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7thKING WAR㉓〜Dead-end:past

#デビルキングワールド #7thKING_WAR #召喚魔王『パラダルク』 #プレイング受付5月16日(月)23:59まで

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#デビルキングワールド
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#7thKING_WAR
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#召喚魔王『パラダルク』
#プレイング受付5月16日(月)23:59まで


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 実験戦艦ガルベリオン。戦艦と言えば軍服を纏う者達が規律正しい行動をこなしていると思うだろうが、実際は似つかわしくない光景が広がっていた。
 この軍艦に軍服に袖を通す者はいない。替わりに露出が多いオリエンタル調の服に身を包んだ少女達がくすりくすりと笑い合う。
 この軍艦の会議室では国を今後を憂い、陰謀渦巻く情報戦が繰り広げられることは無い。部屋に備えれた大きな机は撤去され、広々としたそのスペースでは先の少女の婀娜めく舞いが繰り広げられる。
「パラダルク様。儀式は順調でございます」
 そんな中、黒いオリエンタルな服に身を包んだ少女が部屋の奥の椅子に座す男へ報告する。
「そうか」
「このままいけば近々かの男を見つけられるかと。
 ――パラダルク様。ここのところ私をはじめ皆根を詰めて儀式を行っておりますので、その……」
 少女は男の胸へと垂れ、婀娜めいた目つきで彼を見やる。
「――決して油断はするな。その油断こそ取り返しのつかない結末を迎える要因となり得るからな」
「――御意」
 男の突き放すような言葉に少女は一瞬残念そうな顔をするも、すぐに表情を取り繕うと踊り子たちの群れへと戻っていった。


「新たな魔王へと続く戦場が開いたぞ」
 エドワード・ベアトリクス(運命の王子様(くま)・f28411)が早速とばかりに説明を続ける。
「今回君たちに向かってもらうのは実験戦艦ガルベリオン。ここにはガチデビルが異世界より召喚した魔王『パラダルク』が陣を張っている」
 パラダルクは竜の翼を生やした銀髪の若い男である。どの世界から来たかは不明だがその実力は他の魔王、ガチデビルにも引けを取らない。
「このパラダルクという男は万物を少女――ドラグナーガールという存在に書き換え使役するという力を有している。つまり君が持つ武器も魔法も、果ては空気すらも君たちの敵になり得るという事だ。
 そんな彼が仕掛けてくる先制攻撃のユーベルコードに適切に対処できねば、いかに死線を潜り抜けた君たちも無事では済まぬ」
 あまりにも規格外の力を持つパラダルク。ほぼ無敵と言える力を有しており正攻法で彼を倒すことはかなり難しい戦いとなるだろう。
「しかし彼を退けるには単に彼を撃破だけが方法ではない。
 彼の背後では少女たちが『儀式の舞い』が行われている。どのような儀式かは不明だが、この儀式を阻止することでも彼を退ける事ができるだろう。もちろんパラダルクそっちのけで行おうとすればあちらも君たちの行動を妨害してくるでな。気を付けてくれ」
   

 実験戦艦ガルベリオンへと足を踏み入れた猟兵達を迎えたのは享楽の園と呼ぶにふさわしい光景だった。
 甘ったるい匂いを纏う紫煙。煙の奥にからは数多の少女が美しい体躯を見せつけるように舞う姿が見え、女がくすくすと笑う艶やかな声が響き渡る。
「まずはよくぞここまで辿り着いたと称賛しよう」
 部屋の奥より低い声が聞こえた。
 声の方へ視線をれば白と黒の踊り子の服を着た女を装飾品の様に両腕に侍らせる男の姿。
「しかしここは行き止まりだ。他を当たるといい」
 銀の長髪を揺らし男――召喚魔王『パラダルク』は猟兵に告げる。
「お前達が私に勝つ未来は無い。それでも挑むか」
 男が言葉を紡ぐたび、くすくすと女の姦しい笑い声が響き渡り、数多の目が猟兵へと向けられる。
 値踏みされるような瞳とプレッシャーが猟兵達の全身へと圧し掛かるも――猟兵はパラダルクの目を真っ直ぐ見やり、迷わず各々の得物を引き抜く。
「……その瞳、実に不快だ。
 良いだろう、六番目の猟兵達よ。私の力を知っても向かってくるならば……碎輝と同じくお前達も、私が乗り越えるべき『試練』という事だ!」


遭去

 遭去です。イケメンとイケオジだったらどっちがお好きですか。

●パラダルク
 万物を美少女化して使役するというチートなユーベルコードを有してます。このユーベルコード以外の技も非常に強力です。
 彼は必ず先制攻撃を仕掛けてきます。この先制攻撃に対処しなければ必ず苦戦か失敗判定となりますのでご注意ください。

●儀式の妨害
 パラダルクを倒さなくても彼の背後で行われている儀式の成功を阻止(妨害)できた場合も依頼は成功となります。
 妨害をメインとする場合もパラダルクの先制攻撃には対処が必要です。

●プレイングボーナス
 敵の先制攻撃ユーベルコードに対処する(しない限り必ず苦戦か失敗になる)/踊るドラグナーガール達を倒す。

●シナリオ運営
 ゆっくり目に書いていく予定です。
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第1章 ボス戦 『召喚魔王『パラダルク』アンヘルブラック』

POW   :    パスト・ガールズ
レベルm半径内を【ドラグナーガールの大軍】で覆い、[ドラグナーガールの大軍]に触れた敵から【ユーベルコードの使い方の記憶】を吸収する。
SPD   :    リピートコード
【戦場内のドラグナーガールのいずれか】で受け止めたユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、戦場内のドラグナーガールのいずれかから何度でも発動できる。
WIZ   :    パラダルク・パラダイム
【水光土火樹薬風毒氷闇の十属性】によって【ドラグナーガールの軍勢】を発生させ、自身からレベルm半径内の味方全員の負傷を回復し、再行動させる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

夢幻・天魔
【超絶厨二病:厨二ならば何でもOK】

……目障りな奴だな。ここは俺の力を思い知らせてやるとするか

災機『Azazel』に搭乗して戦闘開始だ
恐るべき力を持つオブリビオンマシンではあるが、だからこそ囮になるというものだ
Azazelを犠牲に(ひどい)、先制攻撃を切り抜けるぞ

そして大破したAzazelから離脱し、『グレーターハーレム』を発動する

フハハハハハ!!!
全ての女子が傅くのは貴様では無く、この俺だ!
ドラグナーガールどもを纏めて、この俺のハーレムに加えてやろう!
フッ、666人の嫁の居たあの世界(※妄想です)を思い出すな……

ククク……そんな踊りなど止めて、俺の元に来い。可愛がってやろう……
(儀式阻止!)




「……目障りな奴だな。ここは俺の力を思い知らせてやるとするか」
 声と共に先陣を切ったのは黒き巨神だった。
 悪魔、否、告死天使を思わせるその黒きボディのオブリビオンマシンがこの戦艦の主である魔王パラダルクへと襲い掛かる!
『――やれ』
 対する魔王は自身を討たんとする勇者の登場に表情一つ変えず、指先を軽く鳴らした。
『きゃ~パラダルク様、ご指名ですか!?』
 間髪入れず儀式の場から現れた赤い踊り子の服を纏う少女達が現れパラダルクの腕へと体を絡めながらオブリビオンマシンへと指を向け。
『パラダルク様の邪魔する奴はぁ~死ね💗』
 指先から火球を生み出しオブリビオンマシンへと直撃させていった。
 オブリビオンマシンは果敢に炎を切り裂きながら突き進むも、踊るような業火に絡み取られた彼は魔王まであと僅かという所で膝をつくこととなった――。

「――ふっ、ここまでは我が作戦通りよ」
 燃えるオブリビオンマシンと相対するパラダルクの後方、正確には儀式の場の端っこのすみっこ。その柱の後ろに男の姿があった。
 男の名を夢幻・天魔(千の設定を持つ男・f00720)。その男からは(自称)数多の世界を救い、時に滅ぼしてきた、究極の戦士の風格を身に纏っていた。ちょっぴり髪の毛の先が焦げてるけど。
 髪が焦げているのにはふかーい訳がある。天魔は先程まで愛機のオブリビオンマシン『災機『Azazel』』に乗り込んでいたが、かのマシンが炎に巻き込まれる直前で離脱し、パラダルクたちの注意が愛機に向いている隙にここまで来たのだ。
 …囮に使うの酷くないかって?でもアザゼルは『ここは私に任せて先に行け』って言ってた(気がする)し酷くない。
『あらぁ? あなた誰かしら?』
 儀式の休憩のため部屋の隅へと移動してきたドラグナーガールズが怪訝そうな声色で天魔へと問いかける。
(「見つかったか。だがこれも計画通りよ!」)
「フハハハハハ!!! 少女よ、我がハーレムへと下るがいい!」
 天魔はすくっと立ち上がると、彼女たちへとびしっと指先を突きつけ堂々と宣言した。パラダルクに見つからないように小声で。
『あなた誰?』『猟兵?』『殺す?』
 天魔の誘いに?を浮かべるドラグナーガールズたち。
『そもそもあなたパラダルク様に比べて』
 最初は訝し気だったドラグナーガールズが天魔の漆黒の瞳と目を合わせた瞬間、瞳に炎が宿った。
『……意外と好みかも』『うん、ヤバ。カッコいい』
『黒い瞳すごい素敵……まるで†光無き昏き闇(エターナル・ダークネス)†を内包してるみたい』
 ドラグナーガールズたちが次々と天魔へと惹きつけられていく。それはそう、まるで恋愛ゲームにおけるヒロインたちの様に。
 ――ユーベルコード【グレーターハーレム】。戦場内を恋愛趣味レーションゲームの様な世界観に作り替え、女子は無条件で天魔に惚れてしまうこのユーベルコードの力はドラグナーガールズにも見事に作用した。
『ハーレムはともかく最近パラダルク様遊んでくれないし、遊んでよ』
「よかろう……フッ、666人の嫁の居たあの世界を思い出すな……」
 そんな九分九厘以上妄想が入った天魔のセリフはドラグナーガールズのキャッキャと婀娜めいた声に消えていった。
 その後天魔はどうなったか。
 新しい嫁ができた、と本人は言っていたが真相は定かではない。
 でも実際儀式の妨害は達成できたのでそこのところは曖昧でいいじゃないですか! 

大成功 🔵​🔵​🔵​

キング・ノーライフ
無機物や事象すら操り、敵の手練手管全て篭絡する魅了の王か。
我と色々被っていて気に食わんな。

まず初手【目潰し】の煙と光で視界を奪い、【衝撃波】を周囲に放って足止めを行う。その間に踊り担当のドラグナーガールに【化術】で化け、【演技】と【ダンス】で紛れるとしよう。流石に同士討ちで儀式の邪魔はせんだろうからな、我を見つけるのは時間が掛かるだろう。

初撃を凌いだら【王の暗殺】でよりドラグナーガール達に溶け込み、権能で踊るドラグナーガールの存在を奪い数を減らしていく。やれるなら最後にパラダルクにも一撃食らわせるか。「王への一矢はやがて魂を蝕む傷になる。汝、それを忘れることなかれ」と呪いの言葉をかけて去る。




「――気に入らん」
 漆黒の髪の間から除く金の瞳が苛立ちを滲ませ言葉を紡ぐはキング・ノーライフ(不死なる物の神・f18503)である。
 魔王パラダルク。その力は万物あらゆる物・事象を少女へと姿を変え服従させる、否、対象自らが跪く事に歓びを感じさせる魅了の王。
 対するキングは若輩なれど無機物を操りし神。色々と似通う所が多いゆえか、パラダルクというのは見ていて面白い人物ではない。
 そんなキングの心境を知ってから知らずか。当の魔王は表情一つ変えることなく言葉を紡いだ。
『立ち去れ、何度も言っているがここは行き止まりだ』
「いやだと言ったら?」
『――アイツを倒す前の試練。乗り越えてみせようぞ』
 パラダルクが指を鳴らすと、彼の周辺で踊っていたドラグナーガールズが音もなくキングへと纏わりつく。
『ねぇ、遊びましょうよ』
『きっと楽しいわ』
 少女たちの体が、腕が、指が、キングの体を無遠慮になぞり上げていく。
 享楽の宴の誘いに対しキングは眉を顰めるもすぐに傲岸不遜に口角を吊り上げる。
「ふんっ――歓待にしては品が無い!」
 キングの手から懐中電灯のような筒状のケースが零れ落ちた。
 瞬間、煙と光が周囲にいた魔王と少女の視界を焼き、衝撃波がパラダルクらへと襲い掛かる!
 衝撃波は少女たちが壁となったためパラダルクに攻撃が通ることは無かった。しかし、キングの姿は見失うこととなった。
(『逃げたか……否』)
 そもそもここは行き止まり。さっきのような目くらましして逃げるような猟兵はそもそもここまで来ることは無い。
 ならば男が逃げた先と目的は――
 パラダルクに侍る黒い踊り子の服を着た少女――アンヘルブラックが顔色を伺う。
『パラダルク様、いかがなさいますか』
『探せ。すぐ近くにいる』

 踊っている時、違和感がある。
 私は踊りながらぼんやりそう思った。
 さっきまでは皆は私で私は皆だという一種の安心感、一体感があった。
 しかし何だろう。先ほどの衝撃波が響いた直後から異物感、疎外感を覚えるのだ。むず痒い。
 ちらと違和感の先を目にすれば自分とあまり変わりのない『私たち』が踊っていた。
 でも誰だろう。私はみんなを知っているし皆は私を知っているのに私はあの子を知らない。
『あなた、もしかして――』
 その子は踊りを辞めると私に近づいてきて顔を覗き込んできた。
 初めて見る色だった。私たちの様な桃色の目でもパラダルク様のような綺麗な水色でもない、金の色――真鍮のような瞳が――。
 
『――遅かったですか』
 アンヘルブラックが妙な気配を察して急行すればそこは彼女の先ほど言葉にした通りの状況となっていた。
 十数人のドラグナーガールが踊っていたはずのスペースはただ一人の少女の姿を除いて姿を消してしまっていた。
「ああ、遅いな。貪り飽きてしまう所だった」
 一人佇んでいた少女が、傲岸不遜な笑みごと輪郭が滲んでいく。
 滲みは大きくなり体の全体を覆い尽くす。やがて滲みが消えたかと思えばそこに立っているのは偉丈夫、キングの姿。
 ――ユーベルコード【王の暗殺】。自身の姿を周囲の人に溶け込むような姿と成り、彼に触れた敵の存在や存在を保つ力を奪う。
 儀式の場に潜り込んだ彼はあっという間に事象の擬人化とでも言うべきドラグナーガールズの存在するための力を奪い取っていったのだ。
『感知が遅れなければこうはならんかっただろうが――まぁいい。儀式は遅れるがまだ対応はできる。ひとまずこの無遠慮な男を摘まみ出せ』
「ふんっ、言われなくても此度は退いてやるとも。だが――」
 キングは曲刀を構え、パラダルクに斬りかかった。
「王への一矢はやがて魂を蝕む傷になる。汝、それを忘れることなかれ」
『――いらぬ忠告に感謝する。幼き神よ』
 キングの一撃はパラダルクの横に侍るドラグナーガールの力により届くことは無かった。
 しかし何の力を持たない言葉は、呪いと成り魅了の王を縛る事だろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​

煙草・火花
ふ、ふしだらな……!
戦場をそのようにたくさんの婦女子を侍らせて、戦場をなんだと思っているのか……!

状況はともかくもかなりの強敵の様子
なれば、まずは妨害を優先させてもらうでありますよ……!

触れればユーベルコードの使い方の記憶を奪われる?
大いに結構!
小生、怪奇人間なれば! 元よりこの性質は体そのもの、使い方などという小難しいことなど考える必要などないのでありますから!
触れられるの同時に全身が怪奇人間としての本来の姿……ガス人間に
そして、小生のガスはすべて可燃性ガス
密閉空間にガスが充満したところで軍刀の着火装置を使って、捨て身の覚悟で丸々焼き尽くさせていただきましょう!




「は、破廉恥であります!」
 煙草・火花(ゴシップモダンガァル・f22624)は顔を顔を少し赤らめながら男を糾弾した。
 煽情的な服を着た少女たちが艶めかしい視線をパラダルクに向けながら彼の腕に自身の体を絡め、男はそれを平然と受け入れる。そんな光景は火花の日常にはほぼ見る事が無い状況で。
『あら、可愛らしい』『ねぇ一緒に混ざらない? 楽しいわよ?』
「結構であります!」
『や~ん、怒られちゃった~』
 ドラグナーガールの誘いに顔を一層赤らめ拒否する火花の反応をみて、彼女は達はきゃあと笑い合う。
「戦場をそのようにたくさんの婦女子を侍らせて、戦場をなんだと思っているのか……!」
『六番目の猟兵よ、そもそもここは戦場ではない。行き止まりゆえ、他を当たれ』
 両脇から聞こえる少女たちを一瞥する事もなく、端正な顔立ちの男は傲岸に言い放つ。
「パラダルク殿はそういう認識なのかもしれませんが、黙って見過ごせるわけないのですよ!」
 ガチデビルに召喚された異世界の魔王、パラダルク。碎輝を探すためという儀式を行っている情報は予兆で把握している。
 今は影響が無くても今後別世界の戦禍となりかねない。それは彼女の住むサクラミラージュにも波及するかもしれない。それは防がなければならない。
 七◯◯式軍刀丙を抜刀し火花はパラダルクを討つため地を蹴った。
『ならば碎輝と同じくお前達も、私が乗り越えるべき『試練』という事だ』
 パラダルクが指を鳴らす。瞬間、彼と火花の進路をふさぐように大量のドラグナーガールたちが現れた。
 駆ける火花をドラグナーガールズたちは自身の体を使って受け止め、自身の腕を使って動きを止めた。
「離せであります!」
『だぁーめ』
 火花の言葉にドラグナーガールはくすりくすりと笑うだけで腕に込める力は決して緩めない。
『あなたの力は私(過去)のもの』
『ねぇ見せて』
『あなたのすべて』
 それは全てを受けれいる海のようで。それは全てを飲み込む泥沼の様で。
 少女達が絡みつくごとに火花は脱力感、喪失感が強くなっていく。
 (「なるほど、これがユーベルコードを己の一部が奪われるというのでありましょう。しかし」)
「――大いに結構!」
 火花の力(ユーベルコード)が奪われる。それと比例するように彼女の形が崩れていく。
『――おまえ、人の型を持たないのか』
「ええ、正解ですよ異世界の魔王! 小生、怪奇人間なれば! 元よりこの性質は体そのもの、使い方などという小難しいことなど考える必要などないのでありますから!」
 部屋の至る所から発せられるは火花の声。
 そう、火花の正体は怪奇人間。彼女の体を構築するのはガスである。
 輪郭が無くなり、服が落ちる。それと反比例するように包帯が巻かれる腕は軍刀ごと宙に浮く。
「そして、小生の体を構成するのは可燃性ガス。これがどういう事かお判りでしょう?」
 火花の体が部屋に充満した時、その指が燧石へとかかった。
『――お前もタダでは済まないはず。そこまで命を賭ける理由がどこにある?』
 火花の止めるのは不可能だと判断したドラグナーガールが術式を展開していく。
 周囲で主を護るべくドラグナーガールが動く中、パラダルクは問う。
「愚問ですね! 私は追い詰められているからこうするのではありません。ここまでするから私なのです!」
 いつでもどこでも真っ直ぐに。彼女のその瞳には恐怖の影などありはしない。
 ――燧石を受け止めた火皿に小さな、しかし煌々と輝く火花が灯った。
 

成功 🔵​🔵​🔴​

荒谷・つかさ
●POW対抗
私、強い敵が居たら戦いたくなる性分なの。
欠片も怨みは無いんだけれど、付き合ってもらおうかしら。

呼び出されたガール軍団へ正面から殴りかかっていく
普通ならここでコードの記憶を抜かれて反撃失敗、となるところだけれど
生憎私はそもそも今回「ユーベルコードを使用しない」
そして私の「怪力」は生半可なユーベルコードによって得られるものを軽く凌駕する
つまりコード不使用であれど、コード使用者と同程度以上の戦闘力を素で持っている
ということで肉壁を「怪力」任せの格闘戦でぶちのめし、後方の儀式も力ずくで破壊し尽くすわ

実質死に能力の雑兵如きで、私を止められると思わない事ね。




 先の爆発で焼け焦げた儀式の間、数を減らしたドラグナーガールを見て魔王パラダルクは表情は変わらずとも内心苛立っていた。
 残ったドラグナーガールに躍らせている間に別の少女を補充して儀式の場を修復する――。それを達成するに必要な最短の計画を練り上げていく。
 しかし、そんな事を許せる程猟兵ものんきではない。
「私、強い敵が居たら戦いたくなる性分なの。
 欠片も怨みは無いんだけれど、付き合ってもらおうかしら」
『……ここは行き止まりだ。修練場でも決闘の場でもない。他を当たれ』
 パラダルクが警告を出すも、部屋を訪れた荒谷・つかさ(逸鬼闘閃・f02032)は聞きいれることもない。
 つかさの足が地面を蹴り上げる。
 目指すはもちろん目の前にいる魔王、パラダルク。
 拳を振り上げ脇を絞め、必殺の一撃を繰り出す――しかし、力強い一撃がパラダルクを捉えることは無く、間に入った一人のドラグナーガールがその身をもって受け止める。
『うふふっ、捕まえた』
『あなたの技は私(過去)のもの』
『ねぇそんな力は捨てて、一緒に遊びましょ?』
 一撃を受け止め喀血した少女の事を気にすることなく、他の少女たちがつかさの体へと纏わりついていく。
 つかさの体を白魚のような指がなぞる度、掬い上げられた記憶が奪われていった。
「……」
 その間も動くことなくその場に立ち続けるつかさを見て魔王も少女も堕ちたと思った――その時である。
 つかさはゆっくりと腕を動かすと体に纏わりついていた一人の少女の手を握り――放り投げた!
『――え?』
 宙を浮く少女は何が起こったのか分からないといった気の抜けた声を上げ、そのまま儀式を行うドラグナーガールへとぶつかっていく!
『な、なぜですか!? ユーベルコードの出し方を取り上げたというのに!』
「ユーベルコードの使い方を奪うのにって? それはそうよ。だって私ユーベルコードを使ってないもの」
 ユーベルコードの使い方が奪われる。それに対して色々な対処の仕方があり、今までの猟兵達も対策をしてきた。
 そしてつかさの答えは『ユーベルコードそのものを使わない』事。その分ユーベルコードの恩恵にも預かれない。
 しかし、それが何だというのだ。自分にはそんなものに頼らないでも戦える力があるというのに。

 下手なユーベルコードより恐ろしい純粋な力が儀式の間を襲う。
 それは風と成り少女を吹き飛ばし、それは地の力となり儀式の間を隆起させていく。
 つかさの猛攻からパラダルクは属性攻撃を持つドラグナーガールズを出すかと逡巡するも、吹き飛ばされてきた少女たちがぶつかってきてそれを成す時間もない。
『小癪な……!』
 青年の声に苛立ちが滲んだ。
 これが未来の魔王であったなら精神攻撃を持ってつかさに対抗できたかもしれないが、それができない過去にそれを求める事は酷であるというもの。
 そうしている間にも少女は吹き飛び、儀式を行う間は崩壊していった。
 
 

成功 🔵​🔵​🔴​

アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。

あーね、実質私と言われるわけだ。実際は赤の他人だし、起源的には向こうのが古くて上位互換だけど、まぁ、ジャイアントキリング(大食い)はいつものことよね。
それはそれとしてあなた覚悟がある人よね。万物を女の子化するということは自分もまた萌化させられる、その覚悟がある人よね。てか過去の姿が青年って中途半端なのよね。碎輝親分はショタから無限成長してるわよ?つまりはまだ全然同じ土俵にすらあがれてないのよね。だから、パラダルク様も男の娘になろ?碎輝親分に勝ちたいならまずそこからよ。

リミッター解除、限界突破、オーバーロード!真の姿の封印を解く。
マルチタスク(早業、瞬間思考力、高速多重詠唱)で結界術を同時展開。
ユーベルコードのコピー?いいわ、あえてコピーさせてあげる。でも、舐めプではなくコレは私の生存技法(サバイバル)。獲物を得るための罠。『夜』化現象をコピーしたなら脳内ピンクな頭セカンドカラーとなってパラダルク男の娘化に協力的に?
えっちなのうみそおいしいです❤




 戦艦の主にして異世界の魔王パラダルクの顔は非常に不機嫌に彩られていた。
 大多数のドラグナーガールは篭絡され、破壊された。儀式の間は焼け焦げた。先の猟兵達による儀式阻害はほぼ成しえたような物である。
 しかし魔王の口から撤退の言葉はいまだ出ない。まだ儀式を成しえると判断しているのか、よほどこの戦艦が重要なのか。
「過去だというのに青年姿とか……碎輝親分を見習いなさいよ、青年からショタまで網羅してるのよあの人」
 ため息と共に降り立ったのはエプロンドレスに身を包んだ少女、アリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗のケイオト艶魔少女・f05202)はパラダルクとその横に侍るアンヘルブラックを見やる。
 アリスはどことなくアンヘルブラックに熱い目線を送っているようだが……そのことは意に介さずパラダルクは険しい口調でアリスを問いただす。
『……今碎輝といったな。どこにいるk「ところであなた覚悟がある人よね」
『おい』
 全くパラダルクの話を聞くっていうか会話する気が無いアリスは続けて言葉を紡ぐ。
「万物を女の子化するということは自分もまた萌化させられる、その覚悟がある人よね」
 今度はアリスは厳しい目でパラダルクを見やり、指を突き出す。
「だから、パラダルク様も男の娘になろ?」
 ――数秒の無音が場を支配した。
『――言っている意味が分からない』
「いえね? てか過去の姿が青年って中途半端なのよね。碎輝親分はショタから無限成長してるわよ? あなたは青年から初老まで、つまりはまだ全然同じ土俵にすらあがれてないのよね。
 男の娘姿になる事で同じ土俵に立てるし、そのまま奇襲すればさすがの碎輝親分も呆気に取られてその隙を突いてって言う事できると思うのよね。碎輝親分に勝ちたいなら可能性を追求していきましょうよ。
 あと同じ男×男でもイケメンとイケメンっていう同属性が同じ画面にいるよりイケメンと男の娘が同じ画面にいた方が美味しいわ」
 ようやく言葉を紡いだパラダルクにアリスは提案を叩きこんでいく。
 作者的にはこの姿かイケオジ姿でくたばれ碎輝してほしいんですが駄目ですか。
「いえ、やっぱ男の娘よ(鋼の意志)」
 あっハイ。
『……下らん。そんな小細工せずとも過去と未来を従えた私には不要な提案だ。
 そもそも女装程度でどうにかなっていたなら当の昔に勝っていた』
「あら、残念」
 男が素敵な提案を一蹴し残っていたドラグナーガールを周囲に配置するのと、アリスが蠱惑的な姿に変身し空間をユーベルコードと結界を展開するのはほぼ同時……いや、パラダルクがやや先だった。
 パラダルクの予知していた通りアリスの結界術が場を支配する。
 ――『夜』化現象(デモン・フェノメノン)。多重詠唱結界術内にいる者たちは他者に寄生しエナジーを糧にする『夜』に憑りつかれダメージをもらう技である。
 結界に包まれたドラグナーガール達が一人、そしてまた一人膝から崩れ落ちていく。
『うふふ……素敵な技ね。お返ししてあげる』
 パラダルクの腕を抱くアンヘルブラックの瞳が怪しく光る。
 それと同時にアリスの体を疲労感、そして喪失感が苛み始める。
「へぇ……私の技ってこんな感じなのね。意外に気持ち良い物ね」
 汗を流しながらも口は軽やかに。
 自身の技をあっという間に模倣できる存在を従える。自分とやや似た魔術を使う魔王。
 実力差は圧倒的、だがジャイアントキリングはいつもの事だ。
 力の差など関係なく彼女のやりたい事をやる。これこそアリス・セカンドカラーなのだから。
『強力なユーベルコードを使えば使う程その災禍はお前に降りかかる。諦めて去る事だ』
「ふふっ……それはどうかしら? ねぇドラグナーガールちゃんたち?」
 瞬間、アンヘルブラックがパラダルクの腕を抱きしめる力が強くなった。
『何を……』
『パラダルク様、私……
 ……あなたの女装姿すごくみたいです』
『……は?』
 いきなり何をと頭がフリーズしている間にも周りのドラグナーガールズたちからも賛成の声が沸き上がる。
『見たーい』『絶対イイ』『髪は長いしぃ、顔も最高だからぁ、どんな服でも似合うと思うのよねぇ』『フリル♡』『踊り子♡』『いっその事碎輝コーデとか』『えっ、ヤバ天才……?』
 そんな事を宣いながらじりじりと距離を縮めてくるドラグナーガールに流石のパラダルクも後ずさりせざるを得ない。(実際はアンヘルブラックに捕まってるから後ずさりもできてないが。)
「ふっ、『強力なユーベルコードを使えば使う程その災禍はお前に降りかかる』この言葉、そのまんまお返しするわ。
 私のユーベルコードはダメージを与える以外にも『頭セカンドカラー化』する力があるのよ!」
『頭セカンドカラー化とはなんだ……』
 至極当然のツッコミがパラダルクの口から洩れた。
 上手く言葉にできないけど目の前で起こってるような感じになるってことさ。
「という事でドラグナーガールズちゃんたち♡パラダルク様をちょーっと抑え込んでいてね♡」
『はぁーい♡』
『待て、お前達。やめろ。 おいっ!』
 パラダルクの非難の声は少女たちの「トキメキ」に満ちた声に飲み込まれていったのだった――。


 こうしてこの戦場で繰り広げられていた謎の儀式は猟兵達の猛攻をもって中断させる事に成功した。
 魔王『パラダルク』は多少服をはだけさせる事には成功したものの無傷。そんな彼も隙を見て撤退したが、その後の行方は分かっていない。
 今後どうなるのか、一切不明。
 パラダルクと相見えるのは彼の宿敵と邂逅するその時なのかも……しれない。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年05月21日


挿絵イラスト