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Lover's day AFTER

#グリードオーシャン #お祭り2022 #バレンタイン

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#バレンタイン


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●原料高騰の報
 ふわり香る甘い甘いSweet Flavor。
 それもそのはずだ、チョコレートの島はこの時期大賑わい。
 カカオと砂糖を特産に持つ島へ、海賊から冒険商人から色んな者たちがやってくる。
 ――"カカオも砂糖も、この時期大量の金貨にかわるから"。
 そう答える者たちは多い。商業人に鑑だ。
 ――"だってとびきりのモノをプレゼントしたいのだもの"。
 貴族なくらい立場を持つものなら、財産を惜しまず買える高級原料だってあるものだから、人がやってくる。そう、チョコレートはそれほどまでに価値がある財宝に分類した。
 ――少なくても、この島の近郊では。

●甘い甘い裏側は
「海域がチョコになッた事なら、あッたな丁度去年に」
 フィッダ・ヨクセム(停ノ幼獣・f18408)が思い出すのはグリードオーシャンでの羅針盤戦争、丁度去年この時期に荒々しくも戦いだらけだった時期の事だ。
「チョコレートの島は、その件とは違うよ。原料の生産がとても盛んな土地でね、何処の世界ッぽいかといえばまあ……"アルダワ"ッぽい、蒸気魔法らしいものを仕様した魔法前提栽培が盛んだそうだ」
 研究の家庭で生み出された人工物、というわけではない。
 あくまで、自然栽培を如何に迅速に広範囲に、利益高めで効率よく行えるか、の研究だけが行われていたのだ。アルダワ式サイエンスのパワーって、すげー。
「んで、作り上げられたカカオと砂糖、作り上げられたチョコレートは財宝に至る。いいな?金貨を掛けて奪い合うものに分類できる」
 フィッダも途中から何を言ってるかわからない、という顔をするが放っておこう。
「行商人だらけのなかでも、島の中で自慢のチョコをアピールする宴を催す海賊たちと、島の外……つまり海上の船の上で、チョコレート食べ放題の宴を開く奴らが一番の利益を上げてるらしくてな、『島の繁栄と愛する人への情熱』に関する話題で持ちきりなんだと。流石バレンタイン。話題の流行まで甘い」
 人はとにかく多いし、チョコレートの争奪戦はどこでも起きる、と言い添えて。
「つまりだ。逆を言えば、何処に誰が居たところで『そんな細かいこと誰も気にしない』し『この財宝(チョコレート:加工済み)は俺のだぜ!』と海賊行為を働いても、なんら問題ないんだよ。だッて相手も海賊だぜ?買い上げて、チョコレートに加工したやつらだろうが、モノの管理能力がゼロなんだ。チョコレートで素敵な日くらい、おもしろ愉快にしかけてみてもイイんじャね?」
 チョコレートは高価な代物。
 追手が放たれたりするかもしれない、が……君が何処で過ごしても。
 何故か戦いのさなかにチョコを賭けて戦っていても、この島ではそれは"まつり"の一種でしか無いのだ。
 賑やかに騒げ、ハッピーバレインタイン。


タテガミ
 こんにちは、タテガミです。
 これは、バレンタインな一章の依頼となります。

●概要
 アルダワ魔法学園っぽい雰囲気があるような気がする、蒸気噴射と謎パイプラインが点々と目につく不思議な島です。
『栽培』風景のほうがとても視界に入ります。農園畑っぽい感じです。
 魔法と科学と、砂糖とカカオ。ところにより、チョコを賭けた場外乱闘も含む。
 雰囲気はきっと、甘い寄りのコミカル感が妥当だと思います。

●出来ること
(1)町中、または、海上の船の上でパーティに参加します。
 チョコレートを買った、宴に参加してチョコレート食べ放題、など言ったものがちの風景。グリードオーシャンの世界観に準じます。
(2)『財宝(チョコレート)』に対して海賊行為を働いて、追手に追われます。
 モブ海賊に追いかけ回されるイメージをお願いします。
 器用にやらないと、集団戦みたいな規模で追われます。
 財宝を奪われたので追いかけて来ますし、返せとすんごい言われますが、刺々しい空気をバレンタイン的にチョコレートに見合うだけの気持ちか言葉で甘く出来たら、見逃してくれます。甘い日だもん、甘めにね。
 ※合わせの相手がいて、おいかけっこムーブ発展なども大丈夫。
 ※奪ったもの、追いかける人の心境とかあるとコミカルになるかも。
(3)上の雰囲気とは違うけどできそうだと思うこと。
 上記と異なる場合はこちら。自分の船の上で、とかも可。
 誰かとの合わせ以外での連携は、雰囲気に合わせて行わない可能性が高いのでご注意下さい。島の雰囲気もまた、それっぽい感じで自由に想像していただいて、構いません。

●その他
『滅多なことがない限り14日中で完結するように』したいと思っています。人数かとても多くなった時は、……別途、もう一つシナリオを書きます(ゆっくり前提)。その時の状況により、変わるのでご留意下さい。
 シナリオが崩壊するような危ないことは……大抵の場合起こらないと思うので、自由に過ごせるシナリオ想定。指定が無ければなるべく個別返却。想像を越えた事をすると採用できないことがありますので、ご注意頂けますと幸いです。
 このシナリオでは、タテガミの配下として活動する5名のグリモア猟兵が暗躍・協賛しています。呼ばれた時のみ、ご一緒致します。
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第1章 日常 『グリードオーシャンのバレンタイン』

POW   :    どんちゃん騒ぎの宴に混ざり、食べて飲んで盛り上がる

SPD   :    島ならではのチョコレート料理を教えてもらう

WIZ   :    美しい海を眺めながら乾杯する

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

灰神楽・綾
【不死蝶】(2)
今、俺の手の中にあるのは
希少なルビーカカオで作られたというピンク色のチョコレート
どこで手に入れたかって?
とある海賊船でくすねてきた

だって合法的に海賊っぽいことが出来るんだよ?
人生一回くらいやってみたいじゃない?
それにこのチョコとっても美味しそうだし

いや~、あれは捕まったら間違いなく縛られて棒で叩かれるね
梓が代わりに謝ってきてくれる?
こういう時こそお母さんの出番だよ

適当に走り回っていたら前方からも海賊、後ろからも海賊
おっとこれは詰んだかな??
と思っていたら梓のナイスプレー

追手の数が落ち着いたらチョコレートを一口齧ってみる
優しい甘さと酸味が口に広がる
これは確かにお宝だね


乱獅子・梓
【不死蝶】(2)
ここはとある巨大な海賊船の中
全力疾走する俺と綾
後ろから全力疾走で追いかける海賊たち
綾の手には謎のチョコレート

……いやいやいや、どうしてこうなった!!
なにしれっと海賊行為働いてんだお前は!

返してきなさい!今ならまだ許してもらえるかもしれない!
おいふざけんな!なに俺一人を生贄に捧げようとしてんだ!

クッ、囲まれたか…!
悪事に加担するようで気が進まないが仕方ない
零、任せた!
UC発動し、ダメージ効果を取り除いた零の歌声を響かせ
海賊たちには一時的に眠ってもらう

ささやかなお詫びとして
俺の手製クッキー(アイテム)を傍に添えておこう
可愛い女の子からの贈り物じゃなくてすまんが

綾にはあとで説教だ!



●海賊行為ファンタジア

 にしし、と普段より無邪気な笑みを浮かべて、灰神楽・綾(廃戦場の揚羽・f02235)楽しげに声を上げた。
「ははっ、ほんとに警備薄いね~」
「しっ……それでも声は抑えるように」
 乱獅子・梓(白き焔は誰が為に・f25851)と訪れた、此処は島に停泊した巨大な海賊船の中。ひょんなことから物色行為実施中。
 やや温度が低く保たれた船内の部屋にも甘い匂いが溢れていた。甘い甘い、優しいチョコの匂いだ。甲板や空気自体がチョコレートの甘さが強く島に溢れている中で、海賊船の騒音が一番大きいのだと綾がいうものだから、いつの間にか宴の影へお邪魔している。
 客として訪れるべき部外者が、誰もこんな場所にいると思うまい。
「だって、こんなに財宝だらけなのにちゃんと在庫管理してる人までいないなんて~」
 勿体ないねえ、折角大金はたいて買い揃えただろうに、とゴソゴソと物色を。加工済みの板チョコ、トリュフ、なんでも在った。加工前の大量の砂糖袋から、大量のカカオの入った樽もある。
「とびきりなお宝を、海賊団用と分けておくのが当たり前ってこと。誰にでも自由提供する正義しか無いロマン溢れる海賊は滅多にいないってね」
 あった、と思わずうっとりと物色した品を綾は手中に収めた。
 ――見るからにこれが一番高そうかな。ふふふー。
「お?高級品を探し出せたか?じゃあもういいだろ。さっさと行こう」
「……ん、ちょっとまってそこの大きい宝箱の後ろに一回隠れたほうがいいかもしれないよ」
 慌てて男たちは身を隠し、息を殺す。
 すると、耳を澄まさなくても聞こえるぎぃぎぃと硬いブーツが海賊船の床を踏む音。巡回なんて、生真面目なものじゃないけれど甲板に並べる用のチョコを置きに来る海賊や、取りに来る海賊がやってくるのだ。
『今年は良品だらけでマジサイコーっすわ!甘さ100%、それから絶品と来れば……』
『我らが船長も今年こそは愛しのビーナスを落とせるかも知れねえ』
『だからこそ、今回は高いのばっかり目をつけてたんっすね……』
 やれやれこれだから恋多き船長を持つのはやめられないっすわー、と小言を零しながらも楽しそうな海賊たちのあとに続くように猟兵二人も海賊船からそそくさと逃げ出した。

 海賊たちの宝物、財宝。チョコレート。確かにどれも丁寧な作りなものだらけで目を奪われた。
 美術館を訪れるように、海賊たちが手に入れたらしい財宝をひっそり見るだけだと思っていた梓は、綾が何かを抱えているのを見つけて驚く。
「……それ、何持ってるんだ?」
「じゃーん、希少なルビーカカオで作られたというピンク色のチョコレートぉ!これはとっても値段が張っただろうねえ」
 ぱかっと開けて見せてくれた箱は小柄で、小さくて。
 キラリと輝くチョコは、まるで宝石のように輝いていた。
 美味しそう。そして、美しい。
 梓、ここでシンキングタイム。
 次いで聞こえてくるのは海賊たちの怒号だ。
『おいそこのお前ら!大事な秘宝を持ち出しやがったなぁああ!!!』
 何かを奪われたらしい。犯人に一番疑われているのは、俺たちらしい。
 ……は?何故?WHY?
「…………。いやいやいやいや、どうしてこうなってる!?」
「ん?これがなんかだかさぁあ、ちょっとあの海賊船の雰囲気には合わないかなって」
「なにしれっと海賊行為働いてんだ!」
 叱り飛ばすのは!注意するのは!全力疾走しながらでも出来る!
 後ろから全力疾走で大声を挙げられたなら、反射的に逃げるのが人間だ!
「返してきなさい!今ならまだ許してもらえるかもしれない!」
「えぇえ、だってこの島、きょうは合法的に海賊っぽいことが出来るんだよぉ?人生に一回くらい、やってみたいじゃない?」
 盗みじゃないよ、と綾は笑うが梓は全く気が気じゃない。
 後ろから追いかけてくる海賊たちの目的が、綾が奪った小箱に他ならないからだ。
「ん~、こういう時こそお母さんの出番だよ」
「おいふざけんな!なに俺一人を生贄に捧げようとしてるんだ!」
『逃げてるっつーことは罪の意識あんだろテメーら!』
『逃げてんじゃねーぞ!』
 ぎゃあぎゃあと、甘さの欠片もない賑やかな一段がバタバタと町中を駆けていく。
「いや~、あれは捕まったら間違いなく縛られて棒で叩かれるね」
 絶対ごめんなさいで許してくれないよ。
 綾の想像はきっと宴のさなかでも正しく働く。
 海賊行為を働いた末路は、公開処刑並の処罰中の見世物化待ったなし。
「ああもうっ、じゃあとにかく逃げなきゃでしょ。話は、それからだね~」
「逃げたら罪が重くなるって言って、……ああもう!」
 二人は速度をあげて、小脇の入り組んだ道に入り込んだ。

 適当に走り回って追手の数は徐々に減っていった。
 猟兵の視点では少なくともそうだったのだ、が――。
 お得意様として訪れる海賊団は、道に詳しく、猟兵の裏を掻く。
『へっへ、これで逃げらんねーぞ』
「おっと、前方からも海賊、後ろからも海賊だ」
 ――うーんこれは詰んだかな??
「クッ、囲まれたか!地の利は陸の上でもあっちが有利か!」
 ――ったく、海を往く荒くれモノなんだから多少は頑丈でいろよ!
「零、任せた!」
 悪事の片棒を担ぐようで。より深く加担するようで気が進まない梓だったが背に腹は変えられない。
 おかんの頑張りどころです。
 ユーベルコード、クリスタルレクイエム発動。
 ばさっと上空に翼を広げた氷竜の零は、謳う。謳う高らかに。
 どんなおっさんおにーさん、屈強な男だろうと神秘的な咆哮を耳にしたなら、催眠作用に囚われる。
 ばたばたと倒れ込むように崩れていく海賊たち。
『ひえっ……そ、そんなにしてまで俺らの秘宝奪って楽しいかよぉ……!』
『返せよぉ、それがねえと船長の恋が……』
 手荒な真似を働いたが、強い意志で返却を求める海賊が数人踏みとどまっている。
「……成程?恋路にはこれが必要と。俺のお手製クッキーで手を打って貰えないか」
『……ウマいか?』
「梓のはねえ、美味しいよ。ニコニコしちゃうよ」
「可愛い女の子からの贈り物じゃなくてすまんが……」
『チッ……ウマいんならその秘宝のことは気にすんな。物々交換だ』
 ――ちょろい。この海賊、ちょろ甘い。
 一方的略奪はダメだからな!気をつけろよ!
 海賊行為にも、礼儀はあるんだからな!と口々に正論パンチを喰らいつつそれ以上の反撃を猟兵は行わなかった。
 仲間に肩を貸した海賊たちが、自分たちの海賊船へと返っていく。
「食べる?俺はそろそろ我慢できないからもーらいっ」
 チョコレートを一口齧り、優しい甘さと酸味の効いた味が口いっぱいに広がる。これを一粒食べきって、それから幾つか頬張ったなら幸福の鐘あたりが頭に鳴り響くかもしれない。
 隠し味に少量のラズベリーが練り込まれているのだろう。
「これは確かにお宝だね、……手間暇分の美味しさがあるよ」
「綾?お前にはあとで説教を腹いっぱい盛るからな!」
 あとそのチョコ俺にもひとつ!
 共犯の片棒はおさらばだ、ならば相応の勝利報酬は受け取っていいだろう。もちろん、零にもひとつおすそ分け。

 チョコレートな島にそんな一幕があったとか――なかったとか。
 賑やかなのは、憩いと安らぎ。
 誰かと誰かの絆の架け橋になるだろう。もしくはそう――絆を深める、良い機会には甘い甘いチョコレートをおひとつどうぞ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年02月14日


挿絵イラスト