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蜘蛛の気配が密かに侵食する~デイドリーム・アゲインⅡ

#シルバーレイン #【Q】 #ゴーストタウン #3章受付開始は2/17の8:31~ #デイドリーム・アゲイン #四国の土蜘蛛女王

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#シルバーレイン
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#【Q】
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#ゴーストタウン
#3章受付開始は2/17の8:31~
#デイドリーム・アゲイン
#四国の土蜘蛛女王


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 ゴーストタウン。
 かつてシルバーレイン世界において、『人が住まなくなり、常識が失われたことでゴーストの巣窟と化した場所』の呼称。そして銀誓館学園の能力者たちの活動場所のひとつでもある。彼ら彼女らはゴーストを倒すことで、ゴーストタウンの浄化活動に当たっていたのだ。
 銀の雨が降る時代が終わり、ゴーストタウンもまた朝露のごとく消えていく……はずだったのだが。

 オブリビオン化した世界結界がそれを良しとしない。


「四国にある、いえ、あった、が正しいですね」
 文月・悠(緋月・f35458)が自身の言葉を訂正する。
「『銀の雨が降る時代』にあったゴーストタウンがまたゴーストタウン化したみたいなんです」
 日本語がオカシイ気がするがご容赦いただきたい。これが最適の表現なのだ。

 補足しよう。
 場所は四国の山奥にある、元は旅館――旅籠であった建物『秘雲荘』。
 ここは、主にお遍路さんの修行者を宿泊させることを生業としていたわけだが、ある時、付近で殺人事件が発生。その事件は秘雲荘とは何の関係もない、本当に偶発的な事件だったのだが、位置的に近いというだけであおりを受けて、その秘雲荘は潰れてしまった。
「山奥という立地も悪い方向に働いてしまって。取り壊しもなく、まったく人が寄り付かなくなったために、ゴーストタウン化してしまった場所なんです」
 とはいえ、ゴーストタウンであったのは10年も前のことだ。悠たちが能力者として現役だった時代、このゴーストタウンは一度、完全に浄化されている。
「で、ゴーストタウンから解放されて、後は朽ちていくだけの建物に戻った……んですが、今回見事に再びゴーストタウン化したわけなんです」
 そこまで話し切って、ふぅ、とひと息つく悠。
「まぁ、今は天輪宗が押さえてくれているので」
 しばらく前にゴーストタウン化した秘雲荘であるが、『ゴーストタウン現象』は全然進行していない。監視だけで放置確定案件だったのだが……悠はもっかい、はふ、とため息をついて、絵本型のグリモアを開く。
 ホロディスプレイのように表示されるのは、人間の女性と蜘蛛が合体したかのようなオブリビオン化ゴースト『マガツクモ』。
「コレが予知に引っかかってきました。秘雲荘の中で発生した個体なんですが、強大な力で秘雲荘を支配しています」
 そしてマガツクモが秘雲荘を支配したことで、ゴーストタウン現象が加速度的に進んでいる。
「このまま行けば、大規模なゴーストタウン現象が発生して、周囲一帯をゴーストタウン化してしまいます」
 その前に秘雲荘に赴き、マガツクモを倒さなければいけない。
「今回の依頼の目標は、このマガツクモを退治することです」


 秘雲荘は本来、大きな建物ではない。
「ですが、ゴーストタウン現象によって時空の歪みと迷宮化が発生しています」
 見た目は小さな旅館だが、踏み込めば老舗旅館のような平面に広い構造となる。
「一番、奥の座敷でマガツクモが巣を張っています。で、そこに至るまでの大廊下。そして手前の座敷にマガツクモの配下『誘蛾少女』が大量に配置されているという陣営です」
 マガツクモを守るように全周囲に配置されているため、どのようなルートを通っても奥の座敷へ行く前には誘蛾少女たちとの戦いになる。
「これを制して、奥の座敷に乗り込みマガツクモを退治する、というのが秘雲荘に辿り着いてからの流れです」
 悠の言葉に違和感を感じた人がいるかもしれない。正解。これは後半戦の流れなのだ。じゃあ前半戦はどうか、というと。
「いやー、天然の要塞と言いますか何と言いますか……秘雲荘に至るあらゆる道が植物に覆われてまして」
 困った顔の悠さんである。まぁ大昔の建物なので周辺もそうなるよね。獣道すらないという、ホラースポットにすらならない秘境っぷりである。だからこそ、ゴーストタウン現象が強烈に作用するともいえるのだが。
 幸い、ノーマルなGPSが効くので迷子になることはないだろう。
「そういうものを頼りにしつつ、生い茂りまくった棘だらけの植物とか蔦とか木の枝とかで構成された天然のバリケードを突破してください」
 イメージ的には眠りから覚める前のラ〇ュタの中心部をご想像いただきたい。
 なお、空から行けば楽なのでは? と思わないではないが、そこはゴーストタウン。元は旅籠という性質が関係しているのか、歩いていかないと辿り着けないらしい。
 辿り着いてしまえば後は秘雲荘の中を突き進むのみ。
 秘雲荘内にトラップや妙な構造はないので、オブリビオン化ゴーストとの戦闘に注力してもらいたい。
「ちょっと面倒な依頼ですが、皆さんなら大丈夫だと思いますので」
 そう言って悠が改めて絵本型のグリモアを猟兵たちに向ける。そこから放たれる光が徐々に猟兵たちを包み込んでいく。
「四国に蜘蛛……はあんまり良い予感がしないので。気を付けてくださいね」
 悠がそう告げるとともに、グリモアの光が猟兵たちをシルバーレインの世界へ転送するのであった。


るちる
 まいどです。いつもありがとうございます、るちるです。
 シルバーレイン世界からシナリオのおとどけです。

●全体
 3章構成の通常シナリオです。
 1章で植物の天然バリケードを突破、2章で誘蛾少女たちと戦闘、3章でマガツクモと戦闘になります。
 2章と3章の戦闘場所は建物内となりますが、時空が歪んでいるので平原並みの広さがあります。高さは一般的な日本家屋の天井の高さです。
 今回、一般人や天輪宗の人はいませんので、どの章も全力ぷっぱオッケーです。

●1章
 冒険『植物の砦』を突破します。
 秘雲荘を守るように存在している植物の天然バリケードが展開されているのでこれを突破します。植物は銀の雨の影響を受けて多少硬いものの、普通の植物です。普通の火で燃えるし、一般人の鎌で切れます。ただし、めっちゃすごい生い茂りっぷりなのでヨロシク。
 取れる行動はPOW/SPD/WIZを参考に、出来そうなことなら何でもオッケーです。

●2章
 集団戦『誘蛾少女』との戦闘です。
 空を飛んだりはしないのですが、羽根を使って跳び上がることはあります。上から攻撃される可能性はありますのでご注意を。座敷の中でも廊下でも戦いやすい場所に誘い出してください(猟兵の皆さんが誘蛾灯)

●3章
 ボス戦『マガツクモ』との戦闘です。
 一番奥の座敷で巣を張っています。既に設置されている巣に特別な効果はありません(単に生物的な本能で巣を張っているだけ)。 戦闘時は巣から出てきますし、巣の破壊も躊躇いません。
 戦闘場所は座敷の中。蜘蛛の巣の糸が若干鬱陶しいですが、特殊効果もなく纏わりつくだけなので、気持ち悪いで終わると思います。


 各章ともプレ受付開始前に冒頭説明or補足説明を追加します。ご参考にしてください。プレの受付についてはタグでお知らせします。毎度ですが、1日の執筆人数が多いと採用できない人が出るかも? プレ受付開始や状況なども含めて、タグでお知らせします。

 それでは皆さんの参加をお待ちしていまーす!
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第1章 冒険 『植物の砦』

POW   :    植物を力ずくで刈り取る

SPD   :    少しでも歩きやすい迂回路を探す

WIZ   :    生い茂る植物に火を放つ

イラスト:シロタマゴ

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 きっとこの世界がシルバーレインでなければ。
 秘雲荘もその周辺も人の記憶から薄れて、文字通り埋もれていったであろう。わずかな口伝に記録が残る程度の。あるいは肝試しに使われる程度の。
 だがシルバーレインであったがために、銀の雨はこの地をゴーストタウンへと変化させてしまった。
 生い茂る植物は硬度を増し、振れる場所によっては皮膚を斬り裂く鋭さを得てしまった。一般人を拒絶する森はそのまま動物をも締め出す天然の砦と化して。
 秘雲荘はその中に埋もれるように隠れ、守られながら常識を失って超常の巣と化している。
 そして超常に触れたモノは超常に染まっていくのだ。
 この森も植物も一切の悪意はなく、それでも来る者を拒むようにそびえたつ。

 ある場所では人が通れないほどに細くて硬い木々が並び立ち。
 ある場所では背丈ほどもある草の葉がカッターのように通る者を斬り裂く。
 また、ある場所では木々と蔦が複雑に絡み合って、天然の捕獲トラップとなっている。
 そしてある場所では食虫植物が巨大化して、自分より小さいものを虫として食らうのだ。

 しかし、いずれもオブリビオンではない。オブリビオン化もしていない。
 猟兵たちならばこの森を突破して辿り着くことが出来るだろう。だが油断しないで欲しい。時に自然は超常よりも現実的に、人を傷つけるのだから。

※シナリオ補足※
 植物の天然砦と化した森を突破してください。
 オブリビオン化していないため、通常の火でも有効ですが、生木はちょっと燃えにくいです(中に水分がいっぱいあるため)

 足元も不安定、というか植物が絡み合ってトラップになっています。食虫植物程度の知性というか反応をもっている植物もありますので、蔦が鞭のように飛んでくる、はありえます。また、うっかり落とし穴になっている場所もあるかもです。

 イメージが湧かなければ、ラ〇ュタの中心部やヘル〇イムの森や富士の樹海を想像してもらえれば大丈夫かと思います。
仰木・弥鶴
まず単眼鏡で秘雲荘の方角を確認…
これだけ植物が生い茂ってると見えにくいかな

眼鏡を外した裸眼で行く手を阻む植物を直視
できるだけ視界を開けてもらう
ありがとうね、好きだよ

目的地が確認できたら『World order』に解体ナイフを併用して
生い茂る植物を文字通りに“解体”しながら進んでいこうか
罠状になった蔦は解すように
背丈の高い葉は根本から断ち切る
木々は…切り倒すのはかわいそうだから迂回で
こまめに単眼鏡で先の様子を窺い目的地を見失ないように気を付ける

食虫植物はハンドガンで牽制
悪意がないのはお互いさま、通してくれたらそれでいいんだ
裸眼で見つめ無用な争いを回避

無闇に騒がず、必要最低限の動きで森を通り抜ける




 ゴーストタウン・秘雲荘。そこに至るまでの道は植物という天然のバリケードに覆われていた。そこに『銀の雨』である。ゴーストタウン現象と銀雨という、頻発してほしくない化学反応によって秘雲荘の周辺は人を寄せ付けない砦を化している。

 自身の行く手を阻む砦を目の前にして仰木・弥鶴(人間の白燐蟲使い・f35356)は単眼鏡を取り出す。
「まず秘雲荘の方角を確認……」
 高くまで伸びている木に登って目的地の位置を確認するも。
「これだけ植物が生い茂ってると見えにくいかな」
 懸念通り、秘雲荘そのものは確認できなかった。だが、生い茂り方……この中心に秘雲荘があるのならば、その方角はある程度決まる。
「いこうか」
 木から軽やかに飛び降りた弥鶴は眼鏡を外して。
 天然の植物砦に向かうのであった。

 弥鶴の視線が行く手を遮る植物を直視する。一瞬、植物が震えるように反応して……弥鶴に道を譲るように視界が開ける。
「ありがとうね、好きだよ」
 【World order】――弥鶴の裸眼による視線が命中したモノは無意識に友好的な行動を行う。その特性で以て、道を作った弥鶴は遠くに目的の建物を確認する。
「それじゃあ、“解体”しながら進んでいこうか」
 流れるような動きで取り出した解体ナイフを掴んで、弥鶴は生い茂る植物を文字通りに解体しながら進む。
 罠状になった蔦は解すように、背丈の高い葉は根本から断ち切って。
「これは……迂回かな」
 木々は『切り倒すのはかわいそう』ということで回避。
 こまめに単眼鏡で先の様子を窺いながら、目的に向けて進む弥鶴。
 時折、襲い掛かってくる食虫植物はハンドガンで銃弾を叩き込んで牽制。
「悪意がないのはお互いさま、通してくれたらそれでいいんだ」
 できるかぎり、【World order】で無用な争いを回避しながら、無闇に騒がず。
 必要最低限の動きで最短距離を進む弥鶴であった。

成功 🔵​🔵​🔴​

黒木・摩那
登山にはヤブ漕ぎという言葉があって、文字通りヤブをかき分けて進むんですが。
今、こうしてオブリビオンもどきなヤブを漕いでいくのは危険ですね。
葉や枝で怪我だらけになりそうです。

ここは空から行くのが一番ですね!……と思ったら、秘雲荘が探知できないと。
さすがはゴーストタウン。手強いです。ぐぬぬぬ。

仕方がないので、歩いていくしか無いですね。
ヨーヨー『エクリプス』で道を切り開きます。
UC【紅月疾走】を使って、植物を地形ごと削り取りながら、進みます。




 ゴーストタウン・秘雲荘。そこに至るまでの道は植物という天然のバリケードに覆われていた。そこに『銀の雨』である。ゴーストタウン現象と銀雨という、頻発してほしくない化学反応によって秘雲荘の周辺は人を寄せ付けない砦を化している。

 秘雲荘がある山の、一般人でも辿り着ける最奥。すなわち、植物の砦の入り口で。
「登山にはヤブ漕ぎという言葉があって、文字通りヤブをかき分けて進むんですが」
 黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)は前方を確認して、ふぅ、と息を吐く。自然が相手ならば、ヤブ漕ぎのような事態も仕方のないことである。
 しかしながら目の前の植物は、なんていうか、その……敵意(?)みたいなものを感じる。
「今、こうしてオブリビオンもどきなヤブを漕いでいくのは危険ですね。葉や枝で怪我だらけになりそうです」
 オブリビオンもどき、とはよく言ったものである。猟兵ですら意図的に排除しようとする植物らはオブリビオンに属するモノと言っても過言ではないのかもしれない。
「ここは空から行くのが一番ですね! ……と思ったら、秘雲荘が探知できないと」
 空中戦も得意とする摩那ならば空から行った方が効率的だったはずだ。しかし、それは秘雲荘の特性が妨害する。
「さすがはゴーストタウン。手強いです。ぐぬぬぬ」
 思わず唸る摩那。いつの時代でも常識が通じないというのはとっても面倒なのです。

 仕方がないので正面突破、つまり歩きで突っ切ることにした摩那。
 とはいえ、大人しく怪我をさせられるつもりはない。黒い指ぬきグローブをした手に握るのは手に馴染んだ武器、超可変ヨーヨー『エクリプス』。
「エクリプスで道を切り開きます」
 言うが早いか、手から放ったエクリプスが鎌鼬のように飛翔して、入り口を抉り取る。
 その物理的な衝撃にか、あるいは攻撃されたという事実にか。周辺の植物が反応する。
「いけそう、ですね」
 ある意味、植物からの敵意をするりと受け流して。手元に戻ってきたエクリプスを掴みながら、摩那は手応えを確認。十二分に突破できそうだ。
「励起。昇圧、集束を確認……浸食開始」
 すかさず詠唱。エクリプスを握る手にサイキックエナジーが集約されていき、仄かに発光する。
「これで抉り取りましょう」
 と言葉とともに放つのはユーベルコード【紅月疾走】。風を巻き込むほどの高速回転するエクリプスが植物に当たれば、その地点が爆破されたように飛散する。そのままワイヤーが伸びて地面に接地。ヨーヨーの技としては『犬の散歩』の形なのだが。
「……おー」
 全てをなぎ払う勢いでエクリプスが地面ごと植物を削り取りながら進む。
 強烈な攻撃に出来上がっていく道。植物たちはオブリビオンもどきと化していても、オブリビオンではない。自律的に攻撃する機能もなければ、こじ開けられた穴を塞ぐ術もなく。
「では、いきましょう」
 自分より先行して進むエクリプスを追いかけるようにして、摩那は植物の砦の中を進むのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アイ・リスパー
「なるほど、これは確かに天然の要塞ですね。
オベイロン、突破できそうですか?」
『これだけ木々が密集して生えていると、車体が通る幅はありません。
アイには徒歩で向かっていただくしかないかと』

仕方ありません。
【チューリングの神託機械】で偵察用ドローンが集めてきた周辺情報を解析。
目的地への最適なルートを演算しましょう。

「みつけましたっ!
これが最適なルートっ!」

茨に覆われた獣道を通って服がボロボロになり、
朽ちかけた吊り橋を渡ろうとして渓流に落ち、
崖沿いの道を歩けば足を滑らせて落下し、
フリークライミング……はチャレンジする前に諦めました。

「ここ、どこですかー!?」

暗闇に覆われた森の中に私の声が響くのでした。




 ゴーストタウン現象を拡大汚染しようとしているマガツクモとその拠点・秘雲荘。
 秘雲荘に至る道は生い茂る植物に覆い隠されており、また植物そのものの硬度があがっているのも手伝って、通常の手段ではなかなか辿り着けるものではない。

「なるほど、これは確かに天然の要塞ですね。オベイロン、突破できそうですか?」
 アイ・リスパー(電脳の天使・f07909)は『機動戦車オベイロンⅢ』(つい先日、戦争からの修理とパワーアップが完了しました)の操縦席からモニターで周囲を確認しながら、AI『妖精王オベイロン』へ話しかける。ちなみに移動がメインなのでオベイロンⅢ:機動戦車モードである。
『これだけ木々が密集して生えていると、車体が通る幅はありません。アイには徒歩で向かっていただくしかないかと』
「……」
『アイには徒歩で向かっていただくしかないかと』
「…………」
『……ないかと』
「はい……」
 操縦席のシートに体育座りで丸まって抵抗の意志を示していたアイ(運動苦手)だが、オベイロンは無茶してくれませんでした。

「仕方ありません」
 気を取り直してオベイロンⅢから降りたアイがシリアス顔で秘雲荘のある方角を見つめる。こうなったらマジで徒歩で行くしかない。
「電脳空間への接続を確認。万能コンピューターへログイン……」
 アイが自身の電脳空間とリンクを結ぶ。【チューリングの神託機械】によって自身の演算能力を高め、万能コンピューターの計算能力を得たアイはそのリンクをそのまま偵察用ドローンにつなげて周辺へ飛ばす。適度な時間で戻ってくるドローンから集めてきた情報を集約して解析。導き出すのはもちろん秘雲荘への最適なルート。
「みつけましたっ! これが最適なルートっ!」
 導き出された最適解を元に、アイは茂みの中に突入するのであった!

 しかし、植物は手強い。

 茨に覆われた獣道を通ってはその棘を回避しきれず服がボロボロになり(衣服・小破)
「そんなーっ!?」
 朽ちかけた吊り橋を渡ろうとしては腐った板を踏み抜いて華麗に渓流へ落下(衣服・中破)
 渓流からどうにか陸に戻って、崖沿いの道を歩けば今度は渓流に足を滑らせて落下(衣服・大破)

 やめて! もうアイの服は限界よ!!

 そんなアイの前に立ち塞がる絶壁(胸の話ではない)。ここをクリアするにはフリークライミングしか……。
「諦めましょう」
 素早い撤退判断である。チャレンジする前に諦めたアイは再び周囲を確認する。

「ここ、どこですかー!?」

 最適なルートとは何だったのか。やはりアイのドジを上回る結果は訪れないのか。
 薄暗く植物に覆われた森の中にアイの声が響くのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

虻須・志郎
随分と茂っちゃってるなあオイ
まあ、アレ呼ぶか

邪神『第七の飛蝗』の無数の分霊を召喚
なあ、バッタってさ
草 食 う よ な ?

うん、まあそういう訳だ
幾らでもあるからたらふくやっちゃってって
草にグルメとか無いだろ食えよぉ!

召喚した邪神の群れに邪魔な植物を根こそぎ駆逐してもらう
食えないなら薙ぎ倒せ
テメェの怪力とその剣なら余裕だろ?
地形破壊で空いた地形を更に利用
内蔵無限紡績兵装からロープワークで即席の足場をワイヤーで作り
最短距離で敵の拠点へ

実は前から気になってたんでな、あの気配に
マガツクモ……俺の中の邪神と似たような違う様な
『あるいは可能性と言う奴かもしれんな』
内なる邪神の声がする。まあ

やる事は変わらねえ




 このまま放置すればこの辺り一帯を覆うであろう大規模なゴーストタウン現象。その中心地となる秘雲荘は生い茂る植物による天然砦で覆われている。植物には意図的に守る意思はないだろうけれども、銀の雨によって強度を増した葉や枝は刃となって侵入者を阻む。
 結果的に植物の砦はゴーストタウン現象を守る障害となっている。

「随分と茂っちゃってるなあオイ」
 虻須・志郎(第四の蜘蛛・f00103)はその天然かつ広大な植物の砦を前に佇んでいた。途方に暮れているわけではない、仕事前の一服というやつだ。手には『ヴァンプ・シュワルグ』――血液を霧状にして吸引する電子煙草型デバイス。サイバーな見た目が特徴的な志郎であるが、彼にはグールドライバーの面もある。すなわち。
「まあ、アレ呼ぶか」
 刻印(ドライバー)によってUDC(邪神)を取り込む力を持つ。志郎がアレと呼んだモノもまさしく。
「さあ出てこいよ七番目」
 志郎の呼びかけに対して周囲に現れる無数の飛蝗。それは【蝗邪攻神】――邪神『第七の飛蝗』の分霊である。

「なあ、バッタってさ…………草 食 う よ な ?」

 志郎の言葉を切欠に飛蝗たちが一斉に植物の砦に群がる。植物にとってはまさに天敵。しかもあらゆるモノを喰らい尽くす黙示録の災厄級の暴力的なまでの食欲が襲い掛かったのであった。


 志郎の目の前で植物の砦のボリュームが一気に減っていく。
「うん、まあそういう訳だ」
 障害物のなくなった道をゆっくり歩き出す志郎。このまま全てを喰らい尽くせば何の問題はなく。
「幾らでもあるからたらふくやっちゃって……」
『……』
 俺の奢りだ、いくらでも食えよって感じの志郎に対して、飛蝗の分霊たちが志郎を見つめる。じっ……。
「って、草にグルメとか無いだろ食えよぉ!」
『……』
 銀の雨仕立てがお気に召さなかったのか、そんなに食えないっていう抗議の視線だったらしいです。でも召喚主には逆らえないよね!
 そんなわけで砦となっている植物を根こそぎ駆逐していく邪神の群れ。さすがにしっかりとした幹を持つ木は食い尽くせないようだが、かじられかじられ、無残な姿でその場に転がされる。
 折り重なって高台のようになった木の上に飛び乗って、志郎は目的地を確認する。
(これ、いらんなぁ……)
 こう、飛蝗でもどうしようもなかったり、3次元的な移動を披露したほうがいいのかと思っていたりしたわけだが、思った以上にただの草だったらしい。全部食われている。
「……」
 もう1本、ヴァンプ・シュワルグを取り出して口元に運ぶ志郎。大きく開けた秘雲荘への道をゆっくりと歩いていく。

 食い散らかされた植物の砦の名残を踏みしめながら志郎は着実に秘雲荘へと歩みを進める。
(実は前から気になってたんでな、あの気配に)
 身に覚えがある、そしてどうしても意識から振り切れないあの気配。これが『マガツクモ』のものだと、志郎は直感的に理解していた。これを辿れば、間違いなく目的地にたどり着ける。
(マガツクモ……俺の中の邪神と似たような違う様な)
 この感覚はどう表現していいか、彼もまた困惑している。強いて言うなら……そう……。
(『あるいは可能性と言う奴かもしれんな』)
 志郎の思考に文字通り口を挟んだのは内なる邪神であった。
「……まあ。やる事は変わらねえ」
 たっぷりとした間の後、ヴァンプ・シュワルグを口から離して、志郎は見上げた空に息を吐き出す。
 件のゴーストタウンはもう目の前まで迫っていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『誘蛾少女』

POW   :    汚泥弾
【汚泥の如き呪詛塊】を放ち、命中した敵を【呪詛】に包み継続ダメージを与える。自身が【汚れた姿を】していると威力アップ。
SPD   :    凶兆の化身
自身に【凶兆のオーラ】をまとい、高速移動と【疫病】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    穢れの気配
【ケガレ】を纏わせた対象1体に「攻撃力強化」「装甲強化」「敵対者に【疫病】を誘発する効果」を付与する。

イラスト:七夕

👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 植物の天然砦を突破して(一部いた迷子もたどり着けたようです)、猟兵たちは秘雲荘を望む。
 外見は朽ち果て、廃墟同然の様相をしている日本家屋。人を宿泊させる前提の建物はそれなりに大きいが、そも修行者に貸す部屋なので言うほど凝った造りは見受けられない。

 だが。

 どうにか形が残っていた入り口から一歩足を踏み入れると、目の前に広がるのは電気が通ってなかった頃の宿の姿。土間があり、客を迎える式台があり、板間があってその奥に座敷が続いている。座敷の両サイドを通るように廊下があって、その奥が宿泊のための部屋となっているらしい。
 目に見える、板間と座敷にオブリビオン『誘蛾少女』の気配はなく、廊下の奥からその気配はする。ということは、進むしかないようだ。

 会敵を意識しながら、板間に上がり込む猟兵たち。そして、ゆっくりと秘雲荘の攻略を開始したのであった。

※シナリオ補足※
 当章の目的は道中の誘蛾少女を倒すこと。
 迎撃に出てきた誘蛾少女を返り討ちにしていくターンです。
 建物の中のイメージは時代劇とかに出てくる武家屋敷をご想像ください。あんな感じ。
 廊下は向かって左右に続いていますがどちらを選んでも有利不利はありません。
 目に見えている廊下は狭いですが、少し奥に入ると武器を振り回せる広さになります。
 ゴーストタウン現象により、中の広さが変わっています。具体的には武家屋敷が3つくらいくっついていると思ってください。ただし、道は1本なので意図的に寄り道とかしない限りは迷うことは無いです。
 戦闘場所は廊下か座敷か中庭か。特にリクエストがなければ座敷になります。
虻須・志郎
そろりと廊下を歩んで先を目指す
どーせ四方八方から飛んで来るんだろうよ
だが……蛾だろう。飛んで火に入る何とやらだ

眷属を展開し偵察、罠設置、安全を確保しながら敵を誘き出す
さあ来いよ。病気持ちだか何だか知らねえが……
ココは俺の領域だ

自身の周囲には強襲除けの蜘蛛の巣を張り巡らせて
確保した進路を悠々と進む
不意を喰らわそうったって、俺の手駒もいるんだぜ?
背後から眷属に強襲させ順に駆逐していくさ

疾病は眷属が身代わりに
凶兆も何も兆しは既にある
インセインとマッドネスで情報収集し安全第一の道を選ぶ
蜘蛛の巣を破るんだったら蛾の大怪獣でも用意しとくんだったな

なあ、テメェも分かってるんだろ?
闇の向こうの首魁に声を掛けて




 人を、そしてこの世の常識を拒む存在となってしまった『秘雲荘』。ゴーストタウンと化した建物は、見た目は朽ちた日本家屋なのだが、足を踏み入れれば瞬く間に古き良き時代の屋敷の姿へと変化する。否、時空の歪みによって別の場所へと運ばれているらしい。そしてその空間の迷宮化によって、外から見た建物の大きさからはあり得ないほどの広さを見せている。
 それこそがゴーストタウン現象。これが周囲一帯、さらには四国を覆えば。この世界に対するダメージは計り知れない。

 そんなゴーストタウンと化した秘雲荘の廊下を虻須・志郎(第四の蜘蛛・f00103)は進む。慎重に、しかし躊躇うことなく。そろりとした足取りは静かさを備えながらしっかりと廊下を捉えている。
(どーせ四方八方から飛んで来るんだろうよ)
 どこまでも続いている、終着点が見えないほどの長い廊下。その両脇には襖がぴったりと隙間なく、閉じた状態で並んでいる。こちらから開こうとしてもびくともしないわけだが……どう見ても敵が飛び出してくる雰囲気だ。
 だが。
(……蛾だろう。飛んで火に入る何とやらだ)
 歴戦の猟兵にとって読めている展開は、不意打ちにすらならないのだ。

 わずかに空気が動く気配がする。
 それを捉えた志郎は間髪を入れず、眷属を展開する。取り込んだ邪神、その力の系譜。拳サイズの毒蜘蛛たち――【緋狂群魔】が志郎の周辺に現れる。
「眷属ども、地獄からの猛威をここに示せ」
 志郎の指示によって毒蜘蛛たちが散る。先を行き、偵察や罠の設置、あるいは天井に潜み。志郎の安全を確保しつつ、迎撃の態勢を整える。
「さあ来いよ。病気持ちだか何だか知らねえが……ココは俺の領域だ」
 志郎の挑発に反応したのか否か。
 四方八方から『誘蛾少女』が飛び出してきた。
『ぎぃぃぃぃあ゛ぁぁぁぁぁぁ!!』
 自身に凶兆のオーラを纏いながら、誘蛾少女たちが高速で飛翔する。狭い廊下の中を誘蛾少女たちはぶつかることなく、所狭しと。……だが。
『……!?』
 誘蛾少女たちの動きがぴたっと制止した。いや、止められたのだ……蜘蛛の巣に。
「読めてるって」
 嘆息とともに言葉をはきだし、志郎は『ヴァンプ・シュワルグ』を取り出す。定期補給です。
 いかに蛾が素早く飛ぼうとも、何重にも張った蜘蛛の巣に囚われれば自由に動くことは叶わない。
「不意を喰らわそうったって、俺の手駒もいるんだぜ?」
 蜘蛛の糸に絡まって動けない誘蛾少女たちの下を、悠然と進む志郎。志郎が通り過ぎた、ということが合図なのだろう。誘蛾少女たちに眷属の毒蜘蛛たちが襲い掛かって駆逐していく。
『ぎぃぃぃぃっ!!!』
 動けずとも。誘蛾少女たちがその身に纏っている穢れを変化させる。人の身を侵食する疫病として放たれる攻撃は、しかし志郎に届くことはなく。これもまた眷属の毒蜘蛛たちが受け止めて、志郎の安全を確保する。
 ぎち、ぎち、と蜘蛛の巣が揺れても誘蛾少女たちが蜘蛛の巣から逃れることはできない。凶兆の化身とてそれを超える力にはねじ伏せられるのだ。
「蜘蛛の巣を破るんだったら蛾の大怪獣でも用意しとくんだったな」
 そう言いながら、志郎はデバイスを起動。『インセイン』と『マッドネス』、かつて狂乱の星海を共に渡り抜いた、己の分身とも呼べる超電子演算AI接続端末と狂気を正しく見据える為の、邪神の力でキョウ化された生機融合情報分析端末で、この先を分析する。情報収集こそが生き残る道だ。
(凶兆も何も兆しは既にある……)
 自身の安全を第一に考えて、その道を選び続ける志郎。
 進み、進んでいくと……気配が濃くなる。この廊下の一番奥に在る、この秘雲荘の今の主の気配。
「なあ、テメェも分かってるんだろ?」
 いまだ行先のわからぬ廊下の先。全てを飲み込むような闇の向こうにいる首魁に向けて、志郎は言葉を投げかけるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

仰木・弥鶴
秘雲と悲運、雲と蜘蛛
名前の持つ魔力か偶然か……

けれどその悲運がなければとうの昔に取り壊されていたかもしれない
廃墟同然とはいえ、こうして昔ながらの和式建築を間近で拝見できたことは幸運だね

穢れの気配を頼りに奥へ進む
あらかじめディバインデバイスに白燐侵食弾を装填しておき
敵のいる広い廊下に出ると同時に一斉発射
特に前の方にいる敵に攻撃を集中させて
斃した分だけ前に進みながら奥を目指そうか

ここは君たちがいていい場所じゃないんだよ
そろそろこの旅館も悲運から解放されるべきだ

座敷にまで上がったら床の間に破魔の編みぐるみを置き
穢れの気配に侵された空間を浄化
ここを拠点にして、湧き出す敵が尽きるまで白燐侵食弾で殲滅する




 人の営みから離れてしまったがゆえに、常識が通じないゴーストタウンと化した『秘雲荘』。朽ち果てた日本家屋に一歩、足を踏み入れれば、視界に広がるのは古き良き時代の屋敷の姿。時空の歪みと迷宮化によって、外から想像がつかない構造となっているのだ。

「秘雲と悲運、雲と蜘蛛。名前の持つ魔力か偶然か……」

 言葉が持つ力を感じつつ、仰木・弥鶴(人間の白燐蟲使い・f35356)は秘雲荘へ足を踏み入れる。弥鶴が気付いた繋がりがこのゴーストタウン化にどこまで影響しているかはわからない。
 そう感じながらも弥鶴は秘雲荘の中を見渡す。
「けれど、その悲運がなければとうの昔に取り壊されていたかもしれない」
 今の時代まで宿として続いていたかもしれないし。宿として使われ続けたがゆえに、弥鶴の言うように取り壊されていた可能性もある。こればかりは神のみぞ知る、というやつだ。だが。
「廃墟同然とはいえ、こうして昔ながらの和式建築を間近で拝見できたことは幸運だね」
 色んな出来事が重なったがゆえに、今この場に辿り着いたのも事実だ。
 穢れの気配は……まだ遠い。ならば、とこの機会を逃さず、中をゆっくりと見ていく弥鶴。もう少し進むまでは堪能できそうだ。

 弥鶴の体の中にいる白燐蟲がかすかに騒ぐ。どうやら穢れの気配――『誘蛾少女』の存在を感じ取ったらしい。
 それを頼りに廊下を進む弥鶴。廊下の両側に並び立つ襖の向こうに、誘蛾少女の気配が強くなる。
「……!」
 その気配に弥鶴が身構えると同時。誘蛾少女たちが襖を突き破って襲い掛かってくる。
「想定通りだよ」
 そうとだけ告げて。
 弥鶴が【Now or never】を放つ。要となる白燐侵食弾は、あらかじめ天使核を動力とする光背型のディバインデバイス『D.D』に装填済。いつでも誘蛾少女を迎撃できる態勢であった弥鶴は躊躇うことなく、白燐侵食弾を周辺へ一斉発射。ダメージとともに侵食していく白燐蟲で誘蛾少女たちを倒していく。
 だが誘蛾少女たちも一陣だけで終わるわけもなく。第二陣第三陣と雪崩るようにして弥鶴に襲い掛かってくる誘蛾少女たちに。
「いいとも」
 再び白燐侵食弾を放ち、駆逐していく。倒しても倒しても湧いてくる誘蛾少女。群れて押し寄せてくる波の、その前方に攻撃を集中させて、倒した分だけ前に進むという戦法で確実に廊下を奥へと進む。

「ここは君たちがいていい場所じゃないんだよ。そろそろこの旅館も悲運から解放されるべきだ」

 そう告げながら、攻撃の手は一切止めず。遊々とした口調とは裏腹に痛烈な攻撃。誘蛾少女たちに弥鶴の行く手を阻むことは出来ず。
 弥鶴はひとつの座敷に辿り着く。
「……ふむ」
 目的の奥の座敷はこの座敷の奥にあるようだ……が、そこに至るまでにはどうやらこれまで以上の誘蛾少女がいるらしい。
「なら、こうしようか」
 座敷の床の間。そこへ『編みぐるみ』を置く弥鶴。それは封神武侠界の桃源郷に咲く霊花から造られた破魔の宝貝。その力がこの空間の穢れを浄化していく。
「では……やろうか」
 無造作に白燐侵食弾を放つ弥鶴。四方へ放たれた白燐侵食弾が部屋を遮る襖を破壊して、隣の座敷にいた誘蛾少女たちを誘い込む。
「殲滅する」
 浄化された空間を結界として、弥鶴が改めて戦闘態勢に入る。放たれる【Now or never】、白燐侵食弾が弥鶴の周辺を喰らい尽くす。
 湧き出す敵が尽きるまで。弥鶴の攻撃が止むことはない。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アイ・リスパー
「うう、ここまでたどり着くのに苦労しました……」

山道で迷ったせいで、服はボロボロ、身体も泥だらけで、今すぐにでもお風呂に入って着替えたい気分です。

「ですが、最適なルートを割り出した演算の結果であることは間違いありません。
ここまで作戦通りなのです!」

そう、敵は「ケガレ」を纏った相手を強化する能力を持っています!

「つまり、これだけケガレた格好をしていれば、敵の能力は私を対象に発動するはずっ!」

ふっ、私の天才的な頭脳にかかれば、この程度の策、朝飯前です。
決して、今思いついたばかりというわけではありませんからねっ!

「さあ、強化された【バタフライ効果】による竜巻の一撃で切り刻まれてくださいっ!」




 シルバーレインの世界において『人が住まなくなり、常識が失われたことでゴーストの巣窟と化した場所』をゴーストタウンと呼ぶ。それは能力者――世界結界の影響を受けないものだけが認識できる、この世界における異常地点だ。
 ゆえに『銀の雨が降る時代』においては一般人は辿り着くこともなく、また世界結界の影響でゴーストタウンの外に影響を及ぼすこともなかった、まさしく秘境。

 そんな秘境の前に、ボロボロになった少女がようやく辿り着いた。
「うう、ここまでたどり着くのに苦労しました……」
 アイ・リスパー(電脳の天使・f07909)である。
 いや、自己責任やん。とは言わないで上げて欲しい。貧乳がステータスなら迷子だってステータスである。
 なお、なんでボロボロかっていうと、山道で迷ったせいでオブリビオンもどきな植物に服を破られるわ、すっ転んだ先がぬかるみで身体も泥だらけだわ。危うく食虫植物に頭のアンテナ……じゃなかったアホ毛をちょん切られるところであった。散々である。
「今すぐにでもお風呂に入って着替えたい気分です……」
 さもありなん。だがまだ仕事は終わっていない。
 そしてアイの目はまだ輝きを失っていなかった……!
「ですが、私がここにいるということが最適なルートを割り出した演算の『結果』であることは間違いありません。ここまで作戦通りなのです!」
 ほんとでござるかぁ?
 そんなツッコミを入れてくれるオベイロンはここにおらず、アイはドヤ顔で秘雲荘へ足を踏み入れるのであった。

 ゴーストタウン現象で時空の歪みと迷宮化が発生している秘雲荘の廊下をてくてくと歩いていくアイ。その足取りは警戒もなく、とても軽快に突き進んでいく。
 そんなアイはゴーストたちにとっては侵入者で、つまり当然のように迎撃が入る。廊下の左右から大量に現れ、一斉にアイに襲い掛かる『誘蛾少女』たち。
 だが、アイのドヤ顔はまだ崩れない……!
 何故か!
「そう、敵は『ケガレ』を纏った相手を強化する能力を持っています!」
 誘蛾少女の能力だよ。本来は誘蛾少女の手や体に纏わりついていた疫病や毒の気配、あるいは死の存在を強化するものだ。それによって攻撃力と防御力をアップさせて、さらには敵対するものを疫病で苦しめる。
 だがこの能力の基点は誘蛾少女ではなく、ケガレを纏わせた対象なのだ。
「つまり、これだけケガレた格好をしていれば、敵の能力は私を対象に発動するはずっ!」
 これがアイのドヤ顔の根拠であった。得意満面とは正に今のアイのことをいう。
『ぎ、ぃぃぃぃ?』
 誘蛾少女から困惑の声が漏れる。襲い掛かろうとした相手がケガレを纏っているんだから、そりゃ困惑もする。
 そして目論見通り、誘蛾少女たちが間違ってアイを強化してしまう事態が発生する。
「さあ、強化された【バタフライ効果】による竜巻の一撃で切り刻まれてくださいっ!」
 アイが【バタフライ効果】を放つ。電脳魔術によって大気中の気体分子をコントロール。大気の動きを増幅させて生み出した竜巻で、周辺の誘蛾少女たちを軒並み飲み込んでいく。竜巻に飲み込まれた誘蛾少女たちはその内部で斬り刻まれていく。
 竜巻がアイの周辺にいる誘蛾少女たちを喰らい尽くしながら廊下を突き進んでいく。その後ろを悠々と歩いていくアイ。
「ふっ、私の天才的な頭脳にかかれば、この程度の策、朝飯前です。決して、今思いついたばかりというわけではありませんからねっ!」
 言わなければ誰も気づかなかったのになぁ、と思うツッコミ役も今回は外に置いて来たので。
 アイはドヤ顔のまま、奥へ奥へと進んでいくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

黒木・摩那
やっと来ました秘雲荘。思っていた以上にボロいですね。

早くもオブリビオンの気配が濃厚です。
気をつけて挑んでいきましょう。

家の中が戦いの場になるので、【功夫】で戦います。
【第六感】で周囲を警戒しつつ、進みます。

会敵したら、【呪詛耐性】で相手の攻撃を無効化しつつ、【ダッシュ】で接近。
【先制攻撃】でUC【超重新星】でオブリビオンをぶっ飛ばします。

秘雲荘の大掃除の始まりですね。




 ゴーストタウン。『人が住まなくなり、常識が失われたことでゴーストの巣窟と化した』場所。今はゴーストタウン現象が発生している『秘雲荘』も少し前までは自然の流れの中で徐々に朽ち果てようとしていた廃墟に過ぎない。
 ゆえに、外観はとてもぼろい。今すぐにでも崩れてきそうな勢いの日本家屋。されど、猟兵たちが相対すれば、『そんなことはあり得ない』と感じるほどの『力』を感じる。その力の出所こそがゴーストタウン現象――時空の歪みと迷宮化なのだろう。

「やっと来ました秘雲荘。思っていた以上にボロいですね」

 その秘雲荘を前にして、黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)は忌憚のない感想とともにひと息つく。迷うことなく、どちらかというと真っ直ぐここまで辿り着いたわけだが、苦労が無かったわけではない。息をつきつつ、態勢を整える摩那。
 秘雲荘と世界は今、ゴーストタウンという現象で隔絶されている。その隔絶を越えてなお、感じる気配。
「早くもオブリビオンの気配が濃厚です。気をつけて挑んでいきましょう」
 黒い指ぬきグローブ『ラファル』をしっかりと嵌め直して。握った拳の感触を確かめつつ、摩那は秘雲荘へ足を踏み入れるのであった。

 入り口を抜けて、奥へと続く廊下へと進む摩那。先ほどから感じている気配……敵意が針のように鋭くなってきている。
「……」
 感覚を周囲に張り巡らせて警戒する摩那。五感はもちろんのこと、第六感も頼りに廊下を進む……。
 突如、誰もいないのに開いていく左右の襖。シャッ、と音を立てて風通しが全開になった廊下の左右から多数の『誘蛾少女』が襲い掛かってくる。
『ぎぃぃぃぃあぁぁぁぁぁぁ!!』
 絶叫のような、あるいは歓喜のような声を上げながら摩那に向けて四方八方から汚泥の如き呪詛塊を放つ誘蛾少女。
「しかし、それは予想済です!」
 襲い掛かってくるタイミングも第六感が察知していた。汚泥弾が放たれる頃には摩那の戦闘態勢は完了していて、すかさずカウンター。呪詛耐性で強化した掌底で汚泥弾を粉砕する。誘蛾少女の攻撃を迎撃したことで出来上がる、誘蛾少女への道。そこを摩那はダッシュで一気に肉薄。誘蛾少女の態勢が整うより早く。
「集中。力場確認……いきます!」
 拳の一撃を、【超重新星】を叩き付ける! 功夫で鍛え上げられた摩那の拳は鋭く、さらには念動力で強化&威力倍増した単純で重い一撃から放たれる強烈な衝撃が誘蛾少女の体をぶっ飛ばす!
 廊下でボーリングするかのごとく、後続ごとまとめてなぎ倒されていく誘蛾少女。その様子に動揺したのか、動きが止まった別の誘蛾少女へ、摩那は素早く接近して再び【超重新星】。今度は座敷の方へ誘蛾少女を弾き飛ばす!
「秘雲荘の大掃除の始まりですね」
 背後から迫っていた汚泥弾を回し蹴りで叩き落しながら。足の着地とともに構えを取った摩那は口端に笑みを浮かべるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『マガツクモ』

POW   :    鬼蜘蛛の巣
レベルm半径内を【不可視の蜘蛛の巣】で覆い、[不可視の蜘蛛の巣]に触れた敵から【生命力と運気】を吸収する。
SPD   :    ヘルオーバー・ブラック・アウト
戦場全体に【無数の蜘蛛童と正気を奪う瘴気】を発生させる。レベル分後まで、敵は【蜘蛛童と瘴気、触れると麻痺する蜘蛛糸】の攻撃を、味方は【蜘蛛糸の地形効果と呪詛による癒し】の回復を受け続ける。
WIZ   :    メガリスマイスター
【虚空】から、対象の【絶対に勝利する】という願いを叶える【新たなメガリス】を創造する。[新たなメガリス]をうまく使わないと願いは叶わない。

イラスト:黒江モノ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠虻須・志郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●秘雲荘
 ――秘境にて雲を掴む。
 それが秘雲荘の名の由来である。今は観光にも近しいお遍路は古来より修行の場であった。そんな、修行者たちが自分を高めて行く過程の中に、秘雲荘が側に、役に立てたら嬉しい、というのが創立者の想いであった。
 だが人の離れた秘雲荘はゴーストタウン化。そして銀の雨が降る時代に浄化されて、ただの廃墟に戻った。
 一度はゴーストの脅威から解放された秘雲荘が再びゴーストタウン化したのは、間違いなく、過去を再現するというオブリビオン化世界結界の影響であろう。
 そしてその中に強大な蜘蛛が発生した。この地を巣として力を蓄え、周辺一帯を飲み込もうとしている。

 ……これは偶然なのだろうか?

 不運が重なったという偶然の産物であるかどうか。
 その真実は、今は蜘蛛の巣のように白く覆われている。

●奥の座敷
 誘蛾少女たちを駆逐、あるいは殲滅した猟兵たちは先に進む。複雑に構成されている道は、しかしいずれも一つの終着点に繋がっていた。
 その座敷は日本家屋の常識からすればありえないほど広い。大きな木造倉庫の中に畳が敷き詰められているといった方がいいだろうか。
 その中央から白い蜘蛛糸が四方に伸びて張り付いている。蜘蛛の巣……『マガツクモ』の住処。そしてマガツクモが力を溜め込んでいる拠点。
 蜘蛛糸は触れれば絡みつくが、腕力で十分引きちぎれる強度で戦闘の邪魔にはならない。
 猟兵たちの接近を感じて、マガツクモが蜘蛛糸をかき分けて姿を現わす。
『猟兵……まだ戦いの時は整っていないというのに……忌々しい』
 マガツクモが怨嗟の言葉を紡ぐ。縦に長い瞳孔が猟兵たちを睨みつける。
『私が招かれた意味。要。力。容易に譲り渡すつもりはありません』
 一方的に告げて、マガツクモは戦闘態勢に入る。

 秘雲荘を再び、元の廃墟に戻すための。平和を取り戻すための戦いが始まる。

※シナリオ補足※
 畳と柱だけで構成された、だたっぴろい座敷です。一番外縁には襖がありますが、そこまで辿り着くことは無いと思うので無視してオーケー。
 柱は損壊可能ですが、柱そのものは何の力もない木材なので攻撃力は微妙。なお、柱を何本倒しても座敷が崩れることはありません。柱を繋ぐように蜘蛛の糸が張り巡らされていますが、特殊な能力はなく、簡単に振り切れます。ただ、纏わりつきます。
 座敷の中央にはマガツクモの巣があります。破壊可能ですが、依頼の成否には特に関係ありません。
仰木・弥鶴
過去の再現、蜘蛛の先駆け
『彼女』がここでも活動を始めようとしているのだとしたら…
やるせないの一言に尽きるよ

広さを利用してその場からディバインデバイスの避雷針を発射
敵を取り囲む形で撃ち込むついでに
四方の柱へ繋がる蜘蛛糸を切り落として足場の自由を妨げる

【絶対に勝利する】という願い…ね
君が思っているほどその役目は価値あるものじゃないよ、多分ね
かわいそうだけど結果的には捨て駒も同然

言いくるめつつ注意をこちらに引き付ける
邪魔な蜘蛛糸はディバインデバイスで振り払っておき
創造されたメガリスごと裁きの雷で打ち据えるタイミングを待って…

頭上からどかん、とね
極大の雷を浴びせかけてメガリスの使用を阻止させてもらうよ




 蜘蛛の巣が張り巡らされた『秘雲荘』の最奥の座敷。その場に陣取る『マガツクモ』を前にして、仰木・弥鶴(人間の白燐蟲使い・f35356)は呟く。
「過去の再現、蜘蛛の先駆け……」
 それが連想させるのはとある存在。
(『彼女』がここでも活動を始めようとしているのだとしたら……)
 嘆息ひとつ、眼鏡を押し上げながら弥鶴が言葉を紡ぐ。
「やるせないの一言に尽きるよ」
 呟きながら、弥鶴は蜘蛛の巣へと足を踏み入れるのであった。

 巣に足を踏み入れた存在をマガツクモは敏感に感じ取る。
『猟兵……忌々しい……』
 呟き、猟兵を倒すために巣から出たマガツクモが戦闘態勢を取った、その瞬間。
 マガツクモを取り囲むようにして棒状のものが飛来する。高速に撃ち出されたそれは避雷針。弥鶴が光背型ディバインデバイス『D.D』から発射したものである。
「先手は取らせてもらった」
 弥鶴の言葉が示す通り、飛翔した避雷針は周囲に張り巡らされていた蜘蛛の糸を絡めとりながら引きちぎり、マガツクモの優位を削っている。
『……っ』
 弥鶴の声にマガツクモが慌ててメガリスを創造する。その手に収まるのは新たなメガリス、『無限を紡ぐ糸車』。そのメガリスに込めれたものは『絶対に勝利する』という願い。
「【絶対に勝利する】という願い……ね」
 ディバインデバイスを展開しながら距離を詰める弥鶴。
「君が思っているほどその役目は価値あるものじゃないよ、多分ね」
『……』
 弥鶴の言葉に、マガツクモが不快な表情をする。こめかみをピクリと動かす、あの仕草。
「かわいそうだけど結果的には捨て駒も同然」
『要。楔。盾。それらを捨て駒と言うのなら、お前たちは群れ足り得るのか?』
 弥鶴の言葉を挑発と取ったマガツクモがメガリスを振るう。糸車から無限とも言える量の蜘蛛糸が放たれ、弥鶴を捕えんとする。蜘蛛の巣に捕らえられたならば、脱出は難しい。ゆえにメガリスはその必勝の道を導く。
「……」
 小さく息を吐く弥鶴。
 不用意に言葉を発していたわけではない。狙いは最初から決めている。その一点を導くための、用意。邪魔となる蜘蛛の糸はディバインデバイスが絡めとり、振り払う。糸の束が一斉に一方向に流れて、そこに出来上がる道筋。
「頭上からどかん、とね」
 ディバインデバイスが詠唱を奏でると同時、避雷針に囲まれた中心――マガツクモに裁きの雷が降る。
『ぐ、あぁぁぁぁっ!!』
 絶叫しつつ、メガリスから糸の盾を展開して耐えようとするも、メガリスごと破壊せんと迸る極大の雷に飲み込まれていくマガツクモ。
 空間全体に迸ろうとする雷が避雷針に飲み込まれていき、余剰エネルギーで蜘蛛の糸を燃やしていく。
「……メガリスは破壊できた、か」
 雷が去ってなお、その場に在るマガツクモ。しかし弥鶴の指摘通り、手にあった糸車は完全に消失している。
『まだ……楔は活きている。倒れるわけには……』
 身を焼かれながらも、体を揺らして臨戦態勢を整えるマガツクモ。
 戦闘はまだ、これから。

大成功 🔵​🔵​🔵​

黒木・摩那
出ましたね、オブリビオン。
今回は蜘蛛ですか。
いかにもこんな朽ちた日本家屋にはお似合いですが、残念ながら害虫駆除の時間です。

ヨーヨー『エクリプス』で戦います。
外周からは刃を出して高速回転。
蜘蛛の巣を【念動力】で避けながらのジグザク軌道で、マガツクモを斬っていきます。

キメワザはヨーヨーを体に絡めてからのUC【サイキックブラスト】でバリッとしびれてもらいます。

秘雲荘を返してもらいましょう。


アイ・リスパー
「ふふん、ゴーストタウンというからお化けでも出るのかと思いましたが、蛾とか蜘蛛とか昆虫しかでないじゃないですか!」

ふう、ビクビクして損しました。
それでは、害虫退治といきましょう!

【マックスウェルの悪魔】で炎を生み出し、炎の弾丸で害虫を焼き尽くしてあげます!

「って、この瘴気と蜘蛛の糸はっ!?」

突然、周囲に張り巡らされた蜘蛛の糸に絡め取られて身体が痺れてしまい……
さらに瘴気に侵され、蜘蛛童に攻撃されてしまいます。

「くっ、この程度……」

身体が麻痺しても電脳魔術を放つことは可能です!
蜘蛛童と身体に絡みつく糸も対象にして炎を放ちましょう!

「って、熱いんですけどーっ!?」

自分も炎で焼かれて苦しむのでした。




 複数の避雷針でも吸収しきれない雷光が迸る。
 蜘蛛の巣と化した『秘雲荘』の最奥の座敷。最後の戦いの場となっているその場所に2方向から同時に、2人の猟兵が足を踏み入れる。

「ふふん、ゴーストタウンというからお化けでも出るのかと思いましたが、蛾とか蜘蛛とか昆虫しかでないじゃないですか!」
 お化け大嫌いなアイ・リスパー(電脳の天使・f07909)と。
「出ましたね、オブリビオン。今回は蜘蛛ですか」
 紫電チャイナ少女、黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)である。
 対して、オブリビオン化ゴースト『マガツクモ』は先陣を切っていた猟兵の攻撃で黒く焦げ、ダメージで動きが鈍っている。
「いかにもこんな朽ちた日本家屋にはお似合いですが、残念ながら害虫駆除の時間です」
 摩那が超可変ヨーヨー『エクリプス』を構えて告げれば。
「ふう、ビクビクして損しました。それでは、害虫退治といきましょう!」
 アイも『ホロディスプレイ&ホロキーボード』を展開して戦闘態勢完了。

『ああ、幾度でも、幾度でも紡ぎましょう……!』
 マガツクモが吠えれば、その手に新しいメガリスが再誕する。『無限を紡ぐ糸車』、その名の通り、蜘蛛の糸を無限に紡ぎ、放つことが出来るソレをマガツクモが振るう。
「「……!?」」
 マガツクモの周辺、しかも広範囲に蜘蛛の糸で作られた太い束が幾条にも放たれる。数秒後に先端が弾け、そこから蜘蛛の糸が巣のように広がる。
「エントロピー・コントロール・プログラム、起動!」
 アイの手がホロディスプレイの上を滑る。そして素早く起動した【マックスウェルの悪魔】で周辺の熱エネルギーを制御して、アイと摩那の周辺を舐めつくす炎の壁を展開する。
「助かりました!」
 マガツクモを挟んで反対側から声を上げる摩那。エクリプスで対応できないわけではないのだが、あの量を処理するのはちょっと面倒だ。炎という蜘蛛糸に対する絶対的有利に頼れるのならありがたい話。
「お気になさらず!」
 摩那に対して応えつつ、アイは生み出した炎を収束する。
「炎の弾丸で害虫を焼き尽くしてあげます!」
 アイの眼前に生まれる炎の塊。それがマガツクモ向けて放たれる……直前。突如アイの目の前に大量の蜘蛛童が現れる! 同時に周辺に振り撒かれる瘴気。
「って、何ですかこの瘴気っ!?」
 瘴気に一瞬怯んだその瞬間、蜘蛛童たちから一斉に蜘蛛糸が放たれる。
「なっ、蜘蛛の糸が……」
 麻痺の効果を持つ蜘蛛糸がアイの体に絡みつき、拘束する。即効性の麻痺毒に身動きが取れないアイ。さながら蜘蛛の巣にかかった蝶のように動きを封じられたアイへ……蜘蛛童が脚でびしばししばいていく。
「ちょっ、あれっ、ここもっとシリアスなシーンじゃないんですかーっ?!」
 残念。コミカルでした。アイの周りをぐるりと囲んで、順番に前脚でビシバシしていく蜘蛛童。地味に痛い。そしてその傷跡から瘴気が染み込んでいく。どちらかと言うとこっちがヤバい。
「くっ、この程度……」
 と強がるも、アイの体が着実に傷つき、侵食されていく。徐々に抵抗できなくなっていくアイへ。
『!!!!』
 調子に乗った蜘蛛童が一斉に飛び掛かる。
「そこまでです」
 そんな蜘蛛童の群れを、明瞭な声とヨーヨーが斬り裂く。それはアイに合流しようと回り込んでいた、摩那が紡いだ言葉と繰り出したエクリプス。エクリプスの外周からは刃が展開されている状態、それが高速回転しつつ、蜘蛛童の群れへ突っ込んでいけば、通り過ぎると同時に蜘蛛童を真っ二つにしていく。
「蜘蛛の巣や糸の束は面倒ですが、実体のある個体なら」
 複数いようが込み入っていようが、摩那であれば念動力で軌道を操作して一気に仕留めることが出来る。
「た、助かりましたっ」
「いえいえ」
 いまだ蜘蛛糸に囚われながらも危機を脱したアイ。その側に着地しながら摩那が応える。
『糸と子らをいくら倒そうとも。私が健在ならば』
 アイと摩那が態勢を整えるよりも速く。マガツクモが糸車から蜘蛛の糸を放つ。形状は複数の投網と3本の極太の糸束。左右と上から迫る糸束の間を埋めるように投網が放たれて、二人の回避を完全に封じたマガツクモ。
「ですが、身体は麻痺していても電脳魔術を放つことは可能です!」
 アイの【マックスウェルの悪魔】が炎の盾を作り出し、糸束を防御しつつ、炎を伝わせて投網を燃やし尽くす。しかし無限に紡がれる糸が空間を埋め尽くす勢いで放たれる。
「ここを……抜きますっ」
 わずかに、本当にごくわずかに残っている空間。何もない通り道。針の穴に糸を通すような精度で摩那がエクリプスをそこへ放つ。念動力で緻密に操作された軌道でエクリプスがジグザグを描き、穴をすり抜け、マガツクモに到達すれば、高速回転する本体がマガツクモの体に袈裟懸けの傷を刻み込む。
『ぎぃっ……まだ、メガリスは。……っ?!』
 絶対の勝利を叶えるメガリスはまだ健在。うまく使いこなせば勝てるはず。
 だが、そんなマガツクモの行動を封じるように、摩那のエクリプスが渦を描くようにマガツクモの周辺を回って、そのワイヤーで絡めとる。
「バリッとしびれてもらいます」
 ぐっ、と摩那がエクリプスのワイヤーを引っ張り込む。エクリプスと繋がっている右手はもちろん、左手もワイヤーを掴んでマガツクモを締め上げてがっちり拘束。そのまま、両手から【サイキックブラスト】を放てば、ワイヤーを伝っていった高圧電流がマガツクモを麻痺させる!
「アイさん……って、えー!?」
「熱いんですけどーっ!?」
 トドメに炎の弾丸をー、と言おうとして振り返った摩那の視界に入ってきたのは、炎が伝播しまくって自分ごと燃えているアイでした。痺れているから拘束されたままだったらしい。

 なんとか事なき(?)を得て、炎から脱出したアイ。その間も摩那はなんとかマガツクモを抑え込んでいる。
「もう一度……!」
『く、あぁぁぁぁっ!!』
 摩那の【サイキックブラスト】で流し込まれた高圧電流に悲鳴をあげるマガツクモ。
「今です!」
 今度こそ、アイの胸元から【マックスウェルの悪魔】によって放たれた炎の弾丸。それがマガツクモに直撃して、その体を炎で包み込む。
「秘雲荘を返してもらいましょう」
「ええ。これ以上は許しません」
 拘束を解いてエクリプスを手元に戻しつつ、油断なく構える摩那と、なんか焦げているアイと。
 二人の猟兵がマガツクモに大きなダメージを叩き込んだのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

虻須・志郎
ケジメつけに来たぜ
分からんか? テメェは銀の雨が降る世界に現れちまった
俺の中の邪神の可能性の一つ……残滓だよ
だから、己の存在を掛けて――テメェを潰す、だと
それじゃあ行くぜ、覚悟は良いな!

敵の巣をハッキングする縛徒七彩をロープワークで展開
そのメガリスとやらを上手く使わせる訳にはいかねえな
地形を利用し奴に近付きメガリスの捕縛と略奪を試みる
さて、お宝は何だろうなあ?

挑発を交え地形を破壊し奴の機動力を削ぎ
自身の蜘蛛糸で空中戦
場所が悪かったな。ここは既に俺の領域だ
部位破壊でじわりと奴を追い詰めて攻撃を誘い
咄嗟に捨て身の暴力で騙し討ち
神性兵装で生命ごと喰らってやる

俺達の勝ちだ。蜘蛛は一人でいいってさ――!




 雷と炎に焼かれ、蜘蛛の巣は崩壊の一途をたどる。その主たる『マガツクモ』もまた、猟兵たちの攻撃で白い肌を焼かれ、蜘蛛の脚を数本失っている。
『ですが……それでも……』
 しかし、そうなってなお、マガツクモは『秘雲荘』を放棄することを選ばない。ここは要にして楔。そして盾。捨てることは遅れることに他ならない。
 『絶対の勝利』を願うメガリスをその手の中に生み出し、改めて巣を張り直そうとするマガツクモ。

「ケジメつけに来たぜ」

 唐突に話しかけられたその声にマガツクモは動きを止める。それはただの言葉であって、呪いや魔力などが込められていたわけではない。それでも……抗いがたい力があった。
 マガツクモが振り返ったその場に居たのは虻須・志郎(第四の蜘蛛・f00103)。ただ、その姿は『人』のそれとは違う。
 猟兵の根幹を成す彼の真の姿。彼が飲み込んだ邪神の力を完全に顕現させた、曰く、『第四の蜘蛛』。その姿でマガツクモと相対する志郎。
 マガツクモが舐めるように志郎を見る。
「分からんか?」
 志郎の言葉にマガツクモが反応する。おそらく……わかっているのだろう。目の前の存在がどういうものか。銀の雨が降る世界に属してしまったとはいえ、その本質は容易に変わるものではない。
 ゆえに両者は答え合わせをする。
「テメェは銀の雨が降る世界に現れちまった俺の中の邪神の可能性の一つ……残滓だよ」
『……ギィッ……!』
 志郎の言葉に応えるように、あるいは否定するようにマガツクモが唸る。邪神がひとつの存在であるがゆえに、二人の在り方は相容れない。
「だから、己の存在を掛けて――テメェを潰す、だと」
 この場にあるのは敵意のみ。その本能が蜘蛛の巣に駆け巡る。
「それじゃあ行くぜ、覚悟は良いな!」
『来い! 猟兵ッ!!』


 メガリス『無限を紡ぐ糸車』から大小、形様々な蜘蛛の糸が紡がれる。それはマガツクモの巣を強化しながら、志郎の行動を阻害する役目を持って四方へと展開されるが。
「そのメガリスとやらを上手く使わせる訳にはいかねえな」
 志郎の眼……蜘蛛の赤い眼が意志を示す。【縛徒七彩】――ユーベルコードの形に最適化された第四の蜘蛛が顕現すれば、頭上より七色の蜘蛛糸が降り、この場を強制的に支配する。マガツクモの巣を上書きするように展開される七色の蜘蛛糸による巣。
『……ッ!!』
 咄嗟に身を守ろうと蜘蛛の糸繭を作ろうとするマガツクモよりも速く。
 第四の蜘蛛は自身の糸を伝ってマガツクモに肉薄する。
「さて、お宝は何だろうなあ?」
『させるかぁっ!』
 接近してきた志郎に対して、マガツクモが細い瞳孔をさらに尖らせて、脚の爪を振るう。毒と瘴気を滴らせた爪が志郎に襲い掛かるが、それは七色の蜘蛛糸を使ったロープワークによって容易く回避されて空を切る。
『くっ……!』
 素早く四方八方を跳び回る志郎にマガツクモの動きが追い付かない。
「がら空きだぜ?」
『ガァッ?!』
 声と同時に側面から襲い来る衝撃。悲鳴をあげながら吹っ飛ぶマガツクモと、そのマガツクモからメガリスを奪い取って巣の中心に立つ志郎。
 そしてその場からマガツクモの白い糸を虹色に染め上げていく。
「場所が悪かったな。ここは既に俺の領域だ」
 ばぎんっ、とメガリスを握り潰して。
 志郎がゆっくりと歩を進める。
『……ッ』
 既に脚は2本。普通に立つことすらままならないその状態となってもマガツクモは巣を奪い返そうと蜘蛛の糸を張る。
「……」
 志郎がその蜘蛛糸を無言で引きちぎる。
『まだ……』
 マガツクモが千切れた自身の脚を武器にして振るう。爪先が志郎に当たるが、ダメージも効果も発揮されず、弾き返される。
『この場の主は……私だ!!』
 それでもなお、攻撃を仕掛けるマガツクモに。
「……ククク、ハハッ、ハハハッ!!!」
 志郎の口から狂気が漏れる。否、もしかしたらそれは邪神の笑い声だったのかもしれない。
 赤い眼が残光の軌跡を残して。
 志郎がマガツクモに迫る。拳の一撃が残っている脚を消し飛ばす。流れるように放たれた回し蹴りの一撃がマガツクモの上半身をくの字に折る。動きが止まったそこへ最後まで残っていた脚を踏みつぶす……!
『ぐ、あぁぁぁっ!! おのれっ!!』
 そこまで追い込まれてなお、勝利を諦めないマガツクモが新たなメガリスを作り出す。『鈍色の毒』――蜘蛛が持つあらゆる毒を凝縮した一撃必殺の、爪の一撃。
「しまっ……?!」
 不意を打たれたのか。志郎がその一撃をまともに喰らう。ぐらりと崩れ落ちる志郎の体。
『……! ハハ、ハハハハッ!! 慢心するからこうなる! 最後に喰らうまで……』
「……ホントだよ」
『!?』
 崩れ落ちた志郎の姿に勝利を確信したマガツクモの哄笑を遮るように。
 志郎の拳が白銀の装甲に包まれている。『擬似神性兵装“SHIROGANE”』――対神滅殺兵装。志郎の狂気を喰らい増幅し、莫大なエネルギーに変換された強烈な一撃がマガツクモに叩き込まれる!!
「生命ごと喰らってやる」
『あ……やめ……やめろぉぉぉぉあぁぁぁぁぁっ!!!!』
 形状しがたい音を立ててマガツクモが志郎の神性兵装に『喰われて』いく。その音がしばらく響き……そして静寂が訪れる。

 その場に残っているのは蜘蛛の巣のみ。その巣もゆっくりと溶けるように消え始めている。
「俺達の勝ちだ。蜘蛛は一人でいいってさ――!」
 元の。猟兵の姿に戻った志郎がそう告げて。

 『秘雲荘』を巡る猟兵とオブリビオン化ゴーストとの戦いは、猟兵の勝利で決着がついたのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年02月22日
宿敵 『マガツクモ』 を撃破!


挿絵イラスト