7thKING WAR⑳〜ワルワル・ビッグフォー
●100人の四天王
……なんて?
その言葉を聞いた時猟兵達は首を傾げただろう。
『100人の四天王』。
「お~っほっほっほっ! まるでこの世の摂理のように、わたくしに白羽の矢が刺さりましたわ!」
高笑いをするは氷の自動鎧『絶晶(ぜっしょう)』を纏う悪魔にして西のラスボスこと『アイスエジクイーン』である。
彼女は『氷河期魔法』でもって全うに支配地を拡大してきたラスボスである。
胸に刺さった白羽の矢こそが七代目デビルキング候補である証明である。彼女を倒すことで『魔王ガチデビル』は『7thKING WAR』が終わるまでデビルキングになることができなくなるのだ。
しかし、彼女が率いるは『100人の四天王』である。
なんて?
誰もがそう思うであろう。
四天王という名を冠するのであれば、それは人数制限があるはずだ。多くても四人。いや、四人揃っていない四天王は三人であれば御三家であるし、二人だったら双璧とかそんな感じになる。
一人だったらまあ、側近とか腹心の部下とか片腕とかそういう感じになるんじゃない? しらんけど。
「わたくしが操るは、終末を導く『氷河期魔法』! どのような御方が相手でも、わたくしの敵ではありませんわ!」
こんなこと言っているが『アイスエイジクイーン』はニセ高飛車である。
基本的に善良な種族である悪魔の彼女は、見た目にそぐわず優しいし頭を切れる。それは彼女を慕う『100人の四天王』を見ればわかるものである。だからなんで?
「『アイスエイジクイーン』様、どうか先鋒は私めにお任せを」
「でしゃばるな、お前ごときが!」
「いやいや、奴は我等四天王の中でも最弱。敵の力量を測るのならば、うってつけかと」
「だが、ボクたち四天王最弱とは言え、無様な戦いは許されないよ? わかってる?」
「序列でしか物を言えないのならば、お前たちにこの先鋒の誉れは譲れぬ。此処は俺が出る!」
「ならば、その誉れこそ私に相応しいでしょう」
「あ~あ、そうやって抜け駆けしようっていのはよくないんじゃない?」
「オデ、ツヨイヤツ、タタカウ、『アイスエイジクイーン』サマノタメ、ガンバル」
「落ち着けよ、俺たちが揉めてちゃ何も始まらんぜ」
「ふぁ~ぁ、若人は良いねぇ。おじさんの出番なんてとっておかなくっていいからさ、ちゃっちゃとやってよ」
「昼行灯を決め込むな、『アイスエイジクイーン』様の御前だぞ!!」
うるさっ。
マジで一斉に『100人の四天王』が一斉にしゃべるものであるから、もう『アイスエイジクイーン』の軍勢はしっちゃかめっちゃかである。
しかし、そんな『100人の四天王』が全員一斉に喋ってもちゃんと一人ひとりの言葉に耳を傾けるのが我等が西のラスボス『アイスエイジクイーン』さんである。
「なるほど。わかりましたわ! 対する猟兵さんたちも貴方達に勝るとも劣らない強者。なれば、各々が最善と思う行動をなさい。くれぐれもわたくし麾下『100人の四天王』の名に泥を塗らぬように!」
見事な采配!
さすが~! 七代目デビルキングに最も近い御方! そこに痺れる憧れる~!
となるわけであるが、まあ、普通に部下に丸投げじゃない、これ? と思わなくもない。けれど、『アイスエイジクイーン』は先にも言ったが、これまた出来たラスボスの器なのである。
丸投げに見えてその実、部下たち同士を争わせ、仲違いさせることなく各々の流儀を立てている。
問題がおきたのならば、即座に彼女が責任を取る。
何故、そんなことを? インタビュアーが彼女に尋ねる。おい何だこのテロップ!
「そうですわね。強いて言うのならば、彼らの後始末……いいえ、彼らの仕事の責任を取るのがわたくしの仕事だから、でしょうか。上に立つラスボスとして、また七代目デビルキングに到達するために必要なのは、カリスマ、ですから。彼らを御せずしてデビルキングになれるとお思いで?」
彼女はデビルキングへの意欲を語る。
かの氷の女王、『アイスエイジクイーン』は、クールでありながらホットなハートを持っているのだ。
「怪我をしたのならばちゃんと申請すること! 無理はしない! 定時で仕事は終わらせる。残業などもってのほか! みなさんが帰る場所こそ、わたくしの元! わかりましたのならば、猟兵の皆さんをお出迎え……いえ、迎え撃つのです! お~ほっほっほっ――!」
●7thKING WAR
グリモアベースに集まってきた猟兵たちを迎えたのはナイアルテ・ブーゾヴァ(神月円明・f25860)であった。
「お集まり頂きありがとうございます。皆さんはすでにご存知のこととは思われますが、西のラスボスこと『アイスエイジクイーン』さんとの戦端が開かれました。彼女はニセ高飛車なのです!」
ぴしゃーん。
ぞんざいなサウンドエフェクト。
みんなもう知っている。ご存知。周知の事実というやつである。
「……こほん。『アイスエイジクイーン』さんは『氷河期魔法』でまっとうに支配地を拡大してきた功績で七代目デビルキング候補として白羽の矢が立てられた四天王が100人いる御方なのです」
なんて?
『100人の四天王』?
猟兵たちの疑問顔を見てナイアルテは然りと頷くのだ。なんでナイアルテがドヤ顔している?
「彼女には100人の四天王たちと共に皆さんをお出迎え……いえ、迎え撃つ準備を万端にしているようなのです。もちろん、四天王100人は全員お強いのです。ですが、その……」
口ごもるナイアルテ。
ははーん、読めたぞ。猟兵達は皆、デビルキングワールドという世界を理解し始めている。そう、基本的に彼らは悪魔。善良なる種族。
ただまあ、ちょっとデビルキング法によって、あれな感じになっているだけである。
「『100人の四天王』の皆さんは、ちょっと四天王しぐせの癖が強くて、なんとなく単騎ずつ皆さんに挑んでくるのです」
百人いる意味とは? 軍勢の意味は?
まるで意味のない軍勢である。しかしながら、彼らは四天王である。四天王を四天王たらしめるのはなにか。
いやわからん。
それっぽい、としか彼らは理解していないだろう。けれど、それこそが彼らにとってとっても大切なことなのだ。
「彼らの性質をうまく利用して、順番に倒し、氷の自動鎧『絶晶』を操る『アイスエイジクイーン』さんに肉薄し、これをぶっ飛ばしましょう」
無論、『アイスエイジクイーン』含めた『100人の四天王』たちはオブリビオンではない。それに悪魔であるから頑強である。ぶっ飛ばした程度では死なない。
思う存分、四天王しぐさを利用し、この戦場を制することこそが肝要。
そう、いうなれば。
「彼らは四天王最弱の中でも最弱……! 次は私が行きましょう……!」
そんな具合で『100人の四天王』しぐさを見せるナイアルテ。これこそが『100人の四天王』の性質そのもの。
実演して見せて、ナイアルテは猟兵たちを見送る。そんな彼女を見て猟兵達は思ったかも知れない。
いいのか、それ確実に主人公たちの急成長を見誤ってやられるパターンだぞ――!
海鶴
マスターの海鶴です。
※これは1章構成の『7thKING WAR』の戦争シナリオとなります。
ついに西のラスボス『アイスエイジクイーン』と戦うシナリオです。
これまで全うに支配地を拡大してきたことで白羽の矢が立てられた『アイスエイジクイーン』さん。
彼女には『100人の四天王』という軍勢がおり、皆さんを阻むでしょう。
彼らの四天王しぐさの癖の強さを利用しつつ、『アイスエイジクイーン』をぶっ飛ばすシナリオになります。
基本的に彼らは軍勢ですが、みなさんが来るともれなく単騎ずつ挑んできます。たまに双子コンビで挑んできたりもするかもしれませんが、まあ、基本的に単騎プレイです。しばりプレイです。
しかしながら、彼らの強さは本物です。マジで強いです。
そんな彼らの上司こと『アイスエイジクイーン』さんも強いので、これにも対応しましょう。
ぶっ飛ばしても大丈夫。
悪魔は頑丈なので死にません。あとオブリビオンじゃないです。
プレイングボーナス……四天王しぐさを利用する/絶晶に対処する。
それでは、マジでどういうことなのっていう状況の中、『7thKING WAR』を戦い抜く皆さんの物語の一片となれますよう、いっぱいがんばります!
第1章 ボス戦
『西のラスボス『アイスエイジクイーン』軍』
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POW : 絶晶融解体
自身の【氷の自動鎧「絶晶(ぜっしょう)」】を【融解変形モード】に変形する。攻撃力・攻撃回数・射程・装甲・移動力のうち、ひとつを5倍、ひとつを半分にする。
SPD : 絶極双晶舞
【もう1つの自動鎧「極晶(きょくしょう)」】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
WIZ : 超絶凍結刃
【氷の自動鎧「絶晶」の凍結魔力】を込めた武器で対象を貫く。対象が何らかの強化を得ていた場合、追加で【超凍結】の状態異常を与える。
イラスト:屮方
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
フロウヴェル・ゼフィツェン
四天王は四人じゃなくても良い、とは最近よく聞くけど…百人は流石に盛り過ぎなの。頑張って四人ぐらいに絞り込んだ方が良いと思うの。
ともあれ戦うの。
「世界の為にも、こんな処で立ち止まってはいられないの!」
ハーロット・イーターを振るって戦うけど、流石に四天王、強いの。
あっという間に追い詰められて負けそうになる…けど、なんか口ほどにもないとか言って舐めプ始めたの。
…なら今が好機。ベルに眠る真の力(指定UC)が目覚めるの…!
鉄杭で以て四天王を【串刺し】、そのままクイーンに挑むの。
ベルは強化状態だし、槍で貫かれたらすぐ凍っちゃいそうだから間合いを取りつつ、鎧の継ぎ目を狙って(【鎧無視攻撃】)杭を突き刺すの。
西のラスボスこと『アイスエイジクイーン』の麾下『100人の四天王』は確かにその名に違わぬ強さを持っていた。
ん? と一瞬疑問に思ってしまうかもしれないが、言葉通りである。
余計なことに気を取られていると一瞬で倒されかねない。それがデビルキングワールドの悪魔たちの強さである。
元より一般の悪魔ですら猟兵並みの強さを持っているのだ。
さらにそこから選りすぐり……っていっても『100人の四天王』であるから、それなりにいるわけであるが。
「フハハッ! この程度か! 貴様に我等が『アイスエイジクイーン』様に挑むなど!」
四天王の一人が高らかに笑いながら、フロウヴェル・ゼフィツェン(時溢れ想満ちて・f01233)へと大斧を振るう。
その斬撃の重さたるや、フロウヴェルの手にした槍型拷問具でってもこらえきれないほどであった。
ずしりと足が大地に沈み、周囲に亀裂が走る。
冗談みたいな連中であるが、その実力は確かなものであった。
「我等『100人の四天王』の猛攻に耐えられるか!」
「四天王は四人じゃなくても良い、とは最近良く聞けど……」
しかし、フロウヴェルは冷静であった。
そうなの!? と誰かが驚いた気がするが気の所為である。例え、それが真実なのだとしても百人はちょっと盛り過ぎである。頑張って四人に絞り込んだほうが良いと思うのである。
「世界のためにも、こんな所で立ち止まってはいられないの!」
フロウヴェルの振るう槍が斧を弾く。
けれど、嵐のように襲う乱舞のごとき刃はフロウヴェルは断崖絶壁まで追い込んでしまう。
「後がないな! このまま……」
「まあ、待て。お前が此処まで手こずるとはな」
「ふっ、四天王最弱のお前らしいといえばらしいがな」
「だから言ったのです。こんな些細なことに時間をかけるなど」
とまあ、なんかわらわらと『100人四天王』たちが集まってくる。あっ、絶対暇になったから来たやつだぞ、これ!
フロウヴェルは彼らが完全に自分のことを侮っていることに気がつく。
こういう時、敢えて一気にとどめを刺さないところからも伺える。
「ふん、口ほどにもない。お前達が出る幕ではないわ!」
これまでフロウヴェルを追い詰めていた斧の四天王が一直線に迫る。そんな彼を追って、他の四天王たちも並んで走るのだ。それも一直線に。あ! お前だけ『アイスエイジクイーン』様に褒めてもらうつもりだろ! とか。手柄は独り占めさせないでやんす! とかなんかそんな感じでみんな五人くらい一列に並んだのだ。
それをフロウヴェルは見逃さない。
「……今が好機……ベルに眠る真の力が目覚めるの……!」
彼女の瞳がユーベルコードに輝く。
闇をまとう真なるヴァンパイアに変身するフロウヴェル。その姿は、まるで番組後半でのお決まりのアレのような感じである!
しかし、そのユーベルコードの力は凄まじいものであった。
放つ一撃は足元から鉄杭が五人の四天王たちを縫い止める。
「なに?!」
「こ、これでは動けない……!」
「止まるな、このままでは……!」
どっせいー! という具合でフロウヴェルの放った槍の一撃が一直線に並んだ四天王たちを雑にぶっすーと貫く。安心してください。死んでませんよ。
「あー!?」
そんな雑な感じで四天王の五人が雑にぶっ飛ばされていく。その勢いのままにフロウヴェルは『アイスエイジクイーン』に迫る。
「おーほっほっほ! さすがは猟兵さん! 四天王の皆さんを一気に五人もやっつけてしまうなんて! ですが、わたくしの氷の自動鎧『絶晶』は、そのつなぎ目が弱点ですわ!」
フロウヴェルは勢いのままに『アイスエイジクイーン』に迫る。
なんか今、自分の弱点まで言わなかった?
なんかすごい巻いていない?
「しかし、ベルも強化状態……その凍結魔力の籠もった武器を一太刀でも浴びれば、ベルも凍らされちゃいそう……」
フロウヴェルさん、キミもか!
「ならば、勝負は一瞬ですわ!」
「ベルの槍が貫くのが速いか、それとも……」
あっ。なんかいい雰囲気出してる! けれど、確かに彼女らの言うとおりであった。だからこそ、フロウヴェルは槍型拷問具を『アイスエイジクイーン』さんの間合いの外から投擲するのだ。
槍は突き穿つだけが槍の本分ではない。
そう、投げ放つことによって敵の射程外から攻撃を加えることができるのだ。フロウヴェルの放った槍の一撃は『アイスエイジクイーン』さんの鎧のつなぎ目を捉え、その内へと盛大に突き刺さる。
振るわれる斬撃を躱しフロウヴェルは、突き立てられた槍を手にとって、華麗に着地する。
「お見事ですわ!」
その賞賛を送ると共に『アイスエイジクイーン』さんは盛大に爆発するのであった――!
大成功
🔵🔵🔵
レーヴァ・アークルージュ
先制攻撃がないならこちらもUCで対策を
敵の戦闘能力を代償に善なるジェネシス・エイトを召喚するこのUC……今回は虚構の『デビルキング候補』のジェネシス・エイトを召喚する!
異聞故に世界の違いは問わないんだよ、このUCは
そうしてありったけ対決した四天王から戦闘能力を代償として倒し、ジェネシス・エイトを強化したらアイスエイジクイーンと対決!
折角だから名乗り合おうよ
今はただの九尾、レ―ヴァ・アークルージュ
そちらは?
そうして返答を聞いた後、絶晶を『未来司りし天狐の白き狐火』で未来ごと溶かし、ジェネシス・エイトのサポートも受けて強化した炎魔術を氷河期魔法にぶつけていくよ!
ボカーンと一発爆発が巻き起こる。
それは西のラスボス『アイスエイジクイーン』が猟兵の攻撃によって派手に爆発した光景であった。
しかしながら彼女は七代目デビルキングの白羽の矢がたった悪魔である。
たかが爆発した程度ではまだ倒れないのである。
「さすが『アイスエイジクイーン』様だぜ!」
「自動鎧『絶晶』は『アイスエイジクイーン』様の装甲を五倍にも引き上げてくれるだよ! 負けるわけないんだ!」
そんな具合に『100人の四天王』たちが大盛りあがりである。
百人いる四天王。
そのうちの五人ぐらいが一気にぶっ飛ばされてはいるものの、まだあと95人くらいいる。
しかも彼らは軍勢でありながら単騎で猟兵たちに挑んでくるのだ。
「フッ、奴らがやられたか。四天王の中でも奴らは最弱の中の最弱。わざわざ段階を踏ませるまでもない。此処は俺が出る。全て終わらせてやるさ」
なんかすごい強そうな雰囲気でありながらクールな四天王が一歩前に出る。
もう全員で猟兵に襲いかかった方が色々な意味で速いし楽なんだけどなーって思わないでもなかったが、其処は其処である。
彼らはそういう四天王しぐさに憧れているのだ!
「我が手に集え、異聞の創世司りし八代の英雄よ。刮目せよ、我は汝らに万有創造の業火を賜す。その業火を以て、善なる異聞を灯すが良い」
その声は、レーヴァ・アークルージュ(超学園級の烈焔魔導士・f29627)であった。
彼女の瞳がユーベルコードに輝き、異聞八代創世再編・善なる歴史を灯す業火の聖剣(リバースデイ・ザ・ジェネシス・レーヴァテイン)――即ち善なるジェネシス・エイトを召喚する。
虚構の『デビルキング候補』。
それこそがレーヴァの召喚士た存在である。
あらゆる可能性を想像する創世の業火が洗浄に迸る。
なんていうか、こう。
手心というものがあってもいいのじゃないかと思わないでもない。
「異聞故に世界の違いは問わないんだよ、このユーベルコードは」
虚構から生まれるからこそ、世界は関係なのだとレーヴァは言う。しかもユーベルコードによって代償とされるのは己の敵となる存在の戦闘能力である。
「馬鹿な! この俺の力が吸われる……!?」
「あれ!? 次に控えていたボクものも!?」
「どうなってるんだこれは……!」
次々と『100人の四天王』たちが8人ほど力を吸い上げられ、バタバタ倒れていく。うーん、雑。
彼らの戦闘力を代償として呼び寄せたレーヴァが首魁となる可能性としてのジェネシス・エイトたちは彼女の前に立つ。
「せっかくだから名乗り合おうよ。今はただの九尾、レーヴァ・アークルージュ。そちらは?」
「ええ、よろしくてよ。わたくしこそが『氷河期魔法』の使い手にして西のラスボス、『アイスエイジクイーン』ですことよ! おーほっほっほ!!」
高笑いが響き渡る。
確かにニセ高飛車である。ここまでステレオタイプな女王様も今どき珍しいのではないか。
のけぞるように天を仰ぐ『アイスエイジクイーン』さん。
そんな彼女にぶつけるのはレーヴァの炎。
「おーほっほっほ!! って熱ッ!? 熱いですわ!?」
そう、問答無用である。
名乗りを聞いたら、後はご自由に。それがお約束である。合体シーンとか変身シーンは邪魔しない。
それがワルの定め。
であるからして、名乗りの後はもう攻撃していいのである。開幕ブッパと言われようと気にしない。
「『ジェネシス・エイト』のサポートも受けてるんだから! その『氷河期魔法』にぶつけていくよ!」
放たれる炎はあらゆる可能性を想像する創世の業火。
対する『アイスエイジクイーン』さんの『絶晶』は彼女の身を守る装甲を底上げする。
拮抗するかのように互いの炎と氷が激突し、凄まじい空気の膨張となって吹き荒れる。
その爆心地の如き破壊の後に立つのは、レーヴァと『アイスエイジクイーン』さんのみ。
『100人の四天王』たちは雑にぶっ飛ばされた。無事な人たちだけまた戻ってくるであろう。
ド派手にド派手を重ねたような首魁同士の戦いは人智の及ばぬ光景を齎すであろう。『魔王ガチデビル』をデビルキングにしないための戦いなれど、やるからには全力で。そうするからこそ、『魔王ガチデビル』のデビルキング到達は阻止できるのだ。
爆心地のクレーターの中でレーヴァは己の生み出したジェネシス・エイトに守れながら互いの健闘を称えるのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
村崎・ゆかり
100人の四天王ねぇ。ここで仏門における四天王の由来や役割をみっちり語ってもいいんだけど?
一人ずつでなくても、全員でかかってきて構わないわよ、一山幾らさんたち。
「竜脈使い」「全力魔法」炎の「属性攻撃」「範囲攻撃」「衝撃波」「仙術」「道術」で烈焔陣!
大地を砕き噴き出す炎で焼いてあげる。燃えさかる炎と大地が崩れる轟音で、あたしの居場所を見失うくらいはするかもね。
「地形耐性」「火炎耐性」「環境耐性」で絶陣の中を強行突破。術者にも容赦ないのよね、これ。
さあ、氷の女王様、お相手願いましょうか。
薙刀で「斬撃波」を放って牽制し自分の間合いへ。自動鎧から露出してる上半身へ「薙ぎ払い」「串刺し」の一撃を!
「『100人の四天王』ねぇ」
雑ぅって思ったのかも知れない。
村崎・ゆかり(《紫蘭(パープリッシュ・オーキッド)》/黒鴉遣い・f01658)はとつとつと四天王の由来について語りたいと思ったかも知れない。
東南西北の四方を守る神を由来に持つが故に、四天王。一つの方位を守る。だから四天王。
それだけではないもっとみっちり語ってやりたいと思うのは、デビルキングワールド特有のノリの軽さがあったからかもしれない。
「そのとおり。我等四天王こそが『アイスエイジクイーン』様をお守りするための壁にして露払いよ。貴様らごときが突破できると思うなよ!」
四天王の一人が雑に飛びかかってくる。
ひゃっはー! となんかこう、サイコキラーを演じようとして失敗しているような悪魔である。
「一人ずつじゃなくても、全員でかかってきても構わないわよ、一山幾らさんたち」
完全に挑発である。
ゆかりたちと彼ら四天王の力は遜色ない。
それほどまでい悪魔という種族は他世界を見回してみても、ぶっちぎりでやべーやつらなのである。
故に、油断はならない。
サイコパス的な叫び声を上げながら迫る四天王のナイフ使いの一撃をゆかりは躱し、その瞳をユーベルオードに輝かせる。
確かに四天王たちは一人ひとりやってくる。
律儀なんだかわからないが、ともかく単騎でくる。そんな彼らをゆかりは挑発で惹きつけながら、烈焔陣(レツエンジン)によって一気に戦場銭気の地表を砕き、噴き上がる無数の火柱でもって制圧するのだ。
「地面から――!?」
「って、あー! まだ自分らの能力の詳細を説明していないのに!」
「お前たちがちんたらしているからだろうが! あっ、まってまって、まだ待って!」
「あーっ!!!」
そんな具合に雑にぶっ飛ばすゆかりのユーベルコード。
ちょっとひどいのではないかと思う位の雑さ。放つユーベルコードは、大地を砕くもの。さらに燃え盛る炎と大地が崩れる轟音で持って、ゆかりの位置を『100人の四天王』たちは見失っていた。
さらにゆかりは怨念に満ちた呪詛の炎の中を突っ切って『アイスエイジクイーン』さんへと迫るのだ。
「おーほっほっほ! やってくれましたわね! ですが、この『絶晶』は抜けまして!?」
うーん、様式美。
此処まで来ると、もはや相手のノリに合わせない方が無粋というか無作法な気がしないでもない。
「さあ、氷の女王様、お相手頂きましょうか」
ゆかりは薙刀を構え、放つ斬撃波でもって牽制しながら『アイスエイジクイーン』さんへと迫る。
だが、『アイスエイジクイーン』さんの自動鎧『絶晶』は伊達ではないのだ。
「ならば、この融解変形モードでお相手いたしますわ! おーほっほっほ! あっつ、げほげほごほっ!」
むせた。
周囲は猟兵たちの炎やらなんやらで、ぎゅーんって気温変化が起こっているのである。さすがの『アイスエイジクイーン』さんも水蒸気でむせるところまではどうにもならんかったようである。
そうやってげほげほごほやっている『アイスエイジクイーン』さんにゆかりは肉薄する。
「えっ、いいのよね? 攻撃して?」
融解変形モードであるがゆえに、今の『アイスエイジクイーン』さんの自動鎧は形を変えている。
上半身の生身の部分が露出し、ついでにいうと『アイスエイジクイーン』さんはむせている様子である。まあ、隙だらけだよね。
そこにゆかりはいいのかなーと思いながら薙刀に寄る斬撃の一撃を叩き込む。
「ぐわー! ですわー!?」
唐突な斬撃に涙目になりながら『アイスエイジクイーン』さんが爆発する。あっ、爆発は毎度一緒なんだな、とゆかりは思いながら、なんとも緊張感のない戦いを制するのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
ドウジ・ユークレナ
アイスエイジクイーン...なあこいつ全然ワルじゃないでありますぞ。
むしろホワイトでありますな。
なあ知ってやがりますか?
四天王で一番おいしいのは語る部分が無くて逆においしいポジでありますことを…
(注:超偏見)
UCを発動であります。
メガリス(大帝の剣)の複製を立体映像にして囮にここを抜けるであります(注:不敬)
近づいた四天王は竜宮の玉手箱の時限爆弾の『範囲攻撃』(注」不敬2)で吹っ飛ばすでありますな。
『存在感』を消して四天王に『変装』し、四天王の群から抜けたら氷の女王にこんにちわ。
あ、これつまらないものでありますが…さまよえる舵輪を投擲武器に変えて
『一斉発射』で投げつけるであります。(注:不敬3)
単騎ずつとは言え、猟兵たちにぶっ飛ばされた『100人の四天王』たちは盛大にやられながらも、生命を奪われるには至っていなかった。
というか、単純に彼らが頑強過ぎるからであったのだけれど、それは猟兵たちにとっては幸いであり、同時に不幸でもあったのだ。
そう、西のラスボス『アイスエイジクイーン』を打倒しなければ、七代目デビルキングを決める戦いは、最悪の場合『魔王ガチデビル』がデビルキングに到達して集結ということも起こり得る。
彼女を打倒し、空位のままこの戦いを終わらせるためには彼女を打倒しなければならないのだ。
「おーほっほっほ! って、皆さん大丈夫ですの!? ちゃんとぶっ飛ばされたのならば、テントで水分補給と栄養補給をしてくださいましね!」
そんなふうに『アイスエイジクイーン』さんはぶっ飛ばされた配下こと『100人の四天王』に告げる。
もはや誰も突っ込むことはないが、四天王なのに百人ってどういうことなの。
「『アイスエイジクイーン』……なあこいつ全然ワルじゃないでありますぞ。むしろホワイトでありますな」
ドウジ・ユークレナ(風渡り人・f36443)は西のラスボスこと『アイスエイジクイーン』さんのホワイトな上司ぶりをみやり思わず呟いてしまう。
ワルこそがカッコイイ。
それがこのデビルキングワールドの価値基準である。善悪が逆転しているからこそ、彼女のホワイトなところはどっちかというとマイナスな気がしないでもない。
「フン! 何を言う! 『アイスエイジクイーン』様こそ私達の希望! お前ごときが!」
『100人の四天王』のうち、一人の悪魔がレイピアを持って同時に迫る。
喰らえ! なんちゃらかんちゃら流星剣ー! てきな感じである。若干雑なのは許していただきたい。
百人も四天王がいたら、キャラを立てるだけでも大変なのである。
そんな事情を知ってか知らずかドウジは告げる。
「なあ知ってやがりますか? 四天王で一番美味しいのは語る部分がなくて逆においしいポジでありますことを……」
ものすごい偏見である。
まあ、わからんでもないけど。実力とかそういうのはもう別にいいのだろう。だって百人もいるし。
ドウジは瞳をユーベルコードに輝かせる。
「模倣蜘蛛業無影術(モホウクモワザムエイジュツ)! 形を似せた模倣品であります。ですが!」
空より大地に突き刺さるは大剣のメガリス。
それは立体映像であり、傍目からはド派手な演出に見えたことだろう。実際演出である。『100人の四天王』はそのド派手な体験に目を奪われる。
その瞬間にドウジは別の四天王の一人に変装し、『100人の四天王』の間を抜けていくのだ。
「あっ、おい、お前何処に行く! 持ち場を離れてはタイミングをのがしてしまうぞ!」
あっ。やさしっ。
ドウジの変装を見破れずに『100人の四天王』の一人が変装したドウジを呼び止める。彼は単騎で仕掛けるが故に、順番待ちをしている四天王の一人であった。
このまま列を離れては、順番を繰り上げされて最後に回されてしまうぞと警告してくれたのだ。
「あっ、お構いなくであります!」
ドウジはなんとなく心苦しく思いながら『アイスエイジクイーン』の元へと走る。彼が目にしたのは他の猟兵たちが引き起こした爆発である。
いや、爆発っていうか、猟兵たちが『アイスエイジクイーン』に一撃加える度に『アイスエイジクイーン』は爆発しているのだ。
なんで? と疑問にドウジは思ったが、きっとなんらかのユーベルコードであるのかもしれない。
「氷の女王様、こんにちわであります」
そうしてドウジはまんまと四天王たちの目を掻い潜り、『アイスエイジクイーン』の下へと飛び出す。彼女は爆発から立ち直ったところであった。
「あ、これつまらないものでありますが……」
「あ、これはどうもどうも猟兵さん。そんな、気を使わなくってもよかったですのに……」
「というわけで喰らえであります!!」
不意打ち。アンブッシュ! どっせいとドウジが放つのはメガリスの複製。舵輪の形をした投擲武器が『アイスエイジクイーン』の顔面に激突する。
ああっ! これはヤバい奴である。
しかし、ドウジの変装と不意打ちは効果抜群である。のけぞる『アイスエイジクイーン』さんの鼻から鼻血がどばっと噴出し、爆発する。
「あっ、これもしかして演出でありますな!?」
ドウジは気がつく。
さっきから猟兵の攻撃でなんで爆発ばかり起こっているのかを。そう、これが演出。全力でぶっ飛ばした時に出る演出なのである。
その爆発をみやり、ラスボスって大変なのでありますなあ、とドウジは他人事ながら深くそう思うのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
ガイ・レックウ
【POW】で判定
『こういうノリは疲れるが…付き合ってやるぜぃ!!』
ユーベルコード【禁術『魔人覚醒』】を発動、攻撃力を強化し、【怪力】での【なぎ払い】と【鎧砕き】の【二回攻撃】とアサルトウェポンでの【制圧射撃】で攻撃!!防御は【オーラ防御】と【武器受け】で相手の攻撃を【見切り】対処していくぜ!!
猟兵の攻撃を受けた西のラスボスこと『アイスエイジクイーン』さんは顔面に舵輪の一撃を受けてのけぞった。
爆発が起こるのはもう、恒例行事である。
猟兵が一撃を『アイスエイジクイーン』に叩き込む度に爆発が起こる。
これは演出である。
そもそもデビルキングワールドの悪魔たちというのは皆頑強であるのだ。ちっとやそっとでは死なない。
故に、『アイスエイジクイーン』はわかりやすく爆発という演出に巻き込まれているのだ。
「これで猟兵さんたちも、わたくしのやられ具合が把握できるというもの」
おーほっほっほ! と高笑いするニセ高飛車の『アイスエイジクイーン』さん。
ドバドバと顔面に受けた舵輪の一撃で鼻血でてるし、出しすぎな気がしないでもないが大丈夫ですか。
そんな心配を他所に『100人の四天王』たちがわらわらと猟兵たちに迫っていく。彼らは誰もが猟兵なみの強さを誇る悪魔たちである。
彼らが軍勢となって猟兵に襲いかかれば、猟兵達であっても『アイスエイジクイーン』の下へと突破していけなかっただろう。
けれど、だ。
「やあやあ、我こそは!『アイスエイジクイーン』様麾下の『四天王』の一人である! いざ、猟兵さん、勝負である!」
厳しい武者鎧の悪魔が太刀を構えて立ちふさがる。
妙な芝居感があって、なんか微妙に緊張感ないような気がするのは気のせいかと、ガイ・レックウ(明日切り開く流浪人・f01997)はどうにも気乗りしないものであった。
「ふふふ、我が太刀の輝きに恐れをなしたか! わかる! わかるぞ! だが、安心するがいい! 怪我をしないように模造刀である! さらにはウレタン材質であるから、安心してぶっ叩かれるとよろしい!」
いや、そういう問題じゃないんだけど、とガイは思ったし、今本当に戦ってるんだよな? と思わないでもない。温度差スゴイ。
「こういうノリはつかれるが……付き合ってやるぜぃ!!」
乗りかかった船である。
ガイは瞳をユーベルコードに輝かせながら、獄炎と雷、そして呪詛によって己の攻撃力を強化し、突撃する。
「正面から来るとは馬鹿正直な!」
「あーもー!」
いちいち四天王というか、小者っぽい言い回しにガイは調子を崩されっぱなしである。
しかし、ユーベルコード、禁術『魔人覚醒』(キンジュツ・マジンカクセイ)のちからは本物である。
振るう拳が放たれるウレタンの太刀をぶっ飛ばし、武者鎧の四天王のみぞおちに叩き込まれる。
「ゴハァッ!? み、みごと……だ、だが……四天王の実力はこの程度では……――ッ!」
なにかいい残そうとした武者鎧の四天王の言葉が止まる。いや、止まったっていうか、なんか目配せしている。え、何? とガイが目配せした方向を見やると、其処にいたのは別の四天王である。
その四天王が横合いから武者鎧の四天王をぶっ飛ばし、ガイの前に現れるのだ。え、マジで何?
「ふん、四天王の面汚しが。真正面から戦うからそうなるのだ。お前の甘さなど吐き気がするわ!」
えぇー……今、あなたも真正面から来てますけど、とニンジャみたいな四天王を前にガイは愕然とする。
というか、こういうのにかまっていたらマジで時間が足りない。
雑に巻きでガイはニンジャやら芸者やらの四天王たちをぶっ飛ばして『アイスエイジクイーン』の前に踊りでる。
「ようやくかよ……!」
「おーほっほっほ! よく参りましたわね、四天王を退けるとは大したものですわ! ですが、わたくしの『絶晶』は破れませんわよ! ですが、わたくしの自動鎧は隙間こそ弱点なのですわ!」
……なんで弱点言う?
ガイはなんかもうよくわからないままに、ユーベルコードの力の迸る侭に『アイスエイジクイーン』へと立ち向かう。
「もうわからん!」
やけくそのようにガイは戦い、そんでもって雑に『アイスエイジクイーン』さんは爆発する。
いいのかな、これでとガイは終始思っていたが、本人たちが納得しているのならば爆発オチでいいかと納得するのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
大町・詩乃
どうやって突破しようかなと考えていたら「神らしく神域創造を使って威厳を保ちつつ進みましょう。」という神の自分と、「アイスエイジクイーン以上の高飛車ムーブのノリと勢いで突破しましょう。」という邪神?な自分。
デビルキングワールドですから後者で良いかなあ~。
悪のカリスマ・威厳による精一杯高飛車な演技をしつつ、襲い来る四天王をUC効果&風の属性攻撃・全力魔法・高速詠唱・衝撃波・範囲攻撃で「うろたえるな小僧ども、です!」と吹き飛ばして進みます。
アイスエイジクイーンさんの攻撃はUC効果&第六感・見切り・ダンスで華麗に躱し、UC効果&多重詠唱による風と炎の属性攻撃・全力魔法・高速詠唱・衝撃波を放つのでした。
西のラスボス『アイスエイジクイーン』が爆発している。
なんで?
そうなるのも無理なからぬことである。これはいわば演出である。派手な演出によって『アイスエイジクイーン』は己と猟兵の戦いを盛り上げている。
猟兵が『100人の四天王』を掻い潜っている間にも、他の猟兵達は己の力を駆使して『アイスエイジクイーン』の自動鎧『絶晶』の隙をついて打撃を与えている。
その都度爆発が起こっているのは、正直騒々しいなぁってなるものであったが、大町・詩乃(阿斯訶備媛・f17458)は悩んでいた。
何に?
それは、この『100人の四天王』たちをどうやって突破するかである。
デビルキングワールドに倣うのならば、ド派手にワルをやらねばならない。しかしながら詩乃は神性である。
本来であれば考えるまでもなく『神らしく神域創造を使って威厳を保ちつつ進む』べきである。
そんな善なる神の己が言っているのだ。
わかる。そのとおりである。それが正道である。
けれど、不思議なことにデビルキングワールドに転移した詩乃は素直な心根が在るぶん、この世界の悪魔たちと同じように悪徳こそ美徳と言われたのならば、それに従うのだ。
「いえいえ、『アイスエイジクイーン』以上の高飛車ムーヴのノリと勢いで突破しましょう」
何奴!
とはならんのである。それは詩乃ユーベルコードである。
善と悪(?)の狭間にて(ゼントアクノハザマニテ)彼女の心が見せる幻影。それこそが真の姿たる『アシカビヒメ』と非常識な行動をささやく『邪神様』である。精確に言うなら、邪神様なりきりセットを着た自分の幻影だが。
「ここがデビルキングワールドなのをお忘れですか? 郷に入りては郷に従えですよ」
「いいえ、あなたは神。善なる神性であることを忘れてはなりません。わかっているのですか……えっ、ちょっ!?」
詩乃は頷く。
というか、完全にアレな目にユーベルコードが輝いている。
「デビルキングワールドですから後者で良いかなあ~」
のほほんと詩乃が呟いた瞬間、『100人の四天王』たちがしびれを切らしたように詩乃へと飛びかかる。
「何をぶつくさと! 僕のナイフの切れ味を思い知ってもらうよ!」
それまでなんかナイフを舐めていた悪ガキ少年が単騎で詩乃に飛びかかる。だが、そのナイフが詩乃へと至ることはなかった。
「うろたえるな小僧ども、です!」
BAGOOOOOON!!!!!
嫌なんだ今のサウンドエフェクト!
詩乃は悪のカリスマ足る威厳を見せる。それはあれである。物語終盤に明らかに敵だったやつが実は味方であり、ついでになんで今ぶっ飛ばしたの? ってなったシーンに出てくるやつである!
頭から悪ガキ四天王がぐしゃぁってなる。大丈夫、悪魔ですよ。ピンピンしていますよ。
「これよりは、私こそが高飛車神。祝いなさい! これに在るは、悪ノリの極地! 道を開きなさい。私が見るは『アイスエイジクイーン』一人!」
ぴしゃーん!
ものすごい雰囲気で衝撃波が吹きすさび、周囲にあった『100人の四天王』たちを吹き飛ばしながら、まるで海を割るように道を開くのだ。
「おーほっほっほ! さすがは猟兵さんですわ! 見事な高飛車ぶり!」
「ええ、あなたも。ですが、負けません。真の高飛車は私一人だけでいいのです!」
迫る超絶凍結刃を詩乃は華麗に躱す。
詩乃放つ薙刀もまた『アイスエイジクイーン』は躱す。
まるで氷上で踊るように二人は剣戟を躱す。『アイスエイジクイーン』の刃は受ければ凍結する。
故に詩乃は躱すことに全力を注ぐのだ。
「真の高飛車とは!」
「女王の気風!」
「全新!」
「系列!」
おいやめろ! それ以上はまずいぞ! そんな激しい刃のやり取りを詩乃と『アイスエイジクイーン』さんは繰り広げる。
とんでもない攻防に『100人の四天王』たちは驚愕すると同時にどよめくのだ。
「あいつ、とんでもねぇ高飛車っぷりだぜ……ゴクリ」
「ああ、まさか『アイスエイジクイーン』様に並ぶほどの高飛車力を持っているとは
……!」
さっきからよくわからん話が飛び交っている。なんて? 高飛車力?
その力の発露でもって詩乃は多重詠唱に寄る炎と風の全力の衝撃波を『アイスエイジクイーン』にぶちかますのだ。
「見事です、高飛車神……!」
ばくはつ! お決まりのタイミングで爆発する『アイスエイジクイーン』。
その爆発を背に詩乃はきっと我に返って、赤面ひどくなるのだろうなぁってことが予想されるのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
ダーティ・ゲイズコレクター
私はダーティ!ダーティ・ゲイズコレクター!
凶悪で極悪で劣悪で最悪な魔王ダーティとは私のことです!
数には数で対抗します!
穢れの澱より出でし憐れなる傀儡どもよ!冷たき意思に従いて現世を蹂躙せしめよ!
【積悪!穢澱虚兵蹂躙陣】
さぁ一人一殺で…え?無理?
ならば皆さんが四天王さん達を引き付けている間に
私はこっそり『地形破壊』と『トンネル堀り』で地中を移動し
アイスエイジクイーンの足元から『衝撃波』と『斬撃波』で強襲を仕掛けます!
それまでの間、皆さんは四天王さん達の猛攻にさらされるわけですが…
え?ここは私達に任せて行けですって?
皆さん…ありがとうございます!
(言っていないのブーイングを無視して地中に潜る)
爆発が西のラスボス『アイスエイジクイーン』を包み込む。
言うまでもないかも知れないが『アイスエイジクイーン』はオブリビオンではない。悪魔である。
七代目デビルキング候補であり、白羽の矢が立った存在だ。
「この程度でわたくしが敗れるとでも? 笑止ですわ! おーほっほっほ!」
爆発の中から『アイスエイジクイーン』が飛び出す。
その氷の自動鎧『絶晶』は凄まじい力を発露する。彼女がデビルキングに白羽の矢が立ったこともまたうなずけるものであった。
だが、それ以上に彼女をデビルキング候補たらしめるのは配下の数である。
『100人の四天王』。
字面だけ見たら何言ってんのかわからんってなること受けないであるが、言葉のとおりである。百人いるのである、四天王が。
そんな数にも負けぬのが視線誘導の悪魔こと!
「私はダーティ! ダーティ・ゲイズコレクター(Look at me・f31927)! 凶悪で極悪で劣悪で最悪な魔王ダーティとは私のことです!」
彼女は見事な視線誘導で持って『100人の四天王』たちの視線を惹きつけるのだ。
名乗り口上もまた計算の内なのである。
「数には数で対抗します! 穢れの澱より出でし憐れなる傀儡どもよ!冷たき意思に従いて現世を蹂躙せしめよ! 積悪!穢澱虚兵蹂躙陣(アイデンキョヘイジュウリンジン)」
ダーティのユーベルコードが煌めく。
瞬間彼女の前にはダーティそのもの姿をした兵士たちが現れる。その数は百を超える。数だけなら四天王たちを超える。
「さぁ一人一殺で……」
「ちょいちょい待ちなよ。これは四天王の戦いだぜ? 正々堂々と楽しもうじゃあないか!」
あ、いるいる。
四天王の中にいる、純粋に戦闘を楽しむタイプのやつー! しかし、ダーティの姿をした兵士たちは銃火器による射撃によって、これをボコボコにするのだ。
いや、だが、四天王にとっては豆鉄砲である。
「ハッ! この剣の前では弾丸も無用の長物よ! 楽しませてくれよなぁ!」
うわー癖すごい。
四天王が踊るように銃撃の中を駆け抜けてくる。ダーティの召喚士た兵士たちをちぎっては投げ、ちぎっては投げの獅子奮迅な戦いぶりである。
だが、彼の誤算は唯一である。
ダーティが端から戦うつもりがなかったことである。召喚士た兵士たちに紛れた彼女はこっそり地面にトンネルを掘って掘り進み、『アイスエイジクイーン』の真下から唐突に現れたのだ。
「ひゃあ!?」
あ、なんか可愛い声聞こえた。
と思ったらちょっと小休止な『アイスエイジクイーン』さんである。唐突な登場に流石に驚いたのだろう。スポーツドリンクなど飲んでいたことを忘れさせるようにまごまごしながら高笑いするのだ。
「お、おーほっほっほ! まさか地中からやってくるとは猟兵さん、油断なりませんわね!?」
「私の配下のみなさんが送り出してくれたのです。みなさんがあなたの『100人の四天王』たちと死闘を繰り広げている間に、こうしてあなたに肉薄できたのです!」
そう、ダーティはこの時を待っていたのだ。
『アイスエイジクイーン』が一人になるときを。
そして、この瞬間のためにダーティの召喚士た兵士たちは送り出してくれたのだ。
「此処は私達に任せて行け!」
「頼みましたわ、私!」
「くっ、今回だけですよ!」
「貴方がナンバーワンです!」
思い出すようにダーティが瞳をうるませる。いや、それ全部幻聴である。何も言ってない。そんなこと一言も言ってない。
あっ、聞こえる。ブーイングが聞こえる!
だが、ダーティさんは無視した! 都合の悪いことは全部聞き流す。それがワルのやり方!
「というわけで行きますよ! この凶悪で極悪で劣悪で最悪な魔王ダーティとは私のことです!」
「受けて立ちましょう! どちらがデビルキングに相応しいのか決めるときです!」
うぉぉぉ! となんか熱い展開であるが、ここで巻きに入る。
結果から言うと、ダーティの一撃が『アイスエイジクイーン』の自動鎧『絶晶』を叩き割り、結果爆発したのである。
なんで爆発したのかは、そういう演出であるからである。
ダーティの背後には四天王との戦いに倒れた兵士たちがいる。
その兵士たちの犠牲を無駄にせぬためにもダーティは己の信じるもののために……。
「死んでませんからね!?」
そんなふうに聞こえぬはずのブーイングを背にうけるのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友
第二『静かなる者』霊力使いの武士
一人称:私 冷静沈着
武器:白雪林
…陰海月がこのUC要請してきまして。ええ、たしかに私は『司る属性(氷雪)的にも、氷河期魔法が気になる』と言いましたけど。
前にいる四天王たちは、光珠を量産して追い払ってますし。
クイーンには…白雪林で矢を撃ってますね、いつのまに修練しました?
え、私という人を宿すとできるようになった?
※
陰海月、張り切る。
「ぷーきゅぷゅ?ぷきっ!(おじーちゃん、氷河期魔法みたいんでしょ?なら、ぼくが!)」
白雪林で極彩色呪詛矢を撃っている。最近、器用。
霹靂、『友だちは絶好調に光っている』とクエクエ。たまに雷属性突撃。
猟兵と西のラスボス『アイスエイジクイーン』の戦いは思っていた以上に激しいものであった。
悪魔という種族を考えた時、それは当然のことであったかもしれない。
他世界を見ても悪魔以上に強い種族はおらず。そして、それゆえに猟兵達は『アイスエイジクイーン』麾下『100人の四天王』たちとの戦いに手こずって……手こずって……る、かなぁ……?
「なんだこの光は!」
戦場は今やは1680万色に輝く光珠が乱舞するダンスホールの如き様相を見せていた。
四天王の一人が目がくらむほどの光の乱舞を前に取り乱している。
それもそうであろう。だって、どう考えてもおかしい。彼らは『100人の四天王』であるが、その数を頼みにしない。
必ず単騎でやってくるのだ。たまに双子コンビとか兄弟コンビの四天王とかやってくるけど、それはイレギュラーだ。何回もやるとインパクトが薄れるし。
「……『陰海月』が張り切っている……ええ、たしかに私は『司る属性的にも、氷河期魔法が気になる』とはいいましたけど」
馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)の一柱である『静かなる者』もまた困惑しているようであった。
彼は、四悪霊・『虹』(ゲーミングカゲクラゲノツヨサヲミヨ)によって『陰海月』と合体し、1680万色に輝く四悪霊の呪詛纏い戦場に降り立った。
すでにわけわからんミラーボールのような状態であるが、それはそれとしてどうしてこのようなことになったのか。
『静かなる者』は合体した『陰海月』が張り切っているのを咎めるわけではない。
なぜだかいつのまにか弓の修練をしたかのような『陰海月』の技量に驚いているのだ。いつのまに修練したのだろうか。
「ぷきゅぷきゅ」
「え、私という人を宿すとできるよになった?」
そういうものなのだろうかと『静かなる者』は首をかしげる。
「ぷーきゅぷゅ? ぷきっ!」
特別に約すのであれば『おじーちゃん、氷河期魔法みたいんでしょ? なら僕が!』である。
祖父孝行の出来た孫である。完全に。
「わけの分からぬ生き物がー!」
だが、そんな彼らに迫るは四天王。もう紹介が雑になってきているのは、すでに何人か単騎で駆けてきたところを矢で撃ち抜いてぶっ飛ばしているからである。
ただ、強靭な種族である悪魔が矢の一撃であっさり打倒されるわけがない。
どういうわけかと問われたのならば、その極彩色の呪詛をまとう矢のせいである。ゲーミングカラーに輝く矢はさながら夜を切り裂く綺羅星のごとく。
格好良く言ってみたが、完全にこれ目くらましである。
たまに『霹靂』が友達のがんばりに応えるように雷をまとって突撃したりしているせいで、もう完全に四天王たちはグロッキーである。
「おーほっほっほ! 見事な連携ですわ! ですが、猟兵さん! あなた方はわたくしの『絶晶』をどうこうできまして!?」
しびれを切らしたように爆発の中から『アイスエイジクイーン』さんが飛び出す。
あ、我慢できなかったんだな。
爆発は演出である。別に生命に関わるものではない。けれど、『陰海月』はテンション高めである。
おじーちゃんのために氷河期魔法を引っ張り出すために頑張ったのだ。
目がキラキラしている。ゲーミングカラーに。
「うっ、眩しいですわ!?」
『アイスエイジクイーン』は、その自動鎧の魔力によって強化された武器を振るおうとして、ゲーミングカラーに輝く光珠を顔面に受けてもんどり打つ。
「……クエ」
「……ぷきゅ」
心配そうにもんどり打った『アイスエイジクイーン』さんを見やる二人。
えぇ……と、『静かなる者』はコントかなにかを見ているような気持ちになってしまう。
いや、というかこれ……
「恥ずかしいですわッ!?」
そのまま爆発する『アイスエイジクイーン』さん。あっ、もしかして、これ心にダメージ入っても爆発する仕組み?
結局『氷河期魔法』を見ることは叶わなかった。
けれど、(勝手に)自爆したかのように見える『アイスエイジクイーン』さんのオチを見やる『静かなる者』は思っただろう。
この一連のやり取りの不毛さ。
「なんですこれ……――」
大成功
🔵🔵🔵
アルテミシア・アガメムノン
四天王が100人。一人ずつ。
これは……伝説の百人組手が出来るのでは!
『氷獄の魔帝』を発動。
真の姿に変身。変身後の強さは無限の魔力に比例……つまり、戦闘力無限!
まあ、そんな感じで四天王さんを一人一人倒していきましょう。
そして何だかんだでアイスエイジクイーンさんと対峙!
氷河期魔法に対してこちらも氷結属性、【絶対零度】(属性攻撃:氷×全力魔法)で対抗、零点振動すら凍結させて絶晶を凍らせて『クロノスの大鎌』で破壊です!
わたくし、冬も好きですが、春も夏も秋も好きなのです。
ということで一年中氷河期になりそうなアイスエイジクイーンさんには退場していただきましょう!
『100人の四天王』――その字面だけ見たら、なんで? と疑問を抱かずにはいられないだろう。
四天王って四人だから四天王じゃないの?
誰もが同じ疑問を抱くだろう。
されど、同じデビルキングワールドに生きた者であれば、また違った見方ができたのかもしれない。
少なくとも、世界征服を目論む黄金女帝たるアルテミシア・アガメムノン(黄金の女帝・f31382)はそうであったのだ。
「四天王が100人。一人ずつ」
思わずそう呟いていた。
いやーわからんでもない。さすがの黄金女帝も、この『100人の四天王』という、どういうことなのって尋ねたくなる様相には首をかしげるものであったことだろう。
「これは……伝説の百人組手が出来るのでは!」
あっ。
アルテミシアもまたデビルキングワールド出身の猟兵である。
なるほどなー。こういう感じなのかーって勝手に納得してしまう。伝説の百人組手……! 知っているのかアルテミシアさん!
多分、悪魔書房が出版している悪行大全集の8万7895巻あたりに書いてるから、解説はそっちを読んでくれよな!
「オデ、『アイスエイジクイーン』サマノタメ、ガンバル」
片言の四天王きたー!
多分、凶悪な見た目とは裏腹にお花とか小動物とか好きなんでしょ。そんな四天王を前にアルテミシアは瞳をユーベルコードに輝かせる。
真の姿である六対十二枚の翼をもつ熾天使の姿に変貌するアルテミシア。氷獄の魔帝(サタン)たる力の発露。
それは無限の魔力に比例した力を持ち、彼女の力を無限にまで高めるのだ。無限。インフレヤバない?
「まあ、そんな感じで四天王さん、一人ひとりお相手いたしますわ!」
さあ、やろうか!
そんな感じでアルテミシアと四天王たちの戦いが幕を開ける!!
そんでもってなんやかんやあった後。
「おーほっほっほ! さすがは名に聞く黄金女帝! 素晴らしい戦いぶりでした! ですが、わたくしの『氷河期魔法』を前に成すすべもなく倒れるがよろしいですわ!」
「わたくし、冬も好きですが、春も夏も秋も好きなのです」
あっ、やばい。
キャラ完全にかぶってない? 喋りもなんかにているような気がする。そんでもって話が若干噛み合ってない気がする。
しかしながら、アルテミシアは構わない。
「ということで一年中氷河期になりそうな『アイスエイジクイーン』さんには退場して頂きましょう!」
「確かに……四季折々の移り変わりは美しいですわ……!」
「そうでしょうとも。一年中氷河期になってしまっては、それらが損なわれてしまいます。配下の皆さんと春はお花見、夏は海水浴、秋は紅葉狩りと楽しいイベントがなくなってしまいますわ!」
振るわれる大鎌と剣が激突する。
凄まじい力の発露。
迸る魔力の塵が周囲に触れただけで氷結が広がっていく。言ってることはなんとも平和である。だからこそ、この力との差、ギャップというものが凄まじい。
「ああっ、そんなことになればみなさんが……!」
「故にあなたには此処で敗れて頂きます!」
放つ零点振動すら凍結させる絶対零度の力によって自動鎧『絶晶』の力を失わせる。放つ大鎌の斬撃が『アイスエイジクイーン』に吸い込まれ、彼女の体が爆発する。
爆発?
そう、演出である。猟兵さんの攻撃がヒットする度に、爆発する演出が行われるのだ。
「これってもしかして」
「そう、演出ですわ!」
完全にキャラがかぶった『アイスエイジクイーン』とアルテミシアは、互いに健闘をたたえ、がっちりと爆発の中握手するのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
朱鷺透・小枝子
百人の四天王……なるほど、四天王が百人いるわけですね!(?)
ディスポーザブル01から下りて、
騎兵刀を抜き、四天王と尋常なる対峙…!
【オーラ防御】サイキックシールド展開メカニカルボンドでキャバリア遠隔【操縦】パルスアトラクター【不意打ち無差別マヒ攻撃】
こたび自分は悪!概念仮装展開!!
『騎兵弐番機』自爆兵器を召喚して【追撃、範囲攻撃】
更に場をかき乱して【推力移動】アイスエイジクイーン殿に肉薄!
今だお命お覚悟ーーー!!!(注:殺したくはない)
人工魔眼の【動体視力】と【瞬間思考力】で攻撃を【見切り】視認
【念動力】と重力制御の【空中浮遊】を合せて攻撃を捻じれ掻い潜り、六腕から生やした灼熱剣を叩き込む!
「百人の四天王……なるほど、四天王が百人いるわけですね!」
納得しました! と朱鷺透・小枝子(亡国の戦塵・f29924)は、西のラスボスこと『アイスエイジクイーン』さんとの決戦の場にありて頷く。
目の前に控えるのは『100人の四天王』が一人である。
「そのとおりである! 我輩を倒さねば『アイスエイジクイーン』様にまかり通ること相成らん! 故に!」
びしぃー! と四天王一人。なんか我輩が一人称の厳しい将軍みたいな四天王がキャバリアに乗る小枝子に剣を突きつけて言うのだ。
なんとも風格ある四天王であろうか。
さぞ名のある四天王であるに違いない。そんなふうに思い、小枝子はキャバリアから降り立ち、騎兵刀を手に構える。
こうしているだけでもわかる。
彼らは確かに最強の種族、悪魔。猟兵に匹敵するほどの強さを持っているというのも理解できる重圧である。
「我輩を前にして正道を歩むか! その意気やよし!」
瞳が煌めく。
それはユーベルコードの輝き。
小枝子は騎兵刀を構えて四天王の一人と対峙していた。だが、その背後に在るキャバリアが突如として電磁音波を発生させるキューブ型音響兵器を放つ。
まさに不意打ち。アンブッシュ!
なんたることだろうか、ここに来て小枝子は不意打ちをするのだ。これまでの彼女の戦いぶりからは想像できないほどの悪辣であり、慈悲なき一撃!
「ぐわー!? な、何故不意打ちを……!?」
「此度、自分は悪! 概念仮装展開!」
小枝子のユーベルコード、騎兵弐番機(アルター・ツー)はキャバリアの概念と合体することによってそれを制御するのだ。
「なんたるワル……見事。だが、我輩を倒したとしても……!」
さらなる四天王が小枝子を襲うだろう。
けれど、小枝子はさらに手を打っていたのだ。それは無数の六本腕人型自爆兵器である。
戦場をかき回すように走る自爆兵器たちが、次は俺たちの番だーとウキウキで駆けつけた四天王たちに組み付いて自爆していく。
雑に処理している。
それはそう表現するしかないほどに雑な自爆芸であった。
「四天王さんたちー!?」
思わず、その光景に『アイスエイジクイーン』さんも高飛車ロールを忘れてしまっている。
小枝子のやっていることはえげつないほどにワルであった。
敵の名乗りなんてかんけーねー! という具合に即座に組み付いて自爆していく人型兵器。
物量っていうか、それ以前に人の心とかないんか? となるくらいの戦術であった。
『アイスエイジクイーン』さんも流石に其処まで非情にはなれなかった。というか、基本的に悪魔って性根が善良である。
彼女がニセ高飛車と言われるのはそのためである。
「どうしましょ、どうしましょ、この爆発では、わたくしがやられた時の爆発演出が霞んでしまいます!」
あ、そっちなんだ。
そんな狼狽する『アイスエイジクイーン』を尻目に人工魔眼の残光が走る。
瞬間思考によって爆発の合間を縫うようにして小枝子が肉薄しているのだ。振るう騎兵刀の一撃を『アイスエイジクイーン』はさすがというべきか、手にした氷結武器でもって防ぐ。
「今だお命お覚悟――!!!」
言い訳のように注釈しとくけど、別に小枝子は『アイスエイジクイーン』を殺したいわけではない。だってオブリビオンじゃないし。
けれど、彼女を打倒しなければならないのならば、それをやらねばならない。
悲しいけれど、これ戦争イベントなのよねってなるのである。だからこそ、小枝子は一切の躊躇いなく六本腕の人型自爆兵器が手にした灼熱剣を持って『アイスエイジクイーン』の氷の鎧を溶かし、組み付かせるのだ。
「あっ、まさかこの流れって」
「イエス! 自爆であります!」
小枝子は遠隔操作だから別に大丈夫。カッ! と自爆兵器のアイセンサーがきらめいた瞬間、『アイスエイジクイーン』さんの用意していた演出の爆発を上回る爆発が彼女を飲み込む。
小枝子はその光景を遠くから見やるのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
佐伯・晶
四天王の紅一点の堕天使?
100人いたら流石に無理あると思うよ
原義として自称するには良いのかもしれないけど
こんな形で出会わなければ?
敵に一目惚れする幹部もお約束だね
ただ、僕相手にそれはキャラ演じたいだけなんじゃ…
まあ、やっぱり傷つけたくないとか言って
攻撃を躊躇ってくれるから適当に撃って倒しとこう
最後の力っぽく祝福をかけてくれるって
そこまで演じ切るのは見事なんだけど
…これ強化だよね
地味にクイーンの支援してる?
まともに戦うときついから
敢えて一撃受けて凍って隙を誘おう
氷結耐性も寒冷適応もあるし神の体だからね
凍っても動く事はできるよ
凍った僕を見て高笑いしてる隙にUC使って攻撃
電撃なら鎧越しに効果あるしね
「四天王の紅一点の堕天使? 百人いたら流石に無理あると思うよ」
その口撃は四天王の一人の心を打ちのめした。
なんかセクシーな衣装に身を包んだ堕天使の四天王は、その言葉によろよろと膝をついた。
その様子に佐伯・晶(邪神(仮)・f19507)は若干心が傷んだ気がしたけれど、仕方のないことだと割り切っていた。
「ひどぉい! だって、だって、名乗るのは自由でしょぉ!」
わーんと泣きながら逃げ帰る堕天使の四天王。
そう、晶は今『100人の四天王』との戦いに挑んでいるのである。西のラスボスこと『アイスエイジクイーン』と戦うには、彼女の配下である『100人の四天王』を躱さなければならないのだ。
晶はすでに堕天使の紅一点の四天王を口撃だけで撃退した。だって紅一点っていいながら、他にも女性の姿をした四天王がいっぱいいるのだ。
「フッ、中々言うじゃないか。麗しのキミ。願わくば、こんな形で出会わなければ……いや、今は己たちの運命を呪っても仕方ないな」
入れ替わるようにニヒルでクールな四天王がやってくる。
いきなり何いってんだコイツ感がすごい。
「敵に一目惚れする幹部もお約束だね。ただ、僕相手にそれはキャラを演じたいだけなんじゃ……」
だって晶は姿こそ女性であるが、元々は男性である。心も男性である。だからこそ、ニヒルでクールな四天王の言葉は何も響かぬのである。
「フッ、それは誤解というものさ。それならば、キミをすでに切り刻んでいるところさ……」
証明するようにニヒルでクールな四天王は攻撃をためらっているようである。けれど、晶は違う。容赦無く試製電撃索発射銃(エレクトリック・パラライザー)から発射されたワイヤーが彼の体に巻き付き、電撃を流す。
「アバババババッ!?」
「なんだかなー」
晶はこうもあっさり四天王をビリビリさせながら撃破していくのだ。
「さすがは、我が終生のライバル……! お前ならば『アイスエイジクイーン』様も倒せるのかも知れないな……ガクッ」
ビリビリしながら晶の前に現れた最後の四天王が倒れる。
最後になんか祝福っぽくして強化してくれたのは、なんなのだろうか。演出? あ、いや、違う。これ強化されているから『アイスエイジクイーン』のユーベルコードが通りやすくなるための支援だ! と晶は気がつく。
なんていうか、こういうところに気が廻るのならば、もっと別なところにも気を配ればいいのにと思わずにはいられない。
「……えーと」
「おーほっほっほ! さすがですわね! 我が四天王を躱してくるなんて!」
爆発の中から『アイスエイジクイーン』が飛び出してくる。演出である。それ以前に猟兵たちの攻撃が通る度に爆発しているのである。
そう、今回は爆発オチである。
だって、彼女たちはオブリビオンではない。猟兵としても、そっちの方が心苦しくなくていいだろう。
「というわけで、わたくしも不意打ちを!」
せい! と『アイスエイジクイーン』が氷結武器でもって晶に斬撃を見舞う。躱すこともできたかもしれないが、晶は己の体でそれを受け、終生のライバル(自称)からの強化によって体が超凍結状態に陥るのを感じる。
けれど、晶は身に邪神を宿す猟兵である。
その邪神の権能は停滞と固定。
凍結という力は、晶にとって問題ではないのだ。
「おーほっほっほ! 初白星ですわ! 猟兵さんに勝ちましたわー!」
勝ちを確信して高笑いしている『アイスエイジクイーン』さん。そんな彼女の高笑いは長く続かなかった。
なぜならば、超凍結状態にありながらも晶は動いているのだ。
「悪いけれど、僕の体は神の体だからね。凍っても動くことは出来るよ」
ばすっ、と放たれる電撃策。
雑にビリビリ! と電撃が流れ『アイスエイジクイーン』がしびれまくる。鎧がどれだけ強固であったとしても、電撃は構わず流れるのであrう。
「アバババババッ!?」
「うん、やっぱい電撃なら鎧越しでも効果あるね」
そんな『アイスエイジクイーン』の電撃にしびれる様をみやり、晶は頷く。
氷結が効かないなんてずっこい! そんな叫びが聞こえた気がしたが、晶は構わず演出の爆発が起こるまで容赦無く『アイスエイジクイーン』をビリビリさせるのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
ロニ・グィー
アドリブ・連携・絡み歓迎!
くっくっくっ、いいだろうボクが相手になってあげるよ!
四天王のなかでも自分こそが最強だと思う者からかかってくるといいよ!
って言うと一番弱い子から順番にくるのがお約束!あるいは実力差を示し合せたりなんかしちゃって仲間割れするのが様式美!
とかなんか一人に複数でかかるのは沽券に関わるとか四天王しぐさをしてるとこを[球体くん]たちとUCでドーーーンッ!!
そのドサマギにじゃあ後はキミたちだけで遊んでてね!と次に行こうっと
●読んでいたよ!
前もって勘【第六感】で何の能力を5倍に、何を半分にするかを察知していれば対策は(比較的に)簡単!
【第六感】でかいくぐって…UCでドーーーーンッ!!
西のラスボスこと『アイスエイジクイーン』の部下である『100人の四天王』たちは誰と並べてみても見劣りしない猛者たちであった。
気位が高いが故に彼らは四天王の中でライバル意識がバチバチであった。
たまに双子とか兄弟とかいるので、気が合う者もいたが、基本的にはバチバチであった。そこを纏めているのが『アイスエイジクイーン』の器の大きさであったのかもしれない。
「くっくっくっ、いいだろうボクが相手になってあげるよ! 四天王の中でも自分こそが最強だと思う者からかかってくるといいよ!」
ロニ・グィー(神のバーバリアン・f19016)の言葉は挑発であった。
やっすい挑発! と四天王たちが反発するかと思われたが、全員が全員バチバチであるのならば、我こそはとこぞって手を上げるのだ。
「いやいや、どう考えても俺っしょ! 四天王最強なのはさ!」
「何を言っている。貴様のような軽薄な男が最強であるわけがない。私こそが『アイスエイジクイーン』様に最も近い!」
「はー? 意味分かんないしー? そういうのマジうざいんですけどー」
「それには同意するけど、何自分が一番って顔してるの? 四天王最強はボクだからね!」
とまあ、そんな具合に彼らはバチバチに睨み合って、ロニの言葉にいがみ合うのだ。
いやまあ、わかっていたことだ。
ロニの言葉を受ければ、彼ら四天王は基本一番弱い四天王から送り出すだろう。
だってやりたいじゃん。
『ふっ、奴は四天王の中でも最弱』
『四天王の面汚しよ』
とかさ! やりたいじゃん! そうなれば四天王たちは実力差をディベートしようとするだろう。
そんでもってだいたい皆横一直線であれば、仲間割れするのは在る種の様式美である。ロニはそれがわかっていたのだ。
「まあ、みんな普通に一人で複数にかかることは沽券に関わるとかなんとか四天王仕草をしてくれるんだろうしなぁ」
彼らはまだ揉めている。
ロニは置いてけぼりであるし、蚊帳の外である。そんなもんだから、ロニはもう飽きていた。
「はい、ド―――ンッ!!」
時間切れである。
空より降り注ぐ球体たち。
その一撃で集まって会議していた四天王たちを一気に殲滅するのだ。大丈夫ですよ、死んでませんからね。悪魔だから。
盛大な不意打ちと共に球体たちが大地を割砕いて四天王たちをぶっ飛ばしたどさくさに紛れてロニは『アイスエイジクイーン』に迫る。
しかし、その『アイスエイジクイーン』もまたラスボスたる威容をもってロニに迫っていた。
なんか電撃によってしびれていたり、爆発オチ使いまくってあちこちすすだらけであるが、まあ、その威容は確かなものであった。
「おーほっほっほ! ですが、わたくしの『絶晶』は防げまして!?」
「読んでいたよ! 君が装甲を分厚くして戦いを長引かせて、四天王の皆の出番を用意しようって思っていたこと!」
すんごく部下思いである。
そんな『アイスエイジクイーン』の行動原理を読んでいたロニは、一瞬で理解したのだ。
戦いを長引かせるためには装甲は必要不可欠。
ならば、五倍になったのは装甲だ。
「なら、それをぶち抜く一撃だよ! どーんっ!」
放つ一撃は神撃(ゴッドブロー)。
拳の一撃は神々しささえ感じさせるものであったし、氷の装甲を砕いて、その衝撃を『アイスエイジクイーン』に届けさせるのだ。
撃ち抜かれた拳は、『アイスエイジクイーン』を爆発に巻き込む。
そう、これまでもそうであったように『アイスエイジクイーン』さんは演出のために爆発を仕込んでいる。
猟兵が一撃を叩き込む度に爆発が起こり、演出をわかりやすくしてくれていたのだ。
ラスボスともなれば、この程度の芸を仕込むことなど造作もない。
それが戦いに有利になるかどうかと問われたら、まあ、そのぉ……ないんですけど――!
大成功
🔵🔵🔵
メンカル・プルモーサ
……四天王……百人いたら百天王なのでは……?
…数の有利を使わずに単騎で挑んできてくれるのならまあ良いけど……うーん……微妙に釈然としない…
…現れた四天王のうちの一人と戦う事になったらまずは現影投射術式【ファンタズマゴリア】で幻の霧を作って姿を隠してしまおう…
…そして心理隠密術式【シュレディンガー】を起動…気付かれないようにするよ…
…そして幻の霧にちらちらと自分の姿の幻影を映してその幻影に会わせて炎の矢や爆発の術式を発動…四天王を翻弄しつつ倒すとしよう…
…そして幻影に騙されているうちにアイスエイジクイーンに定め…【慈悲深き死神の手】を発動…アイスエイジクイーンの急所を抉るとしよう…
メンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)は言う。
「……四天王……百人いたら百天王なのでは……?」
至極全うなお言葉である。
そのとおりである。しかしながら、そんなことデビルキングワールド、西のラスボスこと『アイスエイジクイーン』麾下の『100人の四天王』たちには関係なかったのである。
そう、四天王って名乗りたいのである。
彼が好きなのは四天王しぐさである。
「ほう、あいつ中々やるじゃあないか」
「我等の力量を測った上での言葉……フッ、中々楽しませてくれる」
「ならば、俺が行こう。奴の力を試してみたくなった」
とかなんとか、癖のすごい連中がわざわざ単騎で挑んでくるのである。
メンカルとしては、とてもありがたいことである。
なにせ、悪魔という種族は猟兵並みの力を持っている種族なのだ。赤ちゃんから老婆まで、みんなみんな強いのである。
さらに四天王という肩書を持っていれば、その強さは推して測るべし。
「……まあ良いけど……うーん……微妙に釈然としない……」
メンカルは現影投射術式『ファンタズマゴリア』で幻の霧を作って姿を隠す。濃い霧が戦場を包み込む。
けれど、なんか腕に覚えがある感じの四天王は笑う。
「俺に敵わぬと見て、霧を出したか! 姿をくらませようが、俺の剣の前ではな!」
心眼。
なんたることだろう。この四天王、心眼を持っているのだ。霧などまるでないかのようにメンカルへと一直線に迫ってくる。
その剣の一撃は大地を割るほどであった。
「……まあ、だよね……」
わかっていたことだ。
悪魔という種族のことを考えた時、こういう小手先は力でねじ伏せられることを。だからこそ、メンカルは心理隠密術式『シュレディンガー』でもって認識をずらし、己を認識させなかったのだ。
そう、四天王の一撃が砕いたのは大地。そして、切り裂いたのは、幻の霧の中に揺れる己の姿の幻影でしかないのだ。
「ぬっ! しまった――!」
そんな四天王にお層は炎の矢や爆発の術式。
取り囲むようにして配置された罠が四天王を飲み込んでいく。だが、そんな四天王を救ったのは別の四天王である。
「敵の術中に嵌りおって。だからお前は阿呆なのだ!」
「師匠!」
えぇ……師弟で四天王しているの? とメンカルは思わないでもなかったが、別にあれらにかまう必要もない。幸いにこちらの姿を認識していないようであるから、ずっと幻影たちと遊んでいてもらおうとメンカルはそのまま『アイスエイジクイーン』の下へと走る。
「おーほっほっほ! やはり来ましたわね! このままでは終わらないとわたくし革新しておりましたの! わたくしの弱点は白羽の矢の立った胸ですわ!」
あっ、巻きに入っている。
やっぱりなー流石に四天王に尺取りすぎたもんなーとメンカルは思わないでもなかった。だって、わざわざ弱点を教えてくれるのだから。
「……えっと」
「さあ、この白羽の矢を砕かれては、わたくしはデビルキングに到達できませんわ!ですが、わたくしは負けませんことよ!」
白々しいほどにあれであるが、自動鎧『絶晶』のちからは本物である。メンカルは一撃で決めなければならぬことを理解し、その瞳をユーベルコードに輝かせる。
「空なる孔よ、開け、閉じよ。汝は切削、汝は虚現。魔女が望むは世界切り取る虚空の手」
それは指定地点のみを削り取る空間術式。
ご丁寧に弱点を教えてくれた『アイスエイジクイーン』の胸に刺さった白羽の矢に狙いをつける。
幻影に紛れ、迫る氷結の力を躱しながらメンカルは念じる。
己の姿を認識していない敵をえぐる慈悲深き死神の手(クー・デ・グラース)が走り、一瞬で『アイスエイジクイーン』の白羽の矢を削り取る。
その一撃はこの戦いを決定づけるものであり、『アイスエイジクイーン』の脱落を意味するものであった。
次の瞬間、『アイスエイジクイーン』が爆発する。
メンカルのユーベルコードにそんな力はない。なんで爆発した? とメンカルは爆発の中に消えた『アイスエイジクイーン』を見やる。なんか冷めた目である。
「えっ、あっ、いや、その、爆発したほうが、撃破した感じになりませんこと?」
爆発の中から『アイスエイジクイーン』がとぼとぼ歩いてくる。
あの爆発とユーベルコードを受けてなお、彼女は健在。
ああ、とメンカルは思う。
彼女たちは悪魔。そう、頑強なのが取り柄の種族なのだ。
だからこそ、メンカルは言うのだ。
戦いが終われば、ノーサイド。悪魔も猟兵もみんな同じなのである。
「……怪我なくてよかったね――」
大成功
🔵🔵🔵