浮世夢のごとし、という言葉がある。
人の夢と書いて、儚い。その命も、また。
そして残された者は、いつだってその事実を唐突に突きつけられるのだ。
「……せん、せい……?」
ある少女がいた。
彼女が密かに想っていた、担任の教師。
お互いの立場を考え、ついにその心を打ち明けることは叶わなかったけれど。
彼女の想いを知らぬまま、それでも彼女に優しかった若き教師は、飲酒運転の車から猫を助けて身代わりに、なんてありふれた理由で世を儚んだ。
失われた命は、二度と帰ることはない。それをわかっていても。
彼女は、縋った。その場所に行けば、死に別れた大切な人が、天から降りてくるなんて、美しくも荒唐無稽な噂に。
けれど彼女はその場所で、死してなお想うその人に、再び巡り逢ったのだ。
「ああ、せんせい……先生! 逢いたかった……!!」
彼は変わらぬ笑顔と優しさで、抱擁を交わしてくれた。
――そして彼女は、天へと続く彼の後を追った。
●偽りの物語の続き
「まさか俺が、運命予報士の真似事をするなんて思わなかったけれど。ともあれ、よろしく頼む」
呼びかけに応じて集まった猟兵たちを見渡した、銀誓館学園の制服姿の少年――南天庵・琥珀(ナイトタイムドリーマー・f36445)は、猟兵たちに視線を向けたまま、会釈程度に軽く一礼した。
「俺たちのいるこの世界にはかつて、ゴーストタウンと呼ばれる場所があり、俺たちの先代の能力者たちが、浄化のために日々探索を行っていた。……という話は、既に聞いているかな」
それは人々に打ち棄てられ、人々の常識から外れ――やがては、ゴーストを呼び、ゴーストを生み、文字通りにゴーストの街と化した場所。
一度は能力者たちの活躍により、完全にその機能を停止したはずのその場所は、今になってオブリビオンらの手により、再び大規模なゴーストタウン現象が各地で引き起こされようとしているのだ。
ここに集ってくれた猟兵たちには、そのひとつの探索、そしてゴーストタウン化を引き起こした元凶であるオブリビオンを倒して欲しいのだと琥珀は言う。
「プラネタリウムなんだ。場所は北海道某所。元々は科学館の中の一角だったんだが、ゴーストタウン化した今では館内全体が星月夜を投影しているみたいだ」
元凶のオブリビオンがいるとされるのは、館内の奥にある階段を上った先の2階だ。
しかし琥珀は、足を踏み入れてすぐの1階にこそ用心してほしいと続ける。
「この場所がゴーストタウン化してから、ある噂が流れたんだ。この場所に入ることができたなら、かつて亡くした最愛の人に会える、なんて」
恋愛、友愛、親愛、敬愛――愛の形は問わない。
ただ、愛して、それでも己よりずっと先に世を儚んで、天の星になってしまったその人に、逢うことができるのだと。
「実際鍵が壊れているから、入り放題なんだけどな。だが、これはオブリビオンが見せる幻影だ。犠牲者を自発的にこの場所に留まらせ、その生命力を奪うためのな」
当然、その幻影は猟兵たちにも襲いかかるだろう。
今はもういない、愛する人の幻を振り払って、先へと進むのだ。
強い意志でその誘惑を退けるか、魔術を用いて幻影をシャットダウンするか、或いは素早く発生源を探し出し叩いてしまうか。
「方法は任せる。無事に2階に辿り着けたなら、オブリビオンが待ち構えているだろうからな。自分に合った方法を見極めて突破することが、万全に近い状態で奴らと対峙できることに繋がると思う」
そう告げる琥珀の瞳の光は揺らがない。作戦の成功を信じて、疑っていないから。
よろしく頼むと、彼はもう一度会釈した。
絵琥れあ
初めまして、絵琥れあと申します。
まずは皆様のことを知ることから始めていきたいと思います。
今回は、愛する過去との向き合い方を教えていただければ幸いです。
流れと詳細は以下の通りになります。
第1章:冒険『幻影を呼ぶもの』
第2章:集団戦『トロンプ・ルイユ』
第3章:ボス戦『???』
第1章では、かつてあなたが愛し、しかしあなたを置いて世を儚んでしまった人の姿を取った幻影に立ち向かっていただきます。
その姿から立ち振る舞いに至るまで、まるで本人と見紛うばかりの現実味をもって、あなたをこの場に留めようと誘惑してくるでしょう。
誘いの手を振り切って、前に進む、その姿を見せてください。
第2章では、あなたに欠けたもの、今回は失われた大切な存在を強く意識させようとしてくる存在『トロンプ・ルイユ』の集団と対峙していただきます。
館内全体がプラネタリウム化したこのゴーストタウンは、暗闇を得意とするこのオブリビオンの得意とする戦場のようです。
欠落感に負けずに、敵を討ち果す、熱いプレイングをお待ちしています。
第3章では、このゴーストタウンの核となる存在との決戦を行っていただきます。
が、現時点でその正体は判明しておらず、不明のようです。
どうやら精神的に弱った物を好んで狙うようですが……?
第1章開始前に、断章を執筆予定です。
断章公開後、プレイング受付を予定しておりますので、ご縁がありましたらよろしくお願いいたします。
第1章 冒険
『幻影を呼ぶもの』
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POW : 気合で幻影を振り払う
SPD : 幻影の発生源を攻撃する
WIZ : 魔術防護で幻影に対抗する
イラスト:乙川
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●もう一度を繰り返す
――足を踏み入れたその先は、清く明るい満天の星広がる青藍の空。
本物の星空に飛び込み、揺蕩うような、そんな錯覚すら覚えそうになる。
けれど、ここは、戦場なのだ。それを猟兵たちは、改めて己に言い聞かせた。
ぱきり、誰かの足が薄く割れて朽ちた廃材を踏んだ。
それと、ほとんど、同時だった。
「――ッ!!」
息を呑んだのは、誰だったか。
ゆらり、まるで人の形を取ったような星雲が、猟兵たちの前に現れた。
ひとつ、またひとつ、ゆらり、ゆらりとそれは数を増やしてゆき――やがては、猟兵たちを残して逝った、その心から綺羅星ひとつ持って逝った、想い出の人の姿を取って、その手をこちらに伸ばしてくる。
名前を呼んで、或いは、涙を見せて。或いは――
いずれにしても、猟兵たちはその手を振り切らなければならないのだ。
こうして人々が惑い、自らも星となってしまう運命を、今ここで、断ち切るために。
フィン・スターニス
どの様な術式を用いて幻影を作り出しているのかわかりませんが、
思い出を踏みにじられる様で、本当に許せません
私の記憶を参照しているのなら、出てくる幻影は……
やはり養父、ですか
大丈夫ですよ雨月様。この様な精神的な揺さぶりは、既に乗り越えております
ならば、やるべき事は一つ。早急にこの不快な幻影を祓いましょう
何より、本人が見たら偽者の出来が悪い等と言って、大人気もなく本気で浄化してくれそうですし……
と言う事で、偽者の始末は本人に任せましょう。ね、養父様
龍域の郷発動し、守護霊の神秘の力で浄化を行います
何処に発生源があるのか不明ですが、広範囲を巻き込めば何とかなるでしょう
少々強引ですが、仕方ありませんよね?
●尊く輝く想い出のきみへ
「やはり養父、ですか」
フィン・スターニス(七彩龍の巫女・f00208)の名を呼ぶのは、かつて彼女に惜しみない愛情を注いでくれた、養父その人。
だがフィンは、戸惑いではなく静かな憤りでその姿を見据える。
「思い出を踏みにじられる様で、本当に許せません」
この幻影が生まれる原因を、今のフィンに知る術はない。だが、愛ゆえに彼女は拒絶する。
添う龍も彼女を護らんと唸るも、それを柔らかく制して。
「大丈夫ですよ雨月様。この様な精神的な揺さぶりは、既に乗り越えております」
ならば、すべきことはひとつ。
速やかにこの不快な幻影を祓う!
「何より、本人が見たら偽者の出来が悪い等と言って、大人気もなく本気で浄化してくれそうですし……と言う事で、偽者の始末は本人に任せましょう。ね、養父様」
――いつの間にか、養父がもう一人。
悪しき幻ではない。村人と共に真にフィンを案じ護る、彼女の守護霊、その実体化。
彼らは容赦なく偽りを取り囲み、浄化せんと迫る。
「少々強引ですが、仕方ありませんよね?」
程なくして、彼女の綺羅星を騙った悪は報いを受けることだろう。
成功
🔵🔵🔴
尾守・夜野
(皆は今生きてるか死んでるかも曖昧な状況だ
だから会うとしたら限りなく幻覚に近い
そのはずなのに)
…忘れていた声が、顔がそこに並ぶ
温度だけはわからないままだけど
確かにそこにいるのは皆の筈で
俺はそう確信を持つが別の俺は疑い、更に別の俺は偽物だと
「…皆がそこにいるのに!」
予知で聞かされた話がなんだ!
何故進まねばならない?
嫌だと足を止めると疑っていた俺が首を…
「…面倒だからこのままいきましょう。やれやれ困ったわね。どうみても質の悪い偽物でしょうに」
ガタガタ抗議するように揺れ続けてた皆を宥めながら
私は交代の為トリガーを引いた私を伴って歩くわ
脳内で騒ぐ私の声など知った事ですか
黙殺し忘れればいつか消えるのだわ
●天地を揺蕩うきみたちへ
彼らは、生きているのか死んでるいるのか曖昧な状況だ。
(「だから会うとしたら限りなく幻覚に近い。そのはずなのに」)
それを、尾守・夜野(墓守・f05352)もわかっているのに。
声が、顔が、温度の他全てで微笑みかける。
――ああ、確かにあの村の皆のはずだと。
今ここに立つ夜野が、確信してしまった。
「……皆がそこにいるのに!」
予知が何だと言うのか。
皆のため夜野は戦ってきたのだ、その皆がいるなら進む理由なんて!
抗うことを止めた彼の首を、彼の中の誰かが掻いた。
「……面倒だからこのままいきましょう」
零すのは、皆と共にと願った夜野ではない。
「やれやれ困ったわね。どうみても質の悪い偽物でしょうに」
偽りと断じた夜野は、頭に響く数多の抗議を宥めながら、疑念を抱き首を掻いたもう一人の自身を伴い歩く。
ふと、開け放たれた扉が目に入った。かつてはその一角だけが、星の部屋だったのだろう。
――やめろ。やめてくれ。
脳内で騒ぐ声など知ったことかと、奥に見える投影機へと狙いを定める。
黙殺し忘れればいつかは消える。この悪しき幻のように。
成功
🔵🔵🔴
鈴乃宮・影華
里の誰かかなぁ、と思って前を見た
――私のせいで死んだ男が、私が生きている事に安堵の笑みを浮かべていた
オブリビオンに襲われ死にかけたあの日、しかし私が死なずに済んだのは
とある腐れ縁の呪言士――目の前のこの男が、
最後の最期まで私の想いに気づかなかったこの男が、私を庇って代わりに死んだからだ
自分の右手を見る
――あの日の後、友がくれた新たな力(剣)がある
周囲を見る
――新生した蟲達(指定UC)が、変わらず私の傍にいる
もう一度、前を見る
――だいじょうぶ、まぼろしだ
黒燐蟲達には辺り一面手当たり次第に壊せと指示
私自身も長剣の斬撃波を目の前や周囲に放ちます
幻が一時的にでも見えなくなれば、後は先へ進むだけです
●星と成って見守るきみへ
前を見た、そこにいたのは。
鈴乃宮・影華(暗がりにて咲く影の華・f35699)が予想していた、かつて育った里の者ではなく。
彼女が生きていることに、安堵の笑みを浮かべるその顔は。
(「――私のせいで死んだ、――」)
あの日。
オブリビオンに襲われ、死にかけたあの時。
それでもこうして、影華が生き存えたのは、目の前の男のお陰だ。
腐れ縁のとある呪言士が、自らの命と引き換えに、影華を庇ったからだ。
最後の最期まで、彼女の想いには気づかぬまま。
――それでも、万感を、呑み込む。
男から視線を落とし、右手の剣を見る。
(「――あの日の後、友がくれた新たな力がある」)
一度は失われ、しかしユーベルコードとして顕現した蟲たちも、そこにいる。
(「――新生した蟲達が、変わらず私の傍にいる」)
もう一度、前を見る。
(「――だいじょうぶ、まぼろしだ」)
迷いは断ち切った。少なくとも今この時は。
蟲たちは、影華の心のままにその周囲を喰らい尽くした。
影華自身も、剣を閃かせ道を切り開いてゆく。
進める。――彼が星へと還った今、そう確信できた。
成功
🔵🔵🔴
ヤーガリ・セサル
ああ。会いたかった、ロッセス殿。君とおれは、あの懐かしき悪徳の都で、肩を並べて戦っていたな。
懐かしき青春の日々、理想に燃えた日々であったよ。
なあ、ロッセス殿。ターマイェンの意思は謎かけの様に不可解だ。かつてそうであったように、星が消えるまで、延々と語りたい。
「何故、血を吸い飢えをしのぐ悪鬼の身に堕ちても、魂を悪魔に売り渡しても、まだ生きろと示されるのか」
不可解な謎だ。
そうですね、「あたし」があなたを殺したんだ、ロッセスさん。吸血鬼にされてすぐの、飢えきっていたあたしは……友であるあなたを、最後の一滴まで搾り取った。訳が分からぬという顔で倒れたあなたを捨てて、下水道の怪物まで落ちぶれた。
それでも、我らの神はあたしを殺さない。さまよい生きろと示される。死ねた方が、よっぽど楽だからかもしれませんねぇ。
ああ、二度も殺させないで下さいよ。幽霊。ここの星空は偽物です。あたしもあなたも偽物です。
今はただ「祈り」、別れます。そして、身をすくめて歩きます。
「おれ」と「ロッセス」の幽霊二人を過去に置いて。
●星の彼方に残したぼくときみへ
「ああ。会いたかった、ロッセス殿」
懐かしき悪徳の都で、共に肩を並べて駆け抜けた戦友。
ヤーガリ・セサル(鼠喰らい・f36474)の血色の双眸には、あの日と変わらぬその姿が映っている。
懐かしき青春の日々、理想に燃えた日々であったと、遠い記憶が鮮明に蘇る。ヤーガリ自身もまた、かつての自身に一時戻ったような心地がした。
「なあ、ロッセス殿。ターマイェンの意思は謎かけの様に不可解だ」
二人の仕えた神は何を思う。何を思い、二人の運命を回したのか。思索に耽れど答えは見えず。
ただ今は、かつてそうであったように、延々と語り明かしたかった。
星の消えるまで。叶わぬ夢と知りながら。
「何故、血を吸い飢えをしのぐ悪鬼の身に堕ちても、魂を悪魔に売り渡しても、まだ生きろと示されるのか」
神は不可解な謎をヤーガリに残した。
それは試練か、悪戯か、はたまた気紛れでしかないのか、或いは。
考えを巡らせるも、あの日の真実は変えられないのだ。思い出したように、ぽつり、ぽつりと唇は過去を紡ぐ。
「そうですね」
――『あたし』があなたを殺したんだ、ロッセスさん。
「吸血鬼にされてすぐの、飢えきっていたあたしは……友であるあなたを、最後の一滴まで搾り取った。訳が分からぬという顔で倒れたあなたを捨てて、下水道の怪物まで落ちぶれた」
それでも、彼の友であった自分を捨てきれず、だからこそ自らの罪を、矛盾を受け止めきれず。
「それでも、我らの神はあたしを殺さない。さまよい生きろと示される。死ねた方が、よっぽど楽だからかもしれませんねぇ」
死を想ったことだって、何度も。けれど結局は、受け入れて生きるしかないのだと諦めた。
けれど、諦めたくないことだって、まだ。
「ああ、二度も殺させないで下さいよ。幽霊。ここの星空は偽物です。あたしもあなたも偽物です」
あの日、二人の男が死んだ。
高潔な意志を持ち続け、最期まで友を友と信じ、だからこそ現実に理解の及ばなかった男。
その意志を共有しながらも、戯れに怪物へと変ぜられ、人間としての死を与えられた男。
今日に至るまで、彼らが弔われることはなかった。
だから今はただ、祈る。
そして、別れを告げて歩き出すのだ。
身をすくめて、それでも、振り返らずに。
――『おれ』と『ロッセス』の幽霊二人を過去に置いて。
成功
🔵🔵🔴
第2章 集団戦
『トロンプ・ルイユ』
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POW : 耐性反芻
噛み付きが命中した部位を捕食し、【その対象が放つ攻撃への耐性】を得る。
SPD : プシシェの触覚
攻撃が命中した対象に【生贄の模様】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【極彩色の闇から伸びる角のようなもの】による追加攻撃を与え続ける。
WIZ : 霊魂放浪
レベルm半径内に【流星のように翔ける霊魂の群れ】を放ち、命中した敵から【生命力】を奪う。範囲内が暗闇なら威力3倍。
イラスト:猫の目からビーム
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●それは星に非ず、されど
2階に辿り着いた猟兵たちを出迎えたのは、泥のような異空間のような、ともあれ奇妙な捻れ、歪みを纏った妖異の群れ。
魂を灯火の代わりとして、ちかちか明滅する肚のカンテラは、猟兵たちの魂へと呼びかけるように、哀惜を想起させようと輝く。愛されて死した者が、星へと変じるように。
――ふと、喪失感が猟兵たちを襲う。
猟兵たちが別れを告げた星たちを、その姿が見えなくなった今となっても、なお。
地上から本物の空に少し、ほんの少しだけ近づいたこの階では、偽りが心乱さんと、姿を見せることはない。それでも、魂の光を瞳に捉えた瞬間から、胸の疼きが、消えない。
だが、大丈夫だ。
どんな形であれ、ここまで辿り着いた者たちは、乗り越えることが、或いは立ち向かうことが、できたのだから。
さあ、行こう。
ここは暗いが、広くて遮蔽物もない。かつて人の手で作られた、それでも悪意なき星々が、微かに照らして、教えてくれる。
無垢なる星の導きを得て――今こそ、戦いの舞台へ。
尾守・夜野
…っ!(戻された
来たからには、選んだからには自分でやれと言うように)
(※人格交代において感情は伴えず、その後戻っても何があったのかの記憶だけで感情は伴われない
全て紙面上の記録のように温度はない)
わかってるよ。んな事
直前の激情を
あった事だけはわかっているそれを遠くに感じつつ、たださ迷う魂を閉じ込めているように感じるカンテラに空しさをいだく
これが何なのかわかりはしないし分かりたくもない
歪んだ空間に嫌悪と自己嫌悪
苛立ちを込めて喰われれば喰いかえし作り替えただ一つ違うのは俺のは強化も兼ねているという事
つまり今の俺に対する耐性をつけようと無駄という事
ゆっくりとでも確実に事は進めようか
●ぱっと消えた、逝く星のように
「……っ!」
階を上りきった途端、尾守・夜野(墓守・f05352)の中心にいる『俺』は、投げ出されるようにその身体の制御室とも言うべき場所へと放り込まれた。
(「来たからには、選んだからには自分でやれ、って事か。……わかってるよ。んな事」)
今の夜野は、皆の元へと希いはしない。
『私』と――異なる自分と席を変えた瞬間、直前の激情は温度なき紙面と化した。そこにあるのは情報としての記憶だけ。
あったはずの感情を、今は遠くに感じる。眼前に目をやれば、迫るカンテラに空しさを憶え。
――あの灯火は、彷徨う魂だ。それを閉じ込める歪みと、己自身に嫌悪を覚える。
(「これが何なのか、分かりはしないし分かりたくもない」)
今は、冷えていく温度だけが確かだ。
直後、妖異が牙を剥く。
喰らわれれば苛立ち混じりに喰らい返した。
敵は夜野の力を反芻する、が。
受けた痛みを喰らい取り込み、更には己の力へと変換した夜野は、つい先刻の自身を凌駕した。
「ゆっくりとでも確実に事は進めようか」
喰らわば喰らえ。その全て、喰らい返して反芻しきれぬほどの力に変えてやる。
成功
🔵🔵🔴
鈴乃宮・影華
今思えば、『あの顔』は意図的に忘れていました
さっきの幻が立ち直る前……例えば昏睡から目覚めた直後とかだったら
精神にダイレクトアタックでこうかはばつぐんだ、だったんでしょうねぇ
そう、私は大丈夫
大丈夫なんです、大丈夫だから――この胸の疼きは気のせいだ
言っておきたかった言葉や伝えたかった想いやらが今更脳裏をよぎるのも、気のせいなのです
左手に持った『大蘭華』を用いて指定UCを起動
星々の明かりを頼りに、揺らめくカンテラの持ち主へと
蟲の雨を降らせます
向こうの射程に入る前に倒す、あるいは弱らせておいて長剣でトドメです
●想いは星雲の向こうへと
今にして思えば、鈴乃宮・影華(暗がりにて咲く影の華・f35699)は意図的に忘れていたのだろう。
想えども二度と戻らぬ『あの顔』が明滅して、その目を眩ませることがないように。
(「さっきの幻が立ち直る前……例えば昏睡から目覚めた直後とかだったら、精神にダイレクトアタックでこうかはばつぐんだ、だったんでしょうねぇ」)
時はやがて、愛しい記憶さえも攫ってゆく。
大丈夫だ。そう、胸の内で繰り返す。ちりんと鈴の音転がるような、微かな痛みを押し殺して。
(「大丈夫なんです、大丈夫だから――この胸の疼きは気のせいだ」)
言っておきたい言葉だってあった。
伝えたかった想いだってあった。
けれどそれは、時が押し流してくれたはずだ。だから、気のせい、なのだ。
他に理由があるとするならそれは、痛みを想起させる灯火の光が、その存在を主張するからだ。
「彼の力を以て世界に奏上する――」
人心を惑わすもの。過去へと還すべきもの。
天へと向いた銃口が、黒き弾丸の雨を降らせる。
星々が照らす悪しき灯火へと飛来する、それは無数の蟲だった。
「あれは、此世に不要也」
成功
🔵🔵🔴
フィン・スターニス
この喪失感、錯覚とはわかっていても落ち着かないものですね。
大元を払う為にも、この場を早急に突破しないとです。
相手の得意とする環境ではありますが、
こちらとしても闇に覆われた場所は都合が良いです。
災い蝕む黒の闇を発動。
闇に紛れる様に、効果範囲を広げましょう。
150秒だけ、その動きを封じさせて頂きます。
発動と同時に、目立たない様に気配を抑えて接近し、
浄化の祈りを籠めた一撃を、急所と思われる場所へと突き立てます。
●慈愛は光に、悪意は闇へと
「(この喪失感、錯覚とはわかっていても落ち着かないものですね)」
胸に去来する痛みを、フィン・スターニス(七彩龍の巫女・f00208)はそれでも冷静に受け止めた。
この欠落が、これからも人々を喰らうのならば、捨て置くわけにはいかない。大元を払う為にも、この場を早急に突破せねばならない。
ぐるり、周囲を見渡す。夜を模した空間は、しかし星の光で敵味方の姿を見失うことはない。
(「相手の得意とする環境ではありますが……」)
それは、フィンにとっても同じだ。
闇に覆われた戦場では、彼女の生み出す闇とも親和性が高い。
自身に聞こえるかどうか、それほどまでに微かな声で、フィンは全封印の解除を宣言した。
「――黒の魔力は、災いが放つ昏き光を蝕む闇となる」
夜に紛れて闇が広がる。
去来する星の代替とされた魂の横をすり抜けて。
カンテラの灯火の揺らめきが、僅かにぎこちなく硬直する。
闇に包まれたそのほとんどが、動きを止めた。
直後、灯火がひとつ、天へと昇るようにして消える。
刃に籠められた浄化の祈りが、その一太刀で悪意から、哀れな魂を解き放ったのだ。
大成功
🔵🔵🔵
月詠・莉愛(サポート)
『あの……宜しくお願いしますね。』
オラトリオのシンフォニア×聖者の女の子です。
普段の口調は「丁寧口調(私、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」
独り言は「普通かな(私、~さん、ね、わ、~よ、~の?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
大人しくて口数が少ないですけど、心優しく
動物や植物などの自然が好きな少女。
争い事は苦手ですけど、依頼の成功の為なら戦う事も厭わないです。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
●星は月へと光を捧ぐ
じく、と胸が痛むような錯覚。
胸に隠した欠落を暴かんと、無遠慮に心を探られるような、そんな感覚に月詠・莉愛(銀の月を謳う・f16320)は思わず身体を強張らせた。
生来、争いを好まない彼女である。だが、今回は任務に当たる猟兵にとっても辛い戦いになるだろう。それを思って、彼らを支援するために、ここに立っているのだ。
自らを鼓舞しつつ、この不可解な感覚の源であろうカンテラから視線を外し、気づく。
(「……いけない!」)
階段へと向かう敵が数体。まだ、階下から向かう途中の者がいたことを思い出す。
このままでは、機先を制されてしまう!
「させません!」
銀の繊月のような、莉愛の細い身体は咄嗟に動いていた。敢えて何の備えもせず、無防備な状態で。
そこからは、まさに悪夢。複数の異形の存在が、儚げな少女に群れ、躊躇いもなく痛めつける光景は。
だが、その暴虐が止んだ時、莉愛の身体には傷ひとつなかった。全てはその背に眩く輝く月白の羽が受け止め、空に還してくれたから。
「絶対に、通しません」
瞳に宿る確かな光は星に似て。
それを、天の星たちも照らしていた。
成功
🔵🔵🔴
ヤーガリ・セサル
死んだ男が、殺した友の影に出会い、また別れた。臆病になってしまったあたしはまた何度もうじうじしますよ。
でも、今くらいは――穢れて堕ちた身なれど、立ち上がらないと、本物に示しがつかないですね。
短剣で片手を貫き祈りを叫びましょう。
左手の印は痛みの鞘となれ、右の刃は聖なる剣となれ。短剣は剣に。聖なる技がひとつ、聖血塗布の祝福を。
ターマイェンの司るものは犠牲を厭わぬ献身。ならば痛みなど安いものです。非常に痛いですが。慣れていても痛いですが!
あたしは祈り身を捧げましょう、数多の死者の記憶に。
そして彼らの痛みを癒すために、剣を振るいましょう――かつてのように。
これは外科手術のようなもの。医者のあたしにゃ日常で。
切開は一度、耐性が付く前に勝負を決める。
ガントレットからの光線で感覚を誤認させてから襲い、突き刺した破邪の剣を内部で暴発、爆発の余波で他の輩も仕留められればいいですねぇ。破魔の力を込めた全力魔法は効きますよ。
剣の創造でしばらくあたしの片腕は駄目になりますが、ま、小さな意地故の行動です。
●怪物の魂は星と成り得るか
――ヤーガリ・セサル(鼠喰らい・f36474)は一度死んだ。
死してなお、怪物として二度目の生を歩む羽目になり、友を殺めて以降は転落の一途を辿り、それでもここまで生き延びて、今に至る。
今日この日、その死んだ男が、殺した友の影に出会い、また別れた。星の下に過去を置き去りにして、臆病な怪物はまた何度でもうじうじと思い悩むだろう。
(「でも、今くらいは――穢れて堕ちた身なれど、立ち上がらないと、本物に示しがつかないですね」)
ヤーガリという男は間違いなく人であった。ならば、その名を名乗る怪物たるこの身は、人であったヤーガリにとっては魔の戯れが生んだ贋作に他ならない。
贋作へと成り果てても、今は彼方の過去のため、せめてもの餞を。
妖異が偽りの生すら喰らわんと、ヤーガリに躙り寄るが。
「左手の印は痛みの鞘となれ、右の刃は聖なる剣となれ。短剣は剣に。聖なる技がひとつ、聖血塗布の祝福を――」
祈りを叫び、突き立てた刃は左手を貫いた。
怪物も血は赤いものかと、他人事のようにヤーガリは思った。
が、思考は痛みに霧散する。それでも安いものだと、ヤーガリは歯を噛んだ。
彼の仕えるターマイェンは献身を司る。犠牲をも厭わぬその心を。
とは言え、痛いものは痛い。慣れはするが、痛みそのものが消えるわけではない。
だがその痛みこそ、かの神への祈り。
この身を捧げよう、数多の死者の記憶に。
(「そして彼らの痛みを癒すために、剣を振るいましょう――かつてのように」)
これは外科手術のようなもの。医者たる身には日常とも言うべき処置。
切開は一度きり。敵が己への耐性を得る前に、決めなければ。
敵が眼前に躍り出る、それに先んじて、ガントレットから放つ光が相対する者の視界を、感覚を狂わせる。
生じた隙に、輝きが歪んだ身体を貫いた。
それは破邪の力を宿した剣。自らに化した代償の分だけ、神は応えてくれる。
瞬間――その輝きは広がると同時に爆発を巻き起こした。拡散された破魔の力で歪みは次々正され、消え失せてゆく。
今の己が生きる意味とは何か。ヤーガリはこれからも神に問い、己に問い、昏く自責の淵に落ちるだろう。
だが、今やるべきことはやれた。
片腕は剣の創造で暫くは使い物にならないだろうが、かつては人であった身なりに、小さな意地を通したまでだ。
大成功
🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『夢ヲ貪ル者』
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POW : 忘レヌ痛ミ
【敵対者の記憶】から【かつて戦った敵の幻影】を召喚する。[かつて戦った敵の幻影]に触れた対象は、過去の【戦闘で負った傷の痛み】をレベル倍に増幅される。
SPD : 拒絶ノ意思
【自身からレベルm半径内に放つ衝撃波】が命中した敵をレベル×10m吹き飛ばす。
WIZ : 静カニ眠レ
近接範囲内の全員を【睡眠状態】にする【音波】を放ち、命中した敵にダメージと麻痺、味方に隠密効果を与える。
イラスト:麻風
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「フェル・カーモルト」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●夢が現実になる前に
哀れな魂を天に還して、更に奥へ、奥へと進む。
一際大きな扉が目についた。見た目に反して軽いその扉の向こうに広がっていたのは、先程の広間ほどではないが、これまた広く平坦な空間だった。こちらも例に漏れず、星空の世界と化していたが。
そして、ひとつの影。
上半身は人の形をしているが、まるで幽鬼のように脚を持たず、宙へと浮かんでいる。何より心臓のように赤い双眸は、明らかに人のそれではない。
だが、どこか様子がおかしい。動かず、慎重に猟兵たちの出方を窺っているように見て取れる。
誰かが思い至った。本調子では、ないのかもしれないと。
グリモア猟兵の予知により、観測された事件が起きる前に駆けつけた猟兵たち。そのため、既に噂は流布されているものの、未だ人的被害は出ていない。
本来であればこのオブリビオンは、被害者から命そのものや、生命力などといったものを奪うことにより、力を増す能力を持っていたのかもしれない。
ならば、今はまさに好機だ。
けれど油断してはならない。本来の実力を出し切れていないとしても、廃墟ひとつをゴーストタウンとして蘇らせ、支配するだけの力は持っているのだから。
奴が力をつける前に――悪夢が始まる前に、幕を引くのだ。
明けない夜を、終わらせるのだ。
ヤーガリ・セサル
腕は死ぬほど痛いし、失血で全身がフラフラだし、あたしも度し難いカッコつけの馬鹿です。
で、そちらにも、馬鹿が一匹。元凶ですか。飢えているんでしょうね、あなたも。巣を作って待ち構えたら、引っかかったのは猟兵だ。
まあ、あたしはこれでも自分の『食欲』を抑えられていますから、あなたをご同類だとは呼びたくありませんがねぇ。
失血と飢えで倒れる前に、一気にカタをつけますよ。これが今のあたし、『魔術師』ヤーガリ・セサルの秘術。
影の従者達を召喚。距離を取り、指揮。
多重詠唱で幾重にも攻撃魔法を構築させ、倍増して――放つ。
九方向から何度も来る術に、何時まで耐えられますかね!
感謝はしますよ。少し――吹っ切れましたので。
●未だ夜は明けず、されど
神へと捧げた腕が、死にそうなほどに痛む。
今なお血も失われ、目眩がする。
――己は馬鹿だと、ヤーガリ・セサル(鼠喰らい・f36474)は自嘲した。
度し難い、カッコつけの馬鹿だと。
「で、そちらにも、馬鹿が一匹」
眼前の敵は、ヤーガリたち猟兵を睨めつけ、動くに動けずにいる。
「飢えているんでしょうね、あなたも」
しかし、巣を作って待ち構えてみれば、引っかかったのは猟兵だ。滑稽と言わずして、何と言う。
「まあ、あたしはこれでも自分の『食欲』を抑えられていますから、あなたをご同類だとは呼びたくありませんがねぇ」
怪物にだって矜持はある。
叩きつけてやるのだ。その違いを、今ここで。
限界は近い。一気にカタをつけなければ。
(「これが今のあたし、『魔術師』ヤーガリ・セサルの秘術」)
彼の呼びかけに応えて、影の従者たちが書より湧き出る。命じれば、歌うように詠唱が重なる。
多重詠唱、威力倍増――九方向からの絶え間ない術式の波。悪夢の主が、呑まれてゆく。
矜持なき悪意に、同情など要らない。それでも。
「感謝はしますよ。少し――吹っ切れましたので」
大成功
🔵🔵🔵
フィン・スターニス
本調子でないのは朗報でしょうか?
本格的に活動する前に、確実に弱らせ祓いましょう
雨月様の変化した槍を用い、
付かず離れず、間合いを保ちながら攻撃です
物理攻撃に加え、風の属性攻撃で吹き飛ばして体勢を崩したり、
結界術で守ったりと、堅実に立回ります
敵が衝撃波を放ってきたなら、防御を硬めつつ、吹き飛ばされながらも視界は確りと相手を捕捉しておきます
その拒絶を、私は拒絶しましょう
第三災禍・黄の拒絶を使用して懐へ潜り込み、
攻撃直後のその身へカウンター気味に、一撃を差し込みます
破魔の力を籠めた火属性の貫通攻撃です
これから奪うつもりであった生命力の代わりに、存分に味わって下さい
●悪夢を拒み、朝を呼ぶ
(「本調子でないのは朗報でしょうか?」)
敵が動かずとも、フィン・スターニス(七彩龍の巫女・f00208)は冷静に分析することを忘れない。
その様子は、自身に抗う力を持った猟兵たちの実力を、警戒しているかのようだった。
ならば、本格的に活動を開始する前に、確実に祓わなければ。
寄り添う龍が、虹の光を纏って槍へとその姿を変えた。携え、間合いを図りながらも確実に仕掛ける。
ただ貫くのみならず、時折風を纏い翻弄しながら。
寄るなと言わんばかりに衝撃波がフィンの華奢な身体を襲おうとするが、即座に結界を張り対処する。
全ては殺しきれず、宙を舞うも。受け身を取りながら、視界は祓われるべき魔を捉えたまま。
「その拒絶を、私は拒絶しましょう」
地に降り立つ、その前に。
「封印解除。黄色の魔力を糧とし、第三の災い、此処に発現せよ!」
唱える。そしてフィンは――姿を消した。
否、敵の懐に潜り込んでいる!
「これから奪うつもりであった生命力の代わりに、存分に味わって下さい」
魔を穿つ穂先が、浄化の炎を灯す。
悪夢が燃えてゆく。朝はもうすぐ、そこまで来ている。
大成功
🔵🔵🔵
尾守・夜野
「…糞が
てめぇが此度の元凶か?
考えたくない事考えさせやがって
楽に死ねると思うなよ…ってあ?」
敵の手前が歪む
空気が熱気を孕み揺らめく
何かが燃えている
否最初からあったのか?
炎が形を取りかの神の…我が宿敵の姿に
そして急に止まれる訳もなく俺は突っ込む
熱い痛いイタイイタイイタイ
倒れ悶える俺の手足は…まぁ呪詛の影響は表に表出しちまってるが、このレベルの負傷は…ない
「…そういう…事かよ!」
全身の触覚を代償としUCを発動
感覚を誤魔化し麻酔代わりに
痛みがないならただの幻影だ
武器等を持ったり歩く感覚も消えるから諸刃の剣ではあるが
少なくとも動けなくなりはしない!
無視して皆(剣)で切り裂くぜ
…しんど
●許されざる悪しき夜
「……糞が」
尾守・夜野(墓守・f05352)は悪態をつかずにいられなかった。
「てめぇが此度の元凶か? 考えたくない事考えさせやがって、楽に死ねると思うなよ……」
どう落とし前をつけてくれよう。
慈悲など一切与えぬ、兎に角一撃入れさせろ――その一心で敵へ向かった夜野は、見た。
「……って、あ?」
歪みを認識する。空気が熱気を孕み揺らめく。何かが燃えている――?
初めからその場に存在したかのようなその姿は、炎は、かつて夜野に悲劇を見舞ったかの神の――!
(「熱い痛いイタイイタイイタイ――!」)
勢い余って倒れ、熱と痛みに侵される四肢に視線を遣るが、呪詛の影響が浮かび上がっているだけだ。
「……そういう……事かよ!」
あれは、幻影だ。
もうひとつ悪態ついて、痛みを、触覚を仮初の命へと変えて、式に与えた。
剣を握る感覚も、地に足を着く感覚も失せたが、動けなくなるほどではない!
彼の意に沿い動く式たちと、今度こそ敵を斬り伏せた。憎き幻も、覚束ない身体も今は無視して。
手応えもないが、崩れ落ちる影が見えた。
「……しんど」
最後に、溜息ひとつ。
大成功
🔵🔵🔵
鈴乃宮・影華
せっかくの北海道、せっかくのプラネタリウムだというのに
今の所精神にダメージ来る要素しか無いですねぇ
能力者、もとい猟兵への依頼なんて大体そんな物ですけど
そんな訳で私は大丈夫なんです
ほら、トリを飾るボス敵だって本調子じゃなさそうですし
――あの日見たオブリビオンが現れても、私は大丈夫だから問題無いんです
指定UCを起動
あの日は無力だった蟲達に、私の目に映る不快な全てを喰らい尽くせと指示
あの日守られてしまった私も長剣を振るいます
あの日の傷が疼いても『ペルフェクティオ』をキメれば耐えられます
「……大丈夫、だから」
とうとう気づきもしなかった馬鹿は、黙って星になってなさい
●きっと星は見守り続ける
「せっかくの北海道、せっかくのプラネタリウムだというのに、今の所精神にダメージ来る要素しか無いですねぇ」
やれやれ、と鈴乃宮・影華(暗がりにて咲く影の華・f35699)は肩をすくめる。
自然豊かな観光地、星々に癒される空間――だがこれは慰安旅行ではなく、生死を懸けた戦い。
(「能力者、もとい猟兵への依頼なんて大体そんな物ですけど」)
ふと、青春時代を思い出した。きっと、あの男の面影のせいで。
けれど、皮肉を零せる程度に余裕は出てきた。最後の敵も本調子ではないようで。だから、大丈夫だ。
――あの日の災厄が、再び立ちはだかろうとも。
「彼の力を以て世界に請う――来て、私の軍団!」
黒い影が広がる。
あの日、彼らもまた無力だった。だが、影華と共に力を得た今なら、喰らい尽くせる。
あの日、守られてしまった影華も、今度こそ戦える。果敢に剣を振るい、あの日の傷も嚥下する夜色の秘薬で閉じ込めて。
一閃、流星に似て。
「……大丈夫、だから」
――とうとう気づきもしなかった馬鹿は、黙って星になっていればいいのだ。
そして、そこで見ていればいい――そう思う。
大成功
🔵🔵🔵
●そして、星たちはまた眠る
崩れ落ち、塵となった悪しき夜の主。
その頭上の空が、僅かに綻んだ。
やがてそれは、徐々に広がるように大きくなり――静かに、消えた。
今はただ、ひび割れのある天井が広がるばかりである。
すぐに崩れはしないだろうが、ここは最早、ただの廃墟だ。長居する理由はどこにもない。
ひとり、またひとり、踵を返して歩き出す。
それぞれの、あるべき場所へと。
胸に抱く、本物の星を想って。
――そして、夜が明ける。