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銀河帝国攻略戦⑮~沈めよ精鋭

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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 『解放軍』は、ついに難攻不落の帝国大要塞『エンペラーズマインド』を突破するに至った。
 快進撃を続けるスペースシップは、現在帝国旗艦『インペリウム』を目指して進んでいる。
 そんなスペースシップの前に立ちはだかったのは『白城』艦隊。
 『士気と練度』を強みとした、大艦隊である。

「『解放軍』艦隊はこれまでの戦いで戦争にも慣れてきたから、いまは何とか互角に戦えているけど――」
 佐伯・キリカ(陽気な吸血魔法使い・f00963)は、困ったように首を傾げた。
「それでも練度の差は歴然、なんだよね。戦闘が長引けば『解放軍』艦隊が先に崩れるのは間違い無いんだよ」
 というのも、『白城』艦隊の強みは『士気と練度』。まずこれをどうにかしないことには、勝利を掴むことは難しいといえる。
 でも、と続けるキリカの顔は一転して明るいものとなった。
「ここまでの戦いで、帝国軍の優秀な前線指揮官を特定できたんだよ! だから猟兵のみんなには帝国宇宙戦艦、その中の『白城』艦隊の撃破をお願いしたいんだ!」
 とはいえ『白城』艦隊は、精鋭艦隊。生半可な攻撃は通じないだろう。それに戦争以外の用途は一切考慮されていない破壊と殲滅に特化した無骨な艦だ。それ故、強力な戦闘力を発揮することが可能となっている。
「作戦の流れを説明するね。まずは『白城』艦隊に接近するため、宇宙空間を移動して欲しいんだよ。もちろん『白城』艦隊も黙ってはいないから、艦砲射撃を行ってくる。それを掻い潜って接近した後、ユーベルコードを叩き込む――そんな感じかな」
 当然、猟兵ひとりのユーベルコードで撃沈させられるような戦艦ではない。一度、二度……何度でも、攻撃を仕掛けられる限り仕掛けて撃沈にこぎ着けて欲しい。
 そう話すキリカは拳を握りしめ、頼んだよ、と猟兵たちを送り出すのだった。


雨音瑛
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

●目標
 宇宙空間にて敵の艦砲射撃を掻い潜って接近、ユーベルコードを叩きこみ『白城』艦隊の1隻を撃沈させてください。
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第1章 ボス戦 『帝国宇宙戦艦』

POW   :    フルバースト・コズミック
【全砲一斉射撃】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    デストロイレーザー
【10秒間のエネルギーチャージ】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【主砲からのレーザー砲撃】で攻撃する。
WIZ   :    インペリアル・マカブル
【自身の稼働可能時間】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【帝国式鏖殺形態】に変化させ、殺傷力を増す。
👑15
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

メンカル・プルモーサ
セルマ(f06556)を箒の後ろに乗せて参加。

【天翔る突風の馭者】を使って移動力を上げて行く……
術式による箒の自動制御とマニュアルでの制御を切り替えて不規則な軌道を取る事で的を絞らせないようにしつつ【面影映す虚構の宴】で自分たちの幻影を出して囮にする…
●デストロイレーザーを確認したら【崩壊せし邪悪なる符号】でエネルギーチャージを解除…妨害する……
遠距離から【尽きる事なき暴食の大火】を砲塔に撃ち込んで方の数を減らすと同時に…弾幕のパターンの情報を収集して…隙を見て接近。【精霊の騒乱】によるプラズマの嵐をぶつけて電子機器諸共ダメージを与える…
…文明が違っても…方向性が違うだけ…やりようはある…


セルマ・エンフィールド
メンカルさん(f08301)と共闘、箒に同乗させてもらいます。
自分の銃と敵船の砲を見比べながら
なんというか……文明の差を感じますね。
ですが、扱うものが違えばそれが戦力の差にはならない、ということを見せてあげましょう。
【氷の狙撃手】でこちらに向く砲台を狙い、破壊、凍結させながら接近。

砲がこちらに向かい、その回避が難しいようであれば、それが単発の砲であれば見切り、視力、クイックドロウを活かし【氷の狙撃手】で撃ち落としを狙い、
機銃などであれば3回までですが【冬の尖兵】で氷の兵士を呼び出しⅧに合体、盾になってもらいます。

接近に成功すれば最大威力の【凍風一陣】で重要そうな部位を狙います。



 宇宙空間を往くメンカル・プルモーサの移動手段は、箒だ。灰色の髪をなびかせ、上下も左右も関係なく戦艦へと迫ってゆく。
 セルマ・エンフィールドを後ろに乗せてなお早いのは、飛行式箒に刻まれた制御術式を変形させて発動しているからか。
 箒は自動制御とマニュアル制御の切り替えで不規則な軌道を取り、放たれたレーザー砲撃を回避した。
 10秒後には次のレーザーが発射されるが、メンカルは眠たげな表情のまま詠唱を始めるだけだ。
「邪なる力よ、解れ、壊れよ。汝は雲散、汝は霧消。魔女が望むは乱れ散じて潰えし理」
 レーザーが眼前で弾け、消えてゆく。
 メンカルの行動はそれだけに留まらず、さらに別の詠唱を始めた。
「貪欲なる炎よ、灯れ、喰らえ。汝は焦熱、汝は劫火。魔女が望むは灼熱をも焼く終なる焔」
 白色の炎を遠距離から放てば、戦艦に命中するのが見える。しかし砲塔の破壊までは至らなかったようで、その頑丈さにセルマが目を細めた。
「なんというか……文明の差を感じますね」
 自身が手にする銃に視線を落としながら、セルマが呟いた。
 彼女がスコープを覗き込むと、帝国式鏖殺形態へと変化した戦艦が、そこにある。
 しかしセルマにとって『スコープの向こうにいるのは獲物だけ』。だから、
「さて、完全に凍り付くのは何発目でしょうか?」
 引き金を絞り、弾丸を撃ち出した。
 扱うものが違っていても戦力の差にはならない、その証明として砲台のひとつが凍結した。
 自身へと向かう攻撃が減った隙に、メンカルは戦艦との距離を一気に詰める。
 ここまでで弾幕のパターンの情報は充分集まった。縦横無尽に箒で飛ぶ二人には、もう攻撃はかすりもしない。
 それに、戦艦はもう目前だ。
「……文明が違っても……方向性が違うだけ……やりようはある……セルマ、準備はいい……?」
「はい、いつでもどうぞ」
「……世の理よ、騒げ、暴れろ。汝は天変、汝は動地。魔女が望むは安寧破る元素の乱」
 先にユーベルコードを発動したのは、メンカルであった。巻き起こるプラズマの嵐に、戦艦の動きが止まる。とはいえ、ほんの僅かな間だけだ。だがその好機を見逃すセルマではない。
 取り出した銃弾に冷気を、鋭さを、速度を瞬時に宿す。とたん巡る毒の痛みをものともせず、銃弾を装填する。銃口を向け、再び引き金を引いて。
 戦艦の側面に沿って飛翔したかと思われた銃弾は、装甲の縁に着弾した。
 戦艦に乗っている者は何ら問題ないと思ったのだろう。
 けれど銃弾はそのまま滑り続け、側面の装甲を一枚剥がすに至った。
 それは、鮮やかな嚆矢であった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

塩崎・曲人
けっ、城みてぇな宇宙戦艦に身一つで挑めってかい
無茶苦茶言ってくれるぜ
「だがまぁ、ここでやらんと宇宙がヤバイって話だからなぁ!」

【地形を利用】でスペースデブリを利用して敵の懐に飛び込むぜ
ある時はデブリの陰に隠れ、ある時はデブリを蹴って複雑に飛び回り肉薄
だいたい、戦艦のセンサーっても想定する最小サイズはアームドフォート装備の鎧装騎兵ぐらいだろ
金属反応も微小なザ・生身のオレ様を見つけられるかな?

艦に取り付けたら【喧嘩殺法】で大暴れよ
オレは他の奴と違って素のままの人間だがね
センサー、アンテナ、むき出しの銃器
狙う場所はいくらでもあるぜ!

あ、仲間に狙撃手が居たら、ビーコンの設置とか承るぜ?

【アドリブ歓迎】


ドミニク・トインビー
精鋭の艦隊相手か,腕が鳴るな
こちらも艦隊だ,月の海賊艦隊発動し【騎乗】,【空中戦】だ
複製した船を前面に配置,反撃で砲撃しながら距離を詰める
こちらに砲撃が集中しても他の猟兵が接近しやすくなればよし
集中しなくてもこちらの全艦隊の砲で【零距離射撃】にて【一斉発射】すれば打撃を与えられるだろう
相手は「城」こちらは「海賊」存分に略奪してやろう
※アドリブ歓迎



 無茶言ってくれるぜ、と塩崎・曲人が言い捨てた。
 遠くに見えるは、城のような宇宙戦艦。そのようなものに身一つで挑めと言われているのだ、曲人でなくともぼやきたくなるというもの。
 しかし、灰色の瞳はむしろ輝いている。
「だがまぁ、ここでやらんと宇宙がヤバイって話だからなぁ!」
 宇宙空間に飛び出し、スペースデブリを見つけては姿を潜める。かと思いきやデブリを蹴って移動の踏み台にし、ピンボールもかくやという動きで自在に攻撃の間を抜けて行く。
 戦艦にセンサーがあるとすれば、想定している最小サイズはおそらくアームドフォート装備の鎧装騎兵程度。
 そう踏んだ曲人は笑みを深め、
「金属反応も微小なザ・生身のオレ様を見つけられるかな?」
 またひとつ、デブリを蹴った。

「ふ、腕が鳴るな」
 ドミニク・トインビーがそう言うのには、理由がある。
「ダミー艦用意完了! 意識の同期を確認! さぁお前ら! 艦隊戦の始まりだ!」
 小気味よい掛け声とともに、宇宙海賊船《バルディッシュ号》がおよそ20も複製されてゆく。
 そう、ドミニクは宇宙海賊なのだ。
 バルディッシュ号に騎乗した後は、砲撃しながら戦艦との距離を詰めて行く。
 しかし相手は精鋭、複製したバルディッシュ号のいくつかは撃破され、宇宙の塵となる。
 もちろんその程度で動揺するドミニクではない。
 こちらに砲撃が集中するのならば、他の猟兵が接近しやすくなるだけのこと。
 事実、デブリをかいくぐって移動する曲人は確実に戦艦へと近付いている。
「上手くやれよ。……当然、こちらも上手くやらせてもらうが、な」
 聞こえていないとは思いつつ、声をかけずにはいられないのだった。

 やがてデブリを蹴った曲人が、艦に取り付いた。
「ヒャッハー! ブッ込み行くぜオラァ!」
 叫び、いつの間にか手にした岩石のようなデブリで戦艦に殴りかかった。
 センサー、アンテナ、むき出しの銃器……狙える場所は無数にあるが、そう長く取り付いてもいられない。
 手近な場所にあったむき出しの銃器に殴りかかり、もぎ取って宇宙空間に投げ捨てた。
「っしゃあ、続けて頼むぜ!」
 聞こえる距離ではないと解ってはいる曲人であるが、身振りで示しつつ叫んだ。その後は、戦艦を蹴って離れてゆく。
 彼の動作の意図を理解したドミニクはさも楽しそうに笑い、突撃せんばかりの勢いで残りのバルディッシュ号を戦艦に寄せた。
「相手は『城』こちらは『海賊』――」
 となれば、やることは決まっている。
「略奪用意! 発射!」
 零距離での一斉射撃が、戦艦に大穴を開けた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

矢上・裕一郎
「白き城、か。なかなか落とし甲斐がありそうじゃないか。俺の腕の見せ所だな」

≪機械仕掛けの我が相棒≫を使用、巨大な実体剣やエネルギー砲、対艦ミサイルなどの対艦装備及びデコイやチャフなどの回避・陽動に使う装備を換装し、宙戦仕様になったことでシルエットが多少変化した愛機を召喚し搭乗

≪操縦≫と≪空中戦≫の技能及び機体の装備をフル活用して敵の攻撃を回避する
≪視力≫を活かして敵の攻撃を≪学習≫し、敵艦の弱点や防御の手薄な箇所探す
敵艦の船体ギリギリまで接近出来たら、≪零距離射撃≫で持てるすべての武器を≪一斉発射≫、最大火力をぶつける



「白き城、か。なかなか落とし甲斐がありそうじゃないか。俺の腕の見せ所だな」
 呟くのは、矢上・裕一郎。クールを装ってはいるが、眼鏡の奥の瞳からは熱く燃える魂がうかがえる。
 口の端を少しだけ上げて、黄色いジャンパーを翻した。
「これでも俺はパイロットでな…「死神」の所以を教えてやろう!完成せよ!“機械仕掛けの我が相棒”!」
 声を張り上げて召喚した巨大人型機動兵器の手には巨大な剣やエネルギー砲、背には対艦ミサイル。デコイとチャフも用意されたそれは、宙戦仕様になった裕一郎の愛機だ。
 乗り込んで向かうは、強大な宇宙戦艦。
 敵も当然、裕一郎の存在を感知している。10秒ほど沈黙していたかのように見えた戦艦は、主砲に光を集め始めた。
 来る。と、裕一郎が機体の中で回避の動きを取る。
 だが発射されたレーザー砲は想定以上に太く大きく、人型機動兵器の右腕を巨大剣ごと消し去った。
 裕一郎は僅かに目を見開く。
 しかし次の瞬間には笑みを深めて前進したのだ。
「今ので見えた――!」
 一度受けただけであったが、裕一郎は敵艦の攻撃を完全に把握した。
 つまるところ、接近までの間に意識すべきは「躱す」、その行動だけ。
 一気にスラスターを噴かし、攻撃をかいくぐって目と鼻の先まで戦艦に接近できたのなら、あとは簡単な話だ。
「全弾……発射!」
 人型機動兵器の指が、引き金を絞る。
 エネルギー砲と対艦ミサイルを一斉に発射すれば、噴射煙が裕一郎の視界を塞いだ。
 着弾の衝撃で、人型機動兵器がやや後方へと弾かれる。
 ひとまずは仕事完了だと離脱する裕一郎が最後に見たのは、ひしゃげた装甲だった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

月隠・望月
相手は精鋭、手強そう、だね。でも、負ける気はない、よ。

わたしは乗り物は持っていない、から生身で戦艦に接近する。
<暗殺>の技術を使って、可能な限り敵に見つからないよう移動。
宇宙は暗い、から黒い着物を着ていけば目立ちにくくなる、はず。敵の砲台が少ない方向から近づきたい、ね。
敵に攻撃されそうなときは、<残像>を残しながら移動、して狙いを絞らせないように、する。
万一のため、《陰陽呪符》で<オーラ防御>の壁を張って、攻撃に備えよう。

戦艦に近づけたら、《無銘刀》を振り回して【羅刹旋風】で攻撃。当たりにくいユーベルコード、だけど大きい戦艦相手なら、外さない。
『あんてな』や『かめら』を優先的に、破壊したい。


中村・裕美
「……みんなか攻撃…してくれるからこそ……今が好機」
戦艦に【ハッキング】し、電脳戦を仕掛ける。
具体的にはユーベルコードで戦艦の認識をいじくり、帝国式鏖殺形態の『鏖殺』の対象を戦艦の乗組員であると設定する。そして、それらを鏖殺するのに戦艦がダメージを受けることなどのリスクを無視して行うよう設定。
「……見せて頂戴な…帝国式ってのを」
向こうもプログラムの修復をするかもしれないので、【高速詠唱】で何度も書き換え直す。
「…過去は過去に。…そのまま……沈んでゆきなさい」


カイジ・レッドソウル
「任務、戦艦ノ撃墜。了解」
黒剣、呪剣ヲ携エナガラ
【天獄の雷】ヲ発動
「戦艦装甲ダメージ確認」
表面ヲ傷ツケ【怪力】ニ任セ【傷口をえぐる】
其処ヲ一点集中ニヨル破壊活動ヲ開始
【天獄の雷】カラノ【串刺し】【2回攻撃】【なぎ払い】用イル全テノ手段ヲ使用
「破壊活動続行」
「戦艦、一斉射撃確認。防御展開」

敵攻撃ニハ、オーラ防御ト耐性ニテ対処
戦艦二モ効クハ分カラナイガ【生命吸収】ニヨル回復ヲ試ミル

淡々と機械故に恐れもなく攻撃し続けます

共闘、アドリブ歓迎


ニア・スクニロトマ
今のあたいは【宇宙怪獣スペースゾゴン】。きらめく光を身にまとう、深宇宙より来たりしもの……
鎧装騎兵としての技術をすべてつぎ込んで開発したこの宇宙戦用の着ぐるみは、戦艦にだって負けやしない!

スペースゾゴンの武器は全身から放たれる光!
特に、ユーベルコードの力を使えば戦艦に匹敵する!(自信が力だ!)
一番やっかいそうなデストロイレーザーと、真っ正面からの撃ち合いだ!
ど真ん中でぶつかってはじける光、ビームの押し合い……あたいが勝ったら、主砲の発射口をそのまま破壊できる。やってみる価値はあるよ!

「説明しよう! スペースゾゴンの主食は宇宙戦のエネルギー炉。それが大きければ大きいほど、凶暴さを増すのだ!」



 宇宙空間を生身で移動する月隠・望月は、黒い着物を纏っていた。
 宇宙は暗い、ならば黒い着物を着用すれば目立ちにくくなるはずという判断からだ。もちろんそれだけではなく、敵の砲台が少ない場所を狙って、被弾を抑えながら進む。
 また、残像をつくるのはお手の物。数秒前までいた場所を通る光線を振り返りもせず、望月は真空を駆ける。
「手強そう、だね。でも、負ける気はない、よ」
 巨大な戦艦を見上げ、すらり抜くは無銘刀。
 無重力の中で振り回しながら装甲を駆け上がり、アンテナを狙いにかかる。命中力の低いユーベルコードではあるが、大きい戦艦相手なら――。
 さんざん振り回して上げた戦闘力はもう十分と、望月はゆっくりと息を吐き出す。
 同時に真横に薙いだ刀は、一刀のもとにアンテナをへし折った。無表情にその様子を見る望月を、戦艦の砲台が狙いにかかる。
「まずい、ね」
 望月が装甲を蹴った、その時にはわずかに手遅れだった。砲台が揺れ、一斉射撃が開始される。
 全ての砲撃を受けたわけではないが、これ以上戦艦に取り付いているのは難しいだろう。
 そう思考した望月は、戦艦から離れることを決断した。
 諦めたからではない。望月は、既に戦果を出しているのだ。
 折れたアンテナがゆっくりとどこかに流れてゆくのを眺めつつ、望月は戦艦に背を向けた。

 それに、望月が攻撃を受けていた間に策を進めていた者がいる。中村・裕美だ。
「……みんなか攻撃…してくれるからこそ……今が好機」
 眼鏡を両手で少しだけ持ち上げ、戦艦にハッキングを仕掛ける。
「…ハッキング開始………これが…貴方の新しい世界」
 電脳空間から放たれたのは、「常識を書き換えるプログラム」。裕美の狙いは、帝国式鏖殺形態の対象を戦艦の乗組員にすることだ。さらに、鏖殺する戦艦がダメージを受けるリスクをも無視するようにも設定していく。
「……なるほど……そう、来ますか……」
 一筋縄ではいかないというのは、想定済み。瞬時にプログラムの修復が始まる様子を見て、裕美はどことなく嬉しそうだ。だが、はいそうですかと修復を完了させる裕美ではない。
「……見せて頂戴な……帝国式ってのを」
 高速詠唱を用いて、何度も何度でも書き直してゆく。電脳戦はお互いの力量を確かめるように加速し、双方が双方を瞬時に上回っては異なるアプローチで、あるいは不意打ちのように数秒前の手法で書き換え、あるいは修復する。
 永遠とも思える時間は、実のところ数分程度。
 やがて、修復の速度が裕美のハッキングを上回った。戦艦が装備している武器の封印が解かれ、帝国式鏖殺形態へと変化してゆく。
 けれど裕美は慌てる素振りなど見せない。戦艦の動きを止め置けた数分こそが、裕美の狙うものであったのだから。
「……過去は過去に。…そのまま……沈んでゆきなさい」

 裕美がそう言い放てたのは、眼鏡ごしにニア・スクニロトマの姿を見つけたからだ。
 着ぐるみときらめく光をまとったいまのニアは、深宇宙より来たりし「宇宙怪獣スペースゾゴン」と自らを称する。
「鎧装騎兵としての技術をすべてつぎ込んで開発したこの宇宙戦用の着ぐるみは、戦艦にだって負けやしない!」
 どんと胸を叩き、咆吼をする。
「説明しよう!宇宙怪獣スペースゾゴンは、体内に溜めたエネルギーを解放し、巨大ビームを放つことができるのだ!」
 宇宙怪獣スペースゾゴンの中から聞こえたような気がするナレーションの後、その着ぐるみの全身から極太ビームが放たれた。
 対する宇宙戦艦が放つはデストロイレーザー、かと思いきや全砲による一斉射撃。
 予想外ではあったが、ニアは着ぐるみの中でほくそ笑む。
「どっちだっていいさ。あたいが勝ったら、主砲の発射口をそのまま破壊してやるよ……! やってみる価値はあるよ!」
 戦艦とニアの中間地点でぶつかった光が弾け、膠着状態となる。
 ニアのビームが押す。束になった射撃が押す。押し、押されるその時間はわずかに数秒程度であった。
 やがてニアのビームが徐々に押し、射撃を内包して戦艦へと迫る。
 装甲に当たって弾けたビームは主砲を貫き、戦艦に巨大な穴を開けた。

 呪剣アオス・シュテルベンと黒剣を携えたカイジ・レッドソウルも続く。
「任務、戦艦ノ撃墜。了解」
 素早く穴へと入り込んだカイジは、ぐるりと内部を見渡した。
「天獄の雷始動」
 カイジの身体から出た高圧電流が、戦艦の内側から侵食してゆく。そこかしこに弾ける火花を雷炎が延焼させ、小さな爆発を連続して引き起こす。
 だがこれではまだ足りぬと、カイジは二つの剣を構えた。
「戦艦内部ダメージ確認。破壊活動続行」
 一歩間違えばカイジ自身も戦艦の爆発に巻き込まれてしまうというのに、彼に恐れは見えない。それは機械ゆえか、されど表情にも言葉にも表さない彼の態度からはまるで判別がつかない。
 カイジが剣を力任せに突き刺し、薙ぎ払えば、被害はさらに広がってゆく。
 足場としていた箇所が崩壊を始めたことで、ようやくカイジは剣を収めた。
「任務、完了。離脱」
 淡々と告げ、戦艦内部から宇宙空間へと跳躍したカイジ。
 直後の爆発で、戦艦のすべてが弾け飛ぶ。装甲も砲塔も元の形状をとどめぬまま、そこかしこに飛散する。
 爆発による閃光だけが、任務を終えたカイジの背中を照らしていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年02月20日


挿絵イラスト