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7thKING WAR⑬〜皇帝再殺

作者：黒代朝希

「中々頑張っているじゃないアンタ達。このままのペースで『ガチデビル』の元へと赴けるよう期待しているわ」
　そう言いながらくるくると金髪盾ロールのツインテールの先を指で巻きながらシャルロット・シフファート（異界展開式現実改変猟兵『アリス・オリジン』・f23708）はグリモアベースにてブリーフィングを始める。
「今回赴く戦場は……かなり特殊な敵がいるのよ」
　映し出されたホログラムには――驚くべき姿が映っていた。
　最初期の古参たる猟兵なら忘れるべくもない。
　しかして新参の猟兵であってもその強さは報告書からも嫌という程伝わっているあのおbリビオン――フォーミュラ。
「――『銀河皇帝』、リスアット・スターゲイザー。最強のサイキッカーを憑装して自我を乗っ取られた結果、限定的ながらもその最強のサイキック能力を再現したオブリビオンが相手よ」
　あくまで、限定的な再現。
　全盛期のオブリビオン・フォーミュラにして銀河帝国を統べる皇帝としての力は振るえない。
　だが、それでもその強さは筆舌に尽くしがたい。
「あくまで再現できた能力は『銀河最強のサイキックエナジーの限定出力』。其れでも並みのオブリビオンとは別格の強さを誇るわ」
　けれども、とシャルロットはこう断言する。
「私はあの戦いに参戦していない……けれども、その戦いを猟兵は勝利した」
　その後も、猟兵はいくつもの大きな戦いを経験し――これ総てに打ち勝ってきた。
「ならば、ただの再生怪人の様な存在に負けるはずはないわ」
　また、戦場の効果として『かつての強敵に対する恐怖心や敗北感を描写し、乗り越える』という現象が存在する。
　これとも合わせて『銀河最強のサイキックエナジーの限定出力』に対する作戦を練り上げれば決して勝てない敵ではない筈だ――
「それじゃあ転移を始めるわ……頑張ってきて」

第1章 ボス戦 『暗黒結晶竜ヴィドラ』

POW   :    ダーククリスタルインパクト 【ダークな力がこもった結晶】が命中した対象に対し、高威力高命中の【ダークな力に染まりたいという衝動】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。 SPD   :    クリスタライズ・エリアポイント 【射出したダークな力がこもった結晶】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を同じ結晶で覆い】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。 WIZ   :    スプレッド・クリスタル 【肩や腹部】から、戦場全体に「敵味方を識別する【ダークな力のこもった結晶】」を放ち、ダメージと【ダークな力に染まりたいという衝動】の状態異常を与える。 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

「ご主人サマ！サイキックな相手だよ！」
「実は戦ったことがねーんだよな。だが……いい機会だ」
　機神(サイキックキャバリア)の状態となったメルシー……『界導神機『メルクリウス』』に乗り込んだカシム・ディーン（小さな竜眼・f12217）は目の前のカリスマ性と威風、そして覇気を有した偉丈夫を見下ろしながらその力を見分していた。
「メルシーを超えるサイキックエナジー……スペースノイドか人間か分からないけど、神でもないのにそれを凌駕するサイキックエナジーの持ち主ってちょっと怖いな☆」
「はっ……おめーだけならそうだろーが」
「うん！ご主人サマがいるもんね☆」
　メルシーの頷きと同時、限定的な出力で『銀河最強のサイキックエナジー』がサイキックキャバリアに向けて放射されていく。
　それを前にカシムは『神速戦闘機構『速足で駆ける者』（ブーツオブヘルメース）』……超高速機動ユーベルコードでそのサイキックエナジー放射を回避していく。
「そっちには絶対先制攻撃権がねーと聞きます。ならユーベルコードで回避できるなら容易いです」
「それじゃあ、今度はメルシー達の出番☆」
　そのまま時速35000km/hを超える速度で戦場を飛翔し、ソニックブームで銀河皇帝の幻影を打ちのめしながら――相手はサイキックエナジーでその余波を完全に打ち消していたが。
　ともあれ、高速機動ユーベルコードにより鎌剣を取り出し切り刻もうと試みる為に更に下準備を進めていくカシムとメルシー。
「サイキックってのは意志で動くものだよな？なら、捕捉させねーですよ」
　光学迷彩、付与。
　超高速で飛翔する上に光学迷彩状態となった彼らは、常人処か『超越者(ハイランダー)』相手でも補足は極めて難しいだろう。
「だってのに……」
「うわぁ、メルシー達を把握しているね」
　直撃する事はないとはいえ、皇帝の幻影は確かに彼らを把握してサイキックエナジーを差し向けている。
　だが、このまま千日手を迎えるつもりは二人ともない。
　その幻影を切り裂くべくカシムとメルシーは更に速く、更に透明にユーベルコードと魔術を練り上げていくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

「銀河皇帝ですか、あの時はかなりの強敵でしたわね」
　最初に猟兵達が交戦したオブリビオン・フォーミュラ……それが『銀河皇帝』リスアット・スターゲイザーである。
　その強さは古参の猟兵の一人でもあるローズ・ベルシュタイン（夕焼けの薔薇騎士・f04715）にとっても、未だに鮮明に思い出せるものであった。
「ですが私達も遥かに成長していますわ、負けるわけには行きません」
　そう言いながら愛銃である『プリンセス・ローズ』を構えて銀河皇帝の幻影にローズは立ち向かっていく。

「銀河最強のサイキックエナジー……意志とユーベルコードを奪う能力でしたわね」
　この能力には散々苦しめられましたわ、と愛銃の銃口を銀河皇帝の幻影に向け、バラの魔力が込められた魔弾を撃ち放っていくローズ。
　その間にも限定的な出力とはいえ、その『銀河最強のサイキックエナジー』を幻影はローズに差し向けていく。
「自分の意志を奪われる、それはまるで自分が自分でないかの様な錯覚に陥りましたわ……ですが、今は違いますわ！」
　と、ローズは眦を上げてかつて粉砕したオブリビオン・フォーミュラの幻影に向かって宣していく。
「――『二夕を導く遥かな薔薇（ヤイバヨジュウヨトドケ）』」
　狂気耐性と回避に全力を注ぐ事で被弾する割合を減らし、そこから侵略してくる『銀河最強のサイキックエナジー』を精神力でねじ伏せていくローズは、反撃として『プリンセス・ローズ』の性能を強化するユーベルコードで更に薔薇の魔弾を強化していく。
「さぁ……『銀河皇帝』リスアット・スターゲイザー、楽しませて下さいますわよね」
　高飛車で勝気な笑みと共に、ローズ・ベルシュタインという『夕焼けの薔薇騎士』は典雅に微笑んで『銀河皇帝』に挑んでいくのであった――

大成功 🔵​🔵​🔵​

「成程ね、これがスペースシップワールドのオブリビオン・フォーミュラ……『銀河皇帝』リスアット・スターゲイザー、か」
　感嘆の息を漏らしてカツミ・イセ（神の子機たる人形・f31368）は目の前のオブリビオン・フォーミュラの憑装による再現体を見つめる。
　カツミはシルバーレインにおける『二つの三日月』との最終決戦に勝利した後、生命の根源である『ディアボロスランサー』と共に新たなる宇宙へと旅立った能力者……『神様』と称される能力者の子機存在たる猟兵だ。
　その『神様』の記憶をカツミは参照する事が出来るが、その『神様』の記憶と比較しても……目の前の『再現体』は『死と隣り合わせの青春』と呼ばれる銀誓館学園の能力者の戦いにおいて相対した敵と比較しても、かなりの実力を持っている事は明らかであった。
「だけど、僕も猟兵だからね……」
　――ユーベルコード発動、『創造主の力：白燐返戻』。
　『神様』から分け与えられた白燐蟲から白光を放ち、限定的な出力の『銀河最強のサイキックエナジー』を反射してカツミは『銀河皇帝』と戦っていく――

「これが……銀河皇帝の再現体の力……」
　月詠・莉愛（銀の月を謳う・f16320）は畏怖を滲ませながら『敵を追尾する光で出来た無数の矢』を一瞬の内に放ちながら『銀河最強のサイキックエナジー』を回避していく。
　莉愛の『光輝く三日月の矢』による射撃攻撃の反撃を目の前の『再現体』はサイキックエナジーを展開して防いでいく。
「光の矢よ、敵を貫き浄化させなさい！」
　しかし速度に特化した光の矢のユーベルコードは『銀河皇帝』の再現体とは言えど――あるいは、再現体故か――全てを防ぐには至らず、肩に光の矢を受けていく。
「まだ、まだですよ……」
　先程カツミのユーベルコードによって『銀河最強のサイキックエナジー』を反射された事もあり、そのまま莉愛は『光輝く三日月の矢』を起動させて『銀河皇帝』に攻撃を再び仕掛けていく――！！

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

「油断大敵ってね……あの『銀河皇帝』と再び対峙する事になるとなれば、ね」
　古参の猟兵として『銀河帝国攻略戦』に参戦していた過去を持つ筒石・トオル（多重人格者のマジックナイト・f04677）は、当時の戦いで直接対面する事の無かった『銀河皇帝』……その再現体と対面する。
　限定的な再現とはいえ、その威風は抜群。
　トオルは油断なくユーベルコード『漆黒の稲妻（ブラック・ライトニング）』を起動させ、漆黒の稲妻の鎖を『銀河皇帝』へと絡めていく。
　無論の事、ただユーベルコードを放つだけならば『銀河最強のサイキックエナジー』によってユーベルコードの支配権を掌握されるが――
「先程他の猟兵と交戦し、消耗している事。あくまで憑装による『再現体』でしかない事……」
　その二つを鑑みれば、勝てない敵ではない。
　絡みついた漆黒の稲妻で構築された鎖は、そのまま雷電エネルギーを『銀河皇帝』の再現体に注ぎ込んで焼き尽くしていくのであった……

成功 🔵​🔵​🔴​

最終結果：成功 完成日:2022年05月06日