7thKING WAR⑳〜100四天王ATTACK
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「お〜っほっほっほっ! 四天王の皆様、いよいよ猟兵達がやって来ますわ!」
デビルキングワールドのどこかで、高らかな笑い声が響く。それに合わせて現れるのは、100人もの強力な悪魔だ。
彼らは自身を呼びつけた主、アイスエイジクイーンを見上げつつ静かに話の続きを待っている。
「わたくし達と皆様で猟兵に勝利し、悪魔王遊戯を制しましょう!」
「へっへっへ……任せて下さいよ、この『腕相撲無敗』の手にかかれば猟兵なんぞ一捻りですぜ!」
「君の出る幕じゃないよ。この『お料理コンテスト荒らし』が猟兵を美味しく調理しちゃうからね」
「クククッ、愚かな……『リンゴでうさちゃん作るのが誰よりも速い』が先に猟兵を可愛くカットしてやろう……」
多種多様な四天王さん達、ボスを前にして四天王しぐさを隠せない。
彼らの様子を見るに、なんだか一人ずつかかってきそうだぞ。
それはそれとして、アイスエイジクイーンもいるのだけれど。
「皆様やる気十分で嬉しいですわ! それでは挑みましょう……我々の戦いへ! お〜っほっほっほっ!」
なんだかんだで彼女も楽しそうだしOKだろう。
空気は混沌としているが、今から始まるのは世界の命運を決める決戦の一つ。
きっと苛烈な戦いが、今ここに始まる――!
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「来てくれて助かるぞ。西のラスボスであるアイスエイジクイーンへの道が切り開かれたから、早速彼女と戦いに行こう!」
臥龍岡・群青(狂瀾怒濤・f30803)はニヤリと笑みを浮かべつつ、猟兵達を出迎える。
「彼女を倒せば猟兵側が7thKINGの暫定候補者となり、今月いっぱいはガチデビルが即位することを防ぐことが出来るようだ。ガチデビルとの戦いにも影響するとなれば、ここで一つ腕試しするのも悪くないだろう?」
アイスエイジクイーンはオブリビオンではなく、純粋なこの世界出身のラスボスだ。倒すべき敵というより競い合うライバルといった関係の相手ではあるが、オブリビオンの計画に影響を与えられるなら戦う意義はあるだろう。
「しかしアイスエイジクイーンは流石のラスボス、なんと100人もの四天王を従えているのだ」
なんだかおかしな言葉が飛び出したが、群青は構わず話を続ける。
「彼女と戦うためには、まずこの100人の四天王を越えなければならない。けれど相手はなんというか、四天王しぐさに拘るあまりになんとなく単騎ずつで挑んでくるらしくてな。つまり一人の猟兵が対象すべきなのは、四天王一人とアイスエイジクイーンという訳だ」
四天王しぐさというのは「ヤツは四天王最弱の男……」とか「クク、ヤツがやられたようだな……」とか「俺一人であいつを殺っていいんだよね?」とか、そういうアレだ。
つまり個性豊かな100人の四天王が一人ずつ挑んでくる、と理解していれば問題ないだろう。
「四天王の対処も考えなければならないが、アイスエイジクイーン自体も強力だ。彼女は氷の自動鎧『絶晶』を自在に繰りつつ戦いに挑んでくるだろう。場合によってはこちらの対処を優先した方がいいかもしれんな」
先制攻撃こそ行われないが、アイスエイジクイーンも無計画に挑んで勝てるような相手ではない。
絶晶の変形、もう一つの自動鎧の召喚、あるいは強力な氷結魔法。
相手が繰り出す能力も強力なものばかり。覚悟して戦いに赴くしかないようだ。
「そろそろ出発の時間だな。今回の相手はオブリビオンではないとはいえ、強靭な相手だ。全力で戦い勝ってくるのだぞ!」
群青は改めて笑顔を浮かべ、猟兵達を送り出す。
待ち受けるのは百人の四天王と、一人の氷河期の女王だ。
ささかまかまだ
こんにちは、ささかまかまだです。
多趣味なヤツらに得意技で挑みましょう。
このシナリオは『やや難』です。
●プレイングボーナス
四天王しぐさを利用する/絶晶に対処する。
個性的な四天王達は四天王しぐさを押さえられないせいで、一人ずつ挑んできます。
それぞれ得意なことが違うようなので「こういうのが得意そうな四天王にこういう風に勝負を挑むぜ!」とかやっちゃいましょう。
素直にぶん殴ってもいいです。
また、アイスエイジクイーンは纏った自動鎧『絶晶』を操りつつ攻撃してきます。
こちらにもうまく対処できるといいでしょう。
●『アイスエイジクイーン』
7thKINGの候補が一人、西のラスボス(オブリビオンではない)です。
先制攻撃こそ行いませんが、とても強いです。
頑張って戦いましょう。
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オープニングが出た時点でプレイングを受付開始します。
シナリオの進行状況などに関しては戦争の詳細ページ、マスターページ等も適宜確認していただければと思います。
また、プレイングの集まり次第で不採用が出てしまうかもしれません。ご了承下さい。
それでは今回もよろしくお願いいたします。
第1章 ボス戦
『西のラスボス『アイスエイジクイーン』軍』
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POW : 絶晶融解体
自身の【氷の自動鎧「絶晶(ぜっしょう)」】を【融解変形モード】に変形する。攻撃力・攻撃回数・射程・装甲・移動力のうち、ひとつを5倍、ひとつを半分にする。
SPD : 絶極双晶舞
【もう1つの自動鎧「極晶(きょくしょう)」】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
WIZ : 超絶凍結刃
【氷の自動鎧「絶晶」の凍結魔力】を込めた武器で対象を貫く。対象が何らかの強化を得ていた場合、追加で【超凍結】の状態異常を与える。
イラスト:屮方
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
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広い戦場に溢れるのは、多種多様な四天王達。
彼らは猟兵達の到来を、虎視眈々と待ち受けている。
「フン、猟兵など私一人の力で潰せる……我が徒手空拳にてお相手しよう」
「この前ボクと折り紙対決で負けたのにネ? キミより先に猟兵を倒してやるヨ!」
四天王さん達、やっぱり四天王しぐさを押さえられない。
そんな彼らの様子を見守りながら、最後尾で笑うのは『絶晶』に乗り込んだアイスエイジクイーンだ。
「皆様張り切っていらっしゃいますわね! わたくしも嬉しいですわ! お〜っほっほっほっ!」
――状況はカオスだが彼らの実力は本物だ。
心して勝負に挑もう!
黒城・魅夜
ふふ、なかなか楽しめそうです
では「あやとり対決」の四天王さん、勝負と参りましょう
ロープワークと早業を使い様々な技を披露
ふふ、やりますね
けれど……あなたの紐が切れてしまってはもう勝負の続行は不可能
私の勝ちです
超高速のあやとりによる衝撃波を発生させ
あなたの紐を切断させてもらったのですよ
衝撃波禁止のルールなどありませんでしたよね、ふふ
ではあなたの番です、クイーン
自動鎧は確かに強力でしょうが同時に非生命体
ならば私の敵ではありません
UCを発動し逆に自動鎧を侵食
クイーンを襲わせましょう
間合いに入れば時空も物理法則も因果律もすべて我が意のまま
あなたの攻撃はことごとく
あなた自身を襲い叩きのめすでしょう
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多くの強者がひしめく戦場を見下ろしつつ、黒城・魅夜(悪夢の滴・f03522)が浮かべていたのは優雅な笑みだ。
「ふふ、なかなか楽しめそうです」
今日の戦いは命の取り合いではない、けれど真剣な勝負。
氷河期の女王に立ち向かうため、まずは四天王を一人倒さなくては。魅夜は戦場に舞い降りると同時に、一人の四天王をビシッと指差す。
「あなたは……『あやとり対決』の四天王ですね? 勝負と参りましょう」
「ほう、俺にあやとりで勝負を挑むとは……恐れ知らずの女よ、来い!」
大きな足音を立てて歩み出たのは、あやとりを構える大柄な悪魔。
魅夜も持参した紐を構え、相対する敵と睨み合う。
「一定時間内にどれだけ多くの技を決められるか競い合いましょうか……いざ、勝負!」
掛け声と同時に、二人が繰り出したのは華麗なあやとりテクニックだ。
その動きは超高速ながら、ばっちり技が決まる度に他の四天王が歓声を上げる。
「なかなかやるな、女……!」
「ふふ、そちらこそやりますね。けれど……自分の手元を見てみては?」
魅夜に促され手元を確認した瞬間、四天王が浮かべたのは驚愕の表情だった。
なんと――彼の手元の糸が切れているのだ。
「超高速のあやとりにより衝撃波を発生させ、あなたの紐を切断させてもらったのですよ。これを禁止するルールはありませんでしたよね、ふふ」
「その圧倒的なワルさ……参った! 女王の元へと進むが良い!」
敗北を認め、頭を垂れる四天王。彼の横を通り過ぎ、次に魅夜が相対するのは――巨大な氷河期の女王だ。
「ではあなたの番です、クイーン」
「お~っほっほっほ! あなたほどのワルが相手なら、こちらも相応の手段で行かせて頂きますわ!」
女王は魅夜が臨戦態勢を取るや否や、もう一つの自動鎧『極晶』を呼び寄せる。
二体の自動鎧を相手取るとなると、なかなか厄介な戦いになりそうだ。けれど魅夜は決して焦らず、静かに呼吸を整える。
「――森羅万象我が意のままにひれ伏さん、悪夢の名のもとに滅びゆけ」
詠唱が終わった瞬間、魅夜の身体は真の姿へと変身していく。同時に自動鎧達が大きく震えたかと思えば――女王目掛けて攻撃し始めたのだ。
「なんですって!?」
「今の私は万物事象と非生命体を侵食する存在です。そして時空も物理法則も因果律もすべて我が意のまま……自動鎧で戦うことを選択した時点で、あなたの負けなのですよ」
魅夜の言う通り、女王がいくら抵抗しようとも自動鎧は魅夜の手の内にある。
四天王を突破出来た時点で、勝敗は既に決していたようなものなのだ。
「このような猟兵もいるのですね……この敗北は、勉強料として受け取っておきますわ……!」
「こちらこそ。女王様と戦えて光栄でした」
勝負の結果は圧倒的ながら、二人の女の間に後腐れなどは微塵もない。
戦いの様子を見守っていた四天王達からも、魅夜を称える拍手が鳴り響くのだった。
大成功
🔵🔵🔵
プリ・ミョート
ふははは! この程度の群がる四天王など、この魔王国四天王が筆頭(同率一位)プリチャンの前には有象無象同然! 三分でこのビルを平らにして見せようか、だべ!
おっと由緒正しい……正しい?! 四天王仕草で張り合っちまったべ。堪忍な。
では見せるべおらの真の姿ををを!
この姿を見て生きて帰ったやつは23人しかいねえ! 理性を失った姿の一撃を喰らうがいいべさ!
……あんまり味方に迷惑かけちゃいけねえから適当に雑魚四天王を散らした後、時々布をかぶって様子をうかがうべ。悪魔たるもの、公序良俗を守った悪事をな、きひひひ!
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「『あやとり対決』がやられたか……」
「クク、あいつは四天王最弱の面汚しよ……女王様も一敗したが……」
猟兵達との戦いが始まり、アイスエイジクイーンに従う四天王達は四天王しぐさの真っ最中。
そんな彼らの前に現れたのは、ブギーモンスターの四天王な猟兵プリ・ミョート(怪物着取り・f31555)だ。
「ふははは! 戦いが始まったというのに、あんた達は腑抜けているべ!」
「むむ、何奴!?」
「この程度の群がる四天王など、この魔王国四天王が筆頭(同率一位)プリチャンの前には有象無象同然! 三分でこのビルを平らにして見せようか、だべ!」
ばさぁっと知恵の布を翻しつつ、プリチャン参上。
彼女のその圧倒的な存在感と四天王パワーに、女王に従う99人の四天王達はざわざわざわめく。
けれどそんな彼らの様子を見遣り、はっとするプリ。あれ、なんか相手のペースに飲まれてない?
「おっと由緒正しい……正しい?! 四天王仕草で張り合っちまったべ。いやいや、堪忍な」
「いいやこちらこそ。君の四天王力、なかなかのものだぜ……!」
ぺこりと頭を下げるプリに、四天王達もぺこり。
いい感じに仕切り直せたところで、いざ勝負の始まりだ!
「という訳で、見せるべおらの真の姿ををを!」
先程まで華麗にひらひらさせていた知恵の布を脱ぎ捨てて、プリチャン変身。
そこに姿を現したのは――巨大でおぞましき異形の鹿だ!
「この姿を見て生きて帰ったやつは23人しかいねえ! 理性を失った姿の一撃を喰らうがいいべさ!」
「あれ、思ったよりガチバトル? も、ものどもかかれーっ」
先程までの愉快な雰囲気は速攻で退場し、始まったのは凄まじいバトルだ。
怪物と化したプリは肉の槍を振り回し、迫る四天王達をひたすら千切っては投げる! 千切っては投げる!
四天王の中にはバトルに特化した者もいるが、なんというか趣味系の技能に特化している者も多い。
そういう奴等は肉壁にはなるだろうが、理性なきプリチャンにはあっという間に吹き飛ばされてしまうだろう。
けれど敵を全て蹴散らしてはいけない。他の猟兵も四天王とバトルするだろうし、ほどほどの所で終わらせよう。
ある程度の四天王が吹き飛ばされたのを確認し、プリはいそいそと知恵の布を被り直す。
「悪魔たるもの、公序良俗を守った悪事をな、きひひひ!」
そそくさと物陰に隠れ、プリは残りの戦いを見守る姿勢を取る。
大丈夫、この戦場にいる人たちはみんな強い。楽しく後腐れのないバトルを繰り広げてくれるはず。
故郷らしい楽しい雰囲気を感じつつ、プリは暫しの観戦タイムを楽しむのだった。
大成功
🔵🔵🔵
鐘射寺・大殺
アイスエイジクイーンといえば、あの西の強豪悪魔だの。そんな有名人まで参戦してくるとは、面白くなってきたのう!
貴様が四天王の一人か。(縦ロールの女悪魔が現れる)…なに、我輩にテニスで対決を挑むだと?フハハ、望むところだ!これでも学園ではテニス部のエース。大会では「テニスの魔王子」と呼ばれ恐れられた我輩よ。剣術の応用で《切り込み》、《なぎ払い》で激しいラリーの応酬を。ふっ…貴様もなかなかの腕前よの!よし、この調子でアイスエイジクイーンも撃破するぞ。神竜とオメガを振りかざし、軍勢を鼓舞して突撃だ!【炎の魔王軍】よ、火炎の攻撃魔法で我輩を援護せよ!
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頬を掠める氷河期の冷気と四天王(結構数が減った)の熱気。それらをしっかりと受け取りつつ、鐘射寺・大殺(砕魂の魔王・f36145)は息を呑む。
「アイスエイジクイーンといえば、あの西の強豪悪魔だの。そんな有名人まで参戦してくるとは、面白くなってきたのう!」
あの有名人と戦えるとは――ワクワクが抑えきれないといった表情で、大殺は元気いっぱい前へと進む。
そんな彼の行く手を塞いだのは、金髪縦ロールとすらりとした肢体を持つ女悪魔だ。
「貴様が四天王の一人か」
「ええ、我が名は『テニスバラフライ夫人』……その名の通り、あなたにテニスで挑みます」
夫人はテニスラケットを構え、大殺を鋭く睨む。
けれどその視線に大殺は怖気づくことなく――むしろクク、と小さく笑みすら零していた。
「フハハ、望むところだ! これでも学園ではテニス部のエース、大会では『テニスの魔王子』と呼ばれ恐れられた我輩よ」
「なっ……そうだったのね、あなたこそが砕魂の魔王子……! 相手として不足はありません、いざ尋常に勝負!」
夫人が動くと同時に、大殺も自前のテニスラケットを構える。
そこから始まったのは――全魔界学生プロテニス大会の優勝決定戦の如き熱い戦いだった。
夫人はその名の通り、テニスの腕は誰よりも高いと自負していた。実際彼女はテニスに誰よりも打ち込み、技術を高めてきたのだから。
けれど大殺は、それよりも高いレベルに存在していた。彼はテニスの技術だけではなく、剣術も織り交ぜた凄まじい技量の持ち主だったのだ。
激しいラリーの末、最後にコートに立っていたのは――大殺だった。
「くっ……悔しいですが、負けを認めます……!」
「良い勝負だった。次は世界大会で会おう!」
爽やかに別れを告げて、大殺はそのまま女王の元へ。さあ、次の戦いの始まりだ。
「テニス、素晴らしかったですわ! けれどわたくしとの勝負は簡単に行きませんことよ!」
氷河期の女王は絶晶を融解変形モードへと移行させ、早速大殺を待ち構える。
大殺も負けじと名刀・神竜とオメガを構え、高らかに叫んだ。
「突撃だ、炎の魔王軍よ! 火炎の攻撃魔法で我輩を援護せよ!」
王の呼びかけに応じて現れるのは、溢れる炎のモンスター達。
大殺は彼らを鼓舞するように剣を振りかざし、共に女王の元へと突っ込んでいく。
相手は移動力を犠牲にし、激しい攻撃でこちらを振り払おうとしているようだ。
けれど先程のテニスの試合で大殺達の勢いだって増している。炎のモンスターが壁を作り、猛攻から王を守る道を作り上げ、そして――。
「ひれ伏せ、フハハハ!!」
大殺は用意された道を駆け抜け、一気に女王を切り払う!
その斬撃は強固な氷の鎧に深々と傷を刻み、大地へと膝をつかせる。
悔しげに、けれど不思議と満足そうにこちらを見つめる女王に、大殺は高笑いを返すのだった。
大成功
🔵🔵🔵
龍巳・咲花
ダーツ勝負でござるか?
拙者、ダーツなどやったことないでござるが……ふむふむ棒手裏剣術みたいな感じでござるな!
それなら得意でござるよ!(四天王の人にルールとか色々教えてもらいながら)
お主がアイスエイジクイーン殿でござるな!
良き部下を束ねるその手腕、お見事でござるよ!
いざ尋常に勝負でござる!
そちらが氷ならば拙者らは炎でござるよ!(呼び出すのは二体の炎竜ムシュマフの首)
火炎放射を攻撃の主軸と見せかけ、着実に相手の絶晶と極晶の関節部にクナイや手裏剣を射込んでいくでござる!
いずれ負荷が掛る瞬間に僅かばかりでも隙が生まれるでござろう?
その隙ができた瞬間に間合いへと滑り込み武器を突き付け王手を取るでござる!
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どんな相手がこちらを待ち受けているのだろうか。
期待と不安を感じつつ、戦場へとやって来た龍巳・咲花(バビロニア忍者・f37117)を出迎えたのは、どこか紳士的な悪魔だった。
「お嬢さん、よければ『ダーツ名人』と勝負をして頂けませんかな?」
「ダーツ勝負でござるか? 拙者、ダーツなどやったことないでござるが……」
猟兵になるためにずっと修行していた咲花にとって、ダーツは未知の競技だ。
少し不安げな表情を浮かべる咲花に、悪魔はにこりと微笑む。
「見ればお嬢さん、忍のようですね。それなら……棒手裏剣を扱ったことはあるのでは?」
「ああ、それなら分かるでござる。あんな感じにやってみればいいのでござるな、それなら得意でござるよ!」
未知の競技でも、馴染んだものと組み合わせられるなら理解は早い。
ルールなんかも丁寧に教えてもらいつつ、咲花と悪魔は早速ダーツ勝負に挑戦していく。
「おお、初めてとは思えない技術ですな……」
「そちらこそ! 正々堂々と応じて下さってありがとうでござる!」
暫くの勝負の後、勝者となったのは咲花だ。
負けを認めた悪魔ともしっかり握手を交わし、爽やかに別れを告げて。
このまま目指すは氷河期の女王の元だ。
「お~っほっほ! 見事な勝負でしたわ、わたくしもついつい魅入ってしまいました!」
「お主がアイスエイジクイーン殿でござるな! 良き部下を束ねるその手腕、お見事でござるよ!」
楽しそうに笑う女王に、咲花が返すのも屈託のない笑みだ。
互いに尊敬し合える戦いというのも、なかなか貴重な機会だろう。ならば出し惜しみなし、全力で挑もうではないか。
「いざ尋常に勝負でござる!」
「ええ! よろしくお願いしますわ!」
戦いが始まると同時に姿を現したのは、もう一つの自動鎧『極晶』だ。
「そちらが氷ならば拙者らは炎でござるよ!」
咲花もまた巨大な炎竜ムシュマフの首を二つ呼び出し、彼らの荒れ狂う炎と共に戦いへと挑む。
巨大なもの同士の派手なぶつかり合いともなれば、戦況もまた過酷なものになるだろう。
実際アイスエイズクイーンも、ムシュマフへの対処を重点的に行っている様子。けれどこういう時、勝敗を分けるのは――。
「隙有りでござる!」
氷と炎の中からするりと飛び出した咲花は、二体の自動鎧の足元目掛けて苦無を投げつける。
その攻撃は炎で弱まっていた彼らの足元に突き刺さり、その動きを大きく封じた。
そのまま相手がバランスを崩し転倒しようとした瞬間――。
「――王手でござる!」
更に勢いよく飛び込んできた咲花が、自動鎧達の胸元に深々と龍陣剣を叩き込む!
その衝撃で自動鎧達はただの氷として粉々に砕け、氷河期の女王も倒れ伏す。
「なるほど、これが忍の戦いですのね……見事でしたわ!」
「そちらこそ。手合わせ感謝でござる!」
勝者と敗者、猟兵と悪魔。双方の立場はこうあるけれど、咲花と女王の顔にはやはり後腐れのない笑みが溢れていた。
大成功
🔵🔵🔵
馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友
第二『静かなる者』霊力使いの武士
一人称:私 冷静沈着
武器:白雪林
少し氷河期魔法が気になりまして。
そして、四天王対決ですか…。陰海月が「ぼく、『裁縫によるぬいぐるみ修繕対決』したい!」と訴えるので、それで。
クイーンと『絶晶』なのですが、つまりは動いていると厄介なので。早業による【四天境地・『雪』】から水属性霊力矢を射かけましょう。
凍るにしても、時間が正常に流れないといけない…つまりは、時が止まっている場合には関係がないのです。
※
陰海月「ぷっきゅ~」
瞬間思考力からの裁縫で、縫い縫い!
今度の新作ぬいぐるみの参考にしようっと!(たまにぬいぐるみ作ってる)
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『白雪林』を携えながら、馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)もまた決戦の地へと足を運ぶ。
持参した武器を見れば分かるが、現在表に出ているのは『静かなる者』だ。
頬を掠める冷気は、恐らく氷河期の女王が発するもの。氷河期魔法の存在を間近に感じられたためか、義透の表情はどこか嬉しそうだった。
「女王の方も気になりますが、まずは四天王と戦わなければいけませんね」
「ぷきゅ!」
まかせて! といった風に飛び出したのはミズクラゲの陰海月だ。
彼の元気な鳴き声に応じて現れたのは――とても大きな悪魔である。
「ほう、そこのクラゲよ……この『ぬいぐるみ修理屋さん』に勝負を挑むか……」
「ぷっきゅ!」
「えっと、見た目に反して器用な方なのでしょうか。陰海月がやる気なら、任せた方がいいでしょうね」
義透は一歩後ろに引いて、陰海月の様子を見守る。
クラゲと悪魔のぬいぐるみ修繕対決というのはなかなかシュールだが、本人達が楽しそうならいいだろう。
「いくぞ!」
「ぷっきゅ~」
しゅばばばッ! 双方目にも留まらぬ動きで解れたぬいぐるみをささっと修理!
永遠のようで一瞬だった時間が流れ――戦いを制したのは陰海月だ!
「見事、なり……!」
「ぷっきゅーっ!」
今日の体験は陰海月にとっても良いものになっただろう。
最後にぬいぐるみ同士を握手させる陰海月と悪魔を見守った後、義透はアイスエイジクイーンの元へと向かう。
「可愛らしい対決でしたわね! 今度は絶晶のぬいぐるみを作って欲しいところですわ!」
「陰海月に伝えておきましょう。私達は……私達の勝負をしましょうか」
にこにこ笑顔ながらやる気満々の女王に、義透もゆるりと笑みを返す。
けれど二人の間に漂うのは絶対冷気、果たしてどのような結果になるだろうか。
女王は早速自動鎧を操作し、義透の元へと突っ込もうとするが――。
「凍れ、そのままに」
先に動いたのは義透の方だ。彼は卓越した技術で弓を繰り、女王目掛けて矢を射る。
放たれたのは霊力で出来た氷の矢だ。思わぬ攻撃に女王は少し驚いている様子。
「わたくしに氷で挑むつもりですの? そんな無謀な……」
「いいえ、よく見て下さい」
矢が絶晶の足元を射抜いた瞬間、ぴたりとその場で動きが止まる。
見れば矢が凍らせているのは絶晶ではなく――その周囲の時間だ。
「凍るにしても、時間が正常に流れないといけない……つまりは、時が止まっている場合には関係がないのです。そして私は、時間を凍らせることが出来る」
説明を続けつつ、きりきりと矢を構えて。狙うは女王の胸元だ。
矢を向けられているはずなのに、女王の表情に陰りは見えない。
「ふふ、そのような魔法もあるのですね。世界の広さを教えていただき、ありがとうございます」
「こちらこそ。今度はゆっくり氷河期魔法を教えて下さい」
言葉を紡ぎ終われば、響いたのは矢が飛んでいく音。
それからすぐに、義透の勝利で勝負は終わるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
ベルベナ・ラウンドディー
かくれんぼの四天王さん、私が隠れるから後ろ向いてください
…まーだだよ、まーだだよ(爆弾大量設置)
…死ね!!(着火
OK、正しき悪は実行された
…さて西の女王、金平糖でお相手願いますよ
【逃げ足・騎乗】でバイクで逃げ回りつつ【砲撃】による金平糖ショットガンの牽制攻撃
狙いは鎧の関節に挟んで可動部を阻害…も当然ですが
敵のユーベルコード、融解変形を利用するのです
融解途中に金平糖を撃ちだし、砂糖水にします
知ってます?砂糖水って凝固点が少しだけ低いんです(なかなか凍らない
貴女の術規模ではほんの一瞬
だが我々猟兵にはコンマ1秒でも馬鹿にならない間隙です
攻撃機能が切り替わるその瞬間、ユーベルコードの炎で攻撃します
●
四天王は結構数が減ってきたとはいえ、まだまだ多種多様だ。
そんな彼らの中からベルベナ・ラウンドディー(berbenah·∂・f07708)が対戦相手として選ぶのは――。
「『かくれんぼ名人』さんですね。それではまず鬼をお願いします」
「おうよ! あんたがどこにいようと見つけ出してやるぜ!」
悪魔さんは素直に後ろを向いて、いーち、にー、と数えだす。ベルベナはそんな彼の後ろに立ち、ごそごそと懐を漁り出した。
「……まーだだよ、まーだだよ」
その声と同時にばら撒かれるのは、大量の時限爆弾。
そしてカウントが終わる瞬間を見極めて、ベルベナは一気に後方へと走り出す。
「じゅーう、よーしそれじゃあ早速かくれんb」
「――死ね!!」
勝負が着くのは一瞬だった。かくれんぼの悪魔さん、あまりにも正直なんだもん。
ベルベナは爆炎をバックにしつつ、堂々と女王の元へと進んでいく。
「OK、正しき悪は実行された……さて西の女王、金平糖でお相手願いますよ」
「さ、先程の戦いは見事でしたわ……! ふふ、今度はどんな策略が待っているのでしょう。よろしくお願いしますわ!」
女王様、なんかワルを目の当たりにした感動でぷるぷる震えてる。
けれど勝負の方は真剣だ。女王は絶晶を融解変形モードへと変化させ、ベルベナ目掛けて走り出す。
「おっと、追いつかれる訳にはいきませんね」
ベルベナも宇宙バイクに乗り込みつつ、女王と暫しの追いかけっこを始めていく。
相手のスピードはかなりのものだが、冷静に行動すればすぐに潰されることはないだろう。
逃走の最中、しっかりと金平糖の弾丸を相手へと撃ち込んで。けれど生半可な攻撃では女王様は止められない。
「なかなか捕まりませんわね……それでしたらスピードアップですわ!」
どろり、絶晶の足が融けていく。恐らくより速度の早い形態へと変化するつもりだろう。
けれどこの瞬間こそがベルベナが待ち侘びていた時だ。
「――今です!」
一気に金平糖を撃ち出して、絶晶の足元へ。そのまま金平糖はとろりと融けて、絶晶の身体を砂糖水へと変えていく。
「これは……まさか!?」
女王が気付いた時にはもう遅い。砂糖水の鎧は女王の想定よりもほんの僅かに、融解変形するまでに時間がかかるのだ。
女王の驚く顔を見上げつつ、ベルベナは『∂∂∂』をしっかりと構える。
「私が作り出した隙は、貴女にとってほんの一瞬でしょう。ですが……我々猟兵にはコンマ1秒でも馬鹿にならない間隙です」
それを示すように、穂先から放つのは眩い緑色の炎だ。
溢れる炎は一気に絶晶を包み込み、その身体を溶かしていく。
ベルベナは持てる知識と道具、そして知略を使い見事に戦いを制したのだった。
大成功
🔵🔵🔵
イディエット・ブラインドネス
【アドリブ・他猟兵との連携歓迎】
わあ、個性の大渋滞
そうだなあ、わざわざ色々変えるのも面倒だし属性合わせちゃおうか。
さあきたまえよ、『氷』の四天王さん。
最近何かと氷属性はかませ扱いされるけどそうじゃない所見せてね。
いやまあ、こっちはもろに弱点属性使わせてもらうんだけど。UC発動。
おらー。溶けて柔らかくなったところを【怪力】で砕くよ。
それじゃあ、あなたの番だねクイーン。
旧支配者たる生ける炎とあなたの氷どちらが上か、勝負と行こうじゃないか。
自身の眼球を見せ【マヒ攻撃】【精神攻撃】【恐怖を与える】で敵をできるだけ妨害
さあ、燃やせ。燃やし尽くせ!塵も残すな!あはははハハハハハ!!!!!
●
まだまだわらわら四天王。デビルキングワールドにおいて四人以上の四天王なんてのはしばしば見られるものだが、流石にこれだけの規模は珍しい。
「わあ、個性の大渋滞」
そんな素直な言葉を零すのは、イディエット・ブラインドネス(盲目白痴にして全知全能に魅入られし魔王・f34591)だ。
さてさて、この中から誰を相手にしよう。イディエットがぼんやりと顔を向けるのは、いかにも氷河期女王のファンといった感じの悪魔だ。
「あなたがちょうど良さそうかな。さあきたまえよ、『氷』の四天王さん。最近何かと氷属性はかませ扱いされるけどそうじゃない所見せてね」
「当たり前だ! 私はアイスエイズクイーン様ファンクラブ会員№1021、貴様なんぞに……」
言葉の途中で、悪魔は空を見上げて絶句する。
なんかイディエットの頭上に――馬鹿デカい火球が浮かび上がっていたからだ。
「……いやまあ、こっちはもろに弱点属性使わせてもらうんだけど」
「そ、そんなまさか……」
悪魔の顔に火球が叩き込まれれば、彼の身体はでろりと溶ける。
イディエットはそちらに向かって容赦なく突っ込んで、拳を構えた。
「おらー」
ゆるい掛け声と共に放たれた超速パンチは見事に悪魔を吹き飛ばし、四天王との戦いは無事に終わったのである――。
さてさて、お次は決戦だ。
「……という訳で、それじゃあ、あなたの番だねクイーン」
「あなたの炎、尋常ではありませんわね……ですがわたくしには簡単に勝てると思わないことです!」
氷河期の女王は絶晶の装甲を強化しつつ、迫る攻撃に備えている様子。
どうやら彼女はイディエットの炎が危険なものだと察知しているらしい。対策もきちんと取り始めているが――旧き神の力を駆使すれば、それすら超えていけるだろう。
「ふんぐるい・むぐるうなふ……来たれフォーマルハウトに潜みし古き支配者が一柱よ、我が命に従いすべてを燃やせ」
轟音と共に、イディエットは再び巨大な火球を呼び出す。
火球は勢いのまま女王に突っ込んでいくが、流石に先程の悪魔のように簡単には解かせないようだ。
それなら――女王の力を削げばいい。イディエットはゆっくりと目を開き、深淵の如き瞳で女王の方をじっと見つめて、笑う。
「さあ、燃やせ。燃やし尽くせ! 塵も残すな! あはははハハハハハ!!!!!」
「くっ、まさかわたくしが……恐怖しているですって……!」
根源的な恐怖を目の当たりにしては、女王の身体にも緊張が走る。
そうした隙に入り込むようにゆっくりと火球は火力を増して――最後には絶晶も溶かし尽くすだろう。
その様子を眺めつつ、イディエットは禍々しく、けれど無邪気に笑い続けるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
グラン・ボーン
「この『疾風』の素早い動きが見切れるかな」
忍者のような四天王がグランの周りを飛び交う
「俺は『業火』鉄をも溶かす炎をくらえ」
燃える炎が人型になったようなのが指から五本の炎を放つ
「『大地』だ」
岩が人の形に積まれたようなのが、力強いパンチを繰り出す
「私は『水流』快楽に溺れさせてあげる」
お水のおねーさんの1時間3000Ⅾぽっきりコース
疾風は早いが攻撃の瞬間動きが止まるのでそこをカウンター
捕まえた風で炎を防ぎ、業火も殴り倒す
大地はでかくても巨人より小さいのでパワーで圧倒
「くそ、やられたぜ」
お水のおねーさんの「私も飲んでいい」攻撃で財布にダメージ
その憂さを晴らすように、氷の女王にひたすら攻撃をぶち込んだ
●
ゆっくりと、けれど大きな足音を響かせながら一人の猟兵が戦場へと降り立つ。
その圧倒的な気配には普通の四天王しぐさには対応出来ない。そう判断した四天王の内、数人が颯爽と戦場へ飛び出した。
彼らの姿を見遣り、ニヤリと笑うのは――巨人の猟兵グラン・ボーン(巨人の巨人拳伝承者・f34134)だ。
「お前達が俺の相手か?」
グランの眼前に立つのは四人の四天王達。彼らは四人一組で活動する、ある意味由緒正しい四天王なのだろう。
「巨大な猟兵よ。この『疾風』の素早い動き、見切れるかな?」
「ああ、俺は『業火』。鉄をも溶かす炎を喰らえ!」
「我が名は『大地』……この重み、貴様に受けきれるかな?」
「私は『水流』よ。ふふ、快楽に溺れさせてあげる」
ポーズを決めて、構える四人の悪魔達。様子こそコミカルだが、ここから起こる激しい戦いにグランも楽しげに笑みを零していた。
「それじゃあ……纏めてかかって来い!」
グランが叫ぶと同時に、悪魔は一斉に此方目掛けて飛びかかる。
まず最初に飛び込んでいたのは、速さを自慢していた『疾風』だ。確かに彼のスピードは凄まじいもので、急接近は甘んじて受け入れるしかなかった。
だからといって、攻撃まで見逃す訳には行かないのだが。
「何っ!?」
「分かるぜ、攻撃の瞬間っていうのはどうしても隙になっちまう」
『疾風』は流れるような動作で拳を構えたが、その瞬間を狙ってグランはパンチを叩き込む。
その衝撃で生まれた突風は『業火』の放つ炎をせき止め、彼の動きもまた止める。そちらもあっさり殴り倒して、さあ次だ。
「ウオオオオッ!」
次に飛び込んできたのは岩人形のような『大地』だ。確かに彼の拳は並大抵の相手には脅威だろうが――。
「なんだ、ほんとに人形みたいだな」
巨人であるグランにとっては、子どもの放つ攻撃のようなもの。打ち込まれた拳を掴んでそのまま投げれば、こちらもノックアウトだ。
けれど――最後の『水流』相手だけにはそう簡単もいかなかった。
「ふふ、お兄さん? 私も飲んでいいかしら?」
「チッ……こいつは逆らえねぇな……」
『水流』の攻撃は物理的でなく、色仕掛けに近いもの。
彼女との楽しいトークと美味しい飲み物には完全に参ってしまい、グランの財布にはなかなか重いダメージが通ってしまった。
けれどこれで四天王との戦いは終わり。手を振る『水流』に見送られつつ、グランは氷河期の女王の元へと向かう。
「……という訳で、てめぇの部下にはいいようにやられちまった。憂さ晴らし、させてもらうぜ?」
「わたくしもあの手の攻撃は想定外だったというか、ちょ、ちょっと待って下さいなぁぁ!」
女王の叫びも虚しく、グラン怒りの煉獄殺は女王の絶晶ごとボコボコにしていくのだった。
大成功
🔵🔵🔵
雪・兼光
西のラスボスと戦えるとはな
ふーん
先ず四天王を倒さないと駄目か
…お約束はまもらないとな
アンタが小話の四天王と言うなら、俺の実体験をおしえてやるぜ
高校生の頃、数少ない友人にさ、鍋の具をどれから手を付けるかまで決めている鍋奉行がいたんだ
別の学校の友人にも同じ鍋奉行がいてな、そいつ等で寄せ鍋したら数分で殴り合いの喧嘩になったんだ
まさかこんな手段で自由に鍋が出来るとは思わなかったぜ…。
終始寒冷適応忘れずに
待たせたなお姉さん
2回攻撃のユーベルコードで攻撃だ
乱れ打ち、部位破壊、範囲攻撃で絶晶への攻撃も忘れずに
極晶が出てきたら、極晶の姿勢を崩して敵を盾にする要領で盾にしたり、まとめて範囲攻撃のユーベルコード
●
「……西のラスボスと戦えるとはな」
漂う冷気でラスボスの存在を実感しつつ、雪・兼光(ブラスターガンナー・f14765)は静かに周囲を見遣る。
アイスエイズクイーンも気になるが、此度の戦いはまず四天王を倒さなければ。
こちらに歩み寄る悪魔をじっと睨み、兼光は武器の方へと手を伸ばす。
「……あんたは?」
「私は『小話集め』……君が面白い話をするのなら、素直に負けを認めよう」
こんなのもアリなのか。少々拍子抜けしつつも、兼光は小さく息を吐く。
「小話かぁ……そうだな。俺の実体験をおしえてやるぜ」
そこから先、兼光が語ったのは高校時代の思い出だ。
友人の数が何人であろうとも、その中には一人、二人変わり者がいるものだ。
例えば――鍋奉行とか。
「そいつは鍋の具をどれから手を付けるかまで決めているタイプでな。そいつと鍋をする時は、いっつも堅苦しくてよ……」
「それは……大変だったな」
「けどな、ある時を境に俺達は自由に鍋が出来るようになったんだ」
「……ほう?」
悪魔が身を乗り出したのを確認し、兼光は更に言葉を紡ぐ。
「……別の学校の友人にも同じ鍋奉行がいてな、そいつ等で寄せ鍋したら数分で殴り合いの喧嘩になったんだ。それからはなんていうか、自由」
「おお……武力で解決するとは! なんたるワル! 感動したぞ!」
悪魔は満足そうに兼光の手を握り、そのまま去っていく。
ほろ苦い青春の思い出が役に立つとは。人生何があるか分からないものだ。
あったか鍋の話が終われば、今度は極寒の女王との戦いだ。
「待たせたなお姉さん」
「あなたのお話、楽しかったですわ! けれど勝負は真剣に行かせていただきます!」
アイスエイジクイーンは極晶を呼び出しつつ、乗り込んだ絶晶と共に兼光へ迫る。
確かにそのインパクトは凄まじいものだが――動き自体は兼光の方が早かった。
流れるような動作でブラスターを構え、まずは銃口を極晶の足元へ。
そのまま光線を発射すれば、熱が極晶の関節を大きく揺るがした。
「……それだけデカけりゃ、邪魔になるだろ」
転がる極晶が絶晶の動きを阻めば、隙としては十分だ。
アイスエイズクイーンも慌てて氷の術式を展開しようとするが――クイックドロウがそれを許しはしない。
「今度はお姉さんと鍋の話でもしたいぜ。そっちの鍋、冷たそうだがな」
「それはどうでしょう……その時を楽しみにしておりますわ!」
爽やかな笑顔を浮かべる女王に向けて、迷うことなく引き金を。
発射された光線は見事に絶晶を撃ち抜いて、氷の破片が兼光の勝利を知らせるように散っていくのだった。
大成功
🔵🔵🔵
アルテミシア・アガメムノン
【魔王国】アドリブ歓迎!
ほほほ、流石はアイスエイジクイーンさん、強力な軍団をお持ちですわね!
で・す・が、わたくしの魔王国には及びません。
それを今から証明してあげますわ!
まずはお約束として四天王を一人倒しましょう!
えーと、誰でも良いのですが貴方! 特技は?
剣? 良いでしょう!
と『黄金の神剣』を魔王剣術で振るって普通に撃破。
その上でアイスエイジクイーンさんを魔王国で連携して倒します。
『地母神の戦域』を展開。
絶晶も極晶も神炎で燃やし尽くします。勿論、通常の神炎では難しいでしょうから他の方が時間を稼いでいる内に幾つもの神炎を発生させ、それを凝縮して絶対零度も一瞬で融解させる超高温まで昇華させましょう!
フカヒレ・フォルネウス
【魔王国】WIZ アドリブ連携歓迎
フッ。プリさんはうまくやったようですね。
それではアルテミシア様。僕たちも続きましょうか。
僕は鮫の悪魔の四天王、フカヒレ!
召喚術なら随一です。
試しにこちらの酒煙鮫(アイテム)をこのように呼び出して。
相対するアイスエイジクイーン(IAQ)の四天王の口に突っ込みます。
これぞデビル・アルハラ!
悪魔でなければ大変なことになる、極悪非道の振舞い!
お大事に。
本命のIAQとの戦いでは僕は前衛に。
仲間には傷つけさせませ、ぐはぁ!
ぐ、フフッ……僕は囮、貴女の動きを止めるためのね!
召喚しておいた《鎖鮫》に、僕ごとIAQを拘束させます!
悪魔らしい味方を巻き込む容赦ない攻撃を、どうぞ!
葛葉・御前
【魔王国】
連携も即興劇も好きにするが良いぞ
百人の四天王か
それだけ頭数が揃っておるのであれば、妾が競うに相応しき四天王もおるじゃろう
妾は『忠臣と見せ掛けておいて虎視眈々と玉座の簒奪を狙う四天王』ぞ
そこな者、妾の目は誤魔化せぬぞ
御主、隙あらばアイスエイジクイーンの寝首をかこうとしておるの
妾たちに協力すれば好機も巡ってこよう
どうじゃ。ここは妾たちと手を組まぬかの
次代の西のラスボス、否、デビルキングの地位は其方のものぞ
甘言をもって誘惑し、催眠術で、四天王の野心を捉えてくれる
などと言いつつ
隙を見せたな。愚か者めが。身の丈に合わぬ野望と共に散れ
妾の尾に宿る火曜星の神氣
属性攻撃と全力魔法による灼熱の業火をくれてやろう
主と共に果てるのじゃ
四天王たる貴様には本望であろう
妾は高速詠唱と多重詠唱により、結界術で己の身を護りながら闘える
結界術にも火曜星の神氣を宿して、炎の結界で、凍結魔力を防いでくれる
何じゃ。アルテミシアよ。その顔は
よもや妾の魂胆を疑っておるのではあるまいの?
あれは敵を騙すための方便じゃぞ
●
いよいよ佳境となった戦いに現れたのは『魔王国』の一行達。
フカヒレ・フォルネウス(鮫の悪魔の四天王・f31596)はにやりと笑みを浮かべつつ、後ろの女性達をエスコートしていく。
「フッ。プリさんはうまくやったようですね。それではアルテミシア様。僕たちも続きましょうか」
「百人の四天王か……それだけ頭数が揃っておるのであれば、妾が競うに相応しき四天王もおるじゃろう」
フカヒレに続いて現れるのは葛葉・御前(千年狐狸精・f36990)、妖狐の猟兵だ。
品定めするように敵を眺める彼女に続くのは――一行のリーダー、アルテミシア・アガメムノン(黄金の女帝・f31382)である。
「ほほほ、流石はアイスエイジクイーンさん、強力な軍団をお持ちですわね! で・す・が、わたくしの魔王国には及びません。それを今から証明してあげますわ!」
高らかな宣言を受け、思わず強気な笑みを浮かべるのは名前を呼ばれた女王さん。
なんというかアルテミシアと女王様、同じタイプなのでこう、バチバチするのだ。
「そこまで言うのなら、かかっていらっしゃい! けれどまずは四天王の相手をして頂きますわ!」
ざざっと姿を現すのは三人の四天王。きっと各々が猟兵達の対戦相手として相応しいのだろう。
ならば早速試合開始だ。猟兵達は四天王と向かい合い、それぞれの戦いを始めていく。
「えーと、誰でも良いのですが貴方! 特技は?」
「私は『剣士』……剣の達人だ!」
「良いでしょう! わたくしも剣技には自信があります!」
アルテミシアが戦ったのは、王道の剣士タイプだ。
試合はスポーツマンシップに則り進んでいき、その苛烈さは魔王剣術魔界大会の決勝戦にも匹敵するものとなった。
勝利を収めたのは――魔王剣術を修め『黄金の神剣』を操るアルテミシアだ。
「オレは『召喚士』……召喚の達人だ!」
「ほう、それなら僕も負けませんよ。ほら、このように」
でっかい魔獣を呼び寄せる悪魔と対峙していたのは、鮫の悪魔の四天王でもあるフカヒレだ。
彼が呼び出していたのは何とも凶悪な酒煙鮫であり、無慈悲なデビル・アルハラの前に悪魔も魔獣も倒れ伏した。
「お大事に」の一言と共に介抱までしていったフカヒレは、まさにデビキンらしい悪魔と言えるだろう。
「御主は……妾と似たような考えを持っているな?」
御前は相対した悪魔に名乗らせる暇を与えず、すぐに彼の瞳をじっと覗き込んでいた。
「御主も……隙あらばアイスエイジクイーンの寝首をかこうとしておるの」
「フッ、バレては仕方がないか……」
「……どうじゃ。ここは妾たちと手を組まぬかの」
更にじぃっと相手の瞳を覗き、妖艶に微笑む御前。悪魔はもう、御前の視線や言葉に抗えないだろう。
「次代の西のラスボス、否、デビルキングの地位は其方のものぞ」
「ああ、それじゃあ……」
「……なんてな。隙を見せたな。愚か者めが。身の丈に合わぬ野望と共に散れ」
悪魔が言葉を続けようとした瞬間、灼熱の業火が周囲を照らす。
御前は最初から四天王を騙し、こうやって焼き尽くそうとしていたのだ。
勝負はあっさりと決着し、御前は変わらずゆるりとした笑みと共に仲間の元へ合流していく。
こうして三人はそれぞれ四天王を撃破し、いざ氷河期の女王と相対する。
「お〜っほっほっほっ! 見事な剣術にアルハラ、そして惑わしでしたわ! けれどわたくしは彼らのように簡単には倒れません!」
アイスエイズクイーンは自身の絶晶に凍結魔力を注ぎ込みつつ、同時に極晶を呼び寄せる。
二体の氷の自動鎧からは凄まじい冷気が溢れ、油断していると身も心も凍ってしまいそうだ。
けれど猟兵達の顔に迷いはない。ここまで来れば、力を合わせて突っ切るのみ!
「あれだけ強大な相手となると、半端な攻撃は通用しないでしょうね。皆様、少し時間を稼いで下さいますか?」
「アルテミシア様の命令とあらば。このフカヒレ、どこまでも尽くしましょう」
「そうだな、それなら妾は結界を貼ろう。四天王に引き続き、あの女王も燃やしてやらなければな」
三人は顔を見合わせ、頷き合おうとするのだが……思い出すのは先の戦い。
御前の言葉はどこまでが本心なのだろうか。ここまで来れば、蟠りは無くしておいた方がいいだろう。
「……よもや妾の魂胆を疑っておるのではあるまいの? あれは敵を騙すための方便じゃぞ」
「ええ、大丈夫ですわ。わたくしは魔王国の皆様を信じておりますもの」
心から忠誠を誓ってくれているなら嬉しいし、仮に反逆を狙っていてもデビキン的には問題なし。
どんな道を突き進もうとも、最終的には覇道に至る。魔王国の行く道は、きっとそういうものなのだ。
笑顔を向け合うアルテミシアと御前を交互に見遣り、フカヒレは安心したように大きく頷く。
「お二人がお話出来て安心しました。僕も安心して戦えます……それでは、前衛はお任せ下さい」
フカヒレが勢いよく駆け出したのを確認し、アルテミシアと御前もそれぞれの術の準備を始める。
「この戦場をわたくしの支配下に……!」
「火曜尾・活火激発。火曜星の神氣よ、妾達を守るのだ」
御前が炎の結界を展開すれば、その内側でアルテミシアが『地母神の戦域』を広げていく。
自動鎧の冷気とは違うきらきらと輝く霧が広がれば、そこはもう黄金の女帝の支配下だ。
更にその中に灯っていくのは、煌めく金色の神炎。大抵の相手は簡単に焼き尽くせる炎だが、流石に氷河期の女王を倒すとなればまだまだ火力不足だ。
神炎を増やしている間に攻め込まれては元も子もない。だからフカヒレは迫る敵の元へと突っ込み――。
「仲間には傷つけさせませ――ぐはぁッ」
「無策で来られても、捕まえてしまうだけですわ!」
あっさりと自動鎧達に捕まった。
アルテミシアと御前も繰り広げられた光景に、少々驚いている様子。
そんな魔王国一行を見遣り、アイスエイズクイーンは思わず高笑いを発していた。
「お〜っほっほっ! まずは一人目、ですわ!」
「ぐ、フフッ……いいえ、これでいいのですよ……!」
高笑いの中響くのは、フカヒレの含み笑い。一体どういうことなのか、慌てて女王がフカヒレの方を見れば――彼の後ろには、巨大な鎖鮫が控えているではないか。
鎖鮫は一瞬で前方へと飛び出し、二体の自動鎧をフカヒレごと抑え込んだ。
「ぐはっ……痛い、けれど……僕は囮、貴女の動きを止めるためのね!」
口の端から血を零しつつも、フカヒレは後ろの仲間へ笑顔を送る。その瞳にあるのは、忠臣としての強い決意だ。
「――悪魔らしい味方を巻き込む容赦ない攻撃を、どうぞ!」
その言葉を受け取りつつ、御前は淡々と炎の術式を組み上げる。
アルテミシアも全ての神炎を重ね合わせ、巨大な炎の柱を生み出し始めていた。
「……フカヒレはああ言っておるが、どうする?」
「勿論、全力で参りましょう。それがわたくし達の往く道ですから!」
フカヒレが稼いでくれた時間を無駄にしないためにも、勝負を決めるなら一瞬で。
御前の炎とアルテミシアの神炎が合わされば、それは絶対零度も一瞬で融かす何より強い炎に変わる。
「改めて宣言します。ここは――わたくし達の支配下です!」
燃え盛る炎は真っ直ぐ前に飛んでいき、氷の自動鎧とぶつかり合い――それにより生じたのは、凄まじい大爆発だった。
爆炎が収まり出した頃を見計らい、アルテミシアと御前はすぐにフカヒレ達がいた地点へ向かう。
そこには――どろどろになった自動鎧の残骸の上で目を回す氷河期の女王と、ぷすぷすと煙を上げつつも笑うフカヒレの姿があった。
「おお、無事じゃったか。流石悪魔じゃのぅ……」
「お二人の容赦ない攻撃……とてもワルかったですよ……!」
苦笑いする御前に助けられつつ、フカヒレはなんとか身を起こす。
二人の視線の先には、忠臣の献身と掴み取った勝利に微笑むアルテミシアの姿があった。
「お二人共、そして先に戦っていた皆様も……本当に、ありがとうございました」
最後は三人で力を合わせて、助け合って帰路を行く。
後に目を覚ましたアイスエイズクイーンも、きっと猟兵達の勝利を讃えたことだろう。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵