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銀河帝国攻略戦⑮~戦隊旗艦を討て〜

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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●白城艦隊、出陣せり
 エンペラーズマインド防衛艦隊を、戦線離脱し再編を図る残存戦力に至るまで打ち破り快進撃を続ける解放軍艦隊。
 戦勝の勢いに乗り、士気旺盛に帝国軍に喰らいつく彼らを押し止めたのは、白亜の壁であった。
 帝国軍の二大巨頭が白騎士ディアブロ直属の最精鋭。
 重装甲、長射程、大火力を誇る制式型戦艦"のみ"で編成された、決戦打撃部隊――白城艦隊との遭遇は、解放軍の侵攻速度を著しく削ぎ落とす。
 数で勝り、戦意に満ちた解放軍艦隊をもって戦力比は五分。
 装備で、練度で、士気で勝る白城艦隊と長期に渡って交戦し続ければ、強いられる消耗で解放軍の戦意は崩壊しかねない。
 ――しかし、解放軍は彼らだけで戦ってはいない。
 彼らの戦友、オブリビオンへの敵対者。すなわち――猟兵たちの出番だ。

●敵艦見ユ
「ミッションを更新します」
 集った面々に戦況を記したマップを提示し、アレクサンドラは状況を説明する。
 エンペラーズマインド要塞を突破した解放軍艦隊は、帝国軍に対し優勢を維持して進撃。
 かなりの距離を前進したが、そこで敵の精鋭艦隊、白城艦隊と接敵した。
 白城艦隊は帝国軍でも最精鋭に数えられる強力な艦隊であり、今でこそ快進撃の勢いに乗った猛攻で互角を維持している解放軍も長期戦となれば分が悪い相手だ。
 だが、解放軍の士気が崩壊する前に、逆に敵の士気と戦術を破壊すれば、それは帝国の最有力艦隊をここで殲滅するまたとない好機。
「よって我々は白城艦隊への強襲作戦を提案します。解放軍艦隊の協力により、敵の各戦隊司令官が座乗する旗艦はほぼ特定されました」
 これを複数の猟兵チームによる攻撃で短期間のうちに殲滅し、敵の強固な抵抗の重要なファクターである司令官のカリスマと的確な艦隊運用能力を奪って白城艦隊を弱体化させるのだ。
 旗艦が沈めば艦隊は浮足立ち、解放軍もさらに有利に戦闘を進められるだろう。
「ただし、敵旗艦乗員の練度は他の艦よりさらに上でしょう。危険度もまた相応に高いと思われます」
 ただの戦艦と侮るなかれ。くれぐれも無事の帰還を、とアレクサンドラは敬礼で猟兵たちを送り出す。


紅星ざーりゃ
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 こんにちは、紅星ざーりゃです。
 今回は帝国軍二大巨頭、白騎士ディアブロ直属の精鋭艦隊との決戦です。
 狙うは旗艦、ただ一隻のみ。
 随伴艦を相手取る必要も、またその余裕もありません。狙う獲物以外は解放軍艦隊を信じて任せ、旗艦を叩くことに全力を向けるシナリオとなります。
 敵旗艦は通常の制式戦艦と同級ですが、しかしそれ以上の練度を誇るかなりの強敵です。
 これを撃沈せしめる、皆さんの熱いプレイングをお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『帝国宇宙戦艦』

POW   :    フルバースト・コズミック
【全砲一斉射撃】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    デストロイレーザー
【10秒間のエネルギーチャージ】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【主砲からのレーザー砲撃】で攻撃する。
WIZ   :    インペリアル・マカブル
【自身の稼働可能時間】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【帝国式鏖殺形態】に変化させ、殺傷力を増す。
👑15
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



『――右翼、ガルンベルデ前進します!』
『――ファーメットのナンクス大佐より入電、我、敵艦二隻ヲ撃沈セリ!』
 同級の大型戦艦で統一された銀河帝国軍の白城艦隊と、艦種も規模もバラバラの解放軍艦隊が激突する宙域。
 双方の放つ色とりどりのビームが空間を切り裂き、その間隙を縫うように空間戦闘機や宇宙魚雷、ミサイルが飛翔する。
 帝国軍白城艦隊第七戦隊、旗艦ブリッケラウの艦橋で、彼女はそれを美しいと評した。
 帝国艦隊の主砲が吼える度に、遥か彼方で爆発の光が花開く。
 僚艦を沈められ、必死で抵抗する解放軍の砲撃が巨大な戦艦に次々と着弾し、それを装甲で弾き返し――十隻近い艦隊からの集中攻撃に限界を超えた帝国戦艦が炎を吐き出しながら爆沈する。
 光が一つ瞬く度に、多くの命が失われていく刹那的な光景。それをして、彼女は美しいという。
『ガルンベルデは独自の判断で限界まで進出。ラッツェクとカルバータをガルンベルデの後方に回して、主砲の限界射程ギリギリまで距離を維持して追跡させて。反乱軍は孤立したガルンベルデにたまらず食いつくはずよ、三隻で叩き潰しなさい』
『ファーメットは後退、誘い込まれているわ。おおかたデブリに紛れた雷撃艇の網が待っているのでしょうね。ナンクスの猪爺が失態を犯すのは自由だけれど、艦とクルーを巻き込ませないで。あれは貴重な戦力よ』
『グリックスの救援に向かった愚か者はどの艦? あれはもう沈むわ、下手に近づけば誘爆に巻き込まれる。捨て置くように命じなさい』
 戦場で散る命の光は大いに結構なものだ。だが、怠惰に思考を停止して死ぬもののそれは醜い。
 銀河帝国が誇る戦艦の力に酔い、弱者を嬲ることに夢中になって死ぬことを彼女は許さない。
 銀河帝国艦隊は、白城艦隊は絶対強者である。だが、強者は思考を止めた瞬間腐り落ちるのだ。
『――敵は今、まさに思考を止めて勢いだけで押し寄せているわ。此処を耐えなさい。そうすれば我が艦隊は必ず勝利するのだから』
 彼女――銀河帝国軍白城艦隊第七戦隊司令、ヘンリエッテ・ヴァルナ―少将はそのうら若き美貌に怜悧な知性と否を言わせぬ威風を纏い、矢継ぎ早に下す指示で麾下の艦隊を操っていく。
 過去の勝利を盲信し、勢い任せに決戦を挑んだ解放軍艦隊――彼らが掴んだ主導権は、間もなくして失われる。
 その時、白城艦隊は絶対強者の名に違わぬ力を示す。全ては、偉大なる銀河皇帝と敬愛する白騎士ディアブロの為に。
『さあ、次が来るわよ。ここまであからさまに出力を増した通信波をあちこちに飛ばしたのだから、おそらく敵は本艦を旗艦と見て直接攻撃に出るはず。対空戦闘用意、戦闘機や鎧装騎兵ならば的にもならないけれど、噂の猟兵が来るようならば一筋縄では行かないでしょうね』
『――アイマム、対空戦闘用ォ――意!』
『――僚艦に打電、艦隊間距離を開け! 本艦に進路を譲られたし!』
 ヘンリエッテのもとで鍛え上げられたクルーは、艦隊全てを一個の生き物のように連動させて迎撃陣形を取る。
 来たれ猟兵、我が第七戦隊の罠へ。艦隊戦に魅入られた若き魔女の鍋底にこそ、解放軍の唯一の希望にして絶望への入り口が待ち受けている。
シャルロット・クリスティア
旗艦自らを餌にした……?
余程迎撃に自身がおありのようですが……。
突っ込んでいくだけが能ではないということは、そちらも理解しているでしょうに……!

突入する仲間を囮にしつつ、自身は『目立たない』よう、デブリ等の『地形を利用』して視界ギリギリの位置まで接近。
宇宙空間なら、空気抵抗も重力も無い……つまり質量弾は初速から減速することが無い。
つまり狙いさえつけられれば射程は無限です。私の『視力』と『スナイパー』としての技術ならば……!

主砲の射線上は避け、機銃座を迅雷弾による超長距離狙撃により攻撃、接近を駆ける皆さんへの『援護射撃』とします。
狙撃手の『早業』、お見せしましょう!


レッグ・ワート
白城に喧嘩売るとか嘘だろ。俺それ喜べる仕様してないんだぜ。いやまあ、だよな。逃がしたい連中が逃げてもしょうがないし逃げないならそれしかないわな。了解。

なら俺は、白城旗艦を落とせる火力を手間から逃がす。攻撃考えずに操縦や逃げ足活かして回避と接近に専念、ゴッドスピードライドの加速と演算でそいつ希望の良い位置まで送ってやる。必要なら糸で固定するし、やばくなったらデブリ近くで糸切り解散。囮で出るさ。
良い位置なかなかとれない事態に備えて、ドローンをバイクに固定して、砲種や間隔を撮って受信可能な連中に練度諸々を拡散しながら周回。ちな狙われなくなったら照準うたれた猟兵回収回避して立て直して回ってやるからな。




「白城に喧嘩売るとか嘘だろ、俺それ喜べる仕様してないんだぜ」
 先の大戦が終結し、銀河帝国が滅びて尚も語られる帝国宇宙艦隊の最精鋭が一角、白城艦隊。
 艦列を組み、整然と展開するその規模こそ解放軍艦隊に劣るが、単艦でもこの宇宙で最強と謳われる帝国戦艦が数を揃えて砲を並べればそれはどんな死地より恐ろしい。
 WR-T2783改めレグは、かつて帝国軍の量産ウォーマシンであったころの記憶をもとに白城艦隊の戦力を推測する。
 普通に戦って解放軍が勝てる相手ではない。戦慣れした旧解放軍すら手を焼いた相手に、今の民兵に毛が生えた程度の新解放軍が打ち勝てる道理を彼は見出すことが出来ない。
 だが。
「いや、まあ……だよな」
 その視線の先では、果敢に前進する一隻の解放軍駆逐艦が無数の艦砲から向けられる一撃必殺のビームキャノンを掻い潜り、必死に敵戦艦に喰らいつく。
 彼らは撤退しない。難攻不落のエンペラーズマインド要塞を攻略せしめた勢いをここで削ぐわけにはいかないからだ。
 いや、それだけではない。ここで彼らが撤退することは容易いだろう。解放軍艦隊は連携未熟だが、それ故に高速艦だけが先行艦隊としてこの戦場に到達している。
 対する白城艦隊は火力、装甲でこそ圧倒的に解放軍を優越するが速力は戦艦相応。快速のディクタトル級巡洋戦艦すら排した純然たる打撃艦隊たる彼らの進行速度は速いとは言えない。第七戦隊もまた、その例に違わず速度は遅い。
 だがここで彼らが退けば、次は帝国本土攻略を目指し進撃するインペリウム攻撃主力艦隊が白城艦隊と接敵することになる。主力艦隊に損害を出せば、最終目標たる帝国旗艦の制圧難度は跳ね上がってしまうだろう。
 戦術的にも、心情的にも退けない戦い。それは今、エンペラーズマインドを攻略した、銀河帝国に対抗できるのだという解放軍艦隊の勝利への信仰でのみ成り立っている危ういものだ。
「……逃がしたい連中が逃げてもしょうがないし逃げないならそれしかないわな。了解」
 諦めたように呟き、鋼鉄の愛馬に跨るレグは目標たる戦隊旗艦へ視線を移す。
 あの戦艦を撃沈する火力はない。
 だが、それを持つ誰かが少しでも容易く攻撃距離に近づく為に囮になることはできる。
「そういうわけだ、シャルロット。安全運転とはいかないが振り落とされるなよ?」
「ええ。あの船、よほど迎撃に自信があるようですが突っ込んでいくだけが能ではないと再確認させてあげましょう!」
 ライフルを抱え後座に座る少女狙撃手に振り返り、アクセルを踏み込んだ。

『――敵影1、本艦に急速接近! カーラング、アルバーソン突破されました!』
『――本艦防空圏内に侵入! 主砲塔より射撃許可求む!』
 捨て鉢の特攻を仕掛けた駆逐艦を無慈悲に無感動に撃沈した直後、僚艦の守りをすり抜けて旗艦ブリッケラウに猛接近する小さな機影を捉えた報告にヘンリエッテは薄く笑みを浮かべる。
『まずは敵の回避能力を見る。主砲は1.5秒間隔で順次射撃、対空砲射程内に侵入次第これも使いなさい』
『――アイアイ、マム!』
 ブリッケラウの艦橋直下に装備された、三連レーザーキャノンが滑るように旋回し、迫る宇宙バイクをその照準に捉える。

「うおっ、危ねえ!」
 巡洋艦すら一撃で貫通する主砲の一撃を間一髪のロールで躱し、続く二射目、三射目を加減速を織り交ぜて受け流すレグ。
 その後ろにしがみつくシャルロットは、先の二隻の直掩艦をすり抜けた辺りから無言になっている。
 空間機動戦に慣れているとは言い難い地上生まれの少女には、少しばかり刺激が強すぎたか、とレグは彼女を心配した。――俺の背中で吐くなよ、宇宙服の中で止まるとはいえいい気分じゃないからな、という気持ちも無いではないが。
 それはそれとして、敵艦の主砲――目立つ船首の超大型固定砲ではなく、小回りの効く連装レーザーキヤノンの射撃速度や照準の精密さを、バイクに固定したドローンに記録させながらレグはデブリ帯に逃げ込んだ。
「さてと、あれ相手なら少しは全力出して逃げ回らなきゃな……!」
 先程までの機動すら本気ではなかったとばかりに、デブリから飛び出したバイクは猛烈な速度でブリッケラウの周囲を舞う。
 対空砲がレーザーの雨を降らせるが、一滴たりとも当たりはしない。
「大事な積荷さえなきゃ、一対一で貰いやしねえよ」

「…………うっ。まだ目がぐるぐるします……!」
 一方その頃、先程レグが飛び込んだデブリ帯、その中を漂う解放軍艦の破片の裏側で、シャルロットは額を押さえていた。
 デブリに飛び込んだあの一瞬で、彼の運び屋はシャルロットを此処に置いて飛び出していった。
 今、彼は単身であの針鼠のような戦艦に挑み、凄まじい機動を見せている。
「負担をかけた分、仕事は確実にこなさないと……!」
 戦艦の防空網を突破する、というのがあれほどまでに無茶なことだとは思わなかった。ぐるぐると回転する視界、チカチカと明滅しながらすぐそばの空間を通り過ぎていくレーザーへの緊張。
 そういったストレスが、乗り物酔いという形でシャルロットを襲った。ここで別れるのは予定通りとはいえど、気を使わせてしまったかもしれない。
 だからこそ、その後の囮を買って出た仲間に此れ以上の負担を掛けられない。
 魔導式のライフルに術式刻印弾を装填し、ボルトを引いて狙いを定めるシャルロット。
 常人離れした視力と狙撃手の経験を持ってすれば、宇宙空間でも――いや、空気抵抗や重力などの条件を無視できる宇宙空間だからこそ、狙撃は強力な武器となる。
 引き金を引き、次弾を込め、ボルトを引いて、引き金を引く。
 狙い定める集中の中で、酔いなど何処かへ消え去った。
 敵艦の対空機銃に取り付けられたセンサーを正確に射抜く弾丸は、機械に食い込むと込められた雷の魔力を放出して電子機器を破壊する。
「――ここから狙えるぶんは、これで最後!」

「……ひゅう、乗り物酔い娘がやるもんだぜ」
 自らを追う機銃が次々と撃ち抜かれ、視界を失ったように盲撃ちを始めたのを確認して、レグは快哉の声をあげる。
 得られるデータは得た。後はこれを持ち帰り、ついでに可哀想だがシャルロットにはもう一度全力機動に付き合ってもらう。
 油断は出来ないが楽な仕事だ。レグは偵察任務を終え、旗艦ブリッケラウの防空圏をするりと離脱していく。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

レクシア・ノーレッド
戦艦…!しかも今までのとは違う奴だね!
あそこまで大きいとなると―沈めがいが、あるってものだよ!

【SPD】

全力で作って交戦に移るよ!
【選択したUC】で作成するのは私の装備である、宇宙バイク「アリア」、可変戦闘機「フィート」、廃材竜「リベラ」の三種、各20機!

アリアは小回りが利くのを活かして貼り付いてもらって、壊せそうな部分があったらそこ目がけて自爆させるよ!

リベラは属性攻撃「電磁波」を展開!敵艦のレーダーやセンサーなどをジャミングさせ、回避に集中!

そしてフィートは私もオリジナルに乗って21機編隊を組む!主砲や機関部、副砲などに反復攻撃を行って沈めるよ!

【共闘・アドリブ歓迎】


アララギ・イチイ
敵旗艦の一点狙い、大物を釣り上げたいわねぇ

※前回の攻略戦⑧で頭部が重症中により包帯グルグル巻き状態ですが、病院?を抜け出して遊びに来ている設定

スペース・アララギ号を使用するわぁ
【UC:無窮・刀塚】で機体を複製、合計26機の編隊で攻撃よぉ

【念動力】で慣性モーメントを軽減して機動力を向上
【鍵開け・ハッキング・罠使い】で電子戦を行いつつ、敵艦の艦表面ギリギリを通過して、敵が攻撃時に誤射を警戒する様な進路で移動よぉ
被弾して攻撃不可能になった複製機は付近の護衛艦に突入させるわぁ

上記の行動は戦術支援ドローン(装備品)でサポートよぉ

旗艦を射程内に捉え、必中距離で全武装を【一斉発射】して攻撃、その後は離脱よぉ




「戦艦! しかも今までのとは違うやつだね!」
 高速戦闘機フィートのコックピットで、レクシアは眼前に展開する敵艦を見て呟く。
 以前の戦域で投入されていたディクタトル級巡洋戦艦はよりも巨大な艦影は、見ただけで圧倒的な威圧感を敵対者に刻みつける。
 それが、銀河帝国に対して恐怖を感じたことがあるものならば。
「あそこまで大きいとなると――沈め甲斐があるってものだよ!」
 だが、猟兵たちにとって銀河帝国は倒すべき敵でこそあれ、恐怖の対象たる絶対者ではない。
「旗艦の一点狙い、大物を釣り上げたいわねぇ!」
 共に編隊を組むアララギもまた、包帯に巻かれた頭を軽く撫でて操縦桿を握りしめる。
 真の姿を解き放ち傷を癒やすことも忘れ、先の戦闘後収容された病院船を無理やり抜け出してきた彼女は連戦を重ね、無理もまた重ねて来たが、その無理を押し通さなければならない重要な戦局なのだ。
 示し合わせたように同時に振り返る彼女たち。キャノピー越しの宇宙を、それぞれの愛機の複製が翔ぶ。
 高速戦闘機フィート、21機。
 戦闘爆撃機スペース・アララギ号(改)、26機。
 47機の宇宙戦闘機からなる大編隊が、先行偵察隊が確保したルートを辿って敵艦隊に向け飛翔する。

『――敵機直上! 機種不明の戦闘機多数、規模、四個飛行隊!』
 接近した偵察バイクを追い払い――否、情報を抜かれて逃げられた直後、ブリッケラウに迫る新たな敵影。
 偵察が成功し、本命を投入した……ということなのだろう。
『焦り……いや、蛮勇ね。本気でブリッケラウを――戦艦を沈めようというなら、あの程度の偵察で足りるはずがないわ』
 先のライダーは確かに素晴らしい技量で対空迎撃を掻い潜り、帝国戦艦の防空能力を盗み去っていった。
 しかしそれは、あくまで単独の、しかもバイクのような小型機が侵入した場合の情報だ。
 それが艦艇であれば。戦闘機であれば。あるいは、バイクほどの速力を持たない鎧装騎兵ならば。
 迎撃の密度も、それに用いられる火器兵装も、その精密さも全く異なる筈だ。
『それを待たずして仕掛けてきた。よほど思い切りの良いパイロット達なのでしょうけれど――』
『――敵編隊、射程内に侵入す!』
 その勇気の輝きを爆発の光へと変えた時。それはどれほど美しいだろうか。
 ヘンリエッテが腕を振り下ろせば、クルーたちは即座にその意図を理解して動き出す。

「――撃ってきたね!」
 真横を翔ぶ複製フィートがレーザーキャノンの直撃を浴びて爆散した。
「この距離で当ててくるなんて、どんな精度よぉ……!」
 すかさず散開し、回避機動を取った複製アララギ号の一機が片側の主翼を二枚とももぎ取られ、くるくると不安定に錐揉みしてデブリ帯に飛び込んでその反応を消失させる。
 攻撃はそれだけで終わらない。確かに偵察隊の情報は、随伴艦の攻撃の届かないルートを確保した。だが、猟兵達が攻撃を行う時、それは同時に旗艦ブリッケラウの攻撃に身を晒すことに他ならない。そして戦闘機の射程より遥かに超射程の艦砲を持つ戦艦は、通常必ず先手を取りうるのだ。
 とはいえ、高速で飛翔する戦闘機に艦砲がそう当たるものではない。――それをここまで正確に当ててくるのだから、ブリッケラウの乗員の練度たるや。
「また一機……! 攻撃する前にこうもやられちゃ流石に不味いわねぇ……」
「でも今から逃げるのはもっと隙になるよ、来たからにはやるしか無いっ!」
 加速し、正面――甲板を向ける敵艦から叩きつけられるレーザーの嵐を潜り抜け、二人の猟兵はついに射程距離にその巨体を捉える。
「――突破できたのは何機!?」
「ひいふうみ……半分くらい!」
 敵艦の射程を突っ切るまでの僅かな時間に、20に近い戦闘機部隊が撃墜された。
 その中に自分たちが含まれなかった幸運に、二人の猟兵は安堵する。せざるを得ない。
 ――これが銀河最強の一角、白城艦隊の精鋭の実力か。
「それでもここまで近づけたなら、落とされた子たちの分もやり返してあげるわぁ!」
 痛む傷を押さえたい衝動を、操縦桿から手を離すわけにはいかない緊張感でねじ伏せてアララギ隊はブリッケラウに肉薄する。
 先の狙撃で防空網に生じた乱れ。狙うべきはそこだ。
 念動力を用いた機動で敵艦の表面を這うように滑空し、一気に後方へ抜ける。その間にも対空機銃が僚機を削っていくが、被弾した機はすぐさま離脱して近くを航行する敵艦に頭から突入していった。
 ――侵入ルートは多いに越したことはないわぁ。
 なにしろ、安全なルートを辿った筈の自分たちがここまで消耗を強いられたのだ。突入こそが鬼門であるならば、その選択肢は多いほうがいい。
 敵艦にハッキングを試みつつ、しかしそれが片手間に仕掛けられるほど生易しい防御ではないことを確認すると反撃を受ける前にすぐさま手を引いて、アララギは残された火力を確かめる。
 一方のレクシアもまた、撃墜されたフィートの穴を埋めるべく再びユーベルコードを発動していた。
 とはいえ戦闘機を再び組み上げる余裕はない。弾幕から逃げ回りながら組めるのは、せいぜいが小さなバイクや精密な加工を必要としない廃材の竜が限界だ。
 だが、それでも戦力は戦力。廃材竜が電磁波のブレスを浴びせ、ほんの一瞬麻痺した防空火器にバイクが体当りして自爆する。
 せっかく組み上げた機体をミサイル代わりに使うことに少し心が傷まないでもないが、そう手段を選べる場合ではないのだ。
 敵艦に幾度かの攻撃を加えたものの、その装甲によって過半が阻まれたことを確認したレクシアは、一足先に敵艦の後ろに付いたアララギに合流した。
「中々固いね……すこし厄介かも」
「この戦力でダメージを与えるのはちょっと大変ねぇ……全力攻撃の一点集中でなんとかできるかしらぁ」
 というと、と首をかしげるレクシアにアララギは敵艦のエンジンを指差す。
 いくつもの噴射炎を吐き出すあそこならば、ある程度艦内構造にダメージを与えられるかもしれない。
 ただし、離れたところからの機銃やミサイル程度で通用するとも思えない。ここは正確に致命傷を与えるための覚悟が必要だ。
「接近して可能な限り大きな攻撃力で一気に叩く、これしか思いつかないわねぇ」
「……じゃあそれでやろう!」
 二機の戦闘機に続くように編隊を組んだ航空隊が、ブリッケラウのエンジンに突入していく――

苦戦 🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​



『――敵機複数、カーラングに突入! 爆発炎上しましたッ!』
『――カーラングより入電、我、航行不能! 砲打撃戦能力ハ健在、指示ヲ乞ウ!!』
 並走する僚艦に敵の戦闘爆撃機が突き刺さるように突撃し、搭載した爆弾ごと爆発四散した。
 さしもの帝国戦艦といえど、それだけの火力を集中して叩き込まれれば無事ではいられない。
 戦艦カーラングのエンジンから火が消え、ゆったりとその巨体が停止していく。
『カーラングはその場で敵艦隊へ砲撃を続行して。防空任務はファーメットに引き継がせなさい』
『アイマム、カーラングは現場で敵艦隊との砲戦に専念されたし! ファーメット、アルバーソンと共に旗艦直掩に付け!』
 一隻欠けた傷はすぐさまに補充され、欠けた一隻もまた残った機能を活かして戦力として戦い続ける。
 並々ならぬ士気と連携をもって、短期間で艦隊の再編を成し遂げたヘンリエッテ。だが、その乗艦ブリッケラウを衝撃が襲う。
『何事!?』
『――報告! メインエンジンに付近に敵機が突入! さらにその敵機が攻撃を受け爆発、被害拡大とのこと!』
『――ダメージコントロール班が急行中ですが、機関室よりエンジン再起動まで30分の猶予が欲しいと!』
 まさか特攻を基幹戦術に据えてくるとは。解放軍はまだしも猟兵がそこまでする覚悟をもっていたのは若干の予想外だった。彼らにとってもこの決戦にはそれだけの無理を貫く理由があるということなのだろう。
『10分で復旧させなさい! 残敵は?』
『――艦前方に抜けます!!』
 艦橋の横をすり抜ける二機の焼け焦げた戦闘機。
 傷を負った戦艦カーラングを盾にするように飛び去っていくその無謀なパイロットたちに、非力な戦闘機で戦艦を打撃する術を最後まで模索し続けた勇士に向けて、ヘンリエッテは追撃を禁じた。
『――中々やるわね、次に攻めてきた時は一機残さず撃墜してみせるわ』
 今、カーラングを巻き込んでまで手負いの二機を撃ち落とす利は薄い。だから見逃してやると、勇敢な者への僅かな敬意を滲ませた視線で女司令官はその背を見送った。
須藤・莉亜
「この前は火力不足だったけど、今回の腐蝕竜さんは一味違うよ。」

眷属の腐蝕竜さんを召喚、彼に騎乗して戦う。

腐蝕竜さんには、新技の【蝕む吐息】、体当たり、爪での引っ掻き、噛みつき、尻尾での薙ぎ払いなんかで攻撃してもらう。

あ、僕は大鎌を25本に複製して、腐蝕竜さんの周りに展開。防御に徹します。

ある程度近づけたら、地獄招来【第九圏・悪魔大王】を使って、動きを止めてみよう。その隙に主砲の破壊を狙う。

「うん、これめっちゃ頑張んないと死ぬやつだ。」
テンション上がってきたなぁ。


ネヴィス・マキヤーベイ
戦力比が互角
戦争は人間がするものでありますから?つまり?
勢いだけでは勝てませんなあ

操縦ダッシュ空中戦で砲火の内側へ

心が躍る
無骨故に美しい
其れが自分を見るのだ
落とさねばと艦橋からCICから銃座から見る
堪らない

全身のプラズマジェットを惜しみなく噴射し
身を振り変幻自在に飛んでビームをレーザーを機銃の回避を試みる

「もっとだ!もっと来い!いい女に触れてみろ!」

一斉射撃でランチャーからミサイルを振らせて銃座を黙らせる

「素晴らしい艦……」

統制の取れた数百人の修練の賜物

「なればこそ、後代に役目を譲って戴きたい!」

全安全装置解除
操縦室がアラートに包まれながらUC使用
柱状の荷電粒子束を艦橋など重要区画へ叩き込む




 敵艦一隻が炎を噴いて艦列を離れ、代替の一隻がその穴を埋めるべく迫る。
 その交代が完了するまでの僅かな間、旗艦ブリッケラウを守る第七戦隊の防空網には小さな空白が生まれる。
 その針の穴のような隙間を潜り抜けた人型戦闘機と竜の屍。
 ネヴィスの愛機、大型の攻撃型戦闘服ゼファーと莉亜の腐食竜が、その巨体を器用に操り戦艦アルバーソンの迎撃をすり抜けて敵艦へと接近する。

 前衛艦を突破しても、その奥には本命たる旗艦が待ち受ける。先程すれ違ったその前衛艦ですら、片割れを失った状態でなお数度冷や汗を流す瞬間もあった。それ以上の練度を誇る旗艦ともなれば、一瞬の気の緩みが死へと直結しかねない。
「――うん、これめっちゃ頑張んないと死ぬやつだ」
「心が踊りますなあ!!」
 腐食竜の背で莉亜がつぶやけば、耳聡くそれを拾ったネヴィスが楽しげに笑う。
 強敵との命がけの戦いにこそ刹那の楽しみを見出す二人だ、数多の解放軍艦を屠った第七戦隊旗艦ブリッケラウとの激突に滾らない道理はない。
 腐食竜の放つ、金属すら腐らせる強毒性のブレスが戦艦の重厚な装甲を焼く。爪や牙が通らないような分厚い鋼板でも、毒に侵せば幾分はもろくなるものだ。その法則には、如何に精鋭の駆る戦隊旗艦といえど抗えない。
「よし、ブレスで浸してから攻撃だ。よろしく頼むよ、腐食竜さ――っ!!」
 攻撃の成果を確認していたところに撃ち込まれた主砲のレーザー。それを大鎌を幾つも重ねて防壁として防ぐが、強烈な三連装砲の火力はそれすら打ち砕いて回避を試みる腐食竜を掠めていく。
「この前の腐食竜さんとは一味違うよ……って言おうと思ったんだけど、そっちも一味違うみたいだね……」
「ならば機動力に長けた自分が引きつけて見せましょうや!」
 腐食竜が腐らせた装甲に荷電粒子砲を撃ち込み、装甲を貫くなり踊るように側面に出て対空機関砲を薙ぎ払っていくゼファー。
 そのコックピットで、ネヴィスはブリッケラウが自身を"見た"のを感じた。
 ――ああ、心が躍る。戦闘の為だけに作り上げられた無骨な、機能美に満ちたその船が。
 ――乗員の一人に至るまで、戦闘に全力を傾ける一つの兵器生命体が。
 ――それが自分を見ている。落とすべき敵だと、自分を、ネヴィス・マキヤーベイをその全身の数多の目で見ている。
「堪らない! もっとだ、もっと来い!」
 彼女を射角に捉えた全ての砲が、艦艇すら一瞬で蒸発させるほどの物量で火力を投射する。
 それをくるりひらりと躱して、ネヴィスは陽動としての役割をこれ以上ないほどに果たしてみせる。

「やるなあ、彼女……腐食竜さん、僕たちも行こうか」
 決してノーマークになったわけではない、だが向けられた圧力は遥かに減った。この好機に莉亜が開いた地獄の門から悪魔大王の巨大な腕が伸びる。
 本来であれば殴りつけて敵を封じる攻撃だが、ブリッケラウの巨体には悪魔大王をして小柄に見える以上、打撃がどこまで通用するか。
 だからこそ莉亜は悪魔大王に、より直接的な一手を支持する。巨大な腕が砲撃を浴びながら敵艦の砲塔に組み付き、無理矢理に射線を逸していく。
 放たれたレーザーが虚空を奔り消えていく。
「ありがとう悪魔大王さん。さてと……」
 甲板に取り付き、主砲塔を見下ろす莉亜。腐食竜のブレスが砲塔を焦がし、次いで振り下ろされた爪が強力で正確無比なレーザーキャノンの一基を破壊した。

「あちらはうまい具合にやっているようで!」
 それにしても火力配置といい防御力といい、素晴らしい設計の艦だ。
 それを意のままに操るクルーたちも、その意思を強力に纏め上げる指揮官も素晴らしい。
 数百、あるいは数千か。それだけの人間がここまで統制を取れるようになるまでどれだけの期間を要するだろう。
 だが、それはここで"完成"してしまっている。
 確かにこの戦艦は今の銀河では最強の艦かもしれない。
 だが、拡張性を捨て最強を選んだこの船が未来永劫君臨し続けることはない。
 このクルーは確かにこの船を意のままに操るが、だがこの船が遺物と化した時、果たして次代に馴染めるか。
「――ここらで後進に譲って頂く!」
 最強は最強である内に散れ。
 ネヴィスの、機体保全を無視した全力砲撃の照準が敵艦を捉える。
 同時に、急旋回する敵艦の艦首超大型ビームキャノンがゼファーめがけ放たれ――

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



『――敵生体兵器、本艦に取り付きました!』
『――主砲旋回不能、迎撃できません!!』
 迎撃を掻い潜って接近したふたつの影。時代の徒花、大型の人型戦闘機と竜のような生体兵器。
 冗談のような組み合わせが、今ブリッケラウを襲っている。
 人型機の武装はともすれば戦艦すら貫きかねないもので、しかも機動性も悪くはないと来てはそちらの迎撃を優先させたヘンリエッテの判断は誤りではない。
 竜は一撃で致命傷を与えうる攻撃力を持たない。毒の息吹も、生物ではない宇宙戦艦に対しては装甲を脆弱化させこそすれ、そこを砕くためには接近が必要だ。そして、竜の機動力と防御力ならば少ない砲の迎撃でも撃墜できる。
 その分析は間違っていない。だが、ヘンリエッテは――銀河帝国軍は、異界の民である猟兵との交戦経験に乏しい。
 それが、魔法などという超常の現象への対策という概念を彼らに満足に与えなかった。巨大な腕が何処からともなく召喚されることなど、ましてそれが戦艦の主砲を抑え込むだけの膂力を持つなど、誰にも予測出来なかったのだ。
『損害報告!!』
『――一番砲塔大破! 二番砲塔も駄目です!』
『破損した砲塔より有毒物質が流入、ダメージコントロール班に犠牲者! 砲に近づけません!』
 厄介な相手だ、とヘンリエッテは再度猟兵の戦力を再評価する。艦隊戦のセオリーで戦える相手ではない、より柔軟な思考で相対すべき相手だと。
『……回頭、取舵30! 仰角17、右ロール20! 生体兵器をアルバーソン主砲の射角に放り出しなさい!』
『――アイアイマム!! アルバーソン、主砲斉射! 命中せず、敵生体兵器離脱します!』
『構わないわ、続いて艦首大型対艦レーザー砲発射! 人型機を叩く!』
『アイアイ! 艦首レーザー砲発射よろし! 総員耐衝撃!』
 戦艦同士の殴り合いで打ち勝つための、艦全体を砲身とする常識外の巨大砲が人型機めがけて輝く。
 人型機もまた、手にした荷電粒子砲を煌々と輝かせて――

 ――ブリッケラウの閃光が、その余波が人型機を弾き飛ばす。
 ――人型機の雷光が、ブリッケラウの左舷を舐めるように走り側面副砲を貫き爆破する。

 被弾の衝撃に揺れる艦橋で、ヘンリエッテは損傷した人型機を鉤爪で掴んで飛び去る竜を見た。
『やるわね、猟兵……でも、まだブリッケラウは沈まないわ。――総員、この程度の被弾で腑抜けた愚か者は居ないわね!?』
『――アイ、マム! 我々は貴女のもとで勝利し、生きて旗艦インペリウムに帰るのです!』
『――ディアブロ閣下によい報せを持って帰りましょう、「第七戦隊ハ猟兵ヲ撃滅セリ」「ヘンリエッテ・ヴァルナー提督ハ勝利ノ戦乙女ナリ」と!』
『――ははっ、魔女が戦乙女ですか! 出世でありますな! ついでに中将の位ももぎ取りましょう! ……と、カーラング離脱! 代わってファーメット戦列に加わります!』
 彼らの士気はまだ挫けない。きっと、死のその瞬間まで――
メイスン・ドットハック
【SPD】
主力戦艦というのは厄介なものじゃのー
じゃけど、電脳戦が通じる相手なら僕の方が長じるというのを教えてやらにゃのー

小型船に乗って敵艦に電脳魔術を仕掛けることに集中
小型船の操作、及び攻撃の分析・回避は「井の中の蛙、大海を知らず」の電脳AI「ノーキン」くんに任せる

デストロイレーザーはチャージ時間10秒の間に、軌道解析と回避準備行動で対応
その間に電脳魔術によるハッキングで、司令部の管制室の制御を奪う、もしくはジャミングを狙う(ハッキング、鍵開け)
さらにプログラムにウィルスコードを送り込むことで、攻撃や動作不良を起こさせる(ハッキング、破壊工作、暗号作成)

仲間の攻撃タイミングを作るのを徹底する


ユーノ・ディエール
アドリブ連携可

成程、頭を押さえて全体の機能を奪うのですね
私は主砲に注意して、敵をかく乱し続けましょう

クルセイダーを高速モードで
全装備を合体させて機動性を最大まで上げます
対空砲火の位置やパターンの情報を収集して共有
仲間と共に制空権を確実なものとしましょう
迷彩で透明化を限定発動
敵の追撃を躱しつつ先制攻撃の誘導弾の
2回攻撃で敵の目を引き付けさせます
その間、本命部隊が攻撃に転じて貰えれば

敵が主砲を使う際
周辺に主砲を埋めるのに使えそうな残骸があれば
それを拾って敵の主砲に嵌める形で無効化を試みます
チャージなど勝手にしなさい……撃たせなければいいのです!

戦場で陶酔している様な者に、負けるわけにはいきません!


アリシア・マクリントック
本当はもっと練習してから実戦と行きたかったのですけれど……そうは言っていられません!
まずはプラウドウルフでできるだけ接近しましょう。十分に近づければ撃墜されてもかまいません。いわばこれは移動のできる盾。撃墜されるか十分に接近できたのであれば、セイバークロスを纏って脱出、手近な砲の破壊を狙いましょう。そうすれば他の方も戦いやすくなるはず……!

私ができるのはこれくらいでしょうか?慣れない故の戦い方……逆に意表を突ければいいのですけれど。
慣れた方の指示を受けられるのであれば、参考にしてより有効な戦術を実行したいですね。




 偵察隊による突入路の確保と対空迎撃網の弱体化。
 航空隊による機関部への攻撃と、機動部隊による砲兵装の破壊。
 並の艦艇ならば後退を考えるだけの損害を受けて尚、戦隊旗艦ブリッケラウは二隻の僚艦を伴い前進する。
 帝国艦隊は優勢である。彼らはそれを信じている。戦域単位では確かに勢いに乗った解放軍が圧倒しているかもしれない。だが、後方に控える予備戦力はどうだ。
 ほぼ全戦力を投入し、ここで敗退すれば後がない解放軍と違い帝国軍は皇帝ある限り不滅。本国で編成された新たな艦隊が進発すれば、解放軍の強みである数の優位すら叩き潰すことは容易である。
 だからこそ、大局的に見て優勢の帝国艦が多少の損耗で退くことはしない。それをすれば、精鋭艦隊を撃退せしめたと革命軍は勢いづくだろう。
 それを見れば、もしや反乱軍は我軍を優越しているのではないかと将兵が疑念を抱くかもしれない。
 それぞれは些細な思い込みだが、双方が合わされば立場は容易く逆転する。弱兵が強者を倒す時、必ず最初に士気が崩れるのだ。
『――機関室より、応急修理完了! メインエンジン、出力30%で再始動!』
『――主砲塔一番二番、除染完了! 一番砲塔三番砲、二番砲塔二番、三番砲復旧!』
『――左舷副砲塔、火災鎮火! 復旧はドックでの大規模整備が必要とのことですが、艦への被害は軽微!』
『よろしい。艦隊各艦に報せ! 旗艦ブリッケラウは健在、うろたえるな――と!』

「……敵艦隊の動揺が収まった? なるほど、あの指揮官はよほど信奉されているのですね」
 猟兵たちの攻撃で旗艦がダメージを受けた時、一瞬とはいえ敵艦隊の動きが鈍ったのをユーノは見逃さなかった。
 一見して忠実にその任務を果たすべく解放軍艦隊と撃ち合っていたようだが、僅かに連携が乱れかけたのだ。
 こと、解放軍艦隊側に突出した三隻の戦艦は引き返そうとまでしたほど。
 それが、旗艦が体勢を立て直すと同時にみるみる統制を取り戻し、その艦隊能力をすぐさま取り戻した。
「作戦通りあれを押さえれば、敵艦隊の機能は大きく損なわれるはず――」
 それだけの指揮能力と信頼を得る指揮官を失えば、敵艦隊の受ける衝撃は大きいはずだ。
 ここまで僚機を護衛して再突入ルートに乗ったユーノのスタークルセイダーを掠めるように、復旧した敵主砲が閃光を放つ。
 照準を合わせるための観測射撃であろう。竜の一撃で強い衝撃を受けた主砲が、変わらず正確な照準を保っているとは思えない。
 その一撃は先行するスタークルセイダーを大きく逸れ、遥か後方で敵の前衛艦列と砲撃戦を繰り広げる解放軍戦艦の艦橋構造物を根こそぎ吹き飛ばした。
「――運の悪い! でも、次は撃たせません!」
 駆け抜けるスタークルセイダーを追う旗艦随伴艦の迎撃を置き去りにして、ユーノは敵艦に急接近してゆく。

「本当はもっと練習してから実戦といきたかったのですけど」
 そうも言っていられない戦況ですから、とアリシアは後席に座るメイスンに振り返る。
 二人乗りの小型宇宙艇、プラウドウルフ。この宇宙戦争に参戦するにあたって新たに彼女が手に入れた機体に対し、アリシアはまだ十分な操縦訓練を積めたとは言えない。
 複雑なマニューバは困難どころか不可能に近い。だからこそ、先行するクルセイダーの航路をトレースすることで危険な宙域に迷い込まないように翔ぶ。
 それでも時折クルセイダーを狙った砲撃の流れ弾が飛んでくるが、プラウドウルフはそれをベテランパイロットもかくや、という機動で回避してみせた。
 アリシア――ではない。
「そこらへんのサポートは任せてほしいのー。ま、協力するのは僕じゃなくてノーキンくんじゃけどの」
 持参のツールでプラウドウルフの通信設備を介して旗艦ブリッケラウへと電子戦を挑むメイスンが、ディスプレイから視線を上げることなく応える。
 脳を模した、キモ可愛いと不気味の境界をギリギリ可愛い側で踏みとどまったようなAIキャラクター、ノーキンくん。彼がプラウドウルフの操縦に不慣れなアリシアをフォローしてくれる。
「助かります。さあ、接近しますよ! しっかり掴まってください! ……それと、いつでも脱出できる準備はしておいてくださいね!」
 了解、と軽く応じるメイスンを乗せ、プラウドウルフもまたクルセイダーの後を追う。

「クルセイダー、巡航から高速……そして合体!」
 導くべき僚機が無事敵艦に接近したのを見届け、ユーノは愛機を戦闘形態へとシフトさせた。
 全ての武装を合体させた高速攻撃形態へと移行したクルセイダーが、敵艦の真上を横切り左舷へと抜ける。
 先程の攻撃で舷側副砲を失った左舷。これが、後に続く仲間たちによる敵艦攻略の糸口となる筈だ。
 ユーノは、この左舷を重要攻撃目標と見た。そして、攻撃を成功させるために必要なのは情報だ。
 迎撃能力については、三度の攻撃である程度判明している。だが、その上で問題となるのが敵艦の装甲だ。
 戦艦同士の打撃戦を前提に設計された敵戦艦の防御力は、並の攻撃では突破しきれるものではない。
 それを攻略する上で、何処を狙うべきか――というよりも、先の攻撃で大破した副砲塔の破損状況が鍵となる。
 唯一得られた敵艦の装甲の内側に直接攻撃を通すことのできる突破口を偵察するため、ユーノはクルセイダーを加速させる。
「ステルスを――見破ってきますか、流石です!」
 透明化して姿を消し、密かに目標に接近しようとしたユーノを対空砲が阻む。
 光学的に消えるだけ、熱源センサーなどから身を隠せるものではないと言ってもあまりにも迅速な対応に舌を巻く。
 が、それは陽動の陽動。密かに近づく――が、バレた為に直接攻撃に移った。そう見せかけて、戦闘機動を取りながら破損箇所を通過する一瞬限りの観測を何度も繰り返す。
 誘導弾が対空砲や損壊した主砲塔を叩き、反撃のレーザーを推力で振り切りながら、ユーノは着実に攻略のための情報を蓄積していった。
「破孔の形は記録しました、これで攻撃隊に最適な攻撃角を伝えられる……でも、撤退の前にダメ押しです!」
 幾度目かの侵入を果たしたスタークルセイダーの放った誘導弾が、破損した左舷副砲に集中して着弾し、その装甲に開いた穴を更に押し広げた。

 一方、アリシアとメイスン駆るプラウドウルフは左舷で盛大な機動戦を仕掛けるユーノを陽動に、右舷から忍び寄る。
 緒戦の狙撃で対空砲のセンサー群が破壊された右舷は、、迎撃の層が左舷に比べてやや薄い。
「これなら私達でも対処できますね……なんとか、という程度ですけれど!」
 ノーキンくんの補助を受けながら操縦桿を捻るアリシア。ぐいと急旋回して、プラウドウルフが敵艦下方へと潜り込む。
「見つかりましたか、メイスンさん……?」
「まだじゃの……いや、もうちょっと……待った、今の所、戻って欲しいのー」
 ブリッケラウの艦内ネットワークは、外部との通信システムから完全に切り離されていた。メイスンははじめ艦隊間通信用のネットワークから侵入を試みたが、それはブリッケラウ自身の重要なシステムには接続されていなかったのだ。
 電子戦すら想定した隙のない防御力は、難攻不落の移動要塞と言っても過言ではないかもしれない。
 だが、メイスンはそこで諦めなかった。
 この巨大な戦艦のどこかに、必ず艦内ネットワークに繋がる侵入口が露出したポイントが有るはず。それは電波が発信されているアンテナかもしれないし、物理的なコンソールかもしれない。
 プラウドウルフのキャノピーに張り付くようにしてそれを探し、ついにメイスンは艦隊間通信とは異なる信号を微弱に発するアンテナを艦底部で発見した。
「ずいぶん手こずらせてくれたもんじゃのー、でも僕に見つかったからにはもう手も足も出させんけぇのー」
 軽快にキーボードをタイプする指先が踊り、凄まじい勢いでメイスンは手製のウィルスプログラムを送り込む。
 火器管制システムへのジャミングを生じさせるウィルスが無事に発症すれば、敵艦の攻撃能力は大きく減退するだろう。
「88……92……93、95、98……もうちょいじゃ……」
 ウィルスの送信率を示すバーが伸びるのを片付を呑んで見守るメイスン。そこにアリシアの鋭い声がかかる。
「――脱出してください!!」
「……100! なんじゃ、どうしたんじゃ?」
 大事な機材を抱え、アリシアと共に宇宙空間に飛び出したメイスン。直後、プラウドウルフを迫り出した艦底部格納型レーザーキャノンが撃ち抜いた。
「間一髪……でしたね。そちらの目的はどうでした?」
「ばっちり送信完了しとるのー」
 新品から一転、大破したプラウドウルフに労いの視線を投げかけ、メイスンの電子攻撃が成功したことを確認して、アリシアは撤退を選ぶ。
 合図を送ればすぐにでもユーノが合流し、彼女が乗せてくれる手筈だが――
「あの砲台をなんとかしないと、合流の瞬間を狙われてしまいますね……」
 回収を求める信号を出しながら、アリシアは剣を抜く。連装のレーザーキャノンを破壊しなければ撤退は出来ない。
 生きるためには勝つしかない、その覚悟を胸に、第二射を放つ寸前の砲台に急接近して刃を突き立て、砲を破壊するアリシア。
 剣が片側の砲身を貫き、疵を中心に脆くなった砲が内部からのエネルギーに耐えかね真二つに裂ける。
 だが、連装砲のもう一門はその照準をメイスンに合わせ――
「――お待たせしましたっ!」
 発射のまさにその瞬間、ユーノがサイコキネシスで飛ばしたデブリが砲身に吸い込まれていった。もう一門も吹き飛び、砲塔自体が爆散する。
 その炎に照らされて、三人の猟兵は一機のバイクに掴まり戦場を離脱していく。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

キリエ・ニール
アドリブ、絡み歓迎

コード使用…それなりにメカは詳しい方だから分かるけど、うん。
あれやばいね。
…だから、突っ込む!
ストームダイバーに跨り吶喊の最中にUDC…取り分け飛行特化や遠距離攻撃に特化した者を召喚。
突撃する僕の周囲の、一斉射撃により迫る弾幕に対して攻撃を仕掛けてもらい、迎撃を試みる。
迎撃、打ち落とす火砲の選択は…僕の勘!

僕自身はダイバーの速度を上げ、弾幕の中を突破。
ダイバーは対艦、それも一撃離脱に特化している…こいつなら。
零距離からの、ダメージ覚悟の体当たりによる敵艦装甲の破壊。
それが僕の狙い。

敵の攻撃を撃ち落としつつなんて無茶も良い所。
でも、これ以上希望が絶望に変わるのは…見たくない!


東郷・三笠
精鋭艦隊か
腕が鳴るな!
さぁ、行こう諸君!

鼓舞6、存在感5で鼓舞
怯むな!数を撃っているだけだ
足を止めるな
そうそう当りはせん!

空中戦12、ジャンプ6、ダッシュ5で三次元移動をしつつ残像1、見切り1で攻撃を躱しながら接近

先制攻撃4、一斉発射11、範囲攻撃3を用いて『タケミカヅチ』を使いフルバースト・マキシマムを使用
範囲内の敵を全て潰す
砕け散るがよい!

勇気2、覚悟2、恐怖を与える2、殺気2、怪力11、鎧無視攻撃10、先制攻撃4を用いて『布都御魂』を使ってブリッジを強襲
指揮官を潰してしまえば機能不全にできよう

敵の攻撃は盾受け9を用いてアサルトシールドフィールドで防御

アドリブで他の方との絡み歓迎




「精鋭艦隊か……腕が鳴るな!」
「艦隊の練度もだけど、あれだけやられて平然としてる船自体もやばいよ」
 猟兵たちの波状攻撃は決して全く効果を挙げていないわけではない。エンジンを一度は停止に追い込み、左舷と艦底部の副砲と主砲の幾らかを破壊し、対空火器の射撃統制センサーをも破壊した上で突入ルートまで確立している。
 だというのに、未だ難攻不落。諦めることなくすぐさま機能不全を修復して戦列に復帰する旺盛な戦意と強固な士気、それを実現するだけの頑健な船体構造。
 銀河に覇を唱える帝国が"主力戦艦"を謳うだけのことはある。
 猟兵による電子的な破壊工作で射撃精度を著しく落とした旗艦ブリッケラウだが、それでいて尚圧倒的な砲門数による制圧射撃と随伴する僚艦との連携は脅威だ。
 その強敵を前に、三笠は対艦戦闘の一つの究極系を見た。最強の戦艦を撃沈する、そのなんたる誉れか。
 一方でキリエは、それに突入する無茶を思って表情を強張らせる。大丈夫だ、と言わんばかりに呼び出された友がうなずけば、彼もまた迷いを振り切って前を見た。
「あれが居るだけで、勝利の希望が塗りつぶされていく……絶望に変わっていくのは、見たくない!」
「ああとも。戦艦の強さは誰よりも我が知っている。味方であれば何よりも頼もしく、敵であれば何より恐ろしい――だからこそ我らで叩く、叩いて解放軍を鼓舞するのだ! 行くぞ諸君!」
 応、と頷きあって二人は敵艦の重厚な迎撃へと躍り出る。

『――さらなる敵影多数、接近!』
『――火器管制システム、未だ復旧せず! 自動迎撃の精度、38%まで低下!』
 戦艦同士の戦闘ではなく、小兵による波状攻撃で少しずつブリッケラウの戦闘力を削っていく猟兵。
 それは彼女の愛する艦隊戦の道理を大きく外れていた。戦艦を叩くならば戦艦を。その思考は、既に旧時代の遺物なのだろうか。
『砲手は手動で敵を照準! 発射タイミングは砲術長が指揮しなさい! 微速後進、迎撃時間を僅かでも長く取るわ!』
『アイアイマム! 手動照準、撃ち方!』
『微速後進、僚艦は本艦の機動に留意せよ!』
 ――たとえそうだとしても、古強者には古強者の流儀がある。
 永く宇宙に君臨した戦艦は、幼き日からヘンリエッテにとっての憧れだった。
 帝国の正義、支配、力の象徴。いつかあれに乗ると決めて十数年、血の滲むような努力と幸運に恵まれた才能、そして白騎士ディアブロとの出会いが今の彼女を形作った。
 その象徴を時代が変わるからと、はいそうですかと沈めさせはしない。
『白城艦隊第七戦隊は銀河最強の盾となる……ここで私達が沈んでは、ディアブロ閣下への誓いを反故にする事になる!』
 戦艦の放つレーザーが、迫る猟兵たちに降り注ぐ。しかし、高練度のクルーをしても手動照準で艦砲を使った狙撃は至難を極めた。
『……件の新型砲が配備されていれば…………いいえ、アレはもとよりこの艦には搭載できないもの、ないものをねだったところでどうしようもないわ。迎撃の密度を高めなさい!』
 兵士たちを鼓舞するヘンリエッテ。それでも猟兵は墜ちない。またも一撃を受けるのか、と身構えたその耳に、聞き慣れた、しかし聞きたいとはあまり思わない声が届く。
『――お嬢ちゃん……おっと違った司令官殿、援護は必要かね?』

「怯むな! 数を撃っているだけに過ぎん! 足を止めなければそうそう当たりはせん!」
「みんな、すまないけどこっちに飛んでくるレーザーは任せたよ!」
 柔軟な機動性で砲撃の隙間を抜ける三笠と、直線を押し通りながら勘で察知した直撃コースの攻撃を"友達"に防いで貰うキリエ。
 二人は傷を負うことなく、かなりの距離を接近している。
 だが、ブリッケラウも後退している。進んだ距離のわりに、彼我の相対距離は思うように縮んでいないのが現状だった。
「こうなったら……ストームダイバーで突っ込む! 三笠さん、援護よろしく!」
「む……あいわかった! 墜ちるなよ、キリエ!」
 このまま距離を維持されたままでは、射程で優越しこちらを一方的に撃ち続けられる敵艦を倒す術はない。
 キリエは覚悟を決め、最大加速で前進する。続く三笠の砲撃が、装甲を正面から破るに至らずとも、装甲の薄い砲塔に命中すればそれなりのダメージを与えてみせた。
「そのまま砕け散れ! ――次!」
 加速するキリエとの距離が徐々に離れていく。砲撃しながらの三笠と、全力で前へ進み続ける彼ではどうしても速度に差が出てしまう。
 だが、その速度差故に三笠は見た。前を行くキリエの側面から、その進路を遮るように飛び出す戦艦を。
「させるかッ!!」
 この好機を邪魔させるわけにはいかない。三笠の全力砲撃は、無防備に側面を晒してまで旗艦を守ろうとした敵艦に吸い込まれていった。

「――何!?」
 突入ポイントである敵艦左舷の副砲跡を注視しながら弾幕をすり抜けて前進するキリエは、不意に至近距離で響いた爆音に僅かに注意を奪われかけた。
 今は気にしている場合ではないと頭を振ってそれを制し、ストームダイバーはまっすぐに飛翔する。
 加速、加速、加速、加速、加速――エンジンが悲鳴を上げる。耐久性に優れた筈のフレームが悲痛に軋む。
 けれど、それを無理にでも耐えてもらう。戦争の重要局面なのだ。これまで重要でなかった局面などひとつとないが、それでも今度も重要なのだからここで躊躇して好機を手放す訳にはいかない。
 レーザーが間近を通り過ぎていく熱を宇宙服越しの肌で感じながら、彼は駆け抜けた。
 ――ストームダイバーが、二度の攻撃で大破した左舷副砲跡に吸い込まれていく。
 十分な速度を得たそれは、運動エネルギーだけで艦の奥深くに突き刺さり、そして爆散した。
「ありがとう、ストームダイバー……」
 間一髪、突入寸前で愛機を飛び降りたキリエは、その機体が役目を果たしたことを称えるのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



 敵機の特攻を受け、ブリッケラウは激震した。
 激しい振動は立っていることすら困難なほどで、証明は明滅し幾つかの機材は固定から弾け飛び、クルーにその重量をもって襲いかかった。
 だが、ヘンリエッテ・ヴァルナー少将にとって、自艦の損傷よりも衝撃的な光景が目の前の宇宙に広がっている。
 敵の鎧装騎兵の砲撃からブリッケラウを庇うように射線上に身を投げ出し、粉々に砕けた艦橋から炎を噴き出しながら流れていく僚艦。
『――ファーメット、通信途絶……艦橋大破、直撃弾です…………』
 通信士の言葉が、まるで現実味に乏しい音の羅列に聞こえる。
 あの愚かだが勇猛で、自分とは違う意味で兵士たちの信頼を集める古参の艦長が死んだ。
『……生存者があればカーラングに合流するよう命令を出して』
 だが、うろたえる時間はない。今まさに、さらなる敵集団が瀕死のブリッケラウを沈めるために押し寄せている。
『戦況は?』
『アイ、マム。カーラング、アルバーソンは依然健在。本艦は損傷激しくも戦闘続行可能。ファーメット、それと……ガルンベルデ、カルバータが反乱軍艦隊に沈められました。ラッツェクも半包囲状態にあります』
 単艦で包囲されたラッツェクももう生還は絶望的だろう。
 満身創痍の旗艦に足の止まった艦、ブリッケラウを含めた旗艦艦隊三隻のうち無事なのはたった一隻のみ。
 本来ならば、無傷のアルバーソンに旗艦機能を移し、生存者を集めて撤退するのが正しいやり方なのだろう。
 けれども、ヘンリエッテも、参謀たちも、クルーの誰もそれを言わない。
 我ら誇りある白城艦隊第七戦隊。ディアブロ閣下の旗に集いし帝国最精鋭。生きて再起を掴むより、死してより多くを道連れにせん。
 帝国臣民同胞よ、我らは此処で死すれども、皇帝陛下ある限り帝国は不滅。愚かな反乱軍に鉄槌を――
『ラッツェクに打電、「最期マデ帝国将兵ノ責務ヲ果タセ」。そうね……カーラングにも同じように』
 アルバーソンは現時刻を以て旗艦直掩を解任、第七戦隊から除籍せよ――その命令は、彼女自身がこの戦いの趨勢をもはや確信し、これからの戦いが心中でしかないことを悟ってのものだった。だが、
『――アルバーソンより返信。「"旗艦"ノ命令受ケ入レ難シ。本艦ハ未ダ戦意旺盛」……と』
『そう…………艦隊全艦、本艦はここで解放軍――いえ、猟兵と交戦し撃沈さる瞬間まで帝国軍艦の責務を果たす! 諸君らに皇帝陛下の慈悲があらんことを。いままでありがとう、さあ――猟兵どもに我ら第七戦隊の記憶を、骸の海に我らの存在を刻みつけていくわよ!』
ビードット・ワイワイ
【PPP開発室にて参加】
アドリブ歓迎
見たり見たり見たり、汝の破滅を見たり。屠りし者は数知れず。ゆえに敵もまた多き。過去の敵を覚えけり?屠りし者は覚えておらず?過去の者とて油断大敵。汝一度は破滅せり。ここが汝の破滅なり。

仮想破滅招来補助具の【封印を解く】
【世界知識】及び【戦闘知識】より解放軍戦史を参照。
過去に帝国軍に破滅をもたらされた解放軍戦闘機群を呼び出そう。こやつらの一撃は全て【覚悟】を決めし【捨て身の一撃】であり怨みの【呪詛】が込められけり。過去の怨みを果たそうぞ。怨敵はそこにおり。ここにて過去を覆さん。

我は【誘導弾】を【一斉発射】し【範囲攻撃】と【援護射撃】を行いて【空中戦】を仕掛けよう


イデアール・モラクス
【PPP開発室にて参加】
クク…帝国の精鋭艦隊とは…滾るじゃないか!
司令官は女かぁ?なら艦橋から引き摺り降ろして私のペットにしてやる!

・行動
「我らの連携と圧倒的な暴威の前に、屈するがいい!」
私は遠方より敵旗艦を攻撃する。
UC【鏖殺魔剣陣】を『範囲攻撃』と『全力魔法』の力により《魔剣の一振り一振りを対艦攻撃な斬艦刀サイズにまで巨大化させて》強化した上で『高速詠唱』を用いて連射。
「我が名は魔女イデアール!銀河帝国を滅ぼす女だ!」
狙う箇所は私の持つ数多の『世界知識』から帝国戦艦の弱点を割り出し、砲や動力、艦橋や推進器を『串刺し』にして『属性攻撃』で刀身に稲妻を通して『傷口を抉る』ように艦を破壊する。


フィーナ・ステラガーデン
【PPP開発室にて参加】
こっそりビードットが呼び出す戦闘機群のうちの一機に乗せてもらっているわ!
出来るだけ動きはデストロイレーザーの斜線を外れつつ
他の戦闘機群を盾にし、目立たないように動いてもらうわ!

UCの射程圏内に入れば、または隙を見せれば
【だまし討ち】【全力魔法】【高速詠唱】【属性攻撃】【範囲攻撃】を乗せた
UCをどかーんと叩き込むわよ!
これだけでかい図体だもの、制御が難しくても思い切り火炎流を暴れさせてやるわ!

もしも墜落させられたり、ビードットのUC事情で戦闘機が消えたとかした場合
ちゃんと策はあるわよ!
宇宙空間に漂いながら叫ぶように呼ぶわよ!
誰か助けて!って

(アレンジ、アドリブ大歓迎)


響・夜姫
【PPP開発室にて参加】

女艦長。きっと巨乳。巨乳死すべし、慈悲は無い。
…小さかった時の事は考えない。
油断せず慢心せずありとあらゆる手段を以て。あの戦艦を堕とせばいい。

【学習力】と【第六感】を研ぎ澄まし
【クイックドロウ】での【誘導弾】【2回攻撃】【一斉発射】【範囲攻撃】【零距離射撃】を攻撃と、敵の攻撃を迎撃する方向で防御に使用。
防御には上記に加え【オーラ防御】で【武器受け】。
開発室の皆には【援護射撃】。
頼めるようならビードットか、召喚した戦闘機に乗る。
フィーナお姉ちゃんとタンデムとか、イデアールと挟み撃ちもいいかも。
メイン火力よりはフォロー重視?

「では。乱れ撃つ、ぜー。フルバースト、ふぁいやー」




「見たり見たり見たり、汝の破滅を見たり。屠りし者は数知れず。ゆえに敵もまた多き。過去の敵を覚えけり? 屠りし者は覚えておらず? 過去の者とて油断大敵。汝一度は破滅せり。ここが汝の破滅なり」
 先んじた猟兵たちによって解析された敵艦隊の通信網に介入し、ビードットは破滅の予言を投げかけた。
 共に翔ぶ無数の機影、それはかつての大戦で散っていった解放軍の航空隊、その記憶の残滓。
 帝国軍によって死んでいった無数の英霊を、戦史記録から呼び起こす。
「ロードルーイン。星の記録を読み解きし人の傲慢。その再来を望む。かくして彼らは滅んだ――」
 再来せし旧解放軍。それは新解放軍の面々にとっては伝説の復活であり、帝国軍にとっては地獄へと自らを呼び戻すためにやってきた使者である。
 その戦闘機のうち、複座型の機体にフィーナとイデアール、夜姫は分乗していた。
 操縦は手慣れた旧解放軍パイロットに任せ、攻撃に専念する役割。このために、戦闘機のキャノピーに細工をして後席だけはむき出しになっているが、被弾さえしなければよいのだ。
「巨乳の気配がする。巨乳死すべし、慈悲はない」
「なに巨乳!? 司令官は女か! くくく、尚更滾ってきたなぁ……!」
「アンタ達ねぇ……!?」
 凄惨な艦隊戦の現場でもいつもの調子を崩さないのは、彼女らの強さなのだろう。
 ともあれ、編隊の後方からは敵の前衛艦隊をようやく抑え込んだ解放軍艦隊が続く。絶え間ない猟兵たちの攻撃が旗艦の指揮能力を鈍化させ、おかげでいくらか犠牲が少なく済んだ。そう言って彼らは、旗艦とともに未だ抵抗の意思を見せる敵艦へと攻勢をかけようとしている。
「――敵艦射程に迫りけり。いざ過去の怨みを果たそうぞ。怨敵はそこにおり。ここにて過去を覆さん」
 先頭をゆくビードットの合図に合わせ、亡霊の編隊は大きく散開して憎き帝国艦隊へと襲いかかった。
 対空機関砲が唸るレーザーと弾丸の嵐の中を飛び交う亡霊たち。撃ち落とされれば躊躇なく機体を敵艦に叩きつけ、無事に抜けたものはミサイルや機銃で敵の火器を執拗に潰していく。
 過去の雪辱を晴らすべく、死者の記憶が蘇った死者に襲いかかった。

「まってまってまって速い速い速い目がまわ――うっ」
 さすがは旧解放軍の精鋭、凄まじい機動だ――と解放軍艦隊がそれを感嘆とともに見守っているそのまさに只中で、フィーナは上下左右に激しく揺さぶられ、なんならぐるりと回転すら味わってやや……かなりグロッキーになりつつあった。
 しかしながら、これだけ派手な機動を見せつけるこの機ですら大編隊の中では目立たないのだ。
 これだけのエースオブエースが軒並み全滅の憂き目に遭ったかつての大戦はどれほどのものだったのか。
 ――そんなことを考える余裕があるわけもなく。フィーナはとりあえず視界に大写しに存在している敵艦の巨体に向け、魔力を燃やして叩きつける。
 機体の旋回に合わせたかのように捻じ曲がった火炎は、竜巻のようにブリッケラウを飲み込む。
 その艦が無傷であったならば、その強力な魔法攻撃も有効打にはなり得なかったかもしれない。だが、多くの猟兵たちの連携攻撃で傷を負い、今なお解放軍の残滓に反復攻撃を受け続ける今のブリッケラウはその攻撃を耐えきれない。
 火炎が傷ついた武装を呑み込み、砲や機銃が誘爆していく。
「やったわね? やったわね!? ――降りていい? 降ろして!!」
 強力な一撃が見事に炸裂したことで役目を果たしたと見てフィーナは一刻も早くこの地獄のような高機動から抜け出そうとするが、過去の再現に過ぎないパイロットがそれを許すはずもなく。
 何度も反復攻撃に付き合わされては、その度に自棄のような火炎がブリッケラウを襲う。

「汝の破滅見たり」
 航空隊に混じり飛翔するビードットは、爆撃に徹していた。フィーナ機が通り過ぎ、誘爆して燻る砲の残骸にミサイルを降らせて戦果を拡張してゆく。
 そうして広がった装甲の穴、内部構造が剥き出しになった傷跡に躊躇いなく飛び込んでいく戦闘機。
 ミサイルを満載したものがいる。
 既に撃ち尽くし、燃料すら満足に残っていない者がいる。
 若いパイロットがいる。老いたパイロットがいる。男がいる、女がいる。
 人間がいる、クリスタリアンがいる。ブラックタールがいる。
 ――どれもが、かつて帝国と戦い死んでいった者たちだ。
 此処には破滅しかいない。
「過去の破滅、過去の者。たとえifであろうとも。過去の憎しみ覆し、奴等に破滅をもたらしけり。それが何と心地よかろうか」
 破滅の先からやってきた者たちが、破滅を拒んで蘇ったものを再び滅ぼす様のなんと素晴らしいことか。
 どちらかが再び全滅するまで、ビードットによる過去の、「もしも」の再演は終わらない。

「我らの連携と圧倒的な暴威の前に屈するがいい!!」
 戦闘機の機上にいつの間にか仁王立ちでポーズを決めるイデアール。
 足元の戦闘機がミサイルを斉射するのに合わせ、彼女もまた全力の攻撃を敵艦に叩き込む。
「魔力よ、我に仇なす尽くを串刺しにしてしまえ! 鏖殺魔剣陣!」
 召喚された魔剣は彼女の魔力を吸って巨大化していく。戦闘機が放つミサイル並の大きさまで肥大した剣が、イデアールの合図と同時に放たれる。
 それに続くように、もう一機の戦闘機が割り込んだ。
「油断はなし、で」
 アームドフォートをキャノピーから突き出し、精度と連射力重視で放つ夜姫。
 イデアールの対艦魔剣を撃ち落とすべく抵抗する敵艦隊の砲撃を、彼女の砲撃が相殺する。
「乱れ撃つ、ぜー」
 さらにその上で敵の抵抗を上回る物量の砲撃が、ブリッケラウを打つ。
 幾度もの連続攻撃で損壊した艦に魔剣が突き刺さり、砲撃が船体を砕いていった。最強を謳う重戦艦はもはや元の勇壮な姿を失い、大破して沈みつつあった。
「…………ククク、フフフフ、アーッハッハッハッハ! 圧倒的じゃないか我らは!」
 多くの猟兵たちが連携し、精強無敵の白城艦隊に大打撃を与えた。
 だが、もう一つだけイデアールにはやるべきことがある。

『…………もはやここまで、ね』
 艦橋に飛び込んできた巨大な剣が装甲を突き破り、続いて降り注いだミサイルの爆風がクルーたちをなぎ倒した。
 彼らに守られて無事だったとはいえ、たった一人で運用できるほど帝国戦艦は簡単な船ではない。
 ヘンリエッテは、手にしたブラスターの感触を確かめる。第七戦隊の最期を見届け、そうしたら――
「ふむ、夜姫の巨乳センサーは案外正確なのだな」
 死を覚悟して固唾をのむ女司令官に、その魔女は至極気軽に声を掛けた。
 破壊された装甲の裂け目からひょいとブリッジに侵入したその人影に、有無を言わさぬヘンリエッテのブラスターによる銃撃が飛ぶ。
 それを魔剣で切り払い、魔女――イデアールは事もなげに告げる。
「男だったらそのまま沈めていたところだが、女なら話は別だ。私のペットになるなら助けてやるが?」
『冗談。帝国軍人を舐めるな、猟兵!』
 あまりにもあまりな提案に激昂し、ブラスターの引き金を次々引き絞るヘンリエッテ。それをイデアールは尽く弾いて、残念そうに肩を竦めた。
「そうか、無理強いはすまい。ではせめて、名前を聞かせて貰おう。礼無礼の話は面倒だから私は先に名乗るぞ、我が名はイデアール、銀河帝国を滅ぼす女だ!」
 胸を張り、その宣言を一片たりと疑うことなく魔女は言い放つ。
『…………銀河帝国宇宙軍、白城艦隊第七戦隊司令、ヘンリエッテ・ヴァルナー少将よ』
 帝国を滅ぼす、その言葉に柳眉を顰めてヘンリエッテは名乗ると同時にイデアールめがけて銃を撃つ。
 女が一人、破壊されたブリッジで斃れた。
 胸に穴を空け、そこに剣を突き立てて血を流しながら、ヘンリエッテは帝国軍人としての二度目の戦いに幕を下ろす。
 その亡骸の目をそっと閉じ、振り返ったイデアールは、ヘンリエッテの下で戦い抜いた艦隊が解放軍艦隊の猛攻を浴びて一隻、また一隻と宇宙の閃光となって消えていくのを見た。
「――なるほど、美しいな」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年02月16日


挿絵イラスト