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【サポート優先】嗜虐の月光城

#ダークセイヴァー #【Q】 #月光城 #月の眼の紋章 #二章プレイング受付:6月22日(水)まで

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#ダークセイヴァー
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#【Q】
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#月光城
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#月の眼の紋章
#二章プレイング受付:6月22日(水)まで


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 これはサポート参加者を優先的に採用するシナリオです(通常参加者を採用する場合もあります)。

●グリモアベース:ゲネ
「ダークセイヴァーにて新たに発見された『月光城』への潜入・討伐任務だ! 地下都市に存在する月光城に乗り込んで、城主を倒してきてほしい!」
 ゲネ・ストレイ(フリーダムダイバー・f14843)はホロモニターに、地下都市に忽然と存在する、淡く輝く城塞を映し出した。
 月光城は『第五の貴族』の階層、いわゆる地下都市のところどころに存在している。それらの共通点として、「月の満ち欠けに呼応して輝く」という特性があるという。
「現在我々の知るダークセイヴァーは地下世界であることが判明している。にも関わらず、空中にはなぜか『月』が見えている。まだ薄い線ではあるんだが、ひょっとしたらこの謎を解くとっかかりが月光城にあるかもしれない。調査してみる価値はあるだろう」
 しかしながら、月光城には『月光城の主』と呼ばれる強大なオブリビオンが君臨している。その強さは『第五の貴族』の干渉すら阻み、あらゆる存在の侵入を遮断しているとされる。相当な危険を覚悟する必要があるだろう。
「今回の月光城の主は『死の狂演ヘナロ・カルバハル』。領主達を楽しませる為に結成されたサーカス団団長で、かなりの実力者だ。人間の調教・虐殺を見世物にする最低最悪な奴だな」
 城内にはヘナロによって囚われている人々も多数存在するようだ。彼等を助けることも重要な任務となるだろう。
「敵の強さは人々が囚われている「ギャラリア」という部屋に秘密がありそうだ。まずは仕掛けや配下オブリビオンが跋扈する城内を突破し、このギャラリアへ向かって人々を救出、直後にヘナロとの戦いに突入することになるだろう。クソ野郎を完膚なきまでにぶっ飛ばすために、気合を入れてよろしく頼むぞ!」
 反転したモニターに転送術式を輝かせ、ゲネは猟兵達を地下世界へといざなった。

●罠と敵の群れを超えて
 月の満ち欠けに対応して輝くというその城は、満月の夜、くっきりと地下の闇に浮かび上がっていた。
 その内部は「不安定な足場」「降り注ぐギロチンの刃」「壁から発射される矢」といった罠が張り巡らされている。
 内部を跋扈しているのは、月光城の主の配下である強化オブリビオン『篝火を持つ亡者』達。フードをかぶり、篝火を掲げて徘徊する不気味な化け物だ。
 猟兵が足を踏み入れれば、オブリビオンと罠が同時に襲いかかってくるだろう。
 罠に対処するのはもちろんのこと、その罠を逆に利用するぐらいでないと、この強化オブリビオンの群れに対抗するのは難しいかもしれない。
 罠をくぐりぬけ、利用して、強化オブリビオンを蹴散らしながら城内を突破しよう!


そらばる
 ダークセイヴァー、月光城。
 地下都市に存在する月光城に潜入し、人々を救出後、月光城の主を討伐してください!

●第一章:集団戦『篝火を持つ亡者』
 強化オブリビオン徘徊する城内を突破します。
 様々な罠が張り巡らされているので、罠に対処したり利用したりしながらオブリビオンを蹴散らしましょう。

●第二章:冒険『五里霧中』
 妖しい霧に満ちた「ギャラリア」から人々を救出します。
 ここでどの程度救出できたかによって三章の難易度が変わります。
 ひとまず安全なところに隠れてもらって、主の撃破後に助けに戻る形になります。

●第三章:ボス戦『死の狂演ヘナロ・カルバハル』
 領主達を楽しませる為に結成されたサーカス団団長。
 人間を調教・虐殺するパフォーマンスが好み。
 「ギャラリア」での救出度合いによって敵の強さが変化します。

 締め切りはシナリオ上部のタグで告知します。よろしくお願いします。
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第1章 集団戦 『篝火を持つ亡者』

POW   :    篝火からの炎
【篝火から放たれる炎】が命中した対象を燃やす。放たれた【赤々と燃える】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD   :    篝火の影
【篝火が造る影に触れた】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ   :    新たなる亡者
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【自分と同じ姿の篝火を持つ亡者】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。

イラスト:トギー

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

陽殿蘇・燐(サポート)
バーチャルキャラクターの寵姫×国民的スタア?いいえ、これでも(元)ラスボスな悪女NPCよ。
基本は高性能スマホを利用して、配信しつつの行動になるわね。

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用するし、多少の怪我は厭わず積極的に行動するの。これでもバーチャルキャラクターだもの。
悪女たるもの、その行為は健全な世界あってこそなのよ。だから他の猟兵に迷惑をかける行為はないわ。
また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしない。配信垢BANされちゃう。
あとはおまかせ。よきに計らいなさい(思い出した悪女ムーブ)


キマフュ出身なので、トンチキでも適応していきます。



●亡者を翻弄する蝶
「全ての(配信)準備は整ったのよ」
 配信者とは思えない悪女的貫禄を醸しながら、陽殿蘇・燐(元悪女NPC・f33567)は高性能スマホで配信を開始した。
「ダークセイヴァー地下都市に佇む月光城……内部には徘徊する化け物、数々の罠。今宵はこの城を攻略していこうと思うわ」
 入って早々のメインホールは、奈落めいた深淵を左右にして、唯一の足場である橋のような通路がまっすぐ正面に伸びている。
 通路上には吊り下げられた錨型のギロチンが左右からひっきりなしに行き交っており、かなりシビアにタイミングを見て進まなければならない。
 だがそれは敵も同じだ。篝火を持つ亡者達は、ギロチン通路の向こうでふらふらと徘徊しており、こちら側に来る気配はない。
『おびきだせないかな?』
「……いい考えね。それでいきましょう」
 高性能スマホが自動的に読み上げた視聴者コメントに、燐は悪女らしい迫力ある笑みを浮かべて、芭蕉扇を優美に翻した。
 扇の起こしたさやかな風に乗って、数多のジャコウアゲハが羽搏く。ギロチンなどものともせず、向こう側の亡者達の周囲を取り巻いて、夢幻の薫りに包み込む。
 亡者達は蝶に釣られて顔を上げ、誘惑されるままにギロチン通路を渡り始めた。左右から襲いかかるギロチンにもお構いなし。おかげでギロチンに追突されて、真っ二つにされたりボロボロと左右の大穴に落ちていく。
「炎術……いえ、炎蝶術の基本よ」
 燐は駄目押しにもう一度芭蕉扇で宙を扇いだ。現れたのは炎纏う大量のクロアゲハ。ギロチンに落とされながらも通路の縁にすがりついてなんとか持ちこたえている個体や、たまたまタイミングよくギロチンの軌道を避けている亡者達に群れたかり、猛毒と暗闇を含んだ炎に包み込んでいく。
「フフ……わけもないわね」
 悪女の笑みで勝ち誇り、燐は亡者達の墜落が加速するギロチン通路を悠々と攻略していった。

成功 🔵​🔵​🔴​

リーリア・ブラッドスノー(サポート)
 強化人間のアリスナイト×バロックメイカーの少女です。
 普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、後輩の前では「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードはイマワシキキオクを使用し、怪我は厭わず積極的に行動します。
依頼成功の為には己の身体も道具にします。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。

負傷描写は重め、多めな傾向が好み、NGは無いので瀕死や内臓がはみ出すくらいグロテスクな描写を好みます。
遠慮なくぶちまけてください。

ほかはお任せ。
よろしくお願いいたします。


サイモン・マーチバンク(サポート)
「あ、どうも。兎の悪魔です」

デビキン出身アポヘル育ちの兎の悪魔
悪魔ですが倫理基準はアポヘル寄り
ワルにはそんなに憧れないけど必要なら悪どいこともやります

「ゾンビハンターとして過去を殺す」
「魔界盗賊として必要なものを取り返す」
この二つをモットーに依頼に挑みます
同情すべき相手でもしっかり向き合った上で戦うことを選択します

サバイバル生活の影響で使えるものは何でも使う感じに
ハンマーでどかどか殴ったり銃火器でばんばん暴れるのも得意です

賑やかな場所はちょっと苦手
引っ込み思案でコミュニケーションも苦手なので、情報収集はひっそり行うタイプ

多少の怪我は厭いませんが公序良俗に反することはしません
よろしくお願いします



●少女と兎の奇妙な共闘
 暗い廊下を、城塞にはやけに不釣り合いな兎が一羽、素早く駆け抜けていく。
 白兎に変じ、単身偵察に回っているサイモン・マーチバンク(三月ウサギは月を打つ・f36286)である。
(「この辺りの廊下にはかなり罠が多いな……通りかかる猟兵がいたら情報共有しないと」)
 兎の姿に篝火を持つ亡者達は反応しない。おかげで周辺に散らばる罠の構造はかなり把握できた。
 ……と、遠くから戦いの気配を感じて、白兎は顔を上げもぐもぐと鼻を動かした。
 入り口のほうから、ローブを引きずる多数の気配。どうやら猟兵が敵に囲まれて交戦状態に陥っているらしい。
「っ……強化オブリビオンっていうのは、確かになかなか骨があるわね……」
 リーリア・ブラッドスノー(うつろなる幻想・f27329)は、頬の傷から流れ落ちる血を拭いつつひとりごちた。
 使えそうな罠が見当たらないところで亡者達に遭遇してしまい、一人で相手をするには手に余る大群をなんとかいなしながらここまで移動してきたのだ。怪我を厭わず己の肉体をも道具に使うその苛烈な戦い方のおかげで、多少は敵の数を減らせたが、リーリアの身体もすでにあちこちにいくつもの傷を作っている。
(「あれはまずいな、罠に気づく余裕もなさそうだ……ならば!」)
 サイモンは白兎の姿を活かして、石積みの壁の狭い隙間に入り込み、廊下に並行して設けられた狭いスペースに潜り込んだ。裏側は罠の制御装置になっているのだ。
 石の切れ目に偽装された覗き窓にかじりつき、サイモンはリーリアが効果範囲を通過したのを狙いすまして罠を発動していく。廊下に口を開けた大穴が亡者を呑み込み、降ってくる天井が亡者を押しつぶし、床から飛び出す槍が亡者を貫く。
「……誰かいるのね。わかったわ!」
 あまりにも自分に都合の良い展開にピンと来て、リーリアはさらに亡者達を引きつけながら廊下を進んでいく。
 罠をすり抜けてきた個体が思いのほか素早く接近し篝火を押し当ててくる。脇腹が爛れ、篝火の木材に突き刺される激痛を、しかしリーリアは無視して走る。あたりをつけた地点、廊下の突き当りへと。
 小さな袋小路に迷い込んだ瞬間、身を翻して敵群を振り返り、リーリアは解剖用メスを掲げる。
「狂わないでくださいね? ……いえ、もう狂っているのかもしれないけれど」
 ──瞬間、メスを見た亡者達の脳を生体解剖される生々しい幻影が侵食した。
 それはリーリア自身の記憶。リアリティに満ちた映像が、麻酔無しで解剖される幻痛と幻覚が、亡者達の動きを一斉に縛り付ける。
「今よ!」
(「り、了解です!」)
 白兎は最後の罠の起動スイッチへ、勢いよく全身で飛び込んだ。
 ……ガ、コンッ。
 鈍く重い音がどこかで響いたと同時、袋小路の手前に口を開けていた横道から大量の矢が射出され、篝火を持つ亡者達の横っ面をくまなく貫いていった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

風雷堂・顕吉(サポート)
アドリブ連携可

約100年前、ダークセイヴァーの人類敗北以来、ヴァンパイアとの死闘を細々と繰り広げてきたダンピール、それが俺だ。
【世界知識】ダークセイヴァー世界の大抵のヴァンパイア相手ならそれがどのような血族かは知っているし、知らなくとも【情報収集】の伝手はある。
それ以外の世界については物珍しそうに振る舞うことになる。すぐに慣れるだろう。
ダークセイヴァーとスペースシップワールド以外の世界は日差しが強すぎるので、サングラスを着用する。

戦闘は剣士の動きだ。
次に参加する猟兵が戦いやすい状況を作ることも多い。


天日・叶恵(サポート)
私なりの、お狐さまの矜持としてささやかなお願いがあればついでで積極的に叶えたいです
例えば、探しものを見つけたり、忘れ物をこっそり届けたり、道をこっそり綺麗にしたり、といったものです
それ以外では、オブリビオン退治に必要であればできるだけ違法ではない範囲でお手伝いしたいと思いまーす

戦闘については、昔は銀誓館学園で能力者として戦っていたので心得はありますー
補助や妨害といった動きが得意ですねぇ
あとは、白燐蟲へ力を与えて体当たりしてもらったり…術扇で妖力を込めたマヒ効果の衝撃波を出したり、でしょうか?

他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも公序良俗に反する行為はしません。



●暗闇を逆手に取って
 ただ普通に廊下を進んでいるだけのはずだった。罠への警戒は怠らなかったし、敵の気配も一切なかった。
 にも関わらず、唐突に、なんの前触れもなく広大なフロアに足を踏み入れていたのは、おそらく魔術的に偽装されたなんらかの仕掛けだったのだろう。
「何……」
「えっ!?」
 そのフロアに、各々別の通路から足を踏み入れたのは、風雷堂・顕吉(ヴァンパイアハンター・f03119)と天日・叶恵(小さな神社のお狐様・f35376)だった。
 二人が咄嗟に身を翻すより速く、来た道が轟音と共に勢いよく塞がれ、視界は闇に閉ざされた。
「わわわ、暗くて見えません……!」
「やってくれる……」
 己の指先さえ見えない、目を開けているのか閉じているのかもわからない暗闇。叶恵は慌て、顕吉は皮肉げに口の端を持ち上げた。
「──左に避けろ!」
 顕吉の忠告の意味を考えるより先に、叶恵は直感に任せて横っ飛びに飛び退いた。一瞬前まで叶恵が立っていた場所を何かが暴力的な速度で薙ぎ払い、皮膚がかすかな熱風に炙られたような感触が残った。
「て、敵がいるんですね……?」
「ああ、目が慣れてきた」
 顕吉は発達した視力で暗闇に目を細める。ぼんやりと蠢く無数のローブ。いつの間にか囲まれている……
「でも、篝火が見えませんね……」
「炎の色が黒い。だが他の亡者と個体差はないように見える。この罠のための特殊な偽装だろう」
「……わかりました。なんとか気配を探ってみます!」
 叶恵が覚悟を決めると同時、大量の亡者の気配が蠢き襲いかかってきた!
 顕吉は今はもうはっきりと敵の姿を見極められる視力を武器に、強化オブリビオンをいなしていく。時に敵のローブの合間で暗闇に紛れ、不意を打っての反撃で対抗する。
 叶恵は注意深く耳をそばだて、直感的に敵の気配を察知しながら回避に専念した。視覚に頼れないのは少々厄介だったが、慌てれば慌てるほど冴えわたる直感と類まれな幸運で、スレスレのところであらゆる攻撃を躱していく。
 だが、敵は硬く、数も多く、執拗だ。追い詰められる形になった顕吉と叶恵は互いに背を預け合い、敵の攻撃に備える。
「……闇を利用して反撃する策がある」
「奇遇ですね、私も似たようなことを考えていました」
 そう答えて、先に動いたのは叶恵だった。ユーベルコードの急速展開と共に、白燐蟲の群れが暗闇に解き放たれる。
「すみません、目眩ましをさせてもらいますー」
 燐光を帯びて飛ぶ白燐蟲が、亡者達の目元と耳元に纏い付き、その姿を浮かび上がらせると共に視覚と聴覚を奪う。
 目と耳を塞がれて混乱に陥る亡者達。白燐蟲を振り払うために薙ぎ払われた黒い篝火が他の亡者を傷つけ、それが連鎖していく。
 同士討ちの混沌と化した戦場に、顕吉のユーベルコードが発動する。
「──吸い尽くせ」
 狩人の冷然たる声音に命じられ、無数の吸血コウモリ達が戦場へと広がっていく。亡者達に纏いつき、噛みつき、文字通り吸い尽くす……
 全てのコウモリが消え、ようやく閉ざされていた通路が開放された。
 猟兵が立ち去ったその部屋には、大量の干からびた亡者の死骸が打ち捨てられていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

メイリン・コスモロード(サポート)
『一緒に頑張りましょうね。』
人間の竜騎士×黒騎士の女の子です。
普段の口調は「丁寧(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、時々「対人恐怖症(ワタシ、アナタ、デス、マス、デショウ、デスカ?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
人と話すのに慣れていなくて
「えっと……」とか「あの……」とか多様します。
戦闘ではドラゴンランスを使う事が多い。

その他、キャラの台詞はアドリブ等も歓迎です。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


厳・範(サポート)
長年の修行で誘惑に強いお爺です。
食べ物に制限はありません。
話し方は古風です。

亡き親友との約束(世界を守る)で、封神武侠界のみで活動していましたが、『仁獣』性質と親友の幻影の後押しで決意し、他世界でも活動し始めました。
「放っておけぬのよ」

動きとしては、主にサポートに回ります。
【使令法:~】では、麻雀牌を利用して、対象生物を呼び出します。
【豹貓】は睡魔を呼ぶ、【胡蜂】は恨みの毒(理由は秘密の設定にて)という感じです。

また、半人半獣もしくは本性の麒麟形態だと、背に人を乗せることがあります。

なお、武侠の血が騒ぐと足技が出ます。

依頼達成のためとはいえ公序良俗に反する行為はしません。
あとはお任せします。


雪代・桜花(サポート)
 桜の精の仙人×パーラーメイド、17歳の女です。
 普段の口調は女性的(私、~様、です、ます、でしょう、ですか?)
サクラミラージュの山奥で生じた桜の精で、普段は『帝都桜學府』に通いながら色んなアルバイトをしている猟兵です。

UCによる技能強化で他参加者の文字通りのサポート役(戦闘支援の他、一般人相手の情報収集や敵地の偵察、給仕など)が理想です。
UCの『オールワークス!』で状況や目的に応じた手持ちの防具に着替え、その初期技能を上昇させ【情報収集】や【破魔】などでサポートします。あるいは軽機関銃と素の【援護射撃】や【制圧射撃】で戦闘をサポート。
その他、桜の精として影朧の転生やUCによる回復も可能。



●上を目指して
「……これは難儀だな」
 辿り着いた巨大な空間を見渡して、厳・範(老當益壮・f32809)は眼差しを厳しく細めた。
 上下に広大な暗闇の空間だ。外部の地形と半ば融合しており、岩肌にぽつぽつと掲げられた松明によって、円筒形の構造が浮かび上がっている。
 足場となるのは壁際に螺旋状にへばりついている朽ちかけた階段のみ。かなり脆そうだが、その上を多数の炎がうろうろと動き回っているのが見える。篝火を持つ亡者だろう。相当な数だ。
「下は奈落のように見えますね……」
 雪代・桜花(桜仙・f23148)は塔の下方を覗き込んでぽつりと呟いた。エントランスホールと同じく、底が見えない。足場が崩れたり足を踏み外したりしたら真っ逆さまだ。
「あの……い、一番、上……! あそこから出られそうです……!」
 人見知りを発症しつつも、メイリン・コスモロード(飛竜の鉾・f13235)は頑張って塔の上部を指さした。時折行き交う亡者の篝火に、吊り橋のおぼろげなシルエットと、その先に扉らしきものが浮かび上がっては闇に消える。
 目標は定まった。三人は頷き合い、塔攻略のための知恵を突き合わせ、各々のユーベルコードを発動した。

 塔の中腹。闇の中に、白いシルエットが浮かび上がる。
 それが少女──天女の羽衣纏う桜花の姿であると気づいた亡者達は、身を翻した桜花を一斉に追いかけ始めた。篝火が列を成して桜花を追い詰めていく。
 しかし、列は途中で途切れた。篝火が亡者ごとボロボロと奈落へ落下していく。
 桜花が駆けていたのは、奈落の真上、何もない真っ暗闇だった。羽衣で浮遊しながら、走っているように見せかけていたのだ。
 奈落に気づかず落下する先発組の姿に、後発の亡者達はなんとか踏みとどまる。空中に浮く桜花と距離がありすぎて手も足も出ない……が。
「──ぁぁぁぁああ……ッ!」
 不気味なうめきとも掛け声ともつかぬ声を上げ、上層から亡者達が降ってきた。奈落に落ちるのを覚悟した捨て身の兜割り。
 しかし、篝火が桜花に触れる瞬間、「正反対の桜花」は微笑み、無数の幻朧桜の花弁にほどけて消え去った。篝火は空振り、特攻した亡者は奈落の底へ。
「上手くいきましたね」
 胸をなでおろす本物の桜花は、範とメイリンと共に、暗闇の中を伸びる新たな足場をひっそりと登っていた。
 周囲ではベンガルヤマネコ達が音もなくひっきりなしに行きかい、猟兵達のための足場を空中に築いてくれている。範の使令、豹貓だ。
「ふむ。しかしまだ多いな。なるべく数は減らしておきたい」
 範は一同を先導しながら亡者達の動向に目を光らせる。敵を下手に残しておけば、後ろから襲いかかられる恐れもある。
「……あ! 気づかれたみたいです……!」
 メイリンが篝火の微細な揺れに気づいて警告を発した。
 多数の篝火が暗闇の中の猟兵達の姿を見出し、その行く手に先回りしようと列を成していく。
 猟兵達は急ぎ残る足場を踏破し、最上層に到達した。
 あとは吊り橋を渡るのみ。しかしその直前で、死角になっていた通路から合流してきた亡者の群れと鉢合わせ、進路を塞がれてしまう。殺到する大量の篝火。
「──私が受けます!」
 恐れも迷いもなく敵前に躍り出たのはメイリン。その全身から力が抜け、大量の篝火が押し当てられ──
 メイリンの腕に抱いていたからくり人形が向けられた全ての炎を吸い込んで、そのまま吐き出した。炎に巻かれたローブの亡者達が耳障りな悲鳴を上げて退いていく。
 猟兵達は構わず吊り橋を渡る。なお追いすがる亡者達。
「ゆけ!」
 猟兵全員が扉前の向こう岸に渡り切ると同時、範は使令を亡者達へけしかけた。豹貓達は吊り橋上を駆け巡り、追ってきて亡者達をことごとく睡魔に落としていく。
「今だ、落とすぞ!」
「は、はい!」
 範の焦熱鎗とメイリンの竜槍が、吊り橋の左右の縄を同時に斬り落とし、橋そのものを崩壊させた。
 動きの鈍ったまま橋の上で停滞していた大量の亡者達は、睡魔に引き込まれるままに奈落の底へと落下していった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第2章 冒険 『五里霧中』

POW   :    大胆に行動する

SPD   :    慎重に行動する

WIZ   :    冷静に行動する

👑7
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●五里霧中のギャラリア
 亡者達をなぎ倒し、猟兵が辿り着いたのは白い霧に満たされた奇妙な空間だった。
 ここまでの道程から考えて室内で間違いないはずだが、たちこめた霧に視界が塗りつぶされて、壁も天井もどこにあるのか把握できない。どうもまともな霧ではなさそうだ。
 そんな五里霧中の空間から、人のものらしきうめき声が聞こえてくる。苦痛を訴える声、助けを呼ぶ声、嘆き悲しむ声。
 人々が囚われているのだ! ならばここが「ギャラリア」に違いない。
 ここは明らかに尋常ではない。人々を助け出し、ギャラリアの手前に確保した安全なフロアに一旦隠れておいてもらわなければならない。
 判然としない視界と同じく、声のする方向も絞りきれない。声や気配を頼りに進むにしても、相当な集中力や工夫、技能やユーベルコードなどを駆使する必要がありそうだ。
 視界ゼロの真っ白な霧の中を探索し、囚われている人々を救い出そう!
ジェイソン・スカイフォール(サポート)
おもに「衛生小隊」を使ってメイン参加者がメインの行動に集中できるよう、雑事を引き受けます。本人および衛生小隊は「兵士ができそうなこと」はだいたい行えます。

▼行動例

「避難は任せてください。さあ、みなさんはこちらへ!」
現場に一般人がいるとき、避難誘導や救助を行う。必要に応じて炊き出しなども可。

「総員、作業にかかれ!」
衛生小隊を指揮し、人手が必要な単純作業を引き受ける(運搬や土木作業など)。


サイモン・マーチバンク(サポート)
「あ、どうも。兎の悪魔です」

デビキン出身アポヘル育ちの兎の悪魔
悪魔ですが倫理基準はアポヘル寄り
ワルにはそんなに憧れないけど必要なら悪どいこともやります

「ゾンビハンターとして過去を殺す」
「魔界盗賊として必要なものを取り返す」
この二つをモットーに依頼に挑みます
同情すべき相手でもしっかり向き合った上で戦うことを選択します

サバイバル生活の影響で使えるものは何でも使う感じに
ハンマーでどかどか殴ったり銃火器でばんばん暴れるのも得意です

賑やかな場所はちょっと苦手
引っ込み思案でコミュニケーションも苦手なので、情報収集はひっそり行うタイプ

多少の怪我は厭いませんが公序良俗に反することはしません
よろしくお願いします


ラムダ・ツァオ(サポート)
ラムダよ、よろしく。
内容にもよるけど、行動指針となる確実な情報を得るのが有意義だと思うわ。
着替えるなり変装するなり色仕掛けなり、手段は状況に寄りけりかしら。
それとどんなときも落ち着いて行動ね。
あと、物証とか何かを集める必要があればうまく詰め込んで、
効率よく運びたいわね。

行動指針としては以下の3通りが主。
1.潜入・変装・誘惑等で確実な情報一つの入手を試みる
 (または情報の裏を取る)
2.斥候・探索役として周囲を探り、情報収集を行う。
3.戦闘にて囮役または攻撃補助に徹する。

台詞回しや立ち位置などは無理のない範囲でご随意に。
ユーベルコードは状況に応じて使い分けます。
アドリブ・連携歓迎



●捜索、救助、謎の箱
「ひどい視界ね……まともな方法じゃ壁にもたどり着けそうにないわ」
 ラムダ・ツァオ(影・f00001)は小さくぼやきつつ、眼鏡の曇りを拭った。
「救援するにしても、姿が確認できなければな」
 人々の悲痛な声に、ジェイソン・スカイフォール(界境なきメディック・f05228)は歯がゆく呟く。
「せめてどっちの方向に行けばいいのかさえわかれば……」
 サイモン・マーチバンク(三月ウサギは月を打つ・f36286)もそわそわしている。いつもなら一人ひっそり情報収集に繰り出すのだが、この霧の中に無策で突っ込むのは迷子必至だ。
「そうね……よし、私が一肌脱ぐわよ」
 ラムダは思案していた顔を上げ、文字通り、思い切りよく服を脱いだ。……いや、早着替えだ。
 男性陣が反射的に「うわっ」とか「ヒェッ」とか奇声を上げて目を白黒させているが、ラムダは手をひらひらさせて笑う。
「大丈夫、水着に着替えただけ。ま、この状況じゃ見えないかもしれないけど」
 霧によっていい塩梅に大事な部分が隠されているからこそ、却ってきわどく見えてしまうのだが、そんなことは気にもせずにラムダは超高露出を代償にして霧の中に神経を研ぎ澄ます。
 白い視界の中、声のする根源を探り「囚われた人々を見つけ出す」のだ。
「──いたわ! 十時の方向、二十メートルぐらい先!」
 ラムダの先導で猟兵達は駆け出した。あちこちからうねるように響いてくる声が、近づくにつれて徐々にその音源がはっきりとしてくるようだった。
「助けて……誰か……」
 声の主の居場所に確信を持った瞬間、ジェイソンは迷わずユーベルコードを発動した。
「避難は任せてください。──総員、救護にあたれ!」
 現れたプロフェッショナルの衛生兵部隊と共に、手早く救援活動に取り掛かるジェイソン。
 要救護者は十人程度。霧の中で身を寄せ合い、身動き取れなくなっているようだった。拘束されているわけでもなく、ぱっと見怪我もない様子だが、疲労か病か、立ち上がれない者がほとんどだ。
「大丈夫ですか? 身体におかしいところは?」
「あ、あの……あ、あの、あの箱……あの箱の中身も全部……」
 ジェイソンに縋り付いた女性が、つっかえつっかえ主張した。指差すほうを見てみれば、木箱がいくつか床に乱雑に転がされているのがわかった。
「あれも持っていけばいいのですか?」
 ジェイソンが訊ね直すと、女性は壊れたように何度も頭を振って頷いた。
「じゃ、じゃあ俺が運びます! ──盗品は返すべき場所へ!」
 引っ込み思案を発動して少し急き込んだ早口になりつつ、サイモンがユーベルコードを発動した。どこからともなく取り出した予告状をナイフのように投げつけて箱に突き立て、魔法で容量を増したどろぼう袋に順次転移させていく。
「よかった、全部余裕で入りました。……うーん?」
 袋に入った重みになんとなく違和感を感じて、首を傾げるサイモン。
「あのぅ……この中身って、何が入ってるんですか……?」
 恐る恐る訊ねてみても、女性はもう何も答えなかった。ジェイソンに背負われたまま、どことも知れない場所に虚ろな視線を固定している。
 薄ら寒い予感を覚えつつ、猟兵達は一度部屋の出口へと引き返し、安全なフロアに人々の身柄と箱を避難させた。
 そして、そこで信じがたい光景を見ることになる──。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

音駆螺・鬱詐偽(サポート)
世界に蔓延る悪を懲らしめるネガティブアイドル鬱詐偽さん
ただいま参上。
・・・って、どうしてこんな恥ずかしいセリフを言わないといけないのよ。
うう、これも番組の為なのね。



自身の命綱である番組の為、多少の苦難や困難は仕方なく行います。
むしろ持ち前の不運によりおいしい場面を呼び込んでくれるかと思います。
ただし、ネガティブとはいえアイドルですのでマイナスイメージとなる仕事はすべて却下でお願いします。
ユーベルコードや技能はご自由に使わせてください。
どうぞ、当番組のネガティブアイドルをお役立てください。
                      プロデューサーより


ヒース・アーベル(サポート)
*性的表現のあるシナリオは不可
アドリブ・共闘:可
UC:ご自由に
メイン武器:各種投擲用ダガー

基本的には置かれた状況下で楽しむタイプです。人との交流も好きな方ですね。
探索系ならば、積極的に情報収集をしてから行動します。人から聞き出すのは勿論、【飛耳長目】で鳥等に変身して盗み聞きもします。
鍵開けや失せ物探しも得意ですね。鑑定なんかもお任せを。
このとおり、力仕事のない裏方の仕事の方が得意です。ですが、人命がかかっている場合は別です。

予知等で予め方針が決まっている場合は、そちらに従います。
怪我をすることは特に気にしません。また、他の猟兵さんに迷惑をかけること等は致しません。
どうぞ宜しくお願いします。


シン・クレスケンス(サポート)
「大抵のことはこなせますので、何でもお申し付けください」

◆人物像
落ち着いた雰囲気を持つ穏やかな青年。窮地でも動じず冷静な状況判断で切り抜ける

◆戦闘
【破魔】の魔力を込めた銀の銃弾等の詠唱銃による攻撃や、魔術による攻撃を得意としている

◆猟兵になる以前の経歴から、情報収集・操作や追跡、索敵もお手の物

◆UDC『ツキ』
シンに取り憑いているUDC。闇色の狼の姿をしている
同じく追跡が得意(魔力を嗅ぎ分けている)で、戦闘は鋭い牙や爪を用いて行う

◆口調
・シン
僕/相手はさん付け(使役は呼び捨て)
~です、~ます、~ですか?等丁寧で穏やかな話し方
・ツキ
俺/お前、呼び捨て。
~だぜ、~だろ、~じゃないか?等男性的な話し方



●回廊を巡り歩いて
「世界に蔓延る悪を懲らしめるネガティブアイドル鬱詐偽さん、ただいま参上。……こういう仕事は私、いないほうがいいんじゃないかしら」
 のっけからテンションの低い音駆螺・鬱詐偽(帰ってきたネガティブアイドル・f25431)は、動画撮影ドローンを召喚しつつ大きくため息をついた。持ち前の不運が救出に悪影響を及ぼさなければいいけれど、と心配する鬱詐偽の心情を慮ったファンからの応援コメントがどしどし送られてくる。
「しかし本当に奇妙な霧ですね……少し、試してみましょうか」
 シン・クレスケンス(真理を探求する眼・f09866)は思案すると、深淵杖『desperatio』に気流を纏わせ、小規模な竜巻を周辺に飛ばした。
 逆巻く気流に吸い込まれ弾かれるようにして、周辺の霧が一瞬晴れ、若干奥が見えたように思われたが、すぐにまた冷たい白が押し寄せて視界を濁らせた。やはり普通の霧ではない。
「何をしても絶対に晴れない霧……といったところですか」
「なるほど。ですが少しだけ周囲の様子が見えましたね。ならば、視界を確保するのは不可能ではない、と……」
 呟きつつ、ヒース・アーベル(胡散臭い掃除屋・f35538)もユーベルコードを発動した。全身からどっ……と大量の濃霧が発生したかと思えば、急速に周辺の霧に混じり合い広がっていく。
「あら、少し視界がマシになったわ」
「毒を以て毒を制したというわけです。時間がありません、早めに行動しましょう」
 ヒースの先導によって一行は探索を急いだ。ユーベルコードの濃霧をぶつけても視界は完全にはクリアにならなかったが、ぼんやりと内部の輪郭は見えてくる。ギャラリアの名の通り、壁際に絵画を掲げた回廊状の空間らしい。
 絵画の下には囚われた人々が一人ずつ繋がれていた。
「大丈夫ですか? 我々はあなた方を助けにきました。立てますか?」
 人々は皆生気に乏しかったが、シンがそのコミュ力を発揮して促すと、のろのろと立ち上がり後をついてきてくれるようになった。
 探索を続け、いよいよ入り口の反対側まで回り込むと、今度は壁際で数人の小さな子供達が寄り集まって座り込んでいた。
 やはり皆揃って陰鬱な様子だ。声をかけても反応は薄く、立ち上がろうとしない。
「歩けないのでしょうか」
「どちらかと言えば、気力の問題のようにも見えますね……」
 ヒースとシンが思案に暮れる傍らで、鬱詐偽が「う゛っ!」と喉が詰まったような奇声を上げた。
「どうかしましたか?」
「いえ……ええ、その。……私に任せてもらえるかしら?」
 上ずった声を上げつつ、鬱詐偽はなんとなしに確認していた端末の画面を消した。「今だ歌え!」「アニソン!」「アイドルなんだから励まさなきゃ!」といった数々の応援(?)コメントがすっと暗転に消える。
「……不本意ながら、歌わせてもらうわ」
 実にアイドルらしくない前置きを置いて、鬱詐偽は希望に満ちた子供向けアニメの主題歌を披露した。
 ダークセイヴァーの子供らが知るよしもない曲だが、未来への希望に溢れた曲調と歌詞は、異世界を跨いでも子供の素直な心を震わせたようだ。鬱詐偽の素晴らしい歌唱とパフォーマンスが相まって、子供達はのろのろと自力で立ち上がり、鬱詐偽の歌の後をついてくるようになった。
 ヒースが霧を維持して先導を努め、シンが囚われた人々を一人一人立たせて助け、鬱詐偽は人々を歌で励まし歩みを促す。
 短い制限時間内に巡れるだけ巡ったのち、無事ギャラリアの手前の安全フロアへの避難は完了した。
 ……霧から離れ、通常の篝火の下で改めて人々を見渡して、猟兵達は絶句することになる。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『死の狂演ヘナロ・カルバハル』

POW   :    猟兵使い
【猟兵調教鞭】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。
SPD   :    It's Showtime!
自身からレベルm半径内の無機物を【団員、道具、猛獣が揃ったサーカス会場】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。
WIZ   :    サーカスクラウン
戦闘力のない【道化師】を召喚する。自身が活躍や苦戦をする度、【コミカルなリアクションと野次】によって武器や防具がパワーアップする。

イラスト:もりさわともひろ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はナギ・ヌドゥーです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●霧より離れて
 安全地帯まで避難させた人々の真の姿が、猟兵達の目の前であらわになった。
 ……ギャラリアに満ちていた霧は、おそらく幻覚の作用があったのだろう。
 立ち上がれなかった人々は、巨大な杭や拘束具で姿勢を固められた「標本」。
 絵画の下に繋がれていた人々は、カンバスの中に閉じ込められた「絵画」。
 無造作に転がされていた箱の中には、部位ごとに分解され保存された人体の「瓶詰め」。
 明らかに人の形を保っていない者も多数いるが、驚くべきことに、全員生きている。
 生きながら、捕らえられていたのだ。

●月光城の主とギャラリアの本性
『ハーッハッハッハッハ!!』
 突如として道化じみた哄笑が城内に響き渡った。
『展示品に手を触れるとは困ったお客様だ。私の「人間画廊(ギャラリア)」がそんなにお気に召しましたかな? おかげで私の力はすっかり減退してしまった』
 ゴトンガタン、となんらかの仕掛けが作動する音が響いた。
 急ぎ音のしたほうにとって返すと、ギャラリアの回廊は完全に隔壁らしき石壁の向こうに閉ざされてしまっていた。
 そして正面、壁だったはずの場所に新たな入り口が出現している。
『罠などございませんよ。どうぞ奥へ』
 ……囚われていた人々のことも気になるが、まずは城主を倒さねばならない。猟兵達は敵の懐に誘い込まれているのを承知で、声の誘導に従った。
 たどり着いたのは円形のフロア。暗く冷たい石造りで、大きさからして回廊に取り囲まれていた壁の内側だと思われる。
 果たしてそこにいたのは、『月光城の主』だった。
「ようこそ、私の玄室へ」
 慇懃に会釈する主の足元には、確かに石棺が横たわっている。
「我が名は『死の狂演ヘナロ・カルバハル』。以後お見知りおきを」
 顔を上げたヘナロの右目は、眼球と満月を組み合わせたような『紋章』を宿しているのがわかる。
「これなるは『月の眼の紋章』。我が身に融合した紋章の力により、私の戦闘力は凡そ「66倍」! ……だったのですが、先程お客様がたがギャラリアの人間を解放してしまったがために、その効力はほぼ消え失せてしまいました……」
 道化じみて悲しげに首を振るヘナロ。
 どうやら『月の眼の紋章』はギャラリアの人間をエネルギー源としていたらしい。人々を避難させていなかったなら、甚大な戦闘力をもって猟兵に襲いかかってきただろう。
 だが、紋章の力なくとも油断はならない。
「ですが私も月光城の主たる身。その矜持をもって、我が力全てを注ぎお相手致しましょう……そして、皆様猟兵を屈服させた暁には、調教した猟兵を惨殺する一大サーカスの開幕です! イーッヒッヒッヒッヒ!!」
 ヘナロの紋章の目から出し抜けに長大な棘鞭が飛び出し、妖しくうねりながら猟兵を誘った。

 月光城の主、『死の狂演ヘナロ・カルバハル』。
 人間画廊で人々を飼い殺し、今また猟兵を飼い殺そうと野心を燃やすとんでもない悪党だ。
 強力なユーベルコードと目から飛び出す棘鞭を操るイカレたサーカス団団長を討ち果たそう!
大神・零児(サポート)
アドリブ共闘可
単純戦闘の場合
強力な一撃を叩き出せそうなUCか、形勢逆転が狙えそうなUCを

味方や護衛・救助対象への援護や支援が必要な場合
味方や護衛・救助対象へのサポートとなるようなUCを

戦闘のみ
所持している武器・アイテムを効果的に使い戦局を有利にするよう行動(所持アイテム等を駆使し攪乱や敵の隙をつくる等)

救出・護衛
対象者の命最優先で行動
敵の動きに注意し、牽制しながら戦う
仲間との連携・連絡はアイテムも駆使し密に

常時使用技能
戦闘知識
第六感
野生の勘
見切り
地形の利用
世界知識
咄嗟の一撃
情報収集
早業

護衛・救出対象等有
拠点防御
時間稼ぎ
鼓舞
失せ物探し
オーラ防御
覚悟
救助活動
かばう
聞き耳

C-BA使用
運転
操縦
運搬
騎乗


音駆螺・鬱詐偽(サポート)
世界に蔓延る悪を懲らしめるネガティブアイドル鬱詐偽さん
ただいま参上。
・・・って、どうしてこんな恥ずかしいセリフを言わないといけないのよ。
うう、これも番組の為なのね。



自身の命綱である番組の為、多少の苦難や困難は仕方なく行います。
むしろ持ち前の不運によりおいしい場面を呼び込んでくれるかと思います。
ただし、ネガティブとはいえアイドルですのでマイナスイメージとなる仕事はすべて却下でお願いします。
ユーベルコードや技能はご自由に使わせてください。
どうぞ、当番組のネガティブアイドルをお役立てください。
                      プロデューサーより


数宮・多喜(サポート)
『アタシの力が入用かい?』
一人称:アタシ
三人称:通常は「○○さん」、素が出ると「○○(呼び捨て)」

基本は宇宙カブによる機動力を生かして行動します。
誰を同乗させても構いません。
なお、屋内などのカブが同行できない場所では機動力が落ちます。

探索ではテレパスを活用して周囲を探ります。

情報収集および戦闘ではたとえ敵が相手だとしても、
『コミュ力』を活用してコンタクトを取ろうとします。
そうして相手の行動原理を理解してから、
はじめて次の行動に入ります。
行動指針は、「事件を解決する」です。

戦闘では『グラップル』による接近戦も行いますが、
基本的には電撃の『マヒ攻撃』や『衝撃波』による
『援護射撃』を行います。



●サーカス団との激闘
「世界に蔓延る悪を懲らしめるネガティブアイドル鬱詐偽さん、ただいま参上。……はぁ、これ毎度言わないと駄目?」
 動画撮影用ドローンを飛ばしつつ、音駆螺・鬱詐偽(帰ってきたネガティブアイドル・f25431)はぼやいた。
 やる気はともかくしっかり見得を切った鬱詐偽を、ヘナロ・カルバハルは拍手で称賛する。
「素晴らしい! そちらのお嬢さんはショーというものをわかっておいでだ。ならば「我々」も応えなければなりませんな!」
 玄室内に変化が現れる。冷たく無機質な床や壁は色鮮やかなサーカスの舞台へ。天井は空中ブランコ揺れる天幕へ。燭台は炎を引きながら火の輪くぐりの輪へ。団員や動物達も揃い踏み、玄室は瞬く間にサーカス会場へと変貌した。
「なかなか食えなそうなヤツだねぇ……人間画廊なんてものまで作って『紋章』に人間の生命力を食わせて、あんた何をするつもりなんだい?」
 数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)は単刀直入にヘナロへと訊ねた。正直に答えてくれるかは怪しいが、こういうのは直球で訊いてみるのが話が早い。
 ヘナロは案の定、芝居がかった仕草で首を傾げてはぐらかしてくる。
「さぁて、当初の目的はなんでしたかな? まあまあそんなことはどうでも良いではありませんか。──今の私は貴方がた猟兵をいかに屈服させ調教するか、それで頭がいっぱいなんですから!」
「なるほど、裏の事情はともかくあなたの行動原理はわかったよ。それが聞ければ十分だ!」
 あとは事件を解決するだけ。多喜はすっきりとした面持ちで宇宙カブに跨った。サーカスを展開できるだけの広さがあればカブの機動力を活かせるだろう。
「屈服か……できるかどうか試してみることだな」
 大神・零児(魂から別れたもう一人の令二・f01283)は狼の鋭い眼光でヘナロを睨み据えた。
 ニィ、と嫌らしい笑みを浮かべるヘナロ。
「ではお言葉に甘えて。──さあ皆の者、かかりなさい!」
 ヘナロの命を合図に、サーカス団員や動物達が一斉に猟兵達へと襲いかかってくる。巨大一輪車にナイフ投げ、火の輪くぐりに空中ブランコ。多種多様、混沌たる大攻勢だ。
 零児は素早く視線を走らせ、団員の配置や攻撃手段を瞬時に把握すると、即座にユーベルコードを起動した。
「──戦士達よ、無念を晴らせ!」
 たちまち戦場各所の次元が人型にくり抜かれ、現れ出るは「名も無き人狼の戦士団」。近接戦術や近接武器を持つ人狼は敵陣の護りの薄い所に直接召喚し、不意の痛打を叩き込ませる。距離戦術や遠距離武器を持つ人狼は自陣に配し、援護射撃に専念させる。
「……ええ? また歌えって? ……ああまあ、そうね、この人数なら効果的よね……」
 視聴者コメントにゴリゴリに押されて、鬱詐偽はしぶしぶと歌声を響かせ始めた。リクエストされたのはアップテンポの流行りの曲だ。動画のコメント欄は大盛り上がり。人狼戦士達もリズムの速さに乗せられて勢いづき、さらに精強に武器を振るっていく。
「おっと、それはいけません」
 鬱詐偽の歌の力に気づいたヘナロが、団員の一人をけしかけてきた。
 シャボン玉を吹きながら玉乗りで猛然と迫りくるピエロの姿に、思わず歌を途切れさせ悲鳴を上げる鬱詐偽。と同時に、その恐怖心に呼応して召喚された大量のバロックレギオンがピエロをあっけなく呑み込んだ。
 ピエロの背負っていたタンクがその場にぶちまけられ、持ち前の不運でしっかり頭からしゃぼん液をかぶった鬱詐偽が、つるっと滑って尻もちつくまでが様式美。
「もぉぉ……なんでこうなるのよーっ!」
 本日も動画配信は大盛況の模様である。
 ともあれサーカス団と人狼戦士団の戦いは佳境だ。サーカス団員達は次々に人狼に押し負け、煙のように姿を消し始めている。
 電撃による援護射撃に徹していた多喜のカブが動いた。戦いのさなか壊れて傾きが固定されたシーソーを足場に、一気に空中へと駆け上がる。
 己に向けて空中に飛び上がったその姿を、ヘナロの右目の紋章が見つめている。
「少々目障り……ですねぇ」
 瞬間、ヘナロの紋章から伸びた棘鞭が多喜へと一息に迫った。瞬きする間もない刹那にして多喜の喉を貫く──その寸前、棘鞭の動きが、ピタリと止まった。
 主観時間を狂わされたヘナロが正しい時間の流れを取り戻したのは、多喜に力強く組み付かれたその瞬間。
「今、なんどきだい?」
「な──!?」
 抜けた時間の感覚に混乱し、ヘナロの対応は一瞬遅れた。
 棘鞭を急ぎ動かそうとする右目に映り込むのは、サーカスの獣達を爆発的な力で次々に屠っていく白銀の獣人の姿。
「人狼の力、骨の髄まで味わわせてやろう」
 始祖の力に覚醒した零児の強烈な一撃が、身動き取れないヘナロ・カルバハルの全身をサーカスの舞台に叩き伏せた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

土御門・泰花(サポート)
※アドリブ・連携・苦戦描写・UC詠唱変更・その他歓迎

「あらあら……。大変な事態です。微力ながらお手伝い致します」

一人称:私
口調:基本的に敬語。柔和な印象を与える口ぶり。
表情:基本的に柔和な笑みを湛え、義憤もその下に隠す。
性格:普段はおっとりだが「陰陽師の家系の当主」という自覚があり、凛々しくみせる時も。

先ずは私や仲間へ【オーラ防御/結界術】展開、守りを。

【早業/軽業/地形の利用】で移動。

敵の攻撃は防御結界で弾き、物理攻撃は薙刀で【武器受け】し薙刀or式神の黒揚羽で【咄嗟の一撃/カウンター/2回攻撃】。

UCは戦況と効果次第で適切なものを使用。
可能な限り【早業】で敵のUC発動前に発動。

後はお任せ。


高宮・朝燈(サポート)
『オブリ解析…バール先生、あいつを止めるよ!』
 妖狐のガジェッティア×電脳魔術士、10歳のませたガキです。
 普段の口調は「ちょっとだけメスガキ(私、あなた、~さん、だね、だよ、だよね、なのかな? )」、機嫌が悪いと「朝燈スーパードライ(私、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」です。

 ユーベルコードは、レギオン>お料理の時間>その他と言った感じです。レギオンで出てくるガジェットはお任せします。補助的な役割を好みますが、多少の怪我は厭いません。オブリは小馬鹿にしますが、味方には人懐っこくなります。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



●二種の鞭を征して
 冷たい玄室に、ガジェット『バール先生』に騎乗して現れたのは、齢十歳の少女、高宮・朝燈(蒸気塗れの子狐・f03207)である。
「オブリ解析……バール先生、あいつを止めるよ!」
 バール先生と共に問答無用で敵の懐へ飛び込まんとする朝燈。
 が、その動きを制するように、鋭い破裂音にも似た鞭の音が響き渡った。
 ヘナロの調教鞭が打擲したのは、バール先生の頑丈な脚部だ。
「──走ってはなりません!」
「あっ!? ずっこい!」
 そうは言われても急には止まれない。バール先生は急ブレーキをかけるものの、勢いで数歩走ってしまった。簡単なルールを破った咎がバール先生の脚部にダメージを走らせ、実質的に身動きを封じられてしまう。
 と、そこに。
「あらあら……。大変な事態です。微力ながらお手伝い致します」
 おっとりとした声が響いたかと思えば、突如飛来した護符がバール先生の傷ついた脚部に命中した。たちまち輝く治癒のユーベルコード。
「治癒のついでに、少々「おまけ」を差し上げますね」
 土御門・泰花(風待月に芽吹いた菫は夜長月に咲く・f10833)は優雅に印を切ると、特殊な改造治癒符に力を注ぎ込んだ。バール先生の損耗が瞬く間に修復され、さらに戦闘力までもが増強されていく。
「おやおや、無粋なお嬢さんだ。調教の邪魔をされては困りますねぇ!」
 ヘナロの標的が泰花へと切り替わった。鋭く空を裂き迫る調教鞭はしかし、泰花の纏う結界術に阻まれ弾かれる。
 泰花は薙刀を手に走り出す。ヘナロは弾かれた鞭を悠長に手元に戻しているように見せかけて、出し抜けに右目から棘鞭を伸ばしてきた。だが泰花は動じることなく飛んでくる棘鞭を薙刀で絡め取るように受けてみせた。二人の間に棘鞭が綱引きの如くピンと張り、拮抗状態にもつれ込む。
「これはこれは。その状態ではもう手も足も出ませんか」
「さあ、それはいかがでしょうか」
 泰花がにっこりと微笑むと同時、その周囲から突如として大量の黒揚羽が湧き出るが如く舞い上がった。
 黒い蝶の大群に纏わりつかれたヘナロはその質量に押し流されかけながらも、調教鞭を振るって反撃を試みる──が。
「な──!?」
 死角から急激に伸び迫った何かの質量に、調教鞭が吹き飛ばされた。
「スカウター分析! アームの変形完了! 先生、やっちゃって!」
 元気に響く朝燈の声。
 「走ってはならない」のルールを守って不動のまま、バール先生はまっすぐに伸ばした特殊ガジェットアームに幾多の節を生じさせる。
 鞭の如くしなったアームが敵へ強力な一撃を叩き込み、ヘナロの全身は玄室の壁へと叩きつけられた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

七星・桜華(サポート)
『天魔流免許皆伝、更なる高みへと!』
『一か八かの勝負?必要無いね!私達の勝ちだ!』
『後は派手に騒ぐんだ!誰も倒れないようにね!』
隠れ里に伝わる『天魔流』歴代最年少であり派生流派も含めての免許皆伝。
腰に挿している六振りの刀と扇子を使い戦闘する。
物理的な技術を異能のUCにまで昇華させた。
闘う姿は艶やかな舞踏が如く空中戦もできる。
第六感も鋭く見切るまでも早い。
先手後手問わず。
殺気や覇気を残像に残し分身と勘違いさせる事も。
常に最善を最短で気づき勝ってきた。
防御無視の内部破壊を当たり前に行う。
柔剛の技を扱い両立させる。
消耗を生命力吸収で補う。
優れた第六感で賭け事も強い。
家事も万能。
両親と妹も猟兵である。


中村・裕美(サポート)
副人格のシルヴァーナで行動します
『すぐに終わってしまってはもったいないですわね』
多重人格者の殺人鬼× 竜騎士
外見 赤の瞳 白の髪
口調 (わたくし、~さん、ですわ、ますの、ですわね、ですの?)

裕美のもう一つの人格で近接戦闘特化。性格は享楽的な戦闘狂
戦闘では【残像】が残るような優雅ステップで敵に近づき、惨殺ナイフによる【切断】を【早業】で繰り出す
ドラゴンランスを使うことがあれば、相手を【串刺し】にするか、竜に変えて【ブレス攻撃】
【瞬きの殺人鬼】使用後の昏睡状態はもう一つの人格に切り替えカバー
電脳魔術が使えないので裕美の能力が必要な場合は【オルタナティブ・ダブル】で呼び出します

あと、虫が苦手



●華麗なる舞踏
「こんな辛気臭い城でサーカスとは、変わった趣向だね!」
 にわかにサーカス会場となった玄室内。燦然たるライトに照らし出されながら、七星・桜華(深紅の天魔流免許皆伝・f00653)は舞うように闘う。
 猛獣を扇子でいなし、団員達が武器とする小道具を弾き飛ばして、次々に襲いかかってくる敵を苛烈にして優雅な打擲をもって一撃で沈めていく。桜華絢爛・祝陽天月は桜華が舞うほどに、辺りに桜を咲き乱れさせていく。
「数が多いのは悪くありませんわ。すぐに終わってしまってはもったいないですもの!」
 中村・裕美(捻じくれクラッカー・f01705)の副人格、シルヴァーナもまた舞台上を舞い踊る。残像を描きながら優雅なステップを踏んで猛獣の爪を回避し、一息に距離を詰めて惨殺ナイフを刺し入れる。
 二人の華麗な舞踏がサーカス団を翻弄し、次々に葬り去る。それでも団員の数は途切れることがない。
「確かにこの数は手応えがあって楽しい……けど、気に入らないねぇ」
「奇遇ですわね。さきほどから鼻について仕方ありませんわ」
 互いに背中を預けながら、二人は視界の端にヘナロの姿を意識する。
 サーカスの手下をけしかけておいて、ヘナロは高みの見物だ。こちらが十分に消耗するのを待って、最も残酷な方法でトドメを叩き込もうという意図が透けて見える。
「決めたよ、遊びは終わりだ」
 桜華は扇子をパチリと閉じると、腰に挿している六振りの刀を目にも留まらぬ素早さで抜刀した。周囲に群れたかるサーカス団員達が、一瞬にして細切れに斬り刻まれ霧散する。
 六刀がさらに翻り、幾多の剣閃を走らせ猛獣達を斬り捨てながら、桜華の歩みはじりじりとヘナロへと距離を詰めていく。
「──捉えた、一乃奥義・封絶虚空閃!!」
 六刀が複雑な剣閃を走らせた瞬間、未だ刃の届かぬ間合いにあるはずのヘナロの周囲の空間が、不意に歪んだ。
「何──!?」
 歪みの気配を反射的に振り返るヘナロ。しかし虚空から伸びる不可視の攻撃を防ぐ手立てはない。
 衝撃波、斬撃、払い斬り。三種の攻撃全てを浴びて斬り裂かれたヘナロがユーベルコードの制御を手放し、あれほど賑わっていたサーカス団が一瞬にして霧散した。
「くっ……しかしこれ以上のおイタは許しませんよ!」
 ユーベルコードを封じられたヘナロが長大に伸ばした棘鞭を振るって二人を牽制する……が。
「その程度でわたくしが止まるとでも思いまして?」
 玄室の暗闇の中で、シルヴァーナの目が輝いた。
 次の瞬間、ゆらりと振れたシルヴァーナの全身が弾丸の如く飛び出し、ヘナロへと猛然と肉薄する。襲い来る鞭は素早く回避し、あるいはドラゴンランスによって捌き、さらに深く深く踏み込む。
 解放された殺戮本能は肌をかすめる棘鞭の焼けるような鋭い痛みも一切かまわず、敵へと猛進していく。ただ敵の血の色を確かめることだけで頭の中を埋め尽くして。
 殺人鬼は、瞬きの内に、サーカス団長の腹を串刺しに貫いた。
「アハハハハ! いい色をしていますわね!」
 ヘナロの絶叫をかき消すように、シルヴァーナの哄笑が玄室に響き渡った。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

桜井・乃愛(サポート)
 桜の精のパーラーメイド×咎人殺しの女の子です。
 普段の口調は「元気(私、~さん、だ、だね、だろう、だよね?)」、偉い人には「丁寧(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

性格は明るく天真爛漫で、少し天然ボケな感じの少女。
一番好きな花は桜で、その他の植物も好き。
強敵にも怖気づく事は少なく、果敢に挑む。
人と話す事も好きなので、アドリブ歓迎。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


北条・優希斗(サポート)
『敵か』
『アンタの言う事は理解できる。だから俺は、殺してでも、アンタを止めるよ』
『遅いな』
左手に『蒼月』、右手に『月下美人』と言う二刀流を好んで戦う剣士です。
自らの過去を夢に見ることがあり、それを自身の罪の証と考えているため、過去に拘りと敬意を持っております。その為オブリビオンに思想や理想があればそれを聞き、自分なりの回答をしてから斬ります。
又、『夕顔』と呼ばれる糸で敵の同士討ちを誘ったり『月桂樹』による騙し討ちを行なったりと絡め手も使います。
一人称は『俺』、口調は年上には『敬語』、それ以外は『男性口調』です。
見切り、残像、ダッシュ等の機動性重視の回避型の戦い方をします。


ティエル・ティエリエル(サポート)
◆キャラ特徴
ボクっ娘で天真爛漫、お転婆なフェアリーのお姫様です。
王家に伝わる細身のレイピアを使った空中からのヒット&アウェイで戦うのが得意な女の子です。
・冒険大好きお姫様
・珍しいものにも興味津々
・ノブレス・オブリージュの精神で弱者を放っておけないよ
・ドヤ顔がよく似合う
・困ったら動物さんに協力を!

◆戦闘方法
・背中の翅で羽ばたいて「空中戦」や「空中浮遊」で空から攻撃するよ
・レイピアに風を纏わせて「属性攻撃」でチクチクするよ
・対空攻撃が激しそうなら【ライオンライド】
・レイピアでの攻撃が効かない敵には【お姫様ビーム】でどかーんと攻撃



●乱戦の果てに
「……ここが私の正念場というところですか。──ならば、グランドフィナーレと参りましょう!」
 追い詰められたヘナロはなおも豪勢にユーベルコードを展開し、玄室をよりいっそう賑やかなサーカス会場へと塗り替える。
「猟兵を調教してこのサーカス団に加えるつもりか……理解に苦しむな」
 北条・優希斗(人間の妖剣士・f02283)は静かにヘナロを見据える。このオブリビオンに、尊重すべき思想や理想を問うたところで無駄だろう。
 溢れ出るほどに感じるのは、澱んだ悪意と欲望。
「──罪に溺れし亡霊達よ。汝等の想いと罪を、我が下に」
 優希斗のユーベルコードが輝き、召喚式を描き出す。
 呼応して、サーカス会場と化した玄室に現れいでる蒼穹の精霊船。船から次々に戦場に飛び降りてくる幽霊達は、贖罪の願いを秘めた魂を抱えて、各々の手に魔剣や魔刃、妖刀を携えてサーカスの面々との全面戦争へと突入していく。
「わあ、すごい! ……でもちょっと危ないかも?」
 幽霊達の勇姿に目を輝かせつつ、桜井・乃愛(桜花剣舞・f23024)はブルーミング・ファイアによる射撃で空中ブランコの乗り手を撃ち落とした。
 サーカス団は投げナイフや火吹き芸などのトリッキーな遠距離攻撃も行ってくる。幽霊達の持つ魔剣や妖刀では対処しきれない部分もあるだろう。
 乃愛はユーベルコードを発動し、大量の軽機関銃と投擲用魔石をその場に召喚した。
「さぁ、これを使って! 使い方はわかるよね? 皆で一気に押し返しちゃおう!」
 銃火器の火力と距離を手に入れて、幽霊達はより精強に敵陣を攻め立てる。
 戦場の上空から、激戦と化したサーカス会場を見下ろす妖精が一人。ティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)である。
「すごいすごーい! まるで物語の中の戦いみたいだ!」
 サーカスのきらびやかな舞台で繰り広げられる戦いに冒険譚の一端を見ながら、ティエルは背中の翅を羽ばたかせて天井付近を飛び回った。キャットウォークや照明の裏側などに身を潜めて下方へと投擲攻撃をしている団員が、風を纏わせたレイピアに突っつかれて次々落下していく。
「よーし、天井制圧! そろそろ決着つけちゃうよー。──みんなずっこけちゃえー♪」
 たちまち鉄骨やら幕やら照明やらが無数の金ダライに変じて戦場に降り注いだ。暴れ回っていた猛獣達も、ちくちくトリッキーな攻撃を仕掛けていた団員達も、皆等しく脳天にタライが直撃、次々に昏倒しては煙のように消えていく。
 邪魔なサーカス団員がごっそり消えたと見るや、優希斗は即座に動いた。わずかな残党は幽霊達に任せ、左手に『蒼月』、右手に『月下美人』を構えてヘナロへと一気に斬り込んだ。
「クッ……まだ終わりませんよ!」
 ヘナロは即座に道化師を召喚し、調教鞭と棘鞭で応戦する。
 乃愛もまた銃撃で援護し、隙をついて緋桜の宝槍で果敢に攻め込む。
 優希斗と乃愛の二人を相手に、追い詰められていくヘナロ。それを囃し立てるように、道化師が大玉の上で面白おかしく動き回り、声なき声で野次を飛ばせば、二種の鞭はさらに冴え渡り猟兵の接近を拒んだ。
「むう、あれは剣だと難しいね。だったら……うーー、どっかーん!」
 ティエルが出し抜けにレイピアをヘナロへと差し向けた瞬間、謎のビームが戦場を切り裂くように照射された。眩い光線に脇腹を貫かれたヘナロが血反吐を吐いて動きを鈍らせる。
「桜の枝よ、敵を貫き、その血肉を啜り、可憐なる紅き桜花を咲かせよ!」
 ヘナロが動きを止めた瞬間を狙い澄まして、桜の枝を解き放つ乃愛。二種の鞭を絡め取るように波打ち伸びる太い枝が、敵に迫るにつれて無数に分岐し、大量の枝が血肉を求めてヘナロの肉体を貫いた。肉体を食い破られ、血を啜られたヘナロの絶叫が轟き渡る。
 そして、蒼月と月下美人が納刀される、小さくも澄んだ音。
「躍るよ、蒼き月の舞を」
 二刀が再度抜刀されると同時、優希斗の頭の中から思考が消えた。
 無心の境地より繰り出される連撃。
 数多迸る剣閃に蹂躙され、ヘナロ・カルバハルは一欠片も逃さずその生命を斬り刻まれた。

●月光城陥落
 主である『死の狂演ヘナロ・カルバハル』の消滅をもって、月光城は猟兵に制圧された。
 同時に、ギャラリアに対応する『月の眼の紋章』が消滅したためか、生きたまま標本にされていた人々はあるべき姿を取り戻していった。ひとまずは一件落着だ。
 この月光城がどういった役割を持っているのか、空に浮かんで見える『月』とどのような関係があるのか、あの『月』は一体なんなのか。
 その答えは、今後の調査を待つことになるだろう。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2022年06月23日


挿絵イラスト