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銀河帝国攻略戦⑮~白き城主を攻略せよ

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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「やあやあ猟兵諸君。くるるちゃんの召集に集まってくれて感謝するねっ」
 グリモアベースに集まった猟兵達を前に腕を広げ、鏡繰・くるる(属性過積載型バーチャル男の娘・f00144)は愛らしい笑顔と共に元気よく切り出した。
「さあ、ついにエンペラーマインド・コアの撃破にも成功したね。再集結艦隊も突破に成功して……ここまでの戦い、まさに快進撃、と言っても良いね!」
 だがもちろん、帝国軍もただでやられる訳がない。熾烈な反撃が、猟兵達を迎え撃つ。
「キミ達に今回向かってもらうのは、白騎士ディアブロ直属、『白城』艦隊だよ!」
 帝国の二大巨頭と言われる白騎士ディアブロ。その直下の最精鋭部隊である『白城』艦隊は、極めて練度と士気が高い、強力な艦隊だ。
 現在、すでに解放軍艦隊との戦端が開かれており、今の所は数の差を以てなんとか互角を保っている。だが、それも短時間のこと。戦いが長引けば、崩れるのは間違いなく解放軍だ。
「そうなる前に、キミ達の手で、艦隊戦の手助けをして欲しいんだ」
 白城艦隊の強みは、繰り返すようだが、なんといってもその練度と士気。逆に言えば、それを崩せば、戦いは解放軍艦隊の優位に傾く。
「そのために、艦隊の前線指揮官を討ち取る作戦が立案されたんだ。キミ達には、その指揮官が乗っている戦艦を急襲し、戦艦を撃破・指揮官を討ち取ってほしい。指揮系統を混乱させれば、いかに白城艦隊と言えど敵じゃないからね!」

 この依頼で倒すべき帝国軍指揮官は、『グラント・リー』。スペースノイドの男性で、年齢は60代に差し掛かろうかと言う大ベテランだ。その彼が艦長を務める帝国宇宙戦艦は、並の艦長の乗る戦艦よりも、遥かに洗練された動きを見せる。だが、その精鋭艦を落とさねば、解放軍に勝ちはない。
「戦艦は、厚い装甲とバリアを持ってるし、グラントの巧みな操艦もあるから、遠距離からの攻撃はまず通用しないと思って。だから、艦砲射撃と対空砲火を、なんとかして掻い潜って、戦艦の至近距離に接近、取りついてもらう。そして、大火力のユーベルコードでこれを攻撃・撃沈してほしい」
 当然、その艦砲射撃や対空砲座の精度も、並ではない。近づくのは非常に難しい。難しい……が、成し遂げねばならない。
「艦を落とせば、グラントはそのまま、艦と命運を共にする事になる。だから、キミ達が積極的に倒しに行く必要はない。とにかく、戦艦を破壊する事、それに専念してね」

「敵は強大……それでも、キミ達なら負ける筈がない。ボクはそう思ってるよ」
 いつもどおりのわざとらしいほど可愛い仕草の中に、強い期待をもって、くるるは猟兵達を見渡す。
「さあ、ばっちり解決してきてね。良い知らせを待ってるよ!」


一二三四五六
 白城だけど戦艦は白くない。

 ごきげんよう。でも指揮官は白いよ! 一二三四五六です。

 今回の敵は帝国精鋭艦。有能な艦長に率いられたこの艦を見事打ち倒し、指揮官を討ち取ってください。
 ボス『帝国宇宙戦艦』は、トミーウォーカーの公式宿敵で、同フラグメント共通となります。

 補足。
 プレイングには『砲火を掻い潜って艦に接近する方法』と『艦に対する大火力ユーベルコードの攻撃』の2つが必要となります。どちらかが欠けていると、十全たる戦果は得られないでしょう(場合によってはプレイング却下になります)。

 指揮官のグラントは、立派な髭を蓄えた、ナイスミドルな指揮官で、白騎士ディアブロに忠誠を誓っています。正々堂々を旨とし、卑怯な真似は好みません(ただしディアブロに命じられれば渋々でも従う)。性格と操艦は豪快にして大胆、けれど無謀ではありません。ユーモアセンスもあり、部下の信頼も厚いです。
 ……と、言う長々とした設定はありますが、リプレイ中では当然猟兵の皆さんがメインなので、彼の出番はそんなにないと思われます。
 基本的には「なんだと!?」みたいな感じの『猟兵のすごい行動に驚くリアクション要員』的な感じと思ってください。プレイングで通信とか入れたら、会話する事はできます。

 今回は、抱えている通常依頼との兼ね合いもありまして、完成は明後日になるかなと思っております。

 それでは、皆様のプレイングを、楽しみにお待ちしています。

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 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
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第1章 ボス戦 『帝国宇宙戦艦』

POW   :    フルバースト・コズミック
【全砲一斉射撃】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    デストロイレーザー
【10秒間のエネルギーチャージ】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【主砲からのレーザー砲撃】で攻撃する。
WIZ   :    インペリアル・マカブル
【自身の稼働可能時間】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【帝国式鏖殺形態】に変化させ、殺傷力を増す。
👑15
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「レーダーに感あり。反乱軍の艦艇から、人間大の反応複数の出撃を確認しました」
「うむ。……やはり来たか、猟兵ども」
 敵艦のブリッジ。部下の観測員の報告を受け、グラントはうなずいた。
「エンペラーズ・マインドすら陥落せしめたと言う者達……『今』を生きる者の力、か」
 僅かな時間、何かを思うように目を閉じて。
 そして再び開くと、彼は艦内に通信を飛ばす。
「総員、奮起せよ。我らはディアボロ様の誇る不落の白城。その誇りを示せ!」
 その言葉に沸き立つ艦内で、グラントは、視線を星空に……猟兵達が来るであろう方向に向けた。
「さあ、来るが良い。我らは『過去』なれど、簡単には負けてやれんぞ?」
日和見・カナタ
帝国の二大巨頭、その直属の艦隊…。
これまでもたくさんの帝国兵を相手にしてきましたが、一筋縄ではいかなそうですねー。
でも、ここを突破できれば解放軍の皆さんもぐっと楽になるはずです。
皇帝もそう遠くではありません…力づくでも押し通らせてもらいます!

まず、私は【蒸気装甲】でパワードスーツを身に纏います!
機動力を活かして砲撃の照準を振り切りつつ、弾幕の手薄な、例えば主砲の届かない位置まで移動しますね!

その後は全力でブーストをかけて帝国宇宙戦艦に突撃です!
【属性攻撃】で高熱を付与したこの全身で、砲撃もバリアも装甲も、何もかもを突っ切って大打撃を与えてやりますよー!


カーニンヒェン・ボーゲン
お手合わせ願います、指揮官グラントどの。

小回りが効き、早急に距離を詰める手段…考えて【UC:手足たち】を喚び、宇宙用にトランスフォームです。

一体に乗り込み、『操縦』して近づきましょう。
砲火を抜けるまでは、数字を重ねずに個々で行動させて撹乱を狙います。
移動中は無闇に攻撃をせず、砲火を抜けるまでにこちらの数を残した方がいいでしょうか。
状況を見ての判断ですが、バイクたちのオートサブマシンガンの他は『武器:老兎』で切りつけるしかありません。
…刃が傷みそうでなんとも…(出来ても不本意)。

本番は充分に近づいてからです。
残った全ての個体を合計して、高火力を出せる集合型にユニゾンし、ファイナルアタックですな。


マディソン・マクナマス
味方が素人だらけ? 敵の支援砲撃を突破できない? OK、そんな時こそ傭兵の出番さ! 安くて便利なマディソンおじさんが手を貸すぜ!

威圧的なのぼり旗がはためく暴走宇宙ハーレーに【騎乗】し、他の敵艦を射線に挟むように進路を取ってデストロイレーザーの射線を切りながら接近。もし敵艦ごと撃ってくるようならバレルロールで緊急回避。
艦に取り付いたら艦体上を走行し、違法改造ブラスターで副砲やミサイル発射口を攻撃して回る。攻撃しながら【手軽で便利な殺害方法】による簡易爆弾を【罠使い】【破壊工作】で仕掛けて回り、最後に砲頭の一つにトリップワイヤーを取り付け、砲頭が旋回したらワイヤーが触れるようにして一斉起爆させる。



「味方が素人だらけ? 敵の支援砲撃を突破できない? OK、そんな時こそ傭兵の出番さ!」
 戦場に明るい声が響く。
 星空を駆ける、一台の暴走宇宙ハーレー。三本ののぼり旗が目立つ威圧的な機体に跨るのは、サングラスのケットシーだ。
「この、安くて便利なマディソンおじさんが、解放軍に手を貸すぜっ!」
 敵艦の間に入り込む事で、射撃を躊躇わせようとするが、敵もさるもの。弾幕を壁として、そこに入る事を許さない。
「へぇ、やるじゃねぇか! だがこの程度、ベルファストじゃ日常茶飯事だったんでなっ!」
 さらに対空砲座が火線を集中してくるが、それは華麗なバレルロールで躱す。無数の弾丸を一発すら当たらせず、突入の隙を探るマディソン。
「なるほど、噂通りの実力ですな」
 敵の操艦に感嘆しながら、こちらもバイクに跨って接近を試みるカーニンヒェン。
 彼はさらに、二十台を超えるバイクを、従順なる手足として付き従える。
「では、お手合わせ願いますぞ、指揮官グラントどの」
 名将への挑戦を楽しむように、砲火の中を突き進む。当然の迎撃を、他のバイクを盾にして防御……一見して無謀な突貫にも見えるが、巧みな機動と指揮により、最小の被害で艦に近づいていく。
「これは、一筋縄ではいかなそうですが……」
 さらにカナタも、こちらは自前のパワードスーツで接近。小回りを効かせ、砲撃の照準を振り切らんとしながら、少しずつ間合いを詰める。
「力づくでも押し通らせてもらいますよ!」
 多少は攻撃が掠めるものの、その程度ならパワードスーツの厚い装甲を砕くには至らない。致命的なものだけを避けつつ、さらに加速し、その照準を引き離す。
「おおっとっ!」
 だが敵もすばやく対応してくる。回避した対宙魚雷が至近で爆発を起こせば、それをかろうじて回避するカナタ。
「ふむ、なかなか近づけさせて貰えませんな……」
 このままでは、巧みな迎撃で手足がじりじりと削られるのみ。そう判断すると、カーニンヒェンは小さくため息を漏らと、加速して接近する。
「気は進まないのですが……ええ、本当に」
 当然向かってくる魚雷。それを回避し……そして抜き放った刀、老兎の銘を持つ美しいそれで、爆発する前の信管だけを斬り飛ばした。
「ああ、刃が痛む……!」
「でもチャンスです!」
 その絶技を成功させた喜びよりも、刀を気遣うカーニンヒェン。だが、敵も想像せぬ迎撃を見せた今がチャンスと、カナタはブーストをかけ、一気に加速。弾幕の薄い部分を狙って突貫する。
「解放軍の皆さんのためにも、ここは強引にでも……突破させてもらいます!」
 対空機銃を両腕でガードしながら、その身体を赤熱させる。武器は己の身体と頼れる蒸気装甲、ただそれだけ。
「いっけえええええっ!」
 己が身を砲弾と化した一撃。渾身の突貫が、戦艦の装甲にすら大穴をぶち開ける。
「へっ、やるじゃねぇか!」
 その攻撃に、敵がさらなる混乱を見せた隙をつき、マディソンも急接近。
「あのお嬢ちゃんみたいな無茶は出来ねぇが……傭兵のやり方ってのを見せてやるぜ?」
 敵艦上に着地すると、その上を走り出すハーレー。違法改造のブラスターで、砲座に射撃を撃ち込んでいく。
「流石にこの程度じゃ大した傷にはならねぇか。ま……本命はこっちだぜ?」
 走りながら、砲座にワイヤーを引っ掛け、ぐるりと回る。
「そら、ボンッ、だ!」
 それを追って砲座が動いた瞬間、仕掛けた爆弾が一斉に起爆。装甲上に無数の爆発が咲き、多くの砲座が無力化される。
「さて、集まりなさい」
 カーニンヒェンも、手足達と共に装甲に取り付いた。残存のバイクを束ね、変形・合体させていく。
「そこそこ削られましたが、これで十分……ファイナルアタック、です」
 火力を増した合体バイクによる火砲を集中。厚い装甲を突き破る。
「ッ、ふぅっ!」
 戦艦内部に突っ込んだカナタが、敵艦内のクローン兵を振り切って別の場所から飛び出してきた。
「大分壊しましたが……まだまだ崩れませんね!」
 敵は砲座を巧みに操り、装甲表面の彼らを引き剥がしにかかる。
「まあ、他の猟兵の方々も、別方面から攻めている筈ですからね。このジイももう少し、老骨に鞭打つとしましょうか」
「いくら硬かろうと、崩れるまでぶっ壊し続ければ、いつかはどうにかなっちまうもんさ!」
 その反撃を掻い潜り、彼らはなおも破壊を続けていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

弥久・銀花
あ、ちょっとそこの解放軍の人、手伝って下さい。

私が防御フィールド(嘘です、ユーベルコードの不死身の人狼の事です)を使いますから私をカタパルトに設置して敵の戦艦に撃ち込んでください。


失敬な、私は正気です。

スペースデブリやミサイルに対処する機能はあるでしょうけど、それをすり抜けるから砲撃も当てられるんでしょう?
生きて帰ったら上官には貴方の戦果として報告してあげますから上手い具合にやっちゃって下さい。



(迎撃された場合のプレイングは意味が無いので割愛)


バリアや対空砲火はユーベルコードで耐えて突っ切ります。



ふぅ、猟兵も楽じゃありませんね……。

何はともあれ敵艦です。

さぁ、潜入して弾薬庫とか壊してきますか。


シズホ・トヒソズマ
※他猟兵との連携、アドリブOK

歴戦の強者と言えど、過去からの復活者。今を生きる人々への圧制はヒーローとして許しません!

UCでクローンライダーの力を纏い、【操縦・騎乗】で宇宙バイクを駆り、【目立たない・迷彩】でできるだけ見つからない様接近、発見されたら【ダッシュ】で砲撃・攻撃をかわし、操縦テクや【フェイント】による急制動で砲撃をいなしながら【視力】で敵のエンジン部や艦橋を見つけてとりつきを狙います

戦艦に取り付いたら再びUCを発動し巨大機械竜デスモ・ブラギオスの力を纏い、大質量で腕や足を船に突き刺すように乗っかるのと同時に殲滅モードを起動、【2回攻撃・鎧無視攻撃・破壊工作】で船に長首を突き刺します


犬憑・転助
俺のユーベルコードは超嗅覚、キナ臭さだって嗅ぎ分ける

敵艦の放火を掻い潜る……か
悪いがそういうのは得意でね
正面から小惑星の破片やデブリを蹴りつつ近づく
その際、超嗅覚を使い放火の射線をかぎ分け、最小限の動きで回避

着物&浪人笠の姿にて【忍び足】で【目立たない】ように警備の目を掻い潜って戦艦内へ潜入、エンジン破壊か館長殺しを狙う

装甲が硬い部分は脆い部分を超嗅覚で嗅ぎ分け、そこを集中して斬り捨てる
サムライに斬れないものは、ないんだぜ?

困った状況になったら頭良いPCに従う(またはその人の作戦が成功しやすいようにフォローに回る)
コロ助が傷だらけは望む所です。苦労人ポジションOK

アドリブ歓迎、他PCと絡み希望



「……こっちはキナ臭さが強いな」
「なら少し迂回しましょう」
 宙を漂うデブリの影に隠れ、少しずつ近づいていく転助とシズホ。
 敵艦のレーダーは高性能で、人型サイズの動きも見逃さない……と言った所で、本来は宇宙艇や宇宙バイクを想定した物だ。それらを一切用いる接近に対しては、隙がある。
 無論、相手は名将、その隙は最小限。通常ならば、それを縫うのは不可能に近い。
「今度は……こっちは臭いが薄い」
 それを可能にしているのは、転助の嗅覚だ。臭いなどとは縁遠い宇宙空間にあって、本来嗅ぎ取れる筈もない『危険』すら嗅ぎ取る超嗅覚。
 人狼としての生来の鼻に、剣豪としての深い経験が重なり、不可能を可能に変える。
「ん、流石に、これ以上は隠れながらじゃキツそうだ」
「ここまで近づければ十分です。あとは……」
 背負った鉄の処女を開き、その禍々しい内部に手を差し伸べるミズホ。そこから呼び起こすのは、これまで吸って来た、過去の影。
「……一気に近づきましょう」
 全身ボンデージのスーツが、その影を追って姿を変える。一瞬にして、帝国のクローンライダーに姿を変える。
 そのバイクで、一気にデブリ陰から飛び出し……。
「いや、待った。何だかすごいのが……」
 強烈なキナ臭さを感じ、そちらに視線を向ける転助。こちらに迫る危機ではないようだが、それは……。
「おぉぉぉぉぉぉぉぉっっ!?」
 ものすごい……尋常ならざる速度で宇宙空間を飛ぶ、銀花であった。
 何の工夫もなく、ただ真っ直ぐに……だが、速い。
「さ、流石にちょっとこれは無茶だったでしょうかぶっ!?」
 そして、速いが真っ直ぐなので、当然のように迎撃された。
「……っ、こ、このくらい平気です!」
 だが、吹っ飛んだ筈の銀花は、なお無傷のまま突き進む。人狼としての自己治癒力を、最大限に高め、撃たれた端からその身体を再生しているのだ。
「ぶっ……ぐっ、んぐっ!?」
 なお、『再生』と言うだけであって、痛くない訳ではない。正直泣きたいぐらい痛い。って言うかちょっと泣いた。
 だが今更止まれはしない。そもそも『動けない』と言うこの能力の弱点を補うため、無理を言って、解放軍の艦からカタパルトで撃ち出して貰ったのだ。自分の意志で飛んでいる訳ではない。
 今更能力を解除したら、撃ち落とされるか、運良く突破した後戦艦の装甲のシミになるかのどちらかである。
「……無茶すんなぁ」
「羨ましい……」
 そんな光景に、各々感想を漏らす転助とシズホ。
「え?」
「あ、いえいえ。ともあれ、あんな目立つ事をしてくれてるお陰で、あっちに警戒が行ってる今がチャンスです!」
 今度こそ、バイクを駆って飛び出すシズホ。こちらにも一応迎撃は来るが、その機動性を持ってすれば余裕で掻い潜れる。
「そして……!」
 接近すると、クローンライダーの影を脱ぎ捨て、次の影を身に纏う。デスモ・ブラギオス……巨大なる機械の竜。
『CODE:Dino……ARRRRRRRRRGGGGHHHHHHH!』
 その巨体が唸りを上げ、戦艦の装甲に長い首を叩きつける。力任せの衝撃が、装甲を打ち砕いた。
『もっと……もっと、壊してあげますっ!!』
 力を再現する代償に、シズホの身体からは血が吹き出す。加えて、無論戦艦からの反撃も。だが、その痛みにむしろ恍惚と。より強烈な痛みを求め、より強大な破壊で戦艦を攻撃していく。
「派手だねぇ。さて、俺も今のうちに」
 その隙に転助も、デブリや装甲の破片を蹴って戦艦に飛びついた。
「サムライに斬れないものは無いんだぜ?」
 二刀一対の妖刀を抜き放ち、頑強な装甲をたやすく斬り飛ばすと、艦内に入り込む。
「さて、このまま……っと。早速来やがったか」
 そのまま艦内の破壊を目論む転助の前に、すぐさま侵入を察知した警備のクローン兵達がやってくる。最もその程度、彼の敵ではない。
「おや、あなたも艦内に来ましたか」
「……あんたは」
 そんな転助に声をかける銀花。見ると近くに、人型の穴が開いていた。
「それでは、共に協力してこのまま内部を撹乱しましょう!」
「あー、うん。頼むわ……」
 敵艦内で頼もしい仲間が増えて、心強い。筈なのに、この、強くなったキナ臭さは何だろう。
「……ええい、ままよ!」
 だが今更後戻りは出来ない。貧乏籤の予感も感じながら、クローン兵を斬って艦内を突き進む。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ネヴィス・マキヤーベイ
1隻で小規模艦隊並と推測できますな、これは
勢いだけの解放軍には荷が勝ちましょうな

ダッシュと操縦、空中戦で砲火に飛び込み掻い潜る

全身16基のプラズマジェットの光爆を輝かせ
四肢を振り回転し回避し、噴射方向を変え回避し
8mの巨人の中で猛烈なGに耐え続けながらもサイボーグたるこの体は耐えきる
耐えきってみせる
自分を狙えばそれだけ手薄にもなる

こんなに統制の取れた対空砲火も機動兵器対策も初めて
「素晴らしい艦。出来るなら、別の形で出会いたかった」

火力は一斉射撃とUC
「感傷は手向けになりませんか、艦長」
「未来を勝ち取らせていただきます」
「全安全装置解除――沈め!」
砲身が激しく放電
柱ほどの荷電粒子束が闇を裂く


ラスベルト・ロスローリエン
勇将の下に弱卒無しとは良く言ったものだ。
いざ尋常に勝負といこうか、名艦長殿。

◇WIZ 自由描写歓迎◇
星界に漂う岩塊を“界境の銀糸”で手繰り寄せ身を潜める。
『森の民の歴史古かろうとも、流星に跨った者などかつていないだろうさ』
“瞑捜の御手”の【念動力】で岩塊を動かし旗艦目掛け高速で発射しよう。
迎撃の砲火は【見切り】を働かせ念動力で回避する。

艦の懐まで飛び込めたらフォース漲らせた両手で船体に触れ《蒼の再雷》を叩き込む。
『星海の水底深く沈むが良い――轟け、神鳴る力』
理力続く限り【全力魔法】の雷撃を奔らせ艦全体を雷の牢獄で貫く。

船の命運に殉ずるは船乗りの矜持か。
轟沈する艦を目にすれば短く黙礼を捧げる。


フランチェスカ・ヴァレンタイン
(砲座からの対空砲火は、射角と向きの兼ね合いで死角が出来る瞬間があるはずですけれど…)

火線の密度が薄い距離で敵艦の全周を高速機動で飛び回り、あえて砲火を誘い出して接敵するための死角を探ります
砲火はスラスターの推力偏向によるジグザグ機動やマニューバ機動で回避
それらの様子は敵艦の艦橋からも確認出来るかも知れません

火線の死角を縫って接敵したら、船体ギリギリを這うような機動で斧槍を揮って邪魔な対空砲台を黙らせます
その後、砲台排除で出来た火線の空白域へと移動、船体中央へ砲口を向けて仮想砲身を展開し、UCを起動します

「――せめてもの餞別ですわ。骸の海にお還りなさい……!」

※台詞アレンジ・アドリブ・絡み歓迎



 内外から猟兵達の破壊を受けながら、戦艦はなお動きを止めない。操艦の精度によどみ無く、なお的確な反撃を繰り出してくる。
「なるほど、勇将の下に弱卒無しとは良く言ったものだ」
「これは、勢いだけの解放軍には荷が勝ちましょうな」
 ラスベルトもネヴィスも、相手の指揮には感嘆を漏らす。だが、敬意は感じても、当然手を緩めはしない。
「いざ尋常に勝負といこうか、名艦長殿」
 魔力を注ぎ、手の内から蔦を伸ばすラスベルト。近くの岩塊を手繰り寄せ、その上に飛び乗った。
「森の民の歴史古かろうとも、流星に跨った者などかつていないだろうさ」
 その蔦を手綱に、己の理力を推力に。地上の英雄が騎馬を駆る如く、流星を駆って突き進む。
「さあ、自分も参ります!」
 身に纏う特別攻撃服……8mの巨人を操り、飛び出すネヴィス。16機のプラズマ推進機が光爆を輝かせる。
「ぐっ……!!」
 その巨体は、当然狙われ易い。それでなお敵の攻撃を回避するには、相当に無理な、限界を越えた機動が必要となる。
 巨人の中のネヴィスにかかるGの負荷は凄まじく、ネヴィスの口から声が漏れる。
「ですが、耐えきる……耐えきってみせるッ!」
 サイボーグの肉体すら、軋み音を立てる。だが、自分が気を引けば、それだけ他が手薄にもなる。精密な迎撃を引き剥がすように、なお加速するネヴィス。
「感謝します。ここ、ですわ……!」
 そして、彼女が作った砲火の隙へ、それを見逃さずフランチェスカが高速機動で飛び込んだ。
「いかに名将と言えど、物理の壁は越えられないでしょう……!」
 対空砲火の射角。砲座の稼働範囲。艦の向き。ネヴィスの動きに対する死角。それらを元に導き出す、僅かな死角。決して大きくはないその隙間を、巧みなマニューバで突き進む。
「それに、空戦機動においては……いかなる相手にも、遅れを取るつもりはありませんわ……!」
 砲火が捕らえる事が出来るのは、スラスターの残すプラズマの光のみ。止まる事なく、彼女は装甲に取り付いた。

 彼らの姿は、ブリッジの中からも確認出来た。流星を駆る魔導騎士、限界を超えた機動を見せる巨人、美しくも猛き砲戦の淑女。
「……見事なものだ。彼らのような者を英雄と呼ぶのだろうな」
 勝てぬ筈だと、グラントは一人、自嘲気味に笑う。
 対空の砲塔が、次々と戦淑女の斧槍によって叩き潰されていく。数多の対空砲も、その美しき機動を捕らえる事は儘ならない。
 手足を奪われ出来た隙に、騎士が流星と共に飛び込んだ。僅かに残った対空砲火も、法力によって捻じ曲げられる。
『星海の水底深く沈むが良い――』
 騎士が艦に両手を押し付けた。スピーカーが詠唱を拾う。
『轟け、神鳴る力』
 迸る蒼雷の牢獄が、艦を包み込む。歴戦の勇将をして数えるほどしか見たことがないほどの、莫大な理力をもって叩き込まれた一撃によって、艦の電力が遮断された。
 すぐに非常電源で復旧するが……なおも牢獄に包まれ、完全に戦闘力を奪われる。
「……勝負は決したか」
『素晴らしい艦。見事な、指揮でした』
 巨人の繰り手から通信が入った。それに応じ、グラントは真っ直ぐに顔を向ける。
「そうか。英雄殿にそう言って貰えれば、多少は気が晴れる」
『英雄、など。だが、別の形で会いたかった』
「いや――私も部下達も、ディアブロ様や皇帝陛下に仕える以外の生はないさ。仮に三度目が有ってもね」
 それに、最期の相手がこれほどならば、オブリビオンとしての生も上々であったと彼は笑う。
「さて。名残は尽きないが……我らの仇は、ディアブロ様が討って下さろう」
『いいえ、未来を勝ち取るのは、自分達です。……では』
 譲れぬ一線。互いのそれを確認し、そして通信が途切れた。

「グラビティバレル仮想展開――砲身、固定」
 フランチェスカが、巨大な仮想砲身を展開した。重力子が収束、そして砲身によって増幅されると、莫大なエネルギーが集中する。
「安全装置全解除――」
 増設火砲一九型乙改・サザンカ。巨人に据えられたその砲の、最終モードのロックを解除し、粒子を加速するネヴィス。
「――せめてもの餞別ですわ。骸の海にお還りなさい……!」
「……沈め!」
 解き放たれる、重力と光の二対の柱。2つの最終兵器が艦を貫き……そして、無数の爆発を起こす。
 猟兵達は、その爆発から逃れるように後退。彼らの目の前で、その艦は爆発に飲まれ、宇宙の塵へと還っていった。
「船の命運に殉ずるは船乗りの矜持か……」
 その姿に小さく言葉を漏らすと、ラスベルトは短く黙礼を捧げる。
 こうして勇将は散り……猟兵達は、そして解放軍は、また大きな一歩を踏み出した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月16日


挿絵イラスト