銀河帝国攻略戦⑭~特攻艦破壊作戦
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星海を宇宙艦が高速で翔けていた。
たいした武装はない。どうやら輸送艦であるらしかった。そう、解放軍の誰もがそう思っていた。が――。
「白魔艦隊」
夜が人の姿をとったような妖しい美少女がいった。シモン・ブリリアント(ダンピールの剣豪・f11966)である。
白魔艦隊とは、遥か昔に『伝説の解放軍』を散々に翻弄し苦しめたと伝えられる、高速艦のみで編成された白騎士ディアブロ直属艦隊であった。少数の艦隊をもって大艦隊に突撃し、大打撃を与える白銀の悪魔だ。
「勇猛果敢な艦隊。その正体は全滅覚悟の特攻艦隊よ」
シモンは告げた。
強力な爆弾を大量に積んだ高速輸送艦に敵艦隊に特攻。敵艦隊内部で輸送艦を自爆させ、敵を混乱させた所を中に控えていた強襲兵力で蹂躙する、というものが白魔艦隊の戦法であった。
「敵は確実に全滅する。それをわかったうえで彼らは攻撃を仕掛けてくるわ。命を捨てての忠誠心を侮ってはいけない」
シモンは瞑目した。こちらにも正義があるように、彼らにもまた彼らなりの正義があるのだ。
「けれど私たちにも対抗する手段がある。それは転移よ」
高速輸送艦の内部に猟兵を転送。解放軍の艦隊に到達する前に、輸送艦に搭載されている自爆装置を起動させるのが今回の作戦であった。
「輸送艦内にいる敵部隊を撃破しつつ、輸送艦のコアルームに向かう。そしてコアマシンと直結された自爆装置を起動し、輸送艦を自爆させることが猟兵の任務よ」
コアルームへの直接転移はできない。電磁波が邪魔しているからだ。が、輸送艦はそれほど大きな艦ではなかった。すぐにコアルームを発見、辿り着けるはずである。
「けれど、それはとりもなおさず敵部隊との遭遇の可能性も高まるということ。命を捨てた者との戦いは避けられない。その覚悟をもって臨んでちょうだい」
静かにシモンは告げた。
雪村彩乃
雪村ともうします。
今回はスペースシップワールド。特攻艦を爆破していただきます。敵が集まってくる前に、可能な限り素早くコアルームを制圧し、自爆装置を起動させてください。
爆発する船内からグリモア猟兵による転移で脱出。それでシナリオは終了となります。
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
第1章 集団戦
『クローン騎兵』
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POW : ジェノサイダー
【自身の寿命】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【ジェノサイドモード】に変化させ、殺傷力を増す。
SPD : インペリアル・インテリジェンス
【銀河帝国式戦術ドローン】を召喚し、自身を操らせる事で戦闘力が向上する。
WIZ : ブラスターレイン
【熱線銃(ブラスター)】を向けた対象に、【連続射撃】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
カイジ・レッドソウル
「任務開始」
「目標[クローン騎兵]視認、【天獄の雷】発動」
転移ト同時ニ呪剣、黒剣ヲ手ニ敵ニ【先制攻撃】ゆーべるこーど【天獄の雷】発動
【怪力】【なぎ払い】【二回攻撃】
体力ノ維持二【生命吸収】
相手ノ攻撃ニハ【武器受け】【オーラ防御】等デ対応
「損傷率、許容範囲。戦闘続行」
遠距離攻撃ニハ【サイコキネシス】
「増員確認、引き続き戦闘」
うぉーましんラシク黙々ト戦闘ダ
アーサー・ツヴァイク
※アドリブ協力大歓迎
敵はこっちの船に近づくまで自爆装置を起動させたくないわけだな…
なら真っ正面から堂々とお邪魔しますかね!
ライドランに【騎乗】して船内を爆速で走行、邪魔する奴らはレイシューターで片っ端から射撃だな。つーか敵の船だし船の内装なんかぶっ壊しても文句ねえよな?
むしろどんどん暴れまわって敵をこっちに引き付けよう。
もし全く違う方向に敵が向かったら…コアルームの防衛に向かった奴らかもしれないな。
まあ、そっちは別の猟兵に任せるかな!
さあ来い帝国軍…俺が相手してやるぜ!
庚・鞠緒
可能な限り速く、ね
ンじゃ兵隊サンには悪ィけど全部は構ってらンねェな
コアルームの場所がわかり次第【ダッシュ】で突っ込んでいって
そこにいるヤツらだけは全員倒しとかねェと起爆作業なんて出来ねェよな
ウチは倒しまくるほうに専念して、起爆は他のやつにまかせるよ
いざとなったらやるけどよォ…機械得意じゃねェんだわ
クローン騎兵に対する戦法は
【先制攻撃】で近付いてユーベルコード「Follow the Reaper」の【2回攻撃】
こいつで一体一体潰していく
熱線銃って【火炎耐性】でどうにかなンねェかな
ダメなら気合で耐えるっきゃねェな
死ぬしかねェヤツらなんかに負けてたまるかよ
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水面に漣がたつように空間がゆらめいた。空間転移の兆候である。
次の瞬間、三つの人影が現れた。空間を跳んだ猟兵たちだ。
「上手くいったようだな」
二十歳ほどの男が素早く辺りを見回した。そして不敵にニヤリと笑った。
彼の名はアーサー・ツヴァイク(ドーンブレイカー・f03446)。サイボーグであった。
辺りはしんと静まり返っていた。どうやら倉庫であるらしい。
十四歳ほどの少女がドアに駆け寄った。名を庚・鞠緒(喰らい尽くす供物・f12172)というのであるが、同じ年頃の少女に見られる可憐な幼さはまるで見受けられなかった。彼女に在るのは、ひたすら殺伐とした雰囲気である。
身を隠し、鞠緒はドアを開いた。通路がのびている。敵影は見えなかった。
「可能な限り速く、ね。ンじゃ兵隊サンには悪ィけど全部は構ってらンねェな」
「任務開始」
合成音声のような声が響いた。声の主の名はカイジ・レッドソウル(プロトタイプ・f03376)。人間ではなかった。
ある小惑星の研究所に?がれていた試作兵器。鋼の身をもつ彼は人型戦闘ロボットなのだった。
カイジは電脳に保存されたデータを検索、類推した。偽装されているとはいえ、やはり補給艦。ここが倉庫であるなら、コアルームの位置は推測できる。
「真っ正面から堂々とお邪魔しますかね!」
アーサーは腹部に手をかざした。するとベルトが現出した。
キラッ。
アーサーの身が輝いた。改造手術により彼の肉体に埋め込まれた石が発する光である。
「変身」
アーサーの声の響きとともに、彼の肉体構造が変化する。人のそれから、戦闘用超人のそれへ。
大型バイクに飛び乗ると、アーサーはエンジンを吹かせた。あっという間に最大速度に達したバイクが通路の先の室内に飛び込んだ。
いる。多くのクローン騎兵が。
そこは広い空間であった。白い装甲に身をかためたクローン騎兵がブラスターを手に控えている。
「いやがったな」
アーサーはロケットランチャーに似た武器をかまえた。レイシューター。ソーラーパワーを砲弾にする大型の射撃武器であった。
素早く視線をはしらせ、敵を視認。射程内の敵をポイントすると、
「Select…BURST ACTION! フルパワーで…ぶちかますぜ!」
最大出力の指向性エネルギーをアーサーは放った。ポイントした敵を吹き飛ばす。どうせ敵艦。傷つこうが知ったことではなかった。
クローン騎兵の狼狽は、しかし一瞬であった。すぐさま臨戦態勢に滑り込んだ彼らは一斉にトリガーをひいた。怒涛のように疾る熱線がアーサーを貫く。
たまらずアーサーはバイクから転げ落ちた。そこを狙ってさらにクローン騎兵がブラスターの銃口をむける。
「ふふん。まずいな、こりゃあ」
アーサーが凄絶に笑った。
刹那だ。眩く輝く紫電が空を疾った。十億ボルトにも及ぶ高圧電流に撃たれ、クローン騎兵が燃え上がる。
ほぼ同時、白光が閃いた。超鋼のクローン騎兵の装甲がざっくりと切り裂かれ、内部から血がしぶく。
「馬鹿。先走んじゃねえよ」
鉤爪についた鮮血を払いながら鞠緒がごちた。戦闘続行、と抑揚のない声を発したのは稲妻の主、カイジである。
「熱線銃って、火炎耐性でどうにかなンねェかな」
鞠緒が呟いた。するとクローン騎兵の反撃が始まった。彼らは怯まない。艦内を白く染め、熱線が乱れ飛んだ。
グールドライバー特有の強化された筋肉と神経を使い、鞠緒はステップした。カイジはオーラを展開し、熱線を受け止める。
が、攻撃は激しすぎた。鞠緒は躱しきれず、カイジのオーラももたない。熱線が二人の身体を無残に灼いた。カイジの超重装甲も熱線の前では無敵ではない。
「俺のこと、忘れてるぜ!」
絶叫はアーサーのものだ。直後、乱射されたエネルギー砲弾がクローン騎兵を飲み込む。
「損傷率、許容範囲。戦闘続行」
カイジは黒剣を抜き払った。薙ぎおろし、逆袈裟で切り捨てる。恐るべき彼の怪力は敵装甲の切断を容易にした。
「死ぬしかねェヤツらなんかに負けてたまるかよ」
熱線で数箇所焼け爛れさせながら、鞠緒はまたもや豹のように襲った。爪を閃かせ、クローン騎兵を切り裂く。
「増員確認、引き続き戦闘」
開かれたドアから殺到してくるクローン騎兵を見とめ、それでもなお淡々とカイジはいった。
大成功
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石動・彼方
銀河帝国だか何だな知らないけど、ハルくんの害になりそうな奴は皆殺しだから。
ハルくんを虐めて良いのは私だけなの!
「挟み甲斐のない硬い頭ね…」
腕をクロスして迎撃に耐え身を守りながら一気に接近して【絶天頂】を決める。
「このまま締め殺すね…ヘルメットとか私には無駄だから」
股が汚れるのも構わず首を折り、頭をぐしゃぐしゃにして兵士を丹念に一匹ずつ殺していくわ。
小癪に素早い個体がいたらボディを決めて、踵落としで脳天を割り、怯んだら絶天頂で容赦無く締める。
強さに自惚れはないから、慎重に戦うわ
(使用技能・グラップル・二回攻撃・激痛耐性)
※アドリブ大歓迎
※拳や蹴りで戦うヤンデレお姉ちゃん
※他猟兵との絡み歓迎
目面・真
勝手に爆発して勝手に全滅してくれれば大いに結構なコトだ。
帝国の連中は、オレ達を巻き込まずにそうあって欲しいんだがな。
自爆装置の場所までダッシュで急がなければ。
まずコアマシンルームの場所だな。艦の規模を頼りに重心を計算すれば自ずと判明するはず。
分かれば他には構わず移動するのみだ。
兵隊共と遭遇したらアームドフォートの砲撃で蹴散らしながらダッシュ、近接位置ならば大太刀の斬撃で斬り捨てる。
必要なら星羅閃閃を放って押し通るだけだね。
自爆装置の起動はデリケートな問題だから、オレ以外に達者な者がいれば任せよう。斬れば起動するなら話は別だが。
クリーク・クリークフリークス
戦争においては自らの犠牲をもって仲間の勝利を導いてきた例は多いである。
特に、こと船での戦いにおいては。
だが、それは我々とて同じことができるということである!
敵が仲間の後を追えぬよう、足止め役が必要であるな。
ならば拙草に任せて尊公らは進むである!
部屋の出入り口など狭い場所、できるだけ回り道ない通路を狙ってタケノコ・バタリオンを展開。
通路を塞いで可能な限り敵を倒します。
戦闘知識10、地形の利用8、破壊工作5、
拠点防御5、情報収集4、範囲攻撃2、2回攻撃11あたりで防衛戦をします。
ここは行き止まりである! 大人しく他の道を探すといいである!
余計なフラグは立てず、手遅れになる前に引くであるが。
清水寺・大牙
「決死と決めた奴は厄介だな…」
「だが、生き延びると決めた者のしぶとさ、見せてやろう」
と言ってみた者の、俺とてそうそう出来る事がある訳じゃない
ただ敵を切り伏せるだけだからな
だがその為の手は打たせて貰おう
残像とオーラ防御を使いながら接近、出来るだけダメージを追わずに近寄る
その後は2回攻撃となぎ払いを併用しながら手近な敵を切りつけよう
俺だけで倒す必要はない、仲間の猟兵が攻撃しやすくするのも俺の仕事だ
如月・源
特攻か。手段は悪くないが――相手が悪かったのぅ。
大体の戦艦の構造は似るものじゃ。広くも無ければ早々迷う事もあるまい。大まかな当たりを付けて切りこもうかのぅ。
敵兵はドローンごと【夢幻阿修羅切り】で切り捨ててやるわい。
攻撃もブラスターも【残像】で半歩ずつずれて避けて切り裂いてくれるわ。
「遅い遅い。そのような腕では――ほれ、首が落ちるぞ」
切った張ったの戦場は儂の舞台じゃ。三下は三下らしく特攻艦ごと沈め。
コアルームを見つければ、コアに迷いなく刀をぶんなげて貫いてくれるわ
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特攻艦通路。
その只中の空間がゆらめいた。その異常事に気づいたのはクローン騎兵の一人であった。
「空間転移だ!」
その瞬間であった。二つの影が通常空間に飛び出した。
「まずいな」
ごちると、転移してきた一人が周囲を見回した。女と見紛うばかりの美青年である。名を目面・真(たてよみマジメちゃん・f02854)といった。
彼の周囲にはクローン兵たちの姿がある。残酷なことに二人の猟兵たちはクローン兵たちの只中に転移してきてしまったのであった。
が、もう一人の猟兵――石動・彼方(狂愛・f13764)に恐怖の色はなかった。類希な美貌の中、金色の瞳がギラギラ光っている。彼女は怒っているのであった。
「銀河帝国だか何だか知らないけど、ハルくんの害になりそうな奴は皆殺しだから。ハルくんを虐めて良いのは私だけなの!」
狂的な目で彼方はクローン騎兵を睨め回した。何をいっているのかクローン騎兵たちにはわからない。それもそのはず、すでに彼方の心は壊れているのだった。
「敵だ!」
一斉にクローン騎兵が動いた。が、二人の猟兵の方が迅い。
彼方はクローン騎兵にむかって跳んだ。咄嗟に躱し得ぬクローン騎兵の頭を太ももで挟む。
「このまま締め殺すね…ヘルメットとか私には無駄だから」
彼方は太ももに力を込めた。べきりとクローン騎兵の首がへし折れる。ため息のように絶命の吐息が彼女の股間を熱くした。
真は刀を抜き払った。義光。武士の始祖の名を冠した大太刀であった。
「この身をば、しろき腕に番えれば、刃の星羅、閃閃とす」
真は肉厚の刃を閃かせた。剣の達人である彼にとっては大根でも斬るような呆気ない殺戮である。装甲ごと真っ二つに切り裂かれたクローン騎兵が通路に鮮血をぶちまけた。が――。
クローン騎兵は恐れない。退かない。彼らにあるのは狂的な忠誠心のみであった。
ジェノサイドモード移行。自らの命を削ってクローン騎兵は熱線を放った。威力を増した灼熱の光が二人の猟兵めがけて疾る。
腕を交差させ、彼方は熱線を受け止めた。真は刃ではじいた。が、防ぎきれるものではない。
次の瞬間、息継ぎのように熱線の放射がとまった。その隙を二人の猟兵は見逃さない。
優美な動きで彼方は跳んだ。皮膚を炭化させた両腕の痛みを堪えながら。
彼方は上空から踵を落とした。頭蓋を打たれ、よろめくクローン騎兵。落下しつつ、彼方は再び太ももで首を挟んでへし折る。
真は攻撃は同じであった。剣の達人たる彼はひたすらに剣を舞わせる。
幾ばくか後。
通路に生きているクローン騎兵の姿は絶えた。そして、立っている猟兵の姿も。
二人の猟兵は生きていた。が、満身創痍で動くことはかなわなかった。
「……なんとか敵は始末できたようね」
彼方はクローン騎兵の骸を眺めた。すると真がニヤリとした。
「猟兵はまだいる。これだけやれば……後は彼らが成し遂げてくれるはずだ」
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そう。猟兵はまだいた。
空間転移したのは三人である。場所は通路であった。
「……敵はいないようだな」
素早く辺りを見回し、男はいった。
二十代後半。が、男にあるのは青年らしい躍動感ではなかった。改造された機械のの身にやどっているのは戦士のみ持ちうる剣呑さである。清水寺・大牙(人食い虎・f06778)だ。
「いやに静かじゃのう」
如月・源(銀河を駆ける流浪人・f14361)という名の男が訝しげに声をもらした。この時、当然ではあるが先行した五人の猟兵たちの奮戦ぶりを彼は知らない。
「まあ、いい」
豪放無頼。ふてぶてしく源は笑った。どのような状況であれ、所詮やることは一つだ。
コアルームめがけ、三人の猟兵は飛ぶように走った。あっという間に入口のドアにたどり着く。
「拙草に任せて尊公らは進むである!」
瞳も黒、髪も黒、肌も黒。漆黒の少年がいった。
ブラックタールの猟兵。クリーク・クリークフリークス(ブラックタールの戦場傭兵・f02568)である。
「戦争においては自らの犠牲をもって仲間の勝利を導いてきた例は多いである。特に、こと船での戦いにおいては。だが、それは我々とて同じことができるということである!」
クリークはいった。何の迷いもなく。十四歳の少年が。
この時、三人の猟兵たちは遠くから響いてくる敵の足音を耳にしていた。遠からずここに殺到してくるだろう。それをわかってクリークはここに残るといっているのであった。
その覚悟に、何をいうことがあるだろうか。男の覚悟を無駄にしてはならない。
大牙と源はうなずくと、コアルームに飛び込んだ。
「ここは行き止まりである!」
殺到するクローン騎兵を前に、クリークは叫んだ。が、クローン騎兵はとまらない。とまるはずもない。
「大人しく他の道を探すといいである!」
再びクリークが叫んだ。
刹那である。無数のタケノコが現出した。彼の肉体を形成しているブラックタールを増殖、作り上げたタケノコである。
「戦争である! 戦争である! さぁ歓びを! 戦争である!」
クリークが宣言した。その声に叱咤されたようにタケノコがクローン騎兵に襲いかかる。
「邪魔だ」
クローン騎兵たちが熱線を放った。次々とタケノコが消滅する。が、タケノコはとまらない。クローン騎兵に飛びかかり、押し倒した。
「あれか」
大牙がいった。
コアルームの中央。巨大な光り輝く機械が見える。コアマシンだ。
乗組員らしき者の姿があった。他にクローン騎兵の姿も。
「決死と決めた奴は厄介だな…。だが、生き延びると決めた者のしぶとさ、見せてやろう」
「特攻か。手段は悪くないが――相手が悪かったのぅ」
源はするするとコアマシンに迫った。大牙もまた。
「何っ」
戸惑ったようにクローン騎兵たちのブラスターが揺れた。まるで分身したかのように二人の姿がぶれて見えたからだ。
残像。二人が使った戦闘法であった。
戸惑いつつ、クローン騎兵たちは熱線を放った。が、当たらない。クローン騎兵の数が少なかったことが二人の猟兵たちにとって僥倖であった。他の猟兵たちが遭遇したクローン騎兵たちと同じ数であったなら、さしもの二人の残像も効果は薄かっただろう。
「ぬうん」
大牙の大太刀が唸りをあげた。機械化された腕の力は規格外である。バターのように大太刀がクローン騎兵を斬り下げた。
「今だ!」
「わかっておる」
クローン騎兵の熱線を躱すと、源はコアマシンに肉薄した。
「遅い遅い。そのような腕では――ほれ、首が落ちるぞ」
ニヤリと笑うと、源は大太刀をコアマシンめがけて放った。
タケノコを駆逐したクローン騎兵がクリークめがけて迫った。さすがにこの数を止めることはかなわない。咄嗟に抜き払ったタケノコブレードの剣身で熱線を受け止める。
その時だ。地鳴りのような音が響いた。
「やったであるな!」
叫んだクリークの姿がゆれる空間に飲み込まれた。
そのわずか後のことである。解放軍艦隊乗組員たちは見た。暗黒の宇宙に紅蓮の炎が燃え上がる様を。
帝国特攻艦の爆発。作戦は八人の猟兵によって成し遂げられたのであった。
大成功
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