おーい、猟兵! 野球やろうぜ!
ある猟兵がグリモアベースに到着した。今日もグリモア猟兵が見た予知を聞くためだ。他の猟兵たちが集まっているところへ向かおうとすると、ヒュッと風を切る音と同時に、自身の顔の横を何かが高速で通り過ぎた。一体何だ? 恐る恐る後ろを振り向くと、そこには宙に浮いた野球ボール。それがふわふわと元の場所へ──グリモア猟兵のヒース・アーベル(胡散臭い掃除屋・f35538)の元へと戻っていく。彼は普段着ている貴族風の服とは全く異なる、野球選手風の服を着ていた。
「皆さん、野球……もとい、“掃除”の時間です」
その格好でその話をするのか……? 集まった猟兵たちは大いに戸惑っていたが、ヒースは彼らを無視して話し続けた。
「皆さんは猟兵になって、出身世界以外の様々な世界の文化に触れる機会が与えられました。私もその一人です。ええ、出会ってしまったんです。野球に」
猟兵の一人が「予知の話を聞きに来たんだよな?」と、隣の猟兵に確認を取る。その猟兵はぎこちなく頷く。一体何を聞かされているのだろうか。疑問を浮かべる猟兵たちを前に、ヒースはニヤリと笑った。
「デビルキングワールドに『ライラ』というオブリビオンが現れました。彼女は野球団を立ち上げ、野球で数々の悪魔たちを従えています」
そんなことがあるのか? と、更に混乱する猟兵たち。いや、そういう予知があったから話しているのだろう。でなければ、わざわざグリモアベースに集めて話しはしない。半信半疑ながらも、猟兵たちはヒースの話の続きを聞く。
「野球はスポーツであると同時に、興行にもなり得る。興行となれば、D(デビル)が集まる……きっと、そこに目をつけたのでしょう。ライラはデビルキングワールドで野球の頂点を目指しています。ですから、私たちがその野望を打ち砕きましょう。具体的には、彼女の従えている一般悪魔たちとの野球の試合に勝って、監督であるオブリビオンを引き摺り出して討伐してください。ほら、偶にあるでしょう? 試合中に乱闘が。あれと一緒です。
因みに、悪魔たちは真面目ですからね。きちんとルールに則って野球をやっているようですよ」
なるほど。ならば、こちらもフェアプレーを心がけなくては──そう言いかけた猟兵の横を豪速球が掠める。
「フェアプレー? 今から行く場所はデビルキングワールドですよ? ワルい方が正義の世界です。どんな手を使ってでも勝ってください。例えば、今のようにボールに風魔術の呪文を刻んで豪速球を投げるとか、ユーベルコードで身体能力を上げるとか、バレずに盗塁しまくるとか。
……とはいえ、急に良心が痛むようなことなどできないでしょう。私も鬼ではありません。ま、ぶっつけ本番を避けたいというのが本心ですが。ライラ率いる野球団と対戦する前に、練習試合を用意してあります。練習試合後、彼女たちは助っ人として入りますので、人数が足りなくても問題ないでしょう。ゲームを壊さない程度にさり気なくルール違反をしたりしなかったりして、引き摺り出した監督を“掃除”してください。
ああ、そうそう。監督であるライラは、踊りや舞を舞うように格闘術を披露するオブリビオンです。空も飛べるようですので、“掃除”のためにも装備は整えてくださいね」
野球をするだなんて……滅茶苦茶な話だが、受けるしかない。猟兵たちは覚悟を決めた。
「私は試合の行く末を見守ることしかできません。ですがまぁ、どうにかなると信じています。頑張ってくださいね」
ヒースはそう言うとにっこり笑って、猟兵たちを練習試合が行われるグラウンドへと転送したのだった。
萩野 千鳥
はじめまして、こんにちは、こんばんは。野球は鷹派、萩野千鳥です。
早速ですが簡単に説明致します。
『第一、二章:集団戦(共通)』
一般悪魔と野球の試合をします。真面目なので、基本的にはルールに則って野球をやっています。試合はUC等を使って勝利しましょう。ただし、こちらがUCを使えば、相手もUCを使ってきます。
打ちたい(打者)、投げたい(投手)、走りたい(走者)、守りたい(野手)等々……希望を書いて頂ければそれっぽくなります。詳しいポジションの指定も可能です。ただし、打順の指定はできません。希望なしでも構いません。
『第三章:ボス戦』
監督をやっていたオブリビオン『ライラ』との戦闘です。“掃除”しましょう。
『断章について』
今回は、全ての章の前に入れる予定です。
その際のプレイング受付時間等は、タグ上でお知らせ致します。
『他』
アドリブ、共闘不可の場合は、その旨をお伝えください。(例:ア×、共×、等)
また、こちらは“掃除”というテーマで単発シナリオをやっていくシリーズです。続き物ではありません。〆切有り・気持ち早めに進行予定です。
どうぞお気軽にご参加ください!
第1章 集団戦
『ラビチャン』
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POW : ラビットアーツ
【うさパンチ】【うさキック】【うさヒップ】【可愛らしい鳴き声】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
SPD : ナンデモニウム・センス
技能名「【その辺で拾った武器マスタリー】」の技能レベルを「自分のレベル×10」に変更して使用する。
WIZ : キャロットカタストロフ
レベル×5本の【にんじん】を投げると群がってくる【兎】属性の【兎】の【蹂躙攻撃】を放つ。
イラスト:枸杞葉
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
デビルキングワールドのどこかにあるグラウンド。そこには、可愛らしいラビチャンたちが、各自練習に励んでいた。あるラビチャンが転送されてやってきた猟兵に気づくと、駆け足で監督らしきリーダー格のラビチャンの元へと向かう。彼女が「ストーップ!」と練習を止めるように指示すると、すぐに猟兵たちの元へとやってくる。
「えっと、皆さんが今日練習試合をして頂ける方々ですね? お待ちしておりました! ベンチはあちらです」
きらきらした笑顔を携えてそう言うと、彼女は猟兵たちをベンチへと案内してくれた。今からこんな礼儀正しい彼女たちを相手に、どんな手を使ってでも勝たなくてはならばい。とても心が痛むが……これもオブリビオンを倒すためである。
「今日はどうぞよろしくお願いします!」
ぺこっと頭を下げてチームメイトの元へと走り去った彼女の背を見ながら、皆アンフェアプレーをする覚悟を決めた。
鬼鉄・マオ
[ア○、共○、打者]
まさか『無銘』を野球で使う事になるとは…。だが、仕事ならば仕方ない。やるか。
さて、私は力加減が下手だから、先に謝っておこう。そして上空に何か飛んでいるかもしれんが…まあ、気にするな。
ボックスに立ったら、殺気…いや【覇気】を放って投手を【威圧】する。
(バットを構えて【力溜め】)ふむ、今のグリップテープに変えてから、随分と握りやすくなったな。…さあ、来い。
【怪力】を込めた【重爆星壊撃】で球を打ち返し、豪速球で守備を吹き飛ばす。それでもまだ取ろうとする者がいるなら…やれ、フロレム。ミサイル爆撃だ。
吹っ飛ばしはしたが、相手は悪魔だ。死んではいないだろう。葬らん……いや、なんでもない
互いに挨拶も終え、アウェーである猟兵の攻撃から試合が始まった。まず始めにバッターボックスへとやって来たのは、自前の金属バットを持ってきた鬼鉄・マオ(怪力特攻傭兵・f33724)だ。
(まさか『無銘』を野球で使う事になるとは……)
バットなので正しい使い方ではあるのだが、普段は『無銘』でオブリビオンを倒すのに使っているので違和感しかない。だが、これも仕事だ。マオは諦めてバッターボックスに立つ。バットを構える前に、相手チームのラビチャンたちに向かって声をかけた。
「私は力加減が下手だから、先に謝っておこう。すまん」
「大丈夫ですよ! 私たちは頑丈ですから!」
マオの言葉にピッチャーのラビチャンが笑顔で返す。他のラビチャンたちも、笑顔で頷いている。問題なさそうだ。
マオはバットを構えると同時に、殺気にも似た覇気を放つ。その覇気はピッチャーにプレッシャーを与える。だが、流石は悪魔。そのプレッシャーに負けずに、キャッチャーと球種やコースの合図を交わす。その間も、マオは自身の力を溜める。
(今のグリップテープに変えてから、随分と握りやすくなったな)
つい、口角を上げてしまう。相手も投げる球が決まったようで、ボールを投げる体勢になった。
「……さあ、来い」
ピッチャーが投げる。プロではないとはいえ、そこそこ球速のある外側寄りのストレートだ。
「――星ごと吹っ飛ばす」
ファウルにならないように、少し低めに【重爆星壊撃】で三塁側の方へと打ち返す。今までの溜めていた力をボールに乗せ、守備に向かって豪速球が飛んでいく。その間に、マオはベース間を走る。
「速いっ! けどっ! 負けないです……!」
可愛らしい声をあげ、どうにかしてボールを取ろうとするラビチャン。その声のせいなのか、僅かだが球速が落ちる。このまま取られてしまえば、アウトになってしまう。
「やれ、フロレム」
こっそり上空で待機させていたワイバーン『フロレム』が、装備しているミサイル兵器によってボールを取ろうとしているラビチャンを狙う。その攻撃に気づいたラビチャンは咄嗟にそのミサイルを避けたが、爆風によってふっとばされてしまう。当然だが、そのせいでボールを取り逃してしまう。
「あぁ、ずるい……! でも、かっこいい……!」
マオはラビチャンたちのうっとりとした声や眼差しなど気にも止めずに、そのまま一塁、二塁、とベースを踏みながら走り続ける。相手は悪魔だ。死んではいないだろう。ちらりと横目で見た限りでは、怪我もなさそうだった。
「これで葬らん……いや、なんでもない」
マオはぼそっとそう呟きながら、最後にホームベースを踏んだ。
成功
🔵🔵🔴
アルゼブ・アズモリィ
体を動かすのは大好きだ!
猟兵達の野球力、見せつけてやろうぜ!
『見せつけるのはいいが、貴様、野球の経験は』
あると言っちゃあるかな!
『ちゃんとやってはいない反応だ』
練習試合は打者か、もしメンバーが足りているなら代走にまわろう。
打者になったら、内角を攻めた球が手に当たった《演技》をして出塁を試みる
痛そうにするけど、ガントレットだから痛くないもんね!
塁に出たら、やっぱり盗塁だよな!「盗」って入っててワルっぽい!
投手が動いたのを見計らって次の塁に《ダッシュ》!
ヘッドスライディングからの、頭の角を使って内野手を《頭突き》で弾き上げる!
これが角の悪魔の野球だ!
*『』は喋る武器の声
*アドリブ・共闘・弄りOK
順調に点数を稼いでいく猟兵チーム。最初は真面目に野球をやっていたラビチャンチームだが、猟兵たちがユーベルコード等を使った時は同じようにユーベルコード等を使ってどうにか猟兵たちに食いついていた。点差はある。だが、まだ試合は序盤だ。再び猟兵たちの攻撃になり、ベンチで待機していたアルゼブ・アズモリィ(玉座を見据えし悪魔・f31513)に打順がまわった。
「体を動かすのは大好きだ! 猟兵たちの野球力、見せつけてやろうぜ!」
『見せつけるのはいいが、貴様、野球の経験は』
「あると言っちゃあるかな!」
『ちゃんとやってはいない反応だ』
バットをぶんぶん振るアルゼブに、『レブヤ・ベザル』が呆れたように返事をした。だが、アルゼブは自信満々にバッターボックスへと向かうと、しっかりとバットを構えた。
「ふふ、打たせませんよ!」
ピッチャーが大きく振りかぶって投げた。インコース狙いの横スライダーだ。ストライクゾーンのギリギリを責めている。アルゼブはそれを一度見送る。
「ストライク!」
審判の声がグラウンドに響く。これはアルゼブの予想通りだ。もし彼の予想が正しければ、ピッチャーはもう一度インコースを狙ってくるだろう。根拠はある。他の猟兵たちにはそのようにしていたからだ。ピッチャーが二投目を投げた。
「うわぁっ!!」
「ひゃっ! だ、大丈夫ですか!?」
アルゼブの予想通り、彼女はインコースを攻めた。その結果、アルゼブの手にそのボールが当たったのだ。いや、正確に言えばわざと当たったのだが、そう見えないように痛がる演技をする。
「~~っ、いてて……」
「骨、折れてませんよね?」
「流石にそれは大丈夫かな……でも、これってデッドボール、だよな?」
「本当にごめんなさい……!」
実際はガントレットを装備しているので全く痛くないのだが、痛そうなふりをして一塁へと歩いていく。謝りながらピッチャーはマウンドに戻ると、次のバッターがバッターボックスへと立つ。
(塁に出たら、やっぱり盗塁だよな! 『盗』って入っててワルっぽい!)
わくわくしながら、盗塁の機会を窺う。だが、ピッチャーはちらちらとアルゼブの方を見ている。牽制球を投げたいというよりも、単純に先程のデッドボールを気にしているようだ。まだ、動揺しているようだ。
(これなら、いける!)
ピッチャーがバッターに投げようとアルゼブから視線を外した瞬間、アルゼブは二塁に向かって駆ける。キャッチャーの合図で気づいたピッチャーは慌てて二塁に投げる。だが、アルゼブはヘッドスライディングを決め、頭の角でセカンドに向かって弾き上げた。突然の角による攻撃にセカンドはその場にうずくまり、二塁へと投げられたボールはころころと転がっていく。流石に三塁に進むことはできなかったが、見事に盗塁を果たした。
『ちゃんとしたの野球ならば、退場と言われてもおかしくないな……』
ベンチに置かれたままのレブヤ・ベザルが呟いたが、当の本人には聞こえない。むしろ、「これが角の悪魔の野球だ!」と言わんばかりに、楽しそうに笑っていた。
成功
🔵🔵🔴
十文字・真
【心情】うおぉ…可愛すぎる…あんな娘達と試合するのか…しかしあんなケモ娘達相手にズルをして勝てとは…ちょっと心が痛むぜ…だが仕方ないこの十字神(クロスゴッド)…卑怯なりし悪魔(ダーティーデビル)となろう!
【行動】我は守備だ…やはり彼女達の打線はなかなかの物…だが!いでよ我が麗しの天使(エンジェル)!我は彼女達の打球を捕獲して見せようではないか!すると塁へと駆けるランナーの打者が我に攻撃を仕掛けて来そうだ…!ならばその攻撃を【見切り】、【残像】で回避し、アウトだ!ふはははは!許せ美しき兎(キューティーラビッツ)…今回はダーティーなのだ…
(絡み・アドリブOK)
試合も進み、未だ猟兵たち優勢の中盤。ラビチャンたちは点差が広がらないように懸命にバットを振り、猟兵たちの打つボールを必死に追いかけていた。レフトを守っていたラビチャンが、ある猟兵の打ったボールを取りスリーアウトとなった。次はラビチャンたちの攻撃である。
(うおぉ……可愛すぎる……! あんなケモ娘たち相手にズルをして勝てとは、ちょっと心が痛むぜ……)
ベンチでグローブを手に取った十文字・真(十字神(クロス・ゴッド)・f25150)は、グローブを装着すると立ち上がりファーストへと移動した。
「心は痛むが、仕方ない。この十字神(クロスゴッド)、卑怯なりし悪魔(ダーティーデビル)となり、勝利を手にしなくてはならないのだ……!」
のりのりでそう言い放つと、バッターの動向を確認しながら構えた。
ピッチャーが一投目を投げる。そのボールは魔術か何かを使ったのか、バッターの近くで大きく曲がる。ボール球を振らせようとしたのだろう。だが、ラビチャンは振らなかった。二投目は、程よくスピードのあるカーブ。先程のように魔術のようなものは使っていないのだろう。バッターはこれを打とうとしたが、空振りしてしまう。
「次は打ちます!」
そう宣言するバッター。ピッチャーはそれに動じることなく、三投目を投げた。魔術のようなものでスピードが上がったストレート。それをバッターは宣言通り、なんとか打ち返す。ホームランにならずとも、普通ならばファーストが取れるような高さではない。
「流石だな……だが、いでよ我が麗しの天使(エンジェル)! その打球、捕獲して見せようではないか!」
真は、自分よりも身長のある羽の生えた美しい女性の天使を召喚し、彼女の力を借りてボールを取ろうとする。
「させません!」
バッターはバットを持ったまま、真のいる一塁ベースへと駆ける。その点はルール上問題ない。だが、バッターはこちらに攻撃を仕掛けるつもりらしい。バットを持つ手に、力が込められているのを感じた。真はその攻撃を見切り、回避する。ラビチャンの持つバットは真の残像に当たるだけで、本人には当たらなかった。
「ふはははは、残念だったな」
「そ、それは……!」
真のグローブの中には、先程打たれたボールが収まっていた。バッターだったラビチャンに軽くグローブを当てる。
「許せ、美しき兎(キューティーラビッツ)……今回はダーティーなのだ……」
目を伏せ、ふっと何かを悟ったような表情でラビチャンに語る。それと同時に、審判の「アウトー!」という声がグラウンド内に響き渡った。
大成功
🔵🔵🔵
「試合終了ー! 猟兵チームの勝利!」
最後に、ラビチャンの打ったボールをある猟兵がキャッチすると、審判は試合終了を告げた。初めは真面目に野球をやっていたラビチャンたちだったが、容赦なくルール違反をする猟兵たちを見たからか、同じようにゲームが壊れない範囲でルール違反を犯していた。そのため、点差に大きな開きはなかった。
全員、グラウンドで整列し挨拶を交わす。監督を務めたラビチャンが、「あの!」と、猟兵たちに声をかけた。
「とっても刺激的な野球でした……! 本当に、皆さんかっこよかったです。次の試合、お手伝いできることがあれば何でも言ってくださいね!」
その言葉に、他のラビチャンたちも笑顔で頷いたのだった。
第2章 集団戦
『セントウイン』
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POW : ㉕セントウイン
【自身の筋肉】を巨大化し、自身からレベルm半径内の敵全員を攻撃する。敵味方の区別をしないなら3回攻撃できる。
SPD : ①セントウイン
レベル×1体の、【仮面】に1と刻印された戦闘用【①セントウイン】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
WIZ : ⑩セントウイン
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【厨二オーラ】から【暗黒破壊滅殺光線】を放つ。
イラスト:黒丹
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
デビルキングワールドに突如現れた野球場。その野球場はオブリビオンが経営しているのだが、そんなことは一般悪魔には関係ないしどうでも良い。
「セントウイン、ファイオー!」
「「デビー!!」」
ここに集まったセントウインたちは、D(デビル)で買収されて野球を行なっている。なぜなら、金で雇われているというこの状況こそがカッコいいと思っているからだ。
「なんでも、今回の相手は結構強いらしいデビ」
「なん、だと……!?」
「だが、これに勝てば監督は報酬を上乗せしてくれるらしいデビ!」
「これは勝つしかないデビね!」
ベンチ前で円陣を組み、やる気満々のセントウインたち。そんな様子を見た一部の猟兵は思っただろう。
――あいつら、買収できそうだぞ、と。
いや、ルール違反だけでも十分勝てるだろう。だが、いざというときは……その時の自分の良心に任せることにしよう。猟兵たちはそう考えながら、グラウンドに立った。
鬼鉄・マオ
【ア○ 共○ 守備】
む、敵はやる気のようだな。分かるぞ、その気持ち。報酬が上乗せされるとなれば心躍るものだ。
まあ、私の報酬をくれてやる気はないから、買収はしないがな。
さて、ポジションはレフトか。冷静に球をキャッチしていこう(【落ち着き】)。
そういえば、昔読んだ野球漫画にも書いてあった。守備は諦めないことが大切だと。速い球でも諦めずに取るのだ。【気合い】だ。【根性】だ。(などと言っているが、実際は【怪力】を生み出す高い身体能力と、強い握力でこぼれ球が少ないだけである)。
む、今度の球は高く飛んだな。だが問題ない。…【天脚】。
(空中を蹴り上がり、ボールをキャッチする)
空は走れる。気合でな。
オブリビオン率いるセントウインたちとの野球勝負。観客席には悪魔たちが、この試合を見ようとマナーを守って観戦している。
試合前の騒めきの中、相手チームの会話が耳に入る。相手は今回の試合に勝てば、報酬が上乗せされるらしい。随分とやる気を出しているようだ。
(分かるぞ、その気持ち。報酬上乗せは心躍るものだ)
マオはセントウインたちの会話を聞きながら一人頷く。同じようにセントウインたちの会話を聞いていた他の猟兵が、「あいつら、買収できそうだな……」と言っていた。だが、マオは彼らを買収する気が無かった。ラビチャンとの試合で、だいぶコツは掴めた。自分の身銭を切らずとも、勝てる自信はある。
挨拶を終え、セントウインたちの攻撃。猟兵たちは各自持ち場へと向かう。マオもグローブを持ってレフトの位置へと向かった。この位置は、ボールが抜けると大量得点になりやすい位置だ。ミスなく冷静にボールをキャッチすることが重要となる。
(……そういえば、昔読んだ野球漫画にも書いてあった。守備は諦めないことが大切だと)
バッターは空振りしたり、見逃したり、ファウルを出したりしている。ピッチャーを務めている猟兵の投げるボールが、しっかりと見えているようだ。ならば、ここにボールが飛んでくる可能性は低くない。そう思っていると、マオの予想通りボールがレフト方向に飛ぶ。少し低めの速いボールは、ファウルゾーンへと向かっていた。だが、このボールを取れば、アウトが取れる。
「気合いだ! 根性だ!」
ボールはマオのグローブに収まる。ボールが溢れないように、ぐっとグローブ越しに力を入れて握る。
「アウトー! バッター交代!」
審判の声が響く。セントウインは悔しそうにバッターボックスを去り、別のセントウインがバッターボックスへと立った。
「報酬……上乗せ……やるしか、ないデビ……!」
何やらぶつぶつ言いながら、セントウインはバットを構える。その声はマオには届かなかったが、何やら気合いが入っていることは見ていて分かった。
(大丈夫だ。落ち着いてやれば……取れる!)
ピッチャーがボールを投げた。そのボールをバッターは捉えた。カンッといい音が鳴る。高めのレフトフライ。
「む、今度の球は高く飛んだな。だが問題ない。……どこまでだって行くぞ」
にぃっと笑って、地面を蹴る。更に空中を蹴り、普通の人ならば届かない高さをキープしながら移動し、マオは無事ボールをキャッチした。
「な、な……っ!」
「空は走れる。気合いでな」
絶句するセントウインたちを尻目に、マオはボールを溢さずに着地する。
「アウトー!!」
審判の声が響くと、観客席からわぁっと歓声があがる。どうやら、この試合でもユーベルコード等を使った小細工は有用らしい。
「次も負ける気がしないな」
マオは元の位置に戻ると、パンッとグローブを叩いた。
成功
🔵🔵🔴
十文字・真
【心情】今度の相手は…金?のセントウインか…そして見た目が金だけに守銭奴…これは使えそうだな…くくく…今回はダーティー…
【作戦】普通に野球をする。【見切り】で球を打ちボールがとられそうになれば野手を聖なる包帯で拘束し、邪魔をしよう。そして普通に野球をやりつつ一塁、二塁、三塁の者達に「この神と契約しようではないか。貴様はわざと球を取り損ねるのだ…さすれば我が貴様等への報酬以上の報酬をくれてやる」と言い、買収してやろうではないか。くくく…我は卑怯な悪魔(ダーティーデビル)!勝てる事ならなんでもするぞ!
【絡み・アドリブOK】
(今度の相手は……金?)
頭部が金になっているセントウインたちを眺めながら、彼らの様子を観察する。どうやら、報酬云々言っているらしい。
(見た目が金だけに守銭奴……これは使えそうだな……)
真はニィッと笑うと、バッターボックスへと向かう。バッドを構え、まずは普通に野球をする。ピッチャーがボールを投げる。本気を出しているのか、かなりスピードのあるストレートだ。それをあえて一度スルーする。二投目、再び同じようなストレート。一投目でもう目は慣れた。真は思いきりバットを振る。ボールは小気味良い音を響かせながら、ライト方向へ飛んでいく。このままでは、ボールはキャッチされてしまう。
「させるか! 我が聖なる包帯よ! 奴を拘束せよ!」
真がそう言うと、ライトでボールを取ろうとしたセントウインに真が放った包帯が巻きつく。
「なっ! 何デビ!?」
「我の打った球が、そう簡単に取れるとでも?」
「くっ……! それならこっちも! 暗黒破壊滅殺光線!!」
「……!!」
ライトのセントウインは身体を拘束されたせいで、ボールをキャッチし損ねた。だが、闇の力を感じるような感じないような不思議な光線で、包帯による拘束から脱出した。すぐにボールを拾い上げ、レフトの投げたボールはファーストに投げられる。真は一旦、一塁で足を止める。セーフだった。
「セーフ、デビか……でも、報酬のためなら、俺たちは……!」
そんなことを言うファーストのセントウインに、真はそっと耳打ちする。
「――この神と契約しようではないか」
「け、契約!?」
「ああ、そうだ」
次の猟兵がバッターボックスに入る。だが、ピッチャーとキャッチャーは、次の球種をどうするべきか、決めあぐねているようだ。真はその隙に、ファーストのセントウインに話し続けた。
「貴様はわざと球を取り損ねるのだ……さすれば、我が貴様等への報酬以上の報酬をくれてやる」
「ほ、本当デビか!?」
「勿論。十字神(クロスゴッド)である我が、契約を違えることなどない」
「そうか……契約するデビ!」
デビルキングワールドの悪魔たちは、基本的に真面目で素直である。真の言うことをあっさりと承諾した。これで、一塁の準備は完了した。
バッターが打つ前に、盗塁を警戒したピッチャーが一塁に投げる。本来ならば、一塁ベースを踏むべきところだ。だが、それをせずに二塁へと駆ける。ファーストのセントウインは、わざと投げられたボールをキャッチせずにスルーした。乗ってくれたようだ。
真は簡単に盗塁を成功させる。
「なあ、貴様もこの神と契約しようではないか」
真はセカンドのセントウインにも同じ台詞を吐く。
(くくく……我は卑怯な悪魔(ダーティーデビル)! 勝てる事ならなんでもするぞ!)
そうして、真は次々とセントウインたちを買収していき、無事一点を奪取したのだった。
成功
🔵🔵🔴
水鏡・多摘
野球…我自身がやる事になるとはのう。
"悪"霊であるからにはワルらしく勝利せねばならぬのか…?
外野守備を頑張ろう。
フェンス越え間違いなしの打球は軌道を読みつつ空中浮遊で落下前に掴む。
我は龍、空を飛べぬ訳でもないし飛んではならないというルールもない…はず。
念動力で空中の白球を引き寄せたりもしてみようか。
怪しまれたら悪霊故ポルターガイストも起きるのじゃとか嘘説明。
外野ゴロの打球はその手は使えぬが…打球処理に手間取るふりしつつ我の周囲に結界展開、走者が塁を踏む直前にUC発動。
その塁に立つ同チームの仲間を目掛け転移し走者が塁を踏む前にタッチアウトを狙う。
悪霊故ワープも(嘘説明)
※アドリブ絡みネタ等お任せ
猟兵たちの攻撃にセントウインたちもなんとか食らいつき、試合は熱を帯びていく。今までに見たことがないルール違反のオンパレードであるこの試合を、観客は「カッコいい……」「最高にワルだな!」と羨望の眼差しで見守っている。
「野球……我自身がやる事になるとはのう。“悪霊”であるからには、ワルらしく勝利せねばならぬのか……?」
そうぼやくのは水鏡・多摘(今は何もなく・f28349)だ。少なくとも、今この状態で観客のボルテージを下げるわけにもいかない。多摘はセンターに移動しつつ、兎にも角にも頑張ろうと決心する。
何球かピッチャーが投げると、バッターは猟兵の投げるボールに慣れてきたのか打ち返した。その打球は伸びていき、フェンスを超えてしまいそうだ。
「おお! ホームランデビ!!」
セントウインたちが沸き立つ。だが、多摘はその軌道を読み、空を飛んでフェンスを越える前にキャッチした。
「な、なな、な……!」
「それは流石にズルいデビ!!」
抗議の声を上げるセントウインたち。だが、多摘はしれっと言い返す。
「我は龍。空を飛べぬ訳でもないし、飛んではならないというルールもない……はず」
他の猟兵たちが「そうだ、そうだー!」と援護のつもりなのか、同意してくれる。審判も特に言及しないため、そのまま試合は続く。セントウインたちは「ぐぬぬ……」と言いながらも、素直に試合へと戻った。
その後も、セントウインたちはボールを打ち返していくのだが、ほとんどがファウルゾーンへ飛んでいく。ようやく点になりそうな一打があったが、再びセンター方向へと飛ぶ。多摘は念動力を使い、自分の手元にボールを引き寄せてキャッチする。
「ま、またデビか……!」
「悪霊故、ポルターガイストも起きるのじゃ」
「ポルターガイストなら仕方ないデビね……」
不満はあるようだが、素直に引き下がるセントウインたち。良い子すぎて大丈夫だろうか……と思ったが、今回はどんな手を使ってでも勝たねばならないのだ。もうツーアウトは取った。あと一つアウトを取れば、猟兵たちの攻撃になる。多摘は、どんなボールが来ても取れるようにグローブを構えた。次にバッターボックスへと立ったセントウインは、キリッと多摘睨んだような気がした。
ピッチャーがボールを投げる。バッターはそれを今までとは異なり、低めに打ち返した。それらはセカンド、ショートの間を抜ける。
「む、外野ゴロか……」
先程とは同じ手は使えない。今の状態ならば、狙うのはタッチアウト。多摘は手間取るフリをしつつ、自分の周りに結界を張っていく。その隙に、バッターは一塁を踏む。彼は二塁へと駆け、塁を踏む直前に多摘はセカンドの元にテレポートした。
「デビッ!?」
「ほれ、タッチアウトじゃ」
多摘はバッターの身体に、ボールをキャッチしたグローブを当てる。突然現れた多摘に驚き、足が止まってしまったバッターは、それを避けることはなかった。
「アウトー! スリーアウトチェンジ!!」
「そ、そんな……!」
「すまんな。我は悪霊故、ワープもできるんじゃ」
へなへなとその場に座り込んでしまったセントウインを起こすと、多摘は交代するためにベンチへと戻っていった。
成功
🔵🔵🔴
和田町・いずみ(サポート)
電脳魔術士×魔女です。
大人しい18歳の女性で、何かに熱中すると猪突猛進します。
天然クールで少々ポンコツです。
基本的口調は一人称は私、相手に対しては~さん付け、です、ます、でしょう、でしょうか?と穏やかで丁寧な話し方。
電脳魔術でハッキングするのが得意。
趣味は鉄道が好きな乗り鉄です。
アドリブ・連携は大歓迎。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
初めは真面目に野球をやっていたセントウインたちだが、猟兵のユーベルコードを使った攻撃や守備に影響され、徐々に手段を選ばなくなってきている。
「うおおお!! 報酬上乗せデビ〜!!」
バッターであるセントウインは、カンッと良い音を鳴らしながらボールを打つ。ファーストにいた猟兵がそのボールを取ろうとするが、いつの間にか背後に現れた①のセントウインに羽交締めにされて身動きがとれなくなっている。その間に、ボールはファーストを抜けてライト方向へと転がった。バッターは一塁を踏み、二塁へと向かおうとしている。
「任せてください!」
ライトにいた和田町・いずみ(人間の電脳魔術士・f07456)はそう言うと、バッターと同じように自分以外の者――額に数字が刻まれたゲームキャラクターを召喚し、一番近くにいたキャラがボールを拾い上げ、二塁へと投げる。セカンドにいた猟兵がボールを取り、バッターに
それと同時に、セントウインが塁を踏む。
「セーフ!」
審判の声に、セントウインがガッツポーズをした。まだノーアウトの状態で二塁にいるのはまずい。
(さっきの場面は映像で残っているはずです。それなら……!)
いずみはベンチに合図をする。ベンチにいた仲間が合図を受け取ると、審判にリクエストを要求した。ここで判定が覆ればアウトになる。いずみは電脳魔術で二塁を映していたカメラをハッキングし、誰がどう見てもタッチの方が早いように映像を改竄する。審判たちがグラウンドに戻り、アウトのハンドサインを出す。
『判定が覆りました! これは……あ〜、タッチの方が早いですねぇ』
解説席にいる悪魔も、映像を見ながらそう話した。どうやら、ハッキングは成功したらしい。バッターだったセントウインは納得していないようだったが、もうこれ以上は覆られない。渋々ベンチへと戻っていった。
「この調子で、この試合も勝ち取りましょう!」
召喚したゲームキャラクターたちも、「おー!」と腕を振り上げて気合い十分な状態で試合を再開した。
成功
🔵🔵🔴
ミロ・バンドール(サポート)
大人向けな依頼は不採用にしてください
口調はステシの基本通り
強がって一匹狼を気取った態度ですが、連携にはきちんと応え
最善の結果のために努力します
いわゆるツンデレ
基本的な戦闘スタイルは敵の力を削ぎ、次の味方の行動へ繋げるサポート役で
次いで重視する行動が敵の押さえです
技能の各種耐性や改造を活かし、戦場の状況に合わせたスタイルを模索します
一般人等保護対象には耐性技能を利用して盾になり
UCは誰かが望まない犠牲になるときは差し控える傾向
*備考
・精神攻撃にはとても弱い(ヘタレると寝言時の口調)
・ギャグ展開にはよく巻き込まれる(弄られOKです)
※キャラぶれても気にしないので、お気軽に弄って下さい
『試合も中盤となりましたが、どうでしょうか?』
『互いに持てる力を利用していて、文字通りルール無用の試合展開となっていますねぇ』
『ですよね。本来であればルール違反で退場となってもおかしくはありませんが……まぁ、カッコいいですからね!』
『カッコいいは正義ですからね』
『ははは』
野球場に設置された放送席で、実況と解説をしている悪魔たちがそう評した。そんなことも露知らず、ミロ・バンドール(ダンピールの咎人殺し・f10015)はバッターボックスに立った。
(ボールが来たら打てば良いんだよな……)
ミロは他の猟兵たちの見よう見真似でバットを構える。猟兵として様々な世界へと渡ったため、野球という球技自体は知っている。とはいえ、細かいルールは分からない。今回は「ルール違反をしてでも勝て」ということなので、知らなくても問題ないのだが。
(まぁ、どうにかなるよな?)
ピッチャーは丁度キャッチャーと意思疎通を終え、投球の体勢に入る。ミロはぐっとバットを握り、ボールが投げられるのを待つ。
「……!」
一投目、スピードの速いストレート。初めてバッターボックスに立ったミロにとって、想像より早く感じられた。手も足も出せず、審判は「ストライク」と声をあげる。ピッチャーは二投目を投げた。そのボールも同じようなスピードの速いストレートだった。だが、先程と異なるのは、何故か投げられたボールは炎を纏っていたという点だ。
「ふふふ、必殺! 地獄炎球デビ! 丸焼きになるデビー!」
悪人っぽくそう語るピッチャー。だが、ミロにとって火炎は恐ろしいものでもなんでもなかった。ボールのスピードも、一投目で大体把握できている。打つなら、今だ。
「とりゃー!!」
「な、何!?」
ミロは思いきりバットを振る。炎を纏ったボールは、バットに焦げ目をつけながら遠くへと飛んでいった。とりあえず、他の猟兵たちがそうしていた通りに、一塁を目指して走る。炎を纏ったボールを野手であるセントウインたちが捕ろうとするが、炎のせいで捕りこぼしてしまう。その隙に、二塁へと走る。セントウインたちはその間もどうにかして送球していたので、三塁ベースを踏んだところでミロは止まった。流石に、ホームベースへと戻る余裕はなかったが今はまだノーアウトだ。ほぼ確実に次で点数が入るだろう。
(初めてにしてはまぁまぁ、だよね)
ミロは一人納得して、次のバッターがヒットを打つのをその場で待っていた。
成功
🔵🔵🔴
エリカ・グランドール(サポート)
サイボーグのシャーマン×電脳魔術士のエリカ・グランドールです。
戦闘はあまり得意ではありませんが、周囲の状況を観察して違和感のある箇所を発見したり、敵の弱点を推測して隙を作り出すといった行動で皆さんをサポートしたいです。
※セリフ例
「今、何か光りました。ここに何かあるのでは……」
「あの敵の動きには規則性があるわ。うまく狙う事が出来れば……」
冷静沈着と言う程ではありませんが、ビックリする事はあまりありません。
あと、笑いのツボが良くわかっておらず「今の、どこがおもしろかったのでしょうか?」と、真面目に聞き返す事もあるようです。
ユーベルコードは、エレクトロレギオンを好んで使います。
一進一退を繰り返す試合に、盛り上がりを見せる観客たち。一部の猟兵がセントウインたちを買収したというのもあり、今のところは猟兵チームが僅かにリードしている。だが、リードしているとはいえ油断はできない。次のセントウインチームの攻撃で逆転される可能性もある。ならば、今の内に点差を広げておきたいところだ。
(先程から、あのサードとショートの連携が上手くいってないようね……それなら、三遊間を狙えば……)
バッターボックスに立ったエリカ・グランドール(サイボーグのシャーマン・f02103)は、今までの野手の行動を冷静に分析していた。
「地獄炎球が通用しないなら……純粋にバフをかければ……!」
ぶつぶつとピッチャーであるセントウインが呟きながら、ボールを持ちながら謎のオーラを纏う。エリカはバットを構えながらその様子を伺った。すると、ピッチャーの腕の筋肉が急に盛り上がり、目に見える形で強化される。
(これはまたスピードのあるストレートが来そうね)
他の猟兵に投げた球種もストレートが多かった。ならば、バットには当てるだけで良い。球速が早ければ早いほど、当てた時の飛距離も伸びる。あとは方向を調節するだけだ。仮に変化球が来たとしても、三遊間狙いならば一塁に進むくらいならできるだろう。エリカはそう考えながら、グリップをぐっと握る。
ピッチャーが一球目を投げる。そのボールはエリカの予想通り、スピードのあるストレートだ。アウトコースに飛ぶそれは少々打ちにくさはあるが、上手く嵌れば目的の三遊間を抜けられそうだ。エリカは投げられたボールに注視して、バットを振る。カンッと良い音がしたと思うと、三遊間の方へと飛んでいく。サードとショートはどちらが行くかでどぎまぎしている間に、エリカの狙い通り三遊間を抜け転がっていく。その隙に一塁ベースを踏み、二塁へと走る。レフトがどうにかボールを捕ったところで、エリカは二塁ベースで止まった。
「まずまずの成果ね」
エリカはうんうんと頷く。次の猟兵がヒットを打つと、エリカは野手への妨害をしつつ走り、ホームベースを踏んだのだった。
成功
🔵🔵🔴
第3章 ボス戦
『ライラ』
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POW : 旋風脚
【蹴り】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD : 乱舞撃
【舞うように蹴りや突きを繰り出す連続コンボ】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ : 踊り狂う
予め【舞を踊る】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
イラスト:ななおなお
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「十文字・真」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「ゲームセット! 猟兵チームの勝利!」
「ありがとうござい――」
「待ちなさーい!」
整列した猟兵たちとセントウインたちは、審判の声を聞くと互いに挨拶を交わそうとした。だが、それを止める女性の声がグラウンドに響く。セントウインたちに「監督!」と呼ばれた彼女が待ったをかける。彼女がグリモア猟兵の言っていたオブリビオン・『ライラ』だ。
「ユーベルコードやらインチキやら、納得いかないわ! それに、賭けで負けてDも大損してしまうし……もう、頭にきた!」
ライラは黒い羽根を広げ、風を巻き起こし空を飛ぶ。試合を見に来ていた観客たちが、何か始まる予感を察知して再び歓声があがる。
「あなたたち、かかってきなさい。今度は正々堂々、ね?」
スピネル・クローバルド(サポート)
『お姉ちゃんに任せておいてね♪』
妖狐のクレリック×アーチャーの女の子です。
普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、兄弟姉妹には「優しい(私、~君、ね、よ、なの、なの?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
性格は温厚で人に対して友好的な態度をとります。
滅多に怒る事はなく、穏やかです。
怖そうな敵にも、勇気を持って果敢に挑む一面もあります。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
「ズルしちゃったのは悪いなーって思いますけど、それを言うなら野球にかこつけて賭け事でDを稼ぐのも良くないですよ!」
真っ先にグラウンドへ飛び出したのは、スピネル・クローバルド(家族想いな女の子・f07667)だった。彼女は聖樹の大弓を持ち、ライラに矢を向ける。
「別に賭けちゃいけない理由なんてないわ。その矢、当てられるものなら当ててみなさい」
余裕そうな笑みを浮かべて、ライラは空を舞う。動き回るせいか、普通に矢を射っても当たらない。だが、スピネルは猟兵だ。当たらないのであれば、逃げ切れない程の矢を放てば良い。それも、普通の矢ではない。
「絡みつく矢をお見舞いしてあげますよ!」
「何を、っ!?」
そう言ってスピネルが空に向けて一本の矢を放つと、それらはあっという間に分裂する。ライラは飛んでくる矢を必死に避ける。だが、数百本の矢を全て避けきることは、どんな手練れでも難しい。
「くっ……!」
ライラの横腹に、矢が刺さる。刺さった矢を抜こうとするが、先端部分が植物の根のように変化し、簡単には抜けなくなる。
「こうなったら!」
ライラは高速でスピネルに近づくと、その勢いのままスピネルに風を纏った蹴りをお見舞いしようとする。これに当たったらマズい。そんな勘が働いたのか、スピネルは寸でのところで避ける。すると、ライラの繰り出した一撃で、グラウンドに穴が開く。
「まだまだ、よ!」
「っ!」
ライラは攻撃を外した足を軸に、回転するようにスピネルに一撃をお見舞いした。先程のような速さや威力は無いものの、彼女を遠くへ飛ばす程度の力はある。だが、スピネルは一人で戦っているわけではない。そのまま他の猟兵たちと入れ替わるように後退した。
成功
🔵🔵🔴
水鏡・多摘
まあそれは正論じゃな。
だがデビルキング法…悪魔の道徳的にはルールの穴を突くのは合法ではないのかのう。
そもそも終わった後の物言いはワルですらなく単にみっともない。
ここはワルらしく我等が倒してくれようぞ。
空中浮遊で空中戦を挑む。移動補助に我自身に念動力も活用。
龍符に降霊術で式神を降ろし、硬直の呪詛を乗せた結界術で覆い舞わせライラを阻む壁に。
ある程度の耐久力と触れれば呪詛で汚染し動きを阻害される、酷くやり辛いじゃろう。
更に式神に隠し祟り縄を伸ばし拘束を狙い、隙が生まれたらUC発動。
氷属性のブレスを喰らわせ黒き荊で動きを封じ地に墜としてくれようか。
…普通の野球も楽しみたいのう。
※アドリブ絡み等お任せ
ミーヤ・ロロルド(サポート)
『ご飯をくれる人には、悪い人はいないのにゃ!』
楽しいお祭りやイベント、面白そうな所に野生の勘発動させてくるのにゃ!
UCは、ショータイムの方が使うのが多いのにゃ。でもおやつのUCも使ってみたいのにゃ。
戦いの時は得意のSPDで、ジャンプや早業で、相手を翻弄させる戦い方が好きなのにゃよ。
口調だけど、基本は文末に「にゃ」が多いのにゃ。たまににゃよとか、にゃんねとかを使うのにゃ。
食べるの大好きにゃ! 食べるシナリオなら、大食い使って、沢山食べたいのにゃ♪ でも、極端に辛すぎたり、見るからに虫とかゲテモノは……泣いちゃうのにゃ。
皆と楽しく参加できると嬉しいのにゃ☆
※アドリブ、絡み大歓迎♪ エッチはNGで。
ズルだ! と主張するライラに対して、多摘は「まあ、それは正論じゃな」と冷静に返した。
「だがデビルキング法……悪魔の道徳的には、ルールの穴を突くのは合法ではないのかのう」
「それはそうだけど!」
「そもそも終わった後の物言いは、ワルですらなく単にみっともない」
「ぐぬぬ……!」
ライラはぐうの音も出ないようだ。ひらりと空へと飛び上がると、挑発するように多摘に向かって手招きをした。多摘はわざとその挑発に乗る。ライラと同じく空を飛び、自身の念動力によって移動できるよう補助する。
「ほら、行くわよ!」
ライラはすぐに多摘との距離を詰め、蹴りを当てようとする。だが、多摘は龍符に式神を降ろし、硬直の呪詛を乗せた結界で覆う。それらを周りに舞わせることで、ライラの攻撃を阻んだ。
「っ、鬱陶しいわね」
硬直の呪詛のせいか、龍符に触れるたびに動きを阻害される。その隙を突くように、地上から銃弾が飛んできた。
「こっちだよー、にゃ!」
ミーヤ・ロロルド(にゃんにゃん元気っ娘・f13185)が、銃のようなガジェットでライラを狙い撃つ。ライラは反撃しようにも、今正面には多摘もいる。ひとまずミーヤを無視しようと決めた瞬間、ガシャンッと不穏な音が響く。ライラはそちらの方に視線を向けると、先程まで持っていたガジェットとは異なり、大型のミサイル砲台のような物が設置されていた。
「無視するにゃー!」
「あっぶな!」
飛んできたミサイルを、寸でのところで避けるライラ。だが、そうしている間に、多摘は式神に隠すように祟り縄を伸ばしてライラを拘束する。
「っ!」
「暴れるな。一層に苦痛が長引く」
避けられない状況を作り出し、氷属性のブレスをくらわせる。そのブレスに含まれる霊力と呪詛が、ライラの身体に侵食する。それらは黒き荊となり、ライラの翼が使い物にならないよう完全に封じてしまう。その影響で、彼女は地に落ちていく。
「まだ、まだ……!」
それでもライラは諦めなかった。踊りを踊るように華麗な着地を決めると、先程攻撃してきたミーヤに狙いを定めて、拳や蹴りなどの連続攻撃を繰り出す。だが、それは多摘の祟り縄で再び止められる。
「今の内に!」
「勿論にゃ!」
銃型のガジェットをライラに向けて放つ。その攻撃は見事に当たった。とはいえ、彼女もオブリビオン。祟り縄から無理矢理抜け出し、二人から距離を取る。
「くっ……こんなはずじゃ……!」
「それはこっちのセリフじゃ。……今度は、普通の野球も楽しみたいのう」
多摘はそうしみじみ呟きながら、祟り縄を回収しに地上へ降りた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
七星・天華(サポート)
羅刹のガンナーで元気娘。
仲良しな人には優しく楽しく。
『一般人に過度な期待はしないでよね。』
自分は才能など無い平凡な存在だと思っているが実は天才。
二丁拳銃「白雷」と「黒雷」をメインにナイフ系も扱える。
二丁拳銃を使った近接戦闘もできる。
遠近両方の距離でも戦闘を成立させる。
装備の影響で帯電しているが自由自在に扱える。
世界を放浪して手に入れたアイテムで出来る事の幅が広い。
少々過酷程度の環境は即座に対応適応するサバイバル能力。
左肩に生まれつき痕がある。
美人な元気娘だが暗殺もするデンジャラスな一面も。
家族のみんなが好きだが特に姉が大好きで姉の一番のファン。
自分にもファンが居るとは微塵にも思っていない。
「一般人に過度な期待はしないでよね」
地上に着地したライラに向けて、七星・天華(自覚無き天才・f36513)は二丁拳銃『クロス・ジャッジメント』――『白雷』と『黒雷』を構えて撃つ。ライラはそれらをひらりと躱すと、近距離での攻撃はできないとみたのか、天華との距離を一気に詰める。
「はぁああ!!」
「!」
天華は超近距離から繰り出される蹴りをなんとか防ぐと、拳銃自体が帯電していることを利用して、ライラに近接格闘を挑む。だが、元々格闘が得意な彼女には、上手く攻撃が通らない。
「電気か何か流しているみたいだけど、その程度じゃ痛くも痒くもないわ」
ライラは攻撃を防ぎながら、余裕のある態度を見せる。その様子に、天華はニヤリと笑った。
「確かに、あなたの方が強いよ。攻撃を防がれてしまうし……でも、」
天華は二丁拳銃を仕舞うと、ぐっと拳を握る。
「防御なんて貫けばいい!」
「は? ――っ!」
天華の拳にバチバチと雷が纏う。帯電していた白雷や黒雷よりも、威力は強そうに見える。そんな天華の拳がライラの肩のあたりに命中すると、彼女は声なき声をあげながら体勢を崩した。
「もう一発!」
「っ、お断りよ!」
再びライラを襲う拳。それをライラはぐるり、と転がるように避ける。拳はそのままグラウンドを叩くと、ドンッという音を鳴らしながら拳の形に凹んだ。ライラはふらふらと肩を庇いながら立ち上がる。
「……馬鹿力ね。一般人って言ってなかった?」
「一般人だよ。だって、サクラ姉の方がもっとずっとすごいから」
改めて二丁拳銃を構え、ライラに向けて撃つ。ライラはどうにか弾丸を避けきり、傷を負いながらもファイティグポーズをとった。
「……正々堂々戦って分かったわ。確かに貴方たちは強い。けど、負けるわけにはいかないの!」
成功
🔵🔵🔴
十文字・真
【心情】くく…貴様が監督か…(うおおお!可愛い!つかエロい!)
我らが言うのもアレではあるが卑劣な悪魔女神(デビルビーナス)よ!この十字神(クロス・ゴッド)が蹴散らしてくれる!!(可愛いけど仕方ない…恨まないでくれよ…)
【作戦】敵の蹴りは【見切り】や【武器受け】で防御。空を飛んだら再び天使を呼び【空中戦】だ!くくく…貴様の蹴りはその程度か?と【挑発】し、向かってきた所を我が剣で【2回攻撃】だ!…さらば…褐色踊り子美人…
尚セントウイン達にやる金は【催眠術】で見せて逃走させてもらおう。ふはははは、最後まで今回はダーティーなのだ!
正々堂々と勝負をした――ライラはそう言った。だが、実際は金で選手たちを集め、その選手たちも猟兵たちと同じようにこっそりルール違反をしていた。そんな彼女に猟兵たちを責める権利はないだろう。
「我らが言うのもアレではあるが、卑劣な悪魔女神(デビルビーナス)よ! この十字神(クロス・ゴッド)が蹴散らしてくれる!!」
「誰が悪魔女神よ! それに、あなたを蹴散らすのは私よ!」
真を指差しながら返すライラ。そんな威勢のいい姿を見ながら、真は内心盛り上がっていた。
(うおおお! 可愛い! つか、エロい!)
とはいえ、いくら可愛くても相手はオブリビオンだ。このまま放っておけば、世界が滅亡する可能性だってある。真は涙を飲みながらも、ライラへと立ち向かう。
「――はっ!」
先に攻撃を仕掛けたのはライラだった。彼女による蹴りが真を襲う。舞うように華麗な回転をかけたその蹴りを、真は愛用している剣『十字剣』で受ける。剣で足を払い除けるが、ライラはものともせずに、次の一手をお見舞いする。同じく、十字剣で防ぐ真。
「あら、防ぐしか能がないのかしら?」
「そう言う貴様も、地上戦がお好みか?」
真はニヤリと意味深に笑う。 その挑発的な態度にむっとしたライラは、真に蹴りを一発いれようとする。真はそれを見切ったが、ライラに距離をとられる。その隙に、彼女は今まで受けた攻撃のことなど忘れたかのように空を飛んだ。
「そうね。こっちの方が好みよ」
ライラは風の力を利用し、勢いの乗った蹴りを上空から繰り出そうとする。それを防ぐことなく、真は十字剣天に掲げる。
「美しき天使(エンジェル)よ! 共に行こう!」
練習試合の際に現れた、美しい女性の天使が召喚される。真は彼女と共に空を駆け、ライラの蹴りを素早く避けた。
「なっ!」
「くくく……貴様の蹴りはその程度か?」
真はわざとらしく挑発する。もしも、彼女が他の猟兵たちに攻撃を受けていなければ、そう簡単には挑発に乗ることもなかっただろう。だが、今のライラは追い詰められていた。
「言わせておけば……!」
ライラは蹴りや突きなど、真に向かって続け様に繰り出す。その様子は、遠くから見れば情熱的なダンスを踊っているように見えた。未だに観客席に座っている悪魔たちが、指笛を鳴らしながら観戦している。
(ほんとにヤバいな……エロ可愛い……! けど、仕方ない……恨まないでくれよ……)
突きを十字剣で受け、蹴りを見切り、背後に回り斬りかかった。ライラは避けずに、その攻撃を受ける。だが、まだ終わらない。終わるつもりがないようだ。
「これで終わりだ」
「あ、あああ……!!」
十字剣を振り上げ、もう一度ライラを斬る。避けることなく斬られた彼女は、力尽きたのか地上へと落ちる。
「さらば……褐色踊り子美人……」
ライラの側に降り立った真は、彼女の様子を確認する。息の根は止まっている。どうやら、問題なく倒せたようだ。
すると、真は野球場全体に催眠術をかけ、まるでDが降ってきたように見せる。先程の試合での賄賂のつもりらしい。催眠術とは知らない悪魔たちの視線は、空から降ってきたDに集まる。
「ふはははは、最後まで今回はダーティーなのだ!」
真はニィッと笑うと、視線が逸れている内にその場から去って行った。
大成功
🔵🔵🔵
最終結果:成功
完成日:2022年03月28日
宿敵
『ライラ』
を撃破!
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