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夏なんだから割るしかないだろスイカを!!

#グリードオーシャン #お祭り2022 #夏休み #人間大砲 #スイカ割り

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#スイカ割り


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●だって夏なんだもん。
「夏だからスイカ割りしようぜ!」
 海老名・轟(轟く流星・f13159)は開口一番にそんな事を言い出した。
 海。
 夏。
 スイカ。
 オッサンの力説によれば、この3つが揃いし今こそスイカを割るべきだという。
「去年もスイカ割りしたからな、今年もスイカを割ろうって思ったんだよ」
 なるほど。
 まあ夏だし海だし、スイカ割りは今年もきっと楽しめるだろう。
「なあ、一つ聞いていいか?」
「ん、なんだ?」
 話を聞いていた猟兵の声に轟は向く。
「あれ、今年も使うのか?」
 クイっと指さすその先にそれは鎮座していた。
 ぎらつく太陽の輝きを反射させる砲身、見る者を圧倒する馬鹿でかいボディ。
 あれ。
 そう――大砲。
「スイカ割るのに今年も使うのか?」
「ガレージでホコリ被ってたから、ちゃんとメンテナンスしてきたぞ」
 いや、ガレージに保管していたのかよ。

●説明!
「お前達を人間大砲で打ち上げるから飛んでくるスイカを割ってくれ!」
 以上。
 もう少し詳しく説明をすると、目隠しをした状態で棒を持ち、そのまま人間大砲の中に入る。打ち上げられたら自分めがけて飛んでくるスイカを割る。
 もちろん便利すぎるのでユーベルコードの使用はNGだ。
 人間大砲はちょっと……という方は普通に砂浜に設置したスイカを割るというベーシックなスイカ割りもOKとの事。
「もちろんスイカ以外のものも飛ばすから安心してくれ!」
「安心……?」
「安心とは」
 細かいことは気にしてはいけない。
「打ち上げられたらお前たちと一緒にスイカやスイカじゃないものも打ち上げるから、皆の声を頼りによりに避けたり足場にしたりしてスイカを割ってくれよ」
「スイカじゃないものってなんだよ」
 不穏きわまりない単語に猟兵は問うが、
「スイカじゃないものだよ」
 えぇ……。
 とにかく夏こそスイカを割ろう!

「さすがにスイカ割りだけじゃ面白くないからバーベキューとか花火セットも用意するし、海で遊ぶのもいいと思うぜ」
 そう言い、轟はにっと笑う。
「とりあえず楽しい一日にしようぜ!」
 こうして人間大砲と共に猟兵達の一日は始まるのだった。


カンナミユ
 カンナミユです。
 どうやらエビちゃん家のガレージにはバイクと一緒に人間大砲が鎮座していたようです。

 夏は花火にスイカ割り。
 今年もスイカを割りたい!! 人間大砲で!!
 普通のスイカ割りも楽しいけど!!

 スイカ割りの詳細ならびにプレイングの受け付けについては断章をご確認下さい。
 宜しくお願いいたします。
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第1章 日常 『打ち上げろ! 人間大砲!!』

POW   :    力こそパワー。

SPD   :    速さとはスピード。

WIZ   :    知能を有する者こそ全てを

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●ようこそ無人島へ!
 転送された猟兵達は、まだ名前もついていない無人島をぐるりと見渡した。
 自然豊かな――いや、建築物は一切ない。
 ここは文字通りの『無人島』だ。
 さくさくと砂を踏んで海を見渡すと、エメラルドグリーンが広がり、足元には白波が寄せては引き、また寄せてくる。
 優しく頬を撫でる風に思わず見上げると、爽やかな色がどこまでも続いており、綿菓子をちぎったような雲がそよそよと風に流されていくのが見える。
 ああ、夏だ。
 思わず誰かが口にする。
 あの馬鹿でかい人間大砲さえ見えなければごく普通の真夏の思い出の1ページとなりそうだが、ごく普通の思い出よりインパクトのある思い出の方がきっと記憶に残るだろう。たぶん。

 ざざーんと波が寄せては引き。
 かくして人間大砲スイカ割りは幕を開ける。

 =============================
 当シナリオは『人間大砲でスイカ割りをしよう! 他の事もできるよ!』という、プレイング内容によってはアドリブ多めなシナリオになります。
 スイカ割りについては以下の通りです。
 1、目隠しをした状態で棒を持って大砲の中に入り、打ち上げます。
 2、地上のお友達や他の参加者さんからの声を頼りに自分めがけて飛んでくるスイカを割りましょう。スイカはたくさん飛んでくるので着地するまでの間にいくつ割れるかを競ってみても面白いですね。
 3、スイカじゃないものも飛んでくるので足場にして滞空時間を伸ばすもし、軌道変更に使うもよし、回避や打ち返すのよしです。
 4、ユーベルコードは超便利すぎるのNGでお願いします。
 5、打ち上げられるのはちょっと……という方は浜辺でノーマルスイカ割りもできますよ!
 日よけのパラソルや休憩用の海の家を用意していますので、スイカ割りを眺めながら冷やしたスイカを食べてのんびり過ごすのもいいですね。
 スイカ以外にもバーベキューセットや花火を用意しています。とにかく思いっきり楽しんじゃいましょう!
 迷子防止の為、一緒に参加するお友達の名前やグループグループ名をプレイングに記入してください。
 ガレージに人間大砲を保管していた海老名・轟(轟く流星・f13159)へのお声がけはご自由にどうぞ。プレイングによってはスイカ割りのアシストなど色々やってくれます。
 =============================

 プレイングは7月29日(金)AM8:30から受け付けます。
朝沼・狭霧
【風月華】
みんなでスイカ割り、美味しいお弁当を作っていきます
おにぎりの具は梅干しとかつお節
ベイメリア用にフジモト(ペットの柴犬)の顔のおにぎりも作ります

ミューちゃーん
大丈夫ですか?
右、右、左、右ですよー
頑張って指示しますが大砲が速くてちょっと遅れちゃうかも
あわわ

つぎはラップちゃんが行くのかしら?
たまやー♪
おー早い早い。すごい勢いで割っていきます(ぱちぱち)

下りてきたフィーナちゃんが洗った後にタオルを渡します
カッコよかったですよ


どかーん、私も大砲で撃ちあがります
ん?あれ?打ち出された勢いでビキニのブラが外れ!?
手で隠してそのままスイカ割…ですが私すんごい、いま目立ってるのでは???(頬を赤くし


ミュー・ティフィア
【風月華】
なんで私はここに……うん、確かに誘ったのは私なんですけど……
狭霧のお弁当を食べながら応援です!

ラップトップすごい!空中で飛びついで、まるで見えてるみたい!

フィーナ?え?まさか足で?わ!空中でダンスしてるみたい!飛んでいってるけど!

狭霧?た、大変です!ブラが!隠してください!早く!皆に見えちゃいます!

うん、ベイメリアも頑張ってください!応援してます!

やっぱり私も行かないと駄目ですよね……うぅ……何も見えないまま飛ばされるのって……

この浮遊感!やっぱり怖い!ふぇぇん……!
狭霧?大丈夫じゃないですー!!
あ、今当たった!もう目隠し取っていいですよね!え?駄目?もっと割る?そんなぁぁ!


ベイメリア・ミハイロフ
【風月華】

…あら?
ミューさまが、行きたそうになさっていらしたと
わたくし記憶しているのでございますが…

ああっラップトップさま!右でございます!いいえ、そちらではなくー!
そこ!そこにおみ足をお伸ばしいただきますれば!
フィーナさま…お流石でございます、まさに百発百中!
そして、非常にすばらしい脚線美でいらっしゃいました…!
狭霧さま、もっと手前で…あ、あら?何やらハプニングが?

狭霧さま特製フジモトおにぎりををもぐもぐ致しておりましたが
はっ…!わたくしの番、でございますね
わくわくしながら大砲の中へ
皆さま!頼りにさせていただきます!

さあ、ミューさまも
大丈夫でございますよ、わたくし精一杯ナビをいたしますゆえ!


フィーナ・シェフィールド
【風月華】
(白い水着姿で大砲を見上げて)これで空を飛んでスイカを割るのですね。
スケールが大きくて面白そうです。

まずは目隠しをして、と。
準備オッケーです!
あ、棒は要らないです。こっち(生足)でいきますから。

大砲で打ち上げられたら、声や音を頼りにスイカを探します。
接近してくるスイカを回し蹴りで割りながら、反動で更に高く舞い上がり、次のスイカに備えます。
羽で飛ぶのはフェアじゃないですし、姿勢制御以外では使いません。

割ったスイカでベトベトですね。
地上に降りたら、そのまま海で洗い流しましょう。

<声かけ>
そこ、すぐ目の前です!
スイカは右です!左はバレーボールですよ!
(ブラを拾って)はい、落とし物ですよ。


ラップトップ・アイヴァー
【風月華】

夏と言ったら、スイカですわ!!

《…まって。色々待って》

ダメです待ちませんわ!
今日は学生寮のみんなで、でしょう?
ミューさんも、そこで止まっていないで是非是非!

《ダメだこの姉話聞いてない…!》

それで打ち上げられたらまっすぐスイカまで

《ばかー!!
瞬間思考力で見えないものがどう飛んで来るか予想、カウンターでスイカじゃないものを足場にして少しでも軌道よく!》

ああ、そうでしたー!!

でも皆さんの声を良く聞いてスイカは全部割る、それがパフォーマンス!

頑張った後は、みんなを応援しますわ!
って狭霧さーん!?

《ハプニングもあったけど、センセたちとてもかっこよかったの!

…で、誰だおみ足とか言ってたのー?》



「夏と言ったら、スイカですわ!!」
 ラップトップ・アイヴァー(動く姫君・f37972)――いや、シエル・ラヴァロの声が高らかにこだました。
 学生寮の皆でやって来ました無人島。
《……まって。色々待って》
「ダメです待ちませんわ! 今日は学生寮のみんなで、でしょう?」
 三上・美希の声など気にもせず、姉がくるりと振り返ると、寮の皆は自然豊かな島を見渡していた。
 都会の喧騒も、戦いの音も、この島には届かない。
 寄せては引く白波の音、遠くでさえずる鳥たちの囁き、爽やかな潮風に揺れる木々の音。
 そして――。
 馬鹿でかい、人間大砲。
「これで空を飛んでスイカを割るのですね。スケールが大きくて面白そうです」
 さっそく白い水着に着替えを済ませたフィーナ・シェフィールド(天上の演奏家・f22932)は大きすぎる大砲を見上げ、
「なんで私はここに……」
「……あら? ミューさまが、行きたそうになさっていらしたとわたくし記憶しているのでございますが……」
「うん、確かに誘ったのは私なんですけど……」
 ミュー・ティフィア(絆の歌姫・f07712)はベイメリア・ミハイロフ(紅い羊・f01781)から視線を大砲へと向ける。
 せっかくの夏だからこそ、スイカ割りを楽しみたい。
 確かに皆を誘いはしたけれど、スイカ割りはもっと、こう、普通は大砲を使わずに砂浜で行うものなのだが……。
「ミューさんも、そこで止まっていないで是非是非!」
《ダメだこの姉話聞いてない……!》
 ぐいぐい押していく姉に妹は打つ手なし。
 大砲を前に様々なリアクションをする寮の皆を目に、潮風に揺れる髪を抑えた朝沼・狭霧(サギリ先生・f03862)は用意されていたパラソルに向かうと、持参した荷物をそっと下ろす。
 荷物の中は今日の為に用意してきたお弁当。優しく広げていると、我先にとスイカ割りに挑んだラップトップを除いた三人がパラソルの元へとやって来る。期待を胸に見守れば、美味しそうなおかずがすらりと並び、梅干しとかつお節が入ったおにぎりも美味しそう。
 特に目を引いたのは可愛らしいわんこ、柴犬の顔のおにぎり。
 さて、どれから食べようかと思案していると――。
 ずどおぉんっ!!
 びりびりと響く音と共にラップトップは空へGO!
「たまやー♪」
 狭霧の声を受け、高く、もっと、もっと高く。
 どこまで上がっていくのだろう。そしてスイカは一体どこに。
「そこ、まっすぐです!」
 びゅうびゅうと風を切る音を聞きながら舞い上がっていると、地上からフィーナの声が耳に届いた。
「ああっラップトップさま! 右でございます! いいえ、そちらではなくー!」
「まっすぐ、もうちょっと上」
 続くベイメリアとミューの声も頼りにすれば、あとはスイカめがけてまっしぐら。
 ――と、
 びゅごおっ!!
 ものすごい速さで標的であったスイカが頭上すれすれを飛んできた。とっさに躱せたものの、うっかりすれば顔面直撃だ。
《ばかー!! 瞬間思考力で見えないものがどう飛んで来るか予想、カウンターでスイカじゃないものを足場にして少しでも軌道よく!》
「ああ、そうでしたー!!」
 妹からの叱責に思わず声を上げてしまったが、スイカはお構いなしにやって来る。
「ラップちゃん、スイカが来ますよー」
「左からのボールを使って飛んでください! 右からスイカがいっぱい来ます!」
 狭霧とフィーナの声を耳に、ラップトップは精神を研ぎ澄ませた。
 飛んでくるスイカは一直線の筈。気配を感じ取れば距離の把握は問題なくできるだろう。あとはボールを使って軌道を変えれば――、
「いきますわ!」
 ぎゅっと棒を握りしめたラップトップの動きは、それが見えているかのようであった。
 飛んできたスイカをぼこんと割ると、返す手で一つ、二つと叩き割り、頭上を狙うかのようなスイカを躱して叩き落としてくるんと方向転換。
 ボールを蹴って飛び込んでくるスイカを豪快に割り、方向転換をもう一度。
「ラップトップすごい! 空中で飛びついで、まるで見えてるみたい!」
 お弁当を食べながら応援するミューがスイカの場所を言えば、豪快な音と共にスイカは割れ、
「おー早い早い。すごい勢いで割っていきます」
「そこ! そこにおみ足をお伸ばしいただきますれば!」
「今ですよ!」
 ぱちぱちと拍手を贈る狭霧もまた、ベイメリアやフィーナと一緒に新たなスイカの場所を声援と一緒に贈る。
 こうして皆の声を逃すことなく聞き取ったラップトップはスイカを全て割りきった。
 ――スイカは全部割る、それがパフォーマンス!
 舞い上がる勢いは緩やかに落ち、数多のスイカを割り続けたラップトップは砂上へと帰還した。

 豪快な空中スイカ割りに続くのはフィーナである。
 目隠しをすれば準備完了。
「準備オッケーです!」
 いざ行かん、スイカ割り。
 スイカを割る為の棒を渡されたフィーナはそのまま返してしまう。
「あ、棒は要らないです。こっちでいきますから」
「フィーナ? え? まさか足で?」
 こっち、と示したのはすらりと伸びたフィーナ自身の足。驚きを隠せないミューだが、その表情を目隠しの奥から伺う事は難しい。
 大砲の中へと入っていくと目隠しをしていても分かる、真っ暗な空間。
 ドキドキと高鳴る鼓動を胸に、深呼吸。
 ずどおんっ!!
 勢いよく打ち出され、フィーナは青空めがけて飛んでいった。
 先ほどのラップトップのスイカ割りと同じならば、スイカは自分めがけて飛んでくる筈だ。
「フィーナちゃん、左、左、少し右ですよー」
「そこっ!」
 どが、ッ!
 狭霧の声に応えるかの如く、脚から放たれた鋭い一撃にスイカは真っ二つ。勢いよく割ったからか、スイカの果汁がきらきらと青空に輝いた。
 まずは一つ。さてお次はどこに。
「左ですよー」
「もっと左ですわ!」
 狭霧とラップトップの声に頷きくるんと方向を変え――割る!
 右から飛んできたスイカを大きく蹴り割り、左から飛んでくるスイカも容赦なく割っていく。
 かかと落としを得意とする事もあってか、その勢いは凄まじい。
 ひと蹴りでばがんと大きく砕け、飛んでくるボールなども脚撃ひとつで撃退してしまう。
 だが、まだだ。これからが本番に違いない。
 いくつ目かのスイカを蹴り割ったフィーナの耳に、遂にその声が聞こえてきた。
「フィーナさま、スイカの大群が押し寄せてきます!」
 ベイメリアの声に耳を澄ませば、空を切ってスイカが飛んでくる音が飛び込んでくる。一つ、二つ、三つ……いや、そんな数ではない。
 頬についたスイカを拭い、ぐっと拳を握り構え、
「いきます!」
 そこから始まるのは怒涛のスイカ割りラッシュ。
 接近するスイカを蹴り割り、回し蹴りで反動をつければ落下しはじめていた身体は再び空へと舞い上がる。
 しなやかな脚は襲い掛かるスイカを一つ逃さず捉え――、
 ばさりっ。
 崩れかけた体制を制御すべく、羽を広げて回し蹴り。
 もちろん羽で飛びはしない。回し蹴りで再び大きく空へ。
「わ! 空中でダンスしてるみたい! 飛んでいってるけど!」
 ミューが見上げる空はまるでステージのようであった。
 華麗に舞い、鋭く打つ。
 打ち止めとばかりにスイカは止まり、フィーナも地上へと戻っていく。
 割ったスイカでベトベトになってしまい、海で洗い流し終えたところにタオルを持った狭霧が出迎えた。
「カッコよかったですよ」
「フィーナさま……お流石でございます、まさに百発百中!」
 礼を言いながらタオルを受け取り、ベイメリアへも笑顔で応え、フィーナは皆の元へと戻っていった。

 空中で披露されたダンスの如く、軽やかで力強いスイカ割りを眺めていたが、お次はフィーナを労う狭霧の番だ。
 ラップトップから棒を受け取り、フィーナに目隠しを頼むとベイメリアがミューと一緒に大砲の中へと案内してくれる。
 さて、いくつスイカが割れるだろうか。
 ドキドキの中、静寂が訪れ――、
 どどーん!
 つんざく轟音と共に狭霧は上空へと打ち上がる!
 上空へと高く高く打ち上げられた狭霧の身体はものすごい速さで、びゅんびゅんと高度を上げていく。
 そろそろスイカが自分めがけて飛んでくる頃。
 期待と不安の中で棒を構える狭霧を地上から見守っていたラップトップだが、ふと、視界に何やらひらりひらりと降って来るのが見えてくる。
 上空から舞い降りるそれはだんだんと形をはっきりとさせ――ふぁさり。
「って狭霧さーん!?」
 砂浜に着地したそれを見たラップトップは思わず声を上げてしまった。
「狭霧さま、もっと手前で……あ、あら? 何やらハプニングが?」
「ん? あれ?」
 特製おにぎりを食べていたベイメリアの声にまさかと思いはしたが、ミューの一声で狭霧はついに確信する。
「狭霧? た、大変です! ブラが! 隠してください! 早く! 皆に見えちゃいます!」
 何という事でしょう!
「打ち出された勢いでビキニのブラが外れ!?」
 そうです、あまりの勢いに外れてしまったのです!
 ああ、これはいけません! このままでは色々ピンチです!
「狭霧さま、スイカが急接近でございます!」
「追加のスイカとボールも飛んできてますわ!」
 ベイメリアとラップトップの声に棒を構える狭霧だが、このままでは見えてしまう。
「え、えいっ」
 空いた手で隠しつつもぽこんとスイカを打ち、ボールも何とか打ち返して。
「私すんごい、いま目立ってるのでは???」
 頬を染め、落下しつつも隠しながらスイカを割り続ける狭霧。
 その時間は長くはなかったが、果てしなく続くようにも思えた。
 ようやく着地し、目隠しを外してもらった狭霧が真っ先に見たのは、自分より先にみんなの元へと帰ってきたそれを拾い上げたフィーナの姿だった。
「はい、落とし物ですよ」
 受け取った狭霧は更衣室へと足早に向かっていき、スイカ割りはいったん休憩となりました。

 味わっていた狭霧特製の愛犬フジモトおにぎりをごくんと飲み込むと、そろそろスイカ割りが再開。
 ベイメリアは皆に続いてスイカ割りに挑む事となった。
「はっ……! わたくしの番、でございますね」
「うん、ベイメリアも頑張ってください! 応援してます!」
 ミューから受け取った目隠しをきゅっと絞め、棒を手に、どきどきとした期待と不安が混ざる心で大砲の中へ。
「皆さま! 頼りにさせていただきます!」
 真っ暗な大砲の中、発射準備の音が徐々に心拍数を上げ――、
 ずどおぉおん!!!
 ベイメリアの身体は勢いよく青空へと放たれた。
 ものすごい速さに髪はなびき、ぐんぐん、どんどんと上昇していく。これならかなりの時間でスイカ割りに興じる事ができるだろう。
 そろそろ皆からの声が聞えて来る筈だ。
「スイカは右です! 左はバレーボールですよ!」
 地上から聞こえるフィーナの声に耳を傾け、利かない視界の中で空を切る音に集中し――来る!
「こちらでございますね!」
 ぼごんっ!
 重い、確かな手ごたえに命中を確信して棒を一気に振り切ると、返す手でもう一撃!
 ばあんっ!
 勢いで重くはあるが、これは確かにボールだ。打ち返すように全力でバレーボールを打ち返す。
「すごい!」
「見事なホームランですわ!」
 素晴らしい打ち返しに思わず狭霧とラップトップは拍手し、ミューは飛んでいったバレーボールを目で追ったが、きらりと空の彼方へ消えていった。
 だが、これだけで終わりではない。
「左からスイカが2つ、あっ、右に1つ!」
「お任せください!」
 狭霧の声にスイカは大きく割れ、
「あ、ぬいぐるみ……!」
「ぬいぐるみ? キャッチさせて頂きます!」
 ミューの声で構えたが、ちょっぴりタイミングが合わなかった。勢いはあるものの、柔らかく大きなぬいぐるみはぼふんと直撃しても大したダメージには至らなかった。
 地上へと落下していく間もベイメリアはスイカを割り、そうでないものは躱したり打ち返したり。
 割ったスイカで汚れないようにぬいぐるみをそっと地上へ落すと、それをキャッチしたのはスイカ割りの最後の挑戦者。

 ラップトップ、フィーナ、狭霧、ベイメリアと続き、残るはミューだけである。
「やっぱり私も行かないと駄目ですよね……」
「さあ、ミューさまも」
「……うぅ……何も見えないまま飛ばされるのって……」
「大丈夫でございますよ、わたくし精一杯ナビをいたしますゆえ!」
 不安いっぱいのミューへと心強い一声を向けたベイメリアの手にはスイカを割る為の棒がしかと握られている。
 ラップトップによって目隠しされるその瞬間、見えた寮の皆の顔はとても心強いものであり。
 ずどおぉおん!!!
「この浮遊感! やっぱり怖い! ふぇぇん……!」
 ものすごい速度で上空へと打ち上げられたミューは思わず泣き出してしまいそう。
 今どれくらいの高さなのだろう? 皆が打ち上げられた時の事を思い出せば、かなりの高度まで飛んでいたが……。
「ミューちゃーん、大丈夫ですか?」
「狭霧? 大丈夫じゃないですー!!」
 どんどんと遠ざかる地上からの狭霧へと言い返したミューだが、そろそろスイカはやって来る。
「ミューさん、飛んできましたわよ!」
「そこ、すぐ目の前です!」
 ラップトップとフィーナの声にミューは構え。
「えいっ!」
 ガ、ッ! ……どおぉおん!!!!
「今のなに?」
 今のは恐らく企画者から聞いていた『スイカ以外のものも』であったに違いない。
 だが今のは当たりと言えば当たりだろう。これでミューのスイカ割りミッションはコンプリートだ。
「あ、今当たった! もう目隠し取っていいですよね!」
 相変わらず上昇中の中でミューは地上の皆に聞くが、スイカ割りは非情であった。
「右、右、左、右ですよー」
 大砲の速さに頑張る狭霧の応援が地上から向けられ、
「あわわ、左ですよーミューちゃーん」
「ミューさまスイカが3つ、いえ4つ向かっています!」
「え? 駄目? もっと割る? そんなぁぁ!」
 高く高く舞い上がり、そして皆の元へと帰るまでの間にミューは沢山スイカを割る事となった。

 割ったスイカは冷たく冷やされ、運動の後のデザートに。
 みんなが割ったスイカはどれも美味しく、火照った体には心地よかった。
《ハプニングもあったけど、センセたちとてもかっこよかったの! ……で、誰だおみ足とか言ってたのー?》
 冷たいスイカを味わう中でじろりと皆を見ていけば、どの顔もそれぞれ満足そう。
 涼やかな風が肌をすべり、優しい波音が心を癒す。
 穏やかな時間は緩やかに流れていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

嶽群・士郎
親友の荒坂(f37991)と

おお、これが異世界!あれが人間大砲!なるほど、これが猟兵式の夏休みってわけだな!え、違う?
せっかくだし、俺もやってみようかな。荒坂、指示よろしく!
おお?見えない分、風音がすごいな!とと、スイカは?
こっち?向こう?来る奴踏んで方向転換?こうか!?
よし、どうだろ?結構割れたんじゃないか?
じゃ、次、荒坂な。
そっちそっち!行き過ぎ!あ、前方になんか固そうなの飛んできた!
おつかれー。どうよ?

楽しんだら、スイカ食べながら他の人のスイカ割りを見てるかな。
いやー、猟兵になったらなんかヤバいことするのかと思ってたけどこういうイベントもあるんだな。

(ナチュラルにボケかます)

アドリブ歓迎


荒坂・克仁
親友の嶽群(f37992)と

いくつも世界があると聞いてはいたが、こういう世界もあるんだな。
で、あの人間大砲は?
あれは猟兵式じゃない!

嶽群がスイカ割りするので一応、指示するか。
あいつの身体能力なら…
左に振れ!右に払え!飛んできたやつを踏んで方向転換!
思ったよりやるなあいつ。

ん、次?は?俺もやるのか!?
どっちだよ、こっちか!?行き過ぎ!?固そうなのってなんだよ!?
わ、わけわかんねぇ…

休息ついでにスイカを食べる。スイカ割り、カオスだな…。
ヤバいことなぁ、お前にはそういうのしてほしくはないけど。ま、俺がその分カバーすればいいか。
にしても…やっぱりカオスだな

(嶽群のボケに対してのツッコミ役)
アドリブ歓迎



 穏やかな風に髪を揺らす荒坂・克仁(一筆氷点・f37991)の視界いっぱいに広がるのは、どこまでも続く大海原。
「いくつも世界があると聞いてはいたが、こういう世界もあるんだな」
 ぐるりと見渡すその隣では親友、嶽群・士郎(ヘルメス・ランナー・f37992)もまた、見知らぬ世界を眺めている。
「おお、これが異世界!」
 青空はどこまでも広がり、見れば鮮やかな鳥がさえずり飛んで行く。
 そんな二人の視界の隅では、ぎらりと何かが輝き――、
「で、あの人間大砲は?」
 克仁は言ってしまった。
 二人がじっと見つめる先には、馬鹿でかい大砲がどんと鎮座している。
 今日は楽しい人間大砲スイカ割りだ。
「あれが人間大砲! なるほど、これが猟兵式の夏休みってわけだな!」
「あれは猟兵式じゃない!」
「え、違う?」
 人間がすっぽり入ってしまいそうな巨大な大砲を前に、うんうんと頷き納得する士郎だが、親友からのツッコミに思わず首をひねってしまう。
 数多の苦難を乗り越え戦う猟兵ならば、スイカ割りもドカンと大砲でやっていてもおかしくないと思うのだが、克仁が違うと言うのだから違うのだろう。
「せっかくだし、俺もやってみようかな。荒坂、指示よろしく!」
 目隠し用の布と棒を受け取る士郎に任せろとばかりに克仁は親指を立ててサムズアップ。
 目隠しで真っ暗な世界の中、どおんとつんざく轟音と共に士郎は大空高く舞い上がった。
 見下ろせばきっといい景色が見えるのだろう。目隠しをしているのが少しばかり残念だが、仕方がない。
「おお? 見えない分、風音がすごいな! とと、スイカは?」
 棒を手に飛んでいく様子を見上げていると、遠くから士郎めがけてスイカが飛んでくるのが見えた。
 方角的に割るのは厳しいだろうか? いや。
「あいつの身体能力なら……」
 大丈夫、あいつなら。
「左に振れ!」
「こっち?」
「そう、今だ!」
 浜上からの声に力いっぱい棒を振ると、何やら手ごたえがある。
 ぼごっ!
「当たった!」
 命中した棒を振り切ると、ばがんとスイカは真っ二つ。頬にかかる甘いしぶきをぐいと拭い、
「右に払え!」
「向こう?」
 喜ぶ暇さえ与えてくれない声に構えなおして大きく一振り。
 ばごん!
「どうだ!」
 連続の命中に思わずにっと笑った士郎だが――、
「飛んできたやつを踏んで方向転換!」
「来る奴踏んで方向転換? こうか!?」
 空を切る音に足を上げて、ぐんと踏み込む!
「今だ、正面!」
「もらったあ!」
 ばあんっ!!
 割れたかどうかなど確認する必要さえない。
「思ったよりやるなあいつ」
 落下してくる割れたスイカを眺めつつ、着地した士郎の元へと克仁は駆け寄った。
「よし、どうだろ? 結構割れたんじゃないか?」
 目隠しを外して成果を見れば、スイカ達は食べられるよう砂浜に敷かれたビニールシートの上に広がっていた。
 大きく割れたものや綺麗に真っ二つになったものなど、かなりの数が士郎によって割られたようだ。
「じゃ、次、荒坂な」
「ん、次? は? 俺もやるのか!?」
 気付けばアシストをしていた克仁は士郎から受け取った棒を握り、手際よく目隠しをされ、ぐいぐいと人間大砲の中へ。
 視界を遮られた克仁の鼓動が少しばかり早くなり――、
 どごおんっ!!
 勢いよく飛ばされた克仁は士郎の時と同じように大きく空へと舞い上がっていく。
 ぐんぐん、どこまでも高く、高く。
 さて、スイカはどこから飛んでくるだろうか。もちろん、士郎のアシストが重要になってくる訳だが。
「そっちそっち!」
 聞こえる声に耳を傾けた克仁だが、果たして『そっち』はどっちか。
「どっちだよ、こっちか!?」
 力いっぱい棒を振るうが、手ごたえはなく、ぶんと空を切るだけであった。
「行き過ぎ!」
 びゅおっとスイカが通る音は克仁から少し離れた場所を過ぎていく。
 今度こそはと棒を構え直して仕切り直し。さて、今度はどこからスイカが飛んでくるのか。
「あ、前方になんか固そうなの飛んできた!」
「固そうなのってなんだよ!?」
 なんと、まさかのスイカ以外。
「気を付けて!」
 一体どういう事だ。
 何か非常にヤバそうな気がするが、これはとにかく何とかするしかない。
 視界の効かない中で瞳を閉じて、精神集中。
 大きく振りかぶり――!
「――ここだっ!」
 ガッ……ちゅどごおおおおおぉぉぉぉぉんんんん!!!!
「……?!」
 一体どういう事だ。
 肌を焼く爆風の中を潜り抜け、すとんと着地。
「おつかれー。どうよ?」
 駆け寄って来る士郎の声を耳に 目隠しを外して自分が飛んでいた空間を見上げてみると、薄くなりつつある黒煙の塊が風に流されていた。
「わ、わけわかんねぇ……」
 優しい潮風が二人の間を流れていった。

 しゃくり。
 冷えたスイカを頬張ると瑞々しく甘い果汁が口いっぱいに広がっていく。
 甘いそれを飲み込めば、新たな挑戦者の轟音がどおんと響いた。
「スイカ割り、カオスだな……」
「いやー、猟兵になったらなんかヤバいことするのかと思ってたけどこういうイベントもあるんだな」
 割ったスイカを食べていた二人だが、新たな挑戦者がスイカ割りに挑む光景を眺めながらの士郎を目に様々な思いが克仁の脳裏に浮かんでは消えていく。
 ――だが。
「ヤバいことなぁ、お前にはそういうのしてほしくはないけど。ま、俺がその分カバーすればいいか」
 言いながら見れば、親友は新たなスイカを手に取っていた。しゃくりと頬張り、味わい、飲み込む。克仁もスイカに手を伸ばす。
 轟音が響き、悲鳴も響き。
「にしても……やっぱりカオスだな」
 二人で味わうスイカは甘く、爽やかな夏の味がした。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

神崎・零央
「コイツはスゲエぜ! な、キング!」
デカい人間大砲に大興奮。
コイツから自分が発射されるなんて……カッケェ!!
いいかキング、地上からのサポートは頼んだぞ。
(えええ、と言う顔のケルベロスベビー)

合図はこれだ!
ガオー:スイカ接近
ガルル:その他接近
方向、タイミングはニュアンスで。

大丈夫!俺とキングは一心同体だからなー(わはは)

キングの的確な指示で宙を飛び、
次々スイカを仕留めて赤い雨を降らせるか。
現実的に考えれば無謀すぎる空中飛行中に、
スイカの直撃まで喰らって地上への流れ星と化すか。

判定はお任せで。

どっちにしても、目一杯楽しむことには変わりなし!
終わった後はスイカとバーベキューに舌鼓と行くぞー!



 男の子が大好きなもの。
 それは力強いロボットであったり、カッコいい車や船、でっかい重機とか。
 そう、男の子はでかくてカッコいいものが大好きなのだ。
「コイツはスゲエぜ! な、キング!」
 そびえ立つ巨大な人間大砲を前に、神崎・零央(百獣王・f35441)は興奮を隠しきれなかった。
 だって、この大砲に入って大空高く舞い上がる事ができるのだから。
「コイツから自分が発射されるなんて……カッケェ!!」
 大砲に入る機会なんてそう滅多にある事ではない。しかもスイカ割りまでできてしまう。
 あの青空へと飛んでいける。
「いいかキング、地上からのサポートは頼んだぞ」
 ぐっと拳を握り、傍らの親友――ケルベロスベビー、キングへと話しかけると、えええ、と金色の友からは不安げな反応が返って来る。
「大丈夫! 俺とキングは一心同体だからなー」
 わははと元気いっぱい笑って零央は受け取った目隠しをきゅっと締めると、棒を手に大砲の中へと入っていく。
 何も見えない真っ暗な中、かちかち、ジジジと、なにやら発射準備の音が聞えてくる。期待と不安、ドキドキで胸がいっぱいになり――、
 どおぉん!!
 ものすごい音と共に打ち出され、零央は大空高く舞い上がった。
 びゅんびゅんと風を切り、高く、高く。
「頼んだぞ、キング!」
 地上のキングは零央の声にぐるりと空を見渡した。注意深く探っていると、遠くからスイカらしきものが飛んでくる。
 零央めがけて急接近するそれを目にしてキングは吼えた。
「ガオー」
「! スイカだな……えいっ!」
 ぼこんっ!
 合図のタイミングはバッチリ。思いきり振った棒はスイカを豪快に叩き割った。頬に何かがぺたりとついた。スイカの種かな?
 事前にしっかり決めていた合図に従って、キングは新たな急接近を零央へと告げた。
「ガルル」
「次はスイカ以外か……こっちか?」
 右を向くが地上からの反応はない。
「左か?」
「ガルル」
 左のようだ。びゅんと迫る音も聞こえてくる。
「ここだ!」
 ばうんと何かが弾き飛んだ感覚。今のは大きなボールかな?
「ガルル」
「またスイカだな、いくぜ!」
 零央とキングは一心同体。
 的確な指示であれよあれよとスイカは割れていく。もちろんスイカ以外のものは力いっぱい打ち返し、きらりと空の輝きとなる。
 あまりにも沢山割ったものだから、スイカの汁が地上へ降りそそぎ、まるで雨のよう。
「スイカの雨だな!」
 空中飛行の真っ只中。
「――ガ」
「おぶっ?!」
 合図のタイミングが遅れてしまったキングが目撃したのは、スイカの直撃を喰らって地上への流れ星と化した零央であった。

 スイカ割りも無事に終了。
 思いっきり楽しんだ後はバーベキューに舌鼓。
 焼き上がった肉をどんどん食べ、冷たい麦茶をごくりと飲み干し。
「楽しかったな、キング」
 笑顔で最後の一つを頬張ると、冷えたスイカがやって来る。いびつな形となったそれは零央とキングが協力して割ったスイカだ。
 しゃくりと食べれば、甘いスイカが口いっぱいに広がっていく。
 どうやら新たな挑戦者がスイカ割りに挑んだらしい。スイカを味わっていると、どおんと大きな音が響いた。
 ぼこんとスイカが砕ける音を耳に、零央はスイカを頬張った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

二本木・アロ
【波咲神社】
頭硬くて尻硬くない ってことわざあるじゃん?
あたしなら鍛えてっからイケると思うんだよなー。
ってコトで今年はケツで割るわ。

ちょっと長座体前屈で大砲に入ってケツから射出されるからさー、轟ちゃんちょっとこっちにスイカ投げてくんない?
ほら体やわらけーだろすげーだろー。
んで、こう、ケツから……(どーん)

あああああああスイカあああ?! スイカ無傷って何なのお前、ケツ痛い死ぬ(悶絶)

神サマ聞いてくれよ……ケツが二つに割れた……(戦闘不能)

そんなわけで今年はスイカに敗北したから神サマに割ってもらったスイカを空気椅子で食う。
座れないんだよ仕方ねーだろ……

再送OK/IQ3くらい/アドリブどんとこい


青梅・仁
【波咲神社】
うーん、俺その諺知らなーい。
隠すの間違いじゃなくて?
まあアロちゃんに自信があるなら好きにすりゃ良いよ……。

てなわけで今年も遊びに来たぜ轟くん。
……うん、またなんだ、今年も頼むぜ。
良く大砲保管出来てたなー。轟くんは飛んだの?
でもってアロちゃん身体柔らかいな!?
どうなってんのそれ。つらない?

あー、諺通り、尻硬くなかったんだな……。
あと羅刹は元から尻二つに割れてるんじゃなかったっけ?違う?

仕方ねえ、俺が西瓜斬って食う分を確保してくる。待ってな二人とも。
尾で邪魔なものを叩き落とすついでに足場にして、本物をひたすら棒で叩き斬る!(※今年も割るじゃない)

もー無茶するから……次は無茶すんなよ?



 ざざーんと白波がしぶき、からりとした空の下には見覚えのある巨大な大砲が鎮座している。
「頭硬くて尻硬くない ってことわざあるじゃん?」
「うーん、俺その諺知らなーい。隠すの間違いじゃなくて?」
「あたしなら鍛えてっからイケると思うんだよなー」
 みゃあみゃあと鳥が鳴く中、二本木・アロ(ガードカツィナの娘・f02301)と青梅・仁(鎮魂の龍・f31913)は話し、大砲を眺めていたが――、
「ってコトで今年はケツで割るわ」
 なんとまさかのケツ割り発言。
 ちょうど1年ほど前にこの大砲で打ち出されたアロは、確固たる信念を胸にスイカを己の頭で見事に粉砕した。
 頭の次は尻、という事か。
「まあアロちゃんに自信があるなら好きにすりゃ良いよ……」
 呆れるやら反応し辛いやらで神妙な顔をしていたら、企画者の轟が大砲の発射準備をはじめている。
 さくさくと砂を踏み歩いていくと、轟も二人に気付いたようだ。準備を終えたのか、アロと仁の元へ歩いてくる。
「てなわけで今年も遊びに来たぜ轟くん」
「マジか、また来てくれるなんて嬉しいわ」
「……うん、またなんだ、今年も頼むぜ」
 まさか今年も来てくれると思っていなかった轟と、まさか今年も来てしまった仁とアロ。
「良く大砲保管出来てたなー。轟くんは飛んだの?」
「俺が飛んだら発射させるヤツいなくなるだろ」
 そりゃそうかと仁は思わず納得してしまう。
 ちなみにこの馬鹿でかい人間大砲はさすがにそのままでは入らないので、分解してバイクと一緒にガレージで保管していたそうだ。
「ちょっと長座体前屈で大砲に入ってケツから射出されるからさー、轟ちゃんちょっとこっちにスイカ投げてくんない?」
「……ケツ?」
 アロからの要望に対して轟の反応に思わず遠い目をしてしまった仁である。わかる、分かるよ轟くん。
 心の中で深く頷く仁の前では目隠しをしたアロが自信に満ちた様子で大砲の中へと入っていった。
「アロちゃん身体柔らかいな!? どうなってんのそれ。つらない?」
 するりと入っていったアロがこの中で、ようになっているのだろう。姿勢とか体勢とか色々と気になってしまう。
 覗けば納得のいく光景を見る事ができるだろうが、見ないほうがいいのかもしれない。
「ほら体やわらけーだろすげーだろー。んで、こう、ケツから……」
 どおおぉぉおおおん!!!
 ものすごい姿勢でアロは上空高く舞い上がった。
 手をかざして目で追っていくと、その姿は高く高く上がっていき、だんだんと小さくなっていく。
「アロちゃん、スイカ飛んできたよー」
「もらったああああああああ!!!」
 さあガードカツィナの娘よ、いま一度、奇跡を起こすのだ――!

 ――その瞬間を、仁は、見た。

 アロの尻とスイカの一騎打ちは、スイカの圧倒的勝利であった。
「あああああああスイカあああ?! スイカ無傷って何なのお前、ケツ痛い死ぬ」
 嗚呼、アロの魂よ永遠なれ。
 『平和の民』の血を引く羅刹はこうして散った。尻が。
 ――頭硬くて尻硬くない。
 なんとなくわかっていた結末を目で追う仁の脳裏に、アロが言ったことわざが浮かび上がった。
 見事に散ったアロはべしゃっと頭から砂浜に着地したが、そのままぴくりとも動かない。もしや、かろうじて致命傷をうけたか。
 危惧した仁だが、しばらくして生まれたばかりの小鹿のようによろよろと立ち上がったアロはすごい歩き方をして帰ってきた。
「神サマ聞いてくれよ……ケツが二つに割れた……」
「あー、諺通り、尻硬くなかったんだな……あと羅刹は元から尻二つに割れてるんじゃなかったっけ? 違う?」
 悶絶する声に半ば呆れが混ざった声。
 勇敢なるチャレンジ精神をまずは称えたい。
「仕方ねえ、俺が西瓜斬って食う分を確保してくる。待ってな二人とも」
 轟から湿布を受け取るアロを背に仁は今年も大砲へと向かっていく。
 しゅるりと目隠しを結び、手には昨年も活躍した得物が握られていた。仁はやる気だ。
 どおぉん!!
 轟音とどろき、鎮魂の龍は空に舞う。
「仁、そろそろスイカ飛ばすからな!」
 風を切り高度が上がるのを感じつつ、飛び気配に仁はすうと構え――斬る!
 ごっ!
 スイカは綺麗に真っ二つ。
「お次はどこかな?」
 耳を澄ませれば、びゅうと風を切る音がいくつも聞こえてくる。
 スイカ、スイカ、金属の球体、あとは……爆弾?
 ざんと叩き斬りって返す手で斬り、尾で球体を叩き落として爆弾を打ち返す!
 どごおおおおおぉぉぉんん!!
「今年もやる気だね」
 爆煙から飛び出す音に耳を澄ませてながら、息を整え再び構え。
 叩き落す重い音に爆発音、スイカを斬る音が響き、砂浜に敷かれたビニールシートの上には沢山のスイカが並ぶ事となった。

 割ったスイカは冷たくに冷やされ、二人の元へ。
 大きなパラソルの下に設置されたテーブルには皿に乗ったスイカが並び、ゆったりと休めるように椅子もある。
 おしぼりで手を拭き、スイカを手に取り、一口。
 甘い果汁が口の中に広がり、乾いた喉をひんやり潤す。
「今年のスイカも美味しいね」
 しゃくしゃく食べ進む仁の向かいでは、アロもスイカを食べている。だが姿勢がちょっとおかしい。
「座れないんだよ仕方ねーだろ……」
 ぷるぷると空気椅子に腰を下ろし、アロは新たなスイカを頬張った。
 一騎打ちを果たした尻は椅子に座る余力を残していなかった。つまり、座るとめっちゃ痛い。
「もー無茶するから……次は無茶すんなよ?」
 そよ風が流れ、頬を撫で。
 今年も人間大砲スイカ割りはアロの尻を除き無事に終わりを迎える事ができたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

七那原・望
えくるん(f07720)と参加

今年も空飛ぶスイカ割りなの!えくるん、見ててー♪

今年は棒をたくさん持って参戦。

射出されたら即座に多数の棒を空中に投げつつ第六感と聞き耳でスイカや棒、それ以外のものの位置を見切ります。
まずは唯一手放さなかった一本でスイカを一刀両断。その棒を手放しつつ背中の翼と周りの足場を使って軌道を変えながら別の棒を掴んで別のスイカを両断、この乱舞を繰り返しながらたくさんスイカを割るのです。

これぞ必殺、オムニディバイドver.5!

からの……えくるん大好きダイブなのー!

最後は棒を手放して地上のえくるんに飛び込むのです。

ナイスキャッチなのー♪次はえくるんの番なのー。ファイトなのー♪


七那原・エクル
七那原・望と参加

夏の風景ぶち壊す人間大砲に視線を向けて
(これって昔のゲームにあったような?ド○キーコ○グのタル大砲みたいだなと思いつつ)

ガーンーバーレー!人間大砲に挑む望に手を振り返しながら、ちっこい望が大きな大砲にはいっていく様が可愛いなーなんて思いつつ望を送り出します。
(鳥になってこい!望!)

声が届くかわからないけど、下から声を上げてスイカの位置を伝えてみるよ

ダイビングしてくる望をしっかりキャッチしようとあたふたしつつ、しっかり抱きキャッチしてくるくるまわりながら背中からアツアツの砂浜に倒れる

背中は砂浜アツアツ地獄だけど、腕の中には愛しい望がいて天国だね

ごめんボクは普通のスイカ割りでいいや



 爽やかな風に髪を揺らし、太陽の眩しさに目を細める七那原・エクル(ツインズキャスト・f07720)は思わず空を仰ぐ。
 からりとした空がどこまでも続き、その下には水平線。
 ああ、これこそ夏の風景。
「今年も空飛ぶスイカ割りなの! えくるん、見ててー♪」
 そんな風景も七那原・望(封印されし果実・f04836)の後方に鎮座する大砲でぶち壊しだ。
 さわやかとは縁がなさそうな、馬鹿でかい人間大砲に視線を向けるエクルはふと、昔のゲームにあったようなタル大砲だなと思ってしまう。
 そんなエクルに手を振る望はスイカ割りに挑む為べく、沢山の棒を持参していた。何か作戦があるのだろう。
「ガーンーバーレー!」
 手を振り返すエクルは小柄な望が大きな大砲に入っていく様が可愛いなーなんて思いつつ、スイカ割りに挑む望みを送り出す。
 ――鳥になってこい! 望!
 エクルが力強い眼差しを向ける中、すっぽりと入ってしまい姿が見えなくなってしまった望だが――、
 どおおぉん!!
 轟音が轟き、射出された望は何と即座に持っていた棒を一本だけ残して空中に放ったのだ。
 望と共に数多の棒が空を舞う。
 ごうと風を切る音に包まれ空高く舞い上がっていく中で望は精神を集中させ、耳を研ぎ澄ます。すると遠くから何かが飛んでくる音が聞えてきた。
 スイカだ。もちろん、スイカ以外も。
「スイカが飛んできたよ! 右から3つ、左から3……4個!」
 果たして声は届くだろうか。不安になるが、声を出さずにはいられない。
「あとバレーボールも! 右から!」
 地上からの声は耳を澄ませ、飛んでくる位置を探っていた望の耳にしっかり届いていた。その証拠に手放さなかった棒を手に小さくこくんとエクルへと頷き応える。
 飛んでくる音で位置は見切りがついた。あとはタイミングよくスイカを割っていけばいい。
「右、今!」
「……っ!」
 自分へと向けられる声と己の第六感で――断つ!
 すぱんっ! と爽快な音と共にスイカは綺麗に真っ二つ。
 最初の一つ目を割った望は手にする棒を手放しつつ、背中の翼と周りの足場を使って軌道を変えると放った別の棒を掴んで新たなスイカを両断。
「やった!」
 地上で喜ぶエクルも望のスイカ割りのお手伝い。
「今度は左! 次も左! ……右からのボールに注意して!」
 小さく頷き、ぱあんと斬り、
「右、今打ち返して!」
 エクルの声に飛んできた鉄球を打ち返す。
 スイカを斬って、軌道を変えて新たなスイカを真っ二つ。
 かなりのスイカを割った望だが、スイカが飛んでくる音はようやく消えた。先ほどので最後だったのだろうか。
 ――と、
「追加のスイカが沢山飛んできたよ!」
 スイカを割り終えたと思いきや、まさかの増援。
 数えきれないスイカの量に思わず声を上げてしまうエクルだが、望もスイカの弾幕は察する事ができた。
 しっかり音を聞き分けていけば対処に問題ないだろう。それに、地上には頼もしい声援もある。
 乱舞を繰り返しながらたくさんスイカを割る。
「これぞ必殺、オムニディバイドver.5!」
 大きく飛んで、最後のスイカを一刀両断!
「からの……えくるん大好きダイブなのー!」
 手にしていた棒を手放し、エクルへダイブ!
「え? ちょっと待って!」
 空からまるで天使が舞い降りるかのように、望はエクルの元へと飛び込んでくる。
 予想外の事態にあたふた慌てつつも両手を広げてキャッチしようと大きく構え――キャッチに成功!
 しっかり抱いてキャッチし、そのままくるくる回って背中から砂浜へと倒れこむ。
 夏の日差しに焼けた砂に倒れ、背中は砂浜アツアツ地獄だけど、腕の中には愛しい望がいて天国だ。
「ナイスキャッチなのー♪ 次はえくるんの番なのー。ファイトなのー♪」
「ごめんボクは普通のスイカ割りでいいや」
 二人の瞳はかちりと重なる。
 見つめあい、スイカ割りの音は止むと、辺りは白波の音が静かに響いた。
 波は寄せては引き、また寄せて。
 優しい潮風が頬を撫で、エクルと望は二人だけの時間を過ごすのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年08月06日


挿絵イラスト