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新鮮なインクを搾り取る『手』

#ダークセイヴァー #ダークセイヴァー上層 #第三層

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#第三層


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●グリモアベース
 その日のクロノ・ライム(お菓子に目がないクレリック・f15759)の様子はいつもより少し落ち込んでいるように見えた。
「実は、予知した光景があまりにも酷く、皆さんを転送するべきか迷ってしまいまして……」
 しかし、猟兵を派遣しないということは予知の通りの被害が出てしまうということだ。
 クロノは意を決したように、詳細を話し始める。

●彷徨う人々
 ダークセイヴァー上層。そこでは魂人と呼ばれる人々が闇の種族に弄ばれていた。
「ここを乗り越えれば、少し休憩できるはず……」
 荒廃した大地を何人かの魂人たちが彷徨っている。周囲には集落など見えない。それでも、休める場所がないか探していた。
 魂人たちは自分たちがどこから来たかの記憶も曖昧だった。彼らが使えるユーベルコード「永劫回帰」は自身の幸福な記憶を改竄してしまうのだ。

「なにか来るぞ!!」
 一人が上空を見て声を上げた。巨大な板のようなものが自分たち目掛けて落ちてくる。
 その端は鋭く、命中すれば身体を真っ二つにするだろう。
「逃げ……」
 魂人たちがバラバラに逃げようとするが間に合わない。
 あるものは真っ二つに、または永劫回帰を使って生き延びるが記憶を削っていく。

●再びグリモアベース
「……あの荒廃した大地、じつはオブリビオンの掌の上なのです」
 クロノの言葉に、周りにいた猟兵たちは驚く。
 端が見えないほどの大きな大地が実は掌だったとは。いったい本体はどれほどの大きさのオブリビオンなのだろう。

「手の主は『魂の改竄師』ソウルメーカー。手だけのオブリビオンですが、それでもその大きさから一筋縄では行く相手ではありません」
 巨大な手の主、ソウルメーカーは掌に召喚された魂人を散々苦しめた後、戯れに切り刻み、握りしめて鮮血を搾り取る。その後、血をインク壺に溜めて書き物をして楽しむのだという。
「奴が魂人を潰す前に、皆さんで助け出して欲しいのです」
 クロノの助けを求める声はいつもより一層切実に聞こえた。

 魂人たちを助けに行けば、猟兵たちも掌に転送されることになる。
「掌の上は荒廃した大地のようになってます、途中には崖や流れの激しい川などもあります」
 到着したら先ずするべきことは魂人たちを助けながら、掌の端を目指すことだ。
 そこがオブリビオンの掌であるからには、必ず終端がある。
 だが、掌にいるのは魂人たちだけではない。
「下層から召喚されたオブリビオンたちが襲ってくるはずです。オブリビオンを全て倒すと、ソウルメーカーは手を握りしめて皆殺しにしようとするので、それをすり抜けて掌から脱出してください」

 そして、掌から脱出するだけではまだ安全とは言えない。
「手から脱出しても、そこはソウルメーカーの書類とテーブルの上です。奴は超巨大な手で攻撃を仕掛けてきます。倒すのは困難でしょう」
 しかし、確実な方法が一つある。
 ソウルメーカーの魔力を持つペンを破壊することだ。
「ペンを破壊すれば、転移現象が発生して脱出することができます」
 その場合、ソウルメーカーを倒すことはできないが、魂人を助けるという目的は果たせる。
「それでは掌に転送します。どうか気をつけて、よろしくお願いします」
 説明を終えたクロノは猟兵たちをダークセイヴァー上層へと送る。


青猫格子
 こんにちは、青猫格子です。
 今回はついに登場したダークセイヴァー上層のシナリオをお送りします。
 巨大なオブリビオンの掌の上で弄ばれている魂人たちを助け、脱出するのが目的です。

 第1章 冒険『絶海の孤島に建つ城へ向かえ』
 荒廃した大地で苦しむ魂人を助け、掌の端へと向かいます。

 第2章 集団戦『首無しの天馬』
 掌に召喚された下層のオブリビオンです。巨大な闇の種族の存在により半狂乱になって襲いかかってきます。倒すと闇の種族が皆殺しにしようとしてくるのでうまくすり抜けて掌を脱出してください。

 第3章 ボス戦『『魂の改竄師』ソウルメーカー』
 超巨大な闇の種族のオブリビオンで、倒すのは困難です。しかし、オブリビオンの持つ「ペン」を破壊することで転移現象が発生し、その場を脱出することができます。

 第1章のプレイングは最初に断章を公開してから受付開始します。
 その後の進行予定はタグ等で告知します。
 それではご参加をお待ちしております。
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第1章 冒険 『絶海の孤島に建つ城へ向かえ』

POW   :    根性と気合で崖を登る

SPD   :    空を飛んで城へ乗り込む

WIZ   :    泳いだり船で島へ向かう

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●過酷な大地
 転送された猟兵たちの目に最初に入ってきたのは、荒廃した大地。
 一見して、ここが掌の上だとは信じられない。
 はるか上空には天井がある様子だが、あまりにも巨大なため全容はつかめない。

 今も、魂人たちはこの大地の何処かを彷徨っているはずだ。
 岩石は多いが木々などもなく、見渡しは悪くはない。探せば必ず見つけることができるだろう。
 早く保護して、彼らを安全な場所へ連れていきたいものだ。
バジル・サラザール(サポート)
『毒を盛って毒で制す、なんてね』
『大丈夫!?』
『あまり無理はしないでね』

年齢 32歳 女 7月25日生まれ
外見 167.6cm 青い瞳 緑髪 普通の肌
特徴 手足が長い 長髪 面倒見がいい 爬虫類が好き 胸が小さい
口調 女性的 私、相手の名前+ちゃん、ね、よ、なの、かしら?

下半身が蛇とのキマイラな闇医者×UDCエージェント
いわゆるラミア
バジリスク型UDCを宿しているらしい
表の顔は薬剤師、本人曰く薬剤師が本業
その割には大抵変な薬を作っている
毒の扱いに長け、毒を扱う戦闘を得意とする
医術の心得で簡単な治療も可能
マッドサイエンティストだが、怪我した人をほおっておけない一面も

アドリブ、連携歓迎



 バジル・サラザール(猛毒系女史・f01544)が魂人を探してしばらく歩くと、大地に大きな裂け目が見えてきた。
 ここが掌の上だと知らなければ、ただの峡谷にしか見えない。
「こんなに大きな裂け目があるとは、手の主はずいぶん肌が荒れているようね」
 もしかして、自分の薬を使うことでこの裂け目を治せるのではないだろうか?
 バジルはふと浮かんだ思いつきを試してみることにした。

 薬剤師である彼女は普段から様々な薬を持ち歩いている。
 薬箱から取り出した小瓶にはバジリスクの柄が描かれていた。
「さて、鬼が出るか蛇が出るか……?」
 毒薬にさらにユーベルコードで生成したウミヘビの毒を合わせ、薬を増やしていくバジル。
 毒に毒を合わせることで、回復効果を促すという彼女の独自理論に基づく薬である。
 そして生成した薬を一気に谷へと放つ。

 しばらく時間が経過するが、谷に変化は見られない。
 バジルが覗くと、遙か下方に毒を含んだ不気味な川が流れている。
「うーん、もう少し反応があるかと思ったんだけど……?」
 彼女が不思議そうにしていると、下流から何者かの大声が聞こえた。
「もしかして、魂人ちゃんたちかしら?」
 バジルが急いで下流へ向かうと、谷の傾斜が緩やかになっていき、川を渡ろうとしていた魂人たちの姿が見えた。
「助けてくれ! 急に川が不気味な色に……!」
 どうやら、バジルが撒いた薬が上流から流れてきて慌てふためいていたようだ。
「ああ、ごめんなさいね。でもおかげで皆を見つけることができたわ」
 バジルは魂人たちの手を引いて、川の向こう岸へ連れて行く。
 その後、彼女はここがオブリビオンの掌であることを説明し、脱出するための端へ向かうことを提案した。
「簡単な治療ならできるから、怪我をしたらすぐ言って頂戴ね」
「は、はい……」
 魂人たちはなぜか引き気味だったが、脱出するため行動を共にすることにした。

成功 🔵​🔵​🔴​

カツミ・イセ(サポート)
「僕の神様は言ったよ。郷に入りては郷に従えと」
「僕に出来ることだからね」

神様に作られたミレナリィドール、勝ち気で大人びた僕娘。イメージは水。
口癖が「僕の神様は言ったよ」
『偽装皮膚』の影響で、球体関節が普通の関節に見えるよ。

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用。加護で治るから、大怪我しようと厭わず積極的に行動するよ。
遠距離は『水流燕刃刀』を伸ばすよ。
近接戦では『偽装皮膚』を水のような刃にして、咄嗟の一撃を放つことがあるよ。このときは球体関節が見えるんだ。

他の猟兵に迷惑をかける行為はしないよ。
また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしないんだ。
あとはおまかせするから、よろしくね!



「ここにもきっと、僕の神様に助けを求めた人達がいるはずだよ」
 カツミ・イセ(神の子機たる人形・f31368)が荒廃した大地に降り立つ。
 彼女は神となったとある人を模した人形。精巧に作られたその姿は一見、人と変わらないように見える。
 カツミがしばらく人を探して歩いていると、遠くから苦しみの声が聞こえてきた。
「壁が……また壁が落ちてきたら……」
 急いで向かうと、そこには凄惨な光景が広がっていた。

 地面に複数の魂人たちが倒れており、無傷の者は僅かだった。
 ほんの少し前に、天から落ちてきた壁――闇の種族が魂人たちを戯れに刻むための刃物――によって傷つけられた者たち。
(……もっと早く来ていれば、この人達を無傷で助けられたのかもしれない)
 カツミはあまりの光景に胸が痛くなりながらも、生き残った人々を助けるために動く。

「僕の神様より分け与えられし蟲たちよ。彼らを護ってあげて」
 呼び出した白く光る白燐蟲が魂人たちを包み、傷を保護する。
(今は僕にできることをするだけだよ)
 しばらくすると、カツミの手当てで倒れていた魂人たちの傷も回復してきた。
「ありがとうございます。これで動けます」
 白燐蟲の力により、険しい道を歩く時の負荷も減らすことができる。
 また壁が落ちてきた時に生存できる確率も、多少は上がったはずだ。

「僕と一緒にこの大地の端まで行こう。また壁が来ても逃げられるように、僕が先導するよ」
 カツミの言葉に、魂人たちは心配そうな顔をする。
「それでは君が危険な目にあってしまう……」
「大丈夫。僕は人形だし、壊れても治るから」
 彼女の神様は人から神になった身。だからこそ、人の弱さも、強さも知っている。
 人々を助けるため、カツミは自身が傷つくことは厭わない。
 カツミが歩き始めたのを見て、魂人たちは意を決して、付いていくことにした。

成功 🔵​🔵​🔴​

シホ・イオア
飛空艇ブルーラグーンドラゴンで空から探索。
でも一人だと探すの大変だからみんなを呼ぼう。
『輝石解放、ガーネット。影よ、シホの身を映して群れと成せ。』
人手を増やして探索よー。

魂人たちを見つけたら休息に船上へ誘う。
お茶の用意もしてあるよ。

船は少し頑丈だし避難場所としても使えるかな?



 ここが掌の上だと言わなければ誰もわからないだろう。
 地上は荒れ果てた大地が続き、空はぼんやりと霞がかかっている。
 この暗い世界を、一隻の青い飛空艇が飛んでいた。
 シホ・イオア(フェアリーの聖者・f04634)の、ブルーラグーンドラゴン号だ。

「魂人のみんなはどこにいるのかな?」
 地上からよりも空からの方が探索しやすいだろうと、飛空艇で探すシホ。
 それでも一人で探すのは時間がかかる。
「それなら、みんなを呼んで手分けして探そう!」
 シホが船の上で宝石剣エリクシアを掲げる。
『輝石解放、ガーネット』
 呼び出した輝石のガーネットがシホの周囲に浮かび、光を発すると小型のシホの分身たちが出現した。その数はなんと500人を超える。
「これなら、この大地を全部手分けして探せるね☆ 出発!」
 すぐさまシホの分身たちが大地の隅々まで分散して飛んでいく。

 しばらくして、何人かの分身たちが魂人を見つけ、飛空艇の元まで連れてくることが出来た。
「これは一体……?」
 魂人たちは地上に降りてきた飛空艇と、数多くのシホたちを見て驚く。
「大丈夫。シホはあなた達を助けに来たんだよ。この船でゆっくり休んでね♪」
 飛空艇なら雨風もしのげる。魂人たちの休息に最適だ。
 魂人たちは驚きながらも、飛空艇に乗り込んだ。
「お茶の用意もあるよ。さあどうぞ」
 シホは用意しておいた温かいお茶を魂人たちに配りはじめる。
「ああ、温かいものを飲むのは久しぶりだ……ありがとう」
 ここまで厳しい荒野をさまよってきた魂人たちも、お茶を飲んで一息つくことが出来た。

「よし、この調子で大地の端まで行くよ!」
 少し休んだ後、シホは魂人たちを船に乗せて出発する。
 大地から脱出するまで様々な試練が待ち構えているだろうが、この船ならどんな荒波も乗りこなせそうだ。
 暗い大地に青い飛空艇だけが輝いて見えた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『首無しの天馬』

POW   :    突進
【高速移動】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【突進】で攻撃する。
SPD   :    幽鬼の馬車
自身の身長の2倍の【馬車】を召喚する。それは自身の動きをトレースし、自身の装備武器の巨大版で戦う。
WIZ   :    飛翔
空中をレベル回まで蹴ってジャンプできる。

イラスト:にこなす

👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●空駆ける首無しの天馬
 猟兵たちは各地で魂人を助け、ようやくこの大地の端へ到着しようとしていた。
 そこは言わば闇の種族の「手の端」。
 ところが、崖のようになっている大地の端には、猟兵や魂人たち以外の先客がいた。

 バサバサと翼を羽ばたかせる音ともに岩陰から現れたのは、首無しの黒い天馬たち。
 彼らはダークセイヴァーの第四層に多く見られるオブリビオンであった。
 おそらく、彼らも下層から召喚された存在だろう。しかし、その事に気づいているかは分からない。

 天馬たちは興奮しているようで、空中を何度も蹴り、後ろ足で立ち上がるなど落ち着かない。
 どうやら闇の種族の存在を感じて、半狂乱になっているようだ。
 頭部が存在しないので嘶くことはしないが、猟兵たちに気づくと一気に空を駆けて近づいてくる。
 このままでは数多くの天馬たちに襲われてしまう。
 はたして、魂人たちを守りながら天馬を倒し、大地から脱出することができるだろうか。
シホ・イオア
頭が無いのにどうやってこちらを感知しているんだろう?
危険だから魂人たちには艇内に避難してもらって、
シホが外で迎え撃つよ。

「存在感」でアピールしてガトリングブーツで弾幕を張り
囮となって敵を引き付ける。
「空中戦」と「残像」を駆使して
十分に敵を引き付けたらUC発動。

「世界を癒せ、シホの光!」
狂乱も穢れもオブリビオンとしての存在も全て癒して浄化してみせる!

さて、崖の先には何があるのかな?

アドリブ連携歓迎☆



 シホ・イオアの飛空艇は周囲から現れた首無しの天馬に囲まれていた。
「どうすれば……」
 魂人たちは震えていた。気性の荒そうな天馬たちが飛空艇に乗り込んでくるのではないかと恐れていたのだ。
 しかし、船の主であるシホは落ち着いていた。
「みんなは危険だから艇内に避難して!」
「え……いえ、わかりました!」
 魂人たちはシホを一人にすることに不安を感じていたが、先ほど彼女が分身をしていたのを見ている。おそらく、何か手があるのだろう。急いで艇内に逃げ込む。

「それにしても、頭がないのにどうしてこちらを感知できるんだろう?」
 シホは首を傾げる。天馬たちは頭がなくても周囲を見ることが出来るのだろうか。あるいは、超感覚的なもので周りを知覚出来るのだろうか?
 原理はわからないが、猟兵や魂人の存在を感知し狙ってきているのは明らかだ。
「だったら、こっちから引きつけることも出来るってことだね♪」
 シホが船の上で仁王立ちになり、存在感をアピールする。
 船の周りを飛んでいた天馬たちがシホの存在に注目し、向かってきた。

「やって来たね。これでもくらえーっ!」
 空中で回し蹴りをして、ガトリングブーツで全方位の天馬たちに弾幕を浴びせる。
 銃弾の命中した天馬たちの何体かが地面へと落下していく。
 それでも弾幕を逃れた天馬たちがさらにシホへ向かってきて、蹴りを浴びせようとしてくる。
(今だよっ!)
 ギリギリまで敵を引き付けたシホはユーベルコードを発動させた。
「世界を癒せ、シホの光!」
 彼女から放たれる強烈な光が天馬たちに降りかかる。
「……!?!」
 世界を癒す力を持つ光。それはオブリビオンにとっては強烈な浄化攻撃でもあった。
 半狂乱になっていた天馬たちが落ち着きを取り戻し、さらに浄化されて消えていく。

 光が続いている間は、更に天馬が襲いかかってくる心配なはさそうだ。
「やったね☆ 今のうちに崖に向かおう!」
 シホは飛空艇を操作し出発することにする。はたしてこの大地の果てはどうなっているのだろうか。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ベアータ・ベルトット
この大地が全部オブリビオンなんて…規格外すぎて言葉もないわね

まずはコイツ等の対処ね。どこに目ぇ付けてんのかわからないけど…機装からFBを排出し、赤霧を充満させて敵の視界をジャック。此方は暗視デバイスを起動して視野を確保

赤い闇に紛れ、天馬の背中付近目掛けてワイヤーを射出。鉤部から吸血しながらワイヤーを巻き取って一気に接近し、敵の背に跨る。ここなら視認される心配無いでしょ

続いてUCを発動して捕食機能を強化。さっきワイヤーを突き刺して出来た傷口をえぐるように機腕を突っ込み、一気に喰らい尽くしてやるわ

捕食した天馬の血肉でエネルギー充填し、霧をさらに赤く濃くしていく
さ、次の獲物はアンタよ(ワイヤー射出)



 荒廃した大地の各地で猟兵に助けられた魂人たち、その一団が断崖に近づいてきていた。
「本当に掌の上だったのね……」
 ベアータ・ベルトット(餓獣機関BB10・f05212)は大地の端が見えてきて息を呑む。
 この大地が全部オブリビオンの一部であるとはにわかに信じられないが、紛れもない現実である。
 そして、すぐ近くに危機が迫っていることにも気づいていた。
 翼の羽ばたく音とともに、数多くの首のない天馬たちが彼女たちに近づいてきている。

「まずはコイツ等の対処ね」
 魂人たちに避難を指示したあと、ベアータは機装「Foggy Burial」から赤い霧を排出し、辺り一帯に充満させる。
 天馬たちは霧が放つ独特の臭気の影響で、さらに怒り狂い敵対心を露わにする。
 後ろ足で立ち上がり威嚇の姿勢をとった後、なりふり構わずベアータのいるであろう場所に突進を仕掛けてきた。

 しかし、首のない天馬も何らかの方法で視界を確認しているらしい。
 霧の中では突進の命中精度は著しく低く、ベアータは霧に紛れて容易に避けることができた。
「目標は……ここね!」
 一方、彼女は暗視デバイスにより霧の影響はほぼ無視できる。
 鈎付きのワイヤーを天馬の背中めがけて射出。命中した鈎部から天馬の血を吸血しつつ急速に接近する。
「一気に喰らい尽くしてやるわ!」
 天馬の背中に跨ったベアータはユーベルコードにより自身の装備を解放し、捕食機能を強化させる。
 しかし、その代償として飢餓感・喰殺衝動の激化が伴う。
 ベアータは衝動にまかせてワイヤーの命中部分に機腕を突き刺し、天馬を喰らいつくしていく。

「……!?」
 周囲の天馬たちが声に出さずにざわめいている。
 オブリビオンを喰らう捕食者の存在を察知し、逃れようとするが叶わない。
 なぜなら、補食し終えたベアータの機装からさらに血の霧が噴出し、周囲の霧がさらに濃くなったからだ。
「さ、次の獲物はアンタよ」
 逃げる術を失った天馬たちが喰らいつくされるまでの時間は、そう長くはなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鳶沢・成美(サポート)
『え、これが魔導書? まあどうしよう?』
『まあどうでもいいや、オブリビオンなら倒すだけですよ』

故郷UDCアースの下町の古書店でたまたま見つけた魔導書を読んで覚醒した自称なんちゃって陰陽師

昨今でいう陽キャラ? みたいな行動は正直よくわからないのでマイペースに行動
でも集団での行動も嫌いじゃないですよ
元ボランティア同好会でつい気合い入れて掃除しちゃったりしなかったり
一応木工好きでゲートボール好きキャラのはず……たぶん

戦い方は直接殴るより術をとばす方が好みです
範囲攻撃とかロマンですよね
例え好みの容姿だろうと、事情があろうと敵ならスパッと倒すだけですよ

アドリブ・絡み・可


藍原・蒼夜(サポート)
 人間の學徒兵×力持ち、20歳の女です。
 普段の口調は「おっとり系(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」
 偉い人には「敬語(私、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

のんびり、おっとりした性格で、多少天然ボケな面もあります。
武器は主に退魔刀を使用して戦います。
好きな物は、可愛いぬいぐるみ、綺麗な花、静かな場所。
趣味は小説等の読書。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



 ここは、オブリビオン「闇の種族」の掌の上だという荒廃した大地。
 魂人たちはこの大地の各地を彷徨っていたが、猟兵に助けられて掌の端を目指していた。
 鳶沢・成美(三角定規の除霊建築士・f03142)と藍原・蒼夜(蒼き宝刀・f23131)の二人は途中で合流し、協力しながら魂人たちと行動を共にしていた。
「もうすぐ大地の端ですよ!」
 成美が元気よく魂人たちに声をかけるが、途中で傷つき弱っているものも多い。
 魂人たちを元気づけるために、彼は持っていたドリンク剤を差し出す。
「ほら、疲れた時は、これを飲めば一発で元気になります!」
「ああ、ありがとう……」

 そんなやり取りをしているうちに、遠くから巨大な鳥の羽音のような音が近づいてくる。
「ば、化け物だ!」
 魂人たちは空を見て驚く。
 首のない天馬たちが何体も、こちらへ目がけて近づいてきていたのだ。
「ここは私の出番のようね……」
 退魔刀を手にした蒼夜が進み出る。
 落ち着いた雰囲気の彼女だが、サクラミラージュ出身の學徒兵であり戦いの腕は確かだ。
「よろしくお願いします。皆さんはこちらへ!」
 その間に、成美は魂人たちを引き連れて安全な場所へ避難しはじめる。

 空の天馬たちには頭がないが、蒼夜が狙ってきていることにすぐに感づいたようだ。
 そして次の瞬間には空を駆け、高速移動したかのように素早く彼女の元まで接近していた。
 このままでは蒼夜は正面から体当たりを受けてしまうが、彼女は避ける気配はない。
「……さすがの速さね。でも、周囲をすべて焼き尽くし、凍らせればどうかしら?」
 その瞬間、蒼夜の身体から青白い炎のような闘気が放たれる。
 それは炎と氷の性質を併せ持ち、周囲の天馬たちを凍らせつつ、燃え上がらせていく。
 動きを封じられた天馬たちは蒼夜の振るう刀により、次々と倒されていった。

「頼もしいですね。これならすぐ片付きそうです」
 戦いの様子を見ていた成美が安心したように胸をなでおろす。
 ところが、蒼夜が討ち逃した天馬たち数体が、成美の方へ向かってくる。
 天馬たちは狂気に侵されており、相手に敵意のあるかないかはお構いなしに襲いかかってくるようだ。
「みんな、逃げて!」
 成美が魂人たちを逃している間に、天馬は周囲に幽鬼の馬車を召喚する。
 馬車は天馬たちの2倍の大きさがあり、天馬たちの動きと連動して成美に突進を仕掛けてきた。
「うわあっ!」
 馬車に轢かれそうになった成美はとっさに大きく跳んで避けるが、地面を転がり、近くにあった谷に落下してしまう。
 谷の底は川が激しく流れており、落ちたら遠くまで流されてしまうだろう。
 成美は三角定規を途中の枝に引っ掛けることで、なんとか川に落ちずに済んでいた。
「このままじゃ……そうだ! 神農さんの技、使わせていただきます!」
 ユーベルコード「神農伝承術改」により、救命活動の能力を瞬間的に高める成美。
 みなぎってきた力で自ら崖を登り、なんとか元の場所に戻ってくることが出来た。

「成美さん! 良かった無事で……」
 成美の姿を見た蒼夜が心配そうに駆け寄ってくる。
「はは、自分で自分を救助するってなんだか奇妙ですが……とにかく助かりました。まだ油断はできませんが」
 すでに多くの天馬が蒼夜によって倒されていたが、大地の端までに敵が残っていないとも限らない。
「心配しないでください。今度敵が出てきたら、僕も一緒に戦いますからね!」
 成美の言葉を聞いて安心した蒼夜と魂人たちは、共に大地の端を目指す。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

四条・眠斗(サポート)
ぅゅ……くぅ~……あらぁ?
いつの間にか始まってましたかぁ~?
さっさと事件を解決しないとぉ、安心してもうひと眠りできませんからねぇ~。
ユーベルコードは出し惜しみしても仕方ありませんからぁ、
一気に片づけるつもりでやっちゃいましょう~。
案ずるより産むがやすしともいいますしぃ、躊躇うよりはいいですよねぇ~?
こう見えてもぉ、腕には少し自信があるのですよぉ~。
それにぃ、様子を見てる間にまた眠くなっちゃっても困っちゃいますしぃ。
荒事じゃなくてぇ、楽しいことならめいっぱい楽しんじゃいましょう~。
のんびりできるところとかぁ、動物さんがたくさんいるところなんか素敵ですよねぇ~。
※アドリブ・絡み歓迎



 広大な「|闇の種族《オブリビオン》」の掌の上。
「見えてきましたぁ! もうひと息ですよぉ〜、さっさと脱出しましょう」
 四条・眠斗(白雪の眠り姫・f37257)はようやく見えてきた世界の端を確認しながら、率いている魂人たちに呼びかける。
 この掌からの脱出を阻むオブリビオン、首無しの天馬も猟兵たちの戦いにより次第にその姿を減らしていた。
 これなら魂人が襲われずに端に辿り着くことができるはずだ。

 僅かに残った天馬たちは、救いを求めて暴れ続けている。そのようなものはこの下層に召喚された時点で残っていないのに。
 その時、無闇矢鱈に空中で跳躍を繰り返す天馬の一部が、眠斗の元へ向かってきた。
「先に行ってくださぁい!」
 眠斗は魂人たちを世界の端へ向かわせ、天馬へ立ち向かう。
「ここは通しませんよぉ! これでも腕には少し自信がありますからねぇ~」
 ユーベルコード『ヤドリギの織姫』を使い自らをヤドリギのローブで包む眠斗。
 ヤドリギは彼女を攻撃から守るだけでなく、植物の槍という武器も与える。
 複数の槍が一斉に放たれ、周囲の天馬を貫いていく。
「助かりましたぁ。でも、こんな場所ではなく、のんびりできるところでお馬さんと遊ぶできることができたらもっと良かったですのに……」
 任務で仕方ないとはいえ、戦いの後は胸が痛む。

 ところがその時、周囲から地鳴りのような音が響き始めていることに気がついた。
「な、なんですかぁ……!」
 音が鳴り始めたのは猟兵たちが天馬を倒し尽くしたのとほぼ同時だった。

(戯れの時間はここまで。後はインクを絞るだけ)

 大地――掌の主である闇の種族、『魂の改竄師』ソウルメーカー。
 これ以上魂人を苦しめられないと気付いた彼は興をそがれ、自らの手を握りしめて魂人たちをすり潰そうとしていた。
「急いで崖から飛び降りてくださぁい! できるだけ助けますので……!」
 眠斗は魂人に脱出を促しつつ、自らも崖から飛び降りる。
 他の猟兵と魂人たちも次々と掌から脱出しているようだ。

 はたして、猟兵と魂人たちはこのまま無事に逃げ切れるのだろうか。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『『魂の改竄師』ソウルメーカー』

POW   :    人生の改竄師
【改竄した魂人の苦痛に満ちた人生を記した紙】を放ち、命中した敵を【魂人の苦しみに満ちた記憶】に包み継続ダメージを与える。自身が【自身の魂の情報を改竄】していると威力アップ。
SPD   :    ペンは剣よりも強し
【ペン】で触れた敵に、【魂破壊】による内部破壊ダメージを与える。
WIZ   :    燃ゆる魂の終わり
【魂人の人生を記した紙を燃やし生まれる白炎】が命中した対象を燃やす。放たれた【人の一生を種火に燃える】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。

イラスト:イツクシ

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はビードット・ワイワイです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●大地の全貌
 大地に握りつぶされそうになる魂人たち。
 命の保証はなくても、飛び降りるしか選択肢はなかった。
 運良く猟兵たちのアイテムやユーベルコードに助けられてゆっくりと降下できた者もいれば、運悪く間に合わなかった者もいる。
 彼らは、止むを得ず地面衝突の直前に「永劫回帰」を使い最悪の事態を逃れる。自身の幸福な記憶を改竄してしまうとしても。
 とにかく、全員が脱出して闇の種族に握りつぶされた者は魂人も猟兵もいなかったのだけが幸いだ。

 空を見上げると、先程までいた大地が巨大な二つの手の形をして浮かんでいた。
 事前の情報通り、大地は『魂の改竄師』ソウルメーカーの手であったのである。
 その片方の手には紙を浮かべ、もう片方が手にしたペンで何かを書き込んでいる様子だ。
 その時、ふと手の動きが止まる。
 手には目が無いにも関わらず、地面にいる人々を見つめているのだ、と直感で感じられた。

 猟兵たちに対して二つの手はあまりに大きく、まともに戦って勝てるようには見えない。
 しかし、魂人たちを助ける方法ならある。
 ソウルメーカーが持つペンには魔力が込められており、破壊すれば周囲に強烈な魔力を放出する。
 その際に転移現象が発生してこの場を離れることができるだろう。
 巨大な手が攻撃を仕掛けてくるまで、残された時間はあと僅かのようだ。
シホ・イオア
助けるために来たのに、助けたくて来たのに、
命が燃えていくのを見ることになるなんて……。
せめて、燃え尽きる前に脱出するよ!

【全力魔法】【浄化】【破魔】【神罰】【限界突破】【誘導弾】【高速詠唱】
可能な限りのバフをUCに込めてペンの破壊を狙う。
『輝石解放、エメラルド! 雷光よ、雷の獅子となりて邪悪を噛み砕け!』
破壊できるまで何度でも放つ覚悟。

敵の攻撃は燃え尽きないように避ける!
(残像・空中戦・飛空艇操作・ダッシュ・見切り・索敵・ジャミング)
魂人の安全が最優先。
危険な時は結界や弾幕で防御。

連携アドリブ歓迎。



『魂の改竄師』ソウルメーカー。その巨大な手の周囲には何枚もの紙が浮かんでいる。
 その紙の一枚がふわり、と動いたかと思うと突如白い炎に包まれた。
「ぎゃあああ!」
 同時に、突然地上にいた魂人が叫び声を上げる。
「俺の記憶が、消えていく、燃えていく……」
 シホ・イオアはその時気付いた。
 ソウルメーカーが燃やしている紙こそが魂人たちの記憶であることを。
「なんて、ひどいことを!」
 彼ら、彼女らを助けるためにここまで来たというのに、敵は魂人たちの人生を燃やして攻撃を仕掛けようとしている。
 このまま、命が燃えていくのを見ているわけには行かない。
「せめて、燃え尽きる前に脱出するよ!」

 飛び上がったシホはソウルメーカーの放ってくる炎を避けながら、最大限の攻撃を放つために力を集める。
「輝石解放、エメラルド! 雷光よ、獅子の魔弾となりて敵に食らいつけ!」
 彼女の生み出した輝石が強力な雷光を発生させる。
 超射程の魔弾と化した雷光がソウルメーカーのペンに向かって放たれた。
 手は巨体にも関わらず、素早く回避を試みるが、雷光は誘導弾のように手を追いかけ続ける。
「光から逃げられると思わないでね!」
 シホは空中で炎を避けながら、何度でも雷光を放ち、ペンの破壊を狙う。

 雷光は何度もペンに命中し、このままダメージを与え続ければ、いずれ破壊することができるはずだ。
 しかし、それはシホが敵の攻撃を避けながら戦い続けなければならないことを意味する。
「それでも、みんなを助けられるなら……!」
 魂人たちを助けるために、今はできる限りのことをするだけだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

琳谷・花咲音(サポート)
自身とよく似た姿の影(背格好は同じ、性別とロングヘアが違う)悪魔【影(エイ)】を召喚するガジェッティア。

柔らかな口調と行動で男女どちらともとれないジェンダーレスな雰囲気。
女の子になりたい訳じゃない、男女の垣根はなく自分は自分。
友人(感情を結んでいる人)以外には『僕』。
友人には『私』。

戦闘時にはガジェットを臨機応変に変化させて戦う。
火力はないので手数で押す…又は牽制などサポートの立ち位置にいる事が多い。

【影】は本人と鏡合わせのような行動をとる事が多い。

生贄として、魔法媒体として様々な因子を詰め込まれた存在。
その影響で召喚したものを身に宿して戦う降霊術も得意とするが、その戦い方は好きではない。



 空中に浮かぶ巨大な手、『魂の改竄師』ソウルメーカーと猟兵たちの戦いが続いている。
「あのペンを破壊すれば、ここから脱出できるんだね」
 琳谷・花咲音(気ままな異邦人・f35905)は上空を見上げ、巨大な手が持つペンを見つめる。
 闇の種族であるソウルメーカーを倒すのは難しいが、ペンを破壊し魂人を助けることはできるはずだ。

 花咲音はダイモンデバイスから悪魔の【|影《エイ》】を呼び出し、同時攻撃でペンを狙い撃つ作戦に出た。
「僕が合図したら、同時に攻撃をするんだよ」
 ガジェットを長距離砲へと変形させた花咲音がペンに狙いを定める。
「3、2、1……発射!」
 影の攻撃と長距離弾が一斉にペンへ向かって打ち出される。
 気配を察知したソウルメーカーは、逆に花咲音を狙ってペンを振り下ろしてきた。
 このペンで触れられた相手は魂を破壊されてしまう。
 弾より悪魔より、最も効果的に魂を破壊できる相手が花咲音であると判断したようだ。
(これは使いたくなかったんだけど……!)
 攻撃を避けきれないと見た花咲音はユーベルコードで頭部をライオンに変化させ、ペンに喰らいつく。
 降霊術の一種で、その身に様々な力を宿す技だが、本人はあまり使いたくないらしい。

 魂を破壊するはずのペンが生命力を奪われ、徐々にひびが入っていく。
 形勢不利と見たソウルメーカーはペンを再び空中に戻す。
「ふう、助かった! 今度はこっちから反撃だよ」
 元の姿に戻った花咲音は再び影とタイミングを合わせ、ペンに向かって何度も弾を撃つ。
 火力がない分、手数で押していけば、いずれペンを破壊することができるはずだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

ロバート・ブレイズ(サポート)
『否定せよ』
人間の文豪 × ナイトメア適合者
年齢 81歳 男
外見 184.6cm 黒い瞳 白い髪 色白の肌
特徴 投獄されていた 野心家 求道者 凶暴 とんでもない甘党
口調 冒涜翁(私、貴様、~である、だ、~であろう、~であるか?)
気にいったら 冒涜王(俺、貴様、~である、だ、~であろう、~であるか?)

恐怖・発狂・誘惑などの精神的な攻撃に対しての異常な耐性を有しています。
否定する事で恐怖を与え、冒涜する事が多いです。凶暴なので近接戦闘が好み。
宜しくお願い致します。



|闇の種族《ソウルメーカー》の力は強大であるが、脱出するための僅かな望みがペンの破壊である。
 それすらも簡単な所業ではない。
 ペン自体がソウルメーカーの武器であるからだ。

 ロバート・ブレイズ(|冒涜王《シャドウ》・f00135)は、ソウルメーカーが猟兵や魂人に向けてペンを振り下ろす様子をじっと観察していた。
「なるほど、『ペンは剣より強し』か。聞いたことがあるな」
 誰に聞かれているわけでもないのに話し始める。
「一般的にそれは、言論や情報は、時に直接的な暴力より強力であるということを意味する。しかし、あのペンは直接の暴力も強いと来た」
 ペンに触れてしまえば、魂を破壊されてしまう。
 この過酷な状況で、冷静に話すロバートの姿は見る人によっては狂人に思えただろう。

「何言ってるんだ、危ないぞ!」
 一人の魂人が声を上げる。ロバートの頭上にソウルメーカーのペンがまさに振り下ろされようとしていた。
 しかし、ロバートは避けず、再び口を開く。
「否定せよ」
 彼の中から様々な言葉が溢れてくる。ロバートの持つ「手記」「予知日記」「狂気蒐集」と言った様々な本から湧き出てきた言葉が。
 ソウルメーカーはそれらに綴られた言葉の理解を拒み、ペンを持つ手をロバートから離す。

「分かっただろう。ペンが強いのは同じ言葉、同じ法を持つ者同士でのことだ。ならば、違う言葉を話せば良い」
 ロバートから湧き出てきた言葉は他の猟兵や魂人たちにも纏わりつき、ソウルメーカーの攻撃から保護する。
 闇の種族ですら理解を拒む言葉の内容は、一体どのようなものか。
 周りの仲間たちは深入りしない方が良いのではと思いつつも、言葉を盾に戦いに挑む。

成功 🔵​🔵​🔴​

ナーダ・セッツァー(サポート)
顔を隠し、喪服に身を包み、兄弟と半分に分けたロザリオを身につける。
兄弟と同じ装丁の仕込み杖を持ち、隠すのは槍。
オラトリオの翼は出さない。
髪に咲く花は山荷葉。

弱者を救済し、悪を裁く。
全ては亡き我が神のため。
憐れなるモノに神の御加護を。
その為ならばこの身が、手が紅く染まろうと悔いはない。

尊大な口調だが他人を下に見ている訳では無い。
他人には他人の価値がある。
だが我が神を侮辱するのは万死に値する。
神のみもとに逝くがいい。

戦闘は仕込み杖(槍)での肉弾戦、又は硝子のような山荷葉の花を風に舞わせて切り刻む。
回復?殺られる前に殺れば必要ないな。


厳・範(サポート)
長年の修行で誘惑に強いお爺です。
食べ物に制限はありません。
話し方は古風です。

亡き親友との約束(世界を守る)で、封神武侠界のみで活動していましたが、『仁獣』性質と親友の幻影の後押しで決意し、他世界でも活動し始めました。
「放っておけぬのよ」

動きとしては、主にサポートに回ります。
【使令法:~】では、麻雀牌を利用して、対象生物を呼び出します。
【豹貓】は睡魔を呼ぶ、【胡蜂】は恨みの毒(理由は秘密の設定にて)という感じです。

また、半人半獣もしくは本性の麒麟形態だと、背に人を乗せることがあります。

なお、武侠の血が騒ぐと足技が出ます。

依頼達成のためとはいえ公序良俗に反する行為はしません。
あとはお任せします。



 猟兵たちの奮闘もあり、『魂の改竄師』ソウルメーカーのペンに徐々に綻びが見えてきた。
「しかしそれはあくまでペンを壊せそうというだけ。ペンの主は変わらず強大な力を振るってくるだろう。最後まで油断しないように」
 ナーダ・セッツァー(地に満たせ神の威光・f35750)は周囲の魂人たちに呼びかける。
 ここを耐えればソウルメーカーの元から脱出できる。
 魂人たちは聖者の言葉を胸に、巨大な手から必死に逃げ続けた。

 その近くでは厳・範(老當益壮・f32809)が半人半獣の姿で、逃げ遅れた魂人たちを載せて避難させている。
「ここまでくれば大丈夫だろう。皆は隠れておれ」
 適当な物陰に魂人を降ろした範はソウルメーカーと戦うために飛び出していく。
「ふっ……久しぶりに血が騒ぐ」
 彼は仙人になる前は武侠として封神武侠界で戦っていた。
 強大な敵を前に久しく忘れていた闘争心が燃え上がる。
「集まり給え、十二支の獣よ。あのペンを一斉攻撃するぞ!」
 範がその力により十二支の獣たちを呼び出し、同時にペンに向かって攻撃を仕掛ける。

 ソウルメーカーは獣や範に向けてペンを振りかざしてきた。
 強大な魔力が込められたペンに触れれば、魂ごと破壊されてしまう。
 十二支たちは複数体で連携して対抗していく。|亥《いのしし》、|未《ひつじ》|丑《うし》が仲間への攻撃を牙や角で防ぎ、|巳《へび》はソウルメーカーの指に巻き付く。最後に|辰《たつ》がペンに激しい炎を吹きかけた。
「上手く行っておるな。しかし、これだけの十二支を一気に動かすと、生命力の消費が激しい。いつまで持つか……」
 範は攻撃を続けながら、ソウルメーカーの様子を見る。
 じりじりと追い詰められていく猟兵達に対して、巨大な二つの手は泰然と浮かんでいた。

「見た目では変わりないが、追い詰められているはずだ。あれを見よ」
 ナーダが空を指差す。ソウルメーカーの周囲の紙片が地上の猟兵や魂人へ向かって降り注いでくる。
 その紙片に包まれてしまうと、記された魂人の苦痛を与えられるという恐怖の攻撃だ。
 ペンが壊れそうであることを察したソウルメーカーが、最後に仕掛けてきたのだ。
「出ていくな、よせ!」
 魂人は、ナーダが降り注ぐ炎の中、悠々と歩いて行くのを見て声を上げた。しかし彼女は止まらない。
「……弱者を救済し、悪を裁く……そのために苦痛の記憶を与えられようと構わない」
 ナーダの姿が紙片で包まれ隠されてしまう。
 しかし、次の瞬間、巨大な力が増大し周囲の紙片が燃え上がり消えていく。

「何が起こったのだ?」
 範が声を上げるのと、燃え上がった炎の中からナーダが飛び出していくのが同時であった。
「神のみもとに逝くがいい!」
 身体能力を増大させたナーダが仕込み杖の槍でペンを突く。
 その一撃が止めとなり、ペンはついに完全に破壊されたのであった。
「!」
 猟兵たちに対して余裕の態度を見せていたソウルメーカーが一瞬だけ怯む。
 破壊されたペンからは、強大な魔力が発生し、周囲のすべてを飲み込んでいった……。

 しばらくして、意識を失っていた猟兵たちが気がつく。
 ここはダークセイヴァー上層のどこかである事はわかるが、それ以上のことはわからない。
 一緒に脱出した魂人たちは全員無事のようだ。
「ありがとうございます。助かりました」
 魂人たちが猟兵に礼を言う。闇の種族からは逃れられたが、ここが過酷な場所であることは変わりない。
 それでも、出口のない手の上を彷徨うよりはずっと良いのだという。

「まだこの世界には彼らのように虐げられている者がいるのか。助けられると良いのだが……」
 範がつぶやく。『仁獣』である彼は苦しんでいる者がいることを放置できないようだ。
「神がいれば、いずれ苦しむ人々を救いに現れるはずだ」
 ナーダが天を見ながら言う。神は死んだのだと。
 しかし、その死んだ神をいずれ復活させるのだと信じていることまでは語らなかった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2022年08月24日


挿絵イラスト