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7thKING WAR㉕〜絶叫!デストロイキングボス!

#デビルキングワールド #7thKING_WAR #召喚魔王『デストロイキングボス』

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#召喚魔王『デストロイキングボス』


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●最後の召喚魔王
「皆様、ガチデビルを護る異世界からの魔王、最後の一人の正体が判明しましたわ!」
 エリル・メアリアル(孤城の女王・f03064)が猟兵達に語る。
 ガチデビルを阻む結界は、彼の護衛として召喚された三名の魔王が守っているという。
 ゼルデギロス、パラダルクに続く魔王、その名も。
「召喚魔王『デストロイキングボス』!!」
 エリルは、力いっぱいに叫ぶのであった。

 デストロイキングボス。異世界より召喚された全長50メートルもの巨漢である。その肉体は分厚い筋肉に覆われ、腹には巨大な口と牙が備わっている。
「見た目の通り、デストロイキングボスは肉弾戦を得意としていますわ。巨体から繰り出される圧倒的なパワーは、一瞬で周辺が焦土と化してしまう程……」
 それだけでも危険な存在だが、もう一つ、厄介な能力があるのだとエリルは語る。
「デストロイキングボスの配下に、人面蜘蛛のビューティスパイダーという者達がいますの」
 ビューティスパイダーたちは、その名の通り美しい美少年の顔をした蜘蛛達である。名は体を表すとはよく言ったものだが、問題なのはその容姿じゃない。
「デストロイキングボスは、配下のビューティスパイダーの居場所に一瞬でテレポートする能力を持っていますの!」
 ビューティスパイダーのその力のお陰でデストロイキングボスはまさしく縦横無尽にデストロイの限りを尽くすことが出来る。超パワーとテレポート、二つの力が合わさるからこそ、デストロイキングボスは危険極まりない魔王なのである。

「勿論、他の魔王に集中することも可能」
 三名の魔王のうち一人、ゼルデギロスは既に死に、パラダルクも既に攻略が始まっている。
 ガチデビルを護る結界が破られるのも、もはや時間の問題といったところだろう。
「だからといって、召喚された魔王はオブリビオン……無暗に放っておくわけにはいきませんわ!」
 この戦いの中で仕留め損なえば、戦後デビルキングワールド、あるいは多数の世界にどのような影響があるかはわからない。この時点で止められるのならば、止めておくことに損はないだろう。
「唯一の弱点としては、テレポートにビューティスパイダーの力が必要ということ、そしてビューティスパイダーの能力は大したことがないということかしら」
 戦場には既に大量のビューティスパイダーがいる。それらを排除すれば、デストロイキングボスの機動力をある程度奪うことも出来るだろう。
「とはいえ、デストロイキングボス自体の戦闘力が並ではないので、過信はしないでくださいまし」
 エリルが忠告する。ある程度の範囲ならば、デストロイキングボスの脚力だけで瞬間移動並の速度が出てもおかしくないのだから。
 そこまで語り終えて、エリルのグリモアが輝き始めた。
「デストロイキングボスは破壊の化身……その破壊衝動をぶつけられる相手として、皆様を選びましたわ」
 エリルが励ますように告げた。
「なら、デストロイキングボスに皆様の『デストロイ』を見せつけちゃってくださいまし!」
 猟兵達の転送が始まる。この戦場、既に全てがデストロイで包まれていた!

●力こそパワー、パワーこそ
「デェェェストロォォォォイ!!」
 地鳴りのような大声でデストロイキングボスが叫ぶ。
 赤いバイザーをギラリと反射させ、その奥の瞳がギロリと睨む。
 腹と顔の、長い牙の生えた口がぐわっと開き、歓喜の笑みを浮かべた。
「待っていたぞ猟兵達よ! 我のデストロイを感じ、そしてお前達のデストロイを見せてみよ!」
 圧倒的な威圧感が戦場全体を包む。これがデストロイ!
「イエス、ビューティスパイダー!」
 周囲に散らばるビューティスパイダーも準備完了。滾る闘志で全身を膨れ上がらせ、デストロイキングボスが告げる。
「来い、真っ向勝負だ、猟兵達よ!!」
 そしてもう一度、叫ぶ!
「デェェェストロォォォォイ!!」


G.Y.
 こんにちは。G.Y.です。
 合言葉は「デェェェストロォォォォイ!!」ということで、デストロイキングボスとの対決です。

 デストロイキングボスは超パワー且つ先制攻撃。
 その上でビューティスパイダーを介した瞬間移動を行ってきます。
 特に大きな策はなく、ただひたすらに圧倒的なパワーにて蹂躙してくるでしょう。
 デストロイキングボスの言う通り、真っ向勝負で立ち向かってください。

 プレイングボーナスは『敵の先制攻撃に対処する』と『ビューティスパイダーを排除する』です。

 それでは、皆様のデストロイなプレイングをお待ちしております!
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第1章 ボス戦 『デストロイキングボス・一撃必殺』

POW   :    デストロイフィンガー
【ビューティスパイダーへ瞬間転移し、指先】で触れた敵に、【デストロイエネルギー】による内部破壊ダメージを与える。
SPD   :    デストロイタイフーン
【多くの敵を捕捉できる地点に転移して】から、戦場全体に「敵味方を識別する【破壊の大嵐】」を放ち、ダメージと【装備破壊】の状態異常を与える。
WIZ   :    インビジブルスパイダー
【転移先となる透明ビューティスパイダー】を召喚する。それは極めて発見され難く、自身と五感を共有し、指定した対象を追跡する。

イラスト:シャル

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

備傘・剱
ならば答えて叫ぼう!
DeeeeeeSTRoooooY!

シャウトを返しつつ、青龍撃、発動!
地面が無くなろうが、空中浮遊による移動はできる
見えにくくとも、空間を攻撃で埋め尽くせば、関係ない
第六感がなせる業だが、足掛かりになる物があれば高速移動もできる

全兵器起動、衝撃波、誘導弾、呪殺弾、斬撃波、ブレス攻撃、頭の上の一足りないのダイス攻撃、水弾を四方八方に打ち込みつつ、高速移動で片っ端からビューティスパイダーがいそうな所に面攻撃を叩き込む
そして、デストロイキングの体を高速移動で登りつつ爪で切り裂いていってやる

破壊活動が得意なのはお前だけじゃないんでな
キッチリやってやる

アドリブ、絡み、好きにしてくれ


ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード
なんか色々凄いのが来たなあ。
まあ、真っ向勝負がしたいのであれば付き合おうか。

さて、とりあえず周りのビューティースパイダーは斧をその場でぶん回して、
衝撃波でまとめてなぎ払って転移先からの距離を稼ごうか。
ついでに地面も吹き飛ばして砂埃を巻き上げて、
指先の狙いを絞れないようにして先制攻撃を避けるよ。

攻撃を避けたら【牙砕甲破】を使って、
今度は爪を避けずに真っ向からぶん殴って攻撃するよ。
触れた相手にエネルギーを流し込んで破壊するなんて悠長なことするより、
直接殴って破壊した方が早いし。

ああ、一応殴る時は大声で「デェェェストロォォォォイ!!」と叫ぼうか。



「デェェェストロォォォイ!!」
 召喚魔王『デストロイキングボス』の咆哮が、戦場をビリビリと震わせた。
「なんか色々凄いのが来たなぁ」
 ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード(混沌獣・f07620)、通称ペトがあんぐり口を開けて、50メートルの巨体を見上げた。
 筋骨隆々の肉体に、凶悪な牙と鋭い爪。まさしくその姿はデストロイの化身。
「まあ、真っ向勝負がしたいのであれば付き合おうか」
 そう言って斧をのんびりと担ぎ上げたペトに、備傘・剱(絶路・f01759)も頷き、腹に力を入れる。
「ならば答えて叫ぼう!」
「いくぞ、猟兵!!」
 デストロイキングボスが再び大きく息を吸った。
 ――来る!
「デェェェェストロォォォォォイ!!!」
「DeeeeeeSTRoooooY!」
「デェェェストロォォォォイ!!」
 三つのデストロイがこだまして、猟兵とデストロイキングボス、両者が一気に駆け出した。
 
「イエス、ビューティスパイダー!」
 戦場に散らばるビューティスパイダー達がデストロイキングボスに反応し、周囲に散らばった。
 デストロイキングボスは、この眷属達をワープポイントとして戦場を縦横無尽に駆け巡る。
「なら、とりあえずこいつらの掃除からだ」
 ペトが斧をぶんと振り回し、巨大な衝撃波を生み出す。
「イェッ……!!」
 その衝撃に巻き込まれ、ビューティスパイダーが吹き飛ばされる、その座標にデストロイキングボスが出現した。
 ビューティスパイダーが吹き飛ばされたことで、当初の予定よりもかなりズレた位置での出現となったはずだ。だが。
「はぁあっ!!」
 デストロイキングボスがビューティスパイダーを蹴り、加速する。
「デェェエストロイ! フィンガァァァァアアッ!!」
 それでもデストロイキングボスはお構いなしにペトへと突っ込んでゆく。爆発的な脚力が、多少の座標のズレなど誤差だとばかりにペトへと迫る。しかし!
「ぬぅうっ!!?」
 デストロイキングボスのバイザー越しの視界が霞んだ。ペトの衝撃波は土煙をも巻き上げていたのだ。
「かぁぁあっ!!」」
 腹からの雄叫びが土煙を吹き飛ばし、ペトを炙り出そうとした。だが、ペトにとってもそれだけの時間が稼げれば十分。
「そっちじゃないよー」
 土煙の晴れたその先に、ペトの姿はなかった。ペトは既にデストロイキングボスの視界から抜け出していたのだ。
「なぁらばぁぁあ!!」
 デストロイキングボスの姿がふっと消える。次に現れたのは、猟兵達の上空。
「デェェェェストロイ! タァァイフゥゥゥゥン!!!」
 叫びながら、デストロイキングボスが激しく回転を始めた!
 土煙も周囲の地形も、猟兵達をも巻き込んで、破壊の大嵐が吹き荒れる。中でも全兵器を起動させた剱の武装が、嵐に巻き込まれて次々と破壊されてゆく。
 だが、それでも剱にはまだ武器があった。
「天よ、祝え!」
 大嵐に巻き込まれながら剱が叫ぶ。
「青龍、ここに降臨せり!」
 その呼びかけに答えるかのように、空気中の水分が剱の両腕に集まり、蒼い爪が形成された。
「空間を攻撃で埋め尽くす!」
 続けて、剱は壊れかけた武器達に指示を飛ばす。四方八方に衝撃波や斬撃波などが放たれる。
 それらの攻撃は、壊れた装備では効果が薄く、デストロイキングボスには傷一つ与えられない。それでも、周囲に散らばるビューティスパイダーに対しては十分な威力を誇った。
「ぬぅぅっ!?」
 周囲のビューティスパイダーが倒されたことを察知し、デストロイキングボスが唸る。その隙に、嵐に乗った剱がデストロイキングボスに張り付いた。
「破壊活動が得意なのはお前だけじゃないんでな!」
 そう叫ぶと、剱は爪をデストロイキングボスの肉に突き立て、一気に駆け上がった。
「ぐぅぅおおおぉっ!!」
 何本もの筋が身体に刻まれて、血が吹きあがる。四方八方に放った攻撃は、デストロイキングボスから咄嗟の転移地点を奪った。それがこれほどまでの大きな傷を与える結果となったのだ。
「がぁははははははっ! 素晴らしいデストロイだ!!」
 剱を掴んで引きはがし、デストロイキングボスが豪快に笑う。
「血が、滾るわぁぁあ!!」
「ぐぅっ!?」
 剱を投げ飛ばす。その先には、まだ生き残っているビューティスパイダーがいた。
「……しまった!」
 直後、背後にいた巨大な影が消えるとともに、投げ飛ばされた先にデストロイキングボスが現れた。
「デェェストロイ、フィイインガァァァア!!」
 破壊のオーラが掌から指先へと集い、剱へと向けられた。
 ――直撃、そう思った瞬間、剱とデストロイキングボスの間に影が割り込んだ。
「触れた相手にエネルギーを流し込んで破壊……なんかよりさ」
 それは巨大な斧を振りかぶったペトであった。
「直接殴って破壊した方が早くない?」
 ペトの斧が、デストロイキングボスの指先をぶん殴る!
 破壊のオーラと直接的な破壊エネルギーがぶつかり合い、激しく空気が震え出す。
「ぬおおぉぉ!!」
 デストロイキングボスが力を籠める。ペトは押し負けそうになりながらも、全力で力を籠めた――その時、突如、押し返す力が強まった。
「爪牙、嵐の如く!」
 剱が体勢を立て直し、青龍の爪を突き立てて加勢したのだ。一人では押し返せずとも、二人ならば。
 この魔王を凌駕する破壊の力が、生まれる!
「んじゃいこうか」
 ペトがのんびりと言って、剱が頷いた。
 すぅ、と息を大きく吸い込んで、ペトが、剱が叫ぶ。
「デェェェストロォォォォイ!!」
「DeeeeeeSTRoooooY!」
 そして、デストロイキングボスも。
「デェェェェェェェスト……ロォォォォォイ!!!」

「ぬがぁぁぁっ!!」
 デストロイキングボスが吹き飛ばされた。
 激しい破壊のぶつかり合い、その軍配は猟兵にあがったのだ。
「ぐはははははは!! ガチデビルなどの護衛をやめて正解だったぞ、猟兵よ!!」
 地面に倒れながら、デストロイキングボスが実に楽しそうに大口を開けて笑う。
「ここにはデストロイが溢れている! 我の血が沸騰するようだ!!」
 デストロイキングボスが立ち上がり、叫ぶ。
「我こそはデストロイの王のボス、デストロイキングボス! 続きをしようじゃないか、猟兵達よ!!」
 まだ、破壊の嵐は吹き荒れる。だが、それは絶望ではない。
 猟兵達の力は、確かにデストロイキングボスを破壊するに足る力であることが証明されたのだから!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ルクレツィア・アストリュード
圧倒的な巨躯、圧倒的な敵。
これ程の敵を倒してこそ『答え』を示し得る。
負けるわけには、いかない。

戦場を駆け、The Answererの斬撃と【斬撃波】でビューティスパイダーを排除しつつ、ボスと交戦。
最初はスパイダーの排除を優先し、ボスの攻撃は【瞬間思考力】で挙動や攻撃範囲を把握し躱す。

透明なスパイダーは、見えないといってもある程度存在位置の目星はつけられる。
ボクの死角、且つ見えるスパイダーがおらず、そしてボスが即座に攻撃を行える距離。該当する範囲に警戒。
該当範囲にボスが転移したら、其処に透明スパイダーが居ると断定、【斬撃波】を放ち撃破を試みる。
即座に騎兵斬壊発動、ボスへと斬り込んでいこう。


火土金水・明
「圧倒的なパワーで蹂躙してくる敵が相手ですか。」「私も勇気を出して戦いましょう。」「できる限り相手にダメージを与えつつ、味方の回復もしないと。」
敵の先制攻撃に対しては【第六感】と【野性の勘】でできる限り回避を試みます。
【SPD】で攻撃です。
攻撃は、【継続ダメージ】と【鎧無視攻撃】と【貫通攻撃】を付け【フェイント】を絡めた【巷に金色の雨が降るごとく】を【範囲攻撃】にして、『デストロイキングボス・一撃必殺』とビューティスパイダー達を纏めて攻撃します。相手の攻撃には【勇気】【残像】【オーラ防御】で、ダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「私の役目は少しでもダメージを与えて次の方に繋げることです。」
アドリブや他の方との絡み等は、お任せします。


スキアファール・イリャルギ
パワーが全て系は苦手なんですよね……
しかし、五感を共有……それならば
(拡声器すちゃっ)

――デェストロォォイッ!!

拡声器で思いっきり叫びます
何匹召喚してるのかは不明ですが
聴覚を共有するならそれなりに煩くなる筈
……自分自身の声で鍛えられてそうですけどね
それでも一瞬だけ怯んでくれたらいい

その間に火(属性攻撃)を広範囲に放ち蜘蛛を焼却
敵が転移する前に全て排除するのはおそらく無理なので
オーラの防壁と雷(属性攻撃)を躰に纏い
少しでも怪我の軽減と、躰に触られた時の反撃を

耐えきれたなら勝機は在る――コローロ、お願い
UC発動、コローロに傷を癒してもらい力を増強
全力の霊障で奴を吹き飛ばす!

……あー、叫びすぎた……



「圧倒的な巨躯、圧倒的な敵……」
 ルクレツィア・アストリュード(終極フラガラッハ・f30398)が50メートルの巨体を見上げて呟いた。
 それだけの圧倒的な存在であれば当然。
「圧倒的なパワーで蹂躙してくる敵が相手ですか」
 火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)が続けた。
 召喚魔王『デストロイキングボス』。膨れ上がった筋肉と禍々しい腹の牙。赤いバイザーの奥から覗く瞳はギロリと鋭く、まさしく魔王と呼ぶにふさわしい圧倒的オーラを放っていた。
 しかし、猟兵達も一歩たりとも引く気はない。
「これ程の敵を倒してこそ『答え』を示し得る……負けるわけには、いかない」
 ルクレツィアが背負った大太刀を握って構える。
「私も勇気を出して戦いましょう」
 明も手にした杖に魔力を込めて、全力で立ち向かう意思を示す。
 そんな中。
「パワーが全て系は苦手なんですよね……」
 なんとも調子が狂うという表情で、スキアファール・イリャルギ(抹月批風・f23882)はデストロイキングボスを見やるのであった。

「ふはははは! やはり良い! 良いぞ猟兵達!」
 デストロイキングボスが豪快に笑い、猟兵達を見下ろした。
 仲間の猟兵達の攻撃によって、大きなダメージを受けた筈のデストロイキングボスであったが、それはかえって彼を喜ばせる結果となっていたようだ。
「実に良いデストロイが生み出されている! 我がデストロイもさらに漲るぞぉ!」
 デストロイキングボスが手をかざすと、突如周囲に無数の気配が漂い始めた。
 姿は見えないが、転送先となるビューティスパイダーが呼び出されたのであろう。
「透明なスパイダーか……」
 ルクレツィアは戦場を駆けながら、大太刀『The Answerer』を抜き、見えているビューティースパイダーを排除してゆく。そのうちに何体かも巻き添えを食ったようだが、それでも気配が消えることはない。
「しかし、ある程度の目星はつけられる」
 目はまっすぐにデストロイキングボスを見つめながら、意識は死角に向ける。
(「ボクの死角、且つ見えるスパイダーがおらず、そしてデストロイキングボスが即座に攻撃を行える場所……」)
 それこそが、次にデストロイキングボスが現れるポイントとなる。全神経を集中し、ルクレツィアはデストロイキングボスの転移に備える。
「透明なスパイダーは五感を共有……」
 スキアファールはふと考え、周囲に目を向けた。
 姿は見えないが、確かに存在を感じ取れる。かなりの数の敵が潜んでいる証拠だろう。
「それならば」
 スキアファールが取り出した拡声器を掲げ、デストロイキングボスを見る。
 直後、デストロイキングボスの姿が消えた。今だ、とスキアファールはすぅ、と息を吸った。
「――デェストロォォォイ!!」
 スキアファールの叫び声が戦場に響き渡る。その声に反応したビューティスパイダー達がぴくりと怯んだように反応し、その反応がデストロイキングボスへも伝わってゆく。
「むぅっ!」
 デストロイキングボスの出現がブレた。聴覚を共有したことで、ビューティスパイダー達の反応デストロイキングボスへと影響を及ぼしたのである。
「そこ!!」
 その機を、ルクレツィアは見逃さなかった。大太刀の一閃が、転移直後のデストロイキングボスへと放たれる。
「ぐぉおおっ!」
 デストロイキングボスの足元に這うビューティスパイダーが真っ二つに切り裂かれた。さらにその余波で、デストロイキングボスまでも傷を負わせることに成功する。
「一瞬だけでも怯んでくれたらいい」
 その様子を見て、スキアファールが芝居がかったように笑うと、炎を溢れ出させた。
「これで焼却してしまいましょう」
 炎は戦場を一気に駆け巡り、透明なビューティスパイダー達を焼き尽くしてゆく。
 縦横無尽に転移をするつもりだったデストロイキングボスが手傷を負ったことで、スキアファールの攻撃を放つ隙が出来た。転移の瞬間を狙って精神を集中させたルクレツィアと、スキアファールの機転が無ければ、このような結果は得られなかったであろう。
 傷をそのままに、デストロイキングボスは周辺に透明なビューティスパイダーが失われたことを確認する。
「うぬう、ならば……」
 デストロイキングボスが大きく屈伸し、空を見上げる。
「デストロォォイ、ジャァァアンプ!!」
 脚をバネのようにして巨体を跳ね上げさせ、デストロイキングボスは空中から猟兵達を見下ろした。
「デェェストロイ、タイフゥゥゥゥン!!」
 そう叫び、デストロイキングボスがその場で回転を始めた。その勢いは大気を渦巻かせ、巨大な大嵐を呼び起こす。
 非常識なまでの大嵐は明を飲み込んで、一気に渦の中へと閉じ込める。嵐の中では身体は勿論、装備品も全て破壊される。一度この嵐に飲まれたならば、もはや戦うこともままならなくなる。
 明はそんな嵐に巻き込まれ、荒れ狂う風の中でズタズタに切り裂かれてゆく。
 だが、そんな様子を見て、デストロイキングボスは眉間に皺を寄せた。
「……なんだこれは! まったくデストロイを感じん!!」
「残念、それは残像です」
 嵐の外から明の声がした。そう、巻き込まれたかに見えた明の姿は、彼女の作り出した残像であった。明の本体は嵐の外で、魔力を集中させていた。
「私の心にも雨が降る」
 デストロイキングボスの生み出した風の流れが止み、代わりに金色の雨が戦場に降り注ぐ。
「出来る限り相手にダメージを与えつつ、味方の回復もしないと」
 その想いで降る雨は優しく、そして苛烈。雨の水滴は猟兵達の疲れや傷を癒したが、雨の隙間で弾ける虹色の雷は、デストロイキングボスとビューティスパイダー達を貫き、焼き焦がす。
「ぐぉぉぉぉおおっ!!」
 雷の衝撃を受けてデストロイキングボスが絶叫する。雨を止めねば、転移先を失うばかりか、自分自身へのダメージも甚大なものとなる。ぎりりと牙を噛みしめてから、デストロイキングボスは叫ぶ。
「デェェストロイ、キィィィック!!」
 空気を蹴って、デストロイキングボスが加速しながら降下する。流星の如き蹴りが明を踏みつぶし、大地を砕く。
 素晴らしいデストロイが出来た、満足そうなデストロイキングボスのその足の下で、明の声が漏れた。
「私の役目は少しでもダメージを与えて、次の方に繋げることです」
「なにぃ!?」
 直後、ルクレツィアがデストロイキングボス目掛け飛び込んだ。ルクレツィアの身長ほどの太刀は、ルクレツィアよりも遥かに巨大なデストロイキングボスの身体をいとも簡単に切り裂いた。
「自らのデストロイを囮としたか!!」
 斬撃を受けながら、足元の明へと感心するデストロイキングボス。明の決死の行動により、攻守は逆転した。ルクレツィアは刃を振り上げて作り上げたデストロイキングボスの傷を踏み台に、巨体を登ってゆく。

「耐え切れたなら、勝機は在る――コローロ、お願い」
 スキアファールに、煌々とした“ひかり”が差し込んだ。スキアファールが受けたこれまでの傷を癒し、スキアファールの影を濃くさせてゆく。
「全力の霊障で、奴を吹き飛ばす!」
 膨らんだ力をデストロイキングボスへ向け、放つ。
「ぐ、うぉぉっ!!」
 スキアファールの全力の霊障を受け、デストロイキングボスが体勢を崩した。
 今こそ決着の時。
「これが『答え』だよ」
 ルクレツィアの刃が、デストロイキングボスの喉を裂いた。
「がっ、は」
 おびただしい血が滝のように零れ、デストロイキングボスが膝をつく。
「は、は……はははは!!!」
 デストロイキングボスが笑った。
「猟兵達よ、良いデストロイであったぞ!!」
 喋うるたびに、ぼこぼこと喉から血が飛び散る。それでもデストロイキングボスは喋るのを辞めず、 静かに、落ち着いた声で告げる。
「我が最期の言葉をもって、貴様達を称えよう」
 そして、デストロイキングボスは叫ぶ。
「我が生、それは……デェェェストロォォォォォイ!!!」
 デストロイキングボスの身体から赤い光が漏れ輝いた。
 その直後、激しい音と共に、デストロイキングボスは爆発四散するのであった。

 こうして、異世界からの魔王、デストロイキングボスは倒された。
 デビルキングの座を狙ったガチデビルの野望も潰え、7thKING WARは終わりを告げる。

「……あー、叫びすぎた……」
 けほ、と咳を一つ。スキアファールは喉をさすって、静かになった戦場を見渡すのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年05月23日


挿絵イラスト