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7thKING WAR㉓〜未来すらも愛らしく

#デビルキングワールド #7thKING_WAR #召喚魔王『パラダルク』

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#召喚魔王『パラダルク』


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●享楽の未来
「いやあ、参ったなあ……どうしても、僕を見逃してもらう訳にはいかないのかい?」
 遠い銀河の世界で猟兵達がかつて見た、『実験戦艦ガルベリオン』と同じ形をした一隻の船。
 そこで侵入者を出迎えた初老の男は柔らかい笑みを浮かべ、聞き分けの無い子供を相手するように言葉を続ける。
「僕が会いたいのはかつての仇敵……『碎輝』であって、君たちに用はない。君たちにとっても、無駄な犠牲を避けられる提案だと思うよ」
 女を侍らせる優男の雰囲気を纏う彼であるが、その立ち居振る舞いから滲む力は紛れもない強者の物だ。
 だからこそ、彼の言葉に嘘の気配はない。
 策を弄して油断を誘わずとも猟兵達に遅れは取らない……穏やかな物腰に、その自信がみなぎっているのだ。

 けれど、相対する猟兵はこの男に用がある。
「……残念だよ。我ながら真摯にお願いしたつもりなんだけどね」
 戦闘の構えを取る猟兵を見て、僅かに視線を下げるその男。
 背後で舞う女たちを背にした召喚魔王『パラダルク』は、敵対者の未来を奪うべく、その手を伸ばすのだった。

●絶対強者
「皆様、お集りいただきありがとうございます。世界コードネーム:デビルキングワールドにて、オブリビオンの出現が確認されました」
 シスター服に身を包んだグリモア猟兵が、自分の呼びかけに応じてグリモアベースに集った猟兵達へ語りだす。

「さて、“今見ていただいた未来”に登場していた初老の紳士、召喚魔王『パラダルク』が今回皆様が戦っていただく相手になります」
 予知を映したグリモアを手に、女は今しがた見せたオブリビオンの名を示す。
 ガチデビルを守る三体の召喚魔王の内の一つ、傲慢なまでに強者としてふるまうあの男は、猟兵の立場から評してもなお圧倒的な力を誇るである。
「その力は、万物を女の子(ドラグナーガール)に変え従える事……口で言うとふざけた能力ですけれど、極めて強力なオブリビオンである事は否めません」
 そのプロセスが奇妙であれども、森羅万象を支配下に置く存在が強敵であることに変わりはない。
 その上に、かつて成長し続ける敵に敗れた彼は、『未来』と『過去』をも探し出し、時間すら操る力を手に入れている。
 あらゆる力を手中に収める神に等しい恐るべき相手が、パラダルクなのだ。

「とはいえ、つけ入る隙が無いわけではありません」
 まず脅威を語った後に、女は敵の弱みに関する予知を伝える。
 つけ入るという言葉通り、その弱点も大きいものではないのだろう。
「予知にも映った通り、パラダルクは碎輝様を探すための儀式を優先しております。つまり、儀式の続行が不可能になれば、その戦いに見切りをつけて撤退するはずなのです」
 もしや、あの竜神親分さんを探しているのでしょうか? と若干の脱線を挟みつつ。
 グリモア猟兵が語るのは、魔王の後ろで舞い踊るドラグナーガールたち。
 儀式の舞を踊る彼女達を倒す事ができたのなら、目的を失ったパラダルクは撤退を選ぶことだろう。
「正攻法で戦ったとしても勝ち目は薄いですし、倒したとしても完全な撃破に繋がるか分かりません。どうか、ご無理はなさらぬよう……」
 最後にささやかな警告をしたグリモア猟兵により、猟兵たちは戦争の続く異世界へと送られる。
 グリモアベースから消える彼らの姿が、再度現れるデビルキングワールドにて。

「――やあこんにちは。提案は、受けてもらえないようだね」
 猟兵たちの答えを“視た”男が、残念そうに首を振った。


北辰
 OPの閲覧ありがとうございます。
 パラダルクを恐れるべきか苦笑いで見るべきか迷ってます。北辰です。

 今回の敵は召喚魔王『パラダルク』。
 森羅万象を女の子にするというとんでもない力を持つナイスミドルでございます。
 武器も、ユーベルコードも、空気も海も僕も私も女の子です。やっぱ恐れるべきかもです。
 そんな力をひっさげた彼は勿論、超強敵。
 ただでさえ強いのにいつも通りの先制攻撃も搭載です。

 =============================
 プレイングボーナス……敵の先制攻撃ユーベルコードに対処する(しない限り必ず苦戦か失敗になる)/踊るドラグナーガール達を倒す。
 =============================

 そんな彼の弱みはずばり背後の女の子。
 そもそも猟兵との戦いより碎輝を探す方が大事なので、その為の『儀式』を食い止めれば戦意を喪失して撤退してくれます。
 具体的には彼の後ろで踊ってる女の子を全滅させるのです。
 とはいえ、勿論パラダルク本人がそれを食い止めますので、やはり厳しい戦いにはなるでしょう。

 しかし、こういうとんでもない強敵と対峙し、その野望の悉くを阻止してきたのが猟兵の皆様です。
 今回も強敵に立ち向かう、皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『召喚魔王『パラダルク』ディアブロホワイト』

POW   :    ガールズ・ポシビリティ
自身の【下僕であるドラグナーガール】ひとつを用いた行動・攻撃の威力を3分間3倍にする。終了後[下僕であるドラグナーガール]は【可能性を使い果たしたこと】により破壊される。
SPD   :    フューチャー・ルーラー
【ドラグナーガール達と連携し、精神支配魔術】で攻撃する。また、攻撃が命中した敵の【以降の動き方や使用ユーベルコード】を覚え、同じ敵に攻撃する際の命中力と威力を増強する。
WIZ   :    パラダルク・フューチャー
召喚したレベル×1体の【ドラグナーガール】に【ガルベリオン鋼の機械兵器とダンス技術】を生やす事で、あらゆる環境での飛翔能力と戦闘能力を与える。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

黒城・魅夜
……(吐息)
これまでフォーミュラを含めすべて勝ち抜いてきた私が
たった一人勝ち得なかった相手、白騎士……
本人ではないとはいえ、その残滓が何たる無様を晒しているのです
見るに堪えませんね、早々に殲滅しましょう

呪詛で満たした結界を展開
相手が相手です、そう強力な影響は出せないでしょう
けれど儀式に必要な舞は精密で正確であることが求められるはず
ならばその舞の足並みを僅かに乱してあげればそれで十分効果的
動揺した彼女たちの意思を誘惑によって撹乱し
早業で鎖を舞わせロープワークで縛り上げます
あとはまとめてUCで食らってあげるだけ

……かつて敗れた相手に固執するという意味では
パラダルク、あなたも私も同じかもしれませんね



●仇敵を求める者へ
 熱病に浮かされたように、頬を赤く染めた少女がパラダルクへと寄り添う。
 その身体を包む白の装束にある“名残”を感じ取った女が、静かに息を吐きながら黒い目をすうっと細めた。
 女は数多のオブリビオンと戦い、勝利してきた猟兵であった。
 例外は唯一つ、銀河の只中で立ちはだかった、未来を手にした白き騎士のみ。
「……本人ではないとはいえ、その残滓が何たる無様を晒しているのです」
 見るに堪えないという負の感情であれど、戦意を充足させるには十分であった。
 女……黒城・魅夜(悪夢の滴・f03522)は、尋常ならざる力を感じさせる魔王に臆することなく、戦いへと挑むのだ。

「……ほう、君は呪いを使うのかい? なら、こうしよう!」
 少女に何かを囁かれたパラダルクが、魅夜が行動を起こす前にその目論見を言い当てた。
 未来属性、ディアブロホワイトの力で未来を知る魔王が軽やかに指を慣らせば、数百人規模のドラグナーガールが戦場へと呼び出される。
 戦場である実験戦艦、ガルベリオンと同じく科学的な機械武装を纏う少女達の銃口は当然魅夜へと合わせられ、苛烈な攻撃を開始する。
「くぅ……やはり見た目通りの戦力ではありませんね……!」
 無論、魅夜とて無防備にその攻撃を受けるわけではない。
 黒革のビスチェに禍々しさすら感じさせる高密度の魔力を纏わせ敵の攻撃に対処するものの、圧倒的な物量を誇る銃弾や熱線は、少しずつ彼女の身体を穿ち傷を増やしていく。
 それでも同時に展開する結界術を、防御に利用するわけにはいかない。
 これは、ドラグナーガールたちも巻き込んで呪詛に堕とす攻撃のための術なのだから。

「しかし、彼女の呪詛とは一体……? 単なる呪殺であれば、僕のドラグナーガールには通じないけれど……」
 有利に戦いを進めるパラダルクであるが、彼とて完全無欠というわけではない。
 例えば彼は『未来』を手中に収めてはいるが、実際にその能力を使うのはディアブロホワイトから生みだされたドラグナーガール。
 その認識と力の行使には、若干の齟齬やタイムラグがどうしても発生する。
「――今です!」
「これは……しまったっ!?」
 だからこそ、魅夜の呪いは突き刺さる。
 彼女が結界に満たした呪詛は、人の足を引き行動を妨害するささやかなもの。
 だが、儀式のために踊り続ける後方のドラグナーガールに向けられたそれは、儀式の完遂こそを最大目標とするパラダルクと少女たちを動揺させるには十分なもの。

 そうして生まれた僅かな隙を、魔性の鎖は見逃さない。
 魅夜に攻撃を加え続けていたドラグナーガールたちに巻き付く鎖こそ、ユーベルコード【篠突く雨のごとく罪と罰は降りつのる(デス・ティ・ニー)】。
 少女という命として生まれ落ちた彼女たちに必要な結末……『死』に繋がる鎖は、ユーベルコードそのものである女たちを一瞬で食いつくす。
「これは……どうやら猟兵というものを、過小評価しすぎていたようだね」
「改めて頂けたのならなにより。ある意味では……パラダルク、あなたも私も同じかもしれませんから」
 自身のユーベルコードを削られ、パラダルクの表情から余裕の笑みが消える。
 それに対峙する魅夜は、自身と似た執念を持った敵が向ける視線を微笑で受け止めるのであった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

剣野・捨己
・イケメンでリア充。つまり俺の敵やな! チェストする理由はそれで十分! さあ、行くでー!

・精神支配攻撃かー。【フリーダムブレイズ】の自動発動を信じて「覚悟」決めて行くしかないのう。まあ、俺一人で後ろの女の子やイケメンをオールチェストするわけでもなし。動きを覚えられたとこで、俺は「先制攻撃」「捨て身の一撃」で見敵一撃必殺をするしかないしな。
後は死にそうになったら帰る。これでええやろ。

え? あのカワイイ女の子達はイケメンが何かを変異させたんやて? なら遠慮はいらんな。思う存分チェストして儀式をしっちゃかめっちゃかにしてやるで。

にしても、何でもかんでも女の子に……あのイケメン、実は非モテやないの?


エドゥアルト・ルーデル
オッスオラエドゥアルト!リア充を殺しに来たの!

んんん何なのぉ?拙者の心にアクセスするのは…ぐぉぉぉぉうるせー!!!お返ししますぞ!
女の子が手づからやって頂けるならやぶさかではないが…男がいるから駄目だァ!

なんか反射したら舞ってたガール達の動きが全然関係ない自由な感じになってきたでござるな、
反射する時拙者の自由な心が漏れ出て伝播した…?いや知らん…何それ…こわ…
だが負けてられないでござるね!何やら威力のあがった支配魔術を反射するカッコいいポーズ!フンッ!ハッ!

反射のたびに仲間が増えるね!もはやガール達も儀式どころではない!乱闘自爆騒ぎのハジケっぷりでござる!
いいセッションでござった、対ありですぞ



●番組の予定を変更し、ドキュメンタリー:リア充に抗う男たちをお送りします。
 悪魔の跋扈する魔性の世界。
 善意の居場所はなく、悪逆こそ美徳とされるこの過酷な世界においても、時に友情と嘯く仇花は咲き狂う。
「イケメンでリア充。つまり俺の敵やな!」
「オッスオラエドゥアルト! リア充を殺しに来たの!」
「「ん?」」
 ――彼と熱い握手を交わすのに、躊躇いはありませんでした。
 ――理由? あえて名前を付けるなら、魂……ですかね(笑)。
 後に、ろくろを回すポーズと共にそう語ったのはエドゥアルト・ルーデル(黒ヒゲ・f10354)氏。
 ――元々チェストしに来ただけなんですけどね。
 ――なにやら横で叫んでいる男が居て、一目でわかりましたよ。彼の眼には、真理が映っていると。
 同じくインタビューに答えてくれたのは剣野・捨己(チェストボーグ・f36671)氏。
 彼らの共通点はリア充を赦さぬという情熱だけではない。
 なんの因果か、お二人とも世界を超え活動する猟兵であったのだ。
 そして、そんな彼らが巡り合う原因となった男。
 ――偶に来るんだよね、彼らみたいなタイプ。
 パラダルク氏の困った表情と共に、彼らの戦いを振り返ろう。

「さて、どうしようか。どうにも執念じみたものを感じるし……その根幹を折らせて貰うよ」
「ああ? なんやこの胸のざわつき……」
「拙者分かっちゃったかも。多分恋では?」
 流石は魔王と呼ぶべきか、アクの強い猟兵に気圧されることも無く先手を打ったパラダルクが、ドラグナーガール達と共に精神支配の魔術を放つ。
 ふざけた様で隙の無い身のこなしの猟兵たちではあれど、王と呼ばれるほどのオブリビオンが放つユーベルコードから逃れるのは至難の業。
 戦意そのものを挫く魔性の術が放たれると同時に、パラダルクに寄り添うドラグナーガールがその耳元に未来を囁いていく。
「しょーがないわ。いつも通り覚悟決めて突っ込んできゃええんやろ!」
「おっと、この手の術に耐性があるようだね。ならば此方も……」
 もっとも、捨己が宿す【フリーダムブレイズ】はそのような搦手にこそ効果を発揮するユーベルコード。
 それを予知したパラダルクは、反射される精神魔術を防御を得意とするドラグナーガールに任せながら迎撃の構えを取る。
 初撃を対応されようとも、それを含めて捌き切れる対応力こそ、この魔王の真骨頂であるのだ。

「ぐぉぉぉぉうるせー!!! お返ししますぞ!」
「えっ」
「あかん、俺のパクリや!!」
「はー? 拙者のが本家本元なんですがー? 法廷で争うか? ん?」
 が、此処で予想外の事態が発生する。
 エドゥアルトが発動したのは、捨己のユーベルコードと極めて近しい性質を持つ代物。
 捨己が放った炎のオーラに加えて、【我が心は自由にあらねばならぬ(テラフリーダム)】と浴びせられるエドゥアルト・ハート。
 それに飲まれるドラグナーガールの防御能力がキャパシティの限界を超える。
「自由よー!」
「我らは自由であらねばならぬ!」
「私たち以外の女の気配がない主人からの解放を!」
「あ、それ俺も思っとった。そのイケメン、実は非モテやないの?」
「しかし我々は本当に自由なのか? 自由であろうという思想の奴隷になっただけでは?」

「く、静まれ! なんということだ……!」
 パンデミックのように一気に広がるフリーダム。
 当然儀式の舞などできようはずもなく、パラダルクの呼びかけも虚しくドラグナーガールたちは無秩序な暴走を開始する。
「これぞ我が力! 後は任せたぜ相棒、拙者はちょっと怖いから支配魔術を反射するカッコいいポーズに専念するでござる!!」
 その元凶の癖に、阿鼻叫喚の光景に引いてるエドゥアルトの檄を背にして、捨己は一気に前進する。
 捨己だってちょっと引いているが、ドスソードを振り下ろせるなら些事はスルーする大海のような心がチェストには求められるのだ。
「チェエエエェェストォォッ!!」
 一切の保身なき刀身が、急所を庇うパラダルクの右腕を一気に斬り落とす。
 この傷でさえ、混乱が収まれば適切な属性のドラグナーガールにより治されてしまうかもしれない。
 だが、重要なのは。
「その体たらくで、儀式の再開は出来へんやろ?」
「もはやガール達も儀式どころではない! いいセッションでござった、対ありですぞ」
「ぐうぅ……おのれぇ!」
 パラダルクの目的に、甚大なる被害を与えたという一点だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】

よう、中々の男前じゃねぇか。
そんなアンタがあの少年親分にご執心とは驚いた。
もしかしてそっちのケがあるのかい?
ま、この程度の軽口は許しておくれ。
んでこの先も分かってるんだろ、アタシはダンスの相手をご所望だ!

カブに『騎乗』してドラグナーガールに挑むけれどもね。
どの属性でも3倍の威力じゃ一度は吹っ飛ばされるだろ。
カブを狙わずアタシ自身を狙ってきても、
上手くコケてカブを壊す。
食らうダメージは『覚悟』をキメて、諸々の耐性で堪えるよ!

さあ中座はそんなに待たせねぇ、【戦地改修】でお色直しさ。
挑まれた属性への耐性を付けて、
3分間踊り(戦い)続けようじゃないのさ!
一曲終われば退散さ!


月白・雪音
…貴方が探し人を捉えた末に何を狙うか…、ただ殺めるのみと断ずるには貴方は聡きに過ぎるとは考えますが、
問うた所で詮無き事でしょうか。


放たれる魔術は野生の勘にて起こりを感知し、
防ぎ切れないようであれば落ち着きにて支配を払いつつ
初手を凌げばUC発動、落ち着き技能の限界突破、夢想の至りを以て精神支配を打ち払い極限まで技を練り、呼気をも最低限に抑え
怪力、グラップル、残像での高速格闘にて戦闘展開

野生の勘、見切りにて敵の未来を知った上での攻撃、反撃を感じ取り自身の動作を即座に変更、カウンター
打ち合う瞬間を以て『未来を変える』


…未来とは定まるものに在らず。
貴方が齎す滅びの未来を、我らが以て討ちましょう。



●舞踏と武闘
「これは……些か未来を甘く見ていた、ということかな」
 儀式を乱され、手傷を負い、パラダルクの額に一筋の汗が伝う。
 油断をしていた、というにはパラダルクの力は隔絶している。
 これまでの彼の振る舞いは傲慢でありながら、同時に強者に認められたそれであったことに間違いはない。
 それでも彼は猟兵の力を……いや、執念を甘く見ていたと自戒せねばならないほどに追い込まれていたのであった。
 とはいえ、パラダルクの目的は猟兵の打倒ではない。
 不利な状況になったのなら、無理にこの戦場に固執するのではなく、撤退という選択肢が彼には存在する。
「……貴方が探し人を捉えた末に何を狙うか……ただ殺めるのみと断ずるには貴方は聡きに過ぎるとは考えますが……」
「よう、中々の男前じゃねぇか。そんなアンタがあの少年親分にご執心とは驚いた」
 そんな魔王が動きを止めたのは、二人の女猟兵の言葉を聞いたその時だった。
 答えには期待していないという風に静かな表情で言葉を紡ぐ月白・雪音(月輪氷華・f29413)の横で、数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)はくつくつと笑いながら軽口をたたく。
 雪音が考えた通り、パラダルクにはもはや対話に応じる意志など無いのだが、彼女たちの言葉と振る舞いは、彼の関心を引くには十分であった。
「知っているのか、奴が何処にいるのかを……!」
「さあて? もしかしたら同名の別人かも? ……この先の返事も分かってるんだろ?」
 もう一つの、過去を司る若かりし頃を彷彿とさせる、ある種の怒気にも似た威圧感がパラダルクから発せられる。
 あくまで飄々とした態度の多喜を睨みつけたまま、パラダルクは傍らの白い少女に合図を送る。
 しかし、未来を司るドラグナーガールから帰るのは、主の意に沿えぬ悲しみを湛えた否定の仕草。
 “現状”、猟兵たちの口を割る未来は見えていない。
「ならばその未来を創るのみ……! 最初の言葉を訂正しよう、僕は、君たちに用がある!」
 ここに至り、魔王が初めて猟兵へと敵意を向ける。
 無敵と謳われる魔王の力が今、猟兵たちへと襲い掛かるのだ。

「進軍しろっ! ドラグナーガールっ!!」
 パラダルクの号令と共に放たれるのは、少女たちが司る森羅万象の魔術砲。
 一射一射が必殺の威力を持った苛烈な攻撃が、猟兵たちへと襲い来る。
「うっわ、アタシら二人しか居ないのに、ダンスのルールも分かってねぇのか! 大丈夫? こっち乗る?」
「お気になさらず。挨拶代わり、というものでしょう」
「オッケ、じゃあ自由に!」
 宇宙バイクを操り、早々に攻撃範囲から離脱していく多喜に対して、雪音はそのままの立ち位置で死の弾幕を見やる。
 落ち着いて見ていればよく分かる。パラダルク自身が類まれな強者であっても、それが創り出す少女たちまで武の達人というわけではないのだ。
 力ばかりが大きい未熟な術者によって作られた弾幕には、魔術同士の隙間がわずかに見受けられる。
「――十分です」
 それは、練り上げた技術をもってして初めて通り抜けられる隙。
 獣としての強靭な肉体も確かに影響を及ぼしているが、それは見切りの眼力や体捌きの添え物に過ぎない。
「……馬鹿な」
 だが、パラダルクを驚愕させるのはそれではない。
      ・・・・・・・・・・・・・
 雪音は既にユーベルコードを受けている。
 ドラグナーガールたちの攻撃に合わせて放った精神支配の魔術は、確かに彼女を蝕んでいる。
 たとえ精神力で支配に対抗しようとも、それにより意識のキャパシティは削られ、殆ど無我に近い状態になるはずなのだ。
 その理由を、パラダルクは理解している。
 ただひたすらに積み上げた武の修練。純粋に遥かな高みをゆく、肉体に染みついた技量こそがこの信じられない所業の正体だ。

「おっと、こっちも相手してもらわないとな! 寂しくなっちまう!」
「くっ、この出鱈目な連中め……!」
 その驚愕の隙を突き、突進してくる多喜はある意味より理不尽だった。
 限界を超えて引き出されるドラグナーガールの猛攻を前に、宇宙バイクを盾にして強引に突っ込んでくるのだ。
 壊れては直され、また壊れる宇宙バイク。
「うーん、強化の具合がイマイチ……あ、そういやその白い子、成長する敵への対策なんだっけ?」
 自身のユーベルコードの効力に首を傾げながらも、多喜はドラグナーガールの軍を切り拓き進んでいく。
 あくまでタフなだけとも言える多喜の戦法に対して、しかしパラダルクの表情には焦燥が募っていく。
 一つはドラグナーガールの消耗。
 これまでと異なり、明確な戦意をもって彼女たちの力を引き出しているからこそ、もうじき彼女たちは消耗しきり用をなさなくなるだろう。
 もう一つは……。
「まずい、早く決着を……打ち砕けっ、デストロイ・ドラグナーガールっ!!」
「いいや時間切れさ。ダンスはおしまい――次のお客様だ」
 とっておきの切り札、異界の魔王と同じ破壊の属性から作られた従者が、目の前で身体を穿たれ消滅していく。
 少女を貫いた“槍”は、首を傾けた多喜の顔のすぐ横を通るたおやかな白い腕。
 魔王が手を伸ばした、多喜を破壊する未来を変えた雪音。
 その赤い眼差しに射貫かれたパラダルクは、とうとうこの場での勝ち目が消え失せた事を悟る。

「……仕方ない、碎輝はこの三十六の世界の何処かにいるようだし、次につなげよう」
 あくまでパラダルクはオブリビオン。
 この場での敗北が終わりではないと知る彼が、迫る雪音の拳を目を閉じ受け入れる。
 此処での敗北をもって己が望む未来に進もうという、未来に続く敗北を瞼の裏に見て、魔王の身体は打ち砕かれる。
「……未来とは定まるものに在らず。貴方が齎す滅びの未来を、我らが以て討ちましょう」
 それと同時に、雪音にかかっていた精神支配の魔術も解かれる。
 魔王の去った戦場にて、美しき武人たちはその勝利を宣するのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2022年05月17日


挿絵イラスト