍋にいたずらされるかもしれませんが、なんとか美味しいものができます。
「ボクだってちゃんと料理できるようにならないとね」
「レシピをきちんと守ってやれば大丈夫、なはず」
「味見をしすぎるとかえってわからなくなるんだよね」
「あれ? いま誰かなにか入れた?」
「よし、完成した! いい匂いだ」
「カキ氷はその青いのがいいかな。ブルーハワイって、いったいどんな果物なんだろう」
ミフェット・マザーグース
【太陽の家】のみんなとお夕飯!
お夕飯はメディアがはりきっているからお任せするね
海鮮鍋、暑いところで熱いもの
汗いっぱいだから水着のままで食べたほうが良いかも?
熱いお鍋でティエルがヤケドしないように、横からふーって冷ましてあげるね
お鍋を食べ終わってしばらくしたら、スイーツの時間!
クーラーボックスに入れた氷と、各種シロップ、かき氷製造機を取り出すよ!
【怪力】でハンドルをぐるぐるドンドン回してみんなのかき氷を作るよ!
いちごにメロンにブルーハワイ、レモンにハチミツ、もちろん練乳もあるよ!
ミフェットにどんどん注文してね♪
ミフェットはグレープのシロップ!みんなはどのシロップかな?
食べ終わったらお片付けするね
ティエル・ティエリエル
【太陽の家】でキャンプ飯!
いっぱい遊んでお腹ぺこぺこだー☆
今日の晩御飯は海鮮きのこ鍋!
わーい、あつあつお鍋だー!
あっ、ミフェットがふーふーして冷ましてくれたよ、いっただっきまーす♪
うーん、森と海の二つの味がしておいしいー☆
サザエも焼けたみたいだね、どれどれってにがーい!
ふぅ、おなかいっぱいだ♪
えっ、かき氷もあるの!?食べる食べるー!(甘いものは別腹と練乳いちごをゲット)
※アドリブも大歓迎です
ヴィクトリア・アイニッヒ
【太陽の家】で参加。
アドリブ歓迎。
陽も陰り、そろそろ夕食時ですね。
食材はある程度の下準備もしていますし、火の準備もばっちり。
後は、調理をしていくだけですね。
と、思ったのですが。子供達が随分とやる気なようです。
ここはこの娘達のやる気を削がぬ様に、見守る方が良いでしょう。
こういった経験がこの娘達の心と魂に刻まれて、そうして明日を生きる為の糧となるのですから。
……あ。勿論フォローは致しますよ? 目立たぬように、さり気なく、ね?
(【料理】技能を活かし、調理のフォローに専念)
(子供たちの賑やかな様子を温かな笑みと共に見守ります)
(万が一の時に動ける様に、心構えはしておきます)
秋月・信子
●SPD
【太陽の家】UC継続使用
さて、狩りから戻ってきたから晩ごはんと行きたいところだけど…やけにメディアが張り切ってるから海鮮きのこ鍋は任せておきましょ
いざとなったらヴィクトリアと信子が、さり気なくフォローするでしょうし
こっちはそうねー…余るぐらいにワカメが採れたし、ワカメと果物のサラダも悪くないわよね
海の緑黄色野菜って言われてるぐらいにミネラルと栄養が豊富だし、何よりヘルシーで美容にも良いのよね
それに軽くお湯に通すだけで鮮やか緑色になるから、年少組も楽しめるでしょうしね?
ふぅん、デザートはかき氷なのね…(何かを閃いた邪笑
信子、はいあーん…
ふふ、食べさせてくれると思って引っかかったわね?
「姉さん、ワカメが余ったからって体に巻き付けて遊ばないでくださいね?」
秋月・信子(|魔弾の射手《フリーシューター》・f00732)は、ユーベルコードで引き続き呼び出しているもう一人の自分へツッコミを入れた。そんな影は水着の上から妙に露出が気になる巻き付け加減でワカメを纏ったまま身体をくねらせていた。そして急に歌い始めた。
「YO! SAY! 夏がッ!」
「姉さんストップ!!!!!!!」
慌てて自分の影の口を塞ぐ。
「何故か分からないけど、途轍もない事態になりそうです!」
「えー? NO☆BU☆KO的にもオールオッケーだと思ったのにー!」
「あの、子供たちが真似するので、それくらいにして下さいね?」
笑顔で圧を強めるヴィクトリア・アイニッヒ(|陽光《たいよう》の信徒・f00408)。
コワイ!
影はいそいそと身体に巻き付けたワカメを脱いでいった。
「でも、さっきのは想定外だったわ。まさかメディアを注意したつもりが、ちびっ子2人まで腰抜かすなんてね?」
「その説教を受けた後でこれですか? 懲りないというかなんというか……」
ヴィクトリアは頭を抱えて溜息を吐いた。
「とにかく、夕食の時間に間に合わせましょう。陽も陰り、涼しくなってきました。食材はある程度の下準備もしていますし、火の準備もばっちり。後は、調理をしていくだけですね」
「それならボクが海鮮鍋を作るよ!」
メディア・フィール(人間の|姫《おうじ》武闘勇者・f37585)が挙手して名乗り出た。
「ミフェットとティエルはメディアのお手伝い! でもメディアが張り切ってるから、邪魔しないようにしないとだね、ティエル?」
「ボクは身体が小さいけど、やれることがあったら何でも言ってね、メディア!」
ミフェット・マザーグース(造り物の歌声・f09867)とティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)の親友コンビも海鮮鍋の応援に付き添う。
「あらあら、子供達がやる気になってくれるのは良い事ですね。では、そちらはお願いしますね?」
ヴィクトリアが3人の自主性を伸ばすべく調理を一任させた。
メディアは太陽の家のみんなが笑顔になるような料理を目指して、持参したレシピとにらめっこを始めた。
「ボクだってちゃんと料理できるようにならないとね。レシピをきちんと守ってやれば大丈夫、なはず」
「ワカメでお出汁を取るよ! ♪ワ~カメ~海の中ではお出汁が出ないけど~お湯の中ではリラ~ックス! 汗とお出汁がどっばどば~♪」
ミフェットが即興で歌えば、ティエルは踊りながら貝をレイピアでこじ開けてゆく。
「うりゃりゃー☆ ミフェットの唄で元気になれるから、いくらでも貝を開けちゃうぞ☆」
「2人ともありがとう! すごく助かるよ! って、今何か入れた?」
「「キノコだよ!」」
鍋の中にデカいキノコが沈んでいった。
こうして心強い(?)アシスタントを従えて、メディアの海鮮鍋は着実に完成へ近付いていった。
……その様子を、ヴィクトリアと2人の信子のオトナ組が見守っていた。
「あの様子だと、私のフォローは不要のようですね? ふふ、子供たちの成長を目の当たりに出来て嬉しいです」
そのまなざしは、まるで本物の母のように優しい。だが一瞬たりとも目を離さないのは、万が一に備えて。
「さて姉さん。作りたいものがあるって言ってましたけど?」
信子は影に改めて尋ねてみた。
すると、影はワカメと下拵えを済ませた木の実を並べて告げた。
「……余るぐらいにワカメが採れたし、ワカメと果物のサラダも悪くないわよね」
「あら、サラダですか? いいですね」
どうやらヴィクトリアの心に海藻サラダが刺さったようだ。興味津々に目と耳を傾けている。
影はしてやったりとにやけながら、サラダを作る理由を述べてゆく。
「ワカメは海の緑黄色野菜って言われてるぐらいにミネラルと栄養が豊富だし、何よりヘルシーで美容にも良いのよね。それに軽くお湯に通すだけで鮮やか緑色になるから、年少組も楽しめるでしょうしね?」
「栄養の面や調理中の楽しさまで考えてくださったのですね。ありがとうございます」
ヴィクトリアが感心している一方で、信子がキョトンと影を見詰める。
「姉さん、今日はどうしたのですか? やけにハッチャケてますね……」
「当り前じゃない! 子供達の成長、皆で楽しむ無人島サバイバルキャンプ! 絶景を眺めながらの夕食! そりゃーもうテンション上がらな方が変よ?」
信子の影は自分とは真逆の性格なのだが、まさかここまでハジケるとは、ユーベルコードの主である信子も思わなんだことだった。
(まさか、私にパーリーピーポーの素質があるというのですか……!?)
影を通して、信子は自分のウェイウェイ属性の可能性を見出してしまうのだった。
さて、海鮮鍋の様子はというと……?
「う~ん、味見をし過ぎるとよく分からなくなるね?」
メディアは最後の味付けで苦戦していた。
「もう少し塩味が欲しいかな? ミフェットとティエルはどう思おう?」
「う~ん、ミフェットはもう少しうす味でもいいとおもうよ?」
「そうかなー? ボクはもうちょっとしょっぱくてもイイと思う!」
人の好みはまちまちで、なかなか折り合いが付かないのだ。
そこへ颯爽と登場したのはヴィクトリア。
「まぁ! ちゃんと完成したのですね! どれどれ……?」
「あ、まだ完成じゃ……!」
メディアが制止する声を振り切って、ヴィクトリアが一口スープを味見する。
「……いいお出汁が出てますね。さ、皆で食べましょう!」
母がオッケーならばそれで良し!
子供達も納得したようだ。
こうして、海鮮鍋とワカメと木の実のサラダが食卓へ並ぶのであった。
「いっぱい遊んだからお腹ペコペコだー☆ 今日の晩御飯は海鮮きのこ鍋! わーい、あつあつお鍋だー!」
「ティエル! 熱いからふーふーして冷ましてあげるね!」
ミフェットがスプーンですくった具材とスープを息で冷ますと小さなティエルの口元へ運ぶ。
「はい、あーん♪」
「ありがとう、ミフェット! いっただっきまーす♪ うーん、森と海の二つの味がしておいしいー☆ あっ! サザエも焼けたみたいだね、どれどれ~っ? ……って、にがーい!」
「ティエル、それワタっていってサザエの内臓なんだ。食べると苦いよ?」
メディアも自分で作った海鮮鍋に大満足しつつ、ティエルへサザエを取り分けてあげた。
「いいですね、こういう食事も偶には」
ヴィクトリアは紫色に染まる海と空を眺めながら、子供たちの喧噪を聞いて静かに微笑む。
「本当、来てよかったです」
「ええ、オトナ組も大満足です」
「私のサラダも美味しいからもっと食べてね!」
影が子供たちにワカメを進めると、年少組から「ワカメ女だ~♪」とキャッキャッと喜ばれた。
「お鍋を食べ終わってしばらくしたら、スイーツの時間!」
ミフェットはクーラーボックスから氷とかき氷機を取り出すと、怪力任せにハンドルをゴリゴリ回し始める!
「色々とシロップを持ってきたから、好きなのをかけてね!」
「えっ、かき氷もあるの!?食べる食べるー!」
甘いものは別腹とティエルは大はしゃぎ!
「ふぅん、デザートはかき氷なのね……」
影は何かを閃いた様子でにたりと笑う。
「信子、はいあーん……」
口元に持ってかれた信子が口を開くが、影はすぐにスプーンをUターン!
「ふふ、食べさせてくれると思って引っかかったわね? って、信子!?」
「食らい付けば私の勝ちです!」
これは信子の作戦勝ちであった。
「カキ氷はその青いのがいいかな。ブルーハワイって、いったいどんな果物なんだろう」
メディアの疑問は、しばらくして解決される、のだろうか?
大成功
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ビスマス・テルマール
【なめろう餃子】
さて、色々下準備は出来ましたし
さっそく始めましょうか
先ずは下拵えで『料理』した色々な
海産物のなめろう、これを使ってキャンプ飯を色々と、エミリさんスキレット
一つ借ります
振り下ろした自然薯に、なめろうを入れ混ぜ、温度調節したスキレットで焼いて【なめろう自然薯ステーキ】を
良い香りと焼き色、さすがキャンプ向きのスキレットです
【さんが焼き】は網で焼いて
後は、棒に生地をくくりつけ
【なめろうきりたんぽ】にするのも
エミリさん、キャベツの塩揉みをパックに入れて事前に用意とは準備が良いですが、あっ!餃子を包まないで焼いていたり、蓮根を皮代わりにする餃子とか色々斬新ですね
あっ、餃子の餡に猪肉も悪くないですけど、わたしのなめろうも遠慮なく。
見事なお手前ですし、餃子の焼き色も良い感じです、ウルシさんまだ焼けてないですから待って。
色々と出来上がりましたね、では皆で頂きましょうか?大根を皮にした餃子も中々でしたが、蓮根を皮にしたのも良いですね
包まない餃子は少し食べづらいかも
※アドリブ絡み掛け合い大歓迎
エミリロット・エカルネージュ
【なめろう餃子】
スキレットはキャンプの必需品だから、ビスちゃんも遠慮なくね……それにしても、ビスちゃんもスキレット上手く使うねっ!
うん、キャベツを塩で揉んで水分を出したのをジッパーに入れたのは、キャンプ飯の餃子には必需品だからね
これに下拵えした猪肉や食用薬草等を
入れてジッパーの中で揉み込み餡を
作る、事前に準備出来るモノは準備して
なるべくゴミや手間を省くのも
キャンプ飯餃子のコツたからねっ!
あっ、じゃあ後でビスちゃんの作った
【なめろう】も餡に使っちゃおう
先ずは、餃子の皮に包んだ猪肉の餃子や、なめろう餃子をスキレットを使って『料理』焼成
【スライスした蓮根を皮にした餃子】も、蓮根が折れても気にせず焼いちゃう
続いて【包まない餃子】も別のスキレットで……よし、こんな感じに『料理』かな?シャオロンもウルシくんも、まだダメだよ?
うん、出来上がりと……じゃあ皆で食べよう、頂きます
なめろう自然薯ステージも、きりたんぽも美味しい、蓮根を皮にしたのも試したの初だけど上手く出来たねっ!
※アドリブ絡み掛け合い大歓迎
ビスマス・テルマール(通りすがりのなめろう猟兵・f02021)とエミリロット・エカルネージュ(この竜派少女、餃心拳継承者にしてギョウザライダー・f21989)の2人は、無人島の水平線へ日が傾き始めた頃から夕食の準備に取り掛かっていた。
「さて、色々下準備は出来ましたし、さっそく始めましょうか」
ビスマスは大量の魚類を前に、顔が喜びで綻ぶ。
「まずは穫れた魚でなめろうを作ってゆき、それをもとに様々なキャンプ飯をつくりましょう。あ、エミリさん、スキレットを一つ借ります」
これに真っ赤なファードラゴニアンのエミリロットが快くスキレットをビスマスへ差し出す。
「スキレットはキャンプの必需品だから、ビスちゃんも遠慮なく使ってね!」
「では、お言葉に甘えて」
リズミカルにまな板の上の魚類と味噌と薬味を叩くビスマス。手早くなめろうを作ると、それを先程すり下ろした自然薯と合わせて“つなぎ”とする。混ぜ合わせたタネをこねて整形したあと、油を引いたスキレットへ投入すると……。
「……それにしても、ビスちゃんもスキレット上手く使うねっ!」
エミリロットはビスマスのスキレットの扱いに目を見張ってしまう。
これにはビスマスも少々得意げになって声を弾ませた。
「良い香りと焼き色、さすがキャンプ向きのスキレットです。エミリさんお道具の目利きあってのことですよ」
謙虚なビスマスは、早速1品目の【なめろう自然薯ステーキ】を完成させた。
エミリロットも持参した漬物らしき者が入ったタッパーを取り出した。
「エミリさん、キャベツの塩揉みをパックに入れて事前に用意とは準備が良いですね?」
「うん、キャベツを塩で揉んで水分を出したのをジッパーに入れたのは、キャンプ飯の餃子には必需品だからね」
やはりエミリロットは餃子を作るようだ。
「これに下拵えした猪肉や食用薬草等を入れて、ジッパーの中で揉み込み餡を作るよ」
「あっ、餃子の餡に猪肉も悪くないですけど、わたしのなめろうも遠慮なく使ってください」
「あっ、いいのビスちゃん? じゃあ後でビスちゃんの作ったなめろうも餡に使っちゃって、なめろう餃子もキャンプで作ってみようかな?」
エミリロットの創作意欲が刺激され、急遽魚肉を使った餃子を作ることとなった。
と、ここでビスマスが疑問を口にした。
「ところでエミリさん、餃子の皮が見当たりませんが?」
「よくぞ聞いてくれたね、ビスちゃん!」
エミリロットは自信たっぷりに『ある食材』をビスマスに見せた。
「見て! レンコンだよ! これでタネを挟んで【レンコン皮の挟み焼き餃子】を作るよ! ちなみに普通の餃子の皮もあるけど、通常の包む餃子の他に、今回は【包まない餃子】にも挑戦するよ!」
「あっ! 餃子を包まないで焼いていたり、蓮根を皮代わりにする餃子とか色々斬新ですね!」
ビスマスはエミリロットの発想に感嘆の声を漏らしてしまう。
対して、エミリロットもビスマスの手際に称賛の声を贈る。
「そういうビスちゃんだって、【さんが焼き】は網で焼いて、棒に生地をくくりつけた
【なめろうきりたんぽ】も美味しそうだよ! いつの間につくってたの、そんな手間のかかる料理?」
「なめろう料理は手慣れていますし、鮮度バツグンのまま食べたいですからね」
ビスマスのこだわりを見せつけられれば、エミリロットも餃子愛を燃やして語り始めた。
「餡作りはジッパーの中に食材や調味料を入れれば手が汚れないし、事前に準備出来るモノは準備してなるべくゴミや手間を省くのもキャンプ飯餃子のコツたからねっ!」
「エミリさんも色々と考えていますね」
互いのこだわりを知れば、更に絆が深まるというものである。
エミリロットがレンコン挟み揚げ餃子をスキレットで焼くと、レンコンが焦げてスキレットに張り付いてしまう。それでも気にせず力技でひっくり返すと、レンコンが折れてしまったがご愛嬌だ。包まない餃子はまるでクレープのようで、パリッと焼けた皮の上でタネの色がじわじわと白く変わっていった。
「……よし、こんな感じに『料理』かな? ってシャオロン、まだダメだよ?」
「ウルシさんもまだ焼き上がってませんからだめですよ? それにしてもエミリさん、見事なお手前ですし、餃子の焼き色も良い感じです」
食材が焼ける音と香りを楽しめば、2人は食欲をもう抑えきれない。
「よし、完成だね。食べよっか、ビスちゃん?」
「そうしましょうか、エミリさん?」
出来上がった品々を目の前に並べると、2人は手を揃えて同時に叫んだ。
「「いただきます!」」
ビスマスもエミリロットも、箸を付けた料理がどれも美味で、幸せそうな笑顔を浮かべてしまう。
「なめろう自然薯ステージも、きりたんぽも美味しい! 蓮根を皮にして挟み焼きにしたの初めての試みだけど、上手く出来たねっ!」
「ありがとうございます、エミリさん。あっ、大根を皮にした餃子も中々でしたが、蓮根を皮にしたのも良いですね。イノシシ肉の濃厚な味が普段の餃子とは一味違いますし。でも、包まない餃子は少し食べづらいかも」
皮がパリパリになりすぎて、なかなか口の中へ放り込めない難点があったが、それもまたキャンプ飯の醍醐味であった。
大成功
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ルインク・クゼ
キャンプご飯、キャンプご飯
まぁ、キャンプ飯の事は事前に
【グルメ知識&情報収集】で色々
調べたんやけど、ヒナスミちゃんと一緒に捕まえたお魚たち、下拵えで捌いた後は……先ず、手始めに塩焼き
スキレットで魚のソテー
それから、炊き込みご飯も【料理】するんよ、あっ……ヒナスミちゃんも気合い入っとるなぁ、ダッチオーブンはそっちの焚き火の所に、煮魚の【料理】は【動物使い】で指示してお願いするんよ
『ぷっぷぷぅー!』
でも、何か足らんモノがあるよーな
あっ、確かキャンプ飯でもタコ焼きはあったなぁ、後、明石焼きも
〈明石焼き調理料理道具一式〉は持ってきとるし、捌いたお魚を入れて【料理】するかな、明石焼きの生地はじん粉を使わんと。
ヒナスミちゃん煮魚作りながら
木箸で、たこ焼き(中身は魚類)や
明石焼きひっくり返しとるけど
つくづく器用やね。
『ぷぅぷぅ!』
ん?味見して欲しいん?じゃあ………ご飯前やけどあたしも一つ……はふっ!はふっ!熱いけど美味しいんよ
時期が時期やから、冷たい出汁も持ってくるべきやったか
[アドリブ掛け合い歓迎]
無人島でのソロキャンプを満喫中のルインク・クゼ(蛸蜘蛛のシーアクオン参號・f35911)は、待ちに待った夕食の時間に満面の笑みを浮かべていた。
「キャンプご飯、キャンプご飯っと♪ まぁ、キャンプ飯の事は事前に旅行ガイドやサバイバルに関する教本で色々調べたんやけど、こないぎょうさん魚が穫れたんやし、今夜は豪勢にいきたいんよ」
ルインクは相棒の巨大真蛸のヒナスミに日に近付かないように注意すると、手慣れた手付きで獲ってきた魚を捌いてゆく。
「まずは……無人島といえばこれやね。枝に刺してからの塩焼きなんよ」
いかにも無人島でのキャンプ飯というイメージの魚の一尾まるごとの塩焼きだ。
「次に、持ってきたスキレットで魚のソテー
やろ? それから、炊き込みご飯もええな」
どんどん作りたい料理が思い浮かぶ。幸い、食材は十分にあるのでやってみることにした。
と、ここでヒナスミがなにかアピールしてきた。
『ぷぅぷぅ! ぷぅぷぅ!』
何かルインクの手伝いをしたいらしい。
「あっ……ヒナスミちゃんも気合い入っとるなぁ、そんなら、ダッチオーブンはそっちの焚き火の所に、あと煮魚の調理をお願いするんよ。火に近付きすぎて焼きだこにならんでな?」
ヒナスミは空中に浮遊すると、8本の触手を起用に使って調理を開始したではないか。
これにはルインクも驚いてしまう。
「ヒナスミちゃん、器用なんよ? でも、何か足らんモノがあるよーな……あっ、確かキャンプ飯でもタコ焼きはあったなぁ、後、明石焼きも。早速作る……ヒナスミちゃん、作りたいん?」
『ぷっぷぷぅー!』
ということで、巨大真蛸が作るたこ焼きと明石焼きという奇妙なメニューが誕生することになった。
「まあ、明石焼き調理料理道具一式は持ってきとるし、捌いたお魚を入れて料理するかな、明石焼きの生地はじん粉を使わんと」
相棒のために調理の準備を整えたルインクは、そのままヒナスミに焼きを任せることにした。
それはうねる触手でいい感じに効率よく調理をこなしてゆくので、再びルインクは二度見せざるを得なかった。
「ヒナスミちゃん、煮魚作りながら木箸で、たこナシたこ焼きや明石焼きひっくり返しとるけど……つくづく器用やね?」
『ぷぅぷぅ!』
照れる素振りをしながら差し出されたのは、焼き上がったばかりの明石焼きだ。
「ん? 味見して欲しいん? じゃあ………ご飯前やけどあたしも一つ……はふっ! はふっ! んん、熱いけど美味しいんよ!」
絶妙な焼き加減に、ルインクが焦るほどだった。
「あたしも腕上げなあかんのよ……ヒナスミちゃんに負けてられへん……!」
そんな秘めた想いを胸に宿しつつ、出来上がった料理を夕日と星空を眺めながら堪能するルインクであった、のだが……。
「しもうた、時期が時期やから、冷たい出汁も持ってくるべきやったか」
こんなに美味いキャンプ飯が作れるならば……と、明石焼きを頬張りながら悔やんでしまった。
大成功
🔵🔵🔵
第3章 日常
『キャンプの夜を楽しもう』
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POW : ゲームやお喋りに興じる
SPD : 歌やダンスで盛り上がる
WIZ : 満天の星空を眺める
イラスト:真夜中二時過ぎ
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
無人島サバイバルキャンプもいよいよお大詰めだ。
天上に浮かぶは満天の星空。それを鏡のように映し出す漆黒の海面。絶えず聞こえる波音。真っ暗な闇も無人島サバイバルキャンプの醍醐味だ。
もちろん、煌々と火を天焦がすがごとく高々と灯し、それを囲んで語り合うのもキャンプの風物詩だ。
燃え盛る炎の熱と薪が爆ぜる音は、自然とキャンパーの心を癒やし、素直な気持ちにさせてゆく。普段、なかなか言い出せない気持ちを、今でなら打ち明けることができるのではないだろうか……?
いずれにせよ、夜が明ければ朝食を終えた頃に迎えが来てしまう。
最高の思い出を作るためにも、この一夜は悔いなきように過ごしたいものである……。
雁帰・二三夫
UC使用
医療キット内の虫除けスプレーを自分とテントに噴霧
軍手つけ周囲の草をサバイバルナイフで刈り竈の薪の上へ
煙で虫除け
折畳椅子に座り塩嘗め支給の行動食モグモグ
夜空眺め
「星座早見盤があったらもっと楽しめたかもしれませんが…今回は重量ぎりぎりでしたからねえ。他の皆さんは大丈夫でしょうか」
「無人島に独り…やっぱり怖すぎます」
ネット検索で情報がなかった無人島
人喰いバクテリアが存在してもおかしくない海水温
国内で住血吸虫はないと思うが無人島ゆえ確定しない
マラリアも同じ
マダニと蛭は確定でいる筈
盆で祖父宅に行く度言い含められた
「お前は絶対田んぼにも川にも入っちゃならねえ。人喰いカワニナが居るからな。皮膚から入って内臓食い荒らす菌がいるんだ。おばあは解剖したら、幾つも穴が開いていた。風土病だから家で発症したら医者が分からなくて絶対死ぬ」
年寄りらしい中間主名等の間違いはご愛敬だが
根絶宣言が出た10才まで毎年聞かされた
「立地的資源的に旨味がない地は居住なく情報が集まりません。大自然は…綺麗で怖すぎるんですよ」
雁帰・二三夫(引きこもりたい住所不定季節労働者・f37982)は無人島に夜の帳がおちると、早々に休む準備をしていた。
「昔の人の知恵は、現代でも役立ちますね」
テントの周囲の草を、軍手をはめてサバイバルナイフで刈ってゆく。それを窯の火の中へくべると、もくもくと煙が周囲に広がってゆく。
「この煙が虫除けになるんだから驚きですね」
先人の知恵を借りつつ、折り畳み椅子に座って食塩を舐めながら、支給された行動食を食む。そして星空を眺めながら物思いに耽り始めた。
「星座早見盤があったらもっと楽しめたかもしれませんが……今回は重量ぎりぎりでしたからねえ。他の皆さんは大丈夫でしょうか」
水平線にまばらに輝く明かりは、きっと他の猟兵たちの焚火なのだろう。
確かにあそこにいる証を眺める雁帰は、改めて無人島の恐ろしさを噛みしめていた。
「無人島に独り……やっぱり怖すぎます」
事前にネット検索で調べたが、情報がなかった無人島だ。
人喰いバクテリアが存在してもおかしくない海水温で、国内で住血吸虫はないと思うが無人島ゆえ確定しない。それはマラリアも同じだ。マダニと蛭は確定でいる筈……と心配の声を上げる。
そして雁帰はその昔、祖父に言い聞かされた言葉を思い出していた。
『お前は絶対田んぼにも川にも入っちゃならねえ。人喰いカワニナが居るからな。皮膚から入って内臓食い荒らす菌がいるんだ。おばあは解剖したら、幾つも穴が開いていた。風土病だから家で発症したら医者が分からなくて絶対死ぬ』
昔の寄生虫などの疾病の危険性は、現在よりも格段に高かった。
「年寄りらしい中間主名等の間違いはご愛敬ですが、根絶宣言が出た10才まで毎年聞かされてましたね……。立地的資源的に旨味がない地は居住なく情報が集まりません。大自然は……綺麗で怖すぎるんですよ」
キャンプ好きを公言する彼は、改めてキャンプとは自然との共闘だと思い知らされるのであった。
大成功
🔵🔵🔵
斑鳩・椿
【天狐】ミコトくん(f23042)と
今年の水着で
陽が沈んだ海辺へ
月明りと白い砂浜が明るくて神秘的
ぼんやりとした明るさでお互いしか見えないくらいが丁度良いかも
海も昼間とは匂いや音が違うのね
実は海の中に入ったことがなくて、でも見ているだけでも楽し…っきゃ、ちょっと!
海水って本当にしょっぱい…じゃなくて。
…こっちには五本の尾があるの、天狗面がないと五倍お顔に直接かかっちゃうわ、よっ!
ね、泳ぐのって難しい?
泳げないというか…泳いだことがないだけ、だもの
…待って、水の中で手は離さないで
ふう、夜の海は日に焼けなくて良いわね
昼間は暑くて…ふふ、水着の下、どこまで日焼けしたか…見たい?
ミコト・イザナギ
【天狐】
椿(f21417)と
去年の水着を着用
素顔で参加
本音口調
海際の浜辺に丸太で作ったキャンプファイヤーを作って灯し
夜の海を明るく照らし上げるよ
月と炎で拓かれた夜
それはそれで幻想的かな
折角の無人島
椿と思い切り夏を楽しまないと嘘だ
月光と炎に照らされた漆黒の海
波打ち際に椿を誘って世界を見渡す
漣と薪の爆ぜる音と、オレと椿の息遣いだけが聞こえる
不意打ちに彼女に海水を浴びせる
ほら、折角の水着なんだから遊ばないと!
ばしゃり、と水飛沫を立て
反撃で全身ずぶ濡れに…あふん
暫く遊んだら浅瀬の海の中へ
楽な泳ぎ方教えてあげる
大丈夫、離さないよ
…そんなの、みんな見たいに決まってるじゃないか!
なんて揶揄いにも素直に答えて
斑鳩・椿(徒花の鮮やかさ・f21417)とミコト・イザナギ(|語《かたり》|音《ね》の|天狗《てんぐ》・f23042)の2人は、すっかり暗闇に飲まれた真夏の無人島で焚火の灯りに縋っていた。
「ね、ミコトくん? 焚火を小さくしていい?」
「急にどうしたんだい?」
椿の唐突なおねだりにミコトが首を傾げた。
白銀の5つの狐尾をゆらゆらと揺らす椿は、焚火を己の権能でみるみるうちに小さくしてゆく。そして夜空を見上げて告げた。
「見て。空にぽっかり穴が開ているわ」
焚火の光源が小さくなった今、無人島の浜辺を照らすのは闇に浮かぶ満月と散りばめられた満天の星空だった。その輝きは炎のように自己主張の強い輝きではないものの、白い砂浜を星空にも劣らないほどにきらきらと輝かせていた。
「これは……月と炎で拓かれた夜っていうのも、それはそれで幻想的だったけど。満月の輝きがここまで明るいとは思わなかったね」
「いいでしょ? 月明りと白い砂浜が明るくて神秘的で。満月はぼんやりとした明るさで、お互いしか見えないくらいが丁度良いかも」
「オレはもっと間近で椿の事を見ていたいから、ぼんやりとしか見えない月夜の下では離れないでほしいな」
ミコトの甘える態度に椿は思わず愉快に声を漏らした。
この無人島で、何処にもいなくなりはしないのに。それでも近くに身体を引き寄せようとする恋人に愛おしさを感じずにいられなくなる。
「折角の無人島……椿と思い切り夏を楽しまないと嘘だ。それは夜が更けても」
ミコトが椿に頬を摺り寄せる。外気とは違う、心地いい相手の熱。それが徐々に高くなっていくのをミコトは感じていた。
「ねえ椿、波打ち際まで行ってみよう」
「ええ。でも、実は海の中に入ったことがなくて」
途端に全身が力む椿。海に入ることに抵抗を覚えているようだ。
「怖いかい?」
優しくミコトが尋ねれば、椿は恥じらいながらコクリと頷く。
「……少しね。でもミコトくんが傍にいるなら怖くないもの」
「そう言ってもらえると光栄だ。それじゃ、慣れるためにもこの辺りに座ってみようか」
そこは波打ち際。波が押し寄せて砂を海原へ引き込む場所。
月光と僅かな炎に照らされた漆黒の海の端っこに座り込んだ2人は、波打ち際で水平線の向こうの世界を見渡す。漣と薪の爆ぜる音と、恋人同士の息遣いだけが聞こえる、そんな夏の夜。大自然の中に自分たちだけが取り残されてると改めて実感する。
「海も昼間とは匂いや音が違うのね。見てるだけでも楽しい……」
波が足首とお尻を反復的に過ぎ去ってゆき、その冷たさを心地良いと思い始めた椿の表情がリラックスしてゆく。
ミコトはタイミングを見計らって片手で海水を掬い取ると、椿の顔へ目がけて浴びせた。
「きゃ、ちょっと!」
驚いた椿が顔に浴びせられた海水を思わず飲み込んでしまい、塩辛さに舌を出して顔を歪めた。
「海水って本当にしょっぱい…じゃなくて! もう、いきなり何するの!?」
「ほら、折角の水着なんだから遊ばないと! 水遊び、昼間はできなかったからね! それそれ!」
無邪気にばしゃりと水飛沫を立て、ミコトが椿の全身をずぶ濡れにしてみせた。
これに椿が背を向けてガードの構え。からの……反撃態勢!
「……こっちには五本の尾があるの、天狗面がないと五倍お顔に直接かかっちゃうわ、よっ!」
銀色の狐尾5本を急速回転させれば、スクリューとなってミコトへ水飛沫を引っ掛けてしまう。
それは2本の腕では到底防ぎきれないほどの水量がミコトへ押し寄せてくる羽目となり、鍛え上げられた筋骨隆々な彼の身体が海水と月光でぬらぬらと怪しく輝きを放った。
「あふん……! もう……酷いじゃないか、椿」
「先に仕掛けたのはミコトくんじゃないの。これでおあいこよ」
「ふんだ、オレ、もう及ぶから!」
「えっ?」
ミコトが飛び跳ねる。まさか、そのまま椿を押し倒そうと?
椿は驚きながらも彼を受け入れようと両腕を広げた、その時だった。
ミコトは椿の脇を通過し、海原へと腕を掻き分けて泳ぎ始めたではないか。
「え、えっ? 及ぶって、まさか泳ぐの言い間違いなの?」
唖然とする椿に気付いたのか、水面から顔を出して手を振るミコト。
「うん、泳ぐって言いたかった! 及ぶって嚙んじゃったよ!」
「絶対わざとでしょ?」
疑う椿へミコトがクロールで砂浜へ戻ってきた。
そして耳元に顔を近付けると、甘い声で囁く。
「……言い間違えたのはわざとじゃないけど、誰も見てない大自然の中で……水着のまま『及ぶ』のも、今夜はいいかもね?」
「ばか……!」
恥じらいでミコトを思わず突き飛ばしてしまった椿。慌てて起き上がらせようとするが、そのままミコトに海中へ引きずり込まれてしまった。
「きゃっ! ま、待って、水の中で手は離さないで!」
パニックになりそうな恋人の手を優しく取って、面を外した素顔の天狗は語りかける。
「慌てないで。全身の力を抜いてね。そうすれば自然と身体が浮かぶから」
「う、うん……」
椿は言われるがままに全身の力を抜いてみせると、海水の浮力で水面を揺蕩い始める。初めて入った海での浮遊感に、椿は心なしか感動しているらしく目を輝かせていた。
「ね、泳ぐのって難しい? わたし、泳げないというか……泳いだことがないだけ、だもの」
「じゃあ、楽な泳ぎ方教えてあげる。大丈夫、この手は絶対に離さないよ」
見つめ合う2人は泳ぎの練習を始めると、あっという間に時間が過ぎてゆく。
早くも1時間が経過した頃には、椿も単独で水面に浮かんで背泳ぎくらいはできるようになっていた。
「満月と星空を眺めながら泳ぐのって気持ち良いかも」
達成感と満足感で椿の顔が恍惚としている。
「それに、夜の海は日に焼けなくて良いわね。昼間は暑くてかなり焼けちゃった……」
独り言ちている椿を、何かを期待してミコトが泳いで近寄ってくる。
そんな愛おしい彼の考えを見抜くように、布面積の少ない黒のビキニ水着に手をかける椿。
「……ふふっ、水着の下、どこまで日焼けしたか……見たい?」
「そんなの、みんな見たいに決まってるじゃないか!」
食い気味で答えるミコトの素直さに、椿は声を上げて笑ってしまう。
「もう、焦らないで? ……で、上と下、ミコトくんはどちらから見たいの?」
「それはもちろん……に、決まってるじゃないか」
ミコトが椿の耳元で回答すると、たちまち椿の顔が朱く染まってゆく。
椿が無言でこくりとうなずき、ミコトはそれを承諾とみなすと、2人は波打ち際まで戻った。
そして、砂浜で座り込むと互いの距離を詰め寄り、やがて2つの影がひとつに重なっていった。
その後、どのような事に『及んだ』のかは……夏夜に浮かぶ月と星々、そして2人だけの秘密である。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ルゥ・グレイス
【アリス一派】
アドリブ歓迎
ドローンを空へ限界高度まで飛ばしてカメラをオン、地球が球体であることがわかる高度からのライブ映像をテントに投射してのプラネタリウム。
情報監視用の仕組みの流用だが、少しくらいの話題にでもなればいいだろう。
終末図書館は人類滅亡後にその遺産を後世に残すため、現在から数えて10億年間の遺産保存機能を有しています。
その10億年をたった一人で管理できるよう、グレイスコーズには"絶対に一人で生きていくことができる"精神構造を搭載されています。
ある意味陵也さんとは正反対ですね。
だから、恋なんて初めから機能していなくて、そんなことを考える環境も必要もなかったんです。
これは友人の受け売りなのですが、恋に必要なものは理解ではなく直感なのだそうですよ。
だから【容量0バイトの恋愛感情】は成り立つのだとか。
この言葉の意味も、デートなんてイベントの本懐もまだ理解できてはいないけれど。
きっとそうも答えを急く必要はないのでしょう?
だから、まあ、また来ましょう?
地籠・陵也
【アリス一派】アドリブ歓迎
綺麗だな。
ルゥの魔術も、本物の星空も違いがわからないぐらい綺麗だ。
結局恋って何なんだろうな。
そういや、そもそも俺は"一人で生きていくことが絶対できなかった"から
恋人なんて本当に考えたことなかった……
あ、違うぞ。性格とかじゃなくて物理的な話。
院長先生に「長い間弟と離れないように」と強く言い聞かされて育ったんだ。
実際昔それで死にかけたことがあって。
多分……弟がいないと俺は生命を保たせることすらできない体だった、んだと思う。
今は何故かそんなことはないが。
だから弟でない誰かと隣り合うなんて考えたことなかった。
考えられる環境じゃなかったからな。
まあつまり、もっと経験と理解が必要だと思うんだ。
俺もアハトもルゥも、答えを出すには早すぎる。
あとやっぱり3人デートってそれデートって言わないと思うんだよ。
マンツーマンで2人で出かけるのも必要だと思う。
うん、絶対いる。
その方がお互い素をより出しやすいし、お互いのことがわかってくるんじゃないかな。
うん、絶対に答え出すのは早すぎる!(確信
アハト・アリスズナンバー
【アリス一派】
さて……夜ですか。
プラネタリウムも出てきて、大分良くなったんじゃありませんか?
なんかいろいろ話しますか。柄にもありませんが。
私は、母から愛を知りました。
ですがこのキャンプでも恋を知る事はありませんでした。
言ってしまえば、アリスズナンバーシリーズの特性で「アリスの意識パターン」を再生する都合上、誰かに恋をするという事が無いのです。お父様に狂ったアインの様な結末があるだけ。
データを狂わせる恋は必要ない。私は愛で戦う。それが私の結論でした。
お二人は恋についてどう思いますか?人にとって恋は必要でしょうか?
グレイスコーズは恋をする機能を備えていませんが、人間の陵也さんは、何か思いますか?
無人島の夜は更ける。人工の灯りがない大自然、焚火の灯りは一旦消して天上の星空を見上げる3人がいた。
「……綺麗だな」
地籠・陵也(心壊無穢の白き竜・f27047)は星空から降り注ぐ光を浴びたテントに浮かび上がる星座と見比べながら、自然の宝石箱を目の当たりにした。
「ルゥの魔術も、本物の星空も違いがわからないぐらい綺麗だ」
そしてちらりと、陵也はアハトの横顔を横目で見遣った。
「ありがとうございます。こっそり仕込んだ甲斐があります」
ルゥ・グレイス(終末図書館所属研究員・f30247)がドローンを空へ限界高度まで飛ばしてカメラをオン、地球が球体であることがわかる高度からのライブ映像をテントに投射してのプラネタリウム。昼間に刻んだ魔術はこのためであった。
情報監視用の仕組みの流用だが、少しくらいの話題にでもなればいいだろうと考えていたが……思いのほか好評を博してルゥも自然と笑みがこぼれた。
「さて、プラネタリウムも出てきて、大分良くなったんじゃありませんか? こういう夜は、なんかいろいろ話しますか。柄にもありませんが」
アハト・アリスズナンバー(8人目のアリス・f28285)は先程まで酒がないことを嘆いて不貞腐れていた。そんなアハトの様子を見かねてのルゥのプラネタリウムであった。
「じゃあ、オレからいいか?」
陵也が率先して発言を願い出た。
アハトは促すように右手を広げてみせた。
陵也は砂浜に寝転がって星空を見上げると、決して届かない夏の夜に浮かぶ輝きに手を伸ばす。
「結局恋って何なんだろうな。こうさ、目で見えてるのに手を伸ばしても掴めないっていうか。そういや、そもそも俺は“一人で生きていくことが絶対できなかった”から、恋人なんて本当に考えたことなかった……」
「陵也さん……」
「それって、何か身体に疾病でも抱えていたんですか?」
アハトは何やら勘繰って顔を背け、ルゥは純粋に陵也の身体の異常を心配し始めた。
これに陵也が慌てて手をひらひらを振って否定してみる。
「あ、違う違う。性格とかじゃなくて物理的な話。小さい頃、世話になった孤児院の院長先生に『長い間、弟と離れないように』と強く言い聞かされて育ったんだ。実際、昔それで死にかけたことがあって。多分……当時は弟がいないと俺は生命を保たせることすらできない体だった、んだと思う。今は何故かそんなことはないが。だから弟でない誰かと隣り合うなんて考えたことなかった。考えられる環境じゃなかったからな」
独り言ちる陵也。
双子との地籠兄弟は2人で互いを補うような体質をしている。死にかけたのも、それらが暴走したか何かしたのだと推測できた。
だから彼らにとって、自分の隣には兄弟がいることが当然であり、選択肢がなかった。
……しかし、猟兵へと覚醒して兄弟それぞれが埒外の存在へと昇華したからか、いつしか互いに単独で活動できる事に気が付く。
そこで陵也は世界の広さを思い知った。兄弟以外の絆を知った。人間関係の複雑さを知り、理不尽さに心を痛めた。
宿敵に心を食われて『喪失する恐怖感』だけが空白の感情に、再び様々な感情が溜まっていく。その結果……周囲から朴念仁と呼ばれた彼は、初めて特定の女性を意識し始めている。
そんな陵也の言葉に、ルゥが言葉を継ぐ。
「ある意味、僕は陵也さんとは正反対ですね」
前置きをしつつルゥは己の使命、そして己の在り方を語り始める。
「終末図書館は人類滅亡後にその遺産を後世に残すため、現在から数えて10億年間の遺産保存機能を有しています」
「じゅっ……!?」
「それは初耳でした」
面食らう陵也とアハト。
ルゥは頷き、テントに映し出されたプラネタリウムと実際の星空を見比べながら続ける。
「……その10億年をたった1人で管理できるよう、グレイスコーズには“絶対に一人で生きていくことができる”精神構造を搭載されています。10億年という膨大な孤独な時間でも寸分狂わずに、文字通り発狂せず、死ぬこともなく、肉体と平常心を保ち続けられてしまう。そんな普遍的な『異常性』を僕は抱えています。だから、恋なんて初めから機能していなくて、そんなことを考える環境も必要もなかったんです」
なぜなら、相手を求めたところで10億年間ずっと添い遂げられるわけがない。最初から恋などする必要がないと、ルゥは断言した。
それに呼応するように、アハトが胸の内をゆっくりと吐き出していく。
「私は、母から愛を知りました。ですがこのキャンプでも恋を知る事はありませんでした」
突然突きつけられる結論に、ルゥは興味深そうにアハとを見詰め、陵也はショックを受けて目を腕で覆ってしまう。
「……言ってしまえば、アリスズナンバーシリーズの特性で『アリスの意識パターン』を再生する都合上、誰かに恋をするという事が無いのです。もしもできたとしても、お父様に狂ったアインの様な結末があるだけ。データを狂わせる恋は必要ない。私は愛で戦う。|母様《アリス》が抱いた愛で私は『虚数』を殺す。それが私の結論でした」
アハトの決意表明の口調は決断的だ。
一厘のブレもない意志の強さは、とても気高く美しかった。
「お二人は恋についてどう思いますか? 人にとって恋は必要でしょうか?」
アハトがルゥと陵也に尋ねる。
「グレイスコーズは恋をする機能を備えていませんが、人間の陵也さんは、何か思いますか?」
陵也は溜息を吐いた。事実上、成立する前にフラれたようなものだ。意識し始めていただけに先制ブロックを食らって、うまく言葉が出てこない。
見かねたルゥが陵也の代わりに考えを述べた。
「これは友人の受け売りなのですが、恋に必要なものは理解ではなく直感なのだそうですよ。だから【容量0バイトの恋愛感情】は成り立つのだとか。この言葉の意味も、デートなんてイベントの本懐もまだ理解できてはいないけれど。……きっとそうも答えを急く必要はないのでしょう?」
「そうだ。まあつまり、もっと経験と理解が必要だと思うんだ。俺もアハトもルゥも、答えを出すには早すぎる……!」
ルゥのアシストパスに陵也は会話をワントラップして舵取りをしてみせる。
「つかさ、やっぱり3人でデートって、それデートって言わないと思うんだよ。マンツーマンで、2人きりで出かけるのも……俺達は互いを理解するために必要だと思う。うん、絶対いる。その方がお互い素をより出しやすいし、お互いのことがわかってくるんじゃないかな。それに、恋の延長線上に愛がある……気がするしさ。マザーも、アハトに人間らしさを知ってほしかったのかも……いや俺も恋愛がどうとか、正直掴み切れてないんだけどな。それこそ、天上の星を素手で掴むような気分だ。うん、やっぱり絶対に答え出すのは早すぎる!」
陵也は寝転んでいた上半身を起こすと、アハトの隣ににじり寄る。
「ハロウィン、クリスマス……正月に、バレンタインとかさ。これからイベント目白押しだ。アハトさえよければ、お、俺と……今度こそ、ふたりきりのデートをしてくれないか?」
胸が締め付けられそうになる陵也は、今まで感じたことのない緊張を味わっている。戦闘の高揚感とは違う、期待と不安が入り混じる未知の感覚。すべてが初めての体験であった。
陵也のアプローチに、ルゥもアハトの空いている隣に座り、好奇心を隠さずに尋ねた。
「だから、まあ、また来ましょう? 僕は2人でも3人でも、|知識欲《アーカイブ》が満たされるのでどちらでも構いませんよ」
もはや研究対象としてルゥはこの顛末を記録しようと面白がっている節すらある。
「……私がイケメンに挟まれるなんて、想定外でした。やっぱり酒を飲むべきですね。あ、ないんでした。終わった……」
アハトは自分の中でプツンと切れてしまうと、その場で瞬時に昏睡してしまう。
秒で寝たアハトに、陵也もルゥもしばし唖然としていたが……。
「……寝顔はすげぇ可愛いんだけどな。あー駄目だ、もどかしいなあ……」
「あはは……次のデート?には、アルコールの用意が必須ですね……僕は飲めませんけども」
「俺達も寝るか……」
「はい、寝ましょうか」
そのまま陵也とルゥは、アハトを挟んで仲良く川の字で就寝したのだった。
恋愛ビギナー達の夜は静かに更けてゆく……。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
オリガ・ホーリエル
アンナと一緒に(f03717)
夕食も終わって夜の自由時間…イチャつく時間ね!実は呪詛天使の方とは話したこと自体なかったから、この機会に交流してみるわよ。こら!逃げようとしちゃ駄目よ?
(呪詛天使の質問へ)
彼女の事はアンナからよく聞いてるし何より妹さんの事で何かを憎むというのは、当たり前のことだと思う。そんな彼女を怖いとは思えない。あと今日話してみて、彼女の事も好きになったし。
「あ、こら逃げるなって言ったでしょ!?」
(アンナの答えに)
あたしを思ってくれて事、嬉しいわ。でもあたしもアンナの事を思っている事だけは忘れないで。そしてまた動き出す為にも、もっと思い出を作りましょう。朝までこのまま二人で…。
アンナ・フランツウェイ
オリガ(f12132)と
どうも、呪詛天使よ。夕食後引っ込もうと思ったら、オリガに捕まり抱きしめられてる。恥ずかしいけど、この際気になる事を聞いてみるわ。私の事が怖くないか、私の事をどう思っているかについてね。
答えは私を受け入れ、同時に好意を持っているという真実。…アンナ、恥ずかしいから後は任せる!
「そんなことだけ私に押し付けないで!?」
元に戻れたし、前から考えていた事…もう一度猟兵として世界の醜さを理由に逃げたりせず戦うと言う事をオリガに伝えるよ。
だってこの2年間で知った色々な世界の景色、そして愛してるオリガの事を守りたいから。
「呪詛天使も気分次第で協力するって。約束は出来ないみたいだけど。」
オリガ・ホーリエル(黒き天使を支える水着メイド(アルバイト中)・f12132)は目を輝かせながら愛しい恋人を片時も話そうとしなかった。
「夕食も終わって夜の自由時間……つまりイチャつく時間ね!」
抱きしめられてちゅっちゅぺろぺろされ続けているアンナ・フランツウェイ(断罪の御手・f03717)……の中に宿る呪詛天使。
(どうも、呪詛天使inオリガの腕の中よ。さっきから私の耳とか唇とかちゅっちゅされまくてすごく恥ずかしいわ。手元も何気にいろいろとまさぐられてるし、アンナはいつもオリガとこんな事をしてるの? 愛情表現が過激すぎない?)
今、オリガのちゅっちゅぺろぺろの餌食になっているのはオラトリオのオブリビオンは、全く物怖じしないオリガを不思議に思っていた。
「んん~♪ やっぱり呪詛天使もかわいい~! 普段からあまり話す機会がなかったから、今はお互いの事を知るために『仲良し』しましょ? あら、身体ガッチガチにしちゃって……緊張してるの? 大丈夫! あたしに全部、任せて……」
「ねえ。ひとつ聞きたいんだけど、いい?」
呪詛天使は殺意を帯びた視線をオリガに向ける。
「私の事が怖くないの? 私の事をどう思っているの? その気になれば、アンタを拒絶して傷付けることだってできるのよ」
漆黒の翼が禍々しいオーラを纏う。
それは生命の危機を喚起するほどの脅威を感じさせるだろう。
しかし、オリガは笑顔で平然と言い放った。
「あなたの事はアンナからよく聞いてるし、何より妹さんの事で何かを憎むというのは……うん、当たり前のことだと思うわ。そんなあなたをあたしは怖いとは思えない。あなたがあたしを本気で傷付けようだなんて思えないし。あと今日話してみて、わたし、あなたの事も好きになったし♪」
「え、それって、ふぇえ……!?」
呪詛天使は恐らく初めて全肯定する相手に出会えた。そのまっすぐな愛情と愛撫に、感情がぐちゃぐちゃになって混乱してしまう。
思わずオリガの腕から逃げようとするが、しっかりがっちりホールドされて脱出は不可能だと悟った。
「あ、こら逃げるなって言ったでしょ!? こうなったらお仕置きね! ほら……アンナはここが弱いのよ? あなたはどうかしら……♪」
オリガのドS心に火が付くと、アンナの肉体の敏感な場所を容赦なく責め立ててゆく。
「んん……だめ……そんなとこ……! ひゃあぁぁん……っ!」
意識も肉体もトロトロに蕩けてゆく呪詛天使は、もはやオリガの従順な犬と化して切ない鳴き声を上げてしまう。
(い、いやぁ……! 恥ずかしい! 真正面から好きって言われるとすごく恥ずかしいわ! あとすごいテクニシャンなんだけど!? アンナ! ねぇアンナ!? 恥ずかしいから後は任せる!)
「そんなことだけ私に押し付けないで!? あぁん!?」
自我を交代した瞬間、軽く身体を痙攣させてしまったアンナ。
オリガは笑顔で最愛の女性の顔を背後から覗き込む。
「あ、おかえりアンナ♪ 反応ですぐわかるわ!」
「オリガには敵わないね……」
息絶え絶えになるアンナは、オリガと向き合って姿勢を正す。
「元に戻れたし、前から考えていた事を話すね……私はもう一度、猟兵として世界の醜さを理由に逃げたりせず戦うよ」
その目エメラルドグリーンの瞳は一寸の迷いもない輝きを湛えていた。
「だってこの2年間で知った色々な世界の景色、そして愛してるオリガの事を守りたいから」
アンナがオリガの両手を握って頷き、その決意を肌身で伝えた。
オリガもアンナの決意を否定する理由は一切ないわけで、藍も変わらず全肯定してくれた。
「あたしを思ってくれて事、嬉しいわ。でもあたしもアンナの事を思っている事だけは忘れないで」
「うん、忘れない。あ、呪詛天使も気分次第で協力するって。約束は出来ないみたいだけど」
アンナが僅かに笑顔を見せる。
「約束できないですって? それじゃあ……彼女を分からせるためにも、そしてまたアンナが動き出す為にも、もっと思い出を作りましょう。朝までこのまま二人で……」
「うん。オリガ……愛してる」
「あたしもよ、アンナ。この指が白くふやけるまで愛してあげるわ……♪」
「……やさしく、してね? 私も、してあげるから……」
満月に照らされたオリガとアンナの影がひとつに重なる。
それから朝日が昇るまでずっとさざ波の音に紛れて、2つの喘ぎ声がひっそりと響いていた……。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
メディア・フィール
【太陽の家】として参加。
他のPCとの絡みOK
プレイング改変・アドリブOK
ドラゴンの名のついた技を使うので、気になっていたドラゴン花火を楽しみます。
たくさん持ってきてもらっていたので、たくさん一度にやって大変なことになります。
ミフェットやティエルの置き花火型の打ち上げ花火やススキ花火も加わって、お祭り騒ぎ状態です。
その後は線香花火競争をして、眠った子をテントに運んでから、満点の夜空の下をもうひと泳ぎします。
「これが伝説のドラゴン花火か。竜の技を極めるには一度体験しておかないといけないって教えられたけど」
「わわっ、結構火が噴き出る! すごいよ、これ!」
「すごい星と海だ…。夢みたいな光景だな…」
ティエル・ティエリエル
【太陽の家】のみんなと夜もいっぱい遊ぶぞー☆
HANABI!
どーんってお空にお花が咲くヤツだ!
わーい、ボクもやるやるー☆
花火と聞いて、思っていたのと違ったけど、
ヴィクトリアやマコに遊び方を聞いて、用意スタートだ♪
ミフェットの置き型花火、しゅばばーって光ってキレイだー!
ボクもやっちゃうぞーと両手ですすき花火を持って、わー、すごいすごいーとテンションアップ!
最後はミフェットの頭の上で線香花火がぱちぱちしてるところを見てたけど
気が付いたらスヤスヤお休みモード。
昼間にもいっぱい遊んだからもうおねむさんだったらしいZzz
ヴィクトリア・アイニッヒ
引き続き、【太陽の家】で参加
陽も完全に落ちて、暗くなりましたね……。
人工の明かりが無い為か、空の星が良く視えます。
……見慣れた空とは、違う星空。これも世界を渡る醍醐味ですね。
花火に興じる子供たちを優しく見守りましょう。
自然の地です。火の始末はちゃんとしないといけませんよ?
ああ、それとゴミの始末も、ね?
子供たちを見届けた後は、火の番をしつつ静かに夜を過ごしましょう。
静かな闇夜に響く、自然の音。時折鳴る、火種が弾ける音。
その中に身を浸し、委ねる……贅沢な時間の使い方、ですね。
秋月・信子
●SPD
【太陽の家】UC継続使用
夕飯のお片付けと残り物を利用した朝食の準備を軽く済ませたら、今夜のメインイベント花火の準備ですね
早速姉さんが張り切ってティエルちゃん達に教えていますが、両手で手持ち花火を二刀流してはしゃいでますので、ああするとこんな目に遭うので止めましょうね?と三人に注意喚起しておきましょう
花火の締めは線香花火ですね
皆、あんなにはしゃいでいたのに最後は静かになって線香花火を見つめていましたが、線香花火同士を付け合せると火玉が大きくなることを教えるとまた賑やかになりましたね
姉さんが影に戻ってティエルちゃん達も寝かしつけたら、焚き火の近くでヴィクトリアさんと少しの間お話しましょうか
ミフェット・マザーグース
【太陽の家】のみんなと夜を過ごすぞー!
夏のレジャー情報をいっぱい調べて
ファミリー向けの花火セットをもってきちゃいました!
あっあっ、森とか燃えないように、後始末も注意!だよね?
……これで大丈夫?と、保護者のヴィクトリアやマコに確認をお願いしてから、おっけーがでたら花火スタート!
置き型花火でスタートするよ!
目の前でしゅばーって吹き出す火花の光がくるくる変わってすごく綺麗!
人工の灯りのない場所だから、すっごく花火の光が映えるねー
次はどの花火にする?
いっぱいいっぱい遊んだら、後始末してテントのなかで横になるね
わわ、ティエルが頭の上で寝ちゃってる、そーっと触手でもちあげて
小さなベッドでおやすみなさい……
「陽も完全に落ちて、暗くなりましたね……。人工の明かりが無い為か、空の星が良く視えます」
旅団【太陽の家】の母であるヴィクトリア・アイニッヒ(|陽光《たいよう》の信徒・f00408)は、視界いっぱいに輝く幾億の星空に心を奪われていた。
「……見慣れた空とは、違う星空。これも世界を渡る醍醐味ですね」
水着姿で開放的な気分にもなっているせいか、全身で大自然を感じてご満悦のヴィクトリアは、浜辺で賑やかな様子を見守る。
「海での花火……キャンプでの定番ですね。いろいろと持ち込んでいた気がしますが……信子さんが準備してますし、大丈夫でしょう」
母は花火の準備を見守りつつ、天上の星空の鑑賞をしばし楽しむのだった。
さて、こちらは花火会場。
「ミフェットね? 夏のレジャー情報をいっぱい調べて、ファミリー向けの花火セットをもってきちゃいました!」
「HANABI! どーんってお空にお花が咲くヤツだ! わーい、ボクもやるやるー☆」
ミフェット・マザーグース(造り物の歌声・f09867)とティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)は、はしゃぎながら花火セットをいくつも開封してゆく。
「花火か。もしかしてドラゴンの名がつく花火もあったりするのかな?」
ドラゴンの名のついた技を使うメディア・フィール(人間の姫おうじ武闘勇者・f37585)は、どこからか聞き及んだドラゴン花火に興味津々だ。
夕飯のお片付けと残り物を利用した朝食の準備を軽く済ませた秋月・|信子《まこ》(|魔弾の射手《フリーシューター》・f00732)は、ミフェットが持参した花火を検分してゆき、メディアのお目当てであるドラゴン花火を手に取った。
「これがドラゴン花火です。遊ぶときは十分な距離を取って風上に立ってくださいね」
「これが伝説のドラゴン花火か。竜の技を極めるには一度体験しておかないといけないって教えられたけど」
まじまじとドラゴン花火を見詰めるメディアに、ユーベルコードで呼び出した信子の影が忍び寄る。
「ふふふ……そのドラゴン花火に興味があるのね? 真のドラゴンの力が秘められた危険な花火よ。ちゃんと取り扱いは正しい手順でね?」
「う、うん……! やっぱり伝説と言われるだけあるなぁ! 大丈夫! ボクは正しい手順で着火するから!」
メディアは影の与太話を完全に信じ切って、花火側面の説明書きを穴が開きそうなほど熟読し始めた。
「姉さん……あんな噓を言って。すぐばれますよ?」
「いいじゃない。あれくらい素直な性格は大人になると眩しく思えるのよ……従順なボクっ娘って尊いわね。そう思わない?」
「やめてください。私、そういう属性ないはずなんですけど……!」
夏のキャンプでだいぶ影がはっちゃけている事に、信子は困惑しつつミフェット達に花火を渡してゆく。
「いいですか? 花火は風下に立つと、とっても危ないですよ。具体例として……」
「ヒャッホーゥ! ナイトパーリィ☆ファイアフィーバー! Fooooo!!」
影が手持ち花火二刀流で勝手に着火して花火を始めているではないか。しかも両手を振り回して光の残像を楽しんでいた。
「ねえ信子! 写真! 写真撮って! 絶対映えるからってあっつぅぅっ!?」
だが潮風で火の粉が舞い上がり、すべて影の身体へ殺到してきてしまった。
「早速姉さんが張り切って両手手持ち花火二刀流パリピムーヴしてはしゃいでますが、ああすると海風で火の粉を全身に浴びてあんな目に遭うので止めましょうね?」
「私、悪い例の見本!? てか燃えちゃうぅぅ!」
水着姿のまま、火傷を防ぐため影が海へダイブ!
そこへヴィクトリアから声が飛んできた。
「自然の地です。火の始末はちゃんとしないといけませんよ? ああ、それとゴミの始末も、ね? 海で消火してごみを流すなんてもってのほかですからね?」
「アッハイ……!」
影はしょんぼりしながら、濡れた花火を両手に持って浜へ戻って来るのだった。
そんな幕間にヴィクトリアへ駆け寄るミフェットが報告する。
「あっあっ、森とか燃えないように、後始末も注意!だよね? 水の入ったバケツ、おっけー! 風向き、おっけー! ヴィクトリアの許可は……大丈夫?」
上目遣いで尋ねたミフェットのつるつるした髪の頭を撫でるヴィクトリア。
「はい、よくできました。楽しんできてくださいね」
「やったー! ティエルー、おっけーだって!」
「よーし! 置き型花火からスタートだ☆」
「点火はボクに任せて! 伝説のドラゴン花火の説明を読み込んだからね! ここをこうして……点火!」
シュボボッと音を立てて導火線が炎で焼かれて短くなってゆく。そして……。
「うわぁ~! すごいすごい!」
ゆうに3mは吹き上がる虹色の火柱に、ミフェットとティエルはもちろん、メディアも目を奪われて感動していた。
「花火と聞いて、思っていたのと違ったけど、ミフェットの用意したこれもしゅばばーって光ってキレイだー!」
「わわっ、結構火が噴き出る! すごいよ、これ!」
初めてのドラゴン花火に大はしゃぎのメディア。
そこへ再び忍び寄る信子の影……!
「お客さん? あの火柱の中にこの手持ち花火を突っ込んでみ? ヤバいから!」
「姉さん、またそんな危険なことを……」
信子が止めようとするが、好奇心旺盛のメディアは手持ち花火を風上から火柱を突っ込む。
すると、引火した手持ち花火が赤と緑の炎を噴き上げて、虹色と混じって様々な炎色反応を見せてゆく。
「こ、これは属性変化!? ドラゴン花火にこんな可能性があったんだ!」
全然違うのだが、思い込みで感動するメディアを眺めて影が感極まっていた。
「やっぱりメディアってピュアよね……はぁぁ待って無理しんどい好き……推せるわ~」
「え、姉さん……泣いてるんですか?」
もはや自分の分身が分からなくなってきた信子である。
「ボクもやっちゃうぞー! わー! わー! すごいすごいー!」
ティエルも手持ち花火に点火して、白銀の火花を散らしながら風上を飛翔して闇夜に文字を描いてみせる。
「光の文字がミフェットのおめめにうかんでみえるよ! 目の前でしゅばーって吹き出す火花の光がくるくる変わってすごく綺麗! 人工の灯りのない場所だから、すっごく花火の光が映えるねー!」
「ほら、あまりはしゃぐと姉さんの二の舞になりますよ?」
苦笑しつつも、信子自身も手持ち花火の煌びやかな炎に見とれていた。
一通り派手な花火を転嫁し終えると、残りはわびさびある趣のある花火が残った。
「次はどの花火にする?」
ミフェットの声に、信子が残っていた線香花火を差し出す。
「こうやって、火玉が落ちないように、じりじりと瞬くのを見詰めるのも風情があるものですよ」
「線香花火! それも面白そう!」
メディアは真っ先に飛びつくと、さっそく着火して真っ赤な火玉を見詰める。
「……あっ! 落ちちゃった!」
「なんだか集中力がいるのかな? じっと見詰めちゃうと黙っちゃうよ……」
メディアもティエルも真剣な表情で線香花火と向き合う。
ミフェットに至っては、髪の毛を操って完全に潮風を遮って火玉を長持ちさせようと必死だ。
(皆、あんなにはしゃいでいたのに最後は静かになって線香花火を見詰めてますね……)
信子は思わず微笑んでしまう。その後ろで影が両腕を組んで仁王立ちするアレのポーズで後方理解者面をしていた。
「知ってますか? 線香花火の火玉同士をくっつけると……ほら、火玉が大きくなって激しく瞬くんですよ」
「「すごーい!」」
3人はすぐに信子と同じように火玉を大きくして再びはしゃぎ始めた。
だが楽しい時間はあという間にすぎる。
「そろそろ今夜は休みましょうか。後片付けはしっかりとしましょうね」
ヴィクトリアが子供たちの元へ歩み寄ればお開きの時間だ。
花火のごみをまとめて、テントの中へ戻って各自は寝床に就いた。
「わわ、ティエルがミフェットの頭の上で寝ちゃってる……!」
はしゃぎすぎたティエルは、線香花火を楽しむ最中で力尽きて親友の頭で眠っていたのだ。
「触手でそーっと持ち上げて……うん、おやすみなさい……」
一緒に眠る親友コンビは、きっと夢の中でも遊ぶのだろう。
そのころ、オトナ組は今日一日を労いながら、焚火の近くで火の番をしていた。
「姉さんもお疲れさまでした。……本当にお疲れ様でした」
「何よ、その残念そうな視線は? 信子だって内心はしゃいでいたくせして……」
「ユーベルコード、強制解除です」
「そんなー」
最後までなんだか残念な影であった。
「でも、影さんがはしゃぐもの無理もないですよ。静かな闇夜に響く、自然の音。時折鳴る、火種が弾ける音。その中に身を浸し、委ねる……贅沢な時間の使い方、ですね」
「そうですね。オトナ組の特権です」
うんと伸びをする信子へ、ヴィクトリアがグラスを差し出す。開けるのは極上の果実酒だ。
「こっそり持ってきたのですが、いかがですか?」
「それじゃ、少しだけご相伴に預かりますね」
こうしてオトナな無人島の夜が更けていった。
そんな中、メディアは夜の海を無心で泳いでいた。
ブルーアルカディアでは味わえない海と星空のコラボを、メディアは全身で満喫していた。
「すごい星と海だ……。夢みたいな光景だな……」
背泳ぎのまま、夜空へ手を伸ばすメディア。
|星空を見上げる者《スターゲイザー》。
異世界の大自然の美しさを、赤毛の少女は一生忘れないと心に固く誓うのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
カシム・ディーン
神機
「ご主人サマー☆なんでメルシー焚火の上で磔になってるのかな?」(ついさっき夜這いかました機神
てめーは懲りるって言葉を知らねーのか!?
可奈達と恋バナ
…あー…僕の恋か…(磔モードでも機神が聞き耳
僕は元々A&Wの盗賊団に所属してたんですが…奴らは普通に外道集団でしてね
容赦なく女の子を攫ってたんですよ
その中の一人…僕が直接捕縛した奴ですが…
姿は詳しくは言いません…ただ美しく…不思議な目をした女でした
そうですね…今思えば僕の未来さえ見透かすようなそんな不思議な目でしたね
ええ…僕のものにしたいと…ずっと傍に居たいと願いました
だから僕は手柄を手に入れる為…盗賊や諸々を粉砕する猟兵への潜入任務を請け負うことになったんです
まさか…僕がいない間に壊滅するとは思いませんでしたが(遠い目
…僕が戻った時には少なくともあの女はいませんでした
壊滅させた猟兵も誰かは分からないんですよね
「(若しかして…ご主人サマの未来を守る為にその子が…?そうだったらありがとうだね…☆)」(尚、火炙り状態でも寧ろ堪能してるドM機神
水島・可奈
【神機】
(UC継続中)
因果応報とはいえ、なんだこの磔は……邪神信仰か……
やれやれ、これでようやく落ち着いてオフを……
「可奈ちゃーん!みーつーけーたー!」(強烈タックル)
ふむぐぅっ!?
……ああそうだ、元々このリビティナ達が乱入してきたのが原因なんだった……!私の心の平穏のために……あと私がネタと思われないようにするために……
「可奈ちゃんどうしたの?顔が怖いぞ?」
リビティナ、ちょっと犠牲になってもらおうk
「おっとその手には乗らぬわ!ヘカテちゃんガード!……ってもう捕まってるー!?
可奈ちゃーん、どうして……お姉ちゃん悲しいよ……」
自分の胸に手を当てて考えてみようか。
ふー、これで今度こそようやくオフ気分……とはいえ話題に欠けるな……
え?恋?そうか、私唯一彼氏持ちか。
うん、あの人はいい人だよ、私をネタ扱いすることも多いけど、それはそれで一緒にいて楽しいというか、儀式を経て永遠を誓い合った仲というか……
テラやカシムは?恋とかしたことある?
……ってなんか神機達が騒がしいな……そんな刺激的なのかな。
テラ・ウィンディア
神機
「こういう夜の火は儀式でもよくつかわれるものです」
そっかー?エルフは火を嫌うことがあるけど…それでもおれにとっては相性がいいんだよな…ってか流石にメルシー磔は絵面としては地獄すぎないか…?
「まぁメルクリウスですし?(むしろご機嫌な鬼畜機神」
って可奈…?(若しかして…キレてる…?
「さすがに調子に乗りすぎですねリビティナ様は?ふふ、リビティナ様?主に処される気分はどうで…ちょ!?(巻き込まれ機神!」
ヘカテーー!!??
「ぅううう…テラ…危ないので無理に助けなくて大丈夫です…このヘカテイア…この程度の炎でやられたりはしません!…あちちちちちっ」
【属性攻撃】
…(こそっと炎属性をヘカテに付与して炎ダメージ軽減
「テラ…(ぶわっ)」
恋…か
あの黒騎士アンヘルに…おれは憧れてるな
このおれを容赦なくねじ伏せた黒騎士…おれは悔しさと同時に…凄く憧れたんだ
だから…何時か…おれはアンヘルと再戦したい
あいつと同じ技で…全てをかけて戦いたい…これは…恋、とは違うのかな…?
「感情の昂ぶりが恋なら…それも恋ですよテラ」
――無人島の深夜の出来事。
「ご主人サマー☆ なんでメルシーは焚火の上で全裸のまま磔になってるのかな?」
「てめーは懲りるって言葉を知らねーのか!?」
万能魔術砲撃兵装『カドゥケウス』で火属性念動光弾を乱射する残念な被害者男性が泣き叫ぶ。
「何これ……? 正気の沙汰じゃないんだけど……?」
魔砲の発射音と男女の悲鳴で叩き起こされた水島・可奈(少女自由に夢幻を掴め・f01117)はキレていた。それはもうブチギレしてた。燃え盛る焚火の中へ太い流木を膝蹴りで真っ二つに粉砕して火にくべるくらいには大激怒していた。
「因果応報とはいえ、なんだこの磔は……邪神信仰か……洋ゲーにありそうなシチュじゃん、ザ・フォレストじゃん」
両目のハイライトが消え失せた可奈の視線は、焚火の中心で磔にされているメルシーの姿へ突き刺さっていた。
ただならぬ雰囲気の可奈に、事態を全く呑み込めてないまま目が覚めたテラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)が慄いている。
(もしかして、可奈……怒ってるのか?)
戸惑うテラの隣でにやけているヘカテイアは、恍惚とした表情で燃え盛るメルシーを眺めて言葉を漏らす。
「ああいった生贄は、こういう夜の火は儀式でもよく使われるものです」
「そ、そうなのかー? エルフは火を嫌うことがあるけど……あ、それでも火属性を得意とするおれにとっては相性がいいんだよな……ってか流石にメルシーの磔は絵面としては地獄すぎないか……?」
「まぁメルクリウスですし? ああぁ~メルクリウスの苦しむ顔を見ると……私まで体が火照って……ゾクゾクしちゃいますね? ふふ……もっと苦しまないかしら?」
朱に交われば赤くなる、という言葉がある。まともだったはずのヘカテイアの性癖が開花してゆくのは、間違いなくメルクリウスとの邂逅が原因だと、サディスティックに興奮する相棒をテラは真顔で見詰めながら確信していた。
「カシム……お願い、もう1度だけ何が起こったのか、説明してくれる? 寝起きの状態に対して情報量が多すぎる……」
一方、怒り心頭の可奈の背後は禍々しいオーラが立ち昇っている。このまま悪霊オブリビオン化するんじゃないかと思わせるほどの剣呑さに、カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)は何故か半裸のままげっそりしたまま説明してくれた。
「ついさっき……メルシーに夜這いされたんですよ……用心して結界と罠まで張ったのに、軽々と突破されて……ああ、死にたい……」
「ご主人サマ、いっぱい出したね❤ まだメルシーのおなかの中に熱い感触が残ってるよ……♪」
「まだ焚火の火力が弱いようだな? 炎のルーンをあと10個くらい書いとくか……」
「アババババーッ!!!」
衝撃の事実を口にしたメルシーに、殺意の業火をくべるカシム。こいつ、マジだ。
メルシーは悲鳴を上げながらも、自分の肉体が焼け焦げる苦痛に快感を覚えて、股の間からドバドバと体液を漏らし続ける。
そして可奈は夜の無人島で天を衝くが如き咆哮を上げた。
「……そうプレイは家でやんなよ!」
「プレイじゃねーですよ! 犯罪行為ですよ! 僕は被害者ですが!?」
「そうだぞっ! ただメルシーは自分の穴の中にご主人サマの棒を出し入れしたオトナの遊戯をしてただけだぞ☆」
「それが夜這いだって言ってるだろうがっ! くそっ……不覚にもイッちまった……死にたい……」
「やっぱ地獄じゃねーかっ!!! 歯ァ食いしばんなよ! オラァッ!!!」
可奈はカシムに喉輪で掴んで立ち上がらせると、そのまま鳩尾に混信のボディーブロー!
「グワーッ!? なんで僕が!?」
唐突な理不尽な暴力にカシムが砂浜に転げ落ちる!
「ハァ――ハァ――! 私の貴重な夏休みを……オフを……台無しにしてくれるなんて……その命を持って償うしかないですよね? あなた、死ぬ覚悟はできてますか?」
可奈の姿が力天使の姿へ覚醒してゆく……まさか、ここでオーバーロードによる真の姿を曝け出すのか!?
「そうですよ。大体、メルシーのせいで作為的に同じ島に私を引き寄せたのが悪いのです。ならカシムもメルシーも殺して、静かな無人島キャンプを取り戻さなければなりません。殺しましょう、そうしましょう」
殺意MAXの力天使カナエルを前に、半裸のカシムが口をあんぐり開けたままガタガタと全身を震わせる!
「アイエエエッ!? まだ死にたくない! 金銀財宝にと世界中のムチムチボインなお姉さんのハーレムルートを確立させるまでカシムさんは死ねません!!」
「ちょ……あれ、止めないとまずくないか!?」
さすがにテラが止めに行こうとしたその時だった。
可奈の背後から第三者がアサシンめいた無音ムーブで忍び寄ると、そのまま可奈の首を腕で締め上げてゆく!
「は~い、ストップ♪ 可奈ちゃーん! みーつーけーたー! えいっ♪」
「がフッ!?」
可奈の頭が左方向120度の角度へ捩じ回され、その場に昏倒してしまう。
抱きついたのは可奈の相棒である冥光神機『リビティナ』……の少女形態であった。
「あ、首の骨折れちゃった? 失敗失敗♪」
すぐさま女神の蘇生魔術で事なきを得た可奈は、オーバーロードが解除されて元の姿に戻った。そしてすべてを理解する。
「……ああそうだ、元々このリビティナ達が乱入してきたのが原因なんだった……! 私の心の平穏のために……あと私がネタと思われないようにするために……」
「可奈ちゃんどうしたの? 顔が怖いぞ? お水呑む? あとネタキャラをいまさら否定するのは見苦しいよ?」
地雷を踏み抜きながら甲斐甲斐しく未開封のペットボトルの水を手渡すリビティナ。
そんな女神の側頭部を愛銃のグリップで殴打する可奈!
「イヤーッ!」
「ンアーッ!? な、何するのよ可奈ちゃ……」
そんな痛がるリビティナを指差してゲラゲラ笑う元部下、ヘカテイア。
「さすがに調子に乗りすぎですねリビティナ様は? ふふ、主に処される気分はどうです? これでヘカテイアと同レベルですね!」
「さっき仲直りしたのに、あなたって本当そういうとこ嫌いよ!」
神機同士が吠え合う最中、可奈が割り込んで一喝する!
「まだ話は終わってないんだけど! しれっと頸椎が折れるまで私の首絞めてんじゃないよ! リビティナ、反省を促すためにちょっと犠牲になってもらうよ!」
掴み掛ろうとした可奈が手を伸ばす。
しかし、目の前の女神が急に漆黒の冥界の女神ヘカテイアに入れ替わる!
「えっ! ちょ、ヘカテ避け……」
「ちょ、無理です~!」
可奈に突き飛ばされたヘカテイアが炎の中へダイブ!
「グワーッ火傷!」
磔にされたメルクリウスの下で火達磨になってもがく冥府の女神!
「大丈夫か、ヘカテ!?」
駆け寄ろうとするテラが従者を救助に向かうが制止される。
「大丈夫です! ですがテラ! 危ないので無理に助けなくて問題ありません……このヘカテイア……冥府の業火を知る身として、この程度の炎でやられたりはしません! ……あ、でもやっぱ熱い! あちちちちちっ」
救いを求めるヘカテイアに、テラは真顔で魔術式を発動させた。
「ヘカテも反省しような?」
最低限の火炎耐性をヘカテイアへ施し、テラは焚火にあたりながら星空を眺め始めた。
今日一日テラにやってきたことを考えたら、残念ながら当然の結果であった。
「テラ……私が至らないばかりに……ふふ、いいでしょう。この三界神機『ヘカテイア』……現世の炎に焼かれることで本日の醜態に対する手痛い教訓を得んとしましょう……」
「ふふ、ヘカテちゃん? いい気味ね? 私が『相転移』の権能を持ってるのを忘れたでしょ? 私自身と特定の対象を瞬時に入れ替える……すごく便利よね? ユーベルコードで組み込めればもっといいのだけど♪」
得意げのリビティナは勝ち誇った顔で可奈の下へ歩み寄ろうとした。
だが、リビティナの身体は焚火の中へと一気に吸い込まれていったではないか!
「きゃあぁっ!? しまったわ! ヘカテちゃんの権能は……」
「ええ、『重力操作』です! さあリビティナ様? 現世の業火を浴びるのも悪い心地ではありませんよ、ふふ……? モウハナシマセンヨ??」
「いやー! 病みドSモードのヘカテちゃん怖いーっ! あつつつつ!」
哀れリビティナ、炎に吸い込まれて仲良く他の神機たちと一緒に燃え盛る!
リビティナは助けを可奈へ求めるが……。
「たすけて可奈ちゃーん!」
「やだ」
食い気味で拒絶されてしまった。
「どうして……お姉ちゃん悲しいよ……」
「自分の胸に手を当てて考えてみようか」
こうして、三神機の丸焼きを背に、猟兵3人は別に火を起こして焚火を囲み始めた。
「……ふー、これで今度こそようやくオフ気分……とはいえ話題に欠けるな……夏の大三角形でも探す?」
「僕は星空には興味ねーですし」
「おれ、コイバナってやつをやりたいぞ!」
お年頃のテラが目を輝かせている。
武闘派ガールのテラだが、その内面は実は乙女で女子力が高いのだ。
「そういや、可奈は彼氏がいましたよね?」
「カシム、それ今聞く? ……そうか、私、唯一彼氏持ちか」
相棒のおかげで特定の会人ができそうにない不憫なカシムと、恋に恋するお年頃のテラとは違い、着実にお相手と愛を育んでいる最中の可奈は、まず手本として自分から恋バナを切り出した。
「……うん、あの人はいい人だよ、私をネタ扱いすることも多いけど、それはそれで一緒にいて楽しいというか、儀式を経て永遠を誓い合った仲というか……」
「儀式ですか? 天才魔術盗賊のカシム様としては気になりますね?」
「おれも! どんな儀式なんだ? てかプロポーズされたのか!?」
「急にどうした? 2人とも興味津々じゃん……」
可奈はところどころはぐらかしながら、その儀式の内容を掻い摘んで話した。
――恋人は今や器物が朧げな存在のヤドリギの男性で、可奈自身に自分の素性を打ち明けたうえで婚礼の儀を唐突に持ち掛けた。剣の形を象った彼の器物に対する鞘を彼から渡された可奈は、それを戸惑いながらも受け取り、しばらくしてから彼を受け入れる鞘の役割を誓ったのだ。
「あ~、恥ずかしい……私の話はおしまい。で、テラやカシムは? 恋とかしたことある?」
これにカシムは急に渋い顔をして、テラは呆けて星空を眺めてしまう。
「恋……か。恋と言えるか分からないけど……あの黒騎士アンヘルに……おれは憧れてるな」
それは猟兵達が最初に対峙した銀河世界での大戦にて、過去を操る銀河帝国幹部の強敵であった。当時の猟兵達は大苦戦し、今でも語り草になるほどの猛威を振るった。かくいうテラも、全く歯が立たなかったひとりだ。
「このおれを容赦なく捻じ伏せた黒騎士……おれは悔しさと同時に……凄く憧れたんだ。だから、おれは黒騎士のユーベルコード……悔恨『消えざる過去の痛み』を習得したんだ」
「でも、黒騎士アンヘルはもう死んだよね?」
可奈の疑問にテラが頷く。それは肯定とは少し経路の違う意味合いを持っていた。
「ああ……でも何時か……アンヘルが蘇る気がするんだ……他のオブリビオンが、黒騎士の力を使っているのを見てきたからな……だから、おれはアンヘルと再戦したい。あいつと同じ技で……全てをかけて戦いたい……これは……恋、とは違うのかな……?」
にっこりと微笑むテラに、可奈が首を傾げた。
「それって……どうだろう?」
「感情の昂ぶりが恋なら……それも恋ですよテラ?」
「うわぁ! 燃えながらアドバイスしにきたぁ!?」
可奈の背後に、火達磨のヘカテイアが佇んでいる。完全にホラーだ。
「驚かせてごめんなさい。では、また焼かれてきますね?」
「律儀に焼かれるために戻るんだ……本当にコメントするために来ただけなんだね……いやそこまでやるなら海に入って火を消して大人しくしてればいいじゃん……? なんで???」
可奈はもはやツッコミ疲れでぐったりしている。
残るはカシムの恋バナだ。
これには磔にされているメルシーの耳もスピーカーのように大きくなっている。
「……あー僕の恋か……」
背後で聞き耳を立てる相棒を無視しながら、カシムは自身の過去にまつわる話を始めた。
「僕は元々アックス&ウィザーズの盗賊団に所属してたんですが……奴らは普通に外道集団でしてね、容赦なく若い女の子を攫ってたんですよ。竜の神の御子を授ける母体にするため、とか、実験材料とか、単に慰み者にするためとか、まぁ思い付く限りの最低な理由で周辺の村落から毎日人攫いをしてました」
カシムは自身の生い立ちはメルシーに対しても口にしない。
こうして他者の前で打ち明けるのはとても珍しい。
「そうやって毎日若い女の子を拠点に集めていた中、たった一人……僕が直接捕縛した奴ですが……姿は詳しくは言いません……ただ美しく……不思議な目をした女でした」
「で、どんな目立ったのさ?」
可奈の問いにカシムはしばし黙した後、ゆっくりと答えた。
「そうですね……今思えば、僕の未来さえ見透かすようなそんな不思議な目でしたね」
「それってグリモアのような?」
「……今思えば、そうかもしれません」
可奈の言葉にカシムは確証を得ない口ぶりで告げた。
「カシムはその子がきれいだから攫ってきたのか?」
肯定の首肯をするカシム。
「ええ……僕のものにしたいと……ずっと傍に居たいと願いました。だから僕は手柄を手に入れる為……盗賊や諸々を粉砕する『猟兵』の潜入任務を請け負うことになったんです」
「それって、まさかオブリビオンの手先だった……?」
驚く可奈の発言を無視し、カシムは言葉を継ぐ。
「それが……僕がいない間に拠点が丸ごと壊滅するとは思いませんでしたが」
「なんで!?」
「可奈が驚くのも無理はありません。僕も当時は同じ反応をしました……」
思わず星空を眺めてしまうカシムであった。
「……僕が戻った時には、少なくともあの女はいませんでした。残されたのは、夥しい数の同胞の死体の山、そして……瀕死の怪我を負ったアイツ。アイツも、僕に意味深な言葉を残して何処かへ姿を消しました……あと、未だに壊滅させた『猟兵』も誰かは分からないんですよね」
「……カシム、それ、本当に猟兵の仕業なのか?」
テラが率直な意見を述べた。
「というか、カシム達が追いかけていた存在が本当に猟兵だと確信持てるのか? そのアイツってやつに騙されていたんじゃないか?」
テラの可能性にカシムは思考にノイズが走る。
「……僕が対立してたのは猟兵だと、アイツは言ってました。でも、それじゃ前提がそもそも崩れる……? アイツは僕らを何らかの計画の駒にしようとしていたのは事実で、実際僕を廃棄処分だと言い放ちやがりましたですし、まさか……僕は……あの時、何と戦っていた……?」
混乱するカシムの様子に、燃えながら見守るメルシーが無言で全てを察する。
(もしかして……ご主人サマの未来を守る為にその子が……? そうだったら、ありがとうだね……☆ ところで火炙りって癖になりそう☆ あ、メルシーもうダメ……! ンンンン~ッ❤❤❤)
† 悔 い 改 め て †
「ぎゃああぁぁっ! メルクリウスの体液が顔に掛かりました!」
「汚いわね! このドM神機が!」
「……ってなんか神機達が騒がしいな……そんな刺激的なのかな?」
可奈は|暇を持て余した神々の遊戯《たんなるほうちSMぷれい》にうんざりするのだった。
大成功
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ビスマス・テルマール
【なめろう餃子】
夜のキャンプと言えば、天体観測でしょうか?この鎧装が魚座だから、ある意味赴きといては良いかも知れません。
光源を事前に用意していたキャンプ用ランタンに止めて、焚き火を消して
キャンプ飯の残りを摘まみに、エミリさんと天体観測を楽しみましょう
と、あれこれやっている間に、魚座が出てきましたが、綺麗ですよね。
魚座型鎧装を纏ったまま『空中戦&パフォーマンス』している所を誰かに撮影して貰えば……って、カメラ撮影出来るのわたしだけしゃないですかっ!
どうしましょう、かくなる上は
エミリさんに魚座型鎧装を来て貰って
……カメラのご当地怪人をUCで呼べばですか?確かにそれは妙案でしょうか?
と言う訳で、UC発動
カメラのご当地怪人を召喚して
夜空と星座とわたし達への『撮影』を
お願いしましょう
なんで達ですかって?
勿論エミリさんにも着て貰うに決まっているじゃないですか、そのままの姿でやるなら、交互に着替えっこするのも妙案かもと
エミリさんも、鎧装着なれている(真の姿的に)でしょうし。
※アドリブ絡み掛け合い大歓迎
エミリロット・エカルネージュ
【なめろう餃子】
天体観測もロマンチックだよね、あっ……キャンプ飯の残りなら、なめろう餃子とか、きりたんぽとか残ってるし
甘酒(ノンアル)も用意してるビスちゃんもちゃっかりしてるよね
魚座になめろう、ある意味、組み合わせ的に神がかっている気がするよ、と楽しんでる所でビスちゃんの案も思い出に残りそうだし
ビスちゃん、写真撮影得意だもんね
でも……写真に写るのビスちゃんじゃ……ボクは撮影ド素人だよ?
ボクがビスちゃんの魚座型鎧装を?それをするなら、ビスちゃんが怪人を召喚した方が良いんじゃない?
と言う訳でビスちゃんの夜空と共に撮影を見守るけど、魚座をバッグに良い感じに飛んでいるし、さすがプロなのか撮影された写真も見事な感じだよねっ!
そう言えば……達?って言っていたけど、やっぱりボクも?確かにボクも鎧装着なれてはいるけど、水着を交換するんだったら、ビスちゃん……胸元的に大丈夫?後、尻尾はUCでだし
あっ、ビスちゃんが羞恥心で固まった
うーん、どうしよう?ボクも少し大胆かなって思うけど
※アドリブ絡み掛け合い大歓迎
ルインク・クゼ
焚き火を囲んでのキャンプも始めてやったけど、以外に焚き火を見るとリラックス……って台詞
焚き火の火の癒し効果とか、事前知識無い人が聞いたら、危ない人に見えそうやね。
『ぷぷう!』
ヒナスミちゃんも、綺麗やと思う?
夜のキャンプの風景も含めて幻想的やと
思うんよ
あっ、お茶まで容れてくたん?
有難うな。お茶請けも少し
持ってくれば良かったかも
今日に至るまで色々あったなぁ、ご当地ヒーローの修行の一環や、あたしの過去を探す目的も猟兵になる目的でもあったけど
妲己ちゃんの事は、ビックリしたと同時に不憫としか……
(脳裏に変態ユニバースなサンモトが割り込んできて、その幻を無言で掴んで、焚き火に投げ飛ばす)
余計な事思い出してしまった様な
『ぷうぷー?』
あっ、うん……あたしは大丈夫、ちょっと変な幻を見ただけやから、あの世界あんな変態ばかりなんやろうか?
気をまぎわらす為にも
《オクトインクブレイド改》で【達筆】で花火を書いて打ち上げ花火をしてみよ
あたしらしか居ないなら、回りに迷惑は掛からんやろうし
[アドリブ絡み掛け合い大歓迎]
ビスマス・テルマール(通りすがりのなめろう猟兵・f02021)とエミリロット・エカルネージュ(この竜派少女、餃心拳継承者にしてギョウザライダー・f21989)は、夜の無人島を満喫していた。
「夜のキャンプと言えば、天体観測でしょうか? 私の水着、もとい鎧装が魚座だから、ある意味、趣としてはうってつけでしょう」
「天体観測もロマンチックだよね、あっ……キャンプ飯の残りなら、なめろう餃子とか、きりたんぽとか残ってるし、それを摘まみながら星空見上げよっか?」
「いいですね。エミリさんはちゃっかりしてますね。実は私、甘酒を持ってきました。未成年同士ですので、今夜はこれで『晩酌』と興じましょう」
ビスマスが甘酒の紙パックを持ってくると、エミリロットは夕食で作った料理の残りを紙皿に乗せて配膳してゆく。
「甘酒も用意してるビスちゃんもちゃっかりしてるよね? それにしてもボラの鎧装で魚座って、なめろうにもかかってて、ある意味、組み合わせ的に神がかっている気がするよ」
「ありがとうございます。それでは、ランタンと焚火を消して……これで月と星の灯りだけになりましたね」
ビスマスがテントの灯りをすべて消せば、頭上にはダイヤモンドが散りばめられたかのように輝く満天の星空と、夜空を穿つ満月が浮かんでいた。
「……きれいだね、ビスちゃん。あ、あっちの水平線にところどころ見える灯りって、もしかして?」
「他の猟兵の方々の野営地かもしれませんね。そういえば、ルインクさんがソロキャンプに挑戦するとおっしゃてました。もしかしたら、あのどこかの灯りがルインクさんの島かもしれませんね?」
「へぇー、ルインクちゃん、チャレンジャーだね?」
二人は真っ暗な水平線に浮かぶ小さな灯りと、頭上の幾万もの輝きを見比べながら、しばし無言で大自然を満喫するのだった。
一方、ルインク・クゼ(蛸蜘蛛のシーアクオン参號・f35911)は相棒の巨大真蛸のヒナスミちゃんと一緒に、焚火を囲んでリラックスしていた。
「焚き火を囲んでのキャンプ……初めての体験やけど、これ……意外とリラックスできるんやね……あたしも体験するまで半信半疑だったんよ。だってずっと火を見詰めてるだけやんか。そないなことでリラックスって、放火魔やないんやし……ちょっと変な人にみられると思うとったんよ」
ルインクは焚火の癒し効果を肌身で感じると、相棒へ同意を求めた。
「ヒナスミちゃんも、綺麗やと思う?」
『ぷぷう!』
「あ、あんまり近づいたらあかんよ? 焼きダコになってまうから……」
『ぷうぅ!』
「ああ、悪かったって。ヒナスミちゃん、賢いもんなぁ」
地上で浮遊する巨大真蛸は、さも自分は賢いぞと言わんばかりに8つの触手を持ち上げてみせた。
「まぁ、それにして、夜のキャンプの風景も含めて幻想的やと思うんよ。って、あっ、お茶まで容れてくたん? ヒナスミちゃん、有難うな。そないな事やったら、お茶請けも少し持ってくれば良かったかも」
夜の無人島、潮風で奪われる体の熱をアツアツの梅昆布茶で補う。
体の奥から温まるのを感じると、ルインクはこれまでの猟兵生活を振り返り始めた。
「今日に至るまで色々あったなぁ、ご当地ヒーローの修行の一環や、あたしの過去を探す目的も猟兵になる目的でもあったけど……それでも、妲己ちゃんの事は、ビックリしたと同時に不憫としか……え?」
突如、ルインクの脳裏に変態ユニバースなサンモトが割り込んでくるので、その幻を無言で掴んでイヤーッサヨナラッ爆発四散ッと焚き火に投げ飛ばした。
「……あかん。余計な事思い出してしまったやん……」
『ぷうぷー?』
心配そうに寄り添ってくれるヒナスミちゃんに、ルインクは笑顔を向ける。
「あっ、うん……あたしは大丈夫、ちょっと変な幻を見ただけやから。……あの世界、あんな変態ばかりなんやろうか?」
それ以降、炎を見ても変態ユニバースの幻影共がランバダを踊る光景が目に浮かんでしまう。
かなり毒されてしまったな、とルインクは炎から星空へ視線を向ける。
すると、別の島から、見覚えのある輝きが天高く昇ってゆくのを発見するのだった。
再び場面はビスマスとエミリロットの島へ。
「あれこれやっている間に、魚座が出てきましたが、綺麗ですよね」
ビスマスが指を差すが、エミリロットはいまいちピンとこない様子。
「ええと、ビスちゃんが空を飛んで、どのあたりかを囲ってくれると分かりやすいかも?」
エミリロットの唐突な無茶ぶりに、最初は戸惑うビスマスであったが……よくよく考えれば、無人島で飛行制限のない夜空を存分に飛べるのは贅沢な気がしてきたのだ。
「いいでしょう。主砲のなめろうビームで魚座を囲ってあげます!」
『Local Hearts……Piscesッ!』
持参してきたディメンション・ローカルドライバーにボラ・ガジェットをセット!
「捨てるところのないボラの恩恵をこの身に……|生成《ビルド》ッ!」
纏っていた水着代わりの鎧装の出力を急上昇させると、背中のブースターから炎を噴き上げて夜空へ飛び上がった。
そして主砲のビームを夏の夜空に向けて放つと、魚座をぐるりと取り囲んだ。
「ここです! ここが魚座です!」
「すごい! とても分かりやすいです!」
眼下のエミリロットは大はしゃぎだ。
ビスマスはふと、この自分の様子を写真に収めたいと考える。
だが、自分の手元にカメラがあると気が付き、愕然とする。
「これでは自撮りしかできません! エミリさーんっ! すみませんが、地上から私の写真を撮ってくれませんか?」
カメラを上空から落とすビスマス。
それをヒョイとキャッチしたエミリロットは、ビスマスへ向けて大声で助言した。
「ビスちゃん、写真撮影得意だもんねー? 別にいいけどー、ボクは撮影に関してはド素人だよ? 他に手があるはずだよ? たとえばボクがユーベルコードで飛ぶとか?」
「なるほど! でしたらエミリさんにこの魚座型鎧装を来て貰って……」
「いやいや、ビスちゃんが怪人を召喚した方が良いんじゃない?」
これにビスマスは目から鱗が落ちる。ボラだけに。
「カメラのご当地怪人をユーベルコードで呼んで撮影、ですか。確かにそれは妙案でしょうか」
早速、ユーベルコード『グローバル・ローカルユニオン』で秋田県が誇るカメラメーカーご当地怪人を召喚すると、ビスマス達の撮影を依頼した。
「え、私たちって、ボクも?」
キョトンと呆けるエミリロットへ、ビスマスが手を差し伸べる。
「さっき言った通り、魚座型鎧装を来てもらうんですよ。せっかくなら交互に着替えっこするのも妙案かもと。エミリさんも、鎧装を着慣れているでしょうし」
これにエミリロットはビスマスの手を取って確認した。
「確かにボクも鎧装を着慣れてはいるけど、一応これ水着だし……水着を交換するんだったら、ビスちゃん……胸元的に大丈夫? それと、尻尾とか。お尻丸見えになっちゃうよ?」
「えっ!?」
ビスマス、クリスタリアンとファー系ドラゴニアンの種族差やエミリロットとの体格差を思い知って愕然としてしまう。
「あっ、ビスちゃんが羞恥心で固まった。うーん、どうしよう? ボクも少し大胆かなって思うけど」
「……私は遠慮しますね。エミリさんだけ魚座鎧装を……」
「う、うん……なんか気を遣わせちゃってごめんね?」
女子同士のいろいろな差を思い知った二人は、いそいそと変身して空へと飛び立っていった。
地上ではカメラご当地怪人が望遠レンズで2人を激写中だ。
「魚座をバッグに良い感じに飛んでいるし、さすがプロなのか良い感じに撮影してくれて見事な感じだよねっ!」
「そうですね、エミリさん。って、おや? あの花火は?」
ビスマスは、とある島から花火が上がる様子を目撃する。
気になってその島の上空へ向かってみると……。
「なんや、おふたりともお揃いで。奇遇やね……?」
ルインクが筆型宝剣オクトインクブレイド改で空中に『花火』や『八尺玉』などと書いて空へ打ち上げていたのだ。
「あたしらしかいないと思ってから、びっくりなんよ」
「ルインクちゃん、花火楽しそう! もっと上げてくれないかな?」
エミリロットの願いにルインクは快諾し、より一層の筆遣いを見せる。
「ほなら、ナイアガラ花火をお見せするんよ! ヒナスミちゃん、あたしを夜空に連れてってな?」
『ぷぷぷぅ!』
巨大真蛸に乗ったルインクが、夏の星空へサラサラと墨を走らせる。
すると、描いた線から白銀の火花が横一列に、まるで滝のように漆黒の海へ降り注いでゆく。
すかさずカメラ怪人がシャッターを下ろせば、ビスマスとエミリロット、そしてルインクの3人のバックに、ナイアガラ花火と星空のコラボが映える最高の思い出ができたのだった……。
<了>
大成功
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