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もっきゅもきゅにしてやんよ!

#シルバーレイン #モーラット

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#シルバーレイン
#モーラット


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 徳島県、水の丸ふれあい公園。
 パラグライダーの大会が開催された事もある見晴らしの良い高原に、突如として『城』が現れた。ゲームやアニメに登場する魔王城――を、妙にこぢんまりとさせたような建造物を前に、対ゴースト組織『天輪宗』の能力者達が険しい表情を浮かべた。
「くっ……、折角『霊石結界』内に追い込んだというのに!」
「ああ、恐ろしい罠だった……。まさか意思の疎通が出来なくなるとはな」
 オブリビオンを結界内に閉じ込める所までは順調だったが、追い詰められたオブリビオンは瞬時に築城し、籠城してしまった。
 当然天輪宗の面々は城の中に乗り込んだのだが、城内は口にした言葉が特定の言語に変換されてしまう特殊空間と化していたのだ。連携を崩された彼らは敗走し、現在に至る。
「まさか……まさかモーラット語しか話せなくなるとは!!」


「もきゅ、もっきゅっきゅ!」
 あまり広くない城内に、オブリビオン『モーラット・デビルキング』の高笑いが響き渡る。
「きゅぴ、きゅっぷい」
 戸締り、大事。モーラット・デビ……長いので、以下モラ王。モラ王が何やらもきゅもきゅと唱えると、扉が閉まり、門が閉まり、頑丈な鍵が音を立てて掛かった。
「ぷぴぃ……スヤァ」
 さてこれで一安心。玉座に座ったモラ王は、気持ち良さそうに居眠りを始めた。
 ――天輪宗の能力者を追い返した事に気を良くした彼の頭からは、隠し通路の存在がすっかりと抜け落ちていた。

「もきゅ?」
「もっきゅ! もきゅぴ!」
 突然現れたお城を見つけた野良モーラットの集団。ぽんぽんと周囲を跳ねていた彼らは、狭い隠し通路に気付いてしまった。中を探検するぞと一斉に群がり――。
「もぎゅ」
「きゅぴ、ぎゅむ」

 詰まった。


「もきゅきゅ、もっきゅぴ。きゅぴ~!」
 大量発生した野良モーラットが詰まっている隠し通路からオブリビオンの城に侵入し、わるくてつよくてすごいオブリビオンのモーラットを倒し、城の中を探検中の野良モーラットを捕獲してきて欲しいと、モーラットの猟兵である小綿・たんぽぽが言った。
「きゅぴぃ……もきゅ、もっきゅぴ!」
 人が一人通れるくらいの通路にみっちりと詰まったモーラットは、出来るだけ優しく除いてくれると有難い。モラ詰まりを解消した後も遠くに逃げる事は無いようなので、この時点では放っておいても問題無さそうだ。戦闘後に改めて捕獲すれば良いだろう。
「きゅぴ。もきゅ、きゅう……!」
 全く、モラの風上にも置けませんの。たんぽぽが怒りを露わに語るのは、今回のボスである『モーラット・デビルキング』についてである。姿かたちこそモーラットであるが、オブリビオンである事に変わりはない。油断せずに倒してきて頂きたい。
「きゅっきゅっ。きゅぴい」
 今回の注意点だが、『モラ王の居る室内で発した言葉は全てモーラット語に変換されてしまう』。普通に話したつもりでも、何故かもきゅぴきゅな言葉が発せられてしまうのだ。
「きゅっぴぃ!」
 だが問題ない。猟兵ならば、世界の加護により『全ての世界で言葉が通じる』のだ。その口から発せられたのがモラ語であっても、相手にはきちんと伝わるはずだ。現に今、グリモア猟兵がモラ語で予知を伝えているが、大きな問題は生じていないと思われる。
 ――強いて問題があるとすれば、羞恥だとかそういった点だろうか。猟兵がどれだけ格好良い決め台詞を口にしても、「もきゅぴきゅ」な言語になってしまうのだ。思春期の少年少女も、良い年をしたおじさんおばさんも、等しくもきゅもきゅ言う羽目になる。
「もきゅ」
 普段からもきゅもきゅ言っているモーラットには、全く気にならないらしい。たんぽぽは「よろしくですの」と軽い調子で手を振った。


宮下さつき
 もきゅぴぴきゅ。宮下もきゅ。
 もきゅもきゅしいシナリオになります。
 今回は参加者さんが楽しそうだと軽率にプレイングボーナスでダイス振ります。
 もふもふをご堪能頂ければ幸いです。

 二章は台詞が全てモラ語になります。基本的にTW2シルバーレインを参考にもきゅぴきゅな感じになりますが、個体差もあると思うのでもきゅぴきゅじゃない場合はプレイングに台詞見本をご記入ください。
 何が何でもモラ語を話したくない場合は「呪詛耐性で跳ね返したぜ!」的なプレ等でどうにかなるかもしれません。
 モーラット語のプレイングもお気軽にどうぞ(お任せプレと判断します)。
 モラデビ城は放っておいてもそのうち消えるので対処不要です。

 それではよろしくお願い致しまきゅ。
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第1章 冒険 『モーラット毛玉地獄』

POW   :    モーラットではなく詰まっている部分の方を何とかする

SPD   :    モーラットをやさしく掻き出して詰まりを解消する

WIZ   :    モーラットをおびき寄せて詰まりを解消する

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

マルタ・ノヴァ
攻城戦でしたら、門ごと破壊してもいいですが……
秘密の抜け穴があるのでしたら、ここは王道の隠密行動と行きましょう
潜入活動もボクの得意とする一つです

な、なんと、これがモーラットという生き物(?)ですか
可愛らしいですが、城内へ潜入するには一先ずこの毛玉詰まりをなんとかしなければなりませんね
狭いみたいですし、そっと優しく一体一体取り外して軽く埃を落としてから、影分身でバケツリレーの様に外に運びましょう
余りの触り心地に心は揺れますが、もふもふと戯れるのは事件解決後に取っておきます


アカネ・ケンプフェルト
野良モーラットの捕獲。懐かしいし、皆相変わらずで可愛い……
すぐに助けるから、あと少しだけ我慢してね

私の小さな花園で、モーラットを吸い込んで助けます

不用意に吸い込むと混乱してしまうので、ユーベルコードを使うのは優しく話しかけてから
野良さんだと言葉は通じないかもしれないけれど、気持ちを込めれば大丈夫

モーラットさん、モーラットさん
私がすぐに解放しますから
お話を少しだけ、聞いて下さい

小さなハーバリウムを見せ、これに触れると魔法のように瓶の中に移動できますと説明を
怖いかもしれないけれど、絶対に大丈夫
私を信じて、触れてみて下さい

最初の子を無事助けられたら、その子にお手伝いをお願いして残る皆を救出しましょう



 標高の高い公園にはまだ肌寒さが残るが、日差しはすっかりと暖かな春のそれだ。いつもならば観光客が居るであろう高原は、ひそりと静まり返っていた。
 折角の陽気だというのに、人払いが続いていては地元の皆さんも可哀想だ。早く解決しなければ――、マルタ・ノヴァの視線の先には、のどかな高原に不釣り合いな建築物が屹立している。
「攻城戦でしたら、門ごと破壊してもいいですが……」
 詰まらず城内に入れた野良モーラットを巻き込んでしまうかもしれない、と彼女はかぶりを振る。
「秘密の抜け穴があるのでしたら、ここは王道の隠密行動と行きましょう」
 幸い、潜入はマルタの得意とする所だ。すぐに目当ての通路を見つけた彼女が振り返れば、背後に控えていたアカネ・ケンプフェルトが頷いた。
「はい、お任せください」
 モーラット達の保護にアカネのユーベルコードが有用であるとの判断から彼女が狭い通路を先行すると、いくらも進まぬうちに白い壁――、所謂『モラ詰まり』にぶち当たった。
(「すぐに助けるから、あと少しだけ我慢してね」)
 みちみちと隙間なく詰まっていては、いくら柔らかい身体といえど苦しそうだ。彼らを不安がらせないよう、アカネは努めて優しく声を掛ける。
「モーラットさん、モーラットさん。少しお話を……、お顔はどこでしょう……?」
「ぴぴ、もっぎゅう……」
 くぐもった声が聞こえ、アカネは後ろに居たマルタと顔を見合わせた。
「これはもしかして……」
「モーラットの、背中?」
 城の中を目指してまっしぐら。必然的に通路の入り口に背を向けてしまったモーラット達に、アカネは眉尻を下げた。
「ど、どうしましょう。モーラットさんにはこちらに触れてもらいたかったのですが」
「ひとまず何匹か助けられれば、余裕が出来てこちらを向けるのでは?」
 相談の結果、自在に形状を変えられるマルタがモーラットを掻き出す役目に就いた。スライム状の指先を白い毛の中に差し込めば、何処までも沈み込んでいくようだった。
「身があるのか疑問になるくらいにボクの手が埋まってしまうのですが?!」
「大丈夫です、それがモーラットです!」
 通路の先から焦るマルタの声が響き、思わずアカネは笑みを零した。かつてモーラットを使役していたアカネにとっては馴染み深いが、マルタにとっては未知の感触なのだろう。そうこうしているうちに、一匹がすぽんと抜けた。
「ぷきゅ!」
「な、なんと、これがモーラットという生き物……生き物? ですか」
 まあるいフォルムにうずまきほっぺ。くりくりとした目で見つめられれば、思わずマルタの頬が緩む。
「可愛らしい……ですが」
 今はここから引き離さねば、また詰まるかもしれない。マルタは通路に並んだ自身の分身体にモーラットを手渡し、二匹目へと手を伸ばす。彼女の影分身がバケツリレーで運び出したモーラットは、開けた場所に待機するアカネの下へと連れられていく。
「モーラットさん」
 アカネはモーラットを不安がらせないよう、視線を合わせるようにしゃがみ込んだ。そっと差し出してみせたのはハーバリウム。触れればユーベルコード製の花園へと移動が出来ると説明し、一時的な保護を提案した。
「怖いかもしれないけれど、絶対に大丈夫。私を信じて、触れてみて下さい」
 話を理解したかは定かでないが、恐らく野良モーラットは二人を信頼している事だろう。埃を拭うマルタの手は優しくて、アカネは問い掛けて意思を尊重してくれているからだ。
「もきゅ」
 モーラットは小さな手を懸命に伸ばし、ボトルの首に掛けられた白と青のリボンにじゃれつくように触れた。吸い込まれていくモーラットは、楽しそうな笑い声を上げていた。
「アカネさーん、そちらにもう一匹連れて行きます!」
「はい、お願いします!」
「もっきゅぴぴ~!」
 出だしは順調だ。城内に入れなかったモーラット達も、きっと花々に囲まれて満足しているだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

鈴乃宮・影華
こーいう魔王城、私結構好みです
最奥の玉座に踏ん反り返って無駄にフフフ笑いとか皆様一度は妄想しますよね?
さてさてモラ王様はどんな「おもてなし」をしてくれるんでしょう、楽しみです

まぁその前に毛玉地獄の解消作業ですね
問題の通路の前にたどり着いたら状況確認
私から見える所にモーラットがいなかったらおびき寄せに移行
入城前に地元銘菓お取り寄せを天輪宗の方々にお願いしてましてね?
(※後で蟲達と食べるつもりなので代金は自腹切ります)
後は匂いで釣るのです

見える所にいたら?
指定UC起動です
「――大人しく出てきなさい、おバカさん達」
2列くらいでモラモラ大行進して来なさい
いい子にしていればお菓子あげるから


豚玉・もんじゃ
アドリブ連携可
基本はモーラット語のみ話す

「もきゅきゅきゅ!」
自分もかつてはモラ詰まりの中に居た一匹で
ある事を思い出しながら隠し通路を進む

「きゅぴっぴ~!!どろん!」
モラ詰まりに遭遇したら、
トリプルどろんチェンジで提灯お化けに変身して
モーラット達をびっくりさせてモラ詰まりの解消させる

「ぼぼぼぼぼ~!!」
びっくりするモーラット達につい楽しくなって
モラ詰まりが解消されても追いかけて
驚かせることに夢中になってしまう

「きゅ?もきゅもきゅ~!!」
そして変身が解けて同じモーラットだという事がバレると
仕返しとばかりに逆にモーラット達に
追われる身になってしまうのだった



 春の気配が感じられる高原にそびえる、仄暗い存在感を放つ城。外観はおどろおどろしいというのに可愛らしいサイズ感なのは、築いたオブリビオンがモーラットだからだろうか。妙にちぐはぐとした印象を受けるものの、造りはなかなかに凝っている。
「こーいう魔王城……私、結構好みです」
 シュールな絵面を前に、鈴乃宮・影華は微かに頬を緩めた。
「最奥の玉座に踏ん反り返って、無駄に『フフフ』笑いとか。皆様一度は妄想しますよね?」
「もきゅっ」
 影華の言葉を、傍らのモーラットが肯定する。一見すると捕獲対象だが、彼、豚玉・もんじゃは立派な猟兵である。
「もきゅきゅきゅ!」
「モラ詰まりを懐かしがるのは構いませんが、あなたまで詰まらないでくださいね?」
 モーラットと言えば詰まるもの。昔は通信速度が落ちれば『回線にモーラットが詰まっている』などと言われたものだが、まさかこうしてモーラット本人の口から語られる日が来るとは――、影華は澄んだ空を見上げ、ちょっぴり遠い目をしていた。
「きゅい」
「野良達を誘導してくれるんですか? ではお願いしますね」
「きゅ!」
 ふわふわと揺蕩うように通路をゆくもんじゃを見送り、影華は提げていた紙袋の中を覗いた。中身は天輪宗の能力者に頼んでおいた地元銘菓だ。品種名も商標登録されている為この報告書に記すのは避けるが、有名なサツマイモを使った焼き菓子である。
「いざという時は匂いで釣ろうと思いましたが」
 先行した猟兵によっていくらかモラ詰まりも緩和されている。菓子の出番は無いかもしれないと彼女が思ったのも束の間、
 ――ぶわっ。
 狭い通路から飛び出してくる、白い毛玉たち。我先にと物凄い勢いで飛来するモーラットを影華は優れた視力で見切り、その腕で抱き留めた。
「何事でしょう」
「きゅぴえええん!」
 パニックを起こしている野良モーラット達は、もきゅぴきゅ悲鳴を上げながら右往左往。モーラット同士の衝突事故も発生し、周囲は大混乱だ。
 このままでは埒が明かない。影華の中に眠る黒燐蟲が、目を覚ます。
「――大人しくなさい、おバカさん達」
「「きゅ!」」
 彼女の魔力が周囲を満たすや否や、モーラット達はぴたりと動きを止めた。じっと影華を見つめる様子は、次の指示を待っているようだ。
「二列くらいでモラモラ大行進して来なさい。いい子にしていればお菓子あげるから」
 先程の地元銘菓を取り出せば、モーラット達の目は期待でキラキラと輝き出す。あっという間に二列縦隊が出来上がり、もふもふ大行進が始まった。
「「もきゅもきゅ、ぴっぴ」」
 モーラット達は、一糸乱れぬ動きで甘い匂いを追いかける。順調に隠し通路から距離を取り、ご褒美のお菓子を配られたその時、
「ぼぼぼぼぼ~!!」
「きゅぴいいい?!」
 通路の入り口から飛び出してくる、提灯お化け。裂けた口から赤い舌を覗かせて、ぎょろりとした目をモーラット達へと向ける。毛が逆立ったのだろうか、ぶわりと膨れ上がったモーラットは、もふもふ度が二割増しだ。
「ぼぼぼぼ……ぼっ?」
 提灯お化けの視線の先には、何やら美味しそうなお菓子。
「ぼぼ?」
 俺のは? と言いたげな提灯お化けに、影華は正体を知りつつも小首を傾げて見せた。
「私に提灯妖怪の知り合いは居ませんよ?」
「ぼぼぼ……きゅぴっぴ~!! どろん!」
 ぽふんと煙に包まれた提灯お化けは、一匹のモーラット、もんじゃへと姿を変えた。詰まっていたモーラット達を化かして驚かせた所までは良かったのだが、追いかけるうちに楽しくなってしまったのだろう。影華は困ったように眉尻を下げ、もんじゃの手にお菓子を持たせてやった。
「きゅぴ♪」
 もんじゃは素朴な甘さのお菓子にご満悦だ。だがそんな彼に、影が忍び寄る。
「きゅ? もきゅもきゅ~!!」
「「もきゅう!」」
 散々追いかけ回された野良モーラット達の逆襲だった。もんじゃは助けを求めるように影華を見るが、
「……さて、モラ王様はどんな『おもてなし』をしてくれるんでしょう。楽しみです」
 すたすたと通路へと行ってしまった。頼みの綱に去られたもんじゃに、雪崩のように白いもふもふが迫りくる。
「も、もっきゅぅ~!」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

リーゼロッテ・ローデンヴァルト
【SPD】
※アドリブ・装備活用歓迎
※絡み・ギャグ・キャラ崩壊可
※【ナインス・ライン】他は駐車場に秘匿

ぅわああぁぁぁ☆もふもふパラダイスぅぅぅ♡
アタシは重度のモフリストだからねっ
一度合法的にモラをモフり倒したかったのさぁ♪

大丈夫?ケガしてない?と獣医もとい医者らしく
一匹一匹取り出して丁寧に診察&ハグ頬擦り他諸々♪
あ、ガチで辛そうな子はちゃちゃっと手当するね?

※【リメイン・カーム】の高Lv《医術/誘惑》を
※《瞬間思考力》で並列処理、濃密にモフモフしつつ触診等

お?懐いたモラが群がってクるぅ♡
あぁあ、もっきゅぅぅんっ♪ふかふかモフモフぅぅうっ☆
アタシ元々ダメな女だけど、もっとダメになっちゃうぅぅうっ♡


巨海・蔵人
アドリブ絡み歓迎

◼️モラ配信
今回はぁ(溜)
なんだかとっても多い気がする地球系世界の一つシルバーレインから、
うちのドローン達にも負けない位可愛い種族の様子をお届けだよ。
モーラットっていうんだけどね、
困ったモーラットが現れてできたお城に、
野良モーラッドが詰まって、困ってるモーラットになってるそうだからね、
ちょっといってきまーす。

◼️対策
UCで人海戦術だね、
お城のマッピングに侵入経路の確認、他の人達が助けた子の保護と足止め、僕の方でもUCのドローンで詰まってる子を優しく外していくよ。
外にモーラット用のお菓子の休憩所とお城を囲むお城を作って、
イイネいいね、可愛いよ、もふもふ~
うちの子と一緒で凄く可愛い


灘原・世理衣
非常事態だけど、つい和んでしまうね
ダーリンと一緒にモーラットの壁を堪能したい……
『助けて捕まえた後なら、出来る。今は我慢、しよ?』
ダーリンもモフモフを我慢するなら私も頑張るね!

さすがにモーラットではないけど、土鍋に詰まりすぎて抜け出せなくなったネコ達の救出を思い出すわ
近所の飼い主さんに頼まれて助けようとして、でも結局助けられず素直に動物病院に連れて行った思い出

その私達の手では何もできなかった悔しさを【再挑戦アルバム】で思い出しながら、今度こそ優しい手つきでモーラットを詰まりから助け出す!
『あの時の獣医さん、優しい目だった。私達も愛を込めて、モーラットの体をほぐして助ける!』


ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード
アドリブ・連携歓迎


おー、なんかすごくもきゅもきゅしてるねえ。
まあ、とりあえず助け出すとしようか。

さて、周りの通路は掘れる素材かな。
掘れそうだったら【土竜穿孔】で周りを掘って救助しようかな。
無理そうなら一匹ずつ手掴みで助けるしかないかな。

動くと引っ掻いちゃって危ないからじっとしててねー。
まったく、狭い所を通るときはちゃんと並んで入らないとこうなるから、
次からは気をつけようね。

……ところでキミは何をしてるんだい?
(一足先に動けるようになったモーラットが角にしがみ付いてる。
どうやら操縦してる気分でいるらしい)
……まあ、邪魔にならないならいいんだけどね。



「今回はぁ~……」
 言葉と言葉のはざま、短い沈黙。期待感を抱かせ印象に残す術を心得た、意図的な『間』。自身にレンズを向けるビデオドローンに、巨海・蔵人は人好きのする笑みを向けた。
「なんだかとっても多い気がする地球系世界の一つシルバーレインから、うちのドローン達にも負けない位可愛い種族の様子をお届けだよ」
 いってきまーすと軽い調子で言うものの、大柄な蔵人には通路での作業は窮屈そうだ。入口付近で困ったように笑う彼の姿は、視聴者の和やかな笑いを誘う。
 けれど彼にはたくさんのドローンがある為、何ら問題ない。パンダやテレビウムといった愛らしい形状の彼らが飛び立ち、通路内を撮影する。
「アタシの愛機もお留守番。……ああ愉しみだね、もふもふパラダイスぅ♡」
 重量級のキャバリアでは隠し通路から乗り込むのが難しいというのもあるが、何よりも生身でなければ『もふもふ』が堪能出来ない。
「アタシは重度のモフリストだからねっ」
 うっそりとした表情で城を見上げるリーゼロッテ・ローデンヴァルトに、ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストードはこてんと首を倒した。
「……モフリスト、とは」
 まったくヒトには不可思議な趣味嗜好があるものだ、と腕組みをする。なろうと思えば自身がもふもふになる事が可能なペトニアロトゥシカには、いまいち理解し難いのかもしれない。
「じゃあそろそろ行くわね」
 灘原・世理衣がそう告げれば、夫の瀬利亥がエスコートするように腕を差し出した。今回は救助と保護で二手に分かれる――適材適所だ。いってらっしゃいと手を振るリーゼロッテに見送られ、ペトニアロトゥシカと世理衣が通路へと入っていく。

 二人――瀬利亥を加えれば三人だが――が通路に入って幾許もしないうちに、彼らの行く手を白い壁が阻んだ。城自体が小振りな上に、内部の構造も単純だ。マッピングをすぐに終えた蔵人のドローン達が、壁の手前でホバリングしている。
「ぴぃ」
「もきゅぅ」
「……おー、なんかすごくもきゅもきゅしてるねえ」
 道中のモラ詰まりは概ね解消され、もう城内に続く扉の一部も見えていた。恐らくこの扉が今回のモラ詰まりの原因だろう。向こう側に障害物でもあるのか、半開きの状態なのだ。
「上手く隙間を抜けられず引っ掛かった子が居て、でも後ろから群れが来ているから退く事も出来ず……という感じかしら。……非常事態だけど、つい和んでしまうね」
 詰まっている本人達に必死さが感じられないのもあり、どうにも緊急性のある仕事に思えず、いっそこのままダーリンと一緒にモーラットの壁を堪能したい。そんな想いを胸に世理衣が瀬利亥に視線を向ければ、彼は穏やかな微笑を浮かべてかぶりを振った。
『助けて捕まえた後なら、出来る。今は我慢、しよ?』
 なんと責任感の強い夫だろうか。惚れ直しそうだ、と世理衣が夫を見つめる。――相手が自身の死体である事はさておき。
「そろそろ自分で出られそうな気がするけどねえ。キミたちはどこか引っ掛かってるのかい?」
「きゅ」
 少しだけ元気が無い様子で小さな手を上げたのは、扉の近くに居るモーラットだ。目を凝らしてみれば、蝶番に毛が挟まれてしまっている。
「ちょっと待ってね。まずは手前のモーラットに退いてもらって……あー、キミたちも絡まってるねえ……」
 毛足の長い個体と、癖毛の個体で毛が絡み合ってしまったらしい。ペトニアロトゥシカが解くには、手の形状を変化させる必要がありそうだ。
「だったらその子達は私が引き受けるわ」
「じゃあこっちは任せるよ」
 そっと同時に引き抜いた二匹を灘原夫妻に任せ、ペトニアロトゥシカは挟まっているモーラットの周囲を観察した。下手に動かせば、挟まっているモーラットが怪我をしてしまうかもしれない。
 ならばモーラットではなく扉をどうにかしようと、彼女は壁に触れた。
「動くと引っ掻いちゃって危ないからじっとしててねー」
 鋭く大きな爪に、広い手の平。頑丈な皮膚に覆われたそれは、モグラの手だ。ペトニアロトゥシカは短く息を吐き、壁を掴むように抉り取る。
「まったく、狭い所を通るときは……」
 土台から抉られた金具が、壁から離れる。急に自由になったモーラットは浮遊するのも忘れてころりと落ち、
「……もきゅっ♪」
 ぽふん。
 蔵人のパンダ型ドローンが作ったマシュマロのトランポリンが、モーラットを優しく受け止めた。あまり反省する様子の無いモーラットを前に、ペトニアロトゥシカは肩を竦める。
「ちゃんと並んで入らないとこうなるから。次からは気をつけようね」
「きゅい」
 一方、世理衣は毛が絡んでしまったモーラット達に苦戦していた。毛先に固結びでもしてしまったかのような塊が出来ている。
「……詰まり過ぎて抜け出せなくなった、ネコ達の救出を思い出すわ」
 飼い主さんに頼まれて手伝ったものの、結局動物病院に連れていく事になった。全員が無事に助け出された事で笑い話に出来たが、助けられなかった悔しさは今もはっきりと覚えている。
(「あの時の獣医さん、優しい目だった。私達も愛を込めて――助ける!」)
 指先に全神経を集中させ、世理衣は結び目に触れた。慈しむような手つきに安心したのか、モーラット達は微動だにせず、その指を受け入れる。するりと指が通り、和毛が揺れた。
「解けたわ!」

「ぅ、わ。はわああぁぁぁ☆」
 健康状態確認の為、リーゼロッテの前にもきゅもきゅと並ばされるモーラット達。時折列を乱してしまう事もあるが、そこは蔵人のドローン達が頑張ってくれていた。
「リリー先生の診察が終わったら、みんなこっちにおいで~」
 蔵人が誘導する先は、お菓子で出来た休憩所。モーラット達がビスケットで出来た壁に穴を空ければチョコレートで塞ぎ、プレッツェルで出来た柵を齧ればキャンディで補修する。ミニパンダ師匠はとても働き者だ。
「もきゅ」
「うん、早くお菓子が食べたいね? でもケガしてるとイケないから」
 日頃はさっぱりとした態度を見せるリーゼロッテだったが、患者を前にした今はしっかりと医師の表情をしていた。たくさんのモーラット達を一匹ずつ丁寧に診て、優しく声を掛けていく。
「先生、この子達も診てくれる? さっき絡まっていたの」
 世理衣が二匹のモーラットを連れてくると、リーゼロッテは快く診察に応じた。
「はーい、任せて♪ ……一度合法的にモラをモフり倒したかったのさぁ……♪」
 一瞬、本音が駄々洩れになっていた気がするが、気のせいだと思いたい。今は診察中のモーラットを膝に乗せ、小さな傷も見逃すまいと隅々まで確認している。
「お耳、よし。はいバンザイしてー……よし。触り心地……ふわぁ♪」
 何かおかしいのが混じった気がするが、れっきとした触診である。
「ふかふか、モフモフぅ……☆ すぅー……」
 触診である。

「イイネいいね、可愛いよ、もふもふ~」
 もきゅもきゅとお菓子を頬張る様子を撮影しながら、蔵人は顔を綻ばせた。
「んー、うちの子と一緒で凄く可愛い」
 視聴者の皆も喜んでくれるかなと呟いた蔵人の下に、リーゼロッテがやってくる。
「全員診終わったよ。この子達はここで保護してれば――」
「「きゅっぴぃ~!」」
 あ、さっきの優しいお姉さんだ。そんな事を言いながら、モーラット達は彼女へと飛び掛かった。ふわふわの和毛が、ぽふぽふと彼女の身体を撫ぜた。
「お? 懐いたモラが……群がってクるぅっ。アタシ、元々ダメな女だけど……もっとダメになっちゃうぅぅうっ♡」
「おーっと、ちょっと今のリリー先生は刺激が強いかなー? 僕のチャンネルはとっても健全なのでーっ!」
 リーゼロッテがフレームアウトし、事態が収拾するまでお菓子の塔を建造するミニパンダ師匠が映る事となった。

 こうしてモラ詰まりは解消され、救出されたモーラット達の興味をモラデビ城から逸らす事に成功した。いよいよオブリビオンとの戦いが始まる。
「……ところでキミは何をしてるんだい?」
 ペトニアロトゥシカの頭の上には、先程まで扉に挟まっていたモーラットが居た。降りてくれないんだけど、とリーゼロッテに相談してみるものの、
「健康状態は極めて良好。そうね、飽きたら降りるんじゃない?」
 降ろす術は無いらしい。
「……まあ、邪魔にならないならいいんだけどね」
 モーラットはまるで巨大ロボットの操縦でもするかのようにペトニアロトゥシカの角を掴み、機嫌良く一声鳴いた。
「もきゅ!」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『モーラット・デビルキング』

POW   :    モーラット・スタンピード
【圧倒的もふもふ力】を籠めた【体当たり】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【敵対心】のみを攻撃する。
SPD   :    モーラット・オーバーラン
【周りを埋め尽くすモーラットの群れ】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    モーラット・カース
指定した対象を【モーラット】にする。対象が[モーラット]でないならば、死角から【大量のモーラット】を召喚して対象に粘着させる。

イラスト:熊谷狼

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠アルミィ・キングフィッシャーです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 モラ詰まりの原因は、隠し通路の出口の扉が何かに引っ掛かり、扉が途中までしか開かなかった為だった。三十センチ程しかない野良モーラットならば隙間から出入り出来るだろうが、猟兵達には少々厳しい。
 ――そこで猟兵達は扉を蹴破り、向こう側にあった障害物をも吹っ飛ばした。

「もきゅっ?! っぴいいいいえええええッ?!」

 がしゃーんと大きな音を立てて吹っ飛んだのは――玉座。そこに座っていたのは当然、この城の主である『モーラット・デビルキング』だ。

「……も、もきゅ……、きゅっぴ! もきゅ、きゅぴ、きゅっぴぴ! ぴぴきゅもきゅ、もっきゅ、きゅっぷいい~! きゅ! きゅ! もぉお~……きゅいッ!!」

 ……お昼寝の邪魔をされ、モラ王様は大変お怒りらしい。
マルタ・ノヴァ
(適当にモラ語に翻訳してください)
此処からは先は迅速に……って、目の前にいた!?
それにもう言葉がモラ語に!?
こ、こういう可愛いのはボクには似合わない……です(恥ずかしがりながら)

ゴホン、敵の術中に嵌るわけにはいきませんね
空間に魔法陣を配置し、その魔法陣を追加しながら縦横無尽に動き回り相手の死角を突きましょう
モーラットで埋め尽くされる前が勝負になりそうですね
矢を使うのは絵面的にボクが悪者になりそうなので、ボクの質量をぶつける体当たりで勝負です
水だって勢いよく当たれば物凄い固いんですよ!

体当たり後はどうしても足が止まってしまうのでそのままモーラットの波に流されてしまうかもしれませんが本望です


豚玉・もんじゃ
「もっきゅきゅ!」
デビルキングに対してモラスパークをぶつけて懲らしめる。
その為にデビルキングが呼び出したモーラット達に
紛れ込むようにして敵味方区別がつかないようにする。

「もきゅ!:
モーラット・カースは怖くはないから、モーラット達とじゃれ合ったり
時には喧嘩したりしながらデビルキングに接近する。
モーラット達は攻撃的なら無理に反撃せず他のモーラット達に
逃げ込むようにしてモーラットの同士討ちを狙う。

場が混乱してデビルキングにも見分けがつかなくなったところで
モラスパークで奇襲を仕掛ける。

「きゅきゅ~♪」
デビルキングが怯んだら王冠かマント、
もしくはその両方を奪い取って自分が王様であるかのように振る舞う。



 道を拓く為とは言え、随分と大きな音を立ててしまった。恐らく中に居た敵に気付かれた事だろう。
 マルタ・ノヴァは扉が開くが早いか滑り込むように室内に侵入し、仲間の安全を確保すべく周囲に視線を走らせた。
「此処から先は迅速ぴ……っきゅ、もっきゅぴ?!」
「もきゅきゅぴ! もっきゅう!!」
 隠し通路を抜けるなり、『モーラット・デビルキング』とエンカウント。モラ王は何やらキレ散らかしており、自身に対しては既にモーラット語になる罠が発動している。迅速どころではない展開の速さには少々マルタも困惑していた。
「きゅ、きゅぴ……もきゅ」
(「こ、こういう可愛いのはボクには似合わない……です」)
 陽光に照らされた湖面のような頬に、ほんのりと朱が差した。その様子がまた愛らしいのだが、マルタには自覚が無いらしい。
「きゅきゅい~!」
 そんな彼女の様子も知った事ではないと、モラ王は配下を呼びつけた。無数のモーラット達がぴきゅぴきゅと鳴き声を上げながら、津波のように押し寄せる。
「ぷい。もきゅ……っ」
 このままでは敵の術中だ。気を取り直し、マルタは周囲に魔法陣を展開した。設置した魔法陣に飛び込むように跳躍すれば、彼女は驚異的な加速を見せた。
(「これなら普通のモーラットには追い付けないはずです。あれ、あそこに居るのは……」)
 マルタの視線の先には、モーラットの群れに紛れる豚玉・もんじゃ。彼には胸元に特徴的な模様があるのだが、普通のモーラットがそれを気にする事は無いだろう。
 なるほど敵の群れに潜入したのか、と感心するマルタは気付かなかったが、当のもんじゃは今、喧嘩の真っ最中である。
「もきゅぅ~!」
「もっきゅ~!」
 最初はもんじゃも周囲のモーラットとおしくらまんじゅうをしながら和やかな雰囲気だったのだ。だが、もんじゃがぽろりと落とした食べかけの焼き菓子により、状況は一変する。
 ちょーだい! 僕がもらう! 俺の! わけて! けちんぼ!
 モーラットの数が少なければ仲良く分け合うのもやぶさかでないが、全員に行き渡る量が無い以上は新たな争いを生みそうだ。むむむと考えた末に、もんじゃは新たな悪戯を思いつく。
「もきゅ!」
「ぴぴきゅ」
 もんじゃの頼みに、お安い御用だとマルタは駆け出した。群れを攪乱するように駆けまわった後、彼女が回り込んだのは――モラ王の背後。
 ――ぱしっ。
 もんじゃの投げた菓子をキャッチしたマルタは、空中に設置した魔法陣を経てモラ王へと体当たりを喰らわせる。ソーダ水で構成された身体も、圧力が掛かれば凶器と同じなのだ。真後ろから車に撥ねられたような衝撃を受けたモラ王は、直後、正面から自身の召喚したモーラットの群れに襲われた。
「もきゅ♪」「きゅっぴい♪」
「もきゅう~?!」
 彼らの狙いはマルタの手元にある焼き菓子だ。もふもふとした波に飲まれ、モラ王が悲鳴を上げる。
「もっきゅきゅ!」
 どさくさに紛れ、もんじゃがモラ王の下へと辿り着く。モラ王も自身の前に立つのが猟兵であると理解はしたものの、
「……もきゅ?」
 モーラット・カース、指定した対象を【モーラット】にする。けれど、目の前の敵は元々モーラットで――、どうしたら良いかわからずにおめめをぐるぐるさせたモラ王の目の前で、もんじゃのパチパチ静電気が炸裂した。
「きゅきゅ~♪」
「きゅ! ぎゅう!」
 ころんと落ちた王冠をすかさず拾い上げ、もんじゃは自分の頭に乗せる。短いおててでぺちぺちと叩き合いながら「俺が王様だ!」「返せ!」とじゃれ合っていると、
「……もきゅ?」
「きゅ、きゅっぴ?!」
「もきゅう~!」
「「「もきゅぴ~?!」」」
 ――あれれ、お菓子はどこいった?
 既に誰かのお腹に納まってしまったお菓子を求めて暴走するモーラット達の波に飲まれ、マルタともんじゃ、そしてモラ王までが流されていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

鈴乃宮・影華
おっと魔王様お怒りですか、と煽り入れるはずが
マジでもきゅもきゅしか言えない始末
なんか体内からも蟲達の戸惑ってる感が凄い伝わってきますねぇ

――よし、このUCにしよう
「わたし、鈴乃宮・光華!モラ王ちゃんよろしくにゃん♪」
という訳でいい年して学生服なのにモラ語は恥ずかしい影華ちゃんはお休み
楽しいの大好きお姉ちゃんの出番なのだにゃー
人格交代ではなく演技なのでそこんトコよろ!
後は粘着してきた大量のモーラットをサイクロンで吹き飛ばしつつ
モラ王様を『赫左』でぶん殴ったり、『鈍』で峰打ちじゃから安心いたせいとかして攻撃にゃ
他にもほーらモラ王様、めっちゃ身体が重くなるスポットライト(『伍光』)だよー?


ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード
きゅー、「もきゅ」きゅぴもきゅぴー。
もきゅ、ぴきゅっきゅう。

きゅう、もきゅもきゅ?
もっきゅきゅきゅっぷいきゅきゅっぴ。

もきゅもきゅぷいきゅっきゅ、
【もきゅっきゅきゅーきゅ】きゅきゅっぴぴ。

もきゅみゅもきゅ、きゅっぴい。



「も、もぎゅ……」
 自身が召喚したはずのモーラット達にもみくちゃにされ、モラ王の毛並みはボサボサになっていた。猟兵から取り返した王冠を被り直し、ぷんすこと小さな手を振り回している。
「きゅっぴ、もきゅうぴきゅ……きゅぴ?!」
 お怒りの王様を煽ろうとして、鈴乃宮・影華はもきゅもきゅとしか話せなくなっている事に気付いた。心なしか体内の蟲達も戸惑っているのか、妙にざわついている。
「きゅう、もきゅもきゅ?」
 困惑する影華とは対照的に、ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストードは随分と落ち着いたものだ。
「……もきゅ」
「きゅー、『もきゅ』きゅぴもきゅぴー」
 ただ話す言語がモーラット語になっただけ。何なら『綿羊毛』で自身を覆えば気分はモーラットだと、ペトニアロトゥシカはふわふわもこもことした姿になって見せるが、人間である影華に出来る芸当ではない。
 かくなる上は。羞恥が振り切ってしまった影華は、ユーベルコードで記憶を再現し、姉である『光華』をその身に顕現させた。
「もきゅ、きゅきゅぴっぴ! もきゅきゅ……っきゃ♪」
 モラ王ちゃん、よろしくにゃん♪
 楽しい事が大好きだった姉ならば、この状況を受け入れ、むしろ楽しむだろう。たとえ演技であっても弾むような口調でもきゅもきゅと言えば、心も軽くなるようだった。シルフィードであった姉のように風を纏い、軽やかに床を蹴る。
「もきゅ! きゅっぴぴきゅ、もっきゅー!」
「きゅぴ♪」
 モーラット語の罠を受け入れたのなら、いっそモーラットになってしまえ。モラ王が言うなり、何処からともなくモーラットの群れが現れた。冬場にタイツに張り付いてしまうスカートのように――要は静電気によって、たくさんの毛玉がもきゅもきゅと影華にくっついていく。
「もぷ!」
 モーラット達で影華を足止めしたモラ王は、ぷくりと体毛を膨らませた。数十センチの毛玉と化したモラ王は、ペトニアロトゥシカ目掛けて突進する。
「もきゅ」
 迎え撃つペトニアロトゥシカは、ちらりと視線を上に向けた。救出の際に何故か懐いてしまった野良モーラットが相変わらず頭上を浮遊しており、このままでは巻き込んでしまいそうだ。
「……ふっ」
 短く息を吹きつければ、綿毛のように上へと舞った。竜の吐息に乗ったモーラットは、きゃっきゃと楽しそうな声を上げている。
「もっきゅぁーッ!」
「きゅきゅっぴぴ!」
 ……フカァ……。
 楽しそうなモーラットの下で、両者が激突した。圧倒的もふもふ力の塊と、あらゆる耐性を備えた被毛。もふもふ好きならいっそ挟まりたいと思う戦いである。だというのにぶつかり合う二人の足元の床には亀裂が入り、やはりオブリビオンと猟兵の戦いなのだと痛感させられる。
「も……きゅッ」
 ふかふか対決は、ペトニアロトゥシカに軍配が上がる。元よりモラ王の体当たりが効果を及ぼすのは敵対心に対してのみだ。敵対心を削がれた所で戦闘がルーティンと化している彼女が止まるはずもなく、吹っ飛んだモラ王は弧を描いて影華の下へ。
「もきゅきゅっ」
「もっきゅう~?!」
 モーラットにされる前に浄化のサイクロンで抜け出した影華は、黒燐創鋼戯『鈍』を手にした。――ただし、構えはバッティングフォーム。姉がホームランバットを用いた記憶はほとんど無かったが、影華は美しいフォームで振り抜いた。
「もきゅきゅっぴ」
 峰打ちじゃ、安心いたせい。何一つ安心要素が無いまま、哀れなモラ王は天井で跳ね返り、床へと叩きつけられた。城の天井が無かったら場外ホームランをキメられていた事だろう。
「もきゅみゅもきゅ、きゅっぴい」
「きゅぴぴ」
 攻守交替。バットになる武器を持参していないペトニアロトゥシカはぶんぶんと太い尾を振り、影華はミットと呼ぶには凶悪な赤手を装着している。
「……もきゅ……もきゅ?!」
 そーっと逃げようとしたモラ王は、びたんと床に押し付けられた。振り返れば、にこにこと微笑む影華と目があった。
「もきゅー?」
 ほーらモラ王様、めっちゃ身体が重くなるスポットライトだよー? 周辺の重力を弄られたモラ王は逃げる事も出来ず、きゅぴいと切ない声を上げた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

リーゼロッテ・ローデンヴァルト
【POW】
※アドリブ・装備活用歓迎
※絡み・ギャグ・キャラ崩壊可
※目を輝かせてモラ語堪能

わぁぁぁぁ、これまたかーいいモラ王様ぁ♪
お昼寝の邪魔してごめんね?
だいじょぶ、おねーさんが眠らせてあげる♡

予め眼鏡は【スター・ゲイザー】に交換済
【ヘイズ・ウォーカー】を起動して躊躇なく王様モフっ♪
※普段は如何わしい欲求だが今回は健全に?モフり欲亢進中

当然ソコに愛はあっても敵対心は皆無だから
体当たりでメロメロでも身体強化と併せて行為は止まず♡
ああぁぁぁ、モラ王様可愛いよぉぉぉ♪

そして《瞬間思考力》と眼鏡の力で見出した『命脈点』を
丹念にクリクリ…気持ちいい安らかな眠りを齎して
骸の海にイカせてあげるね、おやすみっ♪


灘原・世理衣
モラ王が悪事を働く前に倒さなくちゃもきゅ
『モーラット語は可愛らしいけど、悪いオブリビオンの好きにはさせないもきゅ』

私達は夫婦かつ元は同じ一人の人間、世界の加護だけじゃなくて以心伝心もバッチリよ
今回は私が長剣を持って前衛を務めるかしら、ダーリンは後衛から援護をよろしくもきゅ
『モラ王を逃がさない為にも、扉を背にするもきゅ。ハニーに迷惑をかける、不届きな大量のモーラットに、【妻を守る視線】で動きを止めるもきゅ!
 きゅっ、私が大量のモーラットに粘着されても、むしろその大量のモーラットの質量を共にして、モラ王の動きを邪魔するもきゅ!』
ダーリンの頑張りに応えるべく、モーラット達が再び動く前に決めるもきゅ!


巨海・蔵人
アドリブ絡み歓迎

■心情
うん、かわいいよねモーラット。
以前のモーラットは愛を知って銀誓館の人達とパートナーになった子達だそうだけど、猟兵に覚醒した子とも違う感じで
今回会った子もみんないい子だね

■対策
もら語?言葉も通じるし、何か問題があったかな?
あ、チャンネルをみている人には不便だから、カメラで映るあたりに字幕を浮かべておくね
後、野良モラさん達には快適に過ごしてもらってるよ、このモラ王城を囲むモーラットパークで

■合法モラ補給
と、いう事で外は今こういう感じだよ。モラパークをモラ王君にも配信
(見た目に反して戦闘センスは皆無、だけど、見た目通りに怪力。
自分から飛び込んで来てくれるモラ王君!思い切りもふる



「モラ王が悪事を働ぷきゅもっきゅぴ」
『モーラット語は可愛らしいけど、悪いオぷぴきゅっぴもきゅきゅ』
 猟兵がどんなに真剣な表情で言った所で、発せられた言葉がこれである。どうだ参ったかと言わんばかりの表情で胸を張るモラ王の前で、灘原・世理衣は夫の瀬利亥と見つめ合う。
「もきゅ……」
『きゅい』
 二人は困るどころか、やだダーリン可愛い、ハニーもだよ云々といったやり取りをモラ語のまま始めてしまい、モラ王はフレーメン反応を起こしたネコのような顔をしていた。
「も、もきゅ?」
 天輪宗は追い返せたというのに、先程から猟兵達は何処吹く風といった様子だ。モラ王が戸惑いながら巨海・蔵人を見やれば、彼もまた小首を傾げた。
「もきゅ? きゅっぴぴきゅ、もきゅう?」
 もら語? 言葉も通じるし、何か問題があったかな? 強いて挙げるとするならば、このチャンネルを見ている人に伝わらない可能性があるくらいだろうか。それも字幕を付ければ問題ないと、蔵人はすぐに対応する。
 だが少し考えて頂きたい。バイオモンスターらしい巨躯の蔵人が、もきゅもきゅと言っている様を。これぞギャップ萌えである。一部の視聴者の性癖を現在進行形で歪めている事など露知らず、蔵人は配信を続けている。
「もきゅ……」
 モラ王もちょっぴり諦めムードを漂わせつつ、ちらりとリーゼロッテ・ローデンヴァルトに視線を向けた。彼女はにこにこと無邪気な笑顔を浮かべ、きらっきらに目を輝かせながらモラ王を見つめている。
「きゅぴぃぃ、もきゅきゅぴっきゅ♪」
 かーいい、かーいい。褒められて悪い気はしないものの、モーラット語を全力で楽しんでいる様子に、モラ王は無い肩を落とした。罠って何だっけ。まるいシルエットに、そこはかとなく哀愁が漂っている。
「きゅ……っ、もっきゅぁあーッ!」
 おのれ猟兵、貴様らもモーラットになってしまえ! と、癇癪を起こしたモラ王はモーラットの大群を召喚し、世理衣へとけしかけた。毛玉の津波に飲まれ、灘原夫妻の姿が消える。
「もきゅ……っ」
『もきゅぴっ』
 もふもふの海から顔を出したのは、眼鏡を掛けた二匹のモーラット。世理衣達はモラ王によって、モーラットにされてしまったようだ。人がモーラットにされる瞬間を目の当たりにしたリーゼロッテが、よろりとふらついた。
「きゅ……っ」
「もっきゅっきゅ!」
 恐ろしかろう! モラ王の満足そうな高笑いが響く。
 ――だが実際の所は、「仲間をもふるわけにはいかない」という良識から来る葛藤である。目下、モフり欲異常亢進中。そんな彼女に、蔵人は提案をした。
「きゅぴぴっぴ、もきゅ」
 仲間をもふれないのなら、モラ王をもふれば良いと思うんだ。何なら僕ももふりに行くよ――、良い笑顔を浮かべた蔵人に、リーゼロッテはサムズアップを返した。
「きゅ、きゅいい~?!」
 やだこの人たち怖い。モラ王は脱兎の如く逃げ出すが、隠し通路の前は長剣を携えたモーラットが陣取っていた。モラ世理衣は小さなおててで自分よりも大きな西洋剣を器用に構え、モラ王を迎え撃つ。
「きゅぴぴッ、ぴ……ぴきゅう~?!」
 隠し通路が使えないのなら正門から――、だがその扉はモラ瀬利亥が守っていた。粘着するモーラットの群れを逆手に取り、大きな扉を覆ってしまっている。
『きゅっ』
 その上、瀬利亥の視線に捕らわれてしまっては、逃げる事は不可能だ。やぶれかぶれに体当たりをしてみたものの、モラ王はあっさりと蔵人の腕に抱き留められた。
「もっきゅきゅ、きゅい~!」
 モラ王君が自分から飛び込んできてくれたよ! ビデオドローンに笑顔を向ける蔵人の腕の中で、モラ王はばたばたと藻掻いている。猟兵に抱っこされた様子が配信されるなど屈辱だと騒いでいるものの、逞しい腕はびくともしない。
 蔵人の見た目通りの怪力と、巨体に反した優しい手つき。妙に居心地が良くて、だからこそ悔しくて。モラ王はきいきいと金切声を上げた。
「きゅぴ、もっきゅきゅ?」
「……もきゅ?」
 そういえば、お城を出ても逃げられないよ? そんな事を言う蔵人を、モラ王は不思議そうに見上げた。見せた方が早いかなとテレビウム型ドローンを操作し、蔵人は外の様子を配信する。
「きゅ?!」
 モラデビ城を取り囲むように建てられた、『モラパーク』。野良モーラット達が楽しそうに遊ぶ遊具は全てお菓子で出来ており、正直言って羨ましい。野良モーラット達の様子を伺いながら「今回会った子もみんないい子だね」と呟いた蔵人に、モラ王は思わず「自分もいい子にしてたらここで遊べる?」と尋ねそうになり、慌ててかぶりを振った。自分はわるくてつよくてすごい王様なのだ。
「もきゅ……♡」
 考え事をして隙だらけの王様に、にょきりと白い手が伸びた。繊細な造りの手指は思いの外力強く、モラ王はあっという間にリーゼロッテの腕の中にすっぽりと収まってしまう。
「きゅ、きゅぴ?!」
「もきゅ? きゅきゅ、もっきゅぴぃ♡」
 お昼寝の邪魔してごめんね? 耳元で囁かれ、モラ王の被毛がふるふると膨らんだ。柔らかな毛並みをさわさわとまさぐる指は、的確にモラ王が心地良いと思う箇所を撫ぜてゆく。
「きゅぴ……♪」
「も、きゅう……」
 リーゼロッテの眼鏡型宝貝は正確に『命脈点』を可視化しており、ピンポイントで突かれたモラ王はとろんと蕩けた表情をしていた。最早されるがままだ。時折ぽふぽふと体当たりらしき行動をしてみるも、リーゼロッテを喜ばせるだけだった。
「もきゅぴぃ……」
 城の出入口は世理衣達に塞がれていて、逃げられそうも無い。仮に外に出られたとしても、蔵人のモラパークの魅力に抗う自信はこれっぽっちも無い。そして何よりリーゼロッテに甘やかされている現状が、如何ともし難い。
 モラ王はきりりと真剣な表情で、猟兵達を倒すべく策を練り始める。

 ……スヤァ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アカネ・ケンプフェルト
すごい音がしたと思ったらモラ王さんが。
玉座に繋がっていたのね。所謂脱出用の隠し通路と考えると、すごく凝ったお城……あら?もう言葉がモーラットに。

すごいすごい!私のモーラットとも、こうしてお話してみたかったの。夢みたい。
今回限りなのは残念だけど、オブリビオンなので仕方ありません。

もきゅっきゅ、きゅっきゅぴ!きゅっぴ!……もきゅ、きゅっきゅぴー!
(モラ王さん、全力で退治します!覚悟!……ゴーストイグニッション!)

断末魔の瞳までモーラットらしいクリっとした瞳になったら、魔法の鞄から持っている銃が全て飛び出して。
銃から次々放つ雑霊弾で攻撃です。もっきゅー!(Feuer!!)

こんなにもきゅもきゅしていたら、今の私はモーラットと認めて貰えないかしら?どうでしょうモラ王さん?ダメですか……?と、モラ瞳で訴えかけてみます。

もし死角からモーラットが迫ってきても、大量ならば気配を察して鞄を振り回し弾いてみます。失敗して粘着されても大丈夫!雑霊弾は自動追尾で、私の魔法の銃は自動射撃だから簡単には止まりません!



「もきゅぴ」
 ゆさゆさ。
「もっきゅ」
 ゆさゆさ。
 気持ち良さそうにお昼寝の続きを始めてしまったモラ王を、アカネ・ケンプフェルトが揺り起こす。隠し通路が玉座に繋がっていた事から用心深いのかと思いきや、随分とのんきなものである。
「ぴぴきゅ」
「スヤ……きゅ、きゅぴ~? ……ハッ」
 目を覚ましたモラ王は大慌てでアカネから距離を取り、王様らしく自信に満ちた表情で胸を張った。直前にマントの裾でよだれを拭っていたようだが、アカネはそんなモラ王をほっこりとした表情で眺めている。――二児の母である彼女の家庭では、服で口を拭われるなど日常茶飯事なのかもしれない。
「もきゅっきゅ、きゅっきゅぴ!」
 そんなモラ王を前に、アカネは「全力で討ちます」と宣言する。寝ている隙に退治するのは容易かったが、モーラットのオブリビオンという存在に少なからず興味があった。改めて『モーラット・デビルキング』を観察してみれば、形状こそモーラットヒーローに類似しているものの、所々に禍々しさが顕れている。
「もきゅう、きゅぴっぴ!」
 対するモラ王は、アカネの態度に甚く満足そうにしていた。玉座ごと吹っ飛ばされ、王冠を奪われ、野球の球にされ、挙句もふもふふるもっふ。自分に向き合ってくれるアカネの登場により、モラ王が「ようやくラスボス感が出てきた!」と内心大喜びしているのも無理からぬ事だった。
(「すごいすごい! 私のモーラットとも、こうしてお話してみたかったの。夢みたい。……だけど」)
 自称、つよくてわるくてすごい王様。それはアカネのよく知る『癒しの心を得た妖獣』とは異なっていて、骸の海で変質してしまった存在だと思い知らされる。
 モルルとは、――かつての相棒とは、会話は出来なくとも心で通じ合っていた。多少残念に思う気持ちはあれど、オブリビオンの力など借りるまでもない。
「きゅっぴ! ……もきゅ、きゅっきゅぴー!」
 ゴーストイグニッション。使役の代わりに地縛霊を宿したアカネに、モラ王はすかさず呪いを発動する。
「もっきゅもきゅっぴっぴーッ!」
 ぽふんと気の抜ける音と共に、アカネは身体が縮んだ事を自覚した。なお、身体の大きさに合わせてディアンドルまで縮んだのはご都合主義という事でご了承頂きたい。
「きゅーぴっぴー!」
「もきゅ?」
 それではろくに武器も持てまいとモラ王は高笑いするが、アカネはきょとんとした顔でクリクリのまんまるおめめを彼に向ける。非常に分かり難いが、これが今のアカネの断末魔の瞳である。
「もきゅぴ」
 ぱか。アカネが持参した鞄が開き、中から銃が飛び出した。使い込まれたガンナイフに、葉の細工が芸術品のような精霊銃、純白のマスケット、そして薄桃色のリボルバー。アカネの周囲を踊るように浮遊し、一斉にモラ王へと銃口を向けた。
「きゅ?! もっきゅっぴーッ!!」
 焦ったモラ王は配下を呼び寄せ、アカネの足止めを命じる。アカネ目掛けてもふもふと毛玉の波が押し寄せるが、
「もきゅう……?」
 やっぱり元が人間ではモーラットとは認めて貰えないのだろうか。アカネが「ダメですか?」とモラモラしい瞳を潤ませると、配下達はぴたりと足を止めた。
「も、もきゅ?」
「きゅい……」「もーきゅもーきゅ」「きゅっぴ」
 王様が女子を泣かせてるー。サイテー。いーけないんだ、いけないんだー。狼狽えるモラ王に、配下のモーラット達はジトりとした目を向けている。
 お前達どっちの味方なの?! 嘆くモラ王をちょっぴり不憫に思いつつ、アカネはにっこりと笑顔を向けた。
「もっきゅー!」
 Feuer!! アカネの号令で、銃が一斉に火を噴いた。放たれた雑霊弾も、そこはかとなくもきゅもきゅした霊で構成されているように見えるのは気のせいだろうか。
「も……もきゅぴ……ッ」
 モラ王は全速力で飛んで逃げるが、この弾速では追い付かれるのも時間の問題だ――、彼は倒れていた玉座を見つけ、陰にするりと滑り込んだ。
「もっきゅ、きゅぴぴもきゅ。……もきゅっ♪」
 ご存じないようですが、雑霊弾は自動追尾なので。モーラットの姿でてへぺろするアカネが見守る中、雑霊弾がカーブを描いた。なお今回アカネに協力した地縛霊は、ここ山岳信仰の残る徳島の地に宿る強力な霊である。
 着弾。モラ王の悲痛な鳴き声が響き渡った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

尾花・ニイヅキ
【もきゅるぴきゅっぴ】
も、もきゅぴぴ、もらっきゅっぴ……!
きゅぴ、もきゅぴきゅっぴぴきゅもきゅぴきゅ? もきゅ、もきゅきゅぴぴきゅもきゅぴっぴきゅ……。
……もきゅ。もきゅきゅぴきゅきゅきゅぴ。もきゅぴきゅぴも、もーきゅっぴきゅっぴぴぷっきゅぴもきゅぴぴぴ――!

きゅぴきゅもらきゅぴきゅきゅっぴきゅもきゅぴっぴきゅっぴ。もきゅっぴぃ、もきゅぴっぴもらきゅぴもきゅきゅぴきゅぴぃ……!
もらきゅぴきゅもっきゅぴきゅきゅっぴもきゅきゅぴもきゅぴぴもらきゅぴもっきゅぴもきゅきゅぴきゅ。

きゅ?『もきゅぴもーらっきゅもきゅぴぴっきゅもきゅ、ぴぴきゅぴもきゅ』?
……もきゅぴっぴもきゅぴぴぴきゅう……もきゅ、きゅっぴぴぃ!
もきゅぴぴぴもーっきゅきゅぴっぴもきゅぴもっきゅう!
もきゅぴ、もきゅぴきゅぴきゅっきゅぴもきゅぴっきゅもきゅもきゅっぴきゅぷ!

……もきゅっぴきゅぴもっきゅもっきゅぴぃ……!もっきゅ、もきゅきゅきゅっぴ?
もきゅ、もきゅっぴもきゅっぴもんきゅきゅぴ~……っきゅ。
きゅきゅ、もきゅもきゅぴぃ……。


青梅・仁
【もきゅるぴきゅっぴ】
もきゅーん、もきゅぴきゅぴもきゅぴもきゅぴきゅっぴぴきゅ……もきゅぴっきゅぴきゅっぴもきゅぴん。
もきゅ、もきゅぴきゅぴぴもきゅぴぴもきゅっぴ!!

もらきゅぴきゅぴぴ、もーきゅぴぴきゅぴきゅうぴ?
もきゅぴぴぴもきゅぴぴもきゅぴきゅぴもきゅぴぴきゅぴぴ――きゅ、もきゅぴきゅもきゅぴぴきゅもきゅっぴきゅっぴ?もきゅもきゅぴきゅぴきゅーぴぴ!!

もきゅぴぴもきゅもきゅぴもきゅぴっきゅきゅもきゅっぴきゅぴぴ?
もきゅぴっきゅ、もきゅぴきゅぴぴもきゅぴぴきゅもきゅっぴきゅもきゅぴっきゅぴきゅもっきゅもっきゅぴっぴきゅ。
もきゅぴぴぴ、もきゅぴぴきゅぴぴきゅもきゅぴきゅきゅぴぴきゅ?
きゅぴるぴもきゅっぴもきゅぴぴもきゅぴぴきゅぴぴ、もきゅぴぴきゅもっきゅぴきゅもきゅぴぴきゅもきゅぴきゅ。

もきゅぴきゅきゅぴぴもきゅぴきゅぴぴっきゅ?
もきゅ、もきゅぴぴきゅぴもきゅぴぴきゅもきゅぴきゅ?

もきゅぴぴきゅんもきゅぴもきゅっぴきゅるぴ、もきゅぴきゅっぴぴもきゅぴきゅぴきゅぴんきゅぴぴきゅ……。



「も、もきゅぴぴ、もらっきゅっぴ……!」
 尾花・ニイヅキの言う通り、少々禍々しい箇所にさえ目を瞑れば、『モーラット・デビルキング』はモーラットではある。ふわっふわの妖獣である。本来の癒しの心が得られなかったり骸の海を経て何かがおかしくなってしまった、きっとそんな悲しい存在なのだろう。
「もきゅきゅっぴ、もきゅ」
 つまり、もふって良い。酷く真面目な顔で宣う少女に、青梅・仁も流石に動揺が隠せない。何だその思考の飛躍。
「もきゅぴ……?」
「きゅっぷい」
 一刀両断。だがあのようななりをしていてもオブリビオン、油断すべきではない――、仁は溜息混じりに苦言を呈した。
「もきゅーん、もきゅぴきゅぴもきゅぴもきゅぴきゅっぴぴきゅ……もきゅぴっきゅぴきゅっぴもきゅぴん。もきゅ、もきゅぴきゅぴぴもきゅぴぴもきゅっぴ!!」
 大体お前さんはな、とまだまだ続きそうな保護者の説教に、ニイヅキだけでなくモラ王まで顔を顰めている。それどころかニイヅキの視線には嫌に冷たい色が乗っていた。
「……ぴきゅぃ」
 思わずニイヅキは、本音をぶちまけた。報告書に記すのは憚られた為に詳細は省くが、モラ語で話すアラフィフ(実年齢は八百と少し)に対し、随分な言い草である。
「もっきゅぴぴきゅっぴ?!」
「きゅっぴぴぷい!」
 とはいえニイヅキの言う事は尤もで、狂気や呪詛の類への耐性やら神気による防御で仁がこの状況に甘んじる必要のない神格である事は事実。
 つまりこのアラフィフ、ノリノリである。そして十数年しか稼働していない少女に言い返している時点で非常に大人げない。
「もーきゅっぴきゅっぴぴぷっきゅぴもきゅぴぴぴ――!」
「きゅ、もきゅぴきゅもきゅぴぴきゅもきゅっぴきゅっぴ? もきゅもきゅぴきゅぴきゅーぴぴ!!」
 モラ語での言い合いが白熱する中、間に挟まれたモラ王は気付く。
「……きゅぴ……?」
 ……今ならやっつけられるんじゃね? 思わぬチャンスの到来に、善は急げとモラ王が膨れ上がる。少なくとも『善』ではないのだが。
 圧倒的もふもふ力が、お取込み中な二人の間で爆ぜるように跳ねた。
「もっきゅもっきゅっぴぃーッ!」
 もっきゅもきゅにしてやんよ! モーラット・スタンピードが炸裂する……!

 ……フワァ……。

 白くて滑らかな被毛が、二人の顔を撫でた。お日様に当てたお布団の匂いがほんのり漂ってくる気がする。みるみる削がれていく、二人の敵対心。
「……もきゅぴっぴもきゅぴぴぴきゅう……もきゅ、きゅっぴぴぃ!」
 如何に紳士的な振る舞いを心掛けていようと、そこは乙女。小さくて柔らかいものがぽむぽむと体当たりしてくる様に、心が動かぬわけがない。
「もきゅぅ……」
 癒されるぅ……とぽわぽわした表情のニイヅキとは異なり、仁はただ狼狽えていた。
「もきゅぴぴぴ、もきゅぴぴきゅぴぴきゅもきゅぴきゅきゅぴぴきゅ……?」
 正直、もふもふとか割とどうでも良かった。勿論愛らしい物は愛らしいと愛でる心はあるが、ちょっとやそっとの事では動じない程度には永い年月を生きている。しかしながらモーラットの王様のもふもふ力は、そんな仁にも衝撃を与える程のものであった。
「もきゅぴきゅきゅぴぴもきゅぴきゅぴぴっきゅ?!」
 何これ舶来品の白羊毛よりふわふわじゃない? 衝撃のせいか、少しばかり喩えが古い。誤解のないよう、普段の彼はきちんと知識をアップデート出来る龍神である事をここに記しておく。
「……もきゅっぴきゅぴもっきゅもっきゅぴぃ……!」
「もきゅ?!」
 よし、持って帰ろう。ニイヅキの即断即決っぷりに更なる動揺が仁を襲う。今日は緩くて簡単な仕事を請け負ったはずだというのに、心の余裕が迷子である。
「きゅぴるぴもきゅっぴもきゅぴぴもきゅぴぴきゅぴぴ、もきゅぴぴきゅもっきゅぴきゅもきゅぴぴきゅもきゅぴきゅ」
「もっきゅ、もきゅきゅきゅっぴ?」
 大体ニイヅキは仁の社に居候中である。妖獣のテイクアウトだけは勘弁願いたい――、仁の必死の説得に、ニイヅキも落としどころを見つけようと考えに考え抜いた。そこで、一つの答えに辿り着く。
「きゅ? 『もきゅぴもーらっきゅもきゅぴぴっきゅもきゅ、ぴぴきゅぴもきゅ』?」
 そう、『悪いモーラットでなければ持ち帰っても良いのでは?』である。
「もきゅぴきゅるぅ、もきゅ……」
 ニイヅキが言う所の『悪くないモーラット』が野良モーラット達だと解釈した仁は、銀誓館学園の保護活動の話をしつつどうにかそれも諦めさせようとするが、ニイヅキの次の行動は予想とは全く異なるものであった。
「きゅい」
「きゅ?」
 敵対心を削いだ事で安心してふんぞり返っていたモラ王を、ニイヅキは左手でむんずと掴んだ。なお、右手は手刀の形である。
「きゅぴ……?」
 嫌な予感しかしない。ぷるぷる震えるモラ王に、ニイヅキは笑顔で告げた。
「もきゅっぴもきゅきゅ」
 叩けば直る。電化製品ですら叩いて直る事は稀だというのに、オブリビオンを叩いてどうにかなるものだろうか。
 ……そもそもこのユーベルコードに『絶対破壊のワンパン』とルビが振られている時点で察せるというものだ。
「きゅる……」
 おめめを潤ませるモラ王に、無慈悲に手刀が振り下ろされた。これが敵対心など一切ない、心の底から良かれと思って取った行動なのだから恐れ入る。ふわっふわの白い和毛に、ニイヅキの手が飲み込まれる。
「も゛ぎゅびえええっ」
「もーらっきゅっきゅぴ、もっきゅきゅぴぃ……」
 モーラットって身が少ないんだな、と。一連の流れを見守っていた仁は、何処か現実逃避気味に呟いた。見間違いでなければ、ニイヅキの手刀は毛玉のほぼ中央までめり込んでいた。見ているだけで痛い。
「も……もぎゅ……」
「きゅぴぴ?」
 ふらふらと蛇行しながら浮遊するモラ王の背後で、「直ったかな?」とニイヅキが首を傾げている。何一つ直った物は無いし、むしろモラ王の心ならばっきばきに折っている。ここらが潮時だろうと、仁は煙管を取り出した。
「もきゅっ」
「ぷきゅッ」
 すこん。煙管の先で、モラ王の脳天を軽く叩く。当然モラ王も「何をする!」と怒りを露わにしたものの、直後、呆けたようにきょとんと仁を見上げた。
「もきゅっきゅぴぴ、もきゅぴきゅぴぴっきゅ?」
「ぴ」
 仁がやった事はモラ王と同じで、敵対心や攻撃性のみを奪っただけだ。けれど『わるくてつよくてすごいモーラット』から『わるくてつよい』部分を除いたらどうなるか。ただの『すごいモーラット』である。すごくもきゅもきゅしい。
「もきゅぴ?」
 王様、何しに来たんだっけ。目的すらも見失ったモラ王が短い腕を組んで悩んでいると、にゅ、とニイヅキの手が伸びてきた。
「もきゅぴきゅぴきゅっきゅぴもきゅぴっきゅもきゅもきゅっぴきゅぷ!」
「きゅい。……もひゅッ」
 敵対心は消えても、ニイヅキに植え付けられた恐怖心は消えない。優しく伸ばされた手すら恐ろしく、モラ王は何やらもきゅもきゅと早口でまくし立てた。
「きゅっきゅぴ、もっきゅうもきゅぴきゅもきゅ、ぴっぴぴぃ~ッ!」
 王様そろそろおうちに帰る時間だった、じゃあねばいばーい。概ねそんな感じの事を言いながら、モラ王はその辺りをうろついていた配下モーラットの群れに飛び込んだ。驚いたモラ達が一斉にぱちぱちと電気を放ち、モラ王の姿が消える。――まさかの自爆だった。
「もきゅぴきゅっぴぴもきゅぴきゅぴきゅぴんきゅぴぴきゅ……おうち、なあ。骸の海に還ったって事か――お、戻った」
 さてこれでひと段落。笑顔の仁の隣で、ニイヅキの表情は暗い。
「もきゅ、もきゅっぴもきゅっぴもんきゅきゅぴ~……っきゅ。きゅきゅ、もきゅもきゅぴぃ……」
「ん?!」
 何故まだもきゅもきゅ言っているのだろうか。仁が視る限りでは呪いの類が残っているようには見えないが――、彼の心配を余所に、ニイヅキはモラ王が消えた方向を静かに眺めていた。
「……僕、もきゅリンガルを目指そうと思う」
「……好きにしてくれ」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『野良モーラットを捕獲しよう』

POW   :    体力勝負!遊び倒して疲れたところを捕まえるぜ!

SPD   :    よーし、鬼ごっこだ。

WIZ   :    おやつで釣りましょう。あえて目を離せば盗み食いにくるはずです。

イラスト:RAW

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 もっきゅもっきゅ。
 きゅぴぴ。
 もっきゅ~?
 きゅぅ……っぴ!

 モラデビ城の中を、好き勝手探検する野良モーラット達。
 戦場となった玉座の間を除くと、モラ王様のおやつ部屋、おもちゃ部屋、寝室、お風呂、etc...
 どれもこれもあまり広くはないが、野良モーラット達にとっては格好の遊び場だ。

 自由気ままな彼らを保護すべく、猟兵達は城内の探索を開始する。
鈴乃宮・影華
にゃーはっはお次は何して遊ぶかにゃあ……あ゛ッ
ちょッ、戻る時はちゃんと告知してくださいよ!
あーいうのは姉さんだから許されるのであって私のキャラじゃないんですから!


――失礼、取り乱しました
オブリビオン退治が終わったのなら後は撤収……え、野良モラ捕獲もやるんですか?

あー、入城前に仕入れたお菓子(※第1章参照)が多分少し残ってるはずですので
それをちらつかせながらお城探検と洒落込みましょうか
釣られて飛び出て私の視界に入った子から指定UCの餌食になってもらって
後は何処か一室にまとめてそっと積み上げておくか、運搬手段持ってる他の猟兵さんに託すかしましょう



「にゃーはっは! お次は何して遊ぶかにゃあ……あ゛ッ」
 いつの間にやら、もきゅもきゅしていない。その事に気付いた鈴乃宮・影華を、羞恥が襲う。
 呪いじみたモラ語の罠にはふわふわとした笑顔が似合う姉を演じて乗り切ったものの、姉の口調はまた違った気恥しさがあるらしい。
「ちょッ、戻る時はちゃんと告知してくださいよ! あーいうのは姉さんだから許されるのであって私のキャラじゃないんですから!」
 とっとと骸の海に還っていったモラ王に悪態を吐く彼女の頬は、微かに赤らんでいた。口元を覆うように朱殷色のマフラーを巻いていた頃よりも、随分と表情が表に出ているのではなかろうか。
「――失礼、取り乱しました」
 こほんと一つ、咳払い。オブリビオンが片付いたのなら後は速やかに撤収しようと踵を返した影華の前を、ぽんぽんと毛玉が跳ねて通り過ぎた。周囲を見回せば猟兵達が慌ただしく野良モーラットを追いかけ回している。
「……仕方ありませんね」
 見て見ぬ振りが出来ないのは性分だろうか。もうひと仕事終えてから帰るとしよう――、影華は先程の残りのお菓子を取り出した。黒燐蟲にあげる分が減ってしまうが致し方ない。きっと蟲達も許してくれるだろう。
「もきゅ?」
「きゅっ」
 香ばしい匂いのする菓子をちらつかせ、影華は何食わぬ顔でお城の廊下を歩く。するとあちらこちらに隠れていた野良モーラット達がひょこりと顔を覗かせた。焼き菓子一つで随分な入れ食い状態だ。
(「私のユーベルコードの餌食になってもらいましょう」)
「きゅぴ」
「きゅ。すー……」
 餌食だと冷めた言い回しで、けれど影華の眼差しは多分に慈愛を孕んでいて。彼女は視界に入るなりすやすやと寝息を立て始めたモーラット達を、優しい手つきで抱き上げた。モラ王の寝室と思しき柔らかな敷物のある部屋に連れていき、そっと横たえる。
「ぴー……」
「もぷー……もぷー……」
 バランスを取りながら毛玉を積み上げていくのは、ちょっとしたゲーム感覚だ。何段か積み上げた所で、はたと我に返る。
「……あ、後は運搬出来る方に託しましょうか」
 影華は思わず緩みそうになった頬を、きりりと引き締めた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード
もきゅー、もきゅっぴ。
きゅぴ、きゅっぷい。
もきゅもきゅ、きゅっぴ。
【きゅきゅっぴーきゅぴもきゅ】もきゅ。
もっきゅっきゅ、もきゅすぴー。

※訳
(あれ、もきゅが戻らないなあ。まあ、そのうち治るだろうしべつにいっか。
んー、モーラットたち追いかけるの面倒だし、おやつで釣ろうか。
まんぷく袋からおやつを取り出して【誘眠綿閨】で出した綿毛の近くに置いておけば、
お腹いっぱいになったモーラットが綿毛の上でお昼寝して、
簡単に集められるんじゃないかな。
目を離した方が寄ってきそうだし疲れてて眠いから、
あたしも出した綿毛に転がって寝てよう。
おやすみー。)


リーゼロッテ・ローデンヴァルト
【WIZ】
※アドリブ・装備活用大歓迎
※絡み・ギャグ・キャラ崩壊可

さ、遊び回る皆を如何にモフ…もとい保護しようかな
『お菓子抱いて寝ればエエんちゃう?』
『…あまり汚れない焼き菓子なら…』

アタシの悩みに応えたのは【フィーバー・ガールズ】
《ワイちゃん》と《わたくし》、ドコかで見た2人の幻
※新し親分型&妲己型のサイバーゴースト
ソレがノリノリで共同案提出…2人もモフりたいの?

『…恥ずかしながら…』『勿論やねっ!』

【マトリクス・メモリ】で『焼き菓子の発生源』展開
甘い香りと焼き菓子たっぷりの寝室で3人狸寝入り
胸元の上質クッキー他に飛び込む子達を全力ハグ
わぁぁ、モフいよぉぉぉっ♡

『…ふわふわ…♪』『ええやん☆』



「きゅっきゅぴ」
「もきゅっ」
「もきゅー、もきゅっぴ。……ぴ?」
 あれ、もきゅが戻らないなあ。モラ王は撃退したというのに、ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストードの発する言葉はまだもきゅもきゅした鳴き声に変換されていた。城も少しの間は残り続けるようなので、この辺りも個人差があるのかもしれない。
「きゅぴ、きゅっぷい」
 まあ、べつにいっか。仲間との意思の疎通も滞りなく、術者が居なければ元に戻るのも時間の問題だ。特に気にする様子もなく、ペトニアロトゥシカは悠然と構えている。
「もきゅ」
 言葉よりも周りでぽんぽこ跳ね回っている野良モーラット達をどう捕獲するかの方が重要だ。今日は激しい戦闘は無かったものの、野良モーラットを怪我させぬように巻き込まぬようにと何かと気疲れする事が多かった。むしろ強敵と派手に殴り合った方がまだ疲れなかったかもしれない。――端的に言ってしまえば、『面倒』の一言に尽きる。
「きゅっぴ」
 追いかけ回すより、釣ろう。ペトニアロトゥシカは動物の刺繍があしらわれた袋を取り出し、おやつをいくつか見繕う。
「もきゅー」
「きゅきゅい」
「きゅぴ!」
 まだ『まんぷく袋』の中に手を入れただけだというのに、おやつの気配を察したモーラット達が集まってきた。大変にチョロい。
「……もきゅ」

「さ、遊び回る皆を如何にモフ……もとい保護しようかな」
 本音を漏らしつつリーゼロッテ・ローデンヴァルトが傍らのフィーバー・ガールズに助言を求めれば、快活そうな制服姿の女性、通称《ワイちゃん》の幻影がからりと笑った。
『お菓子抱いてればエエんちゃう? あとは寝てても平気やろ』
『そんな簡単に……』
 片や嫋やかな漢服の女性、《わたくし》の幻影は困ったように眉尻を下げる。
『だって、ほら』
 《ワイちゃん》が指した方向を見やれば、おやつを手にしたペトニアロトゥシカがもきゅもきゅと取り囲まれていた。大人気である。
『……あまり汚れない焼き菓子なら』
 あっさりと陥落した。そんなこんなで共同案を提出してきた二人に、リーゼロッテが尋ねる。
「二人もモフりたいの?」
『……恥ずかしながら……』
『勿論やねっ!』
 即答であった。そしてモフれるならばリーゼロッテとしても否やはない。彼女は持参した可変式記録媒体『マトリクス・メモリ』を用い、焼き菓子と香りを再現する。
「きゅう?」
「もっきゅ♪」
 甘い香りを漂わせて数秒後。ぴょこりと顔を出したモーラット達に、リーゼロッテは破顔した。
「わぁ♡ こっちに……ん? このふわふわは……?!」
 もこもこ。もこもこ。何処からともなく降ってくる綿毛が、部屋中に積もっていく。ユーベルコードだと気付いたリーゼロッテがペトニアロトゥシカに視線を向ければ、彼女は力強く頷いた。
「もきゅ」
 おやすみ。寝床を作るユーベルコードで寝る気満々なペトニアロトゥシカに、リーゼロッテは葛藤する。――眠ってしまってはモフれない!
「もっきゅっきゅ、もきゅ……もきゅすぴー。ぷきゅー……ぷきゅー……」
 目を離した方が寄ってきそうだし。そんな言葉を残して寝息を立て始めたペトニアロトゥシカを肯定するように、野良モーラット達は彼女の周りに集まってくる。布団か何かと勘違いしているのか、寝息を立てるペトニアロトゥシカの綿羊毛に無遠慮に潜り込んでいた。
「す、少しだけなら……」
 ふかふかの綿毛の魅力に抗えず、リーゼロッテ達も横になった。全身を包み込むような快適な寝床は、微粒子ビーズ、所謂『人をダメにする』と話題になったアレに似ている。
「ふわぁ……♡」
 ここにモーラットのもふもふが加わったらどうなってしまうのだろうか。上質なクッキーを抱えたまま狸寝入りをする彼女らの腕に、お菓子の匂いを嗅ぎつけた野良モーラット達が潜り込んでくる。
「きゅっぴ」
「きゅーっ」
 しっとりとした滑らかな毛並みが、リーゼロッテの肌をくすぐる。次々と胸元に飛び込んでくるモーラット達に、狸寝入りも限界だ。
「わぁぁ、モフいよぉぉぉっ♡」
「もきゅっ?」
 突然むぎゅ、とハグされて驚いたものの、モーラットはお菓子と睡魔に抗えないらしい。リーゼロッテにされるがまま、ぷきゅぷきゅといびきをかき始めた。
『……ふわふわ……♪』
『ええやん☆』
 サイバーゴーストの二人も、大量のモーラットに囲まれてご満悦だ。存分にお菓子を食べたモーラット達は、猟兵達の上ですやすやと眠り始めた。

 ふっかふかの寝床の上で、もっふもふのモーラット達に埋もれて。猟兵達は、彼らと穏やかな時を過ごした。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

マルタ・ノヴァ
微笑ましいですし放っておいても良いのではと思いましたが、この『城』はいずれ撤去しないといけないでしょうし、その為に保護しておかないといけないでしょうかね

先程の反応的におやつでよく釣れそうですね
モラ王様のおやつ部屋からおやつを拝借して、ネットに入れて引き摺りながら城内を探索すれば、どこかの世界の笛吹き男よろしくついてくるでしょうか?
集まった野良モーラットさん達は天輪宗の方達に保護してもらうかたちでしょうか
その前にもう少しだけモフモフを堪能していってもいいかもしれません
いえ、別に今回の件で癖になったわけではないですが
だ、だから違いますって


巨海・蔵人
アドリブ絡み歓迎
◼️心情
世界結界あるしとやり過ぎ感満載だったモラパーク。
まさか、それすら満足できずにモラデビ城にいるなんて、モーラット恐ろしい子!
しょっぱい系も用意しなかったからかな?
(オカズ系も増やしつつ)
◼️致命的エラー
マッピングもしてるし、
施設の把握はしてるし、
モラパークも更に改良の目処も立てた。
ただ、僕だとね、通路、狭いんだ。
合法もふがorz

テレビウムドローンで細い通路からの誘い出しや保護をしていくよ。
体育座りで映像確認しながら、
モラデビ城もモラパークも期間限定営業だからね。
安全を確保しつつ思う存分遊んで貰おう。
モラデビ城の戸締まりきちんとして、
モラパークの閉鎖も解除一頻り遊んで行くよ



 拡張に拡張を重ね、一大テーマパーク化しつつあるモラパーク。ミニパンダ師匠がお菓子を積み上げる隣で、テレビウム型ドローンを追いかけて野良モーラットがぴょこりと跳ねた。
 徐々に熱が入り、やりすぎ感が否めない仕上がりになったと、巨海・蔵人自身も思う。『世界結界』のあるこの世界では存在を認識されないが、彼の配信を観た他世界の住人達は大盛り上がりだ。だというのに。
「まさか、それすら満足できずにモラデビ城にいるなんて……モーラット、恐ろしい子……!」
 しょっぱい系も用意しなかったからかな? と分析し、モラ満足度を向上すべく蔵人はモラパークの改良に奔走する。

 一方、城内ではマルタ・ノヴァがモーラット達を外に連れ出すべく、モラ王の残したおやつ部屋に向かっていた。
「微笑ましいですし放っておいても良いのではと思いましたが……」
 今の所は無害な野良モーラット達だが、ぱちぱちとした火花も一般人を負傷させるくらいの威力は出せる。城が無くなった後に集団で人里に降りると厄介かもしれない。
「やはり保護しておかないといけないでしょうかね」
 先程の反応を見る限りでは、モーラットを釣るにはおやつが有用そうだ。食糧庫というより本当におやつの類しかないモラ王の部屋はどうかと思うが、折角だから有効活用させて貰おうと見繕ってネットに入れる。
「きゅっ」
「もきゅー♪」
 あえて中が見えるネットに入れたのは効果的だったようだ。マルタが部屋から出るなり、何処に隠れていたのかモーラット達が姿を現した。廊下を歩くマルタの後を追いかけて、ぞろぞろと列が出来始める。
「……どこかの世界の笛吹き男のようですね?」
「ぴ?」
 モーラット達は拍子抜けする程あっさりと付いて来たが、この後はどうしようとマルタは思案する。天輪宗経由で銀誓館学園が保護する話はついているようだが、麓で人払いしていた彼らが到着するまで時間がかかるだろう。
(「引き渡しの前に、もう少しだけモフモフを堪能していってもいいかもしれません」)
「きゅ?」
「いえ、別に今回の件で癖になったわけではないですが」
 もふり。マルタは自分に飛びついてきたモーラットを、何故か言い訳じみた事を言いながら抱き留めた。

 マルタが城内のモーラット達をモラパークに案内すると、お菓子で出来た建物と建物の間に挟まれていた。モーラットではなく、体育座りをした蔵人が。
「……大丈夫ですか?」
「うーん。モラパークの更なる改良の目処を立てたんだけどね。ただ、僕だとね、……狭いんだ」
 蔵人はモラデビ城内の構造を把握し、マッピングまで完璧にこなしたが、如何せん何処も彼処も大柄な彼には狭すぎた。玉座の間は広いが、野良モーラットを連れて狭い廊下を往復するのは少々骨が折れる。
 致し方なく外からドローンを使って映像を確認しつつ作業をしていたらしいが、今や蔵人も増築され続けたモラパークの一部と化していた。
「きゅっきゅ?」
「もっきゅぴきゅ!」
「わわ?!」
 ただでさえ余裕がほとんど無かった蔵人の周囲に、モーラット達が滑り込む。下手に動けば押し潰してしまうかもしれない――、身動きの取れない蔵人に、これ幸いとばかりにモーラット達は居心地の良い隙間を求めてもこもこと動き回っている。
「なるほど。能力者の方々が引き取りに来られるまで、ここに詰まっていれば安心ですね!」
「違うよ?!」
 モーラットは詰まるものである。モーラットを逃がさぬよう習性を利用するとは素晴らしいと一人で納得し、マルタは蔵人の肩に抱いていたモーラットを乗せた。もう一匹くらい乗せられそうだ。
「ちょっと追加のモーラット連れてきますね」
「遊んでない……?」
「そ、そんな事ないですよ?」
 駆けてゆくマルタの足取りは軽い。過酷な生い立ちから気を張っている事の多い彼女だが、実際はまだ十三歳の少女なのだ。素の彼女は年相応のあどけなさがあるのだろう。
「ぴぴきゅ」
「モラデビ城もモラパークも期間限定営業だからね、存分に遊んで貰おうとは思ってたんだけど……」
「もきゅぴっきゅ」
 モーラット達がもぞもぞと動き回る度にもふもふした毛並みが蔵人を撫でて、妙にこそばゆい。まさか自分がモラ詰まりの中心になると思わなかったが、モーラット達が楽しそうな笑顔を向けてくるものだから、蔵人は大人しくアトラクションの一部なる事を決意した。
「……はっ。これがもしや、合法もふ……?」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

灘原・世理衣
オブリビオンは倒して猟兵としての義務は終わったけれど、恩人達の力に、野良モーラット達の捕獲の手伝いはしたい
『……本音は?』
モーラット達と遊びたい!
『素直で、好きだ♪』

広い玉間に遊び道具をたくさん用意して、モーラット達を遊びに、ううん、どうせなら運動会ぐらいしましょう!
『大玉転がし、大縄跳び、棒倒し、などあるよ(大体モーラット基準サイズ)』
私達と遊びたい子達を『愛は無限大』も込めたお誘い(説得)で私達含めてみんな強化して、日が暮れるまで遊びましょう!

はぁ、はぁ、点数の結果はともかく、みんな遊び疲れて眠ったね、モラ王より疲れたかも?
『あとは、寝顔をもふりながら回収』
銀誓館でも元気でね♪(にっこり)



 オブリビオンを倒し、猟兵としての義務は終わった。だが灘原・世理衣の視線はモラデビ城に向けられたままで、彼女は真剣な表情で「けれど」と切り出した。
「……恩人達の力にならないと、ね」
『本音は?』
 ああ、やはりダーリンは何でもお見通しだ。取り繕う必要は無い――、世理衣は破顔する。
「モーラット達と遊びたい!」
 間髪を入れずに答えた妻に、瀬利亥はくすりと笑みを零した。
『そういう所。素直で、好きだ♪』

 では遊びと捕獲をどのように両立しようかと二人で考えた結果、『徹底的に遊んで疲れさせちゃおう』作戦が決行された。
「遊び道具をたくさん用意して、モーラット達を遊びに……ううん、どうせなら運動会ぐらいしましょう!」
 瀬利亥がモラ王のおもちゃ部屋から広い玉座の間へとせっせと運び出し、その間に世理衣が野良モーラット達を愛情たっぷりに誘う。何やら面白そうな事が始まりそうな雰囲気に、彼らはもきゅもきゅと集まってきた。

「さて最初の種目は大玉転がし、両チーム同時にスタートしました。どうでしょう、解説の瀬利亥さん」
『この戦い、飽きずにゴールまでボールを運べた方が勝つでしょうね、実況の世理衣さん』
「なるほど、やはりフリーダムな野良モーラットは途中で飽きる可能性が……って赤組逆走! 逆よ、逆! 白組も待って、お友達転がさないで!」
「もきゅ?」
「きゅっぴぴ?」
 モーラット運動会は開催直後から波乱万丈なようだ。逆走やコースアウトはまだ可愛いもので、世理衣達目掛けてボールがすっ飛んできたり、他のモーラットを大玉代わりに転がしていたり、モーラットそのものがすっ飛んできたり。
 棒倒しをすれば自陣の棒をそっちのけで相手チームに攻め込み、リレーをすればバトンを渡したくないからと二週目を走り、灘原夫妻は奔放に振る舞うモーラット達に日暮れまで振り回される事となった。

「……はぁ、はぁ。点数の結果はともかく……」
「ぷぴー……」
 スイッチが切れたかのようにころりと床に転がって、遊び疲れたモーラット達はすやすやと眠っていた。
「モラ王より疲れたかも」
『あとは回収するだけだね』
 モーラットを抱き上げる際、もふもふと毛並みを堪能するのも忘れない。幸せそうな寝顔を眺め、世理衣は眦を下げた。
「銀誓館でも元気でね♪」

大成功 🔵​🔵​🔵​

アカネ・ケンプフェルト
WIZ

あっ、身体が元に戻りました。さようなら、モラ王さん……
地縛霊さん、ご協力ありがとうございました。

あとは城内に残っている野良モーラットね。お城が消えてしまう前に、私自身も探検を楽しみながら捜しましょう。

私も魔法の鞄からクッキーを呼び出したら、それを手にモーラットさん、何処ですかと呼びかけながらお城を探検。
保護した子は最初と同じように、私の小さな花園でお迎えが来るまで過ごして貰えればと。

ユーベルコードには抵抗しない対象を、なので、クッキーを手品のように吸い込んでお手本を見せたら、あなたもどうぞとモーラットを誘ってみたり。

他にもユーベルコードでお手伝い出来そうな状況があれば、喜んで協力します。


豚玉・もんじゃ
お任せ可
仕返しにあう事も歓迎

野良モーラット達を沢山集めてから後で保護する
モラキンから借りた王冠を付けたまま行動
王様みたいにふんぞり返って野良モーラット達を従えてみたい
おやつ部屋にはまだ沢山残っているだろうからそこに向かう
でも既に野良モーラット達に占拠され
モラ詰まり状態になっていて奪い合いになっている状況
しばらく考えた後、いいアイデアを思いつく
おやつ部屋に鍵をかけ、換気口等の抜け道も塞いで閉じ込める
そうしておけば逃げられることなく保護できると
自慢げにおやつの争奪戦に参加する
野良モーラットと猟兵モーラットとの違いを見せつけるいい機会
お菓子が取れずに落ち込んでいるモーラットがいるなら恵んで手なずける



 アカネ・ケンプフェルトは身体がむくむくと大きくなり、視界が見慣れた高さになるのを感じた。
「あっ、身体が元に戻りました。地縛霊さん、ご協力ありがとうございました」
 モーラットサイズの視点も新鮮ではあったが、やはり何処か落ち着かない。言葉も普通に話せるようになり、しっくりとくる『いつもの自分』にアカネは安堵した。
(「さようなら、モラ王さん……」)
 自分の身体から出て行った地縛霊に感謝を伝え、モラ王には心の中で別れを告げた。微かな寂寥を覚えたアカネの隣を、ぽんぽんと豚玉・もんじゃが跳ねていく。
「きゅっきゅぴ。もきゅー、もきゅぅ」
「わかりました。そちらはお任せしますね」
「きゅっ」
 もんじゃと二手に分かれたアカネは、魔法の鞄からクッキーを取り出した。もちろん見落としの無いようアカネ自身も周囲を注視してはいるが、野良モーラットの方から出てきてくれるのならば、それに越した事は無い。
「モーラットさーん、何処ですかー?」
「もきゅ」
 ひょこりと顔を出した野良モーラットは、アカネの呼びかけに応えるように、一声鳴いた。その視線は右手に持ったクッキーに固定されていた。その様子にアカネはくすりと笑い、大仰な身振りで見せつけるように掲げる。
「さてさて、ここに取り出だしましたるは一枚のクッキーで……」
 左手にはユーベルコード製のハーバリウム。色とりどりの花々を閉じ込めたボトルをこつんとクッキーでつつけば、しゅるりとクッキーが飲み込まれた。
「きゅい?! きゅっきゅぴぴ、もっきゅ!」
 ガラス瓶がクッキーを食べてしまったと訴える野良モーラットに、アカネは種明かしをする。このハーバリウムはあくまでも花園への入り口なのだと説明すれば、モーラットは興味深そうに目を輝かせていた。
「あなたもどうぞ」
「きゅぴ!」
 モーラットの姿が、ハーバリウムへと消える。迎えの能力者が来るまで、ごゆっくり。アカネは保護した子達へと、優しく声を掛けた。

「もきゅ、ぴぴきゅ」
 その頃、アカネと別れたもんじゃは、真っ直ぐおやつ部屋へと向かっていた。きっと城内に残っているモーラット達はおやつ部屋の存在に気付き、そこに集まっている。元野良の直感がそう告げていた。
「きゅっぴっぴ――……!」
 扉を開く前に、もんじゃは冠を被り直した。モラ王が骸の海に還る際の忘れ物を拝借したのだ。断じて借りパクなどというモラ聞きの悪い行為ではない。
「もっきゅー!」
 王様みたいにふんぞり返って野良モーラット達を従えてみたい。そんな願望から沸いた悪戯心で、もんじゃは胸を張って扉を開いた。
「もっきゅぁあーっ!」
「きゅっぴぇええええ」
「もきゅっぴゃあぁ!」
 何これクーデター? もんじゃ王様の予想通りにおやつ部屋に集結していた野良モーラット達は、想像以上に激しいおやつ争奪戦を繰り広げていた。もう王様の振りをするどころではない。
 既に仲間達がかなりの数のモーラットを外に連れ出していたはずだというのに、この騒ぎ。モラ王、召喚するだけして送還していなかった模様。
「もきゅう……、ぴぴ、もっきゅ!」
 もんじゃはしばし考えた後、これはむしろチャンスなのでは? と気付く。この部屋に閉じ込めてしまえば、それだけで捕獲完了だ。
 すかさず窓が無い事や換気口が開かない事を確認し、扉を閉める。これで心置きなく――、争奪戦に参加出来る!
「もっきゅぴっぴっきゅもきゅーっ!」
 もんじゃ参戦。野良モラと猟兵モラの違いを見せつけてやると意気込み、残り少なくなってきたおやつを容赦なく奪う。
 その間、争奪戦に入れても貰えなかった小さなモーラットにおやつを分けてやった事で「俺の事は兄貴と呼びな!」「アニキぃーっ!」的なやり取りが発生し、もんじゃに子分が出来たりと、おやつ部屋の中は混迷を極めていた。

「それでは、お元気で」
 アカネはモーラット達に声を掛け、銀誓館学園への輸送を申し出てくれた天輪宗の能力者にお願いしますと頭を下げた。
「もんじゃさんがおやつ部屋にモーラットを集めておいてくれたから、思いの外早く片付きましたね」
 一気に花園に保護し、滞りなく引き渡す事が出来た。――不思議な事に、部屋は内側から鍵が掛かっていたのだけれど。
「……そういえば、もんじゃさんは先に帰られたのでしょうか?」

 もんじゃがその場のノリと勢いだけで野良モーラット達と行動を共にし、うっかり銀誓館学園に保護されかけたのは、ここだけの秘密である。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年04月07日


挿絵イラスト