●朽ちた月光城
かつては闇を照らす月の如き美しき輝きに満たされていた城。
だが今は見る影もなくその輝きを失い、周囲の街も城壁も破壊され闇の中に溶け込むように廃墟と化している。
そんな廃墟の暗闇の中、ガシャガシャ……と金属の擦れ合う音が聴こえる。音のする元を辿れば王座の間に一人の騎士が居た。
それはぼろぼろの甲冑を纏った騎士の末路。幾つもの屍が集合し形作った異形の騎士。
「城ヲ守ラネバナラヌ……守ラネバ守ラネバ……嗚呼!! アアアァァァッ!!」
かつて月光城の主であった存在が強大な何かに敗れ、再び蘇り妄執のまま廃墟と化した城を守ろうとしていた……。
●グリモアベース
「グリモアエフェクトによって「大いなる危機」を予知することができた」
バルモア・グレンブレア(人間の戦場傭兵・f02136)が将来訪れたであろう危機に対してこれで先手が打てると説明を始める。
「ダークセイヴァーにある月光城はヴァンパイア達が「なんらかの外敵」から支配領域を防衛すべく作り上げたものだと推測できる。だがその外敵は思った以上に強力だったようだ。攻め落とされ廃墟と化した月光城があることがわかった」
地下都市の旧市街地にかつては栄え立派な城だった廃墟を見つけたのだという。
「ここを調べれば月光城とダークセイヴァーの「月」にまつわる真実に近付くことができるかもしれん」
外敵に滅ぼされた月光城。そこには何かしらの手掛かりがあるかもしれない。
「月光城は隠されるように谷の底にある。天然の要害を利用して作られたのだろう。暗闇に覆われ底も見えない。そんな谷を降りて輝きを失った城を目指さなくてはならん。険しく飢えた野生の獣なども邪魔をするだろうが、諸君ならば問題なく探索できるだろう」
普通の人間ならば命懸けの冒険となるだろうが、猟兵ならば難しいものではない。
「廃墟となった月光城には、過去に戦いに敗れた城主のオブリビオンが蘇っているようだが、理性を失いかつての外敵から守らねばならぬという妄執に支配され狂っている。自分が死ぬまで城に踏み入った者を皆殺しにせんと戦い続けるようだ」
狂った領主はただ外敵を滅ぼさんと見境なく襲い掛かって来る。
「『月の眼の紋章』と融合しているようだが、紋章にエネルギーを供給する人間がおらず、戦闘力の強化はない。ただ紋章から飛び出す棘鞭は使用できるようだ」
通常の戦闘力に加えて棘鞭を使った攻撃もしてくるので対処が必要だ。
「この蘇った城主を倒せば、月光城を滅ぼした外敵の存在が明らかになるかもしれん」
一体何が月光城を滅ぼしたのか、その謎を探る為にも城主を倒さねばならない。
「月光城と外敵、これらの情報を得てさらにダークセイヴァーの謎を解き明かせ」
バルモアが暗い谷へと続くゲートを開き猟兵達を送り出した。
天木一
こんにちは天木一です。
ダークセイヴァーで滅びた月光城を探索しましょう。
第1章は月光城を目指し、暗闇の谷を降りていくことになります。獰猛な獣たちが待ち構えていますが、普通の獣なのであしらうのは簡単です。
第2章は滅びた月光城の主である『『屍塊驍騎』ブラッドスピットナイツ』との戦いとなります。棘鞭を使った追加攻撃を行ってきます。
第3章ではさらなる敵が現れ戦闘となります。
複数人で参加する方は最初にグループ名などをご記入ください。
プレイングの締め切り日などは決まり次第マスターページかタグにて。
廃墟と化した月光城を調べ、闇の世界の月の謎に迫りましょう!
第1章 冒険
『暗く、深い谷の底へ。』
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POW : 頼れるのはこの身一つ、ひたすら降りる。
SPD : 深淵を恐れるな、空に身を任せ飛び降りる。
WIZ : 時間はまだある、休憩でもしながら降りる。
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
館野・敬輔
【POW】
アドリブ連携大歓迎
紋章持ちの第五の貴族を斃し
月光城を廃墟に変えた外敵とは…?
とにかく今は、城へ向かって確かめるしかないか
松明などの明かりは使わず
常に「暗視、視力」で周囲を観察
下手に明るくすると獣たちを呼び寄せてしまうからな
暗視が効くなら無理に明かりを用意することはない
その上で「地形の利用、世界知識」で谷底に降りれる道筋を見極め
「忍び足」くらいの慎重さでゆっくり降りてゆく
もし足場がなくなったら
野営用キットに含まれるロープとペグを岩壁に打ち込みながら
「クライミング」でゆっくり降りて行こう
獣たちは常に「殺気」を放って威圧するのも手だが
確実を期すなら黒剣から「衝撃波」を放って追い払おう
●暗闇に包まれた谷底に向かって
「紋章持ちの第五の貴族を斃し、月光城を廃墟に変えた外敵とは……?」
館野・敬輔(人間の黒騎士・f14505)は月光城の主を倒した存在とは何者かと思案する。
「とにかく今は、城へ向かって確かめるしかないか」
ここで考えていても推測の域を出ない。ならば自分の眼で確かめるしかないと暗闇に包まれた谷に進む。
「下手に明るくすると獣たちを呼び寄せてしまうからな」
松明などの明かりは使わず、暗視によって谷の底に続く道を探る。
「まだ城が健在で、人が住んでいた頃は谷に降りる道があったはずだ……」
今は草木が生えて朽ち果てているが、かつてあったはずの道筋が薄っすらと残っているのを見つけた。
「かなり崩れているが、まだ何とか通れそうだな」
敬輔は慎重にその道を進み始める。風化した道は脆くなりガラガラと崩れた足場の石ころが谷に落ちていく。
「こんな不便な場所によく城を作ったものだ」
足を踏み外さないように足場の強度を確かめながら降り、敬輔は普通の人間ならこんな道を荷物を持って上り下りしたくないと心底思う。
「ここで足場が完全に崩れているな……仕方ない」
敬輔は崩れてしまっている道を通る為、ロープとペグを岩壁に打ち込みながらクライミングでゆっくり降りて行く。
「ここからはまた道が残っているな」
そしてまた道に出て降りていくと、今度は黒く俊敏そうな獣達が姿を現した。
「グルゥウウウ……!」
それは鋭い牙を剥き、ぴょんぴょんと崖の少しの足場を跳んで近づいてくる。
「器用なものだ。だが狙うべき相手を間違えたな」
敬輔が黒剣の柄を握り殺気を放つ。するとそれを感じ取った獣達がビクッと足を止めた。
「来るか? 殺しに来るのならこちらも殺すことになるが……」
すっと敬輔が鞘から黒剣を僅かに抜く、それと同時に衝撃波を軽く放つ。
「ギャゥ!」
怯えた獣達は慌てて逃げ出し、周囲から居なくなった。
「無駄な争いは避けられたようだな」
敬輔は黒剣を鞘に納め険しい道をさらに進み続けた……。
大成功
🔵🔵🔵
仇死原・アンナ
アドリブ歓迎
月光城…か…
この谷の奥底にそれはある…
…この常闇の世界を探る為に…闇の奥へ…月の元に…
さぁ行くぞ…私は…処刑人…!
【変身譚】で黒きケルビムに変身し[空中浮遊]で空に舞おう
[視力と暗視]で視界を確保し闇の奥へと進んでゆこう
獣がいたら地獄の炎纏わせた武器を振るい
[恐怖を与え、おどろかせ]て追っ払おう…!
上と下の世界…
…私が生まれ落ちた常闇の世界には未だ謎がある
進まなければならぬ…闇の奥深くへ…輝かぬ月の城へ…!
「月光城……か……この谷の奥底にそれはある………この常闇の世界を探る為に……闇の奥へ……月の元に……」
仇死原・アンナ(処刑人 魔女 或いは焔の花嫁・f09978)は吸い込まれそうな深い谷の暗闇を見下ろす。
「さぁ行くぞ……私は……処刑人……!」
地を蹴り暗闇に身を投げ出すとユーベルコード『変身譚(メタモルポーセス)』を発動し、黒きケルビムに変身してふわりと重力から解き放たれ黒い翼を広げ空中浮遊で空に舞う。
暗闇を見通す目で辺りを見渡し、警戒しながら見えぬ底を目指す。
「ガァァッ!!」
ゆっくり降下する姿に狙いやすい獲物と見たのか、闇に溶け込むような黒い鳥達が翼を羽ばたかせて迫る。
「獲物と思われたか……だが私を食らうのは簡単ではない……」
死角を突くように背後に回り込む鳥をしっかりと視認し、アンナは緋色の巨大剣【緋色の天使】を担ぐと地獄の炎を纏わせて一閃する。闇を切り裂くように炎の剣閃が迸り、向かって来ていた鳥達は慌てて旋回して離れる。
「ガァッ!」
「ガァガァア!!」
そして野生の獣らしく敏感に危険を感じたのか一目散に逃げて行った。
「こんな場所に住むくらいだ……勘はいいようだな……」
邪魔するものが居なくなると、アンナは落ち着いて周囲を観察する。
「上と下の世界………私が生まれ落ちた常闇の世界には未だ謎がある」
少しずつ謎が解き明かされてはいるが、それでもまだ全てを解明されていない。
そして深い闇の中の真相を暴いた時こそ世界を救う手掛かりが得られると信じ、アンナは深く深く闇の中を降下した。
「ここは……町の廃墟か……」
着地したのはかつては人が住んでいただろう町の廃墟らしき場所。もはやろくに形は残ってはいないが、それらしき残骸が転がっている。
「進まなければならぬ……闇の奥深くへ……輝かぬ月の城へ……!」
どこかに城の廃墟がある筈だと、アンナは暗闇を切り拓くように迷いなく突き進む……。
大成功
🔵🔵🔵
化野・花鵺
「今日もせぇふくカッコいいよぅ」
狐、通常運転だった
「…カヤが飛ぶとこの辺水浸しになるからなぁ。さすがに足場ぐちゃぐちゃにするのはまずいよねぇ」
白熊ミーシャさんに誉められたい狐、一応遠慮した
「ちょっとカヤの代わりに底まで見てきてぇ」
狐、式神に様子見させた
「ん~、それじゃあここからなら降りられそぉかなぁ。いざというときはよろしくぅ」
「狐の襟巻き」で自分の攻撃力と防御力あげ崖を駆け降りる
降りるルートは野生の勘で判断
転がり落ちそうになったら上げた攻撃力で崖に貫手して身体を支える
多少転がる分のダメージは管狐に肩代わりさせる
「帰ったらお揚げあげるから機嫌直してよぉ」
管狐達をクッション代わりにした狐、謝った
「今日もせぇふくカッコいいよぅ」
ゲートを潜って何も見えない暗闇の世界に入っても、化野・花鵺(制服フェチの妖狐・f25740)の目にはバルモアの軍服姿が目に焼き付いていた。
いつも通り通常運転の花鵺が辺りを見渡すと、薄暗い闇の世界にぽっかりと底の見えない谷が広がっていた。
「……カヤが飛ぶとこの辺水浸しになるからなぁ。さすがに足場ぐちゃぐちゃにするのはまずいよねぇ」
白熊ミーシャさんに誉められたい花鵺は、一応遠慮して違う手を考える。
「ちょっとカヤの代わりに底まで見てきてぇ」
式神を呼び出して様子を見に行かせる。そして暫くのんびり制服姿を思い浮かべながら待っていると、式神が戻り比較的なだらかな場所を見つけてきた。
「ん~、それじゃあここからなら降りられそぉかなぁ。いざというときはよろしくぅ」
ユーベルコード『狐の襟巻き』を発動し、管狐達を纏って自分を強化すると躊躇なく崖を駆け降りる。
「こっちかなぁ、おっと、こっちの方がよさそぉ」
花鵺は勘を頼りに落ちるように崖を駆け、一歩でも間違えば転がり落ちるような道とも呼べぬ岩壁を行く。
「ガァアアアア!!」
すると暗くてよく見えないがバサバサと大型の鳥が羽ばたいて飛んでいく音が聴こえた。どうやら壁に留まっていたようだった。
「休んでるところを邪魔しちゃったかなぁ、ごめんねぇ」
謝りながらも止まることはなく花鵺は足を踏み出すが、ガラガラと足場が崩れて転がり落ちそうになる。
「こういうときはぁ、こうだよぉ」
花鵺は強化された腕で貫手を放ち、崖に突き刺して身体を支えた。そして一旦勢いを止めて再度降り始める。だがその足場もずりっと滑ってしまい転がって落下する。だがもう底に近かったのだろう、すぐに勢いが止まって停止した。
「谷の底に到着したねぇ」
花鵺が起き上がる。その身に巻いた管狐達をクッション代わりにしたお蔭で怪我一つなかった。だが代わりに痛い目にあった管狐達が文句を言うように鳴いた。
「帰ったらお揚げあげるから機嫌直してよぉ」
花鵺は謝りながら谷の底を歩き出した……。
大成功
🔵🔵🔵
フォルク・リア
「この谷底に月光城が。
月光城に着いてからが本番だけど。
行くまでも相応に手間がかかりそうだ。」
真羅天掌を発動し光属性の旋風を発生させ
辺りを照らし周辺を観察、降り易そうな場所を探す。
降りる先を見て途中で行き詰らないルートを選定。
降りる際は慎重に歩けるところは足場を確認しながら、
垂直に近い斜面は斜面の突起に掴まりながら降りる。
周囲に獣が居るなら動きに注意しながら基本的には無視するが
襲ってくるなら光の旋風やフレイムテイルの炎で威嚇をして
追い払って谷を降りている最中の不安定な状態で
邪魔が入らない様にする。
「この険しい谷底でオブリビオンが住まう城。
落とすのは容易じゃないだろうけど。
一体何があったのか。」
「この谷底に月光城が」
フォルク・リア(黄泉への導・f05375)は何も見えぬ闇の中から、失われた月の輝きを探すように目を凝らす。
「月光城に着いてからが本番だけど。行くまでも相応に手間がかかりそうだ」
谷は深く広い、ここから城の廃墟を探し出すのは骨が折れそうだと肩をすくめる。
「ともかく降りてみよう」
ユーベルコード『真羅天掌』を発動し光属性の旋風を起こす。光を帯びた風が吹き抜けて暗闇を照らし出した。
「あそこからなら降り易そうだ」
比較的なだらかな坂の前に来ると、照らされた地形を見下ろし底まで下るルートを選定する。
「行けそうだな」
足場を確認しながらフォルクは慎重に降り始める。
「これは……道の跡か?」
坂道を滑り落ちないように下っていると、フォルクはかつて使われていたと思われる道らしき痕跡を見つけた。
「人一人が通れる程度のものか、城が健在だった頃には通行ルートが整備されていたのかもしれないな」
フォルクはその先を照らし、ところどころ残っている道の痕跡を歩み進んでいく。
「ガゥッ!!」
すると光に惹かれるように接近し、草むらに隠れていた獣達が突然襲い掛かってきた。
「何もしないなら無視するつもりだったが」
獣に気付いていたフォルクは、光の旋風を放って獣の目を眩ませる。
「ギャゥッ!!」
暗闇に目が慣れている獣にはそれが耐えがたいほどの閃光となり、悲鳴を上げて逃げ出した。
「これでもう襲っては来ないだろう」
フォルクはさらに垂直に近い斜面もクライミングの要領で下り、着実に谷底へと近づいていく。
「この険しい谷底でオブリビオンが住まう城。落とすのは容易じゃないだろうけど。一体何があったのか……」
少数の人の行き来も大変な場所だ。そんな難所にある城では軍隊も連れて来れない。相当に強力な存在が敵対したのかもしれないと想像しながらフォルクは深い闇を照らし谷の底を目指す……。
大成功
🔵🔵🔵
霧島・絶奈
◆心情
城が此処に在ると言う事は、四層以下側から見た上層に対する備えだったのか…
それとも三層より上からの下層侵攻の為の前線基地だったのか…
いずれ明らかとなる事ですが考えてしまいますね
◆行動
【環境耐性】を高めた【暗視】で闇を見通し進攻
加えて【聞き耳】を立てる事で索敵します
更に【空中浮遊】を活用
暗闇を見通す事が出来ますので必要性は薄いのですが…
念の為、足場の不安も取り除いておきましょう
獣は【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】で【二回攻撃】し迎撃
こうして実力差を示し【恐怖を与える】事で、如何に飢えた獣とて襲うのを躊躇うようになるでしょう
負傷は【各種耐性】と【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復
「城が此処に在ると言う事は、四層以下側から見た上層に対する備えだったのか……それとも三層より上からの下層侵攻の為の前線基地だったのか……」
霧島・絶奈(暗き獣・f20096)はあれこれと月光城の役割を推測する。
「いずれ明らかとなる事ですが考えてしまいますね」
少し情報があるとつい考えてしまうと、絶奈は思考を切り替えるように周囲の暗闇に包まれた谷を見渡した。暗視によって闇を見通し、聞き耳を立てて索敵する。
「暗闇を見通す事が出来ますので必要性は薄いのですが……念の為、足場の不安も取り除いておきましょう」
念には念を入れてふわりと絶奈は浮かび、浮遊して崖を下ることにした。
「グワッ」
「早速お出迎えのようですが、この様な険しい荒地にも獣は住み着くものですね」
獣の逞しい生命力に驚きながらも、絶奈は油断なく視界を空に向ける。すると獰猛な鳥がこちらを狙って旋回していた。
「ただの獣ならば殺す必要もありません」
絶奈は軽く手を振るい衝撃波を飛ばす。それによって突風に煽られたように鳥はよろめき高度を落す。
「グェーー!!」
鳥が慌てて高度を上げるとそのまま飛んでいってしまった。それを見た岩壁に潜んでいた猛獣も危険を感じて隠れてしまう。
「こうして実力差を示し恐怖を与える事で、如何に飢えた獣とて襲うのを躊躇うようになるでしょう」
自分が圧倒的な力を持っていると誇示することで、無駄な争いを避けて絶奈は谷底へと安全に降り立った。
「此処は町の跡でしょうか、無人となってどれだけ時間が経ったのか……草木が生い茂っていますね」
辺りは元はレンガの家でもあったのだろう。だが今は全て崩壊し自然に帰ったように緑に覆われている。
「人の遺骨も野晒しのままですか、此のような場所では逃げることも出来なかったのでしょう」
そんな滅びた町中を絶奈は観察しながら探索する……。
大成功
🔵🔵🔵
リーヴァルディ・カーライル
…紋章で強化された月光城の主を討てる存在を看過する訳にはいかないもの
…第三層の件も気になるけど、此方は此方で調査の必要がある案件だと思うわ
UCを発動して「写し身の呪詛」の残像に血の魔力を溜め吸血鬼化を施し、
肉体改造術式により長身の男性に変装した分身に抱えて貰いながら谷底に飛翔し、
周囲を暗視して捉えた獣は早業の銃撃で体勢を崩した処を高速の空中機動で振り切り、
闇に紛れて谷底に降りながら注意して先に進むわ
…目論見通り、可能な限り消耗を抑えて目的地まで辿り着けそうだけど…失敗だわ
いくら効率が良くて効果的でも、この姿では格好が付かないもの
…誰かに見られる前に術を解除しないと駄目ね、これは…。
「……紋章で強化された月光城の主を討てる存在を看過する訳にはいかないもの」
リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)は月光城の主すらも凌駕する存在を放っては置けないと朽ちた城を目指す。
「……第三層の件も気になるけど、此方は此方で調査の必要がある案件だと思うわ」
それに情報というのはどこかで繋がっているかもしれない。何か謎を解く手掛かりがあるのなら一つずつ確かめていくしかないとユーベルコード『限定解放・血の眷族(リミテッド・ブラッドファミリア)』を発動し、写し身の呪詛の残像に血の魔力を溜め吸血鬼化を施し、肉体改造術式により長身の男性に変装させた分身を生み出す。
「……さあ、谷底まで運んで」
分身がリーヴァルディを抱えて暗闇に飛び出し、飛翔して谷底を目指す。
「グワァアアッ!」
すると飛ぶ存在に気付いた大型の鳥が闇に紛れて接近してくる。
「……見えてるわ」
周囲を暗視で警戒していたリーヴァルディは早業で【吸血鬼狩りの銃・改】を構えて発砲し、鳥の翼を掠めさせ衝撃で体勢を崩す。
「……今の内に進むわよ」
速度を上げた分身は闇に紛れて追撃を振り切り、そのままどんどん谷底に降りていく。
「……目論見通り、可能な限り消耗を抑えて目的地まで辿り着けそうだけど……失敗だわ」
リーヴァルディはしまったと眉をひそめた。
「いくら効率が良くて効果的でも、この姿では格好が付かないもの」
ただ効率だけを考えて他の事は気にしていなかったが、抱えられた姿を客観的に見るとかなり恥ずかしいのではと思い始めていた。
「……誰かに見られる前に術を解除しないと駄目ね、これは……」
リーヴァルディはどことなしか恥ずかしそうに目を伏せ、早く降りようと降下する速度を上げる。そして誰に見られることなく着地してほっと息を吐いた。
「……気を取り直して、月光城を探しに向かうわよ」
余計な醜態を記憶の片隅に仕舞い込みリーヴァルディは城を探しに歩き出した……。
大成功
🔵🔵🔵
ベリザリオ・ルナセルウス
【白と黒】
ヴァンパイアですら防衛施設を必要とするほどの外敵とは何なのだろう
ヴァンパイアを倒せば人に自由を取り戻せると思っていたけど、そう簡単な話ではなさそうだ…
この世界が…織久が救われる時はいつ来るんだろう
ああ駄目だね。考え込んでいると織久を見失ってしまう
織久は適度にブレーキを入れないと一直線に向かってしまうからね
急ぎすぎないように【魔法のテント】が広げられる場所があれば休憩をして織久をクールダウンさせながら行こう
UCの光で地面に加護を掛ければその光で道筋も見えやすくなるし獣も追い払える。織久なら即座に気付いて追い払うだろうけど力は温存してほしいからね
西院鬼・織久
【白と黒】
ベリザリオと相互に協力
我等が怨敵との戦に備え地下に潜り暗闇の中生きて来た我等にとって、暗闇も獣も障害になりません
我等が怨敵、そしてその怨敵すら退けようとするまだ見ぬ敵
新たな戦があるなら向かわねば
【行動】POW
五感と第六感+野生の勘を働かせ地形を把握し周囲の状況に気を配り不測の事態に備えながら移動
足場が不安定で進みにくい場合も武器を壁面に突き刺し夜砥+ロープワークでクライミング
体勢が不安定な時の襲撃はUCや影面で対処する
「ヴァンパイアですら防衛施設を必要とするほどの外敵とは何なのだろう」
ベリザリオ・ルナセルウス(この行いは贖罪のために・f11970)はこの世界の支配者層であるヴァンパイアをも退ける存在に驚きを覚える。
「ヴァンパイアを倒せば人に自由を取り戻せると思っていたけど、そう簡単な話ではなさそうだ……この世界が……織久が救われる時はいつ来るんだろう」
そして深い思考に嵌りかけたところでちらりと視線を向けると、西院鬼・織久(西院鬼一門・f10350)が前しか見ないでさっさと先に進もうとしていた。
「ああ駄目だね。考え込んでいると織久を見失ってしまう」
少し歩く速度を早めてベリザリオは織久に追いつく。
「我等が怨敵との戦に備え、地下に潜り暗闇の中生きて来た我等にとって、暗闇も獣も障害になりません」
織久は迷いなく足元もはっきり見えない荒地を歩き、崖の端から深い谷を見下ろす。谷の底は荒れ果て草木に覆われて見通すことは出来ない。
「我等が怨敵、そしてその怨敵すら退けようとするまだ見ぬ敵。新たな戦があるなら向かわねば」
その深い闇の中に敵がいるはずだと、見えぬ敵を凝視するように織久は目を細め、僅かに残る崖を下る道だったような痕跡を見つけ進み出した。
織久はまるで野生の獣のように、勘を働かせて危険な足場を避けてずんずんと進んでいく。それをトレースするようにベリザリオが同じ場所を辿って後に続いた。
時間的には長くはないが、険しい崖を降りる行為は神経をすり減らす。
「織久、ここは少し場所が開けている。一息入れよう」
黙々と一歩踏み間違えば谷に落ちる危険な道を進む織久に、ベリザリオが後ろから声をかけた。
「しかし……」
先を急ぐ織久がこのまま進もうと反論しようとして振り返ると、ベリザリオは崖の途中にあった平坦な空間に【魔法のコテージ】を広げてしまっていた。
「……わかりました」
こうなっては何を言っても無駄と諦めて織久は踵を返しテントの中に入る。
(織久は適度にブレーキを入れないと一直線に向かってしまうからね)
ベリザリオはゆっくりと温かなお茶の準備を2人分用意して、少しばかりの休憩を取った……。
「では行きましょう」
茶を飲み終えた織久が立ち上がり、ベリザリオもテントを仕舞ってその後に続く。
「ベリザリオ、俺がロープを張るのでそれを使って移動してください」
道が崩れてしまっている場所では織久が超極細の糸【夜砥】を縒ってロープにして、闇器の刃物に巻き付けて岩壁に突き刺す。そして岩の僅かなでっぱりを使ってクライミングで足場の残っている場所まで移動し、手にしたロープの先端を同じように刃物に巻き付けて壁に突き刺した。
「険しい道だね」
ベリザリオがロープを掴み何とか渡ると、それを確認した織久はすぐに前進を再開する。
「こういう場所では織久が頼もしいね」
それが良いことなのか悪いことなのか、複雑な心境でベリザリオは頼もしい背中を見つめる。
「獣です」
その織久がぴたりと足を止め、暗闇に潜む獣に気付いた。
「ガルルルル……」
すると足場に乏しい険しい崖道だというのに、黒い獣が暗闇に紛れるように潜んでいた。
「ここは任せてもらおうかな」
頼ってばかりでは織久の負担が増してしまうと、ベリザリオがユーベルコード『Sanctuarium benediction(サンクトゥリアムベネディクション)』を発動し旋律の矢を放って獣の居る近くの地面に突き刺す。
「ギャッ!!」
「ガゥガゥッ!」
すると加護による光が辺りを照らし、突然の光に驚いた獣達が一目散に逃げていった。
「これで道筋も見えやすくなったね」
「行きましょう」
頷く織久が何事もなかったように歩み始め、ベリザリオは微笑んでその後を追った……。
「道がなだらかになってきました。谷底に到着したようです」
「ここが谷の底か……どこかに目当ての城があるはずだけど……」
織久が歩く速度を緩め、ベリザリオが辺りの暗い空間を見渡す。だがそこには町の痕跡はあっても城らしきものは見当たらない。
「まだ歩いて探さないといけないようだね……織久?」
ベリザリオがじっと足元を見ている織久に声をかけると、織久はまた速度を早めて歩き出した。
「道が続いるようです」
織久は掠れた道の残滓を追って歩き続け、同じように違う道を進んで足元に注意を向けていた敬輔とフォルクが、同じ場所を目指して合流した。
入り組んだ岩場の先、崖の壁にぽっかりと開いた亀裂のような空間にあちこちが砕かれた城の廃墟を見つけ出した。
「見つけたね。どうやらここが目的の月光城で間違いなさそうだよ」
ベリザリオが織久を褒め、すぐに他の場所を探索する仲間達にも報せようと、矢を放ち闇を照らす光を放った――。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『『屍塊驍騎』ブラッドスピットナイツ』
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POW : ブラッドスピットナイツ……ソノ栄光ハ永遠ナリ!
自身の【五つある脳の一つ 】を代償に、【脳の深層に残る『過去』の呪い】を籠めた一撃を放つ。自分にとって五つある脳の一つ を失う代償が大きい程、威力は上昇する。
SPD : コノ騎獣コソ、ワレラガ最強ノ騎士団デアル証
自身の身長の2倍の【空を翔ける怪馬・スレイプニル 】を召喚し騎乗する。互いの戦闘力を強化し、生命力を共有する。
WIZ : ワレラ騎士団ノ全身全霊、ウケテミヨ!
【全方位へ全武装による一斉攻撃 】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
イラスト:FMI
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「ナギ・ヌドゥー」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●廃城の主
微かな道の痕跡を辿ると、谷底の岩壁の大きな裂け目の先に開けた空間がある。そこに隠れるように朽ちた城があった。
外にあった町は元々は急襲する外敵の目を引くための囮だったのかもしれない。どちらも破壊され廃墟となった今では真意はわからないが、ともかく廃墟と化した月光城を見つけることができた。
城の上の階層は粉砕され見る影もない。
砕けた門から中に足を踏み入れれば、下の層もあちこちに破壊痕があり、誰も手を入れずに月日が経ち風雨によって劣化し、内部もひび割れぼろぼろになっていた。
「守ラネバナラヌ……我ガ城ヲ……騎士ハ領土ヲ守ルベキモノ……決シテ決シテ決シテ負ケヌ!!!!」
そんな朽ちた城に居るのは王座の間に立つ騎士が一人だけ。蘇っても己が敗北を認めず狂い果てた城主の末路『『屍塊驍騎』ブラッドスピットナイツ』の姿があった。
その甲冑の中には幾つもの屍が入り込み、怪物と化した騎士は城を守らねばという妄執のまま侵入者である猟兵に襲い掛かる!
フォルク・リア
敵を発見すると距離を取る為に後ろに飛び退き
「……この城もそうだが。主も既に朽ちているか。
ならば、今此処で止めを刺す。」
【残像】を使って敵の攻撃を回避、
かく乱しながら敵とは距離を取って
ディメンションカリバーを発動。
魔石の魔力をファントムレギオンの死霊に送り
斬撃の力を持った死霊で敵を攻撃。
甲冑の中の屍の位置や数を【見切り】それを一体づつ
ファントムレギオンの魂を捉える力で攻撃して
ブラッドスピットナイツから切り離し、
孤立したところで死霊を集中させて仕留める。
それを繰り返して屍の数が減少し、
攻撃や防御が手薄になったら
攻撃対象をブラッドスピットナイツ本体として
死霊を集中、斬撃で切り刻む。
化野・花鵺
「…折れ釘吐く騎士?」
狐、首をかしげた
「…ともかく!ここで会ったが百年目ぇ、骸の海へ帰っちゃえぇ!」
狐、話をぶった切った
「ヌシら不浄の輩の思うままになるほど、妾達はぬるくないぞえ。早ぅいぬるがよいわ」
破魔属性のある「フォックスファイア」114発個別に操り敵の攻撃を迎撃
余った狐火で騎士と城も攻撃
狐火で迎撃し損なった攻撃は野生の勘で避け衝撃波で弾きオーラ防御で受ける
「あるじ亡き後も朽ちた城を守るなぞ、忠義の証ではないわ。からの頭で忠義の真似事をしておるに過ぎぬ。からの鎧に住まうものどもには分からなかろうがの」
狐、くさした
「城も城を任じたあるじももうおらぬ。ヌシらはまとめて骸の海に行くが良かろう」
霧島・絶奈
◆心情
例え狂気や妄執で在ろうとも…
それ程の矜持を持つ事は好ましく思います
故に愉しみましょう、騎士殿
この『逢瀬』を
◆行動
【罠使い】の技を活かし「魔法で敵を識別するサーメート」「時限式のサーメート」を其々複数設置
動かなければテルミットの炎で焼き殺されますが…
其れを厭うて迂闊に動けば「速く動く物」となり私の餌食です
『反転』し【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】で【二回攻撃】
狂気の騎士たる貴方と、戦闘狂の獣たる私の狂宴です
お互い踊り狂いましょう
負傷は【各種耐性】…特に【呪詛耐性】を高めた【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復
…叶うならば貴方とは、狂気抜きの矜持を懸けて戦いたかったとも思いますよ
●怒れる騎士
フォルクは敵を視認するとすぐさま後ろに飛び退いて距離を取った。
「侵略者メェ!!」
それと同時にブラッドスピットナイツの腕の一つが大剣を横に薙ぎ払い、先ほどまで立っていた場所を薙ぎ払った。
「……この城もそうだが。主も既に朽ちているか。ならば、今此処で止めを刺す」
フォルクは残像を残して移動し、続けざまに振るわれる敵の斬撃を躱す。そして攪乱しながら敵の間合いから離れ、ユーベルコード『ディメンションカリバー』を発動する。
「広大なる大空の力を内包せし魔なる欠片。この手に宿りてその力を示し。聖も魔も、絹も鋼も等しく断ち切れ――」
魔石の魔力を〈ファントムレギオン〉の死霊に送り斬撃の力を与える。
「死ネ死ネ死ネ!!」
ブラッドスピットナイツが幾つもある腕で次々と斬撃を放つと、死霊が斬撃を放ち返して間でぶつかり合い火花が散った。そして死霊の放つ斬撃は空間ごと甲冑の中にある体を切断し、右肩の腕を一本根本から切り離した。すると落ちた腕からぬるりと一体の屍が現れ、斧を手に振り回す。
「一体づつ確実に仕留めよう」
その孤立した屍に向けてフォルクは死霊から次々と斬撃を叩き込み、動かなくなるまで全身を切り飛ばしてバラバラにしていった。
「……折れ釘吐く騎士?」
敵を見た花鵺は首をかしげた。
「……ともかく! ここで会ったが百年目ぇ、骸の海へ帰っちゃえぇ!」
なんだかよくわからないが深く考えず、話をぶった切った花鵺はユーベルコード『フォックスファイア』を発動する。
「ヌシら不浄の輩の思うままになるほど、妾達はぬるくないぞえ。早ぅいぬるがよいわ」
真面目な口調になった花鵺は破魔の属性を宿した114発の狐火で周囲を満たし、それぞれを個別に動かして敵に襲い掛かる。
「死ヲ死ヲ死ヲ! 城ヘノ侵入者ハ排除スル!!」
ブラッドスピットナイツが次々と武器を振るい狐火を打ち落としていく。しかし圧倒的に数で勝る狐火は、背後に回り込み背中に叩き込まれる。
「ガァッ!」
腕の一本が背中の狐火を斬り払うが、四方八方から休むことなく襲い掛かり全身が燃え上がっていく。
「たわけ、どれだけ腕が多かろうと、これだけの数の狐火は捌ききれぬわ」
花鵺は狐火を自在に操り、防御の隙間を縫って敵にぶつけて屍の肉を焼き焦がす。
「例え狂気や妄執で在ろうとも……それ程の矜持を持つ事は好ましく思います」
絶奈は死してもまだ城を守ろうとする騎士の意思を感じ微笑みを浮かべた。
「故に愉しみましょう、騎士殿。この『逢瀬』を」
そっと仲間が戦っている間に、魔法で敵を識別するサーメートと時限式のサーメートを幾つも設置していく。
「動かなければテルミットの炎で焼き殺されますが……其れを厭うて迂闊に動けば「速く動く物」となり私の餌食です」
そして準備が整うと絶奈はユーベルコード『反転(ゼノ)』を発動し、周囲を腐敗させる濃霧を纏う人型の異形へと自身の姿を変貌させた。
「狂気の騎士たる貴方と、戦闘狂の獣たる私の狂宴です。お互い踊り狂いましょう」
絶奈は理性を失い、ただ動くものを攻撃する獣に成り果てる。
「侵入者ハ全テ殺ス殺ス殺ス!!」
ブラッドスピットナイツが襲い掛かると、獣と化した絶奈は大剣の一撃を腕で受け止めた。
「ギギギィイイイイッ!!」
金属が擦れるような音を発し、絶奈は腕を振るい拳を叩き込む。それをブラッドスピットナイツはタワーシールドで受け止めるが、強烈な衝撃を受けて後退した。それと同時にサーメートが爆発し炎に包まれる。
「グガァアアアア!!!!」
咆えるブラッドスピットナイツは炎を突き抜け、五つある脳の一つを代償に大剣に呪いを籠めて振り下ろす。
「ギ、ギ、ギィィイイッ!!!」
対して絶奈は嗤うように口の端をつり上げ、その一撃に向かって自らの拳を叩き込む。両者の間に衝撃波が発生してもろとも吹き飛ばされた。
「少しは中身が減ったか、ならば本体を切り刻もう」
フォルクはダメージを受けたブラッドスピットナイツ本体に向けて斬撃を浴びせ、甲冑を裂いて内部の肉を切り刻む。
「許サヌ許サヌ。我等ガ城ニ攻メ入ルモノハ決シテ許サヌ!!」
ブラッドスピットナイツは元より屍の塊、痛みなど感じていないように反撃を繰り出す。巨大なタワーシールドを構えて突進しフォルクに体当たりを叩き込もうとする。
「動く屍を倒すには完全に破壊するしかないか、厄介なものだ」
フォルクが横に大きく躱すと、ブラッドスピットナイツに右肩の傷口から棘鞭が飛び出して蛇のように襲い掛かる。
「月の眼の紋章が効果を発揮していれば恐ろしい敵だったのだろうが、今はただの残滓に過ぎない」
それがフォルクに届く前に、死霊の放つ斬撃が棘鞭を寸断した。
「城ヲ守ルノダ! 我等騎士団ハ決シテ負ケヌウウウウ」
痛みを感じぬブラッドスピットナイツはダメージを負っても構わず戦い続ける。
「あるじ亡き後も朽ちた城を守るなぞ、忠義の証ではないわ。からの頭で忠義の真似事をしておるに過ぎぬ。からの鎧に住まうものどもには分からなかろうがの」
笑みを浮かべた花鵺は意味のないことだとくさした。
「城も城を任じたあるじももうおらぬ。ヌシらはまとめて骸の海に行くが良かろう」
そして狐火を全方向から一斉に敵に浴びせ、全身を巨大な炎に包み込む。
「ガァアアアアッ! 戦エ戦エ戦エェ!! コノ身朽チ果テヨウトモォオオオ!」
盾を前に構えてブラッドスピットナイツが炎の中を突破する。ぶすぶすと煙が上がり肉の焼け焦げた臭いをさせながらも、ただ真っ直ぐ花鵺を狙う。
「やはり頭がからよの、すでにその身が朽ちておることにも気付かぬ」
花鵺は呆れたように屍の身体となった騎士の正面に狐火の柱を立てて視界を遮った。
「死ネ死ネ死ネェ!!!」
炎の柱を突き抜けたブラッドスピットナイツが大剣を振り下ろすが、そこには既に花鵺の姿はなかった。
「ギギィッ!!」
代わりにニタリと笑う獣と化した絶奈の姿があった。砲弾のように飛び出すと拳を盾の上から叩き込む。
「獣メ獣メ獣メ!!! 我等ガ城ヲ荒ラス事ハ許サヌ!!」
ブラッドスピットナイツが剣を振るって反撃し、両者は破壊のステップを踏んでぼろぼろの城を壊しながら踊るように暴れ回った。
「ガァアアアア!!!!」
「ギィイイイイ!!!!」
両者が斬撃と拳を同時に叩き込み、斬撃が肩を抉り拳が胸甲を砕き肉を穿つ。
「負ケヌ……城ヲ守ルノダ!!」
ブラッドスピットナイツは胸に穴を開けながらも剣を振り上げ、そこで絶奈の変身が解けた。
「……叶うならば貴方とは、狂気抜きの矜持を懸けて戦いたかったとも思いますよ」
絶奈は振り下ろされる剣を横に避け、白槍を先に気付けた敵の胸に突き入れ穂先が背中から飛び出た。
「グ、ガッアアアアアアア!!!」
胸に穴を開けられながらも、ブラッドスピットナイツは雄叫びを上げて剣を振り暴れ続けた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ベリザリオ・ルナセルウス
【白と黒】
守るべきものを守れなかった悔恨と無念はよく分かります
それをもう一度味わえと言うのだからさぞ憎い事でしょう
ですが、通らせてもらいます。私にも退けない理由があるのですから
まずは名乗りを上げて味方を鼓舞して私に注意を向けさせよう
織久の突撃の方が私より確実に速いだろうからUCも使ってしっかり引き付けないと
UCの加護の力なら織久だけでなく他の味方の助けにもなるだろう
織久が戦いやすいように武器落としとシールドバッシュで援護する
守りは盾で受けるだけでなくオーラ防御の結界を張って範囲も広げる
織久が間合いを取るタイミングで私がより間に出てシールドバッシュか浄化の矢の一斉掃射で次の攻撃の機会を作ろう
西院鬼・織久
【白と黒】
我等が怨敵すら滅ぼすものの正体はいずれ明かされるでしょう
先に在るのが何であれ、我等は我等が怨念滾るままただ狩るのみ
【行動】POW
五感と第六感+野生の勘を働かせ敵味方の動きを把握
戦闘知識+瞬間思考力を活かし敵味方の行動を予測
先制攻撃+ダッシュで接近、なぎ払い+切断で手足を狙う
攻撃と同時に武器に宿した怨念の炎を付与、焼却+呪詛の継続ダメージで装甲を蝕み機動力を削いで行く
充分損耗したら残像+フェイントで大技を繰り出すように見せかけ敵UCを誘う
残像を囮に敵UCを回避、体勢を立て直す前に損傷箇所を狙い串刺し、傷口からUCを注ぎ込み脳を爆破
影の腕が繋がったら怪力で壁に叩きつけ、なぎ払い+切断
●負けられぬ戦い
「我等が怨敵すら滅ぼすものの正体はいずれ明かされるでしょう」
織久は目の前の敵をかつて滅ぼした存在について今は考えても仕方がないと思考を止める。
「先に在るのが何であれ、我等は我等が怨念滾るままただ狩るのみ」
今はただ目の前の敵を屠ることを考えればいいと、怨敵への殺意と狂気を漲らせて駆け出した。
「守ル守ル守ル……我等ガ城ヲ守リ通スノダ!!!」
胸に穴を開け傷だらけのブラッドスピットナイツは、それでも執念で剣を振るい侵入者を叩き斬らんと殺気を撒き散らし、何本もある腕で織久に向けて斬撃を放つ。
「腕が多いのならば複数人を相手取っていると思えばいいだけのこと」
織久は感覚を研ぎ澄ませ、相手の僅かな動きも見逃さずに次々と襲い来る斬撃を身体を逸らし、屈み、踏み込んで紙一重で躱していく。そしてすれ違いながら血色の炎を纏う黒い大鎌【闇焔】を振るい敵の右脚を装甲ごと斬り裂く。その傷口から炎が燃え移り脚を焼き始めた。
「ガ、アアアアアアッ!!」
ブラッドスピットナイツは燃えるのも構わず振り返って大剣を薙ぐ。それを織久は足を止めずに駆け抜けることで避けた。
「守るべきものを守れなかった悔恨と無念はよく分かります。それをもう一度味わえと言うのだからさぞ憎い事でしょう」
守るべき者を持つベリザリオはその気持ちを察して殺気を受け止める。
「ですが、通らせてもらいます。私にも退けない理由があるのですから」
ちらりと織久に視線を向け、自身の守るべき者の為に狂った騎士と対峙する。
「私の名はベリザリオ・ルナセルウス。同じ騎士として勝負!」
堂々と名乗りを上げてユーベルコード『Sanctuarium benediction(サンクトゥリアムベネディクション)』を発動し、竪琴であり弓でもある【Misericordia musica】から地面に旋律の矢を放ち一帯を輝く光を帯びさせ猟兵達に加護を与え自分に注意を引きつける。
「騎士騎士騎士ィ!!! 我等、ブラッドスピットナイツノ力ヲ見ヨ!!!」
ブラッドスピットナイツが幾つもある腕で斬り掛かり、それをベリザリオは純白の盾【Gloriosus scutum】で受け止める。腕に痺れるような衝撃が伝わり一歩後ろに下がった。
「凄まじい膂力ですが、こちらも負けてはいられません!」
ベリザリオは全力で盾を押し出し、敵を仰け反らせる。
「ベリザリオと正面から戦うとは愚かな」
その隙を逃さずに織久が背後より接近し背中を斬り裂いた。その傷もまた燃えて肉が焼ける臭いが漂う。
「グゥウオオオアアッ!!」
ブラッドスピットナイツの腕の関節がおかしな方向に曲がり、背中に向かって剣を振るった。
「屍が合わさった身体故に死角を消せるということか」
織久は大鎌の柄で剣を受け止め、衝撃を流すように後ろに下がった。
「私の相手に集中して貰いましょう」
ベリザリオがシールドバッシュで体当たりするように叩きつけた。
「グゥアアアアアア!!!!」
ブラッドスピットナイツが盾の上から連撃を浴びせ、ガキンガキンと金属がぶつかり合う音が鳴り響きベリザリオの身体をどんどんと後退させていった。
「動きが鈍くなってきたな。我等が地獄に送り返してくれよう」
敵が度重なるダメージで弱まってきているのを確認した織久がまた背後から接近して大鎌を大きく振り上げる。
「呪イニ塗レテ死ネ死ネ死ネ!!」
だが今度はブラッドスピットナイツが察知し、脳の一つをを代償に大剣に呪いを纏わせ、腕を回して背後に振り抜き織久を上下に両断する。だがその姿は薄れ消えた。
「怨敵が斬ったは残像よ」
残像を残して織久は後退し、敵が隙を晒したところへ赤黒い槍【百貌】を突き入れる。先ほど切り裂いた背中の傷口を狙って貫き、ユーベルコード『影面(カゲツラ)』を発動して傷口から黒い影を流し込む。そして内部の脳の一つを爆破して影の腕を繋げた。
「ガウァアアアアアアアア!!」
叫ぶブラッドスピットナイツは何が起きたかもわからぬまま、ただ殺意に従って剣を振るう。
「私が守ってみせる」
ベリザリオが割り込んで、呪い宿す大剣の一撃を盾で受け止めた。オーラも展開し全力で防ぐ。だが強烈な一撃に押し込まれ片膝をついた。
「この背に守る者が居る限り、負ける訳にはいきません!」
強き意思の力でベリザリオは耐え凌ぎ、必殺の一撃を防ぎきった。
「今だよ」
「承知――」
織久は影の腕を引き寄せて敵を引っ張り、怪力で振り回して壁に叩きつけ大鎌を横一閃して身体を断った。
「グガアアアアアアッ」
両断された身体から新たな骸が姿を見せて失われた身体の代わりとなり、身体が削られ瘦せ衰えようとも戦意は絶えない。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
仇死原・アンナ
アドリブ歓迎
安心しろ…!
私は処刑人…貴様に死と救済を齎す為にここに来た…!
さぁ…行くぞ…!来い、コシュタバァ!
【シュバルツァ・リッター】で亡霊馬を召喚し乗り込み
[ジャンプとダッシュ]で戦場を駆け抜け敵と相手しよう
棘鞭には攻撃を[見切り]つ
地獄の炎纏わせた鉄塊剣を振り回し[武器受け]で防御し
[なぎ払い焼却]して焼き捨てよう
空舞う敵には[力溜めとエネルギー充填]した宝貝に
鎖の鞭を巻き付けて振り回し[ロープワーク]で投げつけて
敵と馬諸共[鎧無視攻撃]で突き刺し[零距離射撃で爆破]しよう
この月の城を滅ぼした敵を知る為に…
今は貴様を滅ぼさねばならぬ…!
さっさと眼前から消え去れッ怪物よッ!!!
リーヴァルディ・カーライル
…真に護るべきは領地ではなく、そこに住む人々のはず
…なんて、民を紋章の贄に捧げていたような輩に言っても無意味ね
…せめてもの手向けよ。この城跡を、お前の墓標にしてくれるわ
「夜闇の精霊結晶」を投擲して周囲を闇で覆い敵の視界を閉ざし、
瞬間的に吸血鬼化した暗視能力で敵の索敵を行い闇に紛れてUCを発動
3倍化した負のオーラで防御を無視して敵と馬の魂や生命力を吸収し、
棘鞭を強化した第六感と身体能力で見切り最小限の早業で受け流しながら切り込み、
肉体改造術式を併用して限界突破した怪力任せに大鎌をなぎ払い敵を切断する
…お前達の栄光なんて知った事では無いわ
この世界は今を生きる私達の物よ。消えなさい、永遠に…。
館野・敬輔
【POW】
アドリブ連携大歓迎
…この狂って妄執に囚われた騎士が、月光城の主か?
だとすると、身体のどこかに月の眼の紋章があるはずだが…どこだ?
まずは月の眼の紋章の位置を「視力、世界知識」で見極めよう
脳を代償に過去の呪いを籠めた一撃は
ここまで怨み骨髄の呪詛を吐くからには強烈だろう
だが、一撃を繰り出される前に脳を先に全部潰してしまえば
代償が払えないから放てまい?
「早業、戦闘知識」から指定UC発動
両腕から威力重視の白刃を11枚生やし
うち10枚は「投擲、範囲攻撃」で全ての頭をかち割るように撃ち出してやる
残り1枚は月の眼の紋章から棘鞭が撃ち出される瞬間を「見切り」発射し棘鞭を斬り刻む
妄執に囚われたまま逝け!
●妄執の果て
「許サン許サン許サン……我等ガ城デコレ以上ノ狼藉ハ許サヌ!!!」
致命傷とも思えるような傷だらけになっても、ブラッドスピットナイツは既に失われている城を守るという妄執に囚われ戦い続ける。
「……この狂って妄執に囚われた騎士が、月光城の主か?」
敬輔は朽ちた城に似つかわしいぼろぼろの騎士を見やる。
「だとすると、身体のどこかに月の眼の紋章があるはずだが……どこだ?」
鋭い視線で観察しどこかに紋章がないか探るが、目に見える場所にある様子はなかった。
「見える場所にはないか……まあ不意打ちに気を付けておけばいい」
「城ヲ破壊スル侵入者メ!! 滅ビヨ!!!」
兜の奥の目が輝き視線が合うと、敬輔に向かってブラッドスピットナイツが接近し、激情のままに脳を代償にして呪いを剣に籠めようとする。
「ここまで怨み骨髄の呪詛を吐くからには強烈だろう。だが、一撃を繰り出される前に脳を先に全部潰してしまえば代償が払えないから放てまい?」
敬輔が先んじてユーベルコード『渾沌闇技・白刃乱舞』を発動し、両腕から鋭い白刃を11枚生やした。その内の10枚が撃ち出され、次々と敵の体に突き刺さり甲冑を貫き肉を抉り頭をかち割った。
「ガッア、アア……アア!!!」
「体内から飛び出してきたか」
屍の体から棘鞭が飛び出すと、敬輔は残り1枚を放って届く前に切り刻んだ。
「城ヲ守ル……守ラネバァ」
ブラッドスピットナイツの体内に埋まっていた骸の頭が生える。そして大剣を横薙ぎに振るった。
「屍の集合体か、簡単には仕留められんか」
敬輔は後ろに飛び退いて斬撃を躱した。
「ワレラハ最強ノ騎士団!! 決シテ負ケヌ無敵ノ騎兵ナリ!!」
ブラッドスピットナイツは巨大な怪馬・スレイプニルを召喚して騎乗した。
「安心しろ……! 私は処刑人……貴様に死と救済を齎す為にここに来た……!」
アンナが敵の正面に堂々と立つ。
「さぁ……行くぞ……! 来い、コシュタバァ!」
ユーベルコード『シュバルツァ・リッター(ライド・オン・コシュタバァ)』を発動し、蒼白い炎を噴出する大きな漆黒の亡霊馬を召喚して騎乗する。
「騎士騎士騎士ィ!!!」
「勝負だ……!」
騎兵が相対し馬が駆け出す。そしてすれ違いながら呪いを宿す大剣と地獄の炎纏わせた鉄塊剣がぶつかり合い火花と散らした。
「やるな……!」
アンナが速度を緩め馬を振り返らせる。そこへ棘鞭が矢のように伸びて襲い掛かり、鉄塊剣を盾にして受け止めた。
「ガァアアアアアアッ!!!」
そうして一瞬動きを止めさせ、咆えるブラッドスピットナイツが馬を飛び上がらせ空を旋回すると速度を上げて攻撃を仕掛ける。
「次はこちらの番だ……!」
アンナは槍型宝貝【火人剥命】に【鎖の鞭】を巻き付け振り回して速度を高めると投げつける。それが敵の馬に突き刺さると爆破させ、炎に巻かれた馬は悲鳴を上げて失速し墜落した。
「立テ! 立テ立テ!! 騎士ガ倒レテ誰ガ城ヲ守ルカ!!」
馬がゆっくりと起き上がりブラッドスピットナイツは腹を蹴って再び走り出させる。
「……真に護るべきは領地ではなく、そこに住む人々のはず……なんて、民を紋章の贄に捧げていたような輩に言っても無意味ね」
リーヴァルディは騎士といってもヴァンパイアの騎士に正論を言ったところで無駄だと掛ける言葉を途切れさせる。
「……せめてもの手向けよ。この城跡を、お前の墓標にしてくれるわ」
朽ちた城に葬ってやろうと夜闇の精霊結晶を投擲して凝縮した魔力を弾けさせ、周囲を闇で覆い視界を閉ざした。
「暗イ暗イ暗イ……ドコダドコダドコニイル!!」
闇を切り裂くようにブラッドスピットナイツは剣を振り回し、馬を走らせて闇を突破しようとする。
「……限定解放。その肉の身を安らかに離れ、我が呼び出すまで戻るなかれ」
瞬間的に吸血鬼化したリーヴァルディは闇を見通し、ユーベルコード『限定解放・血の吸魂(リミテッド・ブラッドドレイン)』を発動して爆発的に増大させた負のオーラを放つ。
ぞくりと寒気を感じさせる負のオーラは敵の甲冑を無視して魂に干渉しその命を吸い上げる。
「ソコカァ!!」
ブラッドスピットナイツがオーラの発生源に向かって棘鞭を放つ。闇から飛び出す棘鞭をリーヴァルディは黒い大鎌【過去を刻むもの】で弾いた。
「疾ク翔ケヨ!!」
馬を飛ばそうとするが、馬もまた生命力を吸われて力を衰えさせていた。それでも馬は衰えた体で命令通りに翔け、頭上からリーヴァルディに向かって剣を振り下ろす。
「……まだ動けるようね。だけどそんな速度じゃ散歩と変わらないわ」
容易くリーヴァルディは回避しながら大鎌を振るい、敵の脇腹を切り裂いた。
「城ヲォオオオオオオ!!!」
殺意を漲らせブラッドスピットナイツは闇雲に突撃する。
「これ以上妄執に付き合うつもりはない」
その背後から敬輔が跳躍し黒剣を振り下す。だが敵はタワーシールドを持ち上げて防ごうとする。理性は完全に消えているが、騎士としての戦いの習性だけは残っていた。
「妄執に囚われたまま逝け!」
敬輔は構わず剣を振り下ろし、盾を切り裂きそのまま敵の左肩から心臓まで深々と刃を通した。
「城……城…………城ォオオ……!!」
ブラッドスピットナイツがよろりと馬から落ちそうになりながらも堪え、残り火のような妄執に突き動かされる。
「……お前達の栄光なんて知った事では無いわ。この世界は今を生きる私達の物よ。消えなさい、永遠に……」
リーヴァルディが肉体改造術式を併用して限界突破し、横から飛ぶように一瞬にして間合いを詰めると大鎌を薙ぎ払った。刃は敵の首を刎ね頭が飛んで地面を転がる。
「ア、アア、アアアアアアッッ!!!!」
ブラッドスピットナイツが頭を失うと、胸甲にぽっかり開いている穴からぎょろりと目と口が現れ叫ぶ。その声に合わせて馬が走り出した。
「この月の城を滅ぼした敵を知る為に……今は貴様を滅ぼさねばならぬ……!」
アンナが正面から馬を走らせ、鉄塊剣を高々と上段に構える。
「さっさと眼前から消え去れッ怪物よッ!!!」
そしてすれ違いながら振り下ろし、敵の振るう大剣にぶち当ててへし折り、そのまま勢いを止めずに敵の体を馬もろとも真っ二つに両断した。
倒した。誰もがそう思った瞬間――両断された体から月の如き輝きが漏れる。それは羽化する蛹のように肉体を裂いて猟兵の前に姿を見せた!
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『『日輪』シャマシュ』
|
POW : 残り火
【自身の肉体を崩壊させて噴出する炎】が命中した対象を燃やす。放たれた【周囲を眩く照らす灼熱の】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD : 真実と正義の主
【まるで全てを見通しているかのように】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ : 日は未だ昇らず
戦闘力のない【壊れた太陽円盤】を召喚する。自身が活躍や苦戦をする度、【太陽や救いを求める人々の信仰心】によって武器や防具がパワーアップする。
イラスト:海李
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠アウル・トールフォレスト」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●月の輝きを宿す異形のオブリビオン
そのオブリビオンは月の如く煌々と輝き、身体には異形の部位を幾つも生やしている。それは腕であったり翼であったり触手であったりと節操なくさまざまな異形の形を持っている。
その視線が呆気にとられる猟兵達に向けられ、空気が震えるほどの殺気が放たれた。
猟兵を敵と認識し、月の輝きが増して戦闘態勢へと移行する。
猟兵達は月光城の主よりも強力な力を感じ取る。これが月光城を滅ぼした外敵なのかもしれない。だが今は確かめている余裕はない。
敵意を持ってこちらに襲い掛かって来る謎のオブリビオンを迎撃するべく、猟兵は武器を構えた――!
館野・敬輔
【POW】
アドリブ連携大歓迎
何だ、これは…?
これが、外敵とでもいうのか!?
指定UC発動
漆黒のオーラを纏って姿を消しながら背後に移動
これだけ輝いていると
闇を纏っても隠れ切れないかもしれないが
この闇は触れた者の生命力と気力を奪うから
接近して触れられれば、それでよいのさ
残り火と無数の腕や翼、触手の動きを「視力」で観察しつつ「第六感」併用で警戒
攻撃や発射のタイミングを「見切り」避けながら「ダッシュ」で接近し
懐に飛び込んだら敵に漆黒のオーラを触れさせ気力を奪いながら
「2回攻撃、生命力吸収、怪力」で一気に叩き切る!
…光あれば闇もある
だが、貴様の光は果てしない闇を呼び寄せる
月の輝きを宿す異形よ、闇に沈め!
リーヴァルディ・カーライル
…お前がどのような存在で、どんな方法で現れたのかは分からない
…だけど、1つだけ分かっている事がある。お前は私が討つべき敵よ
第六感が捉えた殺気から未来の敵の残像を暗視して行動を見切り、
積み重ねてきた戦闘知識と経験から最小限の早業で敵の攻撃を受け流し、
「黄金の楔」を投擲するカウンターのより敵を捕縛して体勢を崩した隙にUCを発動
…確かに凄まじい力ね。だけど、単純な力だけで圧せるほど私は甘くはない
…さあ、お前にも見せてあげるわ。吸血鬼を狩る私の御業を
無数の「写し身の呪詛」による集団戦術で円陣を形成して限界突破した魔力を溜め、
超高温高圧の核融合のオーラで防御ごと敵を浄化する核熱属性攻撃を行う
仇死原・アンナ
アドリブ歓迎
怪物から更なる敵が…!
こいつが月の城を滅ぼした存在…?
ならば…今一度貴様を討ち倒し滅ぼしてやろうぞ!
我が名はアンナ!処刑人が娘也ッ…!
処刑人の[覚悟]を胸に灯し
仮面を被り月光から目を保護し[視力]で敵の動向を探り
敵の放つ炎には地獄の炎と[オーラ防御]纏いて
[火炎耐性]の加護を得よう
鉄塊剣を抜き振るい地獄の炎と灼熱の炎を[力溜め]で吸収
勢いよく振り回し【火車八つ裂きの刑】を発動
炎纏わせた[斬撃波での範囲攻撃]を放ち
敵とその身から噴き出す炎共々[吹き飛ばし]
月光放つ異形の敵を[焼却]して討ち倒してやろう…!
偽りの月光め…!
常闇に沈み永遠に消え去れッ!!!
●月の輝き
「怪物から更なる敵が……!」
アンナは孵化するように現れた敵に驚く。
「こいつが月の城を滅ぼした存在……? ならば……今一度貴様を討ち倒し滅ぼしてやろうぞ!」
すぐさま気を取り直し驚きを闘志で塗り潰す。
「我が名はアンナ! 処刑人が娘也ッ……!」
処刑人の覚悟を胸に灯し、仮面を被り敵が放つ月光から目を保護すると、じりっと未知なる敵の動きを探る。
「滅びよ」
無感情に声を発した『『日輪』シャマシュ』が背中から生えた腕を崩壊させ灼熱の炎を噴出させる。
「炎には炎を……!」
アンナは紅蓮に輝く地獄の炎とオーラを纏い、火に対する加護を得て迫る炎を遮断する。だが炎は侵食し、熱風がアンナを包んで汗が流れ出す。
「防ぎきれぬのは承知の上ッ……!」
踏み込むアンナが鉄塊剣を振り抜き、自らの炎と敵の炎を纏めて刀身に吸収する。皮膚が焼ける痛みを感じながらも耐えて自らの力に変えユーベルコード『火車八つ裂きの刑』を発動する。
「月光放つ異形の敵を焼却して討ち倒してやろう……!」
燃え上がる鉄塊剣を振り回し、炎纏う斬撃波を放った。それが敵を守るように包む炎を切り裂き身体を左肩から右腰まで斬り裂く。燃える刃が傷を焼き炎が燃え移る。
「戒めを」
だがその傷口から触手が生え、アンナに向かって襲い掛かり四肢を縛り上げた。
「小細工を……!」
アンナが炎で消し飛ばそうとするが、それよりも早く触手が崩壊し炎となってアンナを包み込んだ。
「ぐっ……!」
焼ける痛みに耐えてアンナは後退しながら鉄塊剣を振るい炎を薙ぎ払った。
「何だ、これは……? これが、外敵とでもいうのか!?」
月の輝きを放ち、体中に本体とは違う異様の部位を生やした怪物に敬輔は驚きを見せる。
「正体不明の敵か……」
そしてすぐに頭を冷やして冷静になるとユーベルコード『魂魄剣舞・闇黒遮断』を発動し、漆黒のオーラを纏って闇に溶け込み姿を消しながら背後に回り込む。
(これだけ輝いていると闇を纏っても隠れ切れないかもしれないが、この闇は触れた者の生命力と気力を奪うから、接近して触れられれば、それでよいのさ)
忍び寄り背後から間合いを詰め、後一歩でオーラに触れる距離まできた。
(こちらに気付いてはいないか……)
敵がこちらに気付いている様子はない。だがそこで後頭部にぎょろりと大きな異形の一つ目が開いた。それと敬輔の目が合うや、背中から生えた翼が振り抜かれる。
「気付かれていたか!」
咄嗟に敬輔は黒剣で受け止める。するとガキンッと強い手応えが返った。
「まるで刃のような翼だ!」
当たっていれば危なかったと思いながらも漆黒のオーラで翼に触れて気力を奪い取る。
「これで動きは鈍ったはずだ!」
その隙に背後に飛び込んでさらにオーラによる吸収を強くして黒剣を横一閃する。刃が背中を薙ぎさらに返す刃で首を刎ねる。
だがその刃は割り込んだ腰から生える異形の腕に阻まれ、硬い腕を切断するが本体には浅くしか届かなかった。
「壊れろ」
一言シャマシュが呟くと、壊れた太陽円盤が背中に姿を見せ光り輝き、背中の翼が広がり羽根が矢のように射出され、敬輔の体に次々と突き刺さり後方へと吹き飛ばした。
「……お前がどのような存在で、どんな方法で現れたのかは分からない」
リーヴァルディが謎の敵に対して正面に立つ。
「……だけど、1つだけ分かっている事がある。お前は私が討つべき敵よ」
何者であれ殺意を向けられたのであればそれを打ち破らねばこの世界では生きてはいけない。障害を乗り越えるべく構える。
「消えよ」
シャマシュは背中の壊れた太陽円盤を輝かせ、身体から生えた異形の触手が伸びて襲い掛かる。その殺気から第六感が未来の敵の残像を捉え、リーヴァルディはその場を飛び退いていた。
だが触手は軌道を変えてリーヴァルディを追いかける。対してリーヴァルディは黒い大鎌【過去を刻むもの】を振るって切り払う。しかしすぐに触手は再生され、執拗に追跡して気を引くと、シャマシュの胴から伸びる異形の腕が殴り掛り、それを柄で受け止めたリーヴァルディが吹き飛ばされた。
「……確かに凄まじい力ね。だけど、単純な力だけで圧せるほど私は甘くはない」
だが攻撃した側のシャマシュの態勢が崩れる。その太腿には短剣型拷問具【黄金の楔】が突き刺さっていた。リーヴァルディは攻撃を受けながらも投擲してカウンターを当てていたのだ。
「……さあ、お前にも見せてあげるわ。吸血鬼を狩る私の御業を」
その隙に着地したリーヴァルディはユーベルコード『吸血鬼狩りの業・天墜の型(カーライル)』を発動し、無数の〈写し身の呪詛〉による分身で敵を囲む円陣を形成して限界を越えて魔力を溜める。
「……元素変換、術式反転。天より墜ちよ、太陽の輝き」
その円陣の内部に凝縮したエネルギーが開放され、超高温高圧の核融合のオーラが渦巻き、敵を跡形もなく消し飛ばすような太陽の輝きに包み込んだ。
短時間であるが太陽が落ちたようなエネルギーの照射によって城の床が炭化し、真っ黒の塊がその上に転がっていた。
「死を」
敵をやったかと思った瞬間、その黒い塊が弾け月の輝きと共にシャマシュが姿を現す。生やした無数の異形の腕で肉団子のように身を守り攻撃を凌いでいた。
「死を与えん」
そして焼けただれた腕の皮膚を破って異形の触手が飛び出し、リーヴァルディの足を絡め取ると城の壁に叩きつけた。そしてもう一度と持ち上げる。
「偽りの月光め……! 常闇に沈み永遠に消え去れッ!!!」
アンナが鉄塊剣で触手を切り裂き、さらに敵に向かて斬り掛かる。それをシャマシュは異形の腕で防ぐが、アンナは渾身の力を込めて押し切り腕を切断し敵の左肩から腕を斬り落とした。
「燃えよ」
だが表情一つ変えぬシャマシュは左腕を爆発的に燃え上がらせ、アンナを包み込み吹き飛ばす。
「……光あれば闇もある。だが、貴様の光は果てしない闇を呼び寄せる」
敬輔は差した光によって出来た影のように背後から接近していた。
「月の輝きを宿す異形よ、闇に沈め!」
光を呑み込むように漆黒のオーラを広げ、黒剣を振り下ろし太陽円盤を断って後頭部の目を潰し刃を食い込ませた。
「……月光城を落したと言われれば納得してしまうわね。だけどこちらも吸血鬼を討ってきたのは同じよ」
口の端から血を流しながらも起き上がったリーヴァルディが正面に駆け込み、大鎌を振り抜いて胴を薙いだ。
「輝きの中に消えよ」
だが敬輔の剣もリーヴァルディの大鎌も、身体を断ち切る前に腹と背中から生えた異形の大腕に掴まれて止まっていた。そして腕は軽々と二人を持ち上げ、壁に投げ飛ばした。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
化野・花鵺
「なるほど。ヌシは忘れ去られた堕ちた神か。悪事をなして己が身の存続を証立てるか。分かりやすくも迷惑な話よの」
狐、くさした
「妾も悪童ゆえ、ヌシのような終わったおなごは大嫌いじゃ。そこまで堕ちたのだ。そのまま骸の海まで堕ちるがよかろう」
自分に「狐の襟巻き」
両腕を化術でモーニングスターとブロードソードに変換し敵に肉薄
敵が壊れた太陽円盤を召喚する度に両武器に破魔と衝撃波纏わせ太陽円盤殴って破壊
敵の攻撃は野生の勘で回避
円盤召喚ない時は本体殴りまくる
「喜べ。長い戦いのなかで、妾が妾の肉体をもって叩き潰そうとした敵はヌシが初めてじゃ。妾はヌシのような落ち方はせぬ。(小声で)例え全ての仙狐を敵に回してもな」
フォルク・リア
「身体から新たなオブリビオン。これが外敵か?
この殺気と力。
戦いに集中するより他になさそうだ。」
様子見に距離を取りながら
呪装銃「カオスエンペラー」で攻撃し出方を窺い。
武器防具をパワーアップさせる様子を確認したら
表の呪い裏の呪詛を発動。
内側から湧き上る死の呪詛で攻撃し
敵の攻撃を【見切り】致命傷を避けながら
敢えてある程度ダメージを受け、
ダメージを肩代わりさせる呪詛で敵に返す。
「幾ら防具の力を高めても内からの
攻撃は防げないだろう。」
ユーベルコード発動の為に魔力を代償にしている為
他の術は使えないが、冥府へと繋がる闇で太陽円盤を覆い
その力を制限。
弱めたところで呪詛の力を集中し攻撃。
「このまま呪い潰す。」
ベリザリオ・ルナセルウス
【白と黒】
これが「外敵」なんだろうか?
次々に更なる強敵が現れる…この世界で私達が平和を掴むにはどれ程の驚異を退ける必要があるんだろう
「外敵」との戦いがその一つだと言うなら必ず乗り越えて見せる
盾とオーラの結界を使った守りを中心に敵の攻撃から織久を守る
UCの加護の力で地面の延焼を軽減できたりしないだろうか?
それが駄目でも加護の力があれば味方の役には立つ
あの円盤が気になるな。織久が仕掛けるタイミングに合わせて突撃しよう
盾にオーラの結界も集中させて攻撃を凌ぎながら距離を詰めてシールドバッシュだ
体勢を崩したら髪か足を踏みつけて更に押さえ込む
これで私から離れるか反撃しようと気を取られたら織久が決められる
霧島・絶奈
◆心情
渾沌氏『鴻鈞道人』を彷彿とさせる変異ですね
まあ、今考えても詮無き事です
愉しみましょう
この『逢瀬』を
◆行動
【罠使い】の技を活かし「魔法で敵を識別するサーメート」を複数設置
『暗キ獣』を使用
【集団戦術】を駆使した【範囲攻撃】で敵を蹂躙
加えて信仰の対象と思われる太陽円盤も排除しましょう
私自身は【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】で【二回攻撃】
負傷は【限界突破】する程【各種耐性】を高めた【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復
紋章で喰らう事で凝縮された命に内側から喰われたのでしょうか?
案外其こそが紋章をばら撒いた存在の望んだ結果なのかもしれませんね
躰の中に骸の海を形成する様なものでしょうから
西院鬼・織久
【白と黒】
我等が怨敵すら葬る存在
ならば、その血肉を喰らえばよき糧となるでしょう
如何なる存在であろうとも、我等が敵となるなら喰らうのみ
【行動】POW
五感と第六感+野生の勘を働かせ、戦闘知識+瞬間思考力を基に戦いながら敵を観察し能力攻撃パターンを読む事で次の行動と攻撃を見切る
先制攻撃+UCに夜伽を忍ばせ、爆発に合わせて怨念の炎を流し込む。怨念の呪詛と焼却の継続ダメージで弱体化を狙う
影の腕と夜砥で拘束した敵を怪力で引き寄せ同時にダッシュ、スピードを乗せた串刺し+怨念の炎を流し込み傷口をえぐる
敵UCを見切り延焼した部分をUCの爆破で燃えている物ごと吹き飛ばし、それを目晦ましに回り込み切断+なぎ払い
●朽ちる月光
「なるほど。ヌシは忘れ去られた堕ちた神か。悪事をなして己が身の存続を証立てるか。分かりやすくも迷惑な話よの」
花鵺は仲間と戦う相手の様子を観察し、素性を推測して持ち崩した身をくさす。
「妾も悪童ゆえ、ヌシのような終わったおなごは大嫌いじゃ。そこまで堕ちたのだ。そのまま骸の海まで堕ちるがよかろう」
嫌悪を露わにしてユーベルコード『狐の襟巻き』を発動し召喚した管狐を纏う。そして両腕を化術でモーニングスターとブロードソードに変換し、一気に敵の懐に飛び込むとブロードソードで胴を斬りつけ、モーニングスターで頭を殴る。
「痛みには痛みを」
シャマシュが壊れた太陽円盤を再召喚し、太陽の光を宿すと身体から生える異形の腕が花鵺を殴りつけた。
それを花鵺は両武器をクロスして受け止め、衝撃を逃すように後ろに下がる。初見であれば食らっていた可能性があるが、既に仲間達が戦い手の内を見ている故に余裕を持って反応できた。
「戦い方が妾と似ておるのう。じゃが妾にあってヌシにないものがある。何かわかるかの」
花鵺が尋ねて己に意識を向けさせる。その間に仲間が敵の背後で動いていた。
「それは仲間の存在じゃ。どれほど強かろうとも力を合わせた者には勝てぬが道理よ」
花鵺が正面から殴り掛り、それをシャマシュが異形の腕で受け止めた。
「身体から新たなオブリビオン。これが外敵か?」
フォルクは冷たい月の輝きを見てぞくりと悪寒が走る。
「この殺気と力。戦いに集中するより他になさそうだ」
少し離れた位置から仲間が戦う様子を観察し、【呪装銃「カオスエンペラー」】を発砲して出方を窺う。放たれた死霊の弾丸は敵の背中から生える異形の腕によって防がれた。
「あの身体から生える異形の部位は武器防具扱いということか」
明らかに本体とは違う生物の部位は、壊れた太陽円盤の光を帯びて強化されていた。それは鋼のようで仲間達の攻撃を防ぐ様子を確認していた。
「ならばそれを無効化する方法を取るとしよう」
まともにぶつからず搦め手でいこうとユーベルコード『表の呪い裏の呪詛』を発動し、魔力を代償に冥府へと繋がる闇を纏うと呪詛を込めた弾丸を発射する。
その弾丸が同じように異形の腕に命中した。だが呪いが侵食し内側から湧き上る死の呪詛となって敵の精神と肉体を蝕む。すると月光の輝きがゆらりと一瞬衰えた。
「穢れを祓う」
対抗するようにシャマシュは光を強くし、触手を伸ばしてフォルクを拘束しようとする。
「捕まるのは不味そうか」
身体の自由が奪われるのは危険と見てフォルクは飛び退いて攻撃を躱し、触手の軌道が変わるのも先の仲間の戦いで見ていた為、追撃も避けて間合いを離した。
「渾沌氏『鴻鈞道人』を彷彿とさせる変異ですね。まあ、今考えても詮無き事です」
絶奈は類似した部分を見つけながらも、現状では情報が足りないと思案を止めて戦いに意識を向ける。
「愉しみましょう。この『逢瀬』を」
サーメートを辺りに設置すると、ユーベルコード『暗キ獣(ソラト)』を発動する。
異端の神々の似姿に変身し従えるは屍の兵と獣の軍勢。
「強大な敵を打ち破るのは数の力です」
軍勢で敵を包囲し、一斉に攻撃を仕掛けた。
「信仰の対象と思われる太陽円盤も排除しましょう」
太陽の輝きを持つ背中の太陽円盤を狙わせる。屍獣が駆けて飛びつき円盤を爪で引き裂く。だが背中から生えた拳に殴られぐちゃりと潰された。
「屍は大地に還そう」
歩き出したシャマシュの元から触手が伸び、暴れ回って屍の軍勢を薙ぎ払う。
「成程。此れだけの戦闘力があるならば月光城の主を討ち取ったというのも頷けます」
絶奈はサーメートを起爆させ、触手もろとも敵を爆発に呑み込んだ。
しかし煙を突っ切って触手が伸び、絶奈はそれを黒剣で切り払う。
「罠では止まりませんか、ですが其れは此方も同じことです」
屍の軍勢も爆発の中を突進し、獣が敵の脚に喰らいつき兵士が槍を突き刺す。
「光あれ」
シャマシュの一言と共に月と太陽の輝きが辺りを包み込み、近くの屍達はぼろぼろと崩れ落ちていった。
「これが「外敵」なんだろうか?」
ベリザリオは月の輝きを纏う敵を見て、今まで戦ってきた吸血鬼とは違う雰囲気を感じる。
「次々に更なる強敵が現れる……この世界で私達が平和を掴むにはどれ程の驚異を退ける必要があるんだろう」
進めば進む程その先が遠ざかるような錯覚を抱く。
「「外敵」との戦いがその一つだと言うなら必ず乗り越えて見せる」
だが歩みを止めるわけにはいかないと、未来を求めてユーベルコード『Sanctuarium benediction(サンクトゥリアムベネディクション)』を発動し、旋律の矢を地面に刺して自身と仲間に加護を与えると誓いの剣【Fulgor fortitudo】と純白の盾【Gloriosus scutum】を構えた。
「朽ちよ」
シャマシュが後光を輝かせ障害を薙ぎ払うように触手を放った。その攻撃を腰を落したベリザリオが受け止める。吹き飛ばされそうな強烈な衝撃に耐えて加護宿る盾を支えた。
「我等が怨敵すら葬る存在。ならば、その血肉を喰らえばよき糧となるでしょう」
織久は吸血鬼の天敵のような存在ならば、その力を己がものにしようと口元に凶暴な笑みを浮かべて駆け出した。
「退け」
シャマシュが翼を広げ光り輝く羽根を放つ。
「如何なる存在であろうとも、我等が敵となるなら喰らうのみ」
それを織久は全ての感覚を使って紙一重で躱し、掠めて血が滲もうとも前に進む足を止めない。
「光には影が付き纏う。影より逃れる術は無し」
側面から踏み込んだ織久が赤黒い槍【百貌】を突き入れ、身を守る異形の腕に突き刺すとユーベルコード『影面(カゲツラ)』を発動して爆発を起こして腕を吹き飛ばし、怨念の炎を流し込んでよろめき後退する敵の体を燃え上がらせる。
さらに超極細の糸【夜砥】を忍ばせて敵の両脚に巻き付け、影の腕で上半身を拘束する。
「動けまい」
相手が反応する前に織久が影と糸を引き寄せ、敵の脇腹に槍を深々と突き入れた。
「炎は全てを浄化する」
シャマシュは抉れた脇腹から流れる血を崩壊させて光と共に灼熱の炎を放ち、その身を拘束する影と糸を焼き払った。
「我等が怨念の炎はこの程度の炎に負けぬ」
織久が槍を一閃させて空間を開くと炎を突っ切る。するとシャマシュは触手によって迎撃し、織久は槍を振るって触手を切り払う。
「あの円盤が気になるな」
ベリザリオは織久が仕掛けるタイミングに合わせて突撃し、シールドバッシュを叩き込んで敵の体勢を崩す。さらに相手の足を踏みつけて押さえ込む。だが痛みを感じていないように、シャマシュは平然とした目でじっとベリザリオを見ているようで、どこか違うところを見ているような遠い目をしていた。
「その命、我等が喰らい尽くす」
その隙に織久が背後に回り込み、槍を背中から太陽円盤を貫通して突き入れ穂先が胸から飛び出した。そして内部に炎が流し込まれ血が沸騰し肉が焦げる。
「命の輝きよここに」
後光を眩く光らせたシャマシュが貫かれた胸から身体を崩壊させ、全身を燃え上がらせて辺り一帯を炎の嵐に包み込む。
「自爆技とは! だが守ってみせる!」
ベリザリオが織久との間に割り込んで盾を構え、猛る炎に身を焼かれながらもその熱を遮る。
「月の輝きは不滅なり」
傷だらけのシャマシュが月光を纏い、触手を展開して身を守る。
「なかなか手強い相手であったが、そろそろ仕舞いとするかの」
花鵺が両武器を振るい触手を切り裂き叩き潰す。
「喜べ。長い戦いのなかで、妾が妾の肉体をもって叩き潰そうとした敵はヌシが初めてじゃ。妾はヌシのような落ち方はせぬ」
そして背後に回った花鵺が跳躍し、邪魔な腕をブロードソードで斬り落とす。
「例え全ての仙狐を敵に回してもな」
小声で花鵺は呟き、モーニングスターを振り下ろして太陽円盤を粉砕した。その勢いのまま敵の後頭部を体重を乗せて殴りつける。
「破滅せよ」
目と鼻と口から血を流したシャマシュは、後頭部から異形の拳を生やして反撃する。
「俺が防ごう」
フォルクが敢えて攻撃をその身で受け止める。拳が腹に食い込み息が詰まる。
「ごほっ……呪詛にはこういう効果もある」
そして受けたダメージを肩代わりさせる呪詛で敵に返した。
「……ごほっ」
シャマシュが腹部に痛みを感じて咳き込んだ。その口からは大量の血が吐き出される。守りも何も関係なく、ただ受けたダメージをそっくりそのまま相手に返す。
「幾ら防具の力を高めても、内からの攻撃は防げないだろう」
さらにフォルクはさらに冥府へと繋がる闇で太陽円盤を覆い光を隠してその力を制限した。
「光を遮る闇は効果的なようだな。このまま呪い潰す」
纏う光が弱まった隙に敵を侵食する呪詛を強くする。するとシャマシュの体から発していた月光はどんどん弱まっていった。
「どれほど強い光であれやがて消えゆくものです」
敵が衰えたところへ絶奈が黒剣と白槍を連続して振るい衝撃波を飛ばしながら間合いを詰める。
「穿て」
シャマシュから鋭く飛んで来る鳥の羽根を槍を回転させて防ぎ、間合いに入ると剣を振り下ろして敵本体の右腕を斬り飛ばす。
「全てを灰燼に」
シャマシュの全身が崩壊を始め、辺り一帯全てを呑み込む炎を生み出そうとした。
「そうはさせない!」
飛び込んだベリザリオが構えた盾を全力で叩きつける。その衝撃でシャマシュの動きが一瞬止まる。
「我等が糧と成れ」
その隙に織久が大鎌【闇焔】を振り下ろし、敵を頭から真っ二つに両断した。
「光が――」
燃え上がるシャマシュは月の光のように儚く消え去り、その場には破壊痕だけが残された……。
「外敵か……いったい何者なのか、さらなる調査が必要だな」
フォルクは月の輝きを持つ外敵とは何者なのだろうかと興味を持ちあれこれと推測を始めた。
「紋章を喰らう事で凝縮された命に内側から喰われたのでしょうか? 案外其こそが紋章をばら撒いた存在の望んだ結果なのかもしれませんね」
戦い終わった絶奈は外敵の存在についてまた想像する。
「躰の中に骸の海を形成する様なものでしょうから」
そんな可能性の話しをしながら朽ちた月光城を見渡す。
「終わったから帰るよぅ。白熊ミーシャさんに誉めてもらうんだよぉ」
今日はいい仕事をしたと花鵺はご機嫌に帰還準備を始めた。他の仲間達も未知なる敵との連戦に疲れ休息しようと帰途につく。
月光城の外敵。その存在を確認した猟兵達は情報をグリモアベースへと持ち帰った。
大成功
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