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小学生碎輝と放課後の怪談

#カクリヨファンタズム #【Q】 #戦後 #碎輝 #プレイング受付終了しました

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●学校の怪談
 その日、猟兵達に倒されたことにより小学生形態となった竜神親分碎輝は、夕日が辺りをオレンジ色に染め上げる中、ねぐらに向かって歩いていた。
「あ~、やっぱり猟兵達は強いな! 俺も負けずに、もっと『成長』しないとな~!」
 両手を頭の後ろで組み、どこか嬉しそうに呟きながら歩く碎輝。その影が、夕日に照らされて長く伸びている。その影に紛れるように、いつしか黒マントに黒いシルクハットと、全身を黒で固めた人影が立っていた。
「……なんだ、お前」
 さすがに自分の影の中にいる不審人物に気づかないほど馬鹿じゃない。立ち止まり、睨みつける碎輝に、その黒マントの怪人は、不気味な笑みを顔に貼りつけたまま問いかけた。
「もし……君は、赤・青・緑の中だったら、何色が好きかな?」
「は? なんだよ急に」
 警戒の色を浮かべつつも、好きな色を答えるぐらいなら……と思ってしまったらしい。
「え~、金色……はないんだろ。赤・青・緑の中だったら……強いていえば赤か? カッコイイし……俺の目の色だし……」
 などと、考えながら素直に答えてしまったのが運の尽きだった。彼の返答に、怪人は満足そうに頷いて。
「赤か……赤が好きな子は……炎に焼かれ爛れて死ぬ」
 瞬間、自らの体を切り裂いた怪人から血の代わりに噴出した炎が、碎輝もろとも辺りを包み込んだ。

●お久しぶりです
「た、大変っす! 碎輝が……小学生形態の碎輝がピンチっす!!」
 息を切らし、髪も乱れたままグリモアベースに飛び込んできた雨月・雨莉(は何もしない・f03581)が告げる。うん。なんかその台詞も久しぶりだね。などと、彼女の本性を知る猟兵が生温かい目で見やる中、
「いや笑い事じゃないっすよ! ほんとにヤバイんですってば!!」
 とぜ~ぜ~言いながら膝で息をする雨莉(体力ゼロ)。ようやく息を整えた彼女は、ペットボトルの水を一気飲みしてむせた。
「ゲホッゲホ……ああっ大丈夫です、お気になさらず……」
 心配して駆け寄る猟兵を制止しつつ、雨莉は今度こそしゃんと背を伸ばして説明を始める。
「ええと、久しぶりなんで頭から説明しますね! 竜神親分『碎輝』は、無限に成長してしまうという自身の能力を抑えるために、猟兵達の手によって定期的に倒されることで、『小学生形態』になってるんすが」
 当然、無限の成長能力が停滞している分、この形態の碎輝は普段の彼より力は劣る。その隙を狙って、骸魂と合体してオブリビオン化した妖怪が、彼を殺そうと襲い掛かってくるようになったのだ。
「今回の敵は、『黒マントの怪人』っす。なんか、どっかで聞いたような名前っすね」
 ペットボトルの蓋を締めながら、雨莉は顔をしかめる。それもそうだろう。これは、子供達に赤・青・緑のどの色が好きかと質問し、答えた者は答えた色に応じて殺される……というUDCアースの怪談から生まれた妖怪だ。
「俺、出身はシルバーレイン世界……だったんすけど、似たような怪談は俺がガキだった頃もよく聞きましたねぇ」
 思い出すようにどこか遠い目をしながら、雨莉は呟いた。そうそう。某鬼の手教師のマンガにも同じような話が(世代がバレるのでお口にチャック)。ともあれ、UDCアースに限らず、シルバーレイン世界でも知られている、非常にありふれた怪談であることは間違いない。
「そんな怪談に碎輝が殺されるとか、まっぴらっすよ。なんで、皆さんには碎輝を守って、この黒マントの怪人を倒して欲しいんす」
 もちろんだと、猟兵達も強く頷いた。竜神親分たる彼が殺されるような事態は避けたい。それを確認し、雨莉は続ける。
「黒マントの怪人は、小学生形態の碎輝が一人で夕焼けの中歩いているところに現れるみたいっす。いわゆる、逢魔が時っすね」
 こんなところまで元となった怪談じみている。尤も、怪人自身、ことさらに碎輝を狙ったというよりは、たまたまその時間帯に歩いている子供を狙ったと言った方が正しい。子供を惨殺する事がこの妖怪の存在であり快楽であり本望なのだろう。元となった怪談が怪談なだけに。
「なんで、子供や子供に見える方がその時間帯に歩いてればつられて出てくると思うんすよコイツ。まあいなくても、小学生形態の碎輝が歩いてれば出てくるでしょうが。どのみち、予知が狂うといけないんで、碎輝にも現場にいてもらわなきゃいけませんし」
 ということだ。ここは彼を守るためにも、一緒に、適当になんか駄弁りでもしながら夕焼けの中歩くのがいいだろう。別に「おーい碎輝! かけっこしようぜ!」とかでも構わないが。子供や子供に見える者が夕暮れの中にいることが重要なので、そこさえ守れるのであれば別に何をしていても構わない。
「注意点として……黒マントの怪人が現れたら、立ち向かうために碎輝は強く成長しようとしちゃうんで。せっかく無限の成長能力を停滞させるために小学生形態にしたのに、それじゃ本末転倒っすよね。なんで、『ここは俺にまかせて先にいけ』とか『ここは俺に譲ってくれないか?』とか、ヒーロー大好き小学生が燃えるような適当なこと言って出番譲ってもらって、猟兵の皆さん達だけで怪人を倒して欲しいんす」
 よろしくお願いしますっす、と頭を下げ、雨莉はハート型のグリモアを煌めかせると、猟兵達を碎輝のいる夕焼け小道に送り出したのだった。


ライ麦
 ライ麦です。碎輝シナリオ久しぶり……すいません、某夕焼けオレンジの男の子プリキュアに浮気してました()。
 碎輝登場2周年記念と公式敵のアクスタ頼めるようになった記念で浮上しました。碎輝のアクスタ代稼ぎたいので参加していただけると嬉しいです。よろしくお願いします。

 以下簡単なまとめ。

●第1章
 夕日が辺りを照らす中、小学生形態の碎輝となんか……なんかします(丸投げ)。
 子供や、子供に見えるものがその時間帯にそこにいることが重要なので、別に公序良俗に反することじゃなきゃ何やってもらっても構いません。なんか駄弁りながら一緒に歩くでも、かけっこするでも、メンコ勝負するでも、竹馬でもなんでも。

●第2章
 子供を惨殺するべく、黒マントの怪人が「赤・青・緑のどの色が好きか」問いかけながら現れます。碎輝はすぐ成長してやっつけようとするので、「ここは俺にまかせて先にいけ」とか「ここは俺に譲ってくれないか?」みたいな、ヒーロー大好き小学生が燃えるシチュエーションで出番を譲ってもらい、かわりに戦いましょう。子供狙いってことは碎輝成長したら狙ってこない気もしますが、それだと本末転倒ですからね。

 以上です。
 それでは、皆様のプレイングを心よりお待ちしております!
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第1章 日常 『夕日に向かって』

POW   :    叫ぶ

SPD   :    走る

WIZ   :    想い出す

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

人型影朧兵器第壱号・仮面イェーガー
黒マントの怪人か。サクラミラージュにも似たような怪談はあったな。

君が碎輝君か。竜神様に会うのは初めてだな。
僕は…仮面イェーガーとでも名乗らせてもらうよ。
ん?君の持っている物はメンコ?懐かしいな、僕も子供の頃遊んだな。
メンコ勝負か。いいよ、やってみようか。

……全敗したな。
まいった、強いな碎輝君。
次は竹馬?竹馬なら少し自信があるな。やってみよう。

竹馬も君の方が上手みたいだ。子供の姿をしていても流石竜神様と言った所か。
…こんなのんびりした時間は久しぶりだな。夕焼けが綺麗だ。
皆のこんな時間を護る為に戦っているんだな。なんて気取り過ぎか、ははっ。


【アドリブ歓迎】



(「黒マントの怪人か。サクラミラージュにも似たような怪談はあったな」)
 グリモア猟兵の話を思い出しつつ、人型影朧兵器第壱号・仮面イェーガー(怪奇飛蝗ヒーロー・f40310)は空を仰いだ。夕焼けの茜色と、宵闇の深い紺色が混じり合う空。美しくもどこかゾッとしてしまうのは、かつて聞いた怪談話が脳裏をよぎるからだろうか。そんなことを考えながら視線を戻すと、そこに金色の髪と竜の角を備えた少年が歩いていた。他に人の姿もない。おそらく彼が、話に聞いた小学生形態の竜神親分碎輝なのだろう。息を吸い、軽く手を挙げて話しかけた。
「やあ、君が碎輝君か。竜神様に会うのは初めてだな」
「そうだけど……お前は? 猟兵か?」
 立ち止まってこちらを見上げる碎輝に軽く頭を掻きつつ、
「僕は……仮面イェーガーとでも名乗らせてもらうよ」
 と答える。
「イェーガー……やっぱり猟兵か! よろしくな!」
 パァッと笑って手を差し出してくる彼に、こちらこそよろしく、と握手で返しつつ、もう片方の手に握られたものに気づく。
「ん? 君の持っている物はメンコ?」
「ああ、俺もしばらく成長しないからな。せっかくならこれで遊ぼうと思って」
 握っていた手を広げて、色とりどりのメンコを見せてくる碎輝。それは700年以上続く大正時代からやってきた仮面イェーガーにとっても、馴染みのある玩具だった。
「懐かしいな、僕も子供の頃遊んだな」
 しみじみと呟く彼に、碎輝の目が輝く。
「おっ? なら勝負するか?」
 うずうずした様子で身を乗り出してくる彼に、
「メンコ勝負か。いいよ、やってみようか」
 頷いてメンコを手にとる仮面イェーガー。両者自分のメンコを一枚ずつ地面に置いて、スタート!
「タァーッ!」
 思いっきりメンコを地面に叩きつける碎輝。風圧で仮面イェーガーのメンコはひっくり返る。負けじと彼も自身のメンコを叩きつけるが、碎輝とは無限に成長する能力持つ竜神。その力はたとえ小学生形態となって停滞していても、また遊びにおいても、ある程度は発揮されるのだろうか。メンコを叩きつける速度も強さも、次第に洗練されて上がっていく。仮面イェーガーのメンコは次々にひっくり返されていった。やがて、手持ちのメンコはゼロになる。
「……全敗したな。まいった、強いな碎輝君」
 空になった両手を見つめながら呟く仮面イェーガーに、
「へへ、ざっとこんなもんだぜ」
 碎輝は得意げに取ったメンコを見せびらかして胸を張る。しかし、このまま負けっぱなしというのもちょっと癪だ。何かないかと周囲を見回すと、自由にお使いくださいとばかりに立てかけられた竹馬が目に入った。碎輝も同じだったらしい。
「次はあれで勝負しないか?」
 きらきらした瞳で指差す彼に、
「次は竹馬? 竹馬なら少し自信があるな。やってみよう」
 仮面イェーガーも頷く。自信はあった。しかしいざ乗ってみると、やはり無限に成長する能力のためなのか、それとも素なのか。最初はややグラついていた碎輝も、次第にコツを掴んで、スイスイと仮面イェーガーを追い抜いて竹馬で歩いていく。
「……竹馬も君の方が上手みたいだ。子供の姿をしていても流石竜神様と言った所か」
 呆然と呟きつつ、微かな笑みを浮かべて仮面イェーガーは再び空を仰いだ。完敗、でもどこか気持ちいい。夕方の少しひんやりした風が頬を撫でていく。当初は不気味にすら思えた黄昏時の夕日は、今はとても眩く見えた。
「……こんなのんびりした時間は久しぶりだな。夕焼けが綺麗だ」
 手をかざして目を細め、仮面イェーガーはポツリ漏らす。
「皆のこんな時間を護る為に戦っているんだな。なんて気取り過ぎか、ははっ」
 竹馬に乗ったまま振り向いた碎輝が、そんなことないぜと笑ってみせた気がした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エリン・エーテリオン
虹炎組

https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=43940

碎輝さん…うちの師匠が申し訳ございませんでした!
シオンがやらかした事を碎輝さんに謝罪する私達

ほら!師匠も!
十字架に括りつけているシオンを乱暴に降ろし謝罪させた

取りあえず…はい!ベビーカステラです!
袋に包んだ今回も様々な味のヘビーカステラを碎輝さんに渡した

そうですね…今回、ダークセイヴァーでの戦争は…
『いや〜大変だったね、マスター』『メンドウダッタケドナ…』
エキドゥーマとブラッドムーンや一緒にベビーカステラを食べながら猟兵としての話をしながら共に夕日を歩いた




よ〜し、碎輝さんとまた遊ぶ為に人肌脱ぐぜ!


リュカシオン・カーネーション
虹炎組

《ほら…シオンさん!》
アロナちゃんに促されたので

ずびばぜん…でじだ…
(エリンとアロナちゃんに殴られまくった)
十字架を括り付けられたウチが降ろされて謝罪する(第二章の出来事)
UC発動

ふ〜痛かった☆
ウチは未来虹炎乱気流でウチの殴られたダメージを改変して傷を消滅

シエル、何か話そうぜ〜
❛なのだわ〜!❜
エリンと碎輝親分と話している間は虹炎覇気からシエルを呼び出し話を始めた

❛何でエリンやアロナにボコボコにされていたのだわ?❜

聞かれたのでhttps://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=43940
と説明した


❛アホなのだわ…❜《はあ…もう》
シエルとアロナちゃんに呆れられた



 夕日に照らされて、リュカシオン・カーネーション(転生したハジケる妖狐と精霊王とカオスな仲間たち・f38237)が十字架に括り付けられていた。
「な……なんだどうした!!?」
 乗っていた竹馬を捨て、駆けつける碎輝。その前に、エリン・エーテリオン(邪神龍と虹炎の神と共に世界を駆ける元ヤンの新米猟兵・f38063)がズザーッとスライディング土下座する。
「碎輝さん……うちの師匠が申し訳ございませんでした!」
「えっ、なんのことだ?」
 キョトンとする碎輝に、
「ほら、あの……去年の夏祭りのバトルで……」
 顔を上げておずおずと言うエリン。それで思い出したようで、
「あー、あの時か!」
 と掌を叩く。
「あの節は本当にご迷惑を……ほら! 師匠も!」
 十字架に括り付けていたリュカシオンを乱暴に降ろし、頭を下げさせるエリン。既にボコボコにされているリュカシオンが、
「ずびばぜん……でじだ……」
 と弱々しく言葉を発する。碎輝は慌てて両手を振った。
「いやいや! もう前のことだし……あれはあれで楽しかったし、気にしてないぜ! ほら、二人とも顔上げて!」
 エリンは眩しそうな瞳で面を上げた。元ヤンとして、身内のしたことのケジメはきちんとツケなければと師匠を連れてきたが、鷹揚に許してくれるとは。さすが、今は小学生になってるとはいえ竜神の親分だ。とはいえ、お詫びに菓子折りのひとつでも贈らねば自分の気が済まない。エリンはゴソゴソと荷を漁り、バッと紙袋を取り出した。
「お詫びになるか分かりませんが、とりあえず……はい! ベビーカステラです!」
 腰を折って、紙袋いっぱいに入った様々な味のベビーカステラを差し出す。
「ああ、あの時食べて美味かったやつか! わざわざありがとな!」
 碎輝は爽やかな笑みを浮かべて受け取った。受け取ってもらえたことに安堵しつつ、エリンは彼と一緒にベビーカステラを食べながら、夕焼けの中をぶらぶら歩きだす。
「あの夏祭り以来会ってなかったけどさ、どうしてた? なんか面白いこととかあったか?」
 尋ねる碎輝に、
「面白いこと……ではないですけど、最近は……ダークセイヴァーで戦争してましたね」
 しみじみと猟兵としての活動について語るエリン。
『いや〜大変だったね、マスター』
『メンドウダッタケドナ……』
 彼女のスマホの中のAI、エキドゥーマや喋る武器ブラッドムーンも話に加わる。
「また戦ってたのか、猟兵も大変だなあ」
 頷きながら話を聞いてくれる竜神親分(小学生)に、改めて尊敬の念が湧き上がる。やはり、この人を殺させるわけにはいかない。
(「よ〜し、碎輝さんとまた遊ぶ為にひと肌脱ぐぜ!」)
 エリンは人知れずぐっと拳を握った。一方のリュカシオンは、
「ふ〜痛かった☆」
 ユーベルコードで自身の傷を癒しつつ、
「何か話そうぜ〜」
 とユーベルコードの力で喚び出した者達に、ボコボコにされた理由(=夏祭りでカオスバトルを仕掛けた)について語って呆れられていた。反省しているのかしていないのか……。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ウィル・グラマン
【ゲーマーズ】

怪人黒マント…って、アレか?
トイレットペーパーを隠されたのに気づかないで用を足すと「赤い紙が欲しいか、青い紙が欲しいか」って言ってくる奴だろ?

なーんて他愛もない話をしながら、映えスポット巡りで紹介した駄菓子屋で駄弁ってみるぜ
どうせ作り話しだろ?
都合良く黄色い紙とか白い紙を選べば何も起こらない選択肢が後付されてってしさ

へぇ、本当にあった話って面白そうじゃん
…ん?美少年しか攫わない怪人?
どっかで聞いた覚えがあるけど、アイツじゃねぇのか?
ダークセイヴァーの…って、ザイーシャ何処を見て話して…ぎゃー!?
おい、てめぇ何でカクリヨに居るんだよ!
どっちを選んでも死ぬほど嫌だから、逃げるぞ碎輝!


ザイーシャ・ヤコヴレフ
【ゲーマーズ】
これは友達の友達から聞いた話なんだけど…
─赤いちゃんちゃんこ、赤い手青い手、赤い舌青い舌
銀誓館学園のお友達から聞いた似ている怪談話を話題に、駄菓子を食べながらウィルと碎輝とおしゃべりするね
でも、変よね
どちらを選んでも死んじゃうのなら、どうやって生きて逃げれたのかしら?

じゃあ、本当にあったお話してあげようかな?
─美少年しか誘拐しない怪人のお話
丁度こんな黄昏時に出るの…貴族風の姿をした拷問好きの誘拐犯が
君は美少年か?それとも女の子か?って聞いてくるんだけど、男だよって答えちゃうと…攫われちゃうの
でも大丈夫、女の子の格好をしていれば助かるんだって

ね、そうでしょ…拷問伯爵さん?
くすくす



「これは友達の友達から聞いた話なんだけど……」
 駄菓子屋の軒先で赤い棒アイスを食べながら、ザイーシャ・ヤコヴレフ(|Кролик-убийца《殺人バニーのアリス》・f21663)はおどろおどろしく語り始める。
「赤いちゃんちゃんこ、って知ってる?」
「赤いちゃんちゃんこ?」
「ああ、還暦の時に着るってやつだろ?」
 首を傾げる碎輝と、得意げに知識を披露するウィル・グラマン(電脳モンスターテイマー・f30811)。ザイーシャは首を振った。
「違うわ、そっちじゃないの。学校のトイレの個室に入ると、どこからか『赤いちゃんちゃんこ着せましょか』って声が聞こえてきて……『はい』って答えると、首を切られて……まるで赤いちゃんちゃんこを着せられたみたいに、服が真っ赤に染まるんだって」
「……へ、へぇ~……」
 怖くない、怖くないというように笑ってみせる碎輝だが、その顔はどこか引きつっていた。手にしたオレンジの棒アイスも細かく震えている。アイスの欠片が零れ落ちそうだった。その反応に気を良くしたように、ザイーシャは続けて語り始める。
「似たような話で、こういうのもあるわ。同じく学校のトイレで、『赤い紙が欲しいか? 青い紙が欲しいか?』って訊かれて……赤い紙って答えると、全身血まみれになって死に、青い紙って答えると、全身から血を抜かれて死んじゃうんだって」
「……そ、そうなのか」
 いよいよ本格的にガタガタ震え始めた碎輝。一方のザイーシャは頬に指を当てて小首を傾げた。
「でも、変よね。どちらを選んでも死んじゃうのなら、どうやって生きて逃げれたのかしら?」
 ウィルは黄色い棒ジュースの飲み口を噛み切りながら、呆れたように返す。
「どうせ作り話しだろ? 都合良く黄色い紙とか白い紙を選べば何も起こらない選択肢が後付されてってしさ」
「……そ、そっか~! 作り話か……まあ、何が出てきたって、俺が成長してぶっ飛ばしてやるけどな!」
 安堵して胸を撫で下ろしつつ、調子よくシュシュッと空に向かって拳を繰り出す碎輝。そんな彼をどこか含みのある目で見つめつつ、ザイーシャは口を開いた。
「じゃあ、今度は本当にあったお話してあげようかな?」
「へぇ、本当にあった話って面白そうじゃん」
 ウィルが興味深そうに身を乗り出す。ザイーシャは口の端に笑みを浮かべて話し出した。
「――美少年しか誘拐しない怪人のお話」
「……ん? 美少年しか攫わない怪人?」
 ウィルは首を捻る。なんだろう、ごく最近、似たような話を聞いたような……。
「丁度こんな黄昏時に出るの……貴族風の姿をした拷問好きの誘拐犯が。君は美少年か? それとも女の子か? って聞いてくるんだけど、男だよって答えちゃうと……攫われちゃうの。でも大丈夫、女の子の格好をしていれば助かるんだって」
「……それ、どっかで聞いた覚えがあるけど、アイツじゃねぇのか? ダークセイヴァーの……」
 冷や汗をかきながら問うウィルを尻目に、ザイーシャは明後日の方向を見ながら話しかけた。
「ね、そうでしょ……拷問伯爵さん?」
「? ザイーシャ何処を見て話して……ぎゃー!?」
 ひょいっとザイーシャの陰から身を乗り出して、彼女の視線の先を確認したウィルは悲鳴を上げた。青い髪に真っ赤な瞳。赤い豪奢な上着に白いファーの付いたマントを羽織ったその人物は、先日ウィルとザイーシャがダークセイヴァーの戦争で確かに倒したはずの、『拷問伯爵』フォルター・フェッセルンその人だった。
「おい、てめぇ何でカクリヨに居るんだよ! くそ、どっちを選んでも死ぬほど嫌だから、逃げるぞ碎輝!」
 碎輝の手を引き、駆け出すウィル。
「えっ、怪人ほんとに出たのか? なら俺が成長してぶっ飛ばして」
「いいから!」
 戻ろうとする碎輝を制止しつつ、後ろは振り返らずに逃げる。拷問伯爵の笑い声が追いかけてくる。正直どんな怪談よりも怖い。
(「なんでだ!? あいつは確かに殺したはず、そりゃオブリビオンだから蘇ることもあるかもしれないけど、だからってフツー別の世界までは来ないだろ!?」)
 頭を掻きむしりながら、ウィルは必死で走り続けた……まあネタバラシすると、ザイーシャがユーベルコード【死霊魔術ごっこ】で喚び出した霊なんだけどね☆

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『黒マントの怪人』

POW   :    赤が好きな子は…炎に焼かれ爛れて死ぬ
【自身の体を切り裂き噴出する呪縛の炎】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
SPD   :    青が好きな子は…水に溺れ苦しみ死ぬ
戦場全体に、【濁流で溢れる地下水路】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
WIZ   :    緑が好きな子は…身体がどろどろの溶け腐り死ぬ
攻撃が命中した対象に【膿と蛆が湧く程に急激に腐りゆく傷】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【腐敗が進行し全身が緑色になり溶け腐る事】による追加攻撃を与え続ける。

イラスト:すねいる

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は仇死原・アンナです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 ザイーシャの喚び出した怪人(拷問伯爵の霊)から逃げて走っていた碎輝は、不意に何かにぶつかって立ち止まった。
「あ、わり……」
 反射的に謝りつつ、ぶつかった何かを見上げた彼は息を呑む。そこには黒マントをなびかせ、不気味な笑みを貼り付けた全身黒ずくめの男が立っていた。
「もし…………君は、赤・青・緑の中だったら、何色が好きかな?」
 ぶつかったことを意に介した様子もなく、笑いながら問いかけてくる男に背筋が凍る。明らかな異様。これはあれだ、さっき猟兵から聞いた怪談話のパターンだ……なら、と碎輝は黒マントの男を睨みつけ、
「俺の好きな色はき……!」
「待て!!」
 答え終わる前に、追いついてきた猟兵が彼の口を塞ぎ、抱き寄せて黒マントの怪人から引っ剥がす。似たような怪談でも、バリエーションは様々だ。提示された以外の色を答えても、助かるとは限らない。碎輝を守るように立ちはだかる猟兵達の前で、怪人はなおもニヤニヤ笑いながら問いかける。
「君は……君達は、赤・青・緑の中だったら、何色が好きかな?」
 と。

●マスターより
 第2章、黒マントの怪人との戦いです。
 碎輝はすぐに成長してやっつけようとするので、『ここは俺にまかせて先にいけ』とか『ここは俺に譲ってくれないか?』とか、ヒーロー大好き小学生が燃えるような適当なこと言って出番譲ってもらって、猟兵の皆さん達だけで怪人を倒してください。
 なお、怪人は赤・青・緑以外の色を答えてもなんだかんだで攻撃してくるものとします。
 2章からの飛び入り参加も歓迎します。

 それでは、皆様のプレイングを心からお待ちしております!
人型影朧兵器第壱号・仮面イェーガー
現れたな、怪人。
碎輝君、この場は僕に任せてくれないだろうか。
人々の日常を護る事こそが僕の使命だから。
『影朧ドライバー』起動…変身ッ!

いくぞ怪人ッ!
怪力を込めた攻撃を怪人に繰り出す。
むっ、自身の身体を切り裂いただと!?あの噴き出す炎は危険だ。なら…来い『マグナムホッパー』ッ!ハンドガンモードにして怪人に射撃していくぞ。

怪力の拳を地面に叩きつけ、舞い上がった地形の破片を足場にして三次元的超高速移動で怪人を翻弄して、噴き出す炎の動きを見切りその隙間を縫うようにトドメの一撃を叩き込む…ッ!
好きな色か…黄色だ。貴様に叩き込む電光の色ッ!
イェーガー…ライジングインパクトキイイィックッ!!!


【アドリブ歓迎】



「現れたな、怪人」
 碎輝を守るように前に立ち、人型影朧兵器第壱号・仮面イェーガー(怪奇飛蝗ヒーロー・f40310)は怪人を睨みつける。
「ここは俺が成長してぶっ飛ばして……!」
 勇みよく成長電流を纏おうとする碎輝を、仮面イェーガーは制止した。
「碎輝君、この場は僕に任せてくれないだろうか。人々の日常を護る事こそが僕の使命だから」
 身に付けた影朧ドライバーが唸る。
「『影朧ドライバー』起動……変身ッ!」
 そう唱えた瞬間、ベルトが光ったかと思うと、そこには飛蝗を模したフルフェイスマスクと、戦闘用スーツを纏った仮面イェーガーが立っていた。まさにその名に相応しい。
「おおお!? スゲー! カッケー!!」
 碎輝が目を輝かせる。ヒーロー大好き小学生としてはたまらないだろう。
「いくぞ怪人ッ!」
 仮面イェーガーが走り出す。いっけー! やっちゃえ仮面イェーガー! という碎輝のノリノリの声援を背に受けながら、怪力を込めたパンチを黒マントの怪人に繰り出した。確かに命中した拳に大きく体をふらつかせながらも、怪人は不気味な笑みを崩さない。
「ほう、正義のヒーローか……なら、君の好きな色は赤かな?」
 正義のヒーロー=赤というのも大分短絡的で偏見に満ちた考え方だが。ともかく、怪人はどこからか鋭く光るナイフを取り出す。咄嗟に飛び退く、しかしその切っ先の向かった先は仮面イェーガーでも碎輝でもなく、怪人自身の体だ。甲高い笑い声を上げながら自身の体を切り裂く怪人に、
「むっ、自身の身体を切り裂いただと!?」
 仮面イェーガーは驚愕する。驚いたのはそこだけではない。傷口からは血の代わりに、真っ赤な炎が噴き出したからだ。まるで生きているかのようにのたうち、こちらに向かってくる炎に本能的に危険を感じ、地を蹴って高く跳び上がる。
「あの噴き出す炎は危険だ。なら……来い『マグナムホッパー』ッ!」
 手を掲げて叫ぶ、するとどこからか黒い飛蝗型のガジェットが飛来し、ハンドガンに変形して彼の手の中に収まった。両手で構え、地に着くまでに宙で一回転しながら、怪人に狙い定めて連射する。襲い来る弾丸に、怪人は自身を覆うように黒マントを手で翻した。これでは仮面イェーガーの姿は視認できないだろう。マグナムホッパーを一度手放した彼は落下の勢いを利用し、地に着いた瞬間怪力の拳を地面に叩きつける。地が割れて飛び散る、その破片を足場に次々と飛び移り、怪人を翻弄する。せっかく弾丸が飛んでこなくなっても、三次元的超高速移動する仮面イェーガーの姿をとらえることは困難だ。シルクハットに隠れた目でなんとか彼の軌道を追おうとする怪人は顔だけがせわしなく動き回り、足はその場に踏ん張ったまま。噴き出させた炎もどこを狙えばいいのか分からず、顔と一緒にうろうろするだけだ。その隙に、仮面イェーガーは怪人めがけて飛んだ。
「言い遅れたが……好きな色は……黄色だ。貴様に叩き込む電光の色ッ! イェーガー……ライジングインパクトキイイィックッ!!!」
 雷撃を纏った蹴りが怪人を襲う。頭からもろにくらった怪人はもんどりうって倒れたのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ウィル・グラマン
●SPD【ゲーマーズ】

ぜぇ、ぜえ…ザイーシャにしてやられちまったが、何とか間に合ったようだな!
黒マントの怪人だか何だか知らねぇが、お前の好きにさせねぇぞ!

うわ、本当に色を選べって言ってきた
こうなりゃ…作戦ターイム!
三人で何色を決めるか相談だ
赤はどう考えてもヤベーし、緑はこの手の怪談話に詳しいザイーシャを信じて…青!

水責めか
何か映画とかゲームのラストにある脱出シーンみてえだな
そうなりゃ『サイバー・インストレーション』で武装ジェットスキーを召喚だ!
乗れよ碎輝、けど攻撃はオレ達も感電しちまうから禁止な?

濁流に乗って流される障害物を避けたり壊しながら、あんにゃろが居るだろう出口を目指してぶっ飛ばすぜ!


ザイーシャ・ヤコヴレフ
●SPD【ゲーマーズ】

てへ、バレちゃった♪
女の子の格好をさせて怪人さんの目を騙せれたらいいなって思ってたけど、失敗したからプランBね
それに碎輝くんはウィルと一緒で私の大切な|お人形さん《遊び道具》ですもの
|遊んで《・・・》いいのは私だけ、だよ?

そうねー…緑は検索しちゃいけないグリーンおばさん系かな?
選択肢に無い色を選んだらもっと酷い目に遭うパターンもあるし、青にしましょ

ふぅん、溺れさせる系なんだ
逆さ吊りで血を抜くじゃなくてつまんないの
さ、おいでなさいホージロ
UC進化で【サメ映画撮影ごっこ】よ

ウィル達と一緒に出口を目指して、流されてくる物は【騎乗突撃】で壊していくわ
見つけたらバクっとヤっちゃうね



「ぜぇ、ぜえ……ザイーシャにしてやられちまったが、何とか間に合ったようだな!」
 拷問伯爵の霊から逃げ切ったウィル・グラマン(電脳モンスターテイマー・f30811)が荒い息を吐きながら碎輝の前に立つ。にしても、と傍らのザイーシャ・ヤコヴレフ(|Кролик-убийца《殺人バニーのアリス》・f21663)を睨みつける彼に、
「てへ、バレちゃった♪」
 ザイーシャは舌を出してコツンと自身の頭を叩いた。
「女の子の格好をさせて怪人さんの目を騙せれたらいいなって思ってたけど、失敗したからプランBね」
「「おい」」
 二人ともに突っ込む。なんかとんでもないこと言ってるが、そもそも黒マントの怪人は男女問わず子供を惨殺することに喜びをおぼえる存在だ。たとえザイーシャの作戦が上手くいっていたとしても、怪人に目をつけられることは避けられなかっただろう。ともあれ、ツッコミは後にしてウィルは黒マントの怪人を睨みつけた。
「黒マントの怪人だか何だか知らねぇが、お前の好きにはさせねぇぞ!」
「ええ、それに碎輝くんはウィルと一緒で私の大切な|《お人形さん》遊び道具ですもの。|遊んで《・・・》いいのは私だけ、だよ?」
 ウィルと碎輝が目を剥いてザイーシャを見る。コイツの好きにもさせまい。そう心に誓うウィルの前で、怪人は薄い口を開いた。見るからに子供な三人など、怪人の格好の獲物だろう。ニヤニヤ笑いと共に問いかける。
「君達は……赤・青・緑の中だったら、何色が好きかな?」
「うわ、本当に色を選べって言ってきた」
 想定はしていたものの、本当に訊かれた問いにウィルの体がこわばる。
「さあ、早く答えて――」
「こうなりゃ……作戦ターイム!」
 怪人の言葉を遮り、ウィルは頭の上で大きく両手をクロスさせる。屈んで彼を覗き込んでいた怪人の動きが止まった。
「ほら、三人もいるから……何色にするか相談させてくれ」
「別に……バラバラに答えてくれてもいいんだよ?」
 そうは言いつつ、そういうことならと怪人は大人しく引いて立ち上がった。その隙に三人は車座になって話し合う。
「で、どうする?」
「さっきウィルが言ってたように、違う色を答えるっていうのはどうだ? 金色とか!」
 意気揚々と指を立てる碎輝に、ザイーシャは首を振った。
「いいえ、選択肢に無い色を選んだらもっと酷い目に遭うパターンもあるわ」
「……そうなのか」
 碎輝がシュンとする。
「かといって、赤はどう考えてもヤベーだろ……緑は?」
 ウィルの問いに、ザイーシャは小首を傾げた。
「緑は……検索しちゃいけないグリーンおばさん系かな?」
「グリーンおばさん系?」
 首を傾げ返す碎輝に、
「死蝋化して、肌が緑色になった金髪女性の死体写真のことよ」
 こともなげに答えるザイーシャ。さすがこの手の話に詳しい。ゾゾゾッと全身の毛を逆立たせて、碎輝は自身の両腕を掴んだ。
「緑……緑はナシだな!」
「となると……消去法で青か?」
「大丈夫か? 全身から血抜かれて死んだりしねぇ?」
 心配そうに訊く碎輝に、
「とりあえずやってみるっきゃないだろ!」
 ウィルは答えて怪人に向き直った。すうっと息を吸い、視線を逸らさずに言う。
「俺達の好きな色は……青だ!」
「青か。青が好きな子は……水に溺れ苦しみ死ぬ」
 怪人がパチンと指を鳴らす。瞬間、どこからか茶色く濁った濁流が押し寄せてきた。
「おわー!? っていうか青じゃねーじゃん!!」
 目を見開き、突っ込みつつも体を捻って逃げ出そうとする碎輝。一方でザイーシャは、
「ふぅん、溺れさせる系なんだ。逆さ吊りで血を抜くじゃなくてつまんないの」
 と口を尖らせ、ウィルも、
「水責めか。何か映画とかゲームのラストにある脱出シーンみてえだな」
 と迫る濁流を見つめながら感想を述べる。
「おい、二人ともそんなのんびり……!」
 じれったそうに腕を掴む碎輝に、
「まあ待て。今ので思いついたからさ」
 ウィルは頭を後ろにそらし、ニッと笑う。
「サイバー・インストレーション!」
 得意げに唱えると、そこに一台の武装ジェットスキーが降ってきた。
「おわー!?」
 さっきとは違う意味で目を見開き、ワクワクと胸の前で両拳を作る碎輝に、ジェットスキーに乗り込みながらウィルが手を伸ばす。
「乗れよ碎輝、けど攻撃はオレ達も感電しちまうから禁止な?」
「ああ、分かった!」
 しっかりと手を掴み、まっすぐにウィルを見つめて頷く碎輝。いい感じに成長も遮ったところで、呑みこまれた濁流もものともせず、三人が乗り込んだジェットスキーは急発進した。気づけば周囲は固いコンクリでできた水路で囲まれている。その中を白い波を立てながら、ごうごうと音を立てて激しい水流が流れている。その流れに逆らって、ジェットスキーは水上を走った。水路はまるで迷路だ。複雑に曲がりくねり、いくつもの道が枝分かれしている。その中を、出口目指して飛ばすウィル。邪魔するように、流木やら看板やら、様々な障害物が流れてくる。それらを避け、あるいはジェットスキーに備えられた小型砲台で破壊しながら、ジェットスキーは進んでいく。ザイーシャもただ見ているだけではない。
「さ、おいでなさいホージロ」
 ユーベルコード【|サメ映画撮影ごっこ《ミチターティニ・アクーラ》】で喚び出したサメに跨り、指差した先にある障害物を、騎乗突撃で粉々に吹き飛ばす。もはや障害物は意味をなさない。迷路だって、水流の源を辿ればおのずと出口は見えてくる。やがて出口から勢いよく水しぶきを上げて飛び出してきたジェットスキーを、黒マントの怪人は呆然と見上げた。水路は地下水路であったらしい。勢いあまって宙を飛ぶジェットスキーから、赤い大きな口を開けて、サメが降ってきた。まるで悪夢だ。怪人が驚きと恐怖のあまり身動きできないでいるうちに、サメは頭から怪人を呑みこんだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

エスクルール・ラカーユ
アドリブ連携可

お世話になっている碎輝さんを守るためにがんばるぞ!
…にしても碎輝さんはこういうのによく巻き込まれるね。体質なのか?

ということで碎輝さん、話はさっき聞かせてもらったぞ!
一年でかっこよくクレバーになった僕を信じて待っていて欲しいんだぞ!

好きな色ー?いつもは青だけど…うーん?みどり…と、と!!(攻撃をギリギリのところで回避)
(攻撃が当たった岩とかが腐っていくのを見て)ぎゃー!?
ヤ、ヤバいんだぞ!!スムージーは飲むのは好きだけどなりたくないんだぞ!!
という事で、カッコよくくればーな作戦で戦うんだぞ!
まず距離を取る!そしてUCを使う!炎の濁流を発動して怪人に攻撃するんだぞ!



(「お世話になっている碎輝さんを守るためにがんばるぞ!」)
 よし、と自らを鼓舞するように軽く両拳を握り、エスクルール・ラカーユ(奇跡の迷子・f12324)は、再び、
「君は、赤・青・緑の中だったら、何色が好き?」
 と詰め寄っている怪人と碎輝の間に「ちょっと待ったー!!」と割り込んだ。
「エスクルール! 久しぶりだな!」
 パッと表情を明るくする碎輝に、グッとサムズアップして振り返る。
「碎輝さん、話はさっき聞かせてもらったぞ! 一年でかっこよくクレバーになった僕を信じて待っていて欲しいんだぞ!」
「ああ、そういうことなら……任せた!」
 しっかりとエスクルールの目を見つめて頷き、碎輝は戦線を離脱する。その後ろ姿を見つめながら、
(「……にしても碎輝さんはこういうのによく巻き込まれるね。体質なのか?」)
 と首を傾げていた。一方の怪人にしてみれば、狙う対象が碎輝(小学生)からエスクルールに変わっただけだ。まだ子供である彼など、怪人にしてみれば格好のターゲット。ニィッと三日月形に口角をつり上げ、
「君は……赤・青・緑の中だったら、何色が好きかな?」
 と顔を近づける。一年でかっこよくクレバーになったエスクルールはう~んと目を閉じて考え始めた。
(「好きな色ー? いつもは青だけど……こういう怪談話的に、青だと血を抜かれるとかありそうだし……かといって赤だと、血まみれになる系っぽいし……じゃあ……」)
「うーん? みどり……?」
 首を捻りつつ答える。緑が一番無害っぽい感じがする。怪人は満足そうに頷いた。
「緑か。緑が好きな子は……身体がどろどろに溶け腐り死ぬぅ!」
 ヒャハハハと笑い声を上げ、一閃。光るナイフがエスクルールの頬ギリギリを掠める。
「……と、と!!」
 すんでのところで見切り、上半身をのけ反らせてかわすエスクルール。空を切ったナイフは、勢い余って怪人の手をすっぽ抜けて飛び、その辺の樹に突き刺さる。樹は突き刺さったところから急激に腐り始め、まるで苔が生えたように全体が緑色になってぐずぐずと溶けていった。
「ぎゃー!?」
 エスクルールは悲鳴を上げた。こんなん誰だって悲鳴上げる。全然無害じゃなかった。
(「ヤ、ヤバいんだぞ!! スムージーは飲むのは好きだけどなりたくないんだぞ!!」)
 咄嗟に後ろに飛び退いて距離をとる。踏みしめて擦れた地面から土煙が上がる。しかし落ち着けと、エスクルールは一旦目を閉じて深呼吸した。自分だって前より成長しているはず、ここはカッコよくくればーな作戦で戦うべきだと目を開き、指を鳴らして怪人を指差した。
「エレメンタル・ファンタジア!」
 ユーベルコードで発生した炎の濁流が怪人を呑みこむ。避けることさえできず炎に包まれて燃え上がる怪人を見ながら、エスクルールはほっと息をついた。距離を取って遠距離から攻撃する、これぞカッコよくくればーな作戦だ。

成功 🔵​🔵​🔴​

ウーシャン・ラビットポスト
碎輝だっけ?おめーは後ろでかっこいいの練習してると良いうしゃ。今日はうーしゃんがこいつを可愛くやっつけてやるしゃよ

で色?うーしゃんには全部の色が合うと思うしゃけど、今日の気分はあおかな―!
…って、はぁー!?かわいいうーしゃんをこんな濁流の中に放り込むってありえねーうしゃよ!

ウーシャンウイングで飛び、時には濁流から顔を覗かせている大木とかを足場にしながら脱出を目指す…め、めんどくせぇうしゃー!
埒あかね―うしゃ!
UC使って迷路脱出しながら怪人の後ろに出現、そのままうーしゃんキックをお見舞いするしゃ―!



 エスクルールの炎の濁流からどうにか脱出した怪人は黒焦げになりながら、しぶとく碎輝を追いかけた。
「さっきから君個人の好きな色は聞いてないね……君は、赤・青・緑の中だったら、何色が好き?」
「だああうっせー!!」
 息を切らし走りながら、このままじゃどうしようもないと碎輝は意を決して立ち止まり、怪人に向き直る。こうなったら自分が成長して――!
「まぁ待つうしゃ。碎輝だっけ? 今日はうーしゃんがこいつを可愛くやっつけてやるしゃよ。おめーは後ろでかっこいいの練習してると良いうしゃ」
 なんか後ろからふんぞり返ったちっこいウサギが歩いてきた。小学生形態で公式絵みたいなポーズを決めていた碎輝は目がテンになる。とはいえ、このウサギも猟兵みたいだし、なんかやる気みたいだし、任せてみようと、
「そうか、じゃあ俺はあっちでカッコいいポーズの練習でもしてるな!」
 と、軽く手を振って駆け出した。残されたウサギ――ウーシャン・ラビットポスト(バルバ「ウサギ」のスカイランナー・f39076)はふんと鼻を鳴らして怪人を見る。バルバとはいえ、子供(12歳)には違いない。怪人的にも十分ターゲット範囲内だ。怪人は再び口角をつり上げ、
「君は、赤・青・緑の中だったら、何色が好きかな?」
 と視線を合わせるように屈んで尋ねる。
「色? うーしゃんには全部の色が合うと思うしゃけど、今日の気分はあおかな―!」
 サラッと髪をかき上げるように手でうさ耳をファサッて払うウーシャン。怪人はなるほどと頷いた。
「青か……青が好きな子は……水に溺れ苦しみ死ぬ」
 怪人がパチンと指を鳴らす、と地面がパカッて開いた。舗装も何もされてない道なのに隠し扉みたいに開いた。
「うしゃ?」
 一瞬体が宙に浮く。ポカンと目を開けたウーシャンはそのまま落下した。落ちたのは硬いコンクリでできた、茶色い濁流渦巻く地下水路だ。
「……って、はぁー!? かわいいうーしゃんをこんな濁流の中に放り込むってありえねーうしゃよ!」
 ブハッと水面からなんとか顔を出したウーシャンは悪態をつく。濁流に吞み込まれぬよう、短い手足で必死でウサギかきする様は正直かわいい。けどたぶん本人が求めたかわいさじゃない。手足に変わって、輝くウーシャンウイングが水面を叩く。水鳥が飛ぶように、飛沫を上げてウーシャンは飛翔した。しかしこの地下水路、出口はひとつしかない。扉みたいに開いた地面も閉まってしまっている。いつしか上までコンクリで固められ、かなりの水量が流れ続ける水路では、天井スレスレの低空飛行を余儀なくされる。普通に飛ぶより疲れる。時には濁流から顔を覗かせている大木等を足場に、適宜休憩を挟みつつジャンプしてさらに飛んで……。
「……め、めんどくせぇうしゃー! 埒あかね―うしゃ!」
 ついにキレた。キレついでに、ウーシャンはユーベルコード、インフィニットゼロで静止した時の世界に通じる不可視の次元扉を作成する。この中では時間が経過しない。いくら羽を休めても、外で経過した時間はゼロ秒だ。そうしてうまい具合に疲労回復しつつ出口を目指す。辿り着いた出口で、彼はちゃんと死んだかな、と水路を覗き込んでいる怪人に、
「よくもこのかわいいうーしゃんを濁流の中に放り込んでくれたうしゃね!!」
 と思いっきりうーしゃんキックをお見舞いしたのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

エリン・エーテリオン
常に視力と怪力を発動

よし!碎輝さん!私の新しい力を見せてやるぜ!
敵の質問に対しては
私の好きな色は虹色だぜ!
って堂々と答えた

早速仕掛けて来やがったな!喰らいやがれ!
敵が炎を放って来たので横に推力移動して回避して躱しきれないならオーラ防御で防御した後、天候操作で敵に電撃を放って反撃する


再び現れる!虹炎龍皇神!
私はUC発動
今回の指定UCは
https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=43940に出た虹炎龍神の進化系である

オラオラオラ!
私はUCの効果で時間の連続性を捻じ曲げて敵にラッシュをかける(推力移動で敵を追いながら拳を正確に叩き込む)

これが進化した虹炎魔皇だ!


リュカシオン・カーネーション
まあいいや、かかって来い!碎輝は下がってな!
《頑張りましょう、シオンさん!》
ウチとアロナちゃんは敵と対峙する

ん〜?好きな色?黄☆色☆

敵がUCを発動してきた
うぎゃあぁぁぁ!
《きゃあぁぁぁぁ!》
濁流で流れる地下水路の迷路に閉じ込められたウチとアロナちゃんは流されてしまう

碎輝が成長しようとするが迷路が消滅する
レーヴ・アルカンシエル…未来乱気流!
ウチはUC発動して迷路のUC発動する過去を改変して消滅させた
(その時UCの改変効果で砂煙が上がる)

後ろだ…
迷彩で姿を消して背後からアズリエルで斬撃波を敵に放つ

《これで…吹き飛びなさい!》
自身のUCの効果でアロナちゃんはUC精霊王の天災の裁きを敵に放ち吹き飛ばす



「よし! 碎輝さん! 私の新しい力を見せてやるぜ!」
 掌を拳でバシンと打ち、エリン・エーテリオン(邪神龍と虹炎の神と共に世界を駆ける元ヤンの新米猟兵・f38063)は前に進み出る。
「ああ、かかって来い! 碎輝は下がってな!」
 リュカシオン・カーネーション(転生したハジケる妖狐と精霊王とカオスな仲間たち・f38237)もまた同様に弟子と並んで立った。新しい力を見せてやる、とか言われたら、バチバチと紫に光る成長電流を纏おうとしていた碎輝もおとなしく引かざるを得ない。
「ああ、新しい力とか手に入れたら使いたくなるしな。分かる分かる」
 うんうんと腕組みして、訳知り顔で頷いた碎輝は、そういうことならと後方に下がる。相対する黒マントの怪人はため息をついた。
「君達は子供……じゃないけど、仕方ないね。君達は、赤・青・緑の中だったら、何色が好き?」
「私の好きな色は虹色だぜ!」
「ん〜? 好きな色? 黄☆色☆」
 拳握り力強く答えるエリンと、バチンとウィンクして答えるリュカシオン。
「虹色か……虹色には、赤・青・緑、全ての色が含まれる……つまり……全ての死に方をする!!」
 怪人が手にしたナイフで思い切り自身の体を切り裂く、炎が噴き出す。
「早速仕掛けて来やがったな!」
 すかさずエリンは横に移動し、追いかけてきた炎をオーラを放って弾く。一方、リュカシオンの方は。
「ウチの好きな色聞いてくれてない〜!!」
 という叫びを残して、地面に口を開けた地下水路に落下していった。落ちた先は茶色く濁った濁流の迷路だ。……まあ、茶色い濁流に呑まれることを黄色に染まって死ぬと、無理やりこじつけたのかもしれない。しかし、リュカシオンはあれで決める所はきっちり決める女だ。放っといても大丈夫だろうとエリンは、
「喰らいやがれ!」
 と天候すら操作して怪人に雷を落とす。
「おっと」
 ヒラリ、マントを翻して怪人は雷をかわした。技能ではユーベルコードほどの威力や精度は出せない。だが、その一瞬があればいい。
「虹炎魔皇……チェンジだ! 虹炎龍皇神! 新たな力を見せてやる!」
 エリンが手を掲げて叫ぶ。その身が、様々な力を秘めた虹色の炎を纏う。
「オラオラオラ!」
 ジェット噴射でもついているかのように勢いよく飛び出し、怪人に肉薄した彼女は、黒マントに隠れた体に、正確に虹の炎の拳を叩き込み続けた。まるで時間の連続性が捻じ曲げられ、そこだけ時の流れが止まっているかのように。
「ぐ…………ごはっ!!」
 怪人が体をくの字に曲げ、苦し気に血反吐を吐く。それでもエリンは止まらない。トドメの右ストレートで怪人をぶっ飛ばした彼女は、
「これが進化した虹炎魔皇だ!」
 と力こぶを作った右肘に手を当てる。
「くっ……でも、まだ……」
 血の滲んだ口の端を拳で拭い、手を地面に当てて、よろよろと立ち上がろうとした怪人の背後で砂煙が上がる。
「!?」
「後ろだ……」
 気配を感じた怪人が振り向くより先に、迷彩に隠れたリュカシオンが|龍の翼の形の鎌《天災邪神鎌龍アズリエル》を振るって斬撃波を放つ。特徴的な怪人の黒マントが裂けて破れた。確かに濁流の迷路に閉じ込めたはずなのに、いつの間に脱出したのか。狼狽える怪人の前で、リュカシオンのしている金色のペンダントが光り輝く。
「これで……吹き飛びなさい!」
 放たれた炎の竜巻が、怪人を焼き尽くし吹き飛ばす。焦げた黒マントの切れ端がひらひらと落ちてきた。炎の竜巻が去った後、そこに怪人の姿はない。放課後の怪談は、これでおしまいだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2023年06月18日


挿絵イラスト