猟兵達の活躍もあり難攻不落の帝国大要塞「エンペラーズマインド」を突破した『解放軍』は引き続き帝国旗艦『インペリウム』を目指し快進撃を続けている。
そんな最中で『解放軍』に壊滅の危機が迫っていた。とある艦では艦内放送から疾走感のある爽やかな曲と優しい低音ソプラノの中性的な歌が放送されていた。しかし――その音には様々な死の暗示が含まれている。
すこしの休憩のため飲み物を飲みながら音楽を聞いていた船員たちは、おもむろにペンなどの突起物を手にとるとそれぞれ自らの喉へと突き立てようとした。
●洗脳音楽を打ち消そう!
「集まってくれて、ありがとうございます!銀河帝国への大決戦に向けて、ユーノのお願いです!」
グリモア猟兵のユーノ・エスメラルダ(f10751)はグリモアベースに集まってくれた猟兵たちへ語りかけた。
「黒騎士アンヘル配下の『クライングシェル』艦隊の『洗脳音楽通信』による妨害が始まりました!この洗脳音楽によって解放軍の人たちは無意識のうちに生きる気力を奪われて、自らの命を絶とうとしています!」
ユーノは持ってきたノートへ、手にしたペンで楽器とステージの絵を描いていく。
「この『洗脳音楽通信』に対抗するためには増強された芸能船の放送設備からよりステキな音楽を流して解放軍の人たちを正気に戻す必要があります!」
さらにノートへ絵を描き加えて説明を続ける。矢印は洗脳の影響を指しているのだろう。
「猟兵の人以外はすぐに洗脳音楽通信の影響を受けてしまうので、猟兵の人以外が対抗して音楽を奏でる事はできません。これは猟兵である皆さんにしかできないことです。どうか、お願いします」
ユーノはそう言いぺこりと頭を下げて猟兵たちにお願いをした。頼れるのは猟兵たちだけなのだ。
●希望の支えを
ユーノは説明を終えると、集まってくれた猟兵たちに改めて向き直った。
「音楽は人々が困難に遭遇した時に癒しと、そして再び立ち向かうための希望になります。そんな意思を支える力を、意思を奪うために利用することはとても悲しいことです」
そう言いながらユーノは猟兵たちを転移させ、無事の祈りを捧げた。
「ユーノはみなさんを転移させなければならないので、戦いには同行できません。みなさまに幸運がありますように……」
ウノ アキラ
はじめましての方は初めまして。そしてこんにちわ。
ちょっと時間がとれそうなので我慢できずに急ぎOPを提出しました。ウノ アキラです。
このオープニングに興味を持っていただき、ありがとうございます。
●
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このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
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現実に存在する楽曲の曲名や歌詞、替え歌等が記載されているプレイングは採用できません。
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●依頼について
描写メインです。また今回は非常にマスタリングや採用が厳しくなる見込みです。
私の執筆能力の問題で『採用は最大で12名までが最大になる見込み』です。『書きやすそうな方から採用する』ためプレイングは不採用になる可能性があります。ご了承ください。
●お得情報
この依頼については書けそうなタイミングで早めにリプレイにしていくため、基本シーンは順番に音楽を奏でて順に影響を与えていく感じになると思います。
他にもマスター紹介のページは一読頂けると文字数を少し節約できるかもしれません。
よろしくお願いいたします。
第1章 冒険
『洗脳音楽通信を撃ち破れ!』
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POW : 激しいビートで、魂を揺さぶり、洗脳音楽通信の影響を撃ち破る。
SPD : 超絶的な技巧で、聴く者を圧倒して、洗脳音楽通信の影響を撃ち破る。
WIZ : 心に響く歌声で、感情を揺り動かして、洗脳音楽通信の影響を撃ち破る。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ルベル・ノウフィル
wiz
なんて危険な!しかし歌となると得意な方に任せた方が。い、いえ。頑張ります
コミカルな歌で鼓舞に挑戦
歌詞
あの漫画の続きは気になりませんか
あの動画の続きは気になりませんか
明日もしかしたら隣のお姉さんが告白してくるかも
明日もしかしたら白馬の王子様がやってくるかも
僕たちは今を生きていて
明日何が起こるかはわからない
明日になってみないとわからない
なんて楽しみな明日でしょう
明日になったら隣の人とおはようと言って
新しい明日を始めましょう
1日1日を積み重ねていく
僕らの歴史は続いていくよ
※あまり巧みではないけどとにかく一生懸命なのが伝わって勇気が出たり和む感じ
●勇気のカンタータ
うつろな目でぼんやりと手にした突起物を見つめる船員たち。その手が喉元の高さまで持ち上げられていくその時だった。
トン、テン、トン、トン、テン、トン、とシンプルなリズムが芸能船を通して艦内へ放送されていく。ルベル・ノウフィル(星守の杖・f05873)によるものだ。
歌は得意ではないけれどかつて貴人に仕えていた身として全く音楽や踊りを知らないわけではない。危険を見過ごせずに飛び込んできた少年は、しかし懸命に船員たちへ即興の歌――詩に近いそれを……言葉を投げかける。
自分が気になっていること――あの漫画の続きは気になりませんか。思いつく限りの突然の幸福――明日もしかしたら隣のお姉さんが告白してくるかも。日々の楽しみ――明日何が起こるかはわからない。
これらの言葉が届くことを祈りながら懸命に歌う。巧みではない技量を自覚しながらも勇気を以てルベルは表現を続ける。伝えたいことを伝えるため、想いをさらに重ねて。
ルベルのぎこちなくも懸命な魂が届いたのか船員たちの動きは一度止まった。そのままペンなどを手に持ったままうつろな目で応援歌を聞いている。
しかしこの様子を監視する『クライングシェル』艦隊からの放送もそのまま黙っては居ない。中性的な低音ソプラノの歌がルベルの歌にかぶせて似たような歌詞に変えてきたのだ。
さらにタン、タタタン、タン、タタタンとドラムの音もかぶせて疾走感を増し声量を増していく『洗脳音楽通信』の歌声。死の暗示はそのままに勇ましさを増し、ルベルの応援歌は『洗脳音楽通信』の放送に飲み込まれてしまう。敵側がヒートアップした演奏で対抗をしてきたのだ。
こちらも負けてはいられない、より情熱を、より想いを、そして希望を。音に乗せて届けなければ。
成功
🔵🔵🔴
彩波・いちご
&&&
歌で人を死に向かわせるなんて、断じて認められません!
ローカルであっても、私もアイドルの端くれです
私の歌で、皆さんに愛と希望を呼び戻してみせます!
というわけで歌いますね
まずは持ち歌、アイドルらしいキュートなPOP
明日への夢と希望を込めて歌いますね
つらい現実も、厳しい戦いもあるでしょう
でもそれて死に逃げてはいけません
明日の希望を信じる心を、私の歌から思い出してください
そして途中から別の曲にメドレー
愛を唄うバラードにかえて、
人と人とが想い合うことの素晴らしさを、
隣人を、友人を、恋人を愛しく想う気持ちを
死はそんな大切な人を悲しませるだけだと、
優しく語りかけるように歌います
皆の心を癒せますように
●愛のソナティーネ
「歌で人を死に向かわせるなんて、断じて認められません!」
自前のピンマイク『チャームストロベリー』から声をあげる彩波・いちご(ないしょの土地神様・f00301)。
いちごはこなれたアイドルスマイルの後にマイクの向こうの死の暗示に晒されている船員たちへ語りかける。
「ローカルであっても、私もアイドルの端くれです。私の歌で皆さんに愛と希望を呼び戻してみせます!というわけで、歌いますね!」
キラッとウインクをし前奏のマイクパフォーマンスを終了させて歌う。これにより『洗脳音楽通信』の小刻みの勇ましいリズムは、ほぼ間逆であるキュートでポップな音楽に押し負けていった。中性的な低音ソプラノの明日を思う歌詞もいちごが歌う夢と希望に塗り替えられていく。
(つらい現実も厳しい戦いもあるでしょう……。でも、それで死に逃げてはいけません。明日の希望を信じる心を、私の歌から思い出してください……!)
この歌により放送を聞く船員たちの手はだらりと下がった。そんなマイクの向こうの彼らへ、いちごは歌う。――届けと願いを込めて。
暫くいちごの歌が優勢だったが二番目の歌詞に入るタイミングで『洗脳音楽通信』の曲調もまた大きく変えてきた。
明るくポップで元気な曲へ変わり中性的な低音ソプラノの歌は夢と希望に向かう若き宇宙戦闘機乗りの歌へと変わる。しかもきっちりリズムを合わせて来たため近い雰囲気だったいちごの曲は主旋律を熱く明るい歌詞に飲みこまれてしまい、船員たちへは再び死の暗示に晒されていった。
(……変えてきましたね、ならば!)
いちごは途中から別の持ち歌へとメドレー形式で切り替えた。続けて歌うのは愛のバラード。
(人と人とが想い合うことの素晴らしさを。隣人を、友人を、恋人を愛しく想う気持ちを……。死はそんな大切な人を悲しませるだけだと、優しく語りかけるように……!)
一方の『洗脳音楽通信』のほうも声を強め対抗をするが今の歌は元気でポップな夢と希望の歌。愛を表現する伸びのある旋律を打ち消すには柔らかくて弱く、歌詞としてもより愛を引き立ててしまう。
強まった死の暗示はこの曲で再び和らぎ船員たちは手にした突起物を仕舞いはじめていった。しかしまだ表情はうつろで『洗脳音楽通信』の影響下にある状態だ。
いちごがバラードへと切り替えた時にわずかに『洗脳音楽通信』の放送の方で異変が起こっていた。歌の裏で誰かが怒鳴るような声が一つ。
いちごの歌うバラードが盛り上がりのサビに入るところで早くも『洗脳音楽通信』が曲調を変えてきた。そして『洗脳音楽通信』はいちごのバラードの合間に、甘く囁く愛の狩人の歌を挟み込んでくる。うさながら男女のデュエットとなったそれは曲が進むごとにいちごの曲に調子を合わせていき飲み込んでいく。次第に死の暗示が再び強まり船員たちはその手に再びペンなどの突起物を持ち始めたのだった。
猟兵たちの歌そして想いに敵側もまた徹底して対抗をしてきている状態だ。一見すると拮抗している様だが……引き続きこちらも対抗していこう。
大成功
🔵🔵🔵
御劔・姫子
【WIZ】
(釉乃はん(f00006)とユニット【櫻梅桃李】で参加)
『からおけ』と同じや言うても…
うぅ…は、恥ずかしいけど、歌いますっ!(※【歌唱】使用、以降歌詞)
(釉乃)雪の季節も 終わり
(姫子)やがて春が 来るでしょう
(共通)その度に思い出す 貴方と交わした あの約束
(釉乃)『すぐに戻る』って 言ったのに
今年も貴方は 帰ってこない
(姫子)だけど貴方を待つ 私の心は
今も錆びつかず 鮮やかなまま
(共通)あの日の契り 鋼よりも強いと信じている
(釉乃)あの香り 貴方は覚えているかしら
(姫子)あの色を 貴方は覚えているかしら
(共通)過去になっても構わない 私が貴方の心の奥にいられるのなら
春日・釉乃
【SPD】
銀河帝国の卑劣な『洗脳音楽通信』はなんとしても食い止めなくちゃ…
えっ、猟兵が芸能船で洗脳音楽に対抗して音楽の力で解放軍の士気を取り戻すの!?
あたしはプロじゃないけど、姫子とカラオケでアイドルごっこはやってきたし…少しでも力になれるのなら――やるしかないじゃん。そうでしょ、姫子(f06748)っ!
即席アイドルユニット『櫻梅桃李』として姫子と一緒に参上
曲名:『それでも雪融けに華は咲く』
曲調:和ロック
衣装:ノースリーブでミニスカのアイドル風な和服(あたしが赤色で姫子が桃色)
姫子がヴォーカルで魅せるなら、あたしは[ダッシュ]や[早業]や[残像]あたりでロックのビートに合わせたダンスで魅せる!
●和風ロック
芸能船の放送設備のマイクの調整や音源データのセットなどの準備を進める春日・釉乃(”CHIPIE”・f00006)。
「銀河帝国の卑劣な『洗脳音楽通信』はなんとしても食い止めなくちゃ……」
音楽データ良し、マイクの音量良しと確認を進める。
「あたしはプロじゃないけど、姫子とカラオケでアイドルごっこはやってきたし……」
一通り設定のチェックを終えた釉乃は今日ともにここへ来た親友へマイクを渡しニカっと微笑んだ。
「少しでも力になれるのなら――やるしかないじゃん。そうでしょ、姫子っ!」
そのマイクを受け取った御劔・姫子(はんなり剣客乙女・f06748)は手のマイクを両手で包むように持ち、少し不安げに口を開く。
「か、『からおけ』と同じや言うても……うぅ……」
しかし上げる顔の瞳に迷いはなく確かな覚悟を宿し。
「……は、恥ずかしいけど、歌いますっ!」
釉乃が小さなリモコンで再生機を操作すると音源データから箏(こと)、笙(しょう)、篠笛をベースとした和楽器の旋律が流れていく。和を思わせる緩やかなその旋律は次第に速くなり鳴子と鼓のビートも加わえてスタジオの中を駆け始めた。
ノースリーブなアイドル風の和装に身を包み緊張を見せつつもマイクを握る2人。赤をベースに白と黄を散らせ梅とすももの花をイメージした釉乃と、桃色をベースに赤と黄を散らせ桜と桃の花をイメージした姫子――即席アイドルユニット『櫻梅桃李』による放送が始まった。
●それでも雪融けに華は咲く
中性的な低音ソプラノの歌が愛を囁いて死の暗示を強めていくこの艦内に駆け足のリズムが新たに流れ始めた。
箏(こと)の主旋律に鳴子と鼓のビートが疾走感を加え下地には笙(しょう)の空気を震わせる音が鳴り響く。その隙間に篠笛の高音が忙しなく響き、かと思うと突然静かな曲調へ。
雪の季節も 終わり
やがて春が 来るでしょう
その度に思い出す 貴方と交わした
あの約束
オリジナルの歌をそれぞれ交互にそして時に重ねて、帰りを待つ人の思いを込めた歌を歌う。帰らない人を思い、それでも必ず帰ってくるのだと信じる姿を。
勝ち気でアクティブな釉乃とどこかおっとりしている姫子。対象的な雰囲気の2人がそれぞれの個性で歌う様はまさに『春は櫻梅桃李の花あり、秋は紅蘭紫菊の花あり、皆これ錦繍の色、酷烈の匂なり』と個を引き立て合っていた。
静と動と変化の激しい和ロックの曲調は単調気味な『洗脳音楽通信』の曲を霞ませていき再び船員たちを死の暗示から遠ざけていく。そしてさらに、『櫻梅桃李』の介入で再び『洗脳音楽通信』側に異変が発生していた。『早く次を』だの『機材の熱が』だのと聞こえてくる。
この一時の放送の乱れで『洗脳音楽通信』による死の暗示が一時的にだが、途絶えた。
そうだ、この戦いが終わったら帰るんだ――船員の誰かが呟いた。それぞれに生まれ育った故郷の艦がある。そこに残してきた友人または家族、もしくは恋人を、待たせている。
●衝動のコンチェルト
即興で作詞作曲をさせられていた担当が限界にきたのか『洗脳音楽通信』はこれまでのように曲調を変えるのを止め単純な声量による無茶な対抗策をとりはじめた。
放送される中性的な低音ソプラノの歌声は腹の底から絞り出すような声を、若干声を掠れさせながらも喉の全てを震わせ歌い出す。
しかし釉乃と姫子も負けじと声を張り上げた。この拮抗の中で、チリチリと感じる青春からの初期衝動のまま高ぶる気持ちを声に絞り出す。
『すぐに戻る』って 言ったのに
今年も貴方は 帰ってこない
だけど貴方を待つ 私の心は
今も錆びつかず 鮮やかなまま
あの日の契り 鋼よりも強いと信じている
拮抗していく中でジリジリと『櫻梅桃李』の2人は声が掠れ始めていた。徐々に痛いのかどうかさえ判らなくなっていき、時おり咳き込みながらもなんとか声を絞り出していく2人。
(あかんっ……うち喉がもうきつい……けどまだもうすこし……!)
(まだまだ……あたしは、まだいけるハズ……っ!)
ここまでか――という思いが頭を掠めはじめた時だった。『洗脳音楽通信』の放送から爆発音が響き放送が途切れ、死の暗示が無くなった。これまでの歌による連戦で『洗脳音楽通信』の方も機材を含め限界が近かったらしい。
芸能船のスタジオで再び咳き込み、なんとか再び歌いだそうとする2人へ『洗脳音楽通信』の脅威が去ったことが告げられる。
「や――――」
喜びを言葉にしようとした釉乃と姫子だが、喉を酷使しすぎて声が上手く出ない。何度か声を出そうとし、喉の痛みに顔をしかめてから『無茶なことをしてしまった』と2人で呆れの微笑みと吐息を漏らす。
しばらく休めば喉も回復し再び2人でカラオケに行くことができるだろう。
こうして『クライングシェル』艦隊による『洗脳音楽通信』の一つは猟兵たちの活躍により阻止されたのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵