7thKING WAR㉓〜未来は無色、それがゆえに悪魔(作者 らあめそまそ
2


#デビルキングワールド  #7thKING_WAR  #召喚魔王『パラダルク』 


タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#デビルキングワールド
🔒
#7thKING_WAR
🔒
#召喚魔王『パラダルク』


0



●それでも未来を信じたい
 つい先日、いろいろあってお亡くなりになられたドクター・オロチ。
 猟兵たちにとって記念すべき初の大戦争となった『銀河帝国攻略戦』において、そいつが乗っていたのが『実験戦艦ガルベリオン』であった。その際はドクター・オロチはオロチウイルスなる致死性のウイルスを開発し、それを満載した艦船を突撃させることで解放軍の壊滅を狙っていたわけだが。
 で、それと同型艦でなにやら企んでいるのが、今回召喚された魔王パラダルク、という事になるらしい。当然、平和的な事を考えているわけはないと思うのだが……。

「よし、そんな●●●●野郎は殺すべきに゛ゃ」
 いきなりいろいろな意味で物騒な言葉から入ったアイクル・エフジェイコペン(クロスオーバー三代目・f36327)。やめなさい。
「だってにゃあ。あたしは銀河帝国攻略戦の時はまだこの世界知らなかったわけにゃけど、調べれば調べるほどにドクター・オロチって腐れ外道なわけに゛ゃし。それと同じ船って事は、やっぱり悪い奴に決まってるに゛ゃ。それに、そのパラダルクにゃっけ?あらゆる物を女の子に変えた上で支配するとか、とんでもない能力な上に、全ての女の子の敵に゛ゃ」
 多少、アイクルの言う事に偏りが見られる気がしないでもないが、それでもパラダルクは倒すべき相手である事は疑う余地はないだろう。パラダルクは若い方と年行った方があり、今回戦ってもらうのは年行った方らしい。しかし、どことなく若い頃と比べてチャラついた感じになっているのはなぜだろうねえ。一人称『僕』だし。
 だがここでアイクルの言葉がトーンダウンする。
「……と、言いたいんにゃけど、どーもパラダルクってやつは死なないらしいんにゃ」
 なんで?と聞かれてもわからない。死なないものは死なないのだ。まあ超強いから死なない、という事で大体問題はない気がする。
「なので仕方にゃい、やつの儀式とやらは一緒にいるドラグナーガールとかいう、ドラゴンぽい翼に角を持つ女の子な見た目のなんやかやをやっつけても止まるらしいんで、そっちを目指した方がいいと思うにゃ」
 むろん、パラダルクが『ディアブロホワイト』と呼ぶドラグナーガールも未来をどうこうするとかで強いのだが、パラダルク本人を相手にするよりははるかにマシだろう。チャラチャラしているように見えても、たしかにパラダルクは超強いのだ。
「具体的に言えば、一発攻撃くらったらこっちが死ぬと思った方がいいに゛ゃ」
 パラダルクの能力は3つ。
 まず【ガールズ・ポシビリティ】はドラグナーガール1体の能力を3倍にするというものだ。未来を支配するドラグナーガールの攻撃をまともにくらったら、猟兵といえど未来を操られて戦線離脱となるだろう。
 次【フューチャー・ルーラー】は精神支配魔術だ。むろん精神を支配されたら戦線離脱になるだろうが、仮にこれを耐えたとしても、その際に猟兵の未来の動きを先読みされてしまう。そうなれば結局戦線離脱には変わりないだろう。
 そして【パラダルク・フューチャー】は大量のドラグナーガールを一気に超絶強化するというものだ。いかに猟兵といえど、強力な大量の相手に囲んでフルボッコにされたら、これは戦線離脱やむない状況になるだろう。
 一番肝心なのは、猟兵の登場を先読みするためか、パラダルクは猟兵を待ち構えていたかのように、遭遇即これらの技を使ってくる。猟兵は、まず相手の先制攻撃を逃れないといけない。それもユーベルコードを使う事なしに、だ。

「繰り返すにゃ」
 先刻までのハイテンションが嘘のようにまじめな顔でアイクルは言う。
「肝心な事はふたつ」
 まず、パラダルク本体とは戦わない。周りのドラグナーガールを叩く事。
 そして、相手の先制攻撃は絶対になんとかすること。しかもユーベルコードを使わないで、である。

「正直、あたしにはこれどうすればいいか全く思いつかにゃい。でも、みんななら、なんとかしてくれると思うんで、なんとかしてほしいにゃ」
 改めて、アイクルは猟兵たちに頭を下げた。


らあめそまそ
 本当にどうすればいいか思いつきません。らあめそまそです。
 7thKING WAR第3弾、召喚魔王(正体不明1)改めパラダルクとの戦いをお送りいたします。
 このシナリオにはプレイングボーナスがあり、これをプレイングに組み込む事で状況を有利に進める事ができます……というより、組み込まない限り失敗します、と言う方が正しいかもしれません。

 プレイングボーナス……敵の先制攻撃ユーベルコードに対処する(しない限り必ず苦戦か失敗になる)/踊るドラグナーガール達を倒す。

 プレイングボーナスが組み込まれていない場合、プレイングを没にさせていただくことがございますが、悪しからずご了承いただければ幸いです。
 それでは、改めましてになりますが、皆様のプレイングをお待ちしております。
24




第1章 ボス戦 『召喚魔王『パラダルク』ディアブロホワイト』

POW ●ガールズ・ポシビリティ
自身の【下僕であるドラグナーガール】ひとつを用いた行動・攻撃の威力を3分間3倍にする。終了後[下僕であるドラグナーガール]は【可能性を使い果たしたこと】により破壊される。
SPD ●フューチャー・ルーラー
【ドラグナーガール達と連携し、精神支配魔術】で攻撃する。また、攻撃が命中した敵の【以降の動き方や使用ユーベルコード】を覚え、同じ敵に攻撃する際の命中力と威力を増強する。
WIZ ●パラダルク・フューチャー
召喚したレベル×1体の【ドラグナーガール】に【ガルベリオン鋼の機械兵器とダンス技術】を生やす事で、あらゆる環境での飛翔能力と戦闘能力を与える。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


ルイ・エルドレッド
『チート能力だとヨ』
「ならいい勝負が出来そうだな」

影の中のジークと喋るルイに相手はドラグナーガールを嗾けてくる。

「“理不尽”なら、俺の専売特許だ」

そのまま世界浸食ソフト『OPUS』を駆使し、周囲の情報を書き換える。それはゲームでは普通に存在する“ある機能”を真似た物。

[Pause!]

その瞬間周囲の時間が止まる。どれだけ最強のモンスターでも、最強の能力を持っていようとも、ゲームの“ポーズ状態”には勝てない。これもとあるゲームから会得した【戦闘知識】の一つだ。もちろん“我々”は“OP”権限で例外だ。

「さて、と」

UCで自らに[爆破【属性攻撃】、火力UP]を付与。止まってる敵に攻撃し、ポーズ解除する。


●何そのシャレにならないアイテムしかも公式
 この敵は高難易度と呼べる物ではない。高難易度はまだクリアさせる気があるものだ。ではクソゲーか。それも違う。クソゲーは確かに非常識な難易度だが、それはまだ善意があった。善意が事故った結果、理不尽が生まれてしまったのだ。目の前のこいつは、作られた理不尽、悪意の塊だ。もはやゲームと呼ぶ事すらはばかられる。あえて呼ぶなら、芸無だ。
『チート能力だとヨ』
 実験船内に降り立ったルイ・エルドレッド(隠しボス・f36867)に、影が話しかけてきた。その正体は、メガリスを食べた鴉の魔獣『ジーク』
「そのようだな」
 応えたルイに、恐怖や逡巡の感情はない。むしろその顔は、これからの戦いへの闘志、そして自らの力への自信に満ち溢れていた。
「なら、いい勝負が出来そうだな」
 ルイはバーチャルキャラクターだった。ゲームの中で生まれ、育ち、様々なゲームの中で自らを鍛え抜き、そして表舞台に出てきた。ゲームの中には理不尽ゲー、クソゲー、超難易度ゲー、そんなのは普通であり、全く珍しいものではない。そのため、理不尽なフィールドは、むしろルイにとっては慣れた場所であった。
『やはり来たね、猟兵』
 迎え撃つパラダルクは、むろん未来を読むことで猟兵の襲来を予測していた。そして予定通りに必殺の【パラダルク・フューチャー】を放ったのである。
『君達はここから立ち去るか、それとも僕の可愛い子たちにフクロにされるか……それこそが、僕(パラダルク)の見る未来(フューチャー)だよ』
 パラダルクのレベルは不明であるが、間違いなく3桁はあるだろう。たちまち、1匹2匹3匹、あとはたくさんのドラグナーガールたちに、ごっつい武装が装備された。見るからに強そうだし、なんかロケットのようなものやら翼やらもついていて、かなりの速度で飛べる感じもする。瞬間、連中は文字通りの意味でルイに向けて躍りかか……いや『踊り』かかってきた。なんかダンスをしながらものすごい速度で突っ込んできたのである。
『これは実に理不尽だナ』
「ああ」
 ユーベルコードを使う暇はない。それでもなおルイに恐れはない。この程度の相手、あの弾幕シューティングに比べれば……
「だが“理不尽”なら、俺の専売特許だ」
 今こそあれを使う時なのだ。
「世界浸食ソフト『OPUS』起動!」

 電脳空間、あるいはサイバースペースといえば、UDCアース世界よりはるか遠い未来において存在する技術体系である。しかし、例えばスペースシップワールドでも、キマイラフューチャーでも、電脳世界はあくまで現実と異なる場所に存在する。なんらかの方法でそこに行ったり、そこから様々なものを現実に持ってくる事はあっても、基本は手の触れられない場所なのだ。
 それがサイバーザナドゥの登場で一変した。そこには、なんとサイバースペースを現実に持ってくる手段が存在したのだ。ワールドハッカーと呼ばれる彼らは現実を改変してサイバースペースを生み出し、さらにそこにプログラミングを加えて自由に自分の望む空間を作り出す。そのための道具が『世界侵食サーバー』であった。

 ルイの卓越したタイミング能力は、一瞬でその作業を終えた。そしてドラグナーガールが今まさに眼前に迫ったその時、狙っていた機能を発動させたのである。
[Pause!]
 ルイの周囲が止まる。迫って来たドラグナーガールはおろか、ロケットから噴き出していた爆風も、ルイを狙って繰り出された武器も、塵や埃すら、全て。
『……な、何が起こったの?』
 射程範囲の外にいたパラダルクはこの影響を受けずにいた。しかし、目の前の状況に驚愕して、固まっていた。
 ポーズ機能。ゲームをやったことのある者なら誰もが知っている機能である。ボタンを押したら全てが止まり、再度押したらまた動き出す、あれだ。
「さて、準備するか」
 全てが止まった中で、ルイとその影だけが動いている。空間のOP(管理者)権限を持つルイたちには、ポーズは適用されないのだ。
『馬鹿な、こんな未来、僕は見ていない』
「お前の未来は知らないが」
 動揺ひとしきりのパラダルクに、ルイは言い放つ。
「もはやここは俺の【支配領域】、ここでは俺がルールだ」
 今や完全に場を支配したルークは自らの右手に触れた者を爆発させる力を付与する。爆発は抵抗不可で、それでもあえて抵抗しようとする者には今後の行動すべてにペナルティが付く。管理者でなければ絶対許されない力で、ルイは微動だにしないドラグナーガールに次々触れていく。そしてひととおり触り終わった所で……
「解除」
 止まっていた時間が動き出す。抵抗できない爆発を受け、ドラグナーガールたちはまとめて吹き飛んだ。チートに対してさらなるチートで返すも、ルイの顔に笑顔はなかった。
「あのゲームの方がまだ簡単だったな」
 ルイにとって、それはあまりに当然の結果だったからだ。
大成功 🔵🔵🔵

アルテミシア・アガメムノン
現段階でパラダルク本人を討つのは無理そうですわね。
とは言え、ここ魔界に来て好き放題できるとは思わないことです!

先制対策
敵WIZUCで強化されたドラグナーガール群。
とりあえずは超雷嵐(属性攻撃×全力魔法)で機械兵器に損傷を与えつつ、第六感と見切りで回避と防御に専念して凌ぎましょう!

初撃を凌いだ後に『滅びの創造』で極限熱量魔法【天地開闢】で辺り一面を焼き払いましょう。

ほほほ、高温の上限は無限です。この魔法はその無限を創造する!
パラダルクさんは無理でしょうけど、ドラグナーガールさんが耐えられる温度じゃありませんわよ!


●『魔王』の名の重さ
 アルテミシア・アガメムノン(黄金の女帝・f31382)はあきらかに不機嫌であった。
「現段階でパラダルク本人を討つのは無理そうですわね」
 その事は重々承知である。なのでパラダルクではなく、周囲のドラグナーガールを狙う方針には異論はない。
「……とは言え!」
 だがその上で、言わねばならない事があった。

 魔王とは今やデビルキングワールドの住人のみを指すものではない。猟兵の流入後、他世界の種族の中からも魔王になる者が次々に現れている。彼らはむろん、自分なりの思惑をもって魔王を名乗っているのだろう。それ自体は決して悪い事とはいえない。仮に悪い事だったとしてもそれはデビルキングワールド住人にとってはむしろ望ましいかもしれないので、魔王僭称自体はカッコいい事ととられるのかもしれない。
 それでもなお、アルテミシア陛下にはプライドがあった。悪のカリスマをもってみずからの魔王国を立派におさめ、天下統一という最大のワルを成し遂げる、正統派魔王としての誇りが。なので、ポッと出の異世界からの召喚者が魔王と名乗るからには、魔王としての年季が違うアルテミシアには絶対に負けるわけにはいかない相手なのであった。

『悪いけどここは行き止まりだよ』
 だが、その言葉を言わせる暇を、パラダルクは与えるつもりはなかった。
『僕の未来(パラダルク・フューチャー)に、君の王国は必要はないのさ』
 瞬間、パラダルクが率いるドラグナーガールたちに、機械兵器が装着された。宇宙戦闘向けでありながら大気圏内での戦闘にも堪え得る銃にブレード、アーマー。高速飛行を可能にするウイングにブースター。彼女らはいわば、魔王パラダルクの王国の民と言えた。魔王以外には龍の角と翼を持つ女の子だけの王国とはいかにもいびつではあるが、それでも王国は王国なのだ。
「なかなか立派な兵士をお持ちのようですわね」
 大軍を前にしても、国王たる誇りで堂々たる姿勢をアルテミシア陛下は崩さなかった。見た目が女の子であろうと油断してはいけないのは、同じデビルキングワールドの住人や、猟兵たちを見ていれば自然と理解できる事だ。肝心なのは冷静に相手の強みと、それに付随する弱点を見極め、そこを突く事だ。
「たしかにスペースシップワールドのガルベリオンの名を冠する金属?ということは、むこうの技術の結晶なのでしょうね、その装備は」
 超高速でアルテミシア陛下に躍り、もとい『踊り』掛かるドラグナーガールたちを、陛下は慎重に見定める。
「ですが、それに頼りきっているようでは、魔界ではやっていけませんことよ!【超雷嵐】!」
 陛下は全力で、電撃属性の魔法を放つ。雨が降り、雷が鳴り響く。風が吹き荒れ、嵐となり、嵐は雷を集め、激しく放電する巨大な竜巻となり、ドラグナーガールたちを巻き込んだ。強烈な風雨雷電がドラグナーガールたちを責めさいなむが、彼女たち本人にはダメージはない。しかし、その着用する電子機器には的確にダメージを与えていた。鎧のあちこちから煙を吹き、飛行速度が目に見えて落ちていき、やがて飛行不可能になって地に落ちる。そんな彼女らを油断なく見つつ、アルテミシアは王錫を構えた。
「さて、ここからですわね」
 それでもなおドラグナーガールたちは健在である。飛行ができなければ二本の足で進めば良い、とばかりに踊るようにアルテミシアに迫る。ユーベルコードが使えるまではまだ時間がかかる。宇宙的なデザインの刀をもって斬りかかるドラグナーガールたちの攻撃を、アルテミシアはひたすら回避に専念した。眼で見られる範囲は動きを見切ってかわし、王笏で受け止め、それも難しければ数多くの戦いで養われてきた直観力でかわす。さすがに無傷ではいられず、金色の髪が、豪勢な衣装が、ところどころ血で染まる事にはなったが、それでも魔王の誇りでアルテミシアは苛烈な攻撃を耐え抜いた。
 そして、ついに待っていた時が来たのである。アルテミシアの願いが叶う、叶える、その時が。
「ほほほ、わたくしの望みは、あなたの王国の滅びですわ!」
 その名は【滅びの創造】。そしてすべてを滅ぼした後に来るのが【天地開闢】である。滅びと想像は表裏一体。全てを滅ぼした後でなければ、新たなものは作られない。極限を超える熱量がドラグナーガールとパラダルクを襲う。
『これは……これでは僕の可愛い子たちは……』
 パラダルク本人は、迫りくる超超高熱の奔流に対しその恐るべき力を使い、ドラグナーガールに変化させることで攻撃を回避した。だが、鎧の防御機構を失っていたドラグナーガールに、これに抗する手段はない。荒れ狂う炎がおさまった後、立っていたドラグナーガールはただの一人もいなかった。
「ここ魔界に来て好き放題できるとは思わないことです!」
 今度こそアルテミシアは、言いたかった言葉を、パラダルクに突き付けた。その堂々たる姿は、まさしく魔王だった。
大成功 🔵🔵🔵

フレスベルク・メリアグレース
女性としてあなたには嫌悪感を抱きます
全てを抱えるならともかく、貴方は彼女らを使いつぶしているでしょう

そう言いながら教皇用帰天召喚器……わたくしが扱う『ディアブロホワイト』と『アンヘルブラック』を用い、時間を捻じ曲げて『先制攻撃を受ける未来』と『先制攻撃を受けた過去』を破却
先制攻撃の時間をなくして反撃

生憎と『ディアブロホワイト』のUCを持っていないのですよ
なので『アンヘルブラック』のUCでお返しします

三呪剣を100回以上の猛攻で放射し、ドラグナーガールの『過去』を封殺して『儀式』の邪魔をします

ついでにパラダルク本人にも!
牽制の意味も込めて三呪剣を放ち、攻撃していきます


●目には歯を
 フレスベルク・メリアグレース(メリアグレース第十六代教皇にして神子代理・f32263)は怒っていた。
「女性としてあなたには嫌悪感を抱きます!」
 怒りの対象は、むろん、目の前でドラグナーガールたちを侍らす男、パラダルクである。
「全てを抱えるならともかく、貴方は彼女らを使いつぶしているでしょう!」

 女の子と恋人関係になるまでは真剣に向き合うくせに、いざ恋人関係になった瞬間、急激に冷淡な態度を取るような男を称して『釣った魚に餌をやらない』といったりする。パラダルクについては情報が少ないので、もしかしたらドラグナーガールたちを愛玩品としては愛でているのかもしれない。ならば餌はあげてるのかもしれないが、実はなにげにもっとひどい事をしている。彼のユーベルコードの中で、ドラグナーガールの力を超絶強化する代わりに、効果が終了したらそのドラグナーガールが確実に死んでしまうというものがある。これなどは、確かにフレスベルクの言葉の正しさを示しているような気はするのである。はっきり言って生殺与奪を支配しているのは、餌をあげないというレベルじゃないと言っても過言ではあるまい。

『使い潰してるか、ん~、君にはそう見えるんだねえ』
 パラダルクはあまりに軽い調子で応じた。
『でもそれは違うんだ。彼女たちは僕を心底愛してくれてるんだ。だからこそ、僕のために喜んで命を捨ててくれるんだ』
「あなたがそのように彼女たちを支配しているからでしょう!」
 これ以上の問答は無駄だろう。あまりに自分と相手では価値観が違い過ぎる。フレスベルグは白・黒二丁の銃型デバイスを構えた。
『悪いけど、僕は未来(フューチャー)の支配者(ルーラー)なんだ』
 パラダルクの指示を受け、踊っていたドラグナーガールたちがフレスベルクを囲んだ。そしてパラダルクが輝き、それに伴ってドラグナーガールたちもまた光り輝くと、ドラグナーガールたちの間が光のラインで結ばれた。フレスベルクはいつの間にか、ドラグナーガールたちによって形成された魔法陣の中心に立っていたのだ。その動きはあまりにもスムーズに実行されたため、フレスベルクがユーベルコードを発動する時間はない。むろんそれは予定されていた事であり、フレスベルグはその対策を用意していた。
「そうでした、貴方は過去と未来を支配しているのでしたね。ですがそれは貴方の専売特許というわけではありませんよ」
 偶然か、はたまた必然か。フレスベルクの持つ教皇用帰天召喚器もまた、白い『タイプホワイト』は未来を、そして黒い『タイプブラック』は過去を、それぞれコントロールするものだったのだ。ちょうどそれは、パラダルクが操るディアブロホワイトとアンヘルブラックに、それぞれ対応していたのである。フレスベルクは召喚獣を呼び出し、『タイプホワイト』で『先制攻撃を受ける未来』に、『タイプブラック』で『先制攻撃を受けた過去』に、それぞれ働きかけ、それらが存在しない世界を作り上げたのである。
『なるほどね』
 ユーベルコードを使用した世界が打ち消され、ドラグナーガールたちはパラダルクの指令を受ける前の状態で踊っている。彼女らを支配するパラダルクには、何が起こったかが分かっていた。
『でも、もうきみのそのオモチャは当分使えなさそうだね。今度はどうするんだい』
 パラダルクの指摘通り、フレスベルクの持つ二丁の教皇用帰天召喚器は光を失っていた。ユーベルコードに対抗するため、少し無理をし過ぎたかもしれない。だがフレスベルクは困っているようには見えなかった。実際、武器はそれだけではない。
「ご心配なさらず。わたくしの武器は、これだけではございませんわ」
『ほう、僕と同じで未来を支配する力を持っているのかい』
「あいにく、そちらの方はちょうど切らしておりますので」
 言葉とともに、フレスベルクの背後に、三本の剣が現れた。
「アンヘルブラック……黒騎士アンヘルの方で、お返しいたします」

 かつての戦争で猟兵たちと激しい戦いを繰り広げた、過去を操る黒騎士アンヘル。彼のの技のひとつに三本の剣を使うものがあった。黒の呪剣で過去の鍛錬を、白の呪剣で過去の経験を、灰の呪剣で過去の経歴を封じるものである。どれか1本でも当たれば、現在の力の源をひとつ失う事で相手は技量を損ない、最終的には全てを失う事で戦う力そのものが失われてしまう、という、恐るべき技であった。

『未来に対抗するのは過去ってことかい?よろしい、やってみせてくれ』
 パラダルクは今度はフレスベルクを包囲するのではなく、直接攻撃に出た。パラダルクの背後で踊っていたドラグナーガールたちの体が光を放ち、彼女らの全身から放たれる光が一斉にフレスベルクに飛ぶ。
「封神の刻は今此処に為された!」
 フレスベルクが3本の剣を飛ばす。
「白と黒と灰の呪剣の太刀筋幾星霜!その刃の煌めきは宙の域を超えて人の未来を開闢する!」
 3本の剣が激しく動くと、残像が発生して剣が何百にも増殖して見えるようになった。その1本1本が振るわれるたびに、飛んでくる呪文の光線が断ち切られる。光線が放たれた過去を消す事によってその存在そのものを消しているのだ。次々と飛んでくる光線を、3本の剣は全て切り払っていく。そしてそのまま剣はドラグナーガールへと突っ込んでいくと、またたくまに彼女たちの過去を封殺し、蹂躙していった。
『ふむ、どうやら今回に限っては、過去が勝ったみたいだね』
 そのままの勢いで、フレスベルクはパラダルクにも三呪剣を飛ばしたが、これはパラダルクが剣をドラグナーガールに変える事で防がれた。それでもなお、儀式の妨害を行えたという事実は確かに残ったのである。
大成功 🔵🔵🔵

エドゥアルト・ルーデル
リア充爆発しろ!

初手から大量召喚、更に描写の面倒な武装を盛る、更に更に飛ばしたらもう数え役満でござるよ
世界の処理が重くなって…【物理演算の神】が降臨する!お戯れのバグが来るぞォ!
残念だったな!物理の狂った世界で真っすぐ飛べるものか!空で溺れるだけだ!体も異様に伸びたり世界の裏側にしまわれちゃったりうーん地獄絵図
まあ拙者も浮くが…地面の判定がおかしくなったんでござるね

溺れてる所だけどちょっと爆破しといてくんない?爆弾あげるから
…という訳で空中でガールに爆弾括り付け、パラダルク宛に拙者ちゃんドロップキック!世界が狂ってるから異様によく飛ぶぞ!リア充爆発しろ!
拙者は蹴った反動で弾けて戦場離脱ですぞ!


●その名は大混乱
 相手は女の子をいっぱいはべらせた、いけすかない野郎。ならばエドゥアルト・ルーデル(黒ヒゲ・f10354)としてはこう叫ばずにはいられなかった。
「リア充爆発しろ!」
 わかる、超わかる。ほんっとわかるわ。まあエドゥアルトの事なのでどこまで本気かはわからないが……で、言われた方はというと。
『リア充ねえ。正直僕が充実しているのかはわからないけどね。なにせ女の子がいるのなんて、あまりに僕には当たり前すぎるから、いないって事がわからなくてね』
「よし死ぬでござるよ」
 パラダルクの、あまりといえばあまりの言い分に、思わずライフルを携えたエドゥアルト。よし許す。殺れ……と、言いたいのは山々であるが、その前に超えねばならない山があるのだった。
『そんなにうらやましいのなら、ちょっと貸してあげてもいいかもねえ。まあ、なついてくれるかはまた別問題だけど』
 パラダルクがそう言うなり、ドラグナーガールたちが、ジェットエンジン付きの未来的な鎧に武器を装備し、全員身構えて突撃の姿勢を取った。これはどう見ても女の子に囲まれてウヒャウヒャ、なんてことが起こるような未来には到底見えない。
 さてユーベルコードなしで、エドゥアルトはどうやってこれに対抗するのだろうか。
「まずい、これはまずいでござるよ」
 踊りながら飛んでくる敵の大軍を見て、エドゥアルトは怯えたような顔をした。もしかして対抗する手段がないのだろうか。
「初手から大量召喚」
 ……そうですね。レベルと同じ数いますね。何レベルかは具体的には不明ですが、一匹二匹あとはたくさんといった具合でしょうね。
「更に描写の面倒な武装を盛る」
 ……そうですね。スペースシップワールド的な感じのフルアーマーです。メカとかむちゃくちゃ描きづらいのではないでしょうか。細かそうだし。
「更に更に女の子たちを飛ばす!」
 ……そうですね。超高速で飛んできますね。ジェット噴射の描写とか、風で髪の毛やらがなびく描写とかも、なかなか細かそうな感じがしますよね。
「ついでに言うなら女の子!」
 ……そうですね。やっぱりパラダルクの趣味でかわいい子を集めているようで、かなり描きこみすごそうですね。角とか翼とかもデザイン大変そうですね。
「もう数え役満でござるよ!!」
 言いつつ手にしたマークスマンライフルを乱射するエドゥアルト。だが所詮は通常弾。ユーベルコードの力を借りているわけではないため、ドラグナーガールたちには簡単に回避されるし、そも当たっても大して効くとは思えない。無駄な抵抗のように思われた……が。
『……何か、起こってる?』
 パラダルクはどうやら異変に気が付いたらしい。エドゥアルトに向けて突撃するドラグナーガールたちの様子がなんか変なのだ。具体的には、数が並ぶとなんかチラついているように見えたり、全体的に妙に動きがスローモーションになったりするのだ。
「処理落ちでござるよ」
 してやったり、という顔でドヤるエドゥアルト。
『……何それ?』
 例えばゲーム等でコンピューターがなんらかの動作を完了させることでキャラクターは動くわけだが、動かす量が多かったり、コンピューターがよわよわだったりすると、動作完了が遅れたり、しなきゃならない動作を省略したりする。これにより、変な事が起きると。処理落ちとは簡単に言えばそういうことだ。
 一番多いのは、ゲーム全体のスピードがスローモーションになり……。
「こんな風に簡単に相手の動きや弾を見切れるようになるでござるよ!」
 言いつつ、エドゥアルトはドラグナーガールたちの攻撃を華麗に躱していく。
『スペースシップワールド製のグラボもこの程度ってこと?それとも安物つかまされたの?』
 パラダルクは愕然としたあげく、わけのわからない事を言った……が、この程度では済まなかった。
「世界の処理が重くなってきたでござるな。だが、まだまだこんなものではないでござるよ!」
 エドゥアルトの顔は、しかし笑顔ではなく、恐怖を浮かべていた。
「降臨するでござる……【物理演算の神】が!【神の怒り】が!お戯れのバグが来るぞォォォォォォ!」

 そして、大混乱が訪れた。

 突然、ドラグナーガールたちの挙動が明らかにおかしくなった。まともに動いていないのだ。あっちに行ったりこっちに行ったりと、エドゥアルトの方など向いていないようであった。いや、それでも飛んでさえいればまだマシだったかもしれない。地にもぐったり、逆に天に上がり過ぎて艦の天井を突き抜けたり、溺れているようにその場で暴れだしたり。そしてその形もゆがんだり伸びたり縮んだり。
「残念だったな!物理の狂った世界で真っすぐ飛べるものか!」
 どういうわけだか自身も宙に浮かびながら、エドゥアルトはドヤった。
『な……何が悪かったの?CPU?メモリ?』
 もはやパラダルクは自分で自分の言っている事が理解できなかったであろう。
「さて神のやる事は拙者にもよくわからんでござるよ。てかわかってる奴?いねえよなぁ!!?それはさておき」
 エドゥアルトはなにげなしに空中を歩くと、空で溺れているドラグナーガールのひとりに爆弾をくくりつけた。そして。
「溺れてる所だけどちょっと爆破しといてくんない?」
 言いつつドラグナーガールにドロップキックを食らわせ、パラダルクへと飛ばした。
「世界が狂ってるから異様によく飛ぶぞ!リア充爆発しろぉぉぉぉぉぉ」
 そして自身は蹴った反動で戦線から離脱したのであった。なお残念ながら狂った世界においてもパラダルクは爆弾をきっちりドラグナーガールに変えて被害は免れたらしい。
大成功 🔵🔵🔵

黒鋼・ひらり
先制UCに対し磁力操作能力発動
磁力によって生やした機械兵器…即ち『金属で出来た』『機械』を狂わせ、操る事によりドラグナーガール達の動きを阻害

お生憎様、その手の機械にせよ金属にせよ私からすれば絶好のカモ…数を揃えてるのも仇になったわね
私の磁力の影響下でまともに動けるとは思わないで頂戴…跳ね飛ばして、引寄せてぶつけ合わせて…多少抵抗しても転送した斧槍や投剣、鋼鉄板で迎撃
悪いけど…無様なダンス、踊って貰うわ

そうやって初撃を凌ぎつつ…今度はこちらの番
転送した磁性体武器を磁力射出、一斉弾幕からのUCによる磁力付与を施し先程以上に磁力の影響受ける様にして纏めて諸共…何なら戦艦ごと巻込んでブチかますわよ


●機械に磁石を近づけてはいけない
『猟兵はあと何人ここに来るんだい?そろそろあきらめてくれてもいいんじゃないかな』
 次に姿を現した黒鋼・ひらり(鐵の彗星・f18062)を見て、パラダルクはあきれたように言った。しかし、そこには追い詰められた者の焦りではなく、いまだに余裕が見て取れた。
「来られるのが嫌だったら、あんたの怪しげな企みをやめたらどう?そうしたら帰ってあげる事を考えたげてもいいけど」
 不機嫌そうな仏頂面でひらりは応じた。むろん、そんな事をするはずもないのは百も承知である。猟兵が戦う事なしに立ち去る事がないのと同様に、だ。
『うーん、それはできない話だね。というか、なんでそんなに僕の儀式を阻止したいんだい。正義とやらはそんなに大事かい?』
「正義?違うわね。私が戦うのは」
 あくまで軽薄めいた軽口を叩くパラダルクに、ひらりはびしっ!と指を突き付けた。
「あんたに『ざまァみろ』って言う為よ!」
『ははは、ざまあみろ、か。君みたいな女の子には似合わない言葉だね』
「あんたにとっては女はそういうものかもしれないけど、私がそうだと思わない事ね」
『言うねえ。そういう強がり言う女の子は嫌いじゃないけどね』
 軽薄めいた姿勢は崩さないものの、パラダルクが口先だけではなく、それ相応の実力を持ち合わせているのは、その全身から発散される雰囲気からも明らかである。そして程なくそれは発揮されたのだった。
『それなら、その自信の根拠を見せてもらおうかな。僕の未来は変えられるかな?』
 パラダルクが指を鳴らすと、後方で踊っていたドラグナーガールたちに鋼の機械兵器が装着された。そのボディアーマーはそれ自体が強力な防御力を誇るのみならず、盾やバリアによってさらにその防御は固くなる。そして遠距離戦には砲撃、近接戦はブレードで両対応でき、しかも背部のブースターで飛行すらできるという、まさに万能兵器であった。それが1体ではなく集団で存在するのである。まさに数の暴力であった。
「お生憎様」
 だが、ひらりは冷静だった。普通に考えれば圧倒的に不利な状況だ。しかし。
「その手の機械にせよ金属にせよ私からすれば絶好のカモ…数を揃えてるのも仇になったわね」
 パラダルク側を有利にもっていくはずの武装や、数に頼った攻撃は、ひらりにとってはむしろ望ましい状況だったのだ。ひらりは強化人間である。ヒーローズアース出身のひらりは、かつてヴィランに拉致され改造手術を受けた過去がある。それは忌まわしい経験であった事には間違いはないのだが、同時に今のひらりの最大の力となっているのは皮肉と言おうか。
「【マクスウェル】起動、磁力操作能力発動」
 ひらりは最大パワーで磁力を放射する。それは、まさしく金属製の電子兵装で固めた機械兵器には特効と呼べるものであった。ドラグナーガールたちは強い磁力を浴び、まともに高速飛行は困難となる。自前の翼はあるものの、今やその鎧はただの重しでしかない。それでも動ければまだいい方で、鎧同士がくっついてまともに動けなくなった者や、天井や地面に張り付いてしまった者もいた。
「私の磁力の影響下でまともに動けるとは思わないで頂戴。悪いけど…無様なダンス、踊って貰うわ」
 ひらりはその後も容赦なく、自前の足や翼で自分のもとに向かおうとするドラグナーガールたちに磁力を浴びせ、あるいは吹き飛ばし、あるいはドラグナーガール同士をくっつけ、接近を許さない。ならばとばかりに、動けるドラグナーガールたちはブレードを振りかざすと、ひらりに向けて一斉に投げつけた。全員で刃を投げつけ、腕力と質量でひらりの磁力を無理やり打ち破る狙いだ。
「悪くはないけど、読み筋の範囲ね」
 ひらりは【MAGIC BOX】を発動させた。これは別空間にある武器庫から、自身の武器を転送するものであった。そして呼び出した鋼板に、総金属造りの斧槍数本を磁力で操り、盾とした。さらに棒手裏剣を磁力で大量に連射、小惑星群と見まがうような弾丸が飛ぶ。これらで投擲されたブレードを防ぎぎった。そうこうしているうちに、ひらりのユーベルコードの準備が整った。
「さて、今度はこちらの番ね」
 ようやっと磁気嵐に慣れつつあるドラグナーガールたちがメカの機能を復活させ、態勢を立て直して再攻撃をしようとしていたが、むろんひらりはそれを許すつもりはない。再度【MAGIC BOX】を発動し、呼び出したのは大量の砂鉄だった。
「逃げてもいいわよ、まあ、私の【磁界黒星】から逃げるのはかなり難しいと思うけど」
 本来の速度で突撃してくるドラグナーガールたちに、ひらりが飛ばした砂鉄が弾幕と化して襲い掛かる。さすがにこれは回避できるものではなく、ドラグナーガールたちはそれをまともに受ける。むろん、防塵対策は完璧であり、その程度で狂う機械ではない、が、砂による攻撃は本筋ではない。
「今のあんたたちは、磁石そのもの、纏めて諸共ブチかますわよ」
 磁力を浴びた砂鉄を思い切り浴びたドラグナーガールたちは、磁性体を発するようになっていた。黒星(ブラックホール)の重力に物体が引き寄せられるかのように、ドラグナーガールたちの四方八方から無数の磁性体が飛ぶ。さすがにこれには完全武装のドラグナーガールといえど耐えきれるものではない。
「てなわけで、改めて言うわ」
 ドラグナーガールたちの全滅を呆然と見ていたパラダルクに向け、ひらりは再度、指を突き付け、きっぱりと言った。
「ざまァみろ」
大成功 🔵🔵🔵

瀬河・辰巳
何だろ、自分の武器とかって物騒なヤンデレになりそうな気がするから、万が一攻撃できると言われてもパラダルクには近寄りたくないな。

先制UCへの対抗は、「毒使い」による麻痺毒効果付きの「呪詛」と「風属性攻撃』を組み合わせた呪いの竜巻。一瞬の「時間稼ぎ」も含めてガール達を吹き飛ばす。

吹き飛ばしたら即座にUC発動。モチーフは「標本箱」。壊れないガラスケースの透明な迷宮の中、ガール達に毒ガスと串刺しによる攻撃を浴びさせる。

外ではどれだけ美しく舞おうとも。ケースに入れられ針に刺されたら、ただの物言わぬ展示品になるだけだ。

万が一取りこぼしがいたら、オトモダチで足止めしながら死角から切り捨てよう。


●「針串刺し」の刑だッ!
 パラダルクを倒すのはきわめて困難だ。なぜなら、パラダルクにはあらゆる物を女の子にする凶悪な能力があるからだ。それは例えば、猟兵たちの攻撃も例外ではない。いかなる武器だろうと、ユーベルコードだろうと、たちまちドラグナーガールと化して無力化されてしまう。
「何だろ、自分の武器とかって物騒なヤンデレになりそうな気がするな」
 そんな前情報を聞き、瀬河・辰巳(宵闇に還る者・f05619)は考えていた。それが、自分の武器についての性格の想定か、それとも知らず知らずのうちに自分の性格をそのように捉えているのか。そのあたりは定かではない。ただ、ひとつ言える事があるとすれば。
「万が一攻撃できると言われてもパラダルクには近寄りたくないな」
 猟兵たちの中にはパラダルクへの攻撃を試みるものもいたが、辰巳は最初からその可能性は捨て、ドラグナーガールたちへの攻撃に専念することにしたという事であった。

 猟兵の態度がいかなるものであれ、パラダルクはその一見軽薄そうな姿勢を変えようとはしない。
『君は僕の方には来ないのかい、まあ男に来られても困るけどね』
 そして此度もまた、その軽薄な見た目の下に隠し持っていた刃を抜く。
『なら、こっちから行ってあげようか、ドラグナーガールたち』
 パラダルクの指令とともに、ドラグナーガールたちにスペースシップワールドを思わせるような機械の外装が装着された。それは言うならばドラグナーガールの竜騎兵(ドラグーン)とでも呼ぼうか。ブレードと火器で遠近両方に対応でき、馬の代わりに翼とジェットエンジンで自在に空を駆け巡る、まさに万能兵器と呼べる存在だった。猟兵たちとの戦いにおいてはいまいちその本領を発揮できていないようにも見えたが、強力無比な事実は否定はできないのだ。
「うーん、話には聞いてたけど、たしかに速いな」
 辰巳はつぶやく。事前情報の通り、ユーベルコード発動は間に合いそうにない。しかし、他の猟兵たちもことごとく、この強壮無比な武装ドラグナーガールたちを打ち破って来た。それは事前準備を怠りなく行い、ユーベルコードを用いずして同様に大掛かりな対抗策を実行できたからである。
「まあ、予定通り、行くか」
 そして辰巳もまた、そういった策を用意してきた。辰巳の背後で、足元にあった影が伸びると、それは本来ありえない動きをする。影が立ったのだ。
「ああ、頼んだ」
 辰巳が『オトモダチ』と呼ぶ影に呼びかける。影がわずかにうなずくと、突然風が吹き出した。本来風など吹くはずのない艦船の中で、である。
「あと、これも、と」
 風がどんどん強くなっているのを確かめた辰巳は、懐から粉の入った紙の小袋を取り出した。封を切り、粉をばらまくと、それは風に乗って舞い上がった。いつしか風は竜巻と化し、ドラグナーガールたちに襲い掛かった。ただの竜巻ならばドラグナーガールたちはこれをなんなく乗り切り進んだことだろう。だが、それはいわば呪いの竜巻だった。ドラグナーガールたちの動きがあきらかにおかしい。辰巳を見失ったかのように迷走を始めていた。
 粉の正体は毒薬だった。森で生まれ育ち、今も森を生活の場としている辰巳にとって、毒の知識は必須科目と呼べるものだった。生活の糧を得るため、そして自らがその害を受けないために。そこにさらに『オトモダチ』の呪詛の力が加わり、竜巻は麻痺毒効果を持つものとなっていたのである。また呪詛の力は竜巻の力そのものも強化し、ドラグナーガールの力をもってすら容易に前進できないものになっていた。
「さて、準備はできた」
 ドラグナーガールたちはやがて呪いの竜巻に対応したが、時間稼ぎとしては十分だった。その間に辰巳のユーベルコードは完成したのである。戦闘前にはどことなく無気力そうに見えたその顔は、あきらかにその成分が変わっていた。冷静に敵を情け容赦なく叩く、戦う者の顔に。
「美しき蝶なら、是非とも標本にして飾っておくべきだな」
 瞬間。呪いの竜巻をものともせず辰巳に向けて突き進んできたドラグナーガールたちの動きが止まった。まるで見えない壁によって動きが妨げられているような、そんな様子だった。これこそ辰巳のユーベルコード【箱庭(オリノナカ)の遊戯】の効果だった。透明な壁で作られた迷路を戦場全体に出現させ、ドラグナーガールたちを閉じ込めたのである。一見ガラスのように見える壁だが、むろん強度は桁違いだ。ドラグナーガールたちは出口と探すよりはと、壁に砲撃を加え、ブレードで斬りつけ、破壊して脱出する道を選んだ。だが、彼女らにその時間は与えられなかった。 迷路全体が毒ガスで埋め尽くされ、さらにその壁からは大量の棘が出現したのである。ドラグナーガールたちは毒ガスを浴び、さらには全身を串刺しにされ、次々と息絶えていく。
「外ではどれだけ美しく舞おうとも。ケースに入れられ針に刺されたら、ただの物言わぬ展示品になるだけだ」
 斃れていくドラグナーガールたちに向け、冷たく辰巳は言い放った。そこにあったのは、ただ敵手に対する純粋なる殺意のみであった。
大成功 🔵🔵🔵

マリア・ルート
吐き気がするわね。
そんなに侍らせておきながらまるで使い捨てみたいに使役するなんて……
本来なら討滅してやりたいけど、できないみたいだしね。なら、まぁ……撃退するまでよ。

先制で相手のガール1人が超パワーアップする。
それに対応するように【指定UC】を発動、数本を牽制に回しながら大量の武器を目の前で盾のように展開し防御するわ。範囲攻撃にも野生の勘で対応してそっちに武器で盾展開する。武器は無敵だからこれでやられることはないでしょ。これでどうにか3分間時間稼ぎするわ。

3分たって自滅したら反転攻勢。
次が来る前にドラグナーガールをまとめて範囲攻撃するわ!パラダルクは……巻き込めたら御の字程度で。



「吐き気がするわね」
 マリア・ルート(紅の姫・f15057)もまた、パラダルクが万物を女性型にして操る事に怒りを覚える一人だった。
「そんなに侍らせておきながらまるで使い捨てみたいに使役するなんて……」
 あらかじめ、相手の攻撃についての情報は得ている。そして、3つある能力のうち、どれを使うかについても。マリアの言葉は、それを前提にした発言であったが、むろんパラダルクにはそんな事はわからない。
『わからないかなあ。だから、僕は別に彼女たちを使い捨てにしてるわけじゃないんだよね。ただ、彼女たちは僕の事を好きすぎて、命すら喜んで捨ててくれるってだけなんだけどねえ』
 ところでドラグナーガールたちはもともと生物だったわけではなく、無生物だったのがパラダルクによってこの姿を与えられた、いわばパラダルクの被創造物なので、パラダルクに生殺与奪の権がある、という考え方もできなくはない。ただ、それを言うなら人間だって神の創造物だ。少なくともヒーローズアースにおいては。が、今では人間は神から独立し、時として神と戦ったり、あるいは神と肩を並べ、手を組み合ったりしているのだ。ドラグナーガールに自由意志があるのかは現段階でははっきりとした事は言えないが、自分の創造物だから破壊するのも自由という考え方に異論をさしはさむ事自体は、決して間違っているとは言えないような気はした。
 さておき。
『僕だって彼女たちの事は愛しているつもりなんだけどねえ。実際、彼女たちの力をこんなに引き出せるのは、僕だけなんだし』
 言いつつパラダルクは背後で踊るドラグナーガールの一人に目を向けた。
『さ、あの猟兵に、女の子の可能性(ガールズ・ポシビリティ)を見せてあげて』
 パラダルクの言葉と同時に、ドラグナーガールの体が輝き始めた。その光が彼女の内側から出ている事に、マリアはすぐに気が付いた。間違いない。あれは彼女の命を燃焼する事によって発生している、いわば命の炎だ。あれを全て燃やし尽くした時、彼女の命も消える事だろう。
「未来の可能性を消しといて、女の子の可能性ねえ」
 マリアは嘆息したが、未来の可能性を捨て、現在の可能性に全てを注ぎ込んだ結果、そこにはあまりに濃密な現在があった。マリアはユーベルコードを発動し、大量の武器を『創造』の魔力で製造して対抗しようとしたが……すぐに気づいた。能力の発動は間に合いそうにない。それほどまでに、濃縮された現在は速く、そして強かった。だが、人は結局手持ちの物で勝負する以外に手はないのだ。
「……ちょっと数は足りないけど……ッッッ!」
 マリアは持っていたありったけの武器を床に落とした。刃の突いたガントレット。2つの剣が柄の部分で合わさったような両刃剣。文字が刻まれた剣。退魔の魔力を持った剣。大型のハンマー。銃剣付きの重火器。砲撃のできる斧。物理的ではない刃を持つ剣。計9本。本来予定していた数の1/70だ。だが、こういう考え方が好みであるかないかは関係なく、この場は数の差を気合でカバーするしかない。
 光り輝くドラグナーガールがマリアに迫る。とりわけ、特に光が強い右手を振り上げ、殴るつもりらしい。狙いはわかりやすいが、その速さがゆえにわかっていても回避は困難だ。そして、その右手を喰らった日には、マリアの未来が操られるのが目に見えていた。マリアは両刃剣を手にとると2つに分け、これを盾のようにしてドラグナーガールの攻撃を受ける……その瞬間、剣は未来を失い、音もなく消滅した。
 その後も、ガントレットが、神話文字の剣が、魔を滅する剣が、次々に失われていく。マリアはどうにか間合いを離すと、銃火器と大砲を構えて撃ちまくるが、次々に回避、あるいは打ち消され、そしてついにこれらも盾代わりに使わざるを得なくなった。あと盾にするものがあるとすればバイクぐらいだろうか。マリアの思考に気付いたバイクが拒絶の意思を示したような気がした。
「……安心して、その必要はなくなったわ」
 決死の時間稼ぎの結果、ついに【血見猛猟・百器野行】(ワイルドハント・ウェポンズカーニバル)が間に合ったのだ。マリアの前に現れた武器の数、じつに620本。しかもそれらは全てマリアの意思で自在に操れるのだ。今度こそ、マリアは当初の予定を実行する事にした。武器の多くを盾としてドラグナーガールの攻撃を防ぎにかかったのだ。ドラグナーガールは武器を消そうと試みるが、この数ではさすがに切りがない。さらにマリアは武器の一部を飛ばしてドラグナーガールを牽制し、そちらへの対処も余儀なくされる。そうしているうちについに3分が経過し、ドラグナーガールは音もなく消滅した。
「さて、今度はこっちの番ね。あんたらに恨みはないけど、ごめんなさいね……ひとりを除いて」
 パラダルクが次のドラグナーガールを送り込む前にと、マリアはいまだ踊っているドラグナーガールたちに向け、残った武器を全て飛ばした。強烈な範囲攻撃の前にドラグナーガールたちは次々に倒れていく。『殲滅担当』としての面目躍如といったところだった。パラダルクにも武器が飛んだが、これはパラダルクが武器を女の子に変える事で防がれた。それでも数多くのドラグナーガールたちを討ち取る事には成功したのだった。
大成功 🔵🔵🔵

アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。



これ、違う世界線からきたTS私じゃないわよね?違うなら違うでこの世に同類が複数いるという恐ろしい世の中というわけですが。でも、やっぱり、これヤッテルことがだいたい私よねー。
早業の先制攻撃でリミッター解除、限界突破、オーバーロード。サイキックヴァンパイアとしての真の姿の封印を解く。
あらあらあら、精神支配魔術?この私に?サイキックヴァンパイアたる私の精神障壁(結界術、罠使い、降霊、カウンター)は一味違うわよ♪ええ、ええ、下手に私の精神に触れたならば頭セカンドカラーになってしまうわ❤つまり思考や嗜好が私と同等になるわ、コレって某首領パチ並のデバフよねぇ。
で、ドラグナーガール達に降霊した分霊達(多重詠唱)でそのまま背乗りし、ドラグナーガール達をアリスシスターズにしてしまいましょ♪ふふ、化術肉体改造で存在が作り変えられるのとーっても気持ちがいいでしょ♪(誘惑)
えっちなのうみそおいしいです❤
あ、結界術で時間質量操作するから客観時間は一瞬よ。


●催眠洗脳NTR~信じて送り出したはずの略
「これ、違う世界線からきたTS私じゃないわよね?」
 あらゆるものを女の子に変えて従属させるパラダルクを見たアリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗のケイオト艶魔少女・f05202)の第一声がこれであった。確かにアリスは女の子と男の娘が大好きなようなので、まあ、もしかしたら違う時に違う立場において出会っていたならば、パラダルクと気があうこともあったかもしれない。パラダルクが男の娘をどう思うかはわからないが。
「違うなら違うでこの世に同類が複数いるという恐ろしい世の中というわけですが」
 これは……美少女好きというだけだったら、まあ確かに猟兵にも多いだろうし、自ら女性でという条件でも、わりと猟兵には存在するらしい。そこで留まればまあ個人の問題なので、思想的心情的信条的にいろいろ思う所がある事がなくもない人はいるだろうけど、それでもそこまで口うるさく言う事もない範囲の話ではあるような気はする。ただ問題は、それで済む話か、ということである。
「でも、やっぱり、これヤッテルことがだいたい私よねー」
 やってる事ですか。試しにアリスのユーベルコードを見てみたけど、まあ確かに、いろいろな事をやっているようで、中にはパラダルクがやってるような事に近い事も見受けられなくはないか。それでもパラダルクみたいに、支配した女の子を使い捨てにするような真似は……ないよね?いや無論それがオブリビオンだったら結局は倒さなきゃなんだろうけど。
 で、パラダルクの方はというと。
『ん~、君と僕とは同類なのかなあ、それはよくわからないなあ』
 というのも、実はやってる事だけ見ればたしか似ているかもしれないのだが、両者において、それを行う動機については差異が存在する可能性があるのだ。アリスがそれを行うのは間違いなく彼女の嗜好がゆえなのだろう。一方のパラダルクはどうか。むろん女の子が好きだから森羅万象全てを女の子に変えて支配しよう、という事は十分ありうることだし、動機としてはむしろ理解しやすい気はする。ただ、単純に女の子の形がもっとも支配しやすいのだとか、そういう能力なんだから仕方ないとか、そういう可能性も一応ありうるのだ。仮に好き好んで女の子の姿にしている場合、純粋に愛でたいだけなのか、男なんだから女の子は支配するものだという昨今だとちょっと怒られそうな考えに基づくものなのか。まあ、無論似たような事やってるから同類と、雑にまとめてしまってもいいような気がしなくはないのだが。
 閑話休題。
 そんな事をしているうちに、気が付いた時には既にアリスはパラダルクが率いるドラグナーガールたちに完全に包囲されていた。その配置は、彼女らを円と線が結んだ時に魔法陣が形成されるようになっていた。
『まあ、それならそれで、僕が君の未来の支配者(フューチャー・ルーラー)になって、本当の意味で同類にしてあげるだけなんだけどね』
 そしてパラダルクは術を発動する。精神支配魔術、それも猟兵の精神を支配するという大技は、さすがにパラダルクひとりで行使できるものではない。忠実なる配下であるドラグナーガールたちの助けが必要なのだ。前もって聞いていた通りだ。そして、その動きがあまりに素早くよどみなく行われるため、ユーベルコードを発動する猶予がない事もまた、事前情報の通りであった。
 そして術が発動する。ドラグナーガールによって描かれた魔法陣が光り輝き、その中心にいるアリスに魔術が……だが。
「あらあらあら、精神支配魔術?この私に?」
 この展開はむしろアリスにとっては望ましい、きわめて望ましいものであったのだ。アリス・セカンドカラー、その真の姿はサイキックヴァンパイア。通常のヴァンパイアが他者の血を吸い、糧とするのに対し、サイキックヴァンパイアは他者のエネルギーを吸収する。転じて、その言動や態度等で他者のやる気や活力を失わせるような人間を指す言葉にもなっている。精神的吸血鬼たるアリスが、たとえ相手が魔王だろうと、こと精神の領域において負けるはずがない。負けるわけにはいかないのだ。
『……ほう?』
 パラダルクは、明らかにアリスに術が通っていない事に気が付いた。
『精神に障壁を張るのか、興味深いね』
 ならばとさらに術を強化して精神障壁を破りにかかるパラダルク。だが、この時パラダルクが気付いていなかった事があった。アリスの精神障壁はただの防壁ではなかったのである。
 術を作動させながら踊るドラグナーガールたちの動きが、突然停止したのだ。
『……これは……まさか!?』
「気づいたようね、私の精神障壁は一味違うわよ♪」
 例えば目の前に敵がいるとして、それを殴ろうとするならば、自分もまた相手から殴られる距離にいる事になる。当然、反撃のリスクを負うわけだ。それと同じ事。相手の精神に対して攻撃を仕掛けようとする事は、自分の精神を相手に近づける事を意味するのである。そう、アリスの精神障壁は、反撃用の武器であり、相手に対するトラップだったのだ。
『まさか……僕の可愛い子たちに逆に精神支配を仕掛ける気!?』
「ええ、下手に私の精神に触れたならば頭セカンドカラーになってしまうわ」
『それは困るな、僕が彼女たちの対象外になっちゃうじゃないか』
 そう。ドラグナーガールたちの思考や嗜好がアリスと同等になるという事は、好みの対象も美少女や男の娘になるという事で、当然美形ではあるが男であり、青年期を通り越したであろう現在のパラダルクはその領域からはおおいに外れている。
『だけど、そう簡単に彼女たちの未来を君に渡すわけにはいかないかな』
 パラダルクは単独で精神支配魔術を使う事で、ドラグナーガールたちの精神を強化してアリスの逆洗脳に対抗しようとした……が。

「よしよし、いい子ね」
 既にドラグナーガールたちは、堕ちていた。アリスの周囲に群がり、媚を売って甘えていたのである。

『えぬてぃーあーるではないかー!!』
「寝てから言いなさいよね」
 さすがに愕然としたパラダルク。だが、その頭には失望よりも疑問の成分の方が強かった。
『し、しかし、こんな早く精神支配が完了するはずがあるはずがない。たしかに君の精神は彼女たちに触れたけど、支配完了までには時間がかかるはず。ユーベルコードを使ったとしても……まさか!!』
「気づいたようね」

 精神防壁により、ユーベルコード発動の時間が稼げだというのは正しい。そして、そのユーベルコード【不可思議な背乗り】(アリス・ダークメルヘン・フェノメノン)は、まさに相手の精神を乗っ取るものだった。ドラグナーガールに自らが支配する分霊を乗り移らせ、内部から乗っ取るというものであり、しかもその際に相手を改造して思い通りに作り替えるという。当然えっちなのうみそになってアリスにさらなるエナジーを提供するように……ちょっと細かく具体的な様子を描写する力は筆者にはないのでご勘弁願いたい。わっふるわっふると書き込んでも出てきません悪しからず。しかし、それでも一瞬で精神改造が完了とするとは思えない。その間にパラダルクが妨害することだってできたはずなのだ。
 本当の手品のタネは結界術だった。パラダルクがドラグナーガールたちにアリスを包囲させた事が裏目に出た。これにより、アリスは自分を中心とした結界でドラグナーガールたち全てを範囲内に入れる事ができた。そして結界内の時間と空間を操作する事により、パラダルクを含む結界外の者たちにとっては一瞬であっても、ドラグナーガールたちにとっては長い時間、洗脳完了するのに十分な時間が経過していたのだ。

「で、誰が誰の未来の支配者ですって?」
『……まあいい、女の子などいくらでもいるさ』
 パラダルクの言葉は決して強がりではない。実際、その気になればさらなる数のドラグナーガールを生み出す事は可能なのだから。であっても、アリスがパラダルクを驚愕させたのは間違いない事だし、相手の儀式妨害という点でも、精神面においても、間違いなく勝利したのであった。
大成功 🔵🔵🔵

黒城・魅夜
全ての戦争のフォーミュラと幹部と戦い勝利してきた私が
たった一人勝てなかったのが……あの白騎士でした
……本人そのものではないとはいえ、怨敵に由来するそんな無様な姿など
見たくはありませんでしたね(ため息)……

まあいいでしょう、しょせんはただの傀儡
先制は絶対でも命中は絶対ではありません
精神支配魔術とやらを食らわなければ済むだけのシンプルな話ですね
技能・呪詛と、アイテム・黒き呪いで満たされた呪いの結界を
範囲攻撃として展開
敵の魔術を中和し一瞬の時間を稼ぎ
同時にアイテム・鋼は魂に口づけるを「私自身に」使用
そう、自分の魂を自分で一時的に封じます
魂そのものがすでに無い私に精神支配など
そもそも命中しようがありませんね、ふふ

では反撃です
かつて未来を読む白騎士に私は及びませんでした
ですが今は
時間、いいえ、時空そのものを破壊する悪夢の事象そのものと化しています
物理法則も因果律も私の前では無意味
一歩進むごとに無様で哀れな人形たちを殲滅していきます
そしてあなたの無意味な儀式とやらもここまでです、つまらぬ道化師よ


●過去も未来も誰のものでもないし、誰のものでもある
 黒城・魅夜(悪夢の滴・f03522)は、パラダルクに……というより、その背後で踊るドラグナーガールたちに、複雑な視線を向けていた。
「全ての戦争のフォーミュラと幹部と戦い勝利してきた私がたった一人勝てなかったのが……あの白騎士でした」
 グリモアベースが登場し、これまで自分たちの世界でのみオブリビオンと戦っていた猟兵たちが、他の世界に移動して多次元にわたる戦いを繰り広げるようになったのが、約3年半前の事である。それからわずか2か月後に、スペースシップワールドにおいて猟兵たちは初の大戦争『銀河帝国攻略戦』を経験することになった。そして、オブリビオンフォーミュラ直属の配下として、黒騎士アンヘルとともに猟兵たちの前に立ちはだかったのが、白騎士ディアブロであった。相手の未来を読んで的確な行動をするというその能力だけでも猟兵にとって大変な脅威だったが、何よりも猟兵たちを苦しめたのは、猟兵がユーベルコードで対抗するよりも早く先制攻撃でユーベルコードを使用してくる事だった。猟兵はユーベルコードを使用する事なしに、強力な敵のユーベルコードに対抗しなくてはならなかったのだ。これまで経験した事のない強敵と、凶悪きわまるギミックの前に、猟兵たちも苦戦は免れず、数多くの赤丸が積み重なっていった。この時の経験がのちの戦争に活きた者は多く、血肉になったという点では必ずしもこの時の苦戦が無駄だったとは言えない。それにしても、その事が強く心に残った者は決して少なくないだろう……魅夜のように。
「……本人そのものではないとはいえ、怨敵に由来するそんな無様な姿など、見たくはありませんでしたね……」
 魅夜はため息を突いた。忘れる事のできない相手だけに、その白騎士ディアブロを思わせる名前の相手が、騎士の鎧を思わせるようなウォーマシンから大きくかけ離れた竜派ドラゴニアン少女のような姿で、チャラついた多少若作りの壮~中年男性に媚を売りながらダンスをする姿は、実に見るに堪えないものであった。
「まあいいでしょう、しょせんはただの傀儡」
 それでもなんとか気持ちを切り替え、眼前の敵に相対するのだった。
『頭が固いなあ』
 そんな魅夜を、パラダルクは変わらぬ軽薄口調で迎えた。
『僕は怨敵がどんな風であってもショックを受ける事なんかないんだけどねえ。むさくるしい野郎よりも女の子の方がいいじゃないか』
 パラダルクが追っているのは『成長する敵』の『碎輝』だという。そして、今やってる儀式はそのために必要な事だという。果たしてパラダルクが追っている『碎輝』が、カクリヨファンタズムにいる竜神親分の『碎輝』といかなる関係があるのか。仮に同一人物だとして、その姿はかつてパラダルクが知るそれと同じなのか、大きくかけ離れてしまっているのか。そして出会ったとして、その姿にパラダルクは何を思うのか。ただ、それを確かめるわけにはいかない。その儀式は成立させてはいけないものなのだ。
 そして魅夜は、自分がいつの間にかディアブロホワイトと呼ばれるドラグナーガールたちに包囲されているのに気が付いた。事前情報の通り、ユーベルコードを発動させる時間は与えられない……かつてのスペースシップワールドの戦争の時と同じように。だが、あの時と比べて多くの冒険を経て多くの経験を積み、その実力は格段に上がっている。先制攻撃に対処する術も身に着けてきた。
「先制は絶対でも命中は絶対ではありません。精神支配魔術とやらを食らわなければ済むだけのシンプルな話ですね」
 そう言ってのけるぐらいには、間違いなく魅夜は強くなったのだ。
『僕は君の未来の支配者(フューチャー・ルーラー)、逆らう事などできない』
 魅夜を囲むドラグナーガールたちが魔法陣となり、パラダルクの術を増強し、陣の中心部に立つ形となった魅夜の精神を支配せんと魔術が襲い掛かる。魅夜は結界を展開して術に対抗する。その正体は、記憶の中の怨敵と、その名を冠する忌まわしき眼前の敵に対する強い悪意と呪いを、自身の得意とする呪詛の力により強化したものであった。かつて『悪夢』と呼ばれた者を打倒して魅夜は、自らにとって悪夢となるものを逆に力に変える術を身に着けたのであった。
 呪詛の結界はパラダルクの術を防いだが、それでもなお襲い来る術は結界をついに突き抜け、そして魅夜の精神を支配……
『……あれ??』
 パラダルクは困惑した。支配すべき精神が、そこに存在しないのである。困惑しながらも、何が起こったか確かめるためにパラダルクは一度術を解除する。そこにあったのは、魂が抜けたように見えた魅夜の体。その姿からは生命の鼓動は感じられない。精神支配が免れぬものと悟り、自らの命を絶つしか手段がなかったのか。だが猟兵がそのような手段を取るだろうか……
 その時、魅夜に巻き付いていた鎖のうちの一本が、地に落ちた。同時に、その体に生気が、魂が戻って来た。
『……まさか?しかし、そんな事が』
 驚愕するパラダルクに、魅夜は微笑みを浮かべた。
「魂そのものがすでに無い私に精神支配などそもそも命中しようがありませんね」
 魅夜の鎖、その名を『鋼は魂に口づける』といった。ただの鎖ではなく、対象の心に直接巻き付き、心に鍵をかけて操り、あるいは封じるための道具である。魅夜はそれを自分に使ったのだ。無粋な盗人どもから自身の精神を守るために、自らの魂に鍵をかけたのであった。むろん自分の魂を消す事は、そのまま戻ってこられなくなる危険をはらむ諸刃の剣ではあったが、熟練の猟兵である魅夜にとって、それは賭けと呼ぶにしてもかなり割の良い賭けであったのだ。
『やるね、でもネタがわかればいくらでもやりようはある』
 術で相手を支配できなかっただけではなく、命中すらしなかったからにはパラダルクは魅夜の未来を先読みする事もできない。ならばとパラダルクは再度精神支配術の行使を図る。再度魅夜が心に鍵をかけるようなら、術の力をもってそれを無理やりこじ開けてやればいいだけだ。そう思っていた。だが。
「かつて……未来を読む白騎士に私は及びませんでした」
 魅夜のユーベルコードが、ついに完成したのである。魅夜を拘束していた鎖が、解ける。
「ですが今の私は時間、いいえ、時空そのものを破壊する事ができます。悪夢の事象そのものと化して」
 悪夢の事象……それが、今の魅夜の姿であった。自らの心の中に封じていた闇を解き放つかのごとく、背中に漆黒の翼を広げ、内に秘めた悪夢が龍を思わせる姿を取って魅夜を取り巻く。内心を解き放ち、自由になった事を象徴するかのようにその服装や体形も大胆さを増し、それでもなお変わらぬ白い肌が、全身を包む黒とコントラストを描いていた。まるで光と闇の対比のごとく。
 パラダルクが精神支配魔術を行使し、ドラグナーガールたちがそれを増幅する。魔術が魅夜を包み込む……が。
「無駄です。そんな魔術はおろか、時間も、空間も」
 魅夜がわずかに身震いするだけで、魔術はあっさりと砕け散る。
「神羅万象あらゆるもの、生けるものも、生を持たぬものも」
 そのまま魅夜は歩き出す。ドラグナーガールに近づき、その手を伸ばすだけで、触れられたドラグナーガールは音もなく消滅する。
「物理法則も、因果律も、そして、未来も」
 ドラグナーガールが消滅する。消滅する。消滅する。消滅。消滅。
「全ては夢。邯鄲の夢。悪夢の名のもとに滅びゆくのみ」
 そしてすべてのドラグナーガールが、その存在理由を失い、最初から存在しなかったかのように消え失せたのち、魅夜はパラダルクに言う。
「そしてあなたの無意味な儀式とやら……つまらぬ道化師よ」
『……ふう』
 パラダルクはわずかに首を垂れ、頭を抑えた。
『残念だよ、君たちのせいで、僕の儀式はめちゃくちゃだ』
 魅夜は考える。時間・空間・因果律の全てを操り、無に帰す自分の力は、果たしてパラダルクに通じるのだろうか。それともこの力すらもパラダルクの前ではドラグナーガールに変えられてしまうのだろうか。だが、この場では答えは出る事がなかった。
『だけど、僕ががんばる場所は、ここではない。僕が一番嫌いなヤツの言葉を借りるなら、今日より明日、だ。なにせ、僕には過去と未来がついているんだからね』
 それを確かめる前に、言葉とともに、パラダルクの姿は掻き消えたのだ。それは同時に、パラダルクの悪しき儀式を猟兵たちが阻止した事を意味した。

「今日より明日、ですか」
 消えたパラダルクがいた場所を見ながら、魅夜はつぶやく。
「ですが、明日になれば、明日は未来ではなく、他ならぬ現在なのですよ」
 その時こそ、先ほどの答えを出す時だろうか。勝利の余韻に浸りつつも、まだ見ぬその時に、魅夜は思いを馳せるのであった。
大成功 🔵🔵🔵

最終結果:成功

完成日2022年05月16日
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵