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銀河帝国攻略戦⑲~奇跡を起こす追い風

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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「スペースシップワールド、銀河帝国攻略戦に関して、皆さんにお願いしたいことがあります」
 グリモアベースに集まった猟兵たちに、プルミエール・ラヴィンス(はじまりは・f04513)が告げた。
「皆さんの活躍で、ドクター・オロチが居る『実験戦艦ガルベリオン』の所在を確認出来ました」
 ドクター・オロチは、いつからか帝国の執政官兼科学技術総監に就任している、謎のオブリビオンだ。その存在を、予兆の形で感じ取った猟兵たちも少なくない。
 皇帝に直接的な戦力を送ってはいないが、その指揮下にある艦隊はどれも非常に厄介な特質を備えている。
「今回、皆さんに対処をお願いしたいのもそのひとつ。殺人ウイルス『オロチウイルス』です」

 オロチウイルスは、その名前の通り、ドクター・オロチが開発した殺人兵器だ。
 ウイルスと名はついているが、ウォーマシンやバーチャルキャラクターなど、明らかに普通のウイルスが効かないであろう存在にも効果を発揮する。猟兵であっても、数秒耐えるのが限界。その特質は、エンペラーズマインド・コアルームにおいても、猟兵たちを苦しめた。
「ドクター・オロチは、戦闘機位の小型突撃艇にオロチウイルスを満載。それを多数、解放軍船へ一斉ワープさせた後、艦隊ごと自爆させるつもりのようです」
 毒薬の入った水風船を投げつけられるようなものだ。
 ただ迎え撃つだけでは、逆に敵の思惑通りになってしまう。
「ガルベリオンが厳重に隠蔽されていたように、オロチウイルス突撃艇も、しっかり隠蔽を施された上で各所に散っています。現状では全ての撃破は難しいでしょう。そこで、まず毒を何とかすることになりました」
 コアルームにコアの撃破に向かった猟兵達は、『オロチウイルス』のサンプルを持ち帰ることにも成功していた。これが、勝機を掴む鍵となる。
「ワープドライブの使い手であるミディアさんが、『古代遺跡船』にスペースシップワールドの科学技術の粋を結集して、抗体作成を進めて下さっています。ですが、今日明日でオロチウイルスを研究し尽くすなんてこと出来ません。――普通なら」

 ですが、私たちは、普通を飛び越える奇跡の力を持っています。

「結論を言うと、ユーベルコードを用いて、抗体作成に協力してください」
 具体的にどのように使うかという点に関して、プルミエールは少し考える様子を見せる。
「……たとえば、身体能力を高めるユーベルコードを持っているのなら、わざとウイルスを摂取した上で、未完成の抗体とユーベルコードで全力で耐え抜いてる間にヒントを得るとか、でしょうか」
 古代遺跡船には、多数の研究者が集っている。また、研究や開発が専門だという猟兵も居るだろう。
 そういったことが不得手なら、その部分は丸投げすることもひとつの手だ。
「他にも、1秒で普通の人の何百倍分の計算をするとか、普通見えないウイルスを見抜いて把握するとか……。ユーベルコードというのは多彩ですから、これが最適といったことは断言出来ません」
 逆に言えば、発想ひとつでどんなユーベルコードも化ける可能性がある、ということだ。
「皆さん、ひとりひとりに出来ること、思いつくことをやってみて下さい。それがたくさん集まればどんなに強い力を持つかは、既に実証されています」
 いまこの瞬間も、少しずつ不可能が可能になっているのだから。


越行通
 こんにちは。越行通(えつぎょう・とおる)です。
 今回は「銀河帝国攻略戦」に関わるシナリオとなります。

 概略はOPでありました通り、ユーベルコードを用いて、オロチウイルスの抗体作成を進めていくシナリオとなります。
 全体的に、古代遺跡船の研究施設で皆さんが様々な実験や研究をしているところを描写してゆく形になります。
 また、シナリオ進行は皆様の研究成果をまとめて提出、ミディアに報告し、後を託すところまでです。

 必須なのは『ユーベルコードを用いること』です。
 『オロチウイルスの抗体作成』という全体目的に対して、ユーベルコードをどんな風に使って、何をしたいのか。
 その人らしい、自由なプレイングをかけてみて下さい。

 皆様のプレイングをお待ちしております。


 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
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第1章 冒険 『オロチウイルスの抗体を開発せよ!』

POW   :    オロチウイルスを摂取し、未完成の抗体とユーベルコードを駆使し、全力で耐え抜く事で抗体のヒントを得ます

SPD   :    圧倒的処理速度で演算を行なったり、肉眼では確認できないウイルスの動きを見切り、その特性を導き出します

WIZ   :    集積された膨大な情報を高速処理するなど、ユーベルコードを利用して開発に貢献する

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

大神・零児
無双の意識の【自身からレベルm半径を覆う自分の意識】【それを用いた対象全員の意識に触れる感覚】を使用し、ウイルスの挙動を「追跡」

神隠しにより世界を転々としていた頃に身に着けたそれぞれの「世界知識」を覚えている限り使い、次のウイルスの行動を予測し「見切り」ながら「第六感」と「野生の勘」により、違和感をあぶり出し、さらに「世界知識」を駆使し違和感の正体を突き止めるよう努力し、何が弱点なのか、ウイルスが何を好むのかを探り当てる!

【アドリブ改変&味方の連携可】


レイ・アイオライト
……ドクター・オロチ、ほんとくだらないことばっかり考えるわね。いいわ、そっちがその気なら、そのウィルスの抗体を作れるよう協力しようじゃない。
あたしのユーベルコード【影ノ傷跡漏出:暗黒領域】は、通常ではありえない法則の境界線の結界を創り出すユーベルコードよ。その結界の中にオロチウィルスを格納して、その法則下において「どんな挙動、変化が起こるのかを観察」するわ。その結果から、あたしは元のオロチウィルスの特性を逆算する。あたし自身が創り出した法則なんだもの、元の特性の逆算なんて瞬きするほど簡単よ。
奇跡なんていくらでも起こすわよ。そうじゃなけりゃ猟兵なんてやってられない、そうでしょ皆。


タイタス・レイヴン
【SPD】
「奇跡とは起きるものではない。起こすものだ!ラプラスデモンシステム発動ッ!見える、見えるぞ!毎秒毎瞬無数の予測結果を制し、全ての因果をも支配し抗体を完成させてみせる!」『ラプラスデモン』によりウィルスに対して【超高度な情報分析と状況予測を行い】圧倒的処理速度による演算とウィルスの動きのすべてを把握し見切り、実際の作業は『プログラムド・ジェノサイド』で超高速化して行う。
「そうか。オロチウィルスの構造とは・・・特性とは・・!常人ならば時間がかかるだろうが私ならば思考も身体能力も加速できる!ならば成せるはずだ!」
使用技能:【2回攻撃】【情報収集】【第六感】【見切り】




「……ドクター・オロチ、ほんとくだらないことばっかり考えるわね」
 オロチウイルスを用いた悪辣な戦術に、レイ・アイオライト(潜影の暗殺者・f12771)は厳しい表情をする。
「いいわ、そっちがその気なら、そのウィルスの抗体を作れるよう協力しようじゃない」
 決意と共に銀のポニーテールを翻し、組み立てた手順を実行する為、レイは近くに居た研究員を呼びとめた。

「あたしのユーベルコード【影ノ傷跡漏出:暗黒領域】は、通常ではありえない法則の境界線の結界を創り出すユーベルコードよ」
 空間を暗黒で塗りつぶす結界の内側は、すべて彼女の意のままになる。よって、『通常ではありえない法則』が、切り離されて存在することになる。
「その結界の中にオロチウィルスを格納して、その法則下において『どんな挙動、変化が起こるのかを観察』するわ」
「話の途中ですまん。それなら、俺も協力させて貰えねぇか」
 近くで話を聞いていた大神・零児(人狼の妖剣士・f01283)がそう申し出る。
「俺のユーベルコードは……本来は戦闘用なんだが。今回の場合、俺自身を中心とした一定の距離にあるウイルスの意識や活動を追跡するのに使おうと思ったんだ」
 彼には神隠しにより世界を転々としていた頃に身に着けた様々な世界の知識があった。
 ユーベルコードを用いた追跡、知識による予測から違和感を炙り出し、違和感の正体からウイルスの弱点や好むものを探ろうとしていたという。
「つまり纏めると、ウイルスが何を目指し、どのように変異して死という現象を起こすのかの計算ということか?」
「そういうことになる……のか?」
「何であたしに聞くのよ。まあ、弱点は避けるでしょうし、効果を発揮する為に一目散に目指すものは、『好むもの』にはなるわね。……で、アンタ誰」
「これは失礼。私はタイタス。君たちと同じく、奇跡を起こしに来た」
 さらりと話に混ざってきたタイタス・レイヴン(復讐の大鴉・f06435)が、丁寧な所作で挨拶をする。
「その結界が『自在に法則を左右出来る』というならば、比較実験のようなことも容易いだろう。通常時の挙動、そちらの法則下の挙動。レイさんは法則からの逆算で元の特性を逆算。大神君は異なる環境下でのウイルスの挙動を追跡、と、分担してデータを取ってはどうか」
「俺には異論は無いが」
「結界に潜り込むような無茶な真似はしないわよね?」
「無論だとも」
 レイが念を押したちょうどその時、ウイルスのサンプルを持った研究員が到着した。

「朔月に墜ちる影、全てを塗り潰す暗黒の結界、具現しなさい!」
 レイが結界を作り上げることで、すべての準備は整った。
 『プログラムド・ジェノサイド』を起動したタイタスが、その様子を緑の瞳でじっと追う。彼の脳にあらかじめ施されたプログラムが、人知を超えた速度での演算に耐えうる為の機能を、彼に付与してゆく。
「――奇跡とは起きるものではない。起こすものだ! ラプラスデモンシステム発動ッ!」
 彼の脳が人知を超えた速度と精度を備えた演算機となり、レイの作る結界下におけるウイルスの動きを把握し、その動きひとつから何倍もの可能性の情報を得てゆく。
「見える、見えるぞ! 毎秒毎瞬無数の予測結果を制し、全ての因果をも支配し抗体を完成させてみせる!」
「もしかしてこの方、のめり込み型研究系なんでしょうか」
 ウイルスを運んできた研究員が呟く。何故か親近感が湧いているようだ。
「奇跡なんていくらでも起こすわよ。そうじゃなけりゃ猟兵なんてやってられない、そうでしょ」
「そうだな……俺も、通常状態のウイルスの動きを見ていく」
 結界内に格納されたウイルスを、まず通常状態で保持。零児の意識が追跡する。
 ウイルスに触れるようにして感覚的に追いかけ、口頭でその動きの仔細を伝えてゆく。
 零児から聞いた話を記録するのは、ウイルスを運んできた研究員だ。
 タイタスが記録しても良いが、資料としてミディアに渡す上で、分けてまとめた方が良いだろうと考えてのことである。
「そろそろ法則を変えるわよ」
 宣言と共に、レイがこの世ではありえない法則を『創り出し』はじめる。
 それに伴う変質も零児は追跡し、レイもまた、ウイルスの挙動や変化を観察する。
「そうか。オロチウィルスの構造とは……特性とは……! 常人ならば時間がかかるだろうが私ならば思考も身体能力も加速できる! ならば成せるはずだ!」
 一足早く結論に到達したらしいタイタスが、興奮した様子で目を見開いている。
 彼の出した計算結果は、後でわかりやすく何かに落とし込む他ないが、零児の口頭での説明と並行して、レイの逆算もまた答えを弾きだしていた。

 結界を消し、オロチウイルスのサンプルを厳重に管理しなおしてから、三人それぞれの観察結果が完成した。
 アプローチの方向性は違えど、どれも今の状況の研究員が到達出来る範疇を遥かに飛び越えた結果を出している。
「すごい……こんなに詳細な観察結果は、私達だけでは、到底出せません……!」
「あたし自身が創り出した法則なんだもの、元の特性の逆算なんて瞬きするほど簡単よ」
 的確かつ完結に纏めた成果を研究員に渡し、彼女はぶっきらぼうな、しかし芯のある声で言った。
「言ったでしょう。奇跡なんていくらでも起こすって」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

紫谷・康行
無くなればいい
ウイルスがではなく
毒性が
俺の無言語りでは全てのウイルスを無効化することはできないだろうけど
ウイルスがウイルスを無効化出来るなら上手く行くかもしれない

【無言語り】を使い
ウイルスの毒性自体に虚無の力を当てウイルスを毒性のないものに変化させる
「虚ろなる眼窩よ、無たる全よ、人を冒す力を無とせよ」

毒性のない個体を培養して毒性のある個体に混ぜる
もし、毒性のない個体が優勢ならウイルスが変異していく過程で全体が毒性のないウイルスになるのではないだろうか
毒性のない個体を何度も作って実験しオロチウイルスを無効化出来るウイルスを作ろうとする
アンチウイルスを事前に散布しておけばウイルスを無効化出来るはず




「無くなればいい。ウイルスがではなく、毒性が」
 それを起点とした発想で行動を開始したのは、紫谷・康行(ハローユアワールド・f04625)だった。

 彼はまず、ユーベルコード【無言語り】を使い、ウイルスの毒性自体に虚無の力を当てることで、『毒性の無いウイルス』を作り出した。
 そうして生まれた毒性のない個体を培養し、毒性のある個体に混ぜる。
 複数作ったそれらの中に、毒性のない個体が優勢になるものが出来れば、ウイルスが変異していく過程で全体が毒性のないウイルスにならないか。
 ――そうして、『オロチウイルスを無効化出来るウイルス』を作成出来ないか。
「俺の無言語りでは全てのウイルスを無効化することはできないだろうけど、ウイルスがウイルスを無効化出来るなら上手く行くかもしれない」
 茫洋とした語り口の内側ににじむ何かを、培養を手伝っていた研究員も感じ取る。
「アンチウイルスを事前に散布して、ウイルスを無効化ですか……」
 特定の物質に反応する抗体とはまた違うアプローチだが、この培養の過程は、オロチウイルスへの理解を深める結果を生み出すだろう。
 無論、彼の言うかたちでの無効化も、視野に入るかもしれない。
 感嘆する研究員の視線の先、康行自身は淡々として見えた。
「虚ろなる眼窩よ、無たる全よ、人を冒す力を無とせよ」
 これで何度目になるだろうか。康行の言葉がウイルスから毒性を奪い、変質したそれが培養装置に移される。
 何度も、何度も。
 康行は辛抱強く実験を続け、結果を積み上げていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

セリオン・アーヴニル
今回は俺の能力の『特異性』がある意味役に立ちそうだ。

研究スタッフに「良い実験動物がいる」と声をかけ、
あらゆる試験薬を持ち込ませた上で招集。
その後【リヴ・レリクト】を発動し別人格の一人を召喚。
『生命体として』召喚するこのユーベルコードを使い、
文字通り『幾らでも使い潰せる実験動物』を提供。
限界以上のウィルスを摂取、複数の試験薬を同時投与等、
普通の人体では不可能な領域の実験を行い、
途中経過や血液採取を含め様々なデータを収集。
瀕死、又は使い物にならなくなった段階で能力解除し再度召喚。
綺麗な体としてリセットし、実験を繰り返す。

非人道的?問題ない。
呼び出したアイツは同意済みだし、実験動物扱いは慣れている。




「良い実験動物がいる。使える限りの試験薬を持ってきてくれ」
 研究員にそう声をかけたのは、セリオン・アーヴニル(並行世界のエトランジェ・f00924)だった。
 彼の言葉に研究員があらゆる動物実験用の薬を持ってくるのを確認し、セリオンはユーベルコードを発動した。
「抑制術式《スレイブコード》解放。世界に顕現せよ」
 ユーベルコード、【リヴ・レリクト】の発動により現れたのは、人間だった。それは、彼と同じ姿かたちをしている。それでいて、彼ではない。
「こいつは俺の別人格を顕現したもの。文字通り『幾らでも使い潰せる実験動物』だ」
 その言葉に、まだ若い研究員の顔色が失せる。
「それは……さすがに」
「非人道的? 問題ない。呼び出したアイツは同意済みだし、実験動物扱いは慣れている」
 セリオンの言葉に小さく震える研究員の肩を、年長と思しき研究者がそっと叩いて下がらせ、あちらを手伝うようにと指示を出す。
 そして彼は、真っ直ぐにセリオンの目を見た。
「解りました。その実験、務めさせて頂きます」

 その後、最小限の言葉のやり取りのみで、あらゆる実験が行われた。
 限界以上のウィルスを摂取。複数の試験薬を同時投与。途中経過や血液採取を含め、ありとあらゆるデータが蓄積されてゆく。
 瀕死、又は使い物にならなくなった段階で能力解除を行い、再度召喚すれば、『彼』は綺麗な体としてリセットされる。
 用意されたあらゆる薬剤、ウイルスのサンプル、実験段階の抗体。
 すべてを消費し、データに収め終わる。多少の時間はかかったが、それでも、普通ならば到底不可能な量のデータが蓄積された。
「……あなたのご協力に、感謝を。そして、どうか敬意を表させて下さい」
 漆黒の瞳で見返すセリオンに、研究者は深く、深く頭を下げる。
「必ず成果に繋げてみせます。あなたの作って下さったこのデータの数々を、人を助ける為のものを作る為に、使わせて頂きます」

大成功 🔵​🔵​🔵​

ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード
正直、痛いのも辛いのも好きじゃないんだけどねえ。
けどまあ、あたしの体はかなり頑丈な方だし、実験台になるには向いてるわけで。
ほっといて大勢死ぬってのもそれはそれで嫌だしねえ。
ここはひとつ、頑張ってみようか。

オロチウィルスを摂取したら、【再生逆撃】の高速再生効果でウィルスのダメージをひたすら修復し続けて、抗体を作るためのデータ集めを手伝うよ。
ウィルスのダメージを何かしらの方法で軽減、無効化するよりは、ダメージをまともに受けてから再生する方が、ウィルスがどんな働きをするかの詳細なデータが取れそうだしね。




「うーん。正直、痛いのも辛いのも好きじゃないんだけどねえ」
 ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード(蛮族キマイラ・f07620)は、しばし考え込んでいたが、やがてひとつ頷いて、決意を固める。
「けどまあ、あたしの体はかなり頑丈な方だし、実験台になるには向いてるわけで」
 既に、似たような形で貢献している猟兵も居るようだ。
 必要以上の力みもなく、ただやれることをやろうと、彼女は歩き出す。
「ほっといて大勢死ぬってのもそれはそれで嫌だしねえ。ここはひとつ、頑張ってみようか」

 研究員に頼んでオロチウイルスを摂取した彼女は、すぐにユーベルコード【再生逆撃】を使用する。
「この程度じゃ、あたしは、死なないよ」
 本来カウンター技にあたるユーベルコードを使うのは、ダメージを軽減、無効化するのではなく、ダメージとしてはまともに受けてから再生した方が、よりデータが取りやすいのではという考えからだった。
「あたし、こんな感じで再生していくから、データ取ってねぇ」
「はい、お任せ下さい」
 マイペースでのんびりした様子ながらオロチウイルスに抗う様子に、研究員も気合が入っていた。時にペトニアロトゥシカの体調を気遣いながら、オロチウイルスのダメージデータを集めていく。
 彼女の考え通り、オロチウイルスの具体的な挙動はより詳細に記録され、抗体研究の為のデータとして蓄積されていった。
「どうかな、役に立ちそうかなあ」
「勿論です。絶対、お役に立ててみせます」
「そっかあ」
 力強く頷く研究員に、ペトニアロトゥシカはのんびりと満足そうな声で笑った。


 ミディア・スターゲイザーが受け取った研究成果は、相当な量と精度のものとなった。
 その重みをミディアは噛み締め、受け止める。
 猟兵たちそれぞれの起こした奇跡が、ひとつに束ねられる。
 誰もが望む結果は、もうすぐそこだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月16日


挿絵イラスト