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召しませ、花色ヴェリタス

#グリードオーシャン #お祭り2022 #夏休み #アエテルニタス島 #アゲル #あなただけの花束を #夕狩こあら

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#夕狩こあら


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 グリードオーシャンの島のひとつ、『アエテルニタス島』。
 UDCアースから落ちて来たと思われる南国の小さな島には、海底から絶えず湧き出る空気の泡に包まれた「海底都市」が存在し、そこには海上で暮らす島民の祖と呼ばれる原住民たちが今でものんびりと暮らしている。
 夏ともなれば、海上海底を問わず島民が海水浴やマリンスポーツを楽しむようになるのだが、中でも多くの人々が楽しむのが「海底さんぽ」だ。

「海底と云っても、都市全体が空気の泡に包まれているから、楽に呼吸できるの」
 深海人でなくても大丈夫、と微笑を添えるニコリネ・ユーリカ(花屋・f02123)。
 陸上の生き物も水着ひとつで参加できる、手軽なアクティビティだと紹介した彼女は、中でもオススメのスポットがあると喜色を滲ませた。
「海中に万彩を広げる花畑があってね、とっても綺麗よ」
 海の底に眼路いっぱい広がる花畑。
 まるで珊瑚礁のように豊かな色彩を見せる其処には、カラフルなキャンディカラーの南国花や、観る者に元気を与えてくれるトロピカルなワイルドフラワー、海底でも太陽のように輝いて咲く向日葵もあれば、朝露のように眩しく煌めくアスター等、多種多様な花が咲いている。
 それらは全て自然に群生したもので、極めて透明度の高い海水だからこそ水面から降り注ぐ陽光を取り入れて育った奇跡の産物――まるで海の底に鏤められた宝石だ。

「勿論、見て回るだけでも楽しいけど、お花は摘む事も出来るんですって」
 海底の花は、地上に咲く野花と同様に摘む事が出来る。
 色取り取りの魚たちが游ぐ中、直観で気になった花を選んでも良いし、花言葉を考えながら集めても良い。
 花色に想いを映したり、美しい色彩の中でゆったりとした時間を愉しんで欲しいと咲んだ花屋は、ぱちんとウインクするやグリモアを喚び、
「今年の夏は今年だけだもの。いっぱい、いっぱい、楽しんで来てね!」
 と、温かな光に送り出すのだった。


夕狩こあら
 オープニングをご覧下さりありがとうございます。
 はじめまして、または、こんにちは。
 夕狩(ユーカリ)こあらと申します。

 こちらは、グリードオーシャンで束の間の休息を楽しむ日常シナリオ(難易度:普通)です。

●シナリオの舞台
 グリードオーシャンに浮かぶ島のひとつ「アエテルニタス島」。
 南国の小さな島には、海底から絶えず湧き出る空気の泡に包まれた海底都市が存在し、ここでは深海人以外の種族でも自由に呼吸できます。

●シナリオ情報(一章構成です)
 第一章『あなただけの花束を』(日常)
 アエテルニタス島の深層部を探索しましょう。
 深海部に咲く花畑で、これと思った花を取り、花言葉を集めたりする他、散策や遊泳を楽しむ事が出来ます。花の咲く季節は問いません。

●プレイングボーナス:『水着の着用』
 このシナリオフレームには、特別な「プレイングボーナス」があります。
 イラストを指定する場合、省略して【🏝ID】で指定するか、このシナリオでのみ着用する水着は文章でのご指定をお願い致します。

●リプレイ描写について
 フレンドと一緒に行動する場合、お相手のお名前(ID)や【グループ名】をお書き下さい。呼び名があると助かります。
 また、このシナリオでは、現地民であるクラゲ型深海人のアゲルやニコリネ・ユーリカ(花屋・f02123)をお話の聞き手役として指名できます。夏の思い出に、ご自由にどうぞ。

 以上が猟兵が任務を遂行する為に提供できる情報です。
 皆様の武運長久をお祈り申し上げます。
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第1章 日常 『あなただけの花束を』

POW   :    花の大きさで選ぶ!

SPD   :    花の色で選ぶ!

WIZ   :    花の香りで選ぶ!

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

仇死原・アンナ
アドリブ歓迎

🏝167426

…海の底…だけど息が出来る…
綺麗だね…色んな色で溢れてる…
見たことある花…見たことない花もある…凄いなぁ…

とぼとぼ歩いて海底散歩を楽しもうかな…

…私の生まれ落ちた|常闇の世界《ダークセイヴァー》の…
暗い地の底とは違う…色と光に溢れる水の底…
…正直に言うと羨ましい…この光景を…
私の生まれ落ちた世界の人達にも見せたいな…

グリモア猟兵のあの人は…花に詳しそうだから…
私に似合いそうな花を選んでくれないだろうか…?
綺麗だ…花を摘むのは少し申し訳ないけど…

…この綺麗に咲く花もすぐ枯れてしまう…
だが…種子を残し芽を出しまた花を咲かせるだろう…
…また来年に…色に満たされて…



 水面に搖蕩う陽光が瀲灔と燿う下、光斑の游ぐ海の底を、|漫《そぞろ》歩く。
 海流に撫でられる花々を踏み分け、折に飛び出しては肌膚をつつく魚達に遊ばれながら花畑へ向かうは、花嫁――純白のリボンとフリルをふんだんに|添《あしら》ったワンピース水着を纏う、仇死原・アンナ(地獄の炎の花嫁御 或いは 処刑人の娘・f09978)。
 鍔広のカプリーヌから白皙を覗かせた麗人は、眼路に飛び込む百花斉放の絶佳にそっと嘆聲を零すと、黑彩の瞳を周囲に巡らせた。
「綺麗だね……色んな花が色んな色で溢れてる……凄いなぁ……」
 見たことある花も、見たことない花も、めいっぱい花葩を広げて光を浴びて――。
 海底で呼吸が出來る不思議を先程から感じているけれども、海中で花が咲くというのも己にしてみれば奇跡だと身を屈めた彼女は、ふうわと搖れる花色を暫し|瞶《みつ》める。
「暗い地の底とは違う……色と光に溢れる水の底……。正直に言うと……羨ましい」
 アンナの故郷たる|常闇の世界《ダークセイヴァー》は、空から地の底まで昏闇。
 猟兵が上層に到達したとはいえ、自分達に未來を託した人々に光が届くのは、もう少し後になるだろうと、可憐な小花に故郷の人を重ねたアンナは、そっと想いを零した。
「……この光景を……私の生まれ落ちた世界の人達にも見せたいな……」
 ほつり、紅脣を擦り抜ける慥かな想い――。
 而してアンナが靜かに花色を愛でる中、つと聽こえた鼻歌に視線を結べば、ニコリネが花を選んで束ねているのを発見し、詳しいのかなと思い訊ねてみる。
「……良ければ私にも……似合いそうな花を選んでくれないだろうか……?」
「まぁっ! ご用命ありがとうございまーす!」
 ハイ喜んでーと笑顔を咲かせたニコリネは、直ぐに花を見繕い始めた。
「黑鋼の鎧から赫々と炎を迸らせて戰う貴女には、オトナ格好良いレッドブラックの……ワンサイドな花束が似合うかしら」
 同じ猟兵同士、アンナの活躍の程は報告書で知っていると、数々の名場面を挙げながら手を動かした花屋は、摘める花のひとつひとつに彼女の麗容と勇姿を重ねていく。
「落ち着いた深紅のバラとマム、そして心臓を思わせるハート型のアンスリウムと実モノでバランスを整えた後は、ムーラン・ルージュっていう黑向日葵を一輪添えましょう」
 赫に赫を重ねる――随分と血色の濃い花束だが、そこに純白のカスミソウが添えられるのは、今の淸らかな水着姿を映しているのか。
「……華やかで……綺麗だ……」
 花屋ならではの手際の良さを見たアンナは、|不圖《ふと》、花切挟に摘み取られていく花たちに目を向けると、ちり、と傷む胸に手を宛てた。
「花を摘むのは少し申し訳ない気もするけど……」
「ふふ、お優しいのね」
 心優しき人に見初められたなら、人知れず散るより幸せだろうと――柔く咲んだ花屋が花束を渡せば、アンナは大事なものに触れるようにそうっと抱き包む。
 赫と黑と白……万彩の中から取り出された自分の色を見つめたアンナは、小さく言ち、
「……この綺麗に咲く花もすぐ枯れてしまう……だが……種子を残し芽を出し、また花を咲かせるだろう……」
 命は畢る。だが繋がれる。
 そうして美し花色が継がれていく。
「……また來年に……色に滿たされて……」
 この景色は悠久の時間に継がれていくのだと、手元の花から眼前の花畑に視線を移したアンナは、その一瞬でも己の瞳に焼き付けんと、再び歩き出すのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

御形・菘
海中に咲く花々なんてさぞや素敵な眺めなんでしょう、とても楽しみ!
ということで私はプライベートで参加です

花畑ではゆっくりと、存分に花々を遊泳しながら見て回っていきましょう
いかにも南国な目立つ色彩の大きな花も良いけれど、細かく小さく咲く花たちも好きですよ
それと花を摘んだりはしません
花はその場で咲いてこそ…そこに私が手を出すのは違うと思うので
名を知らぬ花々が咲き誇る一瞬のこの光景を、心に焼き付けます
永遠とは真逆の刹那の輝き、エモさを感じるのは実益を兼ねた趣味の修練だとか、まあそんな感じです

ニコリネさんには気になる花の名前を聞いてみましょうか
お気に入りの花も聞いてみたいですね
【🏝ID:167966】



 とぷりと水面を潜り、眞白の泡沫を連れて深層を目指す。
 水の抵抗が強いか――いや、|【水圏進攻】《チェンジ・アクアモード》で海蛇の鱗を纏えば難無いか、大海流に乗って海底へ向かった御形・菘(邪神様のお通りだ・f12350)は、乙女色のルージュを差した佳脣に淡い弧を描いた。
「海中に咲く花々なんて、|嚥《さぞ》や素敵な眺めなんでしょう。――とても樂しみ!」
 あえかに細む金彩の瞳の穩やかなこと、鈴のように轉がる佳聲の柔かなこと。
 黑艶の鱗を煌かせて潜水する彼女の周囲には、いつもは生配信を支える天地通眼が居るのだが、蛇神闇装も無し、艶蛇冷粧も無し、此度は完全にプライベートモード。
 邪神設定をオフにした代わり、自然で可憐な笑顔を咲かせて海底に降り立った彼女は、眼路いっぱいに広がる絶佳の景に、わぁ、と嘆聲を零した。
「處々に光が降り落ちて、花色が耀いて……なんて綺麗」
 深層海流に搖れる花々を見れば、そこから姿を現す魚達は鮮やかな縞色。
 周囲を游いでは擦り抜けて遊ぶ彼等に、莞爾と咲って挨拶した菘は、それからゆっくり花畑を見て回り、樣々な花姿と花色に眼福を得た。
「いかにも南国然とした、華々しい色彩の大輪も良いけれど、細かく小さく咲く花たちも好きですよ。みんな一生懸命、光を集めて咲いていますから」
 邪神モードでは豪快にオブリビオンをボコる菘だが、悪戯に花を摘んだりは爲ない。
 地上に較べれば空気も光も尠いが、海の底で命を得た彼等の樂園は正しく此處であり、そこに己が手を出すのは違うと、繊手はその儘、鑑賞するに留める。
「名を知らぬ花々が咲き誇る一瞬のこの光景を、心に焼き付けましょう」
 其は、永遠とは眞逆の刹那の輝き――。
 その閃光の如き強さと美しさに「エモさ」を感じるのは、実益を兼ねた趣味の修練だと――邪神の鮮烈壮絶な戰いっぷりを愛する視聴者には|祕密《オフレコ》の話だ。
 花のひとつひとつが命に耀いていると、眩しそうに瞳を細めた菘は、興味深げに連いてくる魚達と一緒に、ゆったり海底散歩を愉しむのだった。

  †

 そんな彼女が知人とばったり出逢わしたのは、海流に乗る鼻歌を聽いた時。
「――あ、ニコリネさん。貴女も花畑を観に?」
「わ、菘さん! ナチュラルメイクも素敵ね!」
 海色の大きなリボンをあしらった鍔広のカプリーヌ、その眉庇から覗く穩やかな|星眸《まなざし》に気付いたニコリネが、わ、と驚いたのも一瞬。菘の優艶な佇まいに笑む。
 それから少し散歩コースを同じくした二人は、一面に咲く花々を愛でながら歓談した。
「ニコリネさんはお花屋さんですから、気になる花が見つかったのでは?」
「ええ、もう! ランタナを見つけたから嬉しくって!」
 ランタナは「七変化」とも呼ばれ、花色を變える珍しい花だ。
 ゆかしい淡色に咲いたと思えば、鮮やかな色を広げて見る者を驚かせ、魅了して止まぬ――その美しさが何處か菘に似ているとは、ふくふくとした微笑に隱して。
「では、お気に入りの花は?」
 其と知らぬ菘がもう一つ問えば、ニコリネはきゅっと咲みを深めて答えた。
「ピンクのガーベラよ! 柔らかな色合いと、前向きな花言葉にいつも励まされるの」
「ガーベラ……では、それも見つけましょうか」
「!! はい!」
 きょろきょろと周囲を見渡し、「あるといいですね」と捜し始める菘。
 彼女本來の優しさに触れたニコリネは、胸に温かなものが広がるのを感じると、嬉々と「菘」の後についていくのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

メフィス・フェイスレス
【🏝168081】【アドリブOK】【聞き手登場OK】

魚と花に囲まれながら優雅な海底散策。いいわよねー
(【飢渇】チェアにぐーたら躰を横たえスイーツを楽しみながら運んでもらいつつ海底探索。周りでわー♪と魚を追っかける【飢渇】の群れ。ぎゃー、と逃げる魚たち。ほのぼ……の?)

ああ、ここら辺だけ全部一面のマーガレットねー
白の――あー、花言葉?なんだっけ。忘れたー(ぐでー)
……摘むのはやめときましょ。折角咲いたのに可哀想だから
折角だから暫くこの白い花園の中に横になって寝てましょう

(純白の絨毯に横たわる黒。魚が声を上げられたなら阿鼻叫喚であろう周りの光景を無視すれば幻想的に見えなくもない。たぶんおそらく)



 ふんわり彈力のあるクッションに躯を預け、海流に運ばれる儘、海底を散策する。
 腰掛けた者が寛げるよう常に体勢を調節し、都度にソフトクリームやソーダフロート等の極上スイーツを給仕し、かき氷はスプーンで掬ったものを口まで運んでくれる最高級のぐーたら仕様、その正体は|【群】《ムラガル》。
「魚と花に囲まれながら、優雅な海底散策。……いいわよねー」
 主の躰から滲み出す眷属『飢渇』、その骨片や死肉の塊、ぎょろぎょろ目玉やら得体の知れないモノ達で創られた万能チェアは、ぐでーんと繊躯を預けた主を連れて、ぬんぬんと海底の花畑を歩いて行く。
「天真爛漫に魚を追ッ掛ける飢渇の群れ……必死に逃げる魚たち……いいわねー」
 いいの……だろうか……。
 何とも微笑ましい光景だと、ほのぼの眺めつつ景色を愉しむはメフィス・フェイスレス(継ぎ合わされた者達・f27547)。
 褐色の肌膚にグンと際立つワンショルダーの白ビキニは、ロック調のベルトに飾られてより瀟洒に、ウェーブ掛かったツインテールを結わえる純白のリボンの可憐さと合わせ、絶妙のバランスを取っている。
 そうしてキュートとホラーを見事同居させた彼女は、飢渇の食欲の赴く儘に|漫《そぞろ》歩いて幾許――軈て一面が「白」に染まる花畑に降り立った。
「ああ、ここら辺だけ全部一面のマーガレットねー」
 海の底に延々と白い絨毯を広げるは、マーガレット。
 温かな黄色の花芯を中心に、繊細な眞白の花葩を一重に巡らせる可憐な花は、Margarites(真珠)の如く楚々と、光を浴びて咲いている。
 自ず魅入ってしまうのは何故か――。
 メフィスはいつか聽いた花言葉を思い起そうと、美し花色を|瞶《みつ》める。
「白いマーガレットの……あー、花言葉? なんだっけ。…………忘れたー」
 海流に搖れる白花を前に、タイムアップと肩を竦めるメフィス。
 近くに花屋でも居たなら諸々を聽けたかも知れないが、かの花言葉「心に祕めた愛」を思い出したなら、花嫁のブーケにも使われる無垢性があると聽いたなら――。
 飢渇チェアに橫たわる躯は、擽ったい何かでシュバッと跳ね起きたか分からない。
「……摘むのはやめときましょ。折角咲いたのに可哀想だから」
 この儘の花姿で良いのだと、鑑賞するに留めたメフィスは、何だかフワフワと柔らかな白い花園に呼ばれたような気がして、繊躯を預ける事にする。
「……折角だから、此処で暫くお昼寝しましょ」
 純白の絨毯に昏闇の躯を橫たえ、眼路いっぱい広がる絶佳を観る。
 ぼうっと見上げる海には、水面から瀲灔と降り注ぐ陽光と、飢渇に追い回される魚がチラチラ……もし魚が声を上げられたなら阿鼻叫喚であろう光景を無視すれば、幻想的に見えなくもない(たぶん)と、ぼんやり眺めていた彼女が眠ったのは何時だろう。
 マーガレットの花畑は、メフィスを起こさぬよう靜かに穩やかに搖れるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

栗花落・澪
【🏝167209】

海底の花畑、素敵だよね
水面を見上げれば揺らぐ光が差し込んでて
地上と違う煌めきを浴びて育つ花々もとっても綺麗で

花摘むのもいいけど、折角だからこの場所の雰囲気自体を楽しみたいな
水中だけど、呼吸ができるなら香りも少しくらい感じれたりするのかな?

花畑の中を静かにゆっくりと泳いで散歩を
そういえば、まだ猟兵になる前
牢に囚われていた時に時折遊びに来てくれたのも、花の精霊さんだった
一番最初に来てくれたのはどの花だったか…
あの頃は自分の事で精一杯で聞きそびれちゃって、覚えてないけど
もしこのどこかにも咲いているなら
偶然でも記憶の片隅に残せてると嬉しいな
綺麗な思い出として

※白いゼラニウムの花です



 全身が光彩に抱かれるような――心地好い感覺に五感が沫立つ。
 眞白の泡沫を連れて海底の花畑に降り立った栗花落・澪(泡沫の花・f03165)は、宝玉の如き美瞳に映る百花斉放に、不覺えず嘆聲を零した。
「――とても綺麗で、とても素敵だね」
 頭上を仰げば、水面に降り注ぐ陽光が瀲灔と搖れて。
 地上と違う煌めきを浴びて育った花々は、其々に色彩を輝かせて。
 一生懸命に咲く花達の力強い生命の耀きを見た澪は、|不圖《ふと》、可憐な花姿に呼ばれると、摘みはせず――淡く細めた瞳に愛でるのみにする。
 海の底に広がった神祕、奇跡の光景そのものを樂しみたいと足を進めた澪は、その眞白の耀きに誘われてやって來る魚達と共に、のんびり海底散歩に出掛けるのだった。

  †

 折に流れ込む深層海流にポニーテールを搖らしつつ、花の絨毯を歩き、游ぐ。
 海底ながら充分に光量がある事にも驚かされるが、肺呼吸には難無いし、花の馨も聢と匂って來る不思議には、猟兵として数多の世界を渡った澪も喫驚したろう。
「凄い……花の香りがする……」
 思い出すのは、まだ猟兵になる前の斷片的な記憶。
 澪が牢に囚われていた時、孤独な籠の鳥の前に來てくれたのは、花の精霊だった。
(「精霊さん……一番最初に遊びに來てくれたのは、どの子だったかな……」)
 何ひとつ持たぬ己に慰みをくれた存在。
 あの頃は己の事で精一杯で、名を聞きそびれてしまったけれど、記憶も薄れてしまったけれど。若しか何處かに、或いはこの海の底にも咲いているなら――。
 純白のフリルビキニをゆうらと波打たせながら万彩の園を進んだ澪は、その品佳い鼻梁に独特の匂いを――爽涼たる花馨を掠めたか。
(「綺麗な思い出として、僅かにも記憶の片隅に残せてると嬉しいんだけど……」)

「あ、この香り――」

 遠い遠い昔の記憶に、感情が搖り動かされる。
 己の目の前に姿を現してくれた時も、こんな匂いが鼻を掠めたと、手繰るように花園を歩けば、軈て無垢の花嫁は一面眞白なゼラニウムの園に辿り着いた。

「わ、あ……!」

 今の澪と同じように純白の花色をした其は、スッキリと淸涼感のある馨りを放ちつつ、突然の來訪者たる澪と、彼に随行した魚達を快く迎えてくれる。
 ゼラニウム全般が持つ花言葉は、「眞の友情」――。
 記憶の朧げな澪にも變わらぬ花姿を差し出すか、ゼラニウムは莞爾と咲むように花色を広げ、その美しき姿を潮流に搖らすのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ココ・タマーニャ
【花翅】シゥと一緒ですよ!
【🏝id=167906】今年の水着着用

わあ! 海の中を泳いでいたら、お花畑に出会えましたよ!
私はあまり海を泳いだことがない。
でも、息もできて、こんなに素敵なら、泳ぐのも怖くないっ。
新しくおろしたて、自慢の水着で、シゥと一緒に楽しむのです!

海の中に、色とりどりのお花がこんなに咲くなんて……
すごいねっ、シゥ!
お花の上を、そっとつま先立ちで歩いてみる。そうしたら
ふるるっと、水の中でお花が揺れて、鮮やかなキラメキに心躍っちゃう。

まあ、シゥ、楽しそう♪
シゥの踊りに合わせて、身体が自然とバレエしちゃう!


シゥ・フリージア
【花翅/🏝168215】
※今年の水着着用

お花、いっぱい!
シゥの故郷もお花ある、でも川の中はない
海は、お花咲く、すごい!
ココ、お花摘み行こ!
隊長たち(★ぴよちゃん隊長)も、探すてつだって!

お花のコトバ?はよくわかんないから
シゥ、ココの色さがす!
赤くてかわいいの!
シゥの水着は海の色
ココの赤探したらココとシゥ一緒!

無邪気な様子で探して
でも心は幼くて集中力散漫
大きいお花を見つけたらつい上に飛び乗って

ココ、見てー!

花の上でくるくる踊る
隊長達も茎の下で一緒に踊って
そのうち視界に目的の花を見つけ

あったー!ココの色!(飛びつき

※ひよこ達は指定以外は
向日葵の種啄もうとする、迷子になる等自由行動でお任せ



 南國の小さな孤島、アエテルニタス島の遙か海の底――。
 かの海底都市は、水に在る者も陸に在る者も等しく招かんと気泡を湧き出していたが、此たび万彩の花園に迎えられたのは、美しい繊翅を持ったフェアリー達。
 目下、光溢れる海の底に、小さな影がふたつ、ふうわりと降り立った。
「わあ! 海の中を泳いでいたら、きれいなお花畑に出会えましたよ!」
 一人は鈴を振るような美しい聲のココ・タマーニャ(玉の音りんりん・f01181)。
 海であまり泳いだ事の無い彼女は、海底へ向かう深層海流に運ばれるようにやって來た訳だが、小さなココの大きな翠瞳に飛び込むは、鮮烈の赤、楚々たる白、無邪気な黄……色取り取りの花々が、降り注ぐ陽光をいっぱいに浴びようと花辨を広げている。
「海の中に、こんなにお花が咲くなんて……すごいねっ、シゥ!」
「ほんと! お花、いーっぱい!」
 もう一人は、嬉々と頷くシゥ・フリージア(純真無垢な野生姫・f03749)。
 兩手いっぱいに花畑の広さを表現して見せるが、色彩の絨毯は涯が見えず――。
 ぽっかりと開いた口は軈てきゅうと口角を持ち上げ、浪漫と冒険心を膨らませた。
「海は、お花咲く、すごい! ココ、お花摘み行こ!」
「うんっ! 一緒に行こっ!」
 シゥの故郷にも花は咲くが、水中で咲くものは無い。
 海底で咲き亂れる花も稀有しいが、呼吸が出來る不思議だって面白いと花顔を見合せた二人は、仲良く手を繋いで海底散歩に出掛けるのだった。

  †

 これだけの絶景を前にすれば、海に抱かれる感覺も怖くない――。
 新しい水着が勇気と自信を呉れるのもあろう、胸元に乙女色の花を裝った透け感のあるベビードール風ドレスは、ココの瞳と同じ若草色のリボンを結わえて華やかに、大海流に靡いてゆらゆらと、スカラップの裾を游がせていた。
「ね、シゥ、……ほら……お花がふるるって搖れて煌いてる!」
 爪先立ちで、そうっと花畑を歩いてみる。
 然れば水の流れに身を搖らした花々が光斑を踊らせ、その鮮やかなキラメキに心躍ると頬笑したココが、シゥもどう? と誘い掛ける。
 佳人が嫣然を注ぐ先、シゥはと云うと――、
「お花のコトバ? はよくわかんないから、シゥ、ココの色さがす!」
「ココのいろ?」
「うん! 赤くてかわいいの! 隊長たちも、探すてつだって!」
「🐤」
 と、宝石のようなオッドアイできょろきょろと周囲を見渡し、赤いお花を探し中。
 ココの美しい髪色を映した花が佳いと、此度は白い特攻服を纏うひよこ達にも手伝って貰うのだが、雛達は黄色いお尻をふりふり、向日葵の種を啄もうとしたり、貝殻を突いてみたり、魚と一緒にあらぬ方向へ行ったり……正に天衣無縫。
 蓋し彼等に探索を頼んだシゥも無邪気なもので、一生懸命に探すも集中力は散漫に――大きな花を見つければ、つい嬉しくて上に飛び乗ってしまう。
「ココ、見てー!」
「まあ、シゥ、楽しそう♪」
「ほら、くるくるーっ!」
 元々、樂しい事が大好きなフェアリー達だ。
 タタタッと駆け寄ったココも、シゥが紡ぐリズムに合わせて自然とバレエを踊り出し、優艶に動かす指先に魚たちを呼んで、更に色彩を広げる。
 この賑々しい雰囲気にはぴよちゃん隊長達も惹かれたか、小さな黄色がふわふわと茎の下で踊り出し、海底の花畑は素敵なダンスフロアに早變わりした。
「ふふ……たのし……――あっ、あったー! ココの色!」
 シゥの色を違えた双眸が、揃って耀いたのは間もなくの事。
 大きな花の上で踊って高さを得たシゥは、やや広くなった視界に赤い花を見つけると、ピョンと爪先を蹴って元気よく飛びつく。
 目的の花を手に入れられた妖精は、鴇色の佳脣にきゅっと弧を描こう。
「シゥの水着、海の色! ココの赤探したら、ココとシゥ一緒!」
 言葉こそ幼く拙いが、想いはいっぱい。
 空の靑色と海の碧色、美しい藍の世界を繊細なリボンとフリルで繋いだ水着は、一緒に海底を訪れたココの色――目が奪われるような赤を求めていて、それが見つかったのだと喜色を兆したシゥは、大事そうに花を抱き締める。
 その莞爾とした笑顔を見たココも、ふわふわと広がる幸福の色を佳顔に映して、
「――ふふ!」
 と、嬉しそうに擽ったそうに解顔する。
 可憐な頬笑を結び合った二人は、それからまた手を繋いで、まるで踊るような足取りで海底遊泳を愉しむのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ゾーヤ・ヴィルコラカ
【水着:🏝167606】

 ここが、アエテルニタス島……。とっても幻想的なところね! 泳ぐお魚さん達を見上げるのも不思議な感じで、とってもわくわくするわっ!

 海底さんぽでのお花選びでは、【SPD:花の色で選ぶ】ことにするわ! せっかくだから、アゲルさんにもオススメのお花や好きなお花を聞いてみるわね。贈り物にするならどんな花がいいかしら?

 オススメのお花と、オレンジとかの明るいお花を2種類くらい選んで、5本くらいのミニ花束にするわ。旅団の皆やここを紹介してくれたユーリカさん、お花選びを助けてくれたアゲルさんにもプレゼントしたいけれど……それはちょっと欲張りすぎかしら?

 お魚さんと一緒に泳いだり、海の光で輝く花園でお花を選んだり、まるで幸せな夢のよう。こんなに綺麗な景色、生まれて初めて見たかも。一生忘れられない、素敵な夏をありがとう!

(アドリブ等々何でも歓迎)



 寄せては返す波に|燦々《キラキラ》と白沫の躍る――昼下がりの渚を歩く。
 編み上げのウェッジサンダルを白波に潜らせながら、肌膚に触れる汐風に誘われるまま波音を搖らす海を眺めていたゾーヤ・ヴィルコラカ(氷華纏いし人狼聖者・f29247)は、海面からにょっきり顔を覗かせたクラゲにクイクイと手招きされた。
 繊指に少しバイザーを持ち上げれば、翠玉の瞳に映るは莞爾とした笑顔。
「おいデ、猟兵さん! 深海の花畑に連れてってアゲル!」
「あら、あなたが深海に案内してくれるの?」
「ウン! 海底へ向かう潮を摑んで行くんだヨ!」
 クイクイ動く透いた手の持ち主は、クラゲ型の深海人アゲル。
 メガリス研究家を自称する冒険家は、猟書家の侵略を幾度と退けた猟兵を好いており、今夏も彼等の訪問を心待ちにしていたか、ゾーヤを見るなり呼び掛けた模様。
 アゲルも心の壁を感じさせぬが、ゾーヤも心の距離を隔てぬ性格にて、秒で打ち解けた二人は直ぐに水面を潜り、万彩を広げる花園へと向かった。

  †

「わ、ぁ……! 浜辺の景色も素敵だったけど、海の中もとっても綺麗ね!」
 感嘆を零して気付く。
 聲が出る! 呼吸が出來る!
 成程、海底より絶えず涌き出る気泡のお陰だと、狼の尻尾にもぷくぷくとくっつく泡沫を見ながら海中を泳いだゾーヤは、擦れ違う魚達に挨拶をしながら海底を目指した。
「こんにちは! ……って、お魚さんを見上げるのも不思議な感じね……」
「エイさんとか、お腹側から見るとカワイイんだヨー」
「本当、笑ってるみたい!」
 アゲルが指差す方を見れば、エイの群れが泳ぐ更に上、降り注ぐ陽光が瀲灔と光斑を搖らしているのが見える。極めて透明度の高い海ならではの美景だ。
「常夏の島、アエテルニタス島……。とっても幻想的なところね!」
 特に万年雪に覆われた村に生まれたゾーヤには、南國の色彩がより稀しく見えよう。
 透み徹る海を游ぐ魚達も鮮やかだと、瞳を細めながら海底に降り立った佳人は、足許に広がる花の絨毯を見るや、パッと花顔を綻ばせた。
「遙か向こうまで花色が広がっていて……とってもわくわくするわっ!」
 百花斉放の絶景に、感動を零した口角がきゅっと持ち上がる。
 目下、ゾーヤの眼路いっぱいに滿つ花々は、色取り取り、濃淡も樣々な色を広げつつ、花姿も千差万別ながら全体的として統一感のある――圧巻の景色を見せていた。
「折角だから、お花を選んでみたいのだけど……」
「迷っちゃう? 気になったものはボクが説明してアゲルよ!」
「そうねぇ、贈り物にするならどんな花がいいかしら?」
 花色を愛でながら、海底の花園を|漫《そぞろ》歩く。
 贈り物なら――と口を開いたアゲルが指差すのは、南國らしいトロピカルフラワーで、太陽の光をいっぱいに浴びたサイアムゴールド、幸福の色を溢れさすハニーエンジェル、そして緑も明るいヘリコニアも好きな花だと勧めていく。
「ゾーヤの元気いっぱいな水着の色にピッタリだもの。きっと似合うヨ!」
 瑞々しい色が映えていると、聖女の麗姿を見るアゲル。
 彼女がオススメしたハッピカラーの花々は、ゾーヤも気に入ったようで、
「うんうん。全体的に橙色の明るい発色になって、イキイキとした感じがするわね!」
 とこれらを二種類くらい組み合わせ、五本程度のミニ花束にしてみようと動き出す。
 旅団の仲間や、島へ案内してくれたニコリネ、そしてお花選びを手伝ってくれたアゲルにも贈りたいと、せっせと束ねるゾーヤに花色が移っていくのは自覺しようか。
「……ふふ、ちょっと欲張りすぎかしら?」
「欲張ってイイんだヨ! 幸せのお裾分けなんだもの」
「おすそわけ?」
「うんっ! 贈りたいと思う人の数だけ、ゾーヤは皆を幸せに出來るんだ」
 心優しき聖女に見初められた花も然り。
 人知れず散るより幸せな花達は、束ねられては受け取る人を幸せにするのだと――。
 アゲルが胸を張って云えば、成程とこっくり頷いたゾーヤは、作り上げたばかりの花束をそうっと差し出した。
「じゃあ、これ……貰ってくれる?」
「! もちろんだヨ! ありがとゾーヤ!!」
 きゅうっ花顔を緩めて受け取るアゲルが、万の言葉を代わろう。
 透き通る頬面にほんのり紅色を差した彼女が、お返しに花束を贈りたいと願ったなら、ゾーヤはアゲルを連れて再び歩き出し、光斑に燿う花畑を散策し始める。
 二人が束ねる花の馨につられて集まる魚も、一緒に行けば樂しいか。
 右手に花束を、左手をアゲルと繋いで海底花園を歩いたゾーヤは、ぐうるりと見渡した瞳に映るもの全てに感謝し、淡く目尻を緩めた。
「まるで幸せな夢を見てるよう……」
 こんなに綺麗な景色、生まれて初めて見たかもしれないと、未だワクワク、ドキドキと拍搏つ心臓に、わたしも同じ気持ちだと共感を寄せるゾーヤ。
 スゥ、と深呼吸した佳人は、肺腑いっぱい空気を吸い込むや大きく聲を張り、

「一生忘れられない、素敵な夏をありがとう!」

 この想いが届きますように、と――。
 美し金絲雀の聲を花園の涯まで澄み渡らせるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年07月30日


挿絵イラスト