【サポート優先】攻防一体の妖刀【通常参加も可】
これはサポート参加者を優先的に採用するシナリオです(通常参加者を採用する場合もあります)。
●グリードオーシャン世界・終の王笏島
『おお、何と素晴らしい……我が愛刀「斬界刀」に優るとも劣らぬ美しさよ』
その刀を抜いた女は、惚れ惚れとため息を吐いた。
二尺一寸五分、反りは小さく身幅の厚い剛刀である。ギラギラしいほどの大丁子乱れは、女の趣味からすると華美が過ぎるが、妖しげな魔力を帯びた刀にはこれくらいの刃文が相応しいように思えた。
存分に刀身を鑑賞した後、目釘を抜いて茎を検めると、銘は一字『円』とだけ彫られてある。
『善きかな善きかな。宝探しなど退屈しのぎにしかならんと思っておったが、これ程の名刀を拾えるとはな。どれ、さっそく試し斬りに行くとするかの』
上機嫌に笑いながら、女は刀を鞘に納めて歩きだした。
●グリモアベース
終の王笏島。
今は亡き七大海嘯『王笏』カルロス・グリード(実は生き延びているのではないかと一部で噂されている)が保有していた多数のメガリスが隠されているという宝島である。
「グリモアの予知によって、そのメガリスのひとつをコンキスタドール残党が手に入れたことが判明したわ。コンキスタドールの討伐、及びメガリスの回収が今回の依頼よ」
グリモア猟兵の田抜・ユウナ(狸っていうな・f05049)は、そう言って資料を指し示した。
「コンキスタドールの名は『万斬妃』フリーデライヒ。元から持っていた大太刀『斬界刀』と、終の王笏島で入手した刀型メガリス『天地無双剣』を用いた二刀流で戦うわ」
資料によれば、メガリスは名前の通りユーベルコード【天地無双剣】の効果を有する。
元々フリーデライヒは攻撃一辺倒のスタイルを取るが、さらに攻防一体のバランサーが追加されたということだ。
「標的の居場所は不明。だから終の王笏島に到着したら、まずは捜索から始めることになるわね。何かしら痕跡が遺されているはずだから、注意深く探してみて」
説明は以上、と締めくくり、ユウナは猟兵たちを現地へテレポートさせるためグリモアを展開した。
黒姫小旅
どうも、黒姫小旅でございます。
此度のシナリオはメガリス探索。プレイングに希望があった場合、「希望者の所属旅団」が回収したメガリスを管理することができます。
2章に登場するボスは通常のものとは別に下記のユーベルコードを同時発動、つまり「二階攻撃」を行います。
●メガリス
名称:天地無双剣
ユーベルコード:天地無双剣
【神速の突き】が命中した敵を【返し刀】で追撃する。また、敵のあらゆる攻撃を[返し刀]で受け止め[神速の突き]で反撃する。
第1章 冒険
『犯人の残した証拠を捜そう』
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POW : 物的証拠を自身の身体を使い捜索してみる。
SPD : 目撃者などの間接的な証拠を捜してみる。
WIZ : 気配などの目には見えない手がかりを捜してみる。
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
大豪傑・麗刃(サポート)
一人称は『わたし』『麗ちゃん』
まじめなこと『だけ』はやりたくないのだ!
いかなるシリアスな場面でも最低一か所はネタを挟みたい。ダジャレ、奇怪な言動、一発ギャグ、パロ、メタ(一番好き)等何でもよい。
一応状況をちゃんと前進させる意思はあるので、状況が悪化する行為はさすがにやらない。一見悪化するけどネタとして許されるならむしろやりたい。場合によってはギャグを『変態的衝動』に繋げて身体能力を強化し無理やり状況の改善を狙う事も。
あまりに超どシリアスな雰囲気のためギャグなんか絶対に許さないとMSが判断するのなら、シリアスオンリーも一応可能だが、その時は頭痛が痛くなるのだ(強調表現としての二重表現肯定派)。
ベルベナ・ラウンドディー(サポート)
「戦闘は得意な方に譲りますよ」
自称偵察専門、宇宙出身の竜派ドラゴニアン青年
単純明快が信条、焦るとラフが混ざるも概ね穏やかな物腰です
宇宙や汚染地などの悪環境下に特に強く、変装・偵察・工作など非戦闘活動を得意と自負する一方で他猟兵達の戦闘関連の技量に感心しがちです
全部80点で100点は取れないタイプ
●特徴として
功夫・衝撃波による砲撃戦・結界術の3種が戦術の主体です
全て「偵察任務遂行のためついでに取得した」とのこと
こいつを活躍させるよりも話の調整役として扱ったほうが背後は喜びます
設定や背景を描写する際の進行役や負傷や撤退でオブリビオンの見せ場などの
演出素材としてもお役立てください
●
グリモア猟兵がサポート参加を募った際、一番最初に名乗りを挙げたのが大豪傑・麗刃(24歳児・f01156)だったのは必然だったのかもしれない。
そう思えるくらいに、麗刃は奮起していた。何故なら……
「漫才師を名乗る剣豪が相手とか言われたら、放ってはおけないのだ!」
「マンザイシではなくて『万斬妃』ですね」
と、竜派ドラゴニアンのベルベナ・ラウンドディー(berbenah・|∂《ラウンドディー》・f07708)からのツッコミはさておくとして。
さっそく麗刃が目を付けたのは、一本の倒木であった。
高さ3メートルほどの立派な木が、根本の辺りで切断されて頭から藪の中に突っ込んでいた。断面はまだ新しく、切り株と合わせたらそのままくっついてしまうのではないかと思うほどスベスベしている。よほど大きく、斬れ味の良い刃物で一刀両断されたものと考えられた。
「コンキスタドールがやったんでしょうか?」
「大太刀使いという話だったからなぁ。それにホラ、こっちを見てみるのだ」
後ろから覗き込んだベルベナに、麗刃は倒木の幹を指差した。
見れば幹の一面に無数の斬り傷や抉り傷が刻まれており、枝もザンザンバラバラ無秩序に斬り落とされている。
「木をぶっ倒したのとは別の、もっと短い刀でつけた傷なのだ。それも、使い方を試すみたいに色々な種類の傷がつけられてる」
「つまり、新しく手に入れた刀型メガリスの試し斬りをした、と」
「おそらくメイビー。だけども、この後どこへ行ったのかがわからんことには動きようがないなぁ」
「それなら、私に任せてください」
偵察は専門分野です、と進み出たベルベナは深呼吸ひとつ意識を集中させると、ユーベルコード【人畜無害な人派の顔面オーラ・本気ver】を発動した。
竜族の頭部が人派のそれへと変貌し、人畜無害な少年の顔面オーラを振り撒かれると、途端に周辺の環境が艶めいた。
海の方から吹き寄せる潮風が、媚びるようにベルベナを一周した後、足下の塵を脇に飛ばし、残った砂粒が足型となって「私を見て!」とばかりに輝きだす。
「見つけました、コンキスタドールの足跡です。追いかけましょう」
ベルベナを先頭に、二人の猟兵は進軍を開始した。
舗装も何もない険しい道のりであったが、顔面オーラに魅了された自然環境はベルベナが歩きやすいように手掛かり足掛かりを整えてくれる。後に続く麗刃も恩恵のおこぼれを貰えるため、二人の歩みはとても順調だった。
「この調子で、必ず見つけ出してやるのだ。待ってろ、フリーズドライちゃん!」
「フリーデライヒ、ですね」
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ティエン・ファン(サポート)
シルバーレイン出身の除霊建築士です。
明るく善良な性格で、できることがあるならば、できる限りを全うしようとします。
除霊建築士というジョブに拘りがあるため、その知識や技術が活かせそうな場面では、積極的にそれらを使って問題解決に取り組みます。
戦闘時は主武器のT定規と副武器の浄銭貫を用いて、近距離戦も遠距離戦も行います。
キャバリアが有効な場面では、『蚩尤』を使用します。
『蚩尤』は普段イグニッションカードに収納しています。
ユーベルコードは『蚩尤』搭乗時は”蚩尤”とついたものを、そうでないときはその他のものを状況に応じて使用します。
以上を基本として、シナリオに合わせて思うままに動かして頂ければと思います。
高階・茉莉(サポート)
『貴方も読書、いかがですか?』
スペースノイドのウィザード×フォースナイトの女性です。
普段の口調は「司書さん(私、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、時々「眠い(私、キミ、ですぅ、ますぅ、でしょ~、でしょお?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
読書と掃除が趣味で、おっとりとした性格の女性です。
戦闘では主に魔導書やロッドなど、魔法を使って戦う事が多いです。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
●
ティエン・ファン(除霊建築学フィールドワーカー・f36098)は製図作業に没頭していた。
これまで幾人もの猟兵が探索してきた終の王笏島であるが、その全容は未だ明らかになっていない。
それでも、ティエンは除霊建築士としての腕を奮って、先行する猟兵が集めた限られた情報から周辺の地図を書き上げてのけた。
「この地図から推測して、コンキスタドールがいるとしたら、どっちだろう。……うーん、風水的にはコレがそうなってるから……」
しかし、一歩届かない。
決め手に欠いたまま頭を抱えるティエンに、高階・茉莉(秘密の司書さん・f01985)が声をかけた。
「何か、お手伝いできることはありますか?」
「この辺りの地形について、もっと情報が欲しいかな。例えば、空撮写真みたいな」
「なるほど……それなら、お力になれるかもしれません」
茉莉はキラッ、と赤いアンダーリム眼鏡を光らせて、自らに術式を付与する。
「空高く跳びましょう、【空間演舞】!」
茉莉の靴が風を蹴り、スカートを翻して上空へと駆け上がった。
ユーベルコードの効果が続く間、茉莉に確固たる地面は必要ない。空中のすべてが足場であり、天空は彼女のためだけの専用ダンスフロアなのだ。
|風精《シルフィード》のごとく軽やかに遥かな高みと上った茉莉は、視力矯正機能を有した眼鏡で地上を見渡した。景色を瞬間記憶に焼き付けたら彼方へ移動して別角度から。死角になっている場所は此方に回り込んで、と隅から隅まで余すことなく観測して回る。
「……88、89、90。そろそろ下りましょうか」
空中ジャンプの回数上限が近くなってきたので、引き上げることにする。
駆け戻った茉莉が見てきた事を報告すると、ティエンはお菓子を貰った幼子のように喜んで、手製の地図にペンを走らせた。
不完全だった地図が、みるみる補完されている。
「なるほど、あの山の裏側で土砂崩れの跡が……で、こっちに湖があって、植生がこうなんだから……うんうん、地脈はそんな感じで……それを星の巡りに照らすとあーでこーで……」
何やらブツブツ言いながら、怪しげな計算をするティエン。
茉莉が邪魔しないよう静かに見守っていると、若き除霊建築士は急に顔を上げた。
「わかったよ! 『未申に向かえば鬼に会う』って卦が出てる」
「未申の方角、というと南西ですか。そして『鬼に会う』というのは……」
「当然、コンキスタドールのことだよね。つまり、南西に行けば目標を見つけられるって考えればいいはずだよ」
そうとわかれば話は早い。
進行方向の定まった猟兵たちは、まっすぐに歩きだした。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第2章 ボス戦
『『万斬妃』フリーデライヒ』
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POW : 斬界刀・陸崩し
単純で重い【衝撃波を伴う大太刀『斬界刀』】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD : 斬界刀・壊天之太刀
【大太刀『斬界刀』で空間へ斬り込むこと】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【空間を超越して届く斬撃】で攻撃する。
WIZ : 斬界刀・大洋裂波
【大太刀『斬界刀』より放つ剣閃】を巨大化し、自身からレベルm半径内の敵全員を攻撃する。敵味方の区別をしないなら3回攻撃できる。
イラスト:弥音
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠ギージスレーヴ・メーベルナッハ」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
四王天・焔(サポート)
『こんにちは、焔だよー。』
妖狐の人形遣い×ガジェッティアの女の子です。
普段の口調は「無邪気(自分の名前、~さん、だね、だよ、だよね、なのかな? )」、家族には「甘えん坊(自分の名前、相手の名前+ちゃん、だね、だよ、だよね、なのかな? )」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
無邪気で感情の起伏が激しい性格の少女、
武器はからくり人形とドラゴンランスを主に使います。
植物、特に花が好きです。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
●
終の王笏島を探索した末、ついに討伐対象を発見した猟兵たち。
「見つけた、コンキスタドール!」
『ん-?』
四王天・焔(妖の薔薇・f04438)が声を上げると、『万斬妃』フリーデライヒは首だけで振り返り、ニィと修羅めいた笑みを浮かべた。
『猟兵か……丸太なんぞ相手にしたところで退屈だと思っていたところじゃ。試し斬りはやはり、生きた人間に限る』
「焔は妖狐だけどね」
凄惨な剣気を向けられながらも、焔は臆することなく四王稲荷符を手に先制攻撃を放つ。
「符よ七色の力を顕現せよ。混沌の輝きにて敵を討て……【|混沌七彩符《カオティックレイ》】!!」
投じられた霊符は655本の光線となって、フリーデライヒに殺到した。炎・冷・雷・光・闇・心・無の七属性が津波のごとく押し寄せるのを前にして、二刀流の剣鬼は心底愉快そうにカカと笑う。
「これじゃこれじゃ! 命を懸けた死合いでなくては、刀を振る価値がない!」
左手に提げたメガリス『天地無双剣』が翻った。
あらゆる攻撃を受け止める返し刀が光の奔流を斬り裂いて、生じた一髪の隙間に体をねじ込む。真正面からユーベルコードを突破したフリーデライヒは、そのまま焔へと一直線に刺突を放った。
天地無双の神速突きが和風メイドの胸を貫かんとして、しかし届かない。
『なに!?』
腕が伸びきってなお届かぬ切っ先に、フリーデライヒは驚愕した。いつの間にか彼女の心身は幾重もの状態異常に侵されていた。こんな有様では、体が思い通りに動くはずもないではないか。
「ダメージは受け止められても、追加の状態異常までは防げなかったみたいだね」
『ぐぬ……まだだァァ! 【斬界刀・大洋裂波】!!』
フリーデライヒは右手の大太刀から巨大な剣閃を放ち、戦場全体を薙ぎ払おうとする。対する焔はドラゴンランス【フローレ】を下段構えに迎え撃つ。
天をも裂く斬波と地摺りの竜槍が交差して…………――
『ぐはぁ!?』
果たして、血煙に倒れたのはフリーデライヒの側であった。
成功
🔵🔵🔴
御形・菘(サポート)
※語尾に「のじゃ」は不使用
はっはっは、妾、推っ参!
敵は決してディスらんよ、バトルを彩るもう一人の主役なのでな!
強さも信念も、その悪っぷりも誉める! だが妾の方が、もっとスゴくて強い!
バトルや行動は常に生中継+後で編集しての動画配信(視聴者が直視しては危ない系は除く!)
いかにカッコ良く魅せるか、見映えの良いアクションが最優先よ
とはいえ自身の不利は全く気にせんが、共にバトる仲間にまで不利を及ぼす行動はNGだぞ?
戦法は基本的に、テンションをアゲてボコる! 左腕とか尾で!
敵の攻撃は回避せず、受けて耐える! その方がカッコ良いからのう!
はーっはっはっは! さあ全力で来るがよい、妾も全力で応えよう!
●
「はーっはっはっは! 【|見よ、この人だ《エッケ・ホモ》】!」
高笑いしながら登場した御形・菘(邪神様のお通りだ・f12350)に合わせて、どこからともなくファンファーレが鳴り響く。聞く者を発火させる呪笛が駆け抜けて、コンキスタドールは地獄の業火に包まれた。
『ええい、しゃらくさい。消し飛べ、【 斬界刀・陸崩し】!』
炎と煙に巻かれた『万斬妃』フリーデライヒは苛立ったように斬界刀を地面に叩きつけた。
世界をも斬ると銘打たれた大太刀は、大地を一文字に斬り裂くだけにとどまらず、破壊の衝撃波を撒き散らす。例えるなら、巨人が刀傷に指を差し込んでかっ開いたようなものだ。地中の土砂が炎もろともぶちまけられて、そのただ中をフリーデライヒが突っ込んでくる。
『受けよ、【天地無双剣】!』
「おっと!」
文字通りの|土砂降り《・・・・》を貫く神速の突きが、菘の頬を掠めて通りすぎた。
薄皮一枚斬られて血が浮く感触に、辛うじて回避に成功したことを悟った菘は直後、フリーデライヒが嗤うのを見た。
天地無双剣が、翻る。
刺突から返し刀へ、流れるような二連斬。すでに反らした上体はこれ以上の回避を行えず、動けない首筋に白刃が迫る。
逃げられない。死の予感。嗚呼――なんと素晴らしい!
ガギィ! 凄まじい音を立て、菘は敵の刀を|噛んだ《・・・》。普通ならば口裂け女が出来上がるところを、常人離れした咬合力で受け止めた菘は、そのまま首の筋肉を千切れんばかりに振るって投げ飛ばす。
予想外の行動に虚を突かれたフリーデライヒは手鞠のように吹っ飛んで、三度もバウンドした後うつぶせに倒れて動かなくなった。
『う、ぐ……まっこと、イカれた女よ』
「はっはっは! 褒め言葉だ!」
菘は心から愉快そうに哄笑し、そしてダメージを負いながらも決して二刀を手放さないコンキスタドールの矜持を称えるのだった。
成功
🔵🔵🔴
カツミ・イセ(サポート)
「僕の神様は言ったよ。郷に入りては郷に従えと」
「僕に出来ることだからね」
神様に作られたミレナリィドール、勝ち気で大人びた僕娘。イメージは水。
口癖が「僕の神様は言ったよ」
『偽装皮膚』の影響で、球体関節が普通の関節に見えるよ。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用。加護で治るから、大怪我しようと厭わず積極的に行動するよ。
遠距離は『水流燕刃刀』を伸ばすよ。
近接戦では『偽装皮膚』を水のような刃にして、咄嗟の一撃を放つことがあるよ。このときは球体関節が見えるんだ。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしないよ。
また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしないんだ。
あとはおまかせするから、よろしくね!
●
「僕の神様、その根源となる力を……」
カツミ・イセ(神の子機たる人形・f31368)のユーベルコード【創造主の力:水刃手裏剣無影術】を発動。128の水流手裏剣を召喚すると、『万斬妃』フリーデライヒに向けて乱れ打った。
『この程度……!』
襲いくる手裏剣群を、二刀流のコンキスタドールは左手の刀型メガリス『天地無双剣』で迎え撃つ。あらゆる攻撃を受け止める返し刀で水刃を斬り払いつつ、右の大太刀『斬界刀』を振りかぶり、
『彼方を断ち斬れ、【斬界刀・壊天之太刀】』
フルスイングした一刃は空間を超越。10メートル以上も離れたカツミの元に斬撃現象を発生させた。カツミは水流手裏剣もろとも薙ぎ払われて、幼子のような体躯が宙に浮く。浮いた空中、回避行動が取れないところへ、【天地無双剣】の追撃が伸びる。
「|殺《と》った!」
目にも留まらぬ神速の突きは、狙い過たず獲物の正中を刺し…………貫かれたカツミの体が、煙のようにかき消えた。
『っ!? これは……幻影か!』
ご名答だ。
水流手裏剣は投擲武器だけではなく、自身の立体映像に変化させることもできる。そして、使い道はもう一つ。
ボゴボゴッ!
残りの手裏剣が、一斉に泡立った。
危険を察したフリーデライヒが逃げようとするが、空中にあっては回避行動も行えないまま、周りにばら撒かれた水流手裏剣は無情にも第三の用途、すなわち時限爆弾としての効果を発動する。
「おのれっ、最初からこれが狙いだったか!」
「僕の神様は言ったよ。勝ったと思った時が負けた時だって」
物陰に身を隠したカツミは、連鎖爆発に飲み込まれたフリーデライヒの悲鳴を聞きながら、淡々と呟いた。
成功
🔵🔵🔴
蒼月・暦(サポート)
デッドマンの闇医者×グールドライバー、女の子です。
普段の口調は「無邪気(私、アナタ、なの、よ、なのね、なのよね?)」
嘘をつく時は「分かりやすい(ワタシ、アナタ、です、ます、でしょう、でしょうか?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
無邪気で明るい性格をしていて、一般人や他猟兵に対しても友好的。
可愛い動物とか、珍しい植物が好き。
戦闘では、改造ナノブレード(医療ノコギリ)を使う事が多い。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
●
『今ひとたび……【斬界刀・壊天之太刀】』
コンキスタドール、『万斬妃』フリーデライヒが右手の大太刀を振りかぶるのを見た蒼月・暦(デッドマンの闇医者・f27221)は、うなじがジリと焦げるのを感じた。
「っ!」
とっさにユーベルコード【身軽な空中戦】を発動し、空を蹴って瞬発した彼女の背後が、存在しないはずの大刃に斬り裂かれる。
空間を飛び越える遠隔斬撃。射撃とはまた違った、厄介な攻撃だ。
「これは、一気に決めちゃった方がいいね」
短期決戦を決断した暦は、果敢に斬りかかった。
空中ジャンプの連発でピンボールよろしく乱れ跳ねながら間合いに飛び込むや、改造ナノブレードを叩きつけ――ガギン!?
『ぬるいわ!』
フリーデライヒの脇腹に喰らいつくはずだったノコギリ刃は、間に割り込んだメガリス『天地無双剣』と噛み合って止められた。
グルン、と返す刀に巻かれて、暦の体が回転する。
上下逆さまになったフリーデライヒが追撃しようとしている様子が、やけにゆっくりに見えた。
返し刀による捌きから神速の突きへ。隙のない二段構えは理想的なまでになめらかで、止めることなどできないというのが嫌というほど理解できた。
「ま、けるもんかぁぁぁ!」
土壇場で。
暦は|肩を使って空中ジャンプした《・・・・・・・・・・・・・》。
前触れもなく真横へと吹っ飛んだ暦を、メガリスの刺突が掠めて通りすぎていく。
『あの体勢から避けた!?』
驚いている暇も与えるな。
暦は空中に尻もちをつくようにしてバウンド。着地する前に再ジャンプして死角に回り込むと、その勢いのまま改造ナノブレードを振り抜く。
『ぐああっ!?』
がら空きの背中を捉えた一太刀が、フリーデライヒの白い肌をズタズタに引き裂いた。
成功
🔵🔵🔴
筒石・トオル(サポート)
「邪魔をしないでくれるかな」
「油断大敵ってね」
「ここは任せて」
正面切って戦うよりも、敵の動きを封じたり、属性防御を固めて盾や囮となったり、味方が倒し切れなかった敵にトドメを刺して確実に倒すなど、味方の安全性を高めるように動く。
ユーベルコード使用はお任せ。
使用しない場合は、熱線銃での援護射撃を主に行う。
人見知りではあるが人嫌いではないし、味方が傷付くのは凄く嫌。
戦うのも本当は好きではないが、誰かを守る為には戦う。
もふもふに弱い。敵がもふもふだと気が緩みがちになるが、仕事はきちんと行う……ホントだよ?
●
|熱線銃《ブラスター》を構えると同時に連射した。
筒石・トオル(多重人格者のマジックナイト・f04677)の抜き撃ちを、『万斬妃』フリーデライヒは左手のメガリス『天地無双剣』で防御する。
円弧を描く返し刀で熱線ビームを受け止めると、一転刺突へ。技から技への連結に微塵のよどみもない洗練されたコンビネーションは、トオルの動体視力をもってしても見切ることは困難だ。
「……グリモアの予知を聞いて備えていなかったら、の話ですが」
神速の突きがトオルを貫く寸前、事前に展開しておいた『水』の属性防御がメガリス刀の切っ先に触れた。
爆!
熱線銃を防いだことで高温に熱されていた刃に接触した水の魔力が一瞬にして蒸発。ダイナマイトにも等しい急激な体積膨張、水蒸気爆発がフリーデライヒを吹き飛ばした。
『チィッ、こしゃくな真似を!』
二刀流のコンキスタドールはバックステップで威力を殺しながら舌打ち、右手の大太刀『斬界刀』を振りかざす。
『死ねぇ! 【斬界刀・大洋裂波】!!』
爆風をぶち抜いて、戦場全体を捉えるほどに巨大化した剣閃の三連発が来る。
「――光よ我が願いを叶えたまえ、【ヒプノシスリストラクション】」
その時、トオルの眼鏡が激しく輝きだした。聖なる光の点滅が、邪なるものを催眠状態に陥れる。
『なっ……これは!?』
フリーデライヒは狼狽した。
どんなに体を動かそうとしても、催眠に落ちた彼女の脳は肉体へと命令を送ることができない。
結果としてカカシのごとく無防備に棒立ちになったフリーデライヒに、トオルはゆっくりと銃口を向け、引き金を引いた。
熱線銃は撃ち抜いた傷口を焼き、血の一滴が飛び散ることもない。
成功
🔵🔵🔴
キャロライン・メイ(サポート)
ダークセイヴァーの貧民街の生まれ。生きるため、悪事に手を染めてきた。ある日商人から一振りの剣を盗み出す。剣は呪われており、その邪悪な魔力によって、呪われし黒騎士へとその身を堕とす。その冷酷な様を人々はアイスドールと呼ぶ。
自身の半生に強いコンプレックスを持ち、心の中では常に自己を否定し続けている。
ダーインスレイヴ~漆黒の魔剣による強力な一撃。
ライフドレイン~魔剣の血塗られた鉄鎖が無数の棘に変形し敵に突き刺さる。
※エロやグロNG
※5人以上まとめたリプレイNG
●
『ハァ、ハァ……これが猟兵か。なるほど、先の大戦で七大海嘯を壊滅させただけのことはある』
満身創痍となり肩で息をする『万斬妃』フリーデライヒの前に立ちはだかるのは、キャロライン・メイ(アイスドール・f23360)だ。
身の丈を越えるほどの大太刀『斬界刀』を右片手上段に振り上げるコンキスタドールに対し、呪われし黒騎士が無言のまま、己を呪う魔剣『ダーインスレイヴ』を肩に担いで構えた。
互いに殺気を放って牽制しながら、ジリジリと間合いを詰めていく。剣が届く距離まで、あと三歩……二歩……一歩と半分……――――カサッ
風に吹かれて枯れ葉の山が崩れた音で、張り詰めていた緊張が切れた。
「オオオオオオッッ!!」
『キェェェェイッッ!!』
二人同時に躍動した。
まだ遠間だ。両者ともに刃は敵に届くことなく空振りして、地面へと墜落する。
大爆発が起こった。
【グラウンドクラッシャー】と【斬界刀・陸崩し】、地形破壊の効果を有する二つのユーベルコードが炸裂したのだ。大地は粉々になり、大量の土石が天高くへと巻き上げられる。
視界を埋め尽くす砂煙と瓦礫と暴風が吹き荒れるなか、しかし二人の戦士は止まらない。
キャロラインが立て続けにダーインスレイヴを振るうのをメガリス『天地無双剣』の返し刀が受け流し、カウンターの神速突きは魔剣の柄で弾いて躱す。
アイスドールの凍てつく殺意と万斬妃の狂気じみた剣気が何度も何度もぶつかり合い、聞いただけで切断されそうな剣戟が戦場に響き渡って、そして唐突に沈黙した。
静寂が広がるとともに砂煙も落ち着いていき、やがて現れたのは膝をついたキャロラインと、彼女の前に立つフリーデライヒの姿であった。
「……げほっ、ごほっ!」
キャロラインは口の中に入った血交じりの砂を吐き捨てながら立ち上がり、傷を庇いながらフリーデライヒへと歩み寄ると――その胸に深々と突き刺さった魔剣ダーインスレイヴを引き抜いた。
「これで、依頼完了だな」
メガリスの刀を回収したキャロラインは、崩れ落ちたコンキスタドールの亡骸には一瞥をくれることもなく立ち去ったのだった。
【END】
成功
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