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7thKING WAR㉒〜ワルワル・セットアップ

#デビルキングワールド #7thKING_WAR #東のラスボス『スーパーカオスドラゴン』

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#7thKING_WAR
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#東のラスボス『スーパーカオスドラゴン』


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●混沌魔法『カオスヘッダー』
『混沌魔法』とは世界にカオスと暴走を齎す力である。
 その魔法は多くの人には理解できぬほどの暴走と破壊を生み出し、世界を混沌に叩きつけるものである。
 デビルキングワールドにおいて、その功績は計り知れないものであったことだろう。
 故に『混沌魔法』はワルの極地にすらたどり着かんとしている。
 その使い手である東のラスボスこと『スーパーカオスドラゴン』さんは言う。
「ゲヒャ~ッヒャッヒャ! オレサマはカオス……『混沌魔法』の具現体! ダレがナニをヤろうとも、ぜんぶカオスにしてやるゼぇ!」
 なるほど、何一つわからん。
 三つの首を持つ『スーパーカオスドラゴン』は、まさに乱暴者。
 その言動、行動、全てが混沌と言ってもいい。
 彼が通った後にはぺんぺん草も生えないと言われている。その凄まじきワルの所業の根源がなんであるのか、それを知るために我々は『スーパーカオスドラゴン』さんの下に飛んだのだ。

「マズは一にも二にもなく段取りが大切だゼぇ! 報告・連絡・相談。関係各所にちゃんと事前に連絡しないと不測の事態が起こった時、大変なんだゼぇ!」
 なるほど。
 何事も段取りが大切であると彼は語る。
 我々はそこに『スーパーカオスドラゴン』さんのプロフェッショナルを見た。
 彼は段取りと挨拶回りに定評のある東のラスボス。
 その信念に些かのゆらぎもないということだ。

 だが、突然『スーパーカオスドラゴン』さんが走り出す!

「アァ!? 何をしているかだって? 見ればわかるゼぇ!?」
 我々は『スーパーカオスドラゴン』さんが何を急いでいるのか理解できなかった。その翼をはばたかせ、一瞬でたどり着いた先にあったのは、デビルキングワールド名物タイガー印の高級羊羹屋であった。
 何故、此処に?
「決まってんだゼぇ! 関係各所にご挨拶に向かう時は手土産は必須だゼぇ! 品物一つで悪魔の心が動くとは限らねぇが、心配りっていうのは、いつかの自分に返ってくるんだゼぇ?」
 我々は『スーパーカオスドラゴン』さんの心意気に胸が高鳴る思いであった。これが彼の流儀。彼の信念。彼の思いであったのだ。
 確かに『混沌魔法』は破壊と暴走からカオスを齎す崇高なる魔法である。
 だが、そこに悪魔の心があるのを忘れてはならない。『スーパーカオスドラゴン』さんは目先の破壊や混沌だけではない、悪魔の心を見ているのだ。

「あ、どうも~いつもお世話になっております~『スーパーカオスドラゴン』です~あっ、はい、そうです~今回お伺いしたのは『混沌魔法カオスヘッダー』の使用に付きましてご相談をと思いまして……あっ、そうですか、ありがとうございます~いえいえ、そんな~……あ、了解です。また今度飲みに……え、アハハハ、じゃあ、楽しみにしております。部長さんの一発芸でまたたくさん笑わせてください! あ、はい!はい、どうも失礼いたします~……」
 挨拶回りも簡潔な挨拶だけではなく相手を知ることから始まっていることを思い起こさせる見事なもの。
『スーパーカオスドラゴン』さんはスマホをしまうと、一変表情を変える。
 先程までのにこやかな対応が嘘のようだ。

「そういうわけだゼぇ! これより近隣一体を封鎖だゼぇ! 悪魔の皆さんにご迷惑のないように、避難して頂くゼぇ! その後に猟兵さんたちを招き入れての混沌魔法『カオスヘッダー』の始まりだゼぇ!」
 咆哮する三つの『スーパーカオスドラゴン』さんの首。
 その咆哮は凄まじい。我々は、『スーパーカオスドラゴン』さんの段取りと挨拶回りの一端を垣間見た。
 これならば、ド派手は戦闘が起こっても大丈夫だ――!

●7thKING WAR
 グリモアベースに集まってきた猟兵たちを迎えたのはナイアルテ・ブーゾヴァ(神月円明・f25860)であった。
「お集まり頂きありがとうございます。皆さんはすでにご存知のこととは思われますが、東のラスボス『スーパーカオスドラゴン』さんとの戦場が開かれています」
 ナイアルテは、ニコニコしている。
 いや、『スーパーカオスドラゴン』と言えば、『混沌魔法』の体現者。その力はデビルキングワールドの悪魔たちを破壊とカオスに巻き込むほどなのだ。
 暴走する力は、最強の種族である悪魔たちを持ってしても止められない。
 なのに、なんでニコニコしているのか。

「いえ、『スーパーカオスドラゴン』さんは暴走前にちゃんと関係各所に連絡と報告、そして相談をしているのです。それに皆さんよりも6時間前に現地入りして、すでにあいさつ回りまで済ませていらっしゃるのです」
 素晴らしいことです、とナイアルテは感心しきりであった。
 いや、暴走前の段取りってなんだそれ、と猟兵達は思ったことだろう。そも暴走しなければいいのでは? と思ったが、デビルキングワールドにおいて暴走とはワルのやることである。
 迷惑行為こそがカッコイイ。
 善悪の価値基準が逆転しているからこそ。

「その『スーパーカオスドラゴン』さんは混沌魔法『カオスヘッダー』で、なんと周辺の物質から次々と『新たなスーパーカオスドラゴン』さんを生み出していきます。もうすごいです。一瞬であたり一面『スーパーカオスドラゴン』さんだらけです」
 こーんな、とナイアルテは手を広げて示してみせる。
 あっ、その手に在るのはタイガー印の羊羹!
 こ、こいつ、すでに『スーパーカオスドラゴン』さんに挨拶されて手土産まで手渡されてやがる……! だからニコニコしてやがったな!

「……え、と……生まれた『スーパーカオスドラゴン』さんは、また『カオスヘッダー』で『スーパーカオスドラゴン』さんを生み出します。戦闘が長引くほどに、戦場は凄まじい数の『スーパーカオスドラゴン』さんで埋め尽くされていきます!」
 ごまかした!
 確かにナイアルテの言葉を信じるのならば、『カオスヘッダー』とは凄まじい魔法である。
 どこかの宇宙に漂う栗まんじゅう並に恐ろしい状況である。
 そんな打つ手なしの状況を提示されても猟兵たちにはどうすることもできなかったかもしれない。けれど、ナイアルテは頭を振る。

「対処法はあるのです。全ての『スーパーカオスドラゴン』さんは『完全同一存在』なのです。一体でも倒すことができれば、全ての『スーパーカオスドラゴン』さんは同時に爆発するのです!」
 なお、悪魔なので死にません。
 故に戦闘に参加する猟兵達は、後続になればなるほど厳しい戦いになるだろう。
 だが、やるしかないのである。
 しかし、なんで、そのことをナイアルテが知っているのだろうか。予知?

「あっ、『スーパーカオスドラゴン』さんが挨拶回りの時に教えて下さいました」
 段取りと挨拶回りに定評がある『スーパーカオスドラゴン』さん、流石です――!!


海鶴
 マスターの海鶴です。

 ※これは1章構成の『7thKING WAR』の戦争シナリオとなります。

 ついに東のラスボス『スーパーカオスドラゴン』と戦うシナリオです。
『スーパーカオスドラゴン』さんは『混沌魔法』により世界にカオスと暴走をもたらした功績により白羽の矢を立てられた、暴走前の段取りとあいさつ回りに定評のある悪魔です。オブリビオンではありません。

 ちなみに白羽の矢が刺さった箇所は、一枚だけウロコが逆の所です。

 混沌魔法『カオスヘッダー』により、周囲の物質から次々と『新たなスーパーカオスドラゴン』を生み出し続けています。
 生まれた『生まれたスーパーカオスドラゴン』もまた『カオスヘッダー』で『スーパーカオスドラゴン』を生み出し、戦闘が長引くほどに戦闘は凄まじい数の『スーパーカオスドラゴン』さんで埋め尽くされてしまいます。

 すでに近隣住民の悪魔さんたちは避難完了していますし、建物は『スーパーカオスドラゴン』特約の保険で保証されますので、まあ、色々ぶっ壊しても安心安全です。

 また全ての『スーパーカオスドラゴン』さんは『完全同一存在』なので、一体だけでも倒すことができれば、残ったすべての『スーパーカオスドラゴン』さんは同時に爆破血します。死にませんよ。あとオブリビオンじゃないです。

 プレイングボーナス……無限に増殖し続けるスーパーカオスドラゴンの群れと戦い、どれか1体を倒す。

 それでは、マジでどういうことなのっていう状況の中、『7thKING WAR』を戦い抜く皆さんの物語の一片となれますよう、いっぱいがんばります!
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第1章 ボス戦 『東のラスボス『スーパーカオスドラゴン』禍』

POW   :    ハイパーカオスチャージ
【カオスで予測不能な軌道を描く】突進によって与えたダメージに応じ、対象を後退させる。【他のスーパーカオスドラゴン】の協力があれば威力が倍増する。
SPD   :    アンリミテッドカオスファング
【三つの頭の牙による連続噛みつき】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    マッドカオスフレイム
自身が【混沌魔法「カオスヘッダー」を発動して】いる間、レベルm半径内の対象全てに【属性を変え続ける混沌の炎】によるダメージか【肉体を癒やす混沌物質】による治癒を与え続ける。

イラスト:カツハシ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ダーティ・ゲイズコレクター
タイガー印の羊羹いいなぁ…はっ!

私はダーティ!ダーティ・ゲイズコレクター!
凶悪で極悪で劣悪で最悪な魔王ダーティとは私のことです!

私が7thKingになるために
スーパーカオスドラゴンさんにはここで敗退していただきます!

まずは{ダーティ・アイ}で『情報収集』です!
本体を倒せば他は爆発するなら魔力の流れがあるはず!
1か所に集まっているスーパーカオスドラゴンさんに向かってUC【醜悪!邪王穢澱烙印槍】で突撃します!

解析が完了するまでは『地形破壊』と『トンネル堀り』でモグラ叩きのモグラさんみたいに逃げ回ります!
おまけに『残像』でハズレも作っちゃいます!
さぁ本物をどちらが先に倒せるか勝負です!



 東のラスボス『スーパーカオスドラゴン』さんは、段取りとあいさつ回りに定評のある悪魔である。
 その見た目は三つ首のドラゴン。
 まさにカオス。
「ゲヒャ~! これより暴走を開始するゼぇ!」
「近隣住人の皆さんはすでに遠くに退避済みだゼぇ! これで心置きなく暴走できるって寸法よ!」
「あっ、はい~……これより暴走いたしますので、あっはい! よろしくおねがいします~」
 三者三様。
 いやさ、三首三様と言ったところであろうか。
 すでに挨拶回りを終えていた『スーパーカオスドラゴン』さんは程なくして混沌魔法『カオスヘッダー』によって『完全同一存在』を生み出していく。

 その数は尋常ではない。
 街一つを飲み込まんとするほどの暴威。
 それが『スーパーカオスドラゴン』さんなのである!
「タイガー印の羊羹いいなぁ……」
 思わずそう呟かずにはいられないほどにダーティ・ゲイズコレクター(Look at me・f31927)は、よだれが口にたまるのを感じたことであろう。
 甘いものは誰だって好きだ。
 それがタイガー印の羊羹であればなおのことである。高級品だしね!
「……はっ! 私はダーティ! ダーティ・ゲイズコレクター! 凶悪で極悪で劣悪で最悪な魔王ダーティとは私のことです!」
 思わず前口上を忘れそうになっていたが、ダーティは持ち直した。未だ羊羹への思いは冷めやらず。けれど、やるべきことはしっかりやる。彼女もまた『スーパーカオスドラゴン』さんと同じくプロフェッショナルなのである。

「私が7thkingになるために、『スーパーカオスドラゴン』さんにはここで敗退していただきます!」
「ゲヒャ~ヒャッヒャ! やれるもんならやってみるだゼぇ!」
『スーパーカオスドラゴン』さんが飛びながら『カオスヘッダー』で増殖していく。その姿はまさに暴走。カオス! 体現する力を迸らせるように不規則な軌道を描いて突進してくる無数の『スーパーカオスドラゴン』さん。
 めちゃくちゃ怖い!
 だが、ダーティはそのオッドアイで魔力の流れを見つめる。
 そう、ダーティアイは情報収集力! 彼女が見つめるは魔力であり、その流れを見れば大本の『スーパーカオスドラゴン』さんを見つけることが出来る……のだが! 彼らはみんな『完全同一存在』!

 すべてが『スーパーカオスドラゴン』さんであり、何も代わりはないのである。はじめの一体などすでにわからぬもの!
「魔力が一箇所に集まっていると思っていましたが、って、――ッ!?」
 迫る無数の『スーパーカオスドラゴン』さんたち。カオスの如き軌跡を描いてはいるが、ダーティを狙うことには代わりはない。
「ゲヒャ~! ぷちっと行っちまうゼぇ!」
 踏み潰すように迫る『スーパーカオスドラゴン』さんであったが、彼がダーティを踏み潰すことはなかった。

 彼女は即座に地面を掘り、もぐら叩きのモグラさんよろしく逃げ回っているのだ。さすがの『スーパーカオスドラゴン』さんも地中に逃げられては手出ししようがない。
 ぴょこっと、また地面からダーティは飛び出し、『スーパーカオスドラゴン』さんのカオスっぷりを上回る速度でもぐら叩きのモグラさんもかくやというほどに飛び出しては隙を伺うのだ。
「しゃらくせぇ! この『スーパーカオスドラゴン』様を上回るカオスなんてのはゆるせねぇゼぇ!」
「注目していますね! 一挙手一投足、私の全てに! 視線が集まっています! さぁ本物をどちらが先に倒せるか勝負です!」
 ダーティの瞳がユーベルコードに輝く。
 大きな赤紫色の矢印をしたオーラでもって全身を多い、己を見つけ出さんと『スーパーカオスドラゴン』さんの無数の視線が力となってダーティを強化されていく。

 視線を魔力に変換して蓄積するユーベルコード。
 それこそが、醜悪!邪王穢澱烙印槍(ジャオウアイデンラクインソウ)である!
「邪なる王に潜む悍ましき穢れの澱よ!烙印刻む矛と成れ!」
「ゲヒャっ! こっちは残像のハズレだゼぇ!? しゃらくさいまねを!」
 ようやく捉えたと思っても、それはダーティの生み出した残像である。
 ハズレ、と札を持っているところまで『スーパーカオスドラゴン』さんを挑発するのだ。

「全ての貴方を倒す必要はないのなら、ハチャメチャに強い貴方の一体を倒せばいい!」
 自分だけでそれがなせなくても、他の猟兵たちがいる。
 彼らの力とともにダーティは、赤紫色のオーラまとうダーティグリーヴの蹴撃の一撃を『スーパーカオスドラゴン』の三つ首の一つへと見舞うのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

月夜・玲
…真面目か!
そしてこっち側にもう既に賄賂送ってやがる…!
というか倍々で増えていくとか面倒臭い事をしやがって…!
ネズミかな?ネズミなのかな?
後さあ…私羊羹貰ってないんだけど!
まだどっか隠してるだろ根こそぎ奪ってやる!


超克、オーバーロード
外装展開、模造神器全抜刀

流石に手加減は出来ないから、こっちも真面目に行くよ
でもちょいまち
えっと建物ぶっ壊しましたすみません…と後色々と書いて…よしこれでオッケー
ちょいちょいカオスドラゴンさんや、これから建物ぶっ壊すから後で近隣住民さんにこの手紙渡しといて

よし、仕切り直し!
いそいそと元の位置取りに戻ろう
そして【Unite Dual Core】起動!
外装の模造神器に雷刃…最大スケールで展開!
私の手持からは蒼炎を展開
わちゃわちゃ居るのなら…纏めてぶった斬って燃やす!
周囲の建物も半端に残るよりかは燃やして更地にした方が良いっしょ!
雷刃で連続して『なぎ払い』攻撃!
混沌の炎は斬るついでに『斬撃波』を放って『吹き飛ばし』てしまおう
多少は我慢!

…で、羊羹何処に持ってんの?



「ゲヒャ~! これがオレサマの混沌魔法『カオスヘッダー』の本領だゼぇ!」
「そのとおり、これで……あっ、はい、いつもお世話になっております~」
「思う存分暴れてやるゼぇ! 暴走する力こそ漲る力! このカオスめいた戦場こそがオレサマの花道だゼぇ!」
 三つ首のドラゴン。
 その威容こそが『スーパーカオスドラゴン』であった。彼は暴走前の段取りとあいさつ回りに定評のあるラスボスである。
 カオスの前に段取りが必要というのは、彼の持つプロフェッショナルの流儀故であった。

 そんでもってしっかりと猟兵さん側にもタイガー印の羊羹を送っている所を見るに、その段取りと挨拶周りには偽りなしということが伺えるだろう。
「……真面目か!」
 月夜・玲(頂の探究者・f01605)さんはわなわなと振るえていた。
 彼女は許せなかった。
 賄賂を送ることを、ではない。なんで自分のところには羊羹が回ってきていないのだと。
 それがどうにも許せない。
 玲さんは挨拶回りのことや段取りのことはよくわからない。
 されど、人一倍羊羹への情熱を持つ猟兵であった。たぶん。

 しかもタイガー印だとぉ!? と高級品羊羹に対して執着を見せる。わかる。脳みそへのガソリンだもんね、羊羹。
「というか倍々で増えていくとか面倒くさいことしやがって……! ネズミかな・ ネズミなのかな?」
 マルチって呼ばれていたけど、また最近呼び名が変わっているような気がしないでもない。それを想起させる混沌魔法。まさにカオス。
 街中にあふれかえる『スーパーカオスドラゴン』さん。
 その数は尋常ではないし、その全てが『完全同一存在』である。劣化するとかそんなことは一切ない。
 故に玲さんもまた本気である。

「超克、オーバーロード。外装展開、模造神器全抜刀」
 最初からガンガンである。
 全力全開である。それもそのはずだ。目の前に迫る『スーパーカオスドラゴン』さんはラスボスの中の二大巨頭。
 その力は単体だけでもえげつないほどに強いのに、さらに『カオスヘッダー』でもってばいばい……あぶねぇ! ともかく、倍々に増えていくのだ。ネズミもびっくりなほどである。
「流石に手加減はできなから、こっちも真面目に行くよ」
「ゲヒャ~ヒャッヒャ! 来い! オレサマに勝てるものかよぉ!」
「混沌魔法の恐ろしさ、その身に刻み込ませてやるゼぇ!」
「いくぞ、オラァ!」
「でもちょいまち」

 玲さんがタンマって手でTの字を作る。『スーパーカオスドラゴン』さんは、え、と立ち止まる。みんな止まった。いや真面目か!
「えっと建物ぶっ壊しましたすみません……と後色々書いて……よしこれでオッケー。ちょいちょいカオスドラゴンさんや、これからたてものぶっこわすから後で近隣住人さんにこの手が見渡しといて」
「あ、それなら大丈夫です~すでに『スーパーカオスドラゴン』特約に入ってもらってますんで、はい。えっ、この状態から入れる保険があるんですかでおなじみの特約なんですよ~」
 なんだろう。
 この微妙な会話。玲さんと『スーパーカオスドラゴン』さんは、二人して事前やり取りをしっかりと組み上げていく。

「よし、仕切り直し」
 よし! と二人して元の定位置に戻る。締まらない。とても締まらない。だが、二人の迫力は本物である。
 玲さんの瞳には超克の輝き。
 ユーベルコード、Unite Dual Core(ユナイトデュアルコア)によって模造神器に込められた雷と焔の疑似邪神と合体し、その刃に蒼炎を迸らせる。
 外装の副腕にある雷刃は最大スケールで展開され、まさに巨獣を打つ剣そのものであった。
「来い! このオレサマがすべて燃やし尽くしてくれるゼぇ!」
 互いの交錯する焔と焔。
 属性を変える混沌の焔と全てを焼き尽くす蒼炎。浄化の力が混沌の属性を焼き払う。

「わちゃわちゃいるなら――纏めてぶった切って燃やす!」
 振るわれる斬撃は、もう人間サイズの怪獣じみた力でもって周囲の建物を盛大にぶった切っていく。
 ビルとかがまるで発泡スチロールみたいに切り裂かれて地面に落ちる。そのさなかを飛ぶは『スーパーカオスドラゴン』さん。
 吹き荒れる炎は、常に属性を変えていくがために対処が難しい。
 けれど、玲さんはさらに上を行く。
 周辺の建物も半端に残るよりは、燃やして更地にした方が良いっしょ! とウォーリー精神の発露で持って破壊していく。

「いいカオスっぷりだゼぇ! だが、オレサマはその上を行くゼぇ!」
「後さあ……私羊羹もらってないんだけど! まだどっかに隠してるだろ根こそぎ奪ってある!」
 振るう雷刃が『スーパーカオスドラゴン』を打ちのめす。もうどの『スーパーカオスドラゴン』をぶっ叩いたかなんて関係ない。
 今の玲さんの瞳にあるのは羊羹だけである。
 燦然と輝くタイガー印。 
 超高級品の証。その羊羹を玲さんは求めてやまないのだ。蒼炎とカオスの炎が激突し、爆散する。

 その戦う様子を見ていた近隣住人さんたちは後にこう語る。
「あれはもう、妖怪羊羹よこせでした……すごかったです……」
 玲さんは求める。
 戦い、肉薄する度に『スーパーカオスドラゴン』の耳元に言うのだ。
「……で、羊羹何処に持ってんの?」
 手提げ袋は見当たらないし。手が何処に在るかわからないし。
 兎にも角にも羊羹である。

「あっ、はい、羊羹ですね……あっ、すいません。関係各所に全部配り終えていまして~……」
「おう、ジャンプしろよ」
 ぴょんぴょんと飛ぶ『スーパーカオスドラゴン』さん。
 どさどさって何か落ちる音を聞いて玲さんと『スーパーカオスドラゴン』さんの間に微妙な空気が流れる。
 これはあれである。
 カツアゲの現場ではない。どさどさ落ちたのは『スーパーカオスドラゴン』さんが後で食べようと思っていた自分用の羊羹である。

 玲さんはニコリと微笑んだ。
 もう何をするかなど言うまでもない。そう、玲さんはこの瞬間『スーパーカオスドラゴン』を超える極ワルな行いをするのだが、我々カメラ班はそれを捉えることができなかった。
 別に脅されたとかそんなんじゃないんだからね! 個人の名誉のためなんだからね――!

大成功 🔵​🔵​🔵​

九重・白亜
あ、羊羹ありがとうございます。戦った後にでも頂いますので……じゃあ、やろうか。

UC発動。とくに傷ついた一体に向けて持ちうる火器で乱れ撃ちします。弾丸にはUC用のメモ用紙を込めているので、当たればそれが発動条件となります。

たとえ誰かを盾にされようが、敵を沸かせて狙いを乱そうが、オレの弾丸は当たればそれだけでいい。
全力を込めた破壊魔術をを喰らえ。もっと傷を目立たせちまいな!

【アドリブ・絡み歓迎】



 タイガー印の高級羊羹。
 それは東のラスボスこと『スーパーカオスドラゴン』さんが定評ある段取りと挨拶回りでもって関係各所に配った品である。
 言うまでもなく、超高級品であり、同時に『スーパーカオスドラゴン』さんの心配りであった。
 だが、もらえる者ともらえない者がいつだって存在するのである。
 もらえなかった猟兵がいれば、もらえた猟兵もいる。

 すでに戦場は混沌そのものであった。
 街はシッチャカメッチャカに破壊されているし、軒並み建物は無事ではなかった。もう更地に一回しといた方が良くない? ってなるほどの破壊の痕。
 しかし、これでもまた近隣住人さんからは苦情は来ない。
 徹底した挨拶回りと段取り。定評あるそれらによって『スーパーカオスドラゴン』さんは近隣住人さんたちからの信頼が厚いのである。
「あ、羊羹ありがとうございます」
 九重・白亜(今を歩む魔術師・f27782)は、見事な所作でもって『スーパーカオスドラゴン』さんの前に対峙し、一礼する。
 メイドさんである。
 わ、メイドさんだ、と『スーパーカオスドラゴン』の一つの首がちょっと感動している。なんで感動しているのかわからんが、メイドさんの見事な所作の前には、みんな感動を覚えるものである。そうだろ、そうでしょ、そうだって言え。

「あ、これはこれはどうもご丁寧に。喜んで頂けたようで何よりです~、あっ、そろそろ……」
 暴走いいっすか? と『スーパーカオスドラゴン』が目配せする。
「ええ、戦った後にでもいただきますので……じゃあ、やろうか」
 白亜もすでに段取りをもって得心している。
 もうツーカーである。
「ゲヒャ~ヒャッヒャッヒャ! オレサマに挑もうなどと百億の昼と千億の夜ほど早いぜェ!」
「喰らえ、ハイパーカオスチャージ!」
「言う成れば、ただの突進だが、カオスの体現者たるオレサマに限ればぁ!」

 無秩序な軌道を描いて迫る『スーパーカオスドラゴン』さん。
 混沌魔法『カオスヘッダー』によって無数に増殖した『スーパーカオスドラゴン』さんたちと共に白亜へと襲いかかる。
 だが、白亜は見ただろう。
 これまで先行した猟兵によって集中的に攻撃を叩き込まれた『スーパーカオスドラゴン』さんの一体を。
 彼らは『完全同一存在』。
 どれだけ数が増えようとも、一体でも倒せれば、全て同時に爆発して消えるのだ。だからこそ、白亜は一体に狙いを絞った。

 術式を描いたメモ用紙が空を舞う。
 それらは全てが傷ついた『スーパーカオスドラゴン』へと飛ぶ。
「あるものを、なきものにする。原初的な破壊」
 破壊魔術:破砕(ブレイク)。
 それが白亜のユーベルコードである。術式の描かれたメモ用紙は『スーパーカオスドラゴン』へとぶつかった瞬間、破壊属性を宿した魔力の爆発を引き起こす。
 溢れる爆風。
 その最中にメイド服の裾を揺らしながら白亜は機関銃を引き抜き、その弾丸を打ち込むのだ。

「この程度の豆鉄砲でオレサマをぉ!」
「止められるわけねぇだろうが!」
「ぶっ飛んじまいな、メイドさんよぉ!」
 三つ首がそれぞれ咆哮する。テンプレだなぁって思わないでもないが、それでも『スーパーカオスドラゴン』さんの力はラスボスの名に違わぬ強大なものであった。
 だが、さらに白亜のメイド服の裾から飛び出すのは、コイルグレネード。
 それらが爆風を生み出し、さらに術式を描いたメモ用紙が乱舞する。

 これならば、どれだけ増殖した『スーパーカオスドラゴン』を盾にようとも関係ない。必ず標的とした『スーパーカオスドラゴン』へと白亜の爆破魔術が炸裂するだろう。
「どれだけ盾にしようが、湧き上がって狙いを見出そうが、オレの弾丸は当たればそれだけでいい」
 白亜さん?
 あっ、メイド服でわからなかったけれど、もしかして……。

「男の子……!」
「だが、それがいいゼぇ!」
「って、あ」
『スーパーカオスドラゴン』さんは度量もすごい。白亜の言葉遣いで、ようやく彼が男の子だと理解したのだろう。それがいい。
「全力を込めた破壊魔術を喰らえ。もっと傷を目立たせちまいな!」
 そう、白亜は己一人で『スーパーカオスドラゴン』を倒そうとはしていない。一体を倒すだけでいいのならば、傷ついた『スーパーカオスドラゴン』を目立たせればいい。
 彼のユーベルコードは、その爆破によって、後に続く猟兵たちに標的とする『スーパーカオスドラゴン』がどれであるかを知らしめるだろう。
 
 爆風に荒ぶメイド服の裾。
 スカートが短いメイド服もいいけど、クラシカルなメイド服もこういう戦場に似合うよね……いい。
 そんな謎の感想をえながら、白亜は華麗にカオスな戦場にホワイトブリムを煌めかせるのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クック・ルウ
羊羹、ありがたく頂戴致す
食べ物は力の源となるので大変うれしい
いざ尋常に勝負――の前に私からも連絡がある

貴殿に勝つためには、私も全力で挑む所存
これから使うのは超攻撃力と超耐久力を得る強力な技だ
しかし私の理性は失われ、周囲に無差別な攻撃を繰り出してしまう危険な技でもある
だが貴殿の動きを捉えるにはこれしかないと判断した
住人の退避完了済みとのことなので、こちらも遠慮なく理性を失わせて頂く
以上だ

それではいくぞスーパーカオスドラゴン殿!
溺れて沈めウオオオーーー!



「ゲヒャ~ヒャッヒャッヒャッ! これが混沌魔法『カオスヘッダー』の力だゼぇ!」
「力の暴走は止められないんだゼぇ!」
「増える増える増えまくる! どんなヤツらがナニをしようとも、オレサマには勝てねぇゼぇ!」
 三つ首がそれぞれ咆哮する。
 その威容を誇るのは東のラスボス『スーパーカオスドラゴン』である。
 彼の手繰る混沌魔法『カオスヘッダー』は確かに尋常ならざる力であった。そう、彼は増え続ける。

 瞬く間に街を埋め尽くす『スーパーカオスドラゴン』さん。
 その勇姿はあまりにも壮観であったし、これまで彼が築き上げてきた信頼と実績は高く評価されている。だからこそ、七代目デビルキングの白羽の矢が立ったのだ。うなずける。
 とても良くなうなずける。
 クック・ルウ(水音・f04137)はタイガー印の高級羊羹をもぐもぐしていた。そう、生きるということは食べるということ。
 彼女はブラックタールであり、有機物無機物問わずに食すことができる。けれど、彼女は料理というものに非情にこだわるブラックタールだ。

 そんな彼女が『スーパーカオスドラゴン』から事前のあいさつ回りによって送られたタイガー印の高級羊羹を食べれば、それはもう見事な味に夢中になって食べてしまうのだ。
「羊羹、ありがたく頂戴致す。食べ物は力の源となるので大変嬉しい」
 暴れまわる『スーパーカオスドラゴン』さんがピタッと止まる。事前の段取りと挨拶は行っているが、こんなふうに神妙にクックがしていれば、応えるのが礼儀であろうと感じたからである。真面目か。

「あっ、気に入って頂けて恐縮です~」
「だが、手加減はしないゼぇ!」
「真っ向勝負と行こうじゃねぇか!」
 そんな彼らにクックも頷く。だが、ちょっとまって欲しいとクックは『スーパーカオスドラゴン』たちを制する。
「いざ尋常に勝負――の前に私からも連絡がある」
 なになに? と『スーパーカオスドラゴン』は破壊活動をやめてクックの言葉を待つ。なんだこの光景。とうてい暴走とカオスを齎す戦場とは似つかわしい状況である。

「貴殿に勝つためには、私も全力で挑む所存」
 うんうん、わかる。
 クックの言うことは尤もだ。確かに彼らは悪魔である。性根が善良であるが、その眼鏡さ、強さは他世界にあっても類を見ないほどである。
 だからこそ、クックは手段を選んでいられないし、力の解放を求めるのだ。
「これから使うのは超攻撃力と超耐力を得る強力な技だ。しかし、私の理性は失われ、周囲に無差別な攻撃を繰り返してしまう危険な技である」
 怖い。
 けれど、近隣住人さんたちは皆避難しているし、すでに『スーパーカオスドラゴン』特約がある。えっ、この状態からでも入れる保険があるんですか? でおなじみのやつである。

「なるほどですね~」
「心配はごもっともだゼぇ!」
「だが、貴殿の動きを盗られるにはこれしかないと判断した」
 クックは神妙に言い放つ。
 これもまた大切な段取りだ。そう、善き破壊と暴走には段取りが大切なのである。いや、これって互いの手の内を晒しているだけに過ぎないのではないかと思った貴方は何も分かっちゃいない。
 段取りから生まれる美しいカオス。
 それこそが『スーパーカオスドラゴン』とクックの求めるものである。多分。

「住人の退避完了とのことなので、こちらも遠慮なく理性を失わせて頂く。以上だ」
 クックはそう言って頷く。
 あ、立ち位置確認しているのかな。すぅ、とクックが息を吸い込む。まあ、なんていうか、ものすごく前置きが長くなったけれど、結局の所戦うしかないのである。
「それではいくぞ『スーパーカオスドラゴン』殿!」
「こいやー!」
「ぎったんぎったんのけっちょけちょにしてやんゼぇ!」
「ゲヒャ~ヒャッヒャッヒャ!!!」

 瞬間クックの瞳がユーベルコードに輝く。
 それは暴食の沼(ボウショクノヌマ)。己の体を触れたものを引きずり込む黒い沼へと変化させ、彼女が説明したとおり、超攻撃力と超耐久力を得るユーベルコードである。
 だがしかし、クックもまた理性を失ってしまうのだ。
 あっ、もしかしてもう巻きに入ってる? 尺が足らない? だがそんなこと関係ねぇ!

「溺れて沈めウオオオ――!」
 クックは多くの『スーパーカオスドラゴン』さんたちを沼に引きずり込んで動きを止める。
 その活躍ぶりをダイジェストでお送りしなければならない我々の力不足を痛感していただきたい。
 獅子奮迅のクックの戦いぶりは、これからだ――!!

大成功 🔵​🔵​🔵​

アストラ・テレスコープ
よーし、相手がたくさん増えるならこっちも分身だ!

UCで元気な分身をたくさん産み出すよ!

みんなでスーパーカオスドラゴンの周りをちょこまかと走り回って、取りあえず気を引く!
大規模な鬼ごっこみたいでちょっと楽しい!

「同じタイミングで攻撃どうぞ!3,2,1,ゴー!」とカオスドラゴンにお願いして、同時に噛みつき攻撃をしてきた瞬間に一斉にロケット噴射で飛び上がって回避、地面とか建物に噛みつきを誤爆させるよ!
攻撃を中止できないからしばらくその場から動けないはず!

あとはみんなで上空から弓で攻撃するよ!
お願い聞いてくれてありがとう!



 アンリミテッドカオスファング――それは『スーパーカオスドラゴン』さんのユーベルコードであり、必殺技である。
 混沌魔法もう関係ないじゃんって思われた方もいらっしゃるだろうが、基本的に悪魔であるラスボスこと『スーパーカオスドラゴン』の素の能力はマジですごい。
 半端ないのである。
 そんな三つ首の『スーパーカオスドラゴン』さんの牙が一斉に襲いかかれば、これに耐えきれるものなどいないのである。

 それ以上に『カオスヘッダー』によって次々と増殖し続ける『スーパーカオスドラゴン』さんの数もまた尋常ではない。
 猟兵達は、この数に対応し、なおかつ一体を集中的に攻撃しなければならない。
 この『カオスヘッダー』を攻略するためには、『完全同一存在』であるがゆえに、一体でも倒せれば他の増殖した『スーパーカオスドラゴン』が爆発するという性質をりようしなければならない。
「よーし、相手がたくさん増えるならこっちも分身だ!」
 アストラ・テレスコープ(夢望む天体望遠鏡・f27241)の瞳がユーベルコードに輝く。

 それは、彼女の元気な分身たちを召喚するユーベルコードである。
 混沌魔法『カオスヘッダー』が『スーパーカオスドラゴン』を倍々に増やしていくというのならば、アストラは己のユーベルコードで持って多くの分身たちをもって対抗するのだ。
「ゲヒャ~! こいつらオレサマと似たような力を使うのか!」
「生意気なんだゼぇ! だが、オレサマは一体でも倒されれば、他の全部も爆発するようになってるんだゼぇ!」
「同様にオマエらもそうなんだよなぁ!」
 そう、アストラのユーベルコードはどれだけでも分身を増やすことができる。
 けれど、ダメージを受ければ、増やしたら増やした分だけダメージを負ってしまうのだ。それは大きなリスクだ。

 けれど、アストラは恐れない。
「じゃあ、当たらなければいいじゃん! こっちこっち~!」
 アストラは『スーパーカオスドラゴン』さんたちを引きつけるようにちょこまかと走り回って破壊の痕が残る街中を走り廻る。
 まるでこれは大規模な鬼ごっこである。いやまあ、その、なんていうか絵面は全部『スーパーカオスドラゴン』さん一色である。
 しかし、アストラは知っている。
『スーパーカオスドラゴン』さんは暴走前の段取りと挨拶回りに定評がある悪魔であると。

 ならば、アストラが提案すれば、きっとそれに乗ってきてくれると確信する。
「同じタイミングで攻撃どうぞ! 3、2、1、ゴー!」
「え!?」
「ゲヒャ!?」
「くらえ、アンリミテッドカオスファング!!」
 釣られるように一声に『スーパーカオスドラゴン』たちが、その三つ首の竜の顎を地面を走るアストラに向かって突っ込ませる。
 アストラは、その瞬間に一斉にロケット噴射で空へと飛び上がり、それを躱す。そう、『スーパーカオスドラゴン』の牙は一度はなったら止められない。
 躱してしまえば、二度と当たることはない。
 激突する『スーパーカオスドラゴン』さんの頭達。

「頭突き刺さって抜けないゼぇ!?」
「おい、そっちを引っこ抜くな、崩れちまうゼぇ!?」
「ってあれ、猟兵のヤツは……!」
 三つ首がアストラを探す。彼女はすでに天にある。
 彼女が手にするのはなんか宇宙的な矢っぽいものを撃つ弓っぽい武器である! ぽいってことはそうじゃないって……コト!?
 いや、弓である。

「お願い聞いてくれてありがとう!」
 おおよそ、戦っている敵に告げる言葉ではない。けれどアストラはにっこり笑って、分身たちと共に夢と宇宙を感じさせるパワーを放つコズミックロングボウを引き絞り、コズミックなパゥワーを矢に変えて放つのだ。
 一斉に振り注ぐ矢。
 それは光の雨のようにカオスな戦場を染め上げ、『スーパーカオスドラゴン』さんたちを強かに打ち据えるのであった。

 けれど、わかるだろう。
 もう戦場は宇宙と夢とあと暴走で持って一層カオスになっていることを――!

大成功 🔵​🔵​🔵​

ワルルーナ・ティアーメル
くく、今日の我は念願の魔王城を手に入れたから気分がいい
それに我が第4の魔将から新兵器、汎用悪魔型決戦兵器とかもらってな!
絶好調なのだ!

では早速!いでよ新兵器!
……って、これ完成したばかりの我が魔王城では?
(変形してカオスドラゴンに殴り掛かる『機動魔王城ワルルンガーΣ』)

(唖然)な、なんか意外とつよいけど建ったばかりの我が城を壊されてたまるかー!
UCで無数の分裂体になり、魔王城が抑えているカオスドラゴンに狙いを定め群がっていくぞ!
分裂した一人一人の我の犠牲は無視!減ったら変身して数と大きさを増強!
噛み付きとブレスで徹底的に一人を狙うぞ!

無尽に増えるのが貴様だけと思うなー!
※アドリブ等歓迎です



 ワルルーナ・ティアーメル(百胎堕天竜魔王(自称)・f31435)はごきげんであった。
 それはもうとてもとても気分が良い日であったのだ。
 なぜかと問われたのならば、答えるのが百胎堕天竜魔王様の善いところである。
 ならば見よ。
 彼女の居城の威容を!
「くく、今日の我は念願の魔王城を手に入れたから気分がいい。それに我が第4の魔将から新兵器、汎用悪魔型決戦兵器とかもらってな! 絶好調なのだ!」
「ゲヒャ~ヒャッヒャッヒャ! いいぜ、来いよ!」
「どんなものが来ようと、この『スーパーカオスドラゴン』であるオレサマが負ける訳がねーゼぇ!」
「ふっ、では早速! いでよ新兵器!」
 ばーん!
 その名も!!
 なんか、デカイ要塞みたいな城が、ガチャンゴチョン言って変形してくバンクシーンが流れている。

 壮大なエフェクトとサウンドが鳴り響く中、人型の影が戦場に降り立つ。
 そう、これこそが!

『機動魔王城ワルルンガーΣ』である!!
 建造中のワルルーナの居城を第4の魔将が仕事サボって無断で改造した自立式悪魔型歩行要塞!
 基本的に事後承諾である!
 そう、完全にワルルーナは寝耳に水であった。
「……って、これ完成したばかりの我が魔王城では?」
 どっせい! と『機動魔王城ワルルンガーΣ』が『スーパーカオスドラゴン』を打った叩く。
 盛大にぶっ飛ぶ『スーパーカオスドラゴン』さん。だが、彼もまた東のラスボスである。瞬時に『カオスヘッダー』によって増えた『スーパーカオスドラゴン』さんたちと『機動魔王城ワルルンガーΣ』が取っ組み合う。

「な、なんか意外と強いけど、建ったばかりの我が城を壊されてたまるかー!」
 唖然としていたワルルーナさんは、我に変えるとユーベルコードを発動する。
 無尽の堕天竜魔王・改(ワルルーナレギオンプラス)によって無数の分裂体となったワルルーナが戦場に飛び出す。
 そう、戦いとは数である。
「やるじゃあねぇか! おもちゃみたいな鳴りしやがって!」
「今度コラボ商品とかどうでしょうか! 超合金とか!」
「兎に角ぶっ壊すゼぇ!」
 わー! やめろやめろ、我の城を壊すな! とワルルーナは分裂した一人ひとりが『スーパーカオスドラゴン』に掴みかかる。

 確かにワルルーナ自身は『スーパーカオスドラゴン』より能力差が劣るであろう。だが、分裂によって増殖していくワルルーナたちはやられる度に変身していく。
 その都度、数と身長が二倍になっていくのだ。
 負傷もまた同様である。
「無尽に増えるのが貴様だけだと思うなー!」
 もはや、戦場はカオスそのものであった。
 街中に溢れる『スーパーカオスドラゴン』たちには目もくれず、ワルルーナたちは一斉に己の魔王城と取っ組み合っている『スーパーカオスドラゴン』に狙いを定めるのだ。

 そう、『カオスヘッダー』は確かに強大な混沌魔法である。
 しかしながら『完全同一存在』であるがゆえに、一体でも倒せば、他の『完全同一存在』は爆発して消える定め。
 ならば、ワルルーナのユーベルコードの方が上である。
 彼女の分裂体たちはやられたり、変身する度に自身の群体を構成するちびワルルーナたちの数と身長が二倍になって、何れ『スーパーカオスドラゴン』の数を上回るのだ。
「噛みつきとブレスをくらえー!」

 凄まじい攻勢。
 組み合う『機動魔王城ワルルンガーΣ』を援護するように必死でワルルーナは戦う。
 だってそうだろう。
 あの魔王城は新居である。新しい魔王城なのだ。第4の魔将による仕事サボったツケがここに来ているのは、まあ上司として仕方のないことであったのかも知れない。
 けれど、『スーパーカオスドラゴン』との戦いに駆り出して、今日で壊れてしまうのだけはあまりにも悲しい。

「負けるな『ワルルンガーΣ』! お前の力を見せてみろー!」
 その言葉に応えるように『機動魔王城ワルルンガーΣ』が『スーパーカオスドラゴン』をうっちゃるように投げ放つ。
 地響きを立てて大地に打ち付けられる『スーパーカオスドラゴン』をワルルーナは群体たちと共に攻め立てる。

 そう、完成した日に壊れてしまうなんてことがあってはならない。
 ワルルーナは、己の城を守るために全力で『スーパーカオスドラゴン』に群がり、これを打倒せんとこれ迄以上に力の入った噛みつきを行うのであった――!

大成功 🔵​🔵​🔵​

馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友

第三『侵す者』武の天才
一人称:わし 豪快古風
武器:黒燭炎

うん、確かにわし、『属性を変え続ける混沌の炎を見たい』とはいったぞ?炎使いとしては気になるし。
そうしたら…UC状態に…。
いやな、四天霊障(極彩色)に生命力吸収つけとるから、体力は問題ない。
あとで羊羹食べるか。


陰海月、超張り切って光る。呪詛の属性を変えていって対処。さらに、一体に絞って黒燭炎(極彩色炎)でぷすぷす、光珠でぱちぱちする。
「おじーちゃん、今度はこっち見たいんでしょ?なら!」なぷきゅ。羊羹貰った!あとでサインほしい!
霹靂、「何が友をそれだけ張り切らせるのか…」なクエ。影から体当たり。羊羹貰った。



 戦場に輝くは1680万色。
 何ってゲーミングカラーである。
 その姿はまさにミラーボールそのものであった。なんとなくパリピな雰囲気を感じてしまうのは、仕方のないことであったのかも知れない。
 馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)の一柱『侵す者』の何気ない一言が、『陰海月』を張り切らせてしまったことは、最早言うまでもない。
 戦場に転移して即座に四悪霊・『虹』(ゲーミングカゲクラゲノツヨサヲミヨ)によって合体した彼らは、『スーパーカオスドラゴン』との戦いに赴く。

「ゲヒャ~ヒャッヒャッヒャ! オレサマより目立とうなどさせるものかよぉ!」
「マッドカオスフレイム、行くゼぇ!」
 混沌魔法『カオスヘッダー』によって増殖した『スーパーカオスドラゴン』さんたちが一斉に、その三つ首から属性を変え続ける混沌の炎を吐き出す。
 その輝きは、ミラーボールのようになっている『侵す者』たちを凌ぐほどの強烈な輝きであった。
 何より、その威力が尋常ではない。
 ぶっぱされた炎は逃げ場のない一撃であった。というか、無数に増殖した『完全同一存在』である『スーパーカオスドラゴン』さんたちに劣化という概念はない。

 一体一体全てが『スーパーカオスドラゴン』そのものであるからだ。
 混沌の炎を受け止める呪詛。
 その呪詛もまた身から放たれるものであり、属性を変えて対処するのだ。
「ぷきゅ!」
『陰海月』がものすごく張り切っている。
 張り切り過ぎて、抑えが効かなくなっていること自体が問題なのであるが、これもまたおじーちゃんへの孫孝行の一環であるとわかれば、無理に止めることもはばかられるものである。

 だって、『属性を変え続ける混沌の炎を見たい』って言ったのだ。ならば、自分ががんばるのだと『陰海月』は張り切るのだ。
 まあ、羊羹もらったし。あとでサイン欲しいなぁって思うのもまた無理なからぬっこと。
 後でもらいましょうねぇってなるわけである。
「クエ……」
 けれど、友人である『霹靂』は若干、なんで友達がそれだけ張り切るのかよくわかっていなかった。
 けれど、羊羹はもらったのでがんばるとでも言うように陰から『スーパーカオスドラゴン』に体当たりしている。

 戦いは一進一退である。
 というか、これは『スーパーカオスドラゴン』の事前の段取りそのものである。
 プロレス的に言うなら、ブックってやつである。
「ゲヒャ~ヒャッヒャッヒャ! 中々やるじゃあねぇか!」
「だが、この程度では負けねぇゼぇ!」
「そら、行くぞ、マッドカオスフレイムの大盤振る舞いだゼぇ!」
 吹き荒れる混沌の炎。属性が代わり続け、その輝きは『陰海月』の放つミラーボールの如き輝きと相まって、戦場に光のカオスを齎す。なんだ光のカオスって。

 溢れる光は、まるでもうなにかのイベントか、アゲアゲな雰囲気の演出かである。
 それほどまでに戦いの場とは思えない雰囲気。
 ひゅー! いえいいえい!
 解っていただけるであろうか。そう、場をアゲるのも、戦果を上げるのもまた同じことなのだ! そうか? そうなのか?
「……あとで羊羹食べるか」
『侵す者』は考えることをやめる。
 この戦場にありて……いや、デビルキングワールドにおいて深く考えたら負けである。
 善悪の基準が逆転しているというだけではない。

 そう、考えるな! 感じろ! である。
 今やデビルキングワールドを席巻するワルの極地! 東のラスボス『スーパーカオスドラゴン』が齎すカオスに乗るのではなく、感じてグルーヴを上げるのである!
 いや、わからんて……と『侵す者』は思ったかも知れない。
 けれど、『陰海月』と『スーパーカオスドラゴン』さんだけは通じ合ったように万色の如き光と炎の乱舞の中、元気いっぱいに戦い続けるのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

バルタン・ノーヴェ
POW アドリブ連携歓迎!

カオス! ケイオス! 混沌デース! ヒャッハー!
あ、こちら手土産のおはぎであります。
自作でございマスガ、よろしければお収めくだサーイ!(ごにょごにょ)
それではよろしくお願いしマース!
バトルの時間デース!

襲い来る連続噛みつきを、空中を滑るように回避!
スイッスイッと華麗なムーブ!
これぞ事前に代償として捧げたオハギによる巧みな交渉(賄賂)の成果デース!
まさにワルの極みで……Oh!?
受け取っておいて台本を破り本気の攻撃とは!
グッド! それもまたワルデスネー!
OK! スピード勝負でも負けマセーン!

攻撃の隙を狙い、一枚だけウロコが逆の所にめがけてパイルバンカーを打ち込みマース!



 東のラスボス『スーパーカオスドラゴン』との戦いは混迷……いや、混沌を煮詰めたような様子であった。
 猟兵達は皆、一体の『スーパーカオスドラゴン』を狙って攻撃している。
 それは何故か。
『カオスヘッダー』は言わずと知れた『スーパーカオスドラゴン』を『完全同一存在』として増殖する混沌魔法である。
『完全同一存在』であるが故に分裂した『スーパーカオスドラゴン』もまた『カオスヘッダー』で増えていく。
 まるでねずみ算式。
 故に街中には『スーパーカオスドラゴン』だらけになっている。だが、『完全同一存在』であるが故に一体でも『スーパーカオスドラゴン』を打ち倒せば、他の『スーパーカオスドラゴン』は爆発して消滅するのだ。

 これまで何回『スーパーカオスドラゴン』って言ったかわからないほどである。これがカオス! ケイオス! 混沌!
「ヒャッハー!」
 バルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)は混沌を極めたかのような戦場に降り立ち、思わず叫んでいた。
 戦場とは常に不確定要素が入り乱れるものである。それはともすればカオスと呼ぶに相応しいものであったことだろう。
「あ、こちら手土産のおはぎであります。自作ではございマスガ、よろしければお納めくだサーイ!」
 ごにょごにょ言うのは、これが賄賂だからである。

「これはこれはどうも」
「ゲヒャ~! あんこに目がねぇゼぇ!」
「程よくカオスが温まってきやがったゼぇ!」
 三つ首の『スーパーカオスドラゴン』がバルタンの手土産に、ぴたりと止まって礼を言う。真面目か。
「それではよろしくお願いしマース! バトルの時間デース!」
 バルタンと『スーパーカオスドラゴン』は示し合わせたように戦いを繰り広げる。
『スーパーカオスドラゴン』の放つ三つ首の噛みつき攻撃を空中を滑るようにバルタンは回避する。
 スイッ、スイッ! と華麗なムーヴである。

 バルタンは優れた猟兵であるが、ここまで華麗に迫りくる『スーパーカオスドラゴン』さんのカミツキ攻撃を四方八方から受けてもなお、躱し続けている。
 人間業ではない。
 凄まじいまでの回避技術。
 まるでよく出来た殺陣を見ているかのような、外連味あるムービング! おお、まるでムービースター!

 ……。

 もしかして。

「これぞ事前に代償として捧げたオハギによる巧みな交渉の成果デース!」 
 そう、先程の手土産を手渡す時になんかごにょごにょしてたと思ったら、まさかの賄賂!
 まずは腹ごしらえ(ミール・タイム)っていうか、完全に収賄!
 だが、それこそがバルタンの強さでもあるのだ。こと此処デビルキングワールドにおいて、そういう賄賂を送ってというのはワルのやることであり、ワルこそクール! ならばこそ、バルタンの行いは寧ろ褒められるべきことである。
「みなぎって!」
「来た!!」
「ゼぇ~!!!」
『スーパーカオスドラゴン』さんたちもバルタンのワルな行いにテンション上がりっぱなしである。

 カオスこそが『スーパーカオスドラゴン』さんが体現するもの。
 ならば、此処にブックという名の台本と予定調和は必要ない。バルタンは見ただろう。『スーパーカオスドラゴン』さんの牙が本気の勢いでもって迫ってきているのを。
「まさにワルの極みで……oh!? 受け取っておいて台本破りとは! グッド! それもまたワルデスネー!」
『スーパーカオスドラゴン』のテンション上がりまくりの攻撃にバルタンは咎めるどころか、受け入れる。
 台本破りというワルを受け止めるのだ!

「OK! スピード勝負でも負けマセーン!」
 バルタンは手にしたパイルバンカーを白羽の矢が立った『スーパーカオスドラゴン』の逆鱗へと叩きつける。
 敵の弱点をつくという掟破り!
 そう、デビルキングワールドでは、掟とは破るためにあるのだ!
 バルタンの一撃は『スーパーカオスドラゴン』に苦悶の咆哮をあげさせ、戦いの趨勢を猟兵に傾けるのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

大町・詩乃
礼儀というものを心得ておられますね、さすがです♪
こちらも神社近辺で評判の生菓子を持参して『スーパーカオスドラゴン』さんにお渡しします。
できればタイガー印の羊羹を味わってみたいものですが、無理強いはしません。

戦いでは空中浮遊で浮かんで、自身への念動力と空中戦で自在に舞い、第六感・見切り・ダンスで攻撃を華麗に回避して場を盛り上げますよ。

本物をよく見て、UC:産巣にて地面から『スーパーカオスドラゴン』を次々と創造。
「複製が本物を倒す。これぞワルで格好良いですよね~♪」と言いくるめて攻撃してもらいます。

戦場はカオスヘッダーと産巣で次々と生み出された『スーパーカオスドラゴン』さんまみれ。まさにカオス!?



 段取りと挨拶が大切だということはすでに『スーパーカオスドラゴン』が示した通りである。
 戦場とはカオスそのものである。
 流動的に見えて、その実、規則性が即座に乱れるものである。
 故に、段取りって大切なのである。
「ゲヒャ~! 此処まで混沌魔法を使ってもやらねぇヤツらがいるとはなぁ!」
「だが、どんなヤツらが来ようが、オレサマの敵じゃねぇゼぇ!」
「行くゼぇ!」
 三つ首の『スーパーカオスドラゴン』さんが咆哮する。同時に放たれる混沌の炎。吹き荒れる炎は、街中にありて、その力で持って破壊を齎すのだ。

 しかし、そんな『スーパーカオスドラゴン』さんは『カオスヘッダー』によって無尽蔵に分裂しまくっている。
 もう街中は『スーパーカオスドラゴン』さんで埋め尽くされていると言ってもいいほどだ。
 だが、そんな戦場に大町・詩乃(阿斯訶備媛・f17458)は邪神様なりきりセットを纏て降り立つ。
「礼儀というものを心得ておられますね、流石です♪」
 なんか上機嫌であるのは気の所為であろうか。
 あっ。詩乃の手にあったのはタイガー印の高級羊羹! そして、もう片方の手にあるのは彼女の神社近辺で評判の生菓子である!
 そう、品物を送られたのならば返礼するのが筋!
 詩乃は『スーパーカオスドラゴン』に一礼するのだ。

「あっ、これはどうもです~……あ~そんなそんな、お礼なんてよかったですのに~」
「ゲヒャ~! これはまた絶品だゼぇ!」
「ありがたいゼぇ! というわけでカオスな戦場を共に生み出そうゼぇ!」
「はい、お気に召したようでなによりです♪」
 お互い、甘いものが好きなのだろう。
 お互いが持ち寄った品に、心底満足しているようである。よかったね、とほこほこしているのは当他人同士だけである。
 周囲の街中には『スーパーカオスドラゴン』が溢れ、破壊とカオスだけが支配している。

 詩乃はふわりと空中に浮かび、己の念動力で持って空中戦を自在に舞うようにして行う。
 混沌の炎を受け流し、華麗に舞う姿はなんかこう……あれである。戦っているというより演出のほうが強くないか? と訝しみたくなるものがあった。
 いや、近隣住人さんたちはみんな喜んでいるようであるからいいのかも知れないが、詩乃はニコリと微笑む。
 あっ! これ絶対やってるやつだぞ!
「神の理により、此処に生命を創造いたします」

 詩乃のユーベルコードが輝く。
 それは、産巣(ムスヒ)。周囲に在る無機物をもって生み出すユーベルコードである。
 彼女がよーく見ていたのは『スーパーカオスドラゴン』。
 なんで?
「複製が本物を倒す。これぞワルでカッコイイですよね~♪」
「まったくだゼぇ!」
「こんなワルなことを思いつくなんてな!」
「流石だゼぇ! じゃあ、このまま戦場をカオスに打ち込むんだゼぇ!」
 言いくるめられた『スーパーカオスドラゴン』の周囲には『カオスヘッダー』と詩乃のユーベルコードによって生み出された『スーパーカオスドラゴン』でごった煮のような状況になってしまう。

 右を見ても、左を見ても何処を見ても『スーパーカオスドラゴン』!
 どれが本物で、どれが偽物かもう見分けがつかない。
「まさにカオスですね~♪」
 言ってる場合ではない。もう収集がつかない! 詩乃はやっぱりにっこり微笑んで、唯一目印が付いている他の猟兵たちの攻撃によって傷ついている『スーパーカオスドラゴン』を示すのだ。

「一番弱っている者を袋叩きにする……まさにワルだと思いませんか? いえ、スーパーワルですね」
 その言葉に扇動されるようにして、偽物も本物も目印という名の消耗を刻まれている『スーパーカオスドラゴン』へと殺到する。
 まさに極ワル!
 これが詩乃の示したワルの道! スーパー邪神様なりきりセットは伊達じゃないってことを示すように詩乃は空中からごった返す戦場を見下ろして微笑むのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ベルベナ・ラウンドディー
混沌魔法とは言いますがね
予測不可能な突進まで魔法と言い張りますか
いい加減にしなさいな

【爆破】
適度な一体を見繕って爆弾を周辺展開
それ以外の敵群を爆弾で吹っ飛ばし、孤立化を狙います
ま、この隙に攻撃くらい貰うでしょう
…というか、攻撃を誘います

相手のユーベルコード、起動予測が無理なら喰らってから考えるに限ります
【功夫・ぶん回し】
衝突の瞬間に体を回転させて衝撃緩和、
その勢いのまま逆にユーベルコードでカウンターを仕掛けます
擒拿、こういう術もあるんです
突進攻撃なんてもんは相手をフッ飛ばさなきゃ反撃が必至なんですよ
ひっつかんでその勢いを殺さずに【砲撃】の要領で地面に叩きつける!



 カオスで予測不能な軌道を描くは東のラスボス『スーパーカオスドラゴン』である。
 ハイパーカオスチャージ。
 それこそが『スーパーカオスドラゴン』のユーベルコードである。無数の『カオスヘッダー』によって生み出された『スーパーカオスドラゴン』たちもまた同じように予測不能な軌道を描いて、猟兵を追い詰める。
 あの巨体、悪魔の強靭なる肉体で突っ込まれれば、猟兵と言えど無事では住むまい。
「ゲヒャ~ヒャッヒャッヒャ!」
「これこそがオレサマの予測不能なカオスの突撃!」
「これを食らって立っていた奴はいねぇゼぇ!」

 すでに周囲の街は破壊されまくっている。
 けれど、段取りと挨拶回りに定評のある『スーパーカオスドラゴン』さんのおかげで、人的な被害は皆無である。というか、まったくない。
 それどころか、建物とかの破壊は『スーパーカオスドラゴン』特約で全損であってもちゃんと保証してくれるのである。
 さすがは東のラスボスである。白羽の矢が立つのもまたわかるものであった。
「混沌魔法とはいいますがね、予測不可能な突進まで魔法と言い張りますか」
 その突進を前に、ベルベナ・ラウンドディーは思わずため息を付いていた。

 迫りくるカオスめいた突撃。
 だが、彼はそのうちの一体に狙いを定め、周囲に爆弾を展開して爆破する。いや、一体を狙ったものではない。
 その爆破、むしろ、その一体以外を遠ざけるためであった。
「いい加減にしなさいな」
「いいや、しないゼぇ! これこそがカオスだからなぁ!」
「すでに段取りはできてんだ! オレサマを止められる者などいねぇゼぇ!」
「ゲヒャ~ヒャッヒャッヒャ!!」
 もう戦場は混沌そのものであった。ここまでカオスを極めていれば、増えた『スーパーカオスドラゴン』を纏めて相手にするのは得策ではない。

 だからこそ、ベルベナは一体だけを孤立させたのだ。
 それは攻撃を躱しやすくするためではない。
「ゲヒャ~!!」
 おらぁ! って感じで『スーパーカオスドラゴン』の突撃がベルベナを襲う。その一撃は凄まじく重たいものであった。
 けれど、瞬間ベルベナの瞳がユーベルコードに輝く。
「でりゃあ!」
『スーパーカオスドラゴン』と激突する瞬間、ベルベナは掌握(ショウアク)していた。何を? と誰もが思うことだろう。

 彼が掴んだのはユーベルコードに起因する事象そのものである。
『スーパーカオスドラゴン』が激突する瞬間、その事象そのものを掴み、これまで蓄えてきた功夫を技術に昇華する。
「軌道予測が無理なら、喰らってから考えるに限ります」
 勢いのままにベルベナは『スーパーカオスドラゴン』をぶん投げる。凄まじい勢いが付いていた『スーパーカオスドラゴン』の巨体が宙を舞い、その背中から大地に叩きつけられる。

 どれだけの巨体であったとしても梃子の原理を使えば、これこのとおりである!
 轟音が響き渡り、『スーパーカオスドラゴン』は己が何をされたのか理解できなかったことであろう。
 突如として己の体が反転し、凄まじい痛みが背中から走り抜けたのだ。
「突進攻撃なんてもんは相手をふっ飛ばさなきゃ反撃が必至なんですよ」
 叩きつけられた『スーパーカオスドラゴン』が見上げた先にあったのは、ベルベナの姿であった。

 投げた勢いを殺さず、そのまま自身の体を宙に飛び上がらせ、天空よりその一撃を見舞う。
 使うは梃子の原理。
 ならば、増幅された突進のエネルギーは彼の拳に宿るのである。
 放たれた一撃は『スーパーカオスドラゴン』の三つ首の一つ叩きつけられ、周囲に破壊を齎すほどの衝撃波を走らせるのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ドウジ・ユークレナ
混沌魔法カオスヘッダーにより生まれるドラゴンでありますか…
カオス怪獣を相手にするときは「時には拳骨を」「時には花束を」って奴でありますな。

それにしても、あいさつ回り済みで暴走による被害に対しての理解を説明も終了しているとは…うん。つまりこれからの戦闘でこの町を幾ら破壊しても、すべてがスーパードラゴンのせいであり、責任は猟兵にないということでありますな(ぇ)

スパイダーランぺージで巨大化であります。
巨大化した脚でタップ『ダンス』による足さばきによる『範囲攻撃』でまとめて攻撃であります。
その場にいる『敵を盾にする』ことで攻撃をしのぎつつ連続攻撃であります。



 混沌魔法『カオスヘッダー』によって生み出された『スーパーカオスドラゴン』たちは全て『完全同一存在』である。
 劣化など存在しない。
 そして『完全同一存在』であるが故に、生み出された『スーパーカオスドラゴン』もまた『カオスヘッダー』によって新たな『スーパーカオスドラゴン』を生み出すのだ。
 その力は凄まじいの一言に尽きる。
『スーパーカオスドラゴン』ただ一人がいるだけで、戦場には『スーパーカオスドラゴン』が満ち溢れてしまうからだ。

 それによって引き起こされる街中の被害は到底測り知れるものではない。
 これこそが七代目デビルキング候補として白羽の矢が立った実力であるといえることだろう。
「ゲヒャ~ヒャッヒャッヒャ! 破壊、カオス! これこそがオレサマを体現するものだゼぇ!」
「どんどん増やせ、カオスに引き込め!」
「暴走とカオスこそが世界を廻すんだゼぇ!」
 三つ首がそれぞれに咆哮する。
 もはや、『スーパーカオスドラゴン』を止めることなどできないのか!

 そんな戦場を見やり、ドウジ・ユークレナ(風渡り人・f36443)は瞳をユーベルコードに輝かせる。
「混沌魔法『カオスヘッダー』により生まれるドラゴンでありますか……カオス怪獣を相手にする時は『時には拳骨を』『時には花束を』ってやつでありますな!」
 ドウジは『スーパーカオスドラゴン』の見事な段取りと挨拶回りに関心しきりであった。
 街中を破壊に飲み込んでいる『スーパーカオスドラゴン』との戦い。
 その被害は尋常ならざるものであった。被害総額を考えただけで頭がクラクラするものであった。
 けれど、これらの被害の規模などはすでに『スーパーカオスドラゴン』が近隣住人さんたちに説明しているのである。

 なんたるいたれりつくせり!
「つまり戦闘でこの街を幾ら破壊しても、全てが『スーパーカオスドラゴン』のせいであり、責任は猟兵にないということでありますな」
 ならば遠慮など要らないというようにドウジの瞳輝くユーベルコードが彼の全身を覆っていく。
 そのユーベルコードは己の躰を巨大化し、破壊の渦に引きずり込む力である。
 巨大化した土蜘蛛童の躰。

 それは見紛おうことなき怪獣そのものであったし、『スーパーカオスドラゴン』と相対した時、その光景は怪獣映画そのものであった。
「恐れ慄き驚くがいいのであります。自分も吃驚であります!!」
 ちょっとデカくなりすぎたか? という疑念はドウジに湧き上がってくるが、まあ些細なことであります。
 さらにドウジは巨大化した躰でタップダンスによる足さばきを行って『スーパーカオスドラゴン』の放つ三つ首の牙を躱し、頭を抑えるようにして足で叩きつけるのだ。
「ぐはぁッ!?」
「オレサマを足蹴に!?」
「っていうか、デカすぎでは!?」
 そんな『スーパーカオスドラゴン』の言葉を尻目にドウジのタップダンスはさらに加速していく。

 まさにスパイダー・ランページ!
 暴風の如き足捌きは『スーパーカオスドラゴン』を滅多打ちにし、さらに蹴飛ばして空へと舞い上げる。
「今であります!」
 ドウジの脚が、驚異的な跳躍力を生み出し、打ち上げた『スーパーカオスドラゴン』へと迫る。
「このオレサマが、一方的にやられているだと!?」
「馬鹿な、だゼぇ!?」
 空中の無防備な『スーパーカオスドラゴン』に叩き込まれるドウジの脚。

 その一撃は『スーパーカオスドラゴン』を強かに打ち据え、街中へと蹴落とす。落下の衝撃は凄まじく、さらなる被害を街中に齎したが、ドウジは『スーパーカオスドラゴン』特約があることを承知しているがゆえに、さらに落下の上から着地と同時に蹴りを見舞い、巨大化した己の躰でウキウキにタップダンスに興じるのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

朱鷺透・小枝子
懐柔も分かるであります。
羊羹には苦い筈のお茶が不思議と相性がよく、あれはやみつきものであります…

ディスポーザブル01操縦席の中で納得顔。小枝子は、気が、緩んでいる!

……は、すみません!今は戦争中…!
スーパーカオスドラゴン殿、御覚悟を!

RX騎兵刀を【怪力】で振り被り首狙いの【切断】攻撃!
対処され反撃を受けるでしょうが01の耐久力【継戦能力】と【オーラ防御】で耐えて『電磁絶叫』!迸れ!!
機体から戦場全体への【範囲マヒ攻撃】、噛みつきを振りほどきスラスター【推力移動】上空へジャンプ!

【瞬間思考力】で一番傷ついているカオス殿を識別、
01の全体重を込めた【重量攻撃】!
そこだ!ディスポーザブルキッーク!!



 段取りと挨拶回りに定評がある。
 それは聞いてしまえば、なんだそんなことかと思うかも知れない。
 けれど、それが容易なことではない。関係各所に挨拶して周り、手土産を渡して心を配る。
 地道な行いが結実する。
 東のラスボス『スーパーカオスドラゴン』は、それをよく知るからこそ事前準備を怠らないのだ。
 タイガー印の高級羊羹をパクついて朱鷺透・小枝子(亡国の戦塵・f29924)はキャバリアのコクピットの中で大変に気の緩んだ顔をしていた。

 戦いに際しては苛烈なる表情を見せることの多い小枝子の顔を此処まで緩ませる『スーパーカオスドラゴン』の段取りと挨拶回りこそ褒められるべきであったことだろう。
「羊羹には苦いはずのお茶が不思議と相性がよく、あれはやみつきものであります……」
 ほっと一息。
 小枝子は戦いに疲れた頭を糖分で癒やし、つかの間の休息をえたのだ。チル。圧倒的チル……!
 だがしかし、今は戦いの最中である。
 街中では『スーパーカオスドラゴン』が混沌魔法『カオスヘッダー』でもって倍々に増えていく。その破壊とカオスの様相は小枝子に再び気を引き締め直させるには十分な光景であった。

「『スーパーカオスドラゴン』殿、御覚悟を!」
「どっからでもかかってこいやぁ!」
「ゲヒャ~ヒャッヒャッヒャ!」
「だが、オレサマのアンリミテッドカオスファングが躱せるかなぁ! オレサマの牙は一度始めたら止められねぇゼぇ! 躱されても止められねぇゼぇ!」
 あ、今なんか重要なことを『スーパーカオスドラゴン』さん言ったような気がする。キャバリアと共に小枝子は戦場を駆け抜ける。
 三つ首の『スーパーカオスドラゴン』が小枝子を狙って、その牙を振るう。四方八方から飛んでくる牙を躱すのはあまりにも困難な道であった。
 けれど、小枝子のキャバリアが振るう騎馬刀の一撃が迫る『スーパーカオスドラゴン』の首に叩きつけられる。

 その一撃が首を叩き落とすが、その間に別の首が小枝子に迫るのだ。
 機体が激しくきしむ。
「さすがは、東のラスボスであります……! ですが!」
 小枝子の瞳がユーベルコードに輝く。
 それは電磁絶叫(パルスヴォイス)とでも名付けるべきか。『スーパーカオスドラゴン』の猛攻を受けながら、小枝子は咆哮する。
 叫びは電撃となって迸る。

「迸れ!!」
 溢れる電流は全方位に向かって放たれるものであった。自身を取り囲む『スーパーカオスドラゴン』の数は尋常ではない。
 ならば、狙いをつける必要など無いのだ。
 打ち込まれた電流は『スーパーカオスドラゴン』を消えぬ麻痺によって動きを止めさせる。
「痺れるゼぇ!? なんでしびれが消えねぇ!?」
「この電流がそうか……! ゲヒャッ!」
「だが、この程度ならオレサマが……!」
 再び『カオスヘッダー』によって倍々に増えていく『スーパーカオスドラゴン』。麻痺を受けたのならば、『完全同一存在』を増やして対処すればいい。

 その目論見は半分成功であったことだろう。小枝子のキャバリアが空中へ対比する。噛みつき攻撃を回避するためであろう。
 けれど、そのジャンプは回避行動ではなかった。
「飛んだ――!?」
「まさか、あれは――!」
「そうであります! 見つけたぞ、一番傷ついている『スーパーカオスドラゴン』殿!」
 小枝子は麻痺している、これまで最も猟兵たちの攻撃を受けて傷ついている『スーパーカオスドラゴン』を見つける。
 電撃はすでに出し切った。

 ならばどうするか。
 簡単なことだ。己が駆るキャバリア『ディスポーザブル01』の自重を持って押しつぶすかのような一撃を加えればいい。
 すなわち!
「そこだ! ディスポーザブルキーック!!」
 渾身の一撃。キャバリアの全重量を込めた必殺の一撃が『スーパーカオスドラゴン』を捉え、凄まじい破壊を周囲に齎すのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

佐伯・晶
見た目と言動のイメージが違い過ぎて
頭が混乱しそうだよ
いざ尋常に勝負って言いたいとこだけど
混沌とした戦場の様子を見るに
それどころじゃなさそうだね
でも挨拶したら返してくれそうな気もする
まあ、程々によろしくね

噛みつきにきたらワイヤーガンを
相手の体に巻き付けてしがみつき
背中とか顔の届きにくい場所に移動しよう

そのままUCを使用
周囲の個体ごとまとめて攻撃しよう
しがみ付いた個体には念入りに
極低温物質をぶつけておこうか

凍結系の攻撃で爆発ってのシュールだけど
特撮とかのお約束みたいなものなのかな

愉快さに反して強いから
僕の体も完全に凍って暫く融けそうにないや
クイーンと戦った時くらいカチカチだ

あら、綺麗だと思いますの



「ゲヒャ~ヒャッヒャッヒャ!!」
「破壊とカオス! それこそがオレサマが体現すべきモノだゼぇ!」
「もっとだ。もっと破壊を! カオスを!!」
 そんな感じで東のラスボス『スーパーカオスドラゴン』が咆哮する。街中はすでに破壊の渦に引きずり込まれるようにあちこちが倒壊した建物の瓦礫で満ちている。
 凄まじいまでの破壊。
 そして、暴走。
 それこそが『スーパーカオスドラゴン』の持つ混沌魔法『カオスヘッダー』の力であった。

 次々に増えていく『スーパーカオスドラゴン』。
 どれもが『完全同一存在』であるがゆえに、増えた端から『カオスヘッダー』で倍々に増えていくのだ。
 あまりにも規格外。
 だが、彼は事前の段取りと挨拶回りに定評がある。近隣住人さんにはすでに退避してもらっているし、ちゃんと関係各所に挨拶はすでに終わっている。
「見た目と言動のイメージが違いすぎて、頭が混乱しそうだよ」
 佐伯・晶(邪神(仮)・f19507)は、そのイメージに落差、ギャップに頭が混乱していた。
「いざ尋常に勝負って言いたいところだけど……」
 戦場は最早カオス。
 混沌そのものであった。こういう時に挨拶しているどころじゃないなと思ったけれど、あの『スーパーカオスドラゴン』さんのチラッチラッと視線がよこされているのを見る限り、これはあれである。

 挨拶していいのかなぁって向こうも迷ってる感じである!
「まあ、程々によろしくね」
「あっ、はい~こちらこそよろしくお願いいたします~あ、では、そろそろ……」
「スーパー噛みつきタイムと行こうかァ!」
「ゲヒャ~ヒャッヒャッヒャ!!」
 落差! 晶は思わず叫びそうになっていたが、噛みつきを仕掛ける『スーパーカオスドラゴン』の首を躱すためにワイヤーガンを胴体に放ち、しがみつくようにして躱す。

 そう、一撃を凌ぐことができれば、『スーパーカオスドラゴン』の牙は当たらない。それに自身の躰、その背中や顔に晶は走っていく。
 如何に分裂して増殖していようとも狙いづらい場所はあるはずなのだ。
「狙いはいいが、それでオレサマが怯むと思ったかよぉ!」
「このカオスの権化!『スーパーカオスドラゴン』サマが!」
「ゲヒャ~! どうせ『カオスヘッダー』で増えるんだからよぉ!」
『スーパーカオスドラゴン』たちが一斉に晶に迫る。だが、晶には勝算があったのだ。その瞳がユーベルコードに輝く。

「……人間にはできない無茶だよなぁ」
 それは邪神の涙(ゼロ・ケルビン)。自らも徐々に凍りつつ、周囲に極低温の物質を放ち、無差別に攻撃するユーベルコードである。
 周囲に迫る『スーパーカオスドラゴン』たちは見ただろう。触れるだけで凍りつかせる物質を放つ晶の姿を。
「ゲヒャ~!? コイツ、自分ごと!?」
「なんてワルなんだゼぇ!?」
「アブねぇ! 凍っちまうゼぇ!?」
 言葉面は完全にやられ役のそれである。けれど、その愉快さに反して『スーパーカオスドラゴン』はまさしくラスボス。
 その力は西のラスボスこと『アイスエイジクイーン』さんと同じである。それぐらいにガチなのである。
 カチコチなだけに。

「……」
「……」
 な、なんとかいえよぉ! 一瞬周囲が別の意味で凍りついたのは気にしてはならない。晶は『スーパーカオスドラゴン』の多くを凍りつかせ、ここに留める。凍りついてしまえば、『カオスヘッダー』による増殖も防ぐことができる。
「後は、みんなに託すしかないね」
 凍りついていく己の躰。しばらく溶けそうにない。仕方ないな、と晶はため息をつく。格好がつかないと思ったけれど、内なる邪神は違うようであった。
「あら、綺麗だと思いますの」
 その言葉に同意するように凍りついていく『スーパーカオスドラゴン』さんの三つ首も頷くのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

メンカル・プルモーサ
……これはこれはご丁寧に……こちらこう言う者です(名刺交換)
…うーん…なんというか如何にもデビキンらしい悪魔だなぁ…

…混沌の炎は術式組紐【アリアドネ】で作った結界で防いで…
全てが同一存在で…無数に存在するとなれば…
重奏強化術式【エコー】で強化をした【連鎖する戒めの雷】を発動…スーパーカオスドラゴン全員に伝播する雷鎖で攻撃すると共に動きを封じるよ…
…さすが同一存在……伝播速度も速い…さて…動けないうちに一応白羽の矢が刺さってる個体を探すか…
…いればよし、いなければ仕方ないので手近な一体に魔力を込めた黎明剣【アウローラ】の刃をぶっ刺して内部から爆破してしまおう……



 どんな時でも自己紹介と挨拶は大切なものである。
 当然ながら東のラスボスとも称される『スーパーカオスドラゴン』くらいに成れば、この程度あたり前のことなのである。
 暴走前の段取りと挨拶回り。
 関係各所との良好な関係があってこその暴走であり、カオスなのである。むしろ、それがなければ善いカオスなど生まれないのである。
 善いカオスってなんだって思いかけたが、思い出して欲しい。
 ここはデビルキングワールドである!

「……これはこれはご丁寧に……こちらこういう者です」
「あっ、どうもどうも。名刺、頂戴いたします~」
 そんなやり取りをしているのは『スーパーカオスドラゴン』とメンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)であった。
 名刺交換しているのである。
 なんで? とは言うまい。先程も言ったがこうした事前のやり取りこそが善きカオスを生むのである。
 しかしながら、メンカルはこころの中で思ったのだ。
『スーパーカオスドラゴン』。その巨躯、その威容。いかにもデビルキングワールドらしい悪魔であるなぁと。

「ゲヒャ~……そろそろ暴走、イッスか?」
「あ、混沌の炎は属性常に変わるのでお気をつけください~」
「そういうわけで喰らえ、マッドカオスフレイム!」
 吹き荒れる炎。三つ首から放たれる一撃は凄まじい勢いでメンカルに襲いかかる。というか、事前に色々教えてくれすぎじゃなかろうかと思いながら、メンカルは術式組紐で張り巡らせた結界で防ぎ、その瞳にユーベルコードを輝かせる。
 重奏強化術式『エコー』が展開する。
 幾重にも重ねられた術式は、メンカルの瞳に輝くユーベルコードをさらに増幅させていく。

「紡がれし迅雷よ、奔れ、縛れ。汝は電光、汝は縛鎖。魔女が望むは魔狼封じる天の枷」
「何をしようが、オレサマの敵じゃねぇゼぇ!」
「こちとら『カオスヘッダー』で増えまくっているんだからなぁ!」
「やっぱり戦いは数だゼぇ!」
 そう、『カオスヘッダー』は全てが『完全同一存在』を生み出す混沌魔法である。全てが同じ。
 ならばこそ、メンカルは周囲に展開する無数の魔法陣から、同じ性質の存在に伝播する雷の鎖を解き放つ。

 それこそが連鎖する戒めの雷(ライトニング・チェイン)である。
 放たれた雷撃は『完全同一存在』である『スーパーカオスドラゴン』たちに瞬く間に絡みつき、その雷鎖が全身に絡みつくことによって、その動きを完全に封じ込めるのだ。
「ゲヒャッ!? また身動きが取れない系だゼぇ!?」
「こちらの『カオスヘッダー』の性質を理解しているんだゼぇ!?」
「……いや、教えてくれたし……」
 メンカルは挨拶回りの時にすでに段取りを聞いていたのだ。だから、これを選んだ。
 なんともデビルキングワールドらしいと言えばらしい。

 そんな『スーパーカオスドラゴン』たちを前にメンカルは白羽の矢を探す。そこが『スーパーカオスドラゴン』にとっての逆鱗。
 けれど、『スーパーカオスドラゴン』たちは全てが『完全同一存在』。
 違いがあるのだとすれば、これまで他の猟兵たちの攻撃を集中して受けていた傷多き『スーパーカオスドラゴン』のみ。
「……あそこか……」
 手にした黎明剣『アウローラ』に込められた魔力が高まっていく。
『カオスヘッダー』は確かに恐るべき混沌魔法である。

 凄まじく強い悪魔である『スーパーカオスドラゴン』の『完全同一存在』を倍々に増やしていく力は、脅威以外の何者でもない。
 ゆえに、一体でも倒す事ができたのならば、他の『スーパーカオスドラゴン』もまた爆発してしまう。
 猟兵たちが意図して一体を狙い続けていたのはこのためである。
「おのれ~だゼぇ!」
 負け惜しみなの声が聞こえる。けれど、まあ、段取りの段階でこうなるって言ってたし、ある意味本望であろう。
 メンカルは一つ頷いて、『スーパーカオスドラゴン』に『アウローラ』をぶっ刺して、内部から魔力の爆発を引き起こして、混沌の体現者をぶっ飛ばすのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

夕凪・悠那
デビキンの民なだけあって真面目なラスボスだなぁ。
いやまあガチの命の取り合いじゃないからある意味気楽だけど……

……うん、やっぱり三頭竜ってカッコいいよね!

さて。
魔王を倒すのは勇者。
古き良きお約束ってやつさ。
ロールプレイ・ヒーロー
【英雄転身】
強化された運動性能で噛みつきを[見切り]、躱しながら矢の刺さった逆鱗を狙う。

たとえ絶望的な状況だろうと、ボクは諦めない!(覚悟)
(※ノリノリで普段絶対しないようなRPをしております※)

   カオス
光よ!混沌を打ち払う力を!!
聖剣、解放――!!(限界突破)



 混沌を極める戦場。
 埋め尽くされる瓦礫から生み出される『スーパーカオスドラゴン』の巨躯。そのどれもが破壊を求め、暴走し続けていた。
 シチュエーションは宛ら、そういったものであった。
 夕凪・悠那(電脳魔・f08384)は、このようなシチュエーションに弱かったのかも知れない。
 そう、魔王を倒す勇者。
 古き良きお約束というやつである。
 それに、と付け加えるべきであった。
「……うん、やっぱり三頭竜ってカッコいいよね!」
 そう、悠那にとって『スーパーカオスドラゴン』さんの威容はカッコイイものであったのだ!

 わかる。
 とてもよくわかる。こういうのって理屈じゃないよね。とてもよくわかる。
「ゲヒャッ! ゲヒャヒャッヒャッヒャ!!」
「この混沌、この破壊、この暴走こそが、オレサマがカオスの体現者たる所以!」
「混沌魔法『カオスヘッダー』はオレサマの『完全同一存在』を生み出し続ける! ただし、一体でも倒されたら、それで他のオレサマも消えるゼぇ!」
 全部言った!
 そう、事前の段取りと挨拶回りに定評のある『スーパーカオスドラゴン』さんに抜かりはないのである!
「デビルキングワールドの民なだけあって真面目なラスボスだなぁ」
 だがしかし、命のやり取りが発生するわけではないからある意味気が楽でもあるのだ。殺伐とした世界よりは随分とやりやすい。

 だからこそ、悠那の瞳がユーベルコードに輝く。
「電脳接続、記録参照、対象選択、――転身開始(インストール)!」
 英雄転身(ロールプレイ・ヒーロー)。
 それはあるRPGの主人公の衣装をまとった悠那の姿であった。竜に挑むのは勇者の役目。
 救うべき姫君がいないのは仕方のないことであったけれど、それでも悠那の心は湧き上がり、漲るものがあったのだ。
 普段の悠那であれば絶対しないであろう立ち振舞。
 ユーベルコードの効果だけではない。手にした聖剣が迫りくる『スーパーカオスドラゴン』の牙を打ち払う。

「よく持ちこたえてはいるが、この数を前に絶望するんだゼぇ!」
「ジリジリとなぶってやるんだゼぇ!」
「ゲヒャッ! ゲヒャヒャッヒャッヒャ!!」
 無数の『スーパーカオスドラゴン』が殺到する。まさに絶望的な状況だ。居謳歌された運動能力で見切るのだとしても、数の暴力の前には屈するしかない。
 だが、悠那は立ち止まらない。

「例え絶望的な状況だろうと、ボクは諦めない!」
 その瞳にあったのは覚悟。
 そう、何者も恐れず、傷つくこともいとわず、誰かのために戦う力を持つもの。それを勇気ある者、勇者と呼ぶのであれば、今さに悠那は勇者そのものであった。
 このデビルキングワールドにおいて勇者というのは、ワルの反対側、すわなちダサイことに繋がる事柄であった。

 けれど、それに何の意味があるとばかりに悠那は叫ぶのだ。
「光よ! 混沌(カオス)を打ち払う力を!!」
 漲る力の発露はユーベルコードの輝きを超えていく。
 掲げた剣から放たれる光が天を貫く。
 まさに神々しさえ感じさせる凄まじき光景。悠那の普段しない絶対しないマジでしないロールプレイが見せる輝きは『スーパーカオスドラゴン』さんさえも圧倒するものであったことだろう。
「聖剣、開放――!!」
 己の限界を超えた出力を放つ悠那の一撃。
 それを『スーパーカオスドラゴン』さんは躱すこともできただろう。けれど、あれ、これってもしかてかなりワルな美味しいポジションなのでは!? と思い至り……。

「受けてたつんだゼぇ!」
「やれるものならやってみるんだゼぇ!」
「勇者をぶっ飛ばすワルの極地にオレサマは至るんだゼぇ!」
 もうテンションマックスである。ああ、これがお約束というやつである。古典的などと言われたっていい。
 いつの時代も変わらぬ良さを見せるからこそ、古典は古典足らしめるのだ。
 ゆえに、そこに紛い物は何一つなく。
 振るわれた斬撃は『スーパーカオスドラゴン』さんを見事にぶっ飛ばすのであった――!

大成功 🔵​🔵​🔵​

アルテミシア・アガメムノン
流石はスーパーカオスドラゴンさんです。
見習いたい気配りですわねえ。
(タイガー印の羊羹を一かけら摘まんで)
では、わたくしも挨拶をして、手土産を渡して……
始めましょうか!

無限増殖するスーパーカオスドラゴンさんの群れ。
敵SPDUCはその発動を見切り、起点で回避することで後は中止できない三つの頭を見送りましょう。(見切り×瞬間思考力)
その上で『黄金の暴嵐』を発動!
戦場全体に黄金の神雷と滅びの暴風を吹き荒れさせて、ダメージを与えると共に行動不能に!
その隙に手近なスーパーカオスドラゴンさんを選んで『クロノスの大鎌』で首を刈り取りましょう!

た~まや~っ

見事な爆発でした。また夏にでもやりましょう!



 アルテミシア・アガメムノン(黄金の女帝・f31382)は事前の段取りと挨拶回りに訪れていた『スーパーカオスドラゴン』のことを思い出していた。
 そう、暴走の前には必ず関係各所との連携を測るべく『スーパーカオスドラゴン』さんは必ず挨拶回りをしていた。
 見事な挨拶回りであった。
 手土産を忘れず、相手に心を配るのはまさにワルの鑑!
「流石は『スーパーカオスドラゴン』さんです。見習いたい気配りですわねえ」
 アルテミシアもまた世界征服を目論む女帝である。
『スーパーカオスドラゴン』さんのそういう細やかなところは見習いたいと素直に思える器があるのである。

 タイガー印の高級羊羹を一つまみして、アルテミシアはその甘味でもって、これまでの戦いの疲れを癒やす。
「では、わたくしも」
 恭しく一礼してから、アルテミシアは『スーパーカオスドラゴン』に告げるのだ。
「ゲヒャ! 何を言わんとしてるのかわかるゼぇ!」
「ええ、わたくしが目指すは天下統一! このデビルキングワールドをわたくしの下に統一し、わたくしはデビルキングになるのですわ!」
 ぴしゃーんとエフェクトがかかる。ついでにアルテミシアは自分の帝国の手土産を、あ、どうぞどうぞ、これはどうもどうもいたいなやり取りをした後、立ち位置にもどって再び宣言するのだ。
 デビルキングワールドってみんなこんな感じなのである。たぶん。

「はじめましょうか!」
「ゲヒャ~! いい啖呵だゼぇ!」
「その天下統一という統一感なんぞ、オレサマのカオスで飲み込んでやるゼぇ!」
 吹き荒れるは『カオスヘッダー』によって生み出された『スーパーカオスドラゴン』たちの三つ首による猛撃。
 まるで波のように襲いくる『スーパーカオスドラゴン』たちの牙。
 それをアルテミシアは黄金の輝き放つ瞳で見切って、カオスを体現するかのような攻撃を躱していくのだ。
 一度攻撃を開始してしまえば、止めることの出来ないのが『スーパーカオスドラゴン』さんの力の欠点。

 ならば、とアルテミシアはその瞳をユーベルコードに輝かせる。
「逆らう存在すべてに終焉を」
 黄金の暴嵐(ルドラ)が吹き荒れる。敵味方を識別する黄金の神雷と滅びの暴風が『スーパーカオスドラゴン』たちを飲み込んでいく。
 だが、それでも消滅しないところを見ると、『スーパーカオスドラゴン』の規格外たる力が証明されたようなものであった。
「この程度ではまだまだだゼぇ!」
「行動不能にしようとも『カオスヘッダー』でオレサマは瞬く間に増えていくんだゼぇ!」
 その言葉のとおりであった。

 暴風と神雷によって行動不能された『スーパーカオスドラゴン』たちは、即座に『カオスヘッダー』でもって増殖し、新たに破壊とカオスを齎していく。
 だが、アルテミシアもまたさるものであった。
「ならば、その首を尽く刈り取って差し上げましょう。その後に、た~まや~ってするのです!」
 手にした『クロノスの大鎌』でもって迫りくる『スーパーカオスドラゴン』さんの首をぶった切っていく。

 だが、止まらない。
 飛んだ首からまた新たな『スーパーカオスドラゴン』さんが生まれ出る。
「ゲヒャヒャッヒャッヒャ!!」
「楽しいゼぇ! これがワル! これがカオス! 混沌たる戦場にあってこそ、暴走のしがいがあるってもんだゼぇ!」
「だから――!」
「もっとやりましょう!」
 黄金の女帝と『スーパーカオスドラゴン』は周囲に破壊の限りを尽くしていく。
 彼女たちが戦えば戦うほどに周囲の被害は尋常ならざるものへと変わっていく。また街中には無事な建物など何一つなかった。

 でも大丈夫。
 えっ、この状態からでも入れる保険があるですか?
 そう、『スーパーカオスドラゴン』特約ならね! みたいなコマーシャルが入ったりもしつつ、アルテミシアと『スーパーカオスドラゴン』の激闘は、デビルキングワールドにワルの旋風を巻き起こすのであった。多分――!

大成功 🔵​🔵​🔵​

ロニ・グィー
アドリブ・連携・絡み歓迎!

もぐもぐ(まず素の味を楽み)
あむあむ(カラフルなチョコスプレーなどふりかけ)
もにゅもにゅ(蜂蜜などかけて味変も)
はー…っ 羊羹ごちそーさま!

無限に増えるのか―
ならどこまで増えるのか見てみたいね!
えぇー…?あんまり増えすぎると保険特約も適用外になっちゃからダメ?
んもー!

●無限には至らずとも
ぉっとこれまでボクがただ羊羹を食べていると思ってたのかい?そんなわけ…あるけど!
もう既に準備は終わっているよ!
UC『神罰』で呼び出した空を埋め尽くす超特大[白昼の霊球]くんたちをデビルキングワールドにドーーーンッ!!
あ、神さま特約でSCDくんだけに当たるようにしておいたから安心してね!



「もぐもぐ」
 タイガー印の羊羹をロニ・グィー(神のバーバリアン・f19016)を頬張りながら、『スーパーカオスドラゴン』と戦う猟兵たちの混沌たる戦場を見渡す。
 どこを見ても『スーパーカオスドラゴン』。
 そのどれもが混沌魔法『カオスヘッダー』によって生み出された『完全同一存在』である『スーパーカオスドラゴン』である。
 彼らは全てが同一であるがゆえに、劣化ということからは開放された存在だ。
 東のラスボスと称されるが所以とでもいうべきか、彼の力はデビルキングワールドにおいても激烈なものであった。
「あむあむ」
 羊羹にカラフルなチョコスプレーをふりかけて、ロニは甘味の海に溺れゆく。

「ゲヒャ、ヒャッヒャッヒャ!!」
「これこそが混沌! オレサマを誰も止められねぇゼぇ!」
「関係各所にはすでに連絡済み! 心置きなく破壊と暴走の限りを尽くせるゼぇ!」
 そう、『スーパーカオスドラゴン』さんは、段取りと挨拶回りに定評のあるラスボスなのである。
 街が破壊されまくっているが、そんなのはとっくの昔に了承済みだし、近隣住人さんたちは皆避難しているのだ。
「もにゅもにゅ」
 そんなことお構いなしにはちみつなど掛けて味変しつつ、ロニは息を吐き出す。
「はー……っ、羊羹ごちそーさま!」
 無限に増える『スーパーカオスドラゴン』の姿を見やり、首をコキコキする。もうすでに十分な糖分は摂取済みである。
 あとは得たカロリーを消費するだけだ!

「どこまで増えるのか見てみたいね!」
「いや、流石にそれはダメです。特約の適用外になってしまうので。そういうのはきちんとしないといけいないんですよ」
 折り目正しい返答が『スーパーカオスドラゴン』さんから返ってくる。そういうところはカオスじゃないんだと思いながらロニは、んもーと憤慨する。
「というわけで喰らえ、アンリミテッドカオスファング!」
 超高速の三つ首による牙の連続攻撃。

 その速さは凄まじいものであり、同時に『カオスヘッダー』によって増えた『スーパーカオスドラゴン』たちから放たれる。
 四方を取り囲まれたロニには躱すすべなど無い。
「おっとこれまでボクがただ羊羹を食べていると思っていたのかい? そんなわけ……あるけど! もう既に準備は終わっているよ!」
「この段取りに定評のある『スーパーカオスドラゴン』を超える段取りが取れるとでもいうのか!」
「そんなわけあるものか! オレサマこそがカオスの体現者! 全てを飲み込むカオスでテメェの段取りも飲み込んでやるゼぇ!」
 だが、ロニはすでに準備を終えたと言った。

 その瞳輝くユーベルコードがそれを示している。
 天に現れるは、巨大な球体。
 神罰(ゴッドパニッシュメント)と名付けられたユーベルコードは、デビルキングワールドに増殖し続けるカオスたる『スーパーカオスドラゴン』たちを見据える。
 えぇ……。
『スーパーカオスドラゴン』は若干引いていた。
 カオスの体現者であるが、これはひどい。
 全部押し流さんばかりの力技である。
「これでは街も何もかも――!」
「あ、大丈夫。神様特約で『スーパーカオスドラゴン』くんだけに当たるようにしておいたから安心してね!」
 何一つ安心できない。
 というか、なんだ神様特約って。

 ロニの笑い声と共に放たれる神罰の一撃。
 いや、球体だけど。
「流石にそれはあんまりなんだゼぇ――!?」
 諸々全部をぶっ飛ばす一撃。
 それをロニは『スーパーカオスドラゴン』にぶちかまし、盛大に増えに増えた『スーパーカオスドラゴン』たちをも吹き飛ばす。
 こういうことができるのは、神様特約のおかげ。
 大丈夫、神様の保険だよ――!

大成功 🔵​🔵​🔵​

ジャスパー・ドゥルジー
たのもー!羊羹まだありますかァー!?

そろそろ他の猟兵達が与えたダメージが溜まってる頃だろ
ワルでカッコいい俺は弱った奴に狙いを定めて漁夫の利だぜ
よーしあんただ!
【クロートーの絲】で縫い付ければもう見失わねえ
他の奴らにタックルされたら糸で繋がってるとこが引き攣れてダメージ激増な予感だけどまあそれも良し!死ななきゃご褒美です!(ドM)

縫い付けた奴を爆破したり
動きを阻害しつつナイフで攻撃したり
ぁー行動阻害にUC使っちまうと俺地味な攻撃手段しかねェな!?
他に強そうな猟兵いたらそいつと共闘すんのもアリだな
増えすぎる前にドカンとやりてえもんな

戦場すげえ熱気だけど羊羹は無事かなァ……



「ゲヒャ~……どえらい目にあったゼぇ!」
「だが、まだまだオレサマは健在! ならよぉ! 行こうゼぇ!」
「カオスの向こう側までェ!!」
 三つ首の巨竜。
『スーパーカオスドラゴン』さんは咆哮した。これまで散々な目にあっていたが、それでも後もう一息という所で踏ん張っているのは、流石は東のラスボスと称されるだけのことはあったであろう。

 すでに多くの猟兵が一体の『スーパーカオスドラゴン』さんに狙いを定め、その傷は相当なものになっている。
 だが、彼の、『スーパーカオスドラゴン』さんのプロフェッショナルの流儀的なあれがそれして今もな元気に咆哮しているのだ!
「たのもー! 羊羹まだありますかァー!?」
 そんな中、突如として転移してくるのはジャスパー・ドゥルジー("D"RIVE・f20695)である。
 そろそろ先行した猟兵たちの与えたダメージが溜まっている頃合いだろうと見定めて転移してきたのである。
 まさに漁夫の利。
 超ワルい。鬼、悪魔! んなこたぁ、もう言われなれてんだよ! というのはジャスパーさんの言である。言ってないかもしれないけど、多分、言った。

「ワルでカッコいい俺は弱ったヤツに狙いを定めてんだよ! よーしあんただ!」
 ジャスパーは見定めていた。
 そう、これまで猟兵たちが一体に標的を絞って消耗させた『スーパーカオスドラゴン』さえ倒せば、増殖した『スーパーカオスドラゴン』はたちまちの内に爆発して消えるのだ。
 むしろ、混沌魔法『カオスヘッダー』を手繰る『スーパーカオスドラゴン』を倒すためには、『完全同一存在』である性質を利用しなければどうにもならないのである。というか、『スーパーカオスドラゴン』さん、マジで強いのである。
 一体に狙いを絞ってもなお、猟兵たちと互角の戦いをするのだ。
「ゲヒャヒャッヒャ! なんてワルな! だが、オレサマはそのワルさを超えていくんだゼェ!」
「そのとおりだゼぇ! すでに周辺近隣住人さんたちは避難頂いているので存分に!」
「というわけで喰らえ、ハイパーカオスチャージ!!」

 カオスの如き予測不能の突撃。
 それがハイパーカオスチャージである! その突撃は全ての『スーパーカオスドラゴン』さんが『完全同一存在』であるからこそ生きる力である。『スーパーカオスドラゴン』さんたちが一斉に漁夫の利を得ようとしているジャスパーへと迫る。
 行け! そこだ!
 どっちがどっちを応援しているのかわからん状況である。しかしながら、近隣住人さんたちは理解している。
 どっちがワルか。
 言うまでもなく、どっちもワルであるけれど、ジャスパーの漁夫の利を狙う姿は、デビルキングワールド的に言えば、超クールであった。

「ん? なんだァ、これは?」
「赤い糸なんだゼぇ?」
「たどっていくと……」
 集中的に攻撃されていた『スーパーカオスドラゴン』さんが己の体にくっついている糸を見て首をかしげる。なんだこれ。
「それはクロートーの絲(ステッチ)! これでもうあんたは見失わ――」
 ねぇ! と言おうとして、ジャスパーは気がついてしまった。
 そのユーベルコードは針が命中することによって己と相手を縫い付けるものである。
 しかし、このカオス極める戦場にあっては、『スーパーカオスドラゴン』さんは一体ではない。

 そう、マジでたくさんいるのである。
 そんなたくさんの『スーパーカオスドラゴン』さんが迫ってきたらどうなるか。
「って、あー!? 待て待て、一斉に突っ込んでくるな!」
『スーパーカオスドラゴン』さんは急には止まれないのである。もう玉突き事故も斯くやという具合に渋滞混雑大爆発である。
 ジャスパーさんも糸に引き摺られて、引き攣って。
 言わなくてもわかるな。とても大変なダメージ具合になっているのである。
 だが、ジャスパーさんは一味違うのだ。
「まあそれも良し! 死ななきゃご褒美です!」
 今、我々は何を見せられているのであろうか。ドMによるドMのための赤い糸によるカオス。

 もうどうなっているのかマジでわからん。
 それ以前に羊羹はもう残ってない。すでに先行した猟兵に『スーパーカオスドラゴン』さんが自宅で個人的に楽しむための羊羹を強奪された後である。
 猟兵が走った後にはぺんぺん草一つ生えないのである。
 それほどまでの蹂躙であった。
「ゲヒャヒャッヒャ! こんな時に自分用の羊羹がありゃあなァ!」
「ないもんねだりしたって仕方ねぇゼぇ!」
「お腹が空いて力が出ないです」
 ん。
 今なんか、さらっと言ったな。ジャスパーは己のユーベルコードが互いの行動を阻害するものであるからこそ、そこから先は自分では地味なことしかできないと嘯いていた。

 けれど、ここに多くの猟兵たちの戦いが結実する。
 一体の『スーパーカオスドラゴン』に標的を絞ったがゆえに。自宅で楽しむ用の羊羹を奪われたがゆえに。多分ここが一番大きいかも知れない。
「ま、いいじゃあねぇの。戦場すげえ熱気だからさ。羊羹無事じゃないだろうし!」
 むしろ、奪われてよかったんじゃね?
 それくらいの勢いでジャスパーは『スーパーカオスドラゴン』さんに流し込んだ赤い絲を爆破する。
 流し込んだユーベルコードは爆破の力。

「戦いが終わったらタイガー印の羊羹買いに行こうぜ」
 ジャスパーさんは『スーパーカオスドラゴン』を爆破し、その一撃で持って決着をつける。
 周囲にあった『スーパーカオスドラゴン』たちが一斉に爆発し、周囲は破壊の痕を刻む。
 けれど、残るものもあるのだ。
 戦いの前に段取りと挨拶回りがあるのだとすれば。
 そう!

 戦いの後にあるのは!

 打ち上げである!!
 すでに『スーパーカオスドラゴン』さんは打ち上げのお店まで予約を終わらせているのだ! 流石、段取りと挨拶回りに定評のある『スーパーカオスドラゴン』さんだ!
 それでは、ご唱和願おうか!
「おつかれさまでしたァ――!!」

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年05月13日


挿絵イラスト