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常闇の先に在るものは?

#ダークセイヴァー #常闇の燎原

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#ダークセイヴァー
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#常闇の燎原


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●常闇の燎原の探索
「ダークセイヴァーの第3層、その手掛かりを探すため、『常闇の燎原』を探索して欲しい」
 グリモア猟兵の天御鏡・百々(その身に映すは真実と未来・f01640)は、集まった猟兵達にそう話を切り出した。この常闇の燎原とは、ダークセイヴァーの辺境の先、人類の居住区域の完全なる外側にある地である。猟兵達はかつての探索で、この地へと辿り着いていた。

「遂に我らは、常闇の燎原へと足を踏み入れる事になる。しかしこの地は、空は完全なる闇に覆われ、大地は『黒い炎』に包まれた、恐るべき不毛の平原だ」
 この過酷な地での探索任務だ。当然ながら一筋縄ではいかない。
「この黒い炎は猟兵の侵入に反応して燃え上がる。そして、見る者の恐怖と絶望を駆り立てる幻影を実体と共に生み出し、我らの進行を阻むだろう」
 黒い炎によって、周囲は幻影に覆われて猟兵達はそれに取り込まれてしまう。
「この幻影は、どうやらダークセイヴァーで起こった『悲劇的な出来事』を見せているようだ。この度現れるのは、ヴァンパイアによって壊滅することが予告された村の光景だ」
 この村は一部の村人がヴァンパイアに反抗した結果、三日後に皆殺しにすると宣告されたらしい。逃げようにも村の周囲はヴァンパイアの配下に囲まれており、逃亡は不可能だ。そうして間もなく訪れる死に絶望する様子を、ヴァンパイアは楽しんでいるらしい。
「村の人々は絶望し、集団自殺をしようとしている。先ずは彼らの無理心中を、何らかの手段で止めて欲しい」
 しかし、ここで一つの大きな問題があると百々は言った。
「普段ならばこの程度は容易だろう。しかし、黒い炎の幻影に囚われた猟兵は、自分のことを『この悲劇の中の無力な一般人のひとりである』という風に錯覚してしまうのだ」
 故に、力尽くで何とかするのは困難だ。もしも可能であれば、一般人の立場からこの状況を突破する工夫を考えて欲しい。

「……我の予知で見えたのはここまでだ。この先にも、更なる困難が待ち受けていることだろう」
 猟兵達を阻む黒い炎で覆われたこの地を進めば、苦難の連続になる事は間違い無い。
「しかし、妨害が激しいということは、きっとその先には何かがあるはずだ。皆の力で、それを見つけ出すのだ!」
 百々は猟兵達を激励すると、常闇の燎原への転移を始めるのであった。


夢幻
●マスターの夢幻です。

●1章では、「悲劇に巻き込まれた一般人の立場から工夫して冒険を突破する」ことで、プレイングボーナスを得ることが出来ます。

 1章:冒険『希望無き世界で生きる意味とは』
 2章:集団戦『???』
 3章:???
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第1章 冒険 『希望無き世界で生きる意味とは』

POW   :    力づくで押さえ付け自殺を止める

SPD   :    素早く自殺手段を封じて止める

WIZ   :    生の希望を説いて自殺を止める

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

リーヴァルディ・カーライル
WIZで行動

…確かに、私達だけでこの事態を打開する事はできないかもしれない

…だけど諦めるのは、まだ早い。希望はまだ残されている

…貴方達は聞いた事が無いかしら?
百年の支配に反旗を翻す"闇の救済者"の話を…

…種族も装備もバラバラな彼らは何処からともなく現れて、
吸血鬼の配下や圧政を敷く領主を瞬く間に狩っていくの

…そうしてまた、煙のように消えて次の領地を解放していく

…彼らは領主達が恐れる同族殺しも、辺境伯と呼ばれる強力な貴族をも討ち果たしてきた

…そんな彼らに触発され人々もまた立ち上がり、
人類解放の地"人類砦"を築いたと聞くわ

…希望はまだ残されている。彼らならきっと、この村を見捨てたりはしないはずよ



 黒い炎が燃え上がり、悲劇的な過去が再現される。

「もう終わりだ……この村は滅びるんだ!」
「ヴァンパイアのおもちゃにされるくらいなら、いっそ……!」

 その村は絶望に支配されていた。避けられぬ死を前にして、村人達はせめて嬲られ殺されるよりはと、自ら死を選ぼうとしている。

「………確かに、私達だけでこの事態を打開する事はできないかもしれない……だけど諦めるのは、まだ早い。希望はまだ残されている」

 だが、それを止めるべく声を上げた少女がいた。リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)は、彼らの自殺を止めるべく希望を説く。

「希望? 希望なんかどこにあるんだよ!」
「……貴方達は聞いた事が無いかしら? 百年の支配に反旗を翻す"闇の救済者"の話を……」
「そ、それは……」

 種族も装備もバラバラな彼らは何処からともなく現れて、吸血鬼の配下や圧政を敷く領主を瞬く間に狩っていく。そして煙のように消えていく彼らは、まさしくこの暗黒の世界の希望である。

「彼らは領主達が恐れる同族殺しも、辺境伯と呼ばれる強力な貴族をも討ち果たしてきた。……そんな彼らに触発され人々もまた立ち上がり、人類解放の地"人類砦"を築いたと聞くわ」
「……それが本当なら、もしかすると……」

 『闇の救済者』に『人類砦』、それは猟兵達が支援を続けてきたものだ。数多の任務に参加し、それを誰より手伝って来たリーヴァルディだ。例え自分が一般人と錯覚していても、彼女がそれを忘れるはずも無かった。

「……希望はまだ残されている。彼らならきっと、この村を見捨てたりはしないはずよ」
「それなら、今死ぬ必要はない……? いや、でも……本当に彼らは来てくれるのか?」

 リーヴァルディの説得によって、今すぐにでも自殺を試みようとしていた人々は躊躇い思いとどまった。しかし、救いが来ることに関してはまだ懐疑的な者も多い。彼らを止めるには、更なる説得が必要そうだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

バルタン・ノーヴェ
アドリブ連携歓迎

事前準備の視点では、暴力での解決は無理そうデスネー。
ならば、ワタシが一般人だったとしても行使できる技を振るいマショー!
戦うだけがワタシの力ではありマセーン!

(幻影の中にて)
ふむ……皆様、ヴァンパイアの恐ろしさが身に染みているのデスネ。
でも、まだ手があるはず……その手を模索する時間が必要デス!
そのために、生きる気力を湧かせマース!
村にあるささやかな食材を用いて、今できる精一杯の料理を作りマース!
止めようとする方がいれば、最後の晩餐とでも言い訳しマショー!
温かく美味しい食事をすれば、ポジティブになれるはずデース!
ワタシが初めてチョコレートを食べた時のように……希望をお届けできれば!



「ここが『常闇の燎原』デスカ」

 グリモア猟兵の転移によって現れたバルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)は、目の前に広がる不毛の平原を見渡した。その大地は、黒い炎に覆われている。

「うーん。聞いた話では、暴力での解決は無理そうデスネー。しかし、戦うだけがワタシの力ではありマセーン!」

 グリモア猟兵の話では、この先に進めば猟兵であろうとも幻影に囚われ、自身を一般人と錯覚してしまうとのことだ。だが、それでも猟兵の技能全てが失われるわけでは無い。バルタンは覚悟を決めて、常闇の燎原へと足を踏み入れた。

「助けなんて本当にくるのか……?」
「あの恐ろしいヴァンパイアを倒すなんて、きっと無理だ……」

 村人達はすぐに自殺を選ぶほどでは無いが、その心は絶望に沈みかけていた。このままでは、またすぐに無理心中を選んでもおかしくない。

「ふむ……皆様、ヴァンパイアの恐ろしさが身に染みているのデスネ。でも、まだ手があるはず……その手を模索する時間が必要デス! そのために生きる気力を湧かせマース!」

 絶望的な状況の中でも、バルタンは明るく笑って行動を開始する。彼女は村の備蓄……といってもささやかではあるのだが、それを用いて驚くほど立派な料理を作り上げた。

「皆様、今は美味しく暖かい料理を食べて鋭気を養いマショー!」

 バルタンは渋る村人にも最後の晩餐だなどと言って、料理を食べさせていく。願わくば、彼女が初めてチョコレートを食べた時のように希望を届けることが出来ればと……。

「美味しい……!」
「こんな料理、久々に食べたな……」

 バルタンの料理は、人々に活力を与え、その思考をポジティブに向けていく。まだ村人の中には絶望の表情をした者も散見されるが、全体としては大分その気持ちは上向いてきた様子だ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リオ・ウィンディア
無理には止めない・・・無理には・・・

私にできることは歌うことかしら
「一般人の一人」という幻影の中では私の歌声もままならないかもしれないけれども純粋に歌が好きなの
今の感情を歌おう
最後の晩餐に捧げる歌
寂しくて切なくて、辛くて苦しくて
生きる希望もなくて
できないことが多くて・・・できることがこれしかなくて
(ほろり涙が伝うけれどもそれを隠そうとはあえてしない)

悲しい時は泣こうよ
泣いて泣いて、泣き腫らしたら沸々と湧き上がる気持ちがあるから

ねぇ、みんな
私、もう少し歌っていたいな
みんなのために歌っていたいわ

願うのは悲しみの底にたどり着いてしまえば、
あとは顔を上げて、歩き出せばいいということを知ってもらえたら



「闇の救済者はまだ来ないのか……」
「きっとこの村は見捨てられたんだ……」

 猟兵達の説得で村の雰囲気は上向いてきたものの、ヴァンパイアの予告した期日が近づくに連れて、また村には絶望が蔓延していく。

「今、私に出来ることは……」

 この状況の中、リオ・ウィンディア(黄泉の国民的スタア・f24250)は彼らが自殺に向かおうとすることを、無理に止めようとはしなかった。その代わりに、何か出来ることが無いかと考えた彼女は、歌を歌い始めた。純粋に歌が好きな彼女にとって、それが今ここで出来る最良の手段であった。

「~~~♪」

 幻影の中で自身を一般人であると錯覚しているリオではあるが、その歌唱力は健在だ。それは、最後の晩餐に捧げる歌。彼女の感情の発露であった。

(寂しくて切なくて、辛くて苦しくて。生きる希望もなくて。できないことが多くて……できることがこれしかなくて)

 リオの頬を、ほろりと一筋の涙が伝った。だが、彼女はあえてそれを隠しもせずに歌い続ける。

(悲しい時は泣こうよ。泣いて泣いて、泣き腫らしたら沸々と湧き上がる気持ちがあるから)

 いつの間にか、村の住人達は耳を澄ませて、彼女の歌声に聞き入っていた。そして、彼らも歌に共感して、涙を流していた。

「ねぇ、みんな。私、もう少し歌っていたいな。みんなのために歌っていたいわ」

 絶望の中、今は泣いても構わない。悲しみの底にたどり着いてしまえば、あとは顔を上げて、歩き出せばいいのだから!

 村人達はひとしきり泣くと、一人、また一人と顔を上げる。その目は、活力を取り戻していた。彼らは死ぬことよりも、希望に縋り、抗うことを選択したのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『ヴァンパイア・シャドウ』

POW   :    粘り蜘蛛糸
【両手】から【粘着性の高い「蜘蛛の糸」】を放ち、【拘束する事】により対象の動きを一時的に封じる。
SPD   :    ハイドインシャドウ
自身と武装を【影】で覆い、視聴嗅覚での感知を不可能にする。また、[影]に触れた敵からは【数秒の僅かな時間であるが、正常な判断力】を奪う。
WIZ   :    バッドラックシュート
【自らの気力】を籠めた【不吉な絵柄のカード】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【幸運度】のみを攻撃する。
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「誰も逃がさない……皆殺しにするよ」

 猟兵達は村人達の自殺を止めた。しかし、遂に刻限は訪れ、幻影の中にヴァンパイアの配下達が出現した。たとえ配下であっても、オブリビオンを相手にしては村人達に勝ち目は無い。このままでは、彼らは虐殺を待つのみだ。

 猟兵達を襲う「自分は無力な一般人だ」という錯覚はまだ続いている。だが、それは薄れてきていて、猟兵達は多少なりとも戦う力を取り戻している。ここで、勇気をもって敵を倒し続けることができれば、徐々に周囲の黒い炎の勢いが弱まり、本来の自分を取り戻すことが出来るはずだ。

 猟兵達よ! 村を襲う『ヴァンパイア・シャドウ』 の集団を撃退するのだ!

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※錯覚は残っていますが、ユーベルコードの使用は可能です。
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リオ・ウィンディア
楽器の存在を思い出す
いつも私と共に歩んできた歌と楽器なの
殺意を感じるその感覚に共感するように私も思い出してくる
そう、これは倒さなきゃいけない相手だ

アーケオプテリクスを演奏
そして言葉に力を乗せて、呪詛を載せて
私の幸運が下がったとしても、その呪いすらも歌に変えて

…無力な歌ね(今日はとりわけそう思う
でも、村人を励ませられたことは私の励みだわ
これ以上、生きる思いを邪魔しないでっ

相手の気力に最初は怖気付いていたかもしれない
けれども第六感も冴え渡りだんだん感覚を戻していき
ついにはUC発動

私の歌に共感してくれた村人たち
生きていくと決めたの
そう、あの人とも約束したのよ
(そっと薬指の指輪に口付けして



 『ヴァンパイア・シャドウ』の集団が村を襲撃する。この絶望的な状況に立ち向かうリオの脳裏には、楽器の存在が浮かんでいた。

「私はいつも歌と楽器と共に歩んできた。……そう、これは倒さなきゃいけない相手だ」

 オブリビオンの殺意に晒されて、その感覚に共感するように彼女は猟兵としての使命を思い出す。そしていつの間にやら彼女の手元にあった『アーケオプテリクス』を演奏しながら、リオは呪詛を篭めた歌を歌い始めた。

「……五月蠅い。黙れ」

 だが、その程度ではオブリビオンには煩わしいだけだ。ヴァンパイア・シャドウは『バッドラックシュート』を放ち、リオを不吉のカードが襲う。

「ッ! ―――♪」

 だが、それでもリオは歌うことを止めなかった。不幸の呪詛すらもその歌に変えるように歌い続ける。

(……無力な歌ね。でも、村人を励ませられたことは私の励みだわ)

 歌い続けることで、次第にリオの頭の中の靄が晴れていくようだった。オブリビオンへの恐れも消滅し、遂に猟兵の力、ユーベルコードが発動する。

「これ以上、生きる思いを邪魔しないでっ!」

 リオの慟哭と共に、無数の『赤いカーネーション』が出現した。そしてそれは複雑な軌道を描いて飛翔し、ヴァンパイア・シャドウを貫いていった。

「私も、私の歌に共感してくれた村人たちも生きていくと決めたの。……そう、あの人とも約束したのよ」

 猟兵としての力を取り戻しつつあるリオは、そっと薬指の指輪に口付けると、ヴァンパイア・シャドウを殲滅していくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ルーヴェニア・サンテチエンヌ(サポート)
(※アドリブやアレンジ、協力大歓迎!)
ダークセイヴァー出身の人狼ですけれど、普段はUDCアースに滞在しておりますの。
どんな歌でも心惹かれ、聞いた歌は歌いたくなりますわ。
エレキギターからは軽やかに澄んだ音からぐちゃぐちゃに歪んだ音まで。思いのままに、奏でてみせますの。

~さま呼び、ですの、ですわ口調ですけれど、時折崩れますし、歌う時は自由なのですわ。

実は戦いは得意でなく……少し離れてエレキギターで衝撃波攻撃、オーラ防御したり、歌や演奏で魔法を掛けるような戦い方ですの。
回復系は、歌を媒介として神の御技(みわざ)を分けてもらう(唐突なクレリック要素)のですわ。
新たな設定・戦い方の提案、歓迎しますわ!



「この歌はなんですの……?」

 常闇の燎原の黒い炎による幻影の中に囚われたルーヴェニア・サンテチエンヌ(命短し吼えよ狼 夜は明けねど歌えよ乙女・f13108)は、村のどこかから聞こえる歌声を聞いた。今まさにヴァンパイアの配下に殲滅されようとする状況で、一体誰が歌っているのだろうか?

「……でも、素敵な歌ですわ」

 生きる希望を歌う歌は、強く心に響いた。そして、一般人に過ぎないと錯覚して絶望していた彼女自身も、歌が好きであることを思いだした。

「私も、歌ってみますの。~~~♪」

 いつの間にか手に持っていたエレキギターの『59』で軽やかな音を奏でながら、ルーヴェニアは歌を歌う。その歌と演奏は、いつしかユーベルコード『Courez, ma chanson!』となって、彼女を強化していた。

「! そこにいますの!?」
「くっ……まさか、見つけられるなんて」

 そうして歌を歌う中、不審な足音を聞いたルーヴェニアは、そこへ向けてエレキギターから音の衝撃破を放った。すると、『ハイドインシャドウ』でその姿を影に隠していたヴァンパイア・シャドウが悔しそうに現れた。

「やっつけてやりますの!」

 ルーヴェニアは、その歌唱や演奏を魔法に変えてヴァンパイアシャドウと交戦する。勇気を持って戦い続ける猟兵達は、黒い炎による錯覚から抜け出しつつあった。

成功 🔵​🔵​🔴​

リーヴァルディ・カーライル
…っ、ヴァンパイア!闇の救済者はまだ来ていないのに…

…な、何とかして逃げないと。無力な私に出来る事なんてもう何も…

何もない、はずなのに…何故かしら。恐怖はある。絶望もしている…

…それなのに、心の深い部分でこう感じている私がいる
『狩られるのは私じゃない。お前達だ』…って

UCを発動して不可視の敵の気配を見切り攻撃を回避して受け流し、
召喚術式により呼び寄せた銃を乱れ撃ちする早業のカウンターで迎撃を行う

…ああ、なるほど。これが黒い炎の力だったのね
消えなさい、恐れよ。私は無力な一般人なんかじゃない

…名乗った覚えは無いけれど、あえてこう名乗りましょうか
私はリーヴァルディ・カーライル。闇の救済者であると



「あの御方は、逆らう者は皆殺しにしろと命令した……誰も逃がさないよ」

 いくら使役される程度のヴァンパイアといえ、一般人が勝てるはずが無い。今まさに彼女達による虐殺が始まろうとしていた。

「……っ、ヴァンパイア! 闇の救済者はまだ来ていないのに……な、何とかして逃げないと。無力な私に出来る事なんてもう何も……」

 村人達に希望を説いていたリーヴァルディも、この状況に至ってはどうしようもないと諦めかけている。だがしかし、彼女はそれに何か強烈な違和感を感じていた。

「何もない、はずなのに……何故かしら。恐怖はある。絶望もしている……。それなのに、心の深い部分でこう感じている私がいる『狩られるのは私じゃない。お前達だ』……って」

 そんな困惑する彼女に、ひっそりと影に隠蔽されたヴァンパイア・シャドウが近づいていた。そして、オブリビオンによる奇襲が、リーヴァルディを襲った。

「なっ、避けられた!? ……きゃあっ!」

 しかし、リーヴァルディはその必殺の刃を回避するばかりか、カウンターでの銃の乱れ打ちによってヴァンパイアレディに痛撃を与えていた。自然と『吸血鬼狩りの業』によって、彼女の身体が動いていたのだ。

「……ああ、なるほど。これが黒い炎の力だったのね。消えなさい、恐れよ。私は無力な一般人なんかじゃない」

 そこで、リーヴァルディは全てを理解した。そう、彼女は一般人などではない。彼女は『猟兵』である!

「くっ……貴様、何者だ!」
「……いままでそう名乗った覚えは無いけれど、あえてそれを名乗りましょうか。私はリーヴァルディ・カーライル。"闇の救済者"であると」

 闇の救済者(ダークセイヴァー)、それは猟兵達が付けたこの世界の呼称でもあり、吸血鬼の支配に抗う者達が自らを自称する言葉だ。そしてもう一つ……この世界の人々が、猟兵達を讃えて呼ぶ称号でもある。
 希望の象徴たる闇の救済者として、その力を取り戻しつつあるリーヴァルディは、村を襲うヴァンパイア・シャドウを次々に撃破していくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

バルタン・ノーヴェ
POW アドリブ連携歓迎

もう逃げることはいたしマセーン!
希望を抱え、英気を養い、活力を取り戻したワタシたち。
ワタシたちこそが、闇の救済者となるのデース!
恐るべき吸血鬼に、立ち向かいマース!

とはいえ、蜘蛛の糸は白兵ではヤベーと察しマース。
無策での突撃は敗北必須! 何か……!
と、脳裏によぎるは調理の炎。ワタシにも炎はあるのだと、本来の性能を思い出す!
「……六式武装展開、炎の番!」

ワタシは、そう! サイボーグ!
内蔵していた火炎放射器が火を噴きマース!
糸ごと、ヴァンパイアを焼却デース!

松明にUCの炎を付着させ、村の皆様にも渡していきマース!
エブリワン! 皆様が手にするその炎が、希望の灯となるのデース!



「もう逃げることはいたしマセーン! 希望を抱え、英気を養い、活力を取り戻したワタシたち。ワタシたちこそが、闇の救済者となるのデース!」

 助けは来ず、ヴァンパイア・シャドウによる虐殺が始まろうとしている。だが、そこで黙って殺されはしないと、バルタンは村人達にそれを説いて恐るべきオブリビオンに立ち向かおうとしていた。

「……無駄。貴女たちに勝ち目は無い」
「これは!? 大ピンチでありマース!」

 先頭に立って抗うバルタンに、ヴァンパイア・シャドウは『粘り蜘蛛糸』を放ってきた。粘着性の高い蜘蛛の糸はバルタンを絡め取り、その動きを封じた。やはり、オブリビオンに逆らうなど無謀だったのであろうか?

「何か……!」

 この絶体絶命の状況を逆転する手段は無いかと考えるバルタンの頭に、ふと調理の炎がよぎった。それを切っ掛けにして、彼女は自身の本来の性能を思い出した!

「……ワタシにも炎はあるのデース! 六式武装展開、炎の番!」

 そう、バルタンはサイボーグだ。その身には『火炎放射器』が内蔵されている。それをもってすれば、こんな糸など何という事は無い。彼女のユーベルコードによって放たれた炎は、糸どころかヴァンパイア・シャドウすら焼き尽くした。

「エブリワン! 皆様が手にするその炎が、希望の灯となるのデース!」

 バルタンはその粘着性のある炎でたいまつを作って村人に渡していく。そして彼らを率いて、ヴァンパイアへの反抗を開始したのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『リーシャ・ヴァーミリオン』

POW   :    魔槍剛撃
単純で重い【鮮血槍】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    ブラッディ・カーニバル
自身に【忌まわしき血液】をまとい、高速移動と【血の刃】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    魔槍連撃
【鮮血槍による連続突き】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠天御鏡・百々です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 黒い炎のもたらす錯覚を打ち消し、猟兵達は完全に自分自身を取り戻した。それと同時に幻影も消え去り、猟兵達は不毛の平原へと戻ってきた。

「あははははは!!」

 そんな猟兵達の前に、狂笑を上げるオブリビオンが出現した。本来ならば『リーシャ・ヴァーミリオン』と呼ばれるヴァンパイアのはずだが、両目のあるべき場所から黒い炎を噴出させる彼女は、理性を完全に失っているようだ。そして彼女から放たれるプレッシャーは、彼女が同族殺しや紋章持ちにも匹敵する力を持っていることを感じさせた。

 鮮血を流す槍を手にするリーシャは、視覚はもちろん嗅覚も持っていない。しかし、彼女は猟兵の位置を正確に把握している。どうやら彼女は、『相手が抱いた恐怖や絶望の感情を感知する』ことで攻撃対象を見つけ出し、選ぶ性質を持っている様子だ。もしもそれを上手く利用出来れば……戦いを有利に進められるかも知れない。

 猟兵達よ! この『狂えるオブリビオン』を撃破し、常闇の燎原の奥へと進むのだ!
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プレイングボーナス……敵の「視聴嗅覚を持たず、相手が抱いた恐怖や絶望の感情を感知する」という性質を利用して立ち回る。
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バルタン・ノーヴェ
POW アドリブ連携歓迎!

HAHAHA! グッドモーニング!
……非常に強力でありますが、意思疎通は取れなくなってるようデスネー!
であるなら、戦い方はやりやすいデース!
今回のラストバトル、参りマース!

感情察知という性質は、けっこう鋭敏な様子。
よほど精通してないと気配遮断とか通じそうにありマセーン。
そこで、ロボットの出番であります!
「カモン、ビッグ・バルタン!」「BARU-!」

自立型とはいえ感情を持たぬ機動兵器であれば、感知できないのでは? という判断デース!
ワタシに集中すればビッグ・バルタンの攻撃が、両方に反応するようなら挟み撃ちで前後攻撃という寸法であります!
我輩たちの連携攻撃、ご賞味あれ!



「あははははは!!」
「HAHAHA! グッドモーニング!」

 幻影と錯覚から覚めて間もないが、強敵の出現にバルタンはすぐさま戦闘態勢に移行する。目の前の敵を観察すれば、そこには一切の理性が感じられなかった。

「非常に強力でありますが、意思疎通は取れなくなってるようデスネー! ……であるなら、戦い方はやりやすいデース! 今回のラストバトル、参りマース!」

 強敵相手でも、行動が単純ならばやりようは有ると、バルタンはユーベルコードを発動する。

「カモン、『機動兵器ビッグ・バルタン』!」「BARU-!」

 そしてバルタンが呼び出したのは、『機動兵器ビッグ・バルタン』だ。相手が感情を感知するのであれば、それを持たぬ兵器ならば一方的に殴れるのではという考えだ。その狙い通り、バルタンをトレースして同じ構えを取るビッグ・バルタンを無視して、リーシャはバルタン目掛けて襲い掛かってきた。

「アアッ!!!」
「凄まじい威力……これは当たったらひとたまりもありまセーン!」

 それを予想して身構えていたこともあって、バルタンは辛くも『魔槍剛撃』の強烈な一撃を回避する事が出来た。だが、その一撃は地面にクレーターを刻むほど、敵の戦闘力は想像以上のようだ。

「デスが……機動兵器ビッグ・バルタン、攻撃デース!」
「BARURU-!」

 しかし、そこでリーシャの背後からビッグ・バルタンがチェインハンマーを振るって殴り掛かる。それを感知出来なかったリーシャは、まともに食らって吹き飛んでいった。

「作戦は上手くいったようデスネー。気を抜かずに、ダメージを重ねていくでありマス!」
「BA-RUー!」

 戦いはバルタンが優勢だ。しかし、敵の火力を考えれば油断は禁物である。バルタンは慎重に回避を続け、戦闘を継続するのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

七星・彩華(サポート)
 羅刹の妖剣士×宿星武侠の女です。
『呪詛で溢れた戦場は私の舞台さ!』
 普段の口調は「我が道を行く姐さん(私、お前、呼び捨て、言い捨て)」「仲間にはフレンドリーな姐さん(私、お前、呼び捨て、言い捨て)」

自身が支配する呪詛も武器として扱う戦闘狂、頭脳派で行動に穴があるようで抜け目が無い。
闘う事を至高と考える一方で守る者や仲間との共闘も戦闘の重要な要因と考えている。
行動は天上天下唯我独尊を貫く。
猟兵の夫と娘がいる。


 ユーベルコードは指定した物を使用、怪我は厭わず行動します。
迷惑をかける行為はしません。
例え依頼の成功のためでも公序良俗に反する行動はしません。
 あとはお任せ。よろしくお願いします!



「こいつはなかなかヤバそうな相手だ。だけど……そっちの方がやりがいがあるってもんだね」

 目から黒い炎を噴出させるオブリビオンを見て、七星・彩華(狂い咲く呪詛の華・f32940)はむしろ笑みを浮かべていた。これだけの強敵と戦う機会はそうは無い。戦闘狂の彼女としては、願っても無い戦いだ。

「きゃはっ!」

 対峙する彩華の姿に、リーシャも笑ってユーベルコードを発動させる。忌まわしき血液を纏った彼女による、『ブラッディ・カーニバル』の開幕である。

「あははははは!!」
「チッ! なんて速さだ!」

 目は見えないはずなのに、リーシャは適確に彩華へと血の刃を放ってくる。高速で周囲を駆け巡りながら攻撃をを飛ばしてくるリーシャに、彩華は防戦一方だ。だが、彼女もいつまでもやられているわけでは無い。

「これでどうだ! 『呪詛反撃』!!」

 彩華の反撃のユーベルコードが、リーシャに炸裂する。如何にリーシャが高速移動するといっても、それは彩華が視認出来ぬほどでは無い。彼女の操る呪詛が、リーシャを蝕んでいく。

「呪詛で溢れた戦場は、私の舞台さ!」

 常闇の燎原で、彩華は狂えるオブリビオンと死闘を繰り広げるのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

リオ・ウィンディア
相手が狂っていて、こちらに恐怖がなかったら…?
はて、それはこちらを正しく認識しているといえるかしら
これまでの道のりを考えると今更恐怖とか湧いてこないよ
だから、真っ直ぐに突き進む
翼に追い風を!

吹っ切れたように愚直に敵に肉薄して
【早業、二回攻撃、切断、斬撃波】で切り込んでいくわ

今私の心にあるのは、この先にあるかもしれない第三層の謎への好奇心
悲しみも絶望も無力な歌も
全てを力に変えてここまで来たんだもの
ダガーを逆手に持って素早さで持って対峙する
回避は【第六感】を頼りに

さぁ、道を切り開こう
あなたを倒してそれで終わりとはまだまだ行きそうにないけれども
この一歩は着実に次へ繋がるから!



「あははははは!!」

 リオの前では、目から炎を噴出させているオブリビオンが狂ったように笑っている。彼女から感じられるプレッシャーは凄まじく、それは目の前の相手が紛れもない強敵であることを示していた。

「この大空を駆け抜ける勇気を、この手に希望を。この背に翼を! 私は真っ直ぐに突き進む!」

 だが、そんな敵にも臆すること無く、ユーベルコードで白き翼を生やしたリオは、正面からリーシャへと向かっていく。逆手に持ったダガーで、吹っ切れたように斬りかかるリオ。それに対して、リーシャの動きはどこか精彩を欠いていた。

「これまでの道のりを考えると、今更恐怖とか湧いてこないよ! 悲しみも絶望も無力な歌も、全てを力に変えてここまで来たんだもの!」

 そう、ユーベルコードの追い風もあって、今のリオの心にはこの狂えるオブリビオンへの恐れなど存在しなかった。それ故に恐怖や絶望を感知するこの相手は、リオの認識が上手くいかない。どうにか残った聴覚のみを頼りに戦っているのみだ。これならば相手が如何に強くとも、それを打ち倒すことが可能となる。

「さぁ、道を切り開こう! あなたを倒してそれで終わりとはまだまだ行きそうにないけれども。この一歩は着実に次へ繋がるから!」

 リーシャ必殺の『魔槍連撃』も、狙いが甘ければ回避するのは難しくない。そうして攻撃を外して出来た隙に、リオはダガーを突き立てる。

 この敵を倒せば、その先にはきっと3層に繋がる何かがあるはずだ。リオは第三層の謎への好奇心を胸に、リーシャを追い詰めていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リーヴァルディ・カーライル
…生命ある存在である以上、恐怖や絶望を完全に消す事は出来ない

…だけど、それならばそれで利用するだけよ
その黒炎が私の心に土足で干渉した以上、容赦する気は無い

…お前が私の恐怖に目を向けている間に、全て終わらせてあげるわ

肉体改造術式により強化した動体視力と第六感から敵UCの乱れ撃ちを見切り、
連撃を大鎌のカウンターによる迎撃と「怪力の呪詛」のオーラで防御して受け流しUCを発動

…リーヴァルディ・カーライルが重ねて命じる。過去よ、お前は此処で死になさい

121体の分身全員で「時間王の瞳」による支配を重ね掛けする集団戦術を行い、
敵を呪詛で捕縛して体勢を崩した隙に魔力を溜めた大鎌をなぎ払い首を切断する



「きゃはっ!」

 猟兵達の反撃にあって、リーシャの身体には数々の傷が刻まれ、その身は血塗れとなっている。しかし、それでも尚、狂える彼女は笑い続ける。そんなリーシャを相手にして、歴戦の猟兵であるリーヴァルディすらも恐れを覚えていた。

「……生命ある存在である以上、恐怖や絶望を完全に消す事は出来ない」

 ユーベルコードの加護も為しに、一切の恐れも絶望も消すのは困難極まる。つまり、それを感知するリーシャからは逃れることが出来ないということになる。

「……だけど、それならばそれで利用するだけよ。その黒炎が私の心に土足で干渉した以上、容赦する気は無い」

 だが、それでもリーヴァルディは手があると言い、悪辣な精神攻撃をしてきた黒い炎に目に物を見せるため、狂えるリーシャと相対する。

「……お前が私の恐怖に目を向けている間に、全て終わらせてあげるわ」
「あはははは!!」

 リーヴァルディの恐怖を感知したリーシャが、『魔槍連撃』を放ってくる。それが来ることが解っていてすら、その凄まじい連続攻撃を捌くことは並大抵の技量では為し得ない。リーヴァルディは持てる技術を総動員して、この攻撃に対処する。肉体改造術式により強化した動体視力、鋭い第六感、怪力の呪詛、それらを重ねて、ようやく大鎌『過去を刻むもの』が、リーシャの攻撃を受け流した。

 魔槍の連撃は、強力なだけに外した隙もまた大きい。この機を逃さず、リーヴァルディは、彼女の呪式の奥義たる『吸血鬼狩りの業・幻魔の型』を発動する。

「……リーヴァルディ・カーライルが重ねて命じる。過去よ、お前は此処で死になさい」

 121体のリーヴァルディの分身は、『時間王の瞳』でリーシャを凝視する。そうして重ねられた支配術式は、強大なるリーシャすらも拘束した。そしてリーヴァルディの操る大鎌が、動けぬリーシャの首を刈り取った!
 黒き炎の力を得た狂えるオブリビオンは、ここに討伐されたのだ。

 黒い炎の妨害を突破した猟兵達は、常闇の燎原を奥へと進んでいく。この先に、第3層への道があるのだろうか?

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年02月07日


挿絵イラスト