3
きゅんとする瞬間の甘み

#ヒーローズアース #お祭り2022 #バレンタイン

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#ヒーローズアース
🔒
#お祭り2022
🔒
#バレンタイン


0




●吊り橋効果に置ける成功率
 ある悪逆非道のヴィランは言った。
「吊り橋効果は時と場合により必要だ。必要悪だって、存在して然るべきである!」
 一般人が襲撃されるアクションの根幹に必要なのは、身を襲った恐怖体験とそれを救う誰かという構図。
 だから俺たちあるところに恋愛フラグは成立するのだと。
 必要悪である分、当然ひどい目には在って貰おう。当然の義務としか言いようがない。
 常に我らは危ない橋を渡ろうとする市民を襲うモノである。

 ある正義感の強いヒーローは言った。
「一般人に求められるべきなのは、本来必要以上に反応しない"強い平常心"だ」
 心に付け入る悪の根源達から、我々は護らなければならない。
 恐怖体験から救うのは、当然のことだ。
「強い心を持てるよう、我らはお前達から市民を守っている!」
 そこにこちらだけに働く吊橋があるだけだ、それになんの不満があるというのだろう。
 常に我らは危ない橋で市民を救うものである。

 二人の主張は噛み合わない。正義と悪が相容れないように。
 心理学とはこのように、結果と矛先を第三者視点で明確に浮き上がらせる。
 それは――机上ばかりの空論ではないのだから、誰もがそんな窮地を作りたがるのだ。
 恋と窮地は紙一重。甘さはそれなりの実績で保証済み。
 数字で出されたなら、君は――この理論を信じるか?

●不意打ちによる先制攻撃
「君はバレインタインデーにヴィラン襲撃予知を聞いた猟兵だ」
 ソウジ・ブレィブス(天鳴空啼狐・f00212)は笑いながら、そんな事を言う。
 白昼堂々、大きな交差点で行われる高層ビル立てこもり事件の予感。
 その場にはそう時間が掛からないうちにヒーローが訪れる。
「皆が気にかけなくても被害は大きくならないし、吊橋効果10%がクリティカルして新しい恋が生まれるかも知れないねえ」
 検証実験番組、流行ってるんだって、とはソウジ談。
「事件自体は本物だけど、どこかでドローンや事件の匂いを嗅ぎつけて現れるパルクール系カメラマンが撮影している現場でもあるらしいよ」
 ヒーローズアースでのヴィラン&ヒーローの戦いは日常茶飯事だ。
 あるテーマに会う事件資料を探すより、偶発的事件に張り付いたほうがより鮮明な情報の入手が可能である。
「……でもねえ、僕は必ずヒーローとヴィランの戦いと救いされる市民の構図より面白い方法を思いついていてね」
 高層ビル上でヴィランが市民を掴み、地上に叩き落とそうとしているタイミング。
 この地点に、転送を間に合わせることが可能だと思う、と笑うのだ。
「君はバレンタインデーにヴィランにうっかり捕まった猟兵だ」
「君はバレンタインデーにヴィラン側に立たされた不運な猟兵だ」
「君はバレンタインデーに指定された高層ビルにたどり着けなかった為普通に買い物やデートを楽しむ猟兵だ」
 色んなパターンがあるかもしれない。
 事件ある所でカメラはいつでも回ってる。
 ヒーローショー!と称してテレビで流される、かもしれない。
 猟兵は皆が皆、大人気アクションスターレベルに人気があるので、なあにお茶の間が明るい話題で湧くだけさ。
 市民を助けたい君が、相手をときめかせる事ができるかもしれないし。
 ノリと勢いだけでヴィランっぽく立ち回って役を演じるヒトもいるかもしれない。
「要するにね、誰かがいるからなにかが起こる。僕の予知はそういう奴なのさ」
 ヴィラン襲撃に携わらず検証実験にも関わらず、ヒーローズアースで買い物などをしていても勿論良い。
 猟兵が番組参加する必要は全く無いのだ。
「そうでなくてもバレンタインデーだよ?楽しかったりする日じゃないとねえ」
 チョコへ向ける温度は、君が決めたら良いのさ。
 甘かったり、圧力強めだったり、ふわふわだったり。
 チョコの味も好みも、人それぞれだって言うだろう?


タテガミ
 こんにちは、タテガミです。
 これは多分バレンタインデーな一章のシナリオです。

●簡単な概要
 バレンタインデーに高層ビルでヴィランが市民を巻き込む事件が発生するようです。ヒーローはこの後すぐ遅れてやってきます。
 吊り橋効果検証実験、飛び込み参加。
 猟兵はヒーローが到着する前にたどり着くことが出来き、ヒーローが救うべき「憐れな市民」を助ける事でときめかせることができるでしょうか。
 事件自体は普通に自然に起こったものですが、とこかで録画されている生放送の演技として頑張れば、それとなく印象操作をすることが出来るでしょう。

●出来ること
(1)ヒーロー到着前に「市民」救助のために戦う。
 ヴィランは一人。猟兵が格好良く立ち回ると、市民(猟兵とは逆の性別になります)がときめくかもしれないので、格好いい台詞とかときめき甘く攻める、良いと思います。
(2)何故かヴィラン立場に就職。
『市民』が『正義の味方』に救助された時、ときめけるようなこわーい演出が求められます。捕まっている市民は総じてビビりなので、怖がらせるのは簡単です。高級チョコレート爆買市民だったので、分けてもらってもいいかもしれませんね(悪い顔)。
(3)うっかりヴィランに捕まった猟兵。
 ヴィランのもとへ訪れるヒーロー(合わせお友達猟兵)のかっこよさにときめいて下さい。吊り橋効果があまりに絶賛できると遅れてきたヒロアスヒーローとヴィランから、喝采とチョコレートが貰えます。
(4)高層ビル事件なんてしらねえ!
 上記どれとも関係ないチョコレートの日とヒーローズアースな空気を楽しめます。あなたのしらないところで恋あるかもしれないです。びっくりサプライズチョコレート渡しとか、吊り橋効果に絡める大丈夫。
 思いつく内容をプレイングにおさめて教えてくださると、助かります。

●ヴィラン
 覆面。筋骨隆々の、大男。ひとり。
 吊り橋効果肯定派。

●ヒーロー
 栄養ドリンク飲んでる系もやしノッポ。ひとり。
 吊り橋効果否定派。

●その他
 合わせさんが居ない場合は基本個別返却。
 このシナリオは成分コミカルときゅんとする瞬間を大事にしたいシナリオ。チョコレート成分?自力取得して下さい、きゅん=甘い要素とタテガミはいいます。
 タテガミの5名のグリモア猟兵は呼ばれた時のみ、ご一緒致します。
 内容によって全員の採用ができない場合があったりします。ご注意を。
158




第1章 日常 『ヒーローズアースのバレンタイン』

POW   :    沢山のファンや他のヒーローと交流する

SPD   :    大切な人と秘密のひとときを過ごす

WIZ   :    街で人気のスイーツを差し入れしてもらう

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

エヴァンジェリ・マクダウェル
空裂・迦楼羅と同行

お菓子買い食い食べ歩き、映画気分でポップコーンとか!ヒーローズアースはあまり馴染みがないし新鮮で楽しい
今日はなにやら色んなとこでヒーローショーをやるって教えてもらったからな!見世物には困らん、ほらほらあそこにも。迫真の演技だよかるっち?ぱねぇ

下らない素晴らしいお話してたらかるっちからお菓子渡されて。
どしたかるっち、お菓子ならたくさん買って……ばれん、たいん?あっ、今日なんかにぎやかなのってそういう……あっ
えっえっとはい、お返しだぞ(くそ安い板チョコ)



●爆破は風物詩
 ヒーローズアースの一角に、エヴァンジェリ・マクダウェル(鍵を持つ者・f02663)は舞い降りた。ついでにお供を連れ立って。
「かるっち、あのポップコーンとか良さそう」
 弾けるぽぽんと軽やかな音に心が踊る。
 今日はお祭りだから色んなお店が屋台が、出ているから選びたい放題だ!
 バレンタイン空気にかこつけて、友達とエンジョイ食べ歩き計画、実施中。
 空裂・迦楼羅(焔鳳フライヤー・f00684)は屋台を見つけてニッコリ。
「おっけー!特大サイズで二つね!」
「いやいや、超特大サイズ一つでいいんじゃね?」
「そお?まあどっちにしてもどっちもアタシが持つから構わないわ!」
 元気いっぱいな迦楼羅が、チョコ味のポップコーンを買ってくる。
 すんごい速さで。注文と商品到着までが本当に早かった。
「……ちゃんと並んだ?」
「勿論!ビシッと手を上げて、ひとつってお願いしただけよ!完璧でしょ!」
 わいわいと賑やかなバレンタインな空気の中で、エンジョイしている空気。
「私の気分で、おっきい綿飴もつけたから、これはエヴァちゃんに上げるわね!」
「え?ポップコーンより大きくない?もふう。うまい」
「でしょー!」
 映画気分のワクワク感を胸に、あまり馴染みのない世界で二人で遊ぶ。
 まあいわゆるお散歩だ。そういう日もあるだろう。
「今日はなにやら色んなところでヒーローショーをやるらしいってソウジから教えて貰ったし!」
 何処にでもイケるし、何処ででも楽しめそう!
「見世物には困らん!かるっち、何処に往く?」
「そうねえ、選べるとちょっと迷っちゃうかも……棒が倒れた先にする?」
「棒といえばこれだな!」
 じゃ~ん、これは特別な金の延べ棒(ペンライト)。
「本来の使い方から360度違うが、やって遊べるので問題無し!誤爆スイッチ停止しとこう……」
 まあそんな簡単に爆破スイッチが止まるものか!
 どかーんと町中でヴィラン絡みではない大爆発が起こったが、そこで飛び散る何かがあっただけである。
 被害ゼロ。ヒーローの到着予定、無し。
 多少、風圧で黒いブラックタールがぶわわっと面積を広げただけだった。
 爆風を受けてもケロっといつもどおりに笑顔を讃えた迦楼羅が一言。
「成程、東のビルね!」
 ペンライトの倒れた咆哮を見上げる。
「そのようだな。綿飴が爆風で飛び散ったが必要な犠牲でした」
「良いのよ、あれは。そうなりたかったのよ!」
「ほらほら、あそこ。視えるだろう、迫真の演技開催中だよかるっち!」
 エヴァが指差す先に事件は本当に在った。
 何気ない話と、明らかに気にするべき部分を見なかった振りする猟兵二人。
 事件は基本、遠くで起きていてヴィランと被害者とヒーロー。
「あー、こうなるんだったら双眼鏡持ってきたほうが良かったか……?」
「アタシが抱えて飛ぶ?最全席で見れるわよ」
「なにそれ。最高」
 くだらない素晴らしい会話をしながら、迦楼羅は炎の翼を本気で広げて飛ぼうとするのだから二人に冗談という言葉はあんまり存在しないようだ。
「かるっちのさっきのポップコーンがあんまりに見事だったけど、今日ってなんのまつりのひだっけ」
「……あれ?」
「どしたかるっち、お菓子ならたくさん買って……」
「バレンタインよ、バレンタイン。やっぱりはーとのカタチの飾りもつけといた方が良かったかしら」
 バレンタインという日の認識は、日々の中で最重要ではないので消えるもの。
 エヴァンジェリの中でも当然消えていた。
「にぎやかなのってそういう……あっ」
 察し。
「成程、理解した。えっえっとはい、お返しだぞ」
 爆風の影響で、クソ安い板チョコ(自称)は半分以上溶けていた。
 当然の結果であるが、迦楼羅は文句一つ受け取って、やっぱり笑うだけだった。
「ありがとうエヴァちゃんハッピーバレンタイン!チョコは溶けかけでもチョコはチョコよ!」
 半分以上消し炭でも、迦楼羅はそれをチョコという。
 これがあるソウルメイトたちの事件観戦風景の、断片だ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エヴァンジェリ・マクダウェル
空裂・迦楼羅と同行

かるっちにつれられて空からこんにちは、特等席から観戦だぜ
かるっちほらほら生ヴィラン、ちょーこっち見てるよ草生える
あれこっち来るよ?え?……な、なにか用か?間に合ってるぞ?
……あっ、ショーの被害者役か!きゃーたすけてー(迫真の棒読み)かるっち助けてー、かっこいいとこみせてー!

かるっちがかっこよく助けてくれる(予定)はずだから楽しく観戦タイムだ。あ、お構いなく。下がって見てるぜ

やっぱりガトリングは振る物、間違いないな!たまにはお祭りも楽しいな!我慢できない!

ぽちっとな



●早すぎた埋葬る

 空裂・迦楼羅は宣言通りエヴァンジェリ・マクダウェルを抱えて東のビルへ飛翔した。飛べると強く思い込むこと、それが彼女のユーベルコードの力だ。
「おー、いいながめ」
 迦楼羅に連れられて空からこんにちは。やや上空寄りの空の上、これにはエヴァンジェリもほっぺたがゆるむ。
 まあ、ちょっと高すぎやしないかなー、とか思わないこともない。
 空気?いやこれは雲?ちょっと白モヤが気になるけれど、特に言わなくても死なないので言葉をごくりと飲み込んだ。
「かるっち視える?ほらあれ、野生の生ヴィランだよ、明らかに変な人がいるよー」
「しっ!エヴァちゃんだめよ。それ繊細ヴィラン(笑)だったら傷ついちゃうわ!」
「あ、そーか。じゃあ、覆面レスラーがなんかこっち見上げてるですけど、ヒーローに通報して良いっすか」
 通報も何も、最寄りのヒーローの連絡先なんて知らないエヴァンジェリ、唯の煽りである。
「あれ?こっちになんか物干し竿?かなんか投げて、く、る……!?」
 バカにされたヴィラン、おもむろに第一射、狙撃の構え。腕に力を込め筋肉の躍動と連動させたなめらかな動きで、物干し竿がぶん投げられた。
「ちょっとちょっと!あれもしかして"突き穿つ死翔の槍"じゃない!?私、死ぬ??」
「死なないわよ!助けに行くから、ちょっとこのまま落下させていい?」
「え????いいよ?????」
 ただし、ヒーローショー観戦中に必要なことだったとは言え、友人を高所から落っこす判断をした事は、反省すべき点だろう。
 もっと別の解決方法が在ったかも知れないが、現状これが最良の選択だったと迦楼羅は語る。
 しかし、流石の迦楼羅もこれには動揺。
 彼女も昔、公園のヒーローを名乗っていた学生だったので、大失態だ。
 守る対象、エヴァンジェリを敵の真ん前に落っことすだなんて。

『んだてめえ、丁度良い所に落ちて来やがったなあ』
「エヴァンジェリ。ちょっと運悪く空から落ちてきた黒い生き物です」
 友達が上空で飛んでいるのが視えるので、あくまで他人行儀に接するエヴァンジェリ。筋骨隆々の大男のヴィラン、まさかの捕虜を一人も連れてない。
「事件は今から起こるので?」
『そうだその通り。てめえは今から俺様によってひどい目に合わされるんだよお!!』
「同人誌的展開になるかなあ、私の連れは手加減得意じゃないぞ」
『俺が悪で攻めれば救う側がキラキラ輝いて見えんだろうが!』
「心底同意する」
 ヴィランは肝が座っているタールだと思ったが、真実は異なるもの。
 エヴァンジェリはヒーローショーの渦中に落っこちたのだとわかっている。
 つまりこれは、悲劇のヒロイン(笑)となった自分を、燃え上がるヒーロー(笑)が助けに来る"最前席"なのだ。
「それから、心底同情もする」
 上空の迦楼羅はきっと、タイミングを図っている。
 どのタイミングで現れようとか、事件開始してから颯爽と急降下してこようとしてるとか。
 彼女のことだから、何かしらシュミレートしてるはず。多分。
「私のことを恐怖に陥れたいなら、ド派手にしてもらわないとなあ」
 ビルから落とす、だけじゃつまらない。
 必要な犠牲が出るように、悪の科学者が如く悪い笑みを讃えたエヴァンジェリは、金の延べ棒のスイッチをオン!
 ゲーミングカラーにぎらっぎらに輝き出したペンライトが、急激な爆発を呼ぶのだ!
 どかーんと一発。あたかもヴィランが自爆したかの爆風が巻き起こる――。

「どうだごほっ、ヴィランごぼっごほっ、……ぐふっ」
 思い切り自爆テロを巻き起こしたエヴァンジェリ選手、すごくむせる!
 ちょっと煙が多すぎた!
 ――これはあれだろう?ショーの被害者役に徹していれば、来てくれるやつだろう?
 ――そういうシチュを楽しめって奴だよな?
 違います。
「きゃあたすけてぇえ!かるっちー!格好いいとこ見せ付けてー!」
 迫真の演技にキリッと気分を切り替えて、燃え上がる炎の鳥を呼ぶ。
「いいわよ!任せて、エヴァちゃんを爆破に巻き込んだ罪、100万年光先まで後悔させてあげるわ!」
『(え、今の俺のせい……違くない……?)』
 急降下してきて、ぶわあああと自前の炎を燃え上がらせる迦楼羅はまるでヒーローだった。先端ボロボロのマフラーを風になびかせて、燃え上がる角と翼はやる気十分に燃え上がる。いつの間にか手元に輝く黒い鈍器なんて、正しく彼女らしさ満点だ(エヴァ視点の感想)。
 ――かるっちがかっこよく助け出してくれるはずだから……。
 ――私はちょっと下がって、楽しく観戦タイムだ。
 スッ、と下がるエヴァンジェリと、ぶわああと炎を荒ぶらせる迦楼羅。
『おいおい、こういうトコろは火気厳禁だってしらねーのか』
「知らないわね!友達助けるのに、禁止ルールなんて守ってらんないのよ!」
 お仕置きはどんなのがお好き?説教?説教(物理)?
「あ、私のことはどうかお構いなく」
『いやてめえは逃げんな……っておい何だそれ』
「え?ガトリングガンだけど。格好いいでしょ?」
 にこっ、と笑った迦楼羅がガトリングガンでガンッと一発叩いて、ヴィランの上半身を蹴り上げる。
 炎の脚による炎のキック。効果は今一つだが、ジュッと肉の焼ける音が聞こえた。
『格好いいがそれ使い方違くね……』
「ひゅぅ!流石かるっち!その勢いでフルスイングして!いつものやつ!」
「はぁあいオーダー承りました!超弩級フルスイング一丁、おまちっ!!」
 ぶぉん、と狙撃ではなく鈍器として扱うガトリングガンで思いきっきりぶん殴る。
 これは彼女みたいな訓練された脳筋と、生まれながらのヴィランにしか行われてはいけない行為です。
 用法用量を正しく守って攻撃して下さい。
『うわっ!?なんだよ、お前ら……吊り橋効果なんて、いらねえじゃねえか』
 ――しかし、俺はそういう関係も、有りだと思うぜ……。
 迦楼羅の気合の入った一撃で、キラーンと、吹っ飛んで星になったヴィランの男。
 悪事を未然に不正だとは言え、遅れてきたもやしノッポのヒーローにこの場であった事を伝えなければ。
「この屋上、ヴィランが焼きました。あと、物干し竿が盗まれました」
「私、ヴィランに自爆に巻き込まれました。ヴィランってサイテー!」
 ハッピーバレンタインというのは、本人達がどう思うかで違うのだ。
「でも、事件なんてなかったのよ。ヒーローさんも頑張って!」
 二人の猟兵からチョコ(ほぼ原型がない炭)を渡されたヒーローは、そのばでぐいっと栄養ドリンクを飲み込んで、後始末に明け暮れる事だろう。
 ヴィランある所に、ヒーローあり。
 被害者がいなかったならば、それはそれで、いいことなのだ。
 ヒーローズアースの日常的には――よくあることなのさ。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年02月17日


挿絵イラスト