銀河帝国攻略戦⑮~白の城落とし
●白城艦隊
スクリーンに映し出される整然と並ぶ光点。
それは、白城艦隊と呼ばれる、精鋭中の精鋭艦隊。それは、見るだけでも、思い知らされるかのような威圧感を放っていた。
――ピッ。
そこに新しいスクリーンが浮かびあがり、何かが流れ出す。それは、艦隊戦の映像だった。そこには、数に勝る解放軍艦隊が一気呵成に攻め立てる、熾烈な戦いの様子が映し出されていた。そう、それは5時間ほど前の映像。
「皆さん、おつかれさまです」(シュン)
「私たちは、難攻不落の帝国大要塞『エンペラーズマインド』を突破し、快進撃を続けています。先ほどの映像は、白騎士ディアブロ直属の艦隊との戦いで、銀河帝国攻略戦の戦況は優勢と言っていいでしょう」
映像を消して、プルミエール・ラヴィンス(はじまりは・f04513)は猟兵たちに語りかける。
「しかし、皆さん、気付きましたか?」
猟兵たちは、映像の中で劣勢に見えた銀河帝国の艦隊が、大量の光の中で一糸乱れぬ整然とした動きで、互角以上に戦う敵艦隊の様子を思い浮かべる。そして、その中でもひときわ目を引く、大型の帝国宇宙戦艦が突出した状態で、大量の光の中に立ちはだかっていたことを。
「そうです。解放軍艦隊はこれまでの戦いで戦争にも慣れ、数でも勝っているため、現在は互角に戦う事が出来ています。しかし、その練度の差は歴然です」
再び、先ほどの映像を思い起こす。
「はい。戦いが長引けば、先に崩れるのは解放軍艦隊となるのは間違いありません」
周囲がざわつき始める。
「ですが、同時に光明も見えました」
「あっ……」
「勝利を掴むためには、敵の艦隊――白城艦隊の強みである『士気と練度』を、どうにかすれば良いのです」
プルミエールの説明に猟兵が反応する。前面の大型の帝国宇宙戦艦……あれが旗艦だろうか? 猟兵たちは思い描く。
「もうお分かりですね、敵の指揮官を倒してください。よろしくお願いします」
――ピッ。
●相対
「通信です!」
オペレーターが告げる。
「え? て、敵の、敵の白城艦隊から通信が入っています!」
慌てて告げる――、
――ヴン。
スクリーンが切り替わり、剛健な男が映し出される。
「お初にお目にかかる。ふむ、そこに居るのは猟兵か……、なるほど」
慌てた風もなく、堂々と、そして、自然と語りかけてくる。
「私は、クラウス。この艦隊は私が預かっている」
そして、私を倒すつもりなのだろう? と分かっているぞと目が語る。
「もちろん、私はここを引くことはない、当然お前達も引き下がるつもりはないのだろう? 此処で滅ぶのが我々か、それともお前達か、雌雄を決しようか。存分に楽しませてもらおう。健闘を祈る」
不敵に笑うと、スクリーンが消えた。
「よほど自信があるのでしょう、強敵のようです。それでは、みなさんの活躍を期待しています」
プルミエールは、頑張ってくださいと、力強く告げ、猟兵たちを送り出す。
千石まつり
ご覧いただきありがとうございます、千石まつりです。
銀河帝国攻略戦もそろそろ終盤戦ですね。その前に、その銀河帝国攻略戦から、⑮『白城』艦隊のシナリオをお届けします。
敵は帝国宇宙戦艦です。非常に強力な性能を持つ戦艦で、有能な指揮官によりより強力な存在となって、解放軍の前に立ちはだかります。この戦場での戦いがどうなるか、それは皆様次第です。超火力で攻めるか、敵の攻撃を防ぐか、作戦を練るか、色々な攻め手はあると思いますが、中途半端にはならないようご注意ください。
それでは、皆さまのプレイングを楽しみにお待ちしております。
がんばって参りましょう!
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このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
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第1章 ボス戦
『帝国宇宙戦艦』
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POW : フルバースト・コズミック
【全砲一斉射撃】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD : デストロイレーザー
【10秒間のエネルギーチャージ】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【主砲からのレーザー砲撃】で攻撃する。
WIZ : インペリアル・マカブル
【自身の稼働可能時間】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【帝国式鏖殺形態】に変化させ、殺傷力を増す。
👑15
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】
へっ、正々堂々とくるたぁね。
敵さんも相当自信があると見た。
オーケー。その挑戦、乗ってやんよ!
空間戦闘ならアタシのバイクが縦横無尽に動けるはず。
主砲の射線には入らないよう気を付けながら周囲を飛び回って
砲撃のターゲットを絞らせないよう撹乱する。
【人機一体】もブリッジからの死角に入った瞬間に使用し、
無人バイクとして意表を突く。
二人乗りを希望する仲間がいればもちろん快諾するよ。
攻撃はサイキックブラストとメーザー主体。
ただし、うまく火砲をかいくぐって懐に潜り込めたら
そのまま敵艦の甲板を加速しながら突っ走る!
最大限まで加速して、ブリッジ狙いの【黄昏砕く脚】をぶち込んでやるよ!
ルクレイフェ・アニェージ
たまらないわね、この一糸乱れぬ動き。
指揮官の統率の高さ、戦闘員の練度の高さ
物を極めるとある種芸術作品のように見えるわね。
大変好ましく思います、・・・ですが残念。
粉々にして差し上げるわ。
五指に魔力を宿し、リヨンラッゼを起動させる。
相手の規模が規模なので、ふふ・・・力を出し惜しむのは無礼ね。
親指の【強壮】【浄化】
人差し指の【破壊】【転換】
中指の【精神】【天候】
薬指の【調和】【肉体】
小指の【縁故】【顕現】
更に属性攻撃、全力魔法、高速詠唱、範囲攻撃
全ての属性を混ぜ合わせて1つの魔法へと変換する。
ユーベルコード【混血魔導・イッルジオーネ・ジャルダレオン】を発動
敵艦隊目掛けて隕石群を召喚し、攻撃するわ。
●始動
動き出した彼方先の光点。
その光の群れは1点を中心として縦横にゆっくりと広がってゆき、さながら傘が開くように、見るものに真円の波紋を思い描かせる。
「たまらないわね、この一糸乱れぬ動き」
甲板に、カツンと1つ音を鳴らすかのうように優雅に降り立って、微笑ましくその光を眺めるのは、ルクレイフェ・アニェージ(キメラレイド・f01367)。白い髪に白い瞳の気品あふれる魔術師であった。
「指揮官の統率の高さ、戦闘員の練度の高さ……。物を極めると、ある種芸術作品のように見えるわね」
共に何かを極めた者同士、通じるものがあるのか――。ええ、大変好ましく思います。と、ふっと少し瞼を伏せ、心で囁く。
――ですが残念。
ルクレイフェが薄く笑って再び光点を見ると、彼女のその白い瞳には、先ほどの称賛の面影はすでになく、試してみたいと言わんばかりに不敵な輝きを宿していた。
「粉々にして差し上げるわ」
そう宣言すると、この相手に力を出し惜しむのは無礼ね。と、微笑しながら、五指すべてに魔力を宿してリヨンラッゼを起動する。すると、彼女の周りに強大な魔力が渦まいて、周囲に干渉し始めた。
●強襲
「おおっ?」
甲板を滑るように宇宙バイクで駆け、飛び立とうとしていた、数宮・多喜(疾走サイキックライダー・f03004)は、その魔力の波に煽られてバランスを崩しそうになる。しかし、そこは持ち前の騎乗スキルで難なく立て直し、宇宙へと飛び立った。
「へぇ、こいつはすげぇ。アタシが時間を稼いでやんよ!」
振り返り、ビリビリくる魔力を感じて、その強大さに感心しながら、時間を稼ぐと大声で伝えてバイクを加速させた。
宇宙バイクを駆り、宇宙空間を流星のようにひた走る多喜。
そして、見えてくる艦影。それは、縦横に広がる白城艦隊の中心で先頭に浮かぶ大型の帝国宇宙戦艦。
「へっ、正々堂々とくるたぁね」
敵艦との距離をぐんぐんと詰めてゆきながら、眼前の敵艦と先ほどの通信を重ね合わせて独り言ちる。
あの通信はさすがに意外だったが……、まぁ、よく考えれば、それも当然か。敵は鉄壁を誇るって噂の白城艦隊で、敵さんも相当自信があるんだろうしなぁ。
「オーケー。その挑戦、乗ってやんよ!」
それに挑むと思うと不思議と体の底から湧いてくる昂ぶりに、気合を入れてさらに宇宙バイクを加速したとき、それとほぼ同時に宇宙戦艦からレーザーが放たれる。
「おっと」
多喜は宇宙バイクを捻って軌道を変えて避ける。
そして、レーザーが元居た場所を正確に貫くのを見て、こいつはやべぇ、とその精度に唸る。が、それも束の間、それを皮切りに、多数の艦から、レーザーが降り注ぐ。
射線に入らないように気を付け周囲をアクロバティックに飛び回って、なんとか回避しながら、サイキックブラストとメーザーで反撃するも、そのほとんどは障壁に阻まれる。その間にも、攻撃は徐々に熾烈になってゆき、隙もどんどん無くなってゆく。
そして、何度目かのレーザーを回避したとき、目の前を数本のレーザーが遮った。
「くそっ」
動きを読んだ予測射撃に、多喜は仕方なく急停止すると、その眼前には大型の帝国宇宙戦艦が見えた。その視界に映るのは、レーザーの発射光――
「しまっ、誘い込まれた!?」
やばいと思った。宇宙バイクを急いでフルスロットルするが、すぐに動き出す気配はない。そして、無慈悲にもレーザーが発射された。
眩い光に目をつむる。
――――。
しかし、巨大なレーザー砲撃は、少し離れたところを通って行った。
外れた? 近くを通ったため、若干身体が痺れるものの、大丈夫……だ。何があったのかわからないが、見れば敵艦は無防備。攻撃も止まっている。この機会を逃す手はない。
『気合入れろよ相棒…いくぜ。アタシたちは、一心同体さ!』
深く考えるのをやめ、軋む身体に宇宙カブが変形したパワードアーマーを纏うと、宇宙バイクへと変形して、高速で加速する。目指すは、もちろん帝国宇宙戦艦だ。
その超加速で一気に接近した多喜は、その勢いのままさらに限界まで加速すると、
『エンジン、サイキック、全開……超・変・身!てぇいやぁぁぁぁぁ!』
熱と電撃を纏った超高速の飛び蹴りで蹴り抜いた。
●箒星
彼方で光が爆ぜる。
そのとき、ルクレイフェも魔力の渦を集束し、巨大な力に変えていた。
親指の【強壮】【浄化】
人差し指の【破壊】【転換】
中指の【精神】【天候】
薬指の【調和】【肉体】
小指の【縁故】【顕現】
その魔力がリヨンラッゼの杖を通して『力』となって顕現する。
そのすべてを混ぜ合わせて1つの魔法へと変換する、それこそは【混血魔導・イッルジオーネ・ジャルダレオン】。
『我が一族究極の叡智を見せよう、次元の彼方を往く数多の星よ、その身を劫火に包み敵を灰燼と帰せ!イッルジオーネ・ジャルダレオン!』
それは幾つもの巨大な魔方陣が上空に浮かび、そこから現れるのは無骨で巨大な星の欠片。
それは魔方陣から零れると、涙のようなほうき星となって煌めきながら墜ちていった。そう……白城艦隊へと。
そして、それは多くの帝国宇宙戦艦を巻き込んで、いくつもの光をまき散らすのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
龍宮・蒼夜
「はてさて…要するに、指揮系統と砲の無力化ができればまぁ、いいのかな」
機械化した左腕と[念動力]使って直接[ハッキング]してやるかねぇ
[早業]の[情報収集][鍵開け]でセキュリティ突破
通信、連絡周りを乗っ取るな
ついでに[暗号作成]で勝手にセキュリティをかけ直してやろう
適宜内容は変えるよ
「ついでに砲撃の照準も弄らせて貰うかね」
カメラやレーダー等を狂わせて[目潰し]するか
対象が指定できなきゃ、一斉発射も役には立たないだろ?
それでも攻撃が飛んできたら[盾受け]と[オーラ防御]で凌ぐか
で、敵さんの砲台とかセキュリティ周りで対応してる連中は【爪持つ怪物の残滓】で[だまし討ち]
とことん妨害してやるよ
ラザロ・マリーノ
まさか生身で宇宙戦艦とやり合うことになるとはなぁ。
まあ、銀河皇帝を帝国ごとブッ潰そうってんだから、この程度は当然か。
まず、宇宙ドラゴンに【騎乗】。
構造可変体鱗の【迷彩】で、宇宙空間に溶け込んで見つからないように近づくぜ。
相手に気づかれたら【フェイント】を交えた【空中戦】での回避と、【オーラ防御】で攻撃をしのいで、
とりつたら、UC「グラウンドクラッシャー」を叩き込むぜ!
戦艦の一つや二つ、かるく片付けてやるぜ!!
●浸透
――時は少し遡る。
「はてさて……」
黒いぼさぼさの髪を触りながら、ぶらぶらしながら考えに耽りながら艦内を歩く。
「要するに、指揮系統と砲の無力化ができれば――、まぁ、いいのかな」
そう言って艦橋までやってきた、その青年は、龍宮・蒼夜(神威絶・f13698)。少し見渡したあと、近くのオペレーターに軽く声を掛けて、コンソールを借りると、
「ちょいとハッキングでもしてやるかねぇ」
と呟いてモニターを起動する。
驚くオペレーターを横に、コンソールを軽く叩きながら、しばらくモニターと見合っていたが、すぐにダメだわと、お手上げだとばかりにお道化て肩をすくめると、オペレーターにコンソールを返して、立ち去っていった。オペレーターはそれをただ呆気にとられて見送るだけであった。
しかし、蒼夜は気にもせず、次の目的地――格納庫へと歩みを進めてゆく。
そしてそこに居たのはドラゴン……。
「まさか生身で宇宙戦艦とやり合うことになるとはなぁ」
金の瞳のドラゴニアン、ラザロ・マリーノ(竜派ドラゴニアンのバーバリアン・f10809)が、喋りながら宇宙ドラゴンを撫でて労わっていた。宇宙ドラゴンが目を細めて嬉しそうにしている。
「まあ、銀河皇帝を帝国ごとブッ潰そうってんだから、この程度は当然か……ん?」
ラザロの目に留まったことを察した蒼夜は軽く挨拶をすると、ラザロに戦艦まで運んでほしいと依頼する。
それに対し、初めは難色を示したラザロであったが、ドラゴンを怖がらない蒼夜を見て、
「まあ、俺も出るところだったからな」
と仕方なく了承すると、ラザロは宇宙ドラゴンに乗って宇宙空間へと飛翔する。
そして、ラザロは鱗を変化させると、スウッと宇宙空間に溶けこむように姿を消していった。
……。
2人は無言のままゆっくりと見つからないように宇宙戦艦に近づいてゆく。
道中レーザーと格闘する猟兵を横目に、彼らはより深く浸透してゆくのだった。気付かれなかったのは、その猟兵が彼らをより目立たなくしていた、とも言えるだろうか。
「あー、ここでいいよ」
そして、礼を言う蒼夜を途中で降ろし、ラザロは更に注意深く、機会を窺っていた。
●暗躍
「……当たりだな」
1隻の宇宙戦艦に潜り込んだ蒼夜は、機械化した左腕を端末に叩きつけると、強引にネットワークに介入していった。セキュリティを突破し、通信鍵を手に入れる。これでほぼ詰みだろう――。
蒼夜は予想以上に思い通りに進む展開に、振り返る。
スペースシップからハッキングしたときは、ダメだった。それは回線が閉じていたから。
まあ、侵入される可能性があるならそうするよな。だが、これだけの艦が通信を全くしないわけがない。そして乗り込んでみれば、予想通り、内側の回線は生きていた。しかもご丁寧に、分散システムになってると来た。
なるほど、絡繰りも見えて来たってものだ。
「さて、砲撃の照準でも弄らせて貰うかね」
分かったところで、早速カメラやレーダー等を狂わせて目潰しするか。対象が正しく指定できなきゃ、一斉発射も正確な射撃もできないだろ?
蒼夜はシステムをハッキングして、砲撃の照準を狂わせ、障壁を解除し、とことんまで妨害して艦を離れる。
折りしもこのことが1人の猟兵の危機を救ったことを、彼は知らない。そして、この艦はそのあと、ほうき星によって光と消え、その痕跡も失われることになる。が、敵のシステムが負ったダメージは計り知れなかった。
この戦いにおける1つの転機であった。
●追撃
そして時は追い付き――。
戦艦を集めた、精鋭の白城艦隊も満身創痍。
ほうき星は白城艦隊を容易く貫いてゆき、その陣形も破れた傘のようにズタズタに寸断されていた。
ラザロはほうき星が通り過ぎると、すぐに攻勢に出る。すでに目標は目の前だ。
迷彩を解き、巨大な帝国宇宙戦艦――旗艦に取り付くと、放たれる幾つものレーザーをフェイントによって回避して、ドラゴンハルバードを振り上げる。
『グラウンドクラッシャー』
武器を叩きつけると、戦艦の甲板が大きく歪み破断する。
「まだだ! 戦艦の一つや二つ、かるく片付けてやるぜ!」
ラザロは吠え、何度も叩きつけた。その度に装甲は歪んで破壊されてゆく。それは、ラザロを狙うレーザーの数が増え、精度が高まって、ラザロが危険を感じて艦を離れるまでしばらく続いた。
帝国宇宙戦艦はまだ墜ちてはいなかったが、形勢は大きく解放軍へと傾いてゆくのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ビスマス・テルマール
指揮をしてる艦に打撃を与えれば、戦況の流れは此方に傾く
なら此処で決めるしか無いじゃないですか
●POW
『情報収集』で敵艦隊の位置と射撃を把握
トリニティ・チルドナメロウで
攻撃力重視で発動
冷やし孫茶バリアを展開し
『見切り』で主砲の直撃を避けつつ『盾受け』『オーラ防御』を併用しカス当たりなら構わず力押し突撃
ディメイション・なめろうブレイカーで『一斉発射』『2回攻撃』『鎧砕き』『鎧無視攻撃』『早業』を併用した砲撃で火力押し、近接したら『零距離射撃』も追加し『早業』併用で側面から近距離攻撃
冷凍クロマグロソードで『鎧砕き&鎧無視攻撃』『2回攻撃』を併用し斬り
一撃離脱を繰り返します
※アドリブ掛け合い大歓迎
シン・コーエン
有能な指揮官を倒すのは戦争のセオリー。
この機会、決して逃さん。
画像を見ると敵主砲は前面固定。
宇宙バイク”シャドウフレア”を【騎乗】【空中戦】で縦横自在に
操って宇宙を駆け、主砲射線上に入らぬように接敵しつつ、
UC(灼星剣皇)で”愛刀の灼星剣のコピー:灼星剣皇”を創造。
大きさは縦10cm*横10cm*(刀身の長さ)1400m。
灼星剣はサイキックエナジーでできた光の剣ゆえ、
大きさに関係無く振り抜ける。
無線で仲間の猟兵に退避を呼びかけた後、敵艦後方から
UC(万物両断)と、更に【衝撃波】を纏わせた斬撃で敵艦を
一気に両断!
更に【2回攻撃】で斬り下げた後、即座に斬り上げる。
戦略戦術を凌駕する、これが俺達だ!
●突破
「指揮をしてる艦に打撃を与えれば、戦況の流れは此方に傾く」
まさにその通りになりました、と的確に状況分析するのは、ビスマス・テルマール(通りすがりのなめろう猟兵・f02021)、ビスマス結晶のクリスタリアンの少女であった。
いまだ中央に座する巨大な帝国宇宙戦艦も、ひどく破損して、いつ墜ちてもおかしくないと思えるほど、戦況は大きく解放軍に傾いた。しかし、それでもなお、わずかに残る戦艦で辛うじて陣形と呼べる状態を保ちながら、しぶとく留まり続けて、解放軍を脅かしているのである。
「なら此処で決めるしか無いじゃないですか!」
そう言うや否や、ビスマスは冷製なめろう料理のカードを取り出して鎧装に挿入する。
『Namerou Hearts Chilled!』
鎧装がカードを認識して機械音を上げると、身体から力が湧いてくる。
此処でこの戦いを終わらせる。その想いを込めて、ビスマスは高らかに宣言する。
『冷製なめろう武装転送っ!』
すると、何処からともなく現れた、冷やし孫茶のバリアが左腕に、冷製なめろう水餃子型の鎧装が身体に、冷凍クロマグロソードが右手に装着される。まさしく完全武装だ。
そしてその横を、激しく炎のような衝撃波をまき散らして、駆け抜けてゆくものがいた。
「有能な指揮官を倒すのは戦争のセオリー。この機会、決して逃さん」
その男は、金髪に青い瞳のスペースノイド、シン・コーエン(スペースノイドのフォースナイト・f13886)であった。
シンが帝国宇宙戦艦へと宇宙バイクを駆けるのに続いて、ビスマスも冷やし孫茶のバリアをシールド状に展開して突撃する。
近づく猟兵たちに、敵艦から多数のレーザーが放たれる。
ビスマスは、1本1本のレーザーの殺傷が低いと見て、冷やし抹茶のバリアで受け、いなしながら、強引に近づいて行く。しかし、近づくほどに四方八方からレーザーが舞い、抵抗が激しくなる。
「くっ」
レーザーの精度は、以前と比ぶべくもないほど落ちているが、それでも驚くほどに鋭く撃ち込まれてくる。
しかし、ビスマスは独りではなかった。シンが縦横自在に駆け抜けて、灼星剣を振るえば、レーザーの狙いも分散し、シンを狙うレーザーはビスマスがバリアで逸らして躱してゆく。鋭く撃ち込まれる多数のレーザーも、2人の猟兵の動きを捉えることができていなかった。
●決戦
そして遂にレーザーを潜り抜け、巨大な帝国宇宙戦艦にたどり着く。
「とうとう来ました! 行きます!」
ビスマスは素早くディメイション・なめろうブレイカーを起動すると、帝国宇宙戦艦に向けて、一斉に砲撃を繰り出した。
既に半ば壊れた装甲が更に砕かれて爆発する。
それを見て、いまが機会だと、シンは手をかざして、精神を研ぎ澄ます……。
イメージするのは愛刀――灼星剣。最高にして至高の、深紅の力を注ぐ器――。
『我が剣よ、無限の想念の元、全てを超越せし剣皇として顕現せよ!』
そして現れた一本の柄を手に取ると、シンから注がれるエナジーが深紅に輝く光の刃となって現れる。
大量のエナジーが注がれた、その長大な刀身はなんと1400m。だが、まさしく愛刀のごとく手に馴染むこの感触に、これなら――と手応えを感じて、振り上げる。(――フォン)
『灼光の刃よ全てを両断せよ!』
そして、シンが振り下ろした深紅の光は、あらゆるものの存在を許さないかのように打ち払う。
その刃は巨大な帝国宇宙戦艦の甲板を深く深く切り裂いた。が、シンはまだ浅いと、続けざまに渾身の力で斬り上げて戦艦をさらに分断する。
そこに、追い打ちとばかりに、ビスマスが手に持った冷凍クロマグロソードでガキンと叩き、更に深く亀裂を広げる。もう巨大な帝国宇宙戦艦に元の面影はほとんど残っていない。
そして2人は戦艦から離れると、
「戦略戦術を凌駕する、これが俺達だ!」
シンは最後の力を振り絞って、止めとばかりに灼星剣皇を振り下ろした。
それは巨大な帝国宇宙戦艦をまさしく両断し、戦艦は巨大な光となって爆発し宙域を照らした。
残っているのは残骸だけ。肩で息をつくシンとビスマスは、解放軍のスペースシップに、戦いが終わったことを伝え、帰投するのだった。
●制圧
そして、そのあとは一方的な戦いとなった。
指揮官を失った白城艦隊には、もう抵抗する力は残っていなかった。
先ほどまでの抵抗はまったくなく、残っていた艦は、解放軍によって殲滅されていった。
この宙域の白城艦隊は撃破され、解放軍はまた1つ歩みを進める。
目指すは、銀河皇帝……。解放軍が銀河皇帝と相まみえるのも、そう遠くない未来かもしれない。
了
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴