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銀河帝国攻略戦⑱~リキッドサイキッカー

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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●アマルテア情報艦隊
「みんなの活躍で帝国の執政官兼科学技術総監ドクター・オロチが乗る『実験戦艦ガルベリオン』の所在が判明したのよ!」
 グリモアベースに集まった猟兵たちを前に、美少女グリモア猟兵の湯上・アリカ(こいのか荘のアリカさん・f00440)は語り始めた。
「当然次の目標は、ドクター・オロチ、といいたいのだけど、残念ながら向こうの艦隊戦力は健在だから、まずは、そちらを叩かないといけないのね」
 ということで、アリカは詳しい状況を語り始めた。

 これから向かうのは、ドクター・オロチ配下のアマルテア情報艦隊のうちの1艦。
 アマルテア情報艦隊は、ドクター・オロチがブラックタールから着想を得て開発したという『リキッドコンピューター』を搭載した艦隊で、艦内には粘性の液体が満ちた広いプール空間があり、この液体自体が情報を蓄積、処理するコンピューターとなっている。
「艦そのものの武装は大したことはないし、これからやることは、その艦内に一気に転移して、白兵戦で中から破壊しちゃおうって作戦なのね」
 ただ、とアリカは不安そうに続けた。
「問題はやっぱりその『リキッドコンピューター』なのだわ。
 それがわたしたちの襲撃に反応して、コンピューターに記録されている強力な敵をベースに、『液体で強化再現した存在』として生み出して、わたしたちを迎え撃ってくるわけなのよ!」
 現れるという『液体存在』は、元になっているのが『闇に落ちたサイキッカー』で、元々が強力な力に溺れてしまった存在であるだけに、それを強化再現したというだけでどれだけ強いのかは想像もできない。
「きっと厳しい戦いになるのよ。
 少しだけこちらに有利な事があるとすれば、そいつはあくまでも本体のリキッドコンピューターによって生み出された、リキッドコンピューターを守る存在だっていうこと。
 わたしみたいなヤドリガミとも在り方似てるのかもしれないわ」
 なので本体という弱点を抱えている事を利用できればあるいは楽に戦えるかもしれないと、アリカは推測する。
「とにかく、そいつを倒して、リキッドコンピューター及び粗の戦艦自体を破壊してほしいのね。
 よろしくお願いするのだわ!」
 そう締めくくって、アリカは猟兵たちを転送させるのだった。


雅瑠璃
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 というわけで、こんばんは。またはこんにちは。
 雅です。

  戦争の状況も進み、また新たなシナリオが出るようになりました。
 というわけでここでは、ドクター・オロチの情報艦隊に乗り込んで、内部で待ち受ける敵と白兵戦してもらうことになります。
 詳細はオープニングの通り。

 ではでは、プレイングお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『闇に堕ちたサイキッカー』

POW   :    3体のしもべ
自身が戦闘で瀕死になると【黒き四足獣と白き巨鳥、そして鋼の巨人】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
SPD   :    サイコスピア
【伸ばした腕】を向けた対象に、【サイキックエナジーで生み出した光の槍】でダメージを与える。命中率が高い。
WIZ   :    ラプラスの鏡
【対象の背後】から【サイキックエナジーで生み出した光の鏡】を放ち、【鏡の中に閉じ込めること】により対象の動きを一時的に封じる。

イラスト:おおやけさかな

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠エルシー・ナインです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●水の超能力少年
 猟兵たちが転送されたのは、情報戦艦内の広いスペースだった。
 視界の向こうには、巨大なプールがある。
 それがリキッドコンピューターなのだろう。

 しかしその前に待ち構えている少年がひとり。

 青い髪、青い肌は、はたして本来の姿なのか。
 ボロの服をまとっているが、はたしてそれは布なのか。
 否。否。
 彼は液体によった再現された存在だ。
 リキッドコンピューターによって生み出された、液体製のサイキッカーだ。
 だがしかし、液体だからとて侮ってはならない。
 本来の元となったサイキッカーよりも、ある意味強化されている存在なのだから。

 リキッドサイキッカーの少年は、現れた猟兵の姿を認めると、狙いをつけるようにその腕を伸ばした。
金剛・狂
銀河帝国ぶっとばすぞ、おー!
まずはあの脳みそパーカーをなんとなくぶっ飛ばさなきゃいけないって気になるっすよ
この光り輝く拳にかけて!

リキッドコンピューター…とてつもなく厄介な相手に違いない
液体存在でありながらサイキッカーの能力も持つ
非常にトリッキーな戦闘を仕掛けられそうな気がするっす
[WIZ]背後から襲ってくるようだけれど、チッチッチ
私の背後にはいつだって輝ける筋肉、背後霊のヒシガタさんが
ガッチリ守ってくれているっす!【Stand By Me】使用
広背筋を強調したポーズからの圧倒的な筋肉のラッシュの嵐を
受けてみるがいいっす!


桜・吹雪
わたくしと同じ誰かに創られたモノでございますか
主があれど使い捨てられる
主無き身とどちらが幸せなのでございましょうね

SPDユベコで桜吹雪を纏い、高速で妖刀で白兵戦を仕掛けますわ
相手の行動を【見切り】【学習力】し、回避を行いながら極力張りつくよう試みますわ
1秒でも速く接近し、1秒でも長く切り結び自分と相手の命を削り続けます
高命中躱しきれない攻撃は被弾を厭いません
片腕片足程度の損失で止められるなら構わず攻撃を
わたくしが倒れても仲間の皆様がご無事であれば本望ですわ
動き回る間に鋼糸を張り巡らせ拘束・妨害を試みます

創られた私と貴方
共に散るまで舞い踊りましょう
どちらも、消えても誰も困らないモノなのですから


ミアス・ティンダロス
この戦いはスペースシップワールドの未来を左右するかもしれません。
気を緩めなく、慎重に行きましょう。
そうですね……液体の敵なら、凍らせればよいでしょう?

ユーベルコードを【高速詠唱】し、敵が仕掛けてくる前に吹雪を放て敵の行動を封じようとします。
または、【地形の利用】を活用しつつ【衝撃波】を放って戦います。


モティアナ・クロスウィート
「うむ、わたし達の特性に目をつけたところは敵ながらさるものだな」
だが模造はたいていオリジナルに及ばぬもの
「ブラックタールとしてもこの戦い負けられぬ!」
わたしは盾役として動くつもりだ
「敵の攻撃はわたしが引き受けるっ!」
此方に液体存在の敵意が向かない時は本体の方に近づくことで挑発に変える
「わたしを自由にしておいて良いのか?」
それでも動かない時は本体を攻撃
鏡に閉じこめられると厄介なので後方は出来うる限り警戒しておく
味方が危ない時はかばう
「わたしが盾になるのだ、今の内に攻撃を」
攻撃が激しくなってきたら無敵城塞で防御に徹する
「この程度どうということはないっ!」
「ここで挫けては、友達に顔向け出来ぬのだ!」



●艦内に舞う吹雪
 転送してきた猟兵を確認したリキッドサイキッカーは、そっと猟兵に向けて腕を伸ばした。
 そこから放たれる【サイコスピア】の光の槍。
 転移してきたばかりの金剛・狂(は砕けない・f09749)は、慌てて身体をひねり、槍をかわした。
「いきなりグレートっすね。けど負けないっす。
 銀河帝国ぶっとばすぞ、おー!」
「お、おー!」
 初っ端の洗礼にも臆することなく、気合を入れる狂。それにつられるように、続けてやってきた桜・吹雪(主を求めて三千世界・f09844)も声をあげてしまう。
「こほん。ともあれあれが、わたくしと同じ誰かに創られたモノでございますか」
 つられてしまったのをなかったことにするように一度咳払いした後、吹雪はサイキッカーを見る。
 ヒトに作られたミレナリィドールの身ゆえに、人工の存在というサイキッカーには少しだけ親近感も沸いてくるのだが。
「主があれど使い捨てられる。
 主無き身とどちらが幸せなのでございましょうね?」
 それ以上に憐れみを感じているのだった。
「しかし、わたし達の特性に目をつけたところは敵ながらさるものだな」
 親近感を感じているのはモティアナ・クロスウィート(ブラックタールのパラディン・f02000)もだろうか。もっともモティアナの場合、リキッドコンピューターの元が自身と同じブラックタールからの着想だという部分が気になる様子。
「だが模造はたいていオリジナルに及ばぬもの。ブラックタールとしてもこの戦い負けられぬ!」
 参考程度には負けられないと、モティアナは闘志を燃やすのだった。
「この戦いはスペースシップワールドの未来を左右するかもしれません。
 気を緩めなく、慎重に行きましょう」
 モティアナの気合に応えつつも、静かにそう引き締めるのは、ミアス・ティンダロス(夢を見る仔犬・f00675)だ。
「もちろんっす。あの脳みそパーカーをなんとなくぶっ飛ばさなきゃいけないって気もしますし、まずはしっかりこれを倒すっすよ!
 この光り輝く拳にかけて!」
 狂が拳を輝かせ、それに呼応するかのようにリキッドサイキッカーが再び光の矢を解き放つ。
 それが、この戦いの開始のゴングだった。

「敵の攻撃はわたしが引き受けるっ!」
 真っ先にそう言って飛び出していったのはモティアナだった。
 彼女じゃ、リキッドサイキッカーを挑発するかのように、わざとらしくその目の前を横切って、本体であるリキッドコンピューターへと向かっていく。
 さすがにそれは見逃せないのか、光の矢を放つ腕をむける方向を、正面の3人から脇をかけていくモティアナへと変えて、【サイコスピア】の光の槍を放つ。
 だがそれは、槍の射線に本体のプールの方角が入ったからなのか、威力も小さく、当たりもしない。
 そして、サイキッカーの視線がモティアナに向いた隙をついて、他の猟兵たちも動き出す。
「液体の敵なら、凍らせればよいでしょう?」
 まずはミアスが、高速詠唱して即座に【激凍極嵐・風に乗りて歩むもの(ブリザードベント・イタクァ)】を解き放った。宙に浮かぶ魔法陣から放たれる極寒の吹雪が、サイキッカーの脚を凍り憑かせ、その動きを封じていく。
 そして、その吹雪の中に、桜の花びらが混じっていく。
 自身の名前と同じ桜吹雪……【桜吹雪-散華-(イノチミジカシクルイザケオトメ)】を身にまとい、氷雪の吹雪の中を桜吹雪が高速で移動し、抜き放った妖刀でサイキッカーに斬りつけた。
「創られた私と貴方、共に散るまで舞い踊りましょう?」
 どちらも、消えても誰も困らないモノなのですから……と内心言葉を続けた吹雪は、そのままサイキッカー相手に白兵戦を仕掛けていく。
 サイキッカーは無言のまま……そもそも液体存在は言葉を発することはできないのかもしれないが……、今度は光の槍の照準をモティアナから吹雪に変え、その剣戟を素手で受けさばきながら、至近距離から光の槍を乱射した。
 それはいくらかはミアスの吹雪で減衰し、さらに続けて接近してきた狂の光る拳で掻き消されているが、いくらかは吹雪の四肢に突き刺さる。
「……っ、片腕片足程度の損失で止められるなら構わず攻撃を」
 自分が倒れても、仲間が無事なら本望とばかりに、吹雪は被弾をいとわずサイキッカーと切り結んでいる。
 だがもちろん、彼女の犠牲を良しとする猟兵達ではなかった。
「わたしを自由にしておいて良いのか?」
 サイキッカーの攻撃が吹雪に向いているという事は、本体のプールに向かったモティアナがフリーになったという事だ。
 モティアナは、そのまま本体のプール、リキッドコンピューターに攻撃を仕掛けようとする。もちろんそれは、自身に攻撃を引き付けるための挑発でもある。
 そして囮だと理解できたとしても、本体を守るためには、サイキッカーはモティアナの方を向いて攻撃しなければいけない。光の槍が、モティアナに降り注いでいく。
「この程度どうということはないっ!」
 モティアナも被弾し、ブラックタールのボディが黒い飛沫を飛ばしても、自らを【無敵城塞】で守りながら攻撃に耐えていく。
「わたしが引き受けるのだ、今の内に攻撃を」

 サイキッカーも、攻撃は強力なのだが、4人同時だと手数が足りていない。
 なのでコンピュータが思考パターンを変えたのか、光の槍の乱射ではなく、別の攻撃方法を繰り出してきた。
 【ラプラスの鏡】を、モティアナや吹雪、狂の背後へと出現させたのだ。
 モティアナも背後には警戒していたようだが、無敵城塞で身を守っている最中では対応はできない。
「あぶないっ!」
 そこを守ったのは、ミアスだった。モティアナの背後に出現した鏡に向けて、衝撃波を放ち、鏡がモティアナを捕らえるのを防いでいる。
 その一方で狂と吹雪はというと。
「背後から襲ってくるようだけれど、チッチッチ、私の背後にはいつだって輝ける筋肉、背後霊のヒシガタさんがガッチリ守ってくれているっす!」
 狂のユーベルコード【Stand By Me】によって生み出された背後霊が、狂と吹雪を守るように出現する。
 ヒシガタさんと呼ばれたその背後霊は、筋骨隆々の見事な肉体をしていて、見た目通りに強力なパワーで、背後の鏡をどらららららら……と連打でで殴りつけた。
「圧倒的な筋肉のラッシュの嵐を受けてみるがいいっす!」
 これにより狂と吹雪の背後の危機は一旦防がれる。
 その隙を狙い、吹雪は鋼糸でサイキッカーを縛り付け、妖刀を振り下ろした。
「これにて散りなさい」
「オオオオオオオオオオ……」
 液体存在であるサイキッカーの悲鳴か、あるいはリキッドコンピューター本体の嘆きなのか、咆哮が艦内に響き渡る。

「やったか?!」
 その言葉は、誰が発したものだろう?
 敵が大きくダメージを負った事は間違いなく。
 しかしながら、やはりそのセリフはフラグだった。
 大きなダメージを負ったサイキッカーの陰から、しもべが召喚されていく。
 黒き四足獣。白き巨鳥。そして鋼の巨人。
 みっつのしもべ達は、本人であるサイキッカー同様に、【サイコスピア】を乱射し始め、4人を纏めて吹き飛ばすのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

リリィエル・ロックウェル
相手は液体なのです。
つまり柔らかいのです、なのでギガドリルクラッシャーで突っ込んで大穴を開けてやるのです。
そして貫通で着たらそのまま奥に突入してリキッドコンピューター本体を狙うのです。
最終的に狙うはこの戦艦のコアなのです。


藤堂・遼子
スペースシップワールドも宇宙戦艦もこれが初になるわね、初でこれってどうなのって感じだけれど。
でもってリキッドコンピューターから生み出された液体性サイキッカー、ねぇ。
過去の存在であるオブリビオンが、過去の存在を再現とか皮肉が効いてるわね。

というか、液体ねぇ。一応大鎌の「狂気を刈るモノ」と「流血賛美書」の凶器で攻撃してみるけど、あまり効果的ではなさそうね。
ハァ、出来れば使いたくはないけど仕方ないわね。
【落とし子誕生】を使うわ(出産演出はお任せ)
産まれたのは湯気立ち上るスライム?あぁ、これ湯気じゃなくて冷気ね、液体窒素のスライムってことかしらね。
ともあれ、スライム嗾けて凍らせたら大鎌で砕きに掛かるわ


ルビナ・ベイビーブルー
みんな、大丈夫?!
お手伝いに来たよー!
闇に堕ちたサイキッカー、うう、強そうだけどがんばるよっ!

リキッドコンピューターかあ、液体存在だから高圧電流めっちゃ効きそうかも!
サイキックブラストを使って高圧電流を放ち、敵を感電させるね。
ほら、コンピューターって電気に弱そうだし!
ビリビリ感電しちゃえばいいよ!
他の猟兵さんが攻撃しやすいように、敵の動きを封じてみせるよ!

私がこいつの動きを抑えるから、誰か追撃お願いっ

もし帝国騎士がラプラスの鏡を使ったら、薙刀でなぎ払ってその勢いで距離を取るね。光の鏡に捕まらないように注意しないとね。



●生まれ出るモノ
 リキッドサイキッカーは、4人の猟兵達の活躍により大きなダメージを受けていた。
 だが、それゆえにか、みっつのしもべ……黒き四足獣、白き巨鳥、そして鋼の巨人を召喚して、先行していた4人を薙ぎ払う。
 後続として転移されてきた3人が戦場に到着したのはそのころだった。
「みんな、大丈夫?! お手伝いに来たよー!」
 先頭で駆けてきたルビナ・ベイビーブルー(スペースノイドの電脳魔術士・f01646)は、真っ先に先行していた猟兵達を気遣っている。
「あとは私達がやるのです! 大穴開けてやるのです!」
 その傍らには、小さなフェアリーのリリィエル・ロックウェル(クレヨンの勇者・f01438)も気合十分で浮かんでいる。
「過去の存在であるオブリビオンが、過去の存在を再現とか皮肉が効いてるわね」
 そしてもう1人。スペースシップワールドも宇宙も初めてという藤堂・遼子(サイボーグの探索者・f09822)の姿もあった。
「闇に堕ちたサイキッカー、うう、強そうだけどがんばるよっ!」
 ルピナの敵の強さを認めて気合を入れなおした言葉が、戦闘再開の合図となった。

 サイキッカーと、そして生み出されたしもべたちが、3人に向けて【サイコスピア】を乱射してくる。
 それをかわしながら、3人は敵に対する攻略方法を考えていった。
「リキッドコンピューターから生み出された液体性サイキッカー、ねぇ」
「相手は液体なのです。つまり柔らかいのです」
 リリィエルの主力武器のクレヨンでは簡単に貫けてしまうだろう。
 事実、戦闘が始まってすぐにリリィエルは、銀色のクレヨンソードを取り出し、それをドリルのように回転させた【クレヨンソード銀色:ギガドリルクラッシャー】でしもべに突っ込んでいっている。それはあっさりと貫通し、しもべのうちの1体である白き巨鳥を貫いて一旦は四散させたのだが、飛び散った液体が再び集結して白き巨鳥の形を再現し始めている。
「大鎌での攻撃はあまり効果的ではなさそうね」
 遼子についても同僚だ。主力武器の大鎌『狂気を狩るモノ』で簡単に黒き四足獣を切り裂いている。しかし、液体ゆえにすぐに復元してしまい、致命傷とは考えにくい。
 しもべでこうなのだから、本体たるサイキッカーもおそらくは同じこと。
 そこにルピナが液体と聞いて攻略法を思いつく。
「あ、液体存在だから高圧電流めっちゃ効きそうかも!
 ほら、コンピューターって電気に弱そうだし!」
 生み出された存在は直接リキッドコンピューターにつながっているわけではないのだが、電流よく伝わる存在なのも間違いはない。
 背後に現れたサイキッカーの【ラプラスの鏡】を、薙刀でなぎ払い、光の鏡に捕まらないように注意しつつサイキッカー本人へとダッシュしたルピナは、その思い付きを実践に移した。
「みんなが攻撃しやすいように、敵の動きを封じてみせるよ!」
 ルピナはサイキッカーの液体でできた体に触れると、【サイキックブラスト】による高圧電流を放つ。電流はサイキッカーの液体の身体を駆け巡り、その動きを止めさせた。サイキッカーが動きを止めると同時に、しもべたちもまた動きが止まる。
「私が動き抑えてる間に、誰か追撃お願いっ」

 ルピナが必死に稼いだ時間を使い、遼子はまた別の攻略法を考えていた。
 その手に持つ邪教の魔導書『背淫手稿』に記されていた禁断の業……自身を母胎とし、その局面に適した子を出産するという邪なるユーベルコード【落とし子誕生(ハラミウマレル・ジャシンノオトシゴタル・ワガコ)】を使い、産まれたモノを使うなら、奴を倒せるはず。
 その思い付き自体には、確信があるのだが……実行となると躊躇いもある。
 しかし。
「ハァ……、出来れば使いたくはないけど仕方ないわね」
 目の前で必死に敵の動きを止めている仲間がいるのだ。躊躇う時間さえ勿体ない。
 遼子は覚悟を決めると『背淫手稿』を開き、自らの手をホットパンツの中、股間へと導いていった。
 そして呪文と共に自らを弄ると、即座に遼子のお腹が膨らんでいく。まるで十月十日を一瞬で早回し再生しているかのように、それは膨らみ。やがて……。
「あっ、あんっ……いあ! いあ! ……う、産まれる……いぐぅ! あ、ああぁぁああああぁぁぁ!」
 遼子の悲鳴とともに、遼子の股間からホットパンツを濡らして大量の液体が流れ落ちていく。
 流産?
 いや違う。現れたのは湯気立ち上るスライム状のモノ。
 それもまた違う。湯気ですらない。
「……液体窒素のスライム、ってとこかしらね……?」
 生み出した本人は、それを正確に理解していた。
 超低温の液体窒素。湯気のように見えたのはそれが気化する際の冷たい煙であり、これは触れたものを瞬時に凍らせる危険な存在なのだ。
「あなた、そこから離れて、早く!」
「え、あ、はいっ?!」
 自身の背後で遼子が何をしていたのか見えていなかったルピナに避けるように声をかけたと同時に超低温のスライムもどきは瞬く間に広がっていく。それはルピナによって動きを止められていたサイキッカーならびにしもべたちを瞬く間に凍らせていった。
「そこのあなた、今なら」
「わかるのです! 今ならギガドリルクラッシャーで突っ込んで大穴を開けてやれるのです!」
 そして遼子の出産シーンを見て呆気に取られていたリリィエルにも声をかける。
 リリィエルは遼子の意図を察し、即座に銀色のクレヨンを再び高速回転させていった。
「銀色は輝く鋼の色、銀の螺旋の力が全てを貫くのです!」
 そのまま自身も含めて1本の銀色のドリルと化した小さなフェアリーは、一気に銀の矢となって凍り付いたサイキッカーへと飛んでいく。
「このまま、リキッドコンピューター本体もまとめて、一気に貫いてやるのです!」
 ぱりーーーーーん。
 瞬時に凍り付いていたサイキッカーが銀のドリルによって粉々に砕かれ、そしてそのままの勢いでリリィエルはサイキッカーの背後にあったプール……リキッドコンピューター本体へと突っ込んでく。
 このコンピューター本体も遼子の落とし子による凍結が及んでおりそれもまた大穴が開いて貫かれていった。
 そのままリリィエルは、リキッドコンピューターの奥、戦艦のコアへと一直線に向かっていく。

「戦艦のコアまで貫いてきたのです!」
「おつかれさま! それじゃあとは倒れてるみんなを助けて……」
「ええ、撤収ね。これでお仕事完了よ」
 戦艦のコアまで貫いて戻ってきたリリィエルを確認し、ルピナと遼子は他の猟兵達を助け起こして、グリモア猟兵に転送を依頼する。
 やがて、その場から猟兵たちが皆脱出を終えたのち、帝国の宇宙戦艦は、大爆発を起こして宇宙の塵へと還るのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月16日


挿絵イラスト