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殲神封神大戦⑲〜黄巾奉砦

#封神武侠界 #殲神封神大戦 #殲神封神大戦⑲ #大賢良師『張角』

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#大賢良師『張角』


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 異門同胞。
 今回の戦争を大賢良師『張角』が首謀できた最たる理由が、このユーベルコードによるオブリビオンへの支配力にあったのは明白だ。
「私はこの力を用い、封神武侠界を統治する。それこそが最善最良の安寧に至る王道である……!」
 決戦の舞台となる太平道に築かれた砦の祭壇で張角は祈りを捧げ続ける。これこそが異門同胞の力を強めるための儀式。
 彼の支配を盤石にするための文字通り、最後の砦であった。

「砦自体は木製の簡素なもので、規模もそれなりでしかない。機能としては祭壇を奉ることが目的の非常にシンプルな造りだ」
 仰木・弥鶴(人間の白燐蟲使い・f35356)はただし、と付け加える。
「それを守る軍勢の数が普通じゃない。張角に忠誠を誓う印として黄色い布を身に着けたオブリビオンが太平道という開けた草原に大集結してる。まずはこれらをどうにかしないことには、砦に近づくこともできやしない」
 難儀だね、と弥鶴は微笑んだ。
「オブリビオンは寄せ集めの大軍勢で、人型から空を飛ぶ幻獣のような類のものまで多種多様。いずれも張角への忠誠心だけは強いものがある。いざとなれば、身を挺してでも守り抜こうとするはず。特に砦内部には強力なオブリビオンが配置されているようだから、寄せ集めと言えども油断はできない」

 砦内部への侵入を果たした後は張角のいる最上階を目指すことになるだろう。そこには異門同胞の効果を高めるための祭壇が奉られ、張角本人が熱心に祈る姿が確認されている。
「彼を斃せばこの戦争も終結する。今回は必ず先制してくるといった状況にはならないようだから、自由に仕掛けて大丈夫」

 弥鶴は窺うような視線をこちらに向け、「いける?」と訊いた。
「ならいこうか。張角の待ち受ける、太平道の祭壇砦へ」


ツヅキ
 プレイング受付期間:OP公開時~🔵が👑の数に達するまで。

 連携無し、順次リプレイをお返ししていきます。プレイングが送れる間は受付中ですが、執筆のタイミングによっては早めに完結する場合があります。

●第1章
 『祭壇砦』に籠城する張角と、それを護衛する黄巾オブリビオンの軍勢との戦いです。軍事に対する有効な対処法や、それらを突破して張角と戦うことができるとプレイングボーナスになります。
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第1章 ボス戦 『大賢良師『張角』』

POW   :    戦術宝貝「黄巾力士」
無機物と合体し、自身の身長の2倍のロボに変形する。特に【巨人兵士型宝貝「黄巾力士」】と合体した時に最大の効果を発揮する。
SPD   :    黄巾三巨頭
戦闘用の、自身と同じ強さの【妖術を操る地公将軍『張宝』】と【武芸に長けた人公将軍『張梁』】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
WIZ   :    黄巾之檄
【「蒼天已死 黄天當立」の檄文】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。

イラスト:藍

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

仇死原・アンナ
アドリブ歓迎

追い詰めたぞ…騒乱の首魁、張角よ…!
桃源世界を救う為に…貴様の野望打ち砕く為に…!
さぁ行くぞ…我が名はアンナ!処刑人が娘也ッ!

【シュバルツァ・リッター】で幽霊馬を召喚し[騎乗]
戦場を[騎乗突撃]で駆け抜けよう

群がる軍勢を鉄塊剣の[範囲攻撃でなぎ払い恐怖を与え]
軍勢を蹴散らそう

地公将軍には霊剣振るい[破魔と浄化]で妖術諸共切り捨て
人公将軍は鎖の鞭振るい[捕縛し武器落とし]で引き摺り下ろし
砦目掛けて突破しよう

張角!貴様が夢描く王道楽土は潰えるのだ!
今ッ!ここでッ!!!

敵将目掛けて鉄塊剣抜き振るい[怪力と力溜め]で叩きつけて
砦諸共[重量攻撃と地形破壊]で真っ二つに切り捨ててやろう…!



「ようやく追い詰めたぞ……騒乱の首魁、張角よ!」
 仇死原・アンナ(処刑人 魔女 或いは焔の花嫁・f09978)が握る手綱の先には蒼白い炎を噴き上げて嘶く幽霊馬の姿が在った。
「ハッ!」
 横腹を蹴り、最大速度で戦場を駆け抜ける。
「わああッ!!」
 波濤の如く押し寄せる敵の群れを薙ぎ払うのは鉄塊剣。【鉄の処女】を彷彿とさせるそれをアンナが豪快に振るう度に軍勢は蹴散らされ、戦線が崩壊してゆく。
「生ぬるい」
 アンナは祭壇要塞を見据え、高らかに告げた。
「無駄な抵抗は即刻停止せよ! 張角……貴様の野望打ち砕き、桃源世界を救う為ならば……処刑人が娘、アンナは死力を尽くして戦い抜くだろう」
 いざ、と砦を囲む柵を幽霊馬ごと跳び越えて張角の居所を目指す。最終局面を防衛する重要な役どころにも関わらず、オブリビオンの大半はアンナの姿に慄いてまともな役には立たなかった。
「猟兵か……よもや、この祭壇にまで押し寄せてくるとはな。ゆけ、地公将軍! 人公将軍!」
 張角の差し向ける双璧を、しかしアンナは両手の武器を使いこなすことで一気に勝負を決めにかかった。
「通らせてもらうぞ!」
 『張宝』の齎す妖術ごと斬り捨てるのは、清く耀きし破魔と浄化の力持つ霊剣『芙蘭舞珠』。
 一方、武芸に長ける『張梁』自慢の武装を絡めとり、強奪するのは棘の生えた鎖の鞭である。
「なに? あのふたりを突破したというのか!?」
 驚愕する張角へと、鉄塊剣を構えて迫るアンナ。
「張角! 貴様が夢描く王道楽土は潰えるのだ!」
「ぐ……ッ」
「刮目して見よ……今ッ、ここでッ!! 貴様の野望が儚くも散る瞬間を!!」
 アンナの剣を握る腕にありったけの力が籠もる。祭壇も砦も一蓮托生だとばかりに、叩き付ける重量級の剣戟で張角ごと真っ二つに斬り捨てた。
「張角さま!?」
 オブリビオンたちの悲鳴が轟くなかを、アンナは幽霊馬に乗って離脱する。戦果は上々であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

夜刀神・鏡介
さて、小物だなんだとも言われていた張角の元にようやく辿り着いた訳だが……
本人の戦闘力とはまた別の意味で、一筋縄ではいかないようだな

神刀の封印を解除し、参の秘剣【紫電閃】を発動。紫紺の神気を纏って身体能力を強化して、ダッシュで真正面から軍勢に突貫
接敵前にダッシュの勢いを乗せて大きく跳躍。敵の攻撃や着地点にいる敵を斬撃波で捌きつつ、頭上を飛び越えて砦まで突貫
砦内部に侵入したら速度を活かして敵を引き剥がしつつ最上階へ。ショートカットを探すよりは確実に道を進んでいこう

張角の元に辿り着いたら一直線で切り込んでいく。隙あらば張角を狙う事で召喚された2人の動きを制限しつつ、少しずつ確実にダメージを与えていく



 さて、と夜刀神・鏡介(道を探す者・f28122)は聳え立つ祭壇砦を見上げて神刀の封印を解き放った。
「小物だなんだと言われつつ、一筋縄ではいかない状況ではあるな。戦いの趨勢は本人の戦闘力だけでは決まらないというわけか……」
 刀身を紫電が迸った刹那、大地を蹴って敵陣へと突っ込む鏡介の全身を紫紺の神気が包み込む。体が一層軽くなり、力が湧き上がった。
 ――駆ける。
 単身で突貫する鏡介を迎え撃つオブリビオンの軍勢はしかし、接敵の直前に大きく跳躍されてざわりと動揺が広がった。
「はッ!」
 空中から斬り下ろす斬撃波が迫る敵の攻撃ごと纏めて薙ぎ払い、着地地点を綺麗に一掃。軽やかに足を着き、そのまま再び跳躍を繰り返す。
 オブリビオンの頭上を跳び越える鏡介に追撃がかかるも、紫電閃によって引き上げられた身体能力と攻撃回数の増加は有象無象の攻撃など一気に引き離して寄せ付けない。
「張角さまの元へ行かせるな!」
「悪いが、それは聞けない相談だな」
 鏡介は柵を足掛かりに跳び、砦の中層階に到達。目の前の敵を捌きつつ、奥を目指した。
「――祭壇、あそこか」
 戦争の要である祭壇と首魁である張角が揃うという絶妙なる好機。一直線に斬り込む鏡介の前に仁王立つふたりの将軍と切り結びながらも、9倍になった剣戟の幾つかをさりげなく張角へと割り振ってやれば――。
「うッ!?」
「あなたを傷つければ、彼らは消えるのでしょう?」
 となれば、双璧の二将軍は張角を庇わずにはいられないはず。ふたりの動きに迷いが走ったのを見逃さず、鏡介は着実な攻めを重ねていった。少しずつでも傷を与えてゆけば、その先に勝利は見えてくるだろうから。

大成功 🔵​🔵​🔵​

塩崎・曲人
軍勢を一人で相手にするのはアホだわな
つーか普通に無理
「ってな訳で取る手は一つ。逃げ隠れしろ、だ」

開けた草原は視界が良い
敵が接近すりゃすぐわかる
―と、思ってるだろう敵の心理的ウラをかぁーく!
必死の匍匐前進(【地形の利用】)で草に隠れつつ砦へ直行だ
砦に入ったら物陰スニーキングで奥へ
危なくなったらタイマーかけたスマホとかで時間稼いで逃げる

で、張角の相手だ
UCをあえて受けて、と
「さて髭おっさん、オレのおこポイントを解説してやるよ」
「匍匐前進しすぎて愛用のジャケットがドロドロで1点。スマホ無くしたんで1点。急に出てきた変なの2人に殴られたんで1点ずつ」
「合わせて4点、判決は死刑だこの野郎!」(UC使用)



「ははあ、なるほどね」
 鉄パイプで軽く肩を叩きつつ、状況を理解した塩崎・曲人(正義の在り処・f00257)は大草原を埋め尽くす大軍勢を眺め渡した。
「こいつを一人で相手にするのはアホってもんだろ。つーか、普通に無理だし。ってな訳で取る手は一つだ」
 にやりと笑い、隊列を組んで一生懸命にこちらを睨んでいる敵心理の裏をかくべく行動開始。
 ――即ち、必死の匍匐前進である。
 なにしろ草原ゆえに、身を隠す草陰には事欠かない。大乱戦が始まった戦場の至る場所で雄叫びや戦闘音が鳴り響くのを後目に、曲人は砦までの距離を着実に縮めていった。
 まさか、これだけ視界の良い開けた草原で知らぬ間に接近される事態など想定していない大軍勢はあっさりと潜伏侵攻する曲人の存在を見逃してしまったのである。
「さーて、こっからが本番だな」
 砦内でも地形を利用する要領で柱の陰などにこっそりと身を隠しつつ、最奥を目指した。
「あっちか!?」
 敵がタイマーをかけたスマートフォンに引っかかって持ち場を離れた隙に階段を駆け上がって祭壇の間に滑り込む。
「やってしまえ、『張宝』、『張梁』よ!」
「う、うわー! ……なんてな」
 わざと将軍たちの攻撃を受け止めた曲人は、不気味なくらいフレンドリーな笑顔で解説してやった。
「さて髭おっさん、オレのおこポイントを解説してやるよ」
「髭おっ……」
「いいから聞け!」
 よく見ると、曲人のこめかみに青筋が浮いている。
 ガラの悪さ全開で踏み込み、下から睨み付けるように顔を覗き込まれた張角が思わず後ずさった。
「匍匐前進しすぎて愛用のジャケットがドロドロで1点。スマホ無くしたんで1点。急に出てきた変なの2人に殴られたんで1点ずつ」
 ぐっ、と鉄パイプを握り締め。
「合わせて4点、判決は死刑だこの野郎!」
「ぐはッ――……!?」
 仏の顔も三度まで。
 豪快にブチ切れた曲人の鉄パイプが張角の頭、横っ面、腹と順番にぶち抜いてゆき、溜まりに溜まった鬱憤を発散することに成功したという寸法であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エンティ・シェア
楽しそうな集まりだね
私も混ぜてもらおう

茶猫スタイルに化けておいて
最初から全力で行こうね
華焔で、魔力の花を花吹雪に
手元にも花束を抱えて迫ってくる子にプレゼントしよう
御大層な布も
御大層な砦も
御大層な、祭壇も
纏めて全部、燃えてしまえ
そうして出来る道を悠々と歩いてやろうじゃないか
ま、そこまで単純なら統治者を名乗る資格なんて、無いだろうけどね
統治者足りえる格でも、見せて貰おうか

望まず生かされることが
眠ったはずの最期を覆されることが
終わりのない従属に縛られることが
どれだけ苦痛か、私はよく知っている
…私は、私の同居人にそれを強いたのだもの
だからこそ君を説いてやろう、張角
君の描く夢物語に安寧も平穏もないのだと



「これはこれは、とても楽しそうな集まりだね」
 くすりと笑みを零すエンティ・シェア(欠片・f00526)は今日も茶猫スタイルで戦いに混ぜてもらうことにする。
 焔の華を風に乗せ、花吹雪で戦場を彩った。
「なんだ、花……? うわあッ!!」
 綺麗な花には棘があるというけれど、この花には炎がおまけでついてくるというわけだ。次々に命中して炎渦巻く光景が、開けた草原ではよく見渡せる。
「あいつだ、みんなでかかれッ!!」
「ふふ。歓迎するよ」
 出迎えは花束と共に。
 エンティは腕いっぱいに抱えた花を襲いかかる敵の許へと差し出した。たった一輪でもあれだけの炎が生まれるのに、これだけ束ねられてはいったいどれだけの火炎が渦巻いてしまうのだろう。
「わああッ!?」
 もはや、炎の竜巻としか言いようのない巨大な焔がエンティの前に道を敷いた。
 御大層な布が燃え落ちて、御大層な砦に燃え移る。その中をエンティは涼しい顔で歩み出した。炎に対する耐性を持つ身であれば何ともない。
「な、なんで平気なんだ……」
 愕然と尻込みするオブリビオンたちの眼前を悠々と歩いて張角の前に進み出る。
「お初にお目にかかるね」
 さあ、君は果たして統治者たりえる格にあるのかい? そんな問いかけを含んだ挨拶であった。
「貴様は……」
「望まず生かされ、眠ったはずの最期を覆され、終わりのない従属に縛られる……それらの苦痛をよく知る者、とでも名乗っておこうか」
 その時エンティが浮かべたのはもしかしたら自嘲の笑みだったのかもしれない。だって、それは彼が彼の同居人に強いた事実なのだから。
「だからこそ君に説こう。それはただの夢物語。安寧も平穏も……ない。ただの、戯言なのだよ」
「な――」
 張角の拳が震え、唇がわなないた。
「貴様、よくも……」
 だが、その頭上から燃える梁が落ちてくる。さあ、御大層な祭壇までもが炎に呑まれる時がやってきたのだ。
「君に統治者を名乗る資格はないようだね? 全て燃やしてあげるよ、張角。そして全ては灰に、塵に……――」

大成功 🔵​🔵​🔵​

菱川・彌三八
此方から派手に仕掛けて良いだなんて有難ェ
とは云え、俺に軍略を崩す術も頭もねェからな…
あるとすりゃ、其れすらひっくり返す程の大喧嘩くれえサ

鳳凰なら飛ぶ輩にも負けやしねえ
速さと力と勘で只管進むのみ
でかくても掴んでぶん回して叩きつける
…此れだな
でけェのを得物代わりに、辺りを蹴散らして行くとしよう

其れでもキリがなきゃひとっ翔びで砦にカチコミ
此処の奴等のが強ェんだろ
画の力を上げる為、喧嘩の最中も彼方此方に絵を仕掛けて行く

さてお立ち合い
人を操るのが上手くとも、お前ェ自身は強いのかい?

でけェのは下から崩すのが定石
後ろを取って頭蹴り飛ばして見るのも良いか
試してみるさ、どんな手も
折角派手にやれるんだからヨ



 菱川・彌三八(彌栄・f12195)はパンッ、と景気よく両の掌を打ち合わせる。こういう機会を待ち詫びていたのだ。
「確か、此方から派手に仕掛けて良いって話だったはず……」
 とは云え、軍略にはからっきしの彌三八である。ならばと羽織を脱いで晒す上裸に見事な鳳凰の刺青。
「大喧嘩、といくかい」
 直後、わあッと戦場が沸いた。
 彌三八が飛翔した後に積まれてゆく、彼が斃したオブリビオンの山、山、山。飛びかかってくる相手はその胴体を広げた腕で薙ぎ払い、特にでかそうな奴は掴みやすいところを掴んでぶん回す。
「げッ」
 そうして投げ付けた敵同士がぶつかり合い、悲鳴を上げて将棋倒しみたいに総崩れ、だ。
「丁度いい得物代わりだな」
 新たなそれを引っ掴み、右に左にと振り回して他の敵を寄せ付けない。やがて砦が見えてきたので、彌三八は速度を上げて守備の隊列に突っ込んだ。カチコミという奴である。
「ここは通さんぞ、猟兵!」
「なるほどさっきの奴らよりは骨がありそうだ。だがヨ、俺にも伸びしろってェもんがあるんだぜ?」
 大乱闘の最中にも、彌三八の描いた絵が砦の四方八方にて彩を添える。戦いの中に在っても更なる進化を遂げゆく画力は生き生きと精彩を放ち、喧嘩絵巻の完成であった。
「さて、お立合い」
 いよいよ祭壇に立つ張角が見えてきたので、彌三八は「よォ」と気さくに声をかけた。
「人を操るのは上手と聞くが、お前ェ自身は強いのかい?」
 黄巾力士と合体して巨大ロボと化す張角の、回り込む背後からそのでかい後頭部を蹴り飛ばす。
「ッ、貴様……!」
 不意をつかれ、揺らぐ巨体を持て余す張角。でかいのは下から崩すと相場が決まっているが、たまには逆をやってみるのもまた一興。
「ほゥ、試してみるもんだな」
 ぐらりと大きく揺れた後で、張角は受け身を取ることなく地響きを上げながら頽れていった。
 目の前でぶっ倒れる敵を見下ろして、彌三八は軽く首を鳴らす。折角派手にやれるこの機会、存分に暴れまわって機嫌の良さそうな笑顔であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友

第一『疾き者』唯一忍者
一人称:私 のほほん
武器:灰遠雷

ではー、やってみたかったことの一つをやりましょうかー。

UCを使用して、全身を霧へ。生命力を吸収し、同時に幻覚『猟兵たち』をかぶせましょうか。
つまりは同士討ちですねー。

張角は…ロボですねー。ですが、霧である以上、気づかれにくいと思いますのでー。
後ろに回り込むようにして、両手だけ戻しまして。灰遠雷で射抜くことにしますー。
ロボってつまり、機械ですよね?ならば…雷はねえ?
それに、生命力吸収はし続けていますので。

ま、陰海月と霹靂と過ごす『はじめてのお正月』台無しにされたらね?呪いますよ。


陰海月と霹靂、ぷんすこ!



 馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)を構成する複合型悪霊の四人において唯一の忍者である『疾き者』は彼らしい飄々とした微笑みを浮かべつつ、ある策を実行した。
 曰く、「やってみたかったことの一つ」であるらしい。指で印を結び『拐』を発動することで全身を霧へと変化させる。
「ん……なんだこの霧は……?」
 知らずうちに生命力を吸われ、ぞくりと震えるオブリビオンの目に猟兵の大軍が映った。
「いつの間に!? 迎撃だ、あいつらをやれッ!!」
 途端に激しい戦闘の火蓋が斬って落とされる。幻覚によって味方を猟兵と誤認させられているとも知らず、同士討ちに励む彼らの脇を霧化した義透は悠々と通り抜けるのであった。
「おやおや、これほどまでにうまくいくとは試してみた甲斐がありましたねー」
 いよいよ祭壇砦に侵入し、張角との決戦が始まる。
 既に黄巾力士と合体して巨大ロボ化した状態で猟兵を迎え撃つ張角の背後へと霧のまま回り込んだ義透は、弓を引く両腕のみを戻して矢を番えた。
 義透の影で、陰海月と霹靂がぷんすこしている。
 そう、彼らと過ごす『はじめてのお正月』を台無しにされた報いを今まさに受けてもらおうではないか。
 雷の力を宿す霊矢が迸り、穿つ機械部分にショートを誘発。それに生命力吸収がまで加われば正常に動く方がおかしいというものだ。
「ば……ばかな……ッ――」
 砦を巻き込みながら爆ぜる張角を、義透はようやく霧化を解いて見送った。悪霊の呪いや恐るべし、である。
「お正月の仇はとりましたよー」
 影から頭を出して、陰海月と霹靂も快哉を叫んだとかなんとか。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年01月31日


挿絵イラスト