エキシビジョンマッチ~巨大なわたくしがお相手ですわ!
●
「ふぇあー!大変だわ!大変だわ!たぶん……大変なのだわ?」
グリモア猟兵のポーラリア・ベル(冬告精・f06947)が、あわあわと猟兵をグリモアベースに呼び込んだ。
「デビルキングワールドの西のラスボス、アイスエイジクイーンお姉さんが、『マンションダンジョン』っていうビルを壊し始めたの!」
先の戦争「7thKING WAR」にてKING候補として戦ったアイスエイジクイーン。
一体急にどうしたというのだろうか。
「\\\\\お~っほっほっほ!御機嫌よう猟兵の皆様!/////」
するとポーラリアの後ろの映像画面が突如勝手に起動し、でかでかとアイスエイジクイーンの顔が映る。
「先の戦いでは後れを取りましたけども……どうやらまだ7thKINGの座を猟兵同士で決めかねている様子。そこに再びわたくしも参戦させて頂きたく、宣戦布告に参りに来ましたわ~!」
カメラがズームアウトする。
どんどんどんどんズームアウトし、アイスエイジクイーンの全身が映り出す。
何かの見間違いだろうか。今、猟兵達が見ているアイスエイジクイーンは山をも越える巨体をしており、なんとその隣には魔界有数の高層ビル『マンションダンジョン』の一つが。
度重なる増築で歪に高く積み上げられた、何百階とも知れない超高層のマンションダンジョンと……アイスエイジクイーンは同じ高さで並んでいるではないか!
「わたくし、巨大化致しましたの!」
「え、え!?」
ポーラリアが驚いてそのスケール間を見比べている。
「先の戦争において、『ゼルデギロス』なる異世界の魔王が居たようですわね。彼女は山をも越える巨大な体に、心身を蝕む仮面を操っていたとか……その程度の事、わたくしの有する四天王と絶滅悪魔軍団、そして氷河期魔法を駆使すれば朝食にデビルかき氷を部下に用意させるより早く再現できましてよ!」
「(朝飯前って事かしら?)……あっ!?アイスエイジクイーンお姉さんのお胸の方!」
ポーラリアは気づいて、映像装置についている機械を何かと操作してズームアップする。
かつてアイスエイジクイーンにジャッジメント白羽の矢が突き刺さっていたというアイスエイジクイーンの胸元に、胸の谷間に小さな人影が高笑いしているのが見えた。
これは……埋め込まれた本体のアイスエイジクイーンではないだろうか!?
よく見ると巨大なアイスエイジクイーンの方はうっすらとだが透けている。これはもしかすると超高密度で出来た氷かもしれない。動くようだが。
「お~っほっほっほ!よくぞ気がつきましたわね。実はわたくしの肉体が巨大化したのではなく、わたくしの乗る自動鎧『絶晶』を溶かして、四天王と絶滅悪魔軍団を氷河期魔法で練り合わせて再構築。巨大なわたくしの姿をした『絶晶』を生み出したのですわ~!」
「それ本当に巨大化って言う!?」
「世の中は言った者勝ちです事よ!」
そして巨大なアイスエイジクイーンは、隣にあるマンションダンジョンをちらりと見て微笑んだ。
「あっ、これさっきあたしが予知で見た奴」
「ただ巨体を晒すだけではわたくしの凄さが分からないかと思いまして、デモンストレーションですわ。この巨体がハリボテでない事を……」
山をも越える巨大なアイスエイジクイーンがぐいっとその手を振りかざす。手には氷河期魔法で作った巨大氷山が握られている。
「こうして見せしめさせて頂きますわー!」
振り下ろされた氷山が瓦割りの如くマンションダンジョンを最上階から叩き潰していく!
「「「「「ぎゃああぁっっスー--
!!!??」」」」」
生涯レベルで家賃滞納してマンションダンジョン内にガムの如く蔓延り続けていた居住悪魔達の悲鳴が大量に木霊する。
同時に巨大アイスエイジクイーンの体からまき散らされる『新築マンションダンジョン移住用保険振込契約書』の紙束。
どうやら居住悪魔達は事前に打ち合わせしていたようで、死ぬほど危険な目に遇っているが明日には別のマンションダンジョンに移り住むそうですご安心ください。
尚移住先はアイスエイジクイーンが経営するぼったくり家賃の新築マンションダンジョンである。
完膚無きまでに破壊しつくされたマンションダンジョンを執拗に踏みしめながら、巨大アイスエイジクイーンは宣戦布告する。
「さあ来てくださいませ猟兵の皆様。この巨体を以て今度は皆様方をわたくしがひれ伏し返してあげましてよ。そうして支持率を取り戻したわたくしが7thKINGの座を猟兵から奪い、今度こそデビルキングにのし上がるのですわー!」
「\\\\\お~っほっほっほっほ!お~っほっほっほっほ!/////」
巨大でやたらうるさいのに透き通るアイスエイジクイーンの高笑いが魔界とグリモアベースに響き渡った。
●
「え、えとー。大丈夫かしら?」
ポーラリアは猟兵達を見回しながら、グリモアを展開する。
「ああして映像で見せびらかしてるから、多分かまってほし……じゃなかった。戦いを申し込みに来たのだと思うの。このままじゃ魔界中のマンションダンジョンがアイスエイジクイーンお姉さんに叩き壊されてしまうかもだから、その前にお願いーっ!」
転送の光が猟兵達を包み込む。
いざ、巨大アイスエイジクイーンとの戦いへ。
古塔
わかりましたね。
古塔マスターです。
魔界『デビルキングワールド』の西のラスボス『アイスエイジクイーン』とのエキシビジョンマッチです。
彼女は今回、すっごい巨大なアイスエイジクイーンに自ら取り込まれて怪獣の如くデビルキングワールド中のマンションダンジョンを破壊して回っています。
(その程度でビルキングワールドの住人は死にませんのでご安心ください)
よかったら倒しにいってください。
この戦いに与した猟兵は後の『7thKING決定戦』において、猟兵内での「KING候補者」に近づきます。
興味がおありでしたらご挑戦をお待ちしております。
マンションダンジョンをジェンガみたいに崩壊させながら。
●1章
巨大アイスエイジクイーンから生まれ出てくる『ハニー・ビッグフロスト』との集団戦です。
彼女達は生まれながらにしてアイスエイジクイーンの四天王であり、100体くらいいて、巨大アイスエイジクイーンを構成する重要存在でもあります。
「お~っほっほっほ!彼女らは群れれば群れるほど巨大化する力を持っていますので、今回のシナリオで巨大なわたくしを作るのに最大貢献しているのですわ!」
彼女らの数を減らさない限り、巨大アイスエイジクイーンは破壊しても即座に再生してしまいます。
倒しに行かなくても向こうからけしかけてきますので、倒しましょう。
●2章
アイスエイジクイーンとの決戦です。
巨大アイスエイジクイーンと真っ向勝負してもいいですし、巨大アイスエイジクイーンの上を登って胸元の本体に肉薄しても。戦闘方法は自由です。
アイスエイジクイーンの周囲からは絶滅悪魔軍団が現れ、邪魔をしてきます。
彼女らは、仮面を被った女性の悪魔の様な姿をしていて……。
『対象の【顔】に【心身を徐々に凍らせていく『氷の仮面』】を生やし、戦闘能力を増加する。また、効果発動中は対象の[顔]を自在に操作できる。』
という、デビルズ・ディールを使ってきます。
戦闘が長引くとちょっと厄介かもしれません。
※先制攻撃はしてきません。
※アイスエイジクイーンは「自分より小さな者との戦闘」に慣れているわけではないので、登って戦っても特に不利になったりはしません。
第1章 集団戦
『ハニー・ビッグフロスト』
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POW : みんなで集まれば、ぜんぶぜんぶカチコチだ~!
【どこからともなく現れる、沢山の仲間達】が自身の元へ多く集まるほど、自身と[どこからともなく現れる、沢山の仲間達]の能力が強化される。さらに意思を統一するほど強化。
SPD : 甘い、あま~いミツ...いい匂いでしょ?それっ!
自身が装備する【睡眠ミツが入った壺】から【仲間達で一斉に放つ、津波のようなミツ】を放ち、レベルm半径内の敵全員にダメージと【強烈な眠気と、纏わり付くミツによる拘束】の状態異常を与える。
WIZ : 皆、いっくよ~!何もかも...凍っちゃえ~っ!
【仲間達と連携し、氷属性の極大魔法】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
イラスト:塒ひぷの
👑11
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「\\\\\お~っほっほっほ!やってきましたわね猟兵の皆様!/////」
魔界のとある一地形にて、猟兵であるあなたが見上げると空を覆い隠すような巨体のアイスエイジクイーンが見えた。
「\\\\\まずは前座ですわ!わたくしの氷雪四天王がお相手になりたがっていましてよ!/////」
すると巨大アイスエイジクイーンの身体から雪片が零れ落ちる様に四天王達が舞い降りる。
それは最初、狐耳とたくさんの狐尻尾が生えた白い妖狐のフェアリーだった。
アイスエイジクイーンと比べると米粒程でしかない彼女らが、集中して1つに集まっていくと、どんどんと巨大化していく。
最終的に100体くらいとなった彼女らの体躯は巨人並み。
キャバリアとタメを張れるような5メートルの巨体となった。
恐ろしい事にここから更に巨大化しそうである。
「わたしたちは巨大化担当の四天王……ハニー・ビッグフロスト!こんにちは!」
白い妖狐の獣人らしき、大雪の様な雪と氷を纏った少女(身長5メートル)が元気に挨拶した。
「君達はなんだか小さいね!そんなに小さいなら……」
何かと話し合った末。
「わたし一人でもやれそうだよ!ここはわたしが勝負してあげるよ!」
1体のビッグフロストが挨拶して、のっしりとやってきた。
どうやら彼女らは1体ずつで勝負を仕掛けてくるようだった。
「アイスエイジクイーン様の巨体を作った氷と蜂蜜で……いい匂いに包まれながら、キミも凍っちゃえ~っ!
久留米・圓太郎
■SPD
「やられてたまるモノかよ!」
オレの得意とする魔法は、炎と氷。ならばこっちで、吹っ飛ばす!
(UC発動)
「単純だけど、氷結には高熱だぜ!」
[空中戦、オーラ防御、地形の利用、騎乗]で、箒を操って蜜を避けてからの、力押しだぜ!
[高速詠唱、全力魔法、属性攻撃、範囲攻撃、援護射撃]からの力押しで、敵を攻撃するぜ。
あとは[多重詠唱]で強風を吹かせ熱風攻撃だ!
…これから夏になって暑くなるし、そろそろ背中の羽根の換羽期でいろいろと面倒くさいんだよ!(八つ当たり)
王位はオレは興味は無いけども、他のワールドにまで悪さする可能性があるとあっては、心苦しいがここでキッチリと倒さなくては
※アドリブ・連携共歓迎
●
「いっくぞ~!」
氷点下に冷たい身体を揺らしながら、その手に特製の巨大蜂蜜壺を抱えてドスンドスンと走ってくるビッグフロスト。
その身体は歩く度に、巨大アイスエイジクイーンから落ちて来る雪片(小ビッグフロスト)を吸収して更におおきくなっている。
「やられてたまるモノかよ!『ナジュム・ダウ・ダナブ』!」
久留米・圓太郎(自称魔法使いの一番弟子・f00447)はそれに対して箒に跨り全力で飛翔を開始した。
彼は三毛猫と鳩が合成された獣人の如きキマイラの魔法使いである。
「これはねぇ、アイスエイジクイーン様の巨体のぉ、関節やひび割れをくっつけて解消する魔法のミツで……取り込むと睡眠効果があるんだよぉ!」
どっざぁと身体と共に巨大化していたその蜜壺をぶんかけるビッグフロスト。
間一髪だった。飛んだ圓太郎の居た地面をものすごい勢いで特殊蜂蜜の津波が通り過ぎていったのだ。
「オレの得意とする魔法は、炎と氷。ならばこっちで、吹っ飛ばす!」
圓太郎は箒で飛びながら、ビッグフロストの1体を旋回するようにしながら炎の魔法弾を連射していく。
「うわわっ、溶ける溶ける!こっのぉ~!」
まるでバケツの水を夏場の地面にぶっかける打ち水行為の如く、ビッグフロストは圓太郎に向き直っては巨大特殊蜂蜜をぶっかけに行く。
「うおおおお!」
ジャイアントスイングの如き回転でかけて来るそれを横では避けられない。
全力で上下に飛び動いて回避する。
足元の地面が接着剤の海の様に蜂蜜で満たされていく。もう下りるのも危険だ。
そんな状況でありながらも圓太郎のウィザードロッドから次々と連射される炎弾が、バチバチと当たると、ビッグフロストは溶ける様に小さくなっていく。
「単純だけど、氷結には高熱だぜ!」
「うわ、わわわ、もっともっと、力をお願い~!」
ビッグフロストが手を掲げると雪崩の様にビッグフロストの妖精が集まり、再びの巨大化を果たしていく。
巨大化する悪魔。周囲を飛びながら相手取る圓太郎。
怪獣相手にガトリングで狙撃する空飛ぶ魔法使いの構図に見えた。
「それっ!それっ!え~い!」
今度は「~」の字にウェーブを描きながら蜂蜜をぶっかけようとするビッグフロスト。
その蜂蜜津波には冷気が籠っており、ぶっかけられれば最後たちまち固まって蜂蜜の塊となって地に落ちるだろう。
「…これから夏になって暑くなるし、そろそろ背中の羽根の換羽期でいろいろと面倒くさいんだよ!」
蜂蜜漬けも固まるのもどちらもお断りと言わんばかりに、圓太郎は蜂蜜の波を針通す糸の様に躱していく。
「吹けよ!ギブリ!」
更に箒の上で翼をはためかせ、戦場に熱風の魔法が追加された。
熱の嵐に閉じ込められながら炎を喰らい続けたビッグフロストは、遂に巨大化の速度を超えて縮み落ちていく。
「ふあっ!熱であつあつドロドロの蜂蜜が~!な、なんだか気持ちい……」
子供位のサイズになってしまったビッグフロストは自分で撒いた蜂蜜の海に沈んでいき、そのまま気持ちよさそうに眠り、押し寄せる蜂蜜の波によって何処かへ流されていった……。
「王位はオレは興味は無いけども、他のワールドにまで悪さする可能性があるとあっては、心苦しいがここでキッチリと倒さなくては」
圓太郎はため息をつきながらウィザードロッドをかざし、熱を纏って次の相手を待ち構えた。
大成功
🔵🔵🔵
四王天・燦
クイーンって実は構って欲しいだけなんじゃ…
どうにもまだ友人になれてねーので本気で想いを届けよう
その為に強さを見せてやるぜ
手加減無用とばかりに飛空艇・フォックステイル号で出る
一発大砲を見舞ってマンションに誤射するぜ
今のは挨拶だ(えっへん)
艦載砲の適当な乱れ撃ちでビッグフロストたちを牽制し連携攻撃までの時間を稼ぐよ
その間に甲板に出て術を練る
フォックスファイア・陸式で爆熱属性のダウンバーストをぶち込んでくれる
うっかり凍らされても上昇した気温に任せて解凍・復帰を計算してるよ
もちろん制御は考えてないのでマンションが大惨事だが知ーらない!
女の子に手荒なことするのは苦手だし程よく溶けたら降参してくださいな
●
「クイーンって実は構って欲しいだけなんじゃ…」
蜂蜜の波が退いた戦場で、灰色の髪をした妖狐の女性、四王天・燦(月夜の翼・f04448)が現れた。
「まあ前座にはお帰り願おうか。手加減無用だぜ!フォックステイル号で出る!」
燦が空に向けて手をかざすと、稲荷神の紋章が描かれた中型の飛空艇が出現した。
それに乗り込むと、巨大な大砲に炎の符術を詰め込み、ビッグフロストに狙いを定めた。
「挨拶代わりに一発いくか!【フォックスファイア・陸式】の爆熱嵐を込めて装填、砲撃!」
「うわーっ!?」
炎の砲弾はビッグフロストに直撃!
「「「ぎゃあああぁぁぁー--
!!?」」」
そのまま貫通して都合よく後ろにあったマンションダンジョンにも直撃した!
熱の嵐の様な爆風は魔界の高層ビルをいとも無惨に破壊しへし折っていく。
「今のは挨拶だ」
壊れゆく様を燦は自慢げにして見ている。
「今のビッグフロストは四天王の中でも下の下……ここからはわたしが相手だ!」
更に巨大なビッグフロストが飛空艇に乗る燦に目線を合わせて突撃してきた!
「うおっ、1体でも思ったよりでけえな!?」
だが燦はあまり慌てる事無く艦載砲を向け、自動操縦で旋回しながら砲撃を続ける。
「このっ、すばしっこいなこいつ!」
ぶんぶんと冷気の手を振り回すビッグフロストをフォックステイル号はいともたやすく躱していく。
「いい的だぜっと!」
更に燦はフォックステイル号の甲板に上がり、見える位置で術式を練った。
『御狐・燦の狐火をもって此処に劫火の煉獄を顕現せん。舞えよ炎、天変地異を巻き起こせ!』
爆熱のダウンバーストがビッグフロストの頭上から落ちて来る!
「そっちが炎の嵐ならこっちは氷の嵐で対抗だ!いっくよ~!『ディノ・ホロボシータ』!」
だがビッグフロストは体の中の小型ビッグフロスト達を光り輝かせると、ものすごい氷の嵐を自身を中心にして発動。
叩き落とさんとしてくるダウンバーストを相殺していく。
「は?アイツもその技使ってくるのかよ!」
更に余波で飛んできた雹の塊がフォックステイル号を破壊せんとしてくるではないか。
「連続ヒットする氷の嵐って感じか!」
だが燦はフォックステイル号を上手い具合に操縦し、雹の塊を躱していきながら的確に巨大ビッグフロストを撃ち貫いていく。
「う、うわーっ!!」
砲撃によって服が溶け、中の雪狐妖精が剥がれ、衝撃でよろけた所にダウンバーストが押し込んでいき、ビッグフロストは熱波に包まれてみるみるうちに溶けていった。
「ほど良く溶けたか?よかったら降参してくださいな。女の子に手荒なことするのは苦手だぜ。」
「きゅう……。」
ダウンバーストが止んだ後、小人クラスに小さくなったビッグフロストが、目を回して戦闘不能になっていた。
大成功
🔵🔵🔵
テフラ・カルデラ
【兎と狐】
※アドリブ可
デカイ!どうしましょう…あ、そうだ!こん子さん、相手に憑依できますよね?
それならば四天王の一人に憑依してあちらこちらに誘導して戦力分散とかどうでしょうか?
群れれば群れるほど強くなるのですから、別に倒さなくても数を減らしても大丈夫かと!
そうと決まれば実行なのです!こん子さんが憑依した四天王の一人の肩の上に乗ってれっつごー!
わたしも【全てを凍てつかせる小さな妖精】さんを召喚させて別方向へ誘導させましょう!
と、うっかり滑り落ち、蜂蜜のツボの中で溺れながら救出されるも蜂蜜まみれのまま、こん子さんがわたしを口の中に―――(口内の冷たさで蜂蜜アイスキャンディと化し舐めまわされる兎)
稲荷・こん子
※アド、絡み◎
【兎と狐】
・行動
「はわぁ、狐っぽい人がいっぱいなのです!」
目を輝かせて観ているこん子
するとテフラさんに声をかけられ作戦を聞く
「憑依ですか?…ふむふむ、その作戦してみるのです!」
と言うわけで、まだ小さいビッグフロストさん達の所に行って交渉を持ちかける
「妖精さん達を倒しに来たわけではないのです!」
「私とワルい事してみませんか、なのです♪」
承諾を得たら【特技】を発動
他のフロストを凍らせようとしたりし、暴れ回る
動き過ぎて、テフラさんが壺に…美味しそうな状態に思わずパクり
最後は満足して憑依解除し、協力した敵とほっこりしながら終了
(テフラさんにまだ付いてる蜜をなめ舐めしてるこん子)
●
「はわぁ、狐っぽい人がいっぱいなのです!」
銀毛の妖狐の稲荷・こん子(七変化妖狐・f06041)が、アイスエイジクイーンの前に立ちはだかる巨大な狐妖精を見上げた。
「デカイ!どうしましょう…あ、そうだ!こん子さん、相手に憑依できますよね?」
こん子の隣に並び立つは乳白色の兎獣人なキマイラ、テフラ・カルデラ(特殊系ドMウサギキマイラ・f03212)。
「憑依ですか?」
「あのデカい四天王の一人に憑依して、あちらこちらに誘導して戦力分散とかどうでしょうか?」
「憑依と言うと…私の狐憑きメダルですか!」
「群れれば群れるほど強くなるのですから、別に倒さずアイスエイジクイーンから遠ざけて、数を減らしても大丈夫かと!」
「…ふむふむ、その作戦してみるのです!」
こん子は狐憑きの描かれたメダルを懐から取り出しつつ、1体のビッグフロストに近づいた。
「おおぉ~っと……ここから先は通さないよぉ~……ところでわたしの甘い、あま~いミツ…いい匂いでしょ?」
巨大な蜜壺を振りかざそうとするビッグフロスト。
「待ってください!妖精さん達を倒しに来たわけではないのです!」
こん子は狐憑きのメダルを取り出した。
「これは貴女合体して更に強くなって暴れられるメダル…これを使って、私とワルい事してみませんか、なのです♪」
「わ、悪い事だってぇぇ…?」
「ものは試しです。えいっ!」
考えているビッグフロストに飛び込んで、その足元にメダルをくっつけるこん子。
メダルはたちまちビッグフロストの身体に吸収され、こん子もまたビッグフロストの中にずぶずぶと入っていく。
「あ、あれ……なんだ、か、おかし、く。」
ビッグフロストの顔が、尻尾が、髪が、こん子のものへと変わっていく。
「…ふう。憑依完了なのです!…ってああっ。小さい方から憑依するつもりがうっかりおっきいのに憑依してしまいましたー!」
「えっ、こん子さうひゃあっ!」
ずしん、とテフラに足を向けると、それだけで地響きが起こる。
今のこん子は10メートルの巨体である。
それが耳を覆い隠す帽子を含むもこもこの防寒着を纏い、片手には蜜壺。
もう片方の手に今、テフラを掬う様に拾い上げ、肩に乗せる。
体にはつねに周囲を凍らせるほどの冷気を纏っており、ダイヤモンドダストが絶えず起こり続けている。
「うわあ、10メートルの時点で結構高いですっ。」
10メートルという高さは、4階建てのアパートに匹敵する。
魔界中を見渡せそうな気分だが、半壊しているマンションダンジョンや先に見えるアイスエイジクイーンにはまだ届かなさそうな体躯だ。
上には上がいる。
「それじゃあ他の四天王さんも巻き込んでいきましょう!れっつごー!」
「\\れっつごー!です!//」
その声は怒号の如く巨大に響き渡り。
「みぃやあぁぁ!?」
「あっごめんなさいテフラさん」
兎キマイラのテフラは危うくその衝撃だけで落っこちそうな程だった。
「こんにちはー!もっともっと大きくさせてくださーい!……あれ?」
ずしぃん、ずしぃん。
巨大なフロストこん子が他の巨大ビッグフロストに駆け寄った。
「えーいっ!」
「うわーっ!!」
こん子は巨大ビッグフロストを蹴った。
するとビッグフロストは蹴り飛ばされる事無くフロストこん子に吸収されていき、フロストこん子は更に大きくなっていく。
「えーいっ!」
「おわあああぁぁ!?」
地面に冷気を溜めてぶうんと、水をかけるように手を振り上げるこん子。
巻き起こった雪崩の様な冷気の津波が巨大ビッグフロストの1体にかかると、巨大な氷像と化してしまう。
そんな巨大ビッグフロストの氷像をフロストこん子が手に触れると、ずぶずぶとこん子の中に入っていき、更にこん子が大きくなっていく。
「わわ、誘導するだけでいいのですよ?」
テフラ。
「それが、なんでか皆と寄り添いたみたいな、集まってもっと大きくなりたいみたいな気分がいっぱいで!」
こん子は憑依先のビッグフロストの心に影響されていきつつあったのだ。
巨大ビッグフロストをくっつけ、吸収していき、フロストこん子の体躯は50メートルを超えた。
50メートルという高さは、都会の大型デパートの高さに匹敵する。
「う、うわーっ、もう地面を見たくないで……すうわっ!?」
急ブレーキをかけたこん子が揺れる反動で、テフラはうっかり肩から落っこちてしまう!
そしてこん子の持っていた蜜壺の中に入っていき……。
「うわぷ!?こ、これは、はちみ……ふ、深……助けてくださいーっ!」
「テフラさん今助けるのです!」
つまみ上げ、蜜壺の中から取り出されるテフラ。
その身体はとろーんと、はちみつ漬けとなってぴくぴくしている。
おいしそうな蜂蜜の匂いがこん子の鼻をくすぐった。
「うわっ、で、でっかい……」
一方でテフラの目の前にはフロストこん子の顔面そのものが見える。他のものは見えない。それくらいにデカい。
どこか、口元をじゅるりとさせ唾液を抑えている所を目の当たりにしてしまう。
「こ、こん子さん……?」
「美味しそうなテフラさん……つまみ食い、一度してもいいですよね?」
「え。え!?だっ駄目です駄目ですよ食べないでくださいわたし蜂蜜漬けの兎さんってどうかと思いま……きゃああーっ!」
女々しい叫び声をあげるテフラの目の前で、あん、とこん子の巨大な口が開かれる。
フロストこん子状態であるため口の中がとても恐ろしく、寒い。
じたばたするも蜂蜜漬けの状態では満足に動けず、ゆっくり、ゆっっくりと、その何処に通じているかもわからない巨大なこん子の口の中に、テフラは運ばれていく……。
「あんっ。もぐ……じゅるっ。きゅっ、んむ……♪」
「……!!…………!!!」
水あめを口に入れた様な感覚である。
口内の冷気で冷えて少し固まりながらも、口の中でにじみ出る唾液で絶えず溶かされていく。
まず柔らかい舌の上に乗ったテフラは、次にぐわんと口内の上に引き上げられ、舌先でずんにゅうとその身体を丸ごと舌先で、頭から足先にかけて舐められる。
ちゅぶりと音がすると一瞬喉の奥へ引き込まれそうになり、唾液と蜂蜜に押し流されていくが、喉ちんこに当たった辺りから一部が逆流して、今度は閉じた唇の内側に押し込まれていく。
衝撃ダメージは無い。口の中の肉と唾液に包まれておしくらまんじゅうの如く密着された状態なので、常に圧迫された宇宙空間の中、ともすれば巨大で生々しい風船に全包囲を囲まれて押しつぶされかかっている感じだ。
酷いポーズで唇に押し付けられたテフラの後ろで歯が閉じる音が、「がちん」などと言う硬い音でなく「ごっ」と言う鈍重い音で再現される。
そのままきゅうきゅうと歯の隙間から唾液とはちみつがこん子の口中に入っていき、吸い込まれる力に屈して歯に大の字で、青のりの如く押し付けられたテフラは、あわあわともがきながらされるがままの状態であった。
歯が開き、今度は舌先にちゅうと吸いつかれる。
全身を吸い込まない程度の巨大な掃除機に吸われて張り付いたかのように舌の先で体をくの字にへり曲がるテフラ。
口中、そして舌の下の隙間から、じゅわりと洪水の様に溢れ出る唾液が唐突に襲う。
あっという間に口が唾液で満たされたテフラは、まるで肉の無重力地帯に放り込まれたように口内で浮く。
くちゅり、ぎゅむり、ぐちゅり。
そこから先はフライパンで目玉焼きを何度も何度もひっくり返すように。
舌がテフラを擦る様に舐めては、口上に孤を描く様に浮き移らせ、沈み。また舌がテフラを絡め取り、転がし、舐め上げ、口の天井にごろり。
たまに思いついたかの様に舌が横にずれる様に動くと、ほっぺの端にテフラは押し込まれ、はちみつと共にぐるんぐるん舐め回される。
口の外、フロストこん子の情景は、食べ物をほっぺたに頬張っている女の子にしか見えない。
膨れている頬に手を添えて、とても美味しそうな表情を浮かべる。
片方のほっぺが住んだら反対のほっぺへ。ごろんごろんとテフラは横に転がされ、舌先でぎゅうっと押し込まれる。
こんなに滅茶苦茶にされているのに潰れる事を許さない。柔らかくも丈夫な、それでいて唾液に覆われ完全にぬるやかな、肉の壁がテフラに絶えずぬるぬるした生々しい感覚を与え続けた。
ぐちゅる、ぐちゅる。
ころり、ごろり。
ちゅば、ちゅぶ、ちゅぶり。
…………。
ごっ、ごっ。
テフラの中にある体液を全て吸い付くそうとするように、喉と舌が最後の仕上げと言わんばかりに。
蜂蜜を、テフラを、食道から胃の中へと運び込んでいこうと。
夢中になっていたこん子は間一髪我を取り戻し、でろんと口の中からテフラを手の中へ移しだした。
「…………ぁ…………ぁっ……ひぃ
………………」
もう蜂蜜はついていない。だが唾液でまみれている。
更にフロストこん子の力に寄って間もなく唾液が気化氷結し、唾液まみれの状態からテフラは凍り付いていく。
「はっ……!す、すみませんテフラさん!やり過ぎたのです!!」
「…………」
過去最高にえげつない虚ろ目をしたテフラが、掌の上で水を駆けられた状態で冷凍庫に晒された食品の様に凍り付いていた。
「あっ…… 何でしょう、今のテフラさん、アイスに似ている、ような。」
もうちょっとだけ舐めてもいいよね。
巨大ビッグフロスト状態のこん子はテフラを再び口に近づけ、その濃厚なテフラ味を無くなるまで吸い尽くそうと、アイスキャンデーの様に舐めしていくのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ミーガン・クイン
巨大化と聞いて来たけれど、……はぁ。(コレじゃない感)
あなたの巨大化は良いわね、みんなで一つになってかわいらしいわぁ。
じゃあ、私の巨大化も見て頂戴な♪
拡大魔法♡ ざっと200mくらいねぇ。
蜜でも冷気でも好きなだけ攻撃しなさいな♪
あとは、お尻で潰してあげる、覚悟はいいかしらぁ?
●
「……はぁ。何それ」
現れたのは暖かなピンクの髪をこしらえたサキュバスの魔女、ミーガン・クイン(規格外の魔女・f36759)。
「巨大化と聞いたから一応来てみたのだけれど、コレじゃないのよね。」
「あら」
そう言ったミーガンに戦場はるか上のアイスエイジクイーン(本体)が反応する。
「……その雰囲気、容姿、佇まい、貴女はこのわたくしとタメを張る巨大化タイプの猟兵と見ましたわ。違って?」
「いいですわもうあなたに興味などございませんから。」
ミーガンは容赦無くまくし立てる。
「着ぐるみじゃあるまいし、そんなハリボテに乗った姿を巨大化?舐めるのもいい加減にして欲しいわ。」
「おほほほほ!弁明させて欲しいですわね。……魔界公式ルールにおける様々にグレーな問題を回避する必要がありましたの。まず本体がきちんと出張らなければいけませんでしたし、堅実に領土を拡大してきたわたくしは『四天王』や『絶滅悪魔軍団』等の配下の運用をアピールする必要が――。」
すると、ずしんずしんと5メートル級のビッグフロストが現れた。
「話を続けなくていいですよアイスエイジクイーン様!ここはボクにお任せあれ!」
巨大アイスエイジクイーンからひらひらと落ちて来る雪妖精を吸収して今もなお徐々に大きくなっている。
「ちっちゃいお姉さんなんか、大寒波の化身たるこのビッグフロストちゃんが踏みつけちゃえば一撃でプチっなんだから!」
「あぁらあらあらぁ♪」
ミーガンの声が艶めかしくなっていく。
「あなたの巨大化は良いわねぇ、みんなで一つになってかわいらしいわぁ♡」
するとミーガンの足元に魔法陣が浮かび、ミーガンもまた大きくなっていく。
「お姉さんなんか――」
「じゃあ」
どんどん大きくなり。
「お姉さんなん……か……」
「私の巨大化も」
どんどん大きくなり。
「う、うわあぁぁ!?」
「見て頂戴な♪」
あっという間にビッグフロストの身長を超える程の巨体になっていく。
ぽん、と、ビッグフロストの頭に巨大な掌を置き、撫でる。
その手だけでもうビッグフロストを握りつぶせそうな程だ。
その時、ずどん!と、ビッグフロストの隣に巨大な氷壁が落ちてきた。
否、氷壁ではない。アイスエイジクイーンの持つ巨大な氷の杖だ。
大きすぎて壁の様にしか見えないそれは、ずずずと横に移動して。
「えっ、何?何!?壁が迫ってくる!たった助けて」
「助かりたければそこを退くかしがみついてくださいませ。」
その声はアイスエイジクイーンだ。
「今から少し、戦場が荒れましてよ。」
「えっアイスエイジクイーン様!いえその、ボクじゃダメですか……?」
「まずはわたくしが手本を見せますわ。そうして弱った猟兵を見て油断し襲い掛かるのも四天王しぐさの一つ。と言うわけで少しおつき合いあそばせ!」
どしん。どしん。
四天王を横に退け、巨大なアイスエイジクイーンの脚が大地を割ってミーガンに近づいて来た。
「……はぁ、だからぁ、あなたに全然興味ないのですけれど。」
「売られた喧嘩を買いに来ただけでしてよ。」
ため息をつきながら、じゃあこの四天王で遊ぶのは後にとって置きましょうと思いながら。
ミーガンは更に巨大化していく。
どんどん、どんどん、どんどん。
もうビッグフロストさえも米粒に思えてしまう程に大きくなって。
「……っ」
ミーガンの巨大化は止まった。
だが巨大氷像たるアイスエイジクイーンが更にその上の体躯を誇っていた。
「お~っほっほっほ!間違った事をしているお汚き同僚や上司を見てイヤイヤながら排除しようとしたら意外にも自身の力が足りずやきもきしている様な心境ですかしら!」
べしんべしん、アイスエイジクイーンが隣のマンションダンジョンを叩く。
「このマンションダンジョンは増改築を繰り返す超高層マンション。一般的な高層ビルの限界を2度3度超えるなど当たり前の建造物ですわ。」
「ざっと200mくらい巨大化したのに、更に上を行くの
……!?」
「お~っほっほっほ!ざっと計算してみた所、貴女の今の身長は189.42メートルですわね!わたくしの現在の身長は256メートル!どんぶり勘定で貴女の大きさはわたくしの4分の3程度ですわー!」
「ふぅん……いつもなら大きさで負けていると嫌な気分になるけれど。」
ミーガンの目の前にはちょうど巨大アイスエイジクイーンの胸の谷間がある。
「その胸のゴミ、取っておくわね?」
胸の谷間に居るアイスエイジクイーンの本体を、デコピンする様に爪を滑らせて削り取ろうとした。
その爪先はつるりと滑った。
「!」
いつの間にか出来ていた、アイスエイジクイーンを覆う透明な氷の塊にミーガンの指が阻まれた。
そして、巨大アイスエイジクイーンの胸の更に奥、身体の中にずぶずぶと入っていくでは無いか。
「(おほほほ……ラスボスらしく誰でも倒せるようにとあえて本体をさらけ出していましたけれども、もうその必要もないみたいですわね?)」
透き通る氷の肌がどんどん濃くなり白くなり、本物の様な白肌と化した。
本体は巨大アイスエイジクイーンに埋め込まれるかの様に中に入っていき、巨大アイスエイジクイーンとその存在を浸透させていく。
目が、口が、宝石の様に紫の輝きを。
装飾がより冷たい氷の様に青く。
「氷河期魔法を応用して作られし特製巨大『絶晶』との融合を完了……。」
巨大な氷の肌が震えて声が伝わってくる。
「いきますわよ」
まるで生きているかのように、巨大アイスエイジクイーンは流暢に喋り出した。
ずどん!
マンションダンジョンを挟み込んで、ミーガンと巨大アイスエイジクイーンが腕を伸ばして取っ組み合いだ。
「ぎゃあああぁぁ!!」
「で、でっかい鉄パイプがいきなり窓から…え!?これ腕!?にっにげ」
マンションダンジョンの住人が慌てて、壁を貫通して伸びてきた腕の逆方向に逃げようとした所、反対側からも巨大な腕が壁を突き破ってきた。
「あああああぁぁあ!?」
その衝撃波で中に居る悪魔達は壊れた壁から吹き飛び、マンションダンジョンからゴミの粉の様に落ちていく。
「この……」
「投げ飛ばしますわよ!」
巨大アイスエイジクイーンは力で押し、ミーガンを突き飛ばす。
「えっちょっと待ってアイスエイジクイーン様こっちボクがボクがうっうわあああああ!!!」
巨大な黒い闇が、否、影が、尻が迫る。
先程構っていたビッグフロストの目の前には突き飛ばされて倒れるミーガンの尻が迫る。
「もっもっと大きくなればこれくら……ひっ!」
このビッグフロストのサイズは5メートル。
今のミーガンは約189メートル。
その差はおよそ37.8倍。
更にミーガンはほぼほぼ股が見える露出の高い衣装をしている。
つまり、ただの尻でなく、穴だ。
「や、やだああああっあああああああぁああぁあああぶぁ
!!!?!」
ボズン!
この世のものとは思えない音がした。
きゅっと閉まった穴であった故に入る前からその巨体と重みによって蟻の様に押しつぶされたビッグフロスト。
「もう!やったわね。……今何か潰れたかしら?」
手に装備していた蜜壺も割れ、起き上がるミーガンの尻からとろりと蜂蜜が漏れて滴る。
ぴくぴくして生存を確認できる巨大雪狐妖精は、穴の入り口付近に挟まったまま意識を失い、くっついたままでいる。
「巨大さで負けるわけにはいかないの。ましてやそんな人形みたいな体には。」
ミーガンは覆いかぶさろうと再び取っ組み合い、どうにかしてアイスエイジクイーンを倒し、マウントを取ろうとした。
上に乗ればある策で更に大きくなり、潰す事も可能だと踏んだのだ。
「あっ」
アイスエイジクイーンの氷の巨椀から手が滑り、うっかり胸に手が行ってしまう。
むにん。
……氷の身体にしてはあるまじき感触がミーガンの手に伝わった。
「あなた、氷じゃ。」
「お~っほっほっほ!わたくしの氷河期魔法『絶晶・融解変形モード』の応用ですわ~!」
これはまさか!絶晶融解体!
「わたくしの創り出した氷はただ硬く冷たいだけに留まらなくてよ。氷に関する溶け具合やその質感を操作して、自由な形に変える事ができるのですわ!」
「その一環で絶晶を上手い具合に常時融解変形させ、人肌の如き柔らかさと弾力を与えるなどわたくしには造作も無い事。」
「ここに居るのはただの氷像に、絶晶にあらず。限りなく生きている悪魔に近い絶晶のわたくしなのですわ~!」
巨大なアイスエイジクイーンが高笑いし、如何ほどでして?と言わんばかりにミーガンに胸を揉まれている。
そしてミーガンの胸をアイスエイジクイーンが掴んだ。
「お返しと行きましょう。もう一度しりもちを着く準備は宜しくて?」
「あらあなた、誰の胸を気安く触っているの?」
ミーガンはややむっとなり、現在の作戦にはない魔法を放とうとする。
ここまで一体化したなら、大きさで優位に立っているなら、今度は縮小魔法をかけて小さくすればいい。
今握っているアイスエイジクイーンの胸にぎゅうっと魔法を展開しようとする。
不意に謎の力がアイスエイジクイーンの胸から発せられ、ミーガンは手を離してしまった。
アイスエイジクイーンの身体から、氷の仮面を被った少女の悪魔が沢山盛り上がってくる。
その身体はアイスエイジクイーンと繋がっているなら、まあそれごと行けるかと思い、縮小魔法を放とうとする。
沢山の少女の悪魔の顔が一斉に光り出した。
「っ!?」
ミーガンの視界は突如氷に覆われ見えなくなった。
顔が巨大な氷の仮面で覆われたのだ!
「何かしようとしたみたいですけれど、その見えない視界でわたくしを捉える事が出来まして?」
アイスエイジクイーンは自身の胸を揉んでいる筈だ。感覚を頼りに魔法を放とうとするが、上手くいかない。
魔法を中断し、自分の顔の仮面を無理矢理引きはがすと、後ろに気配がした。
「貴女様を雪山山脈にして新しい魔界観光地にしてあげますわー!」
後ろから抱きかかえて、後ろに向けてぶうんとミーガンをぶん投げ。
ふうっと追い打ちで吐息を吹いた。
「わ、わああああ!」
「こっちに来るっスー!」
その巨体は山を越え、別の一般悪魔達の住む町に飛んで行き。
逃げ惑う悪魔達に巨大な影が映ったかと思うと、背中からズシーン!と倒れ落ちる。
下敷きになった悪魔達が潰れた虫の様に伸びている。
更に追い打ちで猛吹雪が飛んでくる。
その町は一瞬で大寒波に襲われて、建物が、潰れた悪魔達が、一瞬で凍り付いて白い雪に覆われていく。
「やってくれたわね……!」
白い帽子をかぶり、雪山の様になった胸を起き上がらせながら、ミーガンは巨大なアイスエイジクイーンを見やった。
その足の裏にはベトベトした蜂蜜がついていた。
いつの間にか踏みつぶしていた、5~10メートル程度の複数の四天王ビッグフロスト達の、のされた体が、瓦礫の粉の様に張り付いていたのだ。
苦戦
🔵🔴🔴
槐・白羅
機神搭乗
おお!モルスよ!
キャバリア並みに大きな相手だぞ!
ならば問題はあるまい!
いつも通りの戦いだ!
【戦闘知識】
彼女らの戦い方や動きを分析
一対一とは親切だな!
ならば堂々と行こうではないか!
四門開門発動
【空中戦・属性攻撃・弾幕】
飛び回りながらも超高熱の熱線を乱射して溶かす
【重量攻撃・受け流し・殺気】
殺気を放ちつつ攻撃は受け流し…死の運命で切り裂く
これぞモルスと俺の力だ!
そして彼女もデビルキングを目指すと聞く
王の器である俺こそがデビルキングに相応しいとも
ならば!お前達に挑み打ち勝ち力を示し王となって見せようではないか!
モルス「(確か猟兵全員王なんだから無理に決めなくてもいいのではないか?)」
カシム・ディーン
「ご主人サマ!大きな相手だよ!もうこれはメルシー本来の出番だね☆」
こういう時こそキャバリアってな(キャバリア搭乗
【情報収集・視力・戦闘知識】
敵の動きと攻撃の癖
仲間の集まり方とかを分析
【属性攻撃・弾幕・念動力・スナイパー・空中戦】
飛び回りながら超高熱熱線を乱射して仲間が集まるのも妨害
能力強化なんぞさせねーです
UC発動
【二回攻撃・切断・盗み攻撃・盗み】
超高熱溶岩状態になりながら飛び掛かり猛攻
氷ってのは熱には弱いよなぁ?
存分に蕩ける程に熱くなりましょうかー!
「熱くて甘い夜を過ごそうって奴だね♥」
そうなりたいところだがこれ融けちゃうよな畜生っ!
一応殺さない程度に手加減はする
不殺徹底です
●
「おお!モルスよ!キャバリア並みに大きな相手だぞ!」
白き髪の、異界の服を着て魔剣を手にした男性、槐・白羅(白雷・f30750)が進み出た。
「5メートルならば問題はあるまい!いつも通りの戦いだ!」
彼は『モルス』を呼び寄せる。魔剣を携える機神のオブリビオンマシンだ。
「他のビッグフロストがやられたようだな……わたしはひとあじちがうぞ……一対一でしょうぶだ!」
どすりどすり、5メートル級のビッグフロストが両手を広げて突撃してくる。
「一対一とは親切だな!ならば堂々と行こうではないか!」
白羅はモルスに騎乗し、正面から突撃する。
ビッグフロストは身の丈に合わない様な巨大な雪の塊を手に生み出しながら、思いっきり叩きつけに行く。
それをモルスは殺気を放ちながらキャバリアソードで受け流し、必殺の一太刀を放つ。
「死の運命で切り裂く!」
両断されたビッグフロスト!その瞬間、ビッグフロストは一回り小さくなった無数のビッグフロストに分裂して、四方に飛んだ。
「何っ!」
四方八方から孤を描いて返り飛んできたビッグフロストが、機神モルスの四肢にとりついていく。
するとモルスの身体が徐々に白くなっていく。
「かかったな!わたしは無数のビッグフロストの集合体……分裂に合体は朝飯前なのだ!そして!」
頭に背中にとくっついていくビッグフロストが白い雪の塊となってモルスを侵食。
徐々にモルスの見た目がビッグフロストの特徴を有する白き耳や尻尾が生える。
「モルスが侵食されるなど…!」
「このままおまえも『わたし』の一部に取り込んであげる……わたしの中で永遠に凍えながら、巨人の身体は友好に使わせてもらうよ……!」
「くっ……!」
奥の手を使うか、どうするか。
白羅はこの状況を打開するために必死で抵抗する他なかった。
「悪いな。加勢させてもらう」
その時、突如横槍を入れるかの如く超高熱の魔弾が飛んでくる。
「「「うわーっ
!?」」」
飛んできた魔弾がモルスを取り込もうとしていたビッグフロストを次々と吹き飛ばしていく。
モルスが見やると、発射の主もまたキャバリアだった。
「キャバリアの加勢か!」
黄金の翼の様なウイングを背と足に持つ銀の機神(キャバリア)。名を『メルクリウス』。
中に乗っているのは焦茶色の髪をした魔術盗賊の男、カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)だ。
「ご主人サマ!もうこれはメルシー本来の出番だよね☆」
少女的プログラムの音声がメルクリウスの中に響き渡る。
「こういう時こそキャバリアってな。大丈夫か?……何だモルスか。」
「何だとはなんだ!ええい今に反撃が始まる所だったのだ。」
白羅とカシム、彼らの関係が何だと言われたならば、機神繋がりであると言う他無い。
強いて恐らくと言うならばカシムのキャバリアは水星の、白羅のキャバリアは冥王の名を冠しているのだろう。
「増えるなんて卑怯だぞ!こうなったらお前も取り込んでやる!」
分裂したビッグフロスト達が吹雪を纏って飛び上がり、カシムのメルクリウスと白羅のモルスに飛び掛かる。
「もっともっと大きくなるぞー!」
更に舞い落ちる雪の妖精を吸収して彼女らも更に大きくなって。
「能力強化なんぞ」
「させねーです☆」
メルクリウスは念動力を纏ってその黄金の機械翼で飛び、ミサイルの様に飛んでくるビッグフロストを躱しながら、万能魔術砲撃兵装『カドゥケウス』(ロングレンジライフル)による超高熱熱戦で1体ずつ確実に狙撃する。
「氷ってのは熱には弱いよなぁ?」
1体、また1体、ビッグフロストが撃ち貫かれ、溶けて落ちていく。
だが何体目かのビッグフロストは熱い氷の盾を斜めに持って屈折させて弾いていく。
「熱戦なら光だ!鏡の盾で屈折させれば溶けきる前に防げる!」
「とつげきだー!」
狙撃を防いで高速移動するメルクリウスに包囲して飛び掛かろうとするビッグフロスト。
だがその横から別のキャバリアが砲撃をかます。
ロクシアスの黄金の矢。モルスのプラズマライフルが、高速飛翔の最中に超高熱熱戦としてビッグフロストに放たれた。
「うわーっ!?」
盾の防御範囲から洩れる横や後ろから撃たれたビッグフロストが溶けていく!
「(1対1ではなくなったが仕方ない。先に増えたのはそちらの方だからな。)」
白羅のモルスが何かと言ったような直後、モルスは黄金のオーラを纏い、肩や翼の砲門から多重にして強大なプラズマライフルの銃口を開いていく。
『…玄武門…朱雀門…白虎門…青龍門……総て一斉開門!!我が全霊!たっぷりと楽しめぇ!』
黄金のビームの拡散光が分裂したビッグフロスト達を次々と捉え、撃ち貫いて溶かしていった!
「これぞモルスと俺の力だ!」
「こうなったら再合体だ!みんなで集まって、ぜんぶぜんぶカチコチだ~!」
残った(倒したビッグフロストもフェアリーサイズに溶けた小さい状態ながら)ずんずんと集まって、2機のサイズをゆうに超える巨体へと成長していく。
その両手に冷気の魔法を集め、巨大な凍てつく雪崩で全てを凍らせ押し流そうとする。
「とどめは頂く!」
そこにカシムのメルクリウスが飛び込んだ。
『炎の竜種を束ねしガイオウガ…帝竜眼よ!再びその力を我が身に示せ…!』
キャバリアの全身が、大地を消滅させる程の超高熱溶岩と化していく。
そのまま熱く煮え滾る巨大な鎌剣を構え、ビッグフロストのどてっぱらに…突き刺した!
「う、うわあああぁあ!!!」
内側からドロドロと溶け出していくビッグフロスト!
「存分に蕩ける程に熱くなりましょうかー!」
「熱くて甘い夜を過ごそうって奴だね♥」
「そうなりたいところだがこれ融けちゃうよな畜生っ!」
言葉通りにみるみると、氷河期が解けていくかのようにビッグフロストの身体が溶けた洪水がメルクリウスに降りかかる。
じわじわと蒸発させていきながら、メルクリウスはビッグフロストの身体を貫通し、両断を決めた。
「う、うわーん!アイスエイジクイーン様ー!仇を取ってくださいー!」
倒したはずのビッグフロストは生きていた。
その身体は暫く巨大化出来なさそうなほどに小さな粒サイズになって、散り散りに飛んで行った。
「さて、と!」
白羅のモルスは強く大地をひと踏みし、啖呵を切る。
「アイスエイジクイーン、彼女もデビルキングを目指すと聞く。だが味方も力も携える、王の器である俺こそがデビルキングに相応しいとも!」
「お~っほっほっほ!その意気や良し!ですがわたくしの味方も力もまだまだ全てを見せてはなくてよ!」
巨大なアイスエイジクイーンが見下ろし気味に声を放つ。
「ならば!お前達に挑み打ち勝ち力を示し王となって見せようではないか!」
ユーベルコードを一時解除し、冷却しながら武器を構えたモルス。
次なる敵は更に巨大なアイスエイジクイーンだ!待て次回!
「(王となって、という点においては)」
キャバリアの思考システムの中でごちる声。
「(確かもう既に有力候補を全員倒し、猟兵全員王になったと聞く。……無理に決めなくてもいいのではないか?)」
そんなモルスの声は、しかしあえて表に出さず、そっと思考回路の中に閉まっておくことにした。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第2章 ボス戦
『西のラスボス『アイスエイジクイーン』解』
|
POW : 氷河期召喚術『ジュデッカ』
レベル×1体の【絶滅悪魔軍】を召喚する。[絶滅悪魔軍]は【氷】属性の戦闘能力を持ち、十分な時間があれば城や街を築く。
SPD : 氷河期魔法『アイスエイジ』
戦場全体に【悪魔も凍てつく氷河期の寒波と吹雪】を発生させる。敵にはダメージを、味方には【量産型「絶晶」の装着】による攻撃力と防御力の強化を与える。
WIZ : 合体氷河期魔法『ディノホロボシータ』
自身と仲間達の【放つ、氷属性の攻撃魔法】が合体する。[放つ、氷属性の攻撃魔法]の大きさは合体数×1倍となり、全員の合計レベルに応じた強化を得る。
イラスト:屮方
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
|
●巨大なわたくしがお相手ですわ!
ずしぃん、ずしぃん。
見下ろし気味に猟兵達を見下すは、巨大なアイスエイジクイーン。
騎乗していた氷の自動鎧『絶晶』を改造して作った動く氷像の様な存在だったが。
色々あって胸元に居た本体がこの氷像の中に入り、半ば融合。
今や文字通り巨大なアイスエイジクイーンとなった。
その体躯、現時点で256メートル。
胸元の本体が消えた今、巨大アイスエイジクイーンそのものをどうにかして倒さねば止まる事は無い。
身に纏う冷気が辺りを真っ白に染めていく。
ずしぃんと足が地に着く度、その周囲の地形は氷河期に包まれて一瞬で氷漬けになっている。
手の巨大な氷のメイスを振るえば、背景に見える山脈も一瞬で氷山と化すだろう。
ここから吹雪を放てば戦場の全てが氷河期となり、更に『絶晶』が改めてアイスエイジクイーンに装備され、その全高は更に高くなっていくだろう。
這い上がりに行く場合でも、削れた身体から現れた氷河期悪魔軍団が邪魔をする。
その上、氷河期悪魔軍団達は。
『対象の【顔】に【心身を徐々に凍らせていく『氷の仮面』】を生やし、戦闘能力を増加する。また、効果発動中は対象の[顔]を自在に操作できる。』
というユーベルコードを使って猟兵達の詠唱や視界、心身の邪魔をして阻む。
「\\\\\お~っほっほっほ!さあ決戦ですわ!/////」
巨大でやかましいアイスエイジクイーンの高笑いが魔界中に響き渡る。
「\\\\\どこからでもかかってくるがいいですわー!!!/////」
カシム・ディーン
機神搭乗
つかキャバリアに乗ってもでけーなおい
「クロムキャバリアでもあまり見ないサイズだね☆」
皆無って言いきれないあたりがあの世界も恐ろしいな
「大きいのはいい事だよご主人サマ☆」
ま、僕はおっぱいは大きい方が好みってな
【情報収集・視力・戦闘知識】
クィーンと軍団の陣形と動きを把握
肉体構造としての弱点も捕捉
【属性攻撃・弾幕・念動力・空中戦・武器受け】
火炎属性を機体に付与
UC発動
超高速で飛び回り火炎弾の弾幕で溶かし尽くす
反撃は念動障壁を展開しつつ火炎属性で吹雪のダメージ軽減
【二回攻撃・切断・盗み攻撃・盗み】
炎を纏ったまま襲い掛かり鎌剣で連続斬撃
そして可能な限り武装や金目の物を強奪だっ
槐・白羅
機神搭乗
おお!モルスよ!とてつもなく巨大な女王だ!クロムキャバリアでも見た事はないな!
しかし臆する事はないぞ!
「(メルクリウスの奴まで着やがったのか…おのれぃ)」
【戦闘知識】
女王の動きと弱点になりえる場所を分析
【属性攻撃・弾幕・空中戦】
UC発動
拘束で飛び回りながら高熱熱線を乱射して吹雪のダメージを減らしつつ女王を攻撃
仮面も必要時は発熱して溶かす
【殺気・受け流し】
直接的な攻撃は殺気を放ちつつ死の運命で受け流す
さぁモルスよ!俺達の力を示すとしよう
UC発動
飛び回りながら突撃!
【重量攻撃・貫通攻撃】
エネルギーを吸収しながら魔剣で切り刻む
吹雪や冷気は死を意味することもある
ならばモルスは後れを取らんぞ!
●
「キャバリアに乗ってもでけーなおい」
メルクリウスに搭乗しているカシムはその巨大な体躯を見上げる。
「こんなもの俺の世界に…皆無って言いきれないあたりが大概恐ろしいな」
「大きいのはいい事だよご主人サマ☆」
「ま、僕はおっぱいは大きい方が好みってな」
「とにかく先手必勝だ。『加速装置起動…メルクリウス…お前の力を見せてみろ…!』」
メルクリウスは加速装置を起動して、高速でアイスエイジクイーンに迫る。
「お~っほっほっほ!まるで羽虫の様ですわー!叩き落として差し上げますわよ!」
ぶうん。ぶうん。
アイスエイジクイーンの巨大な平手がメルクリウス迫る。迫る。
それを間一髪で躱し続ける。
「うっ」
「ご主人サマ!体勢管理はメルシーにお任せして移動に専念してね☆」
「スペースシップワールドでもこんな無茶苦茶な事……いやあったな。もっと大きなのと戦ってきたのを思い出したぞ」
平手を躱した所からその勢いで凄まじい突風が巻き起こる。
空中で幾度も回転しながらも喰らいつくようにアイスエイジクイーンの周囲で飛び回りながら、RBS万能魔術砲撃兵装『カドゥケウス』によって錬成した火炎弾を連射していく。
「溶かし尽くす」
アイスエイジクイーンの吹雪が放たれていく。
メルクリウスは念動障壁を展開し、更に障壁に炎を纏って溶かしながら動き続ける。
「ご主人サマ!解析が完了したけど信じられない!完全にこのボス人型だよ!」
メルクリウスのコクピット画面に巨大アイスエイジクイーンの情報が表示されていく。
人体構造がきちんと美しいラインで表示されており、内部には『氷河期炉心』等と言うアイスエイジクイーン本体そのもののコア。
アイスエイジクイーンが埋まりに行った胸元は狙ってくる事を読んでか更に強固になっており、衝撃では壊せそうにもない上、傷つければ即座に氷で回復する。
しかも痛覚が無いと出た。
「まあ何か踏んづけて痛がったら元も子もないしな。こうなるとやれる事と言えば口の中とかから中に入るのが良いか?」
「外装は今の武装じゃ火力が足りないから必然的にそうなるね☆」
「はっきりパワーが足りないって言ったなメルシー」
「ビーム放射系の粒子ビーム砲とかハイペリオンランチャーとかダークネスキャノンとかキャバリアビームみたいな強力なのが欲しいな☆」
「もしくは竜眼号で砲撃か……いや、叩き落とされそうな気がして怖いな。」
状況判断をしているメルクリウスに隙が生まれた。
その瞬間、アイスエイジクイーンの顔がメルクリウスの目前に迫る。
「うおっ」
「うふふふふ。小さくか弱い虫など吹き飛ばして差し上げましてよ。このように」
そっと口に手を寄せて。
メルクリウスが仏様の掌の居る様に手の上に乗せられて。
「ふぅっー」
アイスエイジクイーンの吐息が絶対零度の吹雪となって強力にメルクリウスに襲い掛かる。
メルクリウスはあっという間に巨大な真白の氷に包まれていく。
「メルシー!急いで防御だ!」
「やってるるるるうわわわ寒い寒い寒いきゃーご主人サマあっためてー☆」
「それはメルシーの仕事だろ!っぁぁ!」
冷たさで手が操縦桿から離れる。
冷気がコクピットまでしみわたってきているのだ。
防御はしている。念動障壁と火炎のサイキックで完全に全身を覆い燃やし尽くしている。
だがアイスエイジクイーンの冷気がそれを上回ってバキバキとメルクリウスの身体を氷漬けにしていく。
何よりも、凍てつく冷気もさることながら、勢いが強い!
メルクリウスは高機動ウイングを最大出力するも、いともたやすく吹き飛ばされる。
「…………っ!」
「ゴゴゴゴ主人サママママ、コレカラハアイスメルシートオ呼ビクダサササ」
ガクブル震えるメルシーの電子ホロが凍り付いた画面に表示される。
操縦が効かない。痛みをこらえて操縦桿を握り動かしてもメルクリウスが動かない。
完全に全身が氷塊と化してしまったメルクリウスが、高高度から落下し、地面にぶつかろうとしていく。
「何か……何か手はないのか!動け!動いてくれ!メルシー!」
「借りだ。帰しておくぞ。」
どこからともなく飛んできた超高熱熱光線がメルクリウスを閉じ込めている氷塊に直撃する。
荷電粒子の超高熱を受けてたちまちメルクリウスは熱を帯び、徐々に氷が解けていく。
「う、おおおおぉぉ!」
地面に激突する寸での所でウイングを広げ、浮遊、上昇。
メルクリウスは小さくなるまで溶けた氷を振り払い、再びの飛翔をした。
その隣には同じく飛翔をするもう1体のキャバリア。
槐・白羅と彼の駆るモルスだ。
「お前」
「お前と呼ぶな鎌羽の。次代の王となる身として先程の不祥事をぬぐいたかっただけだ。」
「鎌羽ってなんだよ」
「『鎌』を持ってる『羽付き』のキャバリアで鎌羽だ。覚えやすいだろう」
「いや全然」
「やっほー☆もしかして協力プレイかな?」
メルシーの通信も会話に加わる。
「ふん。モルスの機嫌がいささか悪いのでな。ここから先は好き勝手させてもらう。その方がお互い好都合だろうよ」
「まあそうだな。所であの巨体をどう思う。」
そう言ってカシムが通信越しに、突き出る胸をご立派に自慢しながら微笑む巨大アイスエイジクイーンを指す。
「ふむ。……モルスよ!おお聞こえているかモルスよ!とてつもなく巨大な女王だ!クロムキャバリアでも見た事はないな!」
「(いきなり何を言い出すかお前は!)」
「どうだ!張り合える程の代物か?今のあの体躯ではクエーサービーストやUDCの東京タワーよりも小さいが、軽くモルスの51倍以上はあるぞ!」
「(五月蠅いな!いつか言ったが我は男神ぞ!あの様な見せかけだけの巨体に後れを取ると思うな!)」
「そうだ!臆する事はない!いつも通り俺達の力を示せばそれで事足りる!モルスの方が鎌羽のそれよりも大きい事を示す為にも、行くぞ!」
「(待たぬか今何が大きいと言ったおい!)」
「何か話してるけどご難儀さんかな☆」
「(おのれぃ…!)」
メルクリウスの挑発にもピリピリと電流を流すモルスは、その身に閃光を纏って更に飛翔を開始した。
メルクリウスとモルスは再び砲撃を開始した。
「ええい、こざかしいですわよ!」
アイスエイジクイーンはステップを軽く踏み大きく後退したかと思うとぶうん、ぶうんと武器を手を振り回す。
振るう度に凄まじい吹雪と風が2機のキャバリアを襲う。
それはブルーアルカディアの龍の巣を彷彿とさせるような乱気流。
しかし風の流れを這う様に2機は潜り抜けていく。
アイスエイジクイーンの体中に、メルクリウスのライフル火炎弾が乱射される。
角質が落ちる様にアイスエイジクイーンの身体の表面が少し溶け剥がれ落ちていく。
アイスエイジクイーンの体中に、軌跡を残してモルスのプラズマライフルが放射される。
べりべりと剥がれ落ちる様にアイスエイジクイーンの巨体が削られていく。
「羽虫が2匹、纏めて落として差し上げますわ!」
アイスエイジクイーンの巨体が天に向けて手をかざす。
「氷河期魔法『アイスエイジ』!」
するとアイスエイジクイーンの周囲からこれまでよりも巨大な寒波と吹雪の竜巻が巻き上げられていくではないか。
「「うおおおおぉお!!」」
2機はそれに耐える。
直接吐息がかかるよりは冷気は…しかし、悪魔さえも凍てつかすその風は確実に機体を凍らせていく。
「メルシー!」
「データ収集更新!さっきより強いの行くよ☆」
メルクリウスは可能な限り燃え上がり抵抗する。
「モルスよ!」
「(分かっておる!)」
モルスの機体も自己発熱を起こし、吹雪を溶かしていく。
その瞬間、アイスエイジクイーンの身体が光り、2機の顔に氷の仮面が張り付いていく。
「これは……!」
「うおぉ、モルス!早く取ってくれ!」
仮面によって視界と五感が凍り消えていく。
前後不覚の状態の吹雪の中、アイスエイジクイーンが巨大な手を2機に向かって広げ伸ばしていく。
「つかまえ、ました…わっ!」
「まだだ…っ!」
メルクリウスは五感を集中させて握りつぶそうとしてくるアイスエイジクイーンの手にビーム鎌剣『ハルペー』を突き刺す。
モルスは自身に重量を急激に与えて急降下する様にそれを躱していった。
そのままメルクリウスは、指をすり抜けてウイングからの魔力推進を噴射。斬撃を付けながら滑る様にアイスエイジクイーンの腕を伝っていく。
「ヘッドバッド行くぞ!衝撃に耐えてくれメルシー!」
「パチキだね☆ぶちかますよ☆」
伝った先、アイスエイジクイーンの胸に思いっきりメルクリウスの顔面を打ち付ける。
「うっ、思ったより弾力があったぞ今!本当に氷の身体か!?」
「ご主人サマ?」
「あ、ああ。メルシーのそれよりはいささか硬いな。すまん」
その衝撃でメルクリウスの氷の仮面が砕かれる。
「いたいけな人間ですこと!わたくしの胸の代償は払って頂きますわよ!」
アイスエイジクイーンの胸からもりもりと絶滅悪魔軍団が湧いてくる。
「よかった。ちゃんと悪魔だなその辺りは」
メルクリウスはビーム鎌を全力で振るう。振るう。
「その生まれる仮面もついでにその巨大なアイスエイジクイーンの装飾も、後その王冠もいただこうか。」
絶滅悪魔軍団を次々と薙ぎ払っては、ドロップした氷の仮面を装甲の隙間から収納バインダーに回収していく。
切り刻み、飛び上がって、アイスエイジクイーンの胸元の氷の宝石を削り取ろうと飛び上が
「お~っほっほっほ!」
何とアイスエイジクイーンが更に巨大化していくではないか!
先の氷河期魔法『アイスエイジ』によって生み出された氷がアイスエイジクイーンの鎧となって装着されていき、その頭身がハイヒールの様な長い氷の鎧脚によって伸びていく。
『絶晶』が装着されたのだ。
その体躯は408メートルにまで登り上がる。
「お、前……!」
「お~っほっほっほ!これ以上巨大化しないと誰が言ったのかしら!」
「んぐぶっ!?」
更にメルクリウスは巨大化の促進に巻き込まれ、大きくなっていったアイスエイジクイーンの巨体にくっついてしまう。
キャバリアに乗っているので何も感じない筈なのに、女体にぶつかった衝撃が男の心の何かをくすぐり。
「後でビンタして気付けした方がいいかなご主人サマー!」
「あ、ああ大丈夫!大丈夫……じゃない!メルシー回避行動を!」
アイスエイジクイーンが胸元にぺちんと手を添えて、すうっと、胸をなでおろしていく。
蟻の様なサイズ差をしたキャバリアに向けて、巨大な巨大な手が、その先端の小指が。
例えるならクロムキャバリアの要塞の、巨大隔壁のシャッターが頭上から落ちてきているような。
例えるならその要塞の天井が丸ごと頭上からずり落ちてきてぺしゃんこに潰さんとしてきているような。
圧倒的な、雪崩とも思える真っ白な「手」が、今、メルクリウスをすりつぶさんと上から降りて来る。
君は蟻を手で潰した後、それを手でこすって、その死骸を滅茶苦茶にした事はあるだろうか。
メルクリウスは今、数秒後にそんな感じの残骸へと変わり果てようとしていた。
氷の女王が、ただ胸を手で撫でおろしただけなのに。
その胸に埋め込まれる様にくっつき挟まっているだけで。
その女王が見上げても顔が見れるか分からない程に巨大なだけで。
「早く、早く回避、を――」
クエーサービーストにさえ感じた事のない恐怖と絶望が、カシムの視界を黒く染め上げ
「遅れを取るな、モルスよ!」
巨大な呪詛のオーラを纏った魔剣の一撃がアイスエイジクイーンの脚に撃ち放たれた。
「あ、ら?あ、ああっ!!」
ぐらりとバランスを崩すアイスエイジクイーン。
足元には今しがたで遅れながらも何とか氷の仮面をもがき溶かし終わったモルスが剣を振るっていた。
「な」
絶晶を纏った事により凄い細くなった足がざくりと斬られ、崩れ落ちる。
それによりバランスを崩されたアイスエイジクイーンが、こける!
408メートルの巨体が、魔の世界に前のめりに倒れていく!
ずしいいぃぃぃぃん。
恐ろしく鈍く大きな音を立て、周囲は都市を幾つか壊滅させてしまう程の衝撃波を放ち。
アイスエイジクイーンは盛大に、否、巨大に、こけた。
「い、痛ぁ……くは無いですけど、ふ、不覚を取りましたわ!」
「た、助かったのか?」
その隙に、上手い事胸の谷間に入り込んだメルクリウスは、谷間によってできた空洞から何とか這い出る事に成功した。
そして高速で回り込む。こけて隙が出来ている今がチャンスだからだ。
「は、早く起き上がらないとですわ。せえ、の……ほおっ!?」
「おっと、俺とモルスの活躍だという事をお忘れなく。」
開いた口の中に。
「うるさいな。」
二機のキャバリアが突撃し。
食道から胃の中へ。
消化液も機能しない体内の中に突如これ以上は進むことを許さない巨大な氷の壁。
中にはアイスエイジクイーンの本体が眠っている。
「吹雪や冷気、それらが司る意味は『純粋』と、『死』!モルスもまた冥導神機。後れは取らんぞ!」
アイスエイジクイーンのエネルギーを奪う死の閃光が、武器を構えたモルスの魔剣から輝く。
「よくもやってくれたなこのやろー。一撃入れてやらねば気が済まん」
アイスエイジクイーンの体を引き裂かんとする炎のエネルギーが、武器を構えたメルクリウスの鎌剣から輝く。
「(~~~~っ!!)」
2機のキャバリアによる一撃が本体に響いた。
その後凄まじい冷気の上昇気流が起こり、2機は吐き出されるが、確かな手ごたえが巨大アイスエイジクイーンに響いた。
「や、やってくれましたわね……!」
飛ばされていくキャバリアを他所に立ち上がるアイスエイジクイーンは、膝をついてけほけほと咳込む。
咳による風がダウンバーストとなって辺りを吹き飛ばして凍らせていきながらも。
かなりのダメージがアイスエイジクイーンに入っていったのであった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
久留米・圓太郎
■SPD
256メートル、だぁ?
ゼルデギロスの仮面付けさせられた女神様よりかは、まだ小さいけど、さぁ……(やや呆れ)
に、しても。ようやく鎧装したか。どうやら色仕掛けに頼らずにガチに戦えるかな。
さてオレを邪魔してくると言うのなら、これだ!
「師匠、頼みます!(UC発動) オレに構わずやってやってください!」
師匠は「実体」が無いから、仮面を生やそうにもそうは行かないはず
[オーラ防御]での防御は怠らず[空中戦、高速詠唱、全力魔法、属性攻撃、範囲攻撃、2回攻撃、援護射撃、破魔、多重詠唱]で倒していただく!
(勿論オレも魔法の箒の[空中戦、騎乗]から同様の攻撃をかける)
……しかし、寒さで想像以上に口が回らん
●
「256メートル、だぁ?」
「ゼルデギロスの仮面付けさせられた女神様よりかは、まだ小さいけど、さぁ……」
呆れながらも遥か上のアイスエイジクイーンを見上げる圓太郎。
「今聞き捨てならない事を言いましたわね。あの魔王よりも小さいですって?」
アイスエイジクイーンがむっとなる。
「いやあいつ山よりも高かったんだぜ。普通の山っていやあ1200メートルだか超えるから、まあ普通に小さいぜ」
「……やってしまいましたわ!」
アイスエイジクイーンは見栄えの為にマンションダンジョンを潰す高さまでの体躯を得た。
そして先の巨大・縮小系の魔女に張り合う為にある程度のサイズまでで満足してしまった。
「いえまあ一般的なマンションの最高ギネスと言えば800メートルを超えてましたし最終的にそこまで巨大化するつもりでしたけど、わたくしもまた井の中の蛙、スケールの差で既に負けていたという事かしら……!くっ」
「なんだか落ち込んでるな。…うっ」
膝をついて落ち込むアイスエイジクイーンと、同時に目をそらして顔を赤らめる圓太郎。
胸の谷間が見える高さまで降りてきてしまったせいで、揺れる胸元が圓太郎の目の前に現れる。
「(や、やりづらい!)」
下着?みてぇなのも肌の白色と合わさってほぼつけてないみたいに見えるぜ!
いや好きでも何でもないんだけどな?あの女神様より武人じゃないっぽいしな?
でもなんだ、こいつ、女神様より若そうな感じするしプリップリで見せつけに来やがるしその辺り故意じゃなく無知だしなんだこのやろう。
「雑念!雑念は取り払うに限いだだだだだ!!」
妙な色仕掛けに自分からはまりかけた圓太郎の隣で、目の隠れた魔女が頬をつねる。
ユーベルコードによって召喚された、圓太郎の師匠だ。
「あ、ああ。悪い師匠!もう迷わないでいく。」
圓太郎は師匠と共に魔法使いの箒に乗って空に飛びあがり、巨大アイスエイジクイーンに切迫する。
「さてオレを邪魔してくると言うのなら、これだ!師しょうぐっ!?」
しかし既にアイスエイジクイーンの身体からも現れていた絶滅悪魔軍団の放つ光をもろに受けてしまい、氷の仮面が圓太郎に覆いかぶさる。
同時に低下する体温と、おぼろげになっていく意識。
たまらず箒を手放そうとする手は気合で耐えるが、早く師匠に攻撃してもらい兼仮面を溶かしてもらわねば!
「すみません狙われてます!(攻撃してください!)一旦攻撃を中止してください!(オレに構わず)迂回します!(やってやってください!)」
氷の仮面が勝手に喋り出し、指示とは違う言葉を放つ。
身振り手振りで本当の事を伝えようとするも、できない。
「この仮面は(仮面を指さし)寄生されていて無理に剥がすとヤバイみたいです!(剥がして欲しいとジェスチャーし)弱点をじっくり探してから攻撃しましょう!(口から冷気が漏れだし、口内の唾液がシャーベットみたいになる)」
(や、やばい。意識が仮面に乗っ取られていく。想像以上に……あ、ああ、寒……)
仮面によって徐々に体が侵食され、髪も凍り、頭が徐々に氷で固定されつつある。
一方の、召喚した師匠は幻影である為に、絶滅悪魔軍団は仮面を生やす事が出来ずにいた。
師匠は無言で頷いた。
すると圓太郎は突如箒を寄せられた師匠に抱き着かれ、一緒に旋回する様にアイスエイジクイーンの周りを飛び続ける。
「(こ、攻撃、攻撃してください師匠!か、身体が硬くなっていく)」
かちん、こちん。
首を伝って、衣服が、腕が、腰が、足が。
箒に跨り空を飛んだままガラス細工の様な氷となって、固まっていく。
感覚と重心移動だけで何とかなっているが、完全に意識を失ったが最後、魔界の名も知れぬ場所に激突して、氷の塊となって岩の様に転がり込む末路を辿るだろう。
「は、はひゅ……ひ……ぃ……」
ブルブルと冷たさに身を寄せようにも、身が凍り固まっていて震える事さえ許さない。
その様子を見たアイスエイジクイーンが、駄目押しを図ろうと腕をかざす。
「お~っほっほっほ!小さな勇気は勇者の如く忌々しくも認めて差し上げますわ!ですが氷河期を舐めました事ですわね!わたくしの吹雪で凍り尽くすがいいですわー!」
巨大なアイスエイジクイーンから極大の吹雪が放たれる。
「(う、うおおぉぉ!師匠!師匠『Please Help Me
!!』)」
辺り一面を覆い尽くす程の凍てつくアイスエイジの吹雪が、あっさりと圓太郎を呑み込もうとする。
師匠が魔法陣を展開し、手を天に掲げる。
すると立ちどころに圓太郎の周囲から炎の竜巻が天に昇る様に吹き放たれた。
「あ……っつ……ぅ!熱っ!熱い!熱いです師匠! 何ですか!?このまま掴まってですか!?」
炎の竜巻が氷河期魔法の吹雪をバリアの様に防いでいく。
更に師匠は圓太郎を抱きながら、竜巻の上へ上へ、上昇気流に乗る様に飛び上がっていく。
それはたちまち絶滅悪魔軍団もアイスエイジクイーンをも抜いて、天高くへ。
「あら。これからが本番といった所ですのに!」
アイスエイジクイーンは氷鎧『絶晶』を纏い、更に408メートルくらいまで大きくなっていく。
「ん……え?空の上……?あっアイスエイジクイーンがはるか下にいる。ここから反撃ですね師匠」
氷の仮面が溶け、燃え上がる程に体が温められて全快した圓太郎が、魔法を展開しようと空中で向きを変えながら準備を進める。
「400メートルと言う体躯では足りない事はわかりましたわ。では……氷河期魔法でもっともっと大きくなっていきますわよ!」
ぐぐぐと冷気がアイスエイジクイーンに集まっていき、めきめきとその身体が更に大きくなっていく。
「どれだけ大きくなっても絶晶とかいうのに鎧装したなら、もう色仕掛けに頼らずガチに戦えるかな。」
圓太郎は絶晶を纏ったアイスエイジクイーンに安堵しようとした。
「……いや鎧だろお前そんな装備の仕方するんじゃないよふざけんなようわああ!」
再び圓太郎は師匠に頬をつねられた。
アイスエイジクイーンの絶晶とかいう巨大氷鎧はな、本体の腰から下までを氷鎧の首元辺りに埋めるっていう装備の仕方なんだ。
だから股から上の上半身は変わらず装備してないのと一緒でな?
美しい氷髪を揺らすアイスエイジクイーンの顔も、割とあるたゆんな胸も、見下ろしながら降下している今の圓太郎にはくっきりはっきりと見えてしまうわけなんだな。
「お~っほっほっほ!絶晶!やっておしまいなさい!」
850メートルに差し掛からんとする巨大なアイスエイジクイーンより10倍ものデカさを持つ絶晶の巨椀が天に居る圓太郎達に伸ばされる。
ごう、と吹雪を放ちながら、握りつぶそうと迫ってくる。
「さ、させるかよーっ!」
こっちも準備万端だと、圓太郎と師匠は炎の魔法のオーラを纏い、一気に急降下する!
その周りには幾つもの巨大な火球が展開され、アイスエイジクイーンに向かって落ちていく。
さながらメテオフォールの様だ。
落下して、撃たれ、放たれる巨大火球の雨。
それはミサイルの弾幕の様に迫る巨椀にも直撃していく。
しかし絶晶の氷の巨椀はものともせず迫っていく。
「女神様は早くて強いけどこっちは遅いが……!パぅ、パワータイプ、め。」
少し呂律が回らなくなってきた。
握りつぶさんとする巨椀の手と同等の高さまで落ちる。
爆発してボロボロになりつつも吹雪は止まず、それどころか圧縮して強力に圓太郎を潰さんと迫り続ける。
炎のオーラ防御を貫通して再びの寒さに包まれ始め、落下速度も減少。
「(や、やばい!このままじゃ潰され)」
その時、師匠が圓太郎の背中に手を添え。
「え、何ですか師匠。『決めてきなさい』って……うわあ!」
師匠の炎の魔力を注入されて更に巨大な火の玉となった圓太郎は、ぶん投げられる様に射出。
同時に吹雪と共に握りつぶされていく師匠の幻影。
だが圓太郎は猛加速した事により絶晶の手からはすり抜けた。
そのままアイスエイジクイーンの顔へ……。
「熱かったり寒かったりもう無茶苦茶だ!速攻に倒していただく!アイスエイジ!クイーン!」
「ではわたくしの腕からも」
アイスエイジクイーンの巨椀で無い方の手が圓太郎を包もうとする!
だが脇から落ちてきた隕石の様なファイアーボールに打たれて怯んだ手の隙間を圓太郎は縫っていく。
「\\\\\ふうっー/////」
巨大なアイスエイジクイーンの吐息が圓太郎に直撃する。
恐るべき風と氷の吐息が、炎を吹き消し凍らせようとする。
「俺の師匠を舐めないで、くださいよ!」
圓太郎はそこから魔力を再点火。
吐息を押し込み、切り抜けて、自身を更なる巨大な炎の玉として、勢いよく、アイスエイジクイーンの顔に、ぶつかっていく!
「うぐ!っ や、りましたわね!」
アイスエイジクイーンは巨大火弾の直撃を受けて、倒れる程に大きくのけぞった。
成功
🔵🔵🔴
四王天・燦
普段のクイーンの方が可愛くて好きだなーと誘惑で心を揺さぶるぜ
フォックステイル号の砲弾を弾かれたりでマンションを破壊するのは社交辞令です
埒があかないんで飛空艇から飛び降りてクイーンに貼り付き、登りながらカウントダウンを仕掛けるぜ
悪魔軍団は神鳴の峰打ちで落としたり、稲荷符からの氷属性攻撃で再び氷漬けにしていなす
仮面(希望はクイーンの頭飾り型)は炎属性攻撃の符で何度も溶かしながら中枢と思しき胸部を目指す、ついでに暖も取る
胸部に達するか、寒さに負ける前に真威解放で爆破してやる
妙な友情を感じて火薬を減らすのはご愛敬
仮面に抗えず思考まで凍ればなすがまま氷漬けの芸術に
体が凍って、自身と氷の境界が分からない…
●
「普段のクイーンの方が可愛くて好きだなー」
そう燦は言い放った。
「お~っほっほっほ!その様におっしゃるのでしたら通常のわたくしとの戦いに身を投じればいいですのに。この戦いは魔王ゼルデギロスとかいう御方の再現戦でしてよ!」
山よりも(山を越えてない事が分かったけど)巨大に。
そして洗脳の仮面を扱うアイスエイジクイーンが今宵の相手である。
「ま、巨大で来るならこっちも相応の戦い方ってね。」
燦は変わらず飛空艇フォックステイル号に乗り込み、飛翔。
今や560メートルまで巨大化したアイスエイジクイ
「待って待って何かデカさ倍になってません?」
「氷河期魔法を駆使し続けて更新いたしましてよ!もう3倍は巨大化したい所ですわね!」
「えーっ、マジで?」
「山よりも巨大がコンセプトでしてよ!」
「いきましてよ!」
アイスエイジクイーンが手に氷山を生み出すと、ぶうん、ぶうん、燦に向けてぶん投げる。
「うおっ」
隕石の如く巨大な氷山を燦はフォックステイル号を駆使して間一髪躱し。
その隙を縫って砲撃をお見舞いする。
「「「ぐわあああー-っ
!!?」」」
それはアイスエイジクイーンの隣のマンションダンジョンにぶち当たった。
「おっと、流れ弾。マンションを破壊するのは社交辞令です」
燦はしれっと言い流す。
「あら、そうですわね当たってしまいますわねこの悪魔達の住むマンションダンジョンに。」
ずごん。と。
アイスエイジクイーンはマンションダンジョンをおもむろに掴み、……引き抜き。
「「「うわあああああー--っ
!!??」」」
「な、何がどうなってるっスー!?」
「く、空中に浮いてる!?持ち上がってるー!?」
「うるさいですわ」
キュッと力を込めてため息の如き冷気を吹き出すと。
マンションダンジョンは一瞬にして丸ごと氷漬けになった。
「おい、それをどうするつもり」
巨大なマンションダンジョンを片手で掴み上げ、バットの様に後ろ手で背中に回しつつ、構える。
「どうするつもりって……武器ですわよ?」
「冗談もほどほどにしない?」
「この世界をどこだと思っていますの。」
そっか。冗談の通じない世界か。
燦は冷や汗をかきながら次なる攻撃を覚悟した。
「いきましてよ!」
ぶうん、ぶうん。
氷漬けのマンションダンジョンをものすごい勢いで振り回すアイスエイジクイーン。
「うおおおおお!」
フォックステイル号のブーストを最大出力にして、躱し、突き抜け、余波の風に大きく船体を揺らし。
何が恐ろしいって今のアイスエイジクイーンは500メートルを超えるので、250メートルくらいのマンションダンジョンはまだ彼女からしたら小ぶりの武器にしかならないという事だ。
スケール。
「ブースト、慣性!後何か取り次げるものは無いか!?」
燦は急いで所持物を確認する。フォックステイル号がホームランされるのは時間の問題であ
「捕らえましたわ!」
横殴りに巨大高層マンションと言う名の氷塊が飛空艇に激突した。
フォックステイル号は一瞬で魔界の遥か彼方の空へと飛んで行ったのだった。
「勝ちましたわ。ホームランですわ!完ですわ!」
「ここで終わりになったら、誰が第六猟兵を続けるんだって話だよ!」
間一髪飛空艇から飛び出したキャバリアがあった。
慣性に乗って飛ぶ、巨大な紫水晶キャバリア『雷晶』。
アイスエイジクイーンの腹へと近づかんとしていた。
「あらまだ小人が飛び回っていますのね!」
再びマンションダンジョンを掴み上げ、振り下ろす。早い!
「まだだっ!」
叩き落とされる雷晶から間一髪で脱出する燦!
あと少しの所まで飛びあがった燦は、デストラップ用のワイヤーを放ち、刺し、回収。
ワイヤーに引っ張られる形でついに巨大アイスエイジクイーンに取りついた。
「いくぜーっ!」
燦はアイスエイジクイーンの身体の上を、張り付く様に走りながら、時限爆弾をセットしていく。
途中で絶滅悪魔軍団がグググと氷の肌から盛り上がり現れる。
「埒が明かないぜ」
燦は妖刀『神鳴』による、雷を帯びた剣閃のみねうちで次々と悪魔軍団を落としていく。
途中、自身の顔に氷の仮面がキラキラと作り上げようとしてくるが。
「くっ!」
それを逐一炎の稲荷符で溶かしながら進んでいく。
「よーし、ここがアイスエイジクイーンの胸の中か!いいねえ」
巨大アイスエイジクイーンの胸にまで爆弾を設置した燦。
「くっ、これは!」
慌てるアイスエイジクイーン。しかしもう遅い。
『秒読み開始――さん、に、いち……ゼロ!』
スイッチを押し、アイスエイジクイーンの体中に仕掛けた時限爆弾[カウントダウン]が巨大化する。
『ニトロ増し増しで連鎖爆発だ!』
爆発!爆発!爆発!
ビルの解体工事の様に爆弾が爆発していく。
当然胸元もだ。
「やってくれましたわね……!」
アイスエイジクイーンの身体は爆発によってボロボロと崩れ落ち、その傷を隠すように手で押さえる。
「妙な友情を感じて火薬を減らしておいたぜ」
だが肝心の胸には……傷一つついていない。
「なにっ」
「お~っほっほっほ!最初にわたくしがいた胸が弱点と決めつける悪魔は当然居るでしょう!削りに行く方が居るのは必然。なのでこんな事もあろうかとそこだけは特別厚いのですわー!」
「た、対策済みだった……のか……」
やるだけの事をやったせいで燦は油断してしまう。
ふと死角から現れた絶滅悪魔軍団の光を受け、その顔に氷の仮面が張り付いてしまう。
「しまっ……」
「お~っほっほっほ!特別にわたくしの顔にしてあげましたわ!喜びなさい!」
麗しきツインテまで再現されたお面じみた……アイスエイジクイーンの顔の仮面をどうにかして剥がそうともがく燦。
だが瞬く間に氷はピキピキと燦の身体を凍らせていき、更に思考をも凍らせていく。
(体が凍って、自身と氷の境界が分からない…)
最後に何かを求めようと、手を伸ばした所で、仮面を通して身体もあっという間に凍り付いてしまい。
なすがままに、燦はアイスエイジクイーン顔の氷像と化したのだった。
魔界の何処かの街にて。
ずしぃん、ずしぃん、と。
高層ビルよりもはるかに高いアイスエイジクイーンがやってきた。
「ひええぇぇ!?」
「な、なんだあぁありゃあぁ!?」
逃げ惑う悪魔も、立ち向かって踏みつぶされる悪魔も、彼女が纏う吹雪に最後にはたちまち凍てついてしまう。
ここはアイスエイジクイーンの占領していた町の一つだ。
「この辺りでいいですわね。」
街の中央の噴水に、胸元に挟んだ何かをつまみ上げて、置く。
それはビキンと設置された所から凍結を起こして張り付き、固定される。
街の噴水の前で、目立つように飾られた氷の芸術。
燦の氷像が立ち尽くしたのだった。
「わたくしの観光名所の一つとなった事を光栄に思うがいいですわ!お~っほっほっほ!」
ずしぃん、ずしぃん、アイスエイジクイーンが去っていく。
崩壊した都市みたいに氷漬けになった悪魔の街の中。水さえも凍り付いた噴水の前で。
その身を氷と化した燦は、巻き起こる氷河期の吹雪に晒され続けていたのだった。
成功
🔵🔵🔴
ミーガン・クイン
壊れた街並みを見ると、巨大化はやっぱりいいわね。
あれだけ圧倒できるものねぇ、大きさは力だわぁ。
それが敵でなければね。
もっと巨大化して応戦したいところだけど、あいつに暴れさせても癪だしね。
今度は思いっきり縮めてやるわ。
的は大きいから当てられそうだけど、縮小魔法を確実に全部命中させるには近づかなきゃダメね。
吹雪は【寒冷適応】【環境耐性】で耐えるわ。
心もとないけど。
縮小魔法を【視力】【第六感】で狙いを付けるわ。
氷の仮面に邪魔をされても関係なし。
身体は凍えるけど、少なくとも心は燃え盛ってるわ。
あなたに大きさで負けたくないから。
更に巨大化していなければ、元の大きさよりも小さくできるし戦況を変えられるわ。
当たりなさい…!
佐東・ころも
※アド、絡み◎
「ふふふ、足元がお留守なのだわ…!」
上の方でド派手に戦い合う猟兵仲間たちを尻目に、お砂糖魔女は地道な裏工作!巨大なアイスクイーンの足や、その足元などに粉砂糖をばら撒き、UCでお団子生地に変える事で柔らかくしようと企む!
「こんなのと正面から戦ってられないのだわ!派手にずっこけて砕け散るが良いのだわ!!」
ちまちま嫌がらせを続けるころも!やってる事が姑息な割に自慢げな彼女だが、もし本当にコケさせてしまったり他の猟兵の攻撃に巻き込まれて潰されてしまえばぺちゃんこ魔女っ娘アイスキャンディーの出来上がりである…
そんな危険性にも気づかずお砂糖魔女はせっせと粉砂糖を振りかけるのであった…
テフラ・カルデラ
【兎と狐】
※アドリブ可
あうぅ…何度も舐めまわされてしまいました…(照
と…次はクイーンが相手…おや?こん子さん何か案が…?ふむふむ…氷の妖精さんを大きくするのですか!?
それは面白そうなのです!ということで【全てを凍てつかせる小さな妖精】を召喚し、こん子さんのUCで大きくして背中に乗っていざ出撃なのですっ!
他の妖精さんは囮にしてもらって、攻撃も軽々と避けつつ、さらにこん子さんの案で【石化ポーション】を投げます
すると…ひゃわわ!?大きくなりました…これなら石化範囲も広がりますね!
と、よそ見していたら悪魔軍団の放つ氷の仮面が顔に―――!?
(必死に引きはがそうとするが、降りた時には氷像に…)
稲荷・こん子
※アド、絡み◎
【兎と狐】
・行動
元の姿に戻っているこん子(お肌艶々)
【秘技】で妖精さん達を巨大化し、乗る&テフラさん以外の猟兵さんも巨大化させるかも?
「妖精さん達、頑張ろうなのです!」
【秘技】でテフラさんアイテムを巨大化
「ゴーゴー、テフラさん♪」
応援しながらもちゃんと攻撃はしてる
テフラさんの氷像を観て、怒って覚醒し真の姿へなり、妖精さんから飛び降りながら、【秘技】で状態変化と機関銃を巨大化し構え
「うふふ…蜂の巣にするわね?」
それでも怒りが収まらず【秘技】で相手を縮小する暴挙に…
「何処まで小さくなるかしら…?」
怒りが収まったら、元のこん子に戻り
「むきゅ?…何か酷いことをしたような…?」
●
「…………」
魔界の街。暴れて倒壊したその中で。
ミーガン・クインは自身の身体に付いた雪をどさどさと降ろしていく。
落ちた雪が雪崩の様になって周囲の建物や悪魔を潰していく。
そして、自身が倒れていた、崩壊した街を、見回す。
あちこちと潰されていった跡が点在する。
「ふふ。壊れた街並みを見ると、巨大化はやっぱりいいわね。」
どしん、どしん。
巨大化状態はまだ保ったまま。
ミーガンは潰れた街並みを歩き、敵の方へと。
「あれだけ圧倒できるものねぇ、大きさは力だわぁ。それが敵でなければね。」
「いたた、酷い目にあった……ぞおぐぁ!?」
下敷きになった程度では死なない一般悪魔達が、起き上がった直後にまた踏みつけにされていた。
約189メートル程の巨人の足に。
「もっと巨大化して応戦したいところだけど、あいつに暴れさせても癪だしね。今度は思いっきり縮めてやるわ。」
「お~っほっほっほ!来ると思っていましたわ。むしろ来てくれなければ張り合いがない所でしたわ!再戦、始めますこと?」
巨大なアイスエイジクイーンに迫るミーガン。
今のアイスエイジクイーンの体躯は747メートルである。
「……更に大きくなってるみたいね」
「お~っほっほっほ!ゼルデギロスの山よりも巨大さを舐めていましたわ!彼女はもっともっと大きかったそうですわね!」
アイスエイジクイーンがまくしたてる。
啖呵を切る様に踏み出した一歩が、どずん!と轟音を鳴らして地を揺らす。
「ですがゼルデギロスの御方との違いは、わたくしは氷河期魔法によって無限に大きくなれるという事ですわ!今から更に巨大化して、真に巨大なラスボスが誰かを思い知らせてあげるのですわー!」
「させないわ。あなたは小さくなるのがお似合いよ。」
ミーガンもまた、高層ビルに近き大きさの巨人が如き体躯。
目下の地面に町や家屋などがあろうともゴミの様に踏みつぶしながらアイスエイジクイーンに切迫する。
「お~っほっほっほ!懲りずに正面突破とはいい度胸ですこと!やっておしまいなさい絶滅悪魔軍団達!」
アイスエイジクイーンの体から湧いて出て来る仮面の悪魔の少女達が、一斉に手と眼光を向けると、ミーガンの顔に再び氷の仮面が被せられていく。
しかし、これで操作できるのは顔だけだ。氷の仮面を課せられて尚ミーガンは進み征き、アイスエイジクイーンの足に組み付いた。
「身体は凍えるけど、少なくとも心は燃え盛ってるわ。あなたに大きさで負けたくないから。」
『矮小で惨めな存在になりなさい♪縮小魔法・人権剥奪(ミニマムスペル・ディプライブ)!』
視界を塞がれても確実に当たる足元でミーガンは縮小魔法を放つ。
アイスエイジクイーンの体高が6分の1に縮小される。
「更に縮めるわよ♪」
更にアイスエイジクイーンの体高が6分の1に。
「おまけにもっと縮めるわよ♪」
更に更にアイスエイジクイーンの体高が6分の1に……。
3.4メートル程の大きさとなったアイスエイジクイーン。
彼女を仮に人と捉えた場合、それでも尚、通常よりも高く大きい。が、189メートルのミーガンよりは遥かに小さくなった。
「さぁて、ここからどうやって痛めつけて」
「……おほほほほほ……!いきますわよ!」
突如アイスエイジクイーンの体が光ると、ものすごい勢いで巨大化を再開した!
「っ!」
そう、アイスエイジクイーンの今の身体は氷河期魔法の氷の身体。冷気を込めればいくらでもサイズアップができるのだ。
「やってごらんなさい!わたくしのアイスエイジ巨大化と貴方の縮小魔法、どっちのスピードが速いかしら……!」
「ええ、ええ。やってあげるわよ。何度でも何度でも小さく縮めてあげるわぁ!」
みるみる内に100メートルを超えてぐんぐんと巨大化していくアイスエイジクイーン。
その成長を押さえつける様にアイスエイジクイーンの頭に手をかざして6分の1にする縮小化魔法を放ち続けるミーガン。
白い冷気の嵐が戦場に巻き起こる。
アイスエイジクイーンが巨大化するという事は氷河期魔法を駆使するという事。
使う度に周囲が凍てつき冷えていくことは必然であったのだ。
辺りの山々や、破壊された残骸、そしてミーガンが、次第に白く凍り付いていく。
「スピードが落ちてきましたわね。」
「まだ、まだ……!」
徐々に徐々に、アイスエイジクイーンの巨大化が勝っていき、256メートルに戻っていく。
このままでは……!
「今なのです!ゴーゴー、テフラさん♪」
突如横から飛んできた巨大な氷の妖精の拳がアイスエイジクイーンの顎を捉え、殴り抜いた。
「な……っ!?」
その氷の妖精のサイズは……何という事か。256メートル程の巨体となっている!
巨大妖精の肩には2人の猟兵が乗っている。テフラ・カルデラと、稲荷・こん子だ!
『秘技・改造の術で色々、弄っちゃうのです♪』
こん子の手にはサイバー的な画面が表示されている。
その画面にはキャラメイク設定用のバーが色々と点在しており、今は、そう。容姿……テフラが召喚した氷妖精の体躯と言う名の容姿を右に向かって極振り。
これにより体を超サイズアップさせて巨大化妖精に変貌させているのであった。
少し前。
「あうぅ…何度も舐めまわされてしまいました…」
テフラが照れながらもなんとかこん子の口から吐き出してもらえた。
タオルで全身を拭く彼の隣で、つやつやてかてかのお肌をして嬉しそうなこん子がいた。
サイズは元の140.6cmに戻っている。
「と…次はクイーンが相手ですか…さっきよりどんどんデカくなってますね。どう戦いましょう。わたしの『全てを凍てつかせる小さな妖精(アイシング・フリーズ・フェアリー)』の冷気とか届くのでしょうか…?」
「いい案があるのです!私の『【秘技】』でテフラさんが出した妖精さんを巨大化し、それに乗って戦わせるのです!」
「それって……他人を巨大化できるUCが!?」
「あるのです♪この『秘技・改造の術(ヒギ・カイゾウノジュツ)』を使えば」
こん子の手から電子画像が出現すると、同時にテフラが召喚した氷の妖精を登録し、そのステータスを弄り出した。
シューンと、飛び出る様な早さで氷の妖精が大きくなっていく。
「氷の妖精さんを大きくするのですか!?面白そうなのです!」
「気に入って頂けると思ったのです♪妖精さん達、頑張ろうなのです!」
得てして、ミーガン達が巨大化縮小合戦をしている後ろで巨大妖精は完成した。
「いざ出撃なのですっ!」
「妖精さん達、頑張ろうなのです!」
二人は妖精の肩に乗って、ずしん、ずしん。
足元の電柱や電線、街並みを潰し凍らせながら迫り進んでいく。
「まさか私の様な趣向の猟兵が他にもやって来るなんてねぇ。」
ミーガンが隣でむっとなりながらも感心する。
「こんこん。こん子は変化の妖狐なのです。なんでもチャレンジできる子なのです♪」
「巨大化、縮小、サイズフェチも許容内なのですです♪よければあなたもどうですか。」
「うーん……お言葉に甘えたいけれど、自分の力でないもので巨大化するのは今回は遠慮し」
「もっと巨大化して蹂躙するところ見て見たいなーなのです♪」
こん子がその手のステータスシートにミーガンを映すと、サイズの項を弄り出す。
ミーガンがどんどんと巨大化を開始した。
「あぁ、もう。……責任は取らなくちゃいけないわねぇ。」
256メートルもの妖精の巨体をミーガンは超えだし、現在のアイスエイジクイーンの体躯をも超え始めた。
「調子に乗っているのではありません事よ!」
「乗っているのは貴女の方でしょう?どっちが小さな存在か、分からせてあげるわぁ」
サイズの安定しないアイスエイジクイーンとミーガンが取っ組み合う。
目前に雲がかかる様な巨体へと変貌していく2人の巨人が、じり、じり、と、足を擦らせて押し付け合う。
「な、なんだ!?」「どこの悪魔が……でっか。あ、駄目だ!こっち来るやめろ潰さないでくれうわぎゃああああぁあ!!」
擦った足はそれだけで大地震を起こしながら、不幸にも平地に立ててしまった魔界や家屋を、山一つ押しつぶすサイズのブルドーザーの様に押し壊す。
「ふっ!」
ミーガンがアイスエイジクイーンを叩き、肩から地に落とす。
「と、塔がくずれ……じゃない!こっちに飛んでくる!え!?うわぎゃ!」
肩が地に着いた際の風圧で耐風でない風車や塔が根元から折れる様に壊れて飛び、アイスエイジクイーンの体が宙に浮いたそれらごと無慈悲に押しつぶした。
「やりましたわね!この!」
「うっ!」
アイスエイジクイーンが足払いをしてうつ伏せにミーガンを転ばし落とす。
「ん、何?地震?地上で何が……あっあああぁ!!?」
メリメリメリ……と地面に沈み込むミーガンの全身が地下世界さえも貫通し、空洞地下世界の住人を地盤ごと自身の肌で押しつぶしていく。
「追い打ちですわよ!うぐっ!?」
更にストンピングしようとしたアイスエイジクイーンの足を、身体を、更に巨大化した氷妖精が掴み上げると、ぶうんとぶん投げた。
「なんだ!?空から……えっ、なんだ!?飛行船……か……たっ退避ー!」
「あああぁあああぁああ!!!」
魔界の海に出ていた海賊船が、近くに居た海の悪魔達が、飛んできた巨大アイスエイジクイーンに押しつぶされる。
その余波はすさまじい大津波を起こして近海を呑み込んでいく。宇宙から見れば、ただの子供が海にざぱーんと飛び込んだだけの様に見えるが、一つの海を丸ごと潰す大所業である。
「こん子さん!こっちも頼みます!」
テフラが石化ポーションをこん子に手渡すと。
こん子はユーベルコードを駆使してみるみるうちに巨大化させて。
それを巨大妖精が手にしてアイスエイジクイーンにぶっかけていく。
「くっ、なんですの、泥ですの!?」
石化ポーションはアイスエイジクイーンにびしゃびしゃとかかるも、全身石化にはまだ量が足りない。
しかし体の表面に居る絶滅悪魔軍団の少女達は耐え切れず、その大瀑布の様な石化ポーションの滝に、どどどど……とかかると、無機質な石に変貌されていった。
見た目は乾いた泥があちこちに付いた年頃の女の子である。
舞台は再び魔界の大地。
幾度かと魔界を破壊して回る巨人達の戦闘時間が経過する。
「そろそろ勝負の決めどころかしらぁ」
アイスエイジクイーンの体は氷河期魔法も弱まり、こん子とミーガンの巨大化が上回っていこうとしている。
このままいけばアイスエイジクイーンは矮小な小粒となって潰される。ミーガン達の勝利だ!
「まだまだ……勝負はこれからですわ!」
するとアイスエイジクイーンの石化していない体から一斉に光りが湧き立った。
『合体氷河期魔法『ディノホロボシータ』!』
これまでにない程のスピードでアイスエイジクイーンが巨大化していく!
「こ、これは!?」
「なっ……!」
アイスエイジクイーンは内包する絶滅悪魔軍団と共に、自身に氷を付与して巨大化していく氷河期魔法を一斉に行使する事で、凄まじい巨大化を達成することができるのだ!
「癪だけど手伝って頂けるかしらぁ!」
「お任せあれなのです♪」
再び猟兵達はアイスエイジクイーンに迫り、協力していく。
ミーガンの縮小魔法と、こん子のキャラメイク妖術による超縮小バーが、アイスエイジクイーンの恐ろしいスピードでの巨大化を妨げていく。
キャラメイクバーの容姿欄が勝手に猛烈に右に振り切っていこうとするのを全力で左にスライドさせて阻止していく。
だ……だが!それをも上回るスピードで徐々に徐々に大きくなっていくではないか!
更に魔法を行使しながらも絶滅悪魔軍団が体から出てきてテフラ達の邪魔をする!
どうすれば彼女を止める事が出来るのだろうか……!
ここでアイスエイジクイーンの足元に注目していただきたい。
ふわふわとしたお砂糖の様な体をした可愛らしい金髪の魔女の女の子が埋め込まれているのが見えるだろうか。
彼女の名は佐東・ころも(ハロウィン大好きお砂糖魔女っ娘・f36006)。砂糖菓子人形の妖怪である。
少し前の事である。
「こんなのと正面から戦ってられないのだわ!私は地面をずぶずぶにして足元を掬ってやるのだわ!」
転送されて早々えげつない巨大化バトルの渦中に晒された彼女は、戦う事を放棄。
自身の用意した巨大なお砂糖袋をどざーとアイスエイジクイーンの足元にぶちまけ、ユーベルコードを発動した。
『シュガー・トリック』のユーベルコードは、粉砂糖を介してあらゆるものをお菓子の生地に変化させる事が出来るのだ。
「ふふふ、足元がお留守なのだわ…!」
アイスエイジクイーンの足元はお菓子沼へと変貌していく。ここにずぶりと足を入れたが最後。
……だが、大丈夫だろうか。
今やアイスエイジクイーン達は巨大化し合って1400メートルを超えている。
こんな彼女らの足を掬うお菓子沼を生成しきることができるのだろうか?
「やってやるのだわ!上の方でド派手に戦い合うなんて性に合ってないのだわ!お砂糖魔女は地道な裏工作!ちまちま嫌がらせを続けるのだ……わ?」
突然空がピカッと光り出した。
と思った次の瞬間暗くなる。
「 」
言葉を発することもできず、急に更に巨大化したアイスエイジクイーンの足に、ころもはつぶされた。
「(な、なんなのだわー!?)」
しかしころもは潰れるだけでは済まない!
自身が今やっていた柔らかくするお砂糖のユーベルコードと、実は絶妙に柔らかい融解氷で出来ているアイスエイジクイーンの肌がミックスされた結果、ころもは巨大アイスエイジクイーンの氷の足の中に埋め込まれた!
今やころもは足の姿をしたアイスキャンデーも同然だ!
『合体氷河期魔法『ディノホロボシータ』!』
何か声が聞こえる。そうころもは思った。
粉砂糖が混入されたアイスエイジクイーンの足はとても美味しそうで、巨大化していく中で一際柔らかく、脆くなっていった。
「お~っほっほっほ……!やりましたわ、遂にわたくし山をも越えてやりましたわ。」
アイスエイジクイーン、今の姿は9000メートルを超えている。
遥か向こうの山ともおもしきその姿に、必死で小さくするのも一瞬忘れて見上げてしまう3人の猟兵。
「さあ、派手に凍てついて砕け散るが良いですわ!!」
彼女が少しでも動くという事。それは山が天変地異を起こしながらあらゆるものを吹き飛ばすのと同義。
眼下に居るミーガン達を、ただのひと踏みで潰さんと一歩進もうと、する。
ごがん!と、恐ろしい轟音が響いた。
「え」
ころものいる、氷の巨大な柱の様に固まった片足が突如脆くなってへし折れる。
片足を失ったアイスエイジクイーンが、バランスを取る事もできずゆっくりと、前のめりに。
「え、え、あ、きゃー!?」
「た、退避、退避ですー!」
「くっ……隙間を見つけながらこらえるわよ」
世界が爆発するような轟音を起こして、アイスエイジクイーンは、9000メートルを超える巨大なアイスエイジクイーンは、こけた!
「さ、再生を……なっ、なんで。出来ないですの!?片足が砂糖まみれになって溶け続けてる!?あ、あり得るの!?」
ころものユーベルコードが足の根元まで達してしまい、巨大なアイスエイジクイーンの体は五体満足を保ち続ける事が出来ない!
「つまり……」
「形勢逆転ってことでいいのよねぇ?」
「なのです♪」
ミーガン達が縮小魔法をこれでもかと掲げて、顔に近づく。
「ま、待ちなさい貴方達ちょっとした不備です、わーっ!」
6分の1にする魔法が何度も連打され、スクロールバーの様に縮小される狐の秘儀がアイスエイジクイーンをみるみる小さくしていく。
それは1メートル辺りまで小さくしていった後、アイスエイジクイーンの体がぎちぎちと音を立て、ばりんと氷の様に崩れ落ちた。
ガワとして作り上げた、巨大アイスエイジクイーンの材料である『絶晶』が、縮小に耐えかねて破壊された音である。
「やぁっとね。手こずらせてくれたわねぇ。……今の気分は如何かしらぁ♪」
ミーガンにつままれる、豆粒サイズのアイスエイジクイーン。
「く、屈辱ですわこんなの何かの間違いですわ。」
「ここまで小さくなったのです?じゃあとりあえず」
「きゃー!?」
ミーガンの胸に挟まれてぎゅうぎゅうとされるアイスエイジクイーン。
その身体はミシミシとえぐい音を鳴らしてもがき続ける。
「さっきの四天王さんの蜂蜜がまだあったのです♪蜂蜜漬けにするのです♪」
「お、おやめなさいませそんなことしてもわたくしは美味しくありませんわふみゃっ!」
蜂蜜入りの瓶に虫の如く入れられるアイスエイジクイーン。
程良く冷え固まりながらも、ベトベトの世界にわぷわぷともがいている。
「お、おのれですわー!こんな負け方認めませんわー!」
「あらあら。矮小で惨めな蟻ん子が何か言ってるわねぇ♡」
「蜂蜜漬けの蟻んこさん、美味しいかもしれないです!ちょっと味見するです♪」
ねっとり水あめの様に付け込まれたアイスエイジクイーンをほじくり出したこん子が目の前で巨大な目を(アイスエイジクイーン視点)輝かせる。
「テフラさんはいかがですか、折角だから食べちゃいま――」
「……!!……!!」
テフラは縮小時に辛うじて脱出していた、1体の残存絶滅悪魔軍団の力によって、氷の仮面を顔に貼りつけられていた。
「あっ、ああ!まだ残っていたのですわね絶滅悪魔軍団!やっておしまいなさい!」
「……!!………!!!」
テフラは顔を操作されてユーベルコードらしきものを詠唱。
後ろにまだ待機させていた巨大な氷妖精をこん子達にけしかけさせた。
絶滅悪魔軍団の氷の仮面による洗脳操作だ。
それと同時にテフラの身体は、顔を中心にピキピキと凍りだし。
瞬く間に美しい氷像となり果ててしまった。
もがく様を彫刻として刻んだ、顔に氷の仮面をつけられた兎獣人キマイラの氷像がここに。
「――」
「あらまぁ。折角だから氷妖精の対処は私がやるわね……ぇ?」
ミーガンが見やると、こん子はぞっとするような笑みを浮かべて、巨大な胸のある巨大な多尾の大人の妖狐に変貌していた。
そして同時に生み出し、放っていた巨大な機関銃で氷の妖精を撃ち抜いて小さくし吹き飛ばし、同時に絶滅悪魔軍団の残存者も撃ち抜いて破壊し吹き飛ばした。
「うふふ……目を離した隙におイタするなんていけない方達。」
あらあらとミーガンが微笑み。そして大人の妖狐の様になったこん子が微笑み。
一斉につまんでいるアイスエイジクイーンに向き直った。
「酷い事、いたしましょうねぇ。」
アイスエイジクイーンは戦慄する。
恐怖を抱く間もなく、伸ばされる腕。
更に小さくなっていく体。
訳の分からない内に潰されていく。
暗黒……。
ふと気がつくと、元のサイズに戻ったが、全身がぴくぴくとしたまま動かなくなった、えらい状態のアイスエイジクイーンが、悪魔達に担架に乗せられていた。
「…中々いける口だったのねあなた。こん子とか言ったかしら?」
「むきゅ?…何か酷いことをしたような…?」
しれっとしている二人の猟兵。この場にツッコむ者がいたならば、恐怖で震えてツッコむどころではなかっただろう。
それくらい恐ろしい事が先程まで巻き起こっていた。
「は…はひ…これで勝ったと思わない…ことですわ…!わたくし…何度でも、何度でもまた戦いに参りますわよ…!」
「へえ」
「何度でもされたいのかしらぁ…!」
「うぐ…!お、覚えてなさいですわー!」
かくして、今回もまた猟兵が勝利したのであった。
アイスエイジクイーンは悪魔達によって担架で運ばれていった。
後に残ったのは破壊され尽くした魔界(※次のシナリオ辺りには戻ってる)。氷像と化したままのテフラ。
「天然アイスー。天然アイスはいらんかねー。」
悪魔達によって、削るだけで甘いアイスキャンディーが食べられるという噂の巨大氷柱の観光スポットと化したころも。
天を突かんばかりに暴れ回った為に、魔界には似つかわしくない晴れやかな空と風が、ひととき彼らを包んでいた。
大成功
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