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掛け替えのないあなた、あるいは耳朶を震わせる蓄音機

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● 繰り返し呼ぶ聲
 青年の喉は、か細い風音と共に息を吸ったまま、吐くことを忘れた。四肢は硬直し、肌は粟立ち、瞼は限界まで見開かれる。無理も無い、眼前には消息を絶ったはずの最愛の女性が居たのだから。
「……あなた……あなた……」
「ああ! ラヴォンドゥ、まさか君にまた会える日が来るなんて……」
 栗色の髪の合間に見える肌はますます白く、儚げな造作と相まって幽愁の絵画のようだ。幾度も囈言のように自らを呼ぶ彼女を抱きしめて、滂沱の涙を禁じえなかった。
「あなた、あなた、あなた、あなた」
「君さえいれば何も要らない、領主様……ああ! 本当にありがとうございました」
 長い悪夢から覚めたように青年の中に渦巻いていた暗澹たる気分は消え、炯炯たる眼光で領主の吸血鬼へと幾度も幾度も心からの感謝を述べていく。
「ふふ。構わないわ。だけど、もうその子は普通には生きられない。数多くの血が必要なの、彼女をまた喪いたくなければ分かるわよね?」
 領主の甘言に蹌踉と身を起こした青年の四肢へ蕩けるような呪詛が蟠る。最愛の彼女との時間を永遠とするために、青年は吸血鬼の忠実なる傀儡となったのだ。

● グリモアベース
「今回は傀儡と化した領民たちの村へと向かって、彼らを……オブリビオンの悪夢から助けて欲しいの」
 グリモア猟兵のリュート・アドラー(f26123)は今回の領民が置かれた状況について、あなたへと切々と状況を語っていく。
「ヴァンパイアの女貴族によって領民たちは傀儡にされてしまっているの、その方法が……とっても酷くて……」
 領民として暮らしている人々の殆どが、本人たちの知らぬ間に大切な人物を領主オブリビオンによって殺されてしまっている。さらには、その骸を使って作り上げた人形を与えることで、その人形が生み出す呪詛によって領民は心を操られ傀儡となっている。
「……その人形の維持には血が必要だって、領民を唆してまた次なる犠牲者を生んで、どんどんと領地を広げて言っているの」
 傀儡となった領民が新たな犠牲者を生み、その犠牲者を取り戻すべく新たな傀儡が領地へと増えていく、絶望の坩堝が循環しているのだ。

「どんな悲しい現実も何時かは受け入れないといけないの、だから彼らを優しい悪夢から解放して欲しいの」
 リュートはあなたへと頭を下げ、領民たちを傀儡とするオブリビオンの討伐を依頼する。
「都合の良い夢に縋り続けても不幸になるだけなの」
 傀儡と化した領民たちの村へと、綿雲の魔法陣で転移していくあなたへとリュートは言うのだった。

● 血に濡れた伯爵夫人
「ふふ、本当に人間というには哀れね。最愛の人を殺した相手に次の贄を届けてくれるなんてね」
 青年が抱きしめた女性を壊れた人形としたのは他の誰でも無い、血に濡れた伯爵夫人の吸血鬼だ。青年が連れてきた贄の後を追って、やってきた血縁者は次なる傀儡となってオブリビオン支配下の領地を栄えさせ、領民は愛する人を護るため、忠実なる傀儡らは外敵からこの領地を守るのだ。
「それにしても、同じ言の葉を吹くだけの蓄音機がこれほど役に立つとは驚いたわ」
 虚ろな目をしたまま、”あなた”とだけ、ひたすらに繰り返すだけの惨憺たる肉の蓄音機に吸血鬼は冷笑を溢した。


橄欖石
 こんにちは。今回は領民たちを傀儡としているオブリビオンの討伐するというお話しになります。
 どうか、領主オブリビオンが作り出した悪夢から領民を救い出して下さい。

 以下、補足です。

●第1章:『傀儡と化した領民達の包囲網を突破せよ』
 オブリビオン支配下の領地があり、領民はバリケードを大量設置し、領主の居所を護っています。
 偽りだらけの幸せな時間を守るために、彼らは必死に猟兵へと抵抗を試みることでしょう。
 しかし、相手はただの領民なので猟兵相手には勝負になりません。むしろ、適切な手加減が必要かもしれません。

●第2章:『ダペルトゥット・ドール』
 オブリビオンの犠牲となった死体から作られた動く人形です。
 感情や欲望を暴走させる呪詛をばら撒き、領民を傀儡としているようです。

●第3章:『『血に濡れた伯爵夫人・アミラ』』
 ヴァンパイアの女貴族。呪われた伯爵夫人。
 残虐な殺害を逸楽とし、その血を啜ることを生きがいとする狂人。
 ただ一人の従僕以外には決して心を許さない。
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第1章 冒険 『傀儡と化した領民達の包囲網を突破せよ』

POW   :    真正面から力を生かした強行突破

SPD   :    技能や道具を生かし素早く駆け抜け突破

WIZ   :    知識や魔法で対策を施してから突破

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


● 傀儡と化した領民達の包囲網を突破せよ

「愛しき彼女を奪われないため、決して外敵を領主様の屋敷に入れるな!」
「ええ、ようやく会えたあの人を、二度と喪うわけには……」
 愛する死体から作られた動く人形から放たれた呪詛によって感情や欲望を暴走し、領民を傀儡はオブリビオンを護るべく、即席のバリケードを大量に設置してあなたの行く手を阻んでいる。オブリビオンが倒されない限りは彼らの悪夢は終わることがないだろう。
 彼らの防衛を突破し、オブリビオンの屋敷へと潜入し彼らをこの悪夢から解放しなければ――。

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 領民の必死の抵抗は中々に苛烈ですが、猟兵であればあしらう事は容易です。
 呪詛によって感情と欲望が暴走していますが、説得を交える事で無力化することも可能となっています。
高階・茉莉(サポート)
『貴方も読書、いかがですか?』
 スペースノイドのウィザード×フォースナイトの女性です。
 普段の口調は「司書さん(私、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、時々「眠い(私、キミ、ですぅ、ますぅ、でしょ~、でしょお?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

読書と掃除が趣味で、おっとりとした性格の女性です。
戦闘では主に魔導書やロッドなど、魔法を使って戦う事が多いです。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



「うぅ、色んな物語でもあることですが、やはり最愛の人との再会というのは特別ですよね」
 高階・茉莉(秘密の司書さん・f01985)は血に濡れた伯爵夫人を護るために、彼女の屋敷の周りに即席のバリケードを大量に設置して、行く手を阻む傀儡となった領民たちを慮り心を痛める。
「それも――予期せぬ死別でというのならば尚の事」
 きっと明日も変わらずに合う事が出来ると信じてやまない日常を突如として壊したオブリビオン、マッチポンプのこの洗脳は看過できるものではなく、高階はひとまずは大人しく引き下がりながらも、その瞳は口にしそびれた憎悪を宿して、熾火のように輝いている。
「……こんな哀しい領民を生み出して、心の弱さにつけ込むようなオブリビオンは許せはしません」
 十分に領民たちから距離をとって解き放つのは、ユーベルコード『詩篇・炎の記憶(シヘン・ホノオノキオク)』。本から浮き上がる、炎について綴られた文章が中空へと浮かび上がると即席のバリケードへと放たれる。
「我が呼び起こすは炎の記憶。さぁ、燃え尽きなさい!」
 刹那、号令に続き掃射されたのはそのもののような炎の五月雨。巨大な煌焔が、爆炎――衝撃波が高階の狙った標的目がけて次から次へと、止め処なく雪崩れ込む。まるで途切れない滝の如く、怒涛となって放たれる多種多様な焔の記述によって綴られた炎の乱舞。それは夜空で輝く花火のように美しく、悪魔の晩餐の如く騒々しくただ苛烈にバリケードを焼き尽くすのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

勝守・利司郎(サポート)
神将の四天王×花蝶神術拳伝承者、勝守・利司郎だ。
花蝶神術が何かって?オレが言い張ってるだけだが、練った気を花や蝶のごとく扱うやつ。
しっかし、『トーシロー』が達人っていう設定なぁ。あ、オレ、神隠し先で神将になる前はバーチャルキャラクターな。

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動する。そうだな、主に拳に練った気を集めてグローブ代わりにして、殴ることが多いか?

他の猟兵に迷惑をかける行為はしない。オレの美学(味方ならば邪魔をしない)に反するからな。作戦なら別だが。
また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしないからな。
あとはおまかせ。好きによろしく!



「愛する人を奪わせるな! あいつらは俺たちの家族を奪いに来たんだ!」
 瞋恚に燃え上がるような傀儡となった領民のまなざしは、猟兵たちの姿を認めてますます加熱した。もはや呪詛による洗脳によって彼らにとってみれば猟兵たちは家族を奪う簒奪者たち、大切な人を護るために彼らは必死に奮起し襲い掛かってくる。
「他の猟兵たちも動き出したみたいで、戦場も荒れだした。彼らを無事に助けるためにもオレも働かないとだな」
 勝守・利司郎(元側近NPC・f36279)は地を蹴り付け、その体躯を弾丸へと変えた。フェイントも駆け引きも一切ない。ただ最短距離を、傀儡となった領民めがけて駆け抜ける。
「オレのやり方、練り方でいくとこんな感じかな……!」
 次瞬、武器になるまで練り上げられた覇気を身に纏い、連続する打撃。人体構造上ありえないはずの動きで放たれるように見えるその武芸は緩急を巧みに使い、速度ではなく意識の隙間にねじ込むことで命中精度を引き上げているのだろう。
「よし、これなら彼らを必要以上に傷づけることなく、無力化する事が出来そうだ」
 重ねて、ユーベルコード『花蝶神術:灰塵悪(オレリュウカイジンジュツ)』によって練り上げた気は、傀儡となった領民たちの肉体を傷つけずに対象の邪心や呪詛、悪意のみを攻撃する事が可能となった。一歩踏むたびに地を縮めたかの如く、ゆらゆらと木の葉のように右へ左へ、変幻自在に。動きながら、拳が空に走って轟き唸り、彼らに巣食う呪詛だけを破壊し尽くしていく。

成功 🔵​🔵​🔴​

架空・春沙(サポート)
『断罪します』
人狼の女性
ピンク掛かった銀髪と同色の狼耳・狼尻尾、緋色の瞳
スタイルが良い
服装:ぴっちりスーツ
普段の口調は「丁寧(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」
罪有る者には「冷徹(私、あなた、です、ます、でしょう、でしょうか?)」です。

・性格
通常は明るく人懐っこい女性ですが
罪有る者に対しては冷徹に、処刑人として断罪しようとします

・戦闘
大鎌「断罪の緋鎌」を振るって戦います

ユーベルコードはどれでもいい感じで使います


あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



「オブリビオンはこの奥にいるという訳ですか、さて」
 即席のバリケードとはいえ、無数の防壁というのは猟兵といえども無視する事が出来ない。厄介な防壁たちを架空・春沙(緋の断罪・f03663)は邪悪なるものを刈り取るための緋色の刃の大鎌を握り、その煌めく双眸で彼らを見据える。緋色に輝く瞳が、揶揄うように細められる。それは架空の見た目通りのイメージ通りの悪戯心の感じられる表情だ。
「……一番厄介なのは彼ら自身がオブリビオンの防壁とされている事ですか」
 呪詛により洗脳されているとはいえ、猟兵と比べる事も烏滸がましいほどに彼我の差を持つ彼らを叩きのめすのは気が引ける。しかし、彼らの中にも本意ではないにしろオブリビオンに加担したものもいるはずだ、故に。
「汝、罪有り。執行します――」
 彼らを赦すためにも裁きは必要だ、『断罪』の力を籠めた断罪の緋鎌が颶風の如く戦場を両断する。ユーベルコード『罪断つ緋閃』によって煌いた大鎌は肉体を傷つけずに罪に惹かれる心のみを切り落とす。
「正気に戻った後に、罪の意識に苛まれても困りますからね」
 咎人殺しのオブリビオンとして架空は駆ける。当然のように傀儡となった領民たちは欠片も迎撃できず、反応さえ出来ないまま刃風の直撃をひたすらもらい続けている。次いで一帯に渦巻き荒れ狂ったのは、鎌鼬と化した乱気流。これもまた、彼らの罪をユーベルコードによって苦もなく引き裂き藻屑に変えていくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

クオン・キマヴィス
……生まれてこの方、「大切な人」なんてものがいた事はない私だけど…今回のオブリビオンのやり口は気に入らない。

……領民には悪いけど、包囲網は力業で突破させてもらう。バリケード等の物理的な壁は左腕の義手で無理やり破壊する……武器を使うまでもない。

……領民が襲って来るのなら、やむを得ない…当身で気絶させて無力化する。無論怪我をさせないように加減はするから安心して。

……ごめんなさい……あなた達には、辛い現実を突き付けることになると思うけど。

──こんな悪い夢、すぐに覚まさせてあげる



「あの人たちと違って……生まれてこの方、『大切な人』なんてものがいた事はない私でも……」
 クオン・キマヴィス(黒絢の機巧少女・f33062)は大切な人物の喪失という経験が彼らと重なる事はなかったがそれでも、傀儡となった領民がどれほど必死になっているのかはその形相を見るだけでも察するに容易だった。
「これが間違っているってことくらい理解できる、今回のオブリビオンのやり口は気に入らない」
 喪った彼らに幻影を見せて縛りつけているならまだしも、そもそもの原因が領主のオブリビオンが生み出した悲劇に他ならない。すんなりと伸びた白い指が、煌めくような銀の毛をかきあげ――オブリビオンへの赫怒を契機に、猟兵の輪郭が消失した。足形に石畳を陥没させ、一瞬に領民たちとの間合いが消し飛ぶ。速度は音に迫り――。

「……領民には悪いけど、包囲網は力業で突破させてもらう」
 刹那、異音と共に、鉄の扉で出来たバリケードが砕けて折れた。冗談でも夢でもなく、拳の一振りで、鋼鉄の建造物が折れ曲がったのだ。
「立ちはだかるなら、悪いんだけど少しくらい痛い目は見て貰う」
 本心を吐き出しながら一層攻撃の速度が上がっていく。バリケードの残骸を跳ね、壁すら足場に兆弾のごとく疾走。更なる暴風、姿は霞となって残像しか見えない。

「俺たちの明日を、奪わせるな! 領主様の屋敷に近付けるんじゃあないぞ!」
 そんな傀儡となった領民の言葉をさえぎるかの如く、大地を揺るがす震脚が鳴り響く。地面に雲の巣状の線が走りクオンの嚇怒を暴力として表現している。驚愕、動揺、不審——領民たちが各々漏らした吐息や呟きが、細波のように広がっていく。
「……ごめんなさいっ!」
 クオンはドン、と強く拳を打ち鳴らした。途端、膨らみかけた雑音が、煙のように散る。適切な手加減をしているために領民への目立った負傷はないものの、生み出された猛威の衝撃は耳で捉えるという範囲を超えていたのだ。全身を打ちのめす無形の力を感じ、行き過ぎてからあれは音だったのだと気づく規格外の轟音だった。結果――傀儡たちはビクリと肩を揺らしたきり、それぞれの持ち場で、彫像のようになる。

「……あなた達には、辛い現実を突き付けることになると思うけど」
 僅かな犠牲の後にクオンの眼前に立ち向かうものは居なかった。何せ鉄槌の如き義手が大気を震撼させるたびに、領主の館を護るバリケードが次々と滅びていくのだから。その裂帛の活躍は戦場に響き渡り、傀儡となった領民たちを畏怖させた。当然だ、恐れるなという方が無理な相談であり、呪詛によって洗脳状態ある傀儡たちでも元が領民である以上どうしても二の足を踏んでしまう。
「──こんな悪い夢、すぐに覚まさせてあげる」
 再びの轟音に備えて、身体は勝手に構えたまま。未だ身体の芯を揺るがされているような錯覚を覚える領民を尻目にバリケードを破壊しながら、クオンは前へと突き進んでいくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シエナ・リーレイ
●アドリブ・絡み可
『兄姉』を迎えに来たんだよ。とシエナは目的を明かします。

シエナが今回この地を訪れた目的は感情を暴走させ死骸を生きているかのように動かしている兄姉の回収です
怪力でバリケードを破ると領民の攻撃を踊る様に躱しながら何処かに隠れている筈の兄姉を探し始めます

動かすのに血はいらないよ。とシエナは否定します。

兄姉を探す内に兄姉の現所有者達の思い違いに気が付いたシエナ
所有者達に維持に必要な物が所有者の怨念と魂である事や所有者達が守ろうとしているモノが兄姉の護衛兼運び屋として繰られている死骸人形である事を教えながらも所有者の言う仕様に改造されていないか確かめようとします



「――『兄姉』を迎えに来たんだよ」
 そう、シエナ・リーレイ(取り扱い注意の年代物呪殺人形・f04107)は目的を誰に聞かせるわけでなく、吐露する。彼女が今回この地へと訪れた理由はただ1つ、領民たちの感情を暴走させることで彼らの大切な人の亡骸が生きているかのように動かしているオブリビオン――シエラの『兄姉』回収だった。

「うぅん、何処にいるのかな? やっぱり領主たちの館の中かな?」
 それを確かめるためにも、まずは眼前の即席で作られた無数のバリケードを破壊して先に進む必要があるらしい。次瞬、シエナはその猟兵としての比類なき怪力をもって拳を一気に振り下ろす。狙いは傀儡となった領民たちではない。バリケードが形成されるその根源、地面そのものを粉砕せんと圧倒的な膂力の拳が叩きつけられた。そして生じる震天動地——破壊の衝撃は周囲一帯を駆け巡り、地面のバリケードを一斉に粉砕する。

 道を阻む障害がなくなった以上、もはや傀儡となった領民とシエナの彼我にある境など皆無に等しい。刹那、彼らへと疾走——それは有り得ない速度で駆けていた。およそ生物が発揮できる瞬発力の限界を超えている。疾風としか形容できぬ姿を視認することは不可能であり、またそのようなモノが存在するはずないという“常識”がフィルターとなって、よりいっそうそれを不可視のモノへと変えていた。

「でも、動かすのに血はいらないよ?」
 ようやくシエラの音韻で眼前に猟兵が来たことを傀儡となった領民たちは知覚する。予知で聞いた内容から、シエナの『兄姉』の所有者が告げたそれに違和感を拭いきれなかった言の葉が彼我の間に吹き荒れたのだ。しかし、程なくして疑念は自然と傀儡となった領民の言の葉で融解する。

「領主様が血を捧げなければ、家族が死んでしまうんだ。血は家族のための食事……俺たちはそれを集めて養わなければいけないんだよ」
 家族だからそれを養うための行動は当然のことで、尊い犠牲が出てしまうのはある程度、仕方が無いことだ。特に誰しも生きるために動物を殺す事があるだろう、呪詛によって洗脳状態にある傀儡となった領民は正常な判断が出来ず領主のオブリビオンへと血を届け続けているという歪な関係が浮彫となる。

「きっとそれはあなたの家族じゃなくて。オブリビオンの食事のための血でしかないんだよ?」
 領民の言動が正しければあくまでオブリビオンの快適な領主生活のために利用されていただけに過ぎないと、同時に小さく安堵をするシエナ。とはいうものの本当に今の所有者がそのような改造をしていないとは限らない、『兄姉』を見つけるまで油断は出来ないと気持ちの糸は以前と張り詰めたまま。

「死骸は動かないし食事もしないし、喋って貴方を愛してくれたりもしないんだよ」
 傀儡となった領民へと重ねて、死骸人形の事実を切々と教えながらも怪力でバリケードを破壊して道を切り開いていく。シエナの言の葉で耳朶を震わせた者から順番に、動揺の波が伝播した。いや、まさか? 馬鹿な、そんな事があっていいはずがない。驚愕する傀儡となった領民を眺めながら、シエラが踊るように戦場を揺れ動かす。肯定の意と憐憫を籠め、繰り返される真実の種明かし。演舞の如くシエナは猛威を振るって破壊と真実を放射し続け――領主の屋敷へと踏み入ったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『ダペルトゥット・ドール』

POW   :    感情暴走の呪詛
【対象の強い感情や欲求が増幅され続ける呪詛】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD   :    お返しの呪詛
完全な脱力状態でユーベルコードを受けると、それを無効化して【普段は存在が隠蔽されている巨大な繰り手】から排出する。失敗すると被害は2倍。
WIZ   :    人形化の呪詛
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【運搬及び自衛用の人形】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


● 蓄音機を鳴らすものたち

 領主オブリビオンの屋敷へと入った猟兵たちの目に映ったのは無数に転がる亡骸によって作られた人形たちだった。窓から射しこむ淡い光が、深く頭を垂れる人形の姿を縁取り、まるで生きているかのように浮かび上がらせる。
 否、いかに成功に造られていようとも”それ”はただの人形に過ぎない。その人形のいくつかが、それはまだ淡い光を昂然と弾きながら、立ち上がると猟兵に向かって襲い掛かってきた。
 奴らが呪詛によって領民の感情を揺さぶり、傀儡としたオブリビオンだ。彼らを打ち斃して領民を悪夢から解放させよう。
フルム・サーブル(サポート)
余裕があるときや敵に憐れみを感じる場合は基本通りの穏やかな口調
余裕がなかったり、敵がえげつなくて怒りを感じるような場合は
「敵には」の口調です

でもあまりキャラぶれは気にしないので
公序良俗に反しない限りは好きに扱ってください

技能は【力溜め】【怪力】【グラップル】【シールドバッシュ】【カウンター】など
セットされているもの(サバイバル用にばらつきがあります)
を活用し、小さい体で戦場を飛び回りながら
優雅(自称)な戦いをします
どうみてもそのスタイルは脳筋です

武器は鍵(バトルアックス)や杖(バールのようなもの)をメインに使いますが
選択されたユーベルコードによっては拳一つでの戦いも可能です



「領民の大切な人の亡骸を人形に替えて、それによって終わりのない悪夢を見せ続ける……か」
 フルム・サーブル(森林の妖精さん・f03354)は忿怒を咬み殺すように歯を鳴らすと同時に、ひらひらと舞い踊るかのようにダペルトゥット・ドールとの彼我の境を縮めるために、小さな鉢を弾丸へと変えた。フェイントも駆け引きも一切ない。ただ最短距離を、敵の喉笛めがけて駆け抜ける。
「舞をひとさし、みせるとしようか」
 ゆえに、いざと――武威を極めた達人のように拳を構えて。ユーベルコードからの解放を用いた神速の縮地に、膂力を集束した烈蹴の乱れ打ち。掌底と共に放たれる大気の壁が遠近距離で巧みに放たれ、ダペルトゥット・ドールの動きと連係を直接崩しにかかっていた。
「はぁっ――!!」
 刹那、胸面装甲を粉砕する渾身の内臓打ち。フルムは躊躇なく無手で踏み込み敵手に拳をねじ込んだ。内臓にあたるものがなくとも、極大な振動は複雑な内部機構にはひらひらと踊るような近接物理による連撃によって軋みをあげていく。解き放たれたフルムのユーベルコード『妖精演舞(フェアリーダンス)』は動きを阻む邪魔な風圧を裏拳で砕き、強引に自然現象をかせてダペルトゥット・ドールへと確かなダメージを与えていく。当然、その度に反動が腕から内臓まで伝導し、大きな衝撃を味わっているはずなのだが、森林の妖精さんには関係なく傀儡となった領民を救うべく、その拳を振るい続けるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

魔女・ウィッチ(サポート)
魔女装束姿で黒猫と共に箒へ乗って現れ、果実を一齧り。
「くくっ…良いじゃろう。偉大なる魔女であるこの我が少しばかり遊んで…話を聞きなさいよ!」
『にゃー!』

 西洋妖怪「ウィッチ」の魔女×レトロウィザードよ。
「この偉大なる魔女の使い魔にしてやるわ。光栄に思いなさい!」
「おばあちゃんが言っていたわ!◯◯だって!」

 左手に魔女導書を開き、右手に魔女揮杖を構えたら準備完了ね!

 オブリビオンとかを自分の使い魔にするのを目的に行動するわ。成功なら指輪へ捕獲。ドジを踏んで意図せず他の猟兵に迷惑をかける事も有るかもしれないけどわざとじゃないのよ!?
 装備の使用はご自由に。あとは任せるわ!



 左手に魔女導書を開き、右手に魔女揮杖を構えたら準備完了、魔女・ウィッチ(偉大なる魔女のサーガ・f33446)は見せつけるように、片腕をかざして照準完了。音を奏でるように、タクトを躍らせて笑みを湛える。
「偉大なる魔女であるこの我が少しばかり遊んであげよう」
 既存体系の物理科学を鼻で笑うかのように、ウィッチはあり得ないはずの異常現象を形にした。刹那、闇夜を染める大輪の炎が花開く。大気を激しく揺さぶりながら視界を覆う大爆発が発生する。しかも発動するためのアクションは、魔女導書へ魔力を注ぎ入れ既に展開された術式から結果を引き出すだけ。ほんの少し魔力を込めた瞬間、魔女揮杖を向けた先を起点にダークセイヴァーの大気が異星の法へと組み込まれる。魔術的化学結合。発生する異常な光熱。通常、決して引かれあわない種の原子が未知なる化合を繰り返し、一秒のラグもなく破壊の炎を形成する。そして、脅威はこの一度だけに留まらない。
「はっはっは! 今日は調子がいいわね、だけど――おばあちゃんが言っていたわ! こういう時にこそ調子に乗るなって!」
 それは呆れることに連射可能という魔術だった。さらに副次効果として、燃焼を起こしながら四方八方へ飛び散る火花が空間を大きく埋める。ダペルトゥット・ドールが避ける場所を限定化しながら、縦横無尽に駆けることを敵手に赦さない。撃滅するまで油断は抱くなという教えが徹底して、ウィッチの手管に綻びを生むことは無く優位を手放さずに、猛威を振るい続けるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

御形・菘(サポート)
※語尾に「のじゃ」は不使用
はっはっは、妾、推っ参!
敵は決してディスらんよ、バトルを彩るもう一人の主役なのでな!
強さも信念も、その悪っぷりも誉める! だが妾の方が、もっとスゴくて強い!

バトルや行動は常に生中継+後で編集しての動画配信(視聴者が直視しては危ない系は除く!)
いかにカッコ良く魅せるか、見映えの良いアクションが最優先よ
とはいえ自身の不利は全く気にせんが、共にバトる仲間にまで不利を及ぼす行動はNGだぞ?

戦法は基本的に、テンションをアゲてボコる! 左腕とか尾で!
敵の攻撃は回避せず、受けて耐える! その方がカッコ良いからのう!
はーっはっはっは! さあ全力で来るがよい、妾も全力で応えよう!



「はっーはっは! 大切な人を人質に領民を従わせるとは、実に素晴らしい悪っぷりだな!」
 無辜の領民へと呪詛を撒き散らすことで、彼らを傀儡としたオブリビオン――ダペルトゥット・ドールを前に、御形・菘(オブリビオンではない・f12350)はなおも哄笑し続けていた。悪は悪で素晴らしいし、怪物の矜持を否定する気は御形には毛頭ない。だが、しかしそれはそれでこれはこれというやつだ。誰もが幸せであるように。悲しい涙を流さぬように。守護者による闇への断罪が訪れるのを今か今かと待ち焦がれている。だからその夢を、小さいかもしれないがまずは猟兵が叶えるのだ。
「領民たちの願いを叶え続けた貴様らに妾が特別に褒美をくれてやろう」
 刹那、ユーベルコード『ほしのなみだ(スター・ティア)』が解き放たれると同時に中空に幾何学模様の魔方陣が浮かび上がり、激しく大気を震撼させる。そして、流星群は発動した。戦場を遍く覆い尽くす光の豪雨が雪崩のようにダペルトゥット・ドールへと降り注ぐ。中空の幾何学模様をした魔方陣から殺到した無数の煌めきが、一帯すべてを蹂躙する。それは一条一条が閃光の槍如く、展開するオブリビオンを問答無用で串刺しの屍に変える神威の裁きに他ならない。
「良かったのう、ブッ倒れるまで願い事の唱え放題であるぞ!」
 だが、次々に形成される殺戮の流星よりも、最大の脅威はやはりユーベルコードを操る使い手――御形、それ自身だ。尖爪を縦横無尽に振るい、自ら作り出した閃光の槍が己が身体を穿つとも、お構いなしにダペルトゥット・ドールを引き裂きながら暴威の破片をまき散らしていくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

カツミ・イセ(サポート)
「僕の神様は言ったよ。郷に入りては郷に従えと」
「僕に出来ることだからね」

神様に作られたミレナリィドール、勝ち気で大人びた僕娘。イメージは水。
口癖が「僕の神様は言ったよ」
『偽装皮膚』の影響で、球体関節が普通の関節に見えるよ。

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用。加護で治るから、大怪我しようと厭わず積極的に行動するよ。
遠距離は『水流燕刃刀』を伸ばすよ。
近接戦では『偽装皮膚』を水のような刃にして、咄嗟の一撃を放つことがあるよ。このときは球体関節が見えるんだ。

他の猟兵に迷惑をかける行為はしないよ。
また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしないんだ。
あとはおまかせするから、よろしくね!



「僕の神様って、深海でも息継ぎいらなかったんだって」
 ユーベルコードの詠唱と同時に、何もない空間から溢れ出すように出現したのは透明な流体――水だった。それも戦場を覆うほど大量の。召喚されたその水球は、カツミ・イセ(神の子機たる人形・f31368)に従属する眷属であるかのように空中で流動している。
「さてさて、君たちは深海でも自由に動けるのかな?」
 そして、水球の動きが急激に加速した。大蛇の如くのたうちながら、幾つにも枝分かれしてダペルトゥット・ドールたちを襲う。これがユーベルコード『水の権能、六『深海』(シンカイ)』の能力――すなわち水の召喚と、その自在操作なのか。直線的に襲ってきた水流をオブリビオンは見た目からは想像もできないほどの膂力で薙ぎ払うが、流体に対しての拳撃は虚しく無効化される。その上、水球は四肢に絡みつきながら腕から肩を這い登ってきた。
「どうやら泳ぎは苦手だったみたいだね、せいぜい溺れないように頑張ることだ」
 まるで海に放り込まれたかのように、あらゆる行動が予想外の方向からオブリビオンは足をすくわれ翻弄される。一撃必殺と呼べるものではなく、殺傷力もそう高いものではないユーベルコードだが、その異能は戦場でこそ何倍にも高まる。深海にあるかの如く動きを鈍化させたダペルトゥット・ドールたちの間を、相対的に加速したかのような清浄なる水の力を秘めた蛇腹刀の光芒が閃き駆ける。据え物斬りに標的を排除しながら、カツミは更なる敵影を求めて戦場を奔った。

成功 🔵​🔵​🔴​

スフィア・レディアード(サポート)
『皆さん、頑張りましょう!』
 ミレナリィドールの妖剣士×鎧装騎兵、21歳の女です。
 普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、機嫌が悪いと「無口(私、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

性格は元気で、楽しい祭りとかが好きな少女。
武器は剣と銃をメインに使う。
霊感が強く、霊を操って戦う事も出来る(ユーベルコード)
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



「……畏怖の魔剣、その力を貸して貰います。いきます――妖剣解放っ!」
 畏れ多い威圧感を放ち、妖力に満ち溢れた深紅の刀身を持つ巨大な刀から溢れる怨念を纏う事で、スフィア・レディアード(魔封騎士・f15947)は限界を越えていく。さながら妖刀の怨念を吸い上げて咲く花のように、その隔絶した磨き上げられた出力の完成度は畏敬さえ抱きかねないものだった。当然、スフィアはここが勝負どころと見極め、一気に駆け出すと正真正銘真っ直ぐに突っ込み妖刀を振り抜く。
「これが魔剣の力、思っていた結果以上ですね」
 華奢な体躯に似合わない一撃の重さ、迅雷のように鋭い動きは極めて高いユーベルコード『妖剣解放』の展開から生み出されたもの。スフィアそのものの基本性能に加えて、何よりも突出しているユーベルコードの完成度がその脅威を支えている最大の根幹だ。嵐のように吹き荒び、衝突を繰り返す猟兵とオブリビオン。爆発のように轟く衝撃。踏みしめる石畳を余波で木端微塵に粉砕しながら、単純な物理破壊の衝撃がダペルトゥット・ドールたちの波を蹂躙し大粉砕を轟かせた。
「っ……これほどの力、やはり無条件とはいきませんか」
 実際、劇的な力の上昇の裏では急速な反動が始まっていた。だが、しかし――この通り、息切れさえ起こしていない。オブリビオンの思い通りに屈すつもりはなく、無辜の領民たちの安寧を侵すなと赫怒を刃に乗せながら渾身の力を込めてスフィアは柄を握り締め、再びダペルトゥット・ドールへと妖刀を振り抜いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

青原・理仁(サポート)
人間
年齢 17歳 男
黒い瞳 金髪
口調 男性的(俺、呼び捨て、だ、だぜ、だな、だよな?)

性格面:
やさぐれ、ぶっきらぼう
積極的な人助けはしないが、見捨てきれずに手を貸してしまう

戦闘:
武器は使わず、殴る・蹴る・投げるなど、技能「グラップル」「怪力」を生かしつつ徒手空拳で戦う
構え方は古武術風

雷属性への適性があり、魔力やら気やらを雷撃に変換し、放出したり徒手空拳の際に纏わせたりします



 呪詛にゆらめく眼光は、悪鬼羅刹の証明だ。これから喰らう獲物を前に、獰猛な戦意を纏って妖しく無気味にダペルトゥット・ドールの瞳が揺らめいていた。そんなオブリビオンへと秘めた赫怒を前進用の燃料と焼べながら、慌てず逸らず不可視の死線を刹那に見切り、潜り抜ける青原・理仁(青天の雷霆・f03611)。ダペルトゥット・ドールの呪詛を弾き、躱し、防ぎ切り、絶え間なく加速しながら接近し続ける。そしてついに自ら踏み込み、オブリビオンへと距離を詰めきった。驚異の即死圏内で得意の武威を振り下ろし、斬り上げ殴り横薙ぎと遠心力を拳に乗せて三連撃を叩き込む。反動すらも拳を砕かんばかりの威力で骨の髄まで震撼させる。しかし、それに怯んでいる余裕はない。死角から迫るもう一体の追撃を屈んで回避し、即座に跳躍。第二、第三の追撃から間一髪で逃れる。
「さて、スピード上げていくぜ」
 そう、まだ青原の速度は全速力ではない。自身に雷電を纏うことで先ほどまでの猟兵の身体能力と比較すれば、考えられないほどの反応速度を実現する。ユーベルコード『ライトニングアクセル』によって全身の筋肉と神経が悲鳴を上げるが、構うものか。意思の力で痛覚を捻じ伏せ、限界以上の反応速度を実現しながら更に加速。さらにはオブリビオンの攻撃を受ける雷霆の篭手の角度一つさえ完璧だ。手首をひねるだけで魔法のように衝撃を受け流し、時に反動すら利用して加速の燃料に変えてしまう。怒涛の猛威に生まれたオブリビオンの綻びへと雷撃を纏わせた拳撃を幾度も撃ち込んで破壊していく。

成功 🔵​🔵​🔴​

ナーダ・セッツァー(サポート)
顔を隠し、喪服に身を包み、兄弟と半分に分けたロザリオを身につける。
兄弟と同じ装丁の仕込み杖を持ち、隠すのは槍。
オラトリオの翼は出さない。
髪に咲く花は山荷葉。

弱者を救済し、悪を裁く。
全ては亡き我が神のため。
憐れなるモノに神の御加護を。
その為ならばこの身が、手が紅く染まろうと悔いはない。

尊大な口調だが他人を下に見ている訳では無い。
他人には他人の価値がある。
だが我が神を侮辱するのは万死に値する。
神のみもとに逝くがいい。

戦闘は仕込み杖(槍)での肉弾戦、又は硝子のような山荷葉の花を風に舞わせて切り刻む。
回復?殺られる前に殺れば必要ないな。



 逃げを許さぬナーダ・セッツァー(地に満たせ神の威光・f35750)の圧倒的な連撃、さらには裁きの雷から放たれた威光はオブリビオンを確かに蝕んでいく。最大濃度で展開された神罰の領域は確かにダペルトゥット・ドールの皮膚を壊死させ、肉をそぎ落として骨すらも侵していく。通行税として血肉は削ぎ落ちていくが――しかし、人形化の呪詛で領民たちの死体から肉体を再構築して戦闘を続行する。骨も、肉も、皮膚も臓腑もまるで人体の創造過程を見るかのように内側からものの数秒で治っていく。恐るべき自己再生能力。
「なるほど、生半可な攻撃は無意味、というわけですか」
 次瞬、ナーダの瞳が爛々と赫くとそれに呼応するように神の威光を示す仕込み槍もまた激しく輝照する。刹那、訪れた変化はまさに一目瞭然。猟兵の誇る仕込み槍が轟き、破滅の嵐が顕現した。斬撃、斬撃、薙払、斬撃、斬撃、斬撃、刺突、防御、薙払、斬撃、刺突、斬斬斬ッ、驚異的な刃の颶風が雪崩のように吹き荒ぶ。乱れ舞う槍撃の乱舞を前にダペルトゥット・ドールは今や語るまでもなく、防戦一方に陥っていた。なんという圧倒的な回転速度の上昇だろう。オブリビオンは跳ね上がった凄まじい攻勢を前に攻撃を仕掛ける余裕が根こそぎ消し飛ばされていく。当然のように手数を増やすユーベルコードはシンプルながら非常に強い。それは現実的であるからこそ、超常的なユーベルコードと違い、安定した見返りを常時発揮し続けていた。結果、オブリビオンは当然のように追い込まれて、再生能力を超えるダメージを受け続けるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

藍原・蒼夜(サポート)
 人間の學徒兵×力持ち、20歳の女です。
 普段の口調は「おっとり系(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」
 偉い人には「敬語(私、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

のんびり、おっとりした性格で、多少天然ボケな面もあります。
武器は主に退魔刀を使用して戦います。
好きな物は、可愛いぬいぐるみ、綺麗な花、静かな場所。
趣味は小説等の読書。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



「全てを焼き尽くし、凍て付かせる私の闘気に、耐えられるかしら?」
 炎と氷の複合属性の蒼白い闘気を戦場に展開させると同時に、藍原・蒼夜(蒼き宝刀・f23131)はその猛威を身に纏う。そのユーベルコード『バースト・エレメント』は超高熱の太陽が絶対零度の氷塊に包まれながら、それを一切溶かすこと無く燃焼しているようなもの。ダペルトゥット・ドールは猟兵に陽動めいたものを直感し、瞬時に後退を選択する。予想は的中、先ほどまでダペルトゥット・ドールが立っていた場所に降り注ぐ炎と氷の蒼白い闘気。逃げ遅れたオブリビオンは、凍結と燃焼によって肉体を崩壊させた。それだけに留まらず、天変地異の猛威は戦場の真っ只中に熱気と冷気の分断線を引いていく。さらには的確なタイミングに藍原の追撃が繰り出された。
「捕らえたっ!」
 処刑宣告が下される。構えから放たれるは絶技の剣閃。恐らくは、先程は敢えて見に徹し速度を抑えていたのだろう。神速のさらに一段階速く振るわれる刃に対応できるはずもなく、すり抜けるような切っ先はオブリビオンの心臓へ突き進み貫いた。重ねて放たれる烈風のごとき速度で振るわれる殲撃の嵐。それは圧倒的な猛威でありながら、漸き切れない手数と膂力でダペルトゥット・ドールを圧殺しにかかる。オブリビオンが攻撃に転じる隙などまるで見当たらないほどの俊敏さ、藍原の猛攻は一度として止まらない。小細工無用の破壊力でオブリビオンを捻じ伏せていく。

成功 🔵​🔵​🔴​

魔女・ウィッチ(サポート)
魔女装束姿で黒猫と共に箒へ乗って現れ、果実を一齧り。
「くくっ…良いじゃろう。偉大なる魔女であるこの我が少しばかり遊んで…話を聞きなさいよ!」
『にゃー!』

 西洋妖怪「ウィッチ」の魔女×レトロウィザードよ。
「この偉大なる魔女の使い魔にしてやるわ。光栄に思いなさい!」
「おばあちゃんが言っていたわ!◯◯だって!」

 左手に魔女導書を開き、右手に魔女揮杖を構えたら準備完了ね!

 オブリビオンとかを自分の使い魔にするのを目的に行動するわ。成功なら指輪へ捕獲。ドジを踏んで意図せず他の猟兵に迷惑をかける事も有るかもしれないけどわざとじゃないのよ!?
 装備の使用はご自由に。あとは任せるわ!



「ふふん、あなたたちが領民に呪詛をばら撒いて洗脳したオブリビオンね!」
 オブリビオンの犠牲となった死体から作られた動く人形、感情や欲望を暴走させる呪詛をばら撒き、領民を傀儡としていたダペルトゥット・ドールへと魔女・ウィッチ(偉大なる魔女のサーガ・f33446)はビシッと指を向ける。
「この偉大なる魔女が綴るサーガの一頁にしてあげるわ」
 瞋恚に燃え上がるような魔女・ウィッチのまなざしは、ダペルトゥット・ドールの姿を認めてますます加熱した。その刹那にユーベルコードもまた解き放たれて戦場へと幾何学模様の魔法陣が展開されていく。
「――ウィッチクラフト・スパーダッ!」
 そこから生み出さたのは複雑な紋様に重なり、飛来するゆうに千を超えるほどの魔法剣だった。その数からは想像が出来ない程の精度と速度でもって、激しい螺旋を描きながらダペルトゥット・ドールへと飛来した。次瞬、彼我の境で剣嵐の鉄火が荒れ狂い咲き乱れた。その数、秒の間に数百を遥かに超える。もはや彼我の姿は閃光に、響く剣戟は鳴り止まぬ雷鳴と同一化し見分けがつかない。さらにと魔法剣の太刀筋は止まらない。炸裂する轟音と衝撃は絶え間なく、この戦場を更地に変えかねない密度で飛沫のように降り注ぐ。幾度となく魔法剣で貫かれたオブリビオンは痛々しく赤に染まり、四肢や胴体を串刺されたまま天高く掲げられている。絶体絶命、などという言葉さえ生温い。既に魔女・ウィッチの側に趨勢は大きく傾き続けてた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ニコリネ・ユーリカ(サポート)
あらあら、盛り上がってるわねぇ
お忙しい所、お邪魔しまーす!
新しい販路を求めてやってきた花屋です
宜しくお願いしまーす(ぺこりんこ)

~なの、~なのねぇ、~かしら? そっかぁ
時々語尾がユルくなる柔かい口調
商魂たくましく、がめつい

参考科白
んンッ、あなたって手強いのねぇ
えっあっヤダヤダ圧し潰……ギャー!
私も気合入れて働くわよー!
悪い子にはお仕置きしないとねぇ
さぁお尻出しなさい! 思いっきり叩いてあげる!

乗り物を召喚して切り抜けるサポート派
技能は「運転、操縦、運搬」を駆使します

広域では営業車『Floral Fallal』に乗り込みドリフト系UCを使用
狭域では魔法攻撃や『シャッター棒』をブンブンして戦います



「この棒、シャッターを引き下げるだけじゃないのよ!」
 そう宣した刹那、ユーベルコード『Rude(ルード)』によりニコリネ・ユーリカ(花屋・f02123)は移動販売車のシャッターを引き下げる際に用いる金属棒の先端を蛇腹剣のような形状へと変形させる。次瞬、結合を解かれた蛇腹に分解され、余人には扱いきれぬ変幻自在の殲滅兵装と化す。鞭がそうであるようにその先端は優に音速を突破、衝撃波をも派生しながら鋼鉄の暴風圏を形成する。その連続回転はさながら止められぬ殲滅の大車輪。そして、瞬く間にダペルトゥット・ドールまでの距離を踏破。一刀でその首を刎ね飛ばした――が、しかし。斬首されたのは、人形化の呪詛によって作られた自衛用の人形。
「わ、何時の間に入れ替わったのかしら。驚いたわね」
 ダペルトゥット・ドール本体は既にニコリネの攻撃圏外にまで離脱していた。賛辞と共に、標的を失った刃をニコリネは再び構え直す。そしてそこから、動きが若干変わっていった。まるで試すかのように多種多様な手段を使い、ダペルトゥット・ドールを追い詰めにかかるのだ。これはどうだ、これならば、天地左右同時に襲うオブリビオンの呪詛をシャッター棒で蹴散らしながら、嬉々と笑って試しつくす。オブリビオンの限界性能、そこを検証するかのようにそして、徐々にニコリネには見えてきた。絢爛たる武装の閃きでオブリビオンを迎え撃ちながら確信する。ダペルトゥット・ドールは確かにオブリビオンだが、しかし戦闘者では決してない。
「だったら、答えは一つね」
 性能任せで対処出来ない程のキャパシティを溢れさせる猛威をぶつければいい。完成された理に基づく、流麗かつ豪壮な攻撃が波濤となってオブリビオンを襲い来る。暴風の奔流が大気を染め上げ、その猛威でオブリビオンは為す術なく無力化されていくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

編堵・希亜(サポート)
「……なに?」
「そうなんだ。」
「私は、私だよ。」

囚人服のようなものを着て、いつも黒猫のぬいぐるみを抱えた女の子。口数は少なく、人見知りで猜疑心は強いものの、猟兵としての仕事をこなすためなら、それなりに人と付き合っていける。
甘い物が大好きで、食べればすぐに機嫌がよくなる。嫌いなモノは、かつて自分のいたアリスラビリンスの世界と、それを連想させるもの。

戦闘では、自分ではあまり戦わず、自身に宿るオウガの『カイ』を戦わせたり、ぬいぐるみをバロックレギオンとして相手を押しつぶしたりする。

『カイ』は上等なドレスを着たラミアで、少し高飛車な話し方。宿主の身は守り、敵には容赦がない。『さぁ、敵はどこかしら!?』



 編堵・希亜(蛇に囚われた少女・f19313)はユーベルコード『怖いのは嫌(リアライズ・バロック)』を解き放ち、合計で100体をゆうに越えるほどの継ぎ接ぎの黒猫人形が召喚し、ダペルトゥット・ドールを攻め立てる。
「――皆いなくなれ!」
 猜疑心や恐怖心が編堵から解放された刹那、ダペルトゥット・ドールと連撃を仕掛けていた継ぎ接ぎの黒猫人形たちの動きが格段に素早く、重くなる。恐らくは感情によってバロックレギオンたちの出力が強化されるのだろう。その程度は分かるが、だがそれだけの情報でオブリビオンは対処のしようがない。それに侮るなかれ。単純に強くなるということは、単純に脅威が跳ね上がるということだ。特殊なユーベルコードの発現より何倍も直接的に戦況へ影響をもたらし始める。出力を高めれば小難しい技や戦術など必要ない。よって編堵とダペルトゥット・ドールの戦いは早くも一方的な様相を呈していた。
「皆を困らせる人形なんて、消えちゃえば……いいの……!」
 オブリビオンからしてみればうかつに攻勢に出るわけにはいかない。間隙を見せればその瞬間に継ぎ接ぎの黒猫人形たちは一斉に襲い掛かってくる。かといって守勢に回り続けていてもただ削られるだけ。それなのに、バロックレギオンたちはダペルトゥット・ドールが隙を見せない限り、決して無謀な特攻を仕掛けてはこない。剛と柔、慎重さと豪胆さ。まるで相反するいくつもの恐怖としての要素を状況に応じ切り替えて、オブリビオンを追い詰めていく。

成功 🔵​🔵​🔴​

ヴェルンド・ラスリス(サポート)
 普段の口調は「男性的(俺、呼び捨て、だ、だぜ、だな、だよな?)」
口数が少なく、普段は積極的に他人とコミュニーケーションは取りません。
戦闘面では、大剣と、黒い十字架をメインに使用した近接戦闘が基本で、UCやリボルバーライフルでの中遠距離での戦闘をこなします。
 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、四肢の切断程度の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
特に無意味な殺生と、親子に対する事象には過敏に反応します
 ※アドリブ、連携歓迎



「――悲劇を生み出す人形がこうして存在していい理由はないぜ」
 瞬間、限界突破した気合と根性。溢れ出す嚇怒の火が、ヴェルンド・ラスリス(獄炎の復讐鬼・f35125)を遥かな高みへ天昇させた。最大最高でありながらも、同時に高い安定性をもって煌々と燃え上がる炎は、熱く雄々しく、そして頼もしく。戦場を煌めきながら照らしていた。
「捉えたぞ、オブリビオン!」
 ヴェルンドは全身からダペルトゥット・ドールへと蜘蛛の巣状に広がる地獄の炎を放ち掌握完了。地獄の炎の巣によりオブリビオンの動きをゆるさない。拘束力を発揮する見えない鎖は、敵手の呪詛さえ炎の枷で縛り付ける。
「これが――炎巣、これで逃げる事なんて出来ないぜ」
 次瞬、解き放たれる疾風怒濤。速さを一段階引き上げた背中に担ぐ大剣が、受けることなど許されない崩壊の嵐を巻き起こした。そこに重ねて、すかさず重ねて噴出する足止めの巣状の地獄の炎。受けてもいいし当たってもいいという、驚異度の低い攻撃が的確にダペルトゥット・ドールの意識を四方に散らす。絡め取られたとしても、動きが鈍るというだけの妨害はだからこそ厄介だ。本能の鳴らす危険信号を巧みにすり抜け、しかし致命的な結末だけを容赦なく押し付けてくる。最良の形でユーベルコードと復讐心を糧に発火し、敵を斬ると言うより溶断する『黒焔』の長所をどちらも生かした果てに戦場を支配して、ダペルトゥット・ドールとの趨勢をヴェルンドの側へと大きく傾けていく。

成功 🔵​🔵​🔴​

ラム・クリッパー(サポート)
力持ちな魔獣解体士、人族の女の子
口調は「子分チック(アタシ、アンタ、~っす、っすよ、っすか?)」

搦め手は好きじゃないっす、敵陣へ正々堂々の突撃っす!

アタシは解体士の端くれなんで、壊せたり、解体できそうな部位・武器等は狙っていくっすよ。
なので、武器としてフーリガンツール(解体工具)を持ってるっす。

UCは指定されたものは、どれでも使用するっす。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしないっす。
公序良俗に反した行動はしないっす。
後は、お任せしますっす。



「さーって、どんどん人形を解体するっすよー!」
 刹那、轟くフーリガンツールの暴虐――ラム・クリッパー(力自慢の少女解体屋・f34847)の獲物を逃がさぬ狙い撃ち。雪崩れこんだ容赦ない颶風の猛威を前に、ダペルトゥット・ドールが耐えられる道理など欠片たりとも有りはしない。即座に打ち倒したオブリビオンの影へと小さな体躯を隠すと同時――。
「ここっすよー! ちゃんと見ないと怪我するっす」
 敵を見失ったという確実な隙を突かれたダペルトゥット・ドールは、一撃で瀕死に追い込まれた。全身に刻まれる損傷と弾ける血肉、逆転の芽など一切許さず戦闘能力を剥奪される。端的に言えば、これでもう勝負は着いてしまったと言えるだろう。全身から呪詛の黒煙を上げ、血反吐を零すオブリビオンの前にラムが悠然と立ちはだかった。
「こっから全力で叩き込むっすよ!」
 膂力の多寡や技の冴え、反応速度がどうこうと、太刀打ちできない理由など説明するのも馬鹿馬鹿しい。彼我の差はもはや何をしても埋められないほど、圧倒的に隔絶していた。何をしてもどう足掻いても、無駄で、無駄で、無駄なのだと言うように。生まれたての小鹿みたいな弱々しいオブリビオンに対し、いつでも油断なく第二撃を放てるよう心掛けて探るように語り掛ける。奔る斬閃に応じ、桜のように散華する血の花弁。ユーベルコード『全力全開! フルスイング』の猛威を前に、オブリビオンは生きた角材の如く全身解体されつつあった。

成功 🔵​🔵​🔴​

禍沼・黒絵(サポート)
『クロエと遊んでくれる?』
 人間の人形遣い×ビーストマスター、13歳の女の子です。
 普段の口調は「無感情(自分の愛称、アナタ、ね、よ、なの、かしら?)」、独り言は「ちょっと病んでる(自分の愛称、アナタ、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

一人称はクロエ、人からクロエと呼ばれると喜ぶ。
ちょっと暗い感じの無表情なキャラ
武器は装備している物を自由に使って構いません。

 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



「あなたを炎で焼き尽くしてあげる」
 禍沼・黒絵(災禍の輩・f19241)の紅蓮の炎を纏った、呪いで自在に操るナイフがダペルトゥット・ドールを燃やす。同時、刃が皮膚に食い込んだ瞬間に被弾箇所を爆破、吹き飛ぶ骨に切っ先が潜り込む衝撃に合わせるように、生じた反動でオブリビオンを吹き飛ばして、次の標的へと眼前の敵手を入れ替える。大事なのは完璧を誇っていた数という優位から成り得た連係が崩れたこと。一方的な嵌め殺しの構図に穴が空いた機を逃さず、果断に前へと疾駆する。オブリビオンの射程空間である遠・中距離を一気に詰めて――。
「クロエの本気、見せてあげるんだから」
 超至近距離まで彼我の間合いを接近させた。そこから先はまさに追う者と追われる者だ。バックステップで適切な位置取りを行おうとするダペルトゥット・ドールへ、ユーベルコード『呪われた紅蓮の刃(フレイム・ダンシング・ナイフ)』の連続で強引に踏み込み続ける。依然としてナイフによる呪われた紅蓮の炎は健在であり、さらに遮二無二突っ込んでるため被弾回数は増加しているが対した問題では無い。重要なのは成果だろう。崩壊した連係の合間にダペルトゥット・ドールたちを見る間に無力化させていく。ならばこれで十分だ。抉じ開けた勝機の帳に炎と刃を捻じ込めばいいのだから。電光石火と舞い散る火花。連鎖して響く轟音、続く衝撃がオブリビオンたちを決定的な敗北へと追い込んでいくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ニノン・トラゲット(サポート)
『容赦なんてしませんから!』
『アレ、試してみちゃいますね!』
未知とロマンとお祭りごとを愛してやまない、アルダワ魔法学園のいち学生です。
学生かつ魔法使いではありますが、どちらかと言えば猪突猛進でちょっと脳筋っぽいタイプ、「まとめてぶっ飛ばせばなんとかなります!」の心で広範囲への攻撃魔法を好んでぶっ放します。
一人称はひらがな表記の「わたし」、口調は誰に対しても「です、ます、ですよね?」といった感じのあまり堅苦しくない丁寧語です。
基本的にはいつも前向きで、ネガティブなことやセンチメンタルっぽいことはあまり口にしません。
その他の部分はマスターさんにお任せします!



「それじゃあ早速”アレ”、試してみちゃいましょうか」
 次瞬、ニノン・トラゲット(ケットシーの精霊術士・f02473)のユーベルコードによって展開される『エレメンタル・ファンタジア』の攻防は、戦闘ではなく戦争という有様だった。ぶつかり合うダペルトゥット・ドールの呪詛と、ニノンが繰り出した雷の暴風、点ではなく面と面による戦いが相手をねじ伏せ打ち砕くべく凄まじい余波を生みながら敵手の側へと彼我の境を侵略していた。歴戦で積み上げられた経験で、ユーベルコードの技巧もまた完成の域に達している。その結果――それは如何なる仕掛けによるものか、エレメンタルロッドが輝きを帯び、膨大な魔法の力がそこへと吸収されていく。真空の渦へ周辺大気が吸い込まれていくように、暴力的なまでに大量の魔力が今、ニノンの掌握下に集まりつつあった。すなわち、それはユーベルコードによる法則掌握の瞬間的な増幅。
「容赦なんてしませんから!」
 大気圧縮。積乱雲形成。気圧の急激な変動。それらによって生じたのは、もはや一つの嵐そのもの。内部で雷雲と暴風渦巻く大嵐球が、凄まじい内圧を帯びて戦場に螺旋を描いている。解き放たれたのは、通常の数百倍にも増幅された疾風迅雷。封印を解かれた超弩級の破壊力が、天より地上を直撃した。天蓋を粉砕し、オブリビオンたちを蹂躙。あらゆるものを撃砕し焼滅し吹き飛ばすそれはまさに、逃れようのない自然災害に他ならず、ダペルトゥット・ドールたちは為すすべなく打ちのめされた。

成功 🔵​🔵​🔴​

シエナ・リーレイ
●アドリブ絡み可
身体を壊しちゃうなんて酷いよ。

兄姉を探して領主の館に足を踏み入れたシエナは兄姉達が本来の身体を失っている事を悟ります
このままでは兄姉達が運び屋である死骸人形を手放せないとシエナは兄姉達の為に新たな体を作ることにします

『お父様』みんなを治してあげて!

スカートの中から這い出て来るのはシエナを含めたダペルトゥット・ドールの製作者
『お父様』は襲い掛かる死骸人形を素材に作り替え、死骸人形に籠められていた魂を核に素材とした死骸人形の姿を模したシエナの弟妹達を作り上げゆきます

じゃあ、所有者さんの元へ向かおうか。

そして、シエナは弟妹達を新たな所有者達の元へ連れてゆく為に領民の村へと引き返します



「そんな、みんなの身体を壊しちゃうなんて酷いよ……」
 シエナ・リーレイ(取り扱い注意の年代物呪殺人形・f04107)は領主オブリビオンの屋敷へと踏み入れ、猟兵たちと交戦を繰り広げているダペルトゥット・ドールたちの姿が、”本来の肉体”ではないことに唯一気付くことが出来た。それは当然の理屈であった――彼女のみがダペルトゥット・ドール、シエナの兄姉の姿を識っていたのだからそれを見過ごしてしまう理由がないだろう。
「こうしてここの領主はみんなを無理やり従えていたんだね」
 このままではダペルトゥット・ドールたちが、人形化の呪詛によって創り出した運び屋である死骸人形を手放せないと、兄姉たちたちをオブリビオンから解放するための方策に打って出る。
「『お父様』みんなを治してあげて!」
 シエナがそう宣した瞬間、ユーベルコード『人形師:ダペルトゥット』が解き放たれると同時、猟兵のスカートの中から這い出て来るのは彼女を含めたダペルトゥット・ドールの製作者が戦場へと出現した。

「一度壊れちゃうけれど、直ぐに『お父様』が直してくれるからね」
 その『お父様』は不滅の人形を穿つ異能どころか、単純な物理破壊の衝撃でダペルトゥット・ドールの波を蹂躙し大粉砕を轟かせた。それでいて、さながら手術を行う執刀医のように操りながら、指先へと集中させる様は文字撮りの解体作業だ。魂たる核を刺激せずにダペルトゥット・ドールの不要な部位を爆裂させるための操作は程なく完成し、滞りなく素材へと至るのだった。
「『お父様』。よろしくお願いします」
 巨大な繰り手の『お父様』は全ての襲い掛かる死骸人形たちを素材へと落とし込み、込められていたその魂を核に、素材とした死骸人形の姿を模した新たな”弟妹”たちを作り上げたのだった。もはやダペルトゥット・ドールたちの所有権はシエナの側にあり、領主の干渉する余地はなく驚異の無力化を完全な物とすることに成功した。とろけるような白哲の肌、繊細な光を宿す絹髪、鼻筋の通った完璧な造作、まさしくシエナの弟妹に相応しい姿となる。

「――じゃあ、所有者さんの元へ向かおうか!」
 全てのダペルトゥット・ドールをたちをあるべき姿へと造り替えたシエナは、弟妹たちを”新たな所有者たち”の元へ連れてゆく為に、かすかな息づかいや衣擦れを遠い潮騒のように反響させながら引き返していく。
「次は優しい所有者さんたちだといいね?」
 光沢感のある銀髪が、愛らしくも優雅な仕草に合わせて踊る。光輝をたなびかせながら領民の村へと目指す姿はどこか作り物めいた美しささえ感じてしまう。そのいたいけな曲線は、綻びはじめた蕾のよう。逆光に輝く肌は、清水に磨き抜かれた珠のよう。領主の館から戻ってきたシエナ”たち”の姿をみた領民たちが各々漏らした吐息や呟きが、細波のように広がっていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『『血に濡れた伯爵夫人・アミラ』』

POW   :    血霧と踊りて
全身を【物理攻撃を無効化する深紅の霧】で覆い、自身が敵から受けた【負傷】に比例した戦闘力増強と、生命力吸収能力を得る。
SPD   :    鮮血の荊棘
技能名「【串刺し、傷口をえぐる、生命力吸収、吸血】」の技能レベルを「自分のレベル×10」に変更して使用する。
WIZ   :    たった一人の私の味方
自身が戦闘で瀕死になると【逃走時間を稼ぐために従属吸血鬼】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はエミリィ・ジゼルです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

魚目・めだか(サポート)
「戦場の矢面から些細な支援行動まで、めだかになんでもござれだぞ!」

普段の口調は「自分の名前(めだか)、~殿、だ、だな、だろう、なのか?」、適宜敬語も使用可です。

外見は少女ですが、判断基準や倫理観などは若い成人男性相当で、落ち着いた風を装った言動を心掛けていますが、精神が肉体に引っ張られて快活になりがちです。

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。

その他、連携・アドリブ等も歓迎です。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



「偽典に記せしその御姿――」
 魚目・めだか(偽典の巫女・f36514)が宣したその刹那。シルバーレイン出身の『魚目・めだか』なる男性の生涯を綴った血染めの日誌、偽典『魚目・めだか』が煌々と輝いて周囲を照らし出す。
「――めだかのこの身に疾く顕せ!! 偽典解放!!」
 詠唱の言葉通り、覚醒を果たした魚目はユーベルコード『偽典解放(ギテンカイホウ)』によって新たな領域に到達していた。魚目がこの局面でやってのけたのは原始的なまでに単純無比なユーベルコードによる出力上昇。ただしその上がり幅は化け物じみて規格外だ。
「ぐうアァッ……!?」
 颶風の猛威を見に受けた、血に濡れた伯爵夫人・アミラは血反吐を吐きながら立ち上がるが、怪物的に上昇した魚目の出力が生み出す速度には付いていけない。オブリビオンの再生速度を遥かに超える衝撃を超連続で叩き込まれ、全身の血を絞り出されるように翻弄される。それでもオブリビオンは片っ端から衝撃を掌握していくが、もはや自由姿勢を保つことすら困難な有様。
「ハッ! 無茶をしていい格好するのが、ヒーローってもんだからな!」
 連続する儀礼大剣『葵』から繰り出される衝撃の嵐により、オブリビオンの足はもはや地上を離れ、空中に舞い上げられて嵌め殺しの断崖までもはや一直線だ。一方、魚目の全身からも、破れた血管から吹き出す血が舞い散っている。異常な桁の出力に魂魄を剥離させながらも、全霊を勝利のための糧として放たれた、その死の一閃の纏う美しき銀光は網膜を焼くようだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

仇死原・アンナ(サポート)
鉄塊剣『錆色の乙女』,妖刀『アサエモン・サーベル』、戦闘用処刑道具『赤錆びた拷問器具』、『鎖の鞭』等装備してる物を使います

UCは指定した物をどれでも使用

普段の口調は(私、あなた、呼び捨て、ね、よ、なの、なの?)
戦闘中は(ワタシ、お前、呼び捨て、言い捨て)

処刑人として敵と戦います
同行者がいれば協力
メインは鉄塊剣で攻撃
鉄塊剣の使用が不向きな相手・場所では刀剣をメインにして相手をします。
拷問具や鞭を使い敵の行動を阻害、鉄塊剣や刀剣で敵を攻撃します。影朧にはできる限り説得しますが説得不能と判断すれば容赦なく屠ります
キャバリアを操縦したり生身でも戦います



「人形も領民の役に立たないわね。消え失せなさい、猟兵ッ!」
 血に濡れた伯爵夫人・アミラから放たれた、魔力の凝結と共に生まれる鮮血の荊棘。百、千、万と、空が落涙したかの如く、荊棘が驟雨となりて猟兵へと降り注ぐ。放たれた死の棘は全方位に万遍なく襲来し、贔屓も区別もすることなく仇死原・アンナ(地獄の炎の花嫁御 或いは 処刑人の娘・f09978)に鏖殺せんと迸る。
「やはりそうくるか」
 ユーベルコード『絶望の福音』によって、未来予知の如き知覚を手に入れた猟兵の移動は軌跡はまるで稲妻だ。ジグザグに折れながら虚空を駆け、オブリビオンの繰り出した猛威を振り切りつつあった。けれど無論、それだけで終わると思っていない。確信している——後の先は必ず来ると。この程度の優勢が何になろうか。吸血鬼がどれほど狡猾なのかを、猟兵は深く知っているのだ。
「――だが、全部”見えている”」
 完全に意識の死角を衝く荊棘を予測通りに錆色の乙女で切り裂いて、さらにと踏み込んで血に濡れた伯爵夫人・アミラへと肉迫する。未来予知めいた知覚による有利はやはり踏み込みの鋭さと躊躇のなさだ。未来予知めいた知覚に絶対の自信を持つゆえの攻撃特化、獣じみた思い切りの良さと鋭さが鎌鼬のようにオブリビオンを襲う。信じられないと、ただの一合で、猟兵が己の戦略ごとねじ伏せられたことに戦慄が走る。当然、その間隙を猟兵が許す訳はなく耳をつんざく金属音が響き渡った。その太刀筋はまさに神速、視認を許さない速度で魔法のように放たれオブリビオンを切り裂いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

スフィア・レディアード(サポート)
『皆さん、頑張りましょう!』
 ミレナリィドールの妖剣士×鎧装騎兵、21歳の女です。
 普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、機嫌が悪いと「無口(私、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

性格は元気で、楽しい祭りとかが好きな少女。
武器は剣と銃をメインに使う。
霊感が強く、霊を操って戦う事も出来る(ユーベルコード)
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



「あなたが人形の呪詛を使って領民を洗脳していたオブリビオンねっ!」
「泡沫といえど、願いが叶っていた幸せを与えて頂けよ」
 血に濡れた伯爵夫人・アミラは瑕疵を見出して責め立てる視線を向ける、スフィア・レディアード(魔封騎士・f15947)へと嘲笑うように冷笑を溢す。
「あなたたち猟兵が夢から覚ました彼らは何を希望に生きればいいのでしょうね」
「確かに辛い現実を皆さんは受け入れないといけないかもしれません」
 声も表情も快活で、オブリビオンに蟠りは感じられない。他愛のない話題を降るかのように、スフィアの受け答えに笑って、神経を的確に苛立たせんと鼓膜を揺さぶる。しかし、それでも酢フィアの決意は揺らぐことはなく、畏怖の魔剣を構えて血に濡れた伯爵夫人・アミラへと駆ける。
「だけど、きっと彼らはそれを乗り越えて新たな希望を胸に明日を迎えてくれるはずです」
 弾けるが如く、眼光が緋を散らし憤激を剣に込め、裂帛の咆哮と共に斬撃を放つ。防御ではなく攻撃にすべてを傾ける。一瞬でも遅れれば傷を受ける綱渡りだが関係ない。霞むが如く、爆音を残して消えるスフィアの姿。捉えることなど誰にも出来ない。オブリビオンの知覚機能をもってしても残像を追うのが精一杯の速度で、接近する影が毒蛇のように地を突き進む。次瞬、ユーベルコード『血統覚醒』によって出力を増強されて振るわれた刃が流麗な剣閃を無数に走らせてオブリビオンの胸を切り裂いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

数宮・多喜(サポート)
『アタシの力が入用かい?』
一人称:アタシ
三人称:通常は「○○さん」、素が出ると「○○(呼び捨て)」

基本は宇宙カブによる機動力を生かして行動します。
誰を同乗させても構いません。
なお、屋内などのカブが同行できない場所では機動力が落ちます。

探索ではテレパスを活用して周囲を探ります。

情報収集および戦闘ではたとえ敵が相手だとしても、
『コミュ力』を活用してコンタクトを取ろうとします。
そうして相手の行動原理を理解してから、
はじめて次の行動に入ります。
行動指針は、「事件を解決する」です。

戦闘では『グラップル』による接近戦も行いますが、
基本的には電撃の『マヒ攻撃』や『衝撃波』による
『援護射撃』を行います。



 刹那、掃射されたのは破壊の五月雨。巨大なサイキックエナジーの衝撃波が数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)の狙った血に濡れた伯爵夫人・アミラへと目がけて次から次へと、止め処なく雪崩れ込む。――炸裂。大気はおろか、彼我の間で巻き起こっていた爆風を呑込んで増幅したサイキックエナジーはもはや自然災害をゆうに越えている。出力の向上も伴い、凄まじい破壊現象としてここに猛威を顕現する。
「逃げるようなつまらない真似は許さないよ、怪物なら怪物らしく正面から受け止めて欲しいものだね」
 ユーベルコード『サイキックブラスト』から繰り出される両掌から高圧電流を放ち、感電により、血に濡れた伯爵夫人・アミラの回避は赦されない。超伝導が一瞬にして神経までも麻痺させ、感電の痛覚すら感じさせぬ早業だった。サイキックエナジーによる雷光の波濤と龍のような竜巻が絡み合いつつ血に濡れた伯爵夫人・アミラを飲み込み、世界を揺らして雄々しく吼えた。
「さぁ――"次も"行くよ!」
 猛威を受けることで綻ぶオブリビオンの一秒の百分の一にも満たない微かな間隙、生じてしまった意識の隙間を数宮は決して見逃さない。猟兵は直感めいた嗅覚を余すことなく発揮して死の顎門を敏感に嗅ぎつける。血に濡れた伯爵夫人・アミラが身を屈めたと感じた瞬間、すり抜けたサイキックエナジーの颶風。オブリビオンの柔らかい脇腹を気づけばごっそりと、巨大なサイキックエナジーの衝撃波が抉り取っていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ティモシー・レンツ(サポート)
基本は『ポンコツ占い師』または『本体を偽るヤドリガミ』です。
カミヤドリも魔法のカードも、「Lv依存の枚数」でしか出ません。(基本的に数え間違えて、実際より少なく宣言します)
戦闘についてはそれなりですが、戦闘以外は若干ポンコツ風味です。(本体はLv組で出せない、UCの枚数宣言や集団戦は数え間違える、UCを使わない占いは言わずもがな)

ヤドリガミの「本体が無事なら再生する」特性を忘れて、なるべく負傷を避けつつ戦います。
オブリビオンに止めを刺すためであれば、猟兵としての責任感が勝り、相討ち覚悟で突撃します。
でも負傷やフレンドファイヤ、代償は避けたいお年頃。



「種も仕掛けもある手品をご覧あれ!」
 ユーベルコード『錬成カミヤドリ』によって数多に複製された刀身にルーンをあしらった、炎や水等の精霊属性を宿す魔法剣がティモシー・レンツ(ヤドリガミのポンコツ占い師・f15854)の念動力によって、それぞれが意思を持っているかのように縦横無尽に飛び回り血に濡れた伯爵夫人・アミラを迸る。それでも血に濡れた伯爵夫人・アミラは突然のユーベルコードによる奇襲を掻い潜り、空中に跳躍して数多の複製された魔法剣を越えてティモシーのもとへ、魔力によって作れられた真紅の鋭爪が煌めかせて颶風のごとき速度で超疾する。
「この程度の数で私を止められるなんて思わないことね」
 そして、獲物となったティモシーの身体をついに引き裂くその寸前――。
「ああ、そうすると読んでいたよ」
 もう一手上を予測していた猟兵は、軽快に指を鳴らして仕込んだユーベルコードを発動させた。刹那、発動する不可視の衝撃——多重奏。何の前触れもなく血に濡れた伯爵夫人・アミラの胴体を破壊の嵐が蹂躙し、何十発もの見えない力が吸血鬼の身体を嬲り尽くす。そしてすかさずに周囲に展開させていた魔法剣をオブリビオンと奔らせ、骨格ごと切り離さんと血に濡れた伯爵夫人・アミラの真芯を貫通した。狙い澄ました予定調和のカウンターは圧倒的に上回る出力の差を覆し、格上の肉体から勝利の美酒であるかの如く、真紅の血潮を溢れさせる。
「見えているものだけが真実じゃないよ。だってこれは手品なんだから」
 そう、ティモシーが複製していたのはルーンソードと呼ばれる魔法剣。そのうちの幾つかの武装に風の魔力を纏わせて、不可視とさせることでオブリビオンへの奇襲を成功させたのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

アリス・セカンドカラー(サポート)
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい♥

ヴィジランテの説明と初期UCを根拠に技能値100以上の技能はUC並に鍛え上げたと主張。
サポートとして狂言回し。あると便利な舞台装置、高い幸運の技能で御都合主義を押し通すデウス・エクス・マーキナー。

己の裡の世界観を瞬間的に切り替える魔術的パラダイムシフト(瞬間思考力)をコンセプトとする混沌魔術(多重詠唱結界術)の使い手。既存の技術を実在フィクション問わず借用(Sampling)し組み合わせ(MIX)自作(DIY)することで白兵戦、魔術戦、諜報戦とマルチに動けます。

依頼の成功を大前提に、あわよくば己の欲望を満たそうとするかも?
えっちなのうみそおいしいです♥



「無辜の領民を泡沫の夢と呪詛で洗脳するオブリビオン、中々良い趣味をしているわね」
 くつくつと、血に濡れた伯爵夫人・アミラへと長い黒髪を上品になびかせ、指揮棒のように嫋やかに指先を滑らせ、アリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗のケイオト艶魔少女・f05202)は艶やかに笑った。その刹那、混沌魔術によって生み出されたのは、まるで御伽話の魔法陣みたいに増殖していく奇怪な光球。複雑な文字を刻んだ光帯で覆われるそれは、暴力的な自然現象を生み出す森羅の卵に他ならない。包み込む殻が弾け、中で成育された火炎が、疾風が、水流が、雷光が、アリスの敵を滅ぼさんと吹き荒ぶ。
「さぁ、私の混沌魔術――とくと味わってくださいまし」
 炎熱、震動、暴風、磁界、結合崩壊、絶対零度に他にも他にも他にもと、数えきれない多種多様な魔術が世界そのものに展開され、そして同時に打ち消しあわず共存しながら血に濡れた伯爵夫人・アミラに襲い掛かる。激しい爆熱の嵐と荒れ狂う水流さえ触れ合いながらまったく同時に存在している光景は、まさに常識外と言うべきだろう。容易くオブリビオンの肉体を削ぎ、抉り、深い傷を刻みつけていった。自然界では実現不可能な景色が今、現実に展開しながらオブリビオンを打ち消さんと互いに手を取り合って迸る。忿怒を咬み殺すように歯を鳴らす攻撃対象だけをその射程に捉えることで、砕き、穿ち、滅ぼしていく。当然、そこに逃げ場は欠片もなかった。

成功 🔵​🔵​🔴​

政木・朱鞠(サポート)
ふーん、やっと、ボスのお出ましか…。
もし、貴方が恨みを晴らすためでなく悦に入るために人達を手にかけているのなら、不安撒き散らした貴方の咎はキッチリと清算してから骸の海に帰って貰うよ。

SPDで戦闘
代償のリスクは有るけど『降魔化身法』を使用してちょっと強化状態で攻撃を受けて、自分の一手の足掛かりにしようかな。
ボス側の弐の太刀までの隙が生まれればラッキーだけど…それに頼らずにこちらも全力で削り切るつもりで相対する覚悟で行かないとね。
得物は拷問具『荊野鎖』をチョイスして【鎧砕き】や【鎧無視攻撃】の技能を使いつつ【傷口をえぐる】【生命力吸収】の合わせで間を置かないダメージを与えたいね。

アドリブ連帯歓迎



「ふーん、やっと、ボスのお出ましか……。で、一応釈明は聞いておくけどどうする?」
「こっちは幸せの対価に少しばかりの生贄を貰っていただけ、他の領主オブリビオンのように行儀知らずに食べ散らかしていないわ」
 政木・朱鞠(狐龍の姫忍・f00521)は血に濡れた伯爵夫人・アミラがどのような理由で領民たちを苦しめているのか、それが無為な問だとしても自分なりの矜持としてオブリビオンへと尋ねる。結果、オブリビオンが紡いだ言の葉は予想の域を出るものではなく、政木の判断が変わるものでは欠片もなかった。
「そ。それじゃあ、予定通りあなたに咎をキッチリと清算してから骸の海に帰って貰うよ」
「あら残念、面倒だけれど――やるしかないようね」
 鮮血の荊棘が颶風の猛威となって、政木へと奔る。だがそれも――。
「無駄よ」
 しかし、一手早く政木はその危険を回避する。並外れた予知能力———経験則から導かれた戦闘者の思考回路が、荊棘の発生に先駆けて既に自らの行くべき道を彼の中に示していた。咎人の体を確実に貫くために長く鋭い形状になった長槍の一閃が、狙い澄ましたように鮮血の荊棘を見事に断ち切る。
「――そこっ!」
 圧倒的なその判断力と決断速度、オブリビオンは当然追いつけない。鮮血の礫は遅く、毛先を掠めるだけに終わった。またも紙一重で死の顎門から逃れた政木が、荊棘の斜線を掻い潜る。返礼の一閃。すれ違いざまに二閃。無駄や余分など一切なく、呆れるほど的確にオブリビオンを切り裂いて血の噴水を生み出していく。

成功 🔵​🔵​🔴​

マホルニア・ストブルフ(サポート)
◇口調:男性的
一人称:私
三人称:お前、呼び捨て
【だ、だな、だろう、なのか?】~か、〜するよ、構わん、等
協力者には丁寧に接する。

◇行動方針:問題の解決
一般人がいれば保護が優先。
多少の負傷は気にせず行動。

◇戦闘・技能
知覚端子を張り巡らせ、地形や敵の動向を情報収集しながらサポートしようか。
電子媒体はハッキング、戦闘はグラップル、切断、射撃系がメインだな。使える技能は使っていこう。

武器はレヴィアスクかアサルトライフル。移動や捕縛、足場に転用でGleipnirを使うこともあるな。
UCはハッキング・UDC由来の呪詛を組み合わせて実現させる。詠唱は長いからな、有っても無くても構わない。後はよろしく頼む。



 弓成りの両刃剣のレヴィアスクが中空を切り裂いて、余波と呼ぶには苛烈すぎる勢いと威力で大気を震わせる。一閃したのはもはや鋼の刃を超えて、森羅万象の追随を許さぬ流星の域にも達していた。それは抜き放たれたという事実、ただそれだけですべてを決する絶速の剣。努力の結晶。刃の軌道上に存在した数多の鮮血の荊棘、そして物理法則でさえも事実の後追いをつられて演じ、確定された現実を再現するしか許されない。猟兵の到達しうる最高峰、因果切断の乱剣が吹き荒れる。
「狡猾な手管で領民を支配していた割りには随分と素直な攻撃だ」
 加えて、歴戦で積み上げられたマホルニア・ストブルフ(欠けた年代記・f29723)の技巧もまた完成の域に達している。結合を解かれたレヴィアスクは二振りに分解され、余人には扱いきれぬ変幻自在の殲滅兵装と化す。その連続攻撃はさながら止められぬ破壊神の大車輪。マホルニアの征く所、鮮血の荊棘は大海を割るように真空地帯を切り抜かれていった。そして、瞬く間に血に濡れた伯爵夫人・アミラまでの距離を踏破。
「――”捉えた”ぞ」
 マホルニアの繰り出す攻撃とは、そのすべてが致命に至る猛威として機能する。かと言って力押しの猪武者では断じてなく、技巧においても隔絶している。中でも恐るべきはやはり二振りの刃を同時に駆使する、戦場で鍛え上げた変幻自在の制圧術。立ち合った血に濡れた伯爵夫人・アミラからすればまるで同時に複数の敵から切り刻まれるようなもので、たちまち死の淵へと追い込まれる。

成功 🔵​🔵​🔴​

高宮・朝燈(サポート)
『オブリ解析…バール先生、あいつを止めるよ!』
 妖狐のガジェッティア×電脳魔術士、9歳のませたガキです。
 普段の口調は「ちょっとだけメスガキ(私、あなた、~さん、だね、だよ、だよね、なのかな? )」、機嫌が悪いと「朝燈スーパードライ(私、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」です。

 ユーベルコードは、レギオン>お料理の時間>その他と言った感じです。レギオンで出てくるガジェットはお任せします。補助的な役割を好みますが、多少の怪我は厭いません。オブリは小馬鹿にしますが、味方には人懐っこくなります。なお、エンパイアの上越辺りに母方の実家の神社があります。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



「スカウター分析! アームの変形完了! ダブルパイルフォーム!」
 足の付いたグラスの様な形の騎乗型ガジェットに乗り込んだ高宮・朝燈(蒸気塗れの子狐・f03207)は、そのガジェットスーツ『バール先生』の両腕をユーベルコード『バール先生のお料理の時間』によって、血に濡れた伯爵夫人・アミラへ有効な形状へと変形させていく。その形は白銀に煌めく両椀の杭、吸血鬼たるオブリビオンを殲滅するにはこれほどに相応しい姿は他にそうないだろう。
「――先生、やっちゃって!!」
 裂帛の気合と共に、巨大な質量が空間を薙ぐ。パール先生の振るう武器は、アームが変形した故の規格外サイズの白銀の杭だ。その巨大さのメリットは、質量自体に宿っている。本来にして最大効果の刺突のみならず、鈍器のような薙ぎ払いや打撃にも威力を発揮し得る万能性。対して、オブリビオンが使うのは鮮血の如き魔力によって生み出された武装。いかに身厚に作り上げたれた魔力の塊とは言え、重量にして数百キロは下らぬガジェットのアームと打ち合うようには出来ていない。只の金属の杭ならばいざ知らず、パール先生の膂力に振るわれるそれは颶風の剛性を宿している。故に、オブリビオンは猟兵の攻撃に対しては回避からの反撃という後手を強いられていく。
「そこ! いっけー!」
 叫ぶ。その気魄が呼び込んだかのように、パール先生が動く。パール先生のその全身が大きく唸り、巨大杭の一撃を打ち放った。機、速力、乗せられた気魄――そのいずれも必殺級。眼前に、迫る死の尖端が映り込むと、オブリビオンの腹部に深々と突き刺さった。

成功 🔵​🔵​🔴​

シェーラ・ミレディ(サポート)
※OK:シリアス
※NG:エロ、ネタ、コメディ、心情系
※傭兵的なスポット参戦

称号通り、僕の身体を維持するための金儲けと、弱者をいたぶる醜い行いが許せぬ義侠心が行動指針だ。
美しいものは愛でるべきだが、恋愛には結びつかないなぁ。
性格ブスは醜い。見るに堪えん。

複数の精霊銃をジャグリングのように駆使する、彩色銃技という技(UC)を使って、敵を攻撃しようか。
敵からの攻撃は基本的に回避する。が、護衛対象がいるならかばうのも検討しよう。
……嗚呼、僕を傷付けたなら、代償は高くつくぞ!



「醜いな、勝手に他人の幸せを決めて押し付けるなんて、実に不細工だ」
 シェーラ・ミレディ(金と正義と・f00296)は血に濡れた伯爵夫人・アミラが領民たちを偽りの幸せの中に閉じ込め、人形から放たれた呪詛によって感情すらも操り洗脳していったその姿に心底辟易する。瑕疵を見出そうとするまでもなく、その余りに不細工な建前は瞋恚に燃え上がるには十分すぎるほどで、オブリビオンの姿を認めてますます加熱した。
「見るに堪えん、さっさと僕の前から消え失せるんだな、オブリビオン」
 刹那、精霊銃から生み出された極彩が血に濡れた伯爵夫人・アミラへと迸る。弾丸は本来の性能ならばありえない精度と速度でもって、激しい螺旋を描きながら飛来した。避けることに全神経を集中することでどうにか躱した血に濡れた伯爵夫人・アミラであったが、猛威はそれに終わらない。
「──この呪いは、明日への対価だ」
 ユーベルコード『彩色銃技・破鏡重円(アトラクティブガンアーツ・エンチャントカース)』でシューラの手にした精霊銃は、血に濡れた伯爵夫人・アミラの被害者の無念を始めとし、領地に漂う無数の悪感情を宿すことで著しく威力が増強されていく。鳴動する大気。渦巻く暴風。強烈な気圧変化に伴って空間さえも焼み、軋む。燃焼し続ける爆弾の如く、圧縮された出力の塊が常時激しく反応しながら狂うように猛り、一種のホーミングミサイルめいて自在な軌道を描き着弾、その同時に戦場を塗り替えた極彩に血に濡れた伯爵夫人・アミラは削られるのみだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

徳川・家光(サポート)
『将軍なんだから、戦わなきゃね』
『この家光、悪は決して許せぬ!』
『一か八か……嫌いな言葉じゃありません!』
 サムライエンパイアの将軍ですが、普通の猟兵として描写していただけるとありがたいです。ユーベルコードは指定した物をどれでも使いますが、全般的な特徴として「悪事を許せない」直情的な傾向と、「負傷を厭わない」捨て身の戦法を得意とします。
 嫁が何百人もいるので色仕掛けには反応しません。また、エンパイアの偉い人には会いません(話がややこしくなるので)。
よく使う武器は「大天狗正宗」「千子村正権現」「鎚曇斬剣」です。
普段の一人称は「僕」、真剣な時は「余」です。
あとはおまかせ。よろしくです!



 静謐な決意に、奔る一閃——飛び散る火花。そして、開かれた戦端は流麗な刃の猛威が紡ぎあげた。ユーベルコード『妖剣解放』を経由して強化された徳川・家光(江戸幕府将軍・f04430)の身体は、今や膂力ですらオブリビオンに劣ることなどない。大天狗正宗の斬撃は時に柔の理合いさえ真っ向から弾き返して力強く空を断つ。
「遅いですよ――吸血鬼の両目は硝子玉でしょうか」
 細められた眼光が血に濡れた伯爵夫人・アミラの瞠目を無様と射抜く。次瞬、放たれるはたった一つの頂を目指すために持ちうる才覚を磨き上げ、遮二無二鍛えた達人だけが身に着けられる重厚な存在感。もはや芸術品とも呼べる絶対無敵の殺人剣。
「臆しましたか、吸血鬼?」
「――ほざけ、猟兵」
 束の間見せた対話、残像と共に消し飛んだ。闇を斬り裂く砕波の剛刀。先ほどの技とは正反対に膂力を増大させた爆撃の如き刃がオブリビオンを両断せんと、鬼神のように強襲して――血に濡れた伯爵夫人・アミラの鮮血の荊棘と中空で、真っ向から激突を果たすのだった。そして、無論のこと、押し負けたのはオブリビオンの鮮血の方だ。順当に敗れ去って代償をその身へ刻む羽目になる。更にそれは、当然ながら一度や二度などではない。続く怒涛の三連乱舞、鎌鼬の如き刃でまた同様にあしらわれていた。雷じみた光の牙突で、月輪じみた弧剣の嵐で、大気さえ二分する疾風居合で、徳川は血に濡れた伯爵夫人・アミラに致命を刻み込んでいく。

成功 🔵​🔵​🔴​

グレナディン・サンライズ(サポート)
『ここはこの年寄りに任せてもらおうかね?』
『こう見えても、まだまだ衰えちゃいないよ』
年齢3桁の婆。
スペースシップワールド出身の元宇宙海賊。
主な武装はフォースセイバーとブラスター。
戦闘スタイルは基本的には前衛遊撃。敵を翻弄するような戦いを好む。
グルメではない酒好き。
年齢なりの経験を積んでいるので、冷静さと余裕をなくすことはない。
口調(あたし、あんた、だね、だよ、~かい?)



「あんたは随分と手の内を見せすぎたんだよ」
 呆れたようにぼやきながらオブリビオンが生み出した鮮血の刃をフォースセイヴァーで絡めていなし、手首の返しでそのまま鋭く二の腕を斬り裂いた。受ける側からすればまるば光剣がすり抜けたように錯覚しただろう。グレナディン・サンライズ(永遠の挑戦者・f00626)は透しの技法に瞠目するオブリビオンに対し、苦笑を湛えつつ更なる連撃へと繋ぐ。それだけで面白いほどたじろくオブリビオンは、仕掛けたこちらが気の毒になるほど対応が素直過ぎるものだった。その隔絶した技量差に加え、更に予備知識の有無さえあるというのだからこれではオブリビオンが猟兵を超えてしまう方が問題だろう。よってこれは、もはや駆け引きと呼ばれるようなものでもない。
「今まで一方的に強いままで相手を倒せたのが仇となったね」
 あらゆる想定の隙間を縫って捻じ込まれた絶死の刃は、驚異的な破滅性を発揮してオブリビオンの物理攻撃を無効化する深紅の霧さえも斬滅した。無敵の光剣は血霧を次から次へと貫通する。光速で放たれるフォースセイヴァーは熱く煌々として、そして強固で揺るぎなかった。雷が如く、稲妻のような煌めきはオブリビオンのユーベルコードであろうとも食い止められるものではない。一挙一動から判断速度とその精度まで、あらゆるすべてが完璧だ。欠点がどこを眺めても見当たらない。その完全性を十金に発揮してグレナディンは血に濡れた伯爵夫人・アミラへと裁きを放つのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

キャロライン・メイ(サポート)
ダークセイヴァーの貧民街の生まれ。生きるため、悪事に手を染めてきた。ある日商人から一振りの剣を盗み出す。剣は呪われており、その邪悪な魔力によって、呪われし黒騎士へとその身を堕とす。その冷酷な様を人々はアイスドールと呼ぶ。

自身の半生に強いコンプレックスを持ち、心の中では常に自己を否定し続けている。死に場所を探しているかのような言動をとることがある。

ダーインスレイヴ~漆黒の魔剣による強力な一撃。
ライフドレイン~魔剣の血塗られた鉄鎖が無数の棘に変形し敵に突き刺さる。


※エロやグロNG
※5人以上まとめたリプレイNG



「――これでもくらえ!!」
 衝撃によって体勢を崩していた血に濡れた伯爵夫人・アミラへとユーベルコード『ダーインスレイヴ』がダーインスレイヴから繰り出される。夥しい流血の華を咲かせるオブリビオンへとキャロライン・メイ(アイスドール・f23360)は手を緩めずに連撃を放ち続ける、その攻撃は一秒として途切れない、高出力を発揮しながら豪快な破壊の嵐が撒き散らされる。その破壊力は強大であり、もはや並大抵のオブリビオンが太刀打ちできる領域を圧倒的に超えていた。それでも、負債を払いながらも切り替えしている領主オブリビオンの側も流石というべきか。
「……容易に死なぬなら……死ぬまで切り刻む、までのこと――」
 水飛沫を払うかのように魔剣が奔る。鮮血の荊棘を切り裂き一撃で数千ほど巻き添えに斬壊しながら、どこまでも自然体でオブリビオンへと猛威を重ねていく。あらゆる手管が、ごり押しで薙ぎ倒されていくのだから対抗策すら浮かびやしない。鮮血の荊棘を一針残らず斬り払われた。物理攻撃を無効化する深紅の霧を真っ向から蹴り砕かれた。彼我の境を稼ぐために生みだした従属吸血鬼さえ、気合を込めた薙ぎ払いによって叩き潰される――何が何だかもう分からない。世の理不尽を砕く理不尽の猟兵に、いったいどちらが怪物なのかと、血に濡れた伯爵夫人・アミラは胸中で万の罵倒を吐き捨てる。もちろんキャロラインも決して無傷なわけじゃなかった。オブリビオンの致死の針に触れた四肢は傷を受け、迎撃のために無理をした両腕は衝撃で骨が軋んでいる。防御力は何も向上していないため、与えた損傷は確かに存在するのだが、それでも猟兵は止まらずに魔剣を振るい続ける。

成功 🔵​🔵​🔴​

氷咲・雪菜(サポート)
 人間のサイキッカー×文豪、15歳の女です。
 普段の口調は「何となく丁寧(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、
 独り言は「何となく元気ない(私、あなた、~さん、ね、よ、なの、かしら?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

氷や雪が好きな女の子で、好きな季節は冬。
性格は明るく、フレンドリーで良く人に話しかける。
困っている人は放ってはおけない。
戦闘は主にサイコキャノンを使って戦う。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



「絶対零度の氷柱よ――!」
 直後、氷咲・雪菜(晴天の吹雪・f23461)が繰り出したのは瞬く間に増殖する絶対零度の氷鎖——油に火を注ぐかの如く、物理攻撃を無効化する深紅の霧の水分を肥料として氷結の呪縛は血に濡れた伯爵夫人・アミラの身体を覆い尽くす。強引に砕くことで振り切ろうとするものの、しかし遅い。
「――吸血鬼に向かい発射しなさい」
 開放と捕縛の鼬ごっこのオブリビオンを前に、煌めき輝く絶対零度の氷柱。吸血鬼を討伐するせんと心を静める猟兵のユーベルコード『絶零氷柱(アイシクル・ミサイル)』が唸りを上げて大気を震撼させる。そして、解放された極大の氷柱が血に濡れた伯爵夫人・アミラを貫いた。領主オブリビオンの域に到達した吸血鬼であろうと、無防備に心臓へ叩き込まれた最大火力を受けて無事であるはずもなく、氷華を咲かせる。
「後は氷の華を咲き誇らせるだけですね」
 心臓から血肉と皮膚を突き破っては凍結させる絶対零度の氷柱に蝕まれて苦悶の声を漏らしている。それはまさに血に濡れた伯爵夫人・アミラの身体を苗床として萌芽する水晶華だ。棘のように鋭利な花弁を伸ばしながら、溢れんばかりの猛威と共にオブリビオンを誅殺せんと絶対零度の波動が唸りを上げる。オブリビオンの綻んだ隙間は、多重詠唱を繰り出す猟兵が術を織り成すには十分すぎるほど。同時に展開された周囲を覆う霧氷の嵐が血に濡れた伯爵夫人・アミラが霧となって逃げる事も赦さずに、敵手を順当に死の淵へと氷咲は追い込んでいくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ミカエル・アレクセイ(サポート)
●戦神は戦の中で生きる者
●殺す者で生かす者ではない
●生かして救うことは不得手
●殺して救う事に躊躇いはなく、それこそ自分の仕事

等の思考回路

相手の勢いを使って投げ飛ばす
ユーベルコードで相手の技を反射する
等、自滅を誘う戦い方をする
自分が傷つくことは厭わず痛みは感じるがそのせいで行動が鈍るなどはない。
戦場で何千年と生きてきた為痛みとの付き合い方は心得ている。

女性は誉めるもの。
賛辞はストレートに口にするし、貶すことはあり得ない。
容姿を褒められることを苦手とする相手の場合は行動や性格に褒めるところを見つけて口にしたりする。

冷静沈着、臨機応変

人心掌握、指揮、等が得意

無能力者故か神族であることは普段忘れている



 受けた激痛と衝撃を拠り所に血に濡れた伯爵夫人・アミラが起死回生の反撃に出ても、その取っ掛かりの嚆矢となる爪痕さえも残せない。まるで泥沼で独りもがくよう。このような強さの質が存在するのかと、オブリビオンはミカエル・アレクセイ(山・f21199)の隙の無さを痛感する。
「総ては経験だ、面倒でも生き残ってきた戦いのな」
 その源泉は間違いなく積み上げた知識と経験から齎される勘の賜物だ。才能重ねて、経験重ねて、研鑽重ねて――と、どれか一角でも欠けたならばわずかにでも露呈するはずの間隙がまったく見えない。まず肉体の持つ基礎能力が、千人や万人に一人のレベルで高いのは疑いない。そして数え切れぬ未来を踏みにじり、生まれ落ちた生き地獄から這い上がった場数、つまり戦闘経験も群を抜いて分厚いのだろう。攻防の手管がとにかく豊富だ。嫌味なほどに完璧だった。理想値を節操なく詰め込んだ猟兵の完成品、それを見ている気分になる。
「――これら全部が俺にとっての当たり前なんだよ。オブリビオン」
 蒼穹の如く澄み渡った眼光ごと気迫で跳ね返すように、重なる刃を押し込んで血に濡れた伯爵夫人・アミラを責め立てる。格上のオブリビオンを倒すために過ぎた力を宿した経験など今までいくらでもあるし、そのたびに実戦を重ね己が技に組み込みながら一歩ずつ昇華させてきた。馴染ませては強化して、強化しては馴染ませて研鑽を繰り返し、刀身に新たな鋼を幾度も接いだその結果こそのラプラスの悪魔。戦闘技術は肉体に、ひいては魂に刻み込まれた経験がオブリビオンとの彼我を埋めたのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ティー・セツナ(サポート)
 「あ˝あ˝?悪ぃな、ちょっと…暴れさせてくれよ」

凶悪な顔の新米執事
顔と口調の割には戦いは好きではない
好きではないが、得意ではある
何より執事の仕事を全うするためにも、定期的に戦ってスッキリする必要がある

そのため戦いの場では率先して前に出る
誰かを庇っているとなおさら戦いやすい気がする

どちらにせよ、ただひたすら殴り、暴れるのみ

一通り暴れたら、無表情で感謝を
「すっきりいたしました、ありがとう御座います」

戦い以外の依頼では、執事として皆のサポートを。
色々な人に仕えるのも、よい経験になると手は抜かない。でも顔はチンピラ。



「失せろよ、オブリビオンッ」
 諸共消え去れと、血に濡れた伯爵夫人・アミラが繰り出した不意打ちの鮮血の荊棘さえティー・セツナ(オウガブラッドの闇執事・f36272)の拳で殴り飛ばされた。足元から発生させた鮮血の茨も、片手間に踏みにじられて不発に終わる。一度傾いた、趨勢は依然として微塵たりとも揺らがない。森羅万象を蹂躙しながらティーは壊れた蛇口であるかのように、猛威を溢れさせ続けていた。次瞬、流星が直撃したかと思われるほどの威力。天地が反転したと錯覚するほどの衝撃が顎から脳へ突き抜ける。
「ぐう…….ッ!」
 驚愕に揺れる血に濡れた伯爵夫人・アミラの瞳に映った隕石の正体。それは依然としてティーの拳だった。猟兵は平然と戦闘行動を続行する。死なず、倒れず、膝さえ屈さず、強者の当然の権利だと言わんばかりに猛威を喰らいながらも放たれたオブリビオンの鮮血の槍で貫かれた腹から盛大に血と内臓が零れても知らぬとばかりに。まだだとばかりに。これは危機に瀕しての苦肉の策では当然ない。最初から敵手が不意打ちを決めるため間合いへ踏み込んでくるこの一瞬、それを当たり前に狙っていた根性論のカウンターだった。続く連撃はあまりに素早く、精密に、最適な手順で繰り出されオブリビオンは頭蓋骨を揺さぶり尽くす。もしほんの少しでも遅く、あるいは早くその拳打が放たれていれば、血に濡れた伯爵夫人・アミラは油断なくそれを回避したことだろう。そうした事実こそ、反撃が予定調和だったことを如実に物語っていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ラムダ・ツァオ(サポート)
ラムダよ、よろしく。
相手が強いのなら、削れる機会は逃さず、相手に隙は見せず、
長期戦を覚悟して着実に狙うのがいいわね。
勿論、隙があれば見逃したくないけど。
見切ったり足には自信があるけど、過信せずに落ち着いて戦況を見極めるわ。

行動指針としては以下の3通りが主。
1.囮役としてボスの注意を引き付け、味方の攻撃を当てやすくする。
2.ボスの移動手段→攻撃手段の優先順で奪っていく。
3.仕留められそうな場合は積極的に仕留めに行く。
 (他に仕留めたい人がいればその手助け)

台詞回しや立ち位置などは無理のない範囲でご随意に。
ユーベルコードは状況に応じて使い分けます。
アドリブ・連携歓迎



 ラムダ・ツァオ(影・f00001)は瞬時に距離を詰め、オブリビオンへと猛攻を仕掛ける。陽動を織り交ぜ、刹那で変化する光の反射を抑えた諸刃の黒い短剣と白鋼を鍛えた脇差で翻弄。少しでも血に濡れた伯爵夫人・アミラが隙を見せればそこへと短剣を叩き込んでいく。刹那、オブリビオンもまた魔力を驟雨としてラムダへと解き放つ。放たれた死の棘は全方位に万遍なく襲来し、贔屓も区別もすることなく鏖殺せんと大気を震わせる。そんな猛威に驚異を覚えても、間合いへの踏み込みに恐怖は微塵も感じない。何故なら、危険を冒さずにオブリビオンを倒せるはずがないから。
「――”刻め”」
 確実に致命傷を与えるであろう速度と精度で持って放たれた鮮血の荊棘はしかし、空中で突如として出現した衝撃により軌道を捻じ曲げられる。渾身の一撃が空を切ったことで必然的に生まれた隙。そこに短剣が予め決められていたかのように振り下ろされた。だが胴体を袈裟懸けに両断される寸前、血に濡れた伯爵夫人・アミラは床を蹴り紙一重でその攻撃の回避を果たし——否。
「さっきの衝撃で違和感に気づかなかった、あなたの負けよ」
 オブリビオンが足を運んだその床が突如弾け、石畳の破片を撒き散らした。体勢を崩した血に濡れた伯爵夫人・アミラを斬らんと閃くラムダの刃。オブリビオンは一瞬の判断で上体を反らし、被害を肩に掠った傷だけで済ませる。その反応速度はさすが領主の吸血鬼としか言いようがないが、しかし。掠った傷口に連続してユーベルコード『千刃』の斬撃が襲い掛かる。掠り傷だったはずのダメージは深く肉を斬り刻み、宙に鮮血を飛散させた。

成功 🔵​🔵​🔴​

櫟・陽里(サポート)
『操縦が上手いは最高の誉め言葉!』

乗り物が活躍できる場と
レースとサーキットが得意分野
どんな乗り物も乗りこなしてみせる

走りこそが俺の武器!
乗り物と操縦者の総合力で戦う
サイバーアイで路面、相手の動きなど幅広い情報収集
集中力・傭兵の経験・判断速度で攻め所を見極める

シールド展開バイクで体当たり吹き飛ばし
走り回って撹乱・誘導
仲間を運ぶ足になるのも好き
バイクは機動力のある盾にもなる
壊れたらほら、直すついでに新パーツ試せるし!

明るく話しやすい先輩タイプ
補助仕事もドンと来い
乗り物が無い戦場では手数が少ない
普通の拳銃射撃や誘導、挑発など小技を利かせるしかなくテヘペロしてる

過去は過去に還すべき、その辺割と無慈悲



「この走り自体が俺の武器ってな!」
 そのユーベルコードの加速技法は、まさしくとしてスターライダーの絶技。ユーベルコード『ゴッドスピードライド』の生み出した出力と宇宙バイクの変形の際に発生した反動加速を駆使しながら、羽根のように火の粉を散らして櫟・陽里(スターライダー ヒカリ・f05640)は血に濡れた伯爵夫人・アミラへと一直線に駆け抜ける。
「――いくぜ、ゴッドスピードライド」
 加速、加速、加速加速加速——稲妻の如く駆け抜ける隕石と化した宇宙バイクは今や文字通りにそれ自体が武器でありであり、自分自身が巨大な一つの光剣だ。宵闇を飛ぶ鳳凰のように、全身で血に濡れた伯爵夫人・アミラの物理攻撃を無効化する深紅の霧を貫きながら獲物へ向けて強襲する。極限まで凝縮された火力と速度と貫通力は、もはや空間に発生させたオブリビオンの血霧で逸らせるような域ではない。
「俺から逃げられるなんて思わない事だ」
 煙が濛々と立ち上る中、宣戦布告の言葉をオブリビオンに言い放つ。推進装置付きの断頭台はドライバーの意に従って精確な軌道修正を行いながら、オブリビオンの首へ一直線に稲妻のごとく墜ちるだろう。さらには空中を「駆け下りる」ように、重力を味方に付けて加速、発生した物理的破壊力は単純にして強大無比、衝撃波と轟音をオブリビオンの屋敷を中心に半径数キロメートルまで響かせて、猟兵の流れ星が血に濡れた伯爵夫人・アミラを殲滅させんと迸った。

成功 🔵​🔵​🔴​

陰日向・千明(サポート)
「このあと用事があるんで、さっさと地獄へ堕ちるッス」
◆口調
・一人称は「うち」、二人称は「あんた」、くだけた敬語をつかう
◆性質・特技
・マイペースで合理主義
・雨女
◆行動傾向
・特権階級者の車に轢かれ事故すら揉み消された女子高生の悪霊
・地元を鎮守する竜神の力を借りて受肉を果たした
・利己主義で秩序や慣習にこだわりはなく、勝つためなら手段を選ばないしたたかさを備えているが、なんだかんだで面倒見はよい
・神器化したスマホで霊界通信サービス「天孫(あまそん)」に武器を注文して戦う
・一度死んだ経験から死に対する恐怖心がなく、戦闘をゲームのようにとらえている。敵にも当然慈悲はない



「このあと用事があるんで、さっさと地獄へ堕ちるッス」
 陰日向・千明(きさらぎ市の悪霊・f35116)の生前きまぐれに通信販売で購入した、胡散臭い両手剣『ツーハン・ソード』から繰り出されるのは、文字通りそれはまさに人外の秘剣。ユーベルコード『天孫購臨「通販で取り寄せた両手剣」(アマソン・コーリン・ツーハンドソード)』によって、霊界通販サービス『天孫』で発注した神剣]に施されたプレミアム会員の特典の封印を解除することで会得した、”空間を鞘に見立てた”疾走居合に他ならない。”世界に刃を食いこませ”、そこからの解放と反動を利用した一刀は血に濡れた伯爵夫人・アミラの有する知覚速度を圧倒的に振り切りながら炸裂した。
「――これでも浅いんすか、あんた強いオブリビオンっすねー」
 繰り返される神速の剣戟。闘いが始まって僅か一分足らずで、陰日向が死撃を繰り出した回数は三桁に迫ろうとしていた。それらの刃に無意味なものは欠片もなく、すべてがすべて計算ずく。斬り結ぶたびに衝撃で発生する真空波さえも予測した剣戟の一つであった。鋼の刃と風圧による死神の鎌が吹き乱れ、床に、壁に、天井に数多の斬撃痕を残していく。もしもこの戦場に常人が立っていたら、既に百以上に細断された肉片と化して床に転がっていたことだろう。人を超越した凄まじい速度、圧倒的なユーベルコードによる威力増強だが、何よりも恐るべきはその力を制御する陰日向の戦闘技巧だ。
「さ、これでうちの仕事も終わりッス」
 次瞬、大きく踏み込んで態勢を低くしてオブリビオンの猛威を躱し、再び空間を滑るようにツーハン・ソードを抜き放ち、血に濡れた伯爵夫人・アミラを切り裂いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ジェイソン・スカイフォール(サポート)
おもに「正当防衛」「衛生小隊」を使ってメイン参加者の援護を行います。

▼行動例

「下がってください!」
メイン参加者が不利な状況に登場し、かばう。ボス敵の相手を引き受け、味方が態勢を立て直すための機会をつくる。

「救護します!」
衛生小隊にボス敵の牽制を命じ、その隙に、負傷したメイン参加者を安全圏に撤退させ、応急手当を行う。必要に応じて「生まれながらの光」で治療する。



 生まれ持った強さという特別だけで、無辜の領民を苦しめる血に濡れた伯爵夫人・アミラをみて、ジェイソン・スカイフォール(界境なきメディック・f05228)は想いを改めて固める。重要なのは手にした力をどう使うか、何のために使うかだと。才能だろうと、努力だろうと、後付けだろうと、偽物だろうと、いきなり与えられた嘘まみれの力でも、何の対価も払わずに手にしてしまったものだろうと。そんなことは関係ない、全然、なんであろうとも構わない。他者を守るために使えたら、それだけでもう十分だと、自分以外の笑顔のために拳を握りしめられるなら、誰しも立派な英雄なんだと。重要なのはそこでしかない、故に――無辜の領民を苦しめるオブリビオンを見過ごすことが出来ない。
「正当防衛により制圧します!」
 解決の手段が同じくして、暴力というものだったとしても、止めた涙の数だけが、暴力の誇りで勲章なのだ。この真実はいつの時代、どの国だろうと記憶が消えていようと関係ない。格好いいとはそういうことだと、信じている。一転、顕在化するは煮え滾る殺意の発露。本気で激怒しているのだろう、本気で許せないのだろう。心胆、凍て付かせる猟兵の視線がオブリビオンを睨めつけた。嚇怒に満ちる震脚が雷霆のように轟いた。所詮、暴力は暴力。正誤も貴賤もないからこそ、誰かのために使うべきだと彼は――ジェイソン・スカイフォールは、心の底から信じている。

成功 🔵​🔵​🔴​

土御門・泰花(サポート)
※アドリブ・連携・苦戦描写・UC詠唱変更・その他歓迎

「あらあら……。大変な事態です。微力ながらお手伝い致します」

一人称:私
口調:基本的に敬語。柔和な印象を与える口ぶり。
表情:基本的に柔和な笑みを湛え、義憤もその下に隠す。
性格:普段はおっとりだが「陰陽師の家系の当主」という自覚があり、凛々しくみせる時も。

先ずは私や仲間へ【オーラ防御/結界術】展開、守りを。

【早業/軽業/地形の利用】で移動。

敵の攻撃は防御結界で弾き、物理攻撃は薙刀で【武器受け】し薙刀or式神の黒揚羽で【咄嗟の一撃/カウンター/2回攻撃】。

UCは戦況と効果次第で適切なものを使用。
可能な限り【早業】で敵のUC発動前に発動。

後はお任せ。



 土御門・泰花(風待月に芽吹いた菫は夜長月に咲く・f10833)はオブリビオンの猛威を紙一重で躱し、捌き、ときに薙刀から斬撃を飛ばして直撃を逸らす。弛まぬ修練によって身に着けた戦いの定石と、実戦の中で培われた型破りの技術。それらの絶技を惜しみなく駆使しながら、必殺の技を雨霰と降らせ続けていた。
「あらあら……。やはり大変なオブリビオンですね。微力ながらお手伝い致します」
 血に濡れた伯爵夫人・アミラを必殺とするならば、土御門の戦法は封殺。着実に――そして確実に。オブリビオンから次の行動の選択肢を奪っていく。必殺の一撃も当たらねば無意味。多段攻撃による時間差の衝撃を駆使して相手の体勢を崩すことを意識して立ち回る。戦場の主導権を握り、決して敵が望む戦いをさせない。決め手の一撃を放たせず、振るわせず、じっくりと時間をかけて王手への道を歩む。趨勢はもはや揺るがない、
「それではいきましょうか」
 圧倒的に優位であり、逆転を許す一分の隙も無い。勝負は決まっているようなもの。冷静に盤面を俯瞰しそんな結論を下しながら、しかし、土御門は気を緩めない。着実に追い込まれていくオブリビオンを仰ぎ見ながら、猟兵はさらに斬撃と衝撃の波状攻撃を加速させていく。
「――巫覡載霊の舞!」
 ユーベルコードを解き放ち、攻撃の威力と速度を向上させた一撃を血に濡れた伯爵夫人・アミラへと奔らせる。定調和の進撃は王手詰みの段階に入って繰り出された絶技は、敵手の胸を掠めたその一撃は正中線を通り傷を描いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ニコリネ・ユーリカ(サポート)
あらあら、盛り上がってるわねぇ
お忙しい所、お邪魔しまーす!
新しい販路を求めてやってきた花屋です
宜しくお願いしまーす(ぺこりんこ)

~なの、~なのねぇ、~かしら? そっかぁ
時々語尾がユルくなる柔かい口調
商魂たくましく、がめつい

参考科白
んンッ、あなたって手強いのねぇ
えっあっヤダヤダ圧し潰……ギャー!
私も気合入れて働くわよー!
悪い子にはお仕置きしないとねぇ
さぁお尻出しなさい! 思いっきり叩いてあげる!

乗り物を召喚して切り抜けるサポート派
技能は「運転、操縦、運搬」を駆使します

広域では営業車『Floral Fallal』に乗り込みドリフト系UCを使用
狭域では魔法攻撃や『シャッター棒』をブンブンして戦います



「あらあら、盛り上がっているわねぇ。私もお手伝いさせて貰おうかしら?」
 ニコリネ・ユーリカ(花屋・f02123)は移動販売車のシャッターを引き下げる際に用いる金属棒を魔法の杖のように嫋やかな腕で振るって、中空に幾何学模様を描いたその瞬間、乱れ舞う魔法陣が創出したのは視界一面を埋め尽くす雷の嵐だった。空中に浮かび上がった魔法陣は異能の掃射砲台と化していた。その滅殺陣は絶対無比——恐るべき殲滅飽和攻撃を那由多の数だけ放射する。
「――エレメンタル・ファンタジアッ!」
 複雑な属性を付属していない分、高密度を誇る十の六十乗に達する雷の嵐。言わずもがな、攻撃速度も雷速だ。音の壁を破壊しながら全方位より襲来する絶滅の豪雨が、獲物を求めて雪崩と化す。恐るべき攻撃能力を保持したまま、空中を縦横無尽に旋回して獲物を目指し飛翔する。軌道も直線から曲線へと無秩序に変化した。鮮血の荊棘を的確に放とうとも、それでは無理だ。億にも届かぬ物量では到底全てを消しきれない。結果、雷の嵐が機関銃のようにオブリビオンへ殺到する。
「そっかぁ、打ち消せないなら回避する、合理的な行動ね。でも――それは駄目よ」
 次瞬、同時に行われるのは極限まで精度の高い先読み。ただ当たり前に回避先を読み、弾き出した決断に魔法攻撃を修正していく、迷わず止まらず行動し続け那由多の猛威のすべて無駄なく危機とし血に濡れた伯爵夫人・アミラへと奔らせる。言葉にすればそれだけの基礎的な行動だが、ここまで極めれまさしく魔技の領域だ。眩暈がするほど隔絶した圧倒的な技量だった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ニケ・ブレジニィ(サポート)
技能を、フル活用します。

仲間を守りつつサポートし、敵を倒すという戦闘スタイルです。

また、このシナリオ内で戦闘不能になったオブリビオンの肉体と魂を、ユーベルコードの『桜の癒やし』で鎮め、転生できるように祈ります。

「…もう鎮まりたまえ、あなたの名を忘れないように私は憶えておいてあげるから…」

リプレイのために、このキャラクターを自由に扱っていただいて、全く問題ありません。



「……鎮まりたまえ、あなたのことも大切に想ってくれた人の事も、私は覚えているから」
 ニケ・ブレジニィ(桜の精の王子様・f34154)は血に濡れた伯爵夫人・アミラによって、死した後も呪詛を撒き散らすことで、最愛の人の感情を操りオブリビオンの傀儡としていた亡骸で作られた人形たちを、ユーベルコード『桜の癒やし』で鎮め、転生できるようにと祈りを捧げる。
「あなたが、そしてあなたを愛してくれた人が幸せになれるように私も頑張りますから」
 人々は輝かしい幸福が、それを達成した過程さえ一点の汚れなきものでなければ容易に認めない。幸福を得るための努力にさえ貴賤を求めてしまうものだ。呪詛により傀儡にされていたとはいえ、オブリビオンの手先となっていた領民たちの中には自分を赦せない人もいるかもしれない。

「死者には祈りを、生者には許しを捧げませんと」
 領民たちが唾棄すべき大罪人に向けるが如き非難と迫害を開始されぬように。白一色から外れた途端、一点の穢れを指差し幸せの道から引きずり降ろされる事が決してないように。と、そこでニケは桜の癒しで祈る手は休めず、されど悲しげに苦笑した。
「……そうじゃないと、安心して転生できませんよね」
 静かな音韻に熱を込め、ひとつひとつの言葉を楔に変えて、自らの胸に打ちこむつもりで紡いでいく。
「自分を赦し、赦される。そんな世界をオブリビオンから取り戻してきます」
 十分な祈りを終えた後、犠牲となった無辜の領民たちの亡骸に背を向けてニケは美しい細身の剣を構えると、領主オブリビオンへと意志に呼応して光輝く刃を奔らせるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ラム・クリッパー(サポート)
力持ちな魔獣解体士、人族の女の子
口調は「子分チック(アタシ、アンタ、~っす、っすよ、っすか?)」

アタシは搦め手が好きじゃないっすから、正面切って前線に出るっす!

一応、解体士の端くれなんで、敵の壊せたり、解体できそうなところは狙うっすよ。
なので、武器はフーリガンツール(解体工具)を持ってるっす。

UCは指定されたものは、どれでも使用するっす。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしないっす。
公序良俗に反した行動はしないっす。
後は、お任せしますっす。



「どうやらアンタが親玉みたいっすね。絡め手は好きじゃないっすから、正面切ってやらせてもらうっすよ」
 この場通りに地を蹴り、前へと突き進むラム・クリッパー(力自慢の少女解体屋・f34847)の雄々しく掲げたエンジンカッターが未来を貫く希望のように煌めき、輝き、光を放つ。
「いくっすよ、目標確認! 突撃開始!」
 呟きは横殴りの暴力に掻き消えた。ユーベルコード『破壊工法"RAM-ATTACK!"(ラム・アタック)』によって生まれた痛烈な体当たりが血に濡れた伯爵夫人・アミラを叩きのめす。側頭部を打ち抜くような苛烈によって、体勢が圧倒的に崩れたことで生じる隙をラムは見逃さない。槌のような回し蹴りと、続くエンジンカッターの多重斬撃が血に濡れた伯爵夫人・アミラの身体をボールのように吹き飛ばす。
「――次っす」
 そして次瞬、持ち替えたラムのフーリガンツールが恐るべき質量をもって獲物を喰らい、蹂躙する。自由奔放にみせかけた殺し技の連続が血に濡れた伯爵夫人・アミラは木の葉の如く翻弄されて、致命傷を防ぐだけが今や精一杯だった。万全な状態ならばそれらは防がれていただろう。だが既に伯爵夫人・アミラは心身ともに限界だった。防ぐ事も躱す事も出来ずに攻撃を受けてしまう。だからこそ、末路は既に目の前だ。獲物の臓腑をぶちまけるのに奇策も賭けも必要なく、ただ効果的に動くだけで血に濡れた伯爵夫人・アミラは歴戦の解体士に引き裂かれていく。

成功 🔵​🔵​🔴​

禍沼・黒絵(サポート)
『クロエと遊んでくれる?』
 人間の人形遣い×ビーストマスター、13歳の女の子です。
 普段の口調は「無感情(自分の愛称、アナタ、ね、よ、なの、かしら?)」、独り言は「ちょっと病んでる(自分の愛称、アナタ、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

一人称はクロエ、人からクロエと呼ばれると喜ぶ。
ちょっと暗い感じの無表情なキャラ
武器は装備している物を自由に使って構いません。

 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



「皆、クロエの声に応えてね」
 禍沼・黒絵(災禍の輩・f19241)により、血に濡れた伯爵夫人・アミラへと怒涛の勢いで襲来する呪いで自在に動かせる無数の暗器の多重衝撃連奏。全身どころか得物や足場、そのすべてに飛来する呪術を込めた夥しい数の暗器が禍沼の指示に従い、完全な殺人工程で血に濡れた伯爵夫人・アミラを滅びの渦へと飲みこむ。
「オブリビオンといえども、追い込まれたら他と一緒ね」
 ユーベルコード『呪われた無限の刃(カースド・ダンシング・ソード)』の前には血に濡れた伯爵夫人・アミラを嵌め殺すなど、もはや造作もないことだった。一片の希望もなく粉砕される現実に、オブリビオンは叫ぶことしか許されなかった。反撃に、迎撃に、あるいは相討ち狙いで鮮血の荊棘を放たんとした行動さえすべて初動で潰される。精神の機微さえ完全に読み切られている封殺の構えに対し、血に濡れた伯爵夫人・アミラは翻弄されながら唇を噛んだ。
「――そしてこれがクロエの本命ッ!」
「ア”ァ、ごふっ」
 結果、必然と攻撃速度について行けず四肢に手傷を刻まれて蹂躙される血に濡れた伯爵夫人・アミラへと日食の名を持つ闇の属性を秘めたアリスランスが奔り、腹部を激しく穿つ。――傷穴を塞いでいた栓を失い噴出する鮮血。引き抜いたエクリプスで穿たれた内臓器官から大量の紅が飛散して宙へと弧を描いた。明らかにオブリビオンであろうとも生命維持に支障をきたす出血量だ。それでも、オブリビオン驚異的な精神力のみで強引に意識を覚醒状態へと保つ。吸血鬼の意地を発露させ、血に濡れた伯爵夫人・アミラは已然と猛威を示し続ける。

成功 🔵​🔵​🔴​

シエナ・リーレイ
●アドリブ可
あなたが領主さん?とシエナは尋ねます。

領民達に受け入れられなかった弟妹を引き連れ館へ戻ってきたシエナ
領主を見つければもう一つの目的を果たす為に行動を開始します

なんで『兄姉』達を壊したの?とシエナは問い掛けます。

シエナは領主に兄姉達の身体を壊した理由を訪ねます
尋ねる最中に霧となった領主に包まれますがシエナにとっての生命力は[呪詛]であり安易に吸う事は容易ではありません

みんなの『想い』受け取ってね。とシエナはお願いします。

シエナが引き連れた弟妹は兄姉の核とそれに取込まれた怨念を元に作られたモノ
それ故に領主の所業を覚えている弟妹達はその想いを【感情暴走の呪詛】にのせてぶつけます



「残念だけど、全員を受け入れて貰う事は出来なかったね。とシエナは悲しみます」
 領民たちに受け入れられなかった『弟妹』を引き連れ館へ戻ってきたシエナ・リーレイ(取り扱い注意の年代物呪殺人形・f04107)は、再び領主の館へと舞い戻りもう一つの目的を果たす為に行動を開始すると、直ぐに目的の人物の姿が瞳の中に吸い込まれる。
「あなたが領主さん?」
 数度、踵を打ち鳴らしてしっかりと見据える距離まで彼我の境を縮めると、血まみれの領主オブリビオンを双眸に映したシエナは尋ねる。その真紅の瞳を軽く瞠って、じっと血に濡れた伯爵夫人・アミラを見つめている。

「そうよ、わざわざ傷を癒やすための生贄を持ってきてくれた猟兵さん」
「なんで『兄姉』達を壊したの? とシエナは尋ねます」
 シエナは重ねて不敵な笑みを領主のオブリビオンへと問い掛ける。同時に『弟妹』たちのもの言わぬ聲が、瑕疵を見つめる夥しいの視線が、憎悪を宿し熾火のように輝いて、オブリビオンの肌を刺すように向けられる。
「中身を移し替えるた後の容器をわざわざ残す必要は、ないじゃないっ――!」
 次瞬、弱りきって蹌踉と身を起こす動きとは似て非なる不自然な仕草で血霧となった血に濡れた伯爵夫人・アミラ。シエナとその『弟妹』の四肢へと纏わりつきその生命力を吸い上げようとするも――。
「これは一体、どういうことなの!?」
「シエナにとっての生命力は、これなの。何かおかしいことでも? と疑問を投げかけます」
 そう、呪詛で所有者を死に誘い、死後の怨念と魂を糧に動く人形であるシエナの生命力は呪詛そのものであり、優れた吸血鬼のオブリビオンであってもそれを安易に吸う事は容易で、シエナが引き連れてやってきた『弟妹』もそれと同様であり、血に濡れた伯爵夫人・アミラが傷を癒やす事など叶わなかった。
 
「領主さんの気持ちは分かったよ。それじゃあ次は……みんなの『想い』を――」
 取込まれた怨念を元に作られた”モノ”から響く感情暴走の呪詛に血に濡れた伯爵夫人・アミラは瞠目した。領主の所業を覚えている『弟妹』たちを触媒にユーベルコード『友愛のハグ(ニンギョウヘトサソウホウヨウ)』が解き放たれる。それと共に凝り唸る呪詛を纏い満ち溢れる親愛と好意。形ではなく生身の生物であったという事実を抱きしめるというユーベルコードは、オブリビオンが物理攻撃を無効化する深紅の霧となっていても関係ない。その概念そのものを抱きしめるその抱擁の腕の中で、逆再生された映像のように霧から肉体へと血に濡れた伯爵夫人・アミラを象る。
「――しっかりと受け取ってね。とシエナがお願いします」
 宣した抱擁に勿論のこと慈悲はない。一度抱き着いたら離れない全力の抱擁は残る心臓の鼓動を素知らぬ顔で圧殺。抱擁から解放されたオブリビオンは数多に受けた猟兵たちの傷を開き、胸部に大穴を開け内容物を撒き散らしたあげく、二度、三度と糸の切れた人形みたいに地面を跳ねながら、その身体がようやく止まる。
「ちゃんと領主さんはみんなの想いを受け取ってくれたかな? とシエナは――」
 もの言わぬ人形となったオブリビオンを見つめるシエナの表情は、天蓋から降り注ぐ純白の光条が煙らせて誰の瞳にも映る事はなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年05月16日


挿絵イラスト