7thKING WAR㉓〜VS若き姿のイケメン魔王
●グリモアベース
「イケメン魔王が女の子を集めて怪しげな儀式をしているのです! すぐに止めなきゃだね☆」
逢川・思惟(AIオペレーター『ICちゃん☆』・f37133)は、いつになく真面目な表情で依頼の説明を始める。
七代目デビルキング争奪戦『7th KINGWAR』も終盤戦。
魔王ガチデビルが特級悪魔契約書で召喚した『イケメン魔王』こと、異世界の魔王パラダルクがとある場所に停泊された巨大宇宙戦艦でなにやら「怪しげな儀式」を執り行っているという。
「儀式の詳細は不明だけど、多分、すごくタイヘンなことになると思うのです! でも儀式は完了してないみたいだから、すぐに阻止すればなんとかなる……よね☆」
普段は天真爛漫な思惟も、珍しく不安げな様子だった。
それもそのはず、パラダルクが使うのは、万物を少女(ドラグナーガール)に変える、カオスで凶悪なユーベルコード。儀式の完遂によって起こるのは、カタストロフ級の大惨事かもしれないのだ。
「儀式を阻止する方法は主に2つ。イケメン魔王を倒すこと……それから魔王の後ろで『儀式の舞』を踊っているドラグナーガールちゃんたちの邪魔をして儀式を中止させることです! 世界のピンチなんだから、手段を選んでられないよね☆」
今回の任務はあくまで儀式の完遂を阻止すること。パラダルクを倒すことではない。
どんな手段を使っても儀式を阻止できれば任務は達成できる。
要は「将を射んと欲すれば先ず馬を射よ」ということである。
続いて、思惟はパラダルクとの戦闘について言及する。
「イケメン魔王は女の子の軍勢を操ってガンガン攻撃してくるのです! やっぱイケメンってズルいよね☆」
パラダルクは猟兵たちに対し、ドラグナーガールの軍勢を容赦なく放ってくる。
ドラグナーガールは10属性の事物を少女型に変異させた存在であり、パラダルクの忠実な下僕。万物の力をその身に宿して襲いかかってくる油断のならない相手である。
そして、思惟はこれは特に『重要なこと』だと前置きした上で、言葉をつなぐ。
「イケメン魔王はテレポートしてくるキミたちを待ち構えているのです! まずはその対処しないとだね☆」
パラダルクはテレポート直後の猟兵たちにすぐさま先制攻撃を放ってくるだろう。
この戦いでは、敵の先制攻撃に何らかの対処をしなければ、「苦戦」は必至だ。
敵が放つ強力な先制攻撃をいかに防ぐのか。それがこの戦いのポイントとなる。
「イケメン魔王はガチで強くてヤバヤバだけど、諦めなければ絶対なんとなるのです! みなさん、ネバーギブアップだよ☆」
思惟は自分なりの言葉で激励すると、猟兵たちにグリモアの光を放つのだった。
●巨大宇宙戦艦『儀式の間』
そこはまるで宇宙のダンスホールだった。
壁面、天井、床の全面に設えられたスクリーンに映し出される満点の星々。
天井では太陽を模したような明るい照明が燦々と室内を照らす。
さらに、天井には多数のミラーボールも吊るされ、煌らびやかさを演出していた。
そんな中、ダンスホールの奥で踊るのは、この「儀式」の要であるドラグナーガールの踊り子たち。
メラメラダンス、シャバシャバダンス、クネクネダンス、キラキラダンス、ニョロニョロダンス、フワフワダンス、ソヨソヨダンス……と、おのおのが個性的なダンスを披露していた。
そして、ホールの中央に設置されたお立ち台に君臨しているのは、過去と未来の属性を持つ二体のドラグナーガールを侍らせた『魔王・パラダルク』。
過去属性のドラグナーガールの影響により、若き日の姿と化した彼は、その双眸に揺るがぬ意志を宿し、儀式の完遂を待つ。
すると、儀式を阻止すべく、続々と転移してくる猟兵たち。
「六番目の猟兵達か……どうやら警告を無視してやってきたようだな」
パラダイムは猟兵たちを見据え、猛烈な殺気を放つ。
「私の力を知っても向かってくるのならば……碎輝と同じくお前達も、私が乗り越えるべき『試練』ということだ!」
魔王パラダルクは猟兵たちを排除し儀式を完遂させるべく、ドラグナーガールの大軍を差し向けるのだった。
刈井留羽
こんにちは。刈井留羽です。オープニングをご覧くださりありがとうございます。今回も『7th KINGWAR』の戦争シナリオ(一章完結)でございます☆
●目的
魔王『パラダルク』の儀式を阻止すること。
パラダルクは儀式を阻止すれば撤退するので、倒さなくても任務完了(シナリオ成功)となります。
●戦場
デビルキングワールドのとある場所に停泊された巨大宇宙戦艦の内部に作られたダンスホールのような儀式場。天井も高く広大な空間で大勢のドラグナーガールが「儀式の舞」を踊っています。
※驚異的な頑丈さを誇る戦艦なので、激しい戦いでも壊れたりはしません。
●プレングボーナス《重要》
①敵の先制攻撃ユーベルコードに対処する。
パラダルクはプレイングで指定したユーベルコードの属性(POW、SPD、WIZ)と同じ属性のユーベルコードで先制攻撃を仕掛けてきます。対処しなければ、判定は必ず苦戦か失敗になります。ご注意ください。
②儀式の舞を踊るドラグナーガール達を倒す。
儀式を阻止するために、「儀式の舞」の邪魔をするという選択肢です。
とはいえ、ドラグナーガールは個性的なダンスを踊りながら抵抗してきます。
各々が10属性のうちのいずれかの力を宿しており、それに応じた反撃をしてくるようです。
補足は以上です。シナリオ公開後、すぐにプレイング受付開始。
プレイング受付状況はタグでお知らせ致します。
それでは皆様のプレイングを心よりお待ちしています!
第1章 ボス戦
『召喚魔王『パラダルク』アンヘルブラック』
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POW : パスト・ガールズ
レベルm半径内を【ドラグナーガールの大軍】で覆い、[ドラグナーガールの大軍]に触れた敵から【ユーベルコードの使い方の記憶】を吸収する。
SPD : リピートコード
【戦場内のドラグナーガールのいずれか】で受け止めたユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、戦場内のドラグナーガールのいずれかから何度でも発動できる。
WIZ : パラダルク・パラダイム
【水光土火樹薬風毒氷闇の十属性】によって【ドラグナーガールの軍勢】を発生させ、自身からレベルm半径内の味方全員の負傷を回復し、再行動させる。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
夜刀神・鏡介
強敵なのは肌で感じるが、それにしてもまた変なのが出てきたというか
だが、俺のユーベルコードは基本的に超常現象の類ではなく、あくまで鍛えた……刀を振るい続けた結果
記憶を奪おうと、身体に染み付いたそれも消し去る事はできまい
という意味では然程驚異ではないのだが……それはそれとして、攻撃を受けてやる理由もない
神刀を抜いて走って壁際まで移動
俺の行動にも制限がかかるとはいえ、ほぼ正面だけに集中すれば良い分立ち回りは単純だ
やってくるドラグナーガールを斬撃波で牽制しつつ、刀の射程圏内まで入ってきたなら直接叩き切る
どうしても押し切られそうならば、一壁を蹴って跳躍。相手の頭上を飛び越えてから移動を試みよう
●戦場を駆ける
巨大宇宙戦艦・儀式の間。ダンスホールのような戦場で決戦の幕が上がる。
魔王パラダルクの傍らに立つ過去属性のドラグナーガールの両手のひらから、どす黒い波動が放たれ、護衛のドラグナーガールの大軍に「過去属性」の力を宿す。
「この者たちは触れた敵のユーベルコードの使い方の記憶を吸収する。貴様らに、万に一つも勝ち筋はない!」
あえて能力を開示するパラダルク。それは自らの力に対する絶対的な自信の表れだった。
❖
夜刀神・鏡介(f28122)は、ドラグナーガールの大軍を静かに見据えると、ホールの壁際まで一気に駆け抜け、壁を背にして立ち止まる。
こうすれば背後から攻撃されることなく、正面からの攻撃のみに意識を集中できる。
一対多の戦いに慣れた鏡介は、即座に戦いやすい状況に身を置くと、森羅万象を悉く斬る神刀【無仭】を抜き放ち――。
「先ずは敵陣を崩す!」
大波の如く押し寄せてくるドラグナーガール大軍に、斬撃波を放つ。
虚空を斬り裂く、斬撃の刃。それは密集陣形の敵勢に死神の鎌の如く襲いかかり、複数体の首をまとめて刎ね、陣形を瓦解させていく。
「散開だ! 散開しろ!」
後方で戦況を俯瞰していたパラダルクから指示が飛び、一斉に散らばるドラグナーガールの軍勢。
(なかなか判断が早いな……)
鏡介は神刀を振るって斬撃波を放ちながら壁際を不規則に走り、敵勢の混乱を誘うと、壁を背にしたまま、捌の型【水鏡】(ハチノカタ・ミズカガミ)の構えを取り、敵を見据える。
敵は武器を持っていない。
おそらく攻撃は素手による打撃。
遠距離攻撃も警戒すべきだが、「触れること」がユーベルコードの発動条件ならば、接近して致命打を狙ってくるに違いない。
さらに敵はそれぞれが属性の力を身に宿しており、属性攻撃も懸念された。
(ここからは敵の動きを見極めながらの戦いになるな……)
鏡介は落ち着いて状況判断し、牽制の斬撃波をかいくぐってきたドラグナーガールと対峙する。
一体目、火属性のドラグナーガール。
拳に炎を宿しており、炎を舌のように伸ばして攻撃してくるが、先読みしやすい単調な攻撃だ。鏡介は大振りの拳撃を誘導すると、カウンターで突きを放って仕留める。
二体目、風属性のドラグナーガール。
風のように動きが速く、反応速度も火属性と段違い。
手刀での攻撃が刀のように鋭く、間合いのとり方や攻撃のタイミングが「剣士」に近い。鏡介にはわざと隙を見せて手刀での攻撃に誘導し、それを神刀で受け流して体勢を崩し、そのまま袈裟斬りで仕留める。
二体を倒して手応えを掴んだ鏡介は、その後も敵の動きを見切って攻撃を誘導し、ドラグナーガールを斬り伏せていく。
そして、十数体目――。
蛇のようにクネクネした動き。紫色をした長い爪が伸びている。
おそらく爪で相手を傷つけ、猛毒を体内に流し込むのだろう。
(毒属性か……嫌な予感がするな)
鏡介の第六感が危険を告げていた。
すると、突然、ドラグナーガールの長い爪が、自らの喉元を突き刺し――。
(これは!?)
咄嗟にバックステップで距離を取る鏡介。その刹那、ドラグナーガールの体が破裂し、周囲に紫色の煙を撒き散らす。
(自刃で毒ガスをばら撒く能力か……危なかったな)
鏡介は間一髪で危機を回避したが、そのとき生じたわずかな隙に、機動力のある風属性のドラグナーガールの群れに囲まれてしまう。牽制に斬撃波を放つも、素早い動きで躱されてしまう。
だが、鏡介は落ち着いていた。
「「「シネェェ!!」」」
好機と見て、一斉に飛びかかってくる風属性の少女たち。
(今だ!)
寸前に鏡介は壁を背にして真上に跳躍。さらに壁を蹴って水平方向への力を加え――ドラグナーガールの集団の頭上を駆け抜ける。
そして、敵の背後に着地すると、怯んだ敵に斬撃波を連発し、10体の敵をまとめて屠る。
鮮やかな空中移動からの逆転。指揮を取るパラダルクは――。
「くっ! 私の下僕たちが手玉に取られているだと……!」
お立ち台の上で驚愕し、すぐに次のドラグナーガールの軍勢を差し向ける。
「さあ、来い! 俺はまだ戦えるぞ!」
長時間の戦いでも、鏡介の闘志は失われてはいない。
その後も鏡介は驚異的な継戦能力でドラグナーガールの軍勢を薙ぎ払い、鉄壁の防御を切り崩していくのだった。
大成功
🔵🔵🔵
月夜・玲
何でもかんでも女の子にするとか…
ドン引き…
嫌な趣味な上に普通に強いのは嫌な感じ
なので嫌がらせだ!
●
《RE》IncarnationとBlue Birdを抜刀
大軍に対して『斬撃波』で何体か纏めて『吹き飛ばし』ながら近寄らせないよう立ち回ろう
攻撃も『オーラ防御』で生成した盾や、『武器受け』してなるべく喰らわないようにしようかな
それでもまあ、完全ガードとはいかないよね
…ま、使い方を吸収したところでコレは君たちじゃあ使えないよ
コレは私の作った模造神器が無い限り意味を成さない技だからね
【Code:P.S】起動
狙いは踊る子達
最大威力の斬撃波で遠距離から斬る!
二太刀による『2回攻撃』
儀式の邪魔はさせて貰うよ
●着実に進む儀式
巨大宇宙戦艦・儀式の間。ダンスホールのような戦場で、儀式は着実に進行していた。
「クククッ、順調に進んでいるようだな……碎輝よ、待っておれ……雪辱の時はもうすぐだ!」
どうやら魔王パラダルクの儀式は仇敵を捜すためのもののようだった――だが、その儀式が完遂された結果、実際に何が引き起こされるかはわからない。パラダルクの能力を考慮すれば副次的に大惨事が起こる可能性は否定できない。安閑としてはいられる状況ではなかった。
●電光石火
森羅万象――水、光、土、火、樹、薬、風、毒、氷、闇の10属性に関わるすべての事物を自らに忠実な少女『ドラグナーガール』に変異させ、支配下に置くユーベルコード。
魔王・パラダルクの発動した恐るべきユーベルコードにより、戦場には同じ顔をした「女の子」で溢れかえっていた。
「うわぁ……何でもかんでも女の子にするとか……ドン引き……」
月夜・玲(f01605)は敵のカオスで悪趣味なユーベルコードに不快感をあらわにする。
「嫌な趣味な上に、普通に強いのは嫌な感じ……なので嫌がらせだ!」
他人に迷惑をかけた上に、不快感を撒き散らすなんてサイテーだ!
普通に強いのもなんだか気に入らない!
儀式を滅茶苦茶にし、迷惑男にも嫌な気分を味わってもらう。
深刻な状況でも、いつもどおり自由気ままな玲である。
とはいえ、そんな彼女とて有能な猟兵……お仕事は一切手を抜かないのである。
そうこうしているうちに――。
「行け、ドラグナーガール! その娘を捻り潰してやれ!」
後方からパラダルクの声が飛び、密集陣形を組んだドラグナーガールの大軍が玲への突撃を開始する。
「I.S.T起動! まずはあの子たちを迎え撃つよ!」
I.S.T(Imitation sacred treasure)とは、UDCの力の再現を目指して玲が開発した特製ガジェット。
黒剣型模造神器の『《RE》Incarnation』とフォースセイバー型模造神器の『Blue Bird』。二振りの『模造神器』がI.S.Tによって再現され、玲の左右の手に収まる。
そして、玲が二振りの剣で虚空を薙ぎ払うと、同時にUDCに由来する禍々しきオーラが吹き出し、黒き波動を帯びた烈風のような斬撃波が生じ――。
――ギャァアアアア!!
轟々と吹き荒れる黒き嵐に巻き込まれたドラグナーガールの一団が悲鳴を上げながら吹き飛ばされ、密集陣形の中央に大穴が空く。
「散れ! 散れ!」
ドラグナーガールの大軍は、パラダルクの指示を受け、即座に散開。
機動力が高い風属性のドラグナーガール、さらに猪突猛進型の火属性のドラグナーガールの一団が、玲に反撃すべく左右から挟撃を仕掛けてくる。
「おっ、迅速な動きだね! 私もこうなることはなんとなくわかってたよ!」
驚異的な第六感。玲は慌てず騒がず、左右の模造神器から禍々しきオーラを吹き出させ、巨大なオーラシールドを展開。左右から迫り来るドラグガールの群れを堰き止める。
そして玲は――。
(左右のシールドの出力は50%ずつ……それほど長くはもたない! しかし今はそれで十分!)
大地を力強く踏みしめ、手薄になった正面の敵陣へと突っ込んでいく。
目指すはパラダルクの背後で「儀式の舞」を踊るドラグナーガールの踊り子の集団。
「このまま突っ切る!」
玲の動きを察知し、足止めしようと立ち塞がるドラグナーガールの波状攻撃を、二振りの太刀で受け止め、弾き返しながら、最短距離で疾走する。そして、玲の視界に入ってきたのは踊り子の群れ。
「見えた!」
すかさず玲は『Code:P.S(コード・プラズマスラッシュ)』を起動すると、左右に構えた太刀がまばゆい雷光を帯び――。
「出力最大! さあ、一撃デカいのをお見舞いしようか!」
そして、玲が十字に薙ぎ払った左右の太刀から発生したのは稲妻を帯びた巨大な斬撃波。それは地を抉るように飛翔、儀式の舞を踊るドラグナーガールの一団へと襲いかかり――。
――ズババババババ!!
斬撃波とともに高密度の雷撃が弾け、ドラグナーガールたちは断末魔の悲鳴を上げる暇もなく、瞬時に蒸発する。恐るべき威力の斬撃。甚大な被害を受けたパラダルクは動揺をあらわにする。
「くっ! なんだあれは! 大量の巫女が一瞬で溶けたぞ!」
それを見て、満足げに微笑む玲。「嫌がらせ」は大成功である。
しかし、最大出力の一撃は体への負担も大きく――玲はガクリと膝をつく。
「……これでもうガス欠だ……しばらくは満足に動けそうもないね……」
こうして一仕事を終えた玲は、一時退避を決断するのだった。
大成功
🔵🔵🔵
キング・ノーライフ
その場の何もかもを誘惑する魔王か、
敵を篭絡して従者にしてきた我とやや被るな。
なら遠慮なく行くか。
【ヴァーハナ】に乗り込み、
【目潰し】の煙幕と【運転】テクでパラダルク達の動きまくる事で
ヴァーハナの擬人化を封じつつ大軍に【内臓ガトリング】の【弾幕】でガールズを蹴散らしていく。
初手を封じたら【ビルドロボット】でヴァーハナと合体、
我と一体になってしまえばヴァーハナも誘惑もされまい。
ガールズを蹴散らしながらパラダルクに一撃を狙う。
ビルドロボットを擬人化して封じても、次はガトリング、ヴァーハナと流石に誘惑を纏めて一気には出来まい。意地でも一発食らわせて煽り、即撤退。舐めた相手から手傷を負う気分はどうだ?
●カーバトル
「六番目の猟兵たちよ! 私のドラグナーガールの大軍勢に蹂躙されるがよい!」
巨大宇宙船・儀式の間。魔王パラダルクは儀式を阻止すべく、猟兵たちにドラグナーガールの大軍を差し向ける。
「……遠慮なく行くとするか」
若き神、キング・ノーライフ(f18503)は標的を見据えて低い声でつぶやくと『ヴァーハナ』に乗り込み、ドラグガールの大軍に対峙する。
ヴァーハナは鳥のような外観をした改造装甲車である。
車両のルーフや側面、背面にガトリング砲が内蔵されており、特殊砲弾を発射する砲門も配備されている。戦闘時には状況に応じた弾丸や砲弾を選択・発射することで、どんな敵にでも臨機応変に対応できるというわけだ。
そして、キングはエンジンをかけ、アクセルを踏み込む。
ターボチャージャー搭載のエンジンが唸りを上げ、ぐんぐん加速。襲い来るドラグナーガールの大軍へと肉薄すると、煙幕弾を連射。
濃密な煙幕で視界を奪われ、敵軍が怯んだ隙に的確なブレーキングとハンドリングを駆使し、左に直角ターン。そのままアクセル全開で走りながら内蔵ガトリング砲を起動させ――。
――ガガガガガガガッ!!
自作AIによって照準が瞬時にセットされ、筒状に束ねられたバレルが高速回転。大量の弾丸が吐き出されていく。
鮮やかなドライビングテクニックからの制圧射撃。煙幕弾を浴びて怯んだ瞬間を狙われれば、ドラグナーガールの軍勢は防御もできず――。
――ギャァアアア!!
悲鳴を上げ、蜂の巣にされていく。
「これで初手は封じたな。いや、まだ油断はできんが……」
サイドミラー越しに後方を確認すると、ガトリング砲の有効射程から逃れたドラグナーガールの群れが見えた。散開し、狙いを絞らせないようにしながら追いかけてくる。
正面ではドラグナーガールの大軍が行く手を阻もうとしており、依然として敵の勢いは衰える気配はない。
「その程度の攻撃に怯むな! そんな小賢しい車など破壊するのだ!」
後方からパラダルクの指示が飛び、キングはそちらを一瞥する。
「遠いな……だが、必ず一撃を食らわせてやる!」
そんな決意を胸に秘め、キングは後方から迫る敵の群れに煙幕弾を発射し、アクセルを踏み込むのだった。
❖
「ふぅ……ようやく一息つけるか……」
キングは洗練されたドライビングテクニックとガトリング砲による銃撃でドラグナーガールの軍勢を次々に蹴散らし、気がつくと襲ってくるドラグナーガールはいなくなっていた。
「次が本番だ……周囲には護衛が大勢いるようだが、あの程度なら蹴散らせばいい。ヴァーハナ、突っ込むぞ!」
気合を入れてアクセルを踏み、急加速。ホール中央のお立ち台に向かって突進していく。
すると、護衛のドラグナーガールたちが即座に反応し、肉壁のように立ち塞がるも、キングは全く怯まない。
「ヴァーハナ、合体だ!」
熱の籠もった掛け声とともにユーベルコード『ビルドロボット』が起動。ヴァーハナがまばゆい光に包まれ、巨大な人型へと変異していく。
そして、わずか数秒で全身にガトリングガンと砲門を備えた、重武装型ロボ「キング・ヴァーハナ」が爆誕する。
「な、なんだあれは!」
体高約3メートル43センチの巨大ロボの出現に驚くパラダルクを尻目に、キング・ヴァーハナはガトリングガンを乱射し、包囲攻撃を仕掛けようとするドラグナーガールズたちを蹴散らしていく。
すると、パラダルクの目の色が変わり――。
「馬鹿め! 私の射程に自ら入ってくるとは、愚かな奴だ!」
面罵の声とともに力の波動が発せられ、キング・ヴァーハナに襲いかかる。
キングは神の自分と合体すれば、敵の「誘惑」に負けることはないと思っていたのだが……。
(くっ! これは……体の自由が利かなくなってきているのか……)
見ると、外側の装甲部分が変異を始めていた。このままではマズい!
そして、キングが下した決断は……撤退。
「だが、その前に一発殴らせてもらうぞ!」
「なんだとぉおおお!!」
――ドゴォオオオオン!!
ヴァーハナ・キングが倒れ込むように振り下ろした捨て身の拳を喰らい、後方に弾き飛ばされるパラダルク。そのまま放物線を描いて落下すると、後方のドラグナーガールたちに受け止められる。
あまりダメージを受けてはいない様子ではあるが、その顔は屈辱に歪んでいた。
「おのれ、虫けら如きが……ゆるさん!」
怒声とともに身を起こすパラダルク。
だが、その時既に、キングは合体を解除してヴァーハナで射程距離外まで退避していた。
「女に介抱されるとはいいご身分だな! 汝は我に殴られた屈辱を背負ったまま野垂れ死ぬがよい!」
「ぐぬぬ!」
皮肉を込めた言葉を残し去っていくキングを、パラダルクは屈辱に耐えながら見送るしかないのであった。
大成功
🔵🔵🔵
※最後(下から12行あたり)の「キング・ヴァーハナ」は「ヴァーハナ・キング」の誤りです😓
訂正してお詫び申し上げます。
❌ヴァーハナ・キング
⭕キング・ヴァーハナ
ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード
アドリブ連携歓迎
何とも変な力を持ってるねえ。
けどまあ、無敵って言う程ではないし、何とかしようか。
さて、何でもドラグナーガールに変えて操る能力だけど、
今存在しないものには手出しできないよね。
ドラグナーガールの大軍が周囲に来た瞬間に体内の発電器官から電撃を生み出して、
放電してマヒさせることで触れられるのを防ごうか。
先制攻撃を防いだら【雷身飛翔】を使って、
踊ってるドラグナーガールに向けて最速で突っ込んで体当たりするよ。
一旦加速してしまえば、使い方なんて忘れても関係ないしね。
次はもっと成長してアンタを直接倒せるようになっておくからさ、
顔合わせる機会が無いといいね。
あたしもアンタを相手するのは面倒だし。
●雷獣
「第六の猟兵たちよ! 我が無敵のユーベルコードの前にひれ伏すがいい!」
魔王パラダルクは、森羅万象すべてを自らに忠実な少女「ドラグナーガール」に変えるユーベルコードを駆使し、猟兵たちに大軍勢を差し向ける。その背後では踊り子たちによって儀式が着々と進行していた。
❖
「ふぅん、何とも変な力をもってるんだねぇ。けどまあ、無敵って言うほどじゃないかな」
「ペト」こと、キマイラのペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード(混沌獣・f07620)は、迫りくるドラグナーガールの大軍勢を前にしても、普段どおりの鷹揚さを崩さない。
「……でも、油断するとすぐに喉元を噛みちぎられちゃうんだよ。ちゃんと戦わないとねぇ」
危機的な状況を打開するのは、大自然の中で培った経験と野生の勘。
すぐに作戦を思いついたペトは恐竜のような逞しい脚で力強く大地を踏みしめ、戦場を震わせながら走り出す。
「ほら、あたしはこっちだよー」
「「「シネェ!!」」」
殺意を撒き散らしながら追走するドラグナーガールの軍勢。
ペトは敵を引きつけるように一定距離を保ち、縦横無尽に走り回る。
突如として始まった追いかけっこ。それは敵を一網打尽にするための布石だった。
そして、ついに業を煮やしたパラダルクが指示を出す。
「進行方向に先回りして逃げ道を塞げ! 包囲して一気に叩くのだ!」
ドラグナーガールの軍勢は忠実に従い、進行方向を塞ぐように動く。その結果――。
「囲まれちゃったねぇ……」
気がつくと、ペトはドラグナーガールの大軍勢に360度包囲されていた。
敵陣のど真ん中で一人、腕組みするペト。その態度は落ち着き払っていた。
だが、そのことにパラダルクは気づいてはいなかった。
「クククッ、愚かな奴め! 殺れ!」
そして、冷酷な命令とともにドラグナーガールの軍勢が一斉に襲いかかり――。
――バリバリバリバリッ!!
それはペトが引き起こした放電現象の音。
ペトの全身から放出された膨大な生体電流は、地を這い大気を切り裂く稲妻となり、周囲に群がるドラグナーガールの大軍に突き刺さる。
――ギャァアアアア!!
阿鼻叫喚が響き渡るダンスホール。
強烈な電撃を受けて筋肉が痙攣し、一時的に動きを止めるパラダルクの下僕たち。それを好機と見たペトはユーベルコード『雷身飛翔(エレクトロ・ドライブ)』を発動。
その瞬間、全身が雷光に覆われ、飛翔能力を得たペトは地面を蹴って垂直に急上昇。天井付近に静止すると、パラダルクの後方で「儀式の舞」を踊るドラグナーガールの踊り子へと狙いを定める。
「次はもっと成長してアンタを直接倒せるようになっておくからさ。この勝負は次の機会までおあずけにするよ」
それは未来への成長の誓い。その直後、ペトの全身を覆う雷光がひときわ輝く。
「まさか!」
パラダルクはその意図に気づくも、対処する時間などない。
ペトは音速を遥かに超える速度で急降下し――。
――ドグォオオオオン!!
爆心地は踊り子の群れの中央。雷が落ちたような爆音が轟き、同時に落下地点を中心にして雷撃が拡散。危機を察知し距離を取ろうとする踊り子たちをしびれさせ、足止めする。
「逃さないよ!」
力強い口調で牽制すると、雷光を纏ったペトは低空で飛行。逃げ惑う踊り子たちに突進していく。
途中でドラグナーガールに触れられ、ユーベルコードの使い方を吸収されてしまうも、ペトは止まることはなかった。まさに野生の本能に目覚めた獣。ペトは既に暴走に近い状態だったのである。
「がぉおおおおん!!」
ちょっとおちゃめな獣の声を上げ、「一匹の雷獣」は踊り子たちを蹂躙していく。
数刻の後、暴れ疲れてホールの隅に不時着したペトは、無傷のまま呆然とした表情で立ち尽くすパラダルクを見やり、ため息をつく。
「けどまあ、顔を合わせる機会はもう無いほうがいいね。あたしもアンタを相手にするのは面倒だし……」
戦いを終えたペトは柔和な笑みを浮かべるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
アルテミシア・アガメムノン
警告を無視と言われましても……
攻められたくないのであればガチデビルさんと契約をするべきではありませんでしたわね!
先制対策
敵WIZUCの軍勢に対して『アルテミシアの翼』から魔力弾を連続斉射。弾幕を張ることにより牽制しつつ攻撃を見極め、(瞬間思考力×見切り)『クロノスの大鎌』で打ち払い、あるいは回避して初撃を凌ぎましょう。
しかる後に『氷獄の魔帝』により、真の姿に変身。
変身後の強さは無限の魔力に比例するということで無限です!
その無限の魔力を以て戦場全体に究極の雷嵐(全力魔法×範囲攻撃)を吹き荒れさせましょう!
パラダルクさんはともかく踊るドラグナーガールさん達は完全に滅ぼしますわよ!
●女帝
「わたくしは、あなたではなく、ガチデビルさんに御用がありますの。どいてくださる?」
アルテミシア・アガメムノン(f31382)は、強大な力を持つ魔王パラダルクを前にしても全く怯むことはなかった。そんな悪のカリスマを感じさせる唯我独尊な雰囲気に、パラダルクは興味を引かれたようだった。
「……なかなか面白そうな奴だな。いいだろう、貴様には特別製のドラグナーガールをくれてやるとするか!」
パラダルクの瞳が殺意で満たされ、ユーベルコードが発動。
儀式の間を満たす十属性の元素が彼の周囲に集まり、大量の少女の姿へと変異していく。それは十属性の元素に由来するドラグナーガールの大軍勢。
さらにパラダルクの傍らに寄り添う過去属性のドラグナーガールが両手のひらから黒き波動を放ち、誕生したばかりの軍勢に過去属性の力を付与する。
「さあ、これで回復能力を持つドラグナーガールの軍勢の誕生だ! その力、とくと味わうがいい!」
冷淡な声を響かせ、ドラグナーガールの軍勢を進軍させるパラダルク。
対するアルテミシアは――。
「その程度の数でわたくしをどうにかできると思っていますのね。あなた、わたくしを甘く見すぎではありませんこと?」
不服そうな顔で黄金に輝く光の翼を広げ、前方に向けて大きく羽ばたく。
すると、烈風とともに連射された魔力弾によって広範囲に弾幕の壁を形成。正面から押し寄せるドラグナーガールの軍勢の行く手を阻む。
だが、攻撃が命中してダメージを受けたのは前衛のみ。
後衛のドラグナーガールは全くの無傷。そのまま傷ついた前衛に治癒の光を照射し、負傷を急速に回復させ――。
「まだですわ!」
アルテミシアはそれでも魔力弾を連射する。すると回復したばかりの前衛が再び傷つき倒れる。
(回復能力は戦闘不能状態から脱するための『急場しのぎ』ですわね)
広範囲に治癒の光を放っているものの、一人の治癒力はそれほど高くはない。
後衛のドラグナーガールたちは治療に注力しているが、やがて回復が追いつかなくなるだろう。そのことに気づいたアルテミシアは魔力弾の広範囲射撃で前衛をガリガリと削り、敵勢を押し返していく。
すると――。
「怯むな! 散開して挟み撃ちにしろ!」
業を煮やしたパラダルクの指示が飛び、散開した敵勢がアルテミシアの左右から挟撃を仕掛けてくる。
対するアルテミシアは「クロノスの大鎌」を構え、左右の敵勢を魔力弾による弾幕で牽制しつつ、距離を詰めてくる敵を大鎌を振るい、薙ぎ払っていく。
(忙しい戦いですが……今は守りに徹するときですわ!)
今はただ耐えるしかない。アルテミシアは牽制と回避に集中して致命的な被弾を避けながら、その眼力でドラグナーガールの動きを見切り、苦境を乗り切っていく。そして――。
「なんとか……敵勢の猛攻を凌いだようですわね……」
ようやく第一波を撃退し、アルテミシアは安堵のため息を漏らす。
しかし、後方からさらなる軍勢が迫っていた。
すると、アルテミシアは妖しく微笑み――。
「あなたたち、女帝の真なる姿、ご覧になりたいようですわね!」
ユーベルコード『氷獄の魔帝(サタン)』を発動。
真の姿を解放し、六対十二枚の翼を持つ熾天使の姿へと変貌を遂げる。
「な、なんだその姿は……止めろ! 今すぐそいつを止めろ!」
アルテミシアの神々しき姿を目の当たりにしたパラダルクは慌ててドラグナーガールの大軍勢を差し向けるが、後の祭り。
その程度では真の姿となったアルテミシアを止めることはできないだろう。
そして、アルテミシアは「無限の魔力」を放出し、戦場全体に雷雲を呼び出し――。
――ゴゴゴゴゴゴゴゴ!!
戦場に轟く雷鳴。稲光とともに突風が吹き荒れ、雷を伴った嵐が巻き起こる。
――ギャァアアアア!!
逃げ場のない天変地異に蹂躙されし者たちの悲鳴。それは儀式崩壊への前奏曲の如く、戦場全体に響き渡るのだった。
大成功
🔵🔵🔵
荒谷・つかさ
●POW対抗
何に変えようが、殴れるなら問題は無いわ。
さ、始めましょ。
・先制対策
ユーベルコードを使用しない
コードさえ使わなければ敵は単に沢山出てくるだけに過ぎない
そして私には生半可なユーベルコードを凌駕するレベルの「怪力」がある
戦う分にはコード不使用であれ全く支障はないわ
儀式をするガールズも正面から「怪力」任せの鉄拳や各種装備武器で叩き潰していく
反撃の属性攻撃も「怪力」で殴って対処
私にかかれば、属性攻撃の飛んでくる空間を「怪力」で殴って破壊・霧散させる程度はできるわよ
色々と片付いたら(特に意味は無いけど)パラダルクもついでに一発殴っとくわ
良いことを教えてあげるわ。
鍛え抜いた筋肉は裏切らないのよ!
●規格外の怪力
猟兵たちの猛攻を受けた魔王パラダルクは追いつめられていた。
「……だが、まだ終わってはいない! 諦観こそ衰退の原因……私はまだ諦めたりはせぬぞ!!」
若きパラダルクは再びユーベルコードを発動し、ドラグナーガールの大軍を生み出す。
「さあ、思いっきり殴らせてもらうわよ。覚悟はいい?」
魔王パラダルク、そして、その下僕であるドラグナーガールの大軍勢を見据え、荒谷・つかさ(f02032)は拳を握りしめる。
そう、彼女は怪力無双の狂戦士。思う存分、暴れられるこの戦場にやってきた「規格外」の存在だった。
「まずはあの大軍をなんとかしないとだけど……あっ、これがあったわね」
そう言ってつかさが取り出したのはとてもいい感じの「丸太」。
それはまるでミサイルのようないい感じの形をしており、いい感じに持ちやすい感じになっていた。
つかさは丸太を両腕で抱え込むように持ち上げると、斜め前方に跳躍しながら敵陣の中央に狙いを定め――。
「やっ!」
掛け声とともに全力で投げ飛ばす。
――ゴォ!!
豪快な風切り音。丸太は錐揉み回転しながら真っ直ぐに飛んでいき――。
――ズドォオオン!!
敵陣のど真ん中に墓標のように突き刺さり、その余波で発生した風圧が周囲のドラグナーガールを吹き飛ばす。
クレーターのような大穴が敵陣に空き、呆然とした表情を浮かべて立ち止まる敵軍。
「な、なんだ……あの女は!?」
規格外過ぎる敵の登場に、パラダルクの表情に緊迫感が帯びる。
「止めろ! どんな手段を使ってもその女を止めろ!」
その命を受けて先陣を切ったのは、クネクネ、ニョロニョロと独特の動きをするドラグナーガールの一団だった。
(変な動き……あ、そうか、蛇を模倣しているのね。蛇か……もしかして毒!?)
武術家としての勘と経験が警戒心を呼び起こす。
「毒属性」のドラグナーガールの群れは一気に距離を詰めると、右手の先端、毒々しい色の爪を喉元に突き刺し――。
――ボンッ!!
破裂。自爆ともに溢れ出た猛毒の煙が濁流のように押し寄せてくる。
「この程度の攻撃、退くまでもないわ!」
つかさは迫りくる紫色の煙をキッと睨むと、脚を肩幅まで開いてしっかりと大地を踏みしめ、左右の拳を乱打する。
――ダダダダダダダダダ!!
恐るべき膂力によって放たれる拳撃はまるで機関銃のフルオート射撃。
その剛拳に殴られた空気は、弾丸のように前方へと弾き飛ばされ、つかさの正面に風圧の壁を形成。毒ガスを押し止め、霧散させてしまう。
すると――。
「ええい! まどろっこしいわ! 総攻撃だ!」
いらだちを露わにし、指示を出すパラダルク。
主の命を受け、残りのドラグナーガールの軍勢がまとめて押し寄せてくる。
「数で圧倒するつもりのようね。臨むところよ!」
多勢の無勢の状況でも、俄然、闘志を燃やすつかさ。
その両腕には手甲『鬼瓦』だけが装着されている。
「さあ、どこからでもかかってきなさい!」
徒手空拳での戦闘こそ、つかさの真骨頂。
敵勢のど真ん中で、獅子奮迅の戦いを見せる。
「ほら、そこ! もっと全力で攻撃してきなさいよ!」
つかさが放つ重爆撃のような打撃を警戒し、後方に退こうとする相手の襟首を掴み、力任せに投げ飛ばすつかさ。
――ドォオン!!
ミサイルのように宙を舞い、壁に激突。そのまま果てるドラグナーガール。
まさに鬼神のような怪力を誇示し、つかさはドラグナーガールの軍勢を駆逐していく――。
そして、気がつくと、つかさの視界の端には、呆然と立ち尽くすパラダルクの姿があった。
「儀式が……私の儀式が……」
驚愕のあまり、思考が追いついていないようだった。
「しっかりしなさい! イケメンが台無しよ!」
なんとなく、そんな気分になり猛ダッシュで距離を詰めるつかさ。
そして、拳を握りしめ、渾身のグーパンチを放つ。
――ぐわぁあああああ!!
驚愕と苦痛が入り混じったような声を上げ、我に返るパラダルク。
「ぐぬっ!」
空中で態勢を立て直し静止した彼は、部屋の天井付近で猟兵たちを睥睨する。
「……六番目の猟兵達よ! いいか、この借りはいずれ返させてもらうぞ!」
その双眸に猟兵たちへの憎悪を宿し、パラダルクは空間の歪みの中へと消えていく。
❖
こうして、ひとまず危機は去った。
パラダルクとはいずれ決着をつける日が来ることだろう。
既に1stKING『魔王ガチデビル』への道は開通している。
次は最終決戦。猟兵たちは決戦に向けてひとときの休息を取るべく、帰路につくのだった。
大成功
🔵🔵🔵