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7thKING WAR㉒〜ふえるラスボス

#デビルキングワールド #7thKING_WAR #東のラスボス『スーパーカオスドラゴン』

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#東のラスボス『スーパーカオスドラゴン』


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「ゲヒャ〜ッヒャッヒャ! とうとう猟兵達がクるみてェだナァ!」
 嵐吹き荒れる荒野にて。
 悪どい笑い声を上げながら、スーパーカオスドラゴンは混沌の炎を高らかに吹かす。
 相手は数多の戦いを潜り抜けてきた実力者。
 それならこちらも遠慮なし、凶悪な混沌魔法でお相手しようじゃないか。
「いくゼェ! カオスヘッダー!!」
 一際大きな混沌の炎が荒野を照らした瞬間、その景色は一変していく。
 周囲に転がる岩が――スーパーカオスドラゴンへと変身していくのだ。

「コレぞ混沌魔法カオスヘッダー!」
「オレサマのカオスの結晶よォ!」
「ダレがナニをヤろうとも、ぜんぶカオスにしてヤるゼぇ!」
 スーパーカオスドラゴン達はひしめきながら、猟兵達を待ち受ける。
 果たして齎されるのは、秩序かより凄まじい混沌か。
 その答えはまだ誰にも分からない。今分かるのは――。
「「「ゲヒャ〜ッヒャッヒャ!!」」」
 荒野いっぱいに、スーパーカオスドラゴンの笑い声が鳴り響いていることだけだ。


「集合お疲れ様だ。今日は東のラスボス、スーパーカオスドラゴンへの道が開かれたぞ。という訳で戦いに行こう!」
 元気いっぱいそう告げるのは、グリモア猟兵の臥龍岡・群青(狂瀾怒濤・f30803)だ。
 スーパーカオスドラゴンは純粋なデビルキングワールドのラスボスであり、オブリビオンではない。
 だが彼を倒しておけば猟兵が7thKINGの暫定候補者となり、今月いっぱいはガチデビルが即位することを防げるのだ。なので戦いに行くメリットは十分にあると言えるだろう。

「スーパーカオスドラゴンは暴走前の段取りと挨拶回りなんかも丁寧で恐ろしいが、ヤツの一番の特技は『混沌魔法』だ。今回の戦いでも、これを駆使して悪夢のようなカオスを見せてくるに違いない」
 群青はグリモアを掲げ、戦場の様子を映し出す。
 そこは雷が鳴り、風が吹き荒れる恐ろしい荒野。
 しかしそれ以上に目を引くのは――戦場にひしめくいっぱいのスーパーカオスドラゴン達だ。
「スーパーカオスドラゴンは『カオスヘッダー』という魔法により、周囲の物質を『新たなスーパーカオスドラゴン』へと変化させられるのだ。更に増えたスーパーカオスドラゴンもまたカオスヘッダーでスーパーカオスドラゴンを生み出すことが出来るらしく、つまりその……ネズミ算ならぬスーパーカオスドラゴン算という訳だな!」
 ざっくり言うと「戦闘が長引けば長引くほどスーパーカオスドラゴンは増えていき、なんか大変なことになる」という訳だ。
 恐ろしい話だが、勝算がなければ猟兵達は呼ばれないだろう。実際群青の表情にも、不安の色はない。
「この魔法、一つ大きな欠点があるみたいでな。どうやら元となったスーパーカオスドラゴンも、新たに生み出されたスーパーカオスドラゴンも『完全同一存在』となるらしい。つまりこの大勢のスーパーカオスドラゴンは存在を共有しており、一体でもやられれば……全てのスーパーカオスドラゴンが同時に爆発するのだ」
 爆発。
 なんか凄いことになってるが、きっとこの世界ではよくあることだ。
 スーパーカオスドラゴンはとっても強いラスボスなので、爆発しても死にはしない。
 けれどその時点で負けはきちんと認めてくれるだろう。

「つまりどうすればいいかと言うと……無限に増え続けるスーパーカオスドラゴンの群れの内、どれか一体を倒せばいいのだ。どのような手段を取るかは皆に任せるが、無事に勝利してくれると信じているぞ」
 相手はとんでもないラスボスだが、決して勝てない相手ではない。
 7thKING WARを突き進むためにも、この戦いにも勝利していかなければ。
「そろそろ転移の時間だな。気をつけて行ってくるがいい!」
 群青は転移ゲートを開きつつ、笑顔で猟兵達を送り出すのだった。


ささかまかまだ
 こんにちは、ささかまかまだです。
 まが!

 このシナリオは『やや難』です。

●プレイングボーナス
 無限に増殖し続けるスーパーカオスドラゴンの群れと戦い、どれか1体を倒す。

 戦場は十分な広さがありますが、スーパーカオスドラゴンが大量にひしめいています。
 彼らの内、一体を倒すことができれば残りのスーパーカオスドラゴンも爆発します。
 集団戦への対処、一体をどうやって狙うかなどなど……思うままに挑戦してみて下さい。

●『スーパーカオスドラゴン』
 7thKINGの候補が一人、東のラスボス(オブリビオンではない)です。
 先制攻撃こそ行いませんが、とても強いです。
 頑張って戦いましょう。


 オープニングが出た時点でプレイングを受付開始します。

 シナリオの進行状況などに関しては戦争の詳細ページ、マスターページ等も適宜確認していただければと思います。
 また、プレイングの集まり次第で不採用が出てしまうかもしれません。ご了承下さい。

 それでは今回もよろしくお願いいたします。
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第1章 ボス戦 『東のラスボス『スーパーカオスドラゴン』禍』

POW   :    ハイパーカオスチャージ
【カオスで予測不能な軌道を描く】突進によって与えたダメージに応じ、対象を後退させる。【他のスーパーカオスドラゴン】の協力があれば威力が倍増する。
SPD   :    アンリミテッドカオスファング
【三つの頭の牙による連続噛みつき】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    マッドカオスフレイム
自身が【混沌魔法「カオスヘッダー」を発動して】いる間、レベルm半径内の対象全てに【属性を変え続ける混沌の炎】によるダメージか【肉体を癒やす混沌物質】による治癒を与え続ける。

イラスト:カツハシ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 雷鳴轟く荒野に降り立った瞬間、猟兵達を出迎えるのは無数のスーパーカオスドラゴンだ。
 彼らは三つ首をもたげつつ、高らかに声を上げる。

「ゲヒャ〜ッヒャッヒャ! キたな猟兵!」
「オレサマタチがアイテだぜェ!」
「カオスにシズめてやるゼェ!」
 彼らの言う通り、戦況は混沌としている。
 無防備に突っ込んでいっては大怪我必至だ。
 出来る限り策を練り、カオスの海を掻き分けて――どうにか一体のスーパーカオスドラゴンを倒すのだ!
馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友

第三『侵す者』武の天才
一人称:わし 豪快古風
武器:黒燭炎

すまん、純粋に「属性を変える混沌の炎」が気になった(炎使い)
なんとなく、好感持ってるしな?わし。

で、ついたら即座に早業によるUC。つまりは…常に強化入る悪霊の出来上がり。
浄化は苦手じゃが、『属性を変え続ける』なら、わりと一瞬じゃぞ?

あとは一体を狙うには…そうさな、この黒燭炎で突き続ける。
すると、その一体だけ生命力吸収されて動きが鈍る。しかも、四天霊障による攻撃でも生命力吸収するからな、周りもへばる。

ちなみに、このUCにしたもう一つの理由。十中八九、爆発に巻き込まれるからその時に無事にいられるようにな。




 荒れ狂う戦場の光景を前にして、馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)を構成する悪霊の一人『侵す者』は満足げに何度か頷く。
「うむ、成程。やはり思った通り、面白い戦いになりそうだ」
 蔓延るスーパーカオスドラゴン達の気配は圧倒的だが、むしろそれは好ましい。
 炎使いとしては彼らが扱う『属性を変える混沌の炎』から学べるものも多いだろう。
 それに相手はオブリビオンではなく、今この世界に生きている猛者だ。後腐れなく戦うことが出来るのなら、それに越したことはない。
「それでは……因果は巡りて回る。どこまでも」
 戦いに備え、発動するのは四悪霊の呪詛を操る術式。これを発動しておけば、戦況が苛烈になるほど自分自身の力も高まるだろう。
 スーパーカオスドラゴン達も義透の存在に気づくと、嬉しそうに口元から混沌の炎を零す。
「オイ猟兵、ジュンビはオワッタか? それじゃあショウブだぜェ!」
「ああ、よろしく頼む!」
 双方ともに気合は十分。待ったなしの決戦の始まりだ!

 スーパーカオスドラゴン達は数の暴力に任せるように、一斉に混沌の炎を吹き荒れさせる。
 そこで義透が選んだのは――黒燭炎を構え、恐れずに炎の中を突っ切ることだ。
「オイオイ、そんなんじゃマックロになっちまうゼ!」
 確かに混沌の炎は凄まじい火力で、おまけに純粋な炎ではない。
 仮に火炎に対する耐性があったとしても、炎はすぐに様々な属性を帯びて義透を苦しめるだろう。
 けれど彼自身を構成している呪詛も、四つの属性で出来ている。必要に応じ属性を操れば、混沌の炎の様々な属性に対応することだって可能なのだ。
「『属性を変え続ける』なら、わりと一瞬じゃぞ?」
 多少の痛みは戦闘力へと転換させて、狙うのはただ一体。目の前にいたスーパーカオスドラゴンへ向け、義透は勢いよく槍の穂先を突き立てる。
 傷口に呪詛を流し込むことで、相手の力を奪っていけば目印にはちょうどいいだろう。
 更に漂う呪詛は、周囲のドラゴン達からもスタミナを奪っていくのだ。
「わしの狙いはお主だ。覚悟してもらおう!」
「お、オノレェ! アッパレだゼ、猟兵!」
 スーパーカオスドラゴンの声は悔しげだが、見事な戦術には素直に賞賛を送っているようだ。
 これで爽やかに戦いが終わればいいのだが――そうもいかないことを、義透はよく知っていた。
「そろそろか……!」
 槍を突き立てたドラゴンが倒れる瞬間に、義透は霊障で自分自身の身を守る。
 それとほぼ同時に、巻き起こったのは大爆発!
 全てのスーパーカオスドラゴンが花火のように弾けつつ、義透へ向けてサムズアップを送っていた。
 そんな彼らに、義透もまた笑顔を返すのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ベルベナ・ラウンドディー
実に結構
お手並み拝見と行きます、東の雄


敵群吶喊後ユーベルコード使用、
定めた目標からの攻撃に対し【空中浮遊・逃げ足】で回避行動ののち、爆弾を周辺散開
【衝撃波・地形破壊・爆破・時間稼ぎ】で周辺地形を崩落させて目標を群れから隔離する
孤立化…1on1に持ち込むのが常套です
どうせ速攻戦だ、牽制などと言わず爆弾は全て使い切る!

っとはいえ、流石に1体でも手強いか
噛みつき攻撃なんてのは要は「近づかなきゃ出来ない」ってことでね
【功夫・ぶん回し・受け流し】…円運動で軌道を逸らし、頭を横からブン殴る
肉食動物ってのは、獲物を食らいに行く際に速度を出すほど視界が狭まる欠点があるんですよ
故に!正面以外からの強襲に弱い! 




 戦場に大爆発は生じたが、その中から一体のスーパーカオスドラゴンが頭をもたげる。
 どうやら大元のドラゴンはまだまだ戦いたい様子。それに合わせるように、再び無数のドラゴン達が戦場を埋め尽くす。
 そんな様子を見下ろしながら、姿を現したのはベルベナ・ラウンドディー(berbenah·∂・f07708)だ。
「実に結構。お手並み拝見と行きます、東の雄」
「オマエも猟兵だナ! イイゾ、かかってコイ!」
 ドラゴン達はベルベナの言葉に応じるように、高らかな鳴き声を発する。
 そのままドラゴン達は前へと駆け出し、幾つもの三つ首がベルベナへと迫る。
「まずはここを乗り越えなければいけませんね……よっと」
 状況とは裏腹に、ベルベナの様子は落ち着いているようだ。
 そのまま流れるような動作で地を蹴り、上空へと飛び上がって。同時にベルベナの身体は、真の姿である少年のものへと転じていた。
 けれどドラゴン達はそんなことに気づかずに、目指していた地点へと殺到している。彼らの狙いが既に身代わりに置き換わっていることには、気付いていないのだろう。
「最初の作戦は成功しましたね。それでは……」
 上空へと逃げたベルベナ本体が投げつけるのは、特製の時限爆弾だ。
 それを一体のドラゴンの周囲に展開させ、惜しみなく起爆すれば――彼の乗っていた地面は、あっという間に地中へと落ちていく。
「ナンダト!」
「孤立化は成功ですね。1on1で戦いましょう」
 窪んだ地点にベルベナも降り立てば、戦う準備は完了だ。けれど相手は強敵だ、おまけに時間をかければ仲間のドラゴン達も追いかけてくるだろう。
 ガチガチと牙を鳴らすドラゴンを前に、ベルベナは密かに覚悟を決めていた。

「フン、オレサマ一人でもジュウブンだ! イクゾ!」
 スーパーカオスドラゴンが放つはアンリミテッドカオスファング、つまり凄まじい勢いの噛みつき攻撃。
 掠っただけでも命取りになる攻撃に対し、ベルベナは冷静に待ち構え――そのままひらりと、飛び込む三つ首の横へと回り込む。
「やはりあなたは見た目の通り、肉食動物の性質を持っていますね。だからこそ……速度を出すほど視界が狭まるのです」
 強大な悪魔だろうと、生物的な法則には抗えない。ベルベナはそこに勝機を見出し、ずっと行動し続けていたのだ。
「故に! 正面以外からの強襲に弱い! さあ、覚悟して下さい!」
 そのままドラゴンの横っ面に叩き込むのは、鍛え抜かれた必殺の拳!
 的確な一撃は見事に勝負を決めて、戦場に大爆発を巻き起こす。
 その光景を見上げつつ、ベルベナは安堵の息を吐くのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アルゼブ・アズモリィ
ひゃー! 派手派手で悪カッコイイじゃん!
だが、オレのほうが悪カッコイイってところ、見せてやる!

いでよ、【炎の魔王軍】!!
お前たち!"練習"の成果を見せるときが来たぞ!!
おいカオスドラゴン!お前たちにこんなことができるかよ!
いくぜ!整列!デビルピラミッド!デビル扇!そして人文字「魑魅魍魎」だー!

…と、一糸乱れぬ組体操、人文字を披露する。そして、ドラゴンを《挑発》だ

どーだ!!
いくら数揃えたところで、お前にはできないだろ!!
悔しかったら、同じようにやってみろよ!

相手が対抗して、一箇所に集まったときがチャンス

かかったな! お前たち、あいつらを囲め囲めー!
一気に攻めるんだ!!

*アドリブ、共闘歓迎




 戦場に溢れる熱気を感じつつ、アルゼブ・アズモリィ(玉座を見据えし悪魔・f31513)は瞳をきらきらと輝かせる。
 目の前には東のラスボス、スーパーカオスドラゴン……がいっぱい!
「ひゃー! 派手派手で悪カッコイイじゃん!」
 この世界で生まれ育ったアルゼブにとって、まさに悪の体現者と言わんばかりの相手は憧れるものだろう。
 けれど憧れだけでは終わらせられない。今日は本気のバトルに来たのだから。
「オレのほうが悪カッコイイってところ、見せてやる! という訳で……いでよ、炎の魔王軍!!」
 アルゼブの号令に合わせて飛び出すのは、配下モンスターによる大群だ。
 こちらも数としては凄まじいものだが、無数に溢れるドラゴン達にはまだまだ及ばないだろう。
「カズでユウリをトルのはムリなハナシだぜェ! オマエらなんてイチモウダジンに……」
「お前たち! "練習"の成果を見せるときが来たぞ!!」
 練習。予想外の単語のドラゴン達がぴたりと動きを止める。
 由緒正しいラスボスはこういう時に相手の動向を見守るものなのだ。
「おいカオスドラゴン! お前たちにこんなことができるかよ……行くぜ! 整列!」
 アルゼブはいそいそと改造学ランを着込み、ホイッスルを口に加える。
 そのまま合図をすれば、始まるのは炎の魔王軍による見事な組体操!
 デビルピラミッドから流れるようなデビル扇、そして最後に決めるのは――。
「人文字『魑魅魍魎』だーッ!」
 ズギャーン!
 華麗な人文字にドラゴン達は拍手喝采!
 けれど見惚れてばかりもいられない。何故ならこれは――挑発行為なのだから!

「どーだ!! いくら数揃えたところで、お前にはできないだろ!! 悔しかったら、同じようにやってみろよ!」
 びしっと指差すアルゼブとぷるぷる震えつつも人文字を続けるモンスターを交互に見遣り、ドラゴン達は思わず唸る。
「グヌヌ……オレサマ達だってそれくらいできるぜェ!」
 カオスドラゴン達はわらわら集まり、一生懸命組体操の準備を始める。
 なんと健気な光景だろう。けれどここに情け容赦などありはしない。
「かかったな! お前たち、あいつらを囲め囲めー!」
「アッ、チョット!? オレサマはオマエらの組体操を見守っていたのにー!!」
「ここはデビルキングワールド、ワルい方が勝つんだぜ! かかれーッ!」
 ドラゴン達は組体操の途中で、なんか絡まったりしているぞ。
 そこに一気に攻め込まれれば大きな隙も生じてしまうだろう。アルゼブは特に複雑に絡まっている一体を指差して、配下達を誘導していく。
 その後はまあ、なんというか。タコ殴りだ。
 スーパーカオスドラゴンは中途半端に組体操を決めたまま爆発四散!
 その光景をバックに、アルゼブと配下達は『勝利』の人文字を決めるのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

七那原・望
あらかじめ果実変性・ウィッシーズアリスを発動しておくのです。

強敵がたくさん……!このままでは勝てないけれど、わたしの得意技は変身です。
最強のねこさん、白虎の力を見せましょう!

と言いつつこっそりねこさん達に全力魔法の幻覚を範囲攻撃で戦場全体に掛けてもらい、一瞬の閃光の後、わたしとねこさんの姿を透明に、そして数いるスーパーカオスドラゴンの内もっとも間近の一体だけが巨大な白虎に見えるようにします。

戦いは長引かせない。大勢いる内の数体が白虎に噛み付けばそれでいい。

そんなに強い存在の超高速連続攻撃なら、例え本人であってもひとたまりもないはず。

ダメ押しで白虎に攻撃している個体に全力魔法で限界突破の強化を。




「わ、強敵がたくさん……!」
 戦場に溢れるドラゴン達に圧倒されつつ、そう呟くのは七那原・望(封印されし果実・f04836)だ。
 けれど怖がってばかりもいられない。勇気を出して踏み出さなくては。
「わたしは望む……ウィッシーズアリス! みんなで頑張って勝ちましょう!」
 可愛らしいエプロンドレス姿に変身し、四匹の魔法猫と一緒に戦場へ。
 ひらりと舞い降りた望を射抜くのは、無数のドラゴン達の視線だ。
「このままでは勝てないけれど、わたしの得意技は変身です。最強のねこさん、白虎の力を見せましょう!」
 宣言と共に、望は敢えて大振りな動作で白いタクトを振りかざす。ドラゴン達の視線が十分に集まったのを確認し――猫さん達が戦場を駆け抜けていく!
 次の瞬間、戦場に溢れたのは眩い光だ。気がつくと戦場には、一匹の白虎が佇んでいる。
「オイ、アレが猟兵ダ!」
「白虎になるってイッテたからナ! ツカまえろーッ!」
 ドラゴン達はガチガチと牙を鳴らし、白虎の元へと殺到していく。
 白虎は何かを訴えるかのように叫ぶが――その声はドラゴン達の咆哮が掻き消していくだろう。

「……作戦成功なのです」
 少し戦場から離れた位置から、こっそり聞こえた小さな声。
 その正体は白虎に変身していたはずの望だ。けれど彼女は安全な場所にいて、白虎はドラゴン達と戦っている。
 それもそのはず。望は魔法猫と共に、戦場に大掛かりな仕掛けを施していたのだ。
 まず望が視線を集めつつ『白虎に変身する』と宣言。けれどこれはブラフであり、次の魔法のための仕込みだ。
 そして望が頑張っている間に魔法猫達には散ってもらい、発動していたのは幻覚と透明化の魔法だ。
 望と猫さん達の姿を隠しつつ、最も近かったドラゴンを白虎に変えてしまえば――あとはご覧の通り。
 いくら強大なラスボスだろうと、無数の自分自身に囲まれては敵う術もないだろう。
 けれど相手も異常を察知し、行動を変えてくる可能性がある。最後のトドメは勇気を出して、望自身が行わなければ。
「それでは……行きましょう!」
 透明化は保持したまま、突っ込むのはドラゴンの群れ。彼らの猛攻の間をくぐり抜けるのは、なかなか大変だ。
 けれどどうにか白虎個体の元まで辿り着けば、あとは全力で魔法を放つだけ!
 ちょうど一体のドラゴンが白虎に噛み付いたのを確認し、望は堂々とタクトを掲げる。
「これで、終わりなのです――!」
 不意打ちとして放たれた魔法は白虎とドラゴンを凄まじい勢いで穿ち、見事にノックアウトさせていく。
 巻き起こる大爆発の中、望は猫さん達と勝利を祝うのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

バルタン・ノーヴェ
POW アドリブ連携歓迎!

HAHAHA! ワンダフル!
たくさんのスーパーカオスドラゴン殿!
これは強敵デスネ! 楽しいバトルができそうデース!
いざ、勝負デース!

手頃な一体にご挨拶。よろしくお願いしマース!
パイルバンカーを構えてスタンバイ!
さぁ、カモン! 正面から相対しマショー!
カオスな軌道の突進と言えど、衝突する瞬間はワタシの元にいるのであります!
その寸前に、UC起動!
「六式武装展開、煙の番!」
煙幕で一瞬の間デスガ、目晦まし!
他のスーパーカオスドラゴンの目からも逃れ、ワタシの姿を見失ったわずかな隙!
その瞬間に踏み込み、カウンターでパイルバンカーを叩きつけマース!
これがワタシの一撃必殺であります!




「HAHAHA! ワンダフル!」
 スーパーカオスドラゴンがひしめく戦場というのはあまりにも壮観で、バルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)は思わずからから笑みを零す。
 けれど彼女の顔にあったのはただの笑顔ではない。苛烈な戦いに挑む戦士らしい、覚悟の笑顔だ。
「たくさんのスーパーカオスドラゴン殿! これは強敵デスネ、楽しいバトルができそうデース!」
「猟兵! そうイッテもらえるならオレサマもウレシイぞ!」
「いざ、勝負デース!」
 バトルは楽しく、けれど全力で。
 カオスな突撃を繰り広げるドラゴンの群れへ、バルタンは正々堂々と飛び込んだ。

 敵の数は多くとも、倒すべきは一体だけ。
 バルタンは真っ先に飛び込んできた個体に狙いを定め、眩しい笑顔を向けた。
「よろしくお願いしマース!」
 挨拶と共にぶちかますのは、サムライソードによる一閃だ。それで相手が後退したのを確認すれば、すぐにパイルバンカーを装着して次に備える。
 ドラゴンの方も凶悪そうな武器を前に、ニヤリと笑みを返してきていた。
「さぁ、カモン! 正面から相対しマショー!」
「アア、だがオレサマはヨウシャしないぞ!」
 大きな足音と共に繰り広げられるのは、まさにカオスな様相の突進。
 スーパーカオスドラゴンの進む軌道はぐしゃぐしゃで、規則なんてありはしない。どの方向からどのように突撃が来るなんて、きっと予測は出来ないだろう。
 けれど――そんな攻撃だろうと、たった一つ変わらないルールがある。相手は『必ずこちらに接触する』のだ。
 バルタンは自分の眼前に三つ首が迫る瞬間を見極め、パイルバンカーに力を籠めた。
「六式武装展開、煙の番!」
 次の瞬間、バルタンの周囲に凄まじい煙幕が巻き上がる。
 迫ってきたドラゴンも、周りにいたドラゴン達も、今だけはバルタンの姿を見つけられない。
 生じる隙はたった一瞬、それでも勝敗を分けるには十分だ。
 その一瞬を取りこぼさないよう、バルタンは弾丸のように前へと突き進む。
 煙の中から飛び出したのは、呆気にとられたように口を開くスーパーカオスドラゴンの顔だ。
「――これがワタシの一撃必殺であります!」
 覚悟を決めてぶちかますのは、パイルバンカーによる強烈なカウンター!
 突っ込んできた勢いのまま、スーパーカオスドラゴンは勢いよく吹き飛ばされていき――そのまま一気に大爆発。
 ただ互いに思うままに突き進み、そしてぶつかり合って。その先に掴んだ勝利に、バルタンは改めて高らかに笑うのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

夜刀神・鏡介
流石はデビルキングワールドのラスボス。能力が理不尽な事この上ないというか……
まあ、勝ち目があるならどうにか立ち回ってみるとしよう

神刀を抜いて、陸の型【爪嵐】の構え
増え続ける相手には一気に決めるべきかもしれないが、しかしだ
敵が何百体増えた所で、一度に襲いかかってこれる数に限りがある。つまり、極端に不利になる事はない
なので、まずは落ち着いて冷静に学習していこう。どの個体を攻撃しても、同じように学習できるしな

敵からの攻撃は下手に防げば、その隙に他から攻撃されかねない
立ち回りを工夫して敵が誤射するように仕向けつつ原則は回避
敵の動きを十分に覚えたなら、捨て身で突っ込んで最大のダメージを取りにいく




 爆炎の中から立ち上がるのは、やはり無数のスーパーカオスドラゴンだ。
 着実にダメージは与えられているだろうが、それでも彼らの迫力は衰えない。圧倒的な光景を前に、夜刀神・鏡介(道を探す者・f28122)は小さく息を呑む。
「流石はデビルキングワールドのラスボス。能力が理不尽な事この上ないというか……」
 しかし、これは決して勝ち目のない戦いではない。
 相手も勝負として挑んできている以上、胸を借りるつもりで頑張ろう。
 鏡介は神刀『無仭』を鞘から引き抜き、静かに呼吸を整える。
 そして陸の型【爪嵐】の構えを取り――戦場へと躍り出た。

「コンドのアイテはオマエか! よろしくタノムぞ!」
 鏡介を出迎えるのは無数のドラゴンの視線に咆哮、それらを肌で感じればビリビリとした感覚が身体を奔る。
 けれど恐れてはいけない、目を逸してはいけない。今自分がいるのは危険な状況ではあるけれど、理不尽すぎる状況ではないのだから。
(増え続ける相手には一気に決めるべきかもしれないが、しかしだ)
 敵が無数に存在していようとも、鏡介はただ一人。
 おまけに相手は巨体を誇るドラゴンだ。一度に鏡介の元まで辿り着くドラゴンには、限りがあるだろう。
 つまり冷静になって立ち回れば、極端に不利になることはない。
 ドラゴン達は三つ首を駆使した噛みつきや突進を繰り出してきているが、物音や気配に注意していけば突撃の危険だって減らせる。
 そしてこういう時のための陸の型【爪嵐】だ。鏡介は隙を最小限に減らすように気を付けつつ、少しずつドラゴンとの立ち回りを覚えていく。
 相手の動きの癖、攻撃の予備動作、溢れる混沌の炎の流れ。相手は『完全同一存在』だからこそ、誰と戦っていても理解は進む。
 よく目を凝らし、時折刃も通して相手を学習していけば――。
「……そちらの攻撃は、もう俺に当たりはしない」
「ナニィ!?」
 鏡介は少しずつ、ドラゴン達の動きを思うようにコントロールしていく。
 その影響か仲間に攻撃してしまう個体も増えて、敵の足並みが崩れてきているようだ。
 ここまで来ればあと少し。今まで学んだ知識と経験、そして直感を活かし――。
「――ここだ!」
 鏡介は半ば捨て身気味に、突っ込んできたドラゴンへと対峙する。
 けれどこの角度、速度ならば噛みつきの直撃は回避出来る。ギリギリの所でドラゴンの頭を回避し、叩き込むのは――渾身の一閃だ!
「へへっ……見事な剣技と立ち回りだったぜ……」
 カタコトでない言葉と大爆発の音は、きっとスーパーカオスドラゴンなりの賛美だろう。
 それをしっかりと耳に入れて、爆風の熱気を頬で受け止めて。こうして鏡介は、勝利を実感するのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

九重・白亜
増殖とは面倒な奴らだな。いや、奴か!
まあいい。そんだけ数がいるなら、こっちも数で攻めるまで。

持ちうる銃器を一斉発射、乱れ撃ち!一発でも当たればそれでいい!ならべく複数体、一体につき一発ずつが理想か。
ある程度銃弾を当てられれば、そこで指定UCを発動!『風化』しろ!

一点集中なんて細やかな芸当はできませんが、これは全体攻撃。一体を削りきれないのならば、弱った複数体を作ってチャンスを作るまで。
まあ、後のことは皆様に頼ることにはなりますが……

【アドリブ絡み歓迎】




 大爆発が起ころうと、まだまだスーパーカオスドラゴンは立ち上がる。
 同時に混沌魔法が発動すれば、戦場はあっという間にスーパーカオスドラゴンまみれだ。
「増殖とは面倒な奴らだな。いや、奴か!」
 銃火器を構え戦場に躍り出つつ、そう叫ぶのは九重・白亜(今を歩む魔術師・f27782)。
 目の前で溢れる彼らが『完全同一存在』なのは驚きだが、だからこそやりようもあるというもの。
「そんだけ数がいるなら、こっちも数で攻めるまで」
 覚悟を決めて銃口を敵へと向ければ、ドラゴンもまた白亜へ視線を向ける。
 数に押し潰されるのが先か、それとも白亜の作戦が決まるのが先か。待ったなしの大勝負の始まりだ。

「アイテはたったヒトリだ、イッキにいくぞ!」
 ドラゴン達は大きな声で吼え猛りながら、戦場を進んでいく。
 彼らの口元から溢れる炎は一気に戦場を埋め尽くし、その様相を大きく変えていくだろう。
 けれど白亜は恐れずに、炎とドラゴンの間を駆け抜けていく。
 そしてチャンスを見つければ、携えたストリーマやトランジスタによる射撃を敵へとお見舞いするのも忘れない。
 その攻撃自体は的確だが――。
「そんなコウゲキじゃオレサマのウロコはツラぬけないぜェ!」
 ドラゴンの言葉通り、白亜の放った弾丸はせいぜい鱗に傷を付けるだけ。
 このまま銃撃を続けていっても、致命傷を与えるのは難しい――けれどそのことは、白亜自身がよく知っていた。
「ええ、確かにオレの攻撃は傷くらいしか与えられません。けれど……オレにとっては、これで十分なのです」
 白亜が睨むのは、ドラゴンの鱗についた小さな傷。そこを起点に発動するのは――破壊魔術だ。
「――『風化』しろ!」
「ナンダト!?」
 その声に応じるように、ドラゴン達の傷が大きな罅割れへと転じていく。
 発動した自壊の呪いもすぐに致命傷にはならないだろう。けれど白亜は多くのドラゴンに、少しずつ呪いを振りまいているのだ。
「種は明かしましたが、オレの攻撃はまだ終わっていません。一点集中なんて細やかな芸当はできませんが、削りきれないなら何度でも……!」
「オモシロイ! オレサマとオマエのコンクラベだな!」
「そうですね……勝負です!」
 魔術師の少年と、混沌のドラゴン。双方ともに勝負はこれからで、弾丸と炎はまだまだぶつかり合うだろう。
 けれど最後には――この戦場にはきっと、ドラゴン達の爆炎をバックに安堵の息を吐く白亜が立っているはずだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

紡刈・縫助
連れ:カーム/f18648
多っっ!? ひぃ、圧倒的強者オーラ! 怖い!
っや~、一体倒せばいいっつったって、全部強いんしょ?
どーしよカーム! なんかいい案あるっすか!?

おじさんじゃなくってお兄さんだから!
どーしてカームは聞いてくんねーんすかあ!

ふんふん? あーなるほど、ぎっしり同一人物ーってことは
ずーっと傍にいるってことになんのか
すげーじゃんすか、カーム! さっすがー!

っし、なら逃げ回るのは俺に任せるっすよ!
同能力の大量分身ってんなら俺だってできる!
同一人物じゃないんで、いったい倒されて全滅ってのもねえっすし!

よぉーっし、分身860体!
ギリギリまでカームを守り通すっすよー!


カーマルカ・メイ
一緒に来た:縫助おじさん/f17182
性格はあれだけど、本当に強いのが肌でわかる
すごく怖い、逃げ出したいくらい……!

……ちょっと
うるさいよ、おじさん!
僕の十倍よりずーっと長く生きてるくせに、何言ってるのさ
あーもー、じぶんより慌ててる人見ると落ち着くよね

この人たち、みんな同じ存在なんでしょ?
だったら、僕が一人に癒えない傷をつける
走り回っても、みんな同じなら傷は広がり続けるから
あとはひたすら逃げ回ればいける、と思う、けど

……うん、わかった
信じるよ、おじさん!




 大爆発の中から、スーパーカオスドラゴンは再び姿を現す。
 そしてぽこぽこ数を増やして、ゲヒャ〜ッヒャッヒャ。笑い声はいかにも悪党といった感じだが、やっぱり迫力は凄まじい。
「性格はあれだけど、本当に強いのが肌でわかるね。すごく怖い、逃げ出したいくらい……!」
 思わず身を震わせつつ、そう呟くのはカーマルカ・メイ(純粋な混血・f18648)だ。
 金の瞳には確かに恐怖の色が滲み、身体にも緊張が走っている。果たしてこれで満足に戦えるか――そう心配していた、のだが。
「多っっ!? ひぃ、圧倒的強者オーラ!  怖い、怖いよ!!」
 隣で騒ぐ声がカーマルカを現実へと引き戻す。
 その声の主は紡刈・縫助(千変万化の陽キャ狐神・f17182)、一緒にここまでやって来た猟兵だ。
「っや~、一体倒せばいいっつったって、全部強いんしょ? どーしよカーム、なんかいい案あるっすか!?」
「ちょっと。うるさいよ、おじさん!」
「おじさんじゃなくってお兄さんだから! どーしてカームは聞いてくんねーんすかあ!」
 思わずカーマルカの肩を掴み、ゆさゆさ揺する縫助。よく見ると彼の目にはじんわり涙が滲み、なんともいえない表情になっていた。
 揺さぶる手はどうにか制止し、大きく溜息を吐くカーマルカ。けれど不思議と、彼の表情から恐怖の色は抜け落ちていた。
「……僕の十倍よりずーっと長く生きてるくせに、何言ってるのさ」
「だって……どう見ても見た目はおじさんではないっすよ……」
「あーもー……でも、おかげで少し落ち着いたよ」
 こういう時、自分より慌てている人を見れば気持ちも落ち着くものだ。
 そうすれば自然と頭も動き出す。何かを考え出したカーマルカを見遣り、縫助は小さく首を傾げる。
「カーム、なんかいい案あるっすか?」
「んー……この人たち、みんな同じ存在なんでしょ? だったら僕が一人に癒えない傷をつければ、それが広がり続けると思うんだ」
 最終的にダメージも共有されて皆爆発するのなら、一人が倒れるまで待てばいい。
 相手は強大な存在だが、無敵の存在ではないのだ。
「あとはひたすら逃げ回ればいける、と思う、けど」
「あーなるほど、ぎっしり同一人物ーってことは、ずーっと傍にいるってことになんのか」
 一人でこなすのは難しい作戦ではあるけれど、二人で協力すれば活路だって見いだせるはず。
 縫助は思わずカーマルカの肩を抱き、にこにこと笑みを浮かべていた。
「すげーじゃんすか、カーム! さっすがー!」
「ちょっと、子どもじゃないんだから……でも、この作戦なら出来そうだね」
 カーマルカも縫助を押しのけつつ、けれど顔には笑みを浮かべる。
 おじさんならば、ボクらが逃げ回る手段を用意出来る。そう信じているから。
「っし、なら逃げ回るのは俺に任せるっすよ! 同能力の大量分身ってんなら俺だってできる!」
 その信頼を示すかのように、縫助が発動するのは――どっさり狐の大行進!
 仲間いっぱい全部オレ、縫助の分身が大量に姿を現しカーマルカを守るように立ち回る。
「へっへっへ、こっちは『完全同一存在』じゃないから誰かやられてもおかまいなしっす。それじゃあカーム、行くっすよ!」
「……うん、わかった。信じるよ、おじさん!」
「だからお兄さんだってばーっ!」
 わいわいがやがや騒ぎつつ、二人の気持ちは真剣だ。
 鬼ごっこ始まりの合図は、カーマルカが手近なドラゴンへ叩きつけた鞭の音。
 深々と傷が刻まれたのを確認すれば――あとはひたすら逃げるだけ!

 ドラゴン達はガチガチ牙を鳴らしたり、炎を吹いたりと大暴れ。
 勿論彼らも「カーマルカを倒す」ことで鬼ごっこが終わることを知っている。
 だからカーマルカは――いっぱいの縫助に囲まれながら、ひたすら荒野を走り抜けた。
「う、あれだけのドラゴンが一斉に追いかけてくる……なんていうか、凄い光景だね……!」
「そうっすね、けど……俺がついてるっす!」
 噛みつき攻撃ならば、分身を一体差し出せば簡単に止められる。
 迫る炎だって、数体の分身で壁をつくればどうにか回避出来るだろう。
 だからといって防戦一方でいる訳ではない。縫助達は時に化けつつ、術を発動しつつドラゴンの進行を阻んでいく。
「ゲヒャ〜ッヒャッヒャ! タイムリミットまであとチョットだ! キアイいれてイクゾ!」
 ドラゴンにつけられた傷も大きく開き、彼の命を着実に奪っていっている。
 けれど縫助の分身だって凄い速度で削られて、残り数人。果たして勝負の行く末は――。

「……大丈夫、おじさん。ボクは最後まで走れるよ」
「だからおじさんじゃないって……でも、そう言ってくれるのは頼もしいっす。頑張るっすよ!」
 最後の分身が消滅させられたのを確認し、猟兵達は足にぐっと力を入れる。
 そんな二人目指してドラゴンは勢いよく迫るが。
「――アッ」
 それよりも早く、爆発が荒野を覆い尽くした。ドラゴンの傷が致命的なものとなり、完全に倒し切ることが出来たのだろう。
 その爆風を背中で受け止めつつ、猟兵達はその場に座り込む。
「や、やった……間に合ったっす……!」
「本当によかった……ありがとう。おかげでどうにかなったよ……!」
「こちらこそ。お疲れ様っす!」
 最後に二人で拳を合わせて。縫助とカーマルカは笑顔で勝利を分かち合うのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アルテミシア・アガメムノン
辺り一面のスーパーカオスドラゴンさん。壮観ですわねえ……
こういうのはお約束では核をみつけてそれを叩く!
ですけれど律儀なカオスさんは全部本物で一体でも倒せばOKなのですよね。
うーん、流石です。

『黄金の暴嵐』で戦場全体に神雷と暴風を吹き荒ばせます。
ダメージは甚大でしょうが、本命は『行動不能』。
もちろん、一時的でしょうが、一時的で十分です!
万物を断つ『クロノスの大鎌』を渾身の力で振るい、手近なカオスさんを斬り裂きましょう!




 爆発の中から、まだまだ立ち上がるぞスーパーカオスドラゴン。
 そしてぽこぽこ増える彼らを見遣り、アルテミシア・アガメムノン(黄金の女帝・f31382)は思わず目を細める。
「壮観ですわねえ……」
 あの手の相手なら「核となる本物がいてそいつを叩けばオッケー!」なんてのがお約束だが、スーパーカオスドラゴンの場合は分身全てが『完全同一存在』だ。
 その律儀さに、デビキンの国を統治する者として感じたのは感銘だ。
「うーん、流石です。これは負けていられませんわね」
「おお、キサマはこのセカイの猟兵だな! よーし、ゼンリョクでこい!」
 気合を入れるアルテミシアに応じるように、ドラゴン達もからから笑う。
 それだけで身体がびりびり震えるくらいの声量と気迫だが、怖気づいれはいられない。
「それでは……参ります!」
 アルテミシアはクロノスの大鎌を携えつつ、空高く飛び上がる。
 眼下には無数のスーパーカオスドラゴンが蠢き、こちらの着地を待ち侘びている。
 これだけの相手と一斉に戦うのは無謀なように思えるが――勝機はすでに掴んでいた。

「――逆らう存在すべてに終焉を」
 アルテミシアは手のひらを下方に向け、静かに言葉を紡ぐ。
 次の瞬間溢れ出たのは黄金の神雷と滅びの暴風。それらはドラゴン達の炎とぶつかり合い、戦場に混沌を招き入れる。
 ――そう、戦場。アルテミシアが放った攻撃は、戦場全土に影響を及ぼす。
 敵がどれだけ多くても、戦場全てをまとめて攻撃出来るのなら取りこぼしは存在しない。
 ドラゴン達も黄金の嵐に巻き込まれ、凄まじいダメージを受けているようだ。
 けれどこれだけでは致命傷に至らない。そのことはアルテミシアもよく理解している。
 だからこそ狙っていたのは――。
「……今ですわね!」
 黄金の神雷が一際大きく駆け回り、ドラゴン達の動きを止めた瞬間。
 それを見計らい地上へ戻り、アルテミシアは手近なドラゴンを鋭く睨む。
「わたくしの力では、貴方達の動きは一時的にしか止められません。けれど――それで十分です!」
 そのまま弾丸のような勢いで飛び出し、クロノスの大鎌を一閃。
 既にダメージを受けていた場所目掛けて放たれた一撃は、見事にドラゴンの三つ首を断つ。
 それと同時に巻き起こるのは、凄まじい大爆発だ。アルテミシアは急いで空まで逃げて、下方で起こる爆風を眺めていた。
「よくやったぜ……あんた、ナイスだ……!」
「褒めていただき光栄ですわ。こちらも良い勉強になりました」
 聞こえてきたドラゴンの賛美には笑顔を返して。
 こうしてアルテミシアは、無事に混沌の戦いを制するのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

スキアファール・イリャルギ
カオスだ……
あなたがオブリビオンじゃなくてよかったです本当に、ハイ
いざ尋常に勝負です東のラスボスさん
……名前長いので超混沌竜さんとお呼びしてもいいですか?

数には数で対抗です、UC発動!
この影手はどんな属性でも呑み込むものです
どんなに属性を変わっても無駄ですよ
多少は傷を負うでしょうが、これで身を護りつつ……
近場にいる超混沌竜さんを狙いますか

大量の影手に紛れるように、存在感をがっつり消して目立たないようにする
数は多けれど視界の共有はしてない……ですよね、多分
ありったけの呪詛をのせた霊障と炎(属性攻撃)を
超混沌竜さんの横から不意打ちで全力ぶちかます!
爆発も影手で護りましょう
うーむ、見事な爆発だ……




「ゲヒャ〜ッヒャッヒャ! 猟兵スゲーな、まだまだタノシめそうだ!」
 果たして何度目だろうか、爆炎の中からスーパーカオスドラゴンが姿を現す。
 あの再生力も凄まじいし爆発も凄まじい。何よりガッツが凄まじい。
 目の前で繰り広げられる光景に、スキアファール・イリャルギ(抹月批風・f23882)も思わず目を丸くしていた、
「カオスだ……あなたがオブリビオンじゃなくてよかったです本当に、ハイ」
「そういってモラエルとウレシイぜェ。それじゃ、ショウブといこうか!」
 驚くスキアファールにからから笑うを零しつつ、ドラゴンさんは臨戦態勢。
 ならばこちらも気を取り直し、真剣勝負に――けれどその前に、一つ懸念材料を解決しよう。
「いざ尋常に勝負です東のラスボスさん……名前長いので超混沌竜さんとお呼びしてもいいですか?」
「カマワねぇぜ!」
 即OKだった。それでは改めて、勝負に挑もう!

 超混沌竜達は炎を吹き荒れさせながら、スキアファールの元へと向かっているようだ。
 ならばこちらは――。
「数には数で対抗です、沈んでゆけ――!」
 ふわり、スキアファールの周囲に咲くのは朱殷の蓮華と痩せぎすの影手達。
 その光景は少しずつスキアファールを包み込み、更に迫る炎も飲み込んでいく。
「ナニッ!? オレサマのホノオが!」
「この影手はどんな属性でも呑み込むものです。あなたが混沌であろうと、全て呑み込みます」
 虹色の光だって、影が差せば消えてしまうだろう。
 スキアファールの生み出した影手が輝く炎を飲み込んでいけば、これで暫くは安全だ。
 けれどドラゴンと直接対峙したのなら、影手だけでは対抗出来ないだろう。
 だからこそスキアファールは影の中を紛れるように駆け抜けて――超混沌竜の元を目指す。
(数は多けれど視界の共有はしてない……ですよね、多分)
 ドラゴン達がきょろきょろと周囲を探している様子から、予想はきっと当たっているだろう。
 ならば後は、少し集団から孤立している相手を見つけ――。
「……失礼します!」
 横っ面をぶん殴るように、ありったけの呪詛と炎をぶつけてやればいい。
 その勢いで超混沌竜が吹き飛ばされていくのを確認し、スキアファールは急いで影手を自分の周囲へ引き寄せる。
 一刻遅れて生じたのは――とんでもない大爆発だ。勝利の喜びより先に、なんというか、思わず感心してしまう。
「うーむ、見事な爆発だ……」
 これもきっと、この世界での戦いでなければ見ることが出来なかった光景だ。
 貴重な経験の思い出を胸に仕舞いつつ、スキアファールはじわじわ響く勝利の余韻を味わうのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ロバート・ブレイズ
混沌(カオス)――!
貴様が混沌(カオス)で在るならば、嗚呼、俺も相応の埒外(カオス)で迎えねばならない
奴が無尽蔵で在り、混沌(ま)ざり続けるので有れば栞(いと)を挟むのが好ましい。最も『近い』個体に対して『いと』をつける。一種のマーキング、動けば糸が『引かれる』ワケだ
情報収集を行い『三つの頭』のクセを記憶しておく。連続噛みつきを躱す為の拵えだ
他個体の攻撃が飛んでくる場合は『糸付き』の個体を盾とする。さて――本番は此処からよ。俺の超克(オーバーロード)を魅せる時――!
全盛期(若い頃)――それは俺が最も素早く、詠唱が得意だった時

闇堕ち――毒(ペナルティ)を受け入れ、短期決着を心掛ける。鉄塊剣(立ち去れ)を盾とし拳(トラウマ)でぶん殴る
これが『何』か解るか?
恐怖を与える

悪魔(ラスボス)よ――我こそが這い寄る混沌――なれば!




 戦場は度重なる爆発で荒みきり、立ち上がったスーパーカオスドラゴンの気力もあと僅か。
 その状態でもゲヒャゲヒャ笑い、威厳を保っているのは東のラスボス故だろうか。
「混沌(カオス)――! 成程、これがこの世界の混沌か」
 くつくつ笑いを零しつつ、戦場に足を踏み入れたのはロバート・ブレイズ(冒涜王・f00135)だ。
 彼にとって、きっと目の前の光景は望ましいものなのだろう。
「貴様が混沌(カオス)で在るならば、嗚呼、俺も相応の埒外(カオス)で迎えねばならない」
「へぇ、リクツはなかなかムズカシそうだが……やるキがあるってんならウレシイぜ」
 冒涜の王と混沌の竜。二人は笑みを向け合い、そしてぶつかり合う。
 迫るのは無数のドラゴンだが、倒すべきはたった一体。こういう相手には――。
「……栞(いと)を挟むのが好ましいな」
 ゆらり、ロバートが垂らすのは銀糸の栞。きらきら煌めく蜘蛛の糸はしゅるりと伸びて、迫るドラゴンの一体の首に纏わり付いた。
 更に糸の反対側を自分の身体に結びつければ、相手の動きも観測出来る。
「おいおい、こんなちっぽけなイトで……」
 思わぬ道具に言葉を紡ごうとしたドラゴンが、ぴたりと動きを止める。
 こんなちっぽけな糸なのに、炎で焼こうが振り回そうが外れる気配がないのだ。
「言っただろう。栞を挟んだのだと」
「マーキングはされちまったか……ま、いいゼェ。サキにオマエをタオセばいいだけだ!」
 ドラゴン達は気を取り直し、牙を剥き出しにしつつロバートへ迫る。
 その動きは不規則で、そして混沌としている。だからこそロバートは相手から逃げることを選ばず、近くで観測を続けることを選んだ。
 大丈夫。混沌を、深淵を覗き見ることも、そこから何かを掴み取ることだって慣れている。
 時に迫るドラゴン達を盾にし、時に敢えて攻撃を受け止めつつ、少しずつ傷は増えてきているが、十分に情報は集まった。
 その瞬間を見定めて――ロバートは高らかに笑う。
「――本番は此処からよ」
 一歩、前へと踏み出して。その瞬間、ロバートの姿は老成した姿から青年のものへと変わる。
 超克、オーバーロード。真の姿を解放すれば、ここからは反撃の時だ。

「愉悦。恍惚。冒涜。至極――憶する事在らず、総てに大いなる否を宣告せよ」
 青年は敢えて毒を宿しつつ、それによって強化された身体で突き進む。
 長期戦は不利だ、決めるのなら短期決戦で。糸をつけた個体を睨み、ロバートは鉄塊剣をしっかりと構える。
 ドラゴンも負けじと炎をぶつけてくるが、その手の相手には鉄塊剣が役立つだろう。地獄の炎すら弾く鉄塊は、混沌の炎も跳ね除け身を守ってくれた。
「チッ、ヤッカイな……」
 ドラゴンも生半可な回避は諦めたのか、身構える姿勢を取ったようだ。
 それなら齎すべきは――ただ一つ。
 ロバートはTru'nembraを握りしめ、その拳をドラゴンの胴へと叩き込む。
 轟音、衝撃。それらがドラゴンの身を蝕むが、何かがおかしい。もっと強い何かが身体を――。
「……これが『何』か解るか?」
「これ、は……」
 じくじくと、何かが蝕まれる感覚がある。
 身体を苛む痛みよりも強く、腐るように痛むのは――心?
 混沌を操るドラゴンはより大きな波に飲まれ、思わず大きく吼えたける。
 その様子を見遣りつつ、ロバートは更に強く拳を捩じ込んだ。
「悪魔(ラスボス)よ――我こそが這い寄る混沌――なれば!」
 響く声とロバートの表情を見遣り、スーパーカオスドラゴンは理解する。
 混沌よりも深い混沌、或いはもっと悍ましい何か。それがこの世界には存在しているのだと。
 最後にドラゴンは諦めたような笑顔を浮かべ、その身を爆ぜさせていく。
 周りのドラゴンも爆炎へと変わっていけば、最後に立つのはロバート一人。
 しゅるりと糸を回収し、戦場から立ち去れば――最後に残ったのは、一際大きな混沌(カオス)の跡だった。


 こうしてスーパーカオスドラゴンは負けを認め、爆ぜていった。
 戦争も大きく進み、残るは召喚魔王やガチデビルとの戦いだろうか。
 その行く末は、未だ混沌の中にある。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年05月11日


挿絵イラスト